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JP2002502491A - サンプル中の酸素濃度の決定方法 - Google Patents

サンプル中の酸素濃度の決定方法

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JP2002502491A JP51098697A JP51098697A JP2002502491A JP 2002502491 A JP2002502491 A JP 2002502491A JP 51098697 A JP51098697 A JP 51098697A JP 51098697 A JP51098697 A JP 51098697A JP 2002502491 A JP2002502491 A JP 2002502491A
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Abstract

(57)【要約】 電子スピン共鳴増強磁気共鳴造影法を用いて、サンプルの酸素濃度を決定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 サンプル中の酸素濃度の決定方法 本発明は、サンプル、例えばヒトまたはヒト以外の身体の酸素濃度の決定方法 、より詳しくは、サンプルの酸素濃度を決定するための、その電子スピン共鳴増 強磁気共鳴造影法(OMRI)の使用、特に、サンプル中の溶存酸素濃度の指標とな るイメージを生成させるためのOMRIの使用に関する。 酸素は、生物学的系の代謝過程において重要な役割を演じ、体内酸素の異常な レベルにつながることがある。この代謝的役割についてのより良い理解を与える ため、また臨床診断を助けるため、身体組織内の酸素レベルを測定しうる手段を 改善する必要があるのは明らかである。 酸素濃度を測定するための従来の方法は、不満足である。このような一つの技 術は、血管内にClark電極を直接に挿入して、局所酸素濃度を決定することを伴 う。明らかに、このような技術は限られた範囲のものであり、侵入性で局所的に のみ有用である。 非侵入性技術は開発が遅々としており、一般的にサンプルの表面下の深部にあ る組織の研究には適していない。 エクスビボで使用するための最も良く開発された正確な方法は、”スピン-ラ ベル酸素測定”の方法であり、この方法では、酸素の存在に起因するフリーラジ カルのesr線幅における変化が監視される。このような技術には、一般的に、ス ピン-ラベルとして固相固定化常磁性種が用いられ、従ってインビボ測定には適 しない。 電子スピン共鳴増強MRI(本明細書においてOMRI(オーバーハ ウザーMRI)というが、より初期の文献ではESREMRIまたはPEDRIともいう)は、 充分に確立された形態のMRIであり、この場合、それからイメージが生成される 磁気共鳴シグナルの増強は、研究中の被検体における常磁性材料、一般的に持続 性フリーラジカルのesr遷移をVHF刺激する際に起きる動的核分極(オーバーハウ ザー効果)によって達成される。磁気共鳴シグナル増強は、百またはそれ以上の 中の一つの因子によって行うことができ、従って、OMRIイメージを急速にかつ比 較的に低い一次磁場を用いて生じさせることができる。 OMRI技術は、数人の著者、特にLeunbach、Lurie、Ettinger、Gruecker、Ehnho lmおよびsepponenにより、例えばEP-A-296833、EP-A-361551、WO-A-90/13047、J .Mag.Reson.76:366-370(1988)、EP-A-302742、SMRM 9:619(1990)、SMRM6:24(1 987)、SMRM 7:1094(1988)、SMRM 8:329(1989)、US-A-4719425、SMRM8:816(1989) 、Maq.Reson.Med.14:140-147(1990)、SMRM 9:617(1990)、SMRM9:612(1990)、 SMRM 9:121(1990)、GB-A-2227095、DE-A-4042212およびGB-A-2220269において説 明されている。 基礎的なOMRI技術において、造影シーケンスは、最初に、一様な磁場(一次磁 場B0)に置かれた被検体に、被検体中に存在するかまたは投与されている常磁性 増強剤において狭い線幅のesr遷移を刺激させるように選択された周波数を有す る電磁波放射、通常VHF電磁波放射を照射することを伴う。動的核分極は、結果 として、造影核、すなわち磁気共鳴シグナルの原因となる核、一般的にプロトン の励起および基底核スピンの状態間の占有率(population)の 差を増大させる。MRシグナル強度はこの占有率の差に比例するので、各造影シー ケンスの次の段階(本質的に従来のMRI技術におけるように実施される)では、 結果として、より大きな増幅MRシグナルが検出されることになる。 周囲条件下での何れのOMRI実験においても、常磁性酸素は、存在するスピン系 に対して無限効果を有するだろう。一般的にいって、これは、ラジカル電子スピ ンおよび核スピン系の主要な相互作用を比較する場合、二次的な効果であるとし て捨て去ることができる。それにもかかわらず、この効果はサンプル内の酸素濃 度を決定するのに使用できることが提案されている。しかしながら、このような 研究は、特にニトロキシドスピンラベル:すなわち広い線幅のesr共鳴、従って 酸素の効果に対して低い感度を有するという固有の不利をこうむるラジカルの使 用に集中されてきた。すなわち、今日まで、酸素の効果は、定性的な意味でのみ 認識されてきており、酸素の効果に定量的な重要性を添えようとするどの試みも 、失敗に終わっている。 例えばGruecker et al(MRM,34:219-225(1995))は、ニトロキシドラジカルの オーバーハウザー効果を測定し、オーバーハウザー因子に対する酸素の非線形効 果をその濃度に関連させることにより、酸素濃度を計算する方法が報告されてい る。これは、二つのイメージ(一方はオン-共鳴、他方はオフ-共鳴)を獲得し、 一次近似を用いてその酸素濃度に到達させることを伴う。しかしながら、Grueck erは、実際の酸素濃度と計算した酸素濃度との間の相関関係が貧弱であったこと 、従ってその方法が本質的に不正確であった ことを観察した。これは、計算に非常に多数のパラメーターが関与するためであ った。 Ehnholm(US-A-5289125)は、常磁性材料からのシグナルを、操作パラメータ ーの少なくとも二つの異なったセットにおいて検出し、これにより様々な物理的 、化学的または生物学的パラメーターを有するイメージを生じさせる。MRI技術 を提案している。酸素張力はこのような幾つかのパラメーターの一つであるが、 Ehnholmはこの技術を用いて溶存酸素を定量することを実証しなかった。 本発明は、サンプルの酸素濃度を決定するための非侵入性方法に関する。この 方法は、投与された持続性フリーラジカルの電子スピン共鳴遷移が飽和されると 、分極が動的にプロトンに伝達され喝というオーバーハウザー効果の操作を伴う 。より詳細には、本方法は、酸素の存在下でのフリーラジカルの変化した飽和特 性によるプロトンシグナルの変動増強を観察し、かつ操作することに基づいてい る。 従って、一つの観点からみると、本発明は、サンプル、例えばヒトまたはヒト 以外の動物、好ましくは哺乳類中の酸素濃度を検出する方法を提供し、この方法 は、以下の工程を含んでいる:前記サンプル中に、線幅(水中37℃にて測定)が4 00mG未満、好ましくは150mG未満のesr遷移を有する、有効量の生理的に許容され るフリーラジカル(一般的に持続性ラジカル)を導入する工程;前記サンプルに 、前記ラジカルの電子スピン共鳴遷移を刺激するように選択された振幅(すなわ ちパワー)および周波数を有する電磁波放射(本明細書において一般的にVHF電 磁波放射という)を照射する工程;前記サンプルからの電子スピン共鳴増強磁気 共鳴シグナル を、少なくとも第一、第二および第三条件において検出する工程、この際、前記 第一および第二条件において、前記電磁波放射が第一周波数を有するものであり 、前記第三条件において、前記電磁波放射が前記第一周波数とは異なる第二周波 数を有するものであり、前記第一、第二および第三条件において、前記電磁波放 射が第一、第二および第三振幅を有するものであり、前記第一および第二振幅が 少なくとも互いに異なっており;および前記検出されたシグナルを操作し、これ により、前記サンプル中の酸素濃度を決定する工程。 好ましい実施態様において、本発明の方法は、 (a)ラジカルを、例えば非経口的に、例えば注射により、身体組織中または 脈管構造中に導入する工程; (b)前記サンプルの第一OMRIイメージを、VHFパワーPA、照射期間TVHF1およ びオン-共鳴(ΔH=0)(すなわち、電磁波放射の周波数がesr遷移の共鳴周波数と なるように選択される場合)において生成させる工程; (c)前記サンプルの第二OMRIイメージを、第二VHFパワーPB、照射期間TVHF1 およびオン-共鳴(ΔH=0)において生成させる工程; (d)前記サンプルの第三OMRIイメージを、VHFパワーPC(例えばPAまたはPBに 等しい)、照射期間TVHF1およびオフ-共鳴(ΔH≠0、例えば100〜200mG)におい て生成させる工程; (e)工程(b)〜(d)において得られたイメージを操作し、エクスビボで決定さ れたパラメーターを用いて検量して、前記サンプルの酸素イメージを提供する工 程 を含んでいる。 特に好ましい実施態様において、第四および第五OMRIイメージを、造影シーケ ンスにおいて追加的に生成させる。第四イメージのための条件は第一イメージと 同一であるが、VHF照射期間TVHF2は異なり(例えば2倍の長さ、すなわちTVHF2=2 TVHF1)、第五イメージは、VHF照射を行わずに得られ、例えば強度I0の自然のイ メージであり、従来のMRIにより反復時間TR=TVHFを用いて生成される。 もう一つの実施態様において、サンプル(例えば身体)の自然のイメージ(す なわち従来のMRIにより得られるもの)を生成させて、その上に酸素イメージを 重ることが可能な構造的な(例えば解剖上の)情報を提供することができる。この ようにして、例えば酸素欠乏腫瘍の正確な位置確認が可能であろう。 身体組織中の酸素レベルを正確に測定することは、臨床医にとって非常に貴重 な援助となり、本発明の方法は、様々な最終用途を有する。例えば血液中の溶存 酸素の濃度の知識を用いて(既知の速度定数により)、ヘモグロビンに会合した 酸素の濃度を計算することができる。これは、現在のところ、望ましくない侵入 性技術によるか、あるいは、常磁性鉄に対する酸素の効果を決定するのに高磁場 イメージを必要とするが、血中酸素濃度を決定するために、その中で測定が行わ れる血液の体積を知る必要があるという欠点を有するBOLD MR造影技術の使用に よるかの何れかによって測定される有用なパラメーターである。 本発明の方法の他の用途は、当業者にすぐに分かることであり、 例えば心臓および動脈の酸素造影(例えばマッピング)、および例えば脳、胸部、 肺、リンパ球組織および肝臓の表面領域における悪性腫瘍の酸素造影(例えばマ ッピング)が挙げられる。腫瘍の酸素造影の場合、放射線治療での悪性腫瘍の処 置における成功は、組織中の酸素レベルに反映させることができる(典型的には 、0.01mM未満の酸素濃度は、その組織が壊死性であること、従って処置は恐らく 有効でないことを示すだろう)。 また、本発明の方法は、心臓学、外科および集中ケアにおいて有用であり、こ れらの場合、酸素および潅流のレベルでさえも、殆ど全ての組織において非侵入 的に評価できる。 本発明の方法において検出されたMRシグナルの操作により、ラジカル濃度の指 標となるイメージデータセット(すなわち、それからイメージを生成させうるデ ータセット)、およびラジカル電子緩和時間(一般的にT1e、T2eまたはT1e.T2e) の指標となる一つまたはそれ以上のイメージデータセットが生成され、また、こ れらのデータセットの操作およびエクスビボ検量データを用いた検量により、酸 素濃度の指標となるイメージデータセットが得られる。この酸素濃度イメージデ ータセットは、酸素濃度イメージに変換できるか、あるいは上限または下限フィ ルター処理して、高酸素濃度または低酸素濃度の領域を同定でき、これは所望な らば再びイメージとして表示できる。 