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JP2002354803A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

Info

Publication number
JP2002354803A
JP2002354803A JP2001149378A JP2001149378A JP2002354803A JP 2002354803 A JP2002354803 A JP 2002354803A JP 2001149378 A JP2001149378 A JP 2001149378A JP 2001149378 A JP2001149378 A JP 2001149378A JP 2002354803 A JP2002354803 A JP 2002354803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
switching
voltage
circuit
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001149378A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001149378A priority Critical patent/JP2002354803A/ja
Publication of JP2002354803A publication Critical patent/JP2002354803A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計のマージンを小さなものとし、設計及び
製造の容易化を図る。 【解決手段】 一次側に対して自励式の電圧共振形コン
バータを備える複合共振形スイッチングコンバータを基
本構成とし、さらにドライブトランスの一次巻線と、自
励発振回路の駆動巻線を磁気結合させた上で、この一次
巻線と並列接続されるインダクタと、導通制御素子との
直列回路を形成させる。そして、二次側直流電圧のレベ
ル変動に応じて上記直列回路の電流量が可変されるよう
にすることで、自励発振回路の発信周波数(スイッチン
グ周波数)を可変制御し、スイッチング素子のスイッチ
ング周波数を可変させる定電圧制御を可能とさせる。こ
れにより、スイッチング周波数制御に必要とされていた
直交形制御トランスを省略することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図5の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできる、先行技術として
のスイッチング電源回路の一例を示している。この図に
示す電源回路の基本構成としては、一次側スイッチング
コンバータとして電圧共振形コンバータを備えている。
【0004】この図に示す電源回路では、ブリッジ整流
回路Di及び平滑コンデンサCiによって、商用交流電源
(交流入力電圧VAC)から交流入力電圧VACの1倍のレ
ベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成する。
【0005】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続する電圧共振形コンバータとしては、1石
によるシングルエンド方式が採用される。また駆動方式
としては自励式の構成を採っている。この場合、電圧共
振形コンバータを形成するスイッチング素子Q1には、
高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トラ
ンジスタ)が選定される。このスイッチング素子Q1の
コレクタ−エミッタ間に対しては、一次側並列共振コン
デンサCrが並列に接続される。また、ベース−エミッ
タ間に対しては、クランプダイオードDD−抵抗RDの直
列回路が接続される。ここで、並列共振コンデンサCr
は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得
られるリーケージインダクタンスL1と共に、一次側並
列共振回路を形成しており、これによって電圧共振形コ
ンバータとしての動作が得られるようになっている。そ
して、スイッチング素子Q1のベースに対しては、駆動
巻線NB−共振コンデンサCB−ベース電流制限抵抗RB
から成る自励発振駆動回路が接続される。スイッチング
素子Q1には、この自励発振駆動回路にて発生される発
振信号を基とするベース電流が供給されることでスイッ
チング駆動される。なお、起動時においては整流平滑電
圧Eiのラインから起動抵抗RSを介してベースに流れる
起動電流によって起動される。
【0006】直交型制御トランスPRTは、上記駆動巻
線NBと電流検出巻線NDの巻装方向に対してその巻装方
向が直交するようにして制御巻線Ncが巻装されて構成
され、後述するようにして一次側電圧共振形コンバータ
のスイッチング周波数を制御するために設けられる。こ
の直交形制御トランスPRTの構造については後述す
る。
【0007】絶縁コンバータトランスPITは、一次側
に得られるスイッチングコンバータのスイッチング出力
を二次側に伝送するために設けられる。この絶縁コンバ
ータトランスPITは、EE型コアに対して一次巻線N
1と二次巻線N2を分割して巻装し、中央磁脚に対しては
ギャップを形成することで、所要の結合係数による疎結
合の状態が得られるようにして、飽和状態が得られにく
いようにしている。
【0008】この絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1は、直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)のライン
とスイッチング素子Q1のコレクタとの間に接続されて
いる。スイッチング素子Q1は、直流入力電圧について
スイッチングを行うのであるが、これによって、一次巻
線N1には、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が
供給されることとなり、スイッチング周波数に対応する
周期の交番電圧が発生する。
