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JP2002352423A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Publication number
JP2002352423A
JP2002352423A JP2001153974A JP2001153974A JP2002352423A JP 2002352423 A JP2002352423 A JP 2002352423A JP 2001153974 A JP2001153974 A JP 2001153974A JP 2001153974 A JP2001153974 A JP 2001153974A JP 2002352423 A JP2002352423 A JP 2002352423A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
powder
recording medium
liquid
magnetic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2001153974A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Naoe
康司 直江
Hiroyuki Kobayashi
浩行 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001153974A priority Critical patent/JP2002352423A/ja
Priority to US10/151,998 priority patent/US6680088B2/en
Publication of JP2002352423A publication Critical patent/JP2002352423A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/842Coating a support with a liquid magnetic dispersion

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性層表面が平滑であり、電磁変換特性が良
好で、走行安定性に優れ、かつヘッドの摩耗が小さい磁
気記録媒体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 非磁性可撓性支持体上に強磁性粉末と結
合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体の製造方法に
おいて、主に強磁性粉末と結合剤からなる磁性液と、研
磨剤と結合剤からなる研磨剤ペースト液とを別々に調製
する工程(1)の後に、前記研磨剤ペースト液に超音波
分散処理を施した上で、前記磁性液と混合する工程
(2)を含み、前記磁性層の磁性塗料を調製する磁気記
録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体、特にヘッ
ド磨耗が小さく、走行耐久性に優れた高密度磁気記録媒
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年磁気記録は高密度化と共に記録波長
が短くなる傾向にあり、磁性記録媒体としては磁性層の
表面性をより平滑にして、スペーシングロスを低減する
要求が高まっている。この磁性層表面性を平滑にする手
法のひとつとして磁性液の分散強化がある。一般的なメ
ディア分散においてはメディアビーズとしてジルコニア
ビーズ等の高比重のメディアを使用し長時間分散した
り、メディアビーズの充填率を高めたり、周速を上げる
等で分散を強化している。これらの手法で磁性層の表面
性が平滑になるケースでは、磁性層の極表層に微粒子化
した研磨剤が偏在する形になり、極表層の磁性体充填度
が低下し出力低下する問題や磁性層表面の研磨剤突起高
さが低下することにより走行耐久性低下の問題が発生す
る。又、磁性層の表面性平滑化のために使用する研磨剤
を微粒子化したりすると、より上記問題が顕在化する。
【0003】この問題を解決する一つの手段に、特開平
7−14159に記されているように、磁性液中の研磨
剤やカーボンブラックを強磁性粉体と結合剤からなる磁
性塗料と別にペースト化して、別々に分散処理後、混合
する手法がある。この手法では、磁性塗料、研磨剤ペー
スト液、カーボンブラックペースト液をそれぞれ別々に
最適な分散状態まで分散し、それらを混合して調製する
ことで塗布液を作製することにより、前記磁性層の充填
度の問題や磁性層表面突起高さ低下による耐久性低下の
問題はほぼ対策できた。しかし、この別分散・混合によ
る磁性塗料作製の手法は、新たに研磨剤凝集によるヘッ
ド磨耗上昇の問題や研磨剤やカーボンブラックの凝集に
よる耐久性の低下の問題を引起こす事態になった。この
ように磁性層表面がより平滑で、出力が高く、走行耐久
性に優れ、かつヘッド磨耗が小さい磁気記録媒体を作製
することは難しく、このような特性の両立や鼎立するこ
とが望まれている。発明者らは、上記特性の両立や鼎立
を鋭意検討し、具体的な磁気記録媒体の作製方法を見い
だすに至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、磁性層表面が平滑で電磁変換特性が良好
で、走行耐久性に優れ、かつヘッド磨耗の小さい磁気記
録媒体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を達成するために磁性塗料の製造方法を鋭意検討した結
果、以下により、電磁変換特性が良好で、走行耐久性に
優れ、ヘッド磨耗の小さい磁気記録媒体を作製するに至
った。 1)非磁性可撓性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを含
む磁性層を設けた磁気記録媒体の製造方法において、主
に強磁性粉末と結合剤からなる磁性液と、研磨剤と結合
剤からなる研磨剤ペースト液とを別々に調製する工程
(1)の後に、前記研磨剤ペースト液に超音波分散処理
を施した上で、前記磁性液と混合する工程(2)を含み
前記磁性層の磁性塗料を調製することを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法。 2)前記超音波分散処理を施した研磨剤ペースト液を静
置保存することなく、超音波分散処理を施した後連続的
に磁性液と混合する1)記載の磁気記録媒体の製造方
法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において実施す
る超音波分散処理について説明する。本発明で実施する
超音波とは、周波数が約20kHz以上の人の耳には聞
こえない音波である。超音波分散又は超音波分散機は公
知であり、超音波を照射する液体中に生じる微小空洞
(キャビティ)により、液中の被分散物凝集体が力学的