概して、プロトンMRシグナルのオーバーハウザー増強は、本発明の方法に用い られるラジカルのesr遷移の緩和時間T1eおよびT2eに依存する。これらの緩和時 間それ自体は、体液の温度およ び化学的性質に依存するばかりでなく、体液中のラジカルおよび溶存酸素の濃度 にも依存する。しかしながら、オーバーハウザー増強は、エクスビボで既知のラ ジカル濃度を有する単離された小体積サンプルの酸素濃度を決定するのに容易に 使用できる一方で、インビボでの酸素濃度の決定は複雑である。なぜならば、オ ーバーハウザー増強は、特に、大きなサンプル中へ電磁波放射が不均一に浸透す るため、単離されない大きなサンプル、例えば生きた身体に関するサンプル構造 にも強く依存しているからである。 すなわち、本発明の方法は、その中で酸素化を決定しようとする体液に相当す る液体サンプル(例えば血液)中のラジカルおよび酸素の濃度の範囲に関してプ レ-セット温度(例えば37℃)で得られる検量データを必要とするが、サンプル について検出されたOMRIシグナルからインビボ酸素濃度を抽出するために、さら なるデータ操作が必要である。 検量データは、選択された体液中のラジカルに関するオーバーハウザー増強値 を、選択された温度およびある範囲の酸素濃度(および好ましくはラジカル濃度 )において決定することにより生成される。ラジカルに関する固有esr緩和時間 は、同じ条件において、温度制御装置を備えた従来のesr分光計を用いて決定す ることができ、酸素濃度は、正確で再現性のある結果を生じさせることが知られ ている方法であるRavin et al J.Appl.Physiol.18:784-790(1964)の方法を用 いて決定される。 一般的に、0.2mM以下、好ましくは1.0mM以下、特に1.5mM以下のラジカル濃度 、および0.1mM以下、好ましくは0.5mM以 下の酸素濃度を調査して、検量データを生成させるべきである。 一つの好ましいラジカル(本明細書において過重水素化ヒドロキシトリチルと いう)に関しては、血液サンプルの37℃でのこのような検量は、最大オーバーハ ウザー増強は(すなわち無限VHFパワーおよび無限ラジカル濃度において)、192で あり、またT1、すなわちプロトン緩和性は0.44mM-1s-1であることを示した。ラ ジカルおよび酸素の濃度に対するT1eおよびT2eの依存性は、下記の線形関数: (ここで、γeは電子磁気回転比であり、Cradはラジカル濃度(mM)であり、CO2 は酸素濃度(mM)であり、T1eおよびT2eは電子緩和時間(s)であり、係数は線 幅が測定される単位(mG)である。 同様の数式は、何れのラジカルが本発明の方法に用いられる場合であっても、 実験的に誘導できる。 この検量データを用いると、T1e、T2eまたはT1e.T2eがサンプルのOMRIイメー ジにおけるピクセルに関して計算されれば、式(1)、(2)または(3)を用い てそのピクセルに関する酸素濃度を容易に決定することができる。ラジカル濃度 は、本発明の方法により 検出されたMRシグナルの操作によって決定することができ、これによりラジカル 濃度イメージデータセットを生じさせることができる。 しかしながら、ピクセルに関するT1e、T2eまたはT1e.T2eの値は、造影手法に おいて検出されたOMRIシグナルから抽出する必要がある。本発明の方法に使用さ れるOMRI造影シーケンスは、従来のシーケンスの何れであってもよい。しかしな がら、このような一つの有用なシーケンスは、図1に図式的に示されている。こ のシーケンスは、水プロトンに関するT1とほぼ同じ大きさのVHF照射時間(TVHF) 、およびT2よりもずっと短い時間TEの単一エコーを伴う。次いで、ピクセル強度 (I)は、式(4): により与えられる。VHF照射の間、動的プトン分極<Iz>が生じる。定常状態は、 次のオーバーハウザーの式(5) く(ここでIOは平衡磁化を表す)、 kはカップリング係数であり(低磁場では1/2に等しい)、 fは漏れ係数であり、 (SO-<SZ>)/SOは電子スピン遷移の飽和度(SAT)である)によ り支配される。 漏れ係数fは、次の式(6): (式中、rはラジカルの緩和性であり; Cradはラジカル濃度であり; T10はラジカルの非存在下でのプロトン緩和時間T1である) によって与えられる。 最終イメージのピクセル強度は、次の式(7) (式中、IOは自然のイメージピクセルの強度である)により与えられる。 式(7)における外挿係数のテイラー展開から分かるように、TVHFがT10よりも 有意に小さいならば、T1は一次オーダーに消失する。SATは、励起VHF磁場B1eの 強さに依存し、かつ基本的なブロッホ(Bloch)の式に従う。esr遷移が単一ロー レンツ(Lorentzian)である場合には、これは、SATが次の式(8) (式中、αは変換ファクターであり; PはVHFパワーであり; Δωはオフ-共鳴VHF励起周波数の共鳴からの距離である(オン-共鳴周波数が用 いられる場合は、Δωは、もちろんゼロである))により与えられることを意味 する。 変換ファクターαは、インビボでの大きなサンプルイメージにおいては著しく 空間的な変数であり、従ってP、SAT、γeおよびΔωの知識はそれ自体で、酸素 濃度の決定を可能にするのに充分ではない。 さらに、殆どの場合、esr遷移は、ラジカル分子内の残留磁気カップリングの ため、単一Lorentzianではない。ここで挙げるトリチル類のような狭いesr線幅 のラジカルを用いる場合のように、カップリング定数が線幅よりもずっと小さい 場合には、共鳴の線形はフォークト(voigt)関数になり、SATは、次の式(9) (式中、ΔHPP GおよびΔHPP Lはガウスおよびローレンツ関数(Gaussian and Lore nztian functions)の第一誘導ピーク-対-線幅であり、磁場内の単位ΔHはオフ- 共鳴磁場である)で示されるようなガウス強度関数により荷重された全てのオフ- 共鳴値の積分であろう。 式(8)および(9)は、それぞれ均一または不均一に広がった単一esrピーク に適用される。大きなカップリングで充分に分離さ れたピークの場合、飽和度はファー-オフ-共鳴分画に相当する因子によって減少 されるであろう(ニトロキシド類の場合は、窒素カップリングのため1/3であり、 トリチル類の場合は、多数の13Cカップリングのため0.8である)。 本発明の方法において、データ操作は、ピクセル-対-ピクセル基準で決定され たSATを式(8)または(9)の一つに当てはめることであり、これにより、再びピ クセル-対-ピクセル基準でT1e、T2eまたはT1e.T2eを抽出し、こうして式(1)、 (2)または(3)(あるいは本方法に用いられるラジカルに対して適する等価の 式)からピクセル酸素濃度を計算するのを可能にする。 本発明の方法の一つの好ましい実施態様において、データ操作を行って、不均 一な広がり(式(9))に基づいてesr線幅を計算する。 その最も初歩において、この方法は三つのOMRIイメージの生成を必要とする。 しかしながら、これらは、オフ-共鳴で記録されたさらなるイメージで補うこと ができ、かつ補うことが好ましく、また、異なる照射時間で記録されたイメージ および自然のイメージで補うことも好ましい。 本方法の初歩的な説明において、イメージA、BおよびCは下記のように記録 される。 A:VHFパワーPA Δω=0(すなわち、オン-共鳴)ΔH=0 照射時間TVHF=TVHF1 B:VHFパワーPB(≠PA)Δω=0 照射時間TVHF=TVHF1 C:VHFパワーPC(例えば=PAまたは=PB)Δω≠0 (すなわち、オン-共鳴)ΔH≠0(例えば100〜200mG) 照射時間TVHF=TVHF1 これらの条件において、ピクセル強度は次の式: (式中、rCradT1<<1の場合、A=Galn x proton density x rCradT1 x(1-exp(- TVHF/T1))であり、 (Gainはシステムゲイン因子であり、proton densityはピクセルのプロトン密 度である); B=Gain x proton density x(1-exp(-TVHF/T1))である)のように表すことが できる。 式(10)は、五つの未知数:すなわちT1、proton density、 ラジカルが分布する液体媒体において、大きな増強(例えば約10倍)、T1に対し て短いTVHF1および本質的に均一なプロトン密度では、Bを省略することができ 、三つの未知数、Crad、ΔHL PPおよびαT1eは、それぞれイメージA、Bおよび Cから得られた三つのI値から、ピクセル-対-ピクセル基準で当てはめることが できる。次いで、ラジカル濃度(Crad)は、Gainおよびrを用いてA基準により 評価して、ラジカル濃度イメージを得ることによって決定できる。ΔHL PPの決定 値およびラジカル濃度イメージを用いて、式(1)から酸素濃度イメージを計算 することがで きる。 酸素濃度のより正確な決定は、さらに二つのイメージ、すなわち、オン-共鳴 でパワーPAおよび照射時間TVHF=TVHF2(ここで、TVHF2≠TVHF1、例えばTVHF2= 2TVHF1)における一つのイメージD、およびVHF刺激を行わない第二のイメージ Eを、反復時間TR=TVHF1で従来のMRを用いて生成させるならば、この方法を用 いて行うことができる。イメージEは、ピクセルに関する自然の強度IOを与える 。 ピクセル強度に関する五つの値から、五つ全ての未知数を計算することができ 、再び濃度イメージおよびΔHL PPを得ることができ、これから、式(1)を用い て酸素濃度イメージを決定することができる。 この方法において、体液およびラジカルを含有する参照サンプルを、サンプル 表面(例えばラジカルを既知濃度で含有する血液のチューブ)の付近に配置すれ ば、酸素濃度イメージを調節して、濃度をよりいっそう正確に表現することがで きる。 本発明の方法のもう一つの好ましい実施態様は、式(3)の、すなわち、積T1e .T2eの酸素濃度に対して感度がより高いという利点を有する。しかしながら、こ の方法はピクセルにおけるVHF磁場を与えるαを決定することを必要とする。 このさらなる方法において、酸素濃度およびラジカル濃度イメージは、上記の ような三つまたはそれ以上のイメージから計算され、1/T1eイメージはこれらの イメージから計算され、α-イメージは、1/T1eイメージに、決定されたαT1eを 積算することにより計算 される。次いで、α-イメージは、例えば多項式関数を用いて平滑化される。参 照サンプルを、上記のように調査中のサンプル付近に配置することが好ましい。 これを行うと、α-イメージの平滑化は、参照サンプル部位における所定の値で の平滑化関数を用いて達成することができる。これは、イメージの統計的エラー を減少させ、αの空間的変数が遅いかのように正当化され、かつ、所定の参照点 で、正確なαイメージを生じさせる。 このαイメージを用いて、ΔHL PP1/T1eとの積を計算することができ、これ (1/T1e.T2eに依存する)およびラジカル濃度イメージから、より正確な酸素イ メージを計算することができる。 参照サンプルチューブを用いないならば、それでも平滑化α-イメージを計算 できるが、この場合は、決定されたα-値は、検出されたOMRIイメージからの三 つ(または五つ)の変数の計算に用いることが好ましく、もう一つの平滑化α- イメージは、得られた1/T1eイメージから計算され、この手順は、連続的に生成 されたα-イメージが本質的に変化しなくなるまで繰り返される(すなわち、この 手順はベスト-フィットに集束する)。 本発明に係る方法で集められたデータに適用される様々な計算方法は、サンプ ル中の酸素濃度の正確な決定に対して重要な工程である。大きなesr線幅を有す るラジカル(典型的にはニトロキシド類)の場合は、ローレンツのモデルは線形に 関して正確な近似であるが、狭いesr線幅のラジカルの場合は、線形のより正確 な解析が必要とされ、かつ酸素濃度のより正確な決定に導く。 従って、本発明に係る方法は、サンプルが典型的にヒト身体のサ イズのものである場合、3×3×10mmのボクセル、100秒の獲得時間、0〜0.1mMの 酸素濃度および0.1〜0.2mmol/kg体重のラジカル投与量に関して、典型的には約 5%未満またはそれに等しい、実際の酸素濃度と計算された酸素濃度の間での一 致した因子に導く。 