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JP2002350680A - 光フェルール - Google Patents

光フェルール

Info

Publication number
JP2002350680A
JP2002350680A JP2001157498A JP2001157498A JP2002350680A JP 2002350680 A JP2002350680 A JP 2002350680A JP 2001157498 A JP2001157498 A JP 2001157498A JP 2001157498 A JP2001157498 A JP 2001157498A JP 2002350680 A JP2002350680 A JP 2002350680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
optical
optical ferrule
parts
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001157498A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Maeno
耕一 前野
Takahiro Ueno
孝弘 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2001157498A priority Critical patent/JP2002350680A/ja
Publication of JP2002350680A publication Critical patent/JP2002350680A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ相互のフィジカルコンタクトが可
能な光フェルールを提供する。 【解決手段】 ポリフェニレンサルファイド樹脂100
質量部に対し、最大粒子径が100μm以下であるシリ
カ100〜300質量部、およびチタン酸バリウム50
〜300質量部が配合されて成る樹脂組成物の射出成形
品である光フェルール1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光フェルールに関
し、更に詳しくは、光損失を招くことなく光ファイバ相
互を着脱自在に結合することができる光フェルールに関
する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの構築時における光ファ
イバの接続に関しては、図1で示したようなアダプタを
用いて相互に接続する単芯用光フェルールや、図2で示
したような多芯用のMT型光フェルールが用いられる。
そして、これらフェルールはいずれも樹脂成形品として
製造されている。
【0003】例えばMT型光フェルールの場合、フェル
ール本体1は、複数個の光ファイバ挿入孔と孔径125
μm程度のガイドピン孔2を有する一体成形品として製
造されている。そして、光ファイバの接続に際しては、
光ファイバ挿入孔に光ファイバを挿入し、当該光ファイ
バを挿入孔内に接着固定したのちフェルール本体の接続
端面1aを例えばダイヤモンド砥粒が分散する潤滑油を
用いて鏡面研磨し、各ガイドピン孔2のそれぞれに別体
のガイドピン3を挿入したのち各フェルール本体の接続
端面を突き合わせることにより光ファイバ相互の光結合
が行われる。
【0004】したがって、このMT型光フェルールの場
合、接続端面における光ファイバの位置はガイドピン3
によって位置決めされているので、フェルール本体1の
成形時にはガイドピン孔2を高精度に形成することが必
要になる。ガイドピン孔の位置精度や寸法精度が悪くな
ると、フェルール本体を突き合わせたときに、光ファイ
バの光軸にずれが生じて大きな光損失を招くことになる
からである。
【0005】また、単芯用光フェルールの場合には、外
周の真円度,円筒度,外径と光ファイバ挿入孔との円心
度,光ファイバ挿入孔の倒れにより光ファイバの接続精
度の良し悪しが決まってくるため、この場合にも精密な
成形が必要になる。従来、このような光フェルールは、
成形時の収縮率が小さく、また経時的な寸法安定性に富
む樹脂、たとえばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を
トランスファー成形して製造されていた。
