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JP2002348529A - 高固形分塗料組成物 - Google Patents

高固形分塗料組成物

Info

Publication number
JP2002348529A
JP2002348529A JP2001153438A JP2001153438A JP2002348529A JP 2002348529 A JP2002348529 A JP 2002348529A JP 2001153438 A JP2001153438 A JP 2001153438A JP 2001153438 A JP2001153438 A JP 2001153438A JP 2002348529 A JP2002348529 A JP 2002348529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
coating film
acid
compound
solid content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001153438A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshizumi Matsuno
吉純 松野
Hiroyuki Onoda
浩之 小野田
Takashi Noguchi
隆 野口
Hisashi Isaka
尚志 井坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2001153438A priority Critical patent/JP2002348529A/ja
Priority to US09/984,793 priority patent/US6894124B2/en
Priority to GB0126282A priority patent/GB2370841B/en
Priority to GB0227249A priority patent/GB2379664B/en
Publication of JP2002348529A publication Critical patent/JP2002348529A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】仕上り外観、塗膜硬度、耐酸性雨性、耐スリキ
ズ性などのすぐれた塗膜を形成する高固形分塗料組成物
及びこの組成物を使用した複層塗膜の形成方法。 【構成】(A)カルボキシル基含有化合物とエポキシ基
含有化合物との反応生成物であり、かつ重量平均分子量
が1000以下で、水酸基価が200〜800である化
合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)メラ
ミン樹脂を含有することを特徴とする高固形分塗料組成
物、及び1層以上の着色塗膜及び1層以上の透明塗膜から
なる複層塗膜であって、その最上層の透明塗膜が上記の
高固形分塗料組成物により形成されていることを特徴と
する複層塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高固形分塗
料組成物及びこの組成物を使用した複層塗膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】塗料分野において、大気汚染
に対する環境保全及び省資源の観点から、有機溶剤の使
用量削減が重要な課題となっている。その対策として、
有機溶剤系塗料において、塗料中に含まれる有機溶剤量
を減少させて固形分濃度を高くした、いわゆる「高固形
分塗料組成物」の開発があげられる。
【0003】現在、提案されている高固形分塗料組成物
は、水酸基含有樹脂に硬化剤としてメラミン樹脂を配合
したものが殆どである。しかしながら、塗料中の固形分
濃度を高くするために樹脂の分子量を小さくして低粘度
化にすると、塗膜性能が劣化するという重大な欠陥を有
している。一方、低分子量の状態で、塗膜性能維持のた
めに水酸基などの架橋性官能基を多く導入せしめると、
これらの官能基間の相互作用により粘度上昇して好まし
くないので、官能基を多く導入すると低粘度化が困難と
なる。又、メラミン樹脂を多量に配合すると加熱硬化時
にアルコールなどの副生物を多量に発生するので、塗膜
に「ワキ」(発泡)が生じやすいという欠陥を有してい
る。
【0004】さらに、屋外で使用される自動車外板部な
どに塗装したメラミン樹脂を含有する上塗り塗膜は、酸
性雨による塗膜のエッチングやシミ状汚れが生じやす
く、しかも洗車機によるスリキズも発生しやすいという
欠陥を有している。一方、ポリイソシアネート化合物を
架橋剤として配合すると、メラミン樹脂に比べそれ自身
の粘度が低いものが多く、高固形分化がしやすく、しか
も、耐酸性雨性、耐洗車擦り傷性や仕上がり外観(例え
ば、ツヤ、肉持ち感、鮮映性など)などにすぐれている
が、固形分含有率が70重量%以上の高濃度領域では、
硬化せしめた塗膜の硬度が十分でないという欠陥を有し
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記し
た従来の技術の欠陥が解消され、塗料の粘度が低くかつ
塗膜性能の低下が認められず、しかも仕上がり外観、塗
膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形
成する新規な高固形分塗料組成物及びこの組成物を使用
した複層塗膜の形成方法に関する。鋭意研究の結果、カ
ルボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合物とを反
応させてなる特定の水酸基含有生成物に、ポリイソシア
ネート化合物及びメラミン樹脂を併用することにより、
目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち、本発明によれば、(A)カルボ
キシル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応生
成物であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、水
酸基価が200〜800である水酸基含有化合物、
(B)ポリイソシアネート化合物及び(E)メラミン樹
脂を含有することを特徴とする高固形分塗料組成物(以
下、「本組成物」という)が提供される。
【0007】また、本発明は、1層以上の着色塗膜及び1
層以上の透明塗膜からなる複層塗膜において、その最上
層の透明塗膜が本組成物の塗装により形成されているこ