に一次粒子に分散されると考えられている。超音波分散
の効率を上げるためには、超音波分散機の発振する超音
波の周波数、振幅、照射部面積等、及び被分散液の表面
張力、温度、粘度を最適化することが好ましい。また、
被分散液を連続的に流しながら超音波処理を行う、いわ
ゆるフロー式照射においては、液流量、圧力等も分散を
制御する因子である。一般に分散目的の超音波の周波数
は比較的小さいことが好ましく、約15〜40kHzが
好ましく、15〜20kHzが特に好ましい。水系分散
液では40〜50℃の温度が好ましい。キャビティ発生
のためには、比較的低い粘度範囲にあることが好まし
く、粘度が高すぎると発生が抑制される。
【0007】本発明の製造方法において使用できる超音
波分散機は各社から市販されており、例えば、(株)日
本精機製作所の超音波ホモジナイザーを挙げることがで
きる。同社のフロー式分散機US−600Tを一実施態
様として使用することができ、周波数20kHz、振幅
30μm、照射部面積36mmφ、ホルダー内体積34
ml、照射部とホルダーの間隔2〜5mm、流量25〜
550g/分の条件で、ベッセルに冷却液を通しながら
使用することが好ましい。超音波の照射は1段以上何段
行っても良い。一実施態様として、2段カスケードの超
音波分散機をインラインの製造装置に設けることができ
る。
【0008】本発明の製造方法において、研磨剤と結合
剤とからなる研磨剤ペースト液に、必要に応じて液濃度
を低減させた後に、超音波分散処理を施す。研磨剤ペー
スト液には、超音波分散処理に先だって、必要に応じ
て、サンドグラインダ機(サンドミル)による予備的分
散処理を行っても良い。サンドミルによる分散処理には
ガラスビーズを用いることが好ましく、ジルコニア(Z
r)ビーズを用いることがより好ましい。予備的分散処
理工程の後に、研磨剤ペースト液を塗布溶媒により希釈
して研磨剤濃度を低下させることが好ましく、併せて研
磨剤の粒度測定を行うこともできる。粒度測定は種々の
方法により行うことができ、いわゆるトリ・レーザシス
テム測定方法も使用できる。超音波分散処理を施した研
磨剤ペースト液は磁性液と混合して、磁性層の塗布塗料
を調製する。超音波分散処理を施した研磨剤ペースト
(希釈)液は連続的に磁性液と混合できるインライン化
工程としても良い。超音波分散機には、分散工程におけ
る振幅を一定にするためのフィードバック機構を備える
ものが好ましく使用できる。
【0009】本発明の磁性層に用いられる研磨剤として
は、一般に使用される材料が使用でき、αアルミナ、γ
アルミナ、溶融アルミナ、コランダム、人造コランダ
ム、炭化珪素、酸化クロム(Cr23 )、ダイアモン
ド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:
コランダムと磁鉄鉱)、αFe23 等が例示できる。
これらの研磨剤はモース硬度が6以上である。具体的な
例としては住友化学工業(株)製の、AKP−10、A
KP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−3
0、AKP−50、AKP−1520、AKP−150
0、HIT- 50、HIT60A、HIT70、HIT
80、HIT-100、日本化学工業(株)製の、G
5、G7、S−1、酸化クロムK、上村工業(株)製の
UB40B、不二見研磨剤(株)製のWA8000、W
A10000、戸田工業(株)製のTF100、TF1
40、TF180などが上げられる。平均粉体サイズが
0.05〜3μmの大きさの粒子が効果が大きく、好ま
しくは0.05〜1.0μmである。研磨剤と併用する
結合剤としては、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹
脂等が代表的であり、研磨剤に対する重量比は1/20
〜1/5である。
【0010】これら研磨剤の合計量は磁性体100重量
部に対して1〜20重量部、望ましくは1〜15重量部
の範囲で添加される。1重量部より少ないと十分な耐久
性が得られない傾向にあり、20重量部より多すぎると
表面性、充填度が劣化する傾向にある。
【0011】本発明は、非磁性支持体上に、非磁性無機
粉末と結合剤とを主体とする下層塗布層を設け、該下層
塗布層の上に、強磁性粉末、研磨剤及び結合剤を含有す
る磁性層を設けた磁気記録媒体の製造方法に好ましく使
用することができる。
【0012】磁性層は単層であっても2層以上から構成
してもよく、後者の場合、それら層同士の位置関係は目
的により隣接して設けても間に磁性層以外の層を介在さ
せて設けてもよく、公知の層構成が採用できる。尚、本
発明において、磁性層厚みとは、複層の場合は最上層
(最外層)の磁性層の厚みをいう。この場合に、磁性層
の厚みは0.05μm以上0.3μm以下であることが
好ましい。
【0013】磁性層を複層で構成する例としては、強磁
性酸化鉄、強磁性コバルト変性酸化鉄、CrO2 粉末、
六方晶系フェライト粉末及び各種強磁性金属粉末等から
選択した強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を組み
合わせたものが挙げられる。尚、この場合、同種の強磁
性粉末であっても元素組成、粉体サイズ等の異なる強磁
性粉末を含む磁性層を組み合わせることもできる。本発
明においては、強磁性金属粉末又は六方晶系フェライト
粉末を含む磁性層と支持体との間に非磁性層を設けた磁
気記録媒体が好ましい。
【0014】非磁性層に使用される非磁性粉末として、
無機化合物からなるものには、種々のものが例示でき
る。例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−ア
ルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化
セリウム、ヘマタイト(α−酸化鉄)、ゲーサイト(オ
キシ水酸化鉄)、コランダム、窒化珪素、チタンカーバ
イド、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムな
どが単独または組合せで使用される。ヘマタイト、及び
ゲーサイトについては、磁性酸化鉄および酸化鉄還元法
で作成する強磁性金属粉末の中間原料であるヘマタイ
ト、及びゲーサイト等も好ましい。使用する結合剤との
相互作用を大きくし分散性を改良するために、使用する
非磁性粉末が表面処理されていてもよい。表面処理に用
いる物質としては、Si、Al、Al及びSi等の元素
を含む化合物が挙げられ、これら化合物で処理すること
により非磁性粉末の表面に少なくともシリカ、アルミ
ナ、シリカ−アルミナなどの層を形成してもよく、ある
いは非磁性粉末の表面をシランカップリング剤やチタン
カップリング剤等のカップリング剤により処理してもよ
い。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1
〜5重量%、pHは2〜11、BET法による比表面積