VHF磁場の空間的変数が計算可能である場合、前記のさらなる方法は、縦関係 時間(または縦および横緩和時間の積)の絶対的定量を与える。縦緩和時間は( また、縦および横緩和率の積もなおさら)、酸素に対する感度がより高いので、 この方法は全体として、より高感度の技術である。 前記の方法を、様々な未知のパラメーターの計算へのフォークト関数の使用に 集中して説明してきたが、本発明の方法は、ローレンツ関数がesr線形の正確な モデルである場合は、同様にこれらの関数の使用を伴い、このような方法は、本 発明のもう一つの実施態様を形成する。例えば、大きな線幅のラジカル(典型的 にはニトロキシドラジカル)において、不均一性の効果は無視することができ、 線形は、本質的にローレンツのものになるだろう。従って、この好ましい実施態 様において、データ操作工程は、本質的に、SAT(ピクセル-対-ピクセル基準で決 定されたもの)を式(8)に当てはめることとなり、ピクセル-対-ピクセル基準で T1e、T2eおよびT1e.T2eを抽出し、これにより、式(1)、(2)および(3)のよ うな経験的関係から酸素濃度を計算することを可能にする。 実際には、本発明の方法において、流れ効果に対する補正を必要とすることが あり、適当な工程は当業者に公知である。例えばサン プルの粘度、pH、温度、ラジカルの自己広がり等のような他のパラメーターは、 典型的には二次的効果のみであり、従って、本発明の方法における常磁性酸素の 一次オーダーの効果と比較した場合、無視することができる。しかしながら、ラ ジカルの自己広がりは、式(1)〜(3)において補正される。 一般的にいって、本発明の方法のためには、生理的条件において安定であり、 充分に長い半減期(少なくとも1分、好ましくは少なくとも1時間)を有し、長 い電子緩和時間および良好な緩和性を有するならば、従来の全てのフリーラジカ ルを使用することができる。本発明の方法の検討から、酸素測定の感度は、狭い esr線幅、例えば500mG以下、好ましくは150mG未満、特に60mG未満の線幅を有す るラジカルにより改善されることが明らかであろう。実例として、500mG/mM O2 の線の広がりに関して典型的な酸素感度の場合、5O0mGのT2e関連線幅を有するラ ジカル(例えばLurieetalによりJ.Mag.Reson.76:366-370(1988))で提案された タイプのニトロキシドラジカル)は、0.1mMの酸素濃度上昇に関して僅かに10%の 線幅の増大を与えるのに対し、50mGの線幅を有するラジカルの場合は、同等の酸 素濃度上昇に関して100%増大する。 好ましくは、本発明の方法に使用するために選択されるラジカルは、細胞外液 中に実質的に分布すべきである(すなわち、ECF剤であるべきである)。なぜなら ば、常磁性鉄(例えば赤血球内の鉄)の効果がそこで無効になることがあるため である。 本発明の方法に使用するためのラジカルの別の好ましい特徴は、 低い自己広がり効果、ラジカルそれ自体のmM当たり好ましくは100mG未満、特に 好ましくは0〜50mGを有することである。 本発明の方法に特に適した狭いesr線幅および自己広がり効果を示す化合物の 特に好ましい一群は、WO-A91/12024、US-A5530140および米国特許出願番号08/46 7,273(Nycomed Innovation AB)およびNycomed Imaging ASの国際特許出願番号 PCT/GB95/02151において論じられたトリアリールメチルラジカル(以下、”トリ チル”という)、ならびにそれらの重水素化類似体である。 本発明の方法に使用するの殊に好ましい化合物は、下記式:(式中、 nは0、1、2または3であり; R1はカルボキシル基またはその誘導体であり; R2は水素、あるいは所望によりヒドロキシル化またはアルコキ シル化されていてもよいC1-6アルキル基であり、そのアルキル基自体はヒドロキ シル化されていてもよく、好ましくはCmH3、CmH2OHまたはCmH2(OR3)基であって もよい(ここで、mは1または2であり、すなわち2Hは重水素であり、R3が所望によ りヒドロキシル化されていてもよいC1-6アルキル基である場合、所望によりヒド ロキシル化されていてもよいエチル基であることが好ましい))で表されるもの; およびその塩および前駆体および重水素化類似体である。 もちろん、この定義は、投与のしばらく前に、またはその場でも、フリーラジ カルを生成させるラジカル生成工程を受けることのできるラジカル前駆体を包含 することを意図している。ラジカル前駆体およびラジカル生成工程は、当業者に よく知られている。特に好ましいトリチル類は、下記式で表される化合物(ここ で、それぞれ過重水素化トリチル、非-重水素化ヒドロキシトリチル、重水素化 ヒドロキシトリチルおよび対称トリチルという): そしてまた、下記式の化合物:およびその重水素化類似体である。 本発明の方法に使用するのに適したフリーラジカルの製造は、多くの場合よく 知られた合成手法であり、他の場合は例えばWO-A-91/12024、US-A-5530140およ び米国特許出願番号08/467,273(Nycomed Innovation AB)において論じられてい る。過重水素化トリチルは、以下の実施例15〜20において、その非-重水素化類 似体の製造について記載された方法によるが、最初のケタール化工程(WO-A-91/ 12024の実施例2に記載されている)においてアセトンの代わりにアセトン-d6を 用いて製造することができる。重水素化ヒドロキシトリチルは、一般的に、縮合 環の形成および重水素化的還元の連続的工程に続いて、実施例23〜27において非 -重水素化類似体の製造について記載されたのと類似の工程によって製造される 。これは実施例33〜37に従って製造することもできる。 本発明のさらにもう一つの観点を形成する化合物は、下記式: (式中、 nは0、1、2または3であり; R1はカルボキシル基またはその誘導体であり; R2は水素、あるいは所望によりヒドロキシル化またはアルコキシル化されてい てもよいC1-6アルキル基であり、そのアルキル基自体はヒドロキシル化されてい てもよく、好ましくはCmH3、CmH2OHまたはCmH2(OR3)基であってもよい(ここで 、mは1または2であり、すなわち2Hは重水素であり、R3が所望によりヒドロキシ ル化されていてもよいC1-6アルキル基である場合、所望によりヒドロキシル化さ れていてもよいエチル基であることが好ましい); ただし、nが0、2または3のとき、少なくとも一つのR2基はアルコキシル化され たC1-6アルキル基であり、そのアルコキ シ基自体はヒドロキシル化されていてもよいものとする)で表されるもの; およびその塩および前駆体および重水素化類似体、殊に次の化合物およびその重水素化類似体である。 本発明の方法のためのラジカル化合物の別の特に有用な群は、重水素化ニトロ キシドラジカル、殊に過重水素化された2,5-ジ-t-ブチル-3,4-ジメトキシカルボ ニル-ピリルオキシル類であり、これらは著しく狭い線幅を有する。これらの化 合物は、2.5-ジ-t-ブチル-3,4-ジメトキシカルボニル-ピリルオキシルから、メ チルエステル部分をメタノール-d4とのエステル交換により重水素化し、および/ またはアセトン-d6から出発する一連の多段階工程を経由してt-ブチル基を重水 素化することによって製造することができる。 インビボでの造影のためには、ラジカル化合物は、もちろん、生理的に許容さ れるラジカルであるか、または生理的に許容される形態(例えば溶液、カプセル 封入または前駆体)であるべきである。ラジカルは、好都合には、従来の製剤用 担体または賦形剤と一緒に処方して、コントラスト媒体にすることができる。 本発明に従って使用されるコントラスト媒体は、不活性フリーラジカル(また はラジカル形成を投与の直前に行おうとする場合は、非-ラジカル前駆体)のほ かに、ヒトの医学または獣医学における治療および診断用組成物に普通であるよ うな処方助剤を含有することができる。従って、本媒体は、例えば可溶化剤、乳 化剤、粘度上昇剤、緩衝剤等を含有できる。本媒体は、非経口的(例えば静脈内 )適用または経小腸的(例えば経口)適用、例えば外部排出管を有する体腔(例 えば胃腸管、膀胱および子宮)内への直接的適用、あるいは心臓血管系、筋肉ま たは他の組織内への注射または注入に適した形態にあってよい。しかしながら、 生理的に許容される媒質中の溶液、懸濁液および分散液が一般的に好ましい。 インビボでの診断造影に使用するために、実質的に等張性であることが好まし い本媒体は、好都合には、造影領域中で1マイクロモル〜10mM、好ましくは0.05 〜1mM、特に0.1〜0.3mMのフリーラジカル濃度を生じさせるのに充分な濃度で投 与できる。しかしながら、正確な濃度および投与量は、もちろん、ある範囲の因 子、例えばコントラスト剤の毒性、器官標的能および投与経路に依存する。フリ ーラジカルの最適濃度は、様々な因子間でのバランスを表す。一般的に、最適濃 度は、殆どの場合0.1〜100mM、特に0.2〜10mM、さらに特に0.5〜5mMの範囲にあ る。静脈内投与のための組成物は、フリーラジカルを1〜1000mM、特に5〜500mM の濃度で含有することが好ましい。イオン性材料の場合、濃度は5〜200mM、殊に 10〜150mM、非-イオン性材料の場合、20〜400mM、殊に30〜300mMが特に好ましい 。 従って、異なる観点からみると、本発明は、インビボでのオキシメトリーへの 、持続性フリーラジカル、好ましくは固有esr線幅の狭いラジカル、特に好まし くはトリチルラジカルの用途を提供する。 以下の実施例は、本発明を非限定的な方法で説明するために意図されたもので ある。実施例 以下の4つの水溶性、単一ESRライントリチルを、NMRD、ダイナミック核分極 (DNP)およびESR(実施例1〜4)によって調査した。 (1)ビス-(8-ナトリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラキス-(2H3メチル)- ベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)-ジチオール-4-イル)-モノ-(8-ナトリウムカル ボキシレート-2,2,6,6-テトラキス-(2H3メチル)-ベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1, 3)-ジオキソール-4-イル)メチル。 ここで、過重水素化トリチル(MW=1080)と記す。 (2)ビス-(8-ナトリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラヒドロキシメチルベ ンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)-ジチオール-4-イル)-モノ-(8-ナトリウムカルボ キシレート-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)-ジオキソー ル-4-イル)メチル。 ここで、非重水素化ヒドロキシトリチル(MW=1129)と記す。 (3)ビス-(8-ナトリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラキス-(ヒドロキシ-2 H3−メチル)-ベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)-ジチオール-4-イル)-モノ-(8-ナ トリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1 ,3)-ジオキソール-4-イル)メチル。 ここで、重水素化ヒドロキシトリチル(MW=1145)と記す。 (4)トリス-(8-ナトリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラキス-(2H3-メチル )-ベンゾ[1,2-d:4,5-d'コービス(1,3)-ジチオール)メチル。 ここで、対称トリチル(MW=1151)と記す。 実施例1 緩和性およびDNP増強データを、23℃および37℃にて、水、 血漿および血液中で測定した。結果を、表1および2に示した。 