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JP2002517435A - 動脈平滑筋細胞の増殖阻害のためのアルキル化化合物の使用 - Google Patents

動脈平滑筋細胞の増殖阻害のためのアルキル化化合物の使用

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JP2002517435A
JP2002517435A JP2000553050A JP2000553050A JP2002517435A JP 2002517435 A JP2002517435 A JP 2002517435A JP 2000553050 A JP2000553050 A JP 2000553050A JP 2000553050 A JP2000553050 A JP 2000553050A JP 2002517435 A JP2002517435 A JP 2002517435A
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JP
Japan
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compound
group
mustard
catheter
smooth muscle
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2000553050A
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English (en)
Inventor
ジョン イー. ハースト,
ウイリアム エム. グリーンマン,
スーザン ウォローウィッツ,
ライアン ディー. アルフォンソ,
Original Assignee
シーラス コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シーラス コーポレイション filed Critical シーラス コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、血管損傷の部位での平滑筋細胞の増殖を阻害するための方法および組成物を提供する。本方法は、化合物の活性化または徐放の必要のない、損傷の部位へのその反応性化合物の血管内投与を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、損傷部位における平滑筋の増殖を抑制する方法、化合物および装置
に関連する。
【0002】 (背景) 動脈硬化症は、動脈血管壁の肥厚および硬化によって特徴付けられる疾患のク
ラスである。全ての血管壁がこの重篤な変性状態に感受性であるが、大動脈およ
び心臓に提供する冠動脈が最も頻繁に影響される。動脈硬化症は、心臓発作、心
筋梗塞、卒中、および動脈瘤の危険性を増加させ得るので、非常に臨床的に重要
である。
【0003】 動脈硬化血管に対する伝統的な治療は、冠動脈バイパス手術であった。しかし
、より最近には、動脈硬化血管を治療するための血管再疎通処置が開発された。
これらの手順は、例えばバルーン血管形成術としても知られる、経皮経管動脈形
成術(PTA)を含む、閉塞部位まで血管内を通る血管内装置の使用を含む。バ
ルーン血管形成術は、その先端に固く包まれたバルーンを有するカテーテルを使
用する。カテーテルが閉塞に到達すると、そのバルーンが膨張し、そしてアテロ
ーム性硬化プラークが血管壁に対して圧縮される。しかし、これおよび他の血管
内処置の欠点は、多くの個体で治療血管が、血管形成治療後6ヶ月までに再狭窄
(すなわち、血管が狭くなる)することがあることである。再狭窄は、部分的に
は血管内装置によって引き起こされる血管壁への機械的損傷のためであると考え
られる。
【0004】 ほとんどの血管壁は、中心管の開口部、血管腔をとりまく3つの別々の層、ま
たは膜からなる。血管腔の内側を覆う最も内側の層は内膜と呼ばれる。中間の層
、中膜は、ほとんど円形状に配列した平滑筋細胞および結合組織繊維からなる。
非損傷血管では、平滑筋細胞は通常活発に分裂していない。血管壁の最も外側の
層、外膜は、大部分血管を保護するコラーゲン繊維からなる。内膜に損傷を与え
る機械的損傷が、血小板由来増殖因子(PDGF)のような化学物質の放出を含
む、多くの事象を引き起こす。それは何週間にもわたって損傷部位における平滑
筋細胞の移動および増殖を促進する。
【0005】 血管内装置を使用した後の、平滑筋細胞増殖を抑制するいくつかの方法が報告
されている。これらは、例えば細胞周期阻害剤および抗凝固剤のような抗増殖剤
を含む薬剤の、局所または全身性の送達システムによる投与を含む。しかし、薬
剤の全身性の送達は、毒性が高く、および高価である用量を必要とする。米国特
許第4,824,436号に記載されたような、薬剤、例えばヘパリンの局所送
達は、部分的には薬剤が無効な濃度まで拡散する前の損傷部位における不適当な
滞留時間に関連する問題のために、最狭窄の抑制に無効であることが判明した。
共有結合的に反応せず、そして有効であるために延長した滞留時間を必要とする
タキソールのような細胞周期阻害剤は、同様の問題を有するようである。それに
加えて、延長した滞留時間はより大きい毒性の危険性を有するようである。
【0006】 他に報告された平滑筋細胞の増殖を抑制するための方法は、徐放性の処方に含
まれた薬剤を局所的に送達することを含む。1つの実施例では、薬剤が72時間
以上の間動脈壁から放出されるように、生理学的に適合性の、生分解性のポリマ
ー微粒子に含まれた薬剤が、損傷部位に局所送達される。米国特許第5,171
,217号。平滑筋細胞の増殖を抑制するための、さらに別の報告された方法は
、光化学的に活性化された薬剤を局所送達システムによって投与することを含む
。1つの実施例では、光化学的に活性化された薬剤、例えば8−メトキシソラレ
ンを損傷部位に局所送達し、次いで可視光源によって活性化する。米国特許第5
,354,774号。別のアプローチは、放射線を放射するカテーテルまたはガ
イドワイヤーの使用である。それは、核酸に損傷を引き起こし、そして平滑筋細
胞の増殖を阻害し得る。しかし、これらのそれぞれの方法は、追加のレベルの複
雑さ、すなわち、試薬を徐放性処方物の上または中に取り込むこと、複雑な血管
内光源を使用する光活性化、または放射線科医の存在を必要とし、そして参加す
る人員に被爆の危険を与える放射線量の送達を必要とする。
【0007】 従って、血管再疎通処置後の、損傷部位における平滑筋細胞の増殖を阻害する
、より安全かつより複雑でない方法の必要性が存在する。
【0008】 (本発明の要旨) 本発明は、再疎通を受けた血管において、平滑筋細胞の増殖を阻害する方法を
含む。本方法は、徐放性または制御された放出方法でではなく、血管再疎通を受
けた個体に、血管再疎通部位への局所送達によって、アルキル化化合物を投与す
ることを含む。
【0009】 本発明の利点は、以下のものを含む。第1に、本発明の方法で使用する化合物
は迅速に細胞によって取り込まれ、そしてそれらは細胞の核酸と迅速におよび永
続的に反応するので、これらの化合物は有効であるために投与部位に長く留まる
必要がない。持続曝露方法とは異なり、本発明の化合物および方法は、非常に短
い曝露時間で持続する効果を有する。従って、平滑筋細胞の増殖を阻害するため
の、前に報告された薬剤の局所送達に伴う不十分な滞留時間の問題は克服される
。それに加えて、本発明の方法で使用する化合物は、迅速に細胞によって取り込
まれ、そしてそれらは細胞の核酸と迅速に反応するので、より短い曝露時間およ
びより低い濃度によって、それらの毒性は有意に抑制され得る。
【0010】 第2に、再疎通部位への局所送達によるアルキル化化合物の投与は、例えばこ
れらの化合物の全身性送達による投与に比べて、より低い投与量の使用を可能に
する。より低い投与量の使用は、これらの化合物の毒性を減少させる。
【0011】 本発明の第3の利点は、本方法は必ずしも徐放性処方中でのアルキル化化合物
の使用を必要としないことである。化合物を徐放性処方物の上または中に組み込
むことを必要としない方法は、より調製が容易であり、そしてより複雑でない技