(SBET )は5〜100m2 /gが好ましい。
【0015】本発明の強磁性粉末は、強磁性金属粉末、
及び六方晶系フェライト粉末が好ましい。強磁性金属粉
末の飽和磁化は通常、120〜170A・m2 /kg
(120〜170emu/g)、好ましくは135〜1
70A・m2 /kg(135〜170emu/g)であ
る。還元直後に特開昭61−52327号公報、特開平
7−94310号公報に記載の化合物や各種置換基をも
つカップリング剤で処理した後、徐酸化することも強磁
性金属粉末の飽和磁化を高めることができるので有効で
ある。強磁性金属粉末の抗磁力は、13.5×104
23.8×104 A/m(1700〜3000エルステ
ッド)、好ましくは14.3×104 〜22.3×10
4 A/m(1800〜2800エルステッド)である。
【0016】本発明の磁性層に使用する強磁性金属粉末
としては、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好
ましい。これらの強磁性金属粉末には所定の原子以外に
Al、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、
Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、B
a、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、
Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、S
r、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、
Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの
少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、
Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好
ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40
原子%以下が好ましく、さらに好ましくは10原子%以
上40原子%以下、より好ましくは20原子%以上35
原子%以下である。Yの含有量は1原子%以上15原子
%以下が好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10
原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子%以下
である。Alは2原子%以上20原子%以下が好まし
く、さらに好ましくは3原子%以上20原子%以下、よ
り好ましくは4原子%以上16原子%以下である。該強
磁性粉末に、CoがFeに対して、10〜40at%、
Alが2〜20at%、Yが1〜15at%含まれるこ
とが好ましい。
【0017】これらの強磁性金属粉末にはあとで述べる
分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前
にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、
特公昭44−14090号、特公昭45−18372
号、特公昭47−22062号、特公昭47−2251
3号、特公昭46−28466号、特公昭46−387
55号、特公昭47−4286号、特公昭47−124
22号、特公昭47−17284号、特公昭47−18
509号、特公昭47−18573号、特公昭39−1
0307号、特公昭46−39639号、米国特許第
3,026,215号、同3,031,341号、同
3,100,194号、同3,242,005号、同
3,389,014号などに記載されている。
【0018】強磁性金属粉末には少量の水酸化物、また
は酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末の公知の製
造方法により得られたものを用いることができ、下記の
方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシ
ュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸
化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはF
e−Co粉体などを得る方法、金属カルボニル化合物を
熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナ
トリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元
剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中
で蒸発させて粉末を得る方法などである。このようにし
て得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわ
ち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に
浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を
形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガ
スと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成
する方法のいずれを施したものでも用いることができ
る。
【0019】本発明の磁性層の強磁性金属粉末をSBET
で表せば40〜80m2 /gであり、好ましくは45〜
70m2 /gである。40m2 /g未満ではノイズが高
くなり、80m2 /gより大では表面性が得にくくなる
傾向にあり、好ましくない場合がある。本発明の磁性層
の強磁性金属粉末の結晶子サイズは好ましくは80〜2
30Åであり、更に好ましくは100〜230Å、特に
好ましくは110〜175Åである。強磁性金属粉末の
平均長軸長は、好ましくは50〜190 nm、さらに
好ましくは30〜100 nmである。強磁性金属粉末
の平均針状比は好ましくは3.0〜10.0、更に好ま
しくは3.0〜9.0であり、針状比の変動係数は好ま
しくは5〜30%、更に好ましくは5〜28%である。
磁性層中の該強磁性粉末がFeを主成分とし、長軸長が5
0〜190nmで結晶子サイズが100〜230Åであ
る磁気記録媒体が特に好ましい。
【0020】強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2重
量%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によっ
て含水率は最適化するのが望ましい。強磁性金属粉末の
タップ密度は0.2〜0.8g/ccが望ましい。0.