表 1 血漿および血液中における重水素化ヒドロキシトリチルのNMRDプロフィールおよ びDNP増強曲線からのパラメータ 表 2 水中における、3つのラジカルに対する無限濃度および出力での緩和性および増 強 実施例2 電子スピン緩和率を、23℃および37℃で、重水素化ヒドロキ シトリチルに付いては水、等張性食塩水、血漿及び血清中の、および過重水素化 及び対称トリチルに付いては水及び等張性食塩水中の、CWESRスペクトルおよびD NPデータの解析によって測定した。結果を、表3に示した。 表 3 mG/mMピーク対ピーク値で示された、水中での3つのラジカルに付いての等張性 食塩水における、および重水素化ヒドロキシトリチルに付いての37℃の血液にお ける、濃度依存緩和率。 実施例3 酸素濃度測定用検量線の作成を、9GHzでのx-バンドにおいて、ESRを用いて、3 7℃での水および血漿中の、過重水素化トリチル及び非重水素化ヒドロキシトリ チルに付いて行なった。実験は、温度制御装置付きのvarian X-バンドスペクト ロメータを用いて行なった。温度を正確に決定するために、熱電対を超音波キャ ビティの近傍に配置した。流動ガス混合物によって迅速に平衡化させるために、 サンプルを薄壁テフロンキャピラリー内に導入した。Sensormedics Oxygen Anal yzer OM-11を用いて、流動ガス中の酸素パーセンテージを決定した。温度制御お よび酸素化のためのガス圧力を、20psiに維持した。電子スピン共鳴のライン幅 および飽和を測定した。B1検量線標準物質として、フレミー(Fremy)の塩を選 択し、変換ファクター(行目の式:貼付)を得た。 結果を、ライン幅が酸素濃度の関数として与えられる図2および図3に示した 。37℃での血漿における過重水素過トリチルの酸素幅拡張は、583mG/mMO2で あった。実施例4 重水素化ヒドロキシトリチルの酸素感受性を、ESRおよびDNPによって、23℃お よび37℃で水および血液中、260MHzにて試験した。望ましい酸素分圧は、単純振 盪トノメータで得られた。1〜2mlのサンプルを、サンプル上を緩やかに流れる 水飽和ガス混合物とともに、5分間振盪した。サンプルおよびガスは、水浴中に 入 れて温度を維持した。ガス混合物は高純度であり、化学的に分析されていた。結 果を、図4〜図7および表4に示した。ローレンツライン拡張(Lorentzian lin e broadening)は、37℃および23℃の水中において、各々511および369mG/mMO2 であり、23℃の血液中で329mG/mMO2であった。 表 4 水及び血液中の、23℃及び37℃での重水素化ヒドロキシトリチルに付いての、mG /mMピーク対ピーク値における緩和率、および酸素濃度の関数としてのmG/mMにお ける逆DNP曲線の傾斜の平方根。 実施例5 以下の実験を(上記で定義した)ヒドロキシトリチルを用いて行なった。また 、実験は、一次磁場強度を0.1から0.01Tに減少させ、かつ振動数範囲200〜300M Hzおよび出力範囲0〜100WでVHF放射を放出するVHFエミッタを組み込むことによ り、OMRIで の使用に適合させたPicker Nordstar MEGA 4 250-300 MR装置で行なった。 (a)異なるラジカル濃度および酸素張力を有する血液サンプル ラジカル濃度および酸素イメージを、3つの異なるラジカル用量、2.0mM、4.0 mMおよび6.0mMでの血液サンプル中において、算出した。結果を図8に示した。 パラメータ: スキャン時間 4:36min TR/TE 270ms/20ms スライス 4mm ピクセルサイズ 0.5×O.5mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×256(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 256×256 (b)OMRI 酸素濃度測定 酸素含有量が異なるガス吸入後におけるインビボ酸素濃度を示す、体重120gの 三匹のラットのイメージを得た。ラジカル用量は、 1.5mmol/kgであり、注射容積1.5ml、注射時間10s(最初のイメージが得られる10s 前)で尾静脈に注射した。結果を図9に示す。 パラメータ: スキャン時間 3:28min TR/TE 270ms/20ms スライス 5mm ピクセルサイズ 0.75×0.75mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×192(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 192×192 (c)OMRI 酸素濃度測定 酸素含有量が異なるガス吸入後におけるインビボ酸素濃度を示す、体重125gの 五匹のラットのイメージを得た。ラジカル用量は、1.5mmol/kgであり、注射容積 1.5ml、注射時間15s(最初のイメージが得られる15s前)で尾静脈に注射した。結 果を図10に示す。 パラメータ: スキャン時間 3:28min TR/TE 270ms/20ms スライス 5mm ピクセルサイズ 0.75×0.75mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×192(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 192×192 (d)OMRI 酸素濃度測定 実験を行ない、肺における測定酸素張力と、吸入ガス中の酸素濃度との相互関 係を調査した。体重150gのラットに、ラジカルを、用量1.0mmol/kgで、注射容積 0.5mlおよび注射時間10s(最初のイメージが得られる10s前)にて尾静脈に注射し た。結果を図11に示す。 パラメータ: スキャン時間 1:44min TR/TE 270ms/18ms スライス 5mm ピクセルサイズ 1.0×2.0mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×96(読取り方向において過サンプリン グ) 偵察マトリックス 192×96 (d)OMRI 酸素濃度測定 実験を行ない、肺における測定酸素強度と、吸入ガス中の酸素濃度との相互関 係を調査した。体重150gのラットに、ラジカルを、用量1.0mmol/kgで、注射容積 0.5mlおよび注射時間10s(最初のイメージが得られる10s前)にて尾静脈に注射し た。結果を図11に示す。 パラメータ: スキャン時間 1:44min TR/TE 270ms/18ms スライス 5mm ピクセルサイズ 1.0×2.0mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×96(読取り方向において過サンプリン グ) 偵察マトリックス 192×96 (e)OMRI 酸素濃度測定 クランピング後に1つの高出力イメージおよび1つの算出酸素イメージを得た 。体重132gのラットに、ラジカルを、用量2mmol/kgで、注射容積1.0mlおよび注 射時間60s(最初のイメージが得られる15s前)にて尾静脈に注射した。イメージン グはクランピング後8分に開始した。結果を図12に示す。 パラメータ: スキャン時間 3:28min TR/TE 270ms/20ms スライス 8mm ピクセルサイズ 1.0×1.0mm2 平均 2 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×192(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 192×192 実施例6 本発明の方法において有用でもある一連の部分的または全体的重水素化ニトロ キシド(化合物3a〜3d)のESR-分光特性を調査した。これらラジカルは、2,5-ジ -t-ブチル-3,4-ジメトキシカルボニル-ピリルオキシル(化合物3a)から誘導さ れ、イメージングの目的でしばしば使用されるニトロキシドの典型的例であるTe mpone(4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジン-1-オキシル,1)およびCTPO(3 -カルバモイル-2,2,5,5-テトラメチル-ピロリン-1-イルオキシル,2a)と並べて調 査された。材料 4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジン-1-オキシル,1(Jansen,95%)、4- オキソ-2,2,6,6-テトラメチル-ピペラジン-d16-1-オキシル,1-d16 (MSD同位体,9 8原子%D)および2,2,5,5-テトラメチル-3−ピロリン-d13-オキシル-3-カルボン 酸,2b-d13 (MSD同位体,97.5原子%D)を提供を受けたまま用いた。2,2,5,5-テト ラメチル-3-ピロリン-1-オキシル-3-カルボン酸,2bは、先の研究から得られた。 メチル-4,4-ジメチル-3-オキソ-ペンタノエート(Aldorlch,99%)(5a)、トリメ チルシリル沃素(TMSI,Jansen,97%)、アセトン-d6(Glaser AG,>99.5%D)および メタノール-d4(CIL,>99.8%d)を供給されたまま用いた。ピナコロン-d12を、ア セトン-d6から、非重水素化化合物に付いてOrganic Synthesis Coll.,1,459-462 で説明されるように調製した。ジエチルエーテル(Anhydroscan,<0.01%H2O)を 、使用前に中性アルミナに通し た。水酸化ナトリウム(Aldrich,鉱油中の80%懸濁液)および過酸化ニッケル(A ldrich)を、提供を受けたままで用いた。全ての他の化学物質は、入手し得る市 販最高品質のものであり、提供を受けたままで用いた。装置 ESR-スペクトルは、Bruker ER-200D SRC装置の発展型ESP3220-200SHによって 、22°で記録した。ラジカル濃度は、0.1〜0.2mMであり、変調振幅は10mGであっ た。超音波出力は飽和より十分に下であった。NMR-スペクトルは、Varian XL-30 0スペクトロメータで記録した。質量スペクトルは、ESPC電子スプレーを備えたV G Quattor II装置を用いて記録した。GLC分析は、熔融シリカカラム(30m,0.25 μm,HP-1701)を備えたHP 5830 ser II装置で行なった。TLC分析およびカラムク ロマトグラフィー分離は、Silica Gel 60で、溶離液としてヘプタン/エーテルを 用いて行なった。5c の製造 NaH(22.9g,0.77モル)およびジメチルカーボネート(64.1g,0.77モル)を、ピ ナコロン-d12(32.4g,0.29モル)で、非重水素化化合物に付いて、J.Am.Chem,So c.,72,1356(1950)に説明されるように処理し、98-100℃/6mmで沸騰する5c(28.1g ,0.17モル)を得た。 5b および5dの製造 メチル-h3エステル(5a,5c)をCD3OD中に溶解し、2mol%NaOCD3で処理した。蒸 発後、この手順を繰り返し、NMRによってメチル基からのプロトンが認められな くなったときに、エステル交換が完了したと判定した。混合物を蒸発し、エーテ ルを加え、蒸発し、次の工程にこれ以上精製することなく用いた。6d の製造 Ar下、15mlのエーテル中のNa(1.22g,53mmol)の攪拌懸濁物に、30mlのエーテル 中の5d(8.5g;49mmol)を、2時間かけて添加した。さらに4時間攪拌した後、50ml のエーテル中のI2(6.35g,25mmol)の溶液を、1時間かけて滴下した。混合物を 一夜放置し、得られた白色懸濁物をエーテル/飽和NaOH水溶液に投入した。水層 をエーテルで2回抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、蒸発し、クロマ トグラフィーにかけた。4.8g(14mmol,56%)の6dが、ジアステレオマーの混合物か らなり、かつ2つの不斉(および酸性)炭素で不十分に重水素化された無色油とし て収集された。 6a6cを、5a5cから同様にして収率40〜60%で製造した。7d の製造 NaOCOCH3(1.78g,13.0mmol)、13mlの水中のNH2OHxHCl(0.80g,11.5mmol)およ び35mlのCH3COOH中の6d(2.80g,8.2mmol)を混合し、65℃で72時間攪拌した。混合 物を冷却し、溶媒の殆どを蒸発させた。残留物をエーテル/NaHCO3水溶液に投入 し、水層をエーテルで抽出した。