術を必要とする。本発明の化合物が徐放性処方中で使用されることは必要とされ
ないが、上記で議論された理由のために、すなわちそれらは迅速かつ永続的に反
応して、その結果より低い濃度および曝露で有効であるという理由によって、そ
れらはそのような処方中で現在の化合物に対して利点を提供する。それは毒性の
危険性を減少し、そして有効性のために徐放性処方中で十分に高いレベルで処方
する問題を排除する。
【0012】 本発明の第4の利点は、本方法は、本方法で使用する化合物を活性化するため
の血管内光源の使用を必要としないこと、照射も必要としないことである。光源
または放射線の必要性が無いことは、再びより容易かつより複雑でない技術を可
能にする。
【0013】 本発明の方法は、細胞に迅速に取り込まれ、そして細胞内核酸と迅速に反応し
て増殖を阻害するアルキル化化合物を使用する。好ましい実施態様では、アルキ
ル化化合物は平滑筋細胞の核酸と共有結合を迅速に形成する。再狭窄を阻害する
のに十分な平滑筋細胞内への化合物の拡散および平滑筋細胞核酸との反応は、血
管損傷部位への化合物の送達後2分以内に、より好ましくは1分以内に、そして
最も好ましくは30秒以内に、本質的に完了する。
【0014】 本発明の方法で使用するアルキル化化合物は、少なくとも1つのエフェクター
グループと呼ばれ、反応して核酸と共有結合を形成し得る化学的に反応性の部分
を含むものを含む。好ましいエフェクターグループは、マスタード、マスタード
中間体、およびマスタード等価物を含む。特に好ましいマスタードのクラスは、
脂肪族マスタードである。
【0015】 本発明の方法で使用するアルキル化化合物はまた、アンカーグループとも呼ば
れる、核酸結合リガンドに共有結合したエフェクターグループを含む形で提供さ
れ得る。アンカーグループは、例えばアクリジン、およびアクリジン誘導体のよ
うなインターカレーターを含み得る。本発明の方法で使用する好ましい化合物は
、キナクリンマスタードである。
【0016】 さらに、本発明の方法で使用するアルキル化化合物は、エフェクターグループ
に共有結合した壊れやすいリンカーに共有結合したアンカーグループを含む形で
提供され得る。本発明の方法で使用するこのクラスの好ましい化合物は、β−ア
ラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミ
ノ]エチルエステルである。
【0017】 本発明の方法は、本発明で使用する化合物を局所送達によって投与することを
含む。1つの実施態様では、本発明の方法で使用する化合物は、カテーテルシス
テムによって局所送達され得る。好ましい実施態様では、本発明の方法で使用す
る化合物は、注入スリーブカテーテル(infusion sleeve ca
theter)によって局所送達され得る。本発明の方法で使用する化合物は、
再疎通処置の前、その間、またはその後に投与され得る。
【0018】 さらに、本方法はクエンチャーの投与も含み得る。1つの実施態様では、クエ
ンチャーは、例えばグルタチオンまたは硫酸チオールを含む、チオールタイプの
クエンチャーである。ある生物学的液体に既に存在する、天然に存在するクエン
チャー、例えば血液中のグルタチオンが存在するが、ある状況ではその濃度を増
加させること、または他のクエンチャー薬剤を投与することが望ましくあり得る
。クエンチャーは、局所的送達または全身的送達によって加えられ得る。クエン
チャーが全身的に投与される場合、クエンチャーは、本発明の方法で使用するア
ルキル化化合物の投与の前に、その近接する時間に、またはその後に加え得る。
クエンチャーが局所送達によって投与される場合、クエンチャーは、本発明の方
法で使用するアルキル化化合物の投与と近接する時間に、またはその後に加えら
れ得る。
【0019】 (本発明の実施の様式) (参考文献の援用) 特許、公開された特許出願、および他の刊行物を含む本出願で引用される参考
文献は、本明細書によって参考として援用される。
【0020】 (好ましい実施態様の説明) 例えば剥離処置またはバルーンカテーテルを含む血管内装置による動脈硬化症
の治療は、血管内装置に関連する技術が改良し続けるにつれて、ますます普及し
ている。バルーン血管形成処置単独で、世界中で年間約100万回行われている
。しかし、これらの処置は、大きな欠点を有する。かなりの場合に、治療6ヶ月
後までに治療血管が再閉塞、または再狭窄し、それは個体がさらなる治療を行う
ことを必要とする。「再狭窄」は、血管腔の直径が、血管再疎通処置直後の血管
腔の直径と比べて、約50%以上減少した段階を指す。
【0021】 再狭窄の病因はよくわかっていない。部分的には、治療血管壁の反動のためで
あると考えられる。さらに、動脈硬化症のような疾患を治療するために使用した
血管再疎通処置が、再疎通部位において機械的損傷を引き起こし得るという仮説
が立てられる。いかなる特定の作用メカニズムに限定することを意図することな
く、一旦血管において内膜の破壊が起これば、単球の内膜の内皮下層への移動お
よび、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、マクロファージ由来増殖因子
(MDGF)、および内皮細胞由来増殖因子(EDGF)を含む分裂促進的増殖
因子の放出を含む多くの事象が起こり始めるという仮説が立てられる。これらの
化学物質、および特にPDGFは、明らかに平滑筋細胞の増殖誘導に役割を果た
しており、それは次に形成するかなりの量の細胞間物質を産生し、そして内膜は
肥厚し始める。平滑筋細胞の増殖能を測定する方法は、当業者に公知であり、例
えばMarchら、Circulation、87:184−191(1993
)に記載されたような、平滑筋細胞による[3H]−チミジンの取り込みを測定
するアッセイ、および例えばインターロイキン1β(IL−1β)、インターロ
イキン8、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)お
よびエンドセリン−1を含む、ヒトサイトカインを検出するイムノアッセイを含
む。
【0022】 本発明の方法は、例えば血管再疎通処置の後に起こる内膜の肥厚によって起こ
る再狭窄を阻害することに向けられる。「血管再疎通」とは、例えば剥離および
血管形成処置を含む、血管を再構築する処置をいう。「再狭窄の阻害」とは、統
計学的に有意な様式で、実質的に平滑筋細胞の増殖を阻害すること、例えば未治
療のコントロールと比べて平滑筋細胞の増殖を約50%、または好ましくは約8
0%、およびより好ましくは約95%阻害することをいう。しかし、本発明の方
法が全ての増殖平滑筋細胞の阻害を引き起こすことは必須でない。平滑筋細胞の
増殖が治療部位で停止し、増殖平滑筋細胞の残りの部分が再狭窄を起こすには不
十分であることで十分である。「再狭窄の阻害」はまた、内膜肥厚の減少、およ
び管腔直径の狭小化の減少を指す。
【0023】 (投与の様式) 本発明の方法は、本発明で使用する化合物を局所送達システムによって投与す
ることを含む。本発明で使用する化合物は、再疎通処置と近接する時間に、また
は再疎通処置の後に局所送達によって投与され得る。本発明で使用する化合物の
送達時間は、最初の投与時間から約3分未満、より好ましくは約60秒より未満
、そして最も好ましくは約30秒未満である。本発明で使用する化合物は、単回
投与で送達され得るか、または反復投与で送達され得る。
【0024】 本発明で使用する局所送達システムの限定しない例は、血管内薬物送達カテー
テル、ワイヤー、薬理学的ステントおよび管腔内舗装(endoluminal
paving)を含む。
【0025】 好ましい実施態様では、本発明で使用する化合物は、血管内カテーテルを用い
た直接血管内放下(deposition)によって、再疎通部位に投与される
。本発明で使用するカテーテルシステムは、例えば圧力で駆動される(pres
sure−driven)カテーテル、拡散カテーテルおよび機械的カテーテル
を含む。例えば、WolinskyおよびThung、J.Am.Coll.C
ardiol.、15:475−81(1990);Goldmanら、Ath
erosclerosis、65:215−25(1987);Nabelら、
Science、294:1285−8(1990);Framら、J.Am.