【0006】しかしながら、トランスファー成形の場合
には、樹脂を金型内に供給したのち当該樹脂を熱硬化す
るための時間が必要となるため、成形サイクル時間が長
くなり、大量生産には不適切であるという問題があっ
た。このようなことから、樹脂としては、寸法安定性,
高流動性,耐環境性に優れるポリフェニレンサルファイ
ド樹脂を用い、この樹脂を成形サイクル時間が短い射出
成形法で製造した光フェルールが登場してきた。
【0007】この場合、光フェルールの熱膨張係数を小
さくするために、通常、シリカをポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂に高充填して成形している。しかしながら、
このような材料(樹脂組成物)で製造した光フェルール
の接続端面を研磨すると、研磨時に、充填したシリカが
脱落しやすく平滑な端面加工が困難になるという問題が
ある。
【0008】この問題に対しては、シリカをシランカッ
プリング剤で表面処理して充填し、かつシリカとしては
球形シリカと不定形シリカを混合して用いることによ
り、シリカの脱落を防ぐことが提案されている(特開平
6−299072号公報を参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た先行技術にはいまだ次のような問題が残されている。
まず、研磨後における接続端面の平滑性が必ずしも充分
ではなく、そのため光フェルールの研磨端面を物理的に
突き合わせる(フィジカルコンタクト)だけでは光ファ
イバの良好な光結合を実現することが困難であるという
問題である。
【0010】そのため、この光フェルールを接続する場
合には、従来、シリコーングリスのような屈折率整合剤
を研磨端面に塗布することにより、光ファイバから成る
光路が空気と接触することに基づく屈折率の変化、すな
わち光損失が起こることを防止している。しかしなが
ら、屈折率整合剤の塗布作業は、例えば塵埃などが塗布
箇所に混入しないように慎重に行うことが必要であり、
また塗布作業によっては、塗布箇所に気泡などが発生し
て著しく大きな光損失を招くこともある。このようなこ
とから、屈折率整合剤を用いることなく、すなわちフィ
ジカルコンタクトを行っても光ファイバ相互間に隙間が
発生せず、光損失が起こらないで端面接合が可能な光フ
ェルールの開発が望まれている。
【0011】また、光フェルールのフィジカルコンタク
トを考えた場合、その研磨端面には光ファイバの端部が
3〜5μm程度突出していることが必要とされる。しか
しながら、前記した光フェルールの場合、光ファイバと
同程度の硬さを有するシリカが高充填されているので研
磨端面それ自体も硬く、そのため、研磨時には、光ファ
イバと研磨端面が同じように研磨除去されることにな
り、研磨後における光ファイバの突出し長が上記した値
に比べて短くなりすぎることがある。このような事態が
発生すると、光ファイバの接続部には隙間が生じて著し
く大きな光損失を引き起こすことになる。
【0012】更に、上記した光フェルールの端面研磨時
には、研磨端面に表出してくる光ファイバの縁が欠損す
る、いわゆる縁カケという現象が発生することが確認さ
れている。また、研磨端面は高硬度であるため、研磨時
間が長くなり、しかも研磨砥粒の使用量が増加して製造
コストの上昇も引き起こしている。本発明は従来の光フ
ェルールにおける上記した問題を解決し、研磨端面の平
滑性は良好で、端面研磨後の光ファイバの突出し長は適
正であり、光ファイバの縁カケも起こさず、屈折率整合
剤を用いることなく接続作業を行うことができ、接続後
にあっても光ファイバ間の光損失が少ない光フェルール
の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために鋭意研究を重ねる過程で、射出成
形で光フェルールを製造する際に、その成形材料とし
て、シリカ以外に後述するようなチタン酸バリウムを同
時に配合した樹脂組成物を用いると、目的とする光フェ
ルールを得ることができるとの知見を得、本発明の光フ
ェルールを開発するに至った。
【0014】すなわち、本発明の光フェルールは、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂100質量部に対し、最大
粒子径が100μm以下であるシリカ100〜300質
量部、およびチタン酸バリウム50〜300質量部を配
合して成る樹脂組成物の成形品であることを特徴とす
る。好ましくは、前記シリカが球形シリカであり、前記
