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JP2002529471A - ヒドロボロネート化法 - Google Patents

ヒドロボロネート化法

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Publication number
JP2002529471A
JP2002529471A JP2000581031A JP2000581031A JP2002529471A JP 2002529471 A JP2002529471 A JP 2002529471A JP 2000581031 A JP2000581031 A JP 2000581031A JP 2000581031 A JP2000581031 A JP 2000581031A JP 2002529471 A JP2002529471 A JP 2002529471A
Authority
JP
Japan
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tetramethyl
dioxaborolane
dioxaborolan
reaction
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000581031A
Other languages
English (en)
Inventor
マルクッシオ、セバスチァン、マリオ
ロドポウロス、メアリー
ウェイゴールド、ヘルムート
Original Assignee
コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AUPP6977A external-priority patent/AUPP697798A0/en
Priority claimed from AUPP7935A external-priority patent/AUPP793598A0/en
Priority claimed from AUPQ2158A external-priority patent/AUPQ215899A0/en
Application filed by コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション filed Critical コモンウエルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
Publication of JP2002529471A publication Critical patent/JP2002529471A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B37/00Reactions without formation or introduction of functional groups containing hetero atoms, involving either the formation of a carbon-to-carbon bond between two carbon atoms not directly linked already or the disconnection of two directly linked carbon atoms
    • C07B37/04Substitution
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/025Boronic and borinic acid compounds

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、(i)ハロゲン又はハロゲン類似置換基をビニル置換位置に有するオレフィン化合物、又は(ii)ハロゲン又はハロゲン類似置換基を環置換位置に有する芳香族環を、二置換モノヒドロボランと、第8〜11族金属触媒の存在下で反応させることからなる硼酸アリール又はアルケンの合成方法に関する。本発明は、これらボレートをカップリング反応で使用することにも関する。本発明は、更に或る二置換モノヒドロボラン及び硼酸アリール又はアルケンにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、適当に置換された有機化合物と、置換ボランとを反応させることを
含む有機硼素化合物を製造する方法に関する。特に、本発明は、二置換モノヒド
ロボラン及び関連物質を用いて硼酸アリール又はビニルを合成することに関する
。これらの有機ボレート及びそれらの対応するボロン酸は、有機カップリング反
応で有用な反応物である。それらは、新規及び既知の有機分子を合成するのに特
に有用であり、医薬、殺虫剤、及び他の有用な有機化合物の合成での用途を有す
る。これらの化合物は、有機合成のための有用な中間体及び構成単位となり、結
合化学(combinatorial chemistry)で有用である。
【0002】 有機化合物の間で、分子間及び分子内の両方で共有結合を形成するための方法
は、合成有機科学者にとって特に重要である。多くのそのような反応は既知であ
り、夫々独自の特別な反応条件、溶媒、触媒、活性化基を必要とする。オレフィ
ン部分を含む或る既知の種類のカップリング反応は、次の文献に記載されている
ミカエル反応(一種又は多種)を含んでいる:「有機錯体分子の合成における遷
移金属」(Transition Metals in the Synthesis of Complex Organic Molecules
)〔L.S.ヘゲダス(Hegedus)ユニバーシティー・サイエンス・ブックス(Unive
rsity Science Books)、1994年、ISBN 0-935702-28-8〕;「パラジウ
ム触媒有機反応便覧」(Handbook of Palladium Catalysed Organic Reactions)
〔J.マラロン(Malleron)、J.フィアウド(Fiaud)及びJ.レグロス(Legros)
、アカデミック・プレス(Academic Press)、1997年、ISBN 0-12-46661
5-9〕;「パラジウム試薬及び触媒」(Palladium Reagents and Catalysts)〔J
.ツジ(Tsuji)による「有機合成における革新技術」(Innovations in Organic S
ynthesis)、John Wiley & Sons、1995年、ISBN 0-471-95483-7〕;及
びN.ミユアラ(Miyuara)及びA.スズキ(Suzuki)、Chem Rev., 95, 2457-2483,
(1995)。
【0003】 パラジウム、その錯体、及びその塩の触媒は、カップリング反応に対するC−
H結合の活性化についてよく認識されている。これに関して、パラジウム誘導体
の存在下でのアルケンとハロゲン化アリール又はビニルとのヘック(Heck)反応が
集中的研究の主題になってきている。白金のような他の第VIII族金属触媒もその
ような炭素結合を活性化するのに用いられてきた。
【0004】 ヘック反応の成功は、物質及び反応条件に大きく依存する。二つのβ−水素が
アルケン中に存在する場合、一般に反応は(E)−アルケンの形成をもたらし、
それらは屡々対応する(Z)−アルケンにより汚染されている。
【0005】 硼酸アルケン(アルケニルボレート)は、種々の有機分子と反応して、新しい
炭素・炭素結合を形成することによりカップル生成物(coupled product)を与え
ることができるが(例えば、上記文献参照)、一般に用いられているアルキンの
ヒドロ硼素化(hydroboration raction)反応によるアルケニルボレートを製造す
る方法には限界がある。なぜなら、位置選択化学及び(又は)化学的選択性の欠
如(例えば、異なった官能基の数の減少)により起きる困難な問題があるためで
ある〔N.ミユアラ及びA.スズキ、Chem Rev., 95, 2457-2483, (1995)参照〕
。従って、硼酸アルケンの合成には改良された方法論が必要である。
【0006】 置換ジ−及びトリ−アリール化合物は、医薬及び農薬工業にとって非常に重要
である。数多くのこれらの化合物は医薬活性を有することが判明しているが、他
のものは有用な殺虫剤になることが判明している。芳香族環化合物と一緒に結合
することにより製造された重合体には、重合体工業からも関心が寄せられている
【0007】 適当なグリニャール試薬の反応によるなどした芳香族環を共有結合するための
慣用的方法は激しい条件を含んでおり、活性水素含有置換基を有する芳香族環に
とっては不適切である。活性水素原子を有する置換基は、望ましくない副反応に
巻き込まれ、望ましくない生成物を与えるようになることがある。そのような置
換基は反応前に保護する必要がある。スズキの反応に必要なボロン酸誘導体は、
極めて反応性の有機金属中間体を通って慣用的に合成されている。
【0008】 反応条件の厳しさを考慮すると、ボロン酸誘導体の形成中に存在することがで
きる置換基の範囲はかなり限られており、有用な反応媒体(溶媒)の範囲も限定
されている。
【0009】 今度、特別な置換オレフィン又は芳香族環化合物から、穏やかな条件下で或る
範囲の置換基の存在下で硼酸アリール及びアルケンを合成することができること
が見出された。この方法は、従来のヒドロ硼素化方法論を用いた時に起きる問題
の一つ以上を解決するか、又は少なくとも軽減し、出発材料がアルケンであって
、アルキンではない点で硼酸アルケン製造の場合には基本的に異なった方法であ
る。
【0010】 従って、本発明は、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似(halogen-like)置換基を
有するオレフィン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
物で、然も、有機金属化合物と反応する少なくとも一つの置換基を有する芳香族
環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入することからなる硼酸アリール又は
アルケンを合成するための方法を与える。
【0011】 簡単にするため、上記反応は「ボロネート化反応(boronation reaction)」と
して言及する。
【0012】 用語「二置換モノヒドロボラン」とは、二つの非水素置換基及び一つの水素置
換基を有する一硼素化合物を指す。
【0013】 用語「ボラン残基」とは、B−H結合が切断された後の二置換モノヒドロボラ
ン部分を指す。ボラン残基の一例は(RO)2B−(ここでRは下で定義する通
りである)部分である。
【0014】 この方法は、付加よりもむしろ置換が起きる点で、慣用的ヒドロ硼素化法とは
基本的に異なっている。従って、完全に異なった機構が含まれている。
【0015】 慣用的ヒドロ硼素化法によれば、ピナコールボランについて下で示すように、
アルキルボロン酸エステル3及びアルケンボロン酸エステル5は、対応するアル
ケン2及びアルキン4から形成される:
【0016】
【0017】 これらの反応は、形式的には夫々の基質に一つの水素及びボロン酸エステルを
付加する。塩基は不必要であり、反応は遷移金属物質により触媒作用を与えるこ
とができるが、それは必須ではない。モノアルキルアルキンの場合、反応は主た
る立体異性体として(E)−ピナコール(1−アルケニル)ボロネート5を生ず
る。他の二つの異性体5a及び5bは、この方法を用いて得ることは難しい。
【0018】
【0019】 しかし、本発明は、異性体を得るこれらの問題に対し便利な経路を与える。上
に示したような二重結合を経た付加の代わりに、本発明は、ビニル位置にあるハ
ロゲン又はハロゲン類似置換基をボラン残基で置換する結果を与える。従って、
生成物中のボラン残基の位置はハロゲンの位置によって左右される。
【0020】 芳香族化合物は、試薬Iを用いたのではヒドロボロネート化されない。
【0021】 本発明による方法は、炭素原子をカップリング反応へ活性化するための他の方
法よりも利点を与える。本発明によれば、活性水素官能性を含めた極めて多種類
の官能基を予め保護する必要なく、広い範囲の置換された硼酸アリール及びアル
ケンを合成することができる。
【0022】 ボランと、適当なアルコール又はアミンとの反応により、その場で二置換モノ
ヒドロボランを発生させることができる。特に好ましい態様として、そのように
調製されたボランエステルは、分離することなくボロネート化反応で用いること
ができる。この方法は、エステルのみならず、エステル/アミド又はジアミドを
生成させるのに用いることができる。全く思いがけないことに、この方法は、純
粋な形に分離することもできないか、又は容易に不均化する二置換モノヒドロボ
ランの生成反応を可能にする。或るアミン物質は、希望のH2除去を与える充分
な反応性を持たないボラン付加物を与えることがあり、それらの反応は一層激し
い条件を必要することがある。
【0023】 二置換モノヒドロボランを生成させるのに用いられるボランは、ポリヒドロボ
ランであるのが好ましい。本発明のこの特徴に従って用いることができるポリヒ
ドロボランの例には、BH3のスルフィド及びエーテル付加物が含まれる。その
ような付加物の例には、BH3:S(CH32のようなジアルキルスルフィド付
加物、BH3:THFのようなエーテル付加物、及びBH3:1,4−オキサチア
ンのような環式スルフィド付加物が含まれる。付加物はBH3:S(CH32
あるのが好ましい。
【0024】 上で述べたように、そのようにして製造された硼酸アリール及びアルケンは、
ハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する他の有機化合物に、そのボレートと、
有機化合物とを第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で反応させること
により、カップルすることができる。
【0025】 従って、本発明は、 (A)(i) ビニルカップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を
有するオレフィン化合物、又は (ii) 環カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有す
る芳香族環化合物で、然も、有機金属化合物と反応する少なくとも一つの置換基
を有する芳香族環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
反応させ、ボラン残基を前記カップリング位置に導入することにより硼酸アリー
ル又はアルケンを製造し、 (B) 前記硼酸アリール又はアルケンと、カップリング位置にハロゲン又は
ハロゲン類似置換基を有する有機化合物とを、第8〜11族金属触媒及び適当な
塩基の存在下で反応させ、前記オレフィン又は芳香族環化合物を、前記有機化合
物に、夫々のカップリング位置の間の直接結合によりカップルする、 ことからなる、有機化合物を共有結合する方法を与える。
【0026】 この方法は、適当な反応物を選択することにより、対称性及び非対称性生成物
を製造することができる。
【0027】 この方法を、硼酸アリール又はアルケンを分離することなく、単一のポット中
で行うのが特に便利であるが、未反応二置換モノヒドロボランが存在すると、カ
ップリング工程を妨害し、望ましくない副生成物を形成することがあることが見
出されている。
【0028】 従って、硼酸アリール又はアルケンの製造後、水、アルコール、酸、又はそれ
らの混合物のような適当なプロトン供与体化合物を添加することにより、過剰の
二置換モノヒドロボランを分解する。過剰の二置換モノヒドロボランを容易に分
解できることは、「1ポット」法により非対称的にカップルされた生成物を形成
する場合、特に有利である。特に、非対称的にカップルした化合物を形成するに
は、対称的にカップルされた化合物を排除するため、予め形成されたボロン酸エ
ステルに、カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する有機化
合物を添加する時、反応溶液中に過剰の二置換モノヒドロボランが存在しないこ
とが必要である。
【0029】 ビニル又は環カップリング位置にハロゲン又はハロゲン置換基を有するオレフ
ィン及び芳香族環化合物の場合には、夫々対称性生成物を数多くのやり方で製造
することができる。
【0030】 一つの態様として、二置換モノボランを、2当量のオレフィン又は芳香族環化
合物と接触させ、硼酸アリール又はアルケンを形成し、そのボレートを残留する
ハロゲン化化合物と反応させてカップル生成物を形成する。この態様によれば、
共有カップリングは、ハロゲン化化合物の二つの分子の夫々のカップリング位置
の間の共有結合からなる。硼酸アリール又はアルケンが形成した後、第二塩基を
添加するか、且つ(又は)反応混合物を加熱してカップリング反応に触媒作用を
与えるか又はそれを促進してもよい。別法として、カサリンH.スミス(Kathari
ne H Smith)、エバM.キャンピ(Eva M. Campi)、Wロイ・ジャクソン(W Roy Ja
ckson)、セバスチャン・マルクシオ(Sebastian Marcuccio)、シャーロッタG.
M.ネスルンド(Charlotta G. M. Naeslund)及びグレンB.デアコン(Glen B. D
eacon)、Synlett Jan, 131-132, (1997)に記載されているように、酸化カップリ
ングを用いてもよい。
【0031】 対称性生成物は、先ず硼酸アリール又はアルケンを製造し、次に反応媒体に更
にハロゲン化化合物を添加することにより製造することもできる。前の方法と同
じように、カップリング反応を促進するため、反応に塩基を添加するか、且つ(
又は)それを加熱する必要があることがある。反応媒体に同じハロゲン化化合物
を添加する代わりに、異なったハロゲン化化合物を添加するならば、非対称性生
成物を得ることができる。有機化合物の添加前に、過剰のモノヒドロボランを破
壊するのが有利である。塩基が溶解する第二溶媒を添加することも、ボレート合
成に用いた溶媒にその塩基が溶解しない場合には有利である。
【0032】 ここで用いられる用語「オレフィン」及び「オレフィン化合物」は、芳香族又
は擬芳香族系の一部ではない少なくとも一つの炭素・炭素二重結合を有する有機
化合物を指す。オレフィン化合物は場合により置換された直鎖、分岐鎖又は環式
アルケン;及び分子、単量体、及び重合体及び樹枝状物のような巨大分子で、少
なくとも一つの炭素・炭素二重結合を有するものから選択することができる。適
当なオレフィン化合物の例には、エチレン、プロピレン、ブテ−1−エン、ブテ
−2−エン、ペンテ−1−エン、ペンテ−2−エン、シクロペンテン、1−メチ
ルペンテ−2−エン、ヘキセ−1−エン、ヘキセ−2−エン、ヘキセ−3−エン
、シクロヘキセン、ヘプテ−1−エン、ヘプテ−2−エン、ヘプテ−3−エン、
オクテ−1−エン、オクテ−2−エン、シクロオクテン、ノネ−1−エン、ノネ
−4−エン、デセ−1−エン、デセ−3−エン、ブタ−1,3−ジエン、ペンタ
−1,4−ジエン、シクロペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1−ジエン、シク
ロヘキサ−1,3−ジエン、シクロヘキサ−1,4−ジエン、シクロヘプタ−1
,3,5−トリエン、及びシクロオクタ−1,3,5,7−テトラエン(これら
は夫々場合により置換されていてもよい)が含まれるが、それらに限定されるも
のではない。直鎖、分岐鎖、又は環式アルケンは、2〜20個の炭素原子を有す
るのが好ましい。オレフィン化合物は、α,β−不飽和カルボニル化合物でもよ
く、或は共役ジエンでもよい。ここで用いられる用語「共役ジエン」とは、ディ
ールス・アルダー反応でのジエンとして働くことができる化合物を指す。
【0033】 一つの態様として、オレフィン化合物(i)は、式I:
【0034】
【0035】 {式中、R1、R2及びR3は、夫々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アル
キニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアルキル、及びヘテロア
リールアルキル(それらの各々は場合により置換されていてもよい)、シアノ、
イソシアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ハロ、アルコキシ、アルケノキ
シ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ
、ハロアリールオキシ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル
、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ジベンジルアミノ、アルケニルアシル、
アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオ
キシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクロ
キシ、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、アル
キルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホ
、カルボキシ(カルボキシラトを含む)、カルバモイル、カルボキシミジル、ス
ルフィニル、スルフィンイミジル、スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジ
ル、スルホンジイミジル、スルホノヒドロキシミル、スルファミル、燐含有基〔
ホスフィニル、ホスフィンイミジル、ホスホニル、ジヒドロキシホスファニル、
ヒドロキシホスファニル、ホスホン(ホスホナトを含む)及びヒドロヒドロキシ
ホスホリルを含む〕、アルコキシシリル、シリル、アルキルシリル、アルキルア
ルコキシシリル、フェノキシシリル、アルキルフェノキシシリル、アルコキシフ
ェノキシシリル、及びアリールフェノキシシリルから選択される} の化合物である。
【0036】 ここで用いられる用語「芳香族環化合物(一種又は多種)」とは、一つ以上の
芳香族又は擬芳香族環を含むか、又はそれらからなる化合物を指す。これらの環
は、カルボ環式、又はヘテロ環式でもよく、単又は多環式環系のものでもよい。
適当な環の例には、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル
、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、1−ベンジルナフタレン、アントラセ
ン、ジヒドロアントラセン、ベンズアントラセン、ジベンズアントラセン、フェ
ナントラセン、ペリレン、ピリジン、4−フェニルピリジン、3−フェニルピリ
ジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、チアントレン、フラ
ン、ピレン、イソベンゾフラム、クロメン、キサンテン、フェノキサチン、ピロ
ール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インド
ール、インドリジン、イソインドール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタ
ラジン、キノクサリン、キナゾリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、
フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、イソチアゾー
ル、イソオキサゾール、フェノキサジン等(これらは夫々場合により置換されて
いてもよい)が含まれるが、それらに限定されるものではない。用語「芳香族環
化合物(一種又は多種)」には、分子、及び重合体、共重合体及び樹枝状物(den
drimers)のような巨大分子で、一つ以上の芳香族又は擬芳香族環を含むか、又は
それらからなるものが含まれる。用語「擬芳香族」とは、厳密には芳香族ではな
いが、π電子の非局在化により安定化し、芳香族環と同様な仕方で挙動する環系
を指す。擬芳香族環の例には、フラン、チオフェン、ピロール等が含まれるが、
それらに限定されるものではない。
【0037】 ここで用いられる用語「カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基
を有する有機化合物」とは、オレフィン又は芳香族化合物へのカップリングが望
まれる位置に、炭素対ハロゲン、又は炭素対ハロゲン類似置換基を有する有機化
合物を指す。この有機化合物は、脂肪族、オレフィン系、アリル系、アセチレン
系、芳香族、重合体、又は樹枝状系のものでもよい。この有機化合物は、上で定
義したようなオレフィン系化合物又はそのようなオレフィン系化合物の一部であ
ってもよい。この有機化合物は、一つ以上の、好ましくは1〜6のハロゲン又は
ハロゲン類似置換基をカップリング位置に有する。
【0038】 ここで用いられる用語「カップリング位置」とは、有機化合物上の、別の有機
化合物に対するカップリングが望まれる位置を指す。オレフィン系炭素・炭素結
合の一部である炭素原子上のカップリング位置は、「ビニルカップリング(vinyl
ic coupling)位置」としても言及されている。夫々のオレフィン系化合物又は有
機化合物は、一つ以上、好ましくは1〜6のカップリング位置を有することがで
きる。
【0039】 ここで用いられる用語「置換位置」とは、ボラン残基による置換が望まれるオ
レフィン系又は芳香族環化合物上の位置を指す。各有機化合物は、一つ以上、好
ましくは1〜6の置換位置を有することができる。芳香族化合物では、置換位置
は直接環上にあるのが好ましく、オレフィン系化合物では、置換位置はビニル位
置にあるのが好ましい。有機化合物が重合体又は樹枝状物である場合には、それ
は多くの置換位置を有する、。
【0040】 ここで用いられる用語「離脱性基(leaving group)」とは、ボロン酸残基によ
り置き換えることができる化学基を指す。適当な離脱性基は当業者に明らかであ
り、ハロゲン及びハロゲン類似置換基の外、エステル基が含まれる。
【0041】 本明細書中「場合により置換されている」とは、基が、アルキル、アルケニル
、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニ
ル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキ
シ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオ
キシ、イソシアノ、シアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ニトロアルキル
、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリ
ル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニ
ルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、イミノ、アル
キルイミン、アルケニルイミン、アルキニルイミノ、アリールイミノ、ベンジル
イミノ、ジベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、ア
リールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホ
ニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロキシ
、ヘテロシクルアミノ、ハロヘテロシクリル、アルキルスルフェニル、アリール
スルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、アルキ
ルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホ、
及び燐含有基、アルコキシシリル、シリル、アルキルシリル、アルキルアルコキ
シシリル、フェノキシシリル、アルキルフェノキシシリル、アルコキシフェノキ
シシリル、及びアリールフェノキシシリルから選択された一つ以上の基で更に置
換されていてもいなくてもよいことを意味する。
【0042】 オレフィン化合物(i)は、二置換モノヒドロボランとの反応を可能にするた
め、ビニルカップリング位置に少なくとも一つのハロゲン又はハロゲン類似置換
基を持たなければならない。同様に、有機化合物は、硼酸アルケン中間体との反
応を可能にするため、カップリング位置に少なくとも一つのハロゲン又はハロゲ
ン類似置換基を持たなければならない。好ましいハロゲン置換基には、I、Br
及びClが含まれる。クロロ置換化合物の反応性は、第8〜11族金属触媒に適
当なリガンドを選択することにより増大することができる。用語「ハロゲン類似
(halogen-like)置換基」及び「擬ハロゲン(pseudo halide)」とは、もし存在す
るならば、第8〜11族金属触媒及び塩基の存在下で二置換モノヒドロボランの
置換を受け、硼酸アリール又はアルケニルを与えるか、又は有機化合物に存在す
るならば、硼酸アリール又はアルケニルとの置換を受けてカップル生成物を与え
ることができる置換基を指す。ハロゲン類似置換基の例には、トリフレート及び
メシレート、ジアゾニウム塩、ホスフェート、及び「パラジウム、試薬及び触媒
」〔J.ツジ(Tsuji)による「有機合成における革新技術」、John Wiley & Sons
、1995年、ISBN 0-471-95483-7〕に記載されているものが含まれてい
る。
【0043】 本発明による方法は、特に、グリニャール試薬又はアルキルリチウムのような
