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JP2002502252A - 植物形質転換法 - Google Patents

植物形質転換法

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JP2002502252A
JP2002502252A JP50145199A JP50145199A JP2002502252A JP 2002502252 A JP2002502252 A JP 2002502252A JP 50145199 A JP50145199 A JP 50145199A JP 50145199 A JP50145199 A JP 50145199A JP 2002502252 A JP2002502252 A JP 2002502252A
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Abstract

(57)【要約】 Agrobacterium−誘導壊死の阻害ができる条件下を使用する、植物、特にGramineaeのAgrobacterium形質転換の改善法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 植物形質転換法 本発明は、Agrobacterium誘導壊死を阻害する薬剤の存在下形質転換を行うこ とによるおよび/または壊死を誘導しないAgrobacteriumの株を使用することに よる、Agrobacteriumを使用した植物の形質転換法に関する。 外来遺伝物質を植物内に導入する、最初の、そしてまだ最も広く使用されてい る方法の一つは、T-DNAが目的の遺伝子を含む、組換えTi(瘤誘導)またはRi(根誘 導)プラスミドを使用した、Agrobacterium spp.の天然形質転換系を利用する。 目的の遺伝子は、植物の遺伝物質内に、オンコジーンまたは生合成遺伝子を包含 する天然系で使用されるのと同じ機構で取りこまれる。 Agrobacterium形質転換は、野外で自然にAgrobacteriumに感染し、形質転換さ れ、瘤および/または毛状根を形成する植物では十分働くが、他の植物では十分 には働かない。例えば、メイズのようなイネ科(Gramineae)のファミリーは、Agr obacteriumへの暴露で瘤を作ることが知られておらず、一般に、Agrobacterium 形質転換の操作が非常にやっかいであることが証明されている。Ishida,et al .Nature Biotechnology(1996)14:745-750は、特定のメイズ系(A188)の胚およ びそのハイブリッドの、“スーパー−バイナリー”ベクターを有するAgrobacter iumを使用した形質転換を報告しているが、この結果の再現性およびこのシステ ムの他のメイズ系へのおよび他のベクターを有するAgrobacteriumを使用した適 用性は不明である。標的組織として、頂端分裂組織を使用したメイズのAgrobact erium形質転換がまた報告されているが、例えば、胚誘導性カルスと比較して、 頂端分裂組織の標的組織としての低い有効性により、この実験は最適とはならな い。Agrobacterium感染および瘤形成に感受性である、ブドウ、ダイズまたはコ ショウのようなある双子葉植物でさえ、形質転換および再生のために好ましい標 的組織が、Agrobacterium暴露に殆ど反応しないように見えるため、やはり研究 室で形質転換が困難であることが証明されている。 Agrobacterium感染および瘤形成に対する耐性の機構の理解の不足が、Gramineae のようなAgrobacterium形質転換に抵抗性のある植物におけるAgrobacterium形質 転換の問題の解決の考案または適当な評価でさえ、障害になっていることが証明 されている。 本発明により、驚くべきことに、Agrobacteriumが、植物細胞、特にGraminiea e科、例えばメイズでアポトーシス壊死を誘導することができることが判明した 。壊死を誘導するのにあまり適当でないAgrobacteriumの選択および産生の方法 も、形質転換する細胞における壊死反応を阻害する方法と同様に、発見された。 Agrobacteriumへの暴露によりGramineae細胞培養で見られる壊死は、細胞が、 見たところではシグナル伝達機構を介して、それ自体の死を指示する、計画細胞 死である。これは、受動的細胞死、即ち、例えば、種々の毒素への暴露により見 られるような溶解をもたらす膜完全性の崩壊および続く膨張に関連する壊死と区 別される。計画細胞死をしている細胞は、特徴的形態学的変化およびDNA切断を 示し、これは、集合的にアポトーシスを定義し、新たな遺伝子発現に関与する機 構により実行される。動物細胞で記載されているアポトーシスの紋切り型の特徴 は、縮重、臓器組織での細胞間接触の喪失、核および染色質の縮合、DNA切断(DN A“はしご化”)ならびに核および膜小疱形成である。我々は、Agrobacteriumと メイズまたは小麦組織の共培養が、細胞死がDNAのオリゴヌクレオソーマルフラ グメントへの開裂および定義された形態学的変化により特徴付けられる、動物細 胞のアポトーシスと非常に類似の過程をもたらすことを示す。Agrobacteriumに 暴露されたメイズ細胞において、Ca2+はDNA切断の強度を増加させ、一方Zn2+は 逆の作用を有し、動物細胞におけるDNA開裂を担う内因性エンドヌクレアーゼに おけるこれらの二価カチオンの作用と相似である。この切断はまたシクロヘキシ ミドの添加により減少され、これは本過程が新たな遺伝子発現を必要とする証拠 である。Agrobacteriumへの暴露に反応した計画細胞死は、先に報告されていな い。 Gramineaeで観察されるこのAgrobacterium−誘導壊死(AIN)は、硝酸銀のよう な化学化合物または形質転換する細胞に安定統合されたまたは一過性に操作可能 であるAIN−阻害ヌクレオチドのいずれかのAIN−阻害剤の使用により阻害できる 。Agrobacteriumのスクリーニングコレクションから、Agrobacterium株は壊死を 誘導する能力が変化し、従って株はGramineaeのような抵抗性の植物の形質転換 に 適当であるように選択できることも発見された。 従って、本発明のいくつかの態様は以下のものを含む: 1.植物細胞を、AIN−阻害剤存在下または熱ショック処理のようなAINを阻害す る条件下でAgrobacteriumに曝すことを含み、該Agrobacteriumが1個またはそれ 以上の目的の遺伝子を含む1個またはそれ以上のプラスミド(ベクター)を含む、 目的の遺伝子で植物細胞を形質転換する方法。 1.1.前記の方法の態様の一つにおいて、AIN−阻害剤は化学阻害剤である。 化学阻害剤は、好ましくは、エチレン阻害剤(例えば、2,5−ノルボルナジエ ン、ノルボルネン、チオ硫酸銀および硝酸銀)、エチレン合成阻害剤(例えば、 アミノエトキシビニルグリシン(AVG)、コバルト塩、アセチルサリチル酸また はサリチル酸)、ジベレリンアンタゴニスト(例えば、アブシジン酸(ABA))およ びホスファターゼ阻害剤(例えば、オカダ酸)からなる群から選択される化合物 である。最も好ましくは、化学阻害剤はエチレン阻害剤、好ましくは硝酸銀で ある。タンパク質およびペプチドは、同様に化学阻害剤として作用できる。例 は、DAD−1、アポトーシスのバキュロウイルス阻害剤(IAPs)、バキュロウイル スp35のような天然に存在するペプチド、または、アポトーシスの引き金を引 くことができるカスパーゼのペプチドアナログである。化学阻害剤は、適当に は、有効な濃度で存在し、例えば、硝酸銀に関しては、0.1から20mg/l、 好ましくは1から10mg/lである。 1.2.1.本方法の別の態様において、AIN−阻害剤はヌクレオチド配列である 。AIN−阻害ヌクレオチド配列は、AINを直接に、またはAIN−阻害タンパク質 をコードするAIN−阻害mRNAをコードすることにより阻害し得る。例えば、そ れはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスmRNAをコードする遺 伝子であり、それは壊死関連酵素(例えば、プロテアーゼ、キナーゼまたはホ スファターゼ)または調節タンパク質にアンチセンスである。あるいは、それ らは、植物での発現ができるプロモーターの制御下にアポトーシスを阻害でき る遺伝子のコード領域、例えば、植物での発現ができるプロモーターの制御下 の哺乳類bcl−1遺伝子のコード領域、p35またはpIAPのようなバキュロウイル ス由来のアポトーシス阻害遺伝子のコード領域、または植物内で 反応して疾病を抑制できる遺伝子、例えば、nahG,dad-1またはmloを含み得る 。AIN−阻害タンパク質を発現するAIN−阻害ヌクレオチド配列は、所望により 、例えば、同じタンパク質をコードするが、宿主植物に好ましいコドンを使用 し、例えば、コード領域内のポリアデニル化シグナルまたはスプライス部位を 避けるように、例えば、US5,380,831またはUS5,610,042に記載の方法と同様に して、宿主植物での発現に適合させ得る。 1.2.2.AIN−阻害ヌクレオチド配列は、形質転換する植物のゲノムに安定に 包含されるか、または、例えば、Agrobacteriumに細胞を暴露する時間、また はその周辺の時間、一過性に存在し、操作可能であり得る。一過性発現は、例 えば、T-DNAが二つの双子ウイルスを、AIN−阻害ヌクレオチド配列を担持する ウイルスレプリコンが細胞内で複製し得るように、タンデム配列で担持する、 アグロ感染(agroinfection)システムを使用して、得ることができる。本シス テムにおいて、ウイルスは典型的に植物ゲノムには統合されないが、高いコピ ー数で複製し、高いレベルの一過性発現を提供する。このようにして壊死に対 する耐性の引き金をひかれた細胞は、次いで、目的の遺伝子を含むTiプラスミ ドを有するAgrobacteriumを使用して形質転換できるが、ウイルスは再生を通 して希釈され、種子には伝達されない。従って、感染植物の次代および子孫は 目的の遺伝子で安定に形質転換されるが、AIN−阻害ヌクレオチド配列ではさ れない。一過性発現は、あるいは、植物内への短AIN−阻害オリゴヌクレオチ ド配列、例えば、アンチセンス配列の挿入により得ることができる。 1.3.更に別の態様において、Agrobacteriumとの共培養の前に形質転換する 植物組織の熱ショック処理により、AINを減少または阻害する。熱ショック処 理は40−50℃、好ましくは42−48℃で行い、45℃がメイズには好ま しい温度である。