ポリフェニレンサルファイド樹脂が直鎖状ポリフェニレ
ンサルファイドであり、前記樹脂組成物が直鎖状ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂100質量部に対し、最大粒
子径が50μm以下であるシリカ100〜200質量
部、およびチタン酸バリウム150〜250質量部を配
合して成る光フェルールが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の光フェルールは、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂とシリカとチタン酸バリウム
を必須成分として含む樹脂組成物を成形して製造され
る。具体的には、射出成形法によって製造されることを
好適とする成形品である。ここで、ベース樹脂であるポ
リフェニレンサルファイド樹脂としては直鎖状ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂であることが好ましい。その理
由は以下のとおりである。
【0016】直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂
は、低粘度であっても射出成形時に成形品にバリが発生
しにくい樹脂であり、また成形品の靭性が高いため、成
形した光フェルールの光ファイバ挿入孔やガイドピン孔
の破損強度は高くなり、さらには、吸湿性が低く、高温
多湿の雰囲気下にあっても寸法変化が少ないので光フェ
ルールの接続後における接続損失の変動が小さいという
利点を備えているからである。
【0017】一般に、ポリフェニレンサルファイド樹脂
は、例えば重合反応により不溶化するまで高分子量化す
る方法、熱架橋により不溶化するまで高分子量化する方
法、または過酸化水素のような架橋剤を用いて処理する
方法などで合成することができるが、本発明の好適樹脂
である直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂は、上記
した合成過程での熱処理を行うことなく、一次元の直鎖
状に重合した樹脂として合成されたものである。
【0018】このような直鎖状ポリフェニレンサルファ
イド樹脂としては、直鎖状に重合した樹脂であって、2
30〜290℃の1−クロロナフタレンを溶媒とするゲ
ル浸透クロマトグラフ法で測定したときの分子量分布に
おけるピークトップ値が20000〜40000を示す
ものであり、例えば、T−1(商品名、DIC−EP社
製)をあげることができる。
【0019】次に、シリカとしては、その形状で球形と
不定形に分類され、本発明ではこれらのいずれか、また
はその両者を混合して用いることもできるが、球形シリ
カを用いることが好適である。球形シリカは、天然けい
石や水晶をボールミルなどで一旦微粉砕し、その粉砕品
を例えばLPG−酸素炎の中に噴霧して個々の粒子を溶
融・液状化させ、表面張力によって球形化させる、いわ
ゆる火炎溶融法で製造される。このような球形シリカと
しては、例えば電気化学工業(株)製のFBシリーズを
あげることができる。
【0020】一方、不定形シリカとしては、天然けい石
を粉砕して所定の粒度分布に調整した結晶性シリカ(例
えば、(株)龍森製のクリスタライト)や、天然けい石
を溶融したのち粉砕した溶融シリカ(例えば、(株)龍
森製のヒューズレックス)などをあげることができる。
これらの不定形シリカは、個々の粒子の大きさは異な
り、また表面は複雑な凹凸形状を呈していて、全体とし
て角張った形状をしている。
【0021】球形シリカは、球形であり、不定形シリカ
に比べるとその比表面積が小さいので、ポリフェニレン
サルファイド樹脂に比較的多く配合しても、得られる樹
脂組成物の粘度上昇は不定形シリカを配合した場合に比
べて少なく、射出成形に用いて良好な樹脂組成物にする
ことができる。また、高粘度化が抑制された状態で比較
的多量のシリカを配合できるということは成形した光フ
ェルールの熱膨張係数が低減することであり、そのた
め、球形シリカを用いると、製造された光フェルールを
接続したときに、その接続部が温度変化を受けても寸法
安定性は確保され、光損失は起こりにくいという効果が
得られて好適である。
【0022】このシリカをポリフェニレンサルファイド
樹脂に配合して樹脂組成物を調製したときに、その樹脂
組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂を海成分と