【0009】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0010】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共
振回路が備えられる。なお、本明細書では、このように
一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作す
る構成のスイッチングコンバータについては、「複合共
振形スイッチングコンバータ」ともいうことにする。
【0011】この場合の絶縁コンバータトランスPIT
の二次側においては、先ず、二次巻線N2の巻終わり端
部に対して整流ダイオードD01のアノードを接続し、カ
ソードを平滑コンデンサC01の正極端子と接続すること
で、半波整流回路を形成している。この半波整流回路に
よっては、平滑コンデンサC01の両端には、二次側直流
出力電圧E01が得られることになる。また、この場合に
は、二次巻線N2に対してタップを設け、このタップ出
力に対して、図示するようにして整流ダイオードD02及
び平滑コンデンサC02から成る半波整流回路を形成して
いる。そして、この半波整流回路によっては、上記二次
側直流出力電圧E01よりも低圧な二次側直流出力電圧E
02が得られる。なお、具体的には、二次側直流出力電圧
E01=135V、二次側直流出力電圧E02=15Vとな
る。
【0012】これら二次側直流出力電圧E01,E02は、
それぞれ所要の負荷回路に対して供給されることにな
る。また、二次側直流出力電圧E01は制御回路1の検出
用電圧として分岐出力される。
【0013】制御回路1は、直流出力電圧E01と二次側
アース間に抵抗R3−R4が直列に接続され、この接続点
(分圧点)に対してシャントレギュレータQ3のコント
ロール端子が接続される。シャントレギュレータQ3の
アノードはアースに接地され、カソードは直交型制御ト
ランスPRTの制御巻線NCを介して、二次側直流出力
電圧E02のラインに対して接続される。また、ここでは
シャントレギュレータQ3のカソードは、コンデンサC1
1を介して抵抗R3、R4の接続点と接続されている。ま
た、抵抗R4に対しては、コンデンサC3と抵抗R5の直
列接続回路が並列に接続される。
【0014】上記のような接続形態により形成される制
御回路1は、直流出力電圧E01を検出入力とする誤差増
幅器として機能する。即ち、直流出力電圧E01を抵抗R
3、R4により分圧した電圧がコントロール電圧としてシ
ャントレギュレータQ3のコントロール端子に対して入
力される。従ってシャントレギュレータQ3では、直流
出力電圧E01に応じたレベルの電流を、制御電流Icと
して制御巻線NCに対して流すようにされる。つまり、
制御巻線NCに流れる制御電流レベルが可変制御される
ものである。制御巻線Ncに流れる制御電流レベルが可
変されることで、直交型制御トランスPRTにおいて
は、駆動巻線NBのインダクタンスLBを可変するように
制御することになる。これによって、自励発振駆動回路
における駆動巻線NB−共振コンデンサCBから成る共振
回路の共振周波数が変化し、スイッチング素子Q1のス
イッチング周波数が可変制御されることになる。このよ
うにしてスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が
可変されることで、二次側直流出力電圧が一定となるよ
うに制御される。つまり、電源の安定化が図られる。こ
こで、スイッチング周波数を可変するのにあたってはメ
インスイッチング素子Q1がオフとなる期間は一定とさ
れたうえで、オンとなる期間を可変制御するように動作
している。つまり、オン期間についての導通角制御を行
うと共にスイッチング周波数制御を実行している。な
お、本明細書では、このような複合的な制御を「複合制
御方式」ということとしている。
【0015】図6は、上記図5に示す構成の電源回路の
要部の動作として、重負荷時における各部の動作波形を
示している。ここでは主として一次側の動作が示されて
いる。自励発振駆動回路としての直列共振回路(NB,
CB)では、駆動巻線NBに得られた交番電圧により共振
動作を行うことで、図6(e)に示すように、正弦波状
の直列共振電流I2が得られる。そして、この直列共振
電流I2がベース電流制限抵抗RBを介することで、スイ
ッチング素子Q1のベースには図6(d)に示すよう
に、ベース電流(駆動電流)IBが流れる。この駆動電
流IBによって、スイッチング素子Q1は、スイッチング
動作を行う。
【0016】この際、スイッチング素子Q1のコレクタ
に流れるコレクタ電流IQ1は、図6(b)に示す波形が
得られる。また、スイッチング素子Q1//並列共振コン
デンサCrの並列接続回路の両端には、図6(a)に示
すようにして、この並列共振回路の作用によって並列共
振電圧V1が発生する。この並列共振電圧V1は、図のよ
うに、スイッチング素子Q1がオンとなる期間TONは0
レベルで、オフとなる期間TOFFにおいて正弦波状のパ
ルスとなる波形が得られ、電圧共振形としての動作に対
応している。
【0017】また、上記したタイミングによってスイッ
チング素子Q1がスイッチング動作を行うことで、一次
巻線N1に流れる巻線電流I1は、図6(c)に示すよう
にしてスイッチング周期に応じた交番波形となる。
【0018】ここで、スイッチング素子Q1がオンとな
る期間TONにおいて、図6(e)の直列共振電流I2が
正極性の領域は、図6(d)の駆動電流IBの順方向バ
イアス電流の領域に対応する。また、同じ期間TONにお
いて、直列共振電流I2が負極性の領域は、駆動電流IB
の逆方向バイアス電流となる。そして、この期間TONに
おける駆動電流IBの逆方向バイアス電流の領域がスイ
ッチング素子Q1の蓄積時間(tstg)となる。
【0019】スイッチング素子Q1のベース−エミッタ
間には、逆回復時間が長い低速のダンパーダイオードD
Dと抵抗RDの直列回路が接続されている。スイッチング
素子Q1がオフとなる期間TOFFでは、負となる直列共振
電流I2が、抵抗RD→クランプダイオードDD→ベース
電流制限抵抗RB→共振コンデンサCB→駆動巻線NBを
介して流れるが、これが図6(g)のダンパー電流ID1
として期間TOFFに得られる波形となる。そして次に、
期間TONが開始されると、並列共振コンデンサCrの充
放電エネルギーが、クランプダイオードDD→スイッチ
ング素子Q1のベース→コレクタを介して流れ、これ