Coll.Cardiol.、23:1570−71(1994);Riess
enら、Human Gene Ther.、4:749−58(1993);
Fernandez−Ortizら、Circulation、89:1518
−22(1994)を参照のこと。
【0026】 1つの実施態様では、本発明の方法で使用する化合物は、例えば多孔性カテー
テル、マイクロポーラス(microporous)カテーテル、例えばCor
dis Corporation製のもの、マクロポーラス(macropor
ous)カテーテル、輸送(transport)カテーテル、例えばCard
iovascular Dynamics/Boston Scientifi
c製のもの、チャネル型(channeled)バルーンカテーテル、例えばB
oston Scientific製のもの、および注入スリーブ(infus
ion sleeve)カテーテル、例えばLocalMed製のものを含む、
圧力で駆動されるカテーテルシステムによって投与され得る。
【0027】 好ましい実施態様では、本発明の方法は、注入スリーブ(infusion
sleeve)カテーテルである圧力に基づいて駆動されるカテーテルを利用す
る。その例は、Mouraら、Circulation、92:2229−23
05(1995)によって記載され、およびさらに米国特許第5,279,56
5号において記載される。これらは本明細書によって参考として援用される。
【0028】 注入スリーブ(infusion sleeve)は、動脈壁に対する薬剤送
達システムの並置、および薬剤の壁内への薬剤送達の両方を独立に調節すること
を可能にするように設計されている。その例の1つはLocalMedによって
産生される。血管の動脈構造にある注入スリーブ(infusion slee
ve)による薬剤送達の効果は、近位の送達圧と相関する。1つの実施態様では
、注入スリーブ(infusion sleeve)カテーテルによる、本発明
の方法で使用する化合物の送達に対する近位の圧力の効果は、インビトロで公知
の方法による治療動脈の組織学的評価によって決定され得る。1つの限定しない
例では、約50から200psiの間、好ましくは約100から150psiの
間、および最も好ましくは約50から100psiの間の近位圧が、注入スリー
ブカテーテルによって本発明の方法で使用する化合物を送達するのに使用され得
る。
【0029】 別の実施態様では、本発明の化合物は、例えばダブルバルーン、dispat
ch、ヒドロゲルおよび被覆ステントカテーテルを含む、拡散に基づくカテーテ
ルシステムによって局所投与され得る。本発明の方法はまた、本発明の方法で使
用する化合物の、例えばイオン導入バルーンカテーテルを含む機械的装置に基づ
くカテーテルシステムによる局所投与を含む。
【0030】 本発明で使用する化合物を局所へ送達する能力は、インビボで、例えば急性イ
ヌ冠動脈モデルを含む公知の動物モデルを用いて評価され得る。例えば、本発明
の方法で使用する化合物は、イヌの損傷部位に局所送達によって投与される。イ
ヌは屠殺され、次いで、例えば、蛍光顕微鏡を含む公知の方法によって試験され
る。
【0031】 本発明の方法で使用する化合物の送達に最適な条件は、使用される異なった局
所送達システム、および使用する化合物の性質および濃度によって変動し得る。
例えば平滑筋細胞の増殖能によって、または血管抵抗性または管腔の直径の変化
によって測定されるような、再狭窄による有意な動脈の閉塞が起こらないように
、条件は損傷部位における平滑筋細胞増殖の阻害のために最適化され得る。最適
化され得る条件は、例えば化合物の濃度、送達する容量、送達速度、血管壁の浸
透の深さ、近位の膨張圧、穿孔の量および大きさ、および薬剤送達カテーテルバ
ルーンの適合を含む。
【0032】 (本発明の方法で使用する化合物) 本発明の方法は、平滑筋細胞の核酸に結合および迅速に反応して細胞の複製を
阻害する能力を有する化合物の、損傷部位への局所送達による投与を含む。損傷
部位における化合物の曝露時間は、短時間であり得るが、なお再狭窄の望ましい
阻害を産生する。いかなる特定の作用メカニズムに限定することを意図すること
なく、本発明の方法は、活性化の速い動態を有し、化合物が再狭窄の阻害に無効
な濃度に拡散する前に、平滑筋細胞の核酸と迅速に反応して複製を遅らせ得る化
合物を用いることによって、平滑筋細胞の増殖を阻害して再狭窄を抑制または阻
害できるという仮説が立てられる。
【0033】 本発明の方法で使用する化合物は、「エフェクターグループ」と呼ばれ、核酸
と反応して共有結合を形成できる、少なくとも1つの化学的に反応性の分子を含
む。1つの実施態様では、エフェクター分子は、マスタード、マスタード中間体
、およびマスタード等価物からなるグループより選択される。
【0034】 「マスタードグループ」は、本明細書中でモノまたはビスハロエチルアミン基
、およびモノハロエチルスルフィド基を含むものとして定義される。特に好まし
いマスタードの種類は、脂肪族マスタードである。例えば、ナイトロジェンマス
タード、CH3−N(CH2CH2Cl)2、はマスタードグループを含む最も単純
な化合物の1つである。
【0035】 本発明の方法はまた、「マスタード中間体」の使用を含む。マスタードはアジ
リジニウムまたはアジリジン複合体およびこれら複合体の硫黄アナログのような
、反応性の中間体を形成し得る。1つの実施態様では、このエフェクターはマス
タード中間体であり得、Budowskyら、Vaccine Researc
h 5:29−39(1996)およびPCT WO97/07674で記載さ
れるように、例えばポリアミンアンカーに共有結合的に結合したアジリジンが使
用され得る。これらの開示は本明細書中で参考として援用される。
【0036】 本発明の方法はまた、「マスタード等価物」である官能基を含む化合物を含む
。マスタードグループ等価物は、マスタードのハロゲン化物が、モノまたはビス
メシルエチルアミン基、モノメシルエチルスルフィド基、モノまたはビストシル
エチルアミン基、およびモノトシルエチルスルフィド基のような異なる脱離基に
よって置換されたもの、および/またはエポキシドのような、マスタードが反応
するメカニズムと同様のメカニズムによって反応するものとして定義される。
【0037】 本発明の方法はまた、核酸結合リガンドに共有結合したエフェクターグループ
を含む化合物の、損傷部位への局所送達による投与を含む。
【0038】 「核酸結合リガンド」(または「アンカー」)は、本明細書中で核酸に親和性
を有し、そして非共有結合的に結合し得る基として定義される。いかなる特定の
メカニズムにも限定しないが、核酸結合リガンドは、分子を核酸へ標的化(また
は指向する)し、それと非共有結合的に相互作用するキャリア(またはアンカー
)として機能すると考えられる。アンカー−エフェクター配置は、(アンカーの
結合能力のために)化合物が核酸に特異的に結合するのを可能にする。これはエ
フェクターを核酸との反応のために近接に持ってくる。核酸に結合するいくつか
の方法がある。以下の方法、その組み合せ、または他の任意の方法によって結合
する化合物は、核酸結合リガンドと判断される。本発明は、以下の本発明の方法
で使用する化合物に限らないが、核酸結合リガンドのいくつかの例は、以下であ
る: a)アクリジン(およびアクリジン誘導体、例えばプロフラビン、アクリフラ
ビン、ジアクリジン、アクリドン、ベンズアクリジン、キナクリン)、アクチノ
マイシン、アンスラシクリノン(anthracyclinones)、ロドマ
イシン(rhodomycins)、ダウノマイシン、チオキサンテノン(およ
びチオキサンテノン誘導体、例えばmiracil D)、アントラマイシン(
anthramycin)、マイトマイシン、エキノマイシン(キノマイシンA
)、トリオスチン、エリプチシン(および2量体、3量体、およびそのアナログ
)、ノルフィリン(norphilin) A、フルオレン(および誘導体、例
えばフルオレノン、フルオレノジアミン)、フェナジン、フェナントリジン、フ