処理は、2−10分および好ましくは4−8分続く。 2.上記の1の方法により、植物組織を形質転換することおよびこのように形質 転換した組織の再生を含む、繁殖可能な、トランスジェニック植物の製造法。好 ましくは、組織は、未成熟胚または胚誘導性カルスから選択され、例えば、メイ ズタイプIカルスである。組織が未成熟胚である場合、本方法は、好ましくは更 に、Agrobacteriumに曝す前または曝した後のいずれかに胚をカルス開始培地で 培養し、このようにして得た胚誘導性カルスから植物を再生することを含む。好 ましくは、目的の遺伝子(またはその一つ)が選択可能または採点可能マーカーで あり、形質転換細胞、形質転換組織および/または再生形質転換植物の選択また は同定を可能にする。 3.植物組織またはその細胞のAgrobacterium形質転換の方法における、または 繁殖可能トランスジェニック植物の製造法における、例えば、上記1または2の 方法における、AIN−阻害剤、例えば、AINの化学阻害剤(例えば、エチレン阻害 剤、例えば、硝酸銀)またはAIN−阻害ヌクレオチド配列(例えば、AIN−阻害mRNA またはタンパク質をコードするもの)の使用。 4.上記2の方法で製造されたトランスジェニック植物またはその種子または子 孫。 5.AINを阻害する異種起源のヌクレオチド配列、例えば、合成ヌクレオチド配 列または生物の異なる種のゲノム由来のヌクレオチド配列を含む植物、植物組織 または植物細胞。 6.a)AINの化学阻害剤、 b)目的の遺伝子を含むプラスミドを含むAgrobacterium、そして c)水および必須塩を含む、 例えば、Gramineaeの形質転換に使用するための、植物細胞または組織の培養。 化学阻害剤は、適当には壊死阻害濃度で存在する。化学阻害剤は、好ましくは エチレン阻害剤(例えば、2,5−ノルボルナジエン、ノルボルネン、チオ硫酸銀 および硝酸銀)、エチレン合成阻害剤(例えば、アミノエトキシビニルグリシン(A VG)、コバルト塩、アセチルサリチル酸またはサリチル酸)、ジベレリンアンタゴ ニスト(例えば、アブシジン酸(ABA))およびホスファターゼ阻害剤(例えば、オカ ダ酸)からなる群から選択される化合物である。最も好ましくは、化学阻害剤は 、例えば、0.1から20mg/l、好ましくは1から10mg/lの濃度の硝酸銀であ る。必須塩の最適組成および濃度は当業者に既知であり、細胞または組織の種、 タイプ、および発育段階に依存して幾分変化し得るが、一般には、培地のイオン および栄養素の濃度(例えば、硝酸塩、カリウムイオン、リン酸塩、カルシウム イオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオンおよび塩素イオンの濃度)が、 植物細胞およびAgrobacteriumに耐容性である濃度に維持されるようなものであ る。培養培地は、所望により、更に、適当な栄養素(例えば、糖、例えばスクロ ース)、ビタミン、アミノ酸、ホルモンおよび他の成分(例えば、2,4-D)を、植物 細胞または組織培養の分野で既知のように包含し得る。植物は好ましくはGramin eae科、例えば、メイズである。細胞または組織は、好ましくは胚誘導性カルス 、例えば、タイプIまたはタイプIIカルスを含む。 7.1個またはそれ以上の目的の遺伝子を含む1個またはそれ以上のプラスミド を含むAgrobacteriumに、全能性細胞または全能性細胞を含む組織の集団を曝す ことを含み、Agrobacteriumが、該細胞の形質転換を達成するのに十分な暴露期 間および濃度で、該集団に明白なレベルの壊死を誘導しない株である、Graminea e科の細胞の全能性細胞の形質転換法。本組織は、好ましくは、頂端分裂組織以 外、例えば、好ましくは未分化組織、例えば、蒔いた接合子胚または胚誘導性カ ルス、好ましくは開始相の胚誘導性カルス(例えば、開始培地に蒔いてから28 日まで、好ましくは14日まで)、または連続的に繁殖可能な胚誘導性カルス、 例えば、タイプIまたはタイプIIカルスである。 8.植物の再生可能細胞の集団をAgrobacterium株に暴露し、該細胞集団の壊死 を観察または測定することを含む、Gramineae科の植物の再生可能細胞の形質転 換に使用するためのAgrobacterium株の適合性の決定法。 9.Agrobacterium壊死因子の発現を減少するか、除去するように遺伝的に修飾 されたAgrobacterium株またはそのような修飾株の誘導体。Agrobacterium壊死因 子は、メイズ胚で壊死、例えば、計画細胞死を誘導できる濃縮上清で観察される 熱不安定因子である。Agrobacteriumとメイズ細胞の間の不適合性は、ある遺伝 的要素が関与するようである。本発明は、メイズ組織の細胞死反応に関与するAg robacterium由来の3遺伝子を記載する。それらは、AgrobacteriumのBACライブ ラリーのスクリーニングにより同定する。3つの別々のBACが細胞死を誘発し、x ylA−xylB、virB1およびacvBと相同性を有することが判明した。報告された遺伝 子が、Agrobacteriumとメイズ組織の不適合性を担う遺伝子のサブセットでしか ない可能性がある。本発明の方法で使用する植物細胞は、好ましくは Agrobacterium形質転換によりえい瘤または毛状根を産生しない植物種または変 種由来である。好ましくは植物種はイネ科(Gramineae)の仲間、最も好ましくは メイズまたは小麦、特にメイズである。植物細胞は、好ましくは全能性細胞、即 ち、それ自体植物、好ましくは繁殖可能な植物に再生できる細胞である。全能性 細胞は、例えば、未成熟胚および胚誘導性カルスに存在する。標的組織は、好ま しくは頂端分裂組織以外である。より好ましくは、標的組織は未分化組織、例え ば、蒔かれた接合子胚または胚誘導性カルスを含む。胚誘導性カルスは、カルス 開始相の胚(例えば、未成熟胚を開始培地に蒔いてから28日まで、好ましくは 14日まで)、または連続的繁殖可能胚誘導性カルス、例えば、タイプIまたは タイプIIカルスに関連し得る。メイズタイプIカルスは、本発明で使用するため の、全能性細胞を含む好ましい組織である。 Agrobacteriumは、好ましくはA.tumefaciensおよびA.rhizogenesから選択す る。好ましくは、Agrobacterium株はA.tumefaciens株、最も好ましくはノパリ ン−利用株である。Agrobacterium株がA.rhizogenes株である場合、好ましくは アグロピン−またはマノピン−利用株である。最も好ましくは、Agrobacterium は、Gramineaeに壊死を誘導しないAgrobacterium、例えば、A.tumefaciens株A およびBから選択されるAgrobacteriumである。Agrobacterium株AおよびBは、 American Type Culture Collection(ATCC)12301 Parklawn Drive,Rockville,M aryland 20852/USAに、ATCC受託番号55964および55965で、各々1997年5月 2日に、ブダペスト条約に従って寄託されている。 目的の遺伝子は、好ましくは除草剤耐性、疾病耐性、または昆虫耐性の遺伝子 、または選択可能または採点可能マーカーであり、植物操作可能プロモーター、 コード領域および3’停止領域を含む。除草剤耐性遺伝子は、イミダゾリノンま たはスルホニルウレア除草剤に耐性のAHAS遺伝子、ビアラフォスまたはグルフォ シネートに耐性のpatまたはbar遺伝子、グリフォサートに耐性のEPSPシンターゼ 遺伝子等を含む。疾病耐性遺伝子は、抗生物質合成酵素、例えば、ピロルニトリ ン合成酵素の遺伝子、植物由来耐性遺伝子等を含む。昆虫耐性遺伝子は、Bacill us thuringiensis由来の殺虫タンパク質の遺伝子を含む。選択可能マーカーは、 除草剤耐性遺伝子および抗生物質(例えば、ヒグロマイシンまたはカナマイシン) 耐 性遺伝子、ならびにマンノースホスフェートイソメラーゼの遺伝子ような陽性選 択可能マーカーを含む。採点可能マーカーは、gus遺伝子およびcat遺伝子のよう な容易にアッセイ可能な酵素の遺伝子を含む。プラスミドは、1個以上の目的の 遺伝子を含みおよび/またはAgrobacteriumは異なる目的の遺伝子を有する異な るプラスミドを含み得る。 本明細書で使用するAgrobacterium−誘導壊死(AIN)なる用語は、任意のAgroba cterium−介在植物細胞死を意味するが、特にAgrobacterium誘導計画細胞死を含 む。 実施例 実施例1−Agrobacteriumに暴露されたメイズにおける壊死の作用の機構 a.Agrobacterium存在下での、タバコではなく、メイズの壊死の証明 メイズ胚誘導性カルスおよび胚は、Agrobacteriumによる形質転換が特に困難 な組織であることが証明されてる。以下の実験で、メイズ近交系(Zea mays L.)H E/89を用い、本明細書でElite 1と呼ぶ。メイズ系HE/89のもろいカルスは Dudits,D.(1990)Theor.Appl.Genet.80:721-726)に記載されている。Elite 1は、Novartis所有の、B73に関連する精鋭系である。Elite 1の懸濁培養を、 未成熟胚から選択したもろいカルスから開始する。HE/89系を、500mg/lBacto トリプトン、30g/lスクロースおよび0.5mg/l 2,4−ジクロロフェノキシ酢 酸(2,4-D)で補正した液体N6培地(N6M)で生育させる。Elite 1系は、30g/lス クロースおよび2mg/l 2,4-Dを添加したN6液体培地(2N63S)(Chu et al.,1975) で生育する。2mg/lの2,4-Dおよびスクロース(30g/l)を添加したMurashigeお よびSkoog培地(MS3S)で生育させたNicotiana tabacum細胞系NT−1を、Agrobact erium−感受性コントロールとして使用する。懸濁培養を、回転シェーカー(12 0rpm)上の液体培地に維持し、7日毎に継代培養する。 細菌をYP培地(5g/L酵母抽出物、10g/lペプトン、5g/l NaCl、pH6.8)で 、24時間、28℃で生育させる。細菌を遠心し、適当な植物培地に再懸濁する 。Elite 1、HE/89およびNT−1植物細胞の接種のために、細菌を2N63SM、N6Mお よびMS3S液体培地にそれぞれ再懸濁させる。 メイズ胚誘導性カルスの接種の直ぐ後に、細胞の多くが壊死に変わった(表1) 。壊死は、処理胚誘導性カルスを、無細菌−、セフォタキシム−含有培地に移し た後でさえ観察される。