とを特徴とする複層塗膜形成方法(以下、「本方法」と
いう)を提供するものである。
【0008】まず、本組成物について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の態様】本組成物は高固形分型塗料組成物
であって、塗装時における固形分含有率が、例えば70
重量%以上、特に75〜90重量%の範囲内であること
が好ましい。
【0010】(A)成分:カルボキシル基含有化合物と
エポキシ基含有化合物との反応生成物であり、かつ重量
平均分子量が1000以下で、水酸基価が200〜80
0である水酸基含有化合物。
【0011】(A)成分は、カルボキシル基含有化合物
のカルボキシル基とエポキシ基含有化合物のエポキシ基
との開環エステル化反応により調製することができ、こ
の(A)成分に含有せしめる水酸基として、少なくと
も、エポキシ基の開環により生成する水酸基を有してい
る。
【0012】カルボキシル基含有化合物は、1分子中に1
個又は2個以上のカルボキシル基を有する化合物であ
り、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘ
キサン酸、オクタン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、ピバル酸、バーサチック酸、
安息香酸などのモノカルボン酸;コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラ
ヒドロフタル酸、フタル酸、ブタントリカルボン酸、ブ
タンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸などのポリ
カルボン酸;グリコール酸、乳酸、りんご酸、クエン
酸、酒石酸、ヒドロキシピバル酸、ジメチロールプロピ
オン酸、ジメチロールブタン酸、グルコン酸などのオキ
シ酸などがあげられ、これらの無水物も適用できる。ま
た、あらかじめこれらの無水物とグリコール類を反応せ
しめたものも利用できる。この具体例としては、トリメ
チロールプロパンとヘキサヒドロ無水フタル酸との反応
物やトリメチロールプロパンと無水コハク酸との反応物
などがあげられる。これらのうち、水酸基及びカルボキ
シル基を併存するオキシ酸や、無水物とグリコールとを
反応させてなる水酸基及びカルボキシル基を併存する化
合物を使用することにより、多数の水酸基を(A)成分
中に導入することができるので好ましい。
【0013】エポキシ基含有化合物は、1分子中に1個又
は2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、それ自
体既知の化合物が使用でき、例えば、下記に例示するも
のが好適に使用できる。
【0014】イ)グリシドール。
【0015】ロ)水酸基含有化合物とエピハロヒドリン
とのエーテル化反応により得られるエポキシ基含有化合
物。
【0016】ハ)カルボキシル基含有化合物とエピハロ
ヒドリンとのエステル化反応により得られるエポキシ基
含有化合物。
【0017】ニ)不飽和基と過酸化物の反応により得ら
れるエポキシ基含有化合物。
【0018】イ)成分のグリシドールは、2,3−エポ
キシ−1−プロパノールであり、例えば、アリルアルコ
ールと安息香酸又はタングステン酸と過酸化水素の反応
により得られれる。
【0019】ロ)成分における水酸基含有化合物として
は、例えば、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、フェノールノボラック樹脂、オルソクレゾー
ルノボラック樹脂、これらの臭化物などの芳香族系水酸
基含有化合物;水素化ビスフェノールAなどの脂環族系
水酸基含有化合物;メタノール、エタノールなどの炭素
数が1〜20の脂肪族系モノアルコール;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、へキサンジオール、ジ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、
ジペンタエリスリットなどの炭素数が2〜20の脂肪族
系ポリオールなどがあげられる。エピハロヒドリンとし
てはエピクロルヒドリンが好適に使用できる。水酸基含
有化合物とエピハロヒドリンとのエステル化反応は既知
の方法で行うことができ、この反応によりロ)成分を得
ることができる。
【0020】かかるロ)成分に相当する市販品として、
長瀬産業社製、「デナコールEX−313」、「デナコ
ールEX−321」、「デナコールEX−421」、
「デナコールEX−611」(いずれも商品名)などが
あげられる。
【0021】ハ)成分におけるカルボキシル基含有化合
物としては、例えば、(A)成分の調製に例示したカル
ボキシル基含有化合物が好適に使用できる。カルボキシ
ル基含有化合物とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒ
ドリンとのエステル化反応は既知の方法で行うことがで
き、この反応によりハ)成分を得ることができる。かか
るハ)成分に相当する市販品として、「カージュラE1
0」(油化シェルエポキシ社製、商品名)、「グリデッ
クスN10」(エクソン社製、商品名)、「アラルダイ
トPT910」(チバガイギー社製、商品名)などがあ
げられる。
【0022】ニ)成分における化合物としては市販品と
して、ダイセル化学社製、「セロキサイド2021」、「セ
ロキサイド3000」(いずれも商品名)などがあげられ
る。
【0023】これらの化合物の中で、カルボキシ基含有
化合物の中では特に好ましくはオキシ酸が、エポキシ基
含有化合物の中では特に好ましくは疎水基を有するグリ
シジルエステルが好適に使用することができる。
【0024】(A)成分を調製するためのカルボキシル
基含有化合物とエポキシ基含有化合物との開環エステル
化反応は室温においても進行するが、例えば、100〜
160℃、好適には115〜150度に加熱して、無触
媒で行なうことが好ましい。
【0025】かかる(A)成分は、重量平均分子量が1
000以下、好ましくは300〜700、水酸基価が2
00〜800、好ましくは300〜600の、1分子中
に2個以上の水酸基を有する化合物である。(A)成分
において、重量平均分子量が1000より大きくなると
高固形分量化が困難となり、 また、水酸基価が200
より小さくなると硬化性が劣り、一方、800より大き
くなるとポリイソシアネート化合物との相溶性が低下す
るので好ましくない。
【0026】(B)成分:ポリイソシアネ−ト化合物 ポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個以上の遊