合わせたエーテル層をNa2SO4で乾燥させ、得ら れた油をクロマトグラフィーにかけ、1.6gの出発材料を回収し、次いでオキシム (0.025g,0.07mmol,2.0%)および7d(0.065g,0.19mmol,5.4%)を、白色結晶(融点15 6-158℃)として得た。 3a 〜3dの製造 3aを、メチルエステル5aから、エチルエステルに付いてBull. Soc.Chim.France,72,4330(1970)で既に説明されるように製造し、3bを、同様に して、5aのエステル交換を介して製造した。3a6aおよび7aのメチルエステル部 分がエステル交換し、かつ従来の加水分解を受けることが極度に望まれないとい うことは、3b製造における二量化工程前にエステル交換工程を行なうことを意味 した。3cおよび3dの製造は、ヘキサ重水素化アセトンのピナコール化で開始され 、続いて、以下のスキーム1に概説されるように、ピナコールを転移およびカル ボキシル化して5cを得、エステル交換、二量化およびヒドロキシルアミンを用い た環閉鎖を行なった。中間体オキシムは、反応混合物から(環閉鎖生成物と同様 の収率で)単離でき、かつこれらは、言及しないかぎり同様の条件下で別途ヒド ロキシルアミンに変換されるか、または合成の次の繰り返しにおいて、単にプー ルされた。7aの加水分解は、TMS1を用い、CdCl3中で行なわれ、中程度の収率で ジカルボン酸4が得られた。 ピリルオキシルラジカルの製造 脱気した、ベンゼン2ml中の2mgのヒロドキシルアミン7a7d溶液に、約10mgの NiOOHを加えた。5分後、懸濁液をろ過し、ESRに適した溶液を得るために淡緑青 色溶液を脱気ベンゼンで希釈した。2,5- ジ-t-ブチル-N-ヒドロキシ-ピロール-3,4-ジカルボン酸(4) の製造 7aを、上述したエステル交換条件に付し、ブタ肝臓エステラーゼで処理し、あ るいは標準的なアルカリ加水分解条件に付した場合には、如何なる反応も観察さ れなかった。7a(0.090g,0.29mmol)を、10mlの乾燥CDCl3に溶解し、TMS1(0.240g, 1.20mmol)を加えた。55℃に一夜加熱した後、混合物を40mlのCH2Cl2で希釈し、 飽和NaCl水溶液、飽和NaCl水溶液中のNa2S2O4水溶液数滴および最後に飽和NaCl 水溶液で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、蒸発させた後、残留する固体をヘプタン: エーテル9:1中に溶解し、蒸発させ、ヘプタンで摩砕してジカルボン酸4(0.040g, 0.14mmol,49%)を、無色結晶として得た。 上述のNiOOHを用いた処理に際し、3bのものとほぼ同一のライン幅のESR-信号が 記録された。ESR- 測定 表5に、上述したニトロキサイドに関するESRライン幅を要約した。すべての スペクトルは、注意深く脱気されたベンゼン中の高度希釈において、22℃で記録 された。過重水素化により、1に付いて2.2、2bに付いて2.5のファクタで、ライ ン幅が減少するという結果を得た。ニトロキサイド3a 〜dに関して、エステル部 分のアルキル基の重水素化は、1.9(3c:3d)のファクタでの減少を起し、一方t-ブ チル基だけの重水素化では、殆ど影響がなかった(3a:3c)。完全に重水素化され たニトロキサイド3dは、これまで ニトロキサイドに付いて記録された最も狭いライン幅(113mG)と、4.4G(ベンゼ ン中)の窒素カップリング定数を有することが発見された。3dに付いてのスピン 密度分布、窒素カップリング定数及び固有ライン幅は、他のニトロキサイドと表 6中で比較されている。 表 5 非重水素化及び過重水素化ニトロキサイドのベンゼン中での23℃におけるESRラ イン幅 表 6 幾つかのニロドキサイドに付いてのスピン密度分布、窒素カップリング定数およ び固有ライン幅 実施例7 2,2,6,6- テトラ(エトキシカルボニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)-ジチオー 反応は、脱酸素溶媒を用い、アルゴン雰囲気下で行なった。1,2,4,5-ベンゾテ トラチオール(1.50g,7.3mmol)およびK2CO3(4g)を、乾燥DHF(70ml)と混合し、 DMF(15ml)中のジブロモジエチルマロネート(4.26g,14.6mmol)溶液を加えた。混 合物を60℃に加熱し、65時間攪拌した。室温に冷却後、反応混合物を氷水に投入 し、次いでCH2Cl2(2×100ml)で抽出した。足し合わせた有機相を水(4×50ml )で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。収量:3.32g(88%)。 実施例8 2,2,6,6- テトラ(メトキシカルボニル)-4,8-ジブロモベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス( 1,3))ジチオール 2,2,6,6-テトラ(エトキシカルボニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)-ジチオ ール(10.7g,20.6mmol)を、氷酢酸中に溶解し、臭素(16.5g,0.103mol)を加え た。溶液を65℃で17時間攪拌し、Na2S2O3水溶液を加えた。この水性スラリーを 、CH2Cl2(3×100ml)で抽出し、足し合わせた有機相を水(3×50ml)で洗浄し 、乾燥(MgSO4)し、蒸発させた。残留物をCH3CNで摩砕し、乾燥させた。収量:1 0.1g(72%)。 実施例9 4,8- ジブロモベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,6-ジスピロ-(4,4-ジ メチル-3,5-ジオキサン) 2,2,6,6-テトラ(メトキシカルボニル)-4,8-ジブロモベンゾ [1,2-d:4,5-d']ビス(1,3))ジチオール(6.76g,10.0mmol)を乾燥THFに溶解し、溶 液を0℃に冷却した後、トルエン中のDIBAL溶液(17.8ml,100mmol)を滴下して加 えた。溶液を3時間還流温度まで加熱し、室温まで冷却させた。メタノール(20m l)を滴下して加え、次いで水(60ml)を加えた後、6M HCl水溶液を用いてpHを2 に調節した。水以外の溶媒を蒸発により除去し、沈澱物をろ過により収集した。 生成物を水、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させ、次いで乾燥アセトン(600ml )中に懸濁した。BF3・Et2O(2.52ml,20mmol)を加え、溶液を20分間攪拌した。 固体K2CO3(6.0g)を加え、さらに5分間攪拌を続けた。塩基性アルミナのショ ートパッドを通してろ過した後、溶媒を蒸発により除去し、残留物をCH2Cl2で摩 砕し、次いで乾燥させた。収量:1.12g(19%)。 実施例10 4- ブロモベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,6-ジスピロ-(4,4-ジメチ ル-3,5-ジオキサン) 4,8-ジブロモベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,6-ジスピロ-(4,4- ジメチル-2,3-ジオキサン)(1.14g,1.94mmol)を、アルゴン雰囲気下、乾燥THF(27 0ml)に溶解した。溶液を-45 ℃に冷却した後、ヘキサン中のn-BuLi溶液(2.5M、2.02mmol)を滴下して加えた 。5分間攪拌した後、メタノール(3ml)を加え、溶液を室温に到達させ、次いで 溶媒を蒸発させた。生成物を、溶離液としてCH2Cl2およびメタノール(99.5:0.5 )の混合物を用いてシリカゲル上のクロマトグラフイーで精製した。収量0.70g(7 1%)。 実施例11 トリス(ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル-2,6-ジスピロ-(4,4- ジメチル-3,5-ジオキサン))メタノール 4-ブロモベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,6-ジスピロ-(4,4-ジメ チル-3,5-ジオキサン)(0.99g,1.94mmol)を、アルゴン雰囲気下、乾燥ジエチル エーテル(28ml)中に懸濁した。n-BuLiの溶液(ヘキサン中2.5M、1.94mmol)を滴 下して加え、5分後、ジエチルエーテル(3ml)中のジエチルカーボネート(0.07 8ml,0.64mmol)の溶液をゆっくり加えた。18時間攪拌した後、エタノール(5ml) を加え、溶媒を蒸発により除去した。生成物を、溶離液としてCHCl3および酢酸 エチル(20:1)の混合物を用いてシリカゲル上のクロマトグラフィーで精製した。 収量0.65 g(76%)。 実施例12 トリス(8-エトキシカルボニルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イ ル-2,6-ジスピロ-(4,4-ジメチル-3,5-ジオキサン))メタノール トリス(ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,6-ジスピロ-(4,4-ジメ チル-3,5-ジオキサン))メタノール(0.205g,0.156mmol)を、アルゴン雰囲気下 、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(0.33ml,2.18mmol)を含む乾燥ベ ンゼン(12ml)中に溶解した。ペンタン中のt-BuLi溶液(1.5M,2.18mmol)を滴 下して加え、40分間攪拌を続けた。次いで、溶液を、0℃に維持されかつジエチ ルピロカーボネート(1.3ml,8.82mmol)およびベンゼン(6ml)を含む他のフラス コに移した。45分間攪拌した後、水性NaH2PO4緩衝液を加え、有機相を分離し、 水で洗浄し、次いで蒸発させた。生成物を、調製用HPLCで精製した。収量:55mg( 23%)。 実施例13 トリス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラヒドロキシメチルベンゾ[1,2-d:4 ,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イルメタノール トリス(8-エトキシカルボニルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4- イル-2,6-ジスピロ-(4,4-ジメチル-3,5-ジオキサン))メタノール(55mg,0.0359mm ol)を、氷酢酸(20ml)および水(5ml)の混合物中に溶解し、溶液を室温にて42 時間攪拌した。溶媒を蒸発により除去し、痕跡量の酸をベンゼンを加え、次いで 蒸発させることで除去した。HPLC分析は、純度>98の生成物であることを示した 。収量:42.4mg(91%)。 実施例14 トリス(8-カルボキシ-2,2,6,6-テトラヒドロキシメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビ ス(1,3)ジチオール-4-イル)メタノールのナトリウム塩 トリス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラヒドロキシメチルベンゾ[1,2-d :4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)メタノール(3.4mg,0.0026mmol)を、ア セトニトリル(2ml)に溶解し、溶液を0℃まで冷却した。トリフルオロメタン- スルホン酸(0.017ml)を加え、15分後、アセトニトリル(1ml)中のSnCl2(0.4m g)溶液を加えた。さらに15分後、水性NaH2PO4緩衝液を加え、溶媒を蒸発で除去 した。残留物を水に懸濁し、1M NaOH水溶液を用いてpHを12に調節した。一時間 攪拌後、1M HCl水溶液を用いて溶液を中和し、溶媒を蒸発で除去した。生成物を 、調製用HPLCで精製した。収量:2.0mg(60%)。 ESR(水中で1.5mM,100G):シングレット、ライン幅100mG。 この化合物も本発明の方法に有用である。