有機金属化合物との反応性をもち、従って、これらの置換基が先ず保護されない
限り、標準グリニャール法又は金属アルキルを用いた反応では不適切な置換基を
有する芳香族又はオレフィン化合物から硼酸アリール及びアルケンを形成するの
に適している。そのような種類の反応性置換基の例は、活性水素含有置換基であ
る。ここで用いられる用語「活性水素含有置換基」とは、反応性水素原子を有す
る置換基を指す。そのような置換基の例には、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ア
セチレノ、カルボキシ(カルボキシラトを含む)、カルバモイル、カルボキシイ
ミジル、スルホ、スルフィニル、スルフィンイミジル、スルフィノヒドロキシミ
ル、スルホンイミジル、スルホンジイミジル、スルホノヒドロキシミル、スルフ
ァミル、ホスフィニル、ホスフィンイミジル、ホスホニル、ジヒドロキシホスフ
ァニル、ヒドロキシホスファニル、ホスホノ(ホスホナトを含む)、ヒドロヒド
ロキシホスホリル、アロファニル、グアニジノ、ヒダントイル、ウレイド、及び
ウレイレンが含まれるが、それらに限定されるものではない。それら置換基の中
で、ヒドロキシ及びアミノ置換基で反応を行うことができることは特に驚くべき
ことである。活性水素を有する置換基を有するそれら化合物については、付加的
二置換モノヒドロボランが必要になることがある。本発明の方法の付加的利点は
、出発材料をその場で可溶化することができることである。
【0044】 本発明は、予め保護することなく、活性水素含有置換基を有する化合物の反応
を可能にしているが、そうすることも出来、時々有利である。保護基の使用は、
ボロネート化反応を行うのに必要な二置換モノヒドロボランの量を減少すること
ができる。適当なヒドロキシ保護基の例は、「有機合成における保護基」(Prote
ctive Group in Org Synthesis)〔T.W.グリーン(Green)及びPウッツ(Wuts)
J、Wiley & Son、第2版、1991年〕に記載されている。特に好ましい態様
として、活性水素化合物を、上に記載したポリヒドロボランの一つであるボラン
化合物、例えばハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するフェノール化合物と反
応させる。ボランメチルスルフィド付加物のようなボラン化合物を用いてフェノ
ールのトリエステルを形成することができ、そのエステルは、後のボロネート化
反応で反応物として用いることができる。第一の場合に、アリールボロン酸物質
のピナコール又は他のエステルを求めないならば(これらは後でエステル化/エ
ステル交換することにより作ることができる)、ボランとフェノールとのジエス
テルを作ることができ、次にそれをボロネート化試薬として用いることができる
。別法として、硼酸エステルを、例えば、フェノールアリールハロゲン化物によ
り部分的に又は完全にエステル交換し、この物質を後の硼酸化反応で試薬として
用いることができる。硼酸も、例えばヒドロキシ(フェノール)基を有するアリ
ールハロゲン化物を用いたトリエステルの形成により、活性水素を除去するのに
用いることができる。
【0045】 この概念は、活性水素置換基を有する他の反応物にも拡張することができが、
ボラン反応物は一般に第一級又は第二級アミンの活性水素基と反応しないことに
注意すべきである。
【0046】 ビニル置換位置に、ハロゲン類似置換基を有するオレフィン化合物を製造する
一つの方法は、β−水素を有するカルボニル基をトラップされたエノール型へ転
化することによるものであり、このエノールは本発明の方法で有用である。これ
は、そのエノールを、メシレート又はトリフレート基等によりトラップすること
により達成される。次にこのエノールを、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基
の存在下で二置換モノヒドロボランと反応させ、ボロン酸ビニルを形成する。
【0047】 オレフィン又は芳香族環化合物と、二置換モノヒドロボランとの反応に必要な
誘導時間は、促進剤を添加することにより実質的に減少することができることが
思いがけなく見出されている。
【0048】 従って、本発明の更に別の態様として、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するオレフィ
ン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
物、 を、第8〜11族金属触媒、適当な塩基、及び促進剤の存在下で二置換モノヒド
ロボランと反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入することからなる、硼酸
アリール又はアルケンの合成法が与えられる。
【0049】 促進剤は、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下でオレフィン又は芳
香族環化合物と二置換モノヒドロボランとの反応速度を増大することができる適
当な化合物又は試薬である。促進剤はアミドでもよい。適当なアミド促進剤の例
には、p−ヨードアセトアニリド、アセトアニリド、アセトアミド、及びN−メ
チルアセトアミドが含まれる。
【0050】 促進剤を使用することは、電子吸引基を有する芳香族環化合物の反応、又はオ
レフィン化合物の反応で特に有利である。
【0051】 適当な塩基又は塩基混合物で処理することにより、反応に用いる前に触媒活性
度を増大することができることも見出されている。有機アミンは、この処理に適
切な塩基である。反応速度を増大することの外に、この触媒処理は、副生成物の
形成を減少する更に別の利点も有する。特にこの触媒処理は、基質の脱ハロゲン
化度を減少し、必要な有機ボロン酸誘導体の収率を増大し、触媒のリガンドから
アリール基が誘導されたアリールボロン酸誘導体の量を減少する。
【0052】 二置換モノヒドロボランを触媒と接触させる前に、塩基(一種又は多種)によ
る触媒の活性化を行うのが有利である。この活性化は、触媒を塩基(一種又は多
種)と共に加熱することにより達成することができる。塩基は、ボロネート化反
応を促進するのに用いられるアミンでもよい。活性化に必要な温度及び反応時間
は、触媒組成物、塩基の性質、及び溶媒によっても変化する。触媒は、後のボロ
ネート化反応で殆ど又は全く誘導時間がなくなる程度まで処理すべきである。或
る触媒の場合、活性化が起きると色が変化する。活性化された触媒は、後のボロ
ネート化反応で用いるために保存してもよく、或は一緒に加熱した塩基から分離
することなく、活性化に続き直ちに用いることもできる。
【0053】 本発明のこの態様により、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するオレフィ
ン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入し、 然も、前記第8〜11族金属触媒を、前記二置換モノヒドロボランと触媒とを
接触させる前に、有機アミンで処理することにより活性化する、 ことからなる、硼酸アリール又はアルケンの合成方法が与えられる。
【0054】 上の定義中、用語「アルキル」は、単独で、又は「アルケニルオキシアルキル
」、「アルキルチオ」、「アルキルアミノ」、及び「ジアルキルアミノ」のよう
な化合物名の中に用いられているが、直鎖、分岐鎖、又は環式アルキル、好まし
くはC1-20アルキル又はシクロアルキルを指す。直鎖及び分岐鎖アルキルの例に
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチル
プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチル
ブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチル
ブチル、1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,
2−トリメチルプロピル、へプチル、5−メトキシヘキシル、1−メチルヘキシ
ル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチル
ペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1.3−ジメチルペンチル、1.4−ジ
メチル−ペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブ
チル、1,1,3−トリメチルブチル、オクチル、6−メチルヘプチル、1−メ
チルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、1−、2−、3
−、4−、5−、6−又は7−メチル−オクチル、1−、2−、3−、4−又は
5−エチルヘプチル、1−、2−又は3−プロピルヘキシル、デシル、1−、2
−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−メチルノニル、1−、2−、3−、
4−、5−又は6−エチルオクチル、1−、2−、3−又は4−プロピルヘプチ
ル、ウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−又は9−メ
チルデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−エチルノニル、1−
、2−、3−、4−又は5−プロピルオクチル、1−、2−又は3−ブチルヘプ
チル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−
、7−、8−、9−又は10−メチルウンデシル、1−、2−、3−、4−、5
−、6−、7−又は8−エチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−又は6−
プロピルノニル、1−、2−、3−又は4−ブチルオクチル、1−2−ペンチル
ヘプチル等が含まれる。環式アルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル
、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロ
ノニル、シクロデシル等のような単又は多環式アルキル基が含まれる。
【0055】 用語「アルコキシ」とは、直鎖又は分岐鎖アルコキシ、好ましくはC1-20アル
コキシを指す。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、及び異なったブトキシ異性体が含まれる。
【0056】 用語「アルケニル」とは、前に定義したようなエチレン系モノ−、ジ−、又は
ポリ−不飽和アルキル又はシクロアルキル基を含めた直鎖、分岐鎖、又は環式ア
ルケンから形成された基を指し、C2-20アルケニルが好ましい。アルケニルの例
には、ビニル、アリル、1−メチルビニル、ブテニル、イソブテニル、3−メチ
ル−2−ブテニル、1−ペンテニル、シクロペンテニル、1−メチル−シクロペ
ンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、シクロヘキセニル、1−ヘプテニ
ル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、シクロオクテニル、1−ノネニル、2−
ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、3−デセニル、1,3−ブタジエニル
、1,4−ペンタジエニル、1,3−シクロペンタジエニル、1,3−ヘキサジ
エニル、1,4−ヘキサジエニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シ
クロヘキサジエニル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプ
タトリエニル、及び1,3,5,7−シクロオクタテトラエニルが含まれる。
【0057】 用語「アルキニル」とは、前に定義したアルキル及びシクロアルキル基と構造
的に似たものを含めた直鎖、分岐鎖、又は環式アルキンから形成された基を指す
。アルキニルの例には、エチニル、2−プロピニル、及び2−又は3−ブチニル
が含まれる。
【0058】 用語「アシル」は、単独又は「アシルオキシ」、「アシルチオ」、「アシルア
ミノ」、又は「ジアシルアミノ」のような化合物名の中で用いられているが、カ
ルバモイル、脂肪族アシル基、及び芳香族アシルとして言及される芳香族環、又
は複素環アシルとして言及される複素環式環を含めたアシル基を指し、C1-20
シルであるのが好ましい。アシルの例には、カルバモイル;直鎖又は分岐鎖アル
カノイル、例えばホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチル
プロパノイル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、
、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ド
デカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデ
カノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイル、及びイコサ
ノイル;アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、t−ペンチルオキシカルボニル、及びヘプチル
オキシカルボニル;シクロアルキルカルボニル、例えばシクロプロピルカルボニ
ル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、及びシクロヘキシル
カルボニル;メチルスルホニル及びエチルスルホニルのようなアルキルスルホニ
ル;メトキシスルホニル及びエトキシスルホニルのようなアルコキシスルホニル
;ベンゾイル、トルオイル及びナフトイルのようなアロイル;アラルカノイル、
例えば、フェニルアルカノイル(例えば、フェニルアセチル、フェニルプロパノ
イル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチリル、フェニルペンタノイル、及
びフェニルヘキサノイル)、及びナフチルアルカノイル(例えば、ナフチルアセ
チル、ナフチルプロパノイル、及びナフチルブタノイル);アラルケノイル、例
えば、フェニルアルケノイル(例えば、フェニルプロペノイル、フェニルブテノ
イル、フェニルメタクリロイル、フェニルペンテノイル、及びフェニルヘキセノ
イル)及びナフチルアルケノイル(例えば、ナフチルプロペノイル、ナフチルブ
テノイル、及びナフチルペンテノイル);フェニルアルコキシカルボニル(例え
ば、ベンジルオキシカルボニル)のようなアラルコキシカルボニル;フェノキシ
カルボニル及びナフチロキシカルボニルのようなアリールオキシカルボニル;フ
ェノキシアセチル及びフェノキシプロピオニルのようなアリールオキシアルカノ
イル;フェニルカルバモイルのようなアリールカルバモイル;フェニルチオカル
バモイルのようなアリールチオカルバモイル;フェニルグリオキシロイル及びナ
フチルグリオキシロイルのようなアリールグリオキシロイル;フェニルスルホニ
ル及びナフチルスルホニルのようなアリールスルホニル;複素環カルボニル;複
素環アルカノイル、例えば、チエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエニ
ルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキサノイル、チアゾリルアセ
チル、チアジアゾリルアセチル、及びテトラゾリルアセチル;複素環アルケノイ
ル、例えば、複素環プロペノイル、複素環ブテノイル、複素環ペンテノイル、及
び複素環ヘキセノイル;チアゾリルグリオキシロイル及びチエニルグリオキシロ
イルのような複素環グリオキシロイル;が含まれる。
【0059】 ここで用いる用語「複素環(heterocyclic)」、「ヘテロシクリル(heterocycly
l)」、「ヘテロシクル(heterocycl)」は、それ自身か、又は「複素環アルケノイ
ル」、「ヘテロシクロキシ」、又は「ハロヘテロシクリル」のような用語の一部
分として用いられているが、N、S、及びOから選択された一つ以上のヘテロ原
子を有し、場合により置換されていてもよい芳香族、擬芳香族、及び非芳香族環
(単数又は複数)系を指す。環(単数又は複数)系は、3〜20個の炭素原子を
有するのが好ましい。環(単数又は複数)系は、「芳香族環化合物(一種又は多
種)」の定義に関連して上で述べたものから選択してもよい。
【0060】 ここで用いる用語「アリール」とは、それ自身か、又は「ハロアリール」及び
「アリールオキシカルボニル」のような基の一部分として用いられているが、炭
素原子から構成され、場合により一つ以上のヘテロ原子と共に構成された芳香族
及び擬芳香族環(単数又は複数)系を指す。環(単数又は複数)系は、3〜20
個の炭素原子を有するのが好ましい。環(単数又は複数)系は、場合により置換
されていてもよく、「芳香族環化合物(一種又は多種)」の定義に関連して上で
述べたものから選択してもよい。
【0061】 適当なモノヒドロボランの例には、式、(RX)2B−H〔式中、各Xは、独
立に、O、S及びNR″(ここでR″はH、場合により置換アルキル、又は場合
により置換アリールである)から選択され、各Rは独立に、場合により置換アル
キル、場合により置換アリールから選択されるか、又は−B(XR)2は、式II
【0062】
【0063】 (式中、R′は、場合により置換アルキレン、アリーレン、又は他の結合脂肪族
又は芳香族部分を有する二価の基であり、Xは上で定義した通りである。) の環式基を表す。〕の化合物が含まれる。好ましい二置換モノヒドロボランは、
ジアルコキシヒドロボランであり、それらには、4,4−ジメチル−1,3,2
−ジオキサボリナン、4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン
、4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、4,4−ジ
メチル−1,3,2−ジオキサボロラン、4,4,5−トリメチル−1,3,2
−ジオキサボロラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
ロラン、4−フェニル−1,3,2−ジオキサボリナン、n−プロパンジオール
ボラン(1,3,2−ジオキサボリナン)、5,5−ジメチル−1,3,2−ジ
オキサボリナン、(4R,5R)−4,5−ビス(1−メトキシ−1−メチルエ
チル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ビス(1−
メトキシ−1−メチルエチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、ジナフト[2
,1−d:1,2−f][1,3,2]ジオキサボレピン、(4R,5R)−3
,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−オキサザボロリジン、(4S,5
S)−3,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−オキサザボロリジン、(
4R,5R)−3−イソプロピル−4−メチル−5−フェニル−1,3,2−オ
キサザボロリジン、及び(4S,5S)−3−イソプロピル−4−メチル−5−
フェニル−1,3,2−オキサザボロリジンが含まれる。新規で、本発明の更に
別の態様を表す或る好ましい二置換モノヒドロボランは、(4R,5R)−4,
5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジメ
チル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ジフェニル−
1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1,3
,2−ジオキサボロラン、(4S)−4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジ
オキサボロラン、(4R)−4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボ
ロラン、テトラヒドロ−3aH−シロクペンタ[d][1,3,2]ジオキサボ
ロール、3−メチル−1,3,2−オキサザボロリジン、(6R)−4,4,6
−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、(6S)−4,4,6−トリメ
チル−1,3,2−ジオキサボリナン、ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオ
キサボロール、(4R,5R)−4,5−ビス(メトキシメチル)−1,3,2
−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ビス(メトキシメチル)−1,
3,2−ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ジシクロヘキシル−1,
3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジシクロヘキシル−1,
3,2−ジオキサボロラン、(5R)−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,
3,2−ジオキサボロラン、(5S)−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,
3,2−ジオキサボロラン、(4R)−4−フェニル−1,3−ジオキサ−2−
ボラスピロ[4,4]ノナン、(4S)−4−フェニル−1,3−ジオキサ−2
−ボラスピロ[4,4]ノナン、(4S,5S)−4,5−ビス(1−メトキシ
シロクペンチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−
ビス(1−メトキシシロクペンチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S
,5S)−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピ
ル、(4R,5R)−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジ
イソプロピル、(1R,2S,6S,7S)−1,10,10−トリメチル−6
−フェニル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デ
カン、(1S,2R,6R,7R)−1,10,10−トリメチル−6−フェニ
ル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、(
3aR)−3a−メチル−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピ
ロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール、(3aS)−3a−メチ
ル−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][
1,3,2]オキサザボロール、(3aR)−3,3−ジ(2−ナフチル)テト
ラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール、(3
aS)−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c
][1,3,2]オキサザボロール、(4S,5S)−4,5−ビス[(4R)
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−1,3,2−ジオキ
サボロラン、(4R,5R)−4,5−ビス[(4S)−2,2−ジメチル−1
,3−ジオキソラン−4−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン、(2R)−
2−{(4S,5S)−5−[(2R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デ
シ−2−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル}−1,4−ジオキ
サスピロ[4.5]デカン、(2S)−2−{(4R,5R)−5−[(2S)
−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イル]−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−4−イル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン、(4S,5
S)−N4,N4,N5,N5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4
,5−ジカルボキサミド、(4R,5R)−N4,N4,N5,N5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミド、(1R,2R,
6S,8R)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシク
ロ[6.1.1.02.6]デカン、及び(1S,2S,6R,8S)−2,9,
9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6
]デカンが含まれる。
【0064】 ヒドロボラン誘導体のあるものは、他のものよりも一層容易に後の加水分解を
受け易く、穏やかな反応条件を使用させることができる。更に、用いるヒドロボ
ラン誘導体の妥当な選択により、形成される反応生成物について制御し易くする
ことができる。ジオキシヒドロボラン誘導体は、タッカー(Tucker)C.E.その
他による、J. Org Chem., 57, 3482-3485, (1992):コントレラス(Contreras)R
.その他による、Spectrochimica Acta, 40A, 855, (1984);又はベロ・ラミレ
ズ(Bello-Ramirez)M.A.、ロドリゲス・マルチネス(Rordiguez Martinez)M
.E.及びフローレス・ペラ(Flores-Parra)A.による、Heteroatom Chem., 4, 613, (1993)の方法に従って、製造することができる。ヒドロボラン誘導体の他
の製造方法も当業者に知られている。
【0065】 本発明は、或るキラル化合物への経路も与える。キラル硼酸アリール及びアル
ケンは、キラル二置換モノヒドロボランを用いて製造することができる。もしキ
ラルモノヒドロボランが、一方の鏡像異性体が他方のものより多いエナンチオマ
ー過剰率を有するならば、それは、対応するエナンチオマー過剰率を有するキラ
ル硼酸アリール及びアルケンを生ずることができる。硼酸アリール又はアルケン
のキラリティー(chirality)もカップル生成物に転移する。キラル生成物は、キ
ラル触媒を用いて達成することもできる。
【0066】 ここで用いる用語「第8〜11族金属触媒」とは、Chemical and Engineering
News, 63(5), 27, (1985)に記載されている周期表の第8〜11族の金属を含む
触媒を指す。そのような金属の例には、Ni、Pt及びPdが含まれる。触媒は
、パラジウム触媒であるのが好ましいが、他の第8〜11族金属の同様な触媒も
用いることができる。
【0067】 適当なパラジウム触媒の例には、Pd3(dba)3、PdCl2、Pd(OA
c)2、PdCl2(dppf)CH2Cl2、Pd(PPh34、及びホスフィン
リガンド〔例えば、(Ph2P(CH2nPPh2)(ここでnは2〜5である)
、P(o−トリル)3、P(i−Pr)3、P(シクロヘキシル)3、P(o−M
eOPh)3、P(p−MeOPh)3、dppp、dppb、TDMPP、TT
MPP、TMPP、TMSPP、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル
、(R,R)−Me−DUPHOS、(S,S)−Me−DUPHOS、(R)
−BINAP、(S)−BINAP、及び関連する水溶性ホスフィン〕、関連す
るリガンド(例えば、トリアリールアルシン、トリアリールアンチモン、トリア
リールビスマス)、亜燐酸リガンド〔例えば、P(OEt)3、P(O−p−ト
リル)3、P(O−o−トリル)3、P(O−iPr)3、亜燐酸トリス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)、及びSTREMカタログNo.18(「研究のた
めの薬品:金属、無機物、及び有機金属」(Chemicals for Research: metals, i
norganics and organometallics)1999−2001)に記載されている他の例
、及びパラジウム原子に配位するためのP及び(又は)N原子を有するものを含
めた他の適当なリガンド(例えば、ピリジン、アルキル及びアリール置換ピリジ
ン、2,2′−ビピリジル、アルキル置換2,2′−ビピリジル、及び嵩張った
第二級又は第三級アミン)の錯体である関連する触媒、及びリガンドが存在又は
存在しない他の簡単なパラジウム塩が含まれるが、それらに限定されるものでは
ない。パラジウム触媒には、炭素上のパラジウムのように、固体担体上に支持さ
れるか又は結合されたパラジウム及びパラジウム錯体の外、パラジウムブラック
、パラジウムクラスター、他の金属を含有するパラジウムクラスター、及びJ.