8g/ccより大きいと該粉末を徐酸化するときに均一
に徐酸化されないので該粉末を安全にハンドリングする
ことが困難であったり、得られたテープの磁化が経時で
減少する場合がある。タップ密度が0.2g/cc以下
では分散が不十分になる場合がある。強磁性金属粉末の
pHは、用いる結合剤との組合せにより最適化すること
が好ましい。その範囲は通常、4〜12であるが、好ま
しくは6〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、
Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理が
施されてもかまわない。その表面に存在する量は、処理
後の強磁性金属粉末に対し0.1〜20重量%であり、
表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100m
g/m2 以下になり好ましい。強磁性金属粉末には可溶
性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを
含む場合がある。これら無機イオンは、本質的に無い方
が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影
響を与えることは少ない。また、本発明に用いられる強
磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましく、その値は
20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下であ
る。また形状については針状、米粒状、紡錘状のいずれ
でもかまわない。強磁性金属粉末自体のSFD(switch
ing-field distribution)は小さい方が好ましく、0.
8以下が好ましい。強磁性金属粉末のHcの分布を小さ
くすることが好ましい。尚、SFDが0.8以下である
と、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また、磁化反
転がシャープでピークシフトも少なくなり、高密度デジ
タル磁気記録に好適である。Hcの分布を小さくするた
めには、強磁性金属粉末においてはゲーサイトの粒度分
布を良くする、焼結を防止するなどの方法がある。その
角形比が0.82以上、SFDが0.5以下である磁気記
録媒体が特に好ましい。
【0021】六方晶系フェライト粉末としては、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等が
あるが、中でもバリウムフェライトが好ましい。具体的
にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及び
ストロンチウムフェライト、スピネルで粉体表面を被覆
したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピ
ネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフ
ェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、
その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、
V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、P
b、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、
Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んで
もかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co
−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、
Nb−Zn−Co、SbーZn−Co、Nb−Zn等の
元素を添加した物を使用することができる。原料・製法
によっては特有の不純物を含有するものもある。六方晶
系フェライト粉末の平均板径は、好ましくは50 nm
以下、更に好ましくは40 nm以下であり、特に好ま
しくは10〜35 nmである。
【0022】特にトラック密度を上げるため磁気抵抗ヘ
ッドで再生する場合、低ノイズにするため、平均板径は
50 nm以下が好ましい。板状比(板径/板厚)の算
術平均である平均板状比は1〜15が好ましく、1〜8
が更に好ましい。平均板状比が小さいと磁性層中の充填
性は高くなり好ましいが、十分な配向性が得られない場
合がある。15より大きいと粉体間のスタッキングによ
りノイズが大きくなる場合がある。この粉体サイズ範囲
のSBETは通常、10〜200m2/gを示す。SBET
概ね粉体の板径と板厚からの算術計算値と符号する。粉
体の板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化
は困難であり、また分布は正規分布ではない場合が多い
が、粉体サイズ(板径又は板厚)の変動係数は、10〜
200%である。粉体サイズ分布をシャープにするには
粉体生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成し
た粉体に前述した非磁性粉末と同様の分布改良処理を施
すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粉体
を選別的に溶解する方法等も知られている。六方晶系フ
ェライト粉末で測定される抗磁力(Hc)は4×103
〜4×104A/m(500〜5000エルステッド)
程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利
であるが、記録ヘッドの能力で制限される。Hcは粉体
サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置