が、期間TON開始時(ターンオン時)における負極性の
ダンパー電流(ID)となる。そして、この期間が終了
すると、ダンパーダイオードDDは逆回復時間の領域と
なって正極性の方向に急峻に立ち上がり、以降は、図示
するようにして、期間TON終了時にかけて徐々に0レベ
ルとなっていく波形が得られる。
【0020】上記のようにして駆動電流IB及びダンパ
ー電流ID1が流れることに対応して、スイッチング素子
Q1のベース−エミッタ間電圧VBEは、図6(f)に示
すように、期間TOFFにおいては負極性による正弦波状
で、期間TONにおいては、その開始時のダンパー期間で
は急峻に負極性にピークを持ち、これが終了すると正極
性の一定レベルで0レベルに対してオフセットが与えら
れる波形となるものである。このオフセットレベルは、
例えば抵抗RDの抵抗値により決定される。
【0021】また、上記のようにして動作する図5の電
源回路の制御特性を図7に示す。二次側直流出力電圧E
01の負荷電流Ioが0〜1.5Aの範囲で変化するのに
応じて、制御電流Icは、図のようにして変化する。つ
まり、負荷電流が増加して重負荷の条件となり、二次側
直流出力電圧E01が低下していくのに従って制御電流レ
ベルを減少させるようにして制御が行われる。この結
果、スイッチング周波数fsとしては、重負荷の条件と
なるのに従って低下していくようにして制御が行われ
る。また、交流入力電圧VACの変動に対応するものとし
て、交流入力電圧VAC=120VとVAC=90Vの場合
が示されているが、制御電流Icは、交流入力電圧VAC
=120V時の条件のほうが交流入力電圧VAC=90V
時の条件よりも増加しており、スイッチング周波数fs
については、交流入力電圧VAC=120V時の条件のほ
うが交流入力電圧VAC=90V時の条件よりも高くなっ
ている。これは、交流入力電圧VACのレベルが高くなっ
て二次側直流出力電圧E01が上昇したとされる場合には
制御電流Icは増加されるようにして制御され、これに
応じてスイッチング周波数fsも上昇されるようにして
制御されることを示している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記構成にお
いて直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線N
D、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和
リアクトルである。図9に直交形制御トランスPRTの
構造を示す。図9(a)はその全体構造を説明するため
の外観斜視図、図9(b)は巻装される巻線の巻線方向
を説明するための断面斜視図である。図9(a)に示す
ように、直交形制御トランスPRTは、フェライトによ
る2つのダブルコの字形コア21,22を組み合わせた
立体形コア20によって形成されている。一方のダブル
コの字形コア21は、図9(a)(b)に示されている
ように4本の磁脚21a,21b,21c,21dを有
して構成される。また、他方のダブルコの字形コア22
も、例えば図9(a)(b)に示されているように4本
の磁脚22a,22b,22c,22dを有して構成さ
れる。そして、これら2つのダブルコの字形コア21,
22の互いの磁脚21a〜21d,22a〜22dの端
部を接合することで立体形コア20が形成されている。
【0023】磁脚21a〜21dのそれぞれと磁脚22
a〜22dのそれぞれの接合部分については、上段の2
組或いは下段の2組のおいて10μmのマイラーフィル
ムを挿入し、ギャップG=10μmとしている。そして
図8に示すように、駆動巻線NBのインダクタンスLBの
直流重畳特性は、制御電流Ic=10mA〜60mAに
対して、インダクタンスLB=8μH〜2.5μHに変
化する。
【0024】そして、図9(b)にも示されているよう
に、例えばダブルコの字形コア22の2本の磁脚22
c,22dには制御巻線NCが巻回され、ダブルコの字
形コア21の磁脚21c,21bには検出巻線ND及び
駆動巻線NBが巻回されている。つまり、この直交形制
御トランスPRTは、検出巻線ND及び駆動巻線NBに対
して制御巻線NC が直交する方向に巻回された可飽和リ
アクトルとして構成される。この直交形制御トランスP
RTの制御巻線NCとしては、例えば60μmφのポリ
ウレタン被覆銅線により1000T(ターン)巻回さ
れ、検出巻線NDは0.3mmφのポリウレタン被覆銅
線により1T、駆動巻線NBは0.3mmφのポリウレ
タン被覆銅線により3T巻回される。
【0025】このような直交形制御トランスPRTで
は、制御巻線に流す制御電流量を少なくするために、ギ
ャップGが上記のように10μmという程度に僅小なも
のとしている。ところがこのため製造時においてはその
ギャップ厚の精度誤差が生じざるを得なくなるが、これ
は、直交型制御トランスPRTに巻装される駆動巻線N
Bのインダクタンス値についてばらつきを生じさせる。
またフェライトコアの透磁率、磁脚の接合時のずれ等の
ばらつきも、駆動巻線NBのインダクタンス値について
ばらつきを生じさせる。これらのことからインダクタン
スLBの許容値は、インダクタンス値が±10%変動す
るものとしなければならない。このためスイッチング素
子Q1の増幅率hFEや蓄積時間tstgのばらつきが生ずる
が、このばらつきに対して複合共振形コンバータの定電
圧保証範囲を、例えば商用交流電源が100V系である
場合に交流入力電圧VAC=100V±10%とするため
には、直交形制御トランスPRTのインダクタンス可変
範囲は十分なマージンをもって設計しなければならな
い。つまり実用化の場合のマージン設計が困難なものと
なる。
【0026】また直交形制御トランスPRTの巻線仕様
は上記のとおりであり、さらに制御巻線NCと、検出巻
線ND及び駆動巻線NBとを互いに直交する方向に巻回す
ることは、製造上、巻線工程が非常に複雑となる。さら
にダブルコの字形コア21、22のそれぞれ4本の磁脚
をマイラフィルムを介してずれなく接合することも組立
工程を難しくしている。即ち直交形制御トランスPRT
は製造の難易度が高く、コストダウンも困難である。
【0027】また直交形制御トランスPRTの制御巻線
NCに流れる直流制御電流Icは、絶縁コンバータトラ
ンスPITの2次側の直流出力電圧E02ライン(15V
ライン)から供給され、その供給電力は0.9W〜0.