リ(Li)、A.W−H.マウ(Mau)及びC.R.ストラウス(Strauss)、Chemical C
ommunications, p.1275, (1997)に記載されているような多孔質ガラス中のパラ
ジウムが含まれる。本方法の異なった工程に触媒作用を与えるため、同じか又は
異なった第8〜11族金属触媒を用いてもよい。アリール基と、芳香族環化合物
と交換することができないか、又はこの交換を最小にするリガンドを有する触媒
を選択するのが有利になることがある。
【0068】 第8〜11族金属触媒は、白金錯体でもよい。適当な白金触媒の例には、Pt
(dba)2、Pt(PPh32Cl2、PtCl2、Pt(OAc)2、PtCl 2 (dppf)CH2Cl2、Pt(PPh34、及びホスフィンリガンド〔例え
ば、(Ph2P(CH2nPPh2)(ここでnは2〜5である)、P(o−トリ
ル)3、P(i−Pr)3、P(シクロヘキシル)3、P(o−MeOPh)3、P
(p−MeOPh)3、dppp、dppb、TDMPP、TTMPP、TMP
P、TMSPP、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、(R,R)−
Me−DUPHOS、(S,S)−Me−DUPHOS、(R)−BINAP、
(S)−BINAP、及び関連する水溶性ホスフィン〕、関連するリガンド(例
えば、トリアリールアルシン、トリアリールアンチモン、トリアリールビスマス
)、亜燐酸リガンド〔例えば、P(OEt)3、P(O−p−トリル)3、P(O
−o−トリル)3、P(O−iPr)3、亜燐酸トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)、及びSTREMカタログNo.18(「研究のための薬品:金属、
無機物、及び有機金属」(Chemicals for Research: metals, inorganics and or
ganometallics)1999−2001)に記載されている他の例〕、及び白金原子
に配位するためのP及び(又は)N原子を有するものを含めた他の適当なリガン
ド(例えば、ピリジン、アルキル及びアリール置換ピリジン、2,2′−ビピリ
ジル、アルキル置換2,2′−ビピリジル、及び嵩張った第二級又は第三級アミ
ン)の錯体である関連する触媒、及びリガンドが存在又は存在しない他の簡単な
白金塩が含まれるが、それらに限定されるものではない。白金触媒には、炭素上
の白金のように、固体担体上に支持されるか又は結合された白金及び白金錯体の
外、白金ブラック、白金クラスター、他の金属を含有する白金クラスターが含ま
れる。
【0069】 第8〜11族金属触媒は、米国特許第5,686,608号明細書に記載され
ているものから選択してもよい。或る反応では、異なる塩基度及び(又は)立体
構造を有するリガンドを用いるのが有利である。適当なNi触媒の例には、ニッ
ケル錯体、ラニーニッケル、炭素上のニッケル、ニッケルクラスター、又はニッ
ケルブラックが含まれる。好ましい触媒は、容易に酸化付加及び還元除去を受け
易い触媒である。これらの基準に基づいて、当業者は適当な触媒を選択すること
ができるであろう。パラジウム触媒が好ましい。第8〜11族金属触媒は、他の
金属を含んでいてもよい。
【0070】 適当な触媒には、メタロ環状化合物、及び反応媒体中でその場でメタロ環状物
質を形成することができる化合物も含まれる。
【0071】 本発明による触媒は、その場で形成してもよい。例えば、パラジウムのホスフ
ィン錯体からなる触媒は、酢酸塩のようなパラジウム(II)塩及び希望のモノ−
又はジ−ホスフィンを、Pd/P元素比が約1:2になるような比で添加するこ
とにより、その場で調製することができる。アルシン、例えば、ビス(ジフェニ
ルアルシノ)エタン等のようなアルシンも、Pdと一緒に用いて、アリールハロ
ゲン化物型の物質のボロネート化のための活性触媒を形成することができる。
【0072】 ボロネートを製造する方法は、適当な溶媒又は溶媒混合物中で行うことができ
る。そのような溶媒の例には、低級脂肪族カルボン酸の低級アルキルエステル、
環式及び低級第二級及び第三級アミン、低級脂肪族カルボン酸と低級脂肪族第二
級アミンとのアミド、芳香族又は脂肪族炭化水素、アセトニトリル、ベンゾニト
リル、エーテル、ポリエーテル、環式エーテル、低級芳香族エーテル、及び他の
溶媒との混合物を含めたそれらの混合物が含まれる。
【0073】 好ましい溶媒には、n−ヘプタン、DMA、DMSO、1,2−ジクロロエタ
ン、トルエン、アセトニトリル、ジオキサン、DME、ジエチルエーテル、TH
F、又はそれらの他の溶媒との混合物が含まれる。溶媒が無水ではない場合、更
に二置換モノボラン誘導体を添加するのが有用である。
【0074】 本発明による方法の各工程を行う温度は、希望の反応速度、選択した溶媒中の
反応物の溶解度及び反応性、溶媒の沸点等を含めた数多くの因子に依存する。反
応温度は、一般に−100〜250℃の範囲にある。好ましい態様として、本方
法は0〜120℃、一層好ましくは15〜80℃の温度で行われる。
【0075】 ここで用いられる用語「適当な塩基」とは、反応混合物中に存在する時、反応
物間の反応に触媒作用を与え、それを促進又は補助することができる塩基性化合
物を指す。反応の希望の結果により、塩基は一つの工程、又は一つより多くの工
程を促進するのに適当なものにすることができる。例えば、オレフィン又は芳香
族化合物と二置換モノヒドロボランとの反応を促進するが、その反応で用いられ
る条件下では、硼酸アリール又はアルケンと、付加的アリール又はオレフィン化
合物又は他の有機化合物との別の反応を促進する程充分強力ではない塩基を選択
することができる。塩基は、それが添加される溶媒に対し可溶性のものを選択す
ることも好ましい。オレフィン又は芳香族化合物と、二置換モノヒドロボランと
の反応を促進するのに適した塩基の例には、第二級アミン、第三級アミン、脂肪
族環式アミン、及び第二以上のヘテロ原子を有するアミンが含まれる。これらの
塩基の或るものは、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩又はクラウンエーテ
ルのような相間移動試薬と一緒に用いることもできる。
【0076】 一般に、アリール又はアルケン中間体の別の反応に対し触媒作用を与えること
なく、オレフィン又は芳香族化合物と二置換モノボランとの反応に対し触媒作用
を与えるのに適した塩基の例には、トリエチルアミン、及び他のN−塩基が含ま
れる。
【0077】 反応に用いる前に触媒を活性化するのに用いることができる塩基は、第二級ア
ミン、第三級アミン、芳香族アミン、脂肪族環式アミン、及び第二以上のヘテロ
原子を有するアミンから選択するのが好ましい。
【0078】 反応で用いる前に塩基(一種又は多種)で処理することにより触媒の触媒活性
度を向上するのに用いることができる塩基の例には、トリエチルアミン、2,6
−ジメチルピペリジン、及びN−メチルピペリジンが含まれるが、それらに限定
されるものではない。
【0079】 過剰の二置換モノヒドロボランを分解するのに適した化合物の例には、水、ア
ルコール、及び酸が含まれる。
【0080】 ここで用いられる用語「硼酸アルケン」及び「硼酸アリール」とは、オレフィ
ン又は芳香族化合物の夫々と、二置換モノボランとの、第8〜11族金属塩基触
媒を用いた反応の生成物を指し、その生成物は置換位置に炭素・硼素結合を有す
る。
【0081】 本発明の更に別の態様として、前に記載した硼酸アリール又はアルケンを、確
立された方法を用いて加水分解することにより芳香族又はオレフィンボロン酸を
製造する方法を与える。加水分解の容易さは、用いた二置換モノボランに依存す
る。或る硼酸アリール及びアルケンは、ピナコールボランから誘導されたものよ
りも一層加水分解を受け易い。
【0082】 硼酸アリール及びアルケン及びボロン酸の或るものは新規であり、本発明の更
に別の特徴を表す。これらの新規な化合物の或るものは、次の通りである: 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)安息香酸、 4−ヒドロキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキ
サボロラン−2−イル)フェニルアラニン、 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸、 3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
ロラン−2−イル)安息香酸、 5−(4−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−
ベンゾジオキソール、 5−(4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,
3−ベンゾジオキソール、 5−(4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1
,3−ベンゾジオキソール、 5−[4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]
−1,3−ベンゾジオキソール、 5−テトラヒドロ−3aH−シロクペンタ[d][1,3,2]ジオキサボロ
ール−2−イル−1,3−ベンゾジオキソール、 5−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)
−1,3−ベンゾジオキソール、 5−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール、 2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−3−メチル−1,3,2−
オキサザボロリジン、 2−[(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオ
キサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デシ−4−イル]ベンゾニト
リル、 (1S,2S,6R,8S)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−
2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1
.02.6]デカン、 2,6−ジメトキシ−3−[(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリ
メチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デシ−
4−イル]ピリジン、 (1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(2,3,4−
トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1
.02.6]デカン、 (1S,2S,6R,8S)−4−(2−メトキシフェニル)−2,9,9−
トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デ
カン、 (1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−[2−(トリフ
ルオロメチル)フェニル]−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.
1.02.6]デカン、 (1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(2−メチルフ
ェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカ
ン、 2−[(1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオ
キサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デシ−4−イル]ベンゾニト
リル、 (1R,2R,6S,8R)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−
2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1
.02.6]デカン、 2,6−ジメトキシ−3−[(1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリ
メチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デシ−
4−イル]ピリジン、 (1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−4−(2,3,4−
トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1
.02.6]デカン、 (1R,2R,6S,8R)−4−(2−メトキシフェニル)−2,9,9−
トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デ
カン、 (1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−4−[2−(トリフ
ルオロメチル)フェニル]−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.
1.02.6]デカン、 (1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−4−(2−メチルフ
ェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカ
ン、 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノール、 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノール、 3,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド、 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸エチル、 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸エチル、 1,3−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン、 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)安息香酸エチル、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,4,6−トリクロロフェニル)−
1,3,2−ジオキサボロラン、 2−(アセチルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル、 フェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロ
ラン−2−イル)フェニル]メタノン、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,4,6−トリメトキシフェニル)
−1,3,2−ジオキサボロラン、 2−(2−メトキシ−1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン、 2−(2−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン、 4,4,5,5−テトラメチル−2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3,2−ジオキ
サボロラン、 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)ベンジルアミン、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,3,4,6−テトラメトキシフェ
ニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、 N−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド、 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン、 2,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)ピリミジン、 2−(2−フルオロ[1,1′−ビフェニル]−4−イル)−4,4,5,5
−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、 2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン、 4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−2−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−2−アミン、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−{[(E)−3−メチル−1−ブ
テニル]オキシ}フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、 1−[4′−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
ン−2−イル)[1,1′−ビフェニル]−4−イル]−1−エタノン、 3−ブロモ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
ロラン−2−イル)−9H−カルバゾール、 6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−2−ナフトール、 2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)−フェノール、 2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)−フェノール、 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリン、 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1H−インドール、 2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)フェノール、 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1H−インドール、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェノキシフェニル)−1,3,
2−ジオキサボロラン、 N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド、 2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル、 4−ヒドロキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキ
サボロラン−2−イル)フェニルアラニン、及び 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリン。
【0083】 本発明による方法は、従来の化学が組合せ化学及び化学図書館の準備で用いら
れているのと同じやり方で、固体重合体支持体又は樹脂ビーズ上の化学にも適用
することができる。例えば、重合体表面に結合した適切に置換されたオレフィン
又は芳香族環化合物を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換
モノヒドロボランと反応させ、重合体表面に化学的に結合した硼酸アリール又は
アルケンを形成する。このボレートを、次にカップリング位置にハロゲン又はハ
ロゲン類似置換基を有する有機化合物と、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基
の存在下で反応させ、重合体に化学的に結合したカップル生成物を製造すること
ができる。過剰の反応物及び副生成物は、適当な洗浄により除去することができ
、重合体への結合を化学的に切断することにより、カップル生成物を分離するこ
とができる。重合体表面に化学的に結合した、カップリング位置にハロゲン又は
ハロゲン類似置換基を有する有機化合物を、本発明に従い製造された硼酸アリー
ル又はアルケンと、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で反応させて
、重合体表面に結合したカップル生成物を形成する場合の別の対策を用いて行う
こともできる。過剰の試薬及び副生成物は、次に表面から洗浄除去し、反応生成
物だけを表面上に残すようにすることもできる。カップル生成物を、次に重合体
表面から化学的結合の適当な切断により分離することができる。
【0084】 一つより多くの硼素反応性置換基を有するオレフィン又は芳香族化合物の反応
により重合体を製造することもできる。そのような化合物は、二置換モノヒドロ
ボランと、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で反応させ、一つより
多くの硼素官能基を有する硼酸アリール又はアルケンを形成することができる。
これらの中間体は、一つより多くのハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する有
機化合物と反応させ、重合体を形成することができる。もしオレフィン又は芳香
族環化合物が、二置換モノヒドロボランと反応する三つ以上のハロゲン又はハロ
ゲン類似置換基を有するならば、本発明の方法に従い、樹枝状分子を製造するこ
とができる。
【0085】 オレフィン又は芳香族環化合物及び有機化合物は、別々の分子でもよく、又は
一緒に結合していて、二置換モノヒドロボランとの反応の後に形成された硼酸ア
リール又はアルケンが、分子中のどこかに存在するカップリング位置で反応し、
環閉鎖反応のような分子内反応を与えることができるようにしてもよい。
【0086】 本発明による方法は、カップリング後、更に別の反応又は再配列に関与する反
応性中間体を製造するのにも有用である。そのような中間体の例は、R1、R2
はR3(式I)の一つが−ORであるハロゲン化ビニルを有するエーテルと、二
置換モノヒドロボランとの反応により形成されるものである。得られた硼酸アル
ケン中間体と有機化合物との続くカップリングは、エノールエーテルの加水分解
でケトンを与える。
【0087】 次の例は、本発明の好ましい態様を例示するために与えられている。しかし、
次の記載は、前に述べた本発明の一般性に代わるものではないことを理解すべき
である。
【0088】
【実施例】 例1 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノールの形成
【0089】
【0090】 窒素中の反応管中に入れた24.5mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.42ml(3mM)のトリエチルアミン、0.35
ml(2.4mM)のピナコールボラン、及び221mg(1.0mM)のp−
ヨードフェノールを添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全てのフェノール基が
ピナコールボランと反応するのを確実にし、発生した水素をアルゴンによりフラ
ッシュして反応管から除去した。深紅色反応溶液を、油浴中で撹拌しながら80
℃に暖めた。溶液の色は淡橙色に変化し、2時間後、反応溶液は暗化した。8時
間後、一部分を取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィ
ッド(fid)検出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。分析された
溶液中にはp−ヨードフェノールは見出されず、反応が完結したことを示してい
た。GCでは、溶媒以外に3つのピークしか観察されず、これらは、GC/MS
によりフェノール、フェニルボロン酸のピナコールエステル、及び希望のヒドロ
キシフェニルボロン酸であることが示され、それらの濃度は、フィッド・レスポ
ンスについて補正してないGCピーク面積に基づき、夫々14%、7%及び78
%であった。フェニルボロン酸エステルは、触媒リガンドの燐原子によるアリー
ル交換により形成されたものと考えられる。
【0091】 例2 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)安息香酸の形成
【0092】
【0093】 窒素中の反応管中に入れた26.9mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.35
ml(2.4mM)のピナコールボラン、及び277mg(1.0mM)の3−
ヨード−4−メトキシ安息香酸を添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全てのフ
ェノール基がピナコールボランと反応するのを確実にし、発生した水素をアルゴ
ンによりフラッシュして反応管から除去した。反応溶液を、油浴中で撹拌しなが
ら80℃に8時間暖めた。一部分(0.3ml)を反応溶液から取り出し、酢酸
エチル中へ抽出し、希釈硫酸で洗浄し、次に数回水で洗浄し、GC(フィッド検
出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。3−ヨード−4−メトキ
シ安息香酸についての保持時間より長い保持時間で、GC中には唯一つのピーク
しか存在せず、それは希望のアリールボロン酸ピナコールエステルによるもので
あることがGC/MSにより確認された。
【0094】 例3 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリンの形成
【0095】
【0096】 窒素中の反応管中に入れた25.8mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.46
ml(3.2mM)のピナコールボラン、及び219mg(1.0mM)のp−
ヨードアニリンを添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全てのフェノール基がピ
ナコールボランと反応するのを確実にし、発生した水素をアルゴンによりフラッ
シュして反応管から除去した。反応溶液を、油浴中で撹拌しながら80℃に暖め
た。2時間後、溶液は緑色に変化し、加熱を合計8時間継続した。一部分(0.