換サイト、粉体生成反応条件等により制御できる。飽和
磁化(σs)は40A・m2/kg〜80A・m2/kg
(40emu/g〜80emu/g)である。σsは高
い方が好ましいが微粉体になるほど小さくなる傾向があ
る。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトに
スピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と
添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶系
フェライトを用いることも可能である。六方晶系フェラ
イト粉末を結合剤中に分散する前に事前に分散溶媒、結
合剤に合った表面処理剤によりその表面を処理すること
も行われている。表面処理剤としては無機化合物、有機
化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、
P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリン
グ剤、各種チタンカップリング剤等のカップリング剤が
代表例である。これら化合物は、六方晶系フェライト粉
末を分散する際に用いることもできる。その表面処理に
より粒子表面に存在させる量は、処理前の六方晶系フェ
ライト粉末に対して0.1〜10重量%である。
【0023】本発明の磁性層の抗磁力(Hc)は、通
常、143×103 A/m〜279×103 A/m(1
800〜3500エルステッド)、好ましくは143×
103A/m〜239×103A/m(1800〜300
0エルステッド)、磁性層の最大磁束密度(Bm)は通
常、350mT〜700mT(3500〜7000ガウ
ス(G))、好ましくは390mT〜700mT(39
00〜7000G)である。Hc、Bmが下限値より小
さいと短波長出力を十分に得ることができない場合があ
り、また、それらが上限値より大きいと記録に使用する
ヘッドが飽和してしまうので出力を確保することが難し
くなる場合がある。磁性層中の該強磁性粉末の抗磁力が
143×103A/m〜239×103 A/m(180
0〜3000Oe)でσSが110〜180A・m2
Kg(110〜180emu/g)である磁気記録媒体
が特に好ましい。
【0024】本発明の磁気記録媒体における磁性層及び
非磁性層の結合剤は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用できる。熱
可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜15
0℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好
ましくは10,000〜100,000、重合度が約5
0〜1,000程度のものである。
【0025】このような結合剤としては、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル
酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む
重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂がある。以上の結合剤は、研磨剤ペースト液の調製
にも使用することができる。
【0026】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
【0027】前記の結合剤に、より優れた強磁性粉末の
分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応じ、
−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(O
M)2、−O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水
素原子、またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR
2 、−N+3 (Rは炭化水素基)、エポキシ基、S
H、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極
性基を共重合または付加反応で導入したものをもちいる
ことが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10
-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/g
である。
【0028】本発明の磁気記録媒体に用いられる結合剤
は、強磁性粉末に対し、5〜50重量%の範囲、好まし
くは10〜30重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル
系樹脂を用いる場合は5〜100重量%、ポリウレタン
樹脂を用いる場合は0〜100重量%、ポリイソシアネ
ートは2〜100重量%の範囲でこれらを組み合わせて
用いるのが好ましい。結合剤の一部に、環状構造とエー
テル基とを含むポリウレタン樹脂を含むことを特徴とす
る磁気記録媒体が特に好ましい。また、磁性層のTgが
30℃以上、150℃以下である磁気記録媒体が特に好
ましい。
【0029】また、磁性層の強磁性粉末の充填度は、使
用した強磁性粉末の飽和磁化(σs)及びBm(最大磁
束密度)から計算でき(Bm/4πσs)となり、本発
明においてはその値は、望ましくは1.7g/cc以上
であり、更に望ましくは1.9g/cc以上、最も好ま
しくは2.1g/cc以上である。
【0030】本発明において、ポリウレタンを用いる場
合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが1
00〜2000%、破断応力は0.5〜100×10-2
MPa(0.05〜10kg/cm2 )、降伏点は0.