メイズ細胞の非常に希釈したAgrobacteriumの培養との 非常に短時間の共培養は、メイズ近交系Elite 1の壊死反応の誘導または生育の 阻害に十分である。HE/89胚誘導性カルスに関して、短時間の共培養が、ある程 度壊死性の変化を減少させるが、壊死を完全に防止しない。コントロール実験に おいて、セフォタキシムは、メイズ組織に壊死をもたらさない。したがって、壊 死性作用は、Agrobacteriumとメイズカルスの間の相互作用の結果である。コン トロールとして、NT1タバコ細胞をまたAgrobacteriumで接種し、壊死は観察さ れない。 液体培地に維持したHE/89メイズおよび所有する精鋭近交系メイズのもろい胚 誘導性カルスを、Agrobacteriumと10分、1時間、24時間または48時間イ ンキュベートし、その後セフォタキシム含有培地に移す。示した光学密度(OD= 600nm)の50μlの細菌を、1mlのパック細胞容積含有の10mlの組織培養 培地に添加する。培養を、2日以上インキュベートする場合、細菌を洗いだし、 植物細胞をセフォタキシム(250mg/l)を添加した同じ培地に再懸濁する。壊死 の存在または非存在を、接種2、4および7日後に採点し、壊死の相対的強度を 下記のように表現する:+、稀な壊死の形成;++、弱い壊死;+++、強い壊死; ++++、非常に強い壊死。 b.計画細胞死の証拠 Agrobacteriumによりメイズ組織で誘導された細胞死のメカニズムを決定する ために、ゲノムDNAを、Agrobacterium接種後24または48時間に採取した植物 懸濁細胞から抽出する。Agrobacteriumへの暴露は、両方のメイズ系で、計画細 胞死の初期の証明である、インターヌクレオソーマル切断に特徴的なパターンを 有するDNA切断をもたらす。培養培地単独に維持したコントロールメイズ細胞お よびタバコ細胞は、これらの条件下でDNA切断を示さない。E.coliまたはオート クレーブ処理したAgrobacterium細胞でのメイズ接種は、DNA切断をもたらさない 。更に、計画細胞死を受けているメイズ細胞は、新鮮メイズ胚誘導性組織の細胞 死を誘導できない。 AgrobacteriumがDNA切断を誘導する更なる証拠は、Zn2+およびCa2+への処理の 感受性の試験により得られる。細胞系HE/89において、Ca2+は、DNAはしごの強度 を著しく減少させるが、一方Zn2+は、ゲノム性切断を著しく減少させる。これら の特徴は、動物系のアポトーシスの間のDNA開裂を担う内因性エンドヌクレアー ゼにおけるこれらの二価カチオンの作用と完全に一致する。はしごの強度はまた シクロヘキシミドの添加により減少し、本方法が新たな遺伝子発現を必要とする という証拠である。これらの結果は、Agrobacteriumとメイズ細胞の接触が、メ イズ組織の細胞死を説明することを示す。アポトーシス中のDNAの切断はまたそ の場で、ヌクレオソーム単位の曝されたヒドロキシルと反応する試薬により検出 される。Lancaster血統の所有する精鋭系由来の12日齢メイズ胚を、LBA4404で 接種し、クロランベンを添加したDG4培地に膜。Koziel,M.G.,& al.1993.Bi o/Technology 11:194-200。アポトーシス細胞は、TACS−1キット(Trevigen)で のその場での染色により検出し、これは検出可能マーカーに接合したdNTPを使用 したクレノウ酵素によるDNAフラグメントの末端標識に関与する。Cullivier,O. ,Pirianov,G.,Kleuser,B.,Vanek,P.G.,Coso,O.A.,Gutking,J.S.and Spiegel,S.(1996)Nature 381,800-803。胚を、製造者の指示に従って3.7% ホルムアルデヒド溶液に浸し、処理する。その場でのゲノムDNA開裂を検出する ために、固定した胚をTACS−1で処理する。固定した横断面 を最初にプロテイナーゼKで5分室温で処理し、次いで5分、2%過酸化水素に 浸し、内因性ペルオキシダーゼを除去する。クレノウ緩衝液での短い洗浄後、次 いで組織を1時間、37℃で、開裂フラグメントの5'末端に外来性修飾でオキ シヌクレオチドを挿入できるクレノウ酵素とインキュベートする。個々の細胞に 現れるアポトーシスの指標である濃い不溶性沈殿は、顕微鏡で検出可能である。 Agrobacterium処理細胞は不明瞭になり、48時間暴露後に形が歪む。培養培 地単独に維持したまたはE.coliを接種したコントロール胚は、これらの条件下で 沈殿をしない。メイズ組織の全てがAgrobacterium感染に同様に反応しないこと も判明した:根はそのままであるが、一方胚は壊死する。DNA切断がまた、病原 性プラスミド(株A136およびLBA4402)の治療剤であるAgrobacterium株で見られ、 計画細胞死を誘導する因子はプラスミドに関連しないことを示す。計画細胞死は 、また、メイズ胚を20分、細胞死誘導Agrobacterium(株LBA 4404)の20倍に 濃縮した上清とインキュベートした場合にも観察されるが、胚を同じ方法で調製 したE.coli由来の上清と接触させたときは見られない。計画細胞死は、濃縮Agr obacterium上清を、20分、100℃でインキュベーション前に加熱した場合に はまた起こらない。 メイズ胚誘導性カルスは、しばしばまた生存している細胞の領域および壊死で ある他の領域を含む。反応領域から外れた細胞が同時に刺激物に曝されている状 況でさえ、限定された領域しか死なないという事実は、統合された組織における 異なる刺激に対する個々の細胞の反応をコントロールする要素の一過性または永 久の存在を示す。統合された組織の計画細胞死がおきている細胞の数は、全質量 の比較して小さい可能性があり、過程は非同時性である可能性がある。一定領域 または組織中の1個のまたは数個の細胞におけるPCDの誘導は、動物細胞で観察 されるように周りの細胞の急速な死の引きがねを引き、後者の細胞は計画細胞死 表現型を示さないが、それでも死ぬ。 実施例2:Agrobacterium誘導計画細胞死の阻害 Agrobacteriumで接種するための組織の調製: 未成熟胚(長さ1.2から2.2mm)を、受粉後14−15日後に、表面滅菌、温 室生育雌穂から無菌的に摘出し、カルス誘導培地である2DG4+5mg/lクロランベ ン(2DG4−5Chl)に胚盤を上にして蒔く。2DG4培地は、20mg/lスクロースを含 むように修飾したDuncanの培地である。 カルス反応を有する胚: 未成熟胚を上記のように滅菌し、カルス開始培地(2DG4−5Chl)に蒔き、そこ で1から7日培養する。得られる組織は接種のサンプルとして使用する。若いタイプIカルス : カルス開始培地(2DG4+5クロランベン)に7から20日蒔いた胚はカルスを発 生させる。これらのカルスは、緻密であり、細胞の相対的に十分に組織化された 集合であるタイプIカルスである。得られた胚誘導性カルスを胚から切断し、カ ルス維持培地である2DG4+0.5mg/l(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D) に移し、接種のサンプルとして使用する。タイプIカルス : 上記の方法で得たタイプIカルスを、維持培地(2DG4+2,4D 0.5mg/l)に移 し、2週間毎に継代する。Agrobacterium : 株A.tumefaciens LBA4404(pAL4404,pSB1)を本実験で使用する。pAL4404は無 力化(disarmed)ヘルパープラスミドである。pSB1は、pGIGUPおよびpTiBo542の 毒性領域由来の15.2kb KpnIフラグメントに相同性の領域を含む(Ishida et a l.,1996;High efficiency transformation of maize(Zea mays L.)mediated by Agrobacterium tumefaciens,Nature Biotechnology 14,745-750)。エレクト ロポレーションによるpGIGUPのLBA4404(pAL4404,pSB1)への挿入は、pGIGUPおよ びpSB1の共統合をもたらす。本プラスミドのT-DNAは、ホスホイノスリシンに対 する耐性を提供するユビキチンプロモーターにより駆動する植物発現可能PAT遺 伝子およびGelvinプロモーターにより駆動するコード配列のN−末端コドンにイ ントロンを有するGUSを含む。このイントロン−GUS遺伝子は、植物細胞内でGUS 活性を示すが、Agrobacterium内では示さない。細菌生育 : Agrobacteriumを、3日間、50mg/lスペクチノマイシンおよび10mg/lテト ラサイクリン添加YP培地(5g/l酵母抽出物、10g/lペプトン、5g/l NaCl、1 5g/l寒天、pH6.8)で生育させる。細菌をループで採取し、N6液体培地に、1 09から5 109細胞/mlの範囲の密度となるように懸濁する。Agrobacterium細 胞はまたYP培地での一晩の培養から回収し、N6液体培地に再懸濁できる。硝酸銀存在下または非存在下の共培養 : 上記のよう調製したメイズ組織をAgrobacteriumで接種する。メイズ組織を細 菌懸濁液に5−10分浸し、次いで硝酸銀(1から10mg/l)有りまたは無しの培 地に蒔く。5μl滴の109から5×109細胞/mlのAgrobacteriumを、組織の上 に置く。接種後、メイズ組織を暗所で25℃で培地中の硝酸銀(1から10mg/l) 有りまたは無しで培養する。接種2または3日後に、組織をセフォタキシム(2 50mg/l)添加および硝酸銀有りまたは無しの同じ培地に移す。結果 : メイズ胚および胚誘導性カルスのAgrobacteriumへの感受性。 胚誘導性カルスは、カルス開始培地に蒔いたとき、メイズ胚から発育できる。 胚から発育した細胞系は、2,4-D含有培地に維持したとき、非常に胚誘導性を維 持する。この胚誘導性カルスおよびメイズ近交系由来の胚のAgrobacterium LBA4 404に対する感受性を評価する。著しく褐変した組織がAgrobacteriumとメイズの 共培養後に観察される。この反応は、その病原性プラスミドの治療剤であるLBA4 402でも観察される。コントロール胚およびEscherichia coliと共培養した胚誘 導性カルスを同じ方法に付し、細胞しまたは明白な褐変は見られない。従って、 細胞死は、メイズ細胞とAgrobacteriumの間の相互作用の結果である。胚は、胚 誘導性カルスよりもAgrobacteriumに感受性であるように見える。109細胞/ml の濃度が細胞死の誘導に十分である。更に、短い暴露(5分)がこの反応の誘導に 十分である。 