し、シリカを島成分とする海島構造になる。その場合、
島成分が大きく、また多数存在していると、海島構造の
任意領域において島成分の偏在する確率が高くなって海
島構造の均質性が低下する。そのため、その樹脂組成物
の成形品の収縮率は全領域で均質とはならず、部分的に
ばらつくようになり、成形品の品質安定性が低下する。
【0023】このようなことから、島成分になるシリカ
としては、その最大粒子径が100μm以下であること
が好ましい。より好ましくは50μm以下である。な
お、ここでいう最大粒子径とは、シリカが球形シリカで
ある場合は、レーザ回折散乱方式の乾式粒度分析装置を
用いて検出された最大の粒子径のことをいう。このよう
な装置としては、例えば、日機装(株)のマイクロトラ
ックSRAシリーズをあげることができる。
【0024】このシリカの配合量はポリフェニレンサル
ファイド樹脂100質量部に対し、100〜300質量
部に設定される。100質量部より少なくすると、成形
した光フェルールの強度特性が低下し、それを端面研磨
する際に当該光フェルールをチャッキング固定したとき
に例えば研磨端面が変形して、光ファイバの適正な突出
し長を得ることが困難になると同時に成形時の収縮率も
大きくなる。また、300質量部よりも多くすると、樹
脂組成物の溶融粘度が高くなり、金型内への射出圧力が
高くなりすぎて成形品の精度低下が引き起こされる。
【0025】ポリフェニレンサルファイド樹脂として直
鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂を用い、そしてシ
リカとして最大粒子径が50μm以下のものを用いた場
合、シリカの配合量は、直鎖状ポリフェニレンサルファ
イド樹脂100質量部に対し100〜200質量部に設
定することが好ましい。次に、他の必須成分であるチタ
ン酸バリウムは、モース硬度が光ファイバと略同等であ
るシリカのみが配合されている光フェルールの端面研磨
時に発生していた光ファイバ端面の損傷や突出し長の不
適正化という現象を緩和するために配合される成分であ
る。
【0026】チタン酸バリウムのモース硬度は光ファイ
バやシリカより小さいので、端面研磨時には光ファイバ
やシリカよりも研磨されやすい。したがって、ファイバ
突出し長を決定するのは、研磨端面に表出したシリカの
表面積に依存するものと考えられる。また、光ファイバ
の縁カケについては、研磨時に脱落したシリカが例えば
研磨板に付着して光ファイバを傷つけているからと考え
られる。したがって、低硬度のチタン酸バリウムを配合
し、またシリカを適度に配合することで、成形収縮を抑
制しながら光ファイバの突出し長を適切に調整すること
ができる。
【0027】このチタン酸バリウムの配合量は、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂100質量部に対し50〜3
00質量部に設定される。50質量部より少なくする
と、シリカの場合と同じように、成形した光フェルール
の強度特性が低下して端面研磨時の変形が起こることも
あると同時に、前記した作用効果も充分に発揮されない
ようになる。また、300質量部よりも多くすると、樹
脂組成物の成形性が悪くなって高い寸法精度の光フェル
ールが得にくくなるからである。
【0028】なお、本発明の光フェルールの製造に際し
ては、上記した成分の外に、本発明の趣旨を損なわない
範囲内で他の材料を使用することができる。その具体例
としては、スズ酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ス
ズ酸ビスマスなどをあげることができる。
【0029】
【実施例】実施例1〜9,比較例1〜13 (1)光フェルール用の樹脂組成物の調製 まず、樹脂組成物用の材料として下記のものを用意し
た。 A.ベース樹脂 A1:T−1(商品名、DIC−EP社製の直鎖状ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、粘度30Pa・sec(30
0℃)) A2:T−2(商品名、DIC−EP社製の直鎖状ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、粘度60Pa・sec(30
0℃)) A3:K−1(商品名、DIC−EP社製の架橋型ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、粘度35Pa・sec(30