ェノチアジン(例えばクロルプロマジン)、フェノキサジン、ベンゾチアゾール
、キサンテンおよびチオキサンテン、アントラキノン、アントラピラゾール、ベ
ンゾチオピラノインドール、3,4−ベンゾピレン、1−ピレニルオキシラン、
ベンズアントラセン、ベンゾジピロン、キノリン(例えばクロロキン、キニーネ
、フェニルキノリンカルボキサミド)、フロコウマリン(furocoumar
ins)(例えばソラレンおよびイソソラレン)、エチジウム、プロピジウム、
コラリン(coralyne)、および多環式芳香族炭化水素およびそのオキシ
ラン誘導体のような、インターカレーター; b)ディスタマイシン(distamycin)、ネトロプシン、他のレキシ
トロプシン(lexitropsins)、Hoechst33258および他
のHoechst色素、DAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインド
ール)、ベレニル(berenil)、およびトリアリールメタン色素のような
、マイナーグルーブバインダー; c)アフラトキシンのような、メジャーグルーブバインダー; d)スペルミン、スペルミジンおよび他のポリアミンのような、静電気によっ
て結合する分子(リン酸骨格バインダー);および e)3重らせん形成、Dループ形成、および1本鎖標的への直接塩基対形成の
ような、配列特異的相互作用によって結合する核酸またはアナログ。これらの化
合物の誘導体も、アンカー基の限定しない例である。ここで、化合物の誘導体は
、あらゆる型の1つ以上の置換基を、あらゆる位置に有する化合物、その化合物
の酸化または還元産物等を含むが、これに限らない。
【0039】 本発明の方法で使用する例示的な化合物は、キナクリンマスタードであり、そ
の構造を下記に示す。
【0040】
【化1】 エフェクター基およびアンカーを含む、本発明の方法で使用する化合物の他の
例は、PCT WO96/14737、PCT WO96/39818、および
米国特許第5,559,250号で開示される。これらの開示は本明細書中で参
考として援用される。
【0041】 本発明の方法はさらに、本明細書中でFRALEと呼ばれる、エフェクター基
に共有結合した、こわれやすいリンカーに共有結合したアンカー基を含む化合物
の、損傷部位への局所送達によって投与することを含む。
【0042】 用語、「こわれやすいリンカー」は、アンカーおよびエフェクターの共有結合
を提供し、そしてある条件下で分解してアンカーおよびエフェクターがもはや共
有結合的に結合していないようにする部分を指す。上記で記載したアルキル化化
合物と同様、アンカー−こわれやすいリンカー−エフェクターの配置は、化合物
が核酸に特異的に結合することを可能にする。これはエフェクターを核酸との反
応のために近接に持ってくる。アンカー−こわれやすいリンカー−エフェクター
の配置を含む化合物は、PCT公開WO98/30545で開示され、その開示
は本明細書中で参考として援用される。
【0043】 本発明の方法で使用するこわれやすいリンカーの例は、エステル(ここでエス
テルのカルボニル炭素はアンカーとエステルのsp3酸素との間にある;この配
置は「前向き(forward)エステル」とも呼ばれる)、「逆向き(rev
erse)エステル」(ここでエステルのsp3酸素はアンカーとエステルのカ
ルボニル炭素との間にある)、チオエステル(ここでチオエステルのカルボニル
炭素はアンカーとチオエステルの硫黄との間にあり、「前向きチオエステル」と
も呼ばれる)、逆向きチオエステル(ここでチオエステルの硫黄はアンカーとチ
オエステルのカルボニル炭素との間にあり、「逆向きチオエステル」とも呼ばれ
る)、前向きおよび逆向きチオノエステル、前向きおよび逆向きジチオン酸、硫
酸塩、前向きおよび逆向きスルホン酸塩、リン酸塩、ならびに前向きおよび逆向
きホスホン酸塩基のような官能基を含む分子を含むがこれに限らない。「チオエ
ステル」は−C(=O)−S−基を示す。「チオノエステル」は−C(=S)−
O−基を示す。および「ジチオン酸」は−C(=S)−S−基を示す。こわれや
すいリンカーはまた、アミドを含み得る。ここでアミドのカルボニル炭素はアン
カーとアミドの窒素との間にあり(「前向きアミド」とも呼ばれる)、またはア
ミドの窒素はアンカーとアミドのカルボニル炭素との間にある(「逆向きアミド
」とも呼ばれる)。「前向き」または「逆向き」として示され得る基に関して、
前向きの方向は、官能基の加水分解後、できた酸性官能基がアンカー部分に共有
結合しており、できたアルコール、チオール、またはアミン官能基がエフェクタ
ー部分に共有結合している官能基の方向である。逆向きの方向は、官能基の加水
分解後、できた酸性官能基がエフェクター部分に共有結合しており、そしてでき
たアルコールまたはチオール官能基がアンカー部分に共有結合している官能基の
方向である。
【0044】 本発明の方法で使用する例示的な化合物は、β−アラニン,N−(アクリジン
−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルおよび
β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル
)アミノ]エチルアミドを含み、その構造を下記に示す。これらの化合物はPC
T公開WO98/30545で記載されたように合成され、その開示は本明細書
中で参考として援用される。β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2
−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルは、エステル官能基を有
するこわれやすいリンカーを含み、一方β−アラニン,N−(アクリジン−9−
イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルアミドは、アミド官能
基を有するこわれやすいリンカーを含む。
【0045】
【化2】 本発明の方法で使用する化合物の反応性は、エフェクター部分、またはFRA
LE化合物の場合にはエフェクターまたはリンカー部分のいずれかに修飾を行う
ことによって、増強され得る。エフェクター部分の修飾は、アルキル化に対する
化合物の反応性を変化させ得、一方リンカー基の置換基の修飾は、この基の加水
分解に対する反応性を変化させ得る。アルキル化反応の増強は、細胞の不活性化
と相関すると考えられるDNA付加物のより速い形成を引き起こす。加水分解反
応の増強は、より毒性が低くより変異原性が低い最終産物への、化合物のより速
い分解を引き起こすと考えられる。本発明の方法で使用する化合物の反応性を増
強するために最適化され得る条件は、化合物の細胞内−外の平衡速度、細胞の核
酸との反応速度、およびエステル加水分解の速度を含む。1つの実施態様では、
本発明で使用する化合物は、同等の反応速度を有する反応性エフェクター基によ
って補完される、細胞内空間に向かう速くて有利な平衡を有する。別の実施態様
では、リンカーの加水分解速度は、速いが、化合物のアルキル化速度よりもわず
かに遅い。1つの限定しない例では、リンカーの加水分解速度は、本発明で使用
する化合物のエフェクター部分のアルキル化速度よりも約2から10倍遅い。
【0046】 本発明の方法で使用する化合物のアルキル化反応は、脱離基(例えば上記で記
載した2つの化合物の塩化物イオン)のより良い脱離基による置換によって増強
され得る。それは、例えば臭化物またはメタンスルホネートまたは強酸の共役塩
基である他の基を含む反応性中間体アジリジニウムイオンのより速い形成を可能
にする。本発明の方法で使用する化合物のアルキル化反応性はまた、窒素へテロ
原子を、リンまたは砒素のような、適当な反応性を有する別のヘテロ原子と置換
することによって増強され得る。FRALEの反応性の増強はまた、アルキル化
剤の窒素の求核性を増強することによって達成される。これは、例えばエフェク
ターのクロロエチル基の、水素原子の適当な置換によって達成され得る。
【0047】 リンカー基の加水分解に対する反応性は、部分的には次のものを含む2つの因