共培養培地およびカルス開始培地への硝酸銀の添加の効果を測定する。硝酸銀 の添加は、健康な組織の回収を可能にする(表2および3)。硝酸銀含有培地に蒔 いた胚の約50%が胚誘導性カルスを産生できる。最適効果は、Agrobacterium での接種の少なくとも2日前にカルス開始培地に蒔いた胚で観察される。これら の二つの因子の組合せは、Agrobacterium共培養に続くメイズ胚誘導性カルスの 壊死を強烈に防止することが判明した。 胚誘導性カルスの褐変の減少は、Agrobacterium接種後のカルス開始および組 織の生存と相関する。Agrobacteriumで処理していないコントロール胚の約80 %が胚誘導性カルスを発生する。 硝酸銀の効果はまたAgrobacteriumで接種したタイプIカルスで見られる(表3 )。若い系は、Agrobacterium接種により耐性であり、硝酸銀での前処理が健康な 組織の回収を改善することが明白である。 共培養中の硝酸銀の存在が、Agrobacterium毒性を減少しなことを証明するた めに、タバコリーフディスクを、LBA4404(GIGUP)で、109細胞/mlの濃度で接種 する。GUS活性の明白な減少はタバコ葉で観察されない。表2 :LBA4404でのタバコ葉の接種 葉および胚カルス反応を有する胚を、Agrobacterium LBA4404(GIGUP)(109細 胞/ml)で接種する。基本培地は2DG4+5クロランベン(2DG4)である。全ての処理 は、約80から100胚で行い、2回繰り返す。カルス開始を接種2週間後に採 点する。 実施例3:Agrobacteriumによる未成熟接合子胚の形質転換およびホスホイノス リシン、ヒグロマイシンまたはマンノースを選択剤として使用した形質転換カル スの単離 未成熟胚を自家受粉約10から14日後に得る。未成熟接合子を、胚誘導性カ ルス形成を誘導および支持できる異なる培地を含むプレートに、約25未成熟胚 /プレートで分ける。 未成熟胚を、実施例2に示すようにプレートまたは液体培地に、選択可能マー カー遺伝子を含むTiプラスミドを有するAgrobacteriumと接種する。一連の実験 を通して、最適条件は未成熟胚のために創り出す。一つの最適化条件において、 未成熟胚を硝酸銀(10mg/l)含有プレートまたはカルス開始培地に、Agrobacter ium接種の前または直後に蒔く。約25の未成熟胚を各プレートで培養する。接 種16から72時間後、未成熟胚を硝酸銀およびセフォタキシム含有カルス開始 培地に移す。形質転換細胞の選択は下記のように行う: a.PPT耐性マーカー:形質転換を、T-DNA領域にホスホイノスリシンの耐性をコ ードする遺伝子を有するプラスミドを担持するAgrobacterium株を使用して行う 。形質転換細胞を、ホスホイノスリシンを3mg/Lの濃度で接種2から20日後に 適用し、合計2−12週間維持することによりインビトロで選択する。このよう にして得た胚誘導性カルスを、再生の標準培地上でホスホイノスリシンの存在下 ま たは非存在下に再生させる。全ての植物を、PPT耐性に関してクロモフェノール レッド(CR)試験で試験する。このアッセイはpH感受性指示薬色素を使用し、どの 細胞がPPT存在下で生育するか示す。生育した細胞は、培地のpH変化を産生し、 指示薬クロモフェノールレッドを黄色に(赤から)変える。PPTに対する耐性遺伝 子を発現する植物は本試験で容易に同定される。CR試験で陽性な植物は、PCRでP AT遺伝子の存在に関してアッセイする。PCR試験で陽性の植物をサザンブロット で分析する。 b.ヒグロマイシン耐性マーカー:形質転換は、T-DNA領域にヒグロマイシンに 対する耐性をコードする遺伝子(hpt,ヒグロマイシンBホスホトランスフェラー ゼ)を担持するAgrobacterium株を使用して行う。形質転換細胞を、3mg/Lの濃度 のヒグロマイシンを使用して、接種2から20日後に選択し、合計2−12週維 持する。このようにして得た胚誘導性カルスを、再生のための標準培地上で選択 可能試薬の存在下または非存在下、再生させる。全ての植物は、ヒグロマイシン に対する耐性を試験する。ヒグロマイシンに対する耐性遺伝子を発現する植物は 、本試験で容易に同定できる。本試験で陽性の植物は、hpt遺伝子の存在に関し てPCRでアッセイする。PCR試験で陽性の植物をサザンブロットで分析する。 c.マンノースでの陽性選択:T-DNA領域にマンノースに対する耐性をコードす る遺伝子(マンノースホスフェートイソメラーゼ)を担持するAgrobacteriumを使 用して行い、マンノースをインビトロで形質転換細胞を選択するのに使用する。 本選択は、1g/L程低い濃度を、接種2から20日後に適応し、合計2−12週 維持できる。このようにして得た胚誘導性カルスは、再生の標準培地上でマンノ ースの存在下または非存在下に再生できる。全ての植物は、マンノースに対する 耐性に関して、クロロフェノールレッド(CR)により試験する。このアッセイは、 どの細胞がマンノース存在下で生育するかを示すために、pH感受性指示薬色素 を使用する。生育した細胞は培地でpH変化を産生し、指示薬クロロフェノール レッドを赤から黄色に変える。マンノースに耐性を発現する植物は、本試験で容 易に同定される。CR試験で陽性の植物は、マンノース遺伝子の存在に関してPCR でアッセイする。PCR試験で陽性の植物をサザンブロットで分析する。 実施例4:Agrobacteriumによる未成熟接合子胚由来のカルスの形質転換および ホスホイノスリシン、ヒグロマイシンおよびマンノースを選択剤として使用した 形質転換カルスの単離 タイプIカルスを、標準培養法を使用して未成熟接合子から得る。約25片の タイプIカルスを、Agrobacteriumでの接種の前または後に硝酸銀を含む維持培 地で培養する。接種は、実施例2に記載のように行う。接種約16−72時間後 、カルスを硝酸銀およびセフォタキシムを含む標準培養培地に移す。選択は、本 培地への移動後直ぐにまたは1から20日後に行うことができる。次いで、カル スを選択のために約2から12週継代培養し、その後生存および生育カルスを植 物の製造のために標準再生培地に移す。 選択は、ホスホイノスリシン耐性、ヒグロマイシン耐性またはマンノースホス フェートイソメラーゼに関する遺伝子で形質転換した細胞に関する先の実施例の ように行う。 実施例5:Agrobacteriumの接種によるメイズのタイプIカルスの形質転換およ びホスホイノスリシン、ヒグロマイシンおよびマンノースを選択剤として使用し た形質転換カルスの単離 カルスは、蒔いた精鋭遺伝子型の未成熟胚由来である。培養物を2ヶ月毎に維 持培地(2DG4+0.5mg/l 2,4-D)上で継代培養し、継代培養2−3日後に細胞凝 集を取り、2DG4培地で培養する。Agrobacteriumでの接種後または前に、細胞凝 集を硝酸銀含有2DG4培地で培養する。Agrobactriumでの接種は、実施例2で記載 のように行う。インキュベーション16から72時間後、カルスをセフォタキシ ムおよび硝酸銀含有新鮮維持培地に移す。カルスを選択のために、合計約2−1 2週間選択剤と共に継代培養し、その後生存および生育カルスを植物の製造のた めに標準再生培地に移す。選択は、ホスホイノスリシン耐性、ヒグロマイシン耐 性またはマンノースホスフェートイソメラーゼに関する遺伝子で形質転換した細 胞に関する先の実施例のように行う。 実施例6:Agrobacteriumにより誘因されるアポトーシスを防止するための熱シ ョック処理未成熟胚 : メイズ近交系を温室で生育させる。未成熟胚(長さ0.8から2.2mm)を、環境 因子に依存して、受粉後8から15日後に表面滅菌雌穂から無菌的に摘出する。 胚をカルス誘導培地に胚盤を上にして培養する。殆どの近交系に関して、胚をLS 培地(Linsmaier and Skoog,Physiol.Plant.18:100-127,1965)で培養する。C G00526の胚を2DG4+5mg/lクロランベン(2DG4−5Chl)で培養する。2DG4培地は 、20mg/lスクロース(Koziel et al.,Bio/Technology 11:194-200,1993)を含 むように修飾したDuncanの培地である。タイプIカルス : 未成熟胚を上記のように滅菌し、カルス開始培地(2DG4−5Chl)に置き、その 中で1から7日間培養する。カルス開始培地(2DG4+5Chl)で7から20日間培 養した胚はカルスを発生させる。これらのカルスは典型的なタイプIカルスであ る。タイプIカルスは、緻密であり、細胞の相対的に十分に組織化された集合で あった。得られた胚誘導性カルスを胚から切断し、カルス維持培地である2DG4+ 0.5mg/l(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D)に移し、接種のサンプルと して使用する。上記の方法で得たタイプIカルスを、維持培地(2DG4+2,4D 0 .5mg/l)に移し、2週間毎に継代する。Agrobacterium : 使用した株はA.tumefaciens LBA4404(pAL4404,pSB1)である。pAL4404は無力 化ヘルパープラスミドである(Ooms et al,7:15-29,1982)。pSB1は、pGIGUPお よびpTiBo542の毒性領域由来の15.2kb KpnIフラグメントに相同性の領域を含 む(Ishida et al.,1996;High efficiency transformation of maize(Zea mays L.)mediated by Agrobacterium tumefaciens,Nature Biotechnology 14,745 -750)。エレクトロポレーションによるpGIGUPのLBA4404(pAL4404,pSB1)への挿 入は、pGIGUPおよびpSB1の共統合をもたらす。pGIGUPは、ホスホイノスリシン に対する耐性を提供するためにメイズユビキチンプロモーターにより駆動される 植物発現可能ホスホイノスリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子を含 む(Christensen et al,Plant Mol.Biol.18:675-689,1992)。これはまたβ− グルクロニダーゼ発現(GUS)のための遺伝子を、オクトピンおよびマノピンシン ターゼ遺伝子に由来するキメラプロモーターにより駆動されるコード配列のN− 末端コドンにイントロンと共に含む(マノピンシンターゼプロモーターのドメイ ン を有するオクトピンシンターゼプロモーター上流活性化配列のトリマー,Ni et al,Plant J.,7:661-676,1995)。