15Wの範囲で変動するが、この供給電力は無効電力で
あり、軽負荷時の電力損失が増加する。
【0028】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成することとした。つまり、直流入力電圧を入力し
てスイッチングを行うスイッチング素子を備えたスイッ
チング手段と、一次巻線に得られる上記スイッチング手
段の出力を二次巻線に対して伝送する絶縁コンバータト
ランスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と、
一次側並列共振コンデンサとにより形成され、上記スイ
ッチング手段の動作を電圧共振形とするように設けられ
る一次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランス
に巻装した二次巻線に対して二次側並列共振コンデンサ
を並列に接続することで形成される二次側並列共振回路
と、上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力
して整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構
成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータ
トランスの二次巻線と直列に接続されると共に一次側に
巻装される検出巻線と、二次側に巻装される駆動巻線と
を備え、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線から上
記検出巻線に伝達される交番電圧を上記駆動巻線に伝送
するドライブトランスと、上記駆動巻線と共振用コンデ
ンサにより形成される直列共振回路を有して、この直列
共振回路の出力にもとづいて上記スイッチング素子をス
イッチング駆動させるスイッチング駆動手段と、インダ
クタと導通制御素子とを直列接続して形成され、上記検
出巻線に対して並列に接続される直列回路と、上記直流
出力電圧生成手段により得られる直流出力電圧のレベル
に応じて上記導通制御素子における電流導通量を可変制
御して、絶縁コンバータトランスの二次巻線から上記検
出巻線と上記直列回路に分流する電流量を可変すること
によって上記スイッチング素子のスイッチング周波数を
制御して、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行
うようにされる定電圧制御手段とを備えるようにした。
【0029】上記構成によれば、複合共振形コンバータ
の一次側に備えられるスイッチング素子は自励式によっ
て駆動される。そのうえで、定電圧制御のために、二次
側の直流出力電圧のレベルに応じて導通制御素子におけ
る電流導通量を可変して、上記検出巻線と上記直列回路
に分流する電流量を可変する。つまり、上記検出巻線に
流すべき電流量を可変することで、スイッチング素子の
スイッチング周波数が制御されることになる。そしてこ
のような定電圧制御の構成であれば、例えば自励式の場
合にスイッチング周波数可変制御のために用いられてい
た直交型制御トランスを省略することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としての電源回路の構成を示している。この図1に示
す電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータを備える
と共に二次側には並列共振回路を備えた複合共振形スイ
ッチングコンバータとしての構成を採る。この図に示す
電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電
圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑
回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサ
Ciからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧VA
Cの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成する
ようにされる。
【0031】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングル
エンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コ
ンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータ
は自励式の構成を採っており、スイッチング素子Q1と
しては、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が使用される。スイッチング素子Q
1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続され、
エミッタは一次側アースに接続される。
【0032】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列
に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシ
タンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次
側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子
Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路に
よる共振動作が得られることで、スイッチング素子Q1
のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0033】また、スイッチング素子Q1 のベース−エ
ミッタ間にはクランプダイオードDDが図示する方向に
よって接続される。つまり、クランプダイオードDDの
アノードが一次側アース(エミッタ)と接続され、カソ
ードがベースに対して接続される。なお、クランプダイ
オードDDには低速リカバリ型のダイオード素子が選定
される。
【0034】また、スイッチング素子Q1のベースは起
動抵抗RSを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続され
ており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗RS
を介して得られるベース電流が流れることで起動するよ
うにされている。
【0035】ドライブトランスCDTは、スイッチング
素子Q1を自励式により駆動するために設けられる。こ
の場合、ドライブトランスCDTの一次側は検出巻線N
