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JP2002503223A - 複数の活性分子を供与する分子 - Google Patents

複数の活性分子を供与する分子

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JP2002503223A
JP2002503223A JP54407498A JP54407498A JP2002503223A JP 2002503223 A JP2002503223 A JP 2002503223A JP 54407498 A JP54407498 A JP 54407498A JP 54407498 A JP54407498 A JP 54407498A JP 2002503223 A JP2002503223 A JP 2002503223A
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タナンボーム,ジェイムズ・ビー
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アドバンスト・メディシン・インコーポレイテッド
プレジデント・アンド・フェロウズ・オブ・ハーバード・カレッジ
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Abstract

(57)【要約】 多価的に治療剤を供与する医薬組成物について記載する。該医薬組成物は多価供与体を含有する。1実施態様において、該多価供与体は式:(Y)−(X−A)n(式中、Yはフレームワークであり、Xは直接結合またはリンカーーであり、Aは供与された官能基であり、およびnは該供与された基が複数の標的結合部位と相互作用作用可能になるように選択した10以上の整数である)を有する。該組成物はまた、医薬的に許容する担体を含有する。別に、該供与体自身もまた、自己の医薬的に供与し得る担体として作用する。疾患または容態を治療する方法についても記載する。該方法はまた、治療が起こるように被験者に複数の群Aを投与することからなる。該治療は多価の供用体と複数の標的結合部位Bとの相互作用によって起こる。本発明の他の面として、後述する方法において使用する装置を用いてパッケージした多価の供用体、および本発明の方法において有用な多価の供与体を設計する方法をも含有する。本明細書中に開示の多価の供用体は、結合の際特異性を示し、したがって複数の利点を有する。その上、該多価供用体は正および負の相互作用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 複数の活性分子を供与する分子関連する応用 本出願は米国仮出願番号60/043,781(19997年4月11日出願)および60/3,826(199 7年4月14日出願)を優先権主張して請求し、該引例を本明細書中にそっくりその まま引用する。本出願は“多価供与体の組み合わせライブラリー”および該使用 “米国仮出願番号60/043,288(1997年4月11日)および“多価供与体の組み合わせ ライブラリーおよび該使用“米国仮出願番号60/043,918(1997年4月15日)”に関 連している。発明の背景技術 多価性は生体において広範囲にわたっており、生物システムの機能化において 重要である。多価性は相互作用、例えば独立したリガンド−受容体結合事象の多 数の対を通した2個の別個の分子が同時に相互作用することである(図1参照) 。受容体とのリガンドの相互作用は生物学全般にわたって起こる。リガンドとし ては、生体システムの情報を供給し、およびタンパク質によって作用される分子 が挙げられる。リガンドのタイプとしては薬物、ホルモン、信号発生分子、細胞 表面マーカー、毒物、酵素基質、生容調節物質、神経伝達物質およびリンホカイ ンが挙げられる。受容体としては、相互作用し、およびリガンドからの情報を受 容する分子が挙げられる。最大の受容体はタンパク質であり、タンパク質受容体 、抗体および酵素が挙げられる。受容体としては核酸もまた挙げられ、DNAお よびRNAの調節領域が挙げられる。 多くの薬物が単一の受容体と相互作用するリガンドである(いくつかの薬物は 単一のリガンドと相互作用する受容体である)。生物学において、多くの重要な 事象が、多数の受容体と多数のリガンドの同時相互作用から誘発される。多価相 互作用は生体内に広くわたっている。多価性とは典型的に、細胞表面上で起こる 相互作用、および/または受容体もしくは受容体のクラスターの群を含有する。 多価性はまた、同時に結合する多くの点を含有する高分子の相互作用においても 重要である。 多価性の概念については調査されている。細胞表面にインフルエンザウイルス が付着する機構に関する洞察を供する研究内容について調査されている。 (Whitesidesら、J.Med.Chem.1995,38,4179-4190;Sigalら、Journal of th e American Chemistry Society 1996,118,16,3789-3800)Kiesslingらは(Ch emistry and Biology 1996,Vol.3,No.2,71-77)生体認識事象を研究および改 良するための多価性の炭水化物の表示を発生する構造鋳型を作製した。 Kiesslingらはこれらのものを“多価タンパク質‐糖相互作用を調査するのに有 用な化学的道具”とみなした。“我々はここからどこに行くのか”というタイト ルの引例の項において、Kiesslingらは“生体認識プロセスを調査するのに有用 であると同様に、多価性の炭水化物は生体機能用のプローブとして使用可能であ る”と、述べている。Matrosovich(FEBS LETTERS 1989,252,1,1-4)は、微生 物の接着を阻害する多価阻害物質をの使用を提案している。Matrosovichは“該 多価構造を産生するために、公知の‘ドラッグデリバリーシステム’の設計にお けるいくつかの概念を用いることが可能であり、例えば、生体親和性なポリマー または微粒担体を溶解可能にするために多数のコピーでの一価阻害性活性物質の カップリング反応が挙げられる。Matrosovichはさらに、“抗菌剤を設計する本 試みを実際に用いることの正当性および成算は将来に評価されるであろう”と言 及している。本発明の要約 今日まで、“高親和性”、特定の結合事象は受容体‐リガンドの相互作用の最 大の関心事を示していた”(上述のKiesslingの引用例、p71参照)。典型的 に、受容体‐リガンド相互作用を見積もろうとする試みは特定のリガンドの特定 の受容体‐結合部位との結合能力に焦点があてられていた。例えば、リガンドを 公知の好適な結合能力に基づいた相互作用に関して選択し、または弱い結合物質 と考えられているリガンドを避けて、または使用用に選択するために化学的に結 合能力が増大するように改良する。 本発明は少なくとも多少は、我々の受容体‐リガンド相互作用および従来とは 違う多価の観点に基づいており、広範囲にわたる様式はどのようにして多数の成 分多価供与体と標的結合部位の集まりとが相互作用するかに基づいている。我々 のアプローチは別々の受容体‐リガンド相互作用といったより個人主義的な基準 での相互作用といった従来の様式の観点とは異なる。受容体‐リガンド相互作用 および生体システムにおける多価性の観点である本従来とは異なる、広範囲な様 式により、多価性が合理的な薬物を設計するための、例えば第1の基準といった 基準として使用可能であり、およびさらに多くの異なる疾患または容態を治療す るための広範囲にわたる応用を有している。受容体‐リガンド相互作用の観点で の本従来とは異なる広範囲にわたる様式により、個々の結合能力に基づく特定の リガンドの選択が多価薬物を設計する際に最も重要なパラメーターである必要は ない。 本発明の多価供与体は複数の群A(例えば、リガンド)(このものは同一また は異種であってもよい)を、疾患または容態を治療するためのフレームワーク上 で構築し、列することで形成する。フレームワーク上での群Aの構築および列は 、被験者中で標的結合部位Bの集合のブランケット、または標的結合部位Bの列 (例えば、細胞表面上のクラスターの受容体結合部位)、または単一リガンド用 の複数の結合部位の型、および多重型リガンド用の結合部位の複数の型と、結合 多価供与体とに起因する治療効果の基づいて製造される。標的結合部位Bの集合 のブランケティングは、標的結合部位Bの集合と多価供与体の立体配座的に境界 部での相互作用の結果として起こる。標的結合部位の列のブランケットは、複数 の標的結合部位Bの集合との立体配座的に境界部の相互作用の結果として起こる 。該ブランケティングは連続障壁を限定するものではなく、さらに詳細について は、下記の発明の詳細な説明中で記載する。 例示の目的で、該ブランケットの効果を詳細に説明し、高分子のフレームワー クを有する多価供与体を保持するのに使用する。図2に示すとおり、高分子のフ レームワーク1を有する多価供与体Pは、内部作用物として標的結合部位5の集 合を含有する表面、例えば境界部3を確証する立体配座を仮定することが可能で ある。結合した配座をとる1個以上の多価供与体は必然的に、標的結合部位B (1個以上の標的結合部位Bから製造)の列をブランケットし、多価供与体の治 療学的効果を増大し、および供する。該ブランケットは物理的なブランケットで あり、例えば標的結合部位Bの多価供与体および/または立体ブランケットとの 物理的なカバー、例えば多価供与体の多数の群Aとの標的結合部位Bの混雑であ る。該ブランケットは連続および立体配座障壁に強く固定されてもいなく、むし ろ該ブランケットは非連続または図2に示すとおり、ゆるやかな立体配座をとり 得、および該ブランケットは完全に標的結合部位をカバーする必要はない。数例 において、該ブランケットはゲル層であり、このものは標的結合部位Bの列を含 有することが確認されている。 本発明は、さらに疾患または容態を治療する方法について述べる。1実施態様 において、該方法は被験者に複数の群Aを投与することからなり、結果、該疾患 または容態は被験者中において、標的結合部位Bの集合または列をブランケット することによって起こる。被験者中での標的結合部位Bの集合のブランケットは 、立体配座的な境界部での、単一の多価供与体との相互作用を介して起こる。標 的結合部位Bの列のブランケットは複数の多価供与体の立体配座的な境界部の相 互作用を介して起こる。他の実施態様において、該方法は一定の基準を満たす多 価供与体の使用を含有するものであり、特に選別した成分、例えば群A、フレー ムワークまたはリンカーを有する多価供与体の使用を含むものである。 本発明はまた、多価的に治療剤を供する医薬組成物について言及する。該医薬 組成物は多価供与体を含有する。多価供与体は下記式:(Y)−(X−A)n (式中、Yはフレームワーク、Xは直接結合またはリンカー、Aは供与された 官能基および各Aは同一もしくは相違していてもよく、およびnは10以上の整 数である)を有していてもよい。該組成物はまた、医薬的に許容しうる担体を含 有する。該供与体自身は、医薬的に許容し得る担体として作用可能である。1実 施態様において、多価供与体を例えば、nを選別して、−(X−A)分子をYに結 合させるように作り、結果多価供与体が標的結合部位Bの集合を含有する境界部 であること、および被験者に投与する際に標的結合部位Bの集合をブランケット することを確認した。別の実施態様において、Xはリンカー群すなわちこのもの は独立分子であり、YもしくはAの一部ではなく、およびnは10以上の整数で ある。該供与体を被験者の投与する際に、標的結合部位Bの集合と確認できるよ うに、該多価供与体を選別する。しかし、別の実施態様では、Yは高分子のフレ ームワークであり、Aは供与された官能基でありおよびXはリンカー群であり、 およびnは10以上の整数である。本構造を多価供与体が被験者に投与する際に 標的結合部位Bの集合となるように選別した。 本発明の別の面は複数の表面結合生体分子と複数の第2の分子間での接着を改 良する方法である。該方法は複数の表面‐結合生体分子および多価供与体を組み 合わせて供することからなる。該多価供与体は複数の第3の分子に結合したフレ ームワークからなる。該第3の分子により、同時に複数の表面‐結合生体分子の 一部への第3の分子の結合をエントロピー的に増大させ、また該第3の分子が結 合していない複数の表面‐結合生体分子の一部のフレームワークを立体的に遮断 することで、表面‐結合生体分子および第2の分子間での接着を改良する。 本発明の別の面は上記に記載の方法(ここで、該多価供与体は糖ではなく、ま た約10以上の増大係数βを有する)である。 本発明の別の面は、下記に定義するpAA(Gal-β)、pAA(Gal-α)、pBMA(Gal-β) またはpMBA(Gal-α)である多価供与体である。 本発明の別の面は、赤血球へのレシンの接着を防ぐ方法である。本方法は、リ シンをpAA(Gal-β)、pAA(Gal-α)、pBMA(Gal-β)またはpMBA(Gal-α)からなる群 から選ばれる多価供与体の有効量との接触からなる。 本発明の別の面は、pAA(Gal-β)およびpBMA(Gal-β)からなる群から選ばれる 多価供与体を製造する方法である。該方法は、Gal-βO-L1NH2をポリ(N−アクリ ロイルオキシスクシンイミド)もしくはポリ(ブタジエン‐共−無水マレイン酸) と反応させ、反応を停止させることからなる。 本発明の別の面は、pAA(Gal-α)およびpBMA(Gal-α)から選ばれる多価供与体 を製造する方法である。該方法はGal-αC−L2NH2とポリ(N−アクリロイルオキシ スクシンイミド)またはポリ(ブタジエン−共−無水マレイン酸)と反応させ、反 応を停止させることからなる。 本発明の別の面は、pAA(GlcNAc-β)である多価供与体である。 本発明の別の面は、pAA(GlcNAc-β)である多価供与体の有効量を被験者に投与 することからなる、被験者において受精を阻害する方法である。 本発明の別の面は、pAA(GlcNAc-β)である多価供与体を製造する方法である。 該方法はGal-αcCL2NH2とポリ(N−アクリロイルオキシスクシンイミド)とを反応 させ、該反応を停止させることからなる。 図面の簡単な説明 図1は一価と多価反応の両方を示すスキームである。 図2は標的結合部位の集合上での多価供与体の“ブランケット”および標的結 合部位Bの列を示すスキームである。 図3はリシン−細胞相互作用を示すスキームである。 図4は精子のアクロソーム反応の誘発示すスキームである。 図5はポリマー多価ガラクトシドの合成を示すスキームである。 図6aはポリマー多価ガラクトシドの凝集反応阻害活性−対−RCA120に対する ポリマーのGalのモル画分のプロットを示すスキームである。 図6bはポリマー多価ガラクトシドの凝集反応阻害活性−対−RCA60に対する ポリマーのGalのモル画分のプロットを示すスキームである。 図7は多価ポリマーN-アセチルグルコサミンとガラクトシドの構造を示すスキ ームである。 図8は一価および多価GlcNAcによるマウス精子のアクロソーマル反応の誘発を 示すスキームである。 図9aはポリマー多価GlcNAcによるマウス精子のアクロソーマル反応の誘発を 示すスキームである。 図9bはpAA(GlcNAc)を用いて得た、精子と反応したアクロソーマルのプロッ ト(%)を示すスキームである。 図10はポリマー多価GlcNAcによる精子−卵子結合のを示すスキームである。 図11aはpMVMA(NeuAc)の生成を示すスキームである。 図11bはpMVMA(NeuAc;R)の生成を示すスキームである。 図11cはpAA(Gal)の生成を示すスキームである。 図11dはpBMA(Gal)の生成を示すスキームである。 図12aはpAa(SLeX)の生成を示すスキームである。 図12bはpAA(バシトラシン;R)の生成を示すスキームである。本発明の詳細な説明 本発明は疾患または容態を処置するのに被験者に投与するための多価供与体を 設計する方法に関する。該方法は疾患または容態を処置するために多価供与体を 形成するフレームワーク上に10個以上の複数の群Aを構築および配列することか らなる。該構築および配列は、標的結合部位Bの集合のブランケットに起因して 、治療効果を提供する設計した供与体の能力に基づく。好ましい実施態様におい て、被験者中の標的結合部位Bの列は1個以上の多価供与体でブランケットされ る。該ブランケットは1個の多価供与体の標的結合部位Bの集合とのコンフォー マルな界面相互作用または多数の多価供与体の標的結合部位Bの集合とのコンフ ォーマルな界面相互作用から生じる。 本発明の“多価供与体”については下記に詳細に記載し、フレームワークに結 合した11個以上の供与された群A(11個以上の標的結合部位と結合可能)を 有する多数の成分分子が挙げられる。 簡潔に言えば、多価供与体は式:Y−(A)n (式中、“Y”はフレームワークであり、“A”は供与された官能基であり、お よびnは該供与された基が複数の標的結合部位Bと相互作用作用可能になるよう に選択した10以上の整数である)を有してもよい。 語句“疾患もしくは容態”とは、本発明の多価供与体を用いた治療が多価相互 作用、例えば標的結合部位Bからなる多価受容体との群Aの相互作用を介して起 こる疾患または容態が挙げられる。本発明の一部である疾患または容態は、典型 的に結合部位Bおよび群C(ここで、BおよびCは共に多価である)間での相互 作用によって特徴付けられる。本明細書中で使用する通り、“B”は複数の結合 部位を表し、“C”は本来の疾患または容態に関与する分子または群を表す。い くつかの実施態様において、群Cは群Aと同一であり得、これは本発明の多価供 与体上で供され、結合部位Bに対するポリ(C)およびポリ(A)間での競争を誘起 する。他の実施態様においては、群Cは群Aと相違していてもよい。結合部位B が天然に存在するならば、群Cは合成または天然どちらでもよい。例えば、Cは 天然に存在する糖、ペプチド、タンパク質(例、細胞表面受容体に対するリガン ド(例:ウイルス抗原))または、合成物(例:シリコンインプラントまたはプロ テーゼ上に供する群をとり得る)であってよい。群Cは表面上に存在し、または 溶液中に存在し、しかし多価的に供されなければいけない。語句“疾患または容 態”はまた、天然に存在する多価分子、例えばインフルエンザウイルスと標的細 胞間での相互作用を抑隼リするα2マクログロブリン分子が関与し、または影響 を及ぼす疾患または容態を意図するものである。生体プロセスは複雑であるが、 当業者は該多価供与体が特定の位置で作用するかどうか(すなわち、多価供与体 を有する境界部について標的とする特定の事象)を調べることで、疾患または容 態が多価相互作用(ポリ(C)およびポリ(B)間での相互作用)に関与するかどう かを認識可能である。疾患と容態の実施例に関しては、下記の題目“疾患または 容態を治療する方法”において詳細に記載する。 語句“被験者”とは、治療中または治療の対象である疾患または容態にさらさ れまたは有する哺乳類が挙げられる。該発明はヒト、飼いならされた動物、家畜 、動物園の動物などの治療に対して有用である。被験者の例としては、ヒト、ウ シ、ネコ、イヌ、ヤギおよびマウスが挙げられる。好ましい実施態様では、本発 明はヒトの被験者を治療する薬物を設計するのに使用する。 語句“疾患または容態を治療する”とは、本発明の多価供与体を用いた治療を 受ける余地がある疾患または容態を有する被験者の治療または該疾患または容態 の予防が挙げられる。語句“治療”とは、被験者にとって有益な効果を供するこ とが挙げられ、例えば、該疾患または容態の少なくとも1個の徴候または現象が 有意に軽減されることが挙げられる。したがって、“治療”とは該疾患または容 態における少なくとも1個の徴候の回復から該疾患または容態の治癒までの一連 のあらゆることを含むと意味する。該治療はまた、多価供与体の単独での使用、 他の多価供与体との組み合わせ、および多価供与体でない薬物との組み合わせを 用いた治療でさえ含むものとする。 語句“フレームワーク上で複数の群Aを構築または列すること”とは、該疾患 または容態を治療する際に目的の機能を果たすことが可能な供与体を産生するた めに、該多価供与体の様々な成分の操作が挙げられる。該操作は群Aおよび標的 部位Bの集合間での相互作用の観点に基づいて広範囲な様式で実行可能である。 該操作は、様々な成分の配置、大きさおよび選択、例えば多価供与体のフレーム ワーク、リンカー、群Aが挙げられる。例えば、該語句は群Aおよび相互に関連 したまたは任意のリンカー分子(このものは、群Aをフレームワークもしくは該 フレームワークのモノマーに連結するのに使用する骨格リンカーに結合するのに 用いる)と関連したフレームワークの配置を決定することを意味する。該語句は また、群Aの特定の型、フレームワークおよび/またはリンカーの選別を含有す ることを意図するものである。 フレームワーカーは、多価供与体の一部である場合、標的結合部位Bの集合上 で特定のタイプの“ブランケット”を形成する能力を選択可能である。例えば、 いくつかのフレームワークは結合部位Bの集合上でゲル似の物理的障壁を形成す る。フレームワークはまた、設計する多価供与体中に有していることが望まれる 異なる特徴に基づいて選択可能である。フレームワークを該“フレキシビリティ ”および/または群Aの結合後でさえも多価供与体へフレキシビリティを伝達す る能力に基づいて選択可能である。 群Aはまた、多価供与体中に目的の特徴を伝達する能力に基づいて選択可能で ある。群Aの結合能力は選択工程における因子であるが、本発明の少なくとも一 部は、弱い結合群Aが該多価形態において有用となり得ると認識することを強調 することは重要である。 フレームワーク上での群Aの配置付けはまた、多価供与体の“構築および列” の一部を意図する。該配置付けを、多価の環境の分子モデルを用いた、公知また は予想される標的結合部位Bの集合の空間的配置の基づいて製造可能である。該 配置付けを、フレームワークに関するいくつかの異なる方向軸に沿って実行可能 である。例えば、標的結合部位Bは隣接する標的結合部位Bから平均10オング ストロームの空間距離にあり得、したがって群Aは、隣接する標的結合Bに接近 するように、およそ垂直方向にフレームワークに沿って、空間的に位置しまたは 位置付けすることが可能である。群Aは隣接する標的部位間の距離が一致するよ うに位置する必要はなく、むしろ接近するために大体の空間的位置にある。群 Aをフレームワーク上に位置付ける場合、リンカーのフレキシビリティおよび標 的結合部位を含有する境界部の輪郭などの距離以外の他の因子を考慮に入れる。 例えば、群A間の距離が隣接する標的結合部位Bとの距離と正確に一致しない場 合、または境界部の輪郭が平面よりもむしろ曲線である場合でさえも、標的結合 部位に接近するように、フレキシビリティのリンカーをインビトロで調整可能で ある。結合ポケットの深さは約2〜20オングストロームであるが、このことは また公知であるか、または群Aの位置付けがフレームワーク(例えば、特定の長 さのリンカーが使用可能である)に対して本質的に平行である軸に沿っていると 許容されると、予想可能である。 “構築および列すること”とはまた、群Aをフレームワークに結合させるリン カーのタイプおよび長さの選択が挙げられると意図するものである。リンカーの 長さは、公知または予想可能な深さおよび/または直径を有する結合ポケット内 で、群Aを標的結合部位Bに存在させる能力に基づいて選択可能である。リンカ ーの化学的特質、例えば疎水性または親水性はをまた、標的結合部位周辺の環境 に関する知識、例えばリンカーは疎水的もしくは親水性であることが知られてい るチャンネルもしくは環境を通して通過しなければいけないことに基づいて選択 可能である。該リンカーをまた、多価供与体中に目的の性質を伝達する能力、例 えばフレキシビリティに基づいて選択可能である。 語句“治療学的効果”とは、意図する機能を果たす、例えば疾患もしくは容態 を治療もしくは予防するための多価供与体の能力を含むものと意図する。多価供 与体の治療学的効果は、設計した多価供与体による治療を標的とした特定疾患も しくは容態用の当分野で認識されているアッセイを用いて、または当分野で認識 されている技法を用いたアッセイを用いて、および/またはこれらの範疇のいず れにも適合しないであろう本明細書中に記載のアッセイを用いて、測定可能であ る。標的結合部位Bの集合との多数価結合に従事していると確認する多価供与体 の能力から該効果が誘発される場合、該治療学的効果は“ブランケットに起因す る”とみなされる。 語句“ブランケットする”とは、物理学的にブランケットすることまたは物理 学的にカバーリングすること、および立体的にブランケットすること(例えば、 標的結合Bを立体的に緩和することおよび/またはリガンドAによる部位Bの占 有を増大すること)が挙げられる。物理学的にブランケットすることの例として は、結合部位Bの集合上でのゲル似の層または遮蔽の形成(このものは、多価供 与体上に存在するもの以外の群によって該部位に接近するのを遮蔽する)を含有 する。該物理学的な障壁とはまた、図2に示すとおり、スパゲッティー似の遮蔽 をとり得る。いずれの場合でも、ゲル似層もしくは遮蔽またはスパゲッティー似 の障壁の形成は、標的上の対応する結合パートナーと多価供与体上の少なくとも 2,3の群との特定の結合によって生体特異的に生じる。 標的結合部位Bの“立体的にブランケットする”とは、ベルクロ似の様式でフ レームワークに結合した群Aとの群Bの周囲状況のことである。群Aは結合部位 に結合することが可能であるが、他の群Aは同一の群Bもしくは隣接標的部位を 立体的に遮断することが可能である。 語句“標的結合部位Bの集合”とは、単一の多価供与体分子が確認される標的 部位Bが挙げられる。例えば、多価供与体がフレームワークに結合する10個の 群Aを有するならば、結合部位の集合は本分子が確認される結合部位Bのスパン は、2個の結合部位と同数だけが実際には占有され得るが、例えば10〜20個 の結合部位となる。結合部位B全部が群Bと相互作用しなければいけないわけで はなく、またいくつかの部位は非占有のままであってもよいと述べておく。 語句“標的結合部位Bの列”とは、境界部上での標的結合部位Bの1個以上の 集合が挙げられる。該列中の結合部位Bは、等しく空間を占めたりまたは位置し ている必要がなく、むしろ境界部に対して異なる方向の軸に沿った様々な方向で ランダムに位置付けられ、このものは境界部の輪郭といった要因および結合部位 のクラスターの配座に依る。例えば、境界部の輸郭は平面であっても、または曲 線であってもよく、およびまた流動的であってもよい。 語句“コンフォーマルな境界部の相互作用”とは、多価供与体が境界部での標 的結合部位Bの集合上のコンフォーマルな配座、例えば群Aに接近可能な分子領 域をとっている間に起こる相互作用が挙げられる。境界部は、表面に限定されな いが、相互作用の境界を含有すると意図する。語句“コンフォーマルな”とは、 多価供与体と表面間での境界部が、表面の全部もしくは一部が近接しているか、 または密集している状況を含むものと意図する。後者の場合、多価供与体はある 部分では表面に近接しており、および表面の他の部分においてあまり近接してい ない。語句“相互作用”とは、下記で詳細に議論する正および負相互作用の両方 を含むものと意図する。本発明の多価供与体とは境界部、例えば細胞表面などの 表面であることを、境界部の輪郭に適合するのに十分たわますことによって確認 する。本立体配座は特定数の標的結合部位Bのスパンに沿ってとり得る。好まし くは、本スパンは少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約100 0、最大少なくとも約106標的結合部位Bである。上記引例値の中間の範囲、 例えば少なくとも約50〜100、もしくは少なくとも約1000〜約106は また、本発明の一部であることを意図する。例えば、上記で引用した値のいずれ かを限界の上方および/または下方だけ組み合わせて用いたスパン値の範囲は含 有するものと意図する。上記の範囲は、標的部位Bの集合内での部位と標的結合 部位Bの列中での部位の両方を含有するものと意図する。 語句“相互作用”とは、負の相互作用、たとえば阻害性(例、インフルエンザ )および正の相互作用(例、シグナル形質転換で起こる相互作用、または2個の 表面が一緒になる相互作用)の両方を含有するものと意図する。例えば、多価供 与体は標的結合部位Bの集合体、例えば細胞表面上で結合し、および細胞中にシ グナルを形質導入し、または細胞を誘起してエネルギーを損失させることが可能 である。該相互作用の効果の例としては、アポトーシス(細胞のプログラム死) 、クローン拡張(例、B−細胞またはT−細胞増殖)、細胞移動(例、細胞のい くつかの方向への動き)、ホルモン(例、インシュリン、サイトカイン)(例、 112);プロスタグラジンなどの溶解性分子の放出、エンドサイトーシス、エ キソサイトシース、ピノサイトーシス、いくつかの物質の活性供給(内部または 外部)、電気的活性の誘起、特定細胞の分化もしくは脱分化が挙げられる。多価 供与体を用いた該効果の全てを改良または処置は、本発明の一部を意図するもの である。いくつかの実施態様では、相互作用は反−接着性ではない。 語句“立体的に安定”とは、一方の表面に生体特異的に結合することで、多価 供与体が立体的に2個の表面を近づける試みを阻害する機構を意味する。このこ とは、水で膨張する高分子をコロイド状混合物に添加することで起こる安定性 (このことは、溶液中でコロイド状粒子を保存するのに利用される)とは区別さ れる。該例において、分子は安定化すべき表面に非−特異的に結合する。例えば 、A.SungおよびI Piirman"Electrosteric stabilization of polymer collioid s"Langmuir 1994,10,1393-8;U.Genz,B.D's Aguanno,J MewisおよびP Klei n"Structure of sterically stabilized colloids"Langmuir,1994,10,2206-1 2参照。本概念はまた高分子をコロイドまたはリポソームの表面に結合させるこ とから区別される。後者の場合、立体安定性は安定化すべき表面に分子を共有結 合させることによって達成する。ポリエチレングリコールはまた典型例である。 例えばK Zhulina,O BorisovおよびV Priamitsyn"Theory of steric stabilizat ion of colloid dispersion by grafted polymer"Colloid and Interfacial Sci ence 137:495-511,1990を参照。 語句“多価供与体”とは、11個以上の供された群Aを有する多−成分分子が 挙げられ、このものは対応する標的結合分子Bに結合することが可能であり、ま た群Aはフレームワークに結合する。本発明の多価供与体は下記の構造によって 例示される: (Y)−An 特定の実施態様において、本発明の多価供与体は下記の構造によって表される : (Y)−(X−A)n 上記表示において、“Y”はフレームワークを表し;“A”は供された官能基 を表し;“X”は群AをフレームワークYに結合させるのに使用可能な任意のリ ンカー群を表し;および“n”は供された群が複数の結合部位Bと相互作用可能 になるように選択した10以上の整数を表す。 “n”を群Aの十分な数が疾患または容態に供されるように選択する。整数“ n”をさらに、複数の群Aの多価供与が許容されるように選択する。整数“n” は10以上であり、好ましくは10〜約106以上であり、より好ましくは約5 0〜約106、約100〜約106、もしくは約1000〜約106であることが より好ましい。該表で中間である“n”値の範囲はまた、本発明の一部を意図す るものであり、例えば10以上〜約100、10以上〜約1000、約1 00〜約1000および約1000〜100,000である。例えば、引用した 上記の値のいずれかを、限界の上方および/または下方として組み合わせて用い た“n”値の範囲は含有するものと意図する。 語句“多価供与”または“多価様式”は当分野で認識されており、多価表示A 、BもしくはCを含有し、結果ポリA、BもしくはCはその単価等価体と相違し た機能を果たす。例えば、ポリAはモノAとは正に協同もしくは負に協同、もし くは非協同である生体効果を示す。加えて、多価供与体は下記で完全に説明する とおり、β係数によって示すとおり、協同の独立物として機能する。多価供与体 または多価様式としては、当該分野で公知の徐放性化合物または薬物伝達様式と 異なる多価様式の使用が挙げられる。多価供与体は薬物の薬学的活性を媒介する モノ価群を放出するのではなく、多価的に作用することを目的とする。加えて、 モノ価群の放出性および分散性のために、徐放性化合物は、典型的に投与部位と 異なる部位で作用し、このことは多価供与体の場合によって限らない。 フレームワーク 語句“フレームワーク”(Y)とは、約10,000以上の分子量を有する物質からな る支持構造または骨格が挙げられ、このものに複数の群Aが結合し、および多価 的に供与しうる。結合はフレームワーク上の群の多価敵的な示唆を許容する平均 である。ある実施態様の場合、群Aを被験者に投与する前にフレームワークに結 合させ、およびインビトロ上のフレームワークで投与され、列されて、例えばセ ルフアセンブリー的に本発明の多価供与体を生成する。該フレームワーク成分は 、隣接する受容体間の距離をスパンするための有意の平均水和半径であり、約10 0オングストローム以上である。該次元により、複数の機能性郡Aをフレームワ ークに結合させ、同時に標的受容体に結合させる。、例えば細胞表面受容体に結 合させる。当業者によって、高分子の平均水和半径が標準統計力学法を用いて大 雑把に見積もることが可能なことは認識されている。 ある実施態様において、フレームワークの“骨格”は、フレームワークのモノ マー単位をともに併せることで、さらにリンカー(今後、骨格リンカー)からなる 。特定のリンカー骨格は高分子のフレームワークの内容物中で下記に詳細に議論 す る。特定の実施態様では、骨格リンカーは切断可能であり、例えば骨格リンカー は加水分解活性である。 該多価供与体中において有用なフレームワークの型は、そのものに結合可能な 群Aを有する事が可能なモノである。インビトロの目的で使用するフレームワー クはインビボ中で適当であり、またはアセンブリーとしてインビボ中で利用でき る。フレームワークの型の例としては、高分子、リポソーム、ミセル、コロイド 、デンドリマーおよび生体粒子が挙げられるが、これらのものに限定されるもの ではない。下記で該型について簡潔に議論し、および共有および非共有フレーム の記載に基づいてより詳細に議論する。該フレームワークの個々の詳細な記載に ついては、議論を容易にする目的で共有および非共有フレームワークの題のとこ ろで供することとするが、このことはフレームワークの範囲を限定するものでは ない。本発明が本明細書中に記載するとおり、群Aを多価的に供することが可能 な全フレームワークの型を包含することを意図する。 語句“ポリマー”または“ポリメリック”とは、当分野で認識されており、繰 り返しモノマー単位からなる構造フレームワークが挙げられる。限定するために 、高分子フレームワークはさらに多価的に“A”を供与することができ、結果、 疾患または容態を治療することが可能となる。該語句としてはまた共重合体およ びホモポリマーが挙げられ、例えば合成または天然に存在するものが挙げられる 。直線状高分子、分枝高分子および架橋高分子をもまた包含する。好ましい実施 態様では、高分子はデキストランでないものである。 語句“リポソーム”、“ミセル”および“コロイド”とは当分野で認識されて いる。該語句はまた、誘導化されたもの、例えばリポソーム誘導体、架橋リポソ ームなどが挙げられる。 語句“デンドリマー”とは当分野で認識されている。デンドリマーとしては多 数の生成が可能な分枝ポリマーの群が挙げられる。デンドリマーにおいては、各 生成は多数の分枝起点において生成する。好ましい実施態様において、該フレー ムワークはデンドリマーでないものである。 ある実施態様において、本発明のフレームワークは“生体粒子”からなっても よい。語句“生体粒子”とは、共有結合分子、例えば糖、タンパク質、脂質、小 分子、タンパク質凝集体および核酸、並びに非共有結合分子、例えば改良分子( 例えば、誘導化したもの、化学的に改良したもの、または外因性核酸を用いてト ランスフェクトしたもの)または改良ウイルス、例えばウイルス粒子が挙げられ る。フレームワークとして“生体粒子”を使用する場合には、被験者のフレーム ワークは多価的に供与された官能群Aに改良するために、天然の状態で存在する 粒子とは区別される。 1実施態様において、フレームワークのモノマー単位を共有結合することが可 能である。典型的なフレームワークとしては架橋リポソーム、生体粒子(例、糖 、タンパク質、ペプチド、または小分子)および高分子(例、Siraganian,R.P. ら、Immunochem.1975,12,149-155;Wofsy,Cら、J.Immnol.1978,121,593-601;Barl oocco,D.,ら、Farmaco 1993,48,387-96;Castagnino,H.E.ら、Ipn.Heart J.1990, 31,845-55;Costa,T.らBiochem.Oharmacol 1985,34,25-30;Demno,M.らJ.Immunol 1979,122,518-28;Holliger,P.ら Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1993,90,6444-8;PiergentitliらFarmaco 1994,49,83 -7;Portoghese,P.S.ら、J.Med Chem 1991,34,1292-6;Kizuka,H.and Hanson,R,N. J.Am.Chem.Soc 1987,30,722-6参照) ある実施態様において、タンパク質、例えばアルブミンを多数の群を供与する フレームワークとして(Roy,R;Lafemere,C.A.CanJ.Chem1990,68,2045-2054)使用 可能であって、従って天然の糖タンパク質を模倣する。 他の実施態様において、ポリマーを多価供与体のフレームワークとして使用可 能である(Spaltensteinら1991,J.Am.Chem.Soc.113,:686;Mammenら1995,J.Mwed. Chem.38:4179)。好ましい実施態様において、本発明の群Aを高分子骨格からな フレームワークにリンカー群によって結合させる。一定の実施態様において、反 応性高分子をまた下記でより詳細に記載する通り、本発明の“フレームワーク” 中で使用可能である。 