このイントロン−GUS遺伝子は、植物細胞内 でGUS活性を示すが、Agrobacterium内では示さない。 Agrobacteriumを、3日間、50mg/lスペクチノマイシンおよび10mg/lテト ラサイクリン添加YP培地(5g/l酵母抽出物、10g/lペプトン、5g/l NaCl、1 5g/l寒天、pH6.8)で生育させる。細菌をループで採取し、N6液体培地に、1 09から5×109細胞/mlの範囲の密度となるように懸濁する。Agrobacterium細 胞はまたYP培地での一晩の培養から回収し、N6液体培地に再懸濁できる。またAg robacterium Induction Medium(AIM;K2HPO4、10.5g;KH2PO4、4.5g;(NH4 )2SO4、1.0g;クエン酸Na.2H2O、0.5g;MgSO4.H2O(1M)、1.0ml;グルコ ース、2.0g;グリセロール、50ml;MES(10mM);アセトシリンゴン(50−1 00μM);pH5.6)で4から6時間、前誘導もできる。組織の熱ショック処理 : 共培養前に、メイズ組織をN6液体培地中、エッペンドルフ試験管に入れ、4分 、45℃で水浴中でインキュベートする。次いで、培地を上記のように調製した Agrobacterium懸濁液に代える。室温で5分後、組織を適当な個体培地上で培養 する。共接種3日後、組織をX−GluでGUS活性を検出するために染色するか、セ フォタキシム(250mg/l)含有培地で培養する。メイズ組織を次いで試験して、 Agrobacterium接種で生存している組織の割合を示すカルス反応を検出する。共培養 : 上記のように調製したメイズ組織をAgrobacteriumで接種する。それらを細菌 懸濁液に5−10分浸し、次いで固体培地上で培養する。接種後、メイズ組織を 暗所で25℃で培養した。接種2または3日後、組織をセフォタキシム(250m g/l)を添加した同じ培地に移す。DNA 切断のその場での検出 : 胚を3.7%ホルムアルデヒド溶液に浸し、製造者(Trevigen)が記載のように 処理する。その場でのゲノムDNA開裂を検出するために、固定した胚をTACS−1 キット(Cullivier et al.,Nature 381:800-803,1996)で処理する。固定した横 断面を最初にプロテイナーゼKで5分室温で処理し、次いで5分、2%過酸化水 素に浸し、内因性ペルオキシダーゼを除去する。クレノウ緩衝液での短い洗浄後 、次いで組織を1時間、37℃で、開裂フラグメントの5'末端に外来性修飾で オキシヌクレオチドを挿入できるクレノウ酵素とインキュベートする。個々の細 胞に現れるアポトーシスの指標である濃い不溶性沈殿は、顕微鏡で検出可能であ る。結果 : −−大きな褐変減少が、Agrobacteriumとメイズ組織の共培養で観察され、109 細胞/mlの濃度が細胞死を誘導できた。胚は、胚誘導性カルスよりもAgrobacteri umに感受性であるように見える。 −−胚およびタイプIカルスを熱ショックに付し、次いでAgrobacteriumを109 細胞/mlの濃度で接種する。3日間の共培養および1週間の培養に続いて、組織 を試験する。熱ショック前処理により付与される保護のレベルは、接種で生存し ている組織の数の計数により定量する。 熱ショック前処理後にAgrobacteriumを接種した全ての胚はカルス開始を示し たが、一方熱ショックに付されていない胚からカルスは発現しない(表4)。 熱ショック処理の同様な優れた効果がカルスで観察される(表5)。 熱ショック前処理後に観察される保護は、主要な熱ショックタンパク質がRT− PCRにより増幅できるため、熱ショックに関連するように見える。 −−DNA切断は熱ショック前処理に付した胚で検出されない。 −−種々のメイズ系由来の胚を、AIM溶液に誘導されたAgrobacterium株LBA4404( GIGUP)で、熱ショック前処理有りまたは無しで接種する。共培養3日後、胚をGU S活性のために染色する。結果を表6に示す。熱ショック前処理が一過性発現に 優れた作用を有することが見られる。 実施例7:小麦のAgrobacterium形質転換 未成熟接合子胚(0.75mmから1.25mm)を摘出し、3mg/l 2,4-D、300mg /lグルタミン、150mg/lアスパラギンおよび3%スクロース(3MS3S)含有MS− ベースの培地で、Agrobacteriumでの接種前に0、3、4、5、6、7、8また は21日培養する。21目に、胚誘導性塊を産生した外植体を3週カルスと呼ぶ 。共培養 : 小麦組織をAgrobacteriaで実施例6に記載のように接種する。小麦組織を細菌 懸濁液に5−10分浸し、次いで固体培地で培養する。接種後、小麦組織を暗所 で25℃で培養する。接種2または3日後、組織をセフォタキシム(250mg/l) を添加した同じ培地に移す。外植体を、前処理無しに接種するか、または42− 48℃で4−8分熱処理に付す。熱ショック処理は接種前に行う。胚は、3MSin fまたはAIM中、100mM ASで熱ショック処理できるが、カルスは“乾燥”して 熱ショックに付す。接種: 外植体をエッペンドルフ試験管またはプレートのいずれかで接種する。1mlの Agrobacterium溶液を試験管にピペットで移し、フィンガーボルテックス処理(fi nger-vortexed)するかまたは振り、5−15分放置する。Agrobacterium溶液お よび外植体物質を次いで100nM AS添加3MS3Sで培養し、液体を使い捨ての狭 い先端のホールピペットで除去する。接種をプレート上で行うとき、Agrobacter iumを直接外植体上にピペットで移し、5−15分後に除去する。胚を、胚軸が 培地を接触するように配置する。カルス開始、選択および再生: 胚を、抗生物質含有カルス誘導培地(3MS3S)で3週間生育させる。胚誘導性カ ルスを切り開き、5mg/l GA3および1mg/l NAAを、選択剤および抗生物質と共に 含むMS3S(2,4-D無し)で2週間培養し、次いで抗生物質無しで高い濃度の選択剤 を含むMS3Sに約4週間移動させる。苗木を次いで1/2MS塩および0.5mg/l NAA含 有であるが、選択剤の濃度は最後の増加と同じに保ったMagenta箱に移す。カル スに関して、選択および再生システムは、カルスが胚プレーティングから最大6 週間しか生育しない、即ち、3週間のカルスを接種し、選択および再生が開始す る前に最大更に3週間、共培養および生育する以外、同じである。結果 : −−DNA切断は、実施例6に記載のようなAgrobacteriumで接種した胚で実験する 。DNA切断は、熱ショック前処理に付した胚では検出されない。 −−Agrobacterium接種前の熱ショック前処理は、アポトーシスの発生を防止で きる。 実施例8:p35およびiapによる、メイズ細胞のAgrobacterium−誘導アポトーシス の抑制微粒子銃(biolistic)形質転換用ベクター: 微粒子銃装置によるメイズの形質転換に使用するベクターは、全てpUCの誘導 体である。pUbiPATは、メイズユビキチンプロモーターにより駆動するホスホイ ノスリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)をコードする植物発現可能なbar遺 伝子を含み(Christensen et al.,1992)、ホスホイノスリシン(PPT)に対する耐 性を提供する。p35、iapおよびdad-1のコード領域は、メイズメタロチオネイン 一様遺伝子プロモーター(MTL)の制御下でクローン化する(de Framond,1991)。p 35およびiapは、Lois Miller(University of Georgia,Athens,Georgia)により 提供される。コード領域を包含するp35 PstI−EcoRIフラグメントは、pHSP35VI+ (Clem and Miller,1994)の切り抜きであり、pBluescript(Stratagene,La Joll a,California)の対応する部位にクローン化し、次いでPstl-Asp718フラグメン トとしてpM几の対応する部位にクローン化する。pMTLは、MTLプロモーターおよ びCaMV35Sターミネーターを含む。pHSCpIAPVI+由来のiapのコード領域を包含す るSalI−SpeIフラグメント(Clem and Miller,1994)を、pMTLのXhoI−SpeI 部位にクローン化する。 dad-1のコード配列を、Arabidopsis cDNAクローン12T7(University of Michig an)由来のSalI−XbaIとしてクローン化した。Agrobacterium 形質転換用ベクター: MTLプロモーターにより駆動するp35、iapおよびdad-1コード領域は、スーパー バイナリーベクターpSB11へボーダー配列の間にクローン化される。 コード配列のN−末端コドンにイントロンを有するβ−グルクロニダーゼ遺伝 子(GUS)を、オクトピンおよびマノピンシンターゼ遺伝子由来のキメラプロモー ターで駆動させる(mas;マノピンシンターゼプロモーターのドメインを有するオ クトピンシンターゼプロモーター上流活性化配列のトリマー;Ni et al.,1995) 。植物細胞でGUS活性を発現するが、AgrobacteriumではしないMas−GUSをpSB11 にクローン化して、pMasGUSを産生する。 これらのベクターを、次いでLBA4404(pAL4404,pSB1)にエレクトロポレーショ ンにより、0.2cmのBio−Radキュベットで、2kV/cmの場の強さ、600Ohmsの 抵抗器および25μFのキャパシティーで挿入する。pSB1は、pSB11およびpTiBo5 42の毒性領域由来の15.2kb KpnIフラグメントへの相同性領域を含む、広宿主 範囲プラスミドである(Ishida et al.,1996)。プラスミドpSB11のエレクトロポ レーションによるLBA4404(pAL4404,pSB1)への挿入は、pSB11およびpSB1の共統 合をもたらす。Agrobacterium によるメイズ胚の接種: 未成熟胚(0.8から2.5mm)を、受粉後12から15日後に無菌的に摘出し、 胚盤を上にカルス開始培地で培養する(2DG4+5クロランベン;Duncan et al.,1 985)。胚はAgrobacteriumで109細胞/mlの密度で5分接種し、次いで3日間カ ルス開始培地で培養する。次いで、セフォタキシム(250mg/l)を添加した同じ 培地に移す。組織の生存を接種2週間後に採点する。タイプIカルスの開始: カルス開始培地に7から20日間培養した胚は、カルスを発生させる。