5〜100×10-2MPa(0.05〜10kg/cm
2 )が好ましい。
【0031】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。
【0032】本発明の磁気記録媒体の磁性層及び/又は
非磁性層中には、通常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電
防止剤、可塑剤、防黴剤等などを始めとする種々の機能
を有する素材をその目的に応じて含有させる。
【0033】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、前
記非磁性粉末の他に帯電防止剤として導電性粒子を含有
することもできる。しかしながら、支持体と磁性層の間
に非磁性層を設けた磁気記録媒体においては、上層の飽
和磁束密度を最大限に増加させるためにはできるだけ上
層への添加は少なくし、上層以外の塗布層に添加するの
が好ましい。帯電防止剤としては特に、カーボンブラッ
クを添加することは、媒体全体の表面電気抵抗を下げる
点で好ましい。本発明に使用できるカーボンブラックは
ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラッ
ク、導電性カーボンブラック、アセチレンブラック等を
用いることができる。SBET は5〜500m2 /g、D
BP吸油量は10〜1500ml/100g、平均粒子
径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1
〜10重量%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が好
ましい。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する
前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。磁性層
にカーボンブラックを使用する場合は磁性体に対する量
は0.1〜30質量%で用いることが好ましい。非磁性
層には無機質非磁性粉末(ただし、非磁性粉末にはカー
ボンブラックは含まれない)に対し3〜20質量%含有
させることが好ましい。
【0034】一般的にカーボンブラックは帯電防止剤と
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラック
により異なる。従って本発明に使用されるこれらのカー
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粉体サ
イズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を
もとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブ
ラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすること
ができる。本発明はまた上記磁性層を設けた面とは反対
の面に非磁性のバック層を設けてなる磁気記録テープの
製造方法にも好ましく使用できる。
【0035】本発明の好ましい実施態様を引き続いて以
下に列挙する。磁気記録テープのバック層が、主として
カーボンブラックをバインダー中に分散した分散物を塗
布して設けられ、長手方向ヤング率が5〜10GPa
(500〜1,000kg/mm2 )である磁気記録媒
体が特に好ましい。
【0036】本発明の磁気記録媒体は、支持体上に2層
以上の塗布層を形成させてなり、その形成手段として
は、逐次塗布方式(ウェット・オン・ドライ方式)及び
同時塗布方式(ウェット・オン・ウェット方式)が挙げ
られるが、後者が超薄層の磁性層を作り出すことができ
るので特に優れている。
【0037】本磁気記録媒体の支持体の厚みは、通常、
1〜100μm、テープ状で使用する時は、望ましくは
3〜20μm、フレキシブルディスクとして使用する場
合は、40〜80μmが好ましく、支持体に設ける非磁
性層は通常、0.5〜10μm、好ましくは0.5〜3
μmである。
【0038】また、前記磁性層及び前記非磁性層以外の
他の層を目的に応じて形成することができる。例えば、
支持体と下層の間に密着性向上のための下塗り層を設け
てもかまわない。この厚みは通常、0.01〜2μm、
好ましくは0.05〜0.5μmである。また、支持体
の磁性層側と反対側にバック層を設けてもかまわない。
この厚みは通常、0.1〜2μm、好ましくは0.3〜
1.0μmである。これらの下塗り層、バック層は公知
のものが使用できる。バック層の表面電気抵抗が1×1
6Ω/□以下である磁気記録媒体が特に好ましい。
【0039】本発明で使用される支持体には特に制限は
なく、通常使用されているものを用いることができる。
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、およびアル
ミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることが
できる。
【0040】本発明の目的を有効に達成するには、支持
体の表面粗さは、中心面平均表面粗さ(Ra)(カット
オフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく
0.02μm以下、さらに望ましく0.01μm以下で
ある。本発明に用いられる支持体のウエブ走行方向のF
−5値は、好ましくは、50〜500×10-3GPa
(5〜50Kg/mm2 )、ウエブ幅方向のF−5値は
好ましくは30〜300×10-3 GPa(3〜30K
g/mm2 )であり、ウエブ長手方向のF−5値がウエ
ブ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に
幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。
【0041】また、支持体のウエブ走行方向および幅方
向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以
下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃30分での
熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは0.