高分子を当該分野で公知の方法を用いて製造可能である(Sandler,S.R.;Karo, W.Polymer Synthesis;Harcourt Brace:Boston,1994;Shalaby,W.;Ikada,Y/;Lange r.R/:Williams,J.Polymers of Biological and Biomedical Signifivcance(ACS Symposiumu Series 540;American Chemical Society: Washington,DC,1994)。高分子はフレキシブルに設計可能であり、すなわち;生 体活性側鎖間の距離並びに、ポリマー骨格と群間のリンカーの長さを設計し、制 御することが可能である。 ポリマーはフレームワークとして複数の利点を供する。それらのものを、多数 の群Aを多数の群B結合部位に、好ましくないひずみが最小の状態で、同時に結 合できるように設計可能である。高分子の多価供与体は容易に、迅速におよび集 中的に合成可能である(Spaltensteinら1991,J.Am.Chem.Soc.113,:686;Mammen ら1995,J.Mwed.Chem.38:4179)。ポリマーをまた、温度やイオンの強さを変える ことで、供与体の様々な生理学的性質、例えば立体配座のフレキシビリティー、 溶解性、疎水性を改良可能であり;並びに溶液状態での立体配座およびフレキシ ビリティーを改良可能である。 高分子量のポリマーに関する化学はよく発展してきた科学であり、有機ポリマ ーは多価供与的に使用する非常に重要な化合物群を供与する。該化合物は高分子 量であり、該群の非常に複数のコピーを供与することが可能であり;それらのも のは1個以上の群を同時に供与することが可能であり;該生体膜供給は典型的に 限定され、したがって特定のコンパートメント中での寿命はインビトロにおいて 制御可能である。高分子のフレームワークは多様な容易に合成可能な高分子を供 し、および一連の生物学的なものに接近可能である。 好ましい実施態様において、本発明で使用する改良高分子物質は低抗原性およ び低毒性を有している。好ましい実施態様において、高分子フレームワークは水 と適合するように選ばれ、様々な分子量を有することが可能であり、およびポリ マー骨格に結合する広範囲の異なる群を有することが可能である。本発明のポリ マー骨格をまた合成が容易なものに選択可能である。 側鎖の付加に適当な官能基を含有する内因性生体適合ポリマーが好ましい(Sha laby,W.;Ikada,Y.;Langer,R.;Williams,J.Polumers of Biological and Biomedi val Significance(ACS Symposium SEries 540);American Chemical Society:Was hington,DC,1994)1。典型的なポリマーとしてはポリエチレンオキシドまたはポ リエチレングリコール(Harris,J.M.Poly(ethylene glycol)Chemistry:Biotechni cal and Biomedical Applicatios,;Plenum:New York, 1992;Horton,D.Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry;Academ ic Press:San Diego,1995)、併せて、例えばアクリルアミドおよびN−ビニルピ ロリドンの誘導体(オロゴエチレングリコールのオリゴマーに連結、デキストラ ンのオリゴマーに連結およびその他が挙げられる。 本発明に使用する他の好ましいフレームワークは有用性、例えば血漿増量剤、 薬物賦形剤もしくは結合剤、食品添加物またはインビボで使用する不活性もしく は腐食性物質などとして有用性を示す。例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポ リ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)およびポリ(ビニルピロリドン)を使用可能である 。 多価供与体の合成に使用するポリマーは活性化カルボン酸などの反応性の基を 含むものが好ましい。複数の合成的または天然に存在するポリマーはカルボン酸 官能基を有し、または該基を有するものに改良可能であり、これらのものをイン ビトロで使用する。該ポリマーは供与された群Aとの共有結合、例えばアミド結 合を形成可能である。内部に、無水物もしくはスクシンイミドなどの環化カルボ ン酸官能基を含有するポリマーが特に望まれる。他の好ましいポリマーとしては マレイン酸無水物もしくはマレイン酸由来のサブユニットが挙げられる。典型的 な共重合体としては、スチレン−マレイン酸無水物およびアルファ−オレフィン −マレイン酸共重合体(ジビニルエーテル−マレイン酸など)が挙げられる。他 の実施態様において、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コンドロイチン 硫酸およびポリ(メタクリレート/アクリレート)物質を使用可能である。さらに 好ましい実施態様において、活性化カルボン酸を有しないポリマー、例えばデキ ストラン硫酸を使用可能である。 他の典型的な高分子フレームワークとしては、ポリ(エステル)、ポリ(無水物) 、ポリ(カルボキシレート)、ポリオール、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリ レート)、ポリ(エーテル)およびポリ(アミノ酸)が挙げられる。 さらに他の典型的な高分子フレームワークとしては、ポリ(グルタミン酸)、ポ リ(アスパラギン酸)、デキストラン、デキストラン硫酸、ポリ(マレイン酸無水 物−共ビニルエーテル)、ポリ(スクシンイミド)、ポリ(アクリル酸無水物)、ポ リ(エチレングリコール)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ビニルピロ リドン)、ポリ(スチレン−マレイン酸無水物)、アルファ−マレイン酸、ヒアル ロン酸、カルボキシメチルセルルロースナトリウム、コンドロチン硫酸、ポリ( アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(グリセロール)およびデンプンな どが挙げられる。 複数の群Aを供することが可能な高分子物質のいずれも本発明において使用す るのに適当であることは当業者によって評価されるであろう。ポリマーとしては 、例えば上記に記載の通り改良可能であり、または二官能性架橋剤を用いて誘導 化して、下記でより詳細に記載の通りA群と結合しおよび供するのに適当な官能 基を供与することが可能である。特定の状況においては、共重合体が好ましい。骨格リンカー 特定の実施態様において、骨格のモノマー単位間で結合分子、“リンカー“を 含むことが望まれる。典型的な“骨格リンカー”としては、炭化水素、カルバメ ート、アミド、エステル、チオエステル、チオエーテル、カルボネートおよびエ ステル連結が挙げられる。特定の実施態様において、骨格分子は切断可能なリン カーで連結可能である。該多価物質のインビボ寿命は部分的に該分子の次元に依 存する。中間の大きさのオリゴマー間でのリンカー基を置換することで、および これらの連結基のインビボ安定性を制御することで、ポリマーのインビボ寿命を 制御することが可能である。したがって、該ポリマー骨格中の非−官能的な、分 解可能な連結部分を、ポリマーのクリアランスを助けるのに使用可能である。一 般的に、切断可能なリンカーはポリマー骨格を群Aに連結するのに使用するもの とは異なる。該切断可能な連結により、腎臓で透明になるのに十分に小さい、よ り小さい多価官能化した断片を形成する。分解可能なリンカーとしては、例えば エステル、カルボネートもしくはオキサレート基などの加水分解活性なリンカー が挙げられる。 特定の実施態様において、被験者の多価供与体のフレームワークはデンドリマ ーからなる。デンドリマーは当該分野で認識されており、低分子量で、非常に分 枝のポリマーの群が挙げられ、例えば単分散の場合が多い。デンドリマーは十分 に定義された分子構造であり、該溶液は分子量の割に比較的低粘性であるという 利点を有する。それらは直鎖上のポリマーと比較して密にパックされた様式の群 を供し、このものは細胞表面上でクラスター化する標的受容体として有利となり 得る。複数の群Aをデンドリマー中で正確に制御することが可能であり、併せて 群間距離、立体配座およびデンドリマー分子の強さを調節可能である。多糖類は デンドリマー群に帰属し得る(Sabesanら1992 J,Am.Chem.Soc.14:8636)。1実 施態様において、デンドリマーのヘッド基をフレームワークとして使用可能であ る(Roy,R.Synthesis and Antigenic Propeerties of Sialic Acid-Based Dendri mers;Acs Symp.SEr1994)。 非共有結合フレームワーク 複数の群Aをまた、非共有フレームワークと結合させることが可能である。典 型的な非共有結合フレームワークとしては、リポソーム、ミセル、コロイド、タ ンパク質凝集体、改良細胞および改良ウイルス粒子が挙げられる。例えば、群A をリポソーム、膜もしくは表面中の分子のヘッド基にテザー可能である(Kinger y-Wood,J.E.らJ.AmChem.Soc.1992,114,7303-7305;Spevak,W.J.Am.ChemSoc.1993, 115,1146-1147;Speval,W.J.Med Chem.1996,39,1018-1020)。 リポソームおよびミセルは当該分野で認識されており、脂質の凝集体からなる 巨視的粒子、例えば界面活性剤が挙げられる。1実施態様において、多価供与体 はリポソームまたはミセル上の群を供することが可能である(Spevak,W.J.Am.Ch emSoc.1993,115,1146-1147;Charch,D,.Chem.& Biol.1996,3,113-120)。本系は 標的細胞の形を非常に模倣したものであり、また群型と群密度の点で標的細胞の 表面と非常に一致する表面を供するように設計可能である。例えば、群Aを含有 する脂質分子(例、ノイラミン酸(NeuAc))を極性ヘッド基としてリポソー ム中に再構成可能である。リポソームは好適な生体親和性を有し、かなり容易に 合成可能である。加えて、リポソームをセンサーとして作用するように設計可能 である。ポリマー化したリポソームを、膜の内部発色団(例えば、架橋ポリジア セチレン)のUVの吸収の強さにおける変化を示すことで、リポソームにおける 配座の変化を探知するように設計可能である。例えば、ウイルスのリポソームへ の結合は当分野で認識されている通り、色のシフト(例、青から赤)によって検出 可能である。 他の実施態様において、例えば改良細胞または改良ウイルスをはじめとした生 体粒子を、群Aの多価供与用のフレームワークとして使用可能である。したがっ て、タンパク質、ペプチド、多糖類、細胞膜の断片もしくは改良無傷の細胞(例 えば、赤血球)を特定の実施態様においてフレームワークとして使用可能である 。 活性化フレームワーク成分 本明細書中に記載の通り、語句“活性化フレームワーク”とは上記に記載の通 り、共有結合および非共有結合フレームワークを含有し、活性化可能な官能基を を含有するフレームワーク成分を意味し、このものは“活性化基”を経由し、引 き続いて少なくとも1個の官能基、ぶら下がり基および/またはスペーサー基と 反応する。適当な官能基としては、例えばカルボキシル(酸の形態および塩)、ヒ ドロキシル、スルフヒドリル、アミド、カルバメート、アミノ、ケトン、アルデ ヒド、オレフィン、芳香族などが挙げられる。該ポリマーを官能基に被曝させる 前に活性化可能であり(“プレアクチベーション”)、または官能基の存在下で活 性化可能である(“インサイチュ”)。 該活性化工程は、求核体もしくは求電子体との反応が可能な群を有するポリマ ーの誘導化を伴う。さらに、双極子付加(例、1,3−および1,4−双極子付 加)、環化付加反応(例、ディールスアルダー型反応)およびカチオン、アニオ ンもしくはラジカル開始機構による重合反応に関与することができるようにポリ マーを活性化することは、本発明の範囲内である。 カルボキシル基を、例えば環状もしくは直鎖無水物、活性化エステル(例、N −ヒドロキシスクシンイミド、ニトロフェノール、4−ヒドロキシ−3−ニトロ ベンゼンスルホン酸など)、酸クロリド、イミダゾリド(例、カルボニルイミダ ゾール由来)、カルボン酸およびエステルを使用することで、求核体との反応に ついて活性化可能である。ポリマーを含有するカルボン酸をまた、カルボキシル 基と試薬(例、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプ ロピル)−3−エチルカルボジイミド、アルキルクロロホルメート、クロロシラ ン、ピリジニウム塩およびBu3Nなど)間に付加物を形成させることで活性化 させることが可能である。 カルボキシル官能基における適当な活性基の選択は、当業者にとって明らかで ある。該反応系がインサイチュ活性化もしくはプレアクチベーションを受け入れ る余地があるか、または必要とするであろうことは、当業者にとって明らかであ ろう。 ヒドロキシル基を、例えばアルキルもしくはアシルハロホルメート(例、イソ −ブチルクロロホルメート、p−ニトロフェニルクロロホルメートなど)、臭化 シアンもしくはホスゲンとの反応によって形成するカルボネートを用いて活性化 することが可能である。ビシナルジオール基を含有するポリマーを利用する面に おいて、ペリオデート化合物を用いた酸化反応を、高分子骨格上の反応性カルボ ニル部分を供与するのに使用可能である。ヒドロキシル基を持つポリマーを活性 化する別の方法についても当業者にとって明らかである。 ヅルフヒドリル基を持つポリマーは、例えば2,2'−ジチオビス(5−ニトロ ピリジン)、2,2'−ジチオ(ピリジン)などのジチオビスピリジル化合物を用い て活性化可能である。スルフヒドリルを持つポリマーを活性化するのに使用する 別の方法についても、当業者にとって明らかである。 上記活性化反応は例として提案するだけであり、該スキームに対するさらに複 数の改良方法が存在することは、該分野の当業者によって評価されるであろう。 一旦高分子フレームワークが活性化されると、少なくとも1個の官能基、ぶら 下がり基もしくはスペーサー基もしくは該混合物と反応し得る。別に、活性化ポ リマーを官能基、ぶら下がり基および/またはスペーサー基を組み合わせて反応 させることも可能である。官能基の成分 本発明の反応に関係する製造した多価供与体の官能基の成分としては、フレー ムワーク成分、ぶら下がり基および/またはスペーサー基に結合させ、および例 えば疾患もしくは容態を治療用に官能様式で多価的に供することが可能な基が挙 げられる。該官能基成分は同一または相違していてもよい。語“複数の官能基成 分”または、別に“複数の群R3”とは、1以上の官能基成分をカバーする意図 であり、複数の官能基中の各官能基は独立して同一または相違していてもよい。 該官能基は官能基の型の範疇において同一または相違していてもよく、例えば1 官能基がカルボキシレートであり、他方の官能基が抗体であってもよい。該官能 基はまた、同一型もしくは同一範疇の官能基において相違していてもよく、例え ば官能基が2個の異なるカルボキシレートであってもよい。“ホモメリックな供 与体”の場合、供される官能基は同一であり、一方“ヘテロメリックな供与体” の場合、供される官能基は相違しており、例えば異なる範疇由来であるか、また は同一の範疇において相違している。下記の記載および請求の範囲において容易 にするために、命名法R3 1〜R3 nは複数のR3における様々な一員を述べるのに 用いる。 本明細書中で使用する通り、被験者の多価供与体によって供される官能基は官 能性である。該官能基はまた、多価供与体のフレームワーク成分に結合する際、 該官能性を供与する。上記で議論しおよび本明細書で繰り返していうとおり、こ のものは当該分野で認識されている治療剤(該治療剤とは、放出形態で官能性を 供与する)を放出する薬物供給システム(例、高分子薬物供給)とは異なる。例 えば、本発明の好ましい実施態様において、官能基は11個(すなわち、複数の )以上の結合部位と生体特異的に相互作用することによって官能性、例えば直接 に治療学的効果を供与する。他の実施態様において、多価供与体が例えばヘテ ロメリックな供与体である場合、特定の官能基(例、R3 n)はBと相互作用しs 、代わりに別の官能性を供与する。例えば、該官能基は結合部位BへのR3 1の相 互作用に影響を及ぼし、したがってエンハンサー基として作用し得る。他の実施 態様において、官能基(例、R3 n)は多価供与体の物理的特性(例、溶解度または 細胞膜を通過する能力)に影響を及ぼすことが可能な官能性ぶら下がり基(例、 補助基)であってもよい。他の実施態様において、例えば検出可能な標識(例、 蛍光物質または放射性活性な標識)を供与することで、官能基はまた被験者供与 体を追跡することで、官能基は官能性を供与する。 本発明の官能性群の成分は合成または天然のものであってもよい。加えて、該 官能性成分は物理特性、例えば分子の大きさ、すなわち該官能基が低、中間もし くは高分子量であることに基づいて分類可能である。天然の官能基成分の例とし ては、天然に存在する糖、タンパク質(例、IgEもしくはエリトロポエチン) 、ペプチドおよび他の公知薬物が挙げられるが、これらのものに限定されるもの ではない。合成官能基成分の例としては、ペプチド擬似体、コンビナトリアル化 学的技法もしくは合理的な薬物設計技法によって合成される官能基が挙げられる が、これらのものに限定されるものではない。本発明のモデルに関連して使用可 能な官能基成分の特定の型については、下記の題“官能基の型”の部分で詳細に 議論する。群A 該多価供与体の群Aとしては、多価的に官能様式(例、疾患または容態の治療 用)で供与され、および例えばフレームワークに結合可能な群が挙げられる。群 Aは同一もしくは相違していてもよい。語“複数の群A”とは1個以上の群Aを カバーすると意図するものであり、ここで複数のうちの各群Aはまた独立して同 一または相違している。群Aは群Aの型の範疇内において同一であっても相違し ていてもよく、例えば1個の群Aはカルボキシレートであり、他方の群Aは抗体 であってもよい。群Aはまた、同一の型または範疇内で相違していてもよく、例 えば群Aが2個の異なるカルボキシレートであってもよい。“ホモメリックな供 与体”の場合、供される群Aは同一であり、“ヘテロメリックな供与体”の場合 、 給疇される群Aは相違しており、例えば異なる範疇であるか、または同一範疇内 で相違しているかである。下記の記載または請求の範囲を容易にするために、命 名法A1〜Anを複数の群Aの様々な一員を述べるのに使用する。 本明細書中で使用する通り、被験者の供与体によって供される“群A”は官能 性である。群Aはまた、多価供与体のフレームワークにもしくは該上に結合する 際に、官能性を供与する。上記で議論し、ここでも繰り返して述べるように、こ のものは当該分野で認識されている薬物供給システム(例えば、高分子薬物供給 システム、このものは治療剤を放出する)とは相違しており、ここで治療剤とは 放出形態で官能性を供与するものである。例えば、好ましい実施態様において、 群Aは11個以上の、いわゆる“複数の”結合部位と生体特異的に相互作用する ことによって官能性を供与し、例えば直接的に治療学的効果を供与する。特定の 実施態様において、例えば多価供与体がヘテロメリックな供与体である場合、特 定の群A(例、An)は群Bと相互作用せず、変わりに別の機能を供与する。例え ば、Anは結合部位Bに結合するA1に影響を及ぼし、したがってエンハンサー基 として機能する。他の実施態様において、Anは官能性ぶら下がり基であり、こ のものは多価供与体の物理特性、例えば溶解度または細胞膜を通過する能力など に影響を及ぼす。他の実施態様において、群Aは被験者の供与体をトラックさせ ることで、例えば検出可能な標識(例、蛍光物質または放射線標識)を供与する ことで、機能を供与し得る。 本発明の群Aは合成しても、天然であってもよい。加えて、群Aは物理特性例 えば分子の大きさ(例、群Aが低、中間または高分子量である)に基づいて分類 可能である。天然の群Aの例としては、天然に存在する糖、タンパク質(例、I gEまたはエリトロポエチン)、ペプチドまたは公知の薬物が挙げられる。合成 群の例としては、例えばペプチド擬似体、コンビナトリアル化学によって合成し 、合理的な薬物設計で生成する群が挙げられる。好ましい実施態様において、群 Aは、カルボキシレート、ポリミキシン(例、ポリミキシンB)、β−ラクタム、 フランから誘導した化合物、ピランから誘導した化合物および抗体を単独で、ま たは群の他のいずれの要因の組み合わせからなる群から選ぶものではない。他の 実施態様においてさえも、群Aは前述の群Aの誘導体でもまたは断片でもない。 特 定の型の群Aについては題目“群Aの型”の部分で下記に詳細に議論する。 供与体当りの群Aの数 フレームワークの様々な物理特性は、多価供与体の群Aと結合部位B間での相 互作用をモジュレートする能力に影響を及ぼす。群等価体の数を変えることで、 高分子供与体の有効性が変わり得る、すなわち、増大または減少する可能性があ る。例えば、多くの結合点により供与体骨格は、結合部位Bが示される表面上で つぶれるようになり、立体安定性は効果的でなくなり、生体応答において標的部 位および/または作動性/拮抗性を競争的に遮断するのにより効果的となる。 シアル酸(SA)の0.2当量を有する親ポリアクリルアミドポリマー上の置換 基の影響に関する組織的な研究により、骨格置換基の総電荷、大きさおよび疎水 度が供与体による生体機能の成功に影響を及ぼし得ることが示唆されている(Ma mmenら1995,J.Med.Chem,38:4179)。一般的に、骨格置換基の性質を変えること はアフニティーおよび立体的安定性の両方に影響を及ぼす。その上、高分子阻害 物質の有効性は置換基の電荷および大きさが増大するにつれて減少する。クーロ ンおよび立体相互作用により、鎖はより拡張され、立体安定性にはより有効でな くなる。 無数の異なる基が存在するヘテロメリックな供与体 ヘテロメリックな供与は等価な1価の相互作用よりも大きな強さおよび特異性 を供与するのに使用可能である。例えば、さらに群の型(例、A2)を供すること で、相互作用の総数は増加し、次いで相互作用の強さの合計は増加し得る。相互 作用の特異性は供与されたA1およびA2の群の数を調節することで別々に増加す る。例えば、A1およびA2の両方を有する供与体は、A1単独もしくはA2単独を 持つ供与体よりも、B1およびB2とより強固に相互作用し得る。 被験者の供与体に特異的な薬理学特性を分け与える異なる群Aの使用に加えて 、無数の異なる群Aの使用により、一連の異なる病原体に対する予防を供与し得 る。 例えば1実施態様において、多価供与体は病原体の表面上の受容体と相互作用 する群A1および第2の病原体と相互作用する群A2を供与し得る。別の典型的な 実施態様において、B1およびB2は同一の病原体上にある。 群Aの型 本発明の群Aとしては、多価様式で供与する際に疾患または容態を治療するの に有用な群が挙げられる。これらの基は公知の基または薬物であってよく、また は特定に疾患もしくは容態に関与する多価相互作用を研究後選択した新規な群も しくは薬物であってもよい。本発明は、これまで記載した公知の群Aの使用(Ki essling,L.L.;Pohl,N.L.Chem.& Biol.1996,3,71-77)および多価形態で供与する ことで新規な基を発展させ、および公知のモノマーも有効性を増大させるコンビ ナトリアル法について供与する。多価供与体の利用については作用部位により容 易に接近できるために、他よりもより好ましい。より接近が容易でないために、 作用部位へのより直接的な投与に向けられることは理解されるべきである。 特定の実施態様において、細胞−病原体相互作用、細胞−細胞相互作用、病原 体−細胞外マトリックス相互作用および病原体−病原体相互作用に関係すること が公知である群は、被験者供与体における多価様式で供与可能である。 例えば、付録の例において記述および付録において記載する通り、1典型的な 群は、N−アシルノイラミン酸(シアル酸)であり、このものはインフルエンザ 赤血球凝集素の本来の結合部位である。この糖と該レクチン間の相互作用は標的 細胞へのインフルエンザウイルスの結合における最初の必須段階である。非常に 複数の多価糖はNeu5Ac(2,6)ガラクトース、Neu5Ac(2,6)ラクトース、Neu5Ac(a2, 3)Gal(b1,3)GalNAc、ヘパリン硫酸およびガラトスルセラミドをはじめとした群 が可能であり、これらのものは全て宿主細胞への異なるウイルス粒子の結合にお いて重要であることが示されている。 他の実施態様において、多価度に関係する他の疾患もしくは容態を改良するこ とが知られている群を被験者の供与体に使用可能である。例えば、群Aを血栓症 を治療することが目的の状況下で、血小板間の多価供与体の相互作用を媒介する 能力に関して選択可能である。 好ましい実施態様において、被験者の多価供与体は一価の形態で投与の際には 疾患もしくは容態を治療の際に有意の効果を示さなかった公知の薬物もしくは化 合物からなり得る。該実施態様において、本発明に関して多価供与的に投与した 際に、該薬物は有意に有効であった。したがって、本発明は群Aとして被験者の 供与体に包含可能な、莫大な現存する薬物もしくは非薬物群を提供する。当業者 にとって群Aが1個以上の生体効果を有し、および/または1個以上の疾患もし くは容態を治療するのに有用でありうることは理解可能であろう。いくつかの群 Aが多価相互作用に関する疾患もしくは容態を治療するのに有用であり、および /または群Aが以前に多価供与合体に関すると考えられてきた疾患もしくは状態 を治療するのに有用であることは理解できる。議論を容易にするために、下記で 語句“薬物”を可能な群Aを称するのに使用する。 例えば、中枢神経系に効果を有する薬物を提供する。アルツハイマー病の治療 に、群Aとして例えばタクリンもしくはドネペジルを使用可能である。別の実施 態様において、アルコール依存症に群Aとしてジスルフィラムを使用可能である 。急性/および慢性疼痛および/または炎症の治療に群Aとして鎮痛薬(例、ア セトアミノフェン、アピリン、イソプロフェン、ペンタゾシン、インドメタシン もしくはジフルニサル(diflinisal)または麻酔薬(例、ロピアカインまたはレミ フェンタニル)を使用可能である。痛みおよび/または麻薬中毒の治療は、群A として例えばヒドロコドン、プロポキシフェンメフェリジン、ヒドロモルホン、 モルフィン、メサドン、またはオキシコドンを使用可能である。麻酔薬の使用は 、、またエポネフリン、キシロイン、メピバカイン、メトヘキシタール、ブビバ カインおよびノボカインを提供する。被験者供与体はまた群Aとしてコリンエス テラーゼ阻害物質(例、ピリドスチグミンまたはネオスチグミン)を使用可能であ る。催眠薬をまた被験者にとり込むことが可能である。例えば、フルアゼパム、 ペンドバルビタール、トリアゾラム、テマゼパムまたはセコバルビタールを使用 可能である。群Aをまた鎮咳薬(例、スードエフェジンまたはコデイン)であって もよい。本発明はまた、群Aとして偏頭痛薬(例、麦角誘導体(エルゴタミンまた はメチセルジド)またはソメテプテンまたはセロトニン(5−HT)拮抗薬(例、ス ミトリプタン)を提供する。群Aはまた運動酔薬(例、メクリジンまたはスコパラ ミン)であってもよい。 他の応用において、群Aは筋弛緩薬、例えばピリドスチグミン、ネオスチグミ ン、スクシニルクロリン、ミバクリウム、ドキサクリウム、ロクロニウム(rocur onium)、ベクロニウム、ダントロレン、シクロベンザプリン、バクロフェン、ク ロルゾキサゾン、メトカルバモルまたはパラベリン(paraverine)であってもよい 。吐き気は、例えばプロクロルペラジン、クロルプロマジン(chlorpromazine)、 トリメトベンズアミド(trimethobenzaminde)、ペルフェナジン、ヒドロキシジン 、またはオンダンセトロンを用いて治療可能である。群Aとして、副交感神経遮 断薬、例えばピペリデン、フェノバルビタール、エルゴタミン、ジシクロミン、 ヒヨスチアミン、グリコピロレートを使用可能である。同様に、副交感神経刺激 剤、例えばタクリン、ピロカルピン、ベタネコール(bethaneechol)、エドロホニ ウム、ヨヒンビンを使用可能である。群Aはまた、パーキンソン病薬(parinsoni sm drugs)、例えばトリヘキシフェニジル、ベントロピン(bentropine)、プロシ クリジン、レボドパ、ブロモクリプチン、カルビドパ、アマンタジンからなって もよい。本発明はまた、被験者多価供与体における精神作用薬(psychotropics) の使用を提供する。同様に、抗不安薬(例、ロラゼパム、ブスピロン、クロルジ アゼポキシド、メプロバメート、クロラゼパート、ジアゼパム及びアルプラゾラ ム)を被験者多価供与体に取り込むことも可能である。抗うつ薬、例えばフェネ ルジン、トラニルシプロミン、パロゼチン(parozetine)、フルオキセチン、セル トラリン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、イミプラミンまたはプロトリ プチリンを使用可能である。抗精神病薬(例、クロザピン、プロクロルペラジン 、ハロペリドール、ロキシピン(loxipine)、チオリダジン、フルフェナジン(flu penazine)、リスペリドン(risperidon)、メソリダジン、トリフルオペラジン、 オランザピン(olanzapine)、もしくはクロルプロマジン)をまた群Aとして使用 可能である。精神興奮薬(例、ペモリンもしくはメチルフェニデート)の使用を また提供する。鎮静薬(例、メフォバルビタール、セコバルビタールもしくはテ マゼパム)をまた群Aとして使用可能である。発作障害を、例えば、フェルバト ール(felbatol)、ガバペンチン(gabapentin)、フェニトイン、メフェトニン、エ トトイン、ラモトリギン(lamotrigine)、メトスクシミド、フェンスクシミド、 エトスクシミド、カルバ モゼピン(carbamozepine)、フェナセミド、またはカルバマゼピンをもつ多価供 与体によって治療可能である。交感神経遮断薬(例、フェントラミン)をまた使 用可能である。群Aとしてはまた、例えば抗けいれん薬(例、ホスフェニトイン( fosphenytoin)、抗うつ薬(例、ミルタザピン(mirtazapine))群(このものは、 多発性硬化症(例、グラチラマー(glatiramer))もしくはてんかん(例、トピラ ネート(topiranate)を治療するのに使用可能である)、または血管形成を阻害す るのに使用可能な群(例、当分野で認識されている、血管形成阻害薬)が挙げら れる。 心臓血管系における有効性をもつ群Aの使用をまた提供する。例えば、アドレ ナリン作動性神経薬(例、ドキサゾシン、テラゾシン、プラゾシン、メチルドー ペート、クロニジン、ラベタロール)。別の実施態様において、アンギオテンシ ン変換酵素阻害薬(例、カプトプリル、リシノプリル、トラドラプリル(tradola pril)もしくはエナラプリル)を使用可能である。多価供与体はまた、アンギオ テンシンII受容体拮抗薬(例、ロサルタン(losartan)もしくはバルサルタン(val sartan))を供与することも可能である。不整脈治療薬の使用をまた提供し;例 えば、ジソピラミド、プロカインアミド、キニジン、プロパフェノン、フレカイ ニド、トカイニド、プロプラノロール(propanolol)、ソタロール、アミオダロン 、ジゴキシンが挙げられる。他の実施態様において、β−ブロッカー(例、チモ ロール、メトプロロールおよびアテノロール)を群Aとして使用可能である。更 なる実施態様において、カルシウムチャンネルブロッカー(clocker)を供与され た群として使用可能である。例えば、ニフェジピン、ニカルジピン、ジルチアザ ム、フェロジピンおよびベラパミルが挙げられる。 利尿剤(例、アセタゾラミド、エタクリン酸、フロセミド、スピロノラクトン 、アミロライド、クロロチアジドおよびヒドロクロロチアジド)をまた、群Aと して使用可能である。血管拡張薬(例、パパベリン、ヒドララジンおよびアムリ ノン)をまた被験者供与体中で使用可能である。昇圧薬の使用(例、メタラミノ ール、フェニレフリンまたはイソプロテレノール)をまた提供する。別の実施態 様において、群Aはまた、例えばマカミラミンからなってもよい。群Aは低脂血症 薬、例えばクロフィブラート、ジェムフィブロジル、シムバスタチン、ロバスタ チン、 シムバスタチン、アトルバスタチン(atorvastatine)またはナイアシンであって もよい。深静脈血栓症は、群Aとして例えばダナパロイド(danaparoid)を用いて 治療可能である。更なる実施態様において、ミドドリン(midodrine)などの高血 圧症薬を使用可能である。 癌の治療に対して、群Aとしては例えば、抗アンドロゲン薬(例、ロイプロリ ドもしくはフルタミド)、細胞破壊性薬(例、アドリアマイシン、ドキシルビシ ン、タクソール、シクロホスファミド、ブスルファン、シスプラチン、α2−イ ンターフェロン)、抗エストロゲン薬(例、タモキシフェン)、代謝拮抗薬(例 、フルオロウラシル、メトトレキセート、メルカプトプリン、チオグアニン)が 挙げられる。群Aはまた、ホルモン(例、メドロキシプロゲステロン、エストラ ジオール、ロイプロリド、メゲストロール、オクトレオチドまたはソマトスタチ ン)からなってもよい。更に他の実施態様において、群Aとしてはまた、例えば イリノテカン(irinotecan)、ジェムシタビン(gemcitabine)、トプテカン(toptec an)、ニランドロン(nilandrone)またはドセタキセル(docetaxel)が挙げられ得る 。 他の実施態様において、被験者供与体を胃腸への応用に使用可能である。例え ば、群Aとして、抗けいれん薬または抗コリン作用薬(例、ジシクロミン、ヒヨ スチアミン、グリコピロレート、トリヘキシルフェニジルまたはアトロピン)が 挙げられ得る。群Aとして、食欲抑制薬(例、デキストロアンフェタミン、ベン ズフェタミン、フェンテルミンおよびオルマジンドール(ormazindole))をまた 使用可能である。他の実施態様において、群Aとしてはまた、止しゃ薬(例、ロ ペラミド、ジフェノキシラート、オクトレオチド)が挙げられ得る。被験者供与 体としてはまた、例えばプロトンポンプ阻害薬(例、ランソプラゾール(lansopr azole)またはオメプラゾール)または、血管拡張薬(例、オピオイド)が挙げら れ得る。 内分泌系を調節する群Aをまた使用可能である(例、グリブリドまたはクロル プロパミド)。同化促進性薬(例、テストラクトンまたはスタノゾロール)をま た被験者供与体中に取り込むことも可能である。アンドロゲン(例、メチルテス トステロン、テストステロン、またはフルオキシメステロン)を群Aとして使用 可能である。被験者供与体はまた、例えば多価様式でのカルシトニンを示す。エ ストロゲン(例、ジエチルスチルベステロール)をまた使用可能である。群Aは また、グルココルチノイド(例、トリアムシノロン、ベタメタゾン)であっても よい。群Aとしてのプロゲストゲン(例、ノルエチンドロン、エチノジオール、 ノルエチンドロン、レボロルゲストレルおよびエチニルエストラジオール)の使 用をまた提供する。しかし、他の実施態様において、甲状腺薬(例、リオチロニ ンまたはレボチロキシン)または抗甲状腺薬(例、メチマゾール)を使用可能で ある。他の実施態様において、高プロラクチン障害を群Aとして例えば、カベル ゴリン(cabergoline)を用いて治療可能である。更なる他の実施態様において、 糖尿病を例えば、ミグリトール(miglitol)またはインシュリンリスプロ(lispro) を用いて治療可能である。ホルモン抑制薬(例、ダナゾールまたはゴセレリン) の使用をまた提供する。他の実施態様において、群Aとしては子宮収縮薬(例、 メチルエルゴノビンまたはオキシトシン)が挙げられる。群Aとして、プロスタ グランジン(例、ミオプロストール(mioprostol)、アルプロスタジルまたはジノ プロストロン)をまた使用可能である。 該被験者供与体をまた皮膚科学への応用において使用可能である。皮膚科学効 果を有する典型的な群Aとしては、例えば抗アクネ薬(例、イソトレチノリン、 アダパレン(adapalene)またはトレチノイン)が挙げられ得る。他の群Aを皮膚科 学的応用、例えばかゆみの治療に対して使用可能であり、例えばアルクロメタゾ ン、ベンゾカイン、ヒドロキシジン、フルチカゾン(fluticazone)、モメタソン 、フルオシノロン、クロベタゾール(clobestasol)またはデスオキシメタゾンが 挙げられる。 群Aはまた凝塊に影響を及ぼし得る。例えば、ポリ(A)は抗凝固薬、ヘパリンから なってもよい。他の実施態様において、群Aは例えば抗トロンビンIIIまたは血 小板阻害薬(例、アブシキシマブ(abciximab)および/またはチクロピジン)か らなってもよい。 他の実施態様において、例えば群Aを免疫調節に影響を及ぼす能力に関して選 択可能である。例えば、肥満(mast)細胞および好塩基球からのヒスタミンの遊離 は細胞表面上でのアレルゲンとIgE受容体間での多価相互作用に関係する。該例 として、群Aは例えば抗ヒスタミン薬(例、ベナドリル、ロラタジン(loatadine )、ブロムフェニラミン、ペリアクチン、プロメタジン、テルフェナジン、フェ キソフェナジン(fexofenajine)、アゼラスチン(azelastine)および/またはクレ マスチン)からなってもよい。更なる別の実施態様において、群Aは肥満細胞安 定剤(例、ロドキサミドおよび/またはクロモリン)からなり得る。 免疫系を調節する他の群Aとしては、例えばステロイド(例、トリアムシノロ ン、ベクロメタソン(beclomethazone)、コルチゾン、デキサメタゾン、プレドニ ゾロン、メチルプレドニゾロン、ベクロメタゾン(beclomethasone)またはクロベ タゾール)、ヒスタミンH2抗拮抗薬(例、ファモチジン、シメチジン、ラニチジ ン)、免疫抑制薬(アザチオプリン、シクロスポリン)を挙げることができる。 抗炎症活性を有する群(例、スリンダク、エトドラック(etodolac)、ケトプロフ ェン、ケトロラック)もまた群Aとして使用可能である。抗ヒスタミン薬(例、 フェクソフエナジン(fexofenadine)またはアゼラスチン(azelastine))をまた使 用可能である。 呼吸系を調節する群Aをまた使用可能である。例えば、粘液破壊性薬(例、グ アイフェネシン)、抗炎症薬(例、クロモリン、フルニソリド、ベクロメタゾン またはブデソニド(budesonide))をまた被験者供与体中に使用可能である。