これら のカルスは、細胞の相対的に十分に組織化された緻密な集合である典型的なタイ プIカルスである(Suttie et al.,1994)。得られる胚カルスは、胚の切断であ り、カルス維持培地である2DG4+0.5mg/l(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸 (2,4-D)に移す。上記の方法で得たタイプIカルスは、維持培地(2DG4+2,4 D 0.5mg/l)で維持し、約2週間毎に継代培養する。タイプIカルスは、Agrobact eriumでの実験および微粒子銃装置での形質転換に使用する。形質転換実験: プラスミドDNAを、DuPont Biolisticマニュアルに記載のように、0.3から1 μm金マイクロキャリアに沈殿させる。2μgの抗アポトーシス遺伝子および2μ gのpUbiPATを50μlのマイクロキャリア当りに使用する。プレート当り16片 のタイプIカルスを、PDS−1000/He微粒子銃装置(DuPont)を使用して砲撃する。 組織を棚上の停止スクリーン棚の8cm下に置き、10×10μmステンレススチ ールを650psi値の破壊ディスクと使用する。砲撃後、組織を暗所で1日、2 5℃で培養し、次いでカルス維持培地である2DG4+0.5mg/l 2,4-Dに移す。6 から8週間後、組織を40mg/l PPTに移す。10日後、組織を100mg/l PPTを 添加した同じ培地に移す。組織のいくつかを、次いで接種実験に使用し、そのい くつかを、一日当り16時間明るい再生培地(3%スクロース、0.25mg/lアン シミトールおよび5mg/lカイネチン含有Murashige and Skoog)に移す。形質転換 植物は、クロロフェノールレッド(CR)アッセイを使用して同定し、PPT(Cramer e t al.,1993)に対する耐性を試験して、PCRで確認する。Agrobacterium によるタイプIカルスの接種: 上記のように得たトランスジェニックタイプI組織を、Agrobacteriumで接種 する。メイズ組織を細菌懸濁液に5−10分浸す。接種後、メイズ組織を、暗所 で25℃で、2DG4+0.5mg/l 2,4-Dで培養する。接種2または3日後、組織を セフォタキシム(250mg/l)を添加した同じ培地に移す。トランスジェニック物質の分析: ゲノムDNAを、100mgのカルスからIsoquickキット(Microprobre,CA)で抽出 し、20μlの水に再懸濁させる。1μlをPCR反応に使用する。PCR反応は、Perk in−Elmerサーマルサイクラーで、1×PCR緩衝液、0.5単位のAmpliTaq、20 0μMの各dNTPs、0.2μMの各プライマーを使用した25μl反応で行う。組織 中のpat遺伝子の存在を検出するために、PCR反応を、PATプライマーで、アニー リング温度55℃で行う。トランスジェニック組織中でのiap、p35および dad-1遺伝子検出に関して、各反応で使用するプライマーは、各々PとI、Pと35 、PとDで、アニーリング温度55℃、55℃、48℃である。 p35 およびiap RT−PCR: 全RNAを、トランスジェニックカルスからTripure Isolation Reagent(Boehrin ger Mannheim)を使用して抽出し、RNase−フリーDNaseで処理し、0.5μgを、 有利なRT−PCR(Clontech)およびオリゴ−dT cDNA合成のために取る。二つ目の鎖 の合成後、この反応の12分の1を、Taq DNAポリメラーゼでのPCR反応の鋳型と して使用する。RT−PCRに使用するp35プライマーは: 300bpの転写物を増幅する5'−GGTCCTATACGAAGCGTTAC−3'(配列番号7)および 5'−CCACGTAGCAGTCGTTGTGT−3'(配列番号8)である。 RT−PCRに使用するiapプライマーは: 248bpの転写物を増幅する5'−CATGTCTGACTTGCGATTGG−3'(配列番号9)および 5'−ACAATCGAACCGCACACGTC−3'(配列番号10)である。 ゲノムDNAの汚染を除外するために、逆転写酵素が排除されたコントロールcDN A反応を平行して調製する。結果: −−殆どの胚および胚誘導性カルスは、Agrobacteriumの接種で生存しない。短 い暴露(5分)が、この反応の誘導に十分である。Escherichia coliと共培養し、 同じ方法に付した組織は、損傷を受けない。 −−p35、iapおよびdad-1を、T-DNAのボーダー配列の間の植物発現カセットにク ローン化した。これらの抗アポトーシス遺伝子がT-DNAにより担持されるため、 それらは接種の時にメイズ細胞に送達されるべきである。メイズ組織を、Agroba cterium LBA4404(109細胞/ml)で、細胞死抑制遺伝子(括弧内)有りまた は無しで接種する。共培養に続いて、メイズ胚またはタイプIカルスを試験して 、抗−アポトーシス遺伝子の発現により付与される保護のレベルの指標として組 織生存を定量する。全ての処理は、約50から80個のメイズ外植体で行い、2 回繰り返す。組織を、セフォタキシムを含む同じ培地に接種3日後に移す。 Agrobacteriumの効果を接種2週間後に採点する。結果をそれぞれ表7および8 に示す。 約80%の胚が、それらをAgrobacteriumで処理しないときには胚誘導性カル スを発生させる。p35またはiapを担持するAgrobacteriumで処理した胚の約25 %が胚誘導性カルスを発生させるが、Agrobacteriumを接種した胚の3%のみが カルス開始を示す。同様な作用が、p35またはiapを担持するAgrobacteriumで接 種したタイプIカルスで観察される(表2)。dad-1は任意のシステムでの低レベ ルの保護への寄与のみであった。 −−p35およびiapの一過性の発現は、組織の褐変をある程度減少させるが、この 減少を完全には阻害しないように見える。これは、メイズ細胞へのT-DNA移入の 低い効率により説明できる。GUSでの一過性発現から判断して、標的組織は均質 に形質転換されていないように見える。これは、非常に少ない細胞がT-DNAのレ シピエントであるという示唆であり得る。 −−p35またはiapを含むAgrobacteriumを接種した胚から発生した胚誘導性カル スの構造は、コントロールのものほど緻密ではない。これは、抗アポトーシス遺 伝子を担持するT-DNAを受けた細胞のみが生存し、個々の形質転換細胞が近隣の 細胞にシグナルを伝達する必要がないという事実により説明できる。このタイプ の組織生育は、細胞死抑制遺伝子が、非常に効率的に不運な細胞(doomedcell)を 救うが、その短時間の発現はAgrobacteriumの作用に対する完全な防御を提供し ないという証拠であり得る。 −−p35、iapおよびdad-1に関してトランスジェニックな胚誘導性カルスは、該 遺伝子の植物発現可能プロモーター制御化でのタイプIカルスへの微粒子銃砲撃 を使用した送達に由来する。構築物をbar遺伝子と共砲撃し、組織をPPTで選択し 、これらのカルスの形質転換状態を最初にPCRで確認する(表9)。 Agrobacterium接種への感受性を、次いで個々の事象でアッセイする。カルス をAgrobacterium LBA4404(109細胞/ml)で接種する。二つの独立したトランス ジェニックカルス系を試験する。全ての処理を2回繰り返す。組織を、接種3日 後にセフォタキシムを含む同じ培地に移す。メイズ組織の生存を、Agrobacteriu m接種2週間後に採点する(表10)。 p35およびiapに関してトランスジェニックな胚誘導性カルスは、Agrobacteriu m接種に付されたとき、細胞死を示さないが、主要な褐変減少は、共培養に続い てコントロール組織で観察される。dad-1遺伝子の存在は、アポトーシスの発生 を遅くするが、iapおよびp35と同様に細胞死を阻害しない。結果は数回の別々の 実験で再現性がある。 −−p35およびiapの保護作用は、オリゴヌクレオソーマルDNAフラグメント電気 泳動で測定したときまた明白である。 −−dad-1の作用は、組織で安定に発現されたときにより明白であるように見え る。 −−抗−アポトーシス遺伝子の発現と細胞死の欠如の間には明白な相互間系があ る。p35およびiap遺伝子は、逆転写−PCR(RT−PCR)で判断して、トランスジェニ ックカルスで発現される。コントロールは、一様に陰性であった。 実施例9:メイズ細胞で細胞死を誘導しないAgrobacterium株のスクリーニング および同定 種々のAgrobacterium系に対する十分に研究されたメイズ系(A188)および専有 精鋭系(Elite 2)の胚誘導性カルスおよび胚の感受性を、Agrobacteriumの40 の野性型株を使用して試験する。これらの株は、A188およびElite 2胚誘導性カ ルスおよび胚とその適合性を最初に試験する。これらの中で、40のうち6の株 が、メイズ組織の生育を全く阻害せず、更にカルス開始培地で培養し、109細 胞/mlの濃度で接種したElite 2胚で試験する。カルス開始を接種2週間後に採 点し、反応を有する胚の割合として示す。 これらの株はまた無ホルモン培地で培養したタバコリーフディスクでのその毒 性も試験し、株がメイズ細胞で計画細胞死を誘導する株の可能性は、毒性と相関 しないことが示される。表11の割合は、瘤を有する葉の数を記載する。 Agrobacterium株AおよびBは、ATCCに1997年5月2日に、ブダペスト条 約の下、それぞれATCC受託番号55964および55965として、寄託されて いる。 実施例10:メイズ細胞でアポトーシスの引き金を引くAgrobacterium遺伝子 BACライブラリー(細菌人工染色体)を、約100−200kbのAgrobacteriumゲ ノムDNAフラグメントで、メイズ胚誘導性組織の細胞死反応を担う遺伝子要素を 同定する努力において構築する。ライブラリーをEscherichia coliに挿入する。 このような背景が、BACライブラリーのスクリーニングに適しているかを確認す るために、BIBACベクター単独を含むE.coliを、メイズ胚に挿入する。E.coliは 、特徴的なアポトーシス反応を誘導しないことが判明する。 150−200kbの挿入物を有する約25から30のBACクローンがAgrobacte riumの全ゲノムをカバーするのに十分であり、AgrobacteriumがE.coli(4.6 1 06bp)と全く同じゲノムサイズを有することが仮定される。相対的に多い数(2 00)のクローンをAgrobacterium染色体プローブ(chvD)とハイブリダイズし、E .coliで構築したBACライブラリーが、Agrobacteriumゲノムを明確に代表するか を試験する。