実施例15 2,2,6,6- テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)カ ルボン酸 2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール(10.0g, 45.0mmol;WO-91/12024に従って調製)を、アルゴン雰囲気下、乾燥THF(200ml)に 溶解した。溶液を-20℃に冷却し、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(20.0ml,50.0m mol)を加えた。周囲温度に到達させた後、反応混合物を固体二酸化炭素(150g)上 に移し、一夜放置した。水(200ml)を加え、2M水酸化ナトリウム溶液を用いてpH を10に調節した。エーテルで洗浄後、水相を2M塩酸を用いpH2に酸性化し、エー テルで抽出した(2×300mL)。有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させて純粋生成物 を得た。 収量:10.7g(89%)。 実施例16 2,2,6,6- テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソニル-4-カルボ ン酸メチルエステル 2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール-4-イル) カルボン酸(10.0g,38.0mmol)を、乾燥DMF(100ml)に溶解した。炭酸カリウム (15.2g,110.0mmol)を加え、反応物を30分間で55℃に加熱した。周囲温度に冷 却後、沃化メチル(15.6g,110.0mmol)を加え、溶液を終夜攪拌した。沈澱をろ 過除去し、溶液を蒸発させた。残留物を、飽和NaHCO3およびエーテル中に溶解し た。水層を廃棄し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、次いで蒸発させて9.4g (88%)の純粋生成物を得た。 実施例17 ビス-(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジチオール-4-イ ル)-モノ-(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール -4-イル)メタノール 2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジチオール(2.86g,10 mmol;WO-91/12024に従って調製)を無水THF(75ml)に溶解し、-70℃に冷却した 。n-ブチルリチウム(4.4mL,ヘキサン中2.5M)を加えた。反応混合物を周囲温度 に到達させた。4-メトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5- d']-ビス-(1,3)ジオキソール(1.4g,5mmol)を固体で加えた。1時間後、混合物 を、飽和NaH2PO4水溶液でクエンチした。水相を廃棄し、有機相を蒸発させた。 残留物をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、次いで乾燥(Na2SO4)させた。 生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘプタン,1:1)で生成し 1.8q(44%)の純粋生成物を得た。 実施例18 ビス-(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ [1,2-d:4,5-d']- ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ-(8-エトキシカルボニル-2, 2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタ ノール ビス-(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジチオール-4- イル)-モノ-(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソー ル-4-イル)メタノール(0.50g,0.61mmol)を、アルゴン雰囲気下、乾燥ベンゼン (6.0ml)に溶解した。t-ブチルリチウム(2.44mL,ペンタン中1.5M)およびTMED A(0.545mL,3.66mmol)を加えた。反応混合物を25分間超音波に付し、乾燥ベンゼ ン(16mL)中のジエチルカーボネート(7.2mL.59.4mmol)溶液にゆっくり加え た。1.5時間攪拌した後、NaH2PO4(50mL)水溶液を加えた。有機相を分離し、水 で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、次いで蒸発させた。調製用HPLCで精製した後、 130.0g(21%)の純粋生成物を得た。 実施例19 ビス-(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス (1,3)ジチオール-4-イル)-モノ-(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチル ベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メチル ビス-(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビ ス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ-(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d'] -ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタノール(520mg,0.501mmol)を、塩化スズ (II)(95mg,0.501mmol)およびアセトニトリル(5mL)とともに、乾燥脱気ジク ロロメタン(15ml)に溶解した。BF3・Et2O(70μl,0.557mmol)を加え、溶液を20 分間攪拌した。ジクロロメタン(80mL)を加え て脱気水(80mL)で洗浄した後、有機相を分離し、乾燥(MgSO4)させ、ろ過し 、次いで蒸発させた。生成物を調製用HPLCで精製した。 収量:110mg(22%)。 ESR(THF,200G)シングレット、ライン幅325mG。 オーバーハウザー増強(THF,2.1mM):4Wマイクロ波出力で156安定性測定:空気を 除去していないアセトニトリル中の半減期:2000時間実施例20 ビス-(8-カリウムカルボキシレート-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d' ]-ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ-(8-カリウムカルボキシレート-2,2,6,6- テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メチル ビス-(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビ ス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ-(8-エトキシ カルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']-ビス(1,3)ジオキソー ル-4-イル)メチル(132mg,0.129mmol)を、エタノール(10mL)に溶解した。水 酸化カリウム水溶液(5ml,1.0M)を加え、反応混合物を50℃で一夜攪拌した。エ タノールを蒸発させた後、混合物を50℃で1時間攪拌し、次いで2M塩酸で酸性化 した。水相をエーテルで抽出した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4)させ、ろ過 し、次いで蒸発させた。生成物を調製用HPLCで精製した。フラクションを蒸発さ せ、水を加えた。水相をエーテルで抽出した。有機相を分離し、乾燥(MgSO4) させ、ろ過し、次いで蒸発させた。生成物を、水および1M KOH(0.387mL,0.387m mol)を加えて溶解した。溶液を凍結乾燥した。 収量:101mg(75%)。 ESR(H2O,200G)シングレット、ライン幅105mG。 オーバーハウザー増強(H2O,6.9mM):0.012Wマイクロ波出力で219実施例21 ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-2,2,6,6-テトラカルボン酸テトラエ チルエステル 1,2,4,5-ベンゼンテトラチオール(1.50g,7.28mmol)を、ア ルゴン雰囲気下、乾燥DMF(55ml)に溶解し、次いでK2CO3(4.0g)を、2,2-ジブ ロモマロネートエチルエステル(4.26g,14.6mmol)とともに加えた。溶液を室温 で16時間、かつ60℃で更に5時間攪拌した。次いで、反応混合物を氷-水混合物( 200g-200ml)に投入し、酢酸エチル(2×250ml)で抽出した。足し合わせた有機 相を水(4×100ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、次いで蒸発させた。粗生成 物を、次の工程で精製することなく用い得るほど十分に純粋となるよう洗浄した 。 収量:3.05g(80%)。 実施例22 2,2,6,6- テトラ(ヒドロキシメチル-d2)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオー 乾燥ソックスレー装置(dry Soxhlet setup)の上部区画にベンゾ[1,2-d:4,5- d']ビス(1,3)ジチオール-2,2,6,6-テトラカルボン酸テトラエチルエステル(5.0 g,9.65mmol)を、下部丸底フラスコに重水素化リチウムアルミニウム(1.62g,38 .6mmol)とジエチルエーテル(300ml)の混合物を導入した。エーテルを還流温 度まで 20時間加熱し、混合物を冷却させた。メタノール(150ml)を、水(50ml)によ って滴下して加えた。混合物を濃塩酸(20ml)で酸性化し、溶媒を真空中での蒸 発によって50mlに減少させた。白色の固体をろ別し、水(2×25ml)で洗浄し、 乾燥させた。 収量:3.15g(91%)。 実施例23 2,2,6,6- テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビ ス(1,3)ジチオール 反応は、アルゴン雰囲気下で行なった。2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル-d2 )ベンゾ[1.2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール(0.8g,2.2mmol)をDMF(20mL)に溶 解した。イミダゾール(1.1g,15.8mmol)を加え、溶液を0℃に冷却した。塩化ジ メチルテキシルシリル(2.8g,15.8mmol)を滴下して加えた(約2分)。溶液を周囲 温度で48時間攪拌した。反応混合物を氷/水に投入し、CH2Cl2(1OOml)を加え、 二相を分離した。有機相を1M HClおよび水(3×100mL)で洗浄した。溶液を乾燥 (Na2SO4)させ、蒸発させた。生成物を、溶離液としてジクロロメタン-ヘプタ ン(1:9)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。 収量:1.1g(52%)。 実施例24 ビス(2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4,5- d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5 -d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタノール 反応は、アルゴン雰囲気下で行なった。2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシ リルオキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール(7.0g,7.6mmol) を乾燥THF(50mL)に溶解した。