3ml)を反応溶液から取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、G
C(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。GCには
唯一つの強いピーク(面積は全ピーク面積の75%、レスポンス・ファクターに
ついては未補正)だけが存在し、それはGC/MSにより希望のアリールボロン
酸ピナコールエステルによるものであることが示された。他の二つの弱いがほぼ
同じ面積のピークは、GC/MSによりアニリン及びフェニルボロン酸ピナコー
ルエステルによるものであることが示された。反応混合物中に未反応p−ヨード
アニリンが存在することを示すものはなかった。
【0097】 例4 N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−2−イル)フェニル]アセトアミドの形成
【0098】
【0099】 窒素中の反応管中に入れた25mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2に4
mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.47ml
(3.2mM)のピナコールボラン、及び262mg(1.0mM)のp−ヨー
ドアセトアニリドを添加した。p−ヨードアセトアニリドは、ピナコールボラン
と反応して水素を発生することはなかった。反応溶液を、油浴中で撹拌しながら
80℃に暖めた。1時間後、溶液は暗化し、一部分(0.3ml)を反応溶液か
ら取り出し、ジエチルエーテル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検
出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。GCには唯一つの強いピ
ーク(面積は全ピーク面積の74%、レスポンス・ファクターについては未補正
)だけが存在し、それはGC/MSにより希望のアリールボロン酸ピナコールエ
ステルによるものであることが示された。反応混合物を80℃で更に4時間加熱
すると、必要なボロン酸エステルの見かけの収率は81%に増大したが、アセト
アニリド及びフェニルボロン酸ピナコールエステルピーク面積の収率は、夫々1
4%及び3.4%であった。
【0100】 大過剰のピナコールボランを使用することは必須ではない。反応は、1.1m
Mのピナコールボランを用いて完結するまで(未反応で残留するp−ヨードアセ
トアニリドが無くなるまで)進行する。
【0101】 例5 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)ベンズアミドの形成
【0102】
【0103】 窒素中の反応管中に入れた24.9mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.6m
l(4.1mM)のピナコールボラン、及び243mg(0.98mM)のp−
ヨードベンズアミドを添加した。反応管をアルゴンでフラッシュした後、混合物
を油浴中で撹拌しながら80℃に5時間暖めた。一部分(0.3ml)を反応溶
液から取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出
器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。希望のアリールボロン酸ピ
ナコールエステルが形成され、GC/MSにより確認された。主な副生成物はベ
ンズアミドであった。
【0104】 例6 一般的有機溶媒に対する溶解度が低い化合物の、分子間水素結合を形成するこ
とができる官能基と、ボランエステルとの反応による可溶化。 4−ヒドロキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキ
サボロラン−2−イル)フェニルアラニンの形成
【0105】
【0106】 窒素中の反応管中に入れた24.8mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.51
ml(3.5mM)のピナコールボラン、及び284mg(0.92mM)の3
−ヨード−L−チロシンを添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全ての酸性プロ
トンがピナコールボランと反応するのを確実にし、基質を溶解した。次に発生し
た水素をアルゴンによりフラッシュして反応管から除去し、混合物を油浴中で撹
拌しながら80℃に19時間暖めた。一部分(0.3ml)を反応溶液から取り
出し、酢酸エチル中へ抽出し、酸性化(H2SO4)水及び未添加水により数回洗
浄した。酢酸エチル溶液を、1:1水/アセトニトリルで希釈した後、HPLC
/MSにより分析した。希望のアリールボロン酸ピナコールエステルの形成は、
HPLC/MSにより確認され、(基質3−ヨード−L−チロシンの場合とは異
なって)I-イオンは観察されなかった陰イオン質量スペクトルに基づき、分析
試料が3−ヨード−L−チロシンを含むとは考えられなかった。
【0107】 例7 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸の形成
【0108】
【0109】 窒素中の反応管中に入れた26.1mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.37
ml(2.6mM)のピナコールボラン、及び250mg(1.0mM)の3−
ヨード安息香酸を添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全てのカルボン酸基がピ
ナコールボランと反応するのを確実にした。発生した水素をアルゴンによりフラ
ッシュして反応管から除去した。この期間中、最初深紅色であった反応溶液は、
オレンジ色に変化した。油浴中で撹拌しながら80℃に73時間暖めた後、一部
分(0.3ml)を反応溶液から取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、希釈硫酸で
洗浄し、次に数回水で洗浄し、然る後、GC(フィッド検出器、SGE HT5
毛細管カラム)により分析した。3−ヨード安息香酸は溶液中に見出されず、反
応は完了したことを示していた。GCには、溶媒以外に3つのピークだけが観察
され、それらは、GC/MSにより安息香酸、フェニルボロン酸のピナコールエ
ステル、及び最も高い濃度で存在していた希望のカルボキシル化フェニルボロン
酸によるものであることが示された。
【0110】 例8 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸の形成
【0111】
【0112】 窒素中の反応管中に入れた25.4mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.37
ml(2.6mM)のピナコールボラン、及び249mg(1.0mM)の4−
ヨード安息香酸を添加した。反応溶液を室温で撹拌し、全てのカルボン酸基がピ
ナコールボランと反応するのを確実にし、約20分に亙り、溶液の色は深紅色か
ら淡橙褐色に変化した。発生した水素をアルゴンによりフラッシュして反応管か
ら除去した。油浴中で撹拌しながら80℃に73時間暖めた後、一部分(0.3
ml)を反応溶液から取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、希釈硫酸で洗浄し、次
に数回水で洗浄し、然る後、GC(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カラ
ム)により分析した。4−ヨード安息香酸は溶液中に見出されず、反応は完了し
たことを示していた。GCには、溶媒以外に3つのピークだけが観察され、それ
らは、GC/MSにより安息香酸、フェニルボロン酸のピナコールエステル、及
び最も高い濃度で存在していた希望のカルボキシル化フェニルボロン酸によるも
のであることが示された。
【0113】 例9 3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
ロラン−2−イル)安息香酸の形成
【0114】
【0115】 窒素中の反応管中に入れた26mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2に4
mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.37ml
(2.6mM)のピナコールボラン、及び259mg(0.99mM)の4−ヨ
ード−3−メチル安息香酸を添加した。反応溶液を室温で撹拌し、カルボン酸基
がピナコールボランと反応するのを確実にし、約20分に亙り、溶液の色は深紅
色から橙褐色に変化した。発生した水素をアルゴンによりフラッシュして反応管
から除去した。油浴中で撹拌しながら80℃に73時間暖めた後、一部分(0.
3ml)を反応溶液から取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、希釈硫酸で洗浄し、
次に数回水で洗浄し、然る後、GC(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カ
ラム)により分析した。4−ヨード−3−メチル安息香酸は溶液中に見出されず
、反応は完了したことを示していた。GCには、溶媒以外に約1%より大きなピ
ーク面積の2つのピークだけが観察され、それらは、GC/MSにより3−メチ
ル安息香酸、最も高い濃度(ピーク面積は全ピーク面積の85%)で存在してい
た希望のカルボキシル化フェニルボロン酸のピナコールエステルによるものであ
ることが示された。
【0116】 例10 この例は、臭化アリールとピナコールボランとの反応速度に与える促進剤の影
響を例示する。 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリンの形成
【0117】
【0118】 窒素中の反応管中に入れた25mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2に4
mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.46ml
(3.2mM)のピナコールボラン、及び177mg(1.03mM)のp−ブ
ロモアニリンを添加した。反応溶液を室温で短時間撹拌し、次にアルゴンにより
フラッシュし、油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。5時間後、淡黄色の溶液
の一部分を取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド
検出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。GC/MSにより同定
された希望の生成物の量は、ピーク面積(レスポンス・ファクターについては未
補正)に基づき1.2%であった。20.5時間の反応時間の後、生成物の量は
16%に増大した。
【0119】 28mgのp−ヨードアセトアニリドの存在下で反応を行なった場合、生成物
の形成はかなり一層速くなった。2.75時間の反応時間後、黄褐色反応溶液か
ら試料を取り、上述のようにGC分析のために調製した。試料中の生成物の量は
、この場合もレスポンス・ファクターについては未補正で、ピーク面積に基づき
26%であった。19時間の反応時間後、この物質の量は全ピーク面積の63%
に増大し、反応溶液中、p−ブロモアニリンは検出されなかった。主たる副生成
物はアニリンであった。
【0120】 例11 この例は、沃化アリールとピナコールボランとの反応速度に与える促進剤の影
響を例示する。 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−メチルフェニル)1,3,2−ジ
オキサボロランの形成
【0121】
【0122】 窒素中の反応管中に入れた25.6mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.22
ml(1.5mM)のピナコールボラン(深紅色溶液)、及び219mg(1.
0mM)のp−ヨードトルエンを添加した。反応溶液を、油浴中で撹拌しながら
80℃に暖めた。1時間及び2時間後、淡黄色反応溶液の一部分を取り出し、反
応時間5時間後、その時までに暗緑色に変化した溶液から第三の試料をとった。
それらの部分を酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器
、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。トリルボロン酸ピナコールエ
ステルの量は、反応時間1時間後5.6%、3時間後66%であり、5時間後反
応は終了した(レスポンス・ファクターについては未補正のピーク領域に基づく
)。35mg(0.13mM)のp−ヨードアセトアニリドの存在下で並行反応
を行なった場合、1時間後、形成されたトリルボロン酸ピナコールエステルの量
は34%であった。反応時間3時間後に反応溶液を分析すると、反応溶液にはp
−ヨードトルエンが存在しないことにより、反応は既に完了していたことを示し
ていた。
【0123】 例12 この例は、沃化アリールとピナコールボランとの反応速度を、p−ヨードアセ
トアニリドのような沃化アリール以外の化合物により増大することができること
を実証する。 4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラ
ンの形成
【0124】
【0125】 三つの並行反応を行なった。
【0126】 反応1. 窒素中の反応管中に入れた26.5mgのPdCl2(dppf)
CH2Cl2に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン
、0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン(深紅色溶液)、及び215
mg(1.05mM)のp−ヨードベンゼンを添加した。反応溶液を、油浴中で
撹拌しながら80℃に暖めた。1時間間隔で約0.3mlずつの7つの部分を反
応溶液からとった。最初の6つの部分については反応溶液は淡黄色のままであり
、7番目の部分をとった時には緑色になっていた。反応時間25時間後に、最後
の部分をとった。それらの部分を酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC
(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。
【0127】 反応2. 反応手順及び量は、上の反応1と同じであったが、但しp−ヨード
アセトアニリド(27mg、0.105mM)を反応混合物へ添加した。反応溶
液は最初の4つの部分をとる間は淡黄色のままであったが、残りのものについて
は暗色になっていた。
【0128】 反応3. この場合も反応1と同じ反応手順及び量を用いたが、この反応には
アセトアニリド(67.7mg、0.50mM)も添加した。反応溶液は最初の
3つの部分をとる間は淡黄色のままであったが、残りのものについては暗色にな
っていた。
【0129】 種々の反応条件で形成したフェニルボロン酸ピナコールエステルの量を表に示
す。表中に与えたフェニルボロン酸ピナコールエステルの濃度は、GCフィッド
・レスポンス・ファクターについて、又は分析した溶液中に存在していたヒドロ
キシボロンピナコレートエステルの幾らか変動した量(GC/MSにより同定)
については補正してない。反応2及び3については、添加物及びそれらの反応生
成物による全ピーク面積に対する影響について、ピーク面積を補正した。
【0130】 表12.1 p−ヨードベンゼン及びピナコールボランからの、反応速度促進
剤を用いた場合及び用いない場合のフェニルボロン酸ピナコールエステルの形成
。濃度はピーク面積の%として表されている。
【0131】 例13 この例は、ブロモオレフィンとピナコールボランとの反応速度に与える促進剤
の影響を例示する。 2−(1,2−ジメチル−1−プロペニル)−4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロランの形成
【0132】
【0133】 窒素中の反応管中に入れた24.7mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.23
ml(1.5mM)のピナコールボラン、28mg(0.1mM)のp−ヨード
アセトアニリド、及び156mg(1.05mM)の2−ブロモ−3−メチルブ
テ−2−エンを添加した。反応溶液を、油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。
19時間後、淡黄色溶液は黄褐色に暗化した。反応溶液の一部分を取り出し、酢
酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、SGE HT5
毛細管カラム)により分析した。GC/MSにより同定された希望の生成物が形
成されており、主たるピークが存在していた。一層長い反応時間では、混合物は
更に暗化し、分析(GCによる)は、反応が完結し、反応溶液中に2−ブロモ−
3−エチルブテ−2−エンは存在しないことを示していた。
【0134】 例14 この例は、Pd触媒よりもむしろNiを用いた場合を例示する。 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0135】
【0136】 窒素中の反応管中に入れた21.9mgのNiCl2(dppf)に4mlの
ジオキサン、0.42ml(3mM)のトリエチルアミン、0.22ml(1.
5mM)のピナコールボラン及び238mg(0.96mM)の1−ヨード−3
,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。緑色の反応溶液を、油浴中で撹拌
しながら6時間、80℃に暖めた。反応溶液の一部分(約0.3ml)を取り出
し、ジエチルエーテル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、S
GE HT5毛細管カラム)により分析した。僅かな1,3−ベンゾジオキソー
ルの外に、GC中の唯一つの他の生成物ピークは、希望のアリールボロン酸ピナ
コールエステルによるものであった。NiCl2(dppf)も、アセトニトリ
ル中での希望の生成物の形成に対し触媒作用を与えることが示された。
【0137】 例15 この例は、ホスフィンリガンドを持たないPd触媒を用いた場合を例示する。 1. 木炭に付着させたPd(10%)の使用 2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
−ジオキサボロランの形成
【0138】
【0139】 窒素中の反応管中に入れた52mgの木炭付着Pd(10%)及び233mg
(1.0mM)のp−ヨードアニソールに、4mlのジオキサン、0.44ml
(3.1mM)のトリエチルアミン、及び0.22ml(1.5mM)のピナコ
ールボランを添加した。反応溶液を、油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。1
時間後反応溶液の一部分(約0.3ml)を取り出し、ジエチルエーテル中へ抽
出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カラム)
により分析した。幾らかのアニソールの外に、GC中の唯一つの他の生成物ピー
ク(全ピーク面積の12%)は、希望のアリールボロン酸ピナコールエステルに
よるものであった。反応時間2.5時間後の反応溶液の試料の分析は、このピー
クが全GCピーク面積の41%まで成長したことを示していた。
【0140】 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3,2−
ジオキサボロランの形成
【0141】
【0142】 p−ヨードアニソールを用いた上の例の場合と同じ反応条件及び量を用いて、
p−ヨードトルエンを希望のエステルに転化した。反応時間2.5時間後、トリ
ルボロン酸ピナコールエステルによるGC中のピークは、全ピーク面積の30%
であった。
【0143】 2. 酢酸Pd(II)の使用 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0144】
【0145】 窒素中の反応管中に入れた22mgの酢酸Pd(II)に、4mlのジオキサン
、260mg(1.05mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼ
ン、0.44ml(3.1mM)のトリエチルアミン、及び0.22ml(1.
5mM)のピナコールボランを添加した。溶液は、ピナコールボランを他の反応
成分に添加すると黒色になった。反応溶液を油浴中で撹拌しながら80℃に暖め
た。1時間後反応溶液の一部分(約0.3ml)を取り出し、ジエチルエーテル
中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カ
ラム)により分析した。幾らかの1,3−ベンゾジオキソールの外に、GC中の
唯一つの他の生成物ピーク(全ピーク面積の13%)は、希望のアリールボロン
酸ピナコールエステルによるものであった。
【0146】 3. アルシンリガンドを有するパラジウム触媒の使用。ビス(1,2−ジフ
ェニルアルシノ)エタンと、Pd(OAc)2との混合物を用いた反応。 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0147】
【0148】 窒素中の反応管中に、4mlのジオキサン及び0.45mlのトリエチルアミ
ンと共に、8.1mgのPd(OAc)2(0.036mM)及び16mg(0
.033mM)のビス(1,2−ジフェニルアルシノ)エタンを入れた。反応管
を油浴中で15.5時間80℃に加熱し、黄色溶液が褐色になった。次に室温で
262mg(1.06mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン
及び0.22ml(1.5mM)のピナコールボランを添加した。次に反応混合
物を80℃に暖めた。3時間後、全ピーク面積の45%が希望の生成物によるも
のであった。これは、24時間後、73%に増大した。
【0149】 例16 非対称性ビアリールを形成するための1ポット反応 4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ベンズアミドの形成
【0150】
【0151】 窒素中の反応管中に入れた28mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2に、
4mlのジオキサン、0.43ml(3mM)のトリエチルアミン、0.23m
l(1.5mM)のピナコールボラン、及び262mg(1.06mM)の1−
ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。反応溶液を油浴中で撹
拌しながら22時間80℃に暖めた。反応溶液から一部分(約0.3ml)を取
り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、SG
E HT5毛細管カラム)により分析した。全ての1−ヨード−3,4−メチレ
ンジオキシベンゼンが反応して、幾らかの1,3−ベンゾジオキソールと共に、
ボロン酸エステルを形成した。8mlのメタノール(これは過剰のピナコールボ
ランを破壊し、それにより対称性ビアリールの形成を防ぐ)、1.07gのCs 2 CO3、及び261mg(1.06mM)の4−ヨードベンズアミドを添加した
後、溶液を17時間40℃に暖めた。反応溶液から一部分(約0.5ml)を取
り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水で洗浄し、GC(フィッド検出器、SG
E HT5毛細管カラム)により分析した。必要なビアリール(GC/MSによ
り同定)は、GCトレースで最も強いピークを与えた。
【0152】 例17 この例は、パラジウム触媒を、有機ハロゲン化物とジアルコキシボランとの反
応を促進するためにそれらを用いる前に、塩基で処理することにより活性化でき
ることを実証する。特に、PdCl2(dppf)CH2Cl2の触媒活性度を、
反応溶媒中で、ピナコールボラン及び基質を添加する前にトリエチルアミンで処
理することにより、著しく増大することができ、特に初期活性度を増大すること
ができる。必要な生成物であるボロン酸エステル(例えば、3,4−メチレンジ
オキシフェニルボロン酸のピナコールエステル)の形成で観察される速度増大の
外に、反応で形成される副生成物(即ち、基質の脱ハロゲン化による1,3−ベ
ンゾジオキソール及びフェニル基が触媒リガンドからきたフェニルボロン酸のピ
ナコールエステル)が著しく減少する点で、触媒を前以て活性化することに更に
利点が存在する。
【0153】 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0154】
【0155】 窒素中の反応管中に入れた24.6mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に、4mlのジオキサン、及び0.42ml(3mM)のトリエチルアミンを添
加した。混合物を約17時間80℃に加熱した。PdCl2(dppf)CH2
2の赤橙色懸濁物は溶解して暗赤褐色の溶液を与えた。この溶液に室温で0.