5%以下である。破断強度は両方向とも0.05〜1G
Pa(5〜100Kg/mm2 )、弾性率は1〜20G
Pa(100〜2000Kg/mm2 )が望ましい。
【0042】本発明の磁気記録媒体は、非磁性粉末又は
強磁性粉末と結合剤、及び必要ならば他の添加剤と共に
有機溶媒を用いて混練分散し、非磁性塗料及び磁性塗料
を支持体上に塗布し、必要に応じて配向、乾燥して得ら
れる。
【0043】本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、オ
ーディオ用途などのテープであってもデータ記録用途の
フレキシブルディスクや磁気ディスクであってもよい
が、ドロップ・アウトの発生による信号の欠落が致命的
となるデジタル記録用途の媒体に対しては特に有効であ
る。更に、下層を非磁性層とし、下層上の磁性層の厚さ
を0.5μm以下とすることにより、電磁変換特性が高
い、オーバーライト特性が優れた、高密度で大容量の磁
気記録媒体を得ることができる。
【0044】
【実施例】次に本発明の詳細な内容を実施例によって具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。実施例中「部」との表示は「重量部」を意味す
る。
【0045】 非磁性中間層 非磁性粉体 α−Fe 80部 平均長軸長 0.1μm BET法による比表面積 48m/g pH8、Fe含有量90%以上 DBP吸油量27〜38ml/100g 表面処理剤Al カーボンブラック 20部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m/g 揮発分 1.5% 塩化ビニル共重合体 8部 日本ゼオン(株)社製のMR−110 ポリエステルポリウレタン樹脂 4部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SONa基 1×10−4eq/g含有 Tg 65℃ フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 100部 シクロヘキサノン 50部
【0046】 磁性層 a)強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=70/30 100部 Hc 195×103A/m(2450Oe) BET法による比表面積 43m/g 結晶子サイズ160A、表面処理剤Al、 粒子サイズ(長軸径) 0.125μm 偏平針状粒子、 長幅長(短軸長)/短幅長=0.025/0.01 σs:157A・m/kg(157emu/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 10部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 −SONa基 1×10−4eq/g含有 カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1.5部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 90部 シクロヘキサノン 30部 トルエン 60部 b) α−アルミナ(粒子サイズ0.18μm) 4.5部 MR110 0.45部 シクロヘキサノン 9.2部
【0047】上記非磁性中間層の塗料は、ステアリン酸
とブチルステアレ−トを除く各成分をオープンニーダで
混練したのち、サンドミルを用いてジルコニアビーズで
分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを3
部加え、更にステアリン酸とブチルステアレートをメチ
ルエチルケトンとシクロヘキサノンで溶解した液を添加
攪拌して、固形分濃度28%、溶剤比率がメチルエチル
ケトン:シクロヘキサノン=4:6の非磁性塗布液を作
製した。磁性液は、上記磁性体、非磁性粒状粉末、カー
ボンブラックと塩化ビニル共重合体、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンをオープンニ−ダで混練したの
ち、サンドミルを用いてジルコニアビーズで分散させ
た。研磨剤ペースト液は、アルミナ:塩化ビニル共重合
体MR110:シクロヘキサノン=45:4.5:5
0.5の混合物として調製した後、磁性液とは別に循環
型の超音波ホモジナイザー(600W、周波数20KH
z、照射部面積35mmφ、照射部とホルダーとの間隔
3mm、振幅30μm)を用いて超音波分散処理を施し
た後静置することなく、塗布直前に、この研磨剤ペース
ト液と磁性液とを混合した。この混合後に、攪拌し、更
にステアリン酸とブチルステアレートをメチルエチルケ
トンとシクロヘキサノンで溶解した液を添加攪拌して磁
性塗布液を作製した。磁性液及び非磁性液は1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、塗布液をそ
れぞれ調製した。なお、送液速度は後述する支持体の搬
送速度及び塗布厚み、塗布幅より逆算できる。一実施態
様である実施例として示すフロー図では、超音波分散機
は2連であるが、送液速度や分散機の能力によっては、
上述のように1連としても良く、又、3連以上のカスケ
ード構造であっても良い。
【0048】非磁性層塗布液の乾燥厚さが1.5μmに
なるように支持体上に塗りつけ、さらにその直後にこの
非磁性塗布液上に磁性層の乾燥厚さが0.2μmになる
ように、厚さ5.2μmでAFMの粗さスペクトルで波
長4.3μmの粗さ成分強度が0.03nmのポリエ
チレンナフタレート支持体上に同時重層塗布をおこな
い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに300mT(30
00G)の磁力をもつコバルト磁石と150mT(15
00G)の磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥
後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで
温度85℃、圧力3500N/cm(350kg/c