群A として、気管支拡張薬(例、イプラトロピウム、メタプロテレノール、テルブタ リン、イソエタリン、メタプロテレノール、アルブテロールまたはテオフィリン )の使用をまた提供する。喘息の治療用に、薬(例、ザフィルルカスト)(zafirlu kast)またはジロイトン(zileuton))を使用可能である。 群Aは抗菌薬、例えばキノロン(例、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン 、オフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン(lomefloxacin))、スルホ ンアミド(例、スルファサラジンまたはスルファメトキサゾール)または例えば 、ポリミキシンB、バシトラシン、ネオマイシン、オキシテトラサイクリン、ト ブラマイシン、スルファセタミド、ホスホマイシンおよびペニシリン、抗ウイル ス物質(例、トリフルリジン、ジドブジン(AZT)、ザルシタビン(zalcitabine)( ddV)、ジダノシン(didanosine)(ddl)、スタブジン(stavudine)(d4T )、または他の逆転写酵素阻害物質、例えばプロテアーゼ阻害物質(メルク社 販売)(例、サクイナビル(saquinavir)、インディナビル(indinavir)、リトナ ビル(ritnavir))、アシクロビル、ファムシクロビル(famciclvir)、リバビリン 、ジドブジン、ネビラピン(nevirapine)、シドホビル(cidofovir)またはペンシ クロビル(penciclovir))、駆虫薬(例、チアベンザゾール、クロロキン、スル ファドキシン、ピリメタシン、メフロキン、メトロニダゾール、アルベンダゾー ルまたはイベルメクチン)または抗真菌薬(例、ブテナフィン(butenafine)、ブ トコナゾール、テルコナゾール、チオコナゾール、クロトリマゾールまたはミコ ナゾール)からなり得る。ある場合において、特定の部位の感染、例えば眼の感 染を治療するのに、特定の抗菌薬を使用することが好ましいことは、当業者にと って明らかである。 他の実施態様において、ペニシリンアジュバント、プロベネシドをまた群Aと して使用可能である。 群Aとして使用する尿路薬としては、例えば尿酸尿症薬(例、スルフィンピラ ゾン)を挙げることができる。抗菌薬(例、インダニルカルベニシリン、ニトロ フラントイン、ナリジクス酸、ネオマイシン、バシトラシンまたはポリミキシン Bをまた群Aとして使用可能である。該被験者供与体はまた、抗けいれん薬(例、 オキシブチニンまたはフラボキセート)を提供可能である。シュウ酸カルシウム 結石予防薬(例、アロプリノール)をまた群Aとして使用可能である。前立腺肥 大症調節剤(例、テラゾシンまたはフィナステリド)をまた使用可能である。該 被験者供与体をまた、群Aとして例えばペントサンを用いて、膀胱炎の治療の際 に使用可能である。 該被験者供与体はまた、眼への応用において有用である。例えば、β−ブロッ カー(例、ブロミニド(brominide)またはベタキソロール)、抗炎症薬(例、ク ロパタジン(clopatadine))または緑内障の治療に有用な薬(例、ラタノプロス ト(latanoprost))を群Aとして使用可能である。本発明はまた、炭酸脱水酵素阻 害薬(例、ジクロルフェナミド、メタゾラミドまたはドルキソラミド(dorxolami de)の使用を提供する。 歯への応用(例、アフタ性の潰瘍)に対して、群Aとしては例えば、アムレキ サノックス(amlexanox)を挙げることができる。 他の実施態様において、群Aはエリスロポイエチン、タクロリムス(tacrolimus )、ヒト成長ホルモン、組織プラスミン活性化因子、血小板活性化因子、インタ ーロイキン刺激因子、顆粒球刺激因子、マクロファージ刺激因子、小分子分泌促 進物質(このものは成長ホルモン分泌促進物質、EPO分泌促進物質およびインシ ュリン分泌促進物質などのタンパク質産物の受容体を標的とする)から独立して 選ばれ得る。 多価供与体のいくつかの特例(これらを例示するが限定するものではない)と しては、流感ウイルス上のHAに対する多価シアル酸、P−セレクチンを含有した 血小板を有するシアリルLeXの2個の誘導体、EとP−セレクチンの両方を含有す る内皮に対する多価シアリルLeX、2個の異なる受容体部位を含有するGABAB複合 体受容体と結合したバルビツール酸誘導体(ベンゾジアゼピン)、インテグリン とセレクチンの両方を持つ白血球と結合したRGDおよびシアリルLeX、並びにC5A 並びにGal-X-Gal結合腫瘍(gal-x-galと結合)並びに補体多段階のタンパク質を もまた挙げられる。補助基 本明細書中で使用する通り、“補助基”とは多価供与体および/または該多価 供与体を作る成分(例、フレームワーク成分、官能基成分、スペーサー基など) の特徴を変える分子のことである。変更可能な性質としては、例えば溶解性(水 、脂肪、脂質、生物学的体液など)、疎水性、親水性、フレームワークフレキシ ビリティ、抗原性、分子の大きさ、分子量、インビボ半減期、インビボ分布、生 体親和性、免疫原性、安定性、該多価供与体に対する結合の強さなどが挙げられ る。 多くの該特性と該特性に変化を及ぼす補助基の間に実在するが、完全ではない 重なりが存在することは、当業者にとっては理解できる。例えば、多価供与体の フレームワーク上に1個以上のポリ(エチレングリコール)(PEG)基を導入する ことにより、親水性および水への溶解性が増大し、分子量および分子の大きさの 両方が増加し、また未PEG化フレームワークの性質に基づいて、インビボ保持時 間が増加することが期待される。さらに、PEGにより抗原性が増加し、および溶 媒分子(例、水)への水素結合を通して、高分子給与体の総弾性率が増大するこ とが期待される。フレームワークの特性および該特性に影響を及ぼすことが可能 な補助基の間での重なりの類似領域は当業者にとって明白であろう。 該多価供与体の水への溶解性/親水性を増大する補助基は本発明を実行する際 に有用である。したがって、該多価供与体の水への溶解性および/または親水性 を増大するために、補助基、例えばポリ(エチレングリコール)、アルコール、ポ リオール(例、グリセリン、グリセロールプロポキシレート、糖(単糖、オリゴ 糖および多糖を含有)など)、炭水化物、ポリカルボキシレート(例、ポリグル タミン酸、ポリアクリル酸など)、アミン、ポリアミン(例、ポリグリシン、ポ リ(エチレンイミン)など)を使用することは、本発明の範囲内である。好ましい 実施態様において、水への溶解性および/または親水性を改善するために使用す る補助基はポリオールである。特に好ましい実施態様において、補助基はポリ( エチレングリコール)である。 該供与体の新油性および/または疎水性を増大するために、該多価供与体の構 造中に新油性の補助基を取り込むことは、本発明の範囲内である。正に本発明を 実行する際に使用する新油性基としては、芳香族基および多環状芳香族基が挙げ られるが、これらのものに限定されるものではない。本明細書中で使用する通り 、語句“芳香族基”とは、芳香族炭化水素およびヘテロ環状芳香族の両方を包含 する。該芳香族基は、他の基で置換されていてもいなくてもよいが、少なくとも 多価供与体に共有結合可能な基で置換されているものである。正に本発明を実行 する際に使用する他の基としては、水性媒体中で二層を形成しない脂肪酸誘導体 が挙げられる。 好ましい実施態様において、新油性補助基とは炭化水素またはヘテロサイクル などの環状基である。他の実施態様において、環状基とは6員環または2個以上 の縮合6員環である。特に好ましい実施態様において、補助基フェニルまたはナ フチル基である。 補助基の使用もまた本発明の範囲内であり、結果多価供与体はリポソームまた はミセルなどの小泡中に取り込まれる。語句“脂質”とは、脂質物質の疎水性部 分が二層の方向に配向し、一方親水性部分が水相の方向に配向するように、二層 を形成可能ないかなる脂肪酸誘導体を称する。親水性特性は、ホスフェート、カ ルボキシ、スルフェート、アミノ、スルフヒドリル、ニトロおよび他の基の存在 から誘発される。疎水性は基(このものとしては、1個以上の芳香族、環状脂肪 族またはヘテロ環状基で置換された長鎖の飽和および非飽和脂肪族炭化水素基が 挙げられるが、これらのものに限定されるものではない)の封入によって与えら れ得る。好ましい脂質としては、ホスホグリセリドおよびスフィンゴ脂質であり 、そのうちの代表例としてホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールア ミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸 、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、 リゾホスファチジル−エタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン 、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイル−ホスファチジルコリン またはジリノレオイルホスファチジルコリンを使用可能である。スフィンゴ脂質 およびグリコスフィンゴ脂質ファミリーなどのリンを欠いた他の化合物もまた、 脂質として設計された群の範囲内である。加えて、上記に記載の両性脂質をトリ グリセリドおよびステロールをはじめとした他の脂質と混合可能である。 該多価供与体フレームワークのフレキシビリティを、かさ高くおよび/または 剛直な補助基を封入することで、取り扱うことが可能である。かさ高くもしくは 剛直な基の存在は、フレームワークと補助基間のフレームワークまたは結合、あ るいはフレームワークと官能基間の結合周りの自由回転を妨げる。剛直な基とし ては、例えば立体配座の不安定性が環および/または多数の結合の存在によって 制限されている群が挙げられる。剛直性を与えることが可能な群としては、オリ ゴ‐またはポリプロリン基が挙げられる。 剛直性はまた静電的に与えることが可能である。したがって、該補助基が負も しくは正に荷電している場合、同じ荷電の補助基により、該供与体フレームワー クは各似た電荷間の距離が最大になるような立体波配座をとる。互いにより近く にある似た荷電を与えるというエネルギーコストにより、似た荷電の補助基の間 で分離を保持した立体配座中にフレームワークは保たれる傾向にある。さらに、 反対の電荷を有する補助基は、その反対に荷電した相方に結合する傾向にあり、 また分子間および分子内イオン結合の両方に関与する。本非‐共有結合の機構に より、反対に荷電した基間で結合を許容する立体配座中にフレームワークを保持 する傾向がある。荷電したまたは別にマスクされていない潜電荷を有する補助基 を加え、続いて該フレームワークに脱保護することで、pHの変化、酸化、還元 、または当業者にとって公知の他の機構を加えることは、本発明の範囲内である 。 かさ高い基としては、例えば大きな原子または、大きな基、ポリ環状基(この ものは1個以上の炭素‐炭素多重結合(すなわち、アルケンおよびアルキン)を 包含した芳香族基、非‐芳香族基および構造を含む)を含有するイオン(例、ヨ ウ素、硫黄、金属イオンなど)群が挙げられる。かさ高い基としてはまた、分枝 ‐または直鎖種であるオリゴマーおよびポリマーをまた挙げることができる。 好ましい実施態様において、剛直性は環状基(例、環状炭化水素、ヘテロサイ クルなど)の存在によって与えられる。他の好ましい実施態様において、環は6 員環である。さらに好ましい実施態様において、環は芳香族基(例、フェニルま たはナフチル)である。 多価供与体の抗原性を補助基の賢明な選択によって変化させることは、本発明 の範囲内である。ある応用の場合には、多価供与体の抗原性を減少させる必要は ない。上記で議論した通り、マスクした基、例えばポリ(エチルングリコール)は 、一価および多価供与体の抗原性を低下させる能力を持つことは当該分野におい て公知である。他の応用の場合に、多価供与体の抗原性を増大させ、したがって 免疫応答を導き出すことが望まれる。該応用の場合に、該補助基はハプテンの免 疫原性を増大させることが当分野で知られている群からなっていてもよい。多価 供与体の免疫原性を増大させることが適当な群としては、キーホールリンペット ヘモシアニン(KLH)およびウシ血清アルブミン(BSA)などのタンパク質が挙 げられるが、これらのものに限定されるものではない。多価供与体の抗原性を増 大させることが可能な他の群は、当業者にとって公知である。 インビボ半減期およびインビボ分布は分子の大きさ、分子量、電荷、疎水性/ 親水性、抗原性、生物分解性および該多価供与体上の標的群の存在の有無といっ た、莫大な分子特性の機能である。本明細書中で使用する語句“標的群”とは、 細胞受容体に対する親和性を有する群を称する。インビボ投与された化合物の所 望の半減期の変化または分布を達成するために該性質を変化させる方法は、薬科 および医科化学分野において公知である。 新規な群Aを同定するためのアプローチ 加えて、本発明は群Aとして使用するオリゴ糖群の合成を提供する(Horton,D .Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry;Academic Press:San Diego,1995)。タンパク質アナローグを合成可能である (Maassen,J.A.;Terhhorst,C.Eur.J.Biochem 1981,115,153-158;Wang,K.S,1ら、V irol,1992,6,4992-5001;Masyromarino,P.J.Gen.Virol.1987,68,2359-2369))。 コンピューターに基づいた設計ツールもまた、群Aを合成するのに使用可能であ る(Jorgensen,W.L.Chemtracts:Org.Chem.1995,8,374-376)。 本発明はまた、多価性の内容の範囲内で新規な群Aを発見する方法を提供する 。例えば、ファージ−開示ライブラリー中の単一ファージ、空間的に配列させた コンビナトリアル列中の単一ピン、またはミックス−および−スプリット法によ って産生したコンビナトリアルライブラリー中の単一ビーズは各々唯一1個の型 の群を有し、多価供与体の形態で供与される。したがって、単一の接着または、 特定の結果(感染、細胞死、細胞増殖、形態の変化もしくは、緑色蛍光タンパク 質などの容易に検出可能な受容体の産生)を引き起こす接着などの活性に関して 、多価供与Bに対する結合形態で直接に配列決定可能である。典型的な樹脂ビー ズは、〜100pmolまたは約〜60兆のコピーをロードすることが可能である。該コ ピーの全部が全固体支持体の表面に滞留するわけではないが、支持体を例えば、 多孔度または表面官能性に関して選択可能である。それに対して、ライブラリー が融合するコートタンパク質に起因して、ファージは表面上に3〜1000コピーの ペプチドを示す。更なる分析の価値があると同定された群Aのいくつかの種につ いては、溶解した高分子形態で引き続いて調べる。 例えば、細菌、真菌または好中球細胞が特異的に接着したライブラリー中のビ ーズは本発明の多価供与体に対して有用な基として作用する群を有する。〜1,10 00,000の異種のペプチドからなるライブラリーをまた分割した合成によって製造 可能であり、および他の型の化合物の異種ライブラリーを得ることも可能である 。選択群の構造は合成の経過から決定可能であり、または配列決定、質量分 例えば、フェージ−開示ペプチドライブラリーを使用可能である。 1実施例において、PIII−改良ファージ(3〜5コピー/粒子)を活性化血小 板全てとの相互作用に関して選択(“パン(pan)”)して、5個の異なる血小板 −結合ペプチド群を同定することが可能である。ファージ配列由来の合成ペプチ ドは、IC50値が低いにも関わらず、ファージ−血小板相互作用の阻害に関して 調べられ、および血小板が集合するのを阻止する目的で調べられてきた。 非常に効果のあるグリコシルドナーを用いた、多糖のコンビナトリアル合成に 関してはこれまで記載されている(Liang,Science,274,:1520,1996)。該戦略は グリコシルドナーとして、非常に反応性が高く、非常に高収率で多糖合成を可能 とし、一般的なコンビナトリアルライブラリーの必須の特性である、アノマース ルホキシドに依存する。ライブラリーをビーズで作製し、および溶液中で多価レ クチンとの相互作用に関してスクリーニング可能である。接着アッセイおよび凝 集アッセイを本系において使用可能である。 コンピューターに基づく設計ツールの使用を含めた合理的な薬物設計の技法(J orgensen,W.L."Anew method for predicting binding affinity in computer-ai ded drug design"Chemtracts:Org.Chem.1995,8,374-376)を、多価供与に関して 新規な群Aを同定するのに使用可能である。群A−結合 群Aは群の多価供与を許容する手段を用いて、フレームワークの一部と結合ま たは、該フレームワークの一部として形成可能である。結合は直接的(例、リン カーなし)、または群Aはリンカーとを用いて結合する際に間接的であり得る。 群Aはまた、重合前または重合後でモノマー単位と結合可能である。形成された 供与体が多価様式で群Aを開示する限り、結合工程の次数はまた本発明にとって 重要ではない。例えば、群Aは最初にリンカーと結合し、次いで該リンカー−群 A分子は引き続いてフレームワークと結合価可能であり、またはその逆もまた同 様である。別に、リンカーがフレームワークに結合し、次いで群Aはフレームワ ーク−リンカー分子に結合することも可能である。群Aを、群Aを有する二官能 性モノマーを用いて多価供与体中にとり込み、次いで重合することも可能である 。別に、反応性の、すなわちカップリング反応に対して活性なポリマーを製造可 能であり、次いで群Aを該ポリマーと反応させることも可能である(“プレ活性 化”)。 好ましい実施態様は群Aへのリンカーの結合を含む。上記で議論した通り、リ ンカーとしてはフレームワーク上の群Aを配置または該群Aと結合可能な分子が 挙げられる。より好ましい実施態様において、リンカーは群Aとフレームワーク と独立した分子である。好ましい型のリンカーの例としては、一級アミンがリン カーの非結合末端に残存するリンカーが挙げられる。次いで、改良した基をポリ マー上の活性化カルボン酸と結合させ、アミド連結を形成させることも可能であ る。アミド結合は比較的安定であり、自然界に広く存在し、また広範囲にわたる 良く発展した方法によって、きれいに形成可能である。特定のリンカーを用いる と、更なる利点を得ることができる。 カチオン性ポリマーはアニオン性ポリマーよりもより抗原的な傾向がある。ポ リマー上に、水溶性を与える過剰のカルボン酸基を残すだけで、改良した基の全 部がコストされたことを確認する目的で、カチオン性に改良したリガンを決まっ た量だけ使用可能である。上記で議論した通り、リンカーはまたフレームワーク からの群Aのスペーシングを提供する。ある実施態様において、該リンカーはま た該多価供与体に、フレキシビルティーすなわち群Aのフレキシブルな動きを与 える。被験者供与体中で使用可能な典型的なリンカーとしては、ポリ(Gly)、ア ルキルアミン(例、エチルアミン)、炭化水素分子、チオエーテル、ポリ(エチ ルイミン)およびポリ(asp)並びにPEG鎖などのポリエーテルが挙げられる。 “プレ活性化”法はあるもの(例、ポリマー)を、異なる基を供与するモノマ ー単位の決まったモルフラクションと構築することを可能にする。例えば、該方 法により、ポリ(アクリル酸)(例、N−アクリロイルスクシンイミドの重合から 製造した、ポリ(N−アクリロイルスクシンイミド)またはpNAS)の活性化エ ステルを利用することが可能である。DMF中pNASのNHエステルを、連続 して異なる一級アミン(例、R1NH2およびR2NH2)と反応させてアミド結合 を形成可能である。残りの未反応のエステル基を、過剰のNH3もしくはOH-と 処理することによって、それぞれカルボキサミドもしくはカルボン酸に変換可能 である。ポリマー骨格に沿った該基の分布については、本方法を用いてランダム であると考えられる。その上、有効性に関する異なる側鎖の影響を調べるにつれ て、重合度(1個のポリマー中のモノマー単位の総数)は一定値を保ち得る。ア ミンとpNAS間でのアミド形成反応の効率については、1N−NMRおよび燃 焼分析の両方によって見積もることが可能である。本反応は終止一貫して>90 %で完結した。 直接“共重合”の別の例として、THF還流下でのアクリルアミドのモノマー 誘導体混合物の使用を例示する(Spaltensteinら上述)。共重合では重合の際に 、2個の主要な未制御の変数;(i)異なるN−置換アクリルアミド間での共重 合の場合での未知の速度定数の差により、ポリマーの骨格に沿った群の非−均一 な分布が生じ得ること;(ii)該ポリマーの多分散度、立体規則性および鎖長は 、側鎖の変化に応じて変化し得ること を導入可能である。このことは、重合工程(伝播;停止)に関係する速度の差の ために生じ得る。“プレ活性化”法は、均一な構造の特徴を有するpA(R)を必 要とする点で好ましい。 好ましい実施態様においては、高収率で、該方法から容易に副生成物を除去す ることが可能な工程を用いて、ポリマーを活性化する。さらに考慮しなければい けないこととしては、結合した基との副生成物の反応性、ラセミ化の傾向(例、 ポリ(アミノ酸))が挙げられる。 例えば、アミンとの反応に関してカルボン酸を活性化する広範囲にわたる化学 的方法が存在する。活性化カルボン酸の相対反応性は、RCOHal>(RCO)2O+RCON3 >RCO2R>RCONH2>RCORの順で減少し、また攻撃するアミンの求核性で増加する 。好ましい実施態様においては、内部無水物を使用する。 ポリマー骨格中に無水物またはスクシンアミドを有する場合、アミンと反応の 際に結合は容易に形成する。ペプチド中における分子内無水物はまた、α−アミ ノ−N−カルボン酸またはチオカルボン酸無水物を用いて形成可能である。 ある実施態様において、混合無水物、例えばカルボジイミドおよびその他を使 用可能である。ペプチド化学において使用する混合無水物を形成させる共通のア プローチとしては、カルボジイミド(例えば、ジシクロヘキスルカルボジイミド (DCC)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド (EDC)の使用)の形成が挙げられる。EDCは水溶性ポリマーとして有用であ る。他の典型的な無水物を試薬(例、クロロホルメートまたはキノリン誘導体( EEDQ、IIDQ))から形成可能である。 上述した通り、他の実施態様において、カルボン酸アジドを使用可能である。 カルボン酸アジドを使用する場合には、前反応としてアジドを形成させる必要が ある。他の実施態様において、イミダゾール(例、カルボニルジイミダゾール) を使用可能である。 しかし他の実施態様において、活性化エステルを形成する化合物(例、p−ニ トロフェノールまたはN−ヒドロキシスクシンイミド)をまた使用可能である。 さらに他の実施態様において、用いたポリマーはヒドロキシル基を含有してお り、およびヒドロキシル基の誘導化に関する方法を使用可能である。該方法は当 業者にとって公知である。 別に、多価供与体を作るのに、コンビナトリアル法を使用可能である。簡単に 言えば、群A1からAnを有する骨格のライブラリーを生成させるのに、コンビナ トリアルアプローチを使用可能である。合成多価供与体の列からなるコンビナト リアルライブラリーを形成させ、ここで配列内の多価供与体は成分、構造、性質 、機能などの点で互いに異なっている。多価供与体の配列を作る際に、なかんず く、フレームワーク成分の化学構造、官能基成分の化学構造、補助基の化学構造 、スペーサー基の化学構造、フレームワーク成分の化学的特質、官能基成分の化 学的特質、補助基の化学的特質、スペーサー基の化学的特質、誘導化されたフレ ームワーク成分の量、誘導化された官能基成分の量、誘導化された補助基の量、 誘導化されたスペーサー基の量、誘導化された異なるフレームワーク成分の数お よび/または量、誘導化された異なる官能基成分の数および/または量、誘導化 された異なる補助基の量および/または量、誘導化された異なるスペーサー基の 数および/または量、様々な成分間での連結の性質および数(例、反応溶媒、反 応温度、反応時間、反応開始剤、反応触媒、反応実行時の雰囲気、反応実行時の 庄、反応停止時の速度など);様々な成分の化学量論量;異なる成分を排出する 際の次数などを変化させることが可能である。 1実施態様において、本発明は多価供与体の列を作る方法を提供するので、本 方法は(a)第一多価供与体の第一活性化フレームワーク成分および第二多価供与 体の第一活性化フレームワーク成分を、第一およ第二反応容器にデリバリーする こと;および(b)第一多価供与体の第一官能基成分および第二多価供与体の第 一官能基成分を第一およ第二反応容器にデリバリーして、少なくとも2個の異な る多価供与体の列を形成させること、からなる。 該プレ活性化反応物は反応可能である。更なる成分(例、フレームワーク成分 、官能基成分、補助基、スペーサー基など)および/または異なる反応オパラメ ーター(例、異なる反応温度、反応触媒、反応溶媒など)を用いて、本工程を繰 り返して、多価供与体の莫大な列を形成させる。 一旦形成すると、多価供与体の列をスクリーニングし/有用な性質を有する多 価供与体についてアッセイ可能である。スクリーニング可能な性質としては、下 記:生物学的活性、結合親和力、生物学的性質、薬理的性質、経ロバイオアベイ ラビリティ、循環半減期、アゴニスト活性、アンタゴニスト活性、溶解性などが 挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。多価供与体の列を有用 な性質について連続して、または平行してスクリーニング可能である。加えて、 該列をインサイチュでスクリーニング可能であり、別に該多価供与体をインサイ チュ様式以外(例えば、該多価供与体を基質から除去し、次いでスクリーニング する)でスクリーニング可能である。一旦同定すれば、有用な性質を持つ多価供 与体を大容量で製造可能である。スペーサー群 本発明の別の実施態様において、スペーサー基または交換可能で、リンカー基 を、フレームワークと官能基間および/またはフレームワークと補助基間に挿入 する。 本発明の本実施態様の構成は、下記一般式: を有する。 該両式中の記号R1は、スペーサー基に対する無数の結合部位を提供する無数 の官能的なフレームワークを表す。ポリマー(デンドリマー、ポリペプチド、多 糖およびその他を含む)は一般的に本フレームワークとして有用である。無数の 結合部位を有する場合、骨格は官能および/または補助基としての増幅機能を果 たす。 該式の両方において、記号R2およびR3はそれぞれ、スペーサー基および官能 基を表す。記号mは各スペーサーに結合した官能基の数を表す。記号nはスペー サー基およびフレームワークに結合した関連官能基の数を表す。上記で説明した 通り、一般的に官能基の数、補助基の数およびスペーサー基の数は、多価供与体 上で官能基および/または補助基が総計10個以上に達する。 式IIIにおいて、記号R4およびR5はそれぞれ、スペーサー基および補助基を 表す。記号sは各スペーサー基に結合した補助基の数を表す。記号tはスペーサ ー基およびフレームワークに結合した関連補助基の数を表す。一般的に官能基の 数およびスペーサー基の数は、多価供与体上で官能基が総計10個以上に達する 。例えば、“m”は6で“n”が3であると、総計18個の官能基が存在する。 式IIによって表される該実施態様において、唯一1個のスペーサー/官能基構 成物がフレームワークに結合している。式IIIによって表される実施態様におい て、スペーサー基/官能基およびスペーサー基/補助基組成物の両方がフレーム ワークに結合している。式IIIにおいて、スペーサーR2およびR4は同一または 相違する基であってよく、モル比約1:1または異なるモル比で存在していても よい。簡潔さおよび単純さの興味で、下記の議論をR2の観点で述べるが、R2お よびR4両方共に本議論中に包含するものであることを理解すべきである。対応 して、 R3(官能基)に関する議論もまた、R5(補助基)を包含するものである。 スペーサーR2はいかなる広範囲にわたる分子構造をとり得、R1とR3の両方 に、任意に連結基を通じて結合可能な二官能性である。スペーサーは安定であり 、または生体環境においてインビボ切断可能なものであり得る。末端(すなわち 、R3末端)で無数の結合官能性を有するスペーサーは、無数の官能基および/ または補助基を収容する。本型のスペサーは、程度は低いがフレームワークのも のと類似の様式で増幅機能として作用する。 本発明において有用な他のスペーサーはどちらかの末端で唯一1個の官能性を 有し、その場合“n”の値が1であり、“m”の値は10以上である。上述した とおり、インビボ切断能力の性質に加えて、関心が懸著である性質は親水性であ る。さらに他の有用な性質としては、抗原性を低下しおよび分子量を増加させる 能力が挙げられる。更なる性質を有するスペーサーは、当業者にとって容易に明 白であるように、利点と併せて利用可能である。 R3と表す官能基は、群Aと上記に議論の通りである。該スペーサーR2は直鎖 または分枝構造であってもよい。R2基としては、完全スペーサー基または分枝 基の骨格として構造中に直鎖構造を含むものが好ましい。該直鎖は炭素の鎖また は1個以上のヘテロ原子(例、酸素原子、硫黄原子または窒素原子)で中断され た炭素原子の鎖であってもよい。該鎖はまた芳香族基で置換されていてもよい。 該鎖を形成する結合としては、単結合、二重結合または三重結合であってもよい が、単結合が好ましい。鎖の長さは重要ではなく、組成物の分子量および該組成 物上に含まれる官能基および/または補助基の数の間の所望の関係によって、広 範囲にわたり得る。最適な結果では一般的に、原子数が4〜1000個にわたる 鎖の長さのものが得られ、好ましくは原子数が6〜100個にわたるものであり 、最も好ましいのは原子数が10〜50個にわたるものである。したがって、記 載の通り、鎖はスペーサー自身の骨格であり、骨格を形成する連続して結合した 原子と結合した原子、基または側鎖を含有しない。しかしながら、該連結基が存 在する場合、鎖末端でのR1とR3への鎖を合わせた連結基を含む。 本発明のある実施態様において、スペーサーは組成物に疎水性を与えるために 、親水性の特性である。したがって、スペーサー基は当該分野で公知の通り、親 水 性の基であってもよい。例えば、ポリアルキレングリコールが挙げられ、このも のは疎水性特性に加えられても、加えられなくてもよい基で置換されていてもよ い。好ましい例としては、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール が挙げられる。任意の置換基の例としてアルキル基、アルコキシ基またはヒドロ キシ基が挙げられる。無置換のポリエチレングリコールが特に好ましい。任意に 置換させたポリエチレングリコールの長さは重要ではなく、変わってもよい。長 さの選択は組成物の所望の分子量を達成するしおよび親水性特性の所望の程度を 与えるような考察によって支配される。大抵の応答において、分子量が約100ダ ルトン〜約2000ダルトンの範囲であるポリアルキレンは最適な結果を与えるが、 約200ダルトン〜約1000ダルトンの範囲が好ましい。 スペーサーが組成物に対してインビボ切断性を提供する本発明の実施態様にお いて、該スペーサーは鎖の一部として多様な群を含有し、このものは該基を持た ない場合と比べて増大した速度で生体液中で切断可能である。切断速度の促進は 、多価供与体の官能基および/または補助基からのフレームワークの除去速度を 増大する。該除去を毒性を減少し、および官能基の活性を増大ずるのに使用可能 である。切断速度の増大の程度は本発明にとって重要ではないが、該スペーサー 基の例としては、切断可能な基の少なくとも10%が投与の24時間内で生体液 中で切断されるものが好ましく、少なくとも約35%が最も好ましい。切断基と してはエステル連結およびジスルフィド連結が好ましい。本発明の更なる実施態 様において、スペーサーは共に組成物に親水特性を与え、上記で称する通り切断 可能な基を含む。 スペーサーの構造式は非常に広範囲にわたる。下記の議論は、正に本発明を実 行する際に有用なスペーサーの1個の型の例だけを提供し、正に本発明を実行す る際に使用するスペーサーの型の限定として作用することを意図するものではな い。組成物に親水性特性を与えるスペーサーの構造式の1群は、式IIおよびIII のmが1であり、および式IIおよびIIIのR2が下記式IV、VまたはVI: で表されるものである。 該式の各々において、親水性成分はR6で表され、ここで式量が約100ダルトン 〜約20,000ダルトン、好ましくは約200ダルトン〜約10,000ダルトンを有するポ リエチレングリコール基である。 式IVおよびVにおいて、群R7は血液中の組成物の切断速度を増加する切断可 能な基を表す。該基としては、ジスルフィド基、S−S、または各方向に配向し たエステル基、すなわちC(O)−OまたはO−C(O)である。R2が式IVによっ て表される組成物の切断時に、ポリエチングリコール基は高分子フレームワーク R1と共に保持される。逆に、R2が式Vで表される組成物の切断時に、ポリエ チレングリコールは官能基および/または補助基と共に保持される。 記号X、YおよびZはR基を共に合わせるように働く内部連結基を表す。該連 結基の性質は重大ではなく、これらの選択は、大きくは組成物の合成手段によっ て決定可能な便利さの問題である。本明細書中における語句“内部”とは、必ず 臨床または診断法において該組成物の使用に要する典型的な時間における切断ま たは解離に関して、毒性、非−毒性および安定であることを意味する。 本目的のために有用な内部連結基の例としては、アルキルアミノまたはアミノ アルキル基(CH2)q−NH−およびNH−(CH2)qなどのアルキルアミノまたは アミノアルキル基、NH−C(O)−OおよびO−C(O)NHなどのカルバモイル 基および(CH2)q−NH−C(O)−OおよびO−C(O)−NH−(CH2)qなどの アルキルカルバモイル基またはシアノアルキルが挙げられる。該基における記号 qは変わってもよく、大抵の場合一般的に1〜10であり、2〜4が好ましく、2 が特に好ましい。本発明の明細書において、該基はXもしくはZ中の末端原子が それぞれ、R1もしくはR3に対して固有(native)であるように定義し得る。例え ば、XまたはZの定義における末端NH基はR1またはR3上のアミノ官能基、ま たは反応して連結基のNHを形成可能な他のN−含有基から形成可能である。同 じことが末端O原子に関してもいえる。 式IVによって定義される構造例は下記の通りである: 式Vによって定義される構造例は下記の通りである:上記6個の構造式の各々において、記号“PEG”とは末端ヒドロキシル基が除 去され、両末端のエチレン基で終結したポリエチレングリコールセグメントを意 味する。PEGを含有しない類似の一般的モチーフのスペーサー基はまた正に本 発明を実行する際に有用である。 式IVの変形として、11個以上の官能基で支持されたスペーサー基の構造式は 式VIIで表される: X−R6−Y’(−R7−Z)r (VII) 本式において、R6、R7およびXは上記に定義の通りであり、Zは(CH2)q−N Hで制限される。記号Y’は式 O−C(O)−NH−(CH2)q−CH3 (VIII) の基(式中、qは1〜3である)で表され、式の(CH2)q−CH3におけるC原 子に結合した2個以上のH原子は、置換基NH−(CH2)s−NH(式中、sは2 〜4である)で置換され、該置換基の数は上述式IIまたはIII中の“m”および “n”で定義した通りである)。結果として、該スペーサーは官能基および/ま たは補助基の結合に関して反応性の2個以上のNH基を含有する分枝構造である 。 式VIIの記号rは0またはnと同数である。rが0の場合、スペーサーは切断 可能な基を欠いており、一方、rが0以外の場合、該切断可能な基としては官能 基もしくは補助基が結合したZリンカー上の各官能性NH基が含まれる。 式VIIIの好ましい例において、qは2〜6であり、最も好ましい例はqが2〜 3である。式VIIIの末端CH3をOHまたはSHで置換可能である。このことに より、官能基および/または補助基との結合に関して有用なOHまたはSHが生 成する。 式IIおよびIIIのR2に関する構造式の更なる基は、式IVで定義される: X’−R8−Z’ (IX) 式IXにおいて、R8は式(CH2)o−R9−(CH2)p(X)を有する基である(式中 、R9は上記式IVおよびVのR7と同じ定義を有する切断可能な基、すなわちジス ルフィド基、または各方向に配向したエステル基、すなわちC(O)−Oもしくは O−C(O)である)。指数oおよびpは同一もしくは相違しており、0または正 の整数であり、結果o+sは少なくとも2である。 式IXにおける記号X'およびZ'は同一もしくは相違しており、先の式中の内部 連結基と類似した範囲の内部連結基である。X'およびZの例としては、NH− C(O)、C(O)−NH、NH−C(S)およびC(S)−NHが好ましい。該様々な 式に関連して、式IIまたは式IIIの単一構造物上の官能基および補助基の数およ び配列はかなり変わってもよい。官能基の数はm×nの生成物と同じである。補 助基の数は、s×tの生成物と同じである。一般的に、構造物は一方または両方 の生成物が10個以上である。 本発明に関連した構造物を当業者にとって公知の従来の連結反応に関連させて 、合成可能である。例えば、フレームワークR1がポリリシンなどの無数のアミ ン基を有して官能化している場合、下記の通り供される。本例において、骨格は (AMP)(−NH2)xを意味し、ここで“AMP”は無数のスペーサーと官能基お よび/または補助基の結合を可能にする増幅効果を示し、およびxは式IIおよび III中のnに対応する数を表す。 増幅器に対するポリエチレングリコール(PEG)スペーサーの結合は、PEG の活性化エステル(例、PEGのα−ω−ビス−p−ニチロフェノキシエステル ) (式中、上記に定義の通り、“PEG“は末端ヒドロキシル基を差し引いたポリ エチレングリコールである)を用いて達成可能である。過剰量の本誘導化された PEGエステルXは、(AMP)(−NH2)xと反応して、中間体: を産生する。 次いで、該中間体を過剰のH2N−(リガンド)(このものは、反応性アミン基 を含有するように誘導化されたリガンド官能基を示す)と反応させる。該生成物 は構造物: である。 類似の生成物に対する別のスキームにおいて、上記中間体XIは、NH2−(C H2)2−NH2などのジアミンを用いた反応によって、末端アミン基を有する第二 の中間体に変換される。 該第二の中間体は構造: を有する。 