23ml(1.5mM)ピナコールボラン及び253mg(1.02mM)の1
−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。反応溶液を油浴中で
撹拌しながら1時間80℃に暖めた。溶液は暗赤褐色のままであった。反応溶液
の一部分(約0.25ml)を取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水及び塩
水溶液で洗浄し、GC(フィッド検出器、SGE HT5毛細管カラム)により
分析した。少量の1,3−ベンゾジオキソール(未補正GCピーク面積の5%)
及びフェニルボロン酸のピナコールエステル(3%)を別にして、GCの唯一つ
の他の生成物ピーク(92%の面積、未補正)は、希望のアリールボロン酸ピナ
コールエステルによるものであった。ビアリール形成の徴候はなかった。1−ヨ
ード−3,4−メチレンジオキシベンゼンとピナコールとの活性触媒を用いた8
0℃での反応速度も表17.1に示す。表17.2には、副生成物の形成が、反
応を30℃で行うことにより、更に一層減少することができることを示している
【0156】 表17.1 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前に
トリエチルアミンで活性化した場合の、1−ヨード−3,4−メチレンジオキシ
ベンゼンとピナコールボランとの80℃での反応*における生成物形成速度。濃
度は、選択された反応時間で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した(
レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0157】 * 使用した25.5mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2、4mlのジ
オキサン、0.43ml(3.0mM)のトリエチルアミンを80℃に16時間
暖めた。次に室温で0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン及び247
mg(1.0mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加し
、然る後、反応を80℃に暖めた。選択された反応時間で、反応溶液の一部分を
水/酢酸エチル混合物に添加することにより、反応をクエンチした。
【0158】 表17.2 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前に
トリエチルアミンで活性化した場合の、1−ヨード−3,4−メチレンジオキシ
ベンゼンとピナコールボランとの30℃での反応*における生成物形成速度。濃
度は、選択された反応時間で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した(
レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0159】 * 使用した25mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2、4mlのジオキ
サン、0.43ml(3.0mM)のトリエチルアミンを80℃に16時間暖め
た。次に室温で0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン及び262mg
(1.05mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加し、
然る後、反応を80℃に暖めた。選択された反応時間で、反応溶液の一部分を水
/酢酸エチル混合物に添加することにより、反応をクエンチした。
【0160】 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前にボランエステ
ルと共にアミンで処理すると、初期反応速度が増大し、幾らかの触媒が活性化さ
れたことを示している。しかし、全反応は、触媒が前処理を受けなかった場合よ
りも遅かった。トリエチルアミン及びピナコールボランで前処理することにより
活性化されていない触媒は、恐らくボロネート化反応の進行中活性化に対し一層
抵抗性を持つものと思われる。このことは、表17.3と17.4とを比較する
ことにより知ることができる。表17.3では、触媒は使用前に活性化されてお
らず、最初の1〜2時間に亙る反応速度は遅い。表17.4では、触媒は反応で
使用する前にトリエチルアミン及びピナコールボランの両方で処理されており、
初期反応速度は増大しているが、全反応は17.3に示されているものより遅い
。しかし、トリエチルアミン及びピナコールボランで触媒を前処理すると、脱ハ
ロゲン化が減少することにより生成物の収率が向上する。
【0161】 表17.3 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前に
トリエチルアミンで活性化しない場合の、1−ヨード−3,4−メチレンジオキ
シベンゼンとピナコールボランとの80℃での反応*における生成物形成速度。
濃度は、選択された反応時間で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した
(レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0162】 * 27mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2、4mlのジオキサン、0
.43ml(3.0mM)のトリエチルアミン、0.23ml(1.5mM)の
ピナコールボラン及び262mg(1.05mM)の1−ヨード−3,4−メチ
レンジオキシベンゼンを使用した。選択された反応時間で、反応溶液の一部分を
水/酢酸エチル混合物に添加することにより、反応をクエンチした。
【0163】 表17.4 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前に
トリエチルアミン及びピナコールボランで処理した場合の、1−ヨード−3,4
−メチレンジオキシベンゼンとピナコールボランとの80℃での反応*における
生成物形成速度。濃度は、選択された反応時間で採取した反応溶液部分のGC分
析により決定した(レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表され
ている。
【0164】 * 使用した27mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2、4mlのジオキ
サン、0.43ml(3.0mM)のトリエチルアミン、0.23ml(1.1
mM)のピナコールボランを80℃に約17時間加熱した。次に室温で262m
g(1.05mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加し
、然る後、反応を80℃に暖めた。選択された反応時間で、反応溶液の一部分を
水/酢酸エチル混合物に添加することにより、反応をクエンチした。
【0165】 触媒を活性化するのに用いたトリエチルアミンの量は、上記反応で用いたもの
よりも少なくしてもよい。窒素中、反応管中で25.8mgのPdCl2(dp
pf)CH2Cl2を、4mlのジオキサン及び0.14ml(1mM)のトリエ
チルアミンで80℃で40時間処理すると赤褐色の溶液を与え、それは依然とし
て未溶解材料、恐らくPdCl2(dppf)CH2Cl2を含有していた。室温
に冷却した後、0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン及び267mg
(1.08mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加し、
反応溶液を油浴で撹拌しながら80℃に暖めた。反応溶液の一部分(0.25m
l)を或る間隔で採取し、酢酸エチル/水に添加し、それにより反応をクエンチ
し、酢酸エチル溶液を数回水で洗浄した後、溶液をGCで分析した。表17.5
に示す結果は、触媒が活性化されたが、一層多くのトリエチルアミンを用いた場
合程効果的ではなかったことを示している。基質の脱ハロゲン化量は、少量(化
学量論的量に近い)の塩基を用いるとかなり増大し、このことは、反応の終点に
近づいて、塩基がEt3N.HIの形成により枯渇してくるに従って一層顕著に
なる。
【0166】 表17.5 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2を、反応で用いる前に
トリエチルアミン(1mM)で活性化した場合の、1−ヨード−3,4−メチレ
ンジオキシベンゼンとピナコールボランとの80℃での反応における生成物形成
速度。濃度は、選択された反応時間*で採取した反応溶液部分のGC分析により
決定した(レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0167】 例18 この例は、反応で用いた塩基(トリエチルアミン)の量と、1−ヨード−3,
4−メチレンジオキシベンゼンの脱ハロゲン化度との間に逆の関係が存在するこ
とを実証する。ハロゲン化アリールの完全な反応に必要なピナコールボランの量
は、1.5当量より少なくすることができることも実証する。1.1当量を用い
た場合に、反応の完了時に未反応ピナコールボランが見出された。 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0168】
【0169】 窒素中の反応管中に入れた25.1mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に、4mlのジオキサン、0.42ml(3mM)のトリエチルアミン、0.1
6ml(1.1mM)のピナコールボラン及び256mg(1.03mM)の1
−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。反応溶液を油浴中で
撹拌しながら16時間80℃に暖めた。反応溶液の一部分(約0.25ml)を
取り出し、酢酸エチル中へ抽出し、数回水及び塩水溶液で洗浄し、GC(フィッ
ド検出器、SGE HT5毛細管カラム)により分析した。反応試料と水との最
初の接触で水素の発生が観察され、僅か1.1当量を用いたにも拘わらず、反応
の完結時に過剰のピナコールボランが存在していたことを示していた。1,3−
ベンゾジオキソール(GCピーク面積の10%)及びフェニルボロン酸のピナコ
ールエステル(7%)の外に、GCの唯一つの他の生成物ピーク(81%の面積
)は、希望のアリールボロン酸ピナコールエステルによるものであった。トリエ
チルアミンの使用量を3.0当量から1.0当量に減少したことを唯一の変化と
した平行反応では、生成物の分布は、1,3−ベンゾジオキソール(GCピーク
面積の23%)、フェニルボロン酸のピナコールエステル(6%)及び希望のア
リールボロン酸ピナコールエステル(ピーク面積69%)であることが判明した
【0170】 例19 トリエチルアミン以外の塩基 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0171】
【0172】 (i) キヌクリジン 窒素中の反応管中に入れた25.7mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
、及び111mg(1.0mM)のキヌクリジンに、4mlのジオキサン、0.
23ml(1.5mM)のピナコールボラン及び247mg(1.0mM)の1
−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。褐色反応溶液を油浴
中で撹拌しながら16時間80℃に暖めた。上で記載したようなGCによる反応
溶液の分析は、主たる反応が1,3−ベンゾジオキソールへの脱ハロゲン化(G
Cピーク面積の69%)であることを示していた。フェニルボロン酸のピナコー
ルエステルの形成は少量(0.7%)であり、希望のアリールボロン酸ピナコー
ルエステルのピーク面積は25%であった。キヌクリジン濃度を3mMへ増大す
ることは、生成物形成に極めて有害であった。実測値:1,3−ベンゾジオキソ
ール(GCピーク面積の98%);3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸
のピナコールエステル(ピーク面積の2%未満)。
【0173】 (ii) N−メチルピペリジン 窒素中の反応管中に入れた26.1mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に、4mlのジオキサン、0.12ml(1.0mM)のN−メチルピペリジン
、0.16ml(1.1mM)のピナコールボラン及び253mg(1.02m
M)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。赤色反応溶
液を油浴中で撹拌しながら17時間80℃に暖めた。上で記載したようなGCに
よる暗緑色反応溶液の分析は、次の反応生成物分布を与えた:1,3−ベンゾジ
オキソール(GCピーク面積の16%);フェニルボロン酸のピナコールエステ
ル(7%);及び希望のアリールボロン酸ピナコールエステル(ピーク面積76
%)。N−メチルピペリジン濃度を3mMへ増大しても、生成物分布に殆ど影響
を与えなかった。実測値:1,3−ベンゾジオキソール(GCピーク面積の17
%);フェニルボロン酸のピナコールエステル(8%);及び3,4−メチレン
ジオキシフェニルボロン酸のピナコールエステル(ピーク面積75%)。
【0174】 (iii) 2,6−ジメチルピペリジン(立体障害第二級アミン) 窒素中の反応管中に入れた27.7mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
に、4mlのジオキサン、0.14ml(1.0mM)の2,6−ジメチルピペ
リジン、0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン(深紅色溶液)及び2
61mg(1.05mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを
添加した。深紅色反応溶液を油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。上で記載し
たようなGCによる反応溶液の分析を或る間隔で行なった(表19.1参照)。
反応は速く、4時間の反応時間で完了した。塩基として1mMの2,6−ジメチ
ルピペリジンを用いた初期反応速度は、3mMのトリエチルアミンを用いた場合
に見られる速度を越え(表17.3参照;触媒は反応前に活性化されなかった)
、最終生成物分布は本質的に同じであった。このことは、塩基として1mMの2
,6−ジメチルピペリジンを用いるか、又は1mMのトリエチルアミンを用いた
反応を比較するならば、当て嵌まらない。上で述べたように、1mMのトリエチ
ルアミンを用いた反応器ではかなりの脱ハロゲン化が起き(GC中のピーク面積
の23%は1,3−ベンゾジオキソールによる)、希望の生成物である3,4−
メチレンジオキシフェニルボロン酸のピナコールエステルは、ピーク面積の僅か
69%であった。
【0175】 これらの結果は、反応に3mMの2,6−ジメチルピペリジンを用いた場合と
は異なっている。反応速度は減少し、特に最初の1〜2時間後に減少した(表1
9.2参照)。これらの結果は、2,6−ジメチルピペリジンを用いると、触媒
活性化はその場で最初は増大するが、この塩基の過剰は反応を遅延させることを
示唆している。脱ハロゲン化は、主に反応の初期部分で起きる。
【0176】 表19.1 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2、塩基2,6−ジメチ
ルピペリジン(1.0mM)を用いた1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベ
ンゼンとピナコールボランとの80℃での反応における生成物形成速度。濃度は
、選択された反応時間*で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した(レ
スポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0177】 * 選択された反応時間で、反応溶液の一部分を水/酢酸エチル混合物に添加
することにより、反応をクエンチした。
【0178】 表19.2 触媒、PdCl2(dppf)CH2Cl2、塩基2,6−ジメチ
ルピペリジン(3.0mM)を用いた、1−ヨード−3,4−メチレンジオキシ
ベンゼンとピナコールボランとの80℃での反応における生成物形成速度。濃度
は、選択された反応時間*で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した(
レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0179】 * 選択された反応時間で、反応溶液の一部分を水/酢酸エチル混合物に添加
することにより、反応をクエンチした。
【0180】 例20 他のパラジウム触媒 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソールの形成
【0181】
【0182】 (i) PdCl2[(PPh2(CH25PPh2] 窒素中の反応管中に入れた24.7mgのPdCl2[(PPh2(CH25
Ph2]に、4mlのジオキサン、及び0.43ml(3.0mM)のトリエチ
ルアミンを添加した。混合物を80℃に加熱し、オレンジ色溶液を与え、それは
依然として固体、恐らくPdCl2[(PPh2(CH25PPh2]を含んでい
た。この混合物に室温で0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン(溶液
は褐色になったが、依然として非溶解物を含んでいた)及び255mg(1.0
3mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。反応溶
液を油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。上で記載したように、GCによる反
応溶液の分析を或る時間間隔で行なった(表20.1参照)。反応は5時間の反
応時間で完了した。反応完結時には反応溶液は明るい深紅色をしており、室温に
冷却した時に存在していた唯一の固体はトリエチルアミン塩であると思われた。
形成されたフェニルボロン酸のピナコールエステルの量は、触媒としてPdCl 2 [(PPh2(CH25PPh2]を用いると低く、反応の後の方でのみ形成さ
れた。
【0183】 表20.1 1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンとピナコールボ
ランとの80℃での反応における生成物形成速度。触媒、PdCl2[(PPh2 (CH25PPh2]を、反応前に塩基、トリエチルアミン(3.0mM)と共
に加熱した。濃度は、選択された反応時間*で採取した反応溶液部分のGC分析
により決定した(レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されて
いる。
【0184】 * 選択された反応時間で、反応溶液の一部分を水/酢酸エチル混合物に添加
することにより、反応をクエンチした。
【0185】 (ii) PdCl2[(PCy32] 窒素中の反応管中に入れた24.4mgのPdCl2[(PCy32]に、4
mlのジオキサン、及び0.43ml(3.0mM)のトリエチルアミンを添加
した。混合物を80℃に加熱し、ライムグリーン(lime-green)色の溶液を与え、
それは依然として固体、恐らくPdCl2[(PCy32]を含んでいた。この
混合物に室温で0.23ml(1.5mM)のピナコールボラン及び247mg
(1.0mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。
反応溶液を油浴中で撹拌しながら80℃に暖めた。上で記載したように、GCに
よる反応溶液の分析を或る時間間隔で行なった(表20.2参照)。初期反応時
間後、反応速度は急に増大し、反応は3.5時間で本質的に完了した。触媒の可
溶化及び活性化は、反応混合物の最初の加熱時間で起きたと思われる。反応溶液
は、反応中、実質的に無色のままであり、触媒は全て反応終了時には溶解してい
た。触媒にフェニル基が存在しないと、その特定のフェニルボロン酸のピナコー
ルエステルにより汚染されていない生成物を与えることは重要である。このこと
により、生成物のアリールボロン酸エステルの精製で起きる主な問題が除かれ、
或は「1ポット」カップリング反応の場合には、ビアリール混合物を分離する必
要はなくなる。
【0186】 表20.2 1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンとピナコールボ
ランとの80℃での反応における生成物形成速度。触媒、PdCl2[(PCy32]を、反応前に塩基、トリエチルアミン(3.0mM)と共に加熱した。濃
度は、選択された反応時間*で採取した反応溶液部分のGC分析により決定した
(レスポンス・ファクターについては未補正)面積%で表されている。
【0187】 * 選択された反応時間で、反応溶液の一部分を水/酢酸エチル混合物に添加
することにより、反応をクエンチした。
【0188】 (iii) PdCl2[(PPh2(CH24PPh2)] 窒素中の反応管中に、6.8mgのPd(OAc)2(0.03mM)及び1
3mg(0.03mM)のビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)エタンを、4
mlのジオキサン、及び0.45mlのトリエチルアミンと共に入れた。その管
を油浴中で80℃に15.5時間加熱し、溶液は赤味がかった色になった。次に
室温で267mg(1.08mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベ
ンゼン及び0.23ml(1.5mM)のピナコールボランを添加した。次に反
応混合物を80℃に暖めた。3時間後、反応は完了し、全ピーク面積の92%は
希望の生成物によるものであった。
【0189】 例21 BH3のメチルスルフィド付加物から調製したピナコールボランを用いて、ジ
メチルスルフィドの存在下でp−ヨードアセトアニリドから、N−[4−(4,
4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニ
ル]アセトアミドの大規模(0.35M)合成。
【0190】
【0191】 この反応での触媒量は、小規模反応で用いた約1/35に減少させた。触媒:沃化
物、ピナコールボラン:NEt3のモル比は、1:1150:1500:293
3であった。ピナコールボランの量は、沃化物に対して1.25当量であった。
ピナコールボランは、ジオキサン中でのピナコールとの反応によりBH3.SMe 2 から形成した。50mlのBH3.SMe2を1リットルのシュレンク(Schlenk)
フラスコの中で100mlのジオキサンに溶解した。これに、140mlのジオ
キサン中に入れた63.0gのピナコールを滴下した。滴下が完了した後、溶液
を室温で撹拌し、次に60℃でBH3.SMe2の完全な反応が行われるようにし
た。その溶液は僅かな白色沈澱物を含んでいた。
【0192】 370mlのジオキサン中、1500mgのPdCl2(dppf)CH2Cl 2 を30mlのトリエチルアミンと共に80℃で7.5時間加熱することにより
、触媒を使用前に活性化した。この暗褐色の溶液67mlを反応で用いた。
【0193】
【0194】 ピナコールボラン溶液に、120ml(863mM)の乾燥トリエチルアミン
、92g(352.5mM)のp−ヨードアセトアニリドを添加し、次に67m
lの触媒溶液を添加した。反応溶液を80℃の油浴中に入れた。溶液は透明淡褐
色になり、約1〜2時間後、アミンHI塩の沈澱物が分離した。5時間後、反応
は90%以上完了した。加熱を更に数時間継続し、その後ではGCにより反応溶
液中に出発材料は観察されなくなった。そのような数多くの反応で、反応生成物
は常にGCにより90%を越え、観察された唯一の副生成物はアセトアニリドで
あった。非常に強い溶液を用いない限り、GCではフェニルボロン酸ピナコール
エステルは見出されなかった。
【0195】 室温で溶液からアミン塩を除去することにより、粗製生成物を分離した。過剰
のピナコールボランを乾燥メタノールで破壊した。反応溶液の体積を減少させた
後、生成物を石油エーテルで析出させた。生成物中の暗色不純物を、トルエンに
入れた生成物の溶液を、メルク(Merck)型9385.1000シリカゲル60の
短いカラムを通過させることにより除去した。トルエンから白色固体として生成
物が得られた。mp>162℃。
【0196】 これらの反応でボラン メチルスルフィド錯体が存在しても反応の進行を止め
ることはない。それは反応速度を幾らか遅延することがあるが、特にある基質の
場合、ボロネート化反応よりも脱ハロゲン化反応を一層大きな程度まで遅延し、
それにより生成物収率の増大をもたらすことが示されている。
【0197】 例22 アリールのボロネート化でジエトキシボランの使用。 この反応は、アリールのボロネート化を行うためにボランのグリコールエステ
ルを用いる必要はないこと、及び一価アルコールによるボランのジエステルは、
この反応の試薬になることを実証する。 1,3−ベンゾジオキソール−5−イルボロン酸ジエチルの合成
【0198】
【0199】 窒素中反応管中に入れた25.2mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
、4mlのジオキサン及び0.45ml(3mM)のトリエチルアミンを添加し
た。溶液を80℃で18.5時間加熱し、触媒を活性化した。
【0200】 2mlのジオキサン中に0.19mlのエタノールを入れたものを、2mlの
ジオキサン中にBH3.SMe2を入れた10M溶液0.15mlの溶液へ、ジオ
キサンの凝固点より僅かに高い温度まで冷却しながら添加し、次に室温で一晩撹
拌することにより、HB(OEt)2の溶液を調製した。
【0201】 触媒溶液に281mg(1.13mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオ
キシベンゼンを添加し、次にHB(OEt)2溶液を添加した後、反応混合物を
油浴中で80℃に暖めた。
【0202】 反応の進行に従って、反応溶液から一連の試料を取り出し、これらをピナコー
ルの酢酸エチル溶液で処理し、10%塩水溶液で抽出した。この操作手順により
、アリール硼素生成物物質をそのピナコールエステルへ転化し、GC同定に都合
のよい分子にした。反応は極めて急速に進行し、1−ヨード−3,4−メチレン
ジオキシベンゼンのGCピークの面積は急速に減少し、1時間の反応時間後、全
ピーク面積の約半分になった。23.5時間の反応時間後に試験して見ると、全
ての1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンが消費され、GC中の主た
るピークは生成物のピナコールエステルによるものであった。
【0203】 例23 オルガニルボロン酸エステルを製造するための、4,4,5,5−テトラメチ
ル−1,3,2−ジオキサボロラン以外の1,3,2−ジオキサボロラン物質の
使用。 これらの反応を例示するために、基質として1−ヨード−3,4−メチレンジ
オキシベンゼンを用いた。触媒は活性化した(下記参照)PdCl2[dppf
]であり、1,3,2−ジオキサボロラン物質は、適当なジオール及びBH3.S
Me2から調製した。優れた収率で良好に得られたオルガニルボロン酸エステル
反応生成物は、GC/MSにより同定した。典型的な反応は、用いたジオールが
フェニル−1,2−エタンジオールである場合の物質の形成について記載した反
応である。 (i) 5−(4−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−
1,3−ベンゾジオキソールの合成
【0204】
【0205】 236mgのフェニル−1,2−エタンジオール(1.7mM)と、ボラン・
ジメチルスルフィド付加物(0.15ml、1.5mM)との2mlのジオキサ
ン中での反応により、先ず4−フェニル−1,3,2−ジオキサボロランを調製
した。250mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2をトリエチルアミン(4
.5ml)と共に40mlのジオキサン中で80℃に20時間加熱することによ
り、ジオキサン中に入れた触媒のストック溶液を調製した。この溶液に2.48
g(10mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加した。
次にこの反応溶液4.8mlを、ボランエステルの入った反応管中に入れた。混
合物を80℃に20時間加熱し、次に一部分を取り出し、少量のジオールを含む
幾らかの酢酸エチル中に溶解し、10%塩水溶液と共に振盪した。MgSO4
より乾燥した後、GC測定を行なった。15.7分の保持時間で一つの主要なピ
ークが見出された。これはGC/MSにより、希望の生成物であることが示され
た。
【0206】 同じ経路により製造された他のオルガニルボロン酸エステルは次の通りであっ
た: (ii) 5−(4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル
)−1,3−ベンゾジオキソール
【0207】
【0208】 GC保持時間9.28及び9.97分。 (iii) 5−(4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イ
ル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0209】
【0210】 GC保持時間19.1分。 (iv) 5−[4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン−2
−イル]−1,3−ベンゾジオキソール
【0211】
【0212】 この物質は、GC試料の水洗浄中容易にジオールを失った。従って、GC分析
に用いた反応溶液の一部分は、酢酸エチルに入れたピナコール溶液で処理し、次
に水で洗浄した。生成物はボロン酸のピナコールエステルとしてGC/MSによ
り同定された。GC保持時間、10.6分。 (v) 5−テトラヒドロ−3aH−シクロペンタン[d][1,3,2]ジ
オキサボロル−2−イル−1,3−ベンゾジオキソール
【0213】
【0214】 GC保持時間、12.1分。
【0215】 例24 オルガニルボロン酸エステルを製造するための1,3,2−ジオキサボリナン
物質の使用 下の反応では、基質として1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを
使用した。触媒の活性化及びボリナンの合成を含む反応条件は、例23に記載し
たものと同じであった。反応生成物はGC/MSにより同定した。 (i) 5−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル
)−1,3−ベンゾジオキソール
【0216】
【0217】 保持時間11.5分で見出された一つの主要なピークは、希望の生成物である
ことが示された。 (ii) 5−(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2
−イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0218】
【0219】 GC保持時間、11.3分。 (iii) 5−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリ
ナン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0220】
【0221】 GC保持時間11.6分。
【0222】 例25 窒素原子に硼素も結合しているオルガニルボロン酸モノエステルの合成 2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−3−メチル−1,3,2−
オキサザボロリジンの合成
【0223】
【0224】 反応は、例23に記載した反応に従って行われたが、ジオールの代わりに、ア
ミノアルコール、2−メチルアミノエタノールを用いた。GC分析のため、酢酸
エチル溶液にピナコールを添加した。GCで保持時間10.4分で一つの主要ピ
ークが見出され、これはGC/MSにより、アリールボロン酸のピナコールエス
テルとして同定された。従って、必要な化合物は良好な収率で形成されたが、水
性抽出中の加水分解に対しては安定ではなく、ボロン酸を形成した。ピナコール
を添加しないと、GC分析でピークは観察されない。
【0225】 例26 キラルジオール(1S.2S.3R.5S)−(+)ピナンジオールによるア
リールボロン酸エステルの形成 ボラン(1S.2S.6R.8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオ
キサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカンのストック溶液を、ジ
オール(1.96g、11.5mM)及び20mlのジオキサン中に入れたBH 3 .SMe2溶液1.1ml(11mM)から合成した。375mgのPdCl2
dppf)CH2Cl2をトリエチルアミン(7ml)と共に68mlのジオキサ
ン中で80℃に24時間加熱することにより、ジオキサン中に入れた触媒のスト
ック溶液を調製した。約25mgの触媒及び0.47mlのトリエチルアミンを
含有するこの褐色溶液5mlを、不活性雰囲気中、基質(1mM)の入った反応
管中に入れた。次に、1.2mlのボラン溶液を添加し、反応混合物を閉じた管
中で撹拌しながら80℃に加熱した。混合物を24時間加熱したが、反応時間は
基質によって変化させ、基質が不活性化性置換基を有する場合、或はハロゲン化
物が沃化物ではなく臭化物である場合には一層長い反応時間を用いた。24時間
後、或は反応が完結していない場合にはもっと長い時間で、反応溶液の一部分を
取り出し、幾らかの酢酸エチルに溶解し、10%塩水溶液と共に振盪した。Mg
SO4により乾燥した後、GC測定を行なった。それら反応生成物をGC/MS
により同定した。次のキラル化合物が、この方法により得られた。
【0226】 (i) 2−[(1S.2S.6R.8S)−2,9,9−トリメチル−3,
5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカ−4−イル]ベ
ンゾニトリル
【0227】
【0228】 反応溶液のGCは、15.6分で唯一つの強いピークを持っていたが、それは
希望の生成物によるものであることが示された。 (ii) (1S.2S.6R.8S)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェ
ニル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6
.1.1.02.6]デカン
【0229】
【0230】 反応溶液のGCは、15.9分で唯一つの強いピークを持っていたが、それは
希望の生成物によるものであることが示された。 (iii) 2,6−ジメトキシ−3−[(1S.2S.6R.8S)−2,9
,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02. 6 ]デカ−4−イル]ピリジン
【0231】
【0232】 反応溶液のGCは、15.5分で唯一つの強いピークを持っていたが、それは
希望の生成物によるものであることが示された。 (iv) (1S.2S.6R.8S)−2,9,9−トリメチル−4−(2,
3,4−トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6
.1.1.02.6]デカン
【0233】
【0234】 反応溶液のGCは、17.0分で唯一つの強いピークを持っていたが、それは
希望の生成物によるものであることが示された。 (v) (1S.2S.6R.8S)−4−(2−メトキシフェニル)−2,
9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.0 2.6 ]デカン
【0235】
【0236】 反応溶液のGCは、14.4分で唯一つの強いピークを持っていたが、それは
希望の生成物によるものであることが示された。 (vi) (1S.2S.6R.8S)−2,9,9−トリメチル−4−[2−
(トリフルオロメチル)フェニル]−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[
6.1.1.02.6]デカン
【0237】
【0238】 反応溶液のGCは、12.4分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (vii) (1S.2S.6R.8S)−2,9,9−トリメチル−4−(2
−メチルフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.0 2.6 ]デカン
【0239】
【0240】 反応溶液のGCは、13.5分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。
【0241】 例27 キラルジオール(1R.2R.3S.5R)−(−)ピナンジオールによるア
リールボロン酸エステルの形成 ボラン(1R.2R.6S.8R)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオ
キサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカンを、ジオールとBH3.