m)、速度50m/分で処理を行い、6.35mmの幅
にスリットし、民生用DVCビデオテ−プを製造した。
【0049】評価方法 (1)磁気特性 振動資料型磁束計(東英工業製)を用い、Hm7.96
×10A/m(10kOe)で測定した。 (2)出力はドラムテスターを用いて測定した。使用し
たヘッドは記録・再生用にBs 1.2T、ギャップ長
が0.22μmのMIGヘッド。記録再生時のヘッド/
媒体相対速度は10.5m/secで21MHzの単一
周波信号を記録して、再生スペクトルをシバソク製のス
ペクトルアナライザーで観測した。 (3)厚み測定 サンプルテープを長手方向に約0.1μmの厚みにダイ
ヤモンドカッターで切り出し、透過型電子顕微鏡で倍率
100,000倍で観測・撮影して磁性層表面、磁性層
/非磁性層界面に線を引きZeiss社製の画像処理装
置IBAS2で測定した。測定長が21cmの場合85
〜300回計測し平均値dと標準偏差σを算出した。B
mは上記振動資料型磁束計(東英工業製)を用いて測定
したφm値と前記磁性層厚みdから算出した。 (4)Ra:デジタルオプチカルプロフィーメター(W
YKO製)を用いた光干渉法により、カットオフ0.2
5mmの条件で中心線平均粗さRaを計測した。 (5)AFM表面突起:デジタルインスツルメンツ社ナ
ノスコープ3装置を使用し、稜角70度・SiN製の四
角錐を探針で、30μm平方角の表面粗さを測定する。
基準面からの高さが15nm以上と20nm以上の表面
突起高さの突起個数をカウントした。 (6)走行耐久性 RT(23℃70%)で、松下電器産業(株)製のカム
コーダーDJ−1を使用し、未走行の60分長バージン
テープ100回連続的に繰り返し走行させて、走行後の
テープダメージを以下の判断基準で評価した。 テープ摺動面ダメージ:200倍写真でダメージが確認できた場合 NG 200倍写真でダメージが確認できなかった場合 OK (7) Magμ値 RTで、部材としてSUS420Jの4mmφを使用
し、荷重10g、速度14mm/s、ラップ180度で
Mag面タッチでテープを1−100パス迄摺動させ、
摺動抵抗値を計測して、オイラーの式からMag面との
摩擦係数を算出した。 (8)繰り返しHw RT(23℃70%)で、松下電器産業(株)製のカム
コーダーDJ−1を使用し、未走行の60分長バージン
テープ100回連続的に繰り返し走行させて、走行前後
のヘッド突出量変化をユニオン社製のハイソメット光学
顕微鏡で計測し、ヘッド磨耗量を算出した。
【0050】
【表1】
【0051】実施例・比較例の説明 比較例1は研磨剤と磁性体を同時に混練し、ガラスビー
ズによる長時間分散したケースで、これを比較のタイプ
とした。比較例2は研磨剤と磁性体を同時に混練し、ジ
ルコニアビーズによる長時間分散したケースで、比較例
1に対して磁性層としてのBmは向上するが、出力は低
下し、Magμ値上昇が大きく、走行耐久性が低下する
問題がある。又、ヘッド磨耗も大きくなる。比較例3、
4は研磨剤と磁性体を別々に混練し、それぞれの液をジ
ルコニアビーズ使用によるサンドミルで表1記載の分散
時間で分散し、その後、各液を表1記載の経時、攪拌条
件で混合した例である。比較例3は磁性液の分散を強化
して、研磨剤ペースト液の分散を抑制したケースで、表
面突起が少なく出力が向上するが、Magμ値上昇が大
きく、走行耐久性が比較例1より低下する。又、ヘッド
磨耗も比較例1より大きくなる。比較例4は磁性液の分
散を抑制しつつ、研磨剤ペースト液の分散を強化したケ
ースだが、比較例3同様に比較例1に対して表面突起が
少ない。同様にMagμ値上昇が大きく、走行耐久性が
比較例1より低下する。又、ヘッド磨耗も比較例1より
大きくなる。比較例5は比較例4に対して、研磨剤ペー
スト液の濃度を低下させ、分散後の再凝集を抑制したケ
ースであった。比較例4に対して、ヘッド磨耗が小さく
なるが、Magμ値上昇及び走行耐久性で問題があっ
た。実施例1〜3は、比較例4に対して、研磨剤ペース
ト液の分散条件をメディア分散から超音波分散処理に変
更したケースで、出力、走行耐久性、ヘッド磨耗を鼎立
した形で改善することができた。実施例1は研磨剤ペー
スト液の濃度を35%にして、超音波処理後経時を置く
ことなく、磁性液と混合したケースであった。実施例2
は研磨剤ペースト液の濃度を50%にして、超音波処理
後経時を置くことなく、磁性液と混合したケースであっ
た。実施例3は研磨剤ペースト液の濃度を35%にし
て、超音波処理後1日静置経時させて磁性液と混合した
ケース。表面突起数挙動の変化(研磨剤及びカーボンブ
ラックの高さや存在密度)により出力向上、ヘッド磨耗
低減、走行耐久性向上が達成できたと考えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造方法の一実施態様を示すフ
ロー図である。研磨剤ペースト液は2連カスケード型の
超音波分散機により分散された後に磁性液と混合され、
得られた混合液は他の工程を経て最終的に塗布装置に送
られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性可撓性支持体上に強磁性粉末と結
    合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 主に強磁性粉末と結合剤からなる磁性液と、研磨剤と結
    合剤からなる研磨剤ペースト液とを別々に調製する工程
    (1)の後に、 前記研磨剤ペースト液に超音波分散処理を施した上で、
    前記磁性液と混合する工程(2)を含み前記磁性層の磁
    性塗料を調製することを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波分散処理を施した研磨剤ペー
    スト液を静置保存することなく、超音波分散処理を施し
    た後連続的に磁性液と混合する請求項1記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
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