次いで、本中間体XIVをカルボキシ−活性化リガンド、例えばリガンドの無水 物と反応させて、式:を有する構造物を産生する。 ジスルフィドなどの切断可能な基を、内部ジスルフィド(例、システナミンジ スルフィド、NH2−(CH2)2−S−S−(CH2)2−NH2)を含有するジアミン と中間体Xを反応させて挿入して、更なる中間体: を得ることはできる。 次いでこのものを、カルボキシ−活性化リガンドと反応させて、 を得ることができる。 該スキームに対してさらに多くの変形が存在する。PEGを有せず、スペーサ ー中に切断可能なエステルを含有する構造物を産生するために、例えばアミン− もしくはヒドロキシ−含有ポリマーを官能基としてカルボン酸基を産生するよう に誘導化可能である。このことは、確立された製法を用いて、該ポリマーを無水 マレイン酸、無水コハク酸または無水グルタル酸と反応させることで容易に達成 可能である。リガンド上に末端ヒドロキシル基を配置するために、イソチオシア ナート基を有するリガンドをアミノアルコール、HO(CH2)nNH2と反応させ ることによって、該誘導化ポリマーと組み合わせる誘導化リガンドを形成可能で ある。次いで、誘導化ポリマー上のカルボン酸基をジシクロヘキシルカルボジイ ミドまたはカルボニルジイミダゾールなどの試薬を用いた従来の方法によって、 活性化し、誘導化リガンドと反応させて、エステル連結を達成する。増幅したポ リマーとリガンド間の構造物の節は、スペーサーとして働き、該スペーサーの長 さはリガンドを誘導化させるのに用いたアミノアルコール中のCH2基の数によ って決定される。 逆エステルを得る別のスキームにおいて、リガンドをアミノアルコールよりも むしろアミノカルボン酸、HO2C(CH2)2NH2を用いて誘導化する。次いで、 生成したカルボン酸−誘導化リガンドをジシクロヘキシルカルボジイミドまたは カルボニルジイミダゾールを用いて活性化し、直接ヒドロキシ−含有増幅ポリマ ーにカップリング反応させる。 該2個のスキームのいずれかにおいて、増幅ポリマーに固有のアミン基または ヒドロキシル基の選択したフラクションをできれば、カップリング反応との干渉 を避けるために、保護することが可能である。このことは、従来の方法、酢酸無 水物との懸著なアセチル化によって、容易に達成可能である。 スペーサー基に対して結合する官能基を有するリガンドを従来の方法によって 製造可能である。例えば、公知のリガンドを当業者にとって公知の方法によって 容易に誘導化可能である。誘導化後でさえ、結合度の全部またはほとんどを保持 するようなリガンドを選択することが好ましい。反応の変形 上述した通り、本発明の多価供与体を製造する1アプローチは、コンビナトリ アルライブラリーの形成を含み、このものは合成多価供与体の列からなり、ここ で、該列中の多価供与体は成分、構造、性質、機能などの点で互いに異なる。多 価供与体の列を製造する際に、なかんずくフレームワーム成分の化学構造、官能 基成分の化学構造、補助基の化学構造、スペーサー基の化学構造;フレームワー ム成分の化学的特質、官能基成分の化学的特質、補助基の化学的特質、スペーサ ー基の化学的特質;誘導化フレームワーク成分の量、誘導化官能基成分の量、誘 導化補助基の量、誘導化スペーサー基の量;誘導化異種フレームワーク成分の数 および量、誘導化異種官能基成分の数および量、誘導化異種補助基の数および量 、誘導化異種スペーサー基の数および量;様々な成分間での連結の性質および数 (例、スペーサー基の連結の性質);反応パラメーター(例、反応溶媒、反応温 度、反応時間、反応開始剤、反応触媒、反応を行なう際の雰囲気、反応を停止さ せる速度など);様々な成分の化学量論量;異種成分を放出時の次数などを変え ることができる。様々な反応成分(例、フレームワーム成分、官能基成分、補助 基、スペーサー基など)および使用可能な方法論について、以降より詳細に記載 する。 1アプローチにおいて、高分子フレームワーク上の活性化する基の全部が本質 的にコストされる様式で、活性化ポリマーを1個の官能基と反応させる。本実施 態様において、活性基に対する官能基の化学的量論量は少なくとも1:1である 。1:1の比が活性化基の全部を本質的にコストするのに不充分であれば、過剰 量の官能基を加えてもよい。 別のアプローチにおいて、官能基を活性化基の全部をコストするのに不充分な 量だけ、加えることができる。第一官能基との反応に続いて、第二官能基または 補助基を放出および反応させることができる。また、1個以上の官能基を混合物 としてもしくは連続して加え、続いて補助基を加え、別に混合物もしくは連続し て1個以上の補助基を加えることは、本実施態様中に包含する。 別のアプローチにおいて、官能基の十分な量を加えることで、活性基を本質的 にコストする。フレームワーク成分への第一官能基の結合に続いて、該フレーム ワーク成分を再活性化し、第二官能基または補助基を加える。本実施態様の反応 スキームの各工程において、官能基は個別の官能基、異種の官能基の混合物、ま たは官能基と補助基の混合物からなり、ここで該補助基は単一の補助基または補 助基の混合物からなる。 しかし、別のアプローチにおいて、少なくとも2個の官能基の混合物または少 なくとも1個の官能基と少なくとも1個の補助基との混合物を加えることで、該 活性化基を本質的にコストする。 更なるアプローチにおいて、本質的に活性化基の全部以下の量を少なくとも1 個の官能基、少なくとの1個の補助基または少なくとも1個の官能基と少なくと も1個の補助基との混合物と反応させる。第一工程に続いて、残りの活性化基を 、さらに官能基、補助基または官能基と補助基の混合物を加えることで、本質的 にコストする。 ある実施態様において、官能基、補助基および/または官能基と補助基の混合 物を、活性化フレームワーク溶液に乾燥粉末またはニート液として加える。他の 実施態様において、官能基の溶液、補助基の溶液および官能基と補助基の混合物 を、活性化ポリマーの溶液に加える。さらに他の実施態様において、官能基の溶 液、補助基の溶液、または官能基と補助基の混合物を、該ポリマー(ここで、ポ リマーはニート液または乾燥粉末として存在する)に加える。 本発明のこの点で使用する溶媒としては、活性化基の存在(すなわち、有意の 量で活性フレームワークと反応しない)および活性ポリマーと官能基と補助基間 の反応の特質と適合する溶媒が挙げられる。該溶媒としては、例えば水、ジメチ ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アルコール、エー テル、ケトン、炭化水素、芳香族炭化水素および該溶媒の任意の割合の混合物が 挙げられる。 さらに他の実施態様において、活性フレームワークおよび官能基および/また は補助基間での反応の速度を制御する目的で、温度を制御することができる。他 の実施態様において、他の反応パラメーター(例、反応溶媒、反応温度、反応時 間、反応開始剤、反応触媒、反応を行なう際の雰囲気、反応を停止させる速度な ど)を変え、見積もることができる。 しかしながら、更なる実施態様において、官能基または補助基上の“ハンドル ”を、上記に記載の通り活性化成分の手段によって活性化し、フレームワーク上 の活性基またはフレームワーク上の非活性分子と反応させる。本明細書中で記載 する通り、“ハンドル”を反応基、例えばカルボキシル(酸または塩)、ヒドロ キシル、スルフヒドリル、アミド、カルバメート、アミン、ケトン、アルデヒド 、オレフィン、ジエン、芳香族環などを意味するのに使用する。フレームワーク に結合した反応分子および官能基または補助基ハンドルの適当な組み合わせは、 当業者にとって明らかである。 前述の議論は活性ポリマーと官能基の使用に関するものであるが、前述の実施 態様の全てがモノマー(例、非被覆モノマー、スペーサー基で被覆したモノマー 、スペーサー基を通じて直接的にもしくは間接的に補助基で被覆したモノマー) および官能性モノマー(例、スペーサー基を通じて直接的にもしくは間接的に官 能基で被覆したモノマー、すなわちR3) の使用を含む方法に十分に適用可能であると評価するであろう。基質およびデリバリーシステム 本明細書中で使用する通り、“基質”は剛直もしくは半−剛直表面を有する物 質または別に、へこみ傷、穴、コンテナー、深い溝などを有する物質を意味する 。いくつかの実施態様において、例えばへこみ傷、穴、容器(container)、深い 溝などを有する異なる物質については物理的に区別する合成領域が望まれるが、 多くの実施態様において、基質の少なくとも1個の表面は本質的に平坦である。 いくつかの実施態様においては、基質自身が穴、盛り上がった領域、エッチィン グした深い溝(このものは合成領域の全部または一部を形成する)を含有する。 より特に、該基質は粒子、繊維、沈殿、ゲル、シーツ、管類、球、容器、キャ ピラリー、パッド、スライス、フィルム、プレート、スライドなどとして存在す る、有機、無機、生物学的、非生物学的またはそれらのいかなる組み合わせであ ってもよい。基質は従来の形、例えば円板、正方形、球、環などを有していても よい。基質は平坦が好ましいが、様々な別の表面配置上をとり得る。例えば、該 基質は、多様な多価供与体の合成が起こる盛り上がったもしくはくぼんだ領域を 含有する。該基質または該表面は、本明細書中に記載の反応を実行する剛直な支 持体を形成することが好ましい。該基質は、広範囲な物質、例えばポリマー、プ ラスチィック、パイレックス、石英、樹脂、シリコン、シリカまたはシリカをベ ースにした物質、炭素、金属、無機ガラス、無機結晶、膜などであってもよい。 他の基質物質については、本開示の観点で当業者にとって容易に明らかであろう 。基質として、固体物質の表面は同一物質からなっていてもよく、一方異なって いてもよく、すなわち基質が異なる物質でコーティングされていてもよい。その 上、該基質の表面が、該上に関心のある物質が放出される吸収物質(例、セルロ ース)を含有していてもよい。最も適当な基質および基質−表面物質は合成する 物 質の分類に依存し、与えられた場合での選択は当業者にとって容易に明らかであ ろう。好ましい実施態様において、適当な基質とは、例えば列中の多価供与体の 各々を保持するのに十分な量のミクロタイタープレート(例、96ウェルを有す る)または該中に試験管を含有する試験管ホルダーが挙げられる。 個々の反応領域中の反応成分は、しばしば近接反応領域に移動するのを抑制さ れる。最も単純には、このことは様々な成分が反応領域間で相互に混ざり合うこ とができないように、基質上の反応領域間に十分な量のスペースを残すことで確 認できる。その上、このことは基質上の様々な反応領域間に適当な障壁を提供す ることで、確認することができる。1アプローチにおいて、機械的デバイスまた は物理的構造は、基質上の反応領域を定義する。例えば、壁または他の物理的障 壁を、個々の反応領域中の反応成分が近接反応領域に移動しないように、4使用 することができる。合成を実行後、本壁または物理的障壁は除去可能である。同 時に、物質の列をスクリーニングする前に、壁または物理学的障壁を除去するこ とは利点がある。 別のアプローチにおいて、例えば、疎水性物質を個々の反応領域の周囲にある 領域をコーティングするのに使用可能である。該物質は水性(および一定の他の 極性)溶液が、基質上の近接する反応領域に移動しないようにする。もちろん、 非−水性または非−極性溶媒を使用する場合、異なる表面コーティングが必要と される。その上、適当な物質(例、基質物質、疎水性コーティング、反応溶媒な ど)を選択することによって、基質の表面に関して飛沫の一定の角度を制御する ことができる。反応領域の周囲の区画は該反応領域中の溶液によって、ぬれてい ないままなので、大きな一定の角度が望ましい。 本発明のデリバティシステムにおいて、各反応成分の少量であるが、正確に軽 量した量を、各反応領域に放出する。このことはデリバティ技法を用いて、達成 可能である。例えば、様々な反応成分を飛沫もしくは粉末の形態で、ディスペン サーから関心ある領域に放出可能である。従来のミクロピペット装置を、例えば キャピラリーからの様々な飛沫容量を分配するように調節可能である。該ディス ペンサーはまた、従来のインジェットプリンターで使用された型であり得る。該 インジェット・ディスペンサーシステムとしては、例えばパルスプレッシャータ イプのディスペンサーシステム、バブルジェットタイプのディスペンサーシステ ムおよびスリットタイプのディスペンサーシステムが挙げられる。該インジェッ ト・ディスペンサーシステムはまた、様々な飛沫容量を放出可能である。その上 、各ディスペンサーシステムはマニュアル操作が可能であり、あるいは例えばロ ボット法を用いて自動化もしくは半−自動化操作が可能である。 他の実施態様において、反応溶液を電気泳動ポンプによってレザバーから基質 へ放出可能である。該装置において、細いキャピラリーをディスペンサーのノズ ルを備えた反応物のレザバーと連結する。キャピラリーの両末端に電位差を提供 するように電極を配置する。当該分野で公知の通り、電気泳動手段の電位勾配中 で化学種が移動する速度は、様々な物理的性質、例えば電荷の密度、大きさおよ び輸送される種の形態、併せて輸送する媒体自身の物理的および化学的性質によ って支配される。電位勾配の適当な条件下で、キャピラリーの寸法および輸送媒 体レオロジー、流体式フローを該キャピタリー中で設置する。したがって、関心 のある反応物を含有した液体の塊をレザバーから基質へポンプで送ることができ る。電気泳動ポンプノズルに関する基質の適当な位置を調節することで、該反応 溶液は予め決めた反応基質上の反応領域にまで正確に放出可能である。 該ディスペンサーを様々な従来のシステムによって、適当な反応領域に関して 一列に並べることが可能である。該システム(このものは、微小電極装置の組み 立ておよび試験分野において広く用いられている)により、反応成分の飛沫を個 々の反応領域に、5,000滴/毎秒以下の割合で放出可能である。該系の並進(X− Y)精度は1μm以内で良い。当該分野で公知の様々な方法によって、該システ ムのディスペンサー工程の位置により、基質の位置に関して計算可能である。例 えば、基質表面上に1個または2個の参照点が存在する場合、“推測航法”によ り、基質上に各反応領域を配置するように提供可能である。いずれの各システム における指標についても、容量性、抵抗性または光学センサーを用いて正確に同 定可能である。別に、カメラを用いた“ビジョン”システムを使用可能である。 別の実施体態様において、ディスペンサーを磁気的および光学的記憶媒体中で 使用するのと類似のシステムによって、関心ある反応領域に関して一列に並べる ことが可能である。例えば、反応成分が析出する反応領域を円板基質上のトラッ クおよびセクターによって同定する。次いで、ディスペンサーを適当なトラック に移動させ、一方適当な円板基質を回転させる。適当な反応領域がディスペンサ ー下に配置されている場合、反応溶液の飛沫を放つ。 いくつかの実施態様において、反応領域をさらに基質表面中のくぼみと定義す ることができる。ヘッドまたは他の反応装置を基質の表面に接触させまたは滑ら せる場合、このことは特に有利となる。該くぼみはまた、ディスペンサーを関心 ある反応領域に方向付けるような同定マーカーとして作用する。 多価供与体の構造、すなわち成分を合成経路から決定し、またはシークエンシ ング、質量分析、解析、符号化などによって得ることができることは、当業者に とって容易に明らかであろう。該評価戦略については、例えばThompsonら、Chem .Rev.,1996,96,555-600に記載されており、該技法を本明細書中に引例として そっくりそのまま盛りこむ。医薬組成物 本発明はまた多価的に治療薬を提供する医薬組成物に関する。該医薬組成物は上 記に詳細に記載の通り、多価供与体および医薬的に許容し得る担体を含有する。 1実施態様において、該多価供与体は下記の式: (Y)−(X−A)n (式中、Yはフレームワーク、Xは直接結合またはリンカー、Aは供与された 官能基、並びにnは10以上の整数および該供与された群が標的結合部位Bと相 互作用可能なように選択した整数である)を有することができる。該供与体自身 は、医薬的に許容し得る担体として作用可能である。1実施態様において、多価 供与体を例えば、nを選別して、−(X−A)分子をYに結合させるように作り、 結果多価供与体が標的結合部位Bの集合を含有する境界部であること、および被 験者に投与する際に標的結合部位Bの集合をブランケットすることを確認した。 別の実施態様において、Xは独立分子であるリンカー群であって、YもしくはA の一部ではなく、並びにnは10以上の整数および該多価供与体が被験者に投与 の際に標的結合部位Bの集合であると確認するように選択した整数である。しか し、別の実施態様では、Yは高分子のフレームワークであり、Aは供与された官 能基でありおよびXはリンカー群であり、並びにnは10以上の整数および該多 価供与体が被験者に投与の際に標的結合部位Bの集合であると確認するように選 択した整数である。 語句“医薬的に許容し得る担体”とは、多価供与体と共に投与可能であり、お よび意図した機能を果たすことを許容する物質を含むことを意図する。該担体の 例としては、液剤、溶剤、分散媒、乳剤などが挙げられる。医薬的に許容し得る 該媒体の使用に関しては当分野で公知である。該多価供与体との使用に適当ない かなる他の通常の担体もまた本発明の範囲内である。本発明の多価供与体の多く が水溶性であることを理解すべきである。したがって、本発明の多価供与体の医 薬的に許容し得る担体への処方は、より水溶性の低い他の物質の場合よりも問題 が少なく、より容易であると意味する。 多価供与体における語句“治療学的に有効量”とは、被験者における意図する 機能を発揮するのに必要なまたは十分な量のことである。治療学的に有効量は、 標的である部位の型、使用する成分の型(例、フレームワーク、リンカー、群A )、被験者の大きさ、または症状の重度によって変えることができる。当業者は 前述の因子を研究し、実験することなく多価供与体の有効量に関して決定するこ とができる。インビボまたはインビトロアッセイもまた、多価供与体の“有効量 ”を決定するのに使用可能である。当業者は前述のアッセイにおいて使用する多 価供与体の適当な量を選択するであろう。 細胞培養アッセイおよび動物実験から得られるデータを被験者における用量の の適当な範囲を処方するのに使用可能である。該薬物の用量は、循環または組織 濃度の範囲内であることが好ましく、毒性がほとんどまたは全くないED50が 挙げられる。該用量は用いる投与形態または利用する投与経路に起因する本範囲 内で変えることができる。本発明の方法において使用する薬物に関して、治療学 的に有効な用量をはじめに、細胞培養アッセイから見積もることが可能である。 細胞培養で決定した、IC50(すなわち、症状における最大の半分の阻害を達成す るための、試験的に調節した薬物の濃度)を含めた濃度範囲を達成するために、 動物モデルにおいて用量を処方することが可能である。該情報をヒトにおいて有 効な用量をより正確に決定するのに使用可能である。血漿レベルを例えば、高速 液体クロマトグラフィーを用いて測定可能である。 投与方式はまた、有効量を続けるものに影響を与えることができる。該多価供 与体を単独でまたは他の薬物と組み合わせて投与可能である。さらに、いくつか に分けた用量を、互い違いに分けた(staggered)用量と同様に、毎日または連続 して投与可能である。さらに、多価供与体の用量を、治療状態の緊急要件による 指示に比例して、増加または減少することができる。 本発明に関連して使用する医薬組成物はまた、医薬的に許容し得る担体として 1個以上の生理学的に許容し得る担体または賦形剤を用いて、従来の様式で処方 してもよい。したがって、多価供与体および該生理学的に許容し得る塩および該 溶媒和物を投与用に、局所適用、注射、吸入または通気(口または鼻から)また は、経口、頬側、非経口または直腸投与によって処方可能である。 そのようなものとして、本発明の薬物を選択した特定の投与様態に適当な様式 (例、全身および局所または局在投与)で処方可能である。一般的に、技法およ び処方については、Remmington's Pharmaceutical Sciences,Meade Publishing Co.,Easton,PA中に見出すことができる。全身投与に関しては、注射、例えば 筋肉内、静脈内、腹腔内および皮下注射が好ましい。注射に関しては、本発明の 多価薬物を液体溶液中、好ましくは生理学的に適合した緩衝液(例、ハンク溶液 またはリンガー溶液)中に処方することが可能である。加えて、該薬物を固体形 態で処方し、および使用する前に即座に再度溶解または再度懸濁することが可能 である。親液性形態をまた挙げることができる。 経口投与の場合、多価供与体の医薬組成物は例えば、医薬的に許容し得る賦形 剤、例えば結合剤(例、予めゼラチン化したメイズデンプン、ポリビニルピロリ ドンまたはヒドロキシプロピルセルロース);増量剤(fillers)(例、ラクトー ス、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例、ステアリン 酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例、バレイショデンプンまた はデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例、ラウリル硫酸ナトリ ウム)との従来の手段によって製造した錠剤またはカプセル剤の形態をとること ができる。錠剤を当該分野で公知の方法によってコーティング可能である。経口 投与用の液体組成物は、例えば液剤、シロップ剤または懸濁剤の形態をとっても よく、または使用前に水または他の適当な賦形剤と共に構成用の乾燥生成物を提 供する。該液体組成物を医薬的に許容し得る添加物、例えば懸濁剤)例、ソルビ トールシロップ剤、セルロース誘導体または水素化された食用油);乳化剤(例 、レシチンまたはアカシア);非−水性ビヒクル(例、アーモンド油、油性エス テル、エチルアルコールまた分別果菜油);および保存剤(例、メチル−、また はプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)を用いた従来の手 段によって製造可能である。該組成物はまた適切な緩衝塩、芳香剤、着色剤およ び甘味剤を含有してもよい。経口投与用の組成物は活性なモジュレート剤の放出 を制御するように適当に処方可能である。 吸入投与の場合、本発明に使用する組成物を、適当なプロペラント(例、ジク ロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエ タン、二酸化炭素または他の適当な気体)の使用と併せて、加圧パックまたはネ ブライザーからのエールゾルスプレー供与の形態で簡便に輸送可能である。 加圧エールゾルの場合、該用量は計量した量を輸送するために、バルブを用いて 決定可能である。吸入器または通気器中で使用するための、例えばゼラチンのカ プセル剤またはカートリッジ(cartridge)を、多価供与剤と適当な粉末塩基(例 、ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含めて、使用可能である。 該剤を注射(例、丸槐注入または持続性注入)によって非−経口投与用に処方 可能である。注射用の処方は、保存剤を添加して単一財形(例、アンプル、また は多−用量(multi-dose)コンテナー)で供与可能である。該組成物は油性または 水性ビヒクル中、懸濁液、溶液、および乳濁液の形態をとり得、および懸濁剤、 安定剤および/または分散剤などの処方剤を含んでもよい。別に、活性成分が使 用前に、適当なビヒクル(例、減菌した、発熱物質のない水)と構成するために 、粉末の形態をとってもよい。 該剤をまた、従来の座剤ベース(例、ココアバターまたは他のグリセリド)を 含有した座剤または浣腸保持などの直腸座剤成分で処方可能である。 上記に記載の処方に加えて、該剤はまたデポー組成物として処方可能である。 該持効処方物をまた接種(例、皮下または筋肉内)または、筋肉内注射によって 投与してもよい。したがって、例えば該モジュレートした剤を、適当な高分子ま たは疎水性物質(例、適当な油中の乳濁として)またはイオン交換樹脂と共に、 あるいはやや溶けにくい物質(例、やや溶けにくい塩)として処方可能である。 全身投与をまた、経粘膜または経皮手段をとることができる。経粘膜または経 皮投与に関しては、浸透される障壁に適当な浸透剤を処方に使用可能である。該 浸透剤としては一般的に当分野で公知であり、例えば経粘膜用に、胆汁酸塩また はフシジン酸誘導体が挙げられる。加えて、洗浄剤をまた浸透を促進するのに使 用してもよい。経粘膜投与を、鼻スプレーを通じてまたは座剤を用いて使用して もよい。局所投与用に、本発明のオリゴマーを一般的に当該分野で公知である軟 膏剤、ロウ膏、ゲル剤またはクリーム剤中に処方可能である。 該多価供与体が大きく、また疎水性膜を無抵抗に(passively)および即座に通 過しない実施態様において、注射または吸入は経口摂取または経皮デリバティよ りも適当である。デリバティの問題はタンパク質をベースにした薬物の場合と間 係する。多価供与体がGT間を通過する実施態様において、当該分野で公知であ る適当なデリバティ法を使用してもよい。 所望するならば、該組成物はパックもしくはディスペンサー装置で、または説 明をつけたキットとして提供することができる。該組成物は活性成分を含有する 1個以上の単一剤形を含有してもよい。例えば、パックは金属またはプラスティ ックフォイル(例、発泡剤(blister)パック)からなっていてもよい。該パックま たはディスペンサー装置は投与用(例、本明細書中に記載の方法において使用用 )の説明を添えてもよい。多価供与体の集合 本発明はまた多価供与体の集合に関する。該集合を本発明の方法において使用 可能である。多価供与体の集合としては共に組み合わせた1個以上の多価供与体 の集合が挙げられる。該集合は意図する機能を実行可能にする多くの異なる多価 供与体を有する。 本発明はさらに、処方物例えば、多価供与体の集合および上記に記載の医薬担 体を含有する治療学的組成物に関する。多価供与体の集合を含有する該処方物は 、異なる多価供与体が全ての処方に対して一定の特性を与える能力に関して選択 で きるように、設計可能である。 多価供与体の集合は多分散の形態をとることができる。下記議論では、集合に 関して語句“多分散”を使用するが、このものは本発明における他の形態の多価 供与体の集合に関すると広義に理解すべきである。 多価供与体の多分散は、1個以上の異なる多価供与体を含有する。異なる多価 供与体の多分散は、フレームワークの長さの差異および群Aでの置換の程度、お よび/または群A/リンカーの組み合わせにおける差異などの因子のため、大き さに関する集合となり得る。群Aの結合の正解な位置における差異もまた存在し 得る。集合の各メンバーは全ての処方物に対して異なる性質を与えることが可能 であり、このため疾患または容態を治療する際に利点として使用可能である。例 えば、該集合の低分子量のメンバーは、高分子量のメンバーよりも速く作用の標 的部位に接近することができる。同時に、長期の作用部位での滞留時間および/ または関係あるコンパートメント中の寿命のため、高分子量メンバーは低分子量 メンバーよりもより長く作用が持続する。集合としての多価供与体は、同一種の 相当数の集合よりも全て優れておりまたは相違した性質を有することができると いう点で、該差異は疾患または容態を治療する際に有利に使用可能である。疾患または容態の治療法 本発明はまた疾患または容態を治療する方法に関する。該方法は、疾患または 容態の治療が起こるように、複数の群Aを被験者へ投与することに関係する。1 実施態様において、疾患または容態の治療は被験者において、1個の多価供与体 と結合部位Bの集合とのコンフォーマルな界面相互作用または、複数の多価供与 体と結合部位Bの集合とのコンフォーマルな界面相互作用によって起こり得る。 該コンフォーマルな表面相互作用により、被験者における結合部位Bの集合また は標的結合部位Bの列においてブランケットが起こる。別の実施態様において、 治療を促進する多価供与体は一連の基準を満たす。該基準とは、 群Aが機能的であり、単独でまたはフレームワーク(例、単独では不充分な親 和性であるが本発明の結果として増幅となる化合物)と組み合わせて薬物として 作用する; フレームワークに結合した群Aの供与により、複数の標的結合部位Bに単一の 群Aを供与した場合と比較して、該相互作用に対する付加的な利点を供与する; および 該付加的な利点とは、該利点が均一溶液中に分散した同一の群Aのモノマー集 合によって供されてきたであろう付加的な利点よりも大きい相乗的な利点である ことである。 付加的な利点の例としては、群Aが低濃度の場合に十分な生物学的効果の供与 、非−標的結合部位に対する標的結合部位の特性の増大、および生物学的効力の 増大からなる群から選ばれる利点が挙げられる。該利点は上記のリストおよび薬 物動態学および/または多価供与体の機能(例、正の協同性、結合のエントロピ ー増大および立体障害の規定)に関する機構を記載した項中で下記に記載する利 点から選択可能である。 疾患または容態を治療する方法に関して、結合部位Bは多価供与体が起こり得 るように配置する。例えば、多価供与体の群Aが相互作用した結合部位Bは、細 胞膜中、細胞内または細胞外(例、細胞表面上または細胞外マトリックス)また は局部であってもよい。本発明の多価供与体は治療の促進の点で様々な形態を有 することができ、多価度に関係する状態または条件、例えば望まない状態(例、 受精)または疾患状態(例、感染)をモジュレート(例、調節の増減)するのに 使用可能である。該被験者供与体を、疾患または容態の標的特異的な生物学的事 象(例、細胞−病原体結合の予防的防止)に使用可能であり、または特異的疾患 状態(例、感染の広がりを制御または後退させるために、病原体感染で供する患 者)。同様に、被験者供与体は該状態のモヂュレーションにおいて、様々なエク スビボ応用を有する。 特定の生体事象のモジュレーション ある実施態様において、本発明の多価供与体は、例えば細胞−細胞作用をモジ ュレートするのに使用可能である。多くの生体プロセスが、細胞−細胞相互作用 を要し、被験者供与体は該相互作用を促進または阻害することができる。1特例 として、他の細胞(例、好中球および動脈性内皮細胞)への細胞の結合が挙げら れる。(A,Varki,J.Clib.Invest.1997,99,158-162,;J.B.Lowe,P.A .Ward,J.Clin.Invest.1997,99,822-826;M.A..Gimbrone,T.Nagel,J .N.Topper,J.Clin.Invest.1997,99,2062-2070) 近くの炎症によってシグナル化され、このものは最初に即座に、トランスポー トさせた好中球を内皮細胞の表面に接着させ、次いでゆっくりと回転し(10〜20 μm/分);内皮細胞は血管の内側に存在する。本回転は内皮細胞の表面上の多 くのE−およびP−セレクチン(該セレクチンは該細胞の表面上には通常存在し ない)および好中球の表面上でシアリルルイスX(テトラサッカリド)を示す多 くの糖たんぱく質間の相互作用にM.A.Gimbrone,T.Nagel,J.N.Topper,J.Cl in.Invest,1997,99,2062-2070)。加えて、好中球の表面上に存在するL−セ レクチンは、内皮細胞の表面上に存在するシリアルルイス酸と相互作用する。本 相互作用の組の原子価は、好中球のリクルートの速度論、動力学および特異性に 大きく影響を及ぼす(L.L.Kiessling,N.L.Pohl,Chem.& Biol.1996,3,71-77 )。表2は細胞−細胞相互作用の他の例を提供する。 別の実施態様において、被験者多価供与体は別の型の細胞−細胞相互作用(例 、結合)を阻害するのに使用可能である。例えば、表皮細胞への白血球の結合は 、セレクチンとして知られている接着分子のファミリーによって媒介される。該 セレクチンとは、血小板上で発現する貫膜糖タンパク質(P−セレクチン)、白 血球上で発現するもの(好中球および他の好中球、L−セレクチンを含有)およ び、内細胞上で発現するもの(E−およびP−セレクチン)である。該セレクチ ンは内皮血管壁上の回転相互作用、最後には白血球管外遊出を起こす相互作用を 媒介する(Kretzschmarら1995,Tethedron 51,:13015)。被験者供与体を、内部 結合事象およびその後続いて起こる事象(例、白血球移動)の両方を阻害するの に有用である。本発明の多価供与体を、好中球−白血球相互作用およびしたがっ て、好中球接着(例、炎症、成人呼吸窮迫症候群、慢性関節リウマチ、敗血ショ ック、再潅流障害)に関連する調節状態に干渉するのに使用可能である。 別の実施態様において、被験者多価供与体を血小板−血小板相互作用を阻害す るのに使用可能である。血小板凝集は血栓症事象または血栓塞栓症事象において 顕著な役割を果たしている。ADP、トロンビン、エピネフリンまたはコラーゲ ン作動薬は血小板タンパク質、GPIIb-IIIa上のフィブリノーゲン結合部位をさ らす。小さいペプチド(例、RGDもしくはHHLGGAKQAGDV(H12))は、フィブリノー ゲン認識モチーフを含有し、および該部位へのフィブリノーゲン結合を遮断する ことができる。GpIIb-IIIaに結合したペプチドは、GPIIb-IIIa複合体上でクリ プチックエピトープの発現を誘発する(Gawaz,ら1996,Arterioscler Thromb Vas c.Biol.16:621)。次いで、血小板顆粒を放出する;顆粒の主要な糖タンパク質 はトロンボスポンジンであり、このものは血小板の凝集を媒介することが示され てきた(Gawaz,上述)。血小板凝集を導くいかなる相互作用を阻害するように、 群Aを選択可能である。好ましい実施態様において、GPIIb-IIIaの相互作用およ びフィブリノーゲン認識モチーフを調節可能である。ある実施態様において、被 験者中凝固低下を誘発することが望ましく、一方他の実施態様において、被験者 中凝固亢進誘発することが望ましい。 別の実施態様において、正に本発明の多価供与体を癌細胞が転移する能力を低 下するように使用可能である。転移とは、一次細胞からの腫瘍細胞の脱離、隣接 する組織への侵入および二次部位での定着に関係し、および該被験者多価供与体 はこれらの段階のいづれにおいても作用可能である。様々な器官についての癌細 胞の向性は侵された器官または腫瘍細胞のレクチンによって媒介可能である(Ma torosovich 989 FES 252:1,2:1-4;Beuthら1988.Clin.Exp.Metasasis.6:115 -120)。例えば、β−ラクトシルクラスターは強力な腫瘍転移阻害物質として記 載されてきた(Deanら1993,Carbohydrate Research 245:175)。したがって、 群Aとしてこれらの認識事象の調節物質を取り込む多価供与体を製造可能である 。 別の実施態様において、被験者供与体を感染を調節するために使用可能である 。大抵の細胞−病原体相互作用における開始段階は、結合を含む。このことは全 てのウイルスについて当てはまる。ウイルスの細胞表面への接着の1例として、 インフルエンザおよび気管支上皮細胞である。感染における最初の段階として、 インフルエンザウイルスは気管支上皮細胞の表面に結合する。該結合は、多くの 赤血球凝集素の三量体(HA、ウイルスの表面に密集してパックされたレクチン 、約2〜4コピー/100nm2またはウイルス粒子当り600〜1200)およびシアル酸 の多数の分子(SA、多くの糖タンパク質上の末端糖および、また標的細胞の表 面に密集して(〜50−200コピー/100nm2)配列したもの)間の相互作用によ って起こる。表3は細胞−ウイルス相互作用の他の例を提供する(ここで、P= タンパク質;S=糖(糖タンパク質または糖脂質))。数が増加しているウイル スを、1個以上の型の標的細胞への結合に関する相互作用に対して用いる。 宿主へのウイルス結合はウイルス感染への最初の段階であり、および宿主細胞 の表面にある多くの分子とウイルスの表面にある多くの分子との同時会合に関係 する(M.Tardieu,R.L.Epstein,H.L.Weiner,Int.Rev.Cytol.1982,80 ,27-61)。本結合が高濃度の該分子の対応するモノマーまたは該分子に対する モノクローナル抗体によって阻害される場合、結合を媒介するウイルスおよび細 胞の表面上に含まれる分子をほとんど直接的に同定可能である。リガンドが糖ま たは小分子である場合、該戦略をしばしば用いる。結合に間係する分子を直接的 に特徴付けることが困難になることは、標的細胞に十分に結合させることができ る能力の無い突然変異体(人工または天然)との相関関係からくるものである; すなわち、特定のタンパク質の突然変異体がウイルスの結合能力を無視する場合 、そのことは該結合に直接にもしくは間接に関係する。本二次戦略は、しばしば 受容体またはタンパク質であるリガンドに対して使用する。表面にある分子の数 の増加はウイルス−細胞認識に関係しているが、しばしばあいまいである。ウイ ルス粒子は多くの物質に非特異的に接着しているために、時に生体特異的結合と 非−生体特異的結合を区別することは困難である。いくかのウイルス粒子は、非 特異的トランスポートによって宿主細胞中に入ることがあり得る(細胞が小分子 を採り入れて自己のものとする(internalize)のに使用するのと同じ機構)。ウ イルス表面上のいくつかのタンパク質はある型の細胞表面上のリガンドよりも認 識可能である。最後に、特定のウイルス粒子は溶液中に自由に分散したタンパク 質と会合可能であり、逆に細胞表面上の分子を認識する(結合を媒介)。ウイル スは細胞表面上にあるほとんど全てのクラスの分子:糖(A.Varki,Glycobiol .1993,3,97−130)(例えば、ポリオーマ(H.Fried,L.D.Cahan,J.C.P as)およびオルトミクソウイルス(J.C.Pauson,J.E.Sadler,R.L.Hill,J.Biol,V itrol.1981,109,188−192)はシアリルオリゴサッカライドを認識する);ホ スファチジル脂質(例えば、水疱性口内炎ウイルス、VSVはホスファチジルセ リンおよびホスファチジルイノシトール(P.Mastromarino,C.Conti,P.Goldoni ,B.Hauttecoeur,N.Orsi,J.Gen.Vitrol,1987,68,2359-2369)を認識する );およびタンパク質(例えば、HIVはCD4(A.G.Dalgleish,P.C.L.Beverl ey,P.R.Clapham,D.H.VCrawford, M.F.Greaves,R.A.Weiss,Nature 1984,312,763,)を認識し、ヒトライノウイル スは細胞間接着分子−1、ICAM-1(J.M.Greve,G.Davis,A.M.Meyer,C.P.Forte,S .C.Yost,C.W.Marlor,M.E.Kamarck,A.McClelland,Cell,1989,56,839-847)を 認識する)と結合する。 