0℃)) B.シリカ B1:FB−5SDX(商品名、電気化学工業(株)製
の球形シリカ、平均粒径4.5μm、最大粒子径20μ
m) B2:S10−01(商品名、マイクロン社製の球形シ
リカ、平均粒径10.7μm、最大粒子径50μm) B3:MSR−3500(商品名、龍森社製の球形シリ
カ、平均粒子径20.1μm、最大粒子径74μm) B4:MCF−200C(商品名、龍森社製の不定形シ
リカ、平均粒子径10.7μm、最大粒子径96μm) C.チタン酸バリウム C1:BT−100M(商品名、富士チタン工業社製、
BaTiO3約98%以上) C2:BT−206(商品名、富士チタン工業社製、B
aTiO3約90%,CaSnO3約10%) C3:BT−305(商品名、富士チタン工業社製、B
aTiO3約85%,CaTiO3約5%,Bi2(Sn
33約10%) 上記した各材料を、表1で示した割合でシリンダー温度
が300〜340℃に設定されている押出機に供給して
混練し、各樹脂組成物のペレットを調製した。
【0030】
【表1】
【0031】(2)特性の評価 表1で示した各樹脂組成物の特性、およびそれを用いて
成形した光フェルールの特性を下記の仕様で評価した。 樹脂組成物の溶融粘度 これらの樹脂組成物の溶融粘度をASTM D3835
で規定する方法に準拠して測定した。すなわち、深さ3
0mm,キャピラリーの穴径1.0mm、そしてピストン径
12mmの剪断測定機に樹脂組成物を投入し、340℃で
加熱・溶融し、剪断速度900[1/sec]で測定し
た。
【0032】成形収縮率 温度が170℃に制御されている金型に、温度340
℃,射出圧力60MPaで樹脂組成物のペレットを射出成
形し、縦50mm,幅50mm,厚み2mmを目標とするシー
トを成形した。そして、金型の設計寸法に対する変化率
を算出し、成形収縮率とした。なお、この成形収縮率は
0.6%以下を目標値として設定した。
【0033】光ファイバの突出し長と縁カケの発生率 図2で示した光フェルール本体1用の金型の中に、樹脂
組成物のペレットを温度340℃で射出成形した。得ら
れた光フェルール本体の光ファイバ挿入孔に光ファイバ
を挿入し、それをエポキシ樹脂接着剤で接着固定した。
【0034】ついで、光フェルール本体をコレクトチャ
ックで固定し、その端面を、人工ダイヤモンド砥粒入り
の潤滑油を媒体として10Nの一定荷重で4000番の
砥石面に接触させ、人工ダイヤモンド砥粒入りの潤滑油
を媒体とする研磨を1分間行ったのち、更に1分間のバ
フ研磨を行った。そして、研磨面からの光ファイバの突
出し長を表面粗さ測定器で測定した。なお、この突出し
長の目標値は3〜5μmに設定した。また、50倍の光
学顕微鏡で研磨端面における光ファイバの縁カケを調べ
た。そして、縁カケが発生している光ファイバの本数の
総本数に対する百分率を算出して縁カケ発生率を求め
た。なお、この縁カケ発生率の目標値は20%以下とし
た。
【0035】曲げ弾性率 樹脂組成物のペレットを温度340℃で射出成形して、
長さ80mm,幅10mm厚み4mmの試験片を製造し、AS
TM D790Mで規定する方法で測定した。なお、こ
の曲げ弾性率の目標値は1.3GPa以上に設定した。 曲げ強度 樹脂組成物のペレットを温度340℃で射出成形して、
長さ80mm,幅10±0.5mm厚み4±0.2mmの試験片
を製造し、ASTM D790Mで規定する方法で測定
した。なお、この曲げ強度の目標値は100MPa以上に
設定した。
【0036】ガイドピン孔の強度 樹脂組成物のペレットを温度340℃で射出成形して図
2で示した光フェルール本体1を製造した。この光フェ
ルール本体1のガイドピン孔2にガイドピン3を4mmの
深さで挿入して残余の長さ部分を突出させ、当該光フェ
ルール本体1を図3で示したような装置の試料保持部で
保持し、この試料保持部を2mm/minの降下速度で降下
させた。そして、光フェルール本体1の端面から突出し
ているガイドピン3の2.5mmの箇所を部材の鋭角部に
押し当ててガイドピン孔2の破壊が起こったときの荷重
を測定し、そのときの値をガイドピン孔の強度とした。
なお、このガイドピン孔の強度の目標値は19.6N以
上に設定した。
【0037】線熱膨張係数 ASTM D696で規定する方法により、80℃未満
であってガラス転移温度(Tg)以下の温度におけるそ
れぞれの平均線熱膨張係数を算出した。なお、この線熱
膨張係数に関しては、3×10-5[1/℃]以下を目標
