JP2002519157A - アンプル用密閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 カートリッジ（１）が挿入された注射器を密閉するための装置であり、カートリッジは可撓性の膜（３）によってその上部エッジを閉鎖され、そして針とカートリッジの上部表面（２）との間にクラウン９を備えたニードルキャリア部（８）の注射針に結合されており、それにより、カートリッジの上部表面（２）のエッジに対して膜（３）を押圧するように保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、それ専用ではないが、主として、アンプルまたは注射用カートリッ
ジ（injection cartridge)、特に、麻酔剤を含んだアンプルまたは注射用カート
リッジのための密閉装置に関するものである。

【０００２】 注射器に装着するためのこれらのカートリッジは小型のチューブから構成され
ており、一般的に、中空の針へ溶液を送出するための移動ピストンからなる端部
壁を有するガラス製品である。針が挿入されるまでは、カートリッジの前面部分
は針が通過するゴム製のアンプル又は膜によって閉鎖されており、針はチューブ
の前部へ締着される金属製リングによってチューブに固着されている。

【０００３】 このような構造は、カートリッジの保存および移送中、膜のどちら側からも圧
力が均衡にかかった状態で密閉することができる。しかしながら、カートリッジ
の端部に圧力が加えられたとき、カートリッジに針が装着されている状態では、
膜のディスクと金属製リングとの間に漏洩が生ずることがしばしば観察されてい
る。この漏洩はゴム製の膜と金属製リングの周縁で生じる。アンプルの端部へ加
えられた圧力は液体によって伝達され、その液体はチューブの前面部分によって
構成されるシートから膜のディスクを持ち上げてしまう傾向があり、この結果、
液体をシートと膜の後壁との間から通過させることとなる。

【０００４】 固着するための密閉手段を設けられたカートリッジの密閉を改良するための提
案が既になされているが、満足するには至っていない。

【０００５】 オーストラリア特許第６０３８６２号は、ゴム製の膜の中心に作用するクラウ
ンを提示している。

【０００６】 アメリカ合衆国特許第１９９３６２９号においては、カラーがガラス製のチュ
ーブの前面を閉鎖するゴム製のブロックを変形している。

【０００７】 アメリカ合衆国特許第２１５７５０３号においては、カラーが鋭角の断面を有
しているが、その機能もそのチューブとの寸法関係も画定されていない。

【０００８】 これら３つの書類は手操作、すなわち、比較的低圧力において作用する注射器
に関するものである。

【０００９】 本発明の目的は、高圧力が加えられた場合でも上述した欠点を解消し、そして
例えば、板間層内（intradiploic）注射、靭帯内（intraligamentary）注射、隔
膜内（intraseptal）注射、口蓋内（intrapalatine）注射、等の注射のために、
高圧力が必要なときでも、注射液が漏洩することのない密閉装置を提供するもの
である。高圧での密閉を提供することが考えの基本であり、２つの不変形部分の
エッジ間で可撓性の膜を圧縮する必要がある。

【００１０】 本発明によれば、可撓性の膜によってその上端が閉鎖され、注射針に結合され
るカートリッジに挿入される注射器を密閉するための装置は、針とカートリッジ
の前面との間のリンク部がカートリッジの開口の直径と実質的に等しい直径の突
出したクラウンを現出し、そして、カートリッジの上部表面の内側エッジに対し
て可撓性の膜を押圧するように保持することを特徴としている。

【００１１】 この結果、アンプルの端部の壁に圧力が加えられた場合、クラウンは開口の上
部エッジに対してディスクを強く押圧する。これによりディスクが変形し、そし
てあらゆる漏洩を防止する。針とカートリッジとの結合部分は注射器又はニード
ルキャリアの針を装着するためのアダプタとなるか、あるいはニードルプロパー
を囲繞するプラスチック材料のオーバーモールドされた（overmolded）部分とな
る。注射器としては、モールディングによって前面部分に一体化されたニードル
キャリアが同様の配置を有することもできる。

【００１２】 本発明のその他の特徴および利点は、図面と共に後述する、限定を意図しない
例示である特定な実施例の説明から明らかである。

【００１３】 図１は、例えば麻酔剤を含んだ周知のタイプのガラス製カートリッジ１の上部
を示している。これは平坦な上部エッジ２を有し、この平坦な上部エッジ２に対
してゴム、ネオプレン、または類似の可撓性の膜３が載置されている。膜３は、
その底部分がカートリッジ１の溝４内に締着された金属製リング５によって表面
２に対して保持される。カートリッジ１の上部中央開口６は、そのため、膜３に
よって閉鎖される。中空の針（図１には示されいない。）は注射液を注入するた
めに膜を通ってインジェクションポイント（injection point）へ至る。