多価度の状況においてほとんど広範囲に研究されてきたウイルスの結合および 阻害に関する系は、赤血球の表面に結合しているオルトミクソウイルスA(X-31) (インフルエンザの人工菌株)(W.J.Lees,A.Spaltenstein,W.J.E.Kingrey, G.M.Whitesides,J.Med.Chem.1994,37,3419-3433;M.Mammen,G.Dahmann,G.M. Whitesides,J.Med.Chem.1995,38,4179-4190)である。本結合はウイルスHA および細胞HA間での多くの同時相互作用を通じて起こる。インフルエンザウイ ルスと赤血球間の親和力の測定は、これまで行なわれていない。 別に広く研究されてきたウイルス−細胞相互作用はヒト免疫不全ウイルス(H IV)上のタンパク質gp120およびT−細胞表面上の60K糖タンパク質CD4間の ものである。溶解したCD4(細胞表面から化学的に切断するCD4)の大きな 濃度により、結合は阻害される。HIVは細胞表面上の代わりの(alternate)分 子を使用可能なウイルスの例である;HIVはグリオーマおよび横紋筋肉種(rh abdosarcoma)(これらはともにCD4が欠損している)を感染可能である溶解 したCD4は結合、および続いて該細胞の型の感染を遮断する(P.R.Clpham,J.N. Weber,D.Whitby,K.McIntosh,A.G.Dalgleish,P.J.Maddon.K.C.Deen,R.W.Seet ,R.A.Weiss,Nature1989,305,60-62))。 ウイルスから細胞への結合を媒介する多数の例が存在する。1例として、B型 肝炎ウイルス(このものは、場合により血清アルブミン凝集体と結合する)が挙 げられ;逆に該凝集体は肝細胞の表面上に存在するアルブミンに対する受容体と 結合する(P.Pontisso,M.A.Petit,M.J.Bankowski,M.E.Peep;es,J.Vitrol.19 89,63,1981-1988)。第二のよく研究された例は、ウイルス表面上への抗−ウイ ルス抗体における二価の結合に着手したものである(例えば、デングウイルス、 ウエストナイルウイルスおよびHIVが挙げられる)(R.M.H.V.Van,G.Hardie ,Immunochem,1976,13,503-507)。次いで、標的細胞の表面上に存在するFc- 受 容体は多くのFc-テイルと多価的に相互作用する。本結合の機構は、外因性病原 体を認識する際にマクロファージを使用する機構と同じであり;興味深いことに 、前者は感染に至り、後者はクリアランスに至る。 バクテリア病原体は2つのクラス:細胞内(細胞に侵入し、そこで増殖する) および細部外(細胞間で生存するが、その内部にはない)に分類することができ る。細胞内の場合における感染の機構はウイルスの場合の機構:感染が宿主細胞 への病原体の結合によって開始する(表4〜5)と類似している。細胞外のバク テリアは時に転移し、および特定の組織中に収集する。特定の組織中のバクテリ アの濃縮(組織向性)は、バクテリア表面にある分子と、好ましい組織中の細胞 表面にある分子もしくは該組織に特徴的な細胞外マトリックスの成分間の特定の 相互作用によって起こる。バクテリアと、宿主細胞もしくは細胞外マトリックス 間の多くの特定の相互作用については以前に再考されている(I.Ofek,N.Shoron ,Curr.Topics Microbiol.INNunol.1990,151,90-113;I.Ofek,N.Sharon,In fect,Immun.1988,56,539-547)。ウイルスの場合と同様に、本発明の特異性 は通常、接着もしくは凝集アッセイの最もよい阻害物質である分子によって定義 される。該アッセイは、該相互作用がバクテリア表面上のレクチンおよび宿主細 胞もしくは細胞マトリックス上の糖間である場合、最も頻繁に使用する(表4)。 現在、バクテリア相互作用は、リガンドおよび受容体の両方としてタンパク質を 含むためにウイルスの相互作用とより近いように思われる(表5)。膜の状況か ら除去する際に、主に“モノマー”が未知で研究に不適当であるか、または該“ 形状”を失うために、該タンパク質−タンパク質相互作用は研究するのがより困 難である。結果として、今日まで大抵のバクテリアおよびウイルス相互作用に関 する詳細な研究としてはレクチン−糖相互作用が挙げられ、およびタンパク質− タンパク質のものについてはない。 腸のバクテリアは哺乳類の胃腸管中に居留するものである。大抵の場合、腸の バクテリアは1型フィブリナーゼウイルスを発現し、このものは消化管中の上皮 細胞の表面上に存在するマンノースと結合する(例、enteric E.Coli,Klebvsi ella pneumonia,and Salmonella)。本相互作用は、モルモット赤血球中に存在 する凝集体によってアッセイ可能である(該表面は、マンノーズ残基に よって密集してコーティングされている)。よく研究された例としては、ウロパ トゲン大腸菌のものが挙げられる。 特定の他の腸大腸菌は、上皮細胞の表面にある様々なシアル酸含有−糖タンパ ク質に特異的に結合する毛縁血球凝集体を含有する。シアル酸認識に関するよく 研究された例としては、K99毛縁レクチンを含有する大腸菌上で起こり 、このものはNeuAc(α2,3-)Gal(β1,4)Glc(β1)−セラミド上に特異的に存在す るN−グリコリルノイラミン酸を認識する。Vibrio choleraの腸菌株は多様な赤 血球凝集体を産生する 。大抵の一般的な該赤血球凝集体は上皮表面上でのフコース誘導体と結合する。 宿主有機体はしばしば、該多価病原に対してもまた多価的である、比較的非特 異的な防御を備える(mount)する。1例として、タム−ホルスファル糖タンパク 質、ヒト尿中の最も豊富な糖タンパク質が挙げられる。本糖タンパク質は可変数 のN−連結オリゴマンノース単位を含有し、広範囲のバクテリアと結合する。 大抵のバクテリア感染はまた、バクテリア接着および宿主細胞中に存在する炭 水化物デテルミナントに関係する接着工程によって開始する。細胞表面へのバク テリアの接着の1例としては大腸菌および尿道内皮細胞が挙げられる。バクテリ ア大腸菌の尿病原体菌株は多価相互作用を用いた、尿道および嚢の上皮細胞に直 接的および間接的に結合する(図2)。いくつかのバクテリアタンパク質は本組織 の好ましさを与えると同定されている。P−フィムブラエ(fimbrae)(タンパクG を含有)およびタイプIフィムブラエ(FimHアドヘシンを含有)の2例があり、共 に大腸菌の表面に局在している。例として、P−フィムブラエを用いて、本シス テムにおける多価性を例示する。第一に、該尿病原体バクテリアは、該P−フィ ムブリエ・フィラメントのチップ上に局在化しているレクチン様タンパク質Gを 、尿路(特に、腎臓)中の上皮細胞の表面に存在する糖タンパク質のGal(β1,4) Gal(PK抗原)部分の多数のコピーに接着させるために使用可能である。第二 に、大腸菌の表面上に存在するF−タンパク質の多数のコピーを、フィブロネク チン、溶解性糖タンパク質に多価結合させる。逆に、該フィブロネクチンを上皮 細胞の表面に多価結合させる。大腸菌は尿路の該組織中に収集され、そこで増殖 し、疾患を引き起こす(特に、腎盂腎炎)。一般的に、バクテリアは細胞表面ま たは、好ましい組織の細胞外マトリックスに直接に結合する。バクテリアは糖と タンパク質の両方に結合する。 別例としては、多価分子(例、バクテリア、抗体およびマクロファージ)への 細胞の結合に関係する。抗体の全クラス(このものは、免疫系を構築するタンパ ク質の重要な群の1つである)は、多数の等価の受容体部位:2個(IgD、IgE、I gG、IgA)、4個(IgA)、6個(IgA)または10個(IgM)を有する。これらの抗体が バクテリア、ウイルス、寄生虫、薬物、“非−自己”細胞の表面上に存在する抗 原もしくは他のリガンド、または血液循環中に通常存在しない非−キ共有結合複 合体を含めた他の構造を認識している構造に対する多価結合は、免疫認識におい て遍在する特徴であると思われる。これらの相互作用は、感染にとって重要なプ ロセス(例、標的細胞への外来有機体の結合)を阻害し、およびクリアランス( マクロファージおよび免疫系の他の成分による分解、または腎臓によるろ過によ った外因粒子の除去)を促進可能である。本明細書において、多価度を繰り返し エピトープ、ほとんど全ての侵入した病原体の表面上に存在する決まった特性を 有する表面への高結合親和性または結合力について使用する。 抗体のテイル(Fc部分)上に存在するマンノース残基は、マクロファージ(感染 した粒子をクリアするのに重要な白血球細胞)の表面上のマンノース受容体(Fc 受容体)と相互作用する。受容体との単一Fc部分の相互作用は、マクロファージ による応答を誘発;すなわち、溶液中の自由な(複合化していない)抗体はマク ロファージを活性化せず、また外来病原体の分解部分に結合した単一抗体を活性 化するには弱すぎるように思われる。しかしながら、感染した粒子の表面に結合 した多数の抗体は、マクロファージの表面の多数の受容体と強く相互作用し、多 価相互作用を通じた両界面で安定化された3層構造を与える。 加えて、本系の多価度がマクロファージによるバクテリアの認識における安定 性および特異性を許容するだけでなく、またマクロファージによる続く作用が多 価相互作用に決定的に依存する。マクロファージおよび抗体−コーティングした バクテリア間の多数の相互作用により、マクロファージ上に表面受容体の架橋が 起こり、バクテリアを摂取する(貪食する)するためにマクロファージ中の内部信 号をトリガーし、分解が起こる。 細胞表に結合した多価分子の1例として、表6および7が挙げられる。 多価供与体はまた、所望しない相互作用、すなわち多価阻害物質との相互作用 を防止するのに重要である。多価度が所望の相互作用を強く促進する場合、特定 の所望しない生体相互作用、特に自身多価であるもの(ここでは、多価度は多価 度に対して用いる)を防止するのに有用な戦略となり得る。例えば、ほとんど哺 乳類の肺の内部をコーティングしている液体は、いくつかのムチン(シアル酸、 SAの末端でオリゴサッカライドを提供するタンパク質)を含有している。該ム チン、特に?2−マクログロブリンは、インフルエンザおよび他のSA−結合ウ イルスと結合可能であり、したがって、標的細胞への結合を阻害する。 多価供用に関する群Aの項において、病原体粒子と相互作用する群Aは宿主と 相互作用するものが好ましい。1実施態様において、被験者供与体は細胞−バク テリアの相互作用を遮断するのに使用する。別の実施態様において、被験者供与 体は細胞−真菌の相互作用を遮断するのに使用する。さらに別の実施態様におい て、被験者供与体は細胞−ウイルスの相互作用を遮断するのに使用する。更なる 実施態様において、被験者供与体は細胞−寄生虫の相互作用を遮断するのに使用 する。例えば、宿主ガラクトース(Gal)およびN−アセチルガラクトサミン(GalN ac)残基へのEntamoeba histolytica栄養型の結合が挙げられる (Adler et al.1995.J.Biol.Chem.270:5164)。いくかの実施態様 (例、遺伝子治療への応用は)において、細胞−病原体(例、細胞−ウイルス) 相互作用が促進されることが望まれる。 別の実施態様にて、本発明の多価供与体は病原体−細胞外マトリックス相互作 用を調節するものを作ることができる。例えば、バクテリアおよび真菌の細胞外 マトリックスの相互作用を防止する多価供与体を阻害することができる。別の実 施態様において、被験者供与体は細胞−細胞外マトリックス相互作用を調節する に使用可能である。 さらに別に実施態様において、病原体−病原体相互作用を調節する多価供与体 を構成することが可能である。該供与体は例えば、内在する装置(例、プロテー ゼおよびカテーテル)の使用から生じる感染状態の治療、またはエクスビボバイ オフルムの破裂に有用となる。 さらに別の実施態様において、細胞−毒素相互作用を調節可能である。例えば 、 Shigella dysenteriae1型由来の志賀毒素は細胞糖タンパク質またはガラビオー ス・ジサッカリド(Galα1-4Galβ)決定因子を有する細胞糖タンパク質または糖 脂質に結合する。本発明の多価供与体をいかなる該細胞−毒素相互作用を遮断可 能な群Aを供するように製造可能である。別の例において、出血性毒素(例、Cr oatalus viridis viridisによって産生する)と反応する多価供与体を製造可能 である。 別の実施態様において、被験者供与体は多価度と関係する細胞応答を調節する のに使用可能である。例えば、細胞によるサイトカイン産生を、通常サイトカイ ン分泌となる細胞−細胞相互作用における、刺激物質細胞を置換することによっ て調節可能である。例えば、腫瘍細胞上のL−セレクチンリガンドは腫瘍壊死因 子を産生するために、単球およびマクロファージを刺激することが示されている 。シアリルルイスx(sLex)テトラサッカリドはL−セレクチンに対するHEVリ ガンドとして機能するが、天然リガンドはより複雑であることが提案されている 。 単核細胞によって認識される腫瘍細胞の群を模倣した群Aを有する多価供与体 は、本応答を模倣するのに使用可能である。同様に、本反応を遮断する群Aを有 する供与体は、本応答を阻害するのに使用可能である。他の実施態様において、 多価供与体が使用可能な多価度に関係する他の状態としては、T細胞サイトカイ ン産生、マスト細胞および/または好塩基球脱顆粒、リンパ球選択およびTもし くはB細胞断片化が挙げられ 、これらの全ては多価に関係する状態である。 例えば、多価に関係する、疾患または容態の治療 疾患または容態に関係するいずれの特定の生物学的事象を標的とすることに加 えて、当業者は被験者によって供される該事象の疾患もしくは容態もしくは現れ を標的とする多価供与体を製造可能である。本発明は多価供与された全群または 本発明の多価供与体の一部として提供された薬物の使用を包含すると意図するも のである。例えば、 を参照。これらの各テキストの完全な内容を引例と して本明細書中に明白に盛りこむ。疾患または容態に関する教示および、可能性 のある薬物(例、群A)に関する教示の内容をより特に、本明細書中に引例とし てそっくりそのまま引用する。例えば、多価供与体について、感染性疾患を調節 (例、宿主−寄生虫相互作用の阻害、予防注射(immunization)もしくは予防接種 の促進および敗血症もしくは敗血ショックの軽減)するように設計可能である。 より特に、被験者供与体は、なかんずく上部気道の感染疾患;感染性心内膜炎、 腹腔内感染および膿瘍;急性感染性下痢疾患およびバクテリア性食中毒;性的伝 染病;骨盤炎症性疾患;尿路感染および腎盂腎炎;感染性関節炎;骨髄炎および 人工器官の(prosthetic)ジョイントの感染;皮膚、筋肉および柔らかい組織の感 染;注射麻薬中毒患者における感染;こう合、ひっかき、やけどおよび周囲の有 機体からの感染;および院内感染の治療に有用である。したがって、被験者供与 体は、グラム陽性菌が原因の状態(例、肺炎双球菌感染、ブドウ状球菌感染、連 鎖球菌感染、コリネバクテリア感染、リステリア菌感染、破傷風、ボツリズム・ クロストリジウムの感染および炭疽菌)およびグラム陰性菌が原因の状態(例、 髄膜炎菌感染、淋菌感染、Moraxella and Kingella感染、Haemophilus感染、Leg jonaella感染、百日咳、腸バチルスでの感染、Pseudomonas感染、サルモネラ症 、細菌性赤痢、Compylobacter感染、コレラおよびビブリオ病、ブルセラ病、ツ ラレミア、Yersinia染、バルトネラ症およびドノヴァン症)の治療において有用 である。被験者供与体はまた、ノカルジア症、放線菌症、混合嫌気菌感染および マイコバクテリウムおよびらせん状バクテリア(H.pylori)感染(例、結核、ハ ンセン病およびMycobacterium avium感染)の治療にまた有用である。多価供与 体はまた、スピロヘータ症(例、梅毒、トレポネーマ症、レプトスピラ症、回帰 熱およびライム病)の治療に使用可能である。同様に、リケッチア属、マイコプ ラズマおよびクラミジア感染は、被験者供与体との治療から恩恵を受ける。 ウイルス感染はまた被験者多価供与体との治療によって恩恵を受ける。例えば 、DNAウイルス(例、単純疱疹、水痘−帯状疱疹、エプスタイン-バー、サイ トメガロウイルス感染、ポックスウイルス感染、パルボウイルスおよびヒト乳頭 腫ウイルス)およびRNAウイルス(例、レトロウイルス、インフルエンザ、胃 腸炎、腸内ウイルスおよびレオウイルス、麻疹、風疹、おたふくかぜ、狂犬病、 ラブドウイルス、マールブルク病似薬、アルボウイルス感染およびアレーナウイ ルス感染)をまた治療可能である。 他の実施態様において、該被験者供与体を菌感染(例、ヒストプラズマ症、コ クシジオイデス症およびパラコクシジオイドミコーシス症、ブラストミセス症、 クリプトコックス症、カンジダ症、アスペルギルス症、ムコール症その他)を治 療可能である。他の実施態様において、多価供与体を原生動物感染(例、アメー バ症、マラリア症およびバベシア病、リーシュマニア症、トリパノソーマ症、ト キソプラズマ、ニューモシスチスカリニ、ランブル鞭毛虫症、クリプトスポリジ ウム症、トリコモナス症、)を治療するのに使用可能である。更なる他の実施態 様において、被験者供与体を駆虫感染、(例、旋毛虫症、組織線虫症、腸線虫症 、フィラリア、ロア糸状虫症、糸状虫症、メジナ虫症、住血吸虫症および他の吸 虫感染、またはサナダムシ)を治療するのに使用可能である。さらに他の実施態 様において、被験者供与体を外部寄生虫感染を治療するのに使用可能である。 さらに他の実施態様において、被験者供与体はまた免疫応答を調節、該応答の 調節の上昇および調節の下降に有用である。したがって、被験者多価供与体は免 疫不全疾患の治療、併せて自己免疫疾患および生じた免疫媒介障害の治療に有用 である。特定の実施態様において、被験者供与体を移植の拒絶を治療するのに使 用可能である。 他の実施態様において、被験者供与体をまた凝血および血栓症の障害の治療に おいておよび、抗凝血性、フィブリン溶解性および抗血小板性の療法に使用可能 である。 さらに他の実施態様において、被験者供与体をまた新生組織形成の治療に有用 である。好ましい実施態様において、被験者供与体はまた一次腫瘍の転移を阻害 するのに使用可能である。 特定の植物由来およびバクテリア毒素の生物学的作用における開始事象として は、細胞の表面への多価性の接着;すなわち、多数の細胞リガンドに対する多数 の毒素受容体の同時相互作用が挙げられる。 1つのアプローチにおいて、多価高分子ガラク トシドを、Ricinus communis(このものは通常レクチンと呼ばれる)由来の細胞 毒性レクチンから哺乳類細胞の表面への接着を遮断するのに使用可能である。該 ポリマーは細胞表面上にあるガラクトシド残基との相互作からリシンを防止する ことによって作用する。リシン−細胞接着に関与する受容体−リガンド相互作用 の数は小さい。 リシン、脂肪毒レクチンのクラスに属するRicinus communis凝集素(RCA60、RC A120)はリボソーマル−失活タンパク質(RIPs)と呼ばれる。1個のレシンサブタ イプ、RCA60(A11共有結合複合体;MW〜65kDa)は2個のサブユニッ ト:A−鎖(リボソーマルRNAの特定のアデニン塩基を加水分解的に切断し、 タンパク質合成を阻害するN−グリコシダーゼ)およびB−鎖(糖−結合レクチ ン)からなる )。第二のリシンサブタイプ、RCA120(2×A'1B'1;Mwから130KDa)は構造お よび機能の多くの観点で、密接に関連しており;2個の非−共有結合的に会合し たA'1B'1ユニット(Endo,Y.;Mitsui,K; Motiguki,M.:Tsurugi,K.J.Biol.Chem.1987,262,5908-5912)からなる。 rRNAの失活を触媒するA−鎖はリシンの毒性の主因である。しかしながら、本作 用は毒素の細胞内面化なしで起こる;本内面化は受容体(B−鎖)−媒介エンドサ イトーシスを介して起こる。 リシンは哺乳類細胞においてタンパク質の生合成を強く阻害する。リシンの分 子作用は細胞内面化を必要とし、このものはリシンの細胞表面への接着から開始 する:本強固な毒素−細胞結合は多数のガラクトシド−リシンの認識部位が細胞 表面−糖タンパク質および糖脂質上に存在する多数のガラクトシド(Gal)群の 同時結合によって起こる。 リシンは、細胞表面上に存在する多数のβ−D−ガラクトース(β−Gal)およ びβ−N−アセチル−D−ガラクトサミン(β−GalNAc)−末端オリゴサッカライ ドのGal−結合部位における多価性の選択的結合を用いて、細胞表面に結合する (Roberts,L.M;Lamb,F.I.;Pappin,D.J.C.;Lord,J.M.J.Biol.Chem.1985,260,1568 2-15686)(Bサブユニット当りのGal結合部位の数について議論されてきた)。多 くの研究により、RCA60およびRCA120がそれぞれ、〜3(>2)および〜6(>4)G al部位を有していることが提案されている。125I−標識化したリシンにおける 結合研究により、リシン(および単離B−鎖)がヒト赤血球に解離定数Kd〜0. 1〜0.01μMで結合していることを示唆した。β−D−ガラクトシドの単一の一 価アナローグは、様々な技法(平衡透析、蛍光およびNMR)(Kd〜103−1 02μM)によって研究すると、RCA60およびRCA120および単離B−鎖に対するか なり低い親和力を有している。本発明の結果として、細胞表面に対するリシンン のかなり密着した(tight)結合をなすように、多価供与体を産生可能である。 リシンは、構造と作用様式の多くの点で、バクテリア毒(炭疽、コレラ、志賀 、ベロ毒素)および他の植物由来−細胞毒レクチン(リボソーマル−失活タンパ ク質;アブリン)に密接に関連している。該毒素は抗癌剤としての開発における 免疫毒素の細胞毒成分として最新の研究対象であり、生物学的戦争では脅威の薬 物と分類される。 したがって、更なる実施態様において、被験者供与体リシンが赤血球に接着す るのを防止するのに有用である。この点に関して、リシン−細胞接着を遮断する ことによる多価度に基づいてリシンの毒性を遮断するのに、多価供与体を使用可 能である。本様式において、それらが細胞内に侵入する最初の段階は、細胞表面 上に供与されるリガンドの多数のコピーと競争することが可能な多価高分子阻害 物質を用いて遮断する。リシン(RCA60およびRCA120)のニワトリ赤血球細胞へ の接着を遮断するために設計された多価高分子の合成およびバイオアッセイにつ いて本明細書中に記載する。該阻害物質は、ポリ(アクリル酸)およびポリ(ブタ ジエン−共−マレイン酸)の誘導体であり;それらはアミド基:pAA(Gal)およびp BMA(Gal)として側鎖を含有するガラクトシドの多数のコピーを提供する。1阻害 物質、pAA(Gal-βO-L1Gal=0.4)はRCA120に対して、阻害活性$=0.14μM( 1ガラクトシドを基準に計算)を示し;本高分子多価ガラクトシドは一価Gal-β -OMeよりも〜1500倍活性であり、また一価Gal-βO-L1NH2よりも270倍活性である 。高分子多価阻害物質はRCA120(〜6Gal受容体部位)によって誘発される赤血球凝 集反応を遮断する場合に、RCA60(〜3Gal受容体部位)による場合よりも有意に活 性である。赤血球凝集反応を遮断する際における高分子多価ガラクトシドの増大 活性の分子基準は、リシンのGal受容体部位およびポリマー上のGal分子の多価性 (すなわち多数、同時)相互作用に帰する。我々は、合成糖ポリマーがリシン− 細胞接着を阻害可能であることを示す。したがって、該ポリマーは抗毒素におけ る新規な分類である。該ポリマーの作用は、リシンGal結合部位が細胞表面上に 存在するGal分子へ接近するのを防止することによって抗−毒素抗体の作用を模 倣可能であるが、それらはまた阻害における基本の新規な機構の可能性:リシリ Gal−結合部位のエントロピー的に増大した占有;周囲のポリマーによる非占有G al結合部位の立体的安定化を導入する。該ポリマーがRCA60よりもRCA120に対し てより活性であると観察することにより、多価阻害物質が多数のリガンド−結合 部位を持つ受容体に対して、供与が少ないものに対するよりも活性であると提案 するものである。 リシン−細胞相互作用(RCA120およびRCA60の両方に関して)を要約するスキー ムおよび、高分子多価薬物を用いたリシンの中和(neutralization)に関する戦略 を図3で上述し、:(a)受容体−リガンドは哺乳類細胞へのリシンの吸収を媒 介し;リシンの受容体部位(B−鎖)が多数の特異的な細胞リガンド(β−ガラク トシド)へ多価性結合することにより、密着した毒素−細胞会合を生じ;リシン の 細胞への接着は該毒素会合の開始段階を構成する(b)リシンにおける毒性の機 構;細胞内部への毒素の侵入(赤血球を介して)およびB−鎖からのA−鎖の還 元的切断後、モノマーA−鎖はリボソーマルRNAにおける特定のアデニン塩基 の加水分解N−グリコシド化を効率よく触媒し;本コストはタンパク質生合成を 妨げる(c)高分子多価ガラクトシドによるリシンの細胞内侵入を遮断すること からなる。 したがって、本発明の合成Gal-提供ポリマーを哺乳類細胞へのリシンの接着を 防止する化合物として使用可能であり;該化合物または該化合物の誘導体は治療 物質として及びリシンへの他の被曝に対する保護物質として強力な先導となる。 特定の細胞−表面リガンドへの毒素受容体の多価性結合はまた他の状況におい て重要である。例えば、アブリンは毒素分子のB−鎖当り多数の受容体部位を含 んでおり;本毒素はガラムトシド基と選択的に結合する。 合)サブユニットを利用し、そのものの各々は細胞表面上のGMI五糖類(Gal(β1, 3)GalNAc(β1,4)(NeuAc(α2,3))Gal(β1,4)Glc(β1,1)セラミド)残基を認識し 、一方、志賀毒素およびベロ毒素はグリコスフェンゴ脂質含有Galへの結合に対 する5個のB−サブユニット(グロボシフド、Gal(α1,4)Gal(β1,4)Glc(β1,1) −セラミド)を利用する。 したがって、本発明により、病原体(細胞)−細胞会合(高結合価によって特徴 付けられ;約100〜1000部位は潜在的に相互作用に適用可能である)から毒素− を含む)への阻害物質を設計する際の使用を見出す。 被験者供与体は、多価供与体を用いて受精を阻害、例えばアクロソーマル反応 を妨げるように、卵子−精子相互作用を阻害するのに使用可能である。したがっ て、被験者供与体はまた防止概念(例、精子−卵子相互作用を抑制することによ る、精子の卵子への接着を阻害することによる、精子と卵子間での相互作用の前 にアクロソーマル反応を誘発することによる、および時期尚早な反応の活性化) において有用である。 受精は卵子の細胞外被膜への精子の種−特異的接着によって開始する。該精子 −卵子相互作用により、精子は一連のアクロソーマル反応(アクロソーマルプロ セス)をうけ;初期反応は精子のアクロソーマルビシクルにおける卵子被膜への エキソサイトーシスとして現れる。本アクロソーマル反応は、結局精子と卵子の 原形質膜の融合および精子の核の卵子の細胞質への侵入となる。 マウスの精子において、精子の原形質膜における表面タンパク質β−1,4− ガラクトシルトタンスフェラーゼ(Gal-トランスフェラーゼ)は、卵子被膜の透 明体(ZP)糖タンパク質のGlcNAc残基を特異的に認識する受容体である(図4)。 図4に言及する通り、スキームは精子のアクロソーマル反応の誘発に関するアプ ローチ、併せて高分子多価薬物、pAA(GacNAc)を用いた精子−卵子結合の阻害に 関するアプローチの要約を示す。(a,b)マウス精子の卵子への接着は受容体−リ ガンド相互作用によって媒介され;精子頭部のGal-トランスフェラーゼおよび、 卵子被膜の透明体(ZP)上にあるZP3糖タンパク質の末端N−アセチルグリコ サミン(GlcNAc)残基:(a)ZP3の多数のGlcNAcリガンドへのGal−トランスフェラ ーゼ受容体の多価性結合により、Gal−トランスフェラーゼの凝集反応を生じ、 および(b)引き続いて、細胞内シグナル形質導入を介して精子のアクロソーマ ル・エキソサイトーシスが誘発される。(c,d)アクロソーマル反応の誘発お よびアミド側鎖として多数のGlcNAcコピーを供与するポリ(アクリル酸)またはpA A(GlcNAc)の阻害に関する推定機構。図4の描写は尺度が問題ではない。 透明体の様々なイソ型ZP糖タンパク質、ZP3は精子−卵子接着を媒介する Gal-トランスフェラーゼに関する糖タンパク質リガンドであると信じられている 。ZP3は糖タンパク質のセリンおよびトレオニン残基に共有結合で連結した様 々な多数のO−連結N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)分子を含有する。多数の ZP3由来のGlcNAc残基のクラスターは、多数の精子頭部の表面Gal-トランスフ ェラーゼ受容体と同時に結合可能である。 精子からのアクロソーマル反応は、受容体とつながった特定のG−タンパク質 の活性化によって活発となった、細胞内シグナル形質導入機構を通じて起こる。 G−タンパク質受容体の活性化はGal-トランスフェラーゼの空間(spatial)凝集 を要する。精子−卵子受精の通常のプロセスにおいて、卵子被膜のZpにおける ZP3糖タンパク質はGal-トランスフェラーゼと結合し、および凝集させる:該 凝集はZP3中の多数のリガンドと精子表面Gal-トランスフェラーゼの多価性の 相互作用の結果である。 本発明において、GlcNAcの多価形態(このものは、ZP3中の多価性GlcNAcの 擬似体である)は、精子のアクロソーマル反応を誘発する(図4)。高分子多価Gl cNAcはマウス精子のアクロソーマル・エクシサイトーシスを誘発し、その上イン ビボ精子の卵子への結合を阻害する。 好ましい実施太態様において、本発明の多価供与体は他の避妊法と組み合わせ てもよく、または避妊の防止に使用する一方で疾患を防止するのに使用可能であ る。例えば、群Aはヘルペス、HIV、クラミジア、ヒト型パピローマウイルス 、淋病および梅毒を治療するのに有用である。 さらに別の実施態様において、被験者供与体はまた臓性ショック、アンギナ、 循環器系内での血栓形成、心不全、動脈硬化、卒中、再発狭窄症、リトロポイエ チンを分泌する腎不全、分泌疾患、アレルギー反応、乾癬、鎌状赤血球貧血、治 療に二次的なメマトポエティック(mematopoetic)シスエムの二次疾患(化学療法 、薬物の副作用)または別の疾患(転移、自己免疫疾患)、腎臓癌、前立腺癌、 脳腫、肺癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、化学療法に対する 腫瘍の耐性、成人発病型糖尿病、成長欠乏症、CNS外傷、神経変性疾患、精神 分裂病、偏頭痛、不安、鬱病、強迫異常症、特発性症(未知であるが、多価薬物 に敏感に反応する病因を有する疾患、例えば未知の原因の熱、多数の器官の不全 )、眼の適応症(例、緑内障、近視、網膜変性、老眼)、更年期障害、妊娠病( 高血圧症、妊娠中毒症、予定日に持ってくるのを助ける錠剤および薬剤、デリバ ティーを助けるための薬物)、麻酔、受胎力、創傷治癒、尿失禁、皮膚科学(ア クネ、ふけ症、ウティカリア(uticaria))、薬物に対する逆反応、および薬物の 毒効力の逆戻りを治療または調節するのに有用である。更なる実施態様としては 、細胞 死の調節(例、促進)、代謝経路(例、酵素を介して)の調節(例、促進、阻害 または増大)または特定の受容体型の標的(例、クラスターの7個のトランスメ ンブラン受容体)または酵素(例、細胞内、細胞外または膜結合)に関与する容 態または疾患が挙げられる。多価供与体の同定および試験用アッセイ 本発明はまた、例えば所望の有用な群Aを同定もしくは供与体の効力を研究す る際に使用可能な多価供与体をアッセイする方法を提供する。該アッセイはイン ビトロまたはインビボで行なうことができる。加えて、インビボアッセイは、多 価供与体がAおよびB間の相互作用または該AのBとの相互作用(例、細胞接着 アッセイ、凝集反応アッセイ、血小板凝集アッセイ、エライザアッセイ、併せて 筋肉収縮性アッセイ、感染アッセイまたはリンパ球刺激アッセイなど)から生じ る生物学的応答調節する能力について試験するように設計可能である。 インビボスクリーニング ある実施態様において、インビトロアッセイは、多価供与体が標的結合部位B と相互作用しまたは群Cと標的結合部位Bとの相互作用を阻害する能力をアッセ イする多価供与体の有効性を試験するのに使用可能である。例えば、供与体の群 Aが多価表面上にある結合部位Bと相互作用する能力を試験するアッセイ(例、 パニングアッセイ(panning assays))は供与体をスクリーニングするのに使用可 能である(Charych,D.ら、Chem.&Biol.1996,3,113−120)。 別の典型的な実施態様において、キャピラリー電気泳動(CE)を使用可能である 。CEはフェムトモルの物質だけを必要とする簡便な高分解分析技法である。CEは 、電荷および流体力学抵抗に基づいて、分子(イオン、小分子、ポリマー、タン パク質、ミセル)の混合物の分離を可能にする。群Aを様々な濃度で緩衝溶液に 加え、および注入された結合部位Bの移動度における濃度の影響を追跡すること で、結合部位に対する群の結合定数を正確に定量することができる。本技法はア フィニティー・キャピラリー電気泳動(ACE)と称される。例えば、ACEを 用いて結合部位Bを発現する全ウイルスに対する供与体の親和性を決定可能であ る。 ACEは非常に効率的なライブラリーリサーチの基礎を形成するとも示されてい る。CEはまた、GPCおよび光散乱法と同様に、特に電荷を持つ場合に、供与 体の分析において有用である。 表面プラスモン共鳴分光学をまた使用可能である(例えば、Mrksich,M.ら、La ngmair 1995,4383;Mrksich,M.ら、J.Am.Chem.Soc.1995,117:12009,Sigal G .B.ら、Anal.Chem.1996,68,490を参照)。表面プラスモン共鳴分光学(SPR )は表面での結合事象を研究するのに使用されてきた。自己集合単分子層に基づ くモデル表面(SAM's)をまた、被験者供与体分子をアッセイするのに使用可 能である。金および銀上のアルカンチオレートのSAM'sは吸収または界面で 起こる他の分子事象を研究するための別のモデルシステムである(例えば、 参照)。 別の実施態様において、凝集反応は、例えば病原体もしくは細胞と混合した合 成ビーズ(赤血球凝集反応阻害アッセイと等価である)を用いて、多価分子の定 量分析について試験することができる。凝集反応は細胞−細胞および病原体−細 胞定数をプローブするのに非常に簡便な方法であり、および96ウェルミクロタ イタープレートは該アッセイ用の特に適当なフォーマットである。本アッセイの オートメーションも可能である。例えば、ビーズは病原体または細胞の表面と特 に相互作用する群を供するように構築可能である。該ビーズの構築はバックグラ ンドと比べて群への立体接近を考慮に入れる可能性がある。加えて、群への適当 な結合点を考慮に入れる可能性があり、入手可能な結晶構造に基づいてもよい。 加えて、オリゴエチレングリコール・バックグランドを用いた非−特異的相互作 用が除去または減少することの重要性および、群の表面密度の重要性もまた考慮 に入れる可能性がある。あるいは、標的細胞(または標的細胞の代用品)はある 実施態様において使用可能である。例えば、インフルエンザイウルスは赤血球と 結合し、またビーズよりもむしろ赤血球を使用可能である。 加えて、群Aを供与するビーズおよび結合部位Bを供与する表面の相対および 絶対濃度(該混合物は“ゲル”を形成する(すなわち、凝集する))を決定可能 である。着色したビーズは視覚化を容易にするのに使用してもよい。多価物質は 、ビーズ上の群または該群もしくは完全に異なる群(後者の場合、阻害は立体安 定性に依存可能である)の誘導体についての可変モル画分を含有するように構築 可能である。一般に、該アッセイ中の多価物質の効力は活性群に連結したポリマ ーのモノマー単位のモル画分に依存する。効力が最大であるモル画分については システム依存と期待されている。 これらの同一多価物質は、様々な他の群が担体上の有効な位置に取り込まれる ように改良することができる。様々な“補助”(例、A2−An)基の構造および 効力は分子の特異性および効力を増加可能である。該増大が可能となる機構とは 、少量のモル画分の短疎水性側鎖を用いて病原体(または細胞)の表面に疎水性 ポケットがランダムに位置していることによる。効力を制御すると期待されるポ リマーの重要な性質としては、活性基のモル画分、電荷、疎水性、持続鎖長(per sistence length)、無秩序さ、物理的ディメンションおよび水分子と会合してい る数が挙げられる。 生物学的表面(例、ウイルス)が別の生物学的表面(例、細胞)と結合するのを 分子が防止する程度を測定する目的で、阻害アッセイをまた使用可能である。分 子は受容体と競争的に結合することでそのように振る舞い、また同一の結合部位 に表面結合群が結合するのを防止可能である。典型的なアッセイは赤血球凝集反 応阻害(HAI)アッセイであり、このものについては付記した例およびアペンデ ィックス中により詳細に記載する。HAIアッセイは赤血球溶液中のウイルス凝 集反応(ゲル形成化)を阻害する分子に基づいている。HAIが簡便に測定可能で ある有効性の低限度は、〜1nMである。 別の典型的なアッセイは光学的衝突(optical collision)(OPTOCOL)アッセイで あり、このものは阻害物質の存在下、1個の赤血球と中心体を被膜した1個のウ イルスの衝突の際の結合の阻害に基づく。本アッセイは並列光学ピンセット(par allel optical tweezer)を用い、各ピンセットが2個の衝突している種のうちの 1個を留めた状態で傾立顕微鏡下に行う。該OPTOCOLアッセイにより、阻害物質 の有効性の定量が≪1nMで有効となる。HAIお呼びOPTOCOLアッセイの両方により 、阻害がいくらか有効である時の濃度すなわち群Aおよび結合部位B間の相互作 用のほとんど半分が阻害された濃度を得る。HAIアッセイにおいて、阻害定数 はKHAまたはKPOTOCOLである。阻害定数を測定する際、該値は各検定法、KHA 〜=KOPTOCOLを用いて確実に測定可能である。該阻害定数の両方ともに、KINHと 称することがある。 OPTOCOLは並列デュアル光学ピンセットを用いた生物粒子の操作に基づく(Mam menら、1996 Chem. Biol 3:757)。本技法により、例えば単一赤血球および単 一中心体提供インフルエンザウイルス間の相互作用に関する研究を可能とする。 