Aとされ、この検出巻線NAは絶縁コンバータトランスP
ITの二次巻線N2に直列に接続されていることで、絶
縁コンバータトランスPITを介して一次巻線N1から
二次巻線N2に誘起されたスイッチング素子Q1のスイッ
チング出力を検出するようになっている。そして、この
検出巻線NAに得られる交番電圧が誘起されるCDTの
二次側に対して、駆動巻線NBが巻装される。この駆動
巻線NBは、スイッチング素子Q1をスイッチング駆動す
る自励発振駆動回路を形成する。
【0036】上記各巻線が巻装されるドライブトランス
CDTとしては、例えば図4(a)に示すようなH字型
フェライト磁心によるものか、或いは図4(b)のEI
−12型フェライト磁心によるものを採用できる。図4
(a)の場合は、H字型のフェライト磁心100に対し
て、検出巻線NA、駆動巻線NBを巻装することで形成さ
れる。なお、CDTの一次側と二次側は、それぞれ絶縁
コンバータトランスPITの二次側と一次側とに在るよ
うにされるため、実際にはフォトカプラ等を設けること
により直流的に絶縁することが必要となる。但し、駆動
巻線NBについて三重絶縁線を選定すれば、フォトカプ
ラを介在させなくとも充分な絶縁状態を得ることができ
る。
【0037】図4(b)の場合は、I型コア102とE
型コア101を図のように配する。I型コア102とE
型コア101の磁脚の接合点にはギャップGを形成す
る。そしてE型コア101の中央磁脚に分割ボビン10
3を配し、この分割ボビン103に検出巻線NAと駆動
巻線NBをそれぞれ巻装することで形成される。この図
4(a)又は図4(b)のようなドライブトランスCD
Tは、例えば図9で説明した直交形制御トランスPRT
に比較して大幅な小型軽量化が可能となるものである。
【0038】スイッチング素子Q1のベースに対して
は、図示するように、[駆動巻線NB−ベース電流制限
抵抗RB−時定数コンデンサCB]の直列接続回路が接続
される。この直列接続回路は、スイッチング素子Q1を
自励式によりスイッチング駆動するための自励発振駆動
回路となる。
【0039】この場合、自励発振駆動回路における、ド
ライブトランスCDTの駆動巻線NBは、上記のように
検出巻線NAが絶縁コンバータトランスPITの二次巻
線N2に直列接続されているため、二次巻線N2に得られ
るスイッチング出力電圧により誘起される。そして、自
励発振駆動回路としては、コンデンサCBと駆動巻線NB
のインダクタンスとによって、直列共振回路を形成す
る。
【0040】上記自励発振駆動回路の駆動巻線NBに
は、検出巻線NAにより誘起されるドライブ電圧として
の交番電圧が発生する。このドライブ電圧が、電流制限
抵抗RBを介して、直列共振回路[NB−CB]に自励的
に発振動作を行わせることで共振出力が得られることに
なる。そして、この共振出力により、スイッチング素子
Q1のベースには、スイッチング駆動信号としてのベー
ス電流が流れる。これにより、スイッチング素子Q1
は、直列共振回路の共振周波数により決定されるスイッ
チング周波数でスイッチング動作を行うことになる。そ
して、そのコレクタに得られるスイッチング出力を絶縁
コンバータトランスPITの一次巻線N1に伝達する。
【0041】上述したように、絶縁コンバータトランス
PITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を
二次側に伝送する。絶縁コンバータトランスPITは、
例えばフェライト材による2組のE型コアを互いの磁脚
が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、
このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンを利用
して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状
態で巻装している。そして、中央磁脚に対してはギャッ
プを形成するようにしている。これによって、所要の結
合係数による疎結合の状態が得られるようにしている。
ギャップは、2組のE型コアの各中央磁脚を、2本の外
磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。ま
た、結合係数kとしては、例えばk≒0.85という疎
結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が
得られにくいようにしている。
【0042】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この図1に示す回路においては、前述
もしたように、二次巻線N2に対しては検出巻線NAが直
列接続されている。そして、この二次巻線N2−検出巻
線NAの直列接続に対して二次側並列共振コンデンサC2
が並列に接続される。従って、この場合には、二次巻線
N2のリーケージインダクタンスL2と検出巻線NAのイ
ンダクタンスと、二次側並列共振コンデンサC2のキャ
パシタンスとによって並列共振回路が形成される。この
並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電
圧、及び検出巻線NAに得られる交番電圧は共振電圧と
なる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0043】つまり、この電源回路は、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を
備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回
路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」とさ
れるものである。
【0044】上記のようにして形成される電源回路の二
次側に対しては、二次巻線N2の一方の端部に接続され
る二次側整流ダイオードD01と平滑コンデンサC01とか
らなる半波整流回路が備えられ、これにより、二次巻線
N2に誘起される交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する
二次側直流出力電圧E01を得るようにしている。また、
ここでは、二次巻線N2に対してタップ出力を設けて、
このタップ出力と二次側アース間に対して、図示するよ
うに、二次側整流ダイオードD02と平滑コンデンサC02
から成る半波整流回路を接続することで、低圧の二次側
直流出力電圧E02を得るようにしている。この場合、二
次側直流出力電圧E01は、制御回路1に対して定電圧制
御のための検出電圧として入力される。
【0045】また、絶縁コンバータトランスPITの二
次側においては、インダクタLOと、MOS−FETの
導通制御素子Q2とを直列に接続した直列回路が備えら