子に依存する:1)エステル基をアンカー部分に結合しているアルキル基の長さ
、および2)エステル基をエフェクター部分のアミン原子に結合しているアルキ
ル基の長さ。どちらの例でも、加水分解速度は2つの鎖の長さが減少すると増加
する。この観察は、標準および逆のエステル配置の両方に関して当てはまる。
【0048】 本発明の方法で使用する化合物の反応性は、その処方によって、および例えば
pHおよび温度を含む、それらが送達される部位での生理的条件によって影響さ
れ得る。
【0049】 (処方) 本発明の方法は、本発明の方法で使用する化合物が送達される、種々の処方を
含む。本発明で使用するアルキル化化合物は、例えば水、生理食塩水、合成媒体
または種々の他の媒体中の水溶液として導入され得る。アルキル化化合物は、ア
ジュバントと共にまたはアジュバントなしで提供され得る。それに加えて、アル
キル化化合物の投与に続いて、ゲルが処置部位に送達され得る。ゲルは化合物を
コートし、化合物が投与時間から約3時間、天然に存在する生物学的流体によっ
て洗い流されるのを防ぐように作用する。さらに、アルキル化化合物は単独で、
または「カクテル」またはいくつかの異なるアルキル化化合物の混合物中で導入
され得る。
【0050】 1つの限定しない実施例では、本発明の化合物は約10nMから約100μM
、より好ましくは約100nMから約1μM、および最も好ましくは約300n
Mより少ない濃度で投与され得る。
【0051】 (再疎通を受けた血管における平滑筋細胞増殖の阻害に対する、本発明の方法
の有効性評価) 本発明の方法の有効性は、例えば平滑筋細胞増殖の阻害を測定する方法(例え
ば平滑筋細胞による[3H]−チミジンの取り込みを測定する)、または動脈閉
塞の変化を測定する方法を含む、当該分野で公知の方法によって測定され得る。
【0052】 例えば、本発明の方法の有効性は、本発明の方法による治療の後、インビトロ
で平滑筋細胞による[3H]−チミジンの取り込みによって測定され得る。本発
明の方法で使用される条件は、未処置のコントロールに比べて、平滑筋細胞によ
る[3H]−チミジンの取り込みが約50%、好ましくは約80%、最も好まし
くは約95%減少されるものである。
【0053】 別の例では、本発明の方法の有効性は、例えばインターロイキン1β(IL−
1β)、インターロイキン8、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖
因子(PDGF)、およびエンドセリン−1の産生を含む、細胞増殖および損傷
に対する反応に関連するヒトサイトカインの産生を、インビトロでアッセイする
ことによって測定される。サイトカインレベルは、例えばGenzyme Di
agnostics、Cambridge、MA、またはR&D System
s、Minn、MNによって製造されるELISAを含む、市販で入手可能なイ
ムノアッセイによって測定され得る。本発明の方法で使用される条件は、サイト
カインの産生が、未処置のコントロールに比べて約50%、好ましくは約80%
、そして最も好ましくは約95%減少されるものである。
【0054】 本発明の方法の有効性はまた、培養中の増殖細胞を本発明のアルキル化化合物
で処理し、例えば血球計算器を用いて経時的な細胞数を計測し、そして処理され
なかったコントロール培養の細胞数と比較することによって測定され得る。本発
明の方法で使用される条件は、28日までの期間にわたって細胞数が約100%
以下、より好ましくは約50%以下、さらにより好ましくは約20%以下、およ
び最も好ましくは約5%以下増加するものである。
【0055】 別の例では、本発明の方法の有効性は、インビトロで、本発明の方法で使用す
るアルキル化化合物で処理した後、特定の時点における培養中の平滑筋細胞の核
DNA含有量によって測定される。核DNA含有量は、当該分野で公知の標準的
なフローサイトメトリー法によって測定される。そのような測定のプロトコール
は、文献に詳述されている。例えばMarchら、Cirulation 87
:184−191(1993)を参照のこと。処理後、処理細胞の核DNA含有
量は、未治療のコントロール細胞と比べて約50%以下、好ましくは約10%以
下、および最も好ましくは約5%以下増加する。
【0056】 本発明で使用する化合物の局所送達能、およびこれらの化合物の有効性は、イ
ンビボで、例えばげっ歯類、ウサギ、ブタ、またはイヌ冠動脈モデルを含む公知
の動物モデルを用いて評価される。例えば、本発明の方法で使用する化合物また
は放射性標識した同等物は、動物の血管内損傷部位に局所送達によって投与され
る。適切な時間間隔で(例えば送達の評価のためには数分、有効性を評価するた
めには細胞増殖が起こるのに適当な間隔)、動物を例えば蛍光顕微鏡および超音
波を含む公知の方法によって、例えば化合物の分布、血管腔の直径、または内膜
の肥厚に関して試験する。
【0057】 1つの例では、本発明の方法の有効性は、インビボで動物モデルにおいて、血
管腔の直径を測定することによって測定される。例えば、管腔の直径は、最初の
治療から6ヵ月後のフォローアップ血管造影図で測定される。管腔の直径は、例
えば血管造影、血管内超音波造影、または当業者に公知の任意の他の方法によっ
て測定される。例えば最初の治療から6ヵ月後のフォローアップ血管造影図での
管腔の直径は、治療直後の直径と比較して約50%以下、より好ましくは約10
%以下、および最も好ましくは約5%以下減少する。
【0058】 別の例では、本発明の方法の有効性は、インビボで動物モデルにおいて、例え
ば最初の治療から6ヶ月後のフォローアップで、内膜の肥厚によって測定される
。内膜の厚さは、処置された血管の切開および組織学的分析のような、当業者に
公知の方法によって測定される。例えば最初の治療から6ヶ月後のフォローアッ
プにおける内膜の厚さは、処置直後の厚さと比較して約50%以下、より好まし
くは約10%以下、および最も好ましくは約5%以下増加する。
【0059】 別の例では、本発明の方法の有効性は、インビトロで処置投与量および処置時
間の関数としてヒト平滑筋細胞の増殖を観察することによって評価される。平滑
筋細胞は、処置後培養され、細胞が増殖しているか否か、およびそれらがまだ生
存能力のある細胞か否かを示すスコアをつけるために顕微鏡下で観察され得る。
実施例1のスコアリングスケールに基づいて、本処置方法で使用する化合物は、
処置細胞のスコアが+/−、1+、または2+、より好ましくは1+であること
が好ましい。好ましい実施態様では、本発明の化合物は、約15秒から3分、好
ましくは1分より短い、より好ましくは30秒より短い曝露時間で、約100n
Mと10μMとの間、より好ましくは約100nMと1μMとの間の濃度で、こ
れらのスコアを示す。別の好ましい実施態様では、約100nMと1μMとの間
の濃度である本発明の化合物が、約30秒より短い曝露時間で1+のスコアを示
す。
【0060】 (クエンチング) 本発明の方法はまた、クエンチング工程を含み得る。「クエンチング」は、反
応性アルキル化化合物および/または任意のその化学的産物の、望ましくない副
反応を減少する方法を指す。例えば、1つの実施態様では、本発明の方法で使用
する化合物は、局所送達によって個体の損傷部位に投与される。一旦化合物が平
滑筋細胞増殖の望ましい阻害を引き起こすのに十分な損傷部位への曝露時間を有
したなら、クエンチング工程を追加し得る。
【0061】 天然に存在する失活剤は、例えば、例えば血液を含むある生物学的液体に既に
存在するグルタチオンを含む。従って、ある状況では、例えば生物学的液体が血
液であり、そして自然に存在するグルタチオンが、反応性アルキル化化合物およ
び/または任意のその化学的産物の、望ましくない副反応を望ましいレベルにま
で減少する有効量存在する場合、クエンチング工程は必要でない可能性がある。
しかし、他の状況では、例えば天然に存在する失活剤の濃度が、反応性アルキル
化化合物および/または任意のその化学的産物の、望ましくない副反応を減少す