溶液を-70℃に冷却した。n-ブチルリチウム(5. 0ml,ヘキサン中1.6M)を加え、温度を周囲温度に到達させ、1時間攪拌した。溶 媒を、真空中で周囲温度にて蒸発させ、ジエジルエーテル(20mL)を加えた。次 いで、4-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチル ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール(0.8g,2.9mmol)を一度に加え、 反応混合物を周囲温度にて12時間攪拌した。混合物をNaH2PO4溶液に投入し、有 機相を分離し、水相をジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。有機相を乾燥 (Na2SO4)させ、次いで蒸発させた。残留物を調製用HPLCで精製した。 収量:3.7g(62%)。 実施例25 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4 ,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テト ラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタノール ビス(2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4, 5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4 ,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタノール(3.2g,1.54mmol)を、アルゴ ン雰囲気下、TMEDA(3.2mL,21.6mmol)とともに、ヘプタン(12.8mL)および乾燥 ベンゼン(10.7mL)に溶解した。溶液を-22℃に冷却し、t-BuLi(14.4mL,ペンタ ン中1.5M)を加えた。3時間-22℃で攪拌した後、反応混合物を、-22℃に維持され た、ヘプタン(23mL)および乾燥ベンゼン(23mL)中のジエチルピロカーボネー ト(12.8ml,87mmol)溶液に移した。次いで、反応混合物を周囲温度に到達させ た。さらに1時間攪拌した後、NaH2PO4飽和水溶液(40mL)を加えた。混合物を1 時間攪拌し、有機相を分離し、水(2×100mL)およびアセトニトリル(2×100mL )で洗浄した。ヘプタン/ベンゼン相を蒸発させ、次いでTHF(25mL)に溶解した。 THF中のBu4NF溶液(20mL,20mmol)を加え、混合物を終夜攪拌した。溶媒を蒸発 させた後、残留物を水(300mL)および酢酸エチル(300mL)に分配した。有機相 を水(2×100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、次いで蒸発させた。調製用HP LCでの精製で、400mg(22%)の純粋生成物が得られた。 実施例26 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4 ,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テト ラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メチル ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル)ベンゾ[1,2-d :4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テ トラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メタノール(29 4mg,0.25mmol)を、アルゴン雰囲気下、アセトニトリル(70mL)に溶解した。0℃ に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸(190μl,2.2mmol)を加えた。3 分間攪拌した後、アセトニトリル(7ml)に溶解した塩化スズ(II)(48mg,0.25m mol)を加えた。1時間後、NaH2PO4飽和水溶液(50mL)を加えた。水相をアセト ニトリル(2×100mL)で洗浄し、足し合わせた有機相を、乾燥(Na2SO4)させ、 次いで蒸発させた。調製用HPLCでの精製で、176mg(61%)の純粋生成物が得られた 。 ESR(H2O,200G):シングレット、ライン幅433mG。実施例27 ビス(8-カルボキシ-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビ ス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-カルボキシ-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1 ,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メチルのナトリウム塩 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシメチル)ベンゾ[1,2-d :4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テ トラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル)メチル(316mg ,0.275mmol)を、1M NaOH水溶液(3mL)、水(1.5mL)およびエタノール(3mL)の 混合物に溶解した。溶液を周囲温度で15分間攪拌し、エタノールを蒸発させて除 去し、残留物を周囲温度で、さらに2時間攪拌した。ほぼ乾固するまで蒸発させ た後、純粋な酸(240mg,82%)を、調製用HPLCで単離し、次いで凍結乾燥した。 この酸を、水(50mL)を加えたのち1MNaOH水溶液を用いてpH7に調整して対応す るナ トリウム塩に変換し、凍結乾燥した。 ESR(H2O中3.4mM,200G):シングレット、ライン幅120mG。 オーバーハウザー増強(上記水溶液):5Wマイクロ波出力で164安定性測定:空気を 除去していないアセトニトリル中の半減期:120時間実施例28 トリス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシエトキシ)-メチルベ ンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)メタノール トリス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラヒドロキシメチルベンゾ[1,2-d :4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)メタノール(実施例13)(169mg,0.13mmol) を、N,N-ジメチルアセトアミド(18ml)中に、水素化ナトリウム(280mg,鉱物油 中で80%)および2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロピラン(2.16g,10.3mmol) とともに溶解した。反応混合物を55℃で3.5時間攪拌し、放置して冷却し、水性 リン酸ナトリウム緩衝液(100ml,pH7)に注い だ。ジクロロメタンで抽出後、有機相を乾燥し、溶媒を蒸発により除いた。残留 物をメタノール(30ml)および水(4ml)の混合物中に溶解し、2M水性HClを用い てpHを0.8に調節し、この溶液を室温で15分間攪拌した。溶液を水性NaHCO3を用 いて中和し、溶媒を蒸発により除いた。生成物を分取用HPLC(RP-18,メタノール- 水:40-60)を用いて精製した。 収量:142mg(60%) 実施例29 トリス(8-カルボキシ-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシエトキシ)メチルベンゾ[1,2-d :4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)メリルのナトリウム塩 トリス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシエトキシ)-メチル ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)メタノール(40mg,0.022mmo l)を、無水酢酸(5ml)およびピリ ジン(10ml)の混合物中に溶解し、この溶液を室温で2時間攪拌した。有機溶媒 を蒸発により除き、残留物をジクロロメタンに溶解し、これを水で洗浄した。蒸 発により溶媒を除去後、残留物をジクロロメタン(8ml)に溶解し、ジクロロメ タン中のトリフルオロメタンスルホン酸の溶液(4ml中0.58mmol)を0℃で添加し た。2分間攪拌後、アセトニトリル中のSnCl2の溶液(2ml中2mg)を添加し、この溶 液をもう一分間攪拌した。反応混合物を水性のpH7リン酸ナトリウム緩衝液に注 いで、有機相を分離し、水相をジクロロメタン(25ml)で抽出した。まとめた有 機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発により除いた。残留物をエタノール(10ml) に溶解し、1M水性水酸化ナトリウム溶液(3ml)を添加した。室温で1時間攪拌後 、1M水性HClを用いてpHを2に調節し、この溶液を分取用HPLC(RP-18,CH3CN-HCl(p H2):20:80)による精製に付した。純生成物を含有するフラクションをまとめ、ア セトニトリルを蒸発により除いた。残留した水性溶液を凍結乾燥し、この残留物 を水に溶解し、1M水性NaOHを用いてこの溶液を中和し、再度凍結乾燥した。 収量:24mg(62%)。 ESR:(水中1mM,100G):シングレット、線幅116mG。実施例30 以下の実施例は、ヒドロキシトリチルラジカルを用いて行われ、1次磁場強度 を0.1から0.01Tまで減少させることにより、および200〜300MHzの周波数範囲お よび0〜100Wの電力量でVHF放 射線を放出するVHFエミッタを組み込むことにより、OMRIで用いるために適合さ せたPicker Nordstar MEGA 4 250-300MR装置上で行われた。(a) ラットの心臓、脳、肝臓および腺組織の管を視覚化する形態学的にサジタル なOMRIスキャン 125gの重さのラットのイメージを撮った。ラジカル投与量は、1.5mmol/kgで、 1.5mlの容量で10秒の注射時間(イメージ撮影前15分)で、尾静脈に注射した。結 果を図13に示す。 パラメータ: スキャン時間 4:36min TR/TE 270ms/20ms スライス 4mm ピクセルサイズ 0.5×0.5mm2 平均 4 T-vhf 200ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×192(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 192×192 後処理 348×348マトリックスに再サンプリング(b) 心筋梗塞症 110gの重さのラットのイメージを撮った。ラジカル投与量は、2.0mmol/kgで、 1.8mlの容量で5秒の注射時間(イメージ撮影前20分)で、尾の静脈に注射した。 結果を図14に示す。 パラメータ: スキャン時間 3:15min TR/TE 190ms/20ms スライス 4mm ピクセルサイズ 0.5×0.5mm2 平均 4 T-vhf 125ms サンプリング時間 24ms サンプリング振動数 21kHz サンプリングマトリックス 512×256(読取り方向において過サンプリ ング) 偵察マトリックス 256×256 後処理 γ-補正 コメント 注射後8分で死亡実施例31 過重水素化ヒドロキシトリチルを用いた本発明に係る”初歩的方法”の図式的 説明を示す。自己および酸素の広がりは式1で与えられ、不均一な広がりはΔHG P P =60mGであり、緩和性は0.4 mM-1s-1である。 