SMe2から合成し、例26に記載した手順によりアリールハロゲン化物と反応
させた。それら反応生成物をGC/MSにより同定した。
【0242】 (i) 2−[(1R.2R.6S.8R)−2,9,9−トリメチル−3,
5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカ−4−イル]ベ
ンゾニトリル
【0243】
【0244】 反応溶液のGCは、15.6分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (ii) (1R.2R.6S.8R)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェ
ニル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6
.1.1.02.6]デカン
【0245】
【0246】 反応溶液のGCは、15.9分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (iii) 2,6−ジメトキシ−3−[(1R.2R.6S.8R)−2,9
,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02. 6 ]デカ−4−イル]ピリジン
【0247】
【0248】 反応溶液のGCは、15.5分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (iv) (1R.2R.6S.8R)−2,9,9−トリメチル−4−(2,
3,4−トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6
.1.1.02.6]デカン
【0249】
【0250】 反応溶液のGCは、17.0分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (v) (1R.2R.6S.8R)−4−(2−メトキシフェニル)−2,
9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.0 2.6 ]デカン
【0251】
【0252】 反応溶液のGCは、14.4分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (vi) (1R.2R.6S.8R)−2,9,9−トリメチル−4−[2−
(トリフルオロメチル)フェニル]−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[
6.1.1.02.6]デカン
【0253】
【0254】 反応溶液のGCは、12.4分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。 (vii) (1R.2R.6S.8R)−2,9,9−トリメチル−4−(2
−メチルフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.0 2.6 ]デカン
【0255】
【0256】 反応溶液のGCは、13.5分で唯一つの強いピークを持っており、それは希
望の生成物によるものであることが示された。
【0257】 例28 反応で用いる前にジオキサン中でトリエチルアミンと共に加熱することにより
活性化しておいた触媒PdCl2(dppf)CH2Cl2を用いた、ヒドロキシ
フェニルボロン酸ピナコールエステルの形成。 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノールの形成
【0258】
【0259】 窒素中、反応管中に4mlのジオキサン及び0.45mlのトリエチルアミン
と共に、27mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2を入れた。混合物を80
℃で17時間加熱し、褐色がかった溶液を与えた。次にこの溶液に224mg(
1.02mM)の2−ヨードフェノール及び0.4ml(2.7mM)のピナコ
ールボラン〔HB(pin)〕を添加した。反応混合物を撹拌しながら80℃に
加熱し、次にGCで測定し、生成物をGC/MSにより同定した。GC溶液は、
幾らかのピナコールを含有する酢酸エチル中に溶解した反応溶液の一部分を、酸
性化した水で、次に塩水で(2回)洗浄することにより調節し、そして乾燥した
。2時間反応させた後、GCでの希望の生成物ピークは74%の面積を持ってい
た。反応は6時間で完了し、極めて僅かなフェニルボロン酸ピナコールエステル
が形成された。 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノールの形成
【0260】
【0261】 2−ヨードフェノールの場合に用いた上記反応手順に従った。反応は一層速く
、GC分析のために最初の試料を1時間50分の反応時間後に取り出す前に完了
していた。フェニルボロン酸ピナコールエステルの量は、2−ヨードフェノール
反応の場合よりも多かった。(約7%) 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノールの形成
【0262】
【0263】 2−ヨードフェノールの場合に用いた上記反応手順に従った。反応は一層速く
、この場合もGC分析のために最初の試料を1時間50分の反応時間後に取り出
す前に完了していた。フェニルボロン酸ピナコールエステルの量は、3−ヨード
フェノール反応で見出された量とほぼ同じであった。4−ブロモフェノールを基
質として用いた場合の反応は一層遅いが、完結するまで進行した。ボランのジメ
チルスルフィド付加物からその場で調製されたピナコールボランも、4−ブロモ
フェノール及び4−ヨードフェノールと共に用いることができる。
【0264】 例29 ボロン酸エステルを与えるアリールアルデヒドの反応 3,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒドの形成
【0265】
【0266】 窒素中、反応管中に25mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2を入れ、4
mlのジオキサン及び0.45mlのトリエチルアミンを添加した。混合物を8
0℃で19時間加熱し、褐色がかった溶液を与えた。次にこの溶液に0.4ml
(2.7mM)のピナコールボラン、及び393mg(1.35mM)の3−ヨ
ード−4,5−ジメトキシベンズアルデヒドを添加した。反応混合物を撹拌しな
がら80℃に加熱し、16.5時間後にGCで分析し、生成物をGC/MSによ
り同定した。反応は完了しており、GCピーク面積により測定した生成物分布は
、希望の生成物89%、脱ハロゲン化物質7%、出発沃化物1%、及びフェニル
ボロン酸ピナコールエステル2%になっていた。
【0267】 例30 反応で用いる前にジオキサン中でトリエチルアミンと共に加熱することにより
活性化しておいた触媒PdCl2(dppf)CH2Cl2を用いた、カルブエト
キシフェニルボロン酸ピナコールエステルの形成。 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸エチルの形成
【0268】
【0269】 窒素中、反応管中に25.5mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2を入れ
、4mlのジオキサン及び0.45mlのトリエチルアミンを添加した。混合物
を80℃で23時間加熱し、褐色がかった溶液を与えた。次にこの溶液に286
mg(1.04mM)の2−ヨード安息香酸エチル及び0.23ml(1.6m
M)のピナコールボランを添加した。反応混合物を撹拌しながら80℃に16.
5時間加熱し、次にGCで分析し、生成物をGC/MSにより同定した。GC溶
液は、酢酸エチル中に溶解した反応溶液の一部分を、水で洗浄することにより調
製し、そして乾燥した。反応が終了し、GCでの希望の生成物ピークは84%の
面積を持っており、唯一つの他の顕著なピークは、脱ハロゲン化生成物、安息香
酸エチル(14%)によるものであった。 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸エチルの形成
【0270】
【0271】 2−ヨード安息香酸エチルの場合に用いた上記反応手順に従った。反応は終了
し、GC中の希望の生成物ピークは79%の面積をもち、唯一つの他の顕著なピ
ークは、脱ハロゲン化生成物、安息香酸エチル(16%)によるものであった。 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)安息香酸エチルの形成
【0272】
【0273】 2−ヨード安息香酸エチルの場合に用いた反応手順に従った。80分の反応時
間後、GCによる生成物の収率は44%であり、24時間後に分析した時、反応
は完了していた。
【0274】 例31 フェノールを、HB(OR)2型物質と反応させる前に、硼酸トリアルキルと
反応させ、フェノールの硼酸エステルを形成するのに必要なその試薬の量を少な
くするようにした反応。 特に、この例では、2当量のp−ヨードフェノールを1当量の硼酸トリエチル
と反応させ、その生成物を次に2.4当量のピナコールボランと反応させる。も
し硼酸トリエチルとの最初の反応を行わないと、この反応が完了するまで進行さ
せるのに少なくとも4当量のボラン試薬を必要とする。 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノールの形成
【0275】
【0276】 440mg(2mM)のp−ヨードフェノールを、シュレンク・フラスコ中に
、10mlの乾燥ベンゼン及び0.17mlの硼酸トリエチル(1mM)と共に
入れた。その溶液を不活性雰囲気(アルゴン)中で80℃に1.5時間加熱し、
次に形成されたベンゼン及びエタノールを、油浴温度を100℃に上昇させた後
、生成物から蒸留除去した。次にシュレンク中の液体に、例26に記載したよう
にして調製した活性化触媒〔PdCl2(dppf)CH2Cl2〕溶液を10m
l添加し、次に0.35ml(2.4mM)のピナコールボランを添加した。H 2 発生を示す泡立ちは観測されず、それは遊離フェノール基を示唆していた。次
に反応溶液を80℃に7.5時間加熱した後、GC分析のための試料を採取した
。この試料を、上で述べたように、酢酸エチル中で10%塩水で洗浄した。2分
より長い保持時間でGCには二つだけのピークが観察され、これらはフェニルボ
ロン酸ピナコールエステル(面積約7.5%)及び残りの面積(92.5%)を
占める希望の生成物に相当していた。
【0277】 例32 2−(1,2−ジメチル−1−プロペニル)−4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0278】
【0279】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、ジオキサン(1.00ml、1.
29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)及び2−ブロモ−3−メチル
−2−ブテン(131mg、0.879mM)を添加し、その反応混合物を80
℃で撹拌した。24時間後のGC分析は、5.0分で新しいピークを示し、それ
はGC/MSにより希望のボレート化合物として同定された。
【0280】 例33 1,3−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)−2,4(1H.3H)−ピリミジンジオン
【0281】
【0282】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、ジオキサン(1.00ml、1.
29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)及び5−ヨード−1,3−ジ
メチルウラシル(228mg、0.857mM)を添加し、その反応混合物を8
0℃で撹拌した。8時間後のGC分析は、20.3分で希望のボレート化合物を
示していた。
【0283】 例34 2−(1,2−ジメチル−1−プロペニル)−4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0284】
【0285】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、トリエチルアミン(0.36ml、2.58mM)、2−ブロモ−
3−メチル−2−ブテン(132mg、0.886mM)、ジオキサン(1.0
0ml、1.29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)、及びジオキサ
ン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたN−メチルアセトアミド(39
mg、0.53mM)の混合物を密封し、80℃で撹拌した。24時間後のGC
分析は希望のアルケニルボレート化合物の形成を示し、それはGC/MSによっ
ても同定された。
【0286】 例35 4,4,5,5−テトラメチル−2−(1,2,2−トリフェニルビニル)−
1,3,2−ジオキサボロラン
【0287】
【0288】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、ジオキサン(1.00ml、1.
29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)及びブロモトリフェニルエチ
レン(289mg、0.862mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌
した。24時間後のGC分析は、16.9分で新しいピークを示し、それはGC
/MSにより希望のアルケニルボレート化合物として同定された。
【0289】 例36 (Z)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
ン−2−イル)−2−プロペン酸エチル
【0290】
【0291】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、ジオキサン(1.00ml、1.
29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)及びcis−3−ヨードアク
リル酸エチル(193mg、0.854mM)を添加し、その反応混合物を80
℃で撹拌した。24時間後のGC分析は、8.4分で希望のボレート化合物を示
していた。GC/MSにより[M・Et]+が見出された。
【0292】 例37 4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラ
【0293】
【0294】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(23mg、0.0
28mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、ジオキサン(1.00ml、1.
29mM)中に入れた1.29MのHB(pin)及びトリフルオロメタンスル
ホン酸フェニル(197mg、0.871mM)を添加し、その反応混合物を8
0℃で撹拌した。4日後のGC分析は、7.4分で新しいピークを示し、それは
GC/MSにより希望のフェニルボレート化合物として同定された。
【0295】 例38 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0296】
【0297】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.18ml、
1.24mM)、1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン(216mg
、0.871mM)、及びN−メチルアセトアミド(39mg、0.56mM)
を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。30分後のGC分析は、11.
1分で新しいピーク(51%)を示し、それはGC/MSにより希望のアリール
ボレート化合物として同定された。
【0298】 例39 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)安息香酸エチル
【0299】
【0300】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(24mg、0.0
29mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.18ml、
1.24mM)、及び3−ヨード−4−メトキシ安息香酸エチル(266mg、
0.869mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。3日後のGC
分析は、14.6分で新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望のアリ
ールボレート化合物として同定された。
【0301】 例40 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−チエニル)−1,3,2−ジオキ
サボロラン
【0302】
【0303】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.18ml、
1.24mM)、及び2−ヨードチオフェン(177mg、0.843mM)を
添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。3日後のGC分析は、7.4分で
新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望の複素環ボレート化合物とし
て同定された。
【0304】 例41 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0305】
【0306】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(23mg、0.0
28mM)、トリエチルアミン(0.36ml、2.58mM)、HB(pin
)(0.19ml、1.31mM)、1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベ
ンゼン(216mg、0.871mM)、及びジオキサン(5ml、4Å分子篩
で乾燥した)中に入れたN,N−ジメチルアセトアミド(41mg、0.47m
M)の混合物を密封し、80℃で撹拌した。24時間後のGC分析は、反応が完
了したことを示し、希望のアリールボレート化合物が形成されたことを示してい
た(11.2分での新しいピーク)。
【0307】 例42 4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラ
【0308】
【0309】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、トリエチルアミン(0.36ml、2.58mM)、HB(pin
)(0.19ml、1.31mM)、トリフルオロメタンスルホネート(192
mg、0.847mM)、及びジオキサン(4.5ml、4Å分子篩で乾燥した
)中に入れたアセトアニリド(61mg、0.45mM)の混合物を密封し、8
0℃で撹拌した。24時間後のGC分析は、反応が完了したことを示し、希望の
アリールボレート化合物が形成されたことを示していた(7.5分での新しいピ
ーク)。
【0310】 例43 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,4,6−トリクロロフェニル)−
1,3,2−ジオキサボロラン
【0311】
【0312】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ヨード2,4,6−トリクロロベンゼン(267mg、0
.869mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のG
C分析は、12.5分で新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望のア
リールボレート化合物として同定された。
【0313】 例44 2−(アセチルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル
【0314】
【0315】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.31m
l、2.14mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた2−アセトアミド−5−ブロモ安息香酸メチル(233mg、
0.856mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後の
GC分析は、16.4分で新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望の
アリールボレート化合物として同定された。
【0316】 例45 フェニル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロ
ラン−2−イル)フェニル]メタノン
【0317】
【0318】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−ブロモベンゾフェノン(233mg、0.869mM)を
添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、17.
0分で新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望のアリールボレート化
合物として同定された。
【0319】 例46 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,4,6−トリメトキシフェニル)
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0320】
【0321】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ヨード−2,4,6−トリメトキシベンゼン(253mg
、0.861mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後
のGC分析は、14.2分で単一の新しいピークを示し、それはGC/MSによ
り希望のアリールボレート化合物として同定された。
【0322】 例47 2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0323】
【0324】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ヨード−4−メトキシ−3−メチルベンゼン(215mg
、0.867mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後
のGC分析は、11.4分で単一の新しいピークを示し、それはGC/MSによ
り希望のアリールボレート化合物として同定された。
【0325】 例48 2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン
【0326】
【0327】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ヨード−2,4−ジメトキシベンゼン(227mg、0.
860mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析
は、11.0分で新しいピークを示し、それはGC/MSにより希望のアリール
ボレート化合物として同定された。
【0328】 例49 2−(2−メトキシ−1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン
【0329】
【0330】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ヨード−2−メトキシナフタレン(245mg、0.86
2mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析は、
14.3分で希望のアリールボレートを示していた。
【0331】 例50 2−(2−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン、及び4,4,5,5−テトラメチル−2−[2−(4,4,
5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0332】
【0333】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ブロモ−2−ヨード−ベンゼン(245mg、0.866
mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析により
、8.9分でモノボレート、12.9分でジボレートが検出された。
【0334】 例51 2−(4−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン、及び4,4,5,5−テトラメチル−2−[4−(4,4,
5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0335】
【0336】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(242mg、0.855m
M)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGCは、8.
8分でモノボレート、13.7分でジボレートを示していた。
【0337】 例52 2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン
【0338】
【0339】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−クロロ−ヨードベンゼン(209mg、0.876mM)
を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、7.
7分で希望のボレート化合物を示していた。
【0340】 例53 4,4,5,5−テトラメチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル
]−1,3,2−ジオキサボロラン
【0341】
【0342】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−ヨードベンゾトリフルオリド(235mg、0.864m
M)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、
5.0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0343】 例54 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1H−ピラゾール
【0344】
【0345】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.31m
l、2.14mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−ヨードピラゾール(116mg、0.856mM)を添加
し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、7.4分で
希望のボレート化合物を示していた。
【0346】 例55 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)ベンジルアミン
【0347】
【0348】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.32m
l、2.21mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた3−ヨードベンジルアミン(201mg、0.862mM)を
添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、10.