るのに不十分な量存在する場合、望ましくない副反応の減少を望ましいレベルに
まで増加させるために、追加量の失活剤を加えることが望ましくあり得る。1つ
の実施態様では、天然に存在するかまたは天然に存在しないかのいずれかの、異
なるクエンチング化合物の混合物が使用され得る。
【0062】 本発明で使用するクエンチング化合物は、例えばアルキル化化合物の求電子性
基と共有結合的に反応し得る求核性の官能基を含み得る。例示的な求核性の基は
、チオール、チオ酸、ジチオン酸、チオカルバミン酸塩、ジチオカルバミン酸塩
、アミン、リン酸塩、およびチオリン酸塩基を含む。失活剤は、ピリジンのよう
な窒素へテロ環であり得、またはそれを含み得る。失活剤はグルコース−6−リ
ン酸のようなリン酸を含む化合物であり得る。失活剤はまた、グルタチオン、シ
ステイン、N−アセチルシステイン、メルカプトエタノール、ジメルカプロール
、メルカプタン、メルカプトエタンスルホン酸、およびその塩、例えばMESN
A、ホモシステイン、アミノエタンチオール、ジメチルアミノエタンチオール、
ジチオトレイトール、および他のチオールを含む化合物を含むがこれに限らない
、チオールを含む化合物であり得る。1つの好ましい失活剤はグルタチオンであ
る。他のチオールを含む化合物は、メチルチオグリコール酸塩、チオール乳酸、
チオフェノール、2−メルカプトピリジン、3−メルカプト−2−ブタノール、
2−メルカプトベンゾチアゾール、チオサリチル酸、およびチオクト酸を含む。
例示的な芳香族チオール化合物は、2−メルカプトベンズイミダゾールスルホン
酸、2−メルカプト−ニコチン酸、ナフタレンチオール、キノリンチオール、4
−ニトロ−チオフェノール、およびチオフェノールを含む。失活剤はまた、求核
性の基を含むペプチド化合物であり得る。例えば、失活剤はシステインを含む化
合物、例えばGlyCysのようなジペプチド、またはグルタチオンのようなト
リペプチドであり得る。
【0063】 失活剤は、全身性または局所伝達によって個体に投与され得る。失活剤が全身
性に個体に投与される場合、失活剤は、例えば本発明の方法で使用する化合物の
投与の前に、それと近接する時間に、またはその後に加え得る。失活剤が局所送
達によって投与される場合、失活剤は、例えば本発明の方法で使用する化合物の
投与と近接する時間に、またはその後に加え得る。どちらの場合においても、本
発明の方法で使用する化合物は、クエンチング効果が発生する前に、平滑筋細胞
増殖の望ましい阻害を引き起こすために損傷部位と十分な曝露時間を有すること
が重要である。
【0064】 本発明の方法で使用するために、損傷部位での取り込みが起こった後、反応性
求電子性アルキル化種の濃度を実質的に減少させる失活剤が好ましい。反応性求
電子性種の存在および濃度は、当該分野で公知の方法を用いて決定される。Cu
mmingsら(1991)Anal.Chem.63:1514。
【0065】 アルキル化化合物およびクエンチング試薬の濃度は、依然として再狭窄の望ま
しい阻害を生じながら、望ましくない副反応の望ましい減少を生じるために、必
要に応じて調整される。
【0066】 以下の実施例は、本明細書中で記載された本発明を説明することを意図するが
、その範囲を制限することを意図しない。本方法に対する一定の改変は、当業者
に容易に明らかである。
【0067】 (実施例) (実施例1:β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2
−クロロエチル)アミノ]エチルエステルによる、培養ヒト大動脈平滑筋細胞お
よびVero細胞の阻害) この実施例は、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(
2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルが培養ヒト大動脈平滑筋細胞および
Vero細胞数の増加を、用量依存的に阻害することを実証する。
【0068】 最初の実験はVero細胞(サル腎臓細胞系統)で行った。2番目の実験はT
/G HA−VSMC細胞(ヒト大動脈平滑筋細胞系統)で行った。
【0069】 (Vero細胞) 130継代のVero細胞を、3つの6穴組織培養プレート(Corning
、Corning NY)のウェルに、1:10の容積分離密度(volume
tric split density)で、抗生物質および10%の胎児ウシ
血清(FBS、Intergen Co.、Purchase NY)を含む3
.0mL/ウェルのイーグルおよびアールの修飾必須培地(Life Tech
nologies,Inc.、Grand Island、NY)中で播種した
。Vero細胞を含むプレートを、50〜70%コンフルエンスになるまで、細
胞の接着および増殖を可能にするために約48時間インキュベートした。Ver
o細胞の増殖期を同調させる努力はしなかった。
【0070】 β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]エチルエステルのストック溶液の、3倍連続希釈を非緩衝化生理食
塩水溶液(BBS、血液銀行生理食塩水)で行い、3mMから23pMまでの濃
度を作成した。化合物の分解の可能性を避けるために、使用の直前に希釈を行っ
た。
【0071】 増殖培地を、Vero細胞を含むプレートから除去した。細胞の単層を次いで
2から5mLのBBSで数回洗浄し、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イ
ル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルの活性を抑制し
得る全ての培地構成成分を除去した。BBSを全てのウェルから除去し、そして
上記で記載したように調製した100μLのβ−アラニン,N−(アクリジン−
9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルのそれぞ
れの希釈液を、6穴プレートそれぞれの1ウェルに加えた。β−アラニン,N−
(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエ
ステルの均一な分布を確実にし、そして空気に曝露されたために単層が乾燥しな
いことを保証するために、プレートを3分の曝露時間の間、前後に静かに振盪し
た。
【0072】 3分間のインキュベーションの終わりに、4から6mLのpH7.2のリン酸
緩衝化生理食塩水(PBS、Life Technologies)をそれぞれ
のウェルに加え、そして吸引によってすぐに除去し、続いてβ−アラニン,N−
(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエ
ステルの完全な除去を確実にするためPBSで洗浄した。続いて、死んだ細胞が
単層と密接に会合したままで、そして評価され得ることを確実にするために、0
.75%の融解Seaplaque(登録商標)アガロース(FMC、Rock
land ME)を含む増殖培地を加えた。アガロースの覆いを加えなければ、
死んだ細胞はプラスチックの基質から分離し、浮いてそして評価のために使用で
きない。培地はまた、処理によって不十分な影響を受けた細胞の増殖を可能にす
るために、増殖促進のための10%のFBSを含んでいた。アガロースを固くす
るために、プレートを次いで一時的に約22℃で冷却させる。処理細胞を次いで
37℃加湿5%CO2インキュベーター(Forma Scientific、
Marietta OH)中でインキュベートした。
【0073】 細胞単層の増殖を、異なる増殖速度が決定できる時に、この場合処理から3日
後に評価した。評価する24時間前に、ニュートラルレッド色素を含む3mLの
増殖培地をそれぞれのウェルに加えた。色素の存在は、裸眼および立体ズーム顕
微鏡(Zeiss、Germany)の使用によって単層を評価できることを容
易にする。それぞれの処理培養物の注意深い評価によって、増殖を主観的に評価
した。後掲の結果の節で、定義されるスケールによって、それぞれの培養物に点