本技法は特に、非常に強固な結合系に対して有用であり、およびまた多価阻害の 機構を研究するのに使用可能である。 もっとも好ましいアッセイは、所望の目的を達成するのに重要な多価基の特性 を重要視している。例えば、多価結合部位を凝集する目的に有効な多価分子は、 長くフレキシブルなリンカーを通じて連結した“n”個(10個以上)の群から なっていてもよい。したがって、本アッセイは多価種における最終目的に反映す る。 多価相互作用を厳密に調べ、評価しおよび定量する多くの方法が存在する。い くかのアッセイは親和性を直接測定するものであり;該親和性から、相互作用の 自由エネルギーを引き出すことが可能である。他のアッセイは特性(そのうちの 1つが相互作用の自由エネルギーである)を持つ複合凝集物を測定してもよい。 これらの他の特性としては、水和の程度、分子もしくは表面を立体的に安定化す る能力、および/または多価性の受容体を架橋する能力が挙げられる。 熱力学的な結合定数を定量するために(すなわち、結合定数を得るために)、 非複合および複合基(または結合部位)の存在比を(直接または間接的に)測定 しなければいけない。複合体の安定性(寿命と関連)によって、異なる技法を使 用可能である。 多価基が多価結合部位を凝集する能力(沈降、ゲル形成、凝集)を測定するた めに、凝集アッセイを使用可能である。例えば、多価供与体は免疫沈降アッセイ において表面上の多価結合部位Bを沈降可能である。多価な実体の親和性は多価 供与体の沈降能力を決定する際に重要であるが、他の特性も重要となり得る。例 えば、低濃度では供与体はポリBと結合せず;ある最適濃度の域では沈降が起こ り;一方、高濃度では各結合部位Bは群Aと結合し、沈降は再度起こらない。本 例では、抗体沈降反応に類似であるが、親和性だけで沈降パターンを決定しない 。 インビボアッセイ インビボアッセイは、例えば動物における疾患または容態に対する多価供与体 の治療効果を測定するのに、例えば感染に対する保護を測定するのに構築可能で ある。例えば、分子は宿主受容体への結合を遮断することによって感染速度を低 下させるだけでなく、クリアランス機構を遮断することによってクリアランスの 速度を低下させ得る。1典型的なアッセイはバクテリアのファージ感染である。 Chu,Y-Hら、Acc.Chem.Res.1995,28,461−468。 表8では、有用な性質として本発明の多価供与体をスクリーンするのに使用可 能である多くのアッセイについて述べる。 エクスビボ応用 本発明はまたエキソビボ応用、例えば生物学的脅威に対する受動的保護用の物 質およびシステム、汚染除去のためのシステム用成分および新規な診断およびキ ャラクタリゼーションシステムとしての多価供与体を提供する。該応用において 、上記に記載の通り最終的に被験者の感染または毒化(intoxication)を遮断する ように、被験者供与体を設計する。ある実施態様において、被験者供与体はさら に1個以上の代謝拮抗物質からなってもよい。例えば、受動的保護は感染性物質 もしくは毒ガスに対して有用な多価供与体からなる防護マスク、併せて防護ラッ プ、ガウン、加工および病院用洗浄液を使用することで提供可能である。同様に 、本発明の多価供与体を溶剤および汚染除去システムのプロセス中に取り込むこ とが可能である。 別のエキソビボ応用において、被験者供与体を例えば、パニングアッセイまた は表面での吸収に基づく光学アッセイに使用可能である。インビボ適合性の必要 条件を考慮する必要がないと指摘する通り、該エキソビボ応用において広範囲の フレームワークが使用に適している。作用の機構 下記に記載の機構は議論するためのものであり、とにかく請求する発明を限定 するものとして解釈するものではない。その上、“β係数”などの係数は作用の 機構よりもむしろ客観的基準として関連していると理解すべきである。好ましい 実施態様において、被験者供与体はモノAについて以上に結合部位Bについて増 大した親和性を示す。他の好ましい実施態様において、被験者供与体は一価で供 されたAよりも大きな特異性を有する。“特異性”に関しては、ポリAの結合部 位非Bとの非特異的相互作用がモノAとの場合に観察されるよりも減少している ことを意味する。他の好ましい実施態様において、被験者供与体は一価の形態で 供されたAについて観察する場合よりも、低濃度で生物学的効果を生む。本発明 の多価供与体は下記に記載の1個以上の機構によって機能し得る。 分類としての多価相互作用に関しては、認められた命名は存在していない。結 合部位B(例、N受容体部位)が群Aと相互作用できる多くの異なる方法が存在し 、 また相互作用の結合自由エネルギーが詳細に強く依存しているために、おそらく 簡単で一般的な命名はない。本明細書中で使用する通り、2個の実体上に分布す るNリガンドとN受容体間の相互作用はN次多価相互作用と称する(3次多価相 “ポリ”と、“mono”は“モノ”と、“first”は“第一”と、“ELISA”は“エ ライザ”と、訳す)。 示した多価相互作用における単一リガンド分子および単一受容体分子間の相互 3)。一価受容体−リガンド相互作用は自由エネルギー変化NΔGmonoで起こり; N個の一価で独立したリガンドと相互作用するN個の一価で独立した受容体は自 由エネルギ−NΔGモノで起こる。解離自由エネルギーについての最も有用な比較 は同数のリガンドと受容体を有することであり、リガンドと受容体の数が異なる (および平衡定数において単位が異なる)場合には十分に熟慮しなければいけな い。式3〜5により、対応する解離定数Kの値を得る。 協同性:αの大きさ 多価相互作用におけるリガンド分子と受容体分子間の相互作用における標準自 ルギーよりも大きいか、同じかまたは小さい(式6〜8)。生化学において認め られた命名法に従い、多価相互作用のこれらの分類はそれぞれ、正に協同(相乗 )、非−協同(加成)または負に協同(干渉)と称する。協同性の度合である定 義αについての慣習は以下の通りである(Connors,K.A.Binding Constants:T he Measutement of Molecular Complex Stability;John Wiley & Sons:New York ,1987)。αの単位は多価相互作用の次数に依存する。 生物学における協同性については当該分野でこれまで議論されている(Koshla nd,D.E.;Neet,K.Annu.Rev.Biochem 1968,37,359;Perlmutter-Hayman,B .Acc.Chem.Res.1986,19,90-96)。一番研究されている正の協同システム では多価性は含まれていない。例えば、4個の酸素(O2)分子と四量体ヘモグロビ ンとの結合は協同的に起こる;すなわち、第2の酸素原子のヘモグロビンとの結 合自由エネルギーは第1の結合よりも有利であり、 大きく、無単位である。 クラスとして、正の協同性にとって多価供与体は1個の系でさえ明確に推量す るよう十分に頻繁にまたは注意深く定量されてはきていない。多価系における正 の協同性は本発明の役目である。 正の協同な多価相互作用(α>1)の1例としては、5量体コレラ毒素とGM1 、GM1ガングリオシドのオリゴ糖部分との会合が挙げられる。コレラ毒素は5個 のサブユニット(AB5)からなる。該毒素のモノマーGM1(細胞表面上にあるセラ ミジル分子から切断されたGM1)との結合により、純粋にエンタルピー増大した 結合を通じた正の協同性の十分な研究例を提供する。 モノマーGM1誘導体の5量体コレラ毒素との第一の結合事象におけるエントロ ピーは、各連続した結合事象のエントロピーと同じである。したがって、モノマ ーGM1の該毒素との結合の全自由エネルギー差はエンタルピーの差が原因である 。 Shoenらは、溶液中で5個の独立したGM1オリゴ糖単位との5量体B5の結合に関 する熱量分析を行っている(Shoen,A.;Freire,E.Biochemistry 1989,28,5019 −24)。第一リガンドの結合定数は係数:4だけ第二の結合定数以下である。純 粋に統計的に計算すると、第一リガンドの結合定数は第二結合定数よりも係数: 5/2だけ大きいと予想される(N次の多価相互作用に関して、K1,該結合定数 は(N+1+i)/iと等しい。したがって、N=5の場合、K2/K1=(5/1)/( 4/2)=5/2である)。したがって、結合はエンタルピー的に増大する。 GM1分子中に密に被膜した細胞表面への5量体B5の結合は、本質的には不 可逆で、5量体コレラ毒素よりもGM1中の5個のモノマー単位へより強固に起 こると報告されている。相互作用のエンタルピーはおよそ同じである。モノマー GM1および表面上に固定化されたGM1にとって、解離ΔGの差は該2個の解 離型間のエントロピー差であると考えられ:多価受容体の親和性は多点結合を通 じて大きく増大可能である。多価表面の5量体の親和性は定量しないので、たと えあっても協同性の程度は未知である。 下記に、おそらく負に協同な(干渉;α<1)2個の相互作用の例を挙げる;す なわち、正の協同性の場合(ヘモグロビンおよびO2)と違って、第二リガンド の第二受容体との結合は第一リガンドの第一受容体との結合よりも有利でない自 由エネルギーで起こる。第一の例は二価の抗体(Ab)と生物表面(例、哺乳類細 胞、ウイルスもしくはエライザアッセイ間の固体支持体)上に密に充填され、ま たはポリマーマトリックス中に固定化されたリガンドとの結合である。Tanaka,T .;Suzumo,R.;Nakamura,A.;Takeo.K.Electrophoresis 1986,7,204-209。一般 に、小さい有機リガンドに対する抗体の一価結合定数は有意に変わるが、105 〜108-1の範囲内である。非−または正協同系に対しては、 Karushらは、Bacillus sp上の表面抗原に対する二価のAbが対応する一価のA bの30倍の高い親和力で結合していることを見出した(一価の抗体とは、天然の タンパク質中に存在する2個以上の結合部位が化学的にまたは酵素的に連結して(Kaurin,A,Y.;Drantiez,B.,Molecular Immunology 1990,27,965-971)。した がって、ここでの結合は負の協同である。 したがって、伝統的な生化学の意味で定義すると、協同性は有用でもなくまた 一価の系の場合と同様に多価系でのパラメーターを記述するほどのものではない 。したがって、多価系の結合の増大について実験的なメートル(metric)の記載が 必要である。協同性パラメーターαから拡張することで、我々はこの新しいメー トルをβと呼ぶ。したがって、そのものに寄与するいずれの一価の相互作用より も多価相互作用は定量的にずっと強いものであるが、該一価の相互作用はなお互 いに干渉するか(Lees,W.J.;Spaltenstein,A.;Kingery,W.J.E.;Whitesides, G.M.J.Med Chem.1994,37,3419-3433)または無関係であり得る(おそらく、 アフィニティー・クロマトグラフィーの間、多価リガンドのアフィニティーゲル への“固着”はこのような場合をあらわす)。多価および一価の相互作用の定量 的比較によってだけ、協同性の本質を立証することが可能である。 多価相互作用における親和性の増大:βの大きさ 多くの多価系において、リガンド−受容体相互作用の数、Nは分からない。例 えば、インフルエンザウイルスによる赤血球の凝集反応の多価阻害物質(このも のはポリアクリルアミド骨格からなり、シアル酸(SA)の末端にある画分の側鎖 を持つ)は、インフルエンザウイルスの表面にある多数の赤血球凝集素(HA)受 容体部位と特異的に相互作用することが分かっている。該分子はインフルエンザ と標的細胞との相互作用を防止する。側鎖がSA基および少数のビオチン基(ア ッセイの続く段階で、ストレプタビジンと共役する酵素の結合用リガンドとして )を提供するポリマーを用いて、エライザ様アッセイを用いたウイルスの表面へ の本ポリマー多価阻害物質の結合を測定可能である。ウイルスと結合した表面を 、SAを含有したポリマーの濃度を変えることでインキュベートし、結合したポ リマーの量をストレプタビジン−ビオチン相互作用を連結した酵素を通じて間接 的に測定する。結合等温線を構築するのに測定可能な量は、SAの濃度およびウ イルスの表面に結合したポリマーを含有するSAの量である。ウイルスに結合し たポリマーの数およびHA受容体部位に結合した各ポリマー上のSA基の数 (N)は共に正確には分かっていない。ポリマーとウイルス間の相互作用を、[S A]の機能として結合したポリマーの量を決定することで分析可能である。半最 大結合(half-maximal binding)では、1/KELISA≡[SA](式中、KERISAは解離 定数と等しい(式9))。多価相互作用のN値はここでは分かっていないので、 協同性(α)に関して記述することは不可能である。本例におけるKモノ値は5×102 M-1であり;最も良い阻害物質のKエライザ値は108M-1である20。すなわち、モ ノマーSAは半−最大で結合し([SA]=2×10-3M)、一方SAを含有するポリ マーはウイルスの表面に半一最大で結合する([SA]=10-8M)。したがって、 多価阻害物質はα値に関わらず有用であり得る。 増大係数βは、2個の解離定数 KELISA=βKmono (式9) の比として定義され、したがって多価系の増大した親和力を議論する際に協同性 (α)よりも好ましい:βの高い値を有する分子は、それらを生成する相互作用が 協同的である無いに関わらず、有用である。Nは分かっていないが、結合してい る多価分子の総量が分かっているどんな系においても、βは有用なパラメーター 関係を計算することは可能である(式10、11)。 本発明の多価供与体(群Aはサッカリドである)は通常β値(このものは、約 108以上または同じであることが好ましい)を有している。本発明の多価供与体 (群Aは非サッカリドであり、特に群Aは非−天然リガンドである)は、通常β 値(このものは、約10以上または同じであり、約102以上であることが好ましく 、約104以上であることがより好ましい)を有している。非−天然リガンドは一 般的に、結合している受容体が多数の価を有しているかもしれないが、多価では ない。 多価相互作用のエンタルピー のエンタルピーの総計、NΔHmonoである。この値は活性部位周辺の他の相互作 用によって増減し得る。 エンタルピー的に増大した結合 いくつかの状況において、1個のリガンドの与えられたエンタルピーを有する 受容体との結合により、次のリガンドは該受容体により大きなエンタルピーで結 有利である)。該結合はエンタルピー的に増大する。 エンタルピー的に減少した結合 1個のリガンドと該受容体との結合が次の結合事象を干渉する場合、多価相互 作用のエンタルピーはN個の等価な一価の相互作用として予想するよりも不利で ある。該結合はエンタルピー的に減少する。2個の多価実物間での多数のリガン ド−受容体相互作用を形成するにはエネルギー的に不利な分子の立体配座を要す る場合に、エンタルピー的に減少した結合が起こり得る。同意の規則として、該 多価実物が立体配座的により剛直になり、リガンドと該受容体間でより空間的に ミスマッチとなることで、エンタルピー的に減少した結合が生じる(リガンドと 受容体間での幾何学的な適合が正確でない場合)。 相互作用のエントロピー 多価供与体のエントロピーを理解することは、一価と多価結合との関係を理解 するのに不可欠である。多価阻害物質の設計におけるエントロピーに関する不完 全な理解は、該一価相対物よりも必要最低限だけ効果のある多くの合成多価分子 を生成させることとなった。 エントロピーにおける変化からの寄与、および周囲の水のエントロピーにおける 疎水性相互作用のエントロピーに大きく起因する(式12)。 並進および回転エントロピー 分子の並進エントロピー、ΔStransは、空間を通して独立して並進する自由 から起こる;ΔStrans値は該質量の対数M(ΔStrans∝1n(M))と関連しおよび該 濃度の対数(ΔStrans∝1n[L]-1)に逆関連する。回転エントロピー、ΔSrotは、 全3個の主軸の周りを該粒子が回転する自由から起こり、該3個の主慣性モーメ ントIχ、IγおよびIz(ΔSrot∝1n(IxIyIz))の産物に対して対数的に関連し ている。したがって、粒子についてΔStransおよびΔSrotは該質量およびディ メンションに弱く(対数的に)依存するのみである。第一の近似として、全粒子 (受容体、リガンド、受容体−リガンド凝集素)の並進および回転エントロピー は等しい。2個の粒子が会合すると、3個の並進の自由度および3個の回転の自 由度が失われる。粒子の質量差を無視すれば(しばしば、粒子の質量は係数:10 の内にあり;ほとんど常に、係数:100以内にある)、該2個の粒子が会合する ことの並進および回転エントロピーの全コストは一価または多価に関わらず、同 一濃度であるならば近似的に同じである。生物学的に、分子の濃度は規模(magni tude)の9次以上可変可能である(mM〜pM)。たとえ並進エントロピーが対数的 に濃度に依存するだけであっても、該広範な範囲は並進エントロピーの重要性を 評価するのに不可欠な相互作用をしている粒子の濃度に関する知識となる:本コ ストは濃度が減少するにつれて増加する。 コンフォメーションエントロピー エントロピーおよびエンタルピーは多価相互作用の親和性において部分的に補 う効果を有し得る:立体配座のフレキシビリティにより会合のコンフォメーショ ンエントロピーのコストが増加する場合、同一のフレキシビリティにより全リガ ンド−受容体相互作用がエネルギーのひずみ無しで起こり得る可能性が増加する 。 多価リガンドの多価受容体との会合時におけるコンフォメーションエントロピ ーの本損失は定量するのが困難であることで有名である。単結合であって回転炭 素−炭素の結合をフリーズする際のエントロピー変化はおよそ0.5kcal/mol(参考 )。他の単結合における値の範囲は0.1〜1.0kcal/molである。コンフォメーショ ナルエントロピーにおける最大損失は、最初に自由回転している全結合が複合時 に全ねじれの自由度を失った場合に起こる。次いで、ΔSconfの本コストに対す る上記の見積もりはおよそ0.5N kcal/molであり、ここでNはつながって(tethe r)連結している2個のリガンドまたは受容体における単結合の数である。長く てフレキシブルな鎖にとっては、本数は大きくなり:トリエチレングリコール・ スペーサーにとっては、ほぼ10kcal/mol程度だけ不利となり得る。 溶媒和のエントロピー 水系での会合における全エントロピーへの最後の寄与は、周囲の水分子のエン トロピー変化、ΔSH2Oである。水中での相互作用への主要な寄与(極性基を含 む疎水性および相互作用)は、生体分子の被曝面からの組織化された分子の遊離 である。疎水的相互作用の定量測定および予想については広く論評されてきた( Blokzijl,W.;Engberts,B.F.N.Angew.Chem.Int.Ed Engl.1993,32,1545-15 79)。該語句は通常、一価および多価系においてリガンド毎に類似している(も し該リンカーが立体配座を変化させ、または受容体の表面と会合しないならば、 結果として複合時溶媒との会合は変化する)。 エントロピー特性が目立って異なる多くのクラスの多価相互作用が存在する。 両種が最初に溶液中で自由に分散している場合、相互作用は起こり得(2個の該 分子についての最初の6個の並進の自由度は複合化に従い、3個の自由度に減少 する)、および我々は該相互作用を3次元(3D)と分類する;および一方または 両方の種が平面上での分散に制限されている場合(2次元:2Dと分類);およ び該相互作用している種が直線上に制限されている場合(1次元:1Dと分類) 。 会合の並進および回転エントロピーコストは複合時に失われた並進および回転の 自由度の数に依存する。該コスト(ΔStransおよびΔSrot値を併せて)は3D で会合している粒子について最大であり、次いで2Dでありおよび1Dで最低で ある。すなわち、2D中自由に分散しているN個のリガンド(例、細胞表面上に つながっているリガンド)が2D中自由に分散しているN個の受容体(例、別の 細胞表面にあるトランスメンブランタンパク質)と会合することのエントロピー のコストは、3D中で独立して分散している該種の相互作用の場合よりも低い。 速度および増大した親和性 ある実施態様において、治療に妥当な生物学的事象の時間構成に関連して効果 的に“永久”結合するよう、極端に低いオフーレートを有することによって、被 験者供与体は機能する。ポリAおよびモノA間の速度差、すなわち多価形態にと っての低オフーレートは、被験者供与体がモノAと異なることで別機構である。 高親和性相互作用についての速度研究により、該増大は会合速度の増加よりも 2個の多価実物の解離速度(koff)の減少にほとんど起因する。抗−DNP AbのDN P-lysとの結合は、同一のAbのΦX174の表面を被膜したDNPとの結合と比べて、表 面への結合についてのkon値が係数:2だけ異なり(kon(表面)〜3.7×107M-1s-1 、kon(DMP-lys)〜8×107M-1s-1)、一方koff値が係数:104だけ異なる(koff(表 面)〜3.3×10-4M-1s-1、koff(DMP-lys)〜1.0s-1)。プロセスの速度は熱力学に定 量的に(および、非常に頻繁に定量的に)関連するので、(Agmon,N.;Levine,R .D.Chem.Phvs.Lett.1977,52,197-201)、これらの測定は多価性と直観的に 一致し;2個の多価実物と第一のリガンド−受容体相互作用の熱力学的コストは アナローグである一価の相互作用の熱力学的コストとおよそ同じであり;したが って、解離速度は同様であるのがもっともらしい。多価に相互作用している種の 解離はNリガンド−受容体相互作用の切断を要し;したがって、対応する一価の 相互作用中よりも多価相互作用中で、解離がゆっくりと起こるのはもっともらし い。 立体阻害 ある実施態様において、本発明の多価供与体は“立体阻害”によって機能する 。 立体障害は効果的な医薬物質を設計する際の新規な戦略である。例えば、感染性 物質の場合、結合に関する多価阻害物質は感染性物質の表面に強固に結合するど んな分子をも含有するように;すなわち、分子を供与するポリマーは結合におい て直接に関与する必要が無いように設計し得る。例えば、ウイルス表面でノイラ ミニダーゼ(NA)と結合した群を提供することによって、インフルエンザウイル スの赤血球への接着を防止するポリマーを作ることが可能である。Choi,S.-K.; ら、Chem.& Biol.1996,3,97-104。該NA部位は一般に当業者によって接着 を媒介しないと見なされており、したがってそのように方向づけられたポリマー と共に観察される抗−接着効果は、ポリマーゲル層のウイルス表面との接着の結 果として起こり得る。本効果は“純粋な”立体阻害、すなわち赤血球凝集素、タ ンパク質(ウイルスが接着の際に通常使用する)の活性部位におけるエントロピ ー的に増大した占有率を有しないものである。したがって、薬物の多価供与は薬 物が作用する本来の機構を変化させ得る。 立体阻害の機構は、該ポリマーが適当な結合部位Bを標的にするような特異性 を指向した受容体に依存するが、事象を媒介する受容体に関連するよりもコロイ ド安定性により関連していると信じられている。一方または両方がゲル層によっ てコーティングされている場合、2個の分子または群を一緒にすることは、エン トロピー的にも(水で膨張したポリマーの立体配座的移動度は別の表面へのアプ ローチに依存するため)およびエンタルピー的にも(不利な浸透効果のため)不利 となる。リポソーム(Kingery-Wood,ら、J.Am.Chem.Soc.1992,114,7303-7 305)およびデンドリマー(Roy,R.;Tropper,F.D.J.Chem.Soc.,Chem.Commun .1988,1058-1060;Roy,R.ら、American Chemical Society:Washington,D.C. ,1994)と現われ得る他の関連する機構が存在するにも関わらず、ポリマー供与 体が本型の機構で機能する点で特異である。 吸収および沈降 ある実施態様において、被験者供与体は表面にある結合部位Bの吸収を媒介す ることで機能する。該機能によって、結合部位B(例、ウイルス粒子)は溶液か ら効果的に除去されおよび被験者によってクリアされる。他の実施態様において 、 多価供与体は沈降または凝集に関与することで機能する。薬力学 選んだフレームワークおよび該内在性質は多価供与体の薬力学に影響を及ぼす 。例えば、本発明の多価供与体を設計する際に考慮すべき2個の性質とは溶解度 および大きさである。 溶解度 大抵の実施態様において、本発明の多価供与体は従来の医薬物質よりも水溶性 である(例、mg/ml範囲内またはそれ以上で)。溶解度(および上述の通り大き さ)は多価供与体の薬力学に影響を及ぼし得る。例えば、供与体の溶解度は下記 に記載の1個以上の関連特性に影響を及ぼし得る。 例えば、溶解度は被験者多価供与体のクリアランスの輪郭に影響を及ぼす。ク リアランスは分子の溶解度が増加するにつれて、劇的に増加し得る。腎臓は水溶 性分子をより速くろ過する傾向にある。また、薬物クリアランスの速度は薬物投 与の回数に比例する。 被験者供与体の水溶性はまた被験者の作用の持続に影響を及ぼし得る。好まし い実施態様において、被験者供与体は一価に供されたAよりも長い持続作用を有 する。 他の実施態様において、ポリAの溶解度は治療索引に影響を及ぼし得る。本明 細書中に記載の通り、語句“治療指数”は当該分野で公知の方法によって定義可 能な通り、(LD50/ED50)を意味する。本明細書中で使用する治療指数は群A毎を 基準にして計算することを意味する。治療指数は薬物投与の回数に反比例する。 被験者供与体の低いクリアランス速度のため、ポリAはモノAよりも少ない回数 で被験者に投与可能である。その上、ポリAは関心ある部位で被験者中、時間外 でモノAよりも低濃度分散を示し、該薬物のクリアランス速度が非常にゆっくり であるために、それらはより高い濃度で血漿中にとどまり、すなわち多価薬物は 関心ある部位での濃度の最大および最小差が減少する(例、谷−最高点分散が低 い)。多価分子は大きいので、小分子について観察されるよりも寿命が有意に長 いといった顕著な利点を有する。被験者供与体の低いクリアランス速度のために 、ポリAはモノAよりも少ない回数で被験者に投与可能である。これらの長い半 減期は様々な理由で有利である。例えば:(i)患者の承諾および患者の幸せは 、薬物投与の回数が減少するにつれて増加する;(ii)患者は現在の可能性より も早く病院から解放される;(iii)現在よりも低い治療指数を有する薬物を投 与可能である。 被験者多価供与体の溶解度はまた多価供与体の区画形成性に影響を及ぼし得る 。溶解度以外の他の因子もまた区画形成性の原因であり、および区画形成性の全 形態(例、封入または排除)は本発明の一部であると意図するものである。例え ば、水と有機溶媒間(生体環境を模倣する)での分配係数は重要である。高分子 量を有するポリマーの多価種は一般に、効率よく生体膜を通過しない。ある実施 態様において、本特性によりそれらを関心あるコンパートメントに直接デリバテ ィすることで投与可能となる。あるいは、多価供与体が所望しないコンパートメ ントから排除ざれ得ることを本性質は意味する。例えば、静脈内注射は血管コン パートメントにアクセスし;髄腔内注射は脳脊髄液および中枢神経系にアクセス し;経ロルートは胃腸管にアクセスし;点眼剤は眼球コンパートメントに接近し ;クリーム剤および軟膏は上皮にアクセスし;カテーテル法は胆嚢支樹、膵臓お よび胆嚢、併せて膀胱尿道系および膣−卵管卵巣系にアクセスし;並びに最後に 吸入は肺胞性細気管支コンパートメントにアクセスする。 分子はまた特定のコンパートメント外でそのものを保つように設計可能である 。本概念が有用となる領域の例としては、産科学(胎児血行外で薬物を保つ)お よび腎臓にとって毒である物質(薬物を血行中に保つことで腎臓によって薬物が 吸収されることから守る)または中枢神経系外で供与体を保つことが挙げられる 。 多価供与体はまた、全身の毒性を軽減し及び局所濃度を最大にする利点を持っ て、関心ある部位で局在化した状態でとどまるような傾向を有する。 加えて性質が所望である場合に、分子がコンパートメントに制限されないよう に設計可能である。例えば、急性整復(setting)では長期作用性薬物を有するこ とは所望されないが、多価物質が増大した効力を持つことが重要となる。これら の応用において、ポリマーが中間の大きさとなるように設計してもよく、または 切断可能な連結基からなってもよい。該分子は強力であるが腎臓によってろ過さ れるには十分に小さく、したがってクリアーされる。 特定のコンパートメントの例としては:眼(例、外科的手術の間の涙の作動薬 および拮抗薬または抗生物質)、GI管(例、ぜん動運動の作動薬および拮抗薬( コリン作動薬)(下剤)、筋肉の緊張の作動薬および拮抗薬(グルカゴン)(二重コ ントラストバリウム研究(double contrast barium studies)の前に)が挙げられ る。他の例としては:CNS、尿生殖器系(例、腎臓、尿管または膀胱、膣、子宮 、ファロピオ管(fallopian tube)(例、避妊薬)および気管支樹(例、抗喘息性 媒介または嚢胞性繊維症治療)が挙げられる。さらに他のコンパートメントの例 としては、表面(例、皮膚および局所塗布に対する粘膜);耳管および中耳(例 、抗生物質、抗ウイルス物質)、血液(例、静脈内注射、併せて経皮および経粘 膜デリバティビヒクル)が挙げられる。コンパートメントの他の例としては、血 管内、血管外、脳脊髄液、気管支肺胞腔、胸膜腔、眼球コンパートメント、局所 コンパートメント、尿管および生殖管(例、膣、子宮、ファロピオ管)が挙げら れる。 大きさ 多価供与体の大きさは、溶解度の点と同様に、作用期間、治療指数、区画形成 性および溶解度としてのクリアランス輪郭(上述に記載の通り)といった同じ性 質に影響を及ぼし得る。 語句“大きさ”は、炭水化物に関して分子の大きさおよびタンパク質に関して 分子量(kD)の両方を包含することを意図する。分子の大きさが60kDまたは平 均流体力学直径が50Å以上である多価供与体は分子の大きさが小さい分子よりも 区画形成が容易なようである。特に好ましい実施態様において、本発明の多価供 与体は2kD以上および/または平均流体力学直径が5nM 50Åである。 多価供与体の大きさは処置する“状態”で変わり得る。例えば、非経口塗布と して、低分子量化合物(約10,000W以下)は一般により速くクリアされる。ある いは、放出時にクリアされるのに十分に小さい単位を連結した切断可能な連結を 含有した大きな化合物を使用可能である。60〜70kDaのタンパク質よりも大きい 大きさの分子は腎臓で効率よくろ過され、このことは多価供与体が血流中で用い られる例では重要である。経口、肺または局所応用で使用する場合、物質をイン ビボクリアまたは分解する必要が無い。 本質的にクリアランス0を有する薬物にとって、腎臓でクリアされるには大き すぎ、また肝臓で吸収およびクリアされないので、所望時にはクリアランスは多 くの機構によって誘発され得る。例えば、小分子量の小片(該大きさは腎臓によ って容易にクリア可能である)は血清中で有意の速度で加水分解する連結物(con nector)でつなぎあわせることが可能である。あるいは、該低分子量の小片を血 漿中に天然に存在する物質(例、酵素)によって加水分解可能な連結物によって つなぎあわせることが可能である。別の実施態様において、該小分子量の小片を 多価供与体のクリアランスが所望される時間に物質(例、第二の薬物、多価もし くは一価)によって切断可能な連結物によってつなぎあわせることが可能である 。該第二の物質の例としてはチオールまたはキレート剤であってよく、および該 物質に敏感な連結(linkage)の例としてはジスルフィドおよび有機金属リンクで あってもよい。 一般に、高分子量種は経口投与で血液にアクセスすることができない。それの も関わらず、高分子量システムは他の応用に有用である。ある実施態様において 、それらはトランスメンブラン浸透(鼻または肺膜を通過させ、続いてエアゾー ルとして投与する)によって被験者に適用可能となる。いくかの多価種は腸線(g ut)中の細胞を通じて、例えば消化プロセスを生き延びるように処方したりある いは座剤として投与することで吸収可能である。大きな多価物質は、肺、腸線ま たは気道から全身循環にまで通過しないために、限られた副作用を有する点で有 利となる。更なる実施態様 ある実施態様において、1個以上の多価供与体、加えて一価の阻害物質を用い て被験者を処置することが所望される。該一価の阻害物質は多価供与体上で群A と同様に、同一の結合部位Bと相互作用してもしなくてよい。例えば、インフル エンザ・ノイラミニダーゼ(NA)の一価の阻害物質、インフルエンザウイルスの 表面上に存在する加水分解酵素は赤血球凝集反応を防止するためにポリアクリル アミド提供HA阻害物質の能力を増大する(Choi,S,-K.;Mammen,M.;Whitesides ,G.M.Chem.& Bio.1996,3,97−104)。ウイルスの表面上にあるNA部位はS Aについての二次結合部位として作用する。NAの一価の阻害物質を加えること で、SAの二次結合は、おそらく立体安定性が増加するために該ポリマー阻害物 質の有効性を増大するようになる。さらに他の実施態様において、被験者供与体 は他の処置方法と併せて使用可能である。 多価供与体にとって作用の開始時はまた重要である。多価性のヘプテン−担体 接合物(いくかの実施態様においては、本発明の一部であると意図しない)は典 型的に、有用な生体応答を引き出すために長期間を要する。本発明の多価供与体 は有用な生体応答、または1日以内もしくは好ましくは12時間以内、5時間以 内、1時間以内の治療効果、またはいくかの状況では本質的に即時応答もしくは 効果(例、7分に1秒以内、例、喘息を処置する場合)を引き出すことができる 。 下記の発明は以下の例によって例示するものであり、このものは更に限定する ものではない。本出願を通して引用した原稿(付録AおよびBを参照)、ペンデ ィングの特許出願および公開特許などの全引例の内容(“背景技術”部を含有す る)を本明細書中引例として盛り込む。実施例 実施例1.インフルエンザの治療を促進する多価供与体の製造 A部−赤血球凝集反応を媒介するインフルエンザの多価阻害物質として、ポリ( アクリル酸)供与シアロシド誘導体のライブラリーの生成とインシチュ評価 生物学的活性に反映する側鎖の混合物を提供するポリ(アクリル酸)(pAA)誘 導体のライブラリーを生成し及び評価する、簡単で微量スケールの方法を開発す る。本方法を用いて、側鎖としてN−アセチルノイラミン酸(NeuAc-L-NH2)を有 するpAAの誘導体、pAA(NeuAc-L)を生成し、およびA型インフルエンザウイルス( X-31)によって、ニワトリ赤血球の赤血球凝集反応(HAI)を阻害する能力をア いて計算する。NeuAc-L-NH2および26個の異なる1級アミンRNH2の組み合わせ を用いて、様々なテル(ter)ポリマーpAA(NeuAc-L;R)(χNeuAc-L〜0.05;χR〜0.0 6)を生成し、アッセイする。該ポリマー(pAA(NeuAc-L;R))は、赤血球へのインフ ルエンザウイルスの吸収に関して強力な阻害物質である新規なクラスのポリマー 多価シアロシドに属する。 該方法は、水中で様々なアミンRNH2を用いたポリ(アクリル酸無水物)(pAAn)のpA A誘導体への変換に基づく。これらの誘導化されたポリマーを、ミクロタイター プレートのウェル中で直接に反応物を超音波照射することで製造し;次いでさら に操作すること無く同プレートをアッセイする。 インフルエンザは、ウイルスタンパク質赤血球凝集素(HA)と細胞表面上で発現 するNeuAc分子クラスター間での多数の相互作用を通じて哺乳類細胞の表面に吸 収されることで感染を開始する。一般に、モノマーシアロシドはウイルスの吸収 における弱い阻害物質である(赤血球凝集反応の阻害によって測定される通りで ある)(例えば、Sauer,N.K.ら、Biochemistry 1989,28,8388を参照)。 ポリ(アクリル酸無水物)(pAAn)(0.12mg/μL)の縣濁液(例えば、Jones,J.F.J .Po1ymer Sci.1958,33,15;Brotherton,T.K.;Smith,Jr.J.;J.W.J.Org.Ch em.1961,26,1283を参照)およびミクロタイタープレートの250μLウェル中に 含有したアミンRNH2(0.1M)の水溶液(式1、付録Aを参照)を超音波照射 することで、側鎖として多数のR基を持つpAA、pAA(R)を合成する。共重合体pAA (NeuAc-L)は、pAAnに対して異なる数のモル当量(mol eq.)のNeuAc-L-NH2を用い て、NeuAc-L-NH2(1,2,3または4)をポリ(アクリル酸無水物)(pAAn)と反応させて 製造する(式1)。mol eq.=0のポリマーはPBS緩衝液(137mM NaCl,2.7mM KC l,7.7mM Ma2HPO4,1.5mM KH2PO4,0.05% NaN3,pH12)中でpAAn眼独で超音波照 射(加水分解)することで得られたホモポリマーpAAである。mol eq.>0の共重合 体pAA(NeuAc-L)を以下の通り、96円錐底ウェルを持つミクロタイターウェル中で 生成する:(i)pAAn(6mg)をウェル中に置き;(ii)0.1M NeuAc-L-NH2(可変量 :19〜100μL)を有する粉末をPBS緩衝液(pH12)中に浸し;(iii)即座に該プレ ートを密封し(プレートの4面を登録商標:パラフィルムを用いてテープし、し っかりとカバーをかける)および次いで、該混合物を0.5時間超音波照射した( フィシャー超音波バス−タイプクリーナー):超音波照射はまたバス中の水温を ゆっくりと〜50℃まで上昇させた。ウェル中生成した共重合体の各溶液(pH〜3) を1.0M NaOH(60μL)を加えてpH〜7に中和し、PBS(HAIアッセイ前、pH7)と併せ て総量100もしくは200μLに調節した。上記のプロトコールは三重−ポリマーpAA (NeuAc-L;R)の製造に容易に拡張可能である;ここで、3個の成分混合物(pAAn (6mg)、0.1M NeuAc-L-NH2(1または3)(50μL)および0.2M RNH2(30μL))を超 音波照射した。 生成したpAA(R)について、凍結乾燥した反応混合物(共に粗混合物および続い て透析)の1H-NMR(D2O)スペクトルを調べ、およびゲル浸透クロマトグラフィー( Mw=39.5kDa、多分散度=1.91;多糖類標準)を行うことで、確認した。超音波 照射前後の遊離NH2由来のNMRシグナルの積分値を比較することで、RNH2の取り込 みの収率を観察した。