れる。この直列回路は、導通制御素子Q2のドレインを
インダクタLOを介して駆動巻線NAと二次巻線N2との
接続点に対して接続し、ソースを二次側アースに接続し
ている。そして、導通制御素子Q2に対しては、逆方向
電流の経路を形成するためのクランプダイオードDD2が
並列に接続される。このクランプダイオードDD2には、
導通制御素子Q2が内蔵するボディダイオードを選定す
ればよい。
【0046】制御回路1は、分圧抵抗RC−RD、シャン
トレギュレータQ3、トランジスタQ4を有して構成され
る。分圧抵抗RC−RDによっては直流出力電圧E01を分
圧しており、この分圧抵抗RC−RDにより分圧された電
圧レベルに応じて、シャントレギュレータQ3に流れる
電流の量が可変され、この電流がトランジスタQ4のベ
ース電流として流れる。これに伴いトランジスタQ4の
コレクタ電流の導通量が可変され、導通制御素子Q2の
ゲート電圧が可変されることとなる。この場合、制御回
路1は、二次側直流出力電圧E01のレベルが上昇する
と、トランジスタQ4のコレクタ電流を増加させるよう
になっている。つまり、二次側直流出力電圧E01の上昇
分に応じて導通制御素子Q2のゲート電圧レベルを上昇
させるように構成されている。
【0047】このように、本実施の形態では、上記制御
回路1、及び導通制御素子Q2、インダクタLOを備えた
定電圧制御回路系が構成される。そして、この定電圧制
御回路系は、スイッチング素子Q1のスイッチング周波
数を可変制御するように動作し、これによって定電圧化
を図るようにされるのであるが、この動作については後
述する。
【0048】図2、図3は、図1に示した構成による電
源回路における要部の動作を示す波形図である。図2に
おいては、交流入力電圧VAC=100Vで負荷電力Po
=150Wの重負荷時における条件の場合の動作を示
し、図3においては、交流入力電圧VAC=100Vで負
荷電力Po=25Wの軽負荷時における条件の場合の動
作を示している。また、これらの図に示す動作を得るの
にあたっては、各部品を次のようにして選定している。 インダクタLO=2.2μH ドライブトランスの二次巻線LB=10μH 時定数コンデンサCB=0.56μF ドライブトランスの一次巻線=1T
【0049】まず、図1で説明したように、一次側並列
共振回路においてドライブトランスCDTに巻装される
駆動巻線NBに交番電圧が発生することによって、駆動
巻線NBには図2(d)、図3(d)に示す駆動巻線電
流INBが流れる。そして、この駆動巻線NBに得られる
交番出力によって、自励発振駆動回路[NB−CB−R
B]が動作することによって、スイッチング素子Q1に
は、図2(c)、図3(c)に示すようにしてベース電
流IBが流れる。上記ベース電流IBは、ベース蓄積キャ
リア消滅時間tstgが完了するとゼロレベルになり、こ
れによって、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TO
FFに移行する。
【0050】また、期間TOFFを経過してスイッチング
素子がオンとなる期間TONに至ると、クランプダイオー
ドDDの逆回復時間trrの効果によってクランプダイオ
ードDDが導通する。これによって、駆動巻線電流INB
は、クランプダイオードDDを介し、さらにQ1ベース→
Q1コレクタのPN接合を介して電流が流れる。これに
より、図2(b)、図3(b)に示すコレクタ電流IQ1
としては、先ず、負極性の方向に流れる波形が得られ、
このときのベース電流IBとしても、コレクタ電流IQ1
に対応した正極性の波形が得られる。そして、この後に
おいては、クランプダイオードDDはオフとなってスイ
ッチング素子Q1が導通することで、スイッチング素子
Q1のコレクタ→エミッタを介して、正極性に増加する
コレクタ電流IQが流れることになる。
【0051】上記のようにしてスイッチング素子Q1が
スイッチング動作を行うことで、一次側並列共振コンデ
ンサCrの両端に得られる共振電圧V1は、図2
(a)、図3(a)に示すようにして、スイッチング素
子Q1がオンとなる期間TONでは0レベルで、オフとな
る期間TOFFでは正弦波状のパルスとなる波形が得られ
る。これは、一次側スイッチングコンバータが電圧共振
形の動作であることを示している。また、コレクタ電流
IQ1は、図2(b)、図3(b)に示すようにして、期
間TOFFでは0レベルとなる。
【0052】上記した一次側スイッチングコンバータに
よる共振電圧は、図1で説明したように絶縁コンバータ
トランスPITの二次側に誘起される。これによりPI
Tの二次巻線N2には電流I2が流れることとなり、この
電流I2の波形は図2(e)、図3(e)に示すよう
に、スイッチング周期に対応した交番波形として流れ
る。
【0053】ここで、ドライブトランスの検出巻線NA
と、インダクタLOと導通制御素子Q2の直列回路は、図
1で説明したように並列接続された上で絶縁コンバータ
トランスの二次巻線に接続されているので、検出巻線N
Aと直列回路[LO―Q2]には電流I2が分流して流れ
る。NAに流れる電流をINA、LO―Q2間を流れる電流
をIQ2とすると、これらの波形図はそれぞれ図2(f)
と図3(f)、図2(g)と図3(g)に示すようにな
る。まず、図2(f)、図3(f)に示す電流INAの波
形は、図2(e)、図3(e)で説明した電流I2の波
形と同周期であり、振幅は電流I2の波形よりも小さい
ものとなっている。また、図2(g)、図3(g)に示
す電流IQ2の波形も同様に電流I2の波形と同周期であ
り、振幅はI2よりも小さくなっている。そして、電流
INAと電流IQ2の波形を合成すると、電流I2の波形と
なっており、これは、上記したように絶縁コンバータト
ランスPITの二次巻線N2に流れる電流I2が、ドライ
ブトランスの二次巻線NAと、インダクタLOと導通制御
素子Q2の直列回路とに分流されていることを示してい
る。
【0054】なお、二次側並列共振回路[N2//C2]に
得られる二次側並列共振電圧V2の波形図は、図2
(h)、図3(h)に示すようになる。二次側並列共振
電圧V2では、重負荷時においては、図2(h)に示す
ように正極性側において一定のレベルを保持し、あるタ
イミングで負極性方向に反転し、再び正極性側に反転し
て一定レベルを保持する波形が得られる。この波形にお
いて、正極性に一定のレベルを保持している期間は、図
1で説明した二次側整流ダイオードD01がオンとなる期
間であり、負極性方向に反転している期間はD01がオフ
となる期間である。また、軽負荷時におけるV2の波形
図は図3(h)のようになる。すなわち、期間TONに対
応して正極性となり、期間TOFFに対応して負極性とな
る正弦波形が得られる。
【0055】図1に示した電源回路は、上記図2及び図
3により示される波形としての動作が得られるのである