200個の試験したクローンのうち、5個がchvDプローブで照らさ れる(データは示していない)。 一つの試みは、Agrobacterium由来の遺伝要素がE.coli内では不活動であるこ とである。更に、植物および/またはAgrobacterium由来の付加的因子が、この ようなクローンには必要である。従って、BACはまたAgrobacteriumで機能的な複 製起源を含み、このようなシナリオでAgrobacteriumに容易に形質転換できる。細菌生育: Agrobacteriumを、3日間、必要なとき100mg/lカナマイシンを添加したYP 培地(5g/l酵母抽出物、10g/lペプトン、5g/l NaCl、15g/l寒天、pH6.8) で生育させる。細菌をループで採取し、N6液体培地に、109から5×109細胞 /mlの範囲の密度となるように懸濁する。Agrobacterium細胞はまたYP培地での一 晩の培養から回収し、N6液体培地に再懸濁できる。 E.coli DH10BをLB培地(1%バクトートリプトン、0.5%細菌−酵母抽出物、 170mM NaCl、pH7.0)で生育させる。形質転換後、それをSOC溶液(2%バク トトリプトン、0.5%細菌酵母抽出物、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM Mg Cl2、10mM MgSO4、20mMグルコース、pH7.0)で生育させる。Agrobacterium からのゲノムDNAの調製: LBA4404株を、ライブラリーの構築に使用する。使用するプロトコール、材料 および試薬は、Imbedキット(Biolabs,USA)からである。4×10mlのAgrobacte rium培養物を、28℃で一晩生育させる。回収1時間前に、180mg/mlのクロ ラムフェニコールを添加して、染色体を配列させる。細胞を800gで4℃で1 5分遠心し、ペレットを空気乾燥させる。細胞を0.5mlの細胞懸濁溶液(10mM Tris−HCl、20mM NaCl、100mM EDTA、pH7.2)中、42℃に、アガロース に埋めこむ前に予め暖める。Agrobacterium細胞をアガロース棒に埋め、細胞壁 の分解およびDNAの剪断を避ける除タンパクを行う。細胞をアガロース棒に埋め るために、細胞を当量の1%低融点アガロースのddH2O溶液と混合し、42℃に 冷却してGel Syringe鋳型中で硬化させる。アガロースの固化により、プラグを 3容量のリソザイム溶液(1mg/mlリソザイム、10mM Tris−HCl、50mM NaCl 、100mM EDTA、0.2%デオキシコール酸ナトリウム、0.5%N−ラウリルサ ルコシン、pH7.2)に移し、2時間、37℃で穏やかに振盪させながらインキュ ベートする。リソザイム溶液を除去し、棒を、2回、3ml洗浄溶液で15分洗浄 する。棒を、次いで3mlプロテイナーゼK溶液(1mg/mlプロテイナーゼK、10 0mM EDTA、1%N−ラウリルサルコシン、0.2%デオキシコール酸 ナトリウム、pH8.0)中、20時間、42℃で穏やかに振盪させながらインキュ ベートする。プロテイナーゼK溶液を吸引により除去し、棒を2回5ml洗浄溶液 (20mM Tris−HCl、50mM EDTA、pH8.0)に対して15分、次いで3ml PMSF 溶液(20mM Tris−HCl、50mM EDTA、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリ ド、pH8.0)に対して1時間透析し、続いて洗浄溶液で2回洗浄する。棒を、次 いで2回5ml貯蔵溶液(2mM Tris−HCl、5mM EDTA、pH8.0)で15分洗浄し、G elSyringesに再充填する。長さ1mmのサンプル(10−20ml)をかみそりの刃で 切り、NotI制限エンドヌクレアーゼ緩衝液(Biolabs,USA)に対して30分、4℃ で透析する。制限エンドヌクレアーゼ緩衝液を新鮮緩衝液に代え、インキュベー ションを、一晩、37℃で20単位のNotI酵素(Biolabs,USA)と行う。Agrobact erium DNAの部分的消化が、稀な切断酵素であるNotIの使用により達成される。N otIは、理論的に、全消化後に長さ18kbのフラグメントを産生し、Agrobacteri umゲノムが60%のG/C含量を有することを仮定する(結果は、異なるAgrobacter ium遺伝子から外挿)。次いで、アリコートを、先端を切断したピペットに充填す る。DNAをパルスフィールドゲル(PFG)電気泳動をBio−Rad CHEF Mapperを6V/cm で32時間使用して、1%アガロースゲル上で、0.5×TBE中、14℃で行うこ とにより分離する。ゲルを、20分、1mg/ml EtBr ddH2O浴で染色し、100− 200kbに対応するフラグメントを含むアガロース切片をゲルから摘出する。ア ガロース切片を、2回、TEに対して1時間、4℃で、および2回、アガロース緩 衝液(Biolabs,USA)に対して1時間、4℃で透析し、65℃で10分で溶解させ 、アガロース100mg当り1単位のアガラーゼ(Biolabs,USA)で消化させる。DN A濃度は、DyNA Quant 200(Hoefer,USA)を使用した蛍光測定で概算する。BIBAC ベクターの調製: BIBACベクターは、Carol M.Hamilton博士(Cornell University,Ithaca)(Ham ilton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)93,9975-9979,1996)から寄贈さ れた。BIBACは、E.coliおよびAgrobacteriumの両方で複製するように設計され、 またスクロース培地でのクローン化挿入物の直接選択を可能にするsacBII遺伝子 を含む。BIBACベクターはまたF−ファクターエピソームの起源も担持し、3 00kbまでの挿入物の細胞当たり1個または2個のコピーの安定な維持を可能に する(Shizuya et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)89,8794-8797,1992)。 る。フェノールークロロホルム抽出をイソプロパノール沈殿の前に行う。プラス ミドをNotIで消化し、1単位のシュリンプアルカリホスファターゼ(Boerhinger Mannheim)で37℃で1時間脱リン酸化する。ライゲーションを、150ngのAgr obacterium DNAが17ngの切断ベクター(概算モル比10:1でベクター過剰)と インキュベートされた40ml中、400単位のT4 DNAリガーゼ(Boerhinger)と、 17℃で一晩行う。形質転換前に、ライゲーションを、Micro−Collodion袋(Sar torius,Germany)中、TEおよび1/10 TEに対して4℃で2時間透析する。pBAC ライブラリーでのDH10Bの形質転換 コンピテントE.coli DH10B細胞(F-,rec A1;ElectroMax,Gibco−BRL,USA) の形質転換を、予め冷却したGenePulserキュベット(Bio−Rad,USA)中、Gene Pu lserTM(Bio−Rad,USA)で、以下の設定を使用してエレクトロポレーションする ことにより行う:ボルト数2.5kV、キャパシタンス25mFおよび抵抗200W。 25mlのコンピテント細胞を、1mlのライゲーション溶液と各エレクトロポレー ションで混合する。エレクトロポレーション後、細胞を0.5ml SOC溶液に移し 、37℃で回転ホイール中、45分インキュベートする。150mlのアリコート 細胞を、カナマイシン(40mg/ml)およびスクロース(5%)含有LB培地で培養す る。BAC DNA の単離およびBACクローンのDNA挿入サイズの測定 BACクローンを、カナマイシン(50mg/ml)添加10ml LBで、連続撹拌下一晩 生育させる。DNAを、以下の修飾をしたアルカリ(alcaline)融解法(Sambrook et al.,1989)に従って抽出する:RNAse 30mg/mlを再懸濁液に添加し、1回 のフェノール−クロロホルム精製をイソプロパノール沈殿前に行う。核酸のペレ ットを50mlのddH2Oに溶解する。DNAを、1%アガロースゲル上、0.5×TBE中 、14℃で、Bio−Rad CHEF Mapperを6V/cmで、32時間、PFG電気泳動するこ とにより分離する。メイズ胚のAgrobacteriumでの接種: 未成熟胚(0.8から2.5mm)を、無菌的に受粉12から15日後に摘出し、胚 盤を上にしてカルス開始培地(2DG4+5クロランベン)(Duncanの“D”培地、グル コース:N6メジャー、B5マイナー、MS鉄、20g/lスクロース5mg/lクロラン ベン、8g/l精製寒天、G4付加物および10mg/lグルコース添加、pH5.8)(Dun can et al.,1985)で培養する。細菌細胞を、2N63SM(3.97g/l N6塩、N6ビ タミン、30g/lスクロース、2mg/l 2,4-D,8g/l精製寒天、pH5.8)に再懸濁 する。胚を、AgrobacteriumまたはE.coliで、109細胞/mlの密度で5分接種し 、次いでカルス開始培地で3日培養する。次いで、組織をセフォタキシム(25 0mg/l)を添加した同じ培地に移す。組織の生存を、接種2週間後に採点する。Agrobacterium の形質転換 Agrobacterium形質転換は先に記載のように(Wen-Jun and Forde,Nucleic.Ac ids Research 20:8385,1989)、0.2cmエレクトロポレーションキュベット(Bio −Rad Laboratories Ltd.,USA)中、Gene PulserTM(Bio−Rad,USA)を使用して 、場の強さ10kV/cm(2.00kV)、キャパシタンス25mFおよび抵抗600Ωで 行う。微粒子銃形質転換用ベクター: 微粒子銃装置でのメイズの形質転換に使用するベクターは、全てpUCの誘導体 である。pMTLは、メイズメタロチオネイン−様遺伝子プロモーター(MT−L)を含 む植物形質転換ベクターである(de Framond,1991)。virB1のコード領域を、鋳 型としてのBACクローンから、および以下のプライマーと株Aから増幅する:5' −GGAGAGGCGGTGTTAGTT−3'(配列番号11);5'−CATCATCGCATTCGAGAG−3'(配列 番号12)。