数をつけた。
【0074】 (T/G HA−VSMC) この研究では、T/Gヒト大動脈平滑筋細胞(ATCC、American
Type Culture Collectionから入手)を19継代で使用
した。培地はITS−A試薬(付着細胞株のためのインスリン、トランスフェリ
ン、およびセレン補充物)、TESおよびHEPES緩衝液、ECGS(内皮細
胞増殖補充物)、新しく調製したアスコルビン酸、グルタミン、ペニシリン−ス
トレプトマイシン、および10%のFBS(Intergen)(他の全ての試
薬、Life Technologies)を含むF−12K培地であった。
【0075】 β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]エチルエステル処理の条件は、以下を除いてVero細胞の実験、
前出で記載したものと同様であった。T/G HA−VSMCは6穴プレートで
の接着および増殖の24時間後に処理し、そして増殖は処理から6日後に評価し
た。
【0076】 (結果) β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]エチルエステル処理培養物の増殖点数:
【0077】
【表1】 結果は、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−ク
ロロエチル)アミノ]エチルエステルは、培養ヒト大動脈平滑筋細胞およびVe
ro細胞の数の増加を、用量依存様式で阻害したことを実証する。両方の細胞型
は、ほぼ同じ範囲のβ−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス
(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルによって増殖反応ができなくなっ
た。
【0078】 (実施例2:培養ヒト大動脈平滑筋細胞の阻害の動態) この実施例では、反応性試薬の濃度および反応時間両方の関数としてのヒト大
動脈平滑筋細胞の増殖を調査した。核酸を標的化するマスタード化合物の利点を
実証するために、種々の化合物を試験した。核酸標的化化合物β−アラニン,N
−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチル
エステルおよびキナクリンマスタード(QM)に加えて、非核酸標的化化合物ク
ロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、およびメクロレタミンもまた試験
した。これらの化合物の構造を下記に示す。
【0079】
【化3】 T/Gヒト大動脈平滑筋細胞(ATCC、American Type Cu
lture Collectionから入手)を19継代で使用し、そして約6
0%コンフルエンスまで増殖させた。培養培地はITS−A試薬(付着細胞株の
ためのインスリン、トランスフェリン、およびセレン補充物)、TESおよびH
EPES緩衝液、ECGS(内皮細胞増殖補充物)、新しく調製したアスコルビ
ン酸、グルタミン、ペニシリン−ストレプトマイシン、および10%のFBS(
Gemini)(他の全ての試薬、Life Technologiesまたは
Cellgro)を有するF−12K培地であった。細胞を96穴プレートで培
養した。
【0080】 β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]エチルエステルおよびQMの10倍連続希釈を、非緩衝化生理食塩
水溶液(BBS、血液銀行生理食塩水)で行い、100μMから1nMまでの濃
度を作成した。同様に、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、および
メクロレタミンの連続希釈を調製し、1mMから10nMまでの濃度を作成した
。化合物の分解の可能性を避けるために、ストックを使用の直前に溶解および希
釈した。
【0081】 増殖培地を、平滑筋細胞(SMC)を含むプレートから除去した。細胞の単層
を次いでBBSで洗浄し、化合物の活性を抑制し得る全ての培地構成成分を除去
した。BBSを全てのウェルから除去し、そして100μLの化合物の希釈液そ
れぞれを、組織培養プレートそれぞれの1ウェルに加えた。
【0082】 化合物存在下でのSMCのインキュベーションを15、30、60、90およ
び180秒間行った。インキュベーションの最後に、pH7.2のリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS、Life Technologies)をそれぞれのウェ
ルに加え、そして吸引によってすぐに除去し、これを続いてPBSで洗浄してそ
れぞれの化合物溶液の完全な除去を確実にした。続いて、処理によって不十分に
影響された細胞の増殖を可能にするために、増殖促進のための10%FBSを含
む増殖培地を加えた。処理細胞を次いで37℃加湿5%CO2インキュベーター
(Forma Scientific、Marietta OH)でインキュベ
ートした。
【0083】 細胞単層の増殖を、処理から8日後、異なる増殖速度が決定できる時に、倒立
顕微鏡を用いて評価した。増殖を、それぞれの処理培養物の注意深い評価によっ
て主観的に評価し、そして以下のようにトリパンブルー色素排除によって促進し
た。増殖培地を吸引によって除去し、次いで150μLのPBS中で1:4に希
釈したトリパンブルーをそれぞれのウェルに約15分間加えた。これを次いで除
去し、そして250μLのPBSをそれぞれのウェルに加えた。それぞれの培養
物につけた点数は、実施例1で定義した。 結果:
【0084】
【表2】 これらの結果は、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス
(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルが、培養ヒト大動脈平滑筋細胞の
数の増加を、比較的広い治療域において用量依存様式で阻害したことを示す。こ
の研究の結果は、約1μMから100nMのβ−アラニン,N−(アクリジン−
9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルによる1
5秒間の処理と一致し、閉塞冠動脈のバルーン血管形成術後の平滑筋細胞増殖を
阻害する有効な手段である。全てのマスタード化合物はいくらか効果を示し、核
酸標的化グループを有するものがより低い濃度および/またはより短い曝露時間
でより有効であった。
【0085】 (実施例3:β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2
−クロロエチル)アミノ]エチルエステルに関する濃度範囲の評価) 以下の実験は、ヒト大動脈平滑筋細胞(SMC)で細胞増殖抑制効果を引き起
こすβ−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエ
チル)アミノ]エチルエステルの濃度範囲を同定する。
【0086】 少ない継代のヒト大動脈SMCを12穴組織培養プレートに、cm2あたり1
0,000細胞の濃度で、2mMのグルタミン、10mMのHEPES、10m
MのTES、50μMのアスコルビン酸、10μg/mlのインスリン、5.5
μg/mlのトランスフェリン、6.7ng/mlの亜セレン酸ナトリウム、お
よび30μg/mlの内皮細胞増殖補充物を有する、10%胎児ウシ血清および
90%F12K培地中で播種する。接着から18時間後、培地を除去し、そして
2mlのリン酸緩衝化生理食塩水を加えて、単層から増殖培地を洗浄する。次い
でPBSを除去し、そして1.5ml/ウェルのFBSを欠く同様に処方したF
12K培地で置換し、細胞が休止G0期に入るように誘導する。この処理は、こ
の試験が、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−ク
ロロエチル)アミノ]エチルエステルが増殖周期の進行を停止させる能力を正確
に評価するために、細胞を同調させる。