が、図2及び図3を比較して分かるように、例えば軽負
荷の条件になるなどして二次側直流出力電圧が上昇する
のに応じては、スイッチング周波数が高くなるように動
作している。つまり、スイッチング周波数制御が行われ
ており、これによって定電圧化を図るようにされる。そ
して、このようにしてスイッチング周波数を可変する動
作は、次のようにして得られる。
【0056】例えば交流入力電圧VACが上昇する、或い
は、負荷電力が小さくなるなどして二次側直流出力電圧
E01のレベルが上昇したとする。すると、図1で説明し
たように、制御回路1によっては、二次側直流出力電圧
E01の上昇に応じてMOS−FETである導通制御素子
Q2に流れる電流導通量を増加させることになる。前述
もしたように、二次巻線N2の電流I2は、検出巻線NA
とインダクタLOに分流して流れるが、導通制御素子Q2
の電流導通量が増加されることで、インダクタLOに分
流する電流(IQ2)が増加し、検出巻線NAに流れる電
流INAは減少することになる。これによって、検出巻線
NAに発生する交番電圧レベルが低下するので、ドライ
ブトランスCDTの二次側にある駆動巻線NBに励起さ
れる交番電圧も低下する。
【0057】これに伴って駆動巻線電流INBの電流レベ
ルが減少するので、自励発振駆動回路[NB−RB−C
B]によってスイッチング素子Q1のベースに流されるベ
ース電流IBのレベルも減少する。このため、ベース電
流IBが正極性となる期間が短くなるが、これはすなわ
ち、スイッチング素子Q1がオンとなる期間が短くなる
ことであり、これによりスイッチング周波数が高くなる
のである。したがって、この結果、二次側直流出力電圧
E01の上昇に伴っては、スイッチング周波数が高くなる
ようにして可変制御される。スイッチング周波数が可変
制御されることによっては、例えば一次側並列共振回路
の共振インピーダンスが可変されることとなって、絶縁
コンバータトランスPITの一次側から二次側に対して
伝送される電力も可変されることになるわけである。こ
れにより、最終的には二次側直流出力電圧のレベルも可
変制御されることとなり、電源の安定化が図られること
となる。
【0058】また、上述した動作からもわかるように、
本発明の実施の形態におけるこの電源回路では、スイッ
チング周波数を可変するのにあたりメインスイッチング
素子Q1がオフとなる期間は一定とされたうえで、オン
となる期間を可変制御するようにしている。つまり、重
負荷時にはスイッチング素子Q1がオンしているTON期
間が長くなり、軽負荷時にはTON期間が短くなるように
制御される。したがって、本実施の形態ではオン期間に
ついての導通角制御を行うと共にスイッチング周波数制
御を実行するという「複合制御方式」をとっているので
ある。
【0059】以上、本実施の形態による定電圧制御回路
の構成について説明したが、この回路の構成とすれば、
図5に示されていた直交型制御トランスPRTは省略さ
れることとなる。これにより、本実施の形態では、直交
型制御トランスPRT製造時におけるギャップのばらつ
き等に起因する駆動巻線NBについてのインダクタンス
値のばらつきの問題は解消されることになる。従って、
交流入力電圧VACの範囲に対するマージンを少なく設定
することが可能となるので、回路設計も容易なものとす
ることが可能になる。また、直交形制御トランスPRT
の製造工程の困難性にかかる問題も解消される。さらに
AC/DC電力変換効率の向上も図られる。
【0060】また、図5の例のように直交形制御トラン
スPRTの制御巻線NCに制御電流を供給してスイッチ
ング周波数を制御する構成ではないので、電力損失を低
減することができ、特に制御電流レベルが大きくなる軽
負荷時における効果が大きくなる。また、ドライブトラ
ンスCDTは、図4で説明したように超小型のEI−1
2形フェライト磁心或いはH字形フェライト磁心によっ
て構成が可能であり、図5の先行技術に示したように直
交形制御トランスPRTを設ける場合に比べて大幅に小
型軽量化を図ることができる。
【0061】さらに、またMOS−FET(Q2)につ
いては、耐圧30V、定格電流1A以下の、低耐圧小容
量品でよいことになる。例えば、先に本出願人は、複合
共振形スイッチングコンバータに対して、一次側並列共
振電圧又は二次側共振電圧をクランプするアクティブク
ランプ回路を設け、このアクティブクランプ回路の導通
角制御によって電源の安定化を図る構成を各種提案して
いるのであるが、この場合には、アクティブクランプ回
路を形成するMOS−FET等のスイッチング素子につ
いては、一次側並列共振電圧レベル又は二次側共振電圧
レベルに応じた高耐圧品を選定する必要があり、それだ
けコスト及びサイズの点などで不利であった。これに対
して本実施の形態では、MOS−FET(Q2)につい
て低耐圧小容量品が選定されるのであるから、それだけ
低コスト化及び小型軽量化を実現することが可能となる
ものである。
【0062】また、本実施の形態では、検出巻線NAに
より駆動巻線NBに誘起された交番電圧を利用してスイ
ッチング素子を駆動する構成を採っている。ここで、検
出巻線NAは、二次側並列共振回路を形成するインダク
タンスとされていることで、検出巻線NAでは共振波形
が得られ、従って、これにより誘起される駆動巻線NB
としても共振波形が得られることとなる。これによっ
て、スイッチング素子Q1に流れるベース電流IBとして
は、図2(c)及び図3(c)の波形図にも示されてい
るように、順方向ベース電流IB1より逆方向ベース電流
IB2の方がピーク値は大きくなり、スイッチング素子Q
1の下降時間が少なくなることから、それだけスイッチ
ング素子Q1のオフ時のスイッチング損失が低減される
ものとなる。従って、スイッチング素子Q1の発熱もよ
り少ないものとすることができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電源回路
では、一次側に対して自励式の電圧共振形コンバータを
備える複合共振形スイッチングコンバータを基本構成と
している。そして、定電圧制御のために、ドライブトラ
ンスにおいて、検出巻線と自励発振回路の駆動巻線を磁
気結合させた上で、この検出巻線と並列接続されるイン
ダクタと、導通制御素子との直列回路を形成する。そし
て、二次側直流電圧のレベル変動に応じて上記直列回路
の電流量が可変されるようにすることで、自励発振回路
の発信周波数(スイッチング周波数)を可変制御する。
このような構成をとることによって、スイッチング周波
数制御による定電圧制御が実現されるのであるが、これ
によって、スイッチング周波数制御に必要とされていた
直交形制御トランスを省略することが可能となる。この
ため本発明では、直交形制御トランスのギャップのばら
つき等に起因するインピーダンス値のばらつきの問題は
解消され、特に本発明におけるドライブトランスのイン