値に設定した。以上の結果を一括して表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】表1と表2から次のことが明らかである。 (1)まず、球形シリカのみが配合されている樹脂組成
物D11を用いて製造した比較例1の場合、曲げ弾性率な
どの機械的特性は実施例と遜色ないが、光ファイバの突
出し長は2.2μmと目標値に達しておらず、また縁カ
ケ発生率も72%と極めて高い。したがって、シリカの
みでは、突出し長、縁カケ発生率につき目標値を達成す
ることは極めて困難である。
【0040】(2)また、チタン酸バリウムのみが配合
されている樹脂組成物D12を用いて製造した比較例2の
場合、突出し長、縁カケ発生率、機械的特性は実施例と
遜色はないが、成形収縮率が0.75%と目標値から大
きく外れていて、寸法精度が悪くなる。 (3)球形シリカの配合量が本発明で規定する量よりも
多い樹脂組成物D13およびチタン酸バリウムの配合量が
本発明で規定する量よりも多い樹脂組成物D15はいずれ
もその溶融粘度が高すぎて射出成形ができない。
【0041】(4)球形シリカの配合量が本発明で規定
する量よりも少ない樹脂組成物D14を用いて製造した比
較例4の場合、光ファイバの突出し長が目標値を超えて
おり、かつ成形収縮率が0.8%と目標値から大きく外
れている。 (5)そして、実施例1〜10は、その突出し長がいず
れも3μm以上とフィジカルコンタクトが充分に可能な
突出し長になっており、また縁カケ発生率も20%以内
にあり、製造歩留まりが高い。そして、曲げ弾性率、曲
げ強度、ガイドピン孔の強度、先膨張係数はいずれも目
標値を達成している。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
光フェルールは、好適には直鎖ポリフェニレンサルファ
イド樹脂とシリカとチタン酸バリウムを必須成分とする
樹脂組成物で成形されているので、高い寸法精度を有
し、また端面研磨後における光ファイバの突き出し長も
適正であり、しかも縁カケ発生率も低くなる。そのた
め、端面を突き合わせ接続したときに、光ファイバ間で
光損失が起こることなく、着脱自在なフィジカルコンタ
クトを実現することができる。
【0043】また、機械的強度も良好であるため、例え
ばMT型光フェルールでは、ガイドピンを介して着脱を
反復してもそのガイドピン孔の破損も起こりづらい。
【図面の簡単な説明】
【図1】単芯用光フェルールの接続部を示す部分断面図
である。
【図2】MT型光フェルールを示す斜視図である。
【図3】MT型光フェルールのガイドピン孔強度の測定
方法を示すための説明図である。
【符号の説明】
1 光フェルール本体 1a 接続端面(研磨端面) 2 ガイドピン孔 3 ガイドピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H036 QA18 4F071 AA62 AB18 AB20 AB26 AD02 AE17 AF29 AH19 BA01 BB05 BC17 4J002 CN011 DE067 DE187 DJ016 FD016 FD017 GP00 GP02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド樹脂100
    質量部に対し、最大粒子径が100μm以下であるシリ
    カ100〜300質量部、およびチタン酸バリウム50
    〜300質量部を配合して成る樹脂組成物の成形品であ
    ることを特徴とする光フェルール。
  2. 【請求項2】 前記シリカが球形シリカである請求項1
    の光フェルール。
  3. 【請求項3】 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂が
    直鎖状ポリフェニレンサルファイドであり、前記シリカ
    が球形シリカであり、前記樹脂組成物が直鎖状ポリフェ
    ニレンサルファイド樹脂100質量部に対し、最大粒子
    径が50μm以下であるシリカ100〜200質量部、
    およびチタン酸バリウム150〜250質量部を配合し
    て成る請求項1または2の光フェルール。
JP2001157498A 2001-05-25 2001-05-25 光フェルール Pending JP2002350680A (ja)

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