0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0349】 例56 4,4,5,5−テトラメチル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)
−1,3,2−ジオキサボロラン
【0350】
【0351】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ブロモ−3,4,5−トリメトキシベンゼン(213mg
、0.862mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後
のGC分析は、12.0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0352】 例57 4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−チエニル)−1,3,2−ジオキ
サボロラン
【0353】
【0354】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた3−ブロモチオフェン(137mg、0.840mM)を添加
し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、5.1分で
希望のボレート化合物を示していた。
【0355】 例58 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)安息香酸メチル
【0356】
【0357】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた3−ヨード−4−メトキシ安息香酸メチル(251mg、0.
859mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC
分析は、13.0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0358】 例59 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,3,4,6−テトラメトキシフェ
ニル)−1,3,2−ジオキサボロラン
【0359】
【0360】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れたメチル−2,3,4,6−テトラメトキシヨードベンゼン(2
74mg、0.845mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2
日後のGC分析は、13.3分で希望のボレート化合物を示していた。
【0361】 例60 N−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド
【0362】
【0363】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4′−ブロモ−2′−メチルアセトアニリド(197mg、0
.864mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分
析は、14.5分で希望のボレート化合物を示していた。
【0364】 例61 2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン
【0365】
【0366】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(204mg、0.86
0mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析は、
14.6分で希望のボレート化合物を示していた。
【0367】 例62 2,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)ピリミジン
【0368】
【0369】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた5−ブロモ−2,4−ジメトキシピリミジン(190mg、0
.867mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分
析は、8.9分で希望のボレート化合物を示していた。
【0370】 例63 2−(2−フルオロ[1,1′−ビフェニル]−4−イル)−4,4,5,5
−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
【0371】
【0372】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−ブロモ−2−フルオロジフェニル(213mg、0.84
8mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析は、
19.4分で希望のボレート化合物を示していた。
【0373】 例64 3,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド
【0374】
【0375】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた3−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド(254m
g、0.870mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後の
GC分析は、13.2分で希望のボレート化合物を示していた。
【0376】 例65 2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,
3,2−ジオキサボロラン
【0377】
【0378】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ブロモ−4−メトキシナフタレン(207mg、0.87
3mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析は、
14.7分で希望のボレート化合物を示していた。
【0379】 例66 4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−2−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−2−アミン
【0380】
【0381】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.32m
l、2.21mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた2−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)チアゾール(213
mg、0.858mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後
のGC分析は、17.5分で希望のボレート化合物を示していた。
【0382】 例67 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−{[(E)−3−メチル−1−ブ
テニル]オキシ}フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン
【0383】
【0384】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた1−ブロモ−4−[(3−メチルブテ−2−エニル)オキシ]
ベンゼン(209mg、0.867mM)を添加し、その反応混合物を80℃で
撹拌した。2日後のGC分析は、12.8分で希望のボレート化合物を示してい
た。
【0385】 例68 1−[4′−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
ン−2−イル)[1,1′−ビフェニル]−4−イル]−1−エタン
【0386】
【0387】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−アセチル−4′−ブロモビフェニル(240mg、0.8
72mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。2日後のGC分析は
、17.3分で希望のボレート化合物を示していた。
【0388】 例69 3−ブロモ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
ロラン−2−イル)−9H−カルバゾール
【0389】
【0390】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.32m
l、2.21mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた3,6−ジブロモカルバゾール(281mg、0.865mM
)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、2
1.3分で希望のボレート化合物を示していた。
【0391】 例70 6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−2−ナフトール
【0392】
【0393】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.32m
l、2.21mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた6−ブロモ−2−ナフトール(189mg、0.847mM)
を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、16
.0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0394】 例71 4,4−ジメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)−2−シクロヘキセン−1−オン
【0395】
【0396】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4,4−ジメチル−2−ヨード−2−シクロヘキセノン(21
3mg、0.852mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18
時間後のGC分析は、9.2分で希望のボレート化合物を示していた。
【0397】 例72 2−(4−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
−ジオキサボロラン
【0398】
【0399】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(21mg、0.0
26mM)、及びジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れた
トリエチルアミン(0.34ml、2.44mM)との混合物を密封し、80℃
で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19m
l、1.31mM)を添加し、次にジオキサン(2.5ml、4Å分子篩で乾燥
した)中に入れた4−メトキシベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート(
188mg、0.847mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。
18時間後のGC分析は、12.0分で希望のボレート化合物を示していた。
【0400】 例73 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0401】
【0402】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(24mg、0.0
29mM)、及びジメチルスルホキシド(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に
入れたトリエチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、
80℃で18時間撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml
、1.31mM)を添加し、次に1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼ
ン(211mg、0.851mM)を添加した。その反応混合物を80℃で撹拌
した。18時間後のGC分析は、希望のアリールボレート化合物が形成されたこ
とを示していた。
【0403】 例74 2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)−フェノール
【0404】
【0405】 溶液1: 乾燥ジオキサン(200ml)中に入れたピナコール(124.6
g、1.054M)をN2中で撹拌し、RTで平衡させた。 溶液2: ジオキサン(250ml)中に入れたボラン・メチルスルフィド錯
体(100ml;10M;1.00M)をN2中、RTで撹拌した。 溶液3: PdCl2(dppf)CH2Cl2(7.27g、8.90mM、
2モル%)及び乾燥ジオキサン(300ml)中に入れたNEt3(25.0m
l、0.179M)をN2中で80℃で一晩撹拌し、然る後、室温へ冷却した。
【0406】 溶液1をN2中、圧力平衡滴下漏斗へ移し、溶液2へ6時間に亙り添加した。
RTで一晩撹拌した後、40〜50℃に〜8時間加熱した。RTで一晩撹拌した
後、白色沈澱物が形成された。NEt3(149ml、1.07M)を添加し、
次に2−メトキシ−4−ブロモフェノール(91.6g、0.451M)をゆっ
くり添加した。最後に活性化触媒(溶液3)を添加し、得られた暗褐色溶液を1
00℃で撹拌した。20時間後のGC分析は、11.1分で希望のボレート化合
物(62%)を示していた。
【0407】 例75 2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサ
ボロラン−2−イル)−フェノールン
【0408】
【0409】 乾燥ジオキサン(40ml)中に入れたピナコール(11.29g、0.09
55M)の溶液を、ジオキサン(40ml)中に入れたボラン・メチルスルフィ
ド錯体(9.0ml;10M;0.090M)の溶液へ1時間に亙り滴下し、N 2 中でRTで撹拌した。この溶液に、HB(pin)(22.0ml、0.15
2M)及びジオキサン(30ml)中に入れた2−メトキシ−5−ブロモフェノ
ール(19.63g、0.0967M)を添加した。この溶液を室温で一晩撹拌
した後、活性化触媒〔PdCl2(dppf)CH2Cl2(2.38g、2.9
1mM)及び乾燥ジオキサン(450ml)中に入れたNEt3(40.0ml
、0.287M)を80℃に加熱し、RTに冷却した〕中へ滴下した。その反応
混合物を100℃に加熱した。18時間後のGC分析は、12.0分で希望のボ
レート化合物を示していた。
【0410】 例76 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリン
【0411】
【0412】 PdCl2(dppf)CH2Cl2(26mg、0.032mM)及び乾燥ジ
オキサン(4ml)中に入れたNEt3(0.43ml、3.09mM)を80
℃に一晩加熱し、RTへ冷却した。2−ブロモアニリン(181mg、1.05
mM)及び1.5mlの乾燥ジオキサン中に入れたHB(pin)(0.37m
l、2.55mM)の溶液をRTで一晩撹拌した後、上記活性化触媒へ添加した
。次にその混合物を80℃に加熱した。18時間後のGC分析は、9.8分で希
望のボレート化合物を示し、それはNMRによっても同定された。
【0413】 例77 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−ニトロフェニル)−1,3,2−
ジオキサボロラン
【0414】
【0415】 アルゴン中、反応容器中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(0.49g
、0.602mM)、及びジオキサン(14.8ml、4Å分子篩で乾燥した)
中に入れたトリエチルアミン(1.2ml、8.5mM)との混合物を密封し、
80℃で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(ジオ
キサン中22ml;1.38M;0.03M)、トリエチルアミン(8.5ml
、0.06M)、及び1−ヨード−4−ニトロベンゼン(5.0g、0.02M
)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。23時間後のGC分析は、1
1.9分でピークを示し、それはHNMRにより希望の化合物として同定された
【0416】 例78 2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)フェノール
【0417】
【0418】 アルゴン中、反応容器中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(0.71g
、0.85mM)、及びジオキサン(20.2ml、4Å分子篩で乾燥した)中
に入れたトリエチルアミン(1.8ml、12.9mM)との混合物を密封し、
80℃で一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(ジオ
キサン中267ml;1.36M;0.363M)、トリエチルアミン(47m
l、0.34M)、及び2−ヨードフェノール(25.0g、0.114M)を
添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。30時間後のGC分析は、9.2
分でピークを示し、それは1HNMRにより希望の化合物として同定された。
【0419】 例79 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1H−インドール
【0420】
【0421】 アルゴン中、反応容器中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(3.12g
、3.8mM)、及びジオキサン(90ml、KOHで乾燥した)中に入れたト
リエチルアミン(8ml、57.6mM)との混合物を密封し、80℃で一晩(
18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(ジオキサン中205
ml;1.97M;0.404M)、トリエチルアミン(46ml、0.33M
)、及び5−ブロモインドール(24.8g、0.126M)を添加し、その反
応混合物を80℃で撹拌した。174時間後のGC分析は、14.2分でピーク
を示し、それは1HNMRにより希望の化合物として同定された。
【0422】 例80 2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
キサボロラン−2−イル)フェノール
【0423】
【0424】 アルゴン中、反応容器中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(1.32g
、1.62mM)、及びジオキサン(40ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入
れたトリエチルアミン(3.2ml、23mM)との混合物を密封し、80℃で
一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(ジオキサン中
702ml;1.38M;0.97M)、トリエチルアミン(135ml、0.
97M)、及び4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール(65g、0.323
M)を添加し、その反応混合物を100℃で撹拌した。14日後のGC分析は、
11.6分でピークを示し、それは1HNMRにより希望の化合物として同定さ
れた。
【0425】 例81 4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−メチルフェニル)−1,3,2−
ジオキサボロラン
【0426】
【0427】 窒素中、反応管状中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.
027mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたト
リエチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で
一晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml
、1.31mM)、及び2−ヨードトルエン(188mg、0.862mM)を
添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は、6.4
5分でピークを示し、それはGC/MSにより希望のボレート化合物として同定
された。
【0428】 例82 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェノキシフェニル)−1,3,
2−ジオキサボロラン
【0429】
【0430】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、
1.31mM)、及び4−ブロモジフェニルエーテル(216mg、0.865
mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。18時間後のGC分析は
、13.84分でピークを示し、それはGC/MSにより希望のボレート化合物
として同定された。
【0431】 例83 N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド
【0432】
【0433】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、
1.31mM)、及び4−ブロモ−2−フルオロアセトアニリド(199.8m
g、0.861mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。52時間
後のGC分析は、12.64分でピークを示し、それはGC/MSにより希望の
化合物として同定された。
【0434】 例84 2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル
【0435】
【0436】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、
1.31mM)、及び2−(4−ブロモフェノキシ)酢酸エチル(223mg、
0.861mM)を添加し、その反応混合物を80℃で撹拌した。52時間後の
GC分析は、13.35分でピークを示し、それはGC/MSにより希望の化合
物として同定された。
【0437】 例85 2−(4−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン
【0438】
【0439】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、
1.31mM)、及び1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(244mg、0.86
2mM)を添加し、その反応混合物を室温で撹拌した。66時間後のGC分析は
、8.63分でピークを示し、それはGC/MSにより希望の化合物として同定
された。
【0440】 例86 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0441】
【0442】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及び蒸留1,2−ジクロロエタン(4ml)中に入れたトリエチル
アミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一晩(1
8時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、1.3
1mM)、及び1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン(215mg、
0.867mM)を添加し、その反応混合物を40℃で撹拌した。1.25時間
後のGC分析は、9.54分でピーク(7.2%)を示し、それはGC/MSに
より希望の化合物として同定された。
【0443】 例87 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0444】
【0445】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及び蒸留ジメトキシエタン(4ml)中に入れたトリエチルアミン
(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一晩(18時間
)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、1.31mM
)、及び1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン(216mg、0.8
70mM)を添加し、その反応混合物を40℃で撹拌した。1.25時間後のG
C分析は、9.61分でピーク(57.8%)を示し、それはGC/MSにより
希望の化合物として同定された。
【0446】 例88 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0447】
【0448】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びトルエン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリエ
チルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一晩
(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、1
.31mM)、及び1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン(214m
g、0.863mM)を添加し、その反応混合物を40℃で撹拌した。1.25
時間後のGC分析は、9.59分でピーク(39.5%)を示し、それはGC/
MSにより希望の化合物として同定された。
【0449】 例89 5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)−1,3−ベンゾジオキソール
【0450】
【0451】 窒素中、反応管中に、PdCl2(dppf)CH2Cl2(22mg、0.0
27mM)、及びジオキサン(4ml、4Å分子篩で乾燥した)中に入れたトリ
エチルアミン(0.36ml、2.58mM)との混合物を密封し、80℃で一
晩(18時間)撹拌した。室温に冷却した後、HB(pin)(0.19ml、
1.31mM)、及び1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼン(214
mg、0.863mM)を添加し、その反応混合物を40℃で撹拌した。1.2
5時間後のGC分析は、9.53分でピーク(46.1%)を示し、それはGC
/MSにより希望の化合物として同定された。
【0452】 例90 3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−
イル)アニリン
【0453】
【0454】 例76に記載した実験手順を、3−ブロモアニリンを用いて繰り返した。生成
物はGC及びNMR法により同定した。
【0455】 例91 活性水素を有するアリールボロン酸エステルの合成及びこの物質と第二アリー
ルハロゲン化物との1ポット、カップリングによる対称性ビアリールの形成。 N−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)フェニル]アセトアミ
ドの形成
【0456】
【0457】 4−ヨードアセトアニリド(262mg、1mM)を、0.25ml(1.8
mM)のピナコールボランと、25mgのPdCl2(dppf)CH2Cl2
び0.45mlのトリエチルアミンを含有するジオキサン溶液(5ml)中で8
0℃で反応させた。触媒は、トリエチルアミンを含むジオキサン中で80℃で2
4時間加熱することにより活性化してあった。反応溶液のGCは、全ての4−ヨ
ードアセトアニリドが反応して必要なボロン酸エステルを、幾らかのアセトアニ
リド及びフェニルボロン酸ピナコールエステルと共に与えていることを示してい
た。室温へ冷却した後、2mlのエタノールを反応容器に添加して過剰のピナコ
ールボランを破壊した。水素の発生が止まった後、450mgのK2CO3及び2
81mg(1mM)の1−ヨード−3,4−メチレンジオキシベンゼンを添加し
、反応を80℃に18.5時間加熱した。反応溶液の一部分についてのGC分析
は、アリールボロン酸エステルは示さず、17.7分でビアリール生成物につい
ての強いピークを示していた。
【0458】 ここに記載した本発明は、特に記述したもの以外の変更及び修正を行うことが
できることを、当業者は認めるであろう。本発明にはそのような変更及び修正の
全てが含まれるものと理解すべきである。本発明には、この明細書中で言及又は
指摘した工程、特徴、組成物及び化合物の全てが、個々に又は集約的に含まれ、
それら工程又は特徴のどのような二つ以上の組合せも全て含まれるものである。
【0459】 本明細書及び特許請求の範囲全体に亙って、別な内容を必要としない限り、用
語「からなる」、及び「有する」及び「含む」のようなその別の表現は、単数の
記載事項又は工程、又は複数の記載事項又は工程の群を包含することを意味する
が、他の単数事項又は工程、或は複数事項又は工程の群を排除するものではない
ことが理解されるであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月20日(2000.10.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 従って、本発明は、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似(halogen-like)置換基を
有するオレフィン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
物で、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、アセチレノ、カルボキシ(カルボキシラト
を含む)、カルボキシイミジル、スルホ、スルフィニル、スルフィンイミジル、
スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジル、スルホンジイミジル、スルホノ
ヒドロキシミル、スルファミル、ホスフィニル、ホスフィンイミジル、ホスホニ
ル、ジヒドロキシホスファニル、ヒドロキシホスファニル、ホスホノ(ホスホナ
トを含む)、ヒドロヒドロキシホスホリル、アロファニル、グアニジノ、ヒダン
トイル、ウレイド、及びウレイレンからなる群から選択された少なくとも一つの
置換基を有する芳香族環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入することからなる硼酸アリール又は
アルケンを合成するための方法を与える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 二置換モノヒドロボランを生成させるのに用いられるボランは、ポリヒドロボ
ランであるのが好ましい。本発明のこの特徴に従って用いることができるポリヒ
ドロボランの例には、BH3のスルフィド及びエーテル付加物が含まれる。その
ような付加物の例には、BH3.S(CH32のようなジアルキルスルフィド付
加物、BH3.THFのようなエーテル付加物、及びBH3.1,4−オキサチア
ンのような環式スルフィド付加物が含まれる。付加物はBH3.S(CH32
あるのが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 従って、本発明は、 (A)(i) ビニルカップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を
有するオレフィン化合物、又は (ii) 環カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有す
る芳香族環化合物で、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、アセチレノ、カルボキシ(
カルボキシラトを含む)、カルボキシイミジル、スルホ、スルフィニル、スルフ
ィンイミジル、スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジル、スルホンジイミ
ジル、スルホノヒドロキシミル、スルファミル、ホスフィニル、ホスフィンイミ
ジル、ホスホニル、ジヒドロキシホスファニル、ヒドロキシホスファニル、ホス
ホノ(ホスホナトを含む)、ヒドロヒドロキシホスホリル、アロファニル、グア
ニジノ、ヒダントイル、ウレイド、及びウレイレンからなる群から選択された少
なくとも一つの置換基を有する芳香族環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
反応させ、ボラン残基を前記カップリング位置に導入することにより硼酸アリー
ル又はアルケンを製造し、 (B) 前記硼酸アリール又はアルケンと、カップリング位置にハロゲン又は
ハロゲン類似置換基を有する有機化合物とを、第8〜11族金属触媒及び適当な
塩基の存在下で反応させ、前記オレフィン又は芳香族環化合物を、前記有機化合
物に、夫々のカップリング位置の間の直接結合によりカップルする、 ことからなる、有機化合物を共有結合する方法を与える。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 本発明による方法は、特に、活性水素含有置換基を有する芳香族又はオレフィ
ン化合物から硼酸アリール及びアルケンを形成するのに適している。ここで用い
られる用語「活性水素含有置換基」とは、反応性水素原子を有する置換基を指す
。そのような置換基の例には、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、アセチレノ、カル
ボキシ(カルボキシラトを含む)、カルボキシイミジル、スルホ、スルフィニル
、スルフィンイミジル、スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジル、スルホ
ンジイミジル、スルホノヒドロキシミル、スルファミル、ホスフィニル、ホスフ
ィンイミジル、ホスホニル、ジヒドロキシホスファニル、ヒドロキシホスファニ
ル、ホスホノ(ホスホナトを含む)、ヒドロヒドロキシホスホリル、アロファニ
ル、グアニジノ、ヒダントイル、ウレイド、及びウレイレンが含まれるが、それ
らに限定されるものではない。それら置換基の中で、ヒドロキシ及びアミノ置換
基で反応を行うことができることは特に驚くべきことである。活性水素を有する
置換基を有するそれら化合物については、付加的二置換モノヒドロボランが必要
になることがある。本発明の方法の付加的利点は、出発材料をその場で可溶化す
ることができることである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 PQ 2158 (32)優先日 平成11年8月11日(1999.8.11) (33)優先権主張国 オーストラリア(AU) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ロドポウロス、メアリー オーストラリア国 ビクトリア、ブラック バーン サウス、 バラッタ ストリート 39 (72)発明者 ウェイゴールド、ヘルムート オーストラリア国 ビクトリア、マウント ウェーバーリイ、 リーズ ロード 54 Fターム(参考) 4C022 CA07 4H039 CA91 CD20 4H048 AA02 AC90 BA02 BA21 BA25 BA32 BA51 BE90 VA11 VA12 VA13 VA20 VA22 VA30 VA32 VA42 VA75 VA77 VB10

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼酸アリール又はアルケンの合成方法において、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するオレフィ
    ン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
    物で、然も、有機金属化合物と反応する少なくとも一つの置換基を有する芳香族
    環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
    反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入することからなる、硼酸アリール又
    はアルケン合成法。
  2. 【請求項2】 二置換モノヒドロボランを、ボランと適当なアルコール又は
    アミンとの反応により発生させ、それを分離することなく用いる、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 二置換モノヒドロボランを、その場で発生させる、請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ボランがポリヒドロボランである、請求項2又は3に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 ポリヒドロボランが、BH3のスルフィド及びエーテル付加
    物から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリヒドロボランが、BH3:S(CH32、BH3:THF
    、及びBH3:1,4−オキサチアンから選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 有機化合物を共有結合する方法において、 (A)(i) ビニルカップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を
    有するオレフィン化合物、又は (ii) 環カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有す
    る芳香族環化合物で、然も、有機金属化合物と反応する少なくとも一つの置換基
    を有する芳香族環化合物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
    反応させ、ボラン残基を前記カップリング位置に導入することにより硼酸アリー
    ル又はアルケンを製造し、 (B) 前記硼酸アリール又はアルケンと、カップリング位置にハロゲン又は
    ハロゲン類似置換基を有する有機化合物とを、第8〜11族金属触媒及び適当な
    塩基の存在下で反応させ、前記オレフィン又は芳香族環化合物を、前記有機化合
    物に、夫々のカップリング位置の間の直接結合によりカップルする、 ことからなる、有機化合物を共有結合する方法。
  8. 【請求項8】 二置換モノヒドロボランを、ボランと適当なアルコール又は
    アミンとの反応により発生させる、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ボランがポリヒドロボランである、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 単一ポット中で行う、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 硼酸アリール又はアルケンを製造後、適当なプロトン供与