ピーダンスのばらつきは±5%程度となる。このため、
直流入力電圧の範囲に対するマージンを少なく設定する
ことが可能となるので、回路設計も容易なものとするこ
とができる。また、直交形制御トランスの製造工程の困
難性に係る問題も解消され、さらに、AC/AD電力変
換効率の向上も図られる。
【0064】そして、さらに本発明の電源回路では、直
交形制御トランスPRTの制御巻線に制御電流を供給し
てスイッチング周波数を制御する構成ではないので、電
力損失を低減することができ、特に制御電流レベルが大
きくなる軽負荷時における効果が大きくなる。また、ド
ライブトランスは小型軽量のものが選定でき、補助スイ
ッチング素子としては低耐圧小容量品のMOS―FET
でよいなど、設計上及びコスト上、好適であるといえ
る。
【0065】さらに本発明の電源回路では、検出巻線が
一次側並列共振回路、または二次側共振回路に含まれる
ようにされていることで、この検出巻線によって駆動巻
線に誘起される交番電圧を利用して得られるスイッチン
グ駆動信号は正弦波形に対応したものとなる。このた
め、スイッチング素子に流れるベース電流としては、順
方向ベース電流より逆方向ベース電流の方がピーク値は
大きくなってスイッチング素子の降下時間が少なくなる
ことから、スイッチング素子のオフ時のスイッチング損
失が低減されるものとなる。また、スイッチング素子の
発熱も少なくなるという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスイッチング電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図2】本発明におけるスイッチング電源回路における
要部の動作(重負荷時)を示す波形図である。
【図3】本発明におけるスイッチング電源回路における
要部の動作(軽負荷時)を示す波形図である。
【図4】ドライブトランスの構成例を示す斜視図、及び
断面図である。
【図5】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成
例を示す回路図である。
【図6】図5に示す電源回路における要部の動作を示す
波形図である。
【図7】図5に示す電源回路の定電圧制御特性を示す説
明図である。
【図8】図5に示す電源回路における、駆動巻線NBの
インダクタンスについての直流重畳特性を示す説明図で
ある。
【図9】直交形トランスの構成例を示す斜視図、及び断
面図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Di ブリッジ整流回路、Ci、C01、C
02 平滑コンデンサ、CB 時定数コンデンサ、Cr
並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデン
サ、Q1 スイッチング素子、Q2 導通制御素子、Q3
シャントレギュレータ、Q4 トランジスタ、RS 起
動抵抗、RB ベース電流制限抵抗、RC、RD 分圧抵
抗、DD、DD2 クランプダイオード、D01、D02 二
次側整流ダイオード、PIT 絶縁コンバータトラン
ス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、CDT ドライブ
トランス、NA 検出巻線、NB 駆動巻線、LO イン
ダクタ、100 フェライト磁心、101 E型コア、
102 I型コア、103 分割ボビン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流入力電圧を入力してスイッチングを
    行うスイッチング素子を備えたスイッチング手段と、 一次巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を二次
    巻線に対して伝送する絶縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と、一次側並列
    共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手
    段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並
    列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次巻線に対し
    て二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形
    成される二次側並列共振回路と、 上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力して
    整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
    れる直流出力電圧生成手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線と直列に接続さ
    れると共に一次側に巻装される検出巻線と、二次側に巻
    装される駆動巻線とを備え、上記絶縁コンバータトラン
    スの二次巻線から上記検出巻線に伝達される交番電圧を
    上記駆動巻線に伝送するドライブトランスと、 上記駆動巻線と共振用コンデンサにより形成される直列
    共振回路を有して、この直列共振回路の出力にもとづい
    て上記スイッチング素子をスイッチング駆動させるスイ
    ッチング駆動手段と、 インダクタと導通制御素子とを直列接続して形成され、
    上記検出巻線に対して並列に接続される直列回路と、 上記直流出力電圧生成手段により得られる直流出力電圧
    のレベルに応じて上記導通制御素子における電流導通量
    を可変制御して、絶縁コンバータトランスの二次巻線か
    ら上記検出巻線と上記直列回路に分流する電流量を可変
    することによって上記スイッチング素子のスイッチング
    周波数を制御して、上記直流出力電圧についての定電圧
    制御を行うようにされる定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記ドライブトランスの一次巻線は三重
    絶縁線により形成されることを特徴とする請求項1に記
    載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017028987A (ja) * 2015-07-23 2017-02-02 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 共振変換器における同期整流のための回路および方法

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