PCR反応は、Perkin−Elmerサーマルサイクラーズで、1×PCR緩衝液 、0.5単位のAmpliTaq、200μMの各dNTPs、0.2μMの各プライマーの25 μl反応中、55℃のアニーリング温度で行う。PCR生産物は、最初に、TAクロー ニングのために、pCR2.1ベクターにクローン化する(Invitrogen,San Diego,U SA)。次いで、XbaI−SpeI 2重消化で摘出し、次いでpMTLのXbaI部位に、各々p MTL−virB1およびpMTL−virB1を発生するように、センスおよびアンチセンス 配向でクローン化する。同様に、株Aから増幅したPCR産物を、各々pMTL−virB1 AおよびpMTL−virB1Aを産生するように、pMTLにセンスおよびアンチセンス配向 でクローン化する。 acvBを、pMTLセンスおよびpMTLアンチセンスのXbaI−XhoI部位にクローン化し 、pMTL−acvBおよびpMTL−acvBasを発生させる。 コード配列のN−末端コドンのイントロンを有するβ−グルクロニダーゼ遺伝 子(GUS)を含むpGUSは、オクトピンおよびマノピンシンターゼ遺伝子に由来する キメラプロモーターにより駆動する(マノピンシンターゼプロモーターのドメイ ンを有するオクトピンシンターゼプロモーター上流活性化配列のトリマー(Ni et al.,1995)。メイズ懸濁細胞 Zea Mays cv Black Mexican Sweet(BMS)の懸濁培養を、N6培地(Chu et al.,1 975)に維持し、30g/lスクロースおよび2mg/l 2,4−ジクロロフェノキシ酢 酸(2,4-D)(2N63S)を添加する。砲撃実験に使用するメイズ細胞懸濁は、急速に生 育させた培養の3日齢から取る。砲撃前に、約0.5mlの濃縮容量細胞を、7cm フィルター上で真空濾過する(Whatman,N°4)。培養細胞を、4時間、25℃で 、120g/lスクロース含有フィトアガー(phytoagar)固化2N6培地に、砲撃前 保つ。植物細胞の砲撃 組織を、プラスミドの混合物が沈殿した、金微粒子銃(microprojectiles)で砲 撃する。pGUSプラスミドDNAを、一過性発現実験の内部コントロールとして使用 する。共形質転換実験のために、金粒子は、等質量の全プラスミドDNAs(0.5μ gの各プラスミドDNA/標的プレート)を含む。適量の各DNAを、全量10μlに混 合し、50μlの2.5M CaCl2および20μlの0.1Mスペルミジン−フリー塩基 と共に、50μlの0.3μm金マイクロキャリアー(60mg/ml)に沈殿させる。微 粒子銃砲撃は、PDS−1000He微粒子装置(DuPont)で、1100psi破壊ディスクを 使用して、サンプルを停止スクリーン棚の8cm下に置いて行う。一過性発現アッセイ β−グルクロニダーゼ活性を、GUS−Lightキット(Tropix)の化学ルミネッセン スで測定する。β−グルクロニダーゼ活性を、Analytical Luminescenceモデル 2001Luminometerで、10秒にわたり25℃に積分された光単位として示す 。コロニーハイブリダイゼーション 1日齢BACクローンを、放射標識Agrobacterium由来プローブとのハイブリダイ ゼーションのために、ナイロンフィルターに乗せる(Hybond−N,Amersham Life Sciences,UK)。DNAプローブを、[a−32P]dCTPで、Pharmaciaのオリゴ標識キッ トを使用して標識する。chvGプローブおよびvirD1プローブは、PCR増幅フラグメ ントに対応する。ライブラリーフィルターを、ハイブリダイゼーション溶液で、 65℃で2時間(5×SSPE、5×Denhardt溶液、0.5%SDS 0.1mg/mlサケ精子 DNA)で前ハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションを、同じ緩衝液で65℃ で一晩行う。フィルターを、1×SSCN0.1%SDSで15分、65℃で洗浄し、続 いて0.1×SSC、0.1%SDSで15分、65℃でインキュベーションする。フィ ルターを、簡単にブロットを乾燥させ、フィルムを、一晩、−70℃で補カスク リーンを使用して暴露する。 PCR増幅のために、LBA4404のループをddH2Oに再懸濁し、95℃で15分加熱 し、遠心し、1mlを、以下の条件でPCR反応に使用する:5分、95℃および次 いで、95℃で45秒、55℃で45秒および72℃で45秒で30サイクル。結果 −−約20個のメイズ胚をBACライブラリー由来の一つのクローンで摂取し、カ ルス開始培地で培養する。共培養に続いて、胚を250mg/mlセフォタキシムを 添加した同じ培地に移す。次いで、胚を組換え細菌によりもたらされる傷害を評 価するために試験する。160個のクローンの中で、4個の独立したBACクロー ンが同定される(BAC1、BAC2、BAC3、BAC4)。 メイズ組織の細胞死を担うBACクローンの領域を更に局在化するために、BACク ローン由来のHindIIIフラグメントをbluescriptベクターにサブクローン化する 。これらのクローンの各々を、どれが細胞死を誘発する能力を保持するか決定す るために、メイズ組織で試験する。 −−DNA配列を、サブクローンおよびオリゴヌクレオチドを使用して決定する。B AC1−2、BAC2−2およびBAC3−2の配列は、各々virB1、xy1A−xy1Bおよ びacvBと相同性を示す。BAC−4はBAC3−2と同じである。 −−acvB(BAC3およびBAC4)、virB1(BAC1)およびxy1A−xy1B(BAC2)を担持す るBACクローンを、株Aに挿入し、株A(acvB)、A(virB1)およびA(xy1A)とす る。LBA4404で接種した組織は、典型的な細胞死パターンを示すが、一方株Aで の感染は、これらの症状を発症しない。A(acvB)、A(virB1)およびA(xy1A)は 、異なるレベルで細胞死を誘導し、A(acvB)が最も強い。これらの遺伝子の存在 は、従って、株Aとメイズの相互作用を変え、メイズ組織を、感染により感受性 とする(表12)。 −−サザン分析において、Agrobacterium株A136、LBA4404、LBA4402、Aおよび B由来のHindIII−消化ゲノムDNAを、xylAまたはacvBのいずれかと、緩和なスト リンジェンシーの条件下でプローブする。xy1Aに相同性のフラグメントは、試験 した全ての株に存在する。acvBとハイブリダイズする配列は、メイズ細胞の細胞 死を誘導するLBA4404、LBA4402およびA136中で見られる。興味深いことに、acvB は、Agrobacterium株AおよびBで欠失している。acvBは、従って、その分配中 に限定される。先に報告されるように、acvBの存在するAgrobacteriumの株は相 対的に少ない(Wirawan et al.,Biosci.Biotech.Biochem.60:44-49,1993)。 xy1AおよびacvBは、それらがTi−治療株LBA4402に存在しないため、Ti−プラス ミドにより担持されない。 −−メイズ細胞内のacvBおよびvirB1の発現が致死であるかを測定するために、 これらの遺伝子を植物発現ベクターにクローン化し、β−グルクロニダーゼ(GUS )を発現するpGUSベクターと共形質転換する。試験遺伝子が致死である場合、GUS 活性は減少するか除去される(Mindrinos et al.,1994)。これらの二つの遺伝子 のコード領域は、MTLプロモーターを含む植物発現ベクター内にセンスおよびア ンチセンス配向でサブクローン化され、ベクターpGUSと一緒にメイズ細胞に微粒 子銃で送達される。30時間後、GUSの活性をメイズ細胞で評価する。結果を表 13に示す。GUS活性は、virB1をpGUSと共砲撃したとき、約2倍減少する。acvB およびpGUSと共砲撃したメイズ細胞は、一貫して、GUS活性の35倍の減少を示 す。これは、メイズ細胞内でのacvBの高レベルな発現が有害であることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物細胞を、Agrobacterium誘導壊死(AIN)を阻害する条件下でAgrobacter iumに曝すことを含み、該Agrobacteriumが目的の遺伝子を含むベクターを含む、 目的の遺伝子で植物を形質転換する方法。 2.該植物細胞を、熱ショック処理後にAgrobacteriumに曝すことを含む、請 求項1記載の方法。 3.該植物細胞を、Agrobacterium誘導壊死(AIN)を阻害する薬剤の存在下でAg robacteriumに曝すことを含む、請求項1記載の方法。 4.AINを阻害する薬剤が化学阻害剤である、請求項3記載の方法。 5.化学阻害剤がエチレン阻害剤、エチレン合成阻害剤、ジベレリンアンタゴ ニストおよびホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される化合物である、請 求項4記載の方法。 6.AINを阻害する薬剤がヌクレオチド配列である、請求項3記載の方法。 7.ヌクレオチド配列が、AINを阻害するmRNAまたはタンパク質をコードする 、請求項6記載の方法。 8.組織をAgrobacterium誘導壊死(AIN)を阻害する条件下でAgrobacteriumに 曝すことにより植物組織を形質転換し、このように形質転換した組織を再生する ことを含み、該Agrobacteriumが目的の遺伝子を含むベクターを含む、繁殖可能 な、トランスジェニック植物の製造法。 9.AINを阻害する異種起源のオリゴヌクレオチド配列を含む植物、植物組織 または植物細胞。 10.a)AINの化学阻害剤、 b)目的の遺伝子を含むプラスミドを含むAgrobacterium、そして c)水および必須塩を含む、 植物細胞または組織培養培地。 11.目的の遺伝子を含むプラスミドを含むAgrobacteriumに、全能性細胞の 集団を曝すことを含み、Agrobacteriumが、該細胞の形質転換を達成するのに十 分な暴露期間および濃度で、該集団に明白なレベルの壊死を誘導しない株である 、Gramineae科の細胞の全能性細胞の形質転換法。 12.植物の再生可能細胞の集団をAgrobacterium株に暴露し、該細胞集団の 壊死を観察することを含む、Gramineae科の植物の再生可能細胞の形質転換に使 用するためのAgrobacterium株の適合性の決定法。 13.Agrobacterium壊死因子の発現を減少するか、除去するように遺伝的に 修飾されたAgrobacterium株またはそのような修飾株の誘導体。
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