pAA(R)由来のRの1HNMRは遊離で未反応のRNH2と形(種と結 合したポリマーに起因するラインは比較的ブロードである)および化学シフト( アミド基の隣のCH2またはCH基のδ値は低磁場にシフトする)から容易に区別でき る。アミノ基としてのRNH2の取り込みの収率はRNH2に基づく 標準値は5個の異なるアミンRNH2(4-アミノ安息香酸、6-アミノヘキサン酸、N- メチルヒドロキシルアミン、(L)-アルギニンおよび1-(NeuAc-L1-NH2)を用いた実 験から〜90%(±5)であった。アミド形成および無水物基の加水分解は競争的に 起こるために、前者のプロセスの効率は各RNH2の相対反応性によって影響を受け 、またRNH2の水溶液のpH(芳香族および脂肪族アミンそれぞれについて、最適pH 〜7および12)およびpAAnに対するRNH2のモル当量数の両方に敏感であった(最 適モル当量<0.2)。 pAAの共重合体は、異なる連結基L(1〜4;NeuAc-Ln-NH2;参照図1またはスキ ーム1)を持つNeuAcの誘導体と本準固相合成法を用いることで、側鎖(pAA(1) 〜pAA(4))としてNeuAc-Lを供して生成した(NeuAc-L-NH2 1および2の合成につ いて、Sparks,M.A.;Williams,K.W.;Whitesides,G.M.J.Med.Chem.1993,36 ,778;Ogura,H.ら、Carbohydr.Res.1986,158,37;Lees,W.J.ら、J.Am.Ch em.Soc.1994,37,3419)。NeuAc-L-NH2(3、4)を下記の通りに製造した。3お よび4は、連結の中間における芳香族分子がモノマーNeuAc-LとHA部位との結合親 和力を増大するために、ポリマーの側鎖中に取り込む目的で使用する:Watowich ,S.J.;Skehel,J.J.;Wiley,D.C.Structure 1994,2,719)。 スキーム1 超音波照射に続いて、ポリマーの粗溶液を、ヒヨコ赤血球およびA型インフル エンザウイルス(X-3-1)の基づいたアッセイを用いて、赤血球凝集反応阻害(H AI)活性について即座に評価した。(例、参照、 反応を阻害する溶液中でのpAA(NeuAc-L)由来のNeuAc-L基の最低の濃度)を与え る。Neu-Ac-L-NH2のモル当量はポリマー中の側鎖を含有するNeu-Acのモル画分、 χNeuAc-Lに直接に関連する。表9はまた(sub)ミクロモル範囲で、HAI活性を 持 つpAA(pAA(2)-pAA(4))の3個の他の誘導体を示す。比較として、全モノマーシア pAA(NeuAc-L)の赤血球反応阻害活性およびpAA(Neu-L;R)のライブラリー。pAA (Neu-L;R)のライブラリーを表9に示す。 B部−2個の型“A”群を有する多価供与体 NeuAcL-NH2、RNH2およびpAAnの3個の成分の混合物を超音波照射することで、 NeuAc-Lおよび他方のR基の両方を多価供与するter-ポリマー、pAA(NeuAc-L;R)の ライブラリーを生成するために、A部の方法を拡張する(式1)。 表9(上記)は、NeuAc-L-NH2(mol eq.=0.10)および26個の異なるRNH2(mol e q.=0.12)中の1個を組み合わせることから得られる、pAA(NeuAc-L;R)の 在しない本共重合体pAA(1)(1のmol eq.=0.10)に対して係数:100〜7000だけ増 大したことを示した(注意:HAIアッセイは有限量のウイルスの使用を要し、 粗pAA(NeuAc-L;R)から直接に活性を測定するが、いくつかのコントロール実験に より、該ter-ポリマー(およびpAA(NeuAc-L)でない)が高活性の原因であることを 確認した。典型的に、疎水性または芳香族性アミノ酸誘導体の取り込みは活性を 非常に増大した。我々はここで、ある構造の特徴(疎水だけではない)が シド基がそれら自身はHAI活性を示さないが、係数:〜104以下だけpAA(NeuAc-L; R)の活性を増大すると結論付けた。 これらのpAA(NeuAc-L;R)の一番のものは比較的適度なモル画分のNeuAc-L(〜5 %)およびR(〜6%)で通常高い活性を有する、新規なクラスの赤血球凝集反応阻 害物質に属し:NeuAc-LまたはRのモル画分の各1%は〜6側鎖(ポリマー分子当た り)と等しい。本発見は、該多価供与体の活性を調節する際の側鎖の組み合わせ の重要性を強調するものである。 A & B部中で記載の方法は、ミクロタイタープレートのウェル中で合成およ びアッセイの両方を行うことで、pAA誘導体の生成および該ポリマーの生体活性 の評価を簡素化する。該方法により、制御したモル画分で多数の側鎖の組み合わ せを提供するポリマーライブラリーを簡便にスクリーニング可能となる。ミクロ タイタープレートアッセイは生物学および医学においてルーチンであるために、 本方法は概して、一連の凝集反応相互作用および多価阻害物質によって影響を受 け得る他のプロセスをスクリーニング及び該用の指針を得る働きがある。本製法 は生体活性用に多価でポリマーの阻害物質を合成およびスクリーニングする速く 、経済的な方法である。実施例2 血小板凝集反応の阻害を促進するための多価供与体の製造 RGD(L-Arg-L-Gly-L-Asp)は血小板へのフィブリノーゲンの結合に対する認識配 列である。RGDアナローグはフィブリノーゲンと血小板膜糖蛋白質IIb/IIIa複 合体との間の相互作用を阻害し、したがって血小板凝集反応阻害物質として作用 する(Phillips,D.R.,およびCell,65;359(1991)参照)。 リガンドとしてRGDを供与する多価供与体は下記の通りに製造する: C末端で固体支持体に固定化されたRGDは固相ペプチド合成(SPPS)の公知の方法 (例、Wang樹脂上で)に従い製造する。RGDを支持した固体を無水コハク酸と反 応させ、固定化されたスクシニル化RGDを得、次いでモノ−BOC保護した1,6−ジ アミノヘキサンとカップリング反応させる(例、DCC/H0Bt)。誘導化したRGDの 樹脂からの切断および混入したBOC基の除去を酸処理によって成し、続いて精製 (例、HPLC)して末端アミノ基を有するリンカー分子で官能化されたRGDを得る 。 ポリスクシンイミド(公知の方法に従い製造;例えば、アスパラギン酸からの ポリスクシンイミドの製造として米国特許第5,484,878号を参照)をジメチルホル ムアミド(DMF)またはジメチルアセトアミドなどの溶媒中で懸濁し、官能化したR GDのリンカーを攪拌しながら該懸濁液に加える。ポリスクシンイミドのアミノリ シスが完結後、未アミノリシス・ポリスクシンイミドを加水分解するために水性 塩基を用いて反応混合物を希釈し、次いで不純物を除去するために透析し、RGD を持つリンカーで官能化されたポリ(アスパラギン酸)骨格を得る。RGDによる骨 格の置換の程度およびアミノリシスによって産生したポリ(アスパラギン酸)ポリ マーの大きさは、反応混合物のpH、反応混合物中に存在するRGD−リンカーの量 、反応時間などを調節することで制御する。 生成したRGD−ポリ(アスパラギン酸)多価供与体を、当該分野で公知の方法( 例、血小板凝集反応アッセイ)に従い、血小板膜糖タンパク質IIb/IIIa複合 体に結合したフィブリノーゲン上の多価供与体の効果を決定するのにスクリーニ ングする。実施例3 リシンと赤血球との接着を防止する多価ポリマーガラクトシド 略語 PBS−リン酸緩衝塩液;Et−エチル;MeOH−メタノール;h−時間;I-Pr−イ ソプロピル;pMBA−ポリ(ブタジエン−共−マレイン酸);RCA−リシン総凝集素( Risinus Communis Agglutinin);BHA−ブロメライン切断−赤血球凝集素(Bromel ain-cleaved Hemagglutinin);LDH−乳酸デヒドロゲナーゼ一般的製法 一般の化学品は全て、特に指示しない限り供給者から手に入れたまま、さらに 精製すること無く使用する。特定しないならば、全化学品はAldrich Chemical C o.,St.Louis,Missouriから購入する。年齢2週間のひよこ由来の赤血球細胞( RBCsまたは赤血球)は、Spafas Incから購入する。赤血球(保存緩衝液の懸濁液( 〜5%v/v)として得る)はリン酸緩衝塩液(PBS;137mM NaCl、2.68mN KCl、7. 75mM Na2HPO4、1.47mM KH2PO4)、pH7.2で4回洗浄し、次いでPBS(〜0.5%v/v )中で再懸濁する。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)−標識化リシンを 含有したリシン(RCA120、RCA60)(FITC-標識化RCA120、FITC-標識化RCA60)をSigm a Coから購入する。 Gal-βO-L1NH2およびGal-αC-L2NH2(スキーム1)の合成: Gal−βO-L1NH2:β-D-ガラクトースペンタアセテート(7.8g、19.98mmol)および アリルアルコール(5.6ml、58.82mmol)を含有するジクロロメタン(180mL)溶液に 、氷冷したBF3・Et2O(4.0ml、32.52mmol)を滴下した。攪拌後(4h、0℃;次いで 30h、約20℃)、混合物を分液漏斗中の冷却した飽和NaHCO3(200mL)に注いだ。Mg SO4で乾燥後、ジクロロメタン溶液を真空下で蒸発させて、淡黄色油状物(Rf=0. 57、5%MeOH/CH2Cl2中)を得た。該粗生成物をメタノール(100mL)中に溶解し、 続いてLiOH(2.88g、120mmol)/水(50mL)を加えた。攪拌後(12h、約20℃)、反 応混合物を6.0M HCl(約20mL)を加えて中和した。該水性混合物を真空下で濃縮し て濃厚油状残留物を得、このものをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリ カゲル;5%〜40%MeOH/CH2Cl2)により精製した。淡黄色油状物である、生成 物Gal-βO-CH2CH=CH2を2工程で収率91%(4.0g)で得た(Rf=0.80、30% MeOH/ CH2Cl2中)。 Gal-βO-CH2CH=CH2(4.0g、18.17mmol)、HSCH2CH2NH2・HCl(6.19g、54.5mmol) および4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)(0.4g、1.43mmol)/水(50mL)−メタノー ル (5mL)溶液を、N2で飽和にする(30分間溶液にN2ガスを吹き込むことで)前に、 真空下で10分間脱気した。該混合物を含有する反応フラスコを、光化学反応器( 登録商標:Rayonet)中に置き、254nMで10時間照射した。該照射混合物を2.0M N aOH(28mL)を加えることで中和し、直ぐに蒸発させて揮発物を除去した。蒸発さ せることにより、淡黄色油状物を得、このものをフラッシュシリカゲルカラムク ロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2〜5% i-PrNH2/40%MeOH/CH2Cl2)によ り精製した。油状の付加物(Gal-βO-L1NH2)を得た(Rf=0.33、5%i-PrNH2/30 %MeOH/CH2Cl2中)。 Gal-αC-L2NH2:Gal-αC-CH2CH=CH2をβ-D-ガラクトースペンタアセテートのα-C -アリル化によって製造した(Giannis,A,;Sandhoff,K.tetrahedron Lett.19 85,26,1479-1482)および続いて該アセテートを加水分解した。 pAA(Gal-β)、pBMA(Gal-β)およびpBMA(Gal-α)の合成(図1):pAA(Gal-β): pAA(Gal-β;0.4)の合成に関する下記に記載の方法は、pAA(Gal)の一般合成につ いてのプロトコールである。ポリ(N-アクリロイルオキシスクシンイミド)または pNAS(500mg、NASの3mmolと当量)を含有したN,N-ジメチルホルミド(DMF、8mL)溶 液(Mammen,M.;Dahmann.G.;Whitesides,G.M.J.Med.Chem.1995,38,4179- 4190)に、DMF(2mL)に溶解したGal-βO-L1NH2(356mg、1.2mmol)を加え、続いてiP r2NEt(0.2mL、1.2mmol)を加えた。攪拌後(2d、約20℃)、混合物を1.0M NaOH(3mL )を加えて塩基性とし、続いて更に2時間約20℃で攪拌した。反応液の濃縮時、混 合物を透析バッグ(MWカットオフ約12〜14kDa;登録商標:spectrum、Spectrum Medical Industries,Inc.製)中に移し、約20℃で3d間透析した:H2O(2×4L)、 0.05M NaOH(4L)、0.5M NH4Cl(4L)およびH2O(2×4L)。バッグの中身を凍結乾燥し て、ふわふわした白色固体のpAA(Gal-β;0.4)を得た(499mg)。 %S:pAA(Gal-β;0.4):理論値6.97、実測値6.71。他のpAA(Gal-?)sは同一の 方法にしたがって製造した。%S:pAA(Gal-β;0.2):理論値5.00、実測値5.12 ;pAA(Gal-β;0.6):理論値8.02、実測値8.06;pAA(Gal-β;0.8):理論値8.67 、実測値8.58;pAA(Gal-β;1.0):理論値9.11、実測値9.05。 pBMA(Gal-β)およびpBMA(Gal-α)の合成: 該ポリマーは前駆体ポリマーとしてpNASの変わりにポリ(ブタジエン-共-無水 マレイン酸)またはpBMAnを使用するわずかな違いだけの上記プロトコールに従っ て合成する。pBMAnの一部(このものはアセトン溶液として得る(Polyscience,I nc.)を真空下で乾燥し、使用前にDMF中に再溶解した。 %S:pAA(Gal-α;0.05):理論値1.62、実測値1.55;pAA(Gal-α;0.09):理 論値2.62、実測値2.69;pAA(Gal-α;0.17):理論値4.11、実測値4.12;pAA(Gal -α;0.22):理論値4.81、実測値4.85。 ヒヨコRBCsの凝集反応を媒介するーリシンおよびpAA(Gal)による該防止: (i)リシンとヒヨコRBCsとの接着:RBCs(0.5%v/v;0.4mL)/PBS懸濁液を、 Eppendorf-ウイルス(1mL)を含有した蛍光リシン(FITC-標識RCA120(40nM)(0.4mL )またはFITC-標識RCA60(1.4μM))のPBS溶液とよく混ぜる。2時間4℃でインキュ ベートした後、混合物を2分間2000rpmで遠心分離した。上澄み溶液を捨てた後、 赤色ペレットをPBS(1mL)で洗浄し、再度PBS(0.2mL)中に静かに懸濁した。吸収の 光像およびRCA-吸収RBCsの蛍光はガラススライド上の懸濁ペレットの一部をとり 、該試料を光学および蛍光顕微鏡(Leica DMRXを用いて調べることで得られた。 (ii)RBCsのpAA(Gal-β)によるリシンの細胞吸収からの防止: FITC-標識RCAl20(80nM;0.2mL)/PBS溶液をpAA(Gal-β;0.4)(90?gmL-1また は約200μMと等しい[Gal])のPBS溶液(0.2mL)と、Eppendorfウイルス中混合した 。インキュベート後(30分間、4℃)、リシン-ポリマー混合物をRBCs/PBSの懸濁 液(0.5%v/v;0.4mL)に加えた。該インキュベートした混合物を2分間2000rpmで 遠心分離した。赤色ペレット(上澄み液を除去後、得る)をPBS(1.0mL)で洗浄し 、光学顕微鏡で調べる前に、PBS(0.2mL)中に再度懸濁した。 赤血球凝集反応(リシン誘発)阻害(HAI)アッセイ: リシンの製造したPBS溶液の力価(RCA120=16nM;RCA60=1.9μM)を12ウェル (円錐形の形の底を持つ8×12ウェルミクロタイタープレート;ICNフロー)にわ たってリシン溶液(mg mL-1)(50μL)の2倍に連続希釈することで決定した。別の PBS(50μL)を各ウェルに加え、続いてヒヨコ赤血球/PBS(100μL)懸濁液を加え た。溶液を混ぜ、20℃で1時間インキュベートした。赤血球凝集反応(HA)の終点 は、赤血球を凝集するのに十分な量のリシンが残っている最新のウェルとして定 義する。ポリマーガラクトシド(1〜2mg mL-1;[Gal]約2〜6mM)または一価のガラ クトシド(5mM)のPBS倍液(50μL)を、PBS(50μL)を含有する12ミクロタイターウ ェルにわたって2倍連続希釈する。多価または一価のガラクトシド溶液の連続 希釈後、各ウェル(50μL)をRCA120(16nM)またはRCA60(1.9μM)の50μLと混合し た。約20℃で30分間インキュベート後、ヒヨコ赤血球の懸濁液(0.5%v/v)(100μ L)を各ウェルに加え、続いて静かにかき混ぜ、インキュベートした(1時間、約2 0℃)。赤血球凝集反応(HA)の終点は、凝集化したペレットを観察する最新のウェ ルであ 験の基づいて計算する。結果と議論 ガラクトシド供与ポリマーの合成: D-ガラクトシドの2個の誘導(Gal-βO-L1NH2、Gal-αC-L2NH2)を、ポリマー 多価D-ガラクトシドへのモノマー前駆体として合成する:Gal-βO-L1NH2はガラ クトシド(Gal)基およびアミン−末端リンカー間のβ-O-連結を含有する(スキー ム1);Gal-αC-L2NH2はα-C-グリコシドを含有する。β-O-ガラクトシドのC1 エピマーとして、Gal-αC-L2NH2を高い立体選択性かつ大規模に容易に製造可能 であるために選択する。Gal-αC-L2NH2C-グリコシド連結は、化学的および酵素 的加水分解への耐性の更なる利点を提供する。D-ガラクトシドの両エピマーをリ シンへの結合親和性を比較するために使用する。ポリマーの2個の型−ポリ(ア クリル酸)(pAA;Mw=〜140kDa、Mw/Mn=1.91)(Mammen,M.,Dahmann,G.;Whites ides,G.M.J.Med.Chem.,1995,38,4179〜4190)およびポリ(ブタジエン−共 −マレイン酸)(pBMA;Mw=10〜15kDa)を、アミド側鎖として一価のガラクトシド の多数のコピーを供するためにポリマー骨格として使用する。該ポリマーはpAA( Gal-β)、pAA(Gal-α)、pBMA(Gal-β)およびpBMA(Gal-α)を意味する。pAAをベ ースにしたポリマーを、少なくとも高いイオン強度で比較的フレキシブルとなる であろうと期待して選択する。PAA(Gal-β)の合成は、ポリ(N-アクリロイルオキ シスクシンイミド)(pNAS)(Mammen,M.;Dahmann,G.;Whitesides,G.M.J.Med .Chem.1995,38,4179-4190)とGal-βO-L1NH2とをDMF中(約20℃、2d)反応させ 、および過剰の1.0M NaOHを加えて反応を停止させることで、以前に記載の方法 を用いて達成する。PNASを、ポリマー上の活性エステル基の当量(χ =0.2、0.4.0.6.0.8および1.0)当たりχ当量のGal-βO-L1NH2と反応させるこ とで、様々なpAA's(Gal-β;0.2〜1.0)を製造する。パラメーターχはまた、ポ リマー中のGalもモル画分と等しく、側鎖の総数によって分けたGalを含有する側 鎖の数と定義される(スキーム1)。同一の戦略を、pBMA(Gal-β;0.05〜0.22) およびpBMA(Gal-α;0.05〜0.22)を生成するポリ(ブタジエン−共−無水マレイ ン酸)(pBMAn)に適用する。全該ポリマーを透析により精製し(Mwカットオフ〜3.5 kDa)、および1H-NMRスペクトル分析および燃焼分析(硫黄)の手段によって確認す る。アミド形成反応の収率は、ポリマーの燃焼分析に基づいてpNASおよび ガラクトシド−供与ポリマーによる、リシンの赤血球への接着の阻害: 年齢2週間のヒヨコ由来の赤血球細胞(RBCs)を、哺乳類細胞のモデルシステム として使用する。赤血球は核がなく、タンパク質を合成しない。それにも関わら ず、それらはリシンによって標的とされる細胞のよいモデルを提供し、およびリ シンの細胞表面への接着を研究する系を提供し;赤血球の表面には様々なβ-ガ ラクトシド-含有複合糖質を提供する(ヒトRBC当たり、約2〜3×106Gal残基)(S andvig,K.;Olsnes,S.;Pihl,A.J.Biol.Chem.1976,251,3977-3984)。 代表的な吸収および蛍光像を得、およびリシンがヒヨコRBCsに結合し、また凝 集および溶菌が起こることを示す。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)を 用いたリシンの標識化は、凝集反応および溶菌反応がリシンの作用に起因するこ とを確立した。多価ガラクトシド、pAA(Gal-β;0.4)が該効果を提供することを また示す。 リン酸緩衝塩液(PBS)溶液、pH7.2およびリシン(RCA120〜16nM;RCA60〜1.9μM )中、ヒヨコ赤血球(容量当たり0.5%)を懸濁液として用いて、リシン−媒介凝集 反応を阻害する際におけるポリマーガラクトシドの活性をアッセイする。表10 は、側鎖(χ炭水化物)を含有する炭水化物の様々なモル画分を有する精製タンパ ク ヒヨコ赤血球の凝集反応を誘発するリシンを阻害可能なポリマーの側鎖を含有す る炭水化物の最低の濃度を意味する。各値は5個の独立した測定の平均を表わ し;各値の実験誤差はおよそ±50%である。b指示した濃度で阻害は観察されな かつた。c本値はヒヨコ赤血球の凝集反応を誘発するリシンを阻害可能な溶液中 でのポリマーのカルボン酸側鎖の濃度を表わす。 Gal-β-OMeの値よりもそれぞれ5〜および3〜倍低い)を与える。β-O-アノマー 立体配置を含有する一価のガラクトシドは、差は大きくないが、対応するβ-ガ ラクトシドよりもよい活性を与える。本観察はGal残基とリシンGal-結合部位と pAA(Gal-β;0.2〜1.0)は、溶液中のGal分子の半微量モル(submicromolar)濃 ポリマーは、RCA120に対するよりも約50〜約300倍低いHAI活性をRCA60に対して 有している。一番良いときで、RCA60に対する活性はモノマーGal誘導体の場合よ りも50倍以上である。反対に、pAA(Gal-β;0.4)は一価のGal-β-Omeの場合より も約1500倍高く、およびGal-βO-L1NH2の場合よりも270倍高い阻害活性(RCA120 に対して)を有する。PBMA(Gal-β;0.05〜0.02)はRCA120およびRCA60に対して( 半)微量モル濃度でHAI活性を示し;RCA120に対する活性はRCA60に対する活性よ りも良い。しかしながら、pBMA(Gal-α;0.05〜0.22)はRCA120に対する場合より およそ4倍のRCA60に対するHAI活性を有する。pBMA上に作られた多価ガラクトシ ドの内、pBMA(Gal-β;0.2)およびpBMA(Gal-β;0.05)はそれぞれ、RCA120およ びRCA60に対して最も活性な阻害物質である。pBMA(Gal)sは分子量が約10〜15kDa を有する比較的小さなポリマーであり、生体親和性のポリマー骨格(pBMA)を有す る(Conroy,C.W.;Wynns,G.C.;Maren,T.H.Bioorg.Chem.1996,24,262-272 )。 コントロールとして、非−ガラクトシド炭水化物(pAA(NeuAc-α;0.2)(Mammen ,M.;Dahmann,G.;Whitesides,G.M.J.Med.Chem.1995,38,4179-4190)、p BMA(NeuAc-α;0.2〜1.0)、pAA(GlcNAc-β;0.2〜1.0))の多数 中のものと比較可能な濃度でリシンによる赤血球の凝集反応を阻害しなかった。 従って、赤血球の凝集反応を誘発するリシンはポリマー供与ガラクトシドよっ て選択的に阻害されると結論は達した。αおよびβアノマーの両方は有効性にお いてほとんど同じであるように思われる。該結果により、ポリマーガラクトシド による阻害は主に、ガラクトシドリガンドとリシンのGal受容体部位との特定の 結合に起因すると提案される。我々は一価のガラクトシドと比べてポリマー多価 ガラクトシドの高活性がガラクトシドリガンドと多数の受容体部位との多価性の (エントロピー的に増大した)結合にいくらか起因すると信じている。 図6はリシンに対するポリマーのHAI活性を要約する。図6a(RCA120の場合)は ポ 直線関数であることを示す。RCA60によって赤血球凝集反応を阻害する場合の、 ポリマーの活性およびχGalの関係はRCA120による阻害の記述と密接に関連して い 格の型に依存しているように思われる:大きくフレキシブルなpAA(Gal-β)の場 合、滑らかな曲線;小さく伸張したpBMA(Gal)の場合、鋭くいくらか準直線関係 である。pAA(Gal-β;0.01)(重合度=DP〜2000)は、Gal側鎖の低密度(ポリマー 鎖当り、約20Gal)を供与するが、なお係数:19だけGal-β-L1NH2の場合よりも β-L1NH2と比べて増加したpAA(Gal-β;0.01)の活性をポリマー骨格のフレキシ ビリティ、および従ってガラクトシドリガンド間の距離の調節能力に帰する;本 フレキシビリティはリシンの受容体部位との多価性結合を促進する。 本発明者らがGal提示ポリマーが凝集を抑制する能力のアッセイに用いた 条件下で、RCA120(RBC(0.25%容量のものを200μL;PBS中 に懸濁)を凝集しうる最小濃度)の力価は4nMであり、RCA60の力価は48 0nMであった。この差異は、RCA60(一つのB鎖;約3のGal受容体部位 )がRCA120(2つのB鎖;約6のGal受容体部位)に比べて弱く凝集させ たことを示している。単価ガラクトシドは、赤血球のリシン誘導凝集を防ぐうえ でRCA120に対するよりもRCA60に対する方が一層有効であった。凝集の抑 制はリシンのGal受容体部位への単価ガラクトシドの競合結合を反映している ため、この活性の差異は、リシンの細胞への結合に関する少なくとも2つの 仮説を示唆した。第一に、RCA60およびRCA120に対して観察された単量体 ガラクトシドのHAI活性の差異は、RCA60およびRCA120上のGal受容 体部位への単量体ガラクトシドの内生的な親和性の差異によると思われる。しか しながら、平衡透析および蛍光法を用いたガラクトシドの幾つかの単量体誘導体 と2つのリシンとの結合研究は、2つのリシンが単価ガラクトシドに対して同様 の親和性を有することを示した(10未満の次数で)(Baenziger,J.U.;Fiete ,D.J.Biol.Chem.1979,254,9795-9799;Houston,L.L.;Dooley,T.P.J .Biol.Chem.1982,257,4147-4151;Rivera-Sagredo,A.;Solis,D.;Diaz-Mau rino,T.;Jimenez-Barbero,J.;Martin-Lomas,M.Eur.J.Biochem.1991,197 ,217-228)。第二に、RCA120と比較したRCA60に対する単価ガラクトシド の低値のKiHAIは、リシンのGal受容体部位の総数に対する凝集抑制に必要 なリシンのブロックされたGal受容体部位の数(n):n/3(RCA60); n/6(RCA120)に関係付けることができる。すなわち、RCA60およびR CA120上のGal部位の同数の阻止は、阻止されたRCA60上のGal部位の 一層大きな部分を占める結果となり、RCA120よりもRCA60の凝集能を廃棄 するうえで一層有効である。 多量体ガラクトシドでは、RCA60よりもRCA120で一層低いKiHAI値が得 られた。多価提示上のガラクトシド残基の活性の相対的な上昇(すなわち、単量 体と比較した多量体のKiHAI値)も、RCA60よりもRCA120の方が高かった 。これら結果は、多価リガンドが、結合価の低い標的(RCA60)に対するより も結合価の高い標的(RCA120)に対する方がインヒビターとして一層有効で あることを示唆している。 RCA60では、ポリマーの幾つかは(pAA(Gal−β;0.6〜1.0) 、pBMA(Gal−β;0.17、0.22)、pBMA(Gal−α;0.0 5))リシン媒介凝集の阻止(Gal当たり)において対応単価ガラクトシドよ りも有効性が低かった。これら結果は、幾つかの多価インヒビターについて、B HA(3受容体部位)、LDH(4受容体部位)およびRCA60(約3受容体 部位)により提示された小数の受容体部位への結合の有意のエントロピー増大が 存在しないこと、ポリマー骨格上に提示されたリガンドは該ポリマーの邪魔なし でこれらリガンドが有するよりも低い親和性を受容体に対して有する(おそらく ポリマー骨格とタンパク質との間での定められていいない相互作用のために)と いう結論を支持している。 多くのポリマーがリシン媒介凝集の阻止(Gal当たり)において対応の単価 ガラクトシドよりも有効であるという事実は、受容体部位の部分占有率以外の要 素がKiHAIを決定することを示唆している。各ポリマーは複数のGal残基を 提示するので、ポリマーのリシンへの結合はもちろん、個々のGal基が比較的 弱く結合するものであっても、比較的堅固である。ここで示した実験はリシン上 のGal受容体の占有率を直接測定するものではなく、それゆえ血液凝固の抑制 は、これらGal結合性受容体部位へのエントロピー的に上昇した結合か、ある いは立体阻害などの他の受容体を介さない効果のいずれかによるものである。 ある種の天然に存在する構造的に複雑な糖タンパク質およびオリプ糖はリシン のB鎖に堅固に結合する。フェチュイン(種々の炭水化物クラスターを提示する 糖タンパク質の一つのクラス)から酵素的に由来する糖ペプチドは一つの例であ る:これら化合物は、リシンに対する(およびB鎖に対する)解離定数Kdが〜 10から0.1μMである(Baenziger,J.U.;Fiete,D.J.Biol.Chem.1979 ,254,9795-9799)。これら糖ペプチドは、複数のコピーのガラクトシドおよび N−アセチルガラクトサミン残基を提示する、複数に枝分かれしたオリゴ糖およ びオリゴペプチドである。それゆえ、ガラクトシド含有糖コンジュゲートは、ガ ラクトシドの分子当たりの数および分子内での分布という意味で構造的に多価で あり、本発明者らは、これらの構造的な特徴が単量体ガラクトシドに比べてこれ ら糖ペプチドがリシンに対する高い結合親和性を示す理由であると考える。本発 明者らのガラクトシド提示ポリマーであるpAA(Gal)およびpBMA(G al)は、血液凝固抑制活性KiHAIが〜01μMまでの、構造が充分に特徴付 けられた多価種である。これらポリマーは都合よく合成することができ、とりわ けC−ガラクトシドを提示するものはフェチュイン由来の酵素感受性糖ペプチド に比べて化学的および酵素的に安定である。 要約すると、上記結果は、側鎖としてβ−D−ガラクトースの簡単な誘導体の 複数のコピーを提示する合成ポリマーが、光学/蛍光顕微鏡で調べられるように 、 および血液凝固抑制(HAI)アッセイにより定量的に測定されるように、ニワ トリ赤血球へのリシンの付着を有効に抑制した。単価ガラクトシド(それ自体、 リシン−細胞付着の弱いインヒビターである)を多量体多価ガラクトシドに変換 すると、ポリマーに結合したガラクトシド残基のHIA活性はRCA120に対し ては約102〜103の次数(これら糖単位のアッセイ溶液中の全濃度に基づいて 計算)で上昇したが、RCA60に対しては50上昇したのみであった。多量体ガ ラクトシドの活性は、ポリマーのGal含有側鎖のモル占有率、ガラクトシ の影響を受ける。実施例4−マウス精子における先体のエキソサイトーシスの多価ポリマー化N− アセチルグルコサミン誘導 略語 :Gal−トランスフェラーゼ、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラ ーゼ;ZP、透明帯;GlcNAc、N−アセチルグルコサミン;Gal、ガラ クトース;pA、ポリ(アクリルアミド);pAA、ポリ(アクリル酸);pA A(GlcNAc−β);アミド側鎖として多コピーのβ−O−結合GlcNA cを有するポリ(アクリル酸);pAA(Gal−β)、アミド側鎖として多コ ピーのβ−O−結合Galを有するポリ(アクリル酸)材料および方法 ポリマー化多価N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびガラクトシ ド(Gal):ポリマー化多価化合物の製造のため、多コピーのGlcNAcま たはGalをアミド側鎖として有するポリ(アクリル酸)−pAA(GlcNA c;χ)およびpAA(Gal;χ):χ=0.2、0.4、0.6、0.8、 1.0を、上記実施例3に記載の手法と類似の手法にしたがって調製した。図7 は多価ポリマー化N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびガラクトシ ド(Gal)の構造を示す。pAA(GlcNAc)およびpAA(Gal)と は、それぞれ多コピーのGlcNAc−β−L1−NH2およびGal−β−L1 −NH2をアミド側鎖として有するポリ(アクリル酸)である。 マウス精子の先体反応の手法: 30分間35℃でマウス精子に受精能を獲得させ、ポリマーの存在または不存在 下、37℃でインキュベートした。各実験は以下のコントロールを有した:1) 「自発的」先体反応の程度を評価するためだけに用いられるリン酸バッファー( アッセイ中、通常5%以下であり、すべての他の測定値からこれを引く);2) pAA(GlcNAc)中、所望のモル濃度のGlcNAcを生成させるために 用いられるのと同じ量で用いられるポリマー骨格ポリ(アクリルアミド)または pA;3)透明帯糖タンパク質(ZP)、「天然の」誘導物質;および4)0分 、15分、30分および時に60分の時点で反応混合物をドライブ(drive)す るのに用いられるカルシウムイオノフォアA23187。ZPおよびイオノフォ アにより先体反応した精子の値(%)は、それぞれ27.1(±0.10)およ び53.7であった。ポリ(アクリルアミド)またはpAをネガティブコントロ ールとして試験した:x軸の値はpAのカルボキサミド基の濃度を示す。精子サ ンプルをスライドグラス上で乾燥させ、無傷の先体を染色し、各サンプルについ て200精子中の染色細胞対非染色細胞の数を測定した。結果および考察 多価GlcNAcによる先体エキソサイトーシスの誘導: 図8は、先体反応の誘導における一価GlcNAcおよび多価GlcNAcの 活性(先体反応した精子%)をまとめる。pAA(GlcNAc;0.2)は1 00μM([GlcNAc])の濃度で有意な量(9−17%)の先体反応を誘 導したが、一価のGlcNAcまたはポリマー骨格(pA)は同一の条件下で有 意な量の先体反応を誘導しなかった(<5%)。この例は、精子の先体反応は卵 膜のGlcNAc基に対するGal−トランスフェラーゼの多価結合(表面上で の空間的凝集)を必要とすると思われ、これは多コピーのGlcNAcの単純O −結合誘導体を有する合成ポリマーによって誘導ざれ得ることを示す。 図9aは、マウス精子の先体反応の誘導における一連のpAA(GlcNAc ;χ)(χ=0.2、0.3、0.6および1.0)およびpAA(Gal;χ )(χ=0.3、0.6および1.0)の活性(先体反応した精子%)をまとめ る。pAA(GlcNAc)のポリマーは、0.1−100μM([GlcNA c])で弱から中程度の活性(4から10%)を示した。100μM以上では、 これらは増加した活性(17−27%)を示した。さらに、この結果は、pAA (GlcNAc)の活性(先体反応した精子%)が100μMGlcNAc付近 で鋭く増加したことを示す。また、図9aはO−結合ガラクトシドpAA(Ga l)を有するポリ(アクリル酸)の活性を示す。低い活性(活性なし)は恐らく Gal−トランスフェラーゼに対するpAA(Gal)のGal基の低アフィニ ティー(アフィニティーなし)結合のせいであろう。 図9bは、100μM([G1cNAc])でのpAA(GlcNAc;χ) (χ=0.2、0.3、0.6および1.0)の活性(先体反応した精子%)の 、pAA(GlcNAc)のGlcNAcのモルフラクション(mole fraction 、χ)に対するプロットである。このプロットは図9aから導き出したものであ り、pAA(NeuAc;1.0)に対する14%は推定値である。このプロッ トでは100μM([GlcNAc])の濃度を用いているが、これはこの濃度 がしきい値の濃度であり、pAA(GlcNAc)の活性の大きな増加を導くか らである。活性とχ間の相関は非直線であり;(a)χ=0とχ=0.2の間で 活性の鋭い増加があり;(b)最大(23%)活性に達した後、活性は徐々に減 少する。 図10は、多価ポリマー化GlcNAcによる精子−卵結合の阻害活性をまと める。3つのポリマー−pAA(GlcNAc;χ=0.3、0.6および1. 0)−を、インビトロでの精子−卵結合阻害活性について100μM([Glc NAc])で試験し、(卵当たりに結合した)精子の数は、26(コントロール およびpA)から〜10、5および5に減少した。この結果は、ポリマー化多価 GlcNAcがマウス精子における先体反応を誘導し、精子−卵結合を阻害する ことを示す。コントロールとしてポリマー骨格、pAを100μM([−CON H2])で用いた。結論 (1)pAA(GlcNAc)は先体エキソサイトーシスを誘導したが、一価の GlcNAcは誘導しなかった;多価性は先体工程に関与している。 (2)Gal−トランスフェラーゼに対する非特異的リガンドを有するpAA( Gal)は先体エキソサイトーシスを誘導するのに有効ではなかった。 (3)一定のGlcNAc濃度におけるpAA(GlcNAc)の活性(先体反 応した精子%)およびモルフラクション(χ)間には非直線関係が存在した。 (4)pAA(GlcNAc)は精子−卵結合を阻害した;この機構には多価G lcNAcによる精子の先体反応が関与し得る。実施例5:準固相反応を用いるpMVMA(NeuAc)の作製(図11a参照) ポリ(メチルビニルエーテル-コ-マレイン酸)(NeuAc-L1)即ちpMVMA(Neu Ac-L1)のコポリマーの溶液は、RNH2(NeuAc-L1NH2)とポリ(メチルビ ニルエーテル-コ-マレイン酸無水物)即ちpMVMAnとを、pMVMAnの無 水物基に対して異なるモル当量(mol equiv)のRNH2を用い(mol equiv={ RNH2のモル数}/{pMVMAnの無水物基のモル数})、pH12に調製し たアミンの水溶液を用いて反応させることにより調製した。mol equivが>0で あるコポリマーのpMVMA(NeuAc)を、96個の円錐形にくりぬいた底を有 するマイクロタータープレートで、以下のようにして作製した:(i)3mgの pMVMAn(Mn=67000、80000、311000、485000、 または1130000gmol-1)をウェルに入れ;(ii)粉末を、PBS緩衝液 (pH12)中の、0.1MRNH2(NeuAc-L1NH2)の種々の量(10 〜38mL)とソーキングし;(iii)すばやくプレートを密閉した後、混合 物を0.5時間超音波処理した。