    化合物を添加することにより過剰の二置換モノヒドロボランを分解する、請求項
    10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 プロトン供与化合物が、水、アルコール、酸、及びそれら
    の混合物から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 二置換モノヒドロボランを、オレフィン又は芳香族環化合
    物の2当量と反応させ、硼酸アリール又はアルケンを形成し、そのボレートを残
    留オレフィン又は芳香族化合物と反応させて、対称カップル生成物を形成する、
    対称カップル生成物を製造するための、請求項7に記載の方法。
  14. 【請求項14】 硼酸アリール又はアルケン形成後、第二塩基を添加してカ
    ップリング反応に触媒作用を与えるか、又はそれを促進する、請求項10又は1
    3に記載の方法。
  15. 【請求項15】 カップリング位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有
    する有機化合物が、オレフィン又は芳香族環化合物とは異なり、その結果カップ
    ル生成物が非対称性になる、請求項7に記載の方法。
  16. 【請求項16】 オレフィン化合物(i)が、式I: {式中、R1、R2及びR3は、夫々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アル
    キニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアルキル、及びヘテロア
    リールアルキル(それらの各々は場合により置換されていてもよい)、シアノ、
    イソシアノ、ホルミル、カルボキシル、ニトロ、ハロ、アルコキシ、アルケノキ
    シ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ
    、ハロアリールオキシ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル
    、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ジベンジルアミノ、アルケニルアシル、
    アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオ
    キシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクロ
    キシ、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、アル
    キルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、スルホンアミド、スルファニル、スルホ
    、カルボキシ(カルボキシラトを含む)、カルバモイル、カルボキシミジル、ス
    ルフィニル、スルフィンイミジル、スルフィノヒドロキシミル、スルホンイミジ
    ル、スルホンジイミジル、スルホノヒドロキシミル、スルファミル、燐含有基〔
    ホスフィニル、ホスフィンイミジル、ホスホニル、ジヒドロキシホスファニル、
    ヒドロキシホスファニル、ホスホン(ホスホナトを含む)及びヒドロヒドロキシ
    ホスホリルを含む〕、アルコキシシリル、シリル、アルキルシリル、アルキルア
    ルコキシシリル、フェノキシシリル、アルキルフェノキシシリル、アルコキシフ
    ェノキシシリル、及びアリールフェノキシシリルから選択される} の化合物である、請求項1又は7に記載の方法。
  17. 【請求項17】 有機金属化合物と反応する置換基が、活性水素含有置換基
    である、請求項1又は7に記載の方法。
  18. 【請求項18】 硼酸アリール又はアルケンを、有機化合物と反応させる前
    に分離する、請求項7に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ハロゲン類似置換基をビニル置換位置に有するオレフィン
    化合物を、β−ハロゲンと共にカルボニル基を有する化合物から製造する、請求
    項1又は7に記載の方法。
  20. 【請求項20】 硼酸アリール又はアルケンの合成方法において、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するオレフィ
    ン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
    物、 を、第8〜11族金属触媒、適当な塩基、及び促進剤の存在下で二置換モノヒド
    ロボランと反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入することからなる、硼酸
    アリール又はアルケン合成法。
  21. 【請求項21】 促進剤がアミドである、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 促進剤が、p−ヨードアセトアニリド、アセトアニリド、
    アセトアミド、及びN−メチルアセトアミドから選択される、請求項21に記載
    の方法。
  23. 【請求項23】 第8〜11族金属触媒を、二置換モノヒドロボランを前記
    触媒と接触させる前に、塩基(一種又は多種)により活性化する、請求項1、7
    又は20のいずれか1項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 触媒を塩基と共に加熱することにより活性化を行う、請求
    項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 塩基(一種又は多種)が有機アミンを含有する、請求項2
    3に記載の方法。
  26. 【請求項26】 モノヒドロボランが、式: (RX)2B−H 〔式中、各Xは、独立に、O、S及びNR″(ここでR″はH、場合により置換
    アルキル、又は場合により置換アリールである)から選択され、各Rは独立に、
    場合により置換アルキル、場合により置換アリールから選択されるか、又は−B
    (XR)2が、式II: (式中、R′は、場合により置換アルキレン、アリーレン、又は他の結合脂肪族
    又は芳香族部分を有する二価の基であり、Xは上で定義した通りである。) の環式基を表す。〕 の化合物である、請求項1又は7に記載の方法。
  27. 【請求項27】 二置換モノヒドロボランがジアルコキシヒドロボランであ
    る、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 ジアルコキシモノヒドロボランが、4,4−ジメチル−1
    ,3,2−ジオキサボリナン、4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサ
    ボリナン、4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、4
    ,4−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、4,4,5−トリメチル−1
    ,3,2−ジオキサボロラン、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
    オキサボロラン、4−フェニル−1,3,2−ジオキサボリナン、n−プロパン
    ジオールボラン(1,3,2−ジオキサボリナン)、5,5−ジメチル−1,3
    ,2−ジオキサボリナン、(4R,5R)−4,5−ビス(1−メトキシ−1−
    メチルエチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ビ
    ス(1−メトキシ−1−メチルエチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、ジナ
    フト[2,1−d:1,2−f][1,3,2]ジオキサボレピン、(4R,5
    R)−3,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−オキサザボロリジン、(
    4S,5S)−3,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−オキサザボロリ
    ジン、(4R,5R)−3−イソプロピル−4−メチル−5−フェニル−1,3
    ,2−オキサザボロリジン、(4S,5S)−3−イソプロピル−4−メチル−
    5−フェニル−1,3,2−オキサザボロリジン、(4R,5R)−4,5−ジ
    メチル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジメチル−
    1,3,2−ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ジフェニル−1,3
    ,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1,3,2−
    ジオキサボロラン、(4S)−4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサ
    ボロラン、(4R)−4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン
    、テトラヒドロ−3aH−シロクペンタ[d][1,3,2]ジオキサボロール
    、3−メチル−1,3,2−オキサザボロリジン、(6R)−4,4,6−トリ
    メチル−1,3,2−ジオキサボリナン、(6S)−4,4,6−トリメチル−
    1,3,2−ジオキサボリナン、ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサボ
    ロール、(4R,5R)−4,5−ビス(メトキシメチル)−1,3,2−ジオ
    キサボロラン、(4S,5S)−4,5−ビス(メトキシメチル)−1,3,2
    −ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ジシクロヘキシル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、(4S,5S)−4,5−ジシクロヘキシル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、(5R)−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、(5S)−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、(4R)−4−フェニル−1,3−ジオキサ−2−ボラス
    ピロ[4,4]ノナン、(4S,5S)−4,5−ビス(1−メトキシシロクペ
    ンチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ビス(1
    −メトキシシロクペンチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S)
    −1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロピル、(4
    R,5R)−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボン酸ジイソプロ
    ピル、(1R,2S,6S,7S)−1,10,10−トリメチル−6−フェニ
    ル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、(
    1S,2R,6R,7R)−1,10,10−トリメチル−6−フェニル−3,
    5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、(3aR)
    −3a−メチル−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1
    ,2−c][1,3,2]オキサザボロール、(3aS)−3a−メチル−3,
    3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,
    2]オキサザボロール、(3aR)−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ
    −3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール、(3aS)−
    3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,
    3,2]オキサザボロール、(4S,5S)−4,5−ビス[(4R)−2,2
    −ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−1,3,2−ジオキサボロラ
    ン、(4R,5R)−4,5−ビス[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジ
    オキソラン−4−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン、(2R)−2−{(
    4S,5S)−5−[(2R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−
    イル]−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル}−1,4−ジオキサスピロ
    [4.5]デカン、(2S)−2−{(4R,5R)−5−[(2S)−1,4
    −ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン
    −4−イル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン、(4S,5S)−N 4 ,N4,N5,N5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジ
    カルボキサミド、(4R,5R)−N4,N4,N5,N5−テトラメチル−1,3
    ,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサミド、(1R,2R,6S,8
    R)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.
    1.1.02.6]デカン、及び(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリ
    メチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン
    から選択される、請求項24に記載の方法。
  29. 【請求項29】 第8〜11族金属触媒が、Ni、Pt又はPdからなる、
    請求項1、7又は20のいずれか1項に記載の方法。
  30. 【請求項30】 触媒がパラジウム触媒である、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 パラジウム触媒がパラジウム錯体である、請求項30に記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 パラジウム錯体が、Pd3(dba)3、PdCl2、Pd
    (OAc)2、PdCl2(dppf)CH2Cl2、Pd(PPh34、及びホス
    フィンリガンド、亜燐酸リガンド、又は他の適当な、白金原子を配位するための
    P及び(又は)N原子含有リガンドの錯体である関連触媒から選択される、請求
    項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 パラジウム錯体が固体担体上に結合されている、請求項3
    1に記載の方法。
  34. 【請求項34】 パラジウム触媒が、パラジウムブラック、パラジウム又は
    炭素、パラジウムクラスター、他の金属を含有するパラジウムクラスター、及び
    多孔質ガラス中のパラジウムから選択される、請求項30に記載の方法。
  35. 【請求項35】 第8〜11族金属触媒がパラジウム触媒である、請求項2
    9に記載の方法。
  36. 【請求項36】 第8〜11族金属触媒がニッケル触媒である、請求項29
    に記載の方法。
  37. 【請求項37】 カップリング工程Bのための適当な塩基が、カルボン酸ア
    リール及びアルキル、Li、Na、K、Rb、Cs、アンモニウム、アルキルア
    ンモニウム、Mg、Ca及びBaのフッ化物、水酸化物、及び炭酸塩;Li、N
    a、K、Rb及びCsの燐酸塩及びアリール燐酸塩;Li、Na、K、Rb、及
    びCsの燐酸エステル、Li、Na、K、Rb及びCsのフェノキシド;Li、
    Na、K、Rb及びCsのアルコキシド;及び水酸化タリウムからなる群から選
    択される、請求項7に記載の方法。
  38. 【請求項38】 カップリング工程のための適当な塩基が、炭酸セシウム、
    炭酸カリウム、燐酸カリウム、及びアルカリ金属水酸化物から選択される、請求
    項7に記載の方法。
  39. 【請求項39】 オレフィン又は芳香族化合物の一つ及び有機化合物が重合
    体である、請求項7に記載の方法。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載の方法に従って製造された官能性化固体
    重合体。
  41. 【請求項41】 オレフィン化合物又は芳香族環、又は有機化合物が、固体
    重合体担体に化学的に結合されている、請求項7に記載の方法。
  42. 【請求項42】 請求項7に記載の方法に従って製造された硼酸アリール又
    はアルケン。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載の硼酸アリール又はアルケンを加水分解
    にかける工程を含む、アリール又はアルケンボロン酸の製造方法。
  44. 【請求項44】 硼酸アリール又はアルケンの合成方法において、 (i) ビニル置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有するオレフィ
    ン化合物、又は (ii) 環置換位置にハロゲン又はハロゲン類似置換基を有する芳香族環化合
    物、 を、第8〜11族金属触媒及び適当な塩基の存在下で二置換モノヒドロボランと
    反応させ、ボラン残基を前記置換位置に導入し、 然も、前記第8〜11族金属触媒を、前記二置換モノヒドロボランと触媒とを
    接触させる前に、有機アミンで処理することにより活性化する、 ことからなる硼酸アリール又はアルケン合成法。
  45. 【請求項45】 有機アミンによる処理を、有機アミンと共に触媒を加熱す
    ることにより行う、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 (4R,5R)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキ
    サボロラン、(4S,5S)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
    ン、(4R,5R)−4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロラン、(
    4S,5S)−4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S)
    −4−(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R)−4−(
    メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、テトラヒドロ−3aH−シ
    ロクペンタ[d][1,3,2]ジオキサボロール、3−メチル−1,3,2−
    オキサザボロリジン、(6R)−4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキ
    サボリナン、(6S)−4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナ
    ン、ヘキサヒドロ−1,3,2−ベンゾジオキサボロール、(4R,5R)−4
    ,5−ビス(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S,5S
    )−4,5−ビス(メトキシメチル)−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R
    ,5R)−4,5−ジシクロヘキシル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4S
    ,5S)−4,5−ジシクロヘキシル−1,3,2−ジオキサボロラン、(5R
    )−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン、(5S
    )−4,4−ジメチル−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R
    )−4−フェニル−1,3−ジオキサ−2−ボラスピロ[4,4]ノナン、(4
    S)−4−フェニル−1,3−ジオキサ−2−ボラスピロ[4,4]ノナン、(
    4S,5S)−4,5−ビス(1−メトキシシロクペンチル)−1,3,2−ジ
    オキサボロラン、(4R,5R)−4,5−ビス(1−メトキシシロクペンチル
    )−1,3,2−ジオキサボロラン、ジイソプロピル(4S,5S)−1,3,
    2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキシレート、ジイソプロピル(4R,
    5R)−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキシレート、(1R
    ,2S,6S,7S)−1,10,10−トリメチル−6−フェニル−3,5−
    ジオキサ−4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、(1S,2R,
    6R,7R)−1,10,10−トリメチル−6−フェニル−3,5−ジオキサ
    −4−ボラトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、(3aR)−3a−メチ
    ル−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][
    1,3,2]オキサザボロール、(3aS)−3a−メチル−3,3−ジ(2−
    ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザ
    ボロール、(3aR)−3,3−ジ(2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロ
    ロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール、(3aS)−3,3−ジ(
    2−ナフチル)テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキ
    サザボロール、(4S,5S)−4,5−ビス[(4R)−2,2−ジメチル−
    1,3−ジオキソラン−4−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン、(4R,
    5R)−4,5−ビス[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−
    4−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン、(2R)−2−{(4S,5S)
    −5−[(2R)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イル]−1,
    3,2−ジオキサボロラン−4−イル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デ
    カン、(2S)−2−{(4R,5R)−5−[(2S)−1,4−ジオキサス
    ピロ[4,5]デシ−2−イル]−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル}
    −1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン、(4S,5S)−N4,N4,N5
    ,N5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−4,5−ジカルボキサ
    ミド、(4R,5R)−N4,N4,N5,N5−テトラメチル−1,3,2−ジオ
    キサボロラン−4,5−ジカルボキサミド、(1R,2R,6S,8R)−2,
    9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.0 2.6 ]デカン、及び(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3
    ,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカンからなる群
    から選択された二置換モノヒドロボラン。
  47. 【請求項47】 4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1
    ,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸、4−ヒドロキシ−3−(4
    ,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェ
    ニルアラニン、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
    ロラン−2−イル)安息香酸、3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチ
    ル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸、5−(4−フェニル
    −1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール、
    5−(4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3
    −ベンゾジオキソール、5−(4,5−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロ
    ラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール、5−[4−(メトキシメチル
    )−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−1,3−ベンゾジオキソール
    、5−テトラヒドロ−3aH−シロクペンタ[d][1,3,2]ジオキサボロ
    ール−2−イル−1,3−ベンゾジオキソール、5−(4,4,6−トリメチル
    −1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール、
    5−(4,4,6,6−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イ
    ル)−1,3−ベンゾジオキソール、2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−
    イル)−3−メチル−1,3,2−オキサザボロリジン、2−[(1S,2S,
    6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシク
    ロ[6.1.1.02.6]デシ−4−イル]ベンゾニトリル、(1S,2S,6
    R,8S)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−2,9,9−トリメ
    チル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、
    2,6−ジメトキシ−3−[(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメ
    チル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デシ−4
    −イル]ピリジン、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4
    −(2,3,4−トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシ
    クロ[6.1.1.02.6]デカン、(1S,2S,6R,8S)−4−(2−
    メトキシフェニル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラト
    リシクロ[6.1.1.02.6]デカン、(1S,2S,6R,8S)−2,9
    ,9−トリメチル−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,5−ジ
    オキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、(1S,2S,6
    R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(2−メチルフェニル)−3,5−
    ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、2−[(1R,
    2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラト
    リシクロ[6.1.1.02.6]デシ−4−イル]ベンゾニトリル、(1R,2
    R,6S,8R)−4−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−2,9,9−
    トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デ
    カン、2,6−ジメトキシ−3−[(1R,2R,6S,8R)−2,9,9−
    トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デ
    シ−4−イル]ピリジン、(1R,2R,6S,8R)−2,9,9−トリメチ
    ル−4−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ
    トリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、(1R,2R,6S,8R)−4−
    (2−メトキシフェニル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−
    ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、(1R,2R,6S,8R)−
    2,9,9−トリメチル−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,
    5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、(1R,2
    R,6S,8R)−2,9,9−トリメチル−4−(2−メチルフェニル)−3
    ,5−ジオキサ−4−ボラトリシクロ[6.1.1.02.6]デカン、2−(4
    ,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェ
    ノール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
    −2−イル)フェノール、3,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラ
    メチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド、2−(
    4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安
    息香酸エチル、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
    ロラン−2−イル)安息香酸エチル、1,3−ジメチル−5−(4,4,5,5
    −テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,4(1H,
    3H)−ピリミジンジオン、4−メトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチ
    ル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル、4,4,5,
    5−テトラメチル−2−(2,4,6−トリクロロフェニル)−1,3,2−ジ
    オキサボロラン、2−(アセチルアミノ)−5−(4,4,5,5−テトラメチ
    ル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル、フェニル[4
    −(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル
    )フェニル]メタノン、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2,4,6−ト
    リメトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−メトキシ−
    1−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
    ン、2−(2−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、4,4,5,5−テトラメチル−2−[2−(4,4,5
    ,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−
    1,3,2−ジオキサボロラン、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3
    ,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンジルアミン、4,4,5,5−テトラ
    メチル−2−(2,3,4,6−テトラメトキシフェニル)−1,3,2−ジオ
    キサボロラン、N−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,
    3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド、2−(6−メ
    トキシ−2−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキ
    サボロラン、2,4−ジメトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,
    3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン、2−(2−フルオロ[1,
    1′−ビフェニル]−4−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2
    −ジオキサボロラン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,4,5,5−
    テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、4−[4−(4,4,5,5−
    テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3
    −チアゾール−2−アミン、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−{[(
    E)−3−メチル−1−ブテニル]オキシ}フェニル)−1,3,2−ジオキサ
    ボロラン、1−[4′−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキ
    サボロラン−2−イル)[1,1′−ビフェニル]−4−イル]−1−エタノン
    、3−ブロモ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボ
    ロラン−2−イル)−9H−カルバゾール、6−(4,4,5,5−テトラメチ
    ル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−ナフトール、2−メトキ
    シ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2
    −イル)−フェノール、2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−
    1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール、2−(4,4,5,
    5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン、5−
    (4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)
    −1H−インドール、2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル
    −1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、5−(4,4,5,
    5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インド
    ール、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−フェノキシフェニル)−1,
    3,2−ジオキサボロラン、N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テト
    ラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセトアミド
    、2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
    −2−イル)フェノキシ]酢酸エチル、4−ヒドロキシ−3−(4,4,5,5
    −テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアラニン
    、及び3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−
    2−イル)アニリンからなる群から選択された硼酸アリール又はアルケン。
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