【0087】 同調の48〜72時間後、SMCを300nMから1μMの範囲の濃度にわた
って、β−アラニン,N−(アクリジン−9−イル),2−[ビス(2−クロロ
エチル)アミノ]エチルエステルで処理する。最低30分が薬剤の平衡化のため
に見込まれる。10%胎児ウシ血清のネガティブコントロールおよび未処理の胎
児ウシ血清刺激コントロールが含まれる。
【0088】 インキュベーション後、培地を除去し、そして10%胎児ウシ血清を含む培地
で置換して、処理によって影響されない細胞の増殖を可能にする。次いで培養物
を37℃で、細胞増殖を維持するために増殖培地を2−3日ごとに交換しながら
インキュベートする。
【0089】 (ヒト大動脈平滑筋細胞の処理後の、細胞数の分析) 血球計算器で直接計測することによって得られるそれぞれの試料の細胞数を、
28日の期間中いくつかの時点で測定する。その時点および培地の交換ごとに、
試料それぞれの1mlのアリコートを除去し、そして下記で記載するサイトカイ
ン研究のために−80℃で保存する。残りの回収した細胞を、続くフローサイト
メトリーによる核DNA含有量の分析のために−80℃で保存する。
【0090】 (ヒト大動脈平滑筋細胞の処理後の、細胞周期の分析) SMC細胞周期の測定を、低温保存試料における核DNA含有量のフローサイ
トメトリーによる分析によって、Becton−Dickinson FACS
canの確立したプロトコールに基づいて、SMCに特に言及した文献中でさら
に詳述されたように行う。例えばMarchら、Circulation 87
、184−191(1993)を参照のこと。
【0091】 (処理ヒト大動脈平滑筋細胞におけるサイトカイン産生の測定) 細胞増殖および損傷への反応に関連する種々のサイトカインの産生に関して、
試料を試験する。スクリーニングは、インターロイキン1β(IL−1β)、イ
ンターロイキン8、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PD
GF)、およびエンドセリン−1を含む、ヒトサイトカインを検出する市販のア
ッセイを用いて、ELISAイムノアッセイを行うことからなる。
【0092】 前述の発明は明瞭な理解を目的とするために、説明および実施例によっていく
らか詳しく記載したが、種々の変化および修飾が本発明の意図から離れることな
く行われ得ることが、当業者に明らかである。従って、前述の説明および実施例
は、本発明の範囲を制限するものとは解釈されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォローウィッツ, スーザン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94598, ウォルナット クリーク, ビール コ ート 764 (72)発明者 アルフォンソ, ライアン ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94553, マルチネス, ホライズン ドライブ 769 Fターム(参考) 4C084 AA17 MA55 NA14 ZA362 ZA452 ZB212 4C086 AA01 AA02 BC27 MA01 MA04 MA55 NA14 ZA36 ZA45 ZB21

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管損傷部位へのアルキル化化合物の局所投与を包含する、
    該血管損傷部位での細胞増殖を阻害するための方法。
  2. 【請求項2】 前記アルキル化化合物が核酸との共有結合を形成する化学基
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記化学基がマスタード、マスタード中間物およびマスター
    ド等価物からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記マスタードが脂肪族マスタードである、請求項3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記化学基が核酸結合リガンドに共有的に結合される、請求
    項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記核酸結合リガンドが、インターカレーター、マイナーグ
    ルーブバインダー、メジャーグルーブバインダー、静電的バインダー、核酸およ
    びそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記インターカレーターがアクリジンまたはアクリジン誘導
    体である、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記化合物がキナクリンマスタードである、請求項7に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 前記化学基が壊れやすいリンカーに共有結合され、該壊れや
    すいリンカーが核酸結合リガンドに共有結合される、請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記化学基が壊れやすいリンカーが、エステル、チオエス
    テル、チオノエステル、ジチオ酸、硫酸、スルホネート、リン酸、ホスホネート
    およびアミドからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記アルキル化化合物が、β−アラニン,N−(アクリジ
    ン−9−イル),2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルであ
    る、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記投与が、カテーテル、ステントおよびエンドルミナル
    ペイビングからなる群から選択される系の使用を通して達成される、請求項1に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記投与が、血管内薬物送達カテーテルの使用を通して達
    成される、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記カテーテルが、注入スリーブカテーテル、圧駆動カテ
    ーテルおよびダブルバルーンカテーテルからなる群から選択される、請求項13
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記方法が、失活剤の投与を包含する、請求項1に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 前記失活剤が局所的に投与される、請求項15に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記失活剤が、全身的に投与される、請求項15に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 前記失活剤が、チオール含有分子である、請求項15に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 前記失活剤が、グルタチオンである、請求項18に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記血管損傷がバルーン血管形成術の結果である、請求項
    1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 血管再疎通の部位での核酸アルキル化化合物の局所投与を
    包含する、再狭窄を阻害するための方法。
  22. 【請求項22】 前記血管再疎通が血管形成術により達成される、請求項2
    1に記載の方法。
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