イメージA、BおよびC: 実施例32 過重水素化ヒドロキシトリチルを用いた本発明に係る好ましい方法の図式的説 明を示す。自己および酸素の広がりは式1で与えられ、不均一な広がりはΔHG PP =60mGであり、緩和性は0.4mM-1s-1である。 イメージA、B、C、DおよびE: 実施例33 2,2,6,6- テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1,2-d:4,5 -d']ビス(1,3)ジチオール 反応は、アルゴン雰囲気下で行った。2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2−メチ ル))ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール(29.1g,81mmol)を、DMF(176m L)中に溶解した。イミダゾール(44.3g,650mmol)を添加し、溶液を0℃まで冷 却した。ジメチルテキシルシリルクロリド(87.2g,96mmol)を滴下して添加した 。この溶液を、室温で48時間攪拌した。反応混合物をヘプタン(4×200ml)で抽 出し、まとめたヘプタン相を蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン-ヘプタン (1:9)を溶離液として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。 実施例34 ビス(2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1,2- d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)モノ(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2- d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソ ール-4-イル))メタノール 反応は、アルゴン雰囲気下で行った。2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシリ ルオキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール(80.9g,88 mmol)を、乾燥THF(300mL)中に溶解した。この溶液を、-70℃まで冷却した。n -ブチルリチウム(70mL,ヘキサン中2.5M)を添加し、温度が室温になるまで放置 し、1時間攪拌した。溶媒を室温で真空下で蒸発させ、ジエチルエーテル(200mL )を添加した。4-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5- d']-ビス(1,3)ジオキソール(11.7g,42mmol)を一度に添加し、反応混合物を室 温で16時間攪拌した。混合物を飽和水性NaH2PO4溶液(200ml)および水(200ml )の混合物に注いで、相を分離し、水相をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出 した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。残留物を分取用HPLCで精製した 。 実施例35 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1 ,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4−イル)モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6, 6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4−イル))メタノ ール ビス(2,2,6,6-テトラ(ジメチルテキシルシリルオキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1, 2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)モノ(2,2,6,6-テトラメチルベンゾ[1, 2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル))メタノール(54g,26mmol)を、ヘ プタン(216mL)および乾燥ベンゼン(178mL)中に、TMEDA(54mL)とともにアル ゴン雰囲気下で溶解した。この溶液を-22℃まで冷却し、t-BuLi(54mL,ペンタン 中2.5M)を添加した。-22℃で1時間攪拌した後、反応混合物を-40℃で保持した ヘプタン(640mL)中のジエチルピロカーボネート(216mL,1.47mol)の溶液に移 した。反応混合物を、室温に達するまで放置した。さらに1時間攪拌後、NaH2PO4 の飽和水性溶液(40mL)を添加した。混合物を1時間攪拌し、有機相を分離し、 水(2×100mL)およびアセトニトリル(2×100mL)で洗浄した。ヘプタン/ベン ゼン相を蒸発させ、THF(380mL) 中に溶解した。THF中のBu4NFの溶液(300mL,300mmol)を添加し、混合物を終夜 攪拌した。溶媒の蒸発後、残留物を分取用HPLCで精製して、11.4mg(39%)の純生 成物を得た。 実施例36 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1 ,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)モノ(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6 -テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル))メチル ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2-メチル))ベンゾ [1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-エトキシカルボニル-2,2, 6,6-テトラメチルベンゾ [1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル))メタノール(5.07g,4.30mmol) をアセトニトリル(650mL)中にアルゴン雰囲気下で溶解した。0℃まで冷却した 後、トリフルオロメタンスルホン酸(2.2mL)を添加した。3分間攪拌した後、ア セトニトリル(90mL)中に溶解した塩化スズ(II)(447mg,2.36mmol)を添加した。 1分後、NaH2PO4の飽和水性溶液(200mL)を添加した。水相をアセトニトリル(2 ×50mL)で洗浄し、まとめた有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。分取用HPLC での精製により、2.66mg(53%)の純生成物を得た。 ESR(H2O,200G):一重線、線幅268mG。実施例37 ビス(8-カルボキシ-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2-メチル))ベンゾ[1,2-d:4,5 -d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-カルボシ-2,2,6,6-テトラメチルベン ゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル))メチルのナトリウム塩 ビス(8-エトキシカルボニル-2,2,6,6-テトラ(ヒドロキシ(2H2-メチル))ベンゾ [1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジチオール-4-イル)-モノ(8-エトキシカルボニル-2,2, 6,6-テトラメチルベンゾ[1,2-d:4,5-d']ビス(1,3)ジオキソール-4-イル))メチル (7.48g,6.4mmol)を、1M水性NaOH(80mL)およびエタノール(80mL)の混合物中 に溶解した。この溶液を室温で15分間攪拌し、エタノールを蒸発により除き、残 留物を室温でもう1時間攪拌した。ほとんど乾固するまで蒸発させた後、純粋な 酸を分取用HPLCで単離した後、凍結乾燥した。水(50mL)を添加後、1M水性NaOH でpHを7に調節して、凍結乾燥することにより、この酸を対応するナトリウム塩 に変換した。収量:3.96g(55%)。 ESR(水中1mM,200G):一重線、線幅60mG。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9612931.7 (32)優先日 平成8年6月20日(1996.6.20) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の工程:サンプル中に、線幅が400mG未満のesr遷移を有する、生理的に 許容されるフリーラジカルの有効量を導入する工程;前記サンプルに、前記ラジ カルの電子スピン共鳴遷移を刺激するように選択された振幅および周波数を有す る電磁波放射を照射する工程;前記サンプルからの電子スピン共鳴増強磁気共鳴 シグナルを、少なくとも第一、第二および第三条件において検出する工程、この 際、前記第一および第二条件において、前記電磁波放射が第一周波数を有するも のであり、前記第三条件において、前記電磁波放射が前記第一周波数とは異なる 第二周波数を有するものであり、第一、第二および第三条件において、前記電磁 波放射が第一、第二および第三振幅を有するものであり、前記第一および第二振 幅が少なくとも互いに異なっており;および前記検出されたシグナルを操作し、 これにより、前記サンプル中の酸素濃度を決定する工程を含む、サンプル中の酸 素濃度を検出する方法。 2.前記検出されたシグナルを操作する工程が、イメージデータセットを生じさ せることを含む、請求項1に記載の方法。 3.(a)前記サンプルの第一OMRIイメージを、VHFパワーPA、照射期間TVHF1およ びオン-共鳴(ΔH=0)において生成させる工程、 (b)前記サンプルの第二OMRIイメージを、第二VHFパワーPB、 照射時間TVHF1およびオン-共鳴(ΔH=0)において生成させる工程、 (c)前記サンプルの第三OMRIイメージを、VHFパワーPC、照射期間TVHF1および オフ-共鳴(ΔH≠0)において生成させる工程、 (d)工程(a)〜(c)において得られたイメージを操作し、エクスビボで決定され たパラメーターを用いて検量して、前記サンプルの酸素イメージを提供する工程 を含む、請求項1または2に記載の方法。 4.さらに、第四イメージをVHFパワーPAおよび照射期間TVHF2において生成させ 、第五MRイメージをVHF照射を行わずに生成させることを含む、請求項3に記載 の方法。 5.前記サンプルの自然のMRイメージを生成させる追加の工程を含む、前記請求 項の何れかに記載の方法。 6.前記検出されたシグナルを操作する工程が、esr遷移の測定された飽和度を フォークトの(Voigtian)関数に当てはめることを含む、請求項1に記載の方法 。 7.前記生理的に許容されるフリーラジカルが細胞外液中に分布するラジカルで ある、前記請求項の何れかに記載の方法。 8.前記生理的に許容されるフリーラジカルが150mG未満の線幅のesr遷移を有す る、前記請求項の何れかに記載の方法。 9.前記ラジカルが60mG未満の線幅のesr遷移を有する、請求項8に記載の方法 。 10.前記生理的に許容されるフリーラジカルがトリチルである、前記請求項の何 れかに記載の方法。 11.前記トリチルが、下記式 (式中、 nは0、1、2または3であり; R1はカルボキシル基またはその誘導体であり; R2は水素、あるいは所望によりヒドロキシル化またはアルコキ シル化されていてもよいC1-6アルキル基であり、そのアルコキシ基自体はヒドロ キシル化されていてもよい)で表されるもの;およびその塩および前駆体および 重水素化類似体である、請求項10に記載の方法。 12.前記トリチルが、下記式 または で表されるものである、請求項10に記載の方法。
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