【００１４】 針が定位置にある間にカートリッジ（図示なし）の端部壁に圧力が加えられる
と、膜の上壁は、締着された金属製リング５の内側エッジに対して固く押圧し、
これにより、カートリッジの上部表面２によって構成されるシートから膜が持ち
上げられる傾向があり、そのため、ほとんどの場合、漏洩が生ずる。本発明はカ
ートリッジの上部表面２のエッジ７の近傍に漏洩防止結合を達成することを指向
するものである。

【００１５】 多くの注射器において、針は、図２に示すようなニードルキャリアに装着され
る。針は、一般的にねじ山１６を介してねじ止めされるように、ニードルキャリ
ア８内に挿入され、その後、ニードルキャリアは、摩擦によって保持された注射
器の前方へスライドされる。ニードルキャリアがスライドすることにより、針は
膜３を通過させられる。参照符号１０はニードルプロパーに続く通路を示してい
る。ニードルキャリアの底部スカート１１は、好ましくは、切込み（indentatio
n）１２を有し、該切込みはアンプル上にニードルキャリアがスライドするのを
容易にして、十分な機械的結合を提供する。

【００１６】 本発明によれば、ニードルキャリア８は、チャンネル１０の下方に、カートリ
ッジ１の開口６の直径と実質的に等しい直径と、例えば１.５mmに等しい高さの
突出したクラウン９を有する。図２に示されるように、この密閉用のクラウン９
は膜３の同寸法の区域に対して支持するので、注射をする前に図に示される形状
をとる。すなわち、膜３の中央部分は双凸レンズの形状になる。この変形はカー
トリッジ１の内側エッジ７に対してそしてエッジ２の内側のリング形状の部分に
対して膜を押圧することになる。このことは、あらゆる漏洩に対抗した密閉区域
を作成するものである。

【００１７】 上述の実施例において、針はニードルキャリア８によってアンプルに装着され
る。ニードルプロパーは、通常、一切手を触れることなしにニードルキャリア内
に固着できるべきであるので、オーバーモールドされたプラスチック製の部分で
囲まれている。本発明はまた、針をアンプルに直接装着する場合にも適用するこ
とができる。このような針の一つが図３に示されている。それはその上にプラス
チック材料の部分１４がオーバーモールドされた中空の金属製チャンネル１３か
ら構成される。組立部分１４は円錐台形の前面端部と僅かに円錐形の底部スカー
ト１５とを有し、スカート１５には、スカート１５がカートリッジ１の外側の壁
に沿ってスライドするように、切込み１２が設けられている。周知の針とは異な
り、該スカートは、ニードルキャリア８のねじ山１６へ針を固着するために前記
実施例で使用されているような内側のねじ山を有するものに適合しているわけで
はない。しかしながら、組立部分１４は前記実施例におけるのと同様な機能を遂
行する密閉用クラウン９を有している。

【００１８】 上記本発明を同等の技術手段に代替させることによって、本発明の領域を超え
ることなく多数の変更がなされ得ることは明白である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来技術のカートリッジの上部を示す図である。

【図２】 本発明による注射器において膜がどのように変形するかを示す図である。

【図３】 本発明による針を示す図である。

【符号の説明】

１ カートリッジ ２ 上部表面 ３ 可撓性の膜 ４ 溝 ５ 金属製リング ６ 開口 ７ 内側エッジ ８ ニードルキャリア ９ リング（クラウン） １０ チャンネル １２ 切込み １３ 針（中空ダクト、金属製チャンネル） １４ 組立部分 １５ スカート １６ ねじ山

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性の膜（３）によってその上端を閉鎖されそして注射針
   に結合されるカートリッジ（１）に挿入される注射器を密閉するための密閉装置
   であって、針とカートリッジの上部表面（２）との間のリンク部（８，１４）が
   カートリッジの開口（６）の直径と実質的に等しい直径の突出したリング（９）
   を有し、カートリッジの上部表面（２）の内側エッジ（７）に対して膜（３）を
   押圧するように支承することを特徴とする密閉装置。
2. 【請求項２】 ニードルキャリア（８）に挿入された針を備え、クラウン（
   ９）はチャンネル（１０）の回りのニードルキャリアの内側でその中心に形成さ
   れ、クラウンの直径は開口（６）の直径より僅少小さいことを特徴とする請求項
   １記載の密閉装置。
3. 【請求項３】 注射器に一体化されたニードルキャリアは開口（６）の直径
   より僅少小さい直径のクラウン（９）を担持することを特徴とする請求項２記載
   の密閉装置。
4. 【請求項４】 オーバーモールドされた（overmolded）プラスチック製の部
   分（１４）に挿入された針（１３）を備え、クラウン（９）は部分（１４）の内
   部で針（１３）を通過させるためのダクト（１０）の下方に形成されることを特
   徴とする請求項１記載の密閉装置。
5. 【請求項５】 中空ダクト（１３）と組立部分（１４）とから構成される請
   求項３における注射針であって、部分（１４）のスカート（１５）は内部切込み
   (indentation)（１２）を備えることを特徴とする注射針。