鶏赤血球細胞のインフルエンザウイルス誘発凝 集の阻害アッセイの前に、ウェルにおいて作製したコポリマーの各溶液(pH約 3)に1.0MのNaOH30mLを加えて約pH7に中和し、PBS(pH7. 2)で100〜200mL(合計体積)に調整した。実施例6:準固相反応を用いるpMVMA(NeuAc;R)の作製(図11b 参照) 実施例5で用いたプロトコルを、ter-ポリマーpMVMA(NeuAc-L1; R)の調製に応用した。pMVMAn、NeuAc-L1NH2およびR2NH2( 脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノ酸,アミノ糖またはペプチド)の3成分混 合物を超音波処理した。pMVMAの無水物基に対するNeuAc-L1NH2 およびR2NH2のmol equivが>0であるter-ポリマーのpMVMA(NeuA c;R2)を、96個の円錐形にくりぬいた底を有するマイクロタータープレー トで、以下のようにして作製した:(i)3mgのpMVMAn(Mn=670 00、80000、311000、485000、または1130000gmol-1 )をウェルに入れ;(ii)粉末を、PBS緩衝液(pH12)中の、10mL の0.1MNeuAc-L1NH2、および種々の量(2〜20mL)の0.1MR NH2(例:ナフチルアラニン、フェニルアラニン、シクロヘキシルアミン、フ ェニルエチルアミン、4−アミノ安息香酸、またはマンノースアミン)とソーキ ングし;(iii)すばやくプレートを密閉した後、混合物を0.5時間超音波 処理した。鶏赤血球細胞のインフルエンザウイルス誘発凝集の阻害アッセイの前 に、ウェルにおいて作製したter-ポリマーの各溶液(pH約3)に1.0MのN aOH30mLを加えて約pH7に中和し、PBS(pH7.2)で100〜2 00mL(合計体積)に調整した。実施例7:準固相反応を用いるpAA(Gal)の作製(図11c) pAA(Gal)のコポリマーの溶液は、RNH2(Gal-b-L2NH2;Gal-a-L3N H2)と、ポリ(アクリル酸無水物)(pAAn;Mn=20700gmol-1、Mw =39500gmol-1)とを、pAAnの無水物基に対して異なるモル当量(mol equiv)のRNH2を用い(mol equiv={RNH2のモル数}/{pAAnの無水 物基のモル数})、pH12に調製したアミンの水溶液を用いて反応させること により調製した。mol equivが>0であるコポリマーのpAA(Gal)を、96個 の円錐形にくりぬいた底を有するマイクロタータープレートで、以下のようにし て作製した:(i)6mgのpAAnをウェルに入れ;(ii)粉末を、PBS 緩衝液(pH12)中の0.1MRNH2(Gal-b-L2NH2;またはGal-a-L3N H3)の種々の量(10〜100mL)とソーキングし;(iii)すばやくプ レートを密閉した後、混合物を0.5時間超音波処理した。鶏赤血球細胞のリシ ン誘発凝集の阻害アッセイの前に、ウェルにおいて作製したコポリマーの各溶液 (pH約3)に1.0MのNaOH60mLを加えて約pH7に中和し、PBS (pH7.2)で100〜200mL(合計体積)に調整した。実施例8:準固相反応を用いるpBMA(Gal)の作製(図6d参照) 実施例7で用いたプロトコルを、同様に、ポリ(ブタジエン-コ-マレイン酸) (Gal)即ちpBMA(Gal)のコポリマーの調整に応用した。pBMA(Gal) のコポリマーの溶液は、RNH2(Gal-b-L2NH2;Gal-a-L3NH2)と、ポリ (ブタジエン-コ-マレイン酸無水物)(PBMAn;Mn=10000〜150 00gmol-1)とを、pBMAnの無水物基に対して異なるモル当量(mol equiv )のRNH2を用い(mol equiv={RNH2のモル数}/{pBMAnの無水物基 のモル数})、pH12に調製したアミンの水溶液を用いて反応させることによ り調製した。mol equivが>0であるコポリマーのpBMA(Gal)を、96個の 円錐形にくりぬいた底を有するマイクロタータープレートで、以下のようにして 作製した:(i)6mgのpBMAをウェル入れ;(ii)ポリマーを、PBS 緩衝液(pH12)中の、0.1MRNH2(Gal-b-L2NH2;またはGal-a-L2 NH2)の種々の量(10〜100mL)とソーキングし;(iii)すばやく プレートを密閉した後、混合物を0.5時間超音波処理した。鶏赤血球細胞のリ シン誘発凝集の阻害アッセイの前に、ウェルにおいて作製したコポリマーの各反 応混合物(pH約3)に1.0MのNaOH60mLを加えて約pH7に中和し 、PBS(pH7.2)で100〜200mL(合計体積)に調整した。実施例9:準固相反応を用いるpAA(SLex)の作製(図12a参照) 実施例6で用いたプロトコルを同様に応用してコポリマーpAA(SLex) を製造する。モル当量数の異なるRNH2をpAAnの無水物グループに対して 用い(モル当量={RNH2のモル数}/{pAAnの無水物グループのモル数} )、pH12に調節したアミンの水溶液を用いて、RNH2(SLex−NH2) をpAAnと反応させることによってpAA(SLex)のコポリマーの溶液を 調製する。96個の円錐底ウェルをもつマイクロタイタープレートにおいてモル 当量が>0であるコポリマーpAA(SLex)を次のようにして作製する:(i )6mgのpAAn(Mn=20700g/mol、Mw=39500g/mo l)をウェルに入れ;(ii)該ポリマーを種々の量(10〜100ml)の0.1 M RNH2(SLex−NH2)PBS溶液(pH12)に浸漬し;(iii)プレー トを速やかにシーリングし、次いで混合物を0.5時間超音波処理 する。1.0MのNaOH60mlを加えてウェルに生成したコポリマーの各反 応混合物(pH〜3)を〜pH7まで中和し、PBS(pH7.2)で総体積を 100または200mlに調節した後に内皮細胞への好中球の接着の阻害アッセ イを行う。実施例10:準固相反応を用いるpAA(バシトラシン;R)の作製(図12b 参照) 実施例6で用いたプロトコルを同様に応用してコポリマーpAA(バシトラシ ン;R)を製造する。pAAn、バシトラシンおよびR2NH2(脂肪族アミン、 芳香族アミン、アミノ酸、アミノ糖またはぺプチド)を含む3成分混合物を音波 処理する。96個の円錐底ウェルをもつマイクロタイタープレートにおいて、p AAnの無水物グループに対するバシトラシンおよびRNH2のモル当量が>0 であるter−ポリマーpAA(バシトラシン;R)を次のようにして作製する :(i)3mgのpAAn(Mn=20700g/mol、Mw=39500g/ mol)をウェルに入れ;(ii)該パウダーを種々の量(2〜200ml)の0. 1M RNH2(たとえば、ナフチルアラニンン、フェニルアラニン、シクロヘ キシルアミン、フェニルエチルアミン、4−アミノ安息香酸またはマンノサミン )のPBS溶液(pH12)に浸漬し;(iii)プレートを速やかにシーリングし 、次いで混合物を0.5時間超音波処理する。1.0MのNaOH30mlを加 えてウェルに生成したter−ポリマーの各溶液(pH〜3)を〜pH7まで中 和し、PBS(pH7.2)で総体積を100または200mlに調節した後に 細菌成長の阻害アッセイを行う。等価物 当業者であれば、これ以上のルーチン実験を行わなくとも、本明細書に記載さ れている特定の具体例および方法の多数の等価物を認識するかまたは確認するこ とができよう。このような等価物は本発明の範囲に含まれることを企図されてい る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/32 A61K 47/32 47/34 47/34 47/36 47/36 47/38 47/38 47/42 47/42 A61P 7/02 A61P 7/02 7/04 7/04 15/18 15/18 29/00 29/00 31/00 31/00 35/04 35/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ホワイトサイズ,ジョージ アメリカ合衆国02158マサチューセッツ州 ニュートン、グラスミア・ストリート 124番 (72)発明者 タナンボーム,ジェイムズ・ビー アメリカ合衆国94133カリフォルニア州 サンフランシスコ、グリーン・ストリー ト・ナンバー6、990番 (72)発明者 グリフィン,ジョン アメリカ合衆国94025カリフォルニア州 アサートン、ウォールナット・アベニュー 56番 (72)発明者 マメン,マタイ アメリカ合衆国02143マサチューセッツ州 サマービル、クレイギー・ストリート・ ナンバー10、50番 【要約の続き】 相互作用が可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.疾患または容態を治療するために、被験者への投与用多価供与体を製造す る方法であって、 (a)疾患もしくは容態を治療するための多価供与体を形成するフレームワー ク上に複数の群Aを構築および配列すること(該構築および配列は、該群Aと標 的結合部位Bの集合との多数の相互作用から生じる被験者における標的結合部位 Bの集合をブランケットすることによって治療学的効果をもたらすように行ない 、ここで該ブランケットは複数の多価供与体と標的結合部位Bの集合とのコンフ ォーマルな界面相互作用から任意に生じる) からなり、該方法がさらに任意に1個以上の下記工程: (b)該フレームワーク上の複数の群Aの構築および配列が、標的結合部位B の集合と多価供与体とのコンフォーマルな界面相互作用によって、多価供与体が 標的結合部位Bの列の周囲にあるゲル様障壁を形成する能力に基づいてなされる こと、 (c)該フレームワーク上の複数の群Aの構築および配列が、被験者の界面上 にある標的結合部位Bの集合の公知もしくは予想の空間的配列と相互作用する多 価供与体の能力に基づいてなされること、 (d)単一の群Aと複数の標的結合部位B間での個々の相互作用の分析に基づ いて、弱い結合手である群Aの型を選択すること(但し、複数の群Aは標的結合 部位Bの集合と多価供与体とコンフォーマルな界面相互作用による集合結合する 閾にある)、 (e)該フレームワーク上の複数の群Aの構築および配列を、標的結合部位B の集合に適合させうるようにフレキシビリティを与えるようにすること、 (f)フレームワークの型を、多価供与体に目的の特性(ここで、該目的の特 性とは多価供与体のフレキシビリティおよび溶解度の増大から任意に選ばれる) を付与しうるように選択すること からなる方法。 2.複数の群Aがリンカーを介してフレームワークに結合しており、該方法がさ らに任意に1個以上の下記工程: (a)多価供与体にフレキシビリティを付与しうる能力に基づいて、リンカー の型を選択すること、 (b)被験者における標的結合部位Bの集合に群Aを供与するリンカーの能力 に基づいて、リンカーの型を選択すること、 (c)被験者における標的結合部位Bの集合に群Aを供与するリンカーの能力 に影響を及ぼす因子に基づいて、リンカーの型を選択すること(ここで、該因子 はリンカーの疎水性、親水性および直径からなる群から任意に選ばれ、リンカー の該疎水性もしくは親水性の選択は標的結合部位Bにアクセスする被験者におけ る環境の疎水性もしくは親水性に基づき、またリンカーの該直径の選択が標的結 合部位Bへアクセスする被験者における公知もしくは予想のチャンネル直径に基 づく) からなる請求項1に記載の方法。 3.複数の群Aを所望により多価供与体の形態で、被験者に投与して、被験者に おける結合部位Bの集合と多価供与体とのコンフォーマルな表面相互作用によっ て行なわれるようにし、該コンフォーマルな表面相互作用により被験者における 標的結合部位Bの集合もしくは列のブランケットが生じるようにすることを特徴 とする疾患または容態を治療する方法。 4.被験者における標的結合部位Bとの多価供与体のコンフォーマな表面相互作 用によって、疾患もしくは容態の治療をするものであって、該コンフォーマルな 表面相互作用により被験者における標的結合部位Bの集合もしくは列のブランケ ットを生じさせるようにする、被験者における疾患もしくは容態の治療用薬剤を 製造するための所望により多価供与体の形態での複数の群Aの使用。 5.被験者に投与して被験者における結合部位Bの集合と多価供与体とのコンフ ォーマルな表面相互作用によって疾患または容態の治療を行なう、疾患または容 態の治療するための所望により多価供与体の形態にある、複数の群A。 6.該疾患もしくは容態の治療が被験者における複数の標的結合部位Bとの多価 供与体の相互作用によって生じるように、被験者に複数の群Aを投与することか らなる、疾患もしくは容態を治療する方法であって、該多価供与体がフレームワ ークに結合した複数の群Aからなり、該多価供与体が、 i)群Aが機能的であり、単独でまたはフレームワークと組み合わせて薬物と して作用する; ii)フレームワークに結合した群Aの供与により、複数の標的結合部位Bに単 一の群Aを供与した場合と比較して、少なくとも1個および好ましくは2もしく は3個の該相互作用に対する付加的な利点を供与する; iii)該付加的な利点とは、該利点が均一溶液中に分散した同一の群Aのモノ マー集合によって供されてきたであろう付加的な利点よりも大きい相乗的な利点 のことであり;および ここで、該付加的な利点とは、群Aが低濃度の場合に十分な生物学的効果の供 与、非−標的結合部位に対する標的結合部位の特性の増大、結合時の正の協同性 、結合時のエントロピーの増加および低オフレートを有する供与体の産生からな る群から任意に選ばれるものである; との基準を満たす方法。 7.疾患もしくは容態を治療するものであって、被験者における複数の標的結合 部位Bと多価供与体との相互作用によって、該多価供与体がフレームワークに結 合した複数の群Aからなり、該多価供与体が、 i)群Aが機能的であり、単独でもしくはフレームワークと組み合わせて薬物 として作用する; ii)フレームワークに結合した群Aを供与することにより、複数の標的結合部 位Bに単一の群Aを供与した場合と比較して、少なくとも1個および好ましくは 2もしくは3個の該相互作用に対する付加的な利点を供与する; iii)該付加的な利点とは、該利点が均一溶液に分散した同一の群Aのモノマ ー集合によって供されてきたであろう付加的な利点よりも大きい相乗的な利点の ことであり;および ここで、該付加的な利点とは、群Aが低濃度の場合に十分な生物学的効果の供 与、非−標的結合部位に対する標的結合部位の特性の増大、結合時の正の協同性 、結合時のエントロピーの増加および低オフレートを有する供与体の産生からな る群から任意に選ばれるものである; 基準を満たす、複数の群Aの疾患もしくは容態を治療する薬剤製造のための使用 。 8.被験者に投与して、被験者における複数の標的結合部位Bと多価供与体との 相互作用によって疾患もしくは容態を治療するものであって、該多価供与体がフ レームワークに結合した複数の群Aからなり、該多価供与体が、 i)群Aが機能的であり、単独でもしくはフレームワークと組み合わせて薬物 として作用する; ii)フレームワークに結合した群Aの供与により、複数の標的結合部位Bに単 一の群Aを供与した場合と比較して、少なくとも1個および好ましくは2もしく は3個の該相互作用に付加的な利点を供与する; iii)該付加的な利点とは、該利点が均一溶液中に分散した同一群Aのモノマ ー集合によって供されてきたであろう付加的な利点よりも大きい相乗的な利点の ことであり;および ここで、該付加的な利点とは、群Aが低濃度の場合に十分な生物学的効果の供 与、非−標的結合部位に対する標的結合部位の特性の増大、結合時の正の協同性 、結合時のエントロピーの増加および低オフレートを有する供与体の産生からな る群から任意に選ばれるものである; 基準を満たす、被験者における疾患もしくは容態を治療するための複数の群A。 9.標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって疾患もしくは容態 の治療を行なう、少なくとも2個の異なる型の群(A1およびA2)を被験者に投 与することからなる疾患もしくは容態を治療する方法であって、該多価供与体が フレームワーク上の群(A1およびA2)からなり、群A1および群A2の一方が炭水 化物ではない方法。 10.群(A1およびA2)を投与して、標的結合部位Bの集合との多価供与体の相 互作用によって疾患もしくは容態の治療を行なうものであって、該多価供与体が フレームワーク上の群(A1およびA2)からなり、群A1および群A2の一方が炭水 化物ではない、疾患もしくは容態を治療する薬剤を製造するための少なくとも2 個の異なる型の群(A1およびA2)の使用。 11.標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって、疾患もしくは 容態の治療を行なうものであって、該多価供与体がフレームワーク上の群(A1 およびA2)からなり、群A1および群A2の一方が炭水化物ではないものである、 疾患もしくは容態を治療するのに用いる少なくとも2個の異なる型である2個の 群(A1およびA2)。 12.標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって疾患もしくは容 態の治療を行なう、少なくとも3個の異なる型の群(A1、A2およびA3)を被験 者に投与することからなる疾患もしくは容態を治療する方法であって、該多価供 与体がフレームワーク上の群(A1、A2およびA3)からなる方法。 13.標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって、疾患もしくは 容態の治療を行なうものであって、該多価供与体がフレームワーク上の群(A1、 A2およびA3)からなる、少なくとも3個の異なる型の群(A1、A2およびA3)の 疾患もしくは容態を治療する薬剤製造のための使用。 14.投与により、標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって、 疾患もしくは容態の治療を行なうものであって、該多価供与体がフレームワーク 上の群(A1、A2およびA3)からなる、疾患もしくは容態を治療するための少な くとも3個の異なる型の群(A1、A2およびA3)。 15.疾患または容態の治療を促進する方法であって、複数の群Aを被験者に投 与して標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって、疾患もしくは 容態の治療を行なうものであって、該多価供与体がフレームワーク上に群Aを有 し、ここで、Aは炭水化物、炭水化物誘導体、抗体もしくは該断片ではなく、Y はデキストランではなく、および該多価供与体はワクチンでない、またはAはポ リミキシンBでないことを特徴とする方法。 16.標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によって、疾患もしくは 容態の治療を促進するものであって、該多価供与体がフレームワーク上に群Aを 有し、ここで、Aは炭水化物、炭水化物誘導体、抗体もしくは該断片ではなく、 Yはデキストランではなく、および該多価供与体はワクチンでない、またはAは ポリミキシンBでないことを特徴とする疾患もしくは容態を治療する薬剤製造の ための群Aの使用。 17.被験者に投与して、標的結合部位Bの集合と多価供与体との相互作用によ って、疾患もしくは容態の治療を促進するものであって、該多価供与体がフレー ムワーク上に群Aを有し、ここで、Aは炭水化物、炭水化物誘導体、抗体もしく は該断片ではなく、Yはデキストランではなく、および該多価供与体はワクチン でない、またはAはポリミキシンBでない、疾患または容態の治療用に使用する 複数の群A。 18.請求項3、6、9、12または15のいずれかに記載の方法であって、該 方法が1個以上の変更点: (a)群Aを多価供与体の一部としてフレームワークに結合するように投与す る; (b)該多価供与体をインビボ列する; (c)標的結合部位Bの多くが同一界面上に存在する; (d)標的結合部位の多くが異なる界面上に存在する; (e)標的結合部位が1種類以上の型の標的結合部位からなる; (f)該多価供与体により、結合部位Bへの特異的結合と比較して非B結合部 位への群Aの非特異的結合の減少を示す; (g)Aが同モル濃度の場合、群Aの多価供与体はより低濃度で一価で供され た群Aよりも有効である; (h)立体阻害(競争的であってもよい)は治療学的効果の増大に関係する; (i)群Aの多価供与体は一価で供された群Aよりも標的結合部位Bに対する より高い親和力を有する; (j)該多価供与体は標的結合部位Bが存在する実体の凝集を介在する; (k)該多価供与体のフレームワークが非共有結合からなり、該フレームワー クは任意にリポソーム、リポソーム誘導体、ミセル、コロイド、タンパク質凝集 体および細胞からなる群から選ばれる組成物からなっていてもよい; (l)該多価供与体のフレームワークが共有結合からなり、該フレームワーク が糖、タンパク質、脂質および小分子からなる群から選ばれる生体粒子から任意 に選ばれる; (m)該多価供与体のフレームワークがさらにリンカー、任意にアミドリンカ ーからなる; (n)該フレームワークが加水分解可能な連結、デンドリマー、ポリマーから なる群から選ばれる化学分子からなり、任意にポリ(エステル)、ポリ(無水物)、 炭水化物、ポリオール、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(エ ーテル)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、デキ ストラン、デキストラン硫酸、ポリ(マレイン酸無水物−共ビニルエーテル)、ポ リ(スクシンイミド)、ポリ(アクリル酸無水物)、ポリ(エチレングリコール)、ポ リ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(スチレン−マ レイン酸無水物)、ポリ(α-オレフィン−マレイン酸)、ヒアルロン酸、カルボキ シメチレンセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、ポリ(アクリルアミド) 、ポリ(グリセロール)、デンプンおよび該誘導体、共重合体、およびホモポリマ ーからなる群から選ばれる一員からなり、ここで該ポリマーが共有結合によって 群Aに結合していてもよい; (o)該多価供与体が水溶性である(任意の範囲:ミリグラム/ミリリットル もしくはグラム/ミリリットル) (p)被験者における多価供与体の分配量は予想可能である; (q)該多価供与体は分子量60kD以上である; (r)該多価供与体の性質は一価で供された性質よりも大きく、該性質は作用 の持続および治療指標からなる群から選ばれる; (s)該多価供与体は、被験者において一価で供されたAが有するよりも特定 のコンパートメント(このものは任意に、血液、中枢神経、肺、GI管および腎 臓からなる群から選ばれる)中でより長い半減期を有する;および (t)該多価供与体が平均水和直径:50Å以上である からなることを特徴とする方法。 19.請求項4、7、10、13または16のいずれかに記載の群Aの使用であ って、該使用が1個以上の任意の変更点: (a)群Aを多価供与体の一部であるフレームワークに結合するように投与す る; (b)該多価供与体をインビボ列する; (c)標的結合部位Bの多くが同一界面上に存在する; (d)標的結合部位の多くが異なる界面上に存在する; (e)標的結合部位が1種類以上の型の標的結合部位からなる; (f)該多価供与体により、結合部位Bへの特異的結合と比較して非B結合部 位への群Aの非特異的結合の減少を示す; (g)Aが同モル濃度の場合、群Aの多価供与体はより低濃度で一価で供され た群Aよりも有効である; (h)立体阻害(競争的であってもよい)は治療学的効果の増大に関係する; (i)群Aの多価供与体は一価で供された群Aよりも標的結合部位Bに対する より高い親和力を有する; (j)該多価供与体は標的結合部位Bが存在する実体の凝集を介在する; (k)該多価供与体のフレームワークが非共有結合からなり、該フレームワー クは任意にリポソーム、リポソーム誘導体、ミセル、コロイド、タンパク質凝集 体および細胞からなる群から選ばれる組成物からなっていてもよい; (l)該多価供与体のフレームワークが共有結合からなり、該フレームワーク が糖、タンパク質、脂質および小分子からなる群から選ばれる生体粒子から任意 に選ばれる; (m)該多価供与体のフレームワークがさらにリンカー、任意にアミドリンカ ーからなる; (n)該フレームワークが加水分解可能な連結、デンドリマー、ポリマーから なる群から選ばれる化学分子からなり、任意にポリ(エステル)、ポリ(無水物)、 炭水化物、ポリオール、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(エ ーテル)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、デキ ストラン、デキストラン硫酸、ポリ(マレイン酸無水物−共ビニルエーテル)、ポ リ(スクシンイミド)、ポリ(アクリル酸無水物)、ポリ(エチレングリコール)、ポ リ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(スチレン−マ レイン酸無水物)、ポリ(α-オレフィン−マレイン酸)、ヒアルロン酸、カルボキ シメチレンセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、ポリ(アクリルアミド) 、ポリ(グリセロール)、デンプンおよび該誘導体、共重合体、およびホモポリマ ーからなる群から選ばれる一員からなり、ここで該ポリマーが共有結合によって 群Aに結合していてもよい; (o)該多価供与体が水溶性である(任意範囲:ミリグラム/ミリリットルも しくはグラム/ミリリットル) (p)被験者における多価供与体の分配量は予想可能である; (q)該多価供与体は分子量60kD以上である; (r)該多価供与体の性質は一価で供された性質よりも大きく、該性質は作用 の持続および治療指標からなる群から選ばれる; (s)該多価供与体は、被験者において一価で供されたAが有するよりも特定 のコンパートメント(このものは任意に、血液、中枢神経、肺、GI管および腎 臓からなる群から選ばれる)中でより長い半減期を有する;および (t)該多価供与体が平均水和直径:50Å以上である からなることを特徴とする群Aの使用。 20.請求項5、8、11、14または17のいずれかに記載の群Aであって、 該治療が1個以上の任意の変更点: (a)群Aを多価供与体の一部であるフレームワークに結合するように投与す る; (b)該多価供与体をインビボ列する; (c)標的結合部位Bの多くが同一界面上に存在する; (d)標的結合部位の多くが異なる界面上に存在する; (e)標的結合部位が1種類以上の型の標的結合部位からなる; (f)該多価供与体により、結合部位Bへの特異的結合と比較して非B結合部 位への群Aの非特異的結合の減少を示す; (g)Aが同モル濃度の場合、群Aの多価供与体はより低濃度で一価で供され た群Aよりも有効である; (h)立体阻害(競争的であってもよい)は治療学的効果の増大に関係する; (i)群Aの多価供与体は一価で供された群Aよりも標的結合部位Bに対する より高い親和力を有する; (j)該多価供与体は標的結合部位Bが存在する実体の凝集を介在する; (k)該多価供与体のフレームワークが非共有結合からなり、該フレームワー クは任意にリポソーム、リポソーム誘導体、ミセル、コロイド、タンパク質凝集 体および細胞からなる群から選ばれる組成物からなっていてもよい; (l)該多価供与体のフレームワークが共有結合からなり、該フレームワーク が糖、タンパク質、脂質および小分子からなる群から選ばれる生体粒子から任意 に選ばれる; (m)該多価供与体のフレームワークがさらにリンカー、任意にアミドリンカ ーからなる; (n)該フレームワークが加水分解可能な連結、デンドリマー、ポリマーから なる群から選ばれる化学分子からなり、任意にポリ(エステル)、ポリ(無水物)、 炭水化物、ポリオール、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(エ ーテル)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、デキ ストラン、デキストラン硫酸、ポリ(マレイン酸無水物−共ビニルエーテル)、ポ リ(スクシンイミド)、ポリ(アクリル酸無水物)、ポリ(エチレングリコール)、ポ リ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(スチレン−マ レイン酸無水物)、ポリ(α-オレフィン−マレイン酸)、ヒアルロン酸、カルボキ シメチレンセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、ポリ(アクリルアミド) 、ポリ(グリセロール)、デンプンおよび該誘導体、共重合体、およびホモポリマ ーからなる群から選ばれる一員からなり、ここで該ポリマーが共有結合によって 群Aに結合していてもよい; (o)該多価供与体が水溶性である(任意範囲:ミリグラム/ミリリットルも しくはグラム/ミリリットル) (p)被験者における多価供与体の分配量は予想可能である; (q)該多価供与体は分子量60kD以上である; (r)該多価供与体の性質は一価で供された性質よりも大きく、該性質は作用 の持続および治療指標からなる群から選ばれる; (s)該多価供与体は、被験者において一価で供されたAが有するよりも特定 のコンパートメント(このものは任意に、血液、中枢神経、肺、GI管および腎 臓からなる群から選ばれる)中でより長い半減期を有する;および (t)該多価供与体が平均水和直径:50Å以上である からなることを特徴とする群A。 21.該多価供与体が細胞−細胞相互作用、受精、細胞−病原体相互作用、細胞 −細胞外マトリックス相互作用、病原体−細胞外マトリックス相互作用、好中球 −内皮細胞相互作用、炎症、癌転移および血小板−血小板相互作用からなる群か ら選ばれる生体相互作用を防止または抑制し、また該多価供与体は任意に細胞移 動を変え、またはインテグリンおよび血小板受容体からなる群から選ばれる生体 分子を遮断し、 また該方法が任意に、急性血栓症、凝固性低下および凝固性亢進からなる群か ら選ばれる容態を治療するものである、請求項3、6、9、12および15のい ずれかに記載の方法。 22.多価供与体が細胞−細胞相互作用、受精、細胞−病原体相互作用、細胞− 細胞外マトリックス相互作用、病原体−細胞外マトリックス相互作用、好中球− 内皮細胞相互作用、炎症、癌転移および血小板−血小板相互作用からなる群から 選ばれる生体相互作用を防止または抑制し、また該多価供与体は任意に細胞移動 を変え、またはインテグリンおよび血小板受容体からなる群から選ばれる生体分 子を遮断し、 また該用途が任意に急性血栓症、凝固性低下および凝固性亢進からなる群から 選ばれる容態の治療用医薬の製造用である、請求の範囲4、7、10、13およ び16のいずれかに記載の群Aの使用。 23.多価供与体が細胞−細胞相互作用、受精、細胞−病原体相互作用、細胞− 細胞外マトリックス相互作用、病原体−細胞外マトリックス相互作用、好中球− 内皮細胞相互作用、炎症、癌転移および血小板−血小板相互作用からなる群から 選ばれる生体相互作用を防止または抑制し、また該多価供与体は任意に細胞移動 を変え、またはインテグリンおよび血小板受容体からなる群から選ばれる生体分 子を遮断し、 また該群が任意に急性血栓症、凝固性低下および凝固性亢進からなる群から選 ばれる容態の治療用に使用されるための、請求の範囲5、8、11、14および 17のいずれかに記載の群A。 24.妊娠の抑制が標的結合部位Bと多価供与体との相互作用によって生じるよ うに複数の群A(AはGlcNAcからなっていてもよい)を被験者に投与することか らなる方法であって、該多価供与体がフレームワーク上に群Aを有する方法。 25.妊娠の抑制が標的結合部位Bと多価供与体との相互作用によって生じるよ うに複数の群A(AはGlcNAcからなっていてもよい)を被験者に投与することか らなり、該多価供与体がフレームワーク上に群Aを有する、妊娠を抑制するため の薬剤製造のための複数の群Aの使用。 26.複数の群A(AはGlcNAcからなっていてもよい)を被験者に投与して、標 的結合部位Bと多価供与体との相互作用によって、妊娠の抑制を行なうものであ って、該多価供与体がフレームワーク上に群Aを有する、妊娠を抑制するための 複数の群A。 27.多価供与体が細胞−病原体結合および病原体−細胞外マトリックス結合か らなる群から選ばれる生体相互作用を防止するものであって、病原体が任意に細 菌、菌類、ウイルスおよび寄生体から選ばれるものである請求項3、6、9、1 2および15のいずれかに記載の方法。 28.多価供与体が細胞−病原体結合および病原体−細胞外マトリックス結合か らなる群から選ばれる生体相互作用を防止するものであって、病原体が任意に細 菌、菌類、ウイルスおよび寄生体から選ばれる請求項4、7、10、13および 16のいずれかに記載の群Aの使用。 29.多価供与体が細胞−病原体結合および病原体−細胞外マトリックス結合か らなる群から選ばれる生体相互作用を防止するものであって、病原体が任意に細 菌、菌類、ウイルスおよび寄生体から選ばれる請求項5、8、11、14および 17のいずれかに記載の群A。 30.式:(Y)−(X−A)n (式中、Yは高分子でもよいフレームワークであり、Xは直接結合もしくはリン カー基であり、該リンカー基は独立していてもよく、またYの一部であって、A は官能基を供与するものであり、およびnは10以上の整数である)、さらに所 望により1個以上の下記の変更点: (a)被験者に投与時に多価供与体が標的結合部位Bの集合に順応するように 、被験者に投与時に任意に標的結合部位Bの列をブランケットして、該整数を選 択しおよび(X−A)分子をYに結合させる; (b)被験者に投与時に多価供与体は標的結合部位Bの集合に順応するように 、該整数を選択する; (c)該組成物がさらに任意に医薬的に許容し得る担体からなる ことを特徴とする、治療用薬剤を多価に供与する医薬組成物。 31.多価供与体を形成するフレームワーク上の複数の群Aからなり、該多価供 与体を被験者における標的結合部位の集合をブランケットするように順応させた 、順応した多価供与体。 32.少なくとも2個の異なる多価供与体の集合および医薬的に許容し得る担体 からなる医薬組成物。 33.複数の表面結合生体分子と多価供与体(任意に非‐サッカライド)を組み 合わせて供与するものであって、約102以上の増大係数βを有し、複数の第三 分子を結合させたフレームワークからなり、ここで該第三分子は複数の該表面‐ 結合生体分子の一部へ該第三分子を同時に結合させ、および該第三分子が結合し ていない複数の該表面結合生体分子における一部の該フレームワークにより立体 的に遮断することで該表面‐結合生体分子および該第二分子間の接着を調節し、 該接着が細胞および完全体(ここで、該完全体は細菌、ウイルス、インフルエン ザウイルス、第二分子および多価分子からなる群から選ばれる)間で任意に生じ るようにしてなることを特徴とする、複数の表面結合生体分子と複数の第二分子 との接着を調節する方法。 34.pAA(Gal-β)、pAA(Gal−α)、pBMA(Gal-β)、pBMA(Gal-α)およびpAA(Glc NAc-β)からなる群から選ばれる多価供与体。 35.該リシンをpAA(Gal-β)、pAA(Gal-α)、pBMA(Gal-β)およびpBMA(Gal-α) からなる群から選ばれる多価供与体の有効量と接触させることからなる、赤血球 へのリシンの接着を防止する方法。 36.(a)Gal-βO-L1NH2をポリ(N−アクリロイルオキシスクシンイミド)も しくはポリ(ブタジエン−共−マレイン酸無水物)と反応させ;および (b)該反応を停止させる ことからなる、pAA(Gal-β)およびpBMA(Gal-β)からなる群から選ばれる多価供 与体を製造する方法。 37.(a)Gal-αC-L2NH2をポリ(N−アクリロイルオキシスクシンイミド)も しくはポリ(ブタジエン−共マレイン酸無水物)と反応させ;および (b)該反応を停止させる ことからなる、pAA(Gal-α)およびpBMA(Gal-α)からなる群から選ばれる多価供 与体を製造する方法。 38.pAA(GlcNAc-β)である多価供与体の有効量を該被験者に投与することから なる、被験者における受精を抑制する方法。 39.受精を抑制する組成物を製造するための、pAA(GlcNAc-β)である多価供与 体の使用。 40.該多価供与体がpAA(GlcNAc-β)であって、被験者における受精を抑制する のに有効な量を投与する、受精を抑制するのに使用する多価供与体A。 41.(a)GlcNAc-β-L1NH2をポリ(N−アクリロイルオキシスクシンイミド) と反応させ、および (b)該反応を停止させる ことからなる、pAA(GlcNAc-β)である多価供与体を製造する方法。 42.(a)第1および第2の反応容器に、第一多価供与体の第一活性化フレー ムワーク反応成分および第二多価供与体の第一活性化フレームワーク反応成分を 供給する; (b)該第1および第2の反応容器に、該第一多価供与体の第一官能基成分お よび第二多価供与体の第一官能基成分を供給する; (c)該活性化成分を反応させる ことからなる方法であって、 少なくとも2個の異なる多価供与体の列を形成することからなり; さらに任意に1個以上の工程: (d)該第一反応容器に該第一多価供与体の第一スペーサー基を供給する; (e)該反応容器に該第二多価供与体の第一スペーサー基を供給する; (f)該第一反応容器に該第一多価供与体の補助基を供給する; (g)該第二反応容器に該第二多価供与体の補助基を供給する; ことからなり; 該方法が1個以上の任意の変更点: (1)該第一および該第二多価供与体の“n”個の官能基を該各々の第一およ び第二の反応容器に供給する工程を繰り返す; (2)該第一および該第二多価供与体の“n”個のスペーサー基を該各々の第 一および第二の反応容器に供給する工程を繰り返す; (3)該第一および該第二多価供与体の“n”個の補助基を該各々の第一およ び第二の反応容器に供給する工程を繰り返す; ことからなる多価供与体の列を作る方法。 43.請求項1、2、36、37、41または42の記載のいずれか1個の方法 によって製造可能な多価供与体または多価供与体の列。
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