離のイソシアネ−ト基(非ブロック)を有する化合物で
あって、それ自体既知のものが使用できる。例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、
リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ポリイソシアネ−
ト類;水素添加キシリレンジイソシアネ−ト、シクロヘ
キシレンジイソシアネ−ト、メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−トな
どの脂環式ポリイソシアネ−ト類;トリレンジイソシア
ネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシア
ネ−ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、ナ
フタレンジイソシアネ−トなどの芳香族ポリイソシアネ
−ト類;2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシア
ナトカプロエ−ト、3−イソシアナトメチル−1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4−イソシアナトメ
チル−1,8−オクタメチレンジイソシアネ−ト(通
称、トリアミノノナントリイソシアネ−ト)などの3価
以上の有機ポリイソシアネ−ト化合物;これらの1分子
中に2個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシア
ネ−ト化合物の2量体又は3量体;これらの1分子中に
2個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネ−
ト化合物と多価アルコ−ル、低分子量ポリエステル樹脂
又は水などとイソシアネ−ト基過剰の条件でウレタン化
反応させてなるプレポリマ−などがあげられる。
【0027】(B)成分おいて、これらの非ブロックの
ポリイソシアネ−ト化合物と共に、イソシアネ−ト基が
ブロックされたブロックポリイソシアネ−ト化合物を併
用することができる。
【0028】ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、上
記のポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブ
ロック剤で封鎖した化合物である。ブロック剤として、
例えば、フェノ−ル類、オキシム類、ラクタム類、アル
コ−ル類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性
メチレン化合物などがあげられる。これらのブロックポ
リイソシアネ−ト化合物の比率は、非ブロックポリイソ
シアネ−ト化合物との合計固形分量を基準に、50重量
%以下、特に30重量%以下の範囲が好ましい。
【0029】(B)成分の数平均分子量は、2000以
下、特に200〜1000の範囲内が好ましい。
【0030】(C)成分:メラミン樹脂 上記の(B)成分と共に架橋剤として使用するものであ
り、メラミン分子中のアミノ基(−NH)の一部又は
すべてにアルデヒドを反応させて得られるメチロール化
メラミン樹脂(その分子中にイミノ基>NHを含有する
ものも含む)があげられる。アルデヒドとしては、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンツアルデヒドなどが使用できる。また、このメ
チロール化メラミン樹脂のメチロール基の一部又はすべ
てにアルコ−ルをエ−テル化反応したアルキルエーテル
化メラミン樹脂(その分子中にイミノ基>NHを含有す
るものも含む)もメラミン樹脂として使用できる。
【0031】エ−テル化に用いられるアルコ−ルとして
は、例えば、メチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n
−プロピルアルコ−ル、i−プロピルアルコ−ル、n−
ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−ル、2−エチル
ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ルなどの炭素数が1
〜10の1価アルコ−ルがあげられる。(C)成分の数
平均分子量は150〜3000の範囲内であることが好
ましい。このうち、イミノ基を含有するメラミン樹脂を
使用すると塗膜の耐候性、特に光沢保持性を改良するこ
とができるのでより好ましい。
【0032】本組成物は、上記した(A)カルボキシル
基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物で
あり、かつ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価
が200〜800である化合物、(B)ポリイソシアネ
ート化合物及び(C)メラミン樹脂を含有しており、こ
れらの各成分の比率は特に制限されず、目的に応じて任
意に選択できるが、例えば、(A)〜(C)成分の合計
固形分量を基準に、(A)成分:10〜60重量%、特
に20〜45重量%、(B)成分:30〜70重量%、
特に35〜60重量%、(C)成分:3〜40重量%、
特に5〜30重量%の範囲内が適しており、これらの各
成分を有機溶剤に配合し、均一に混合することにより本
組成物を調製することができる。
【0033】また、本組成物には、これらの(A)、
(B)及び(C)成分に加えて、さらに(D)硬化触媒
及び(又は)(E)レオロジーコントロール剤を含有せ
しめることも可能である。
【0034】(D)成分:硬化触媒 これは、上記の(A)〜(C)成分による架橋反応を促
進するのに有用である。具体的には、オクチル酸錫、ジ
ブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル
錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサ
イド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン
酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機錫化合物をあげること
ができる。さらに、パラトルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、
ジノニルナフタレンジスルホン酸、ブチルリン酸、オク
チルリン酸などの酸、これらの酸のアミン中和物などが
好適である。(D)硬化触媒の使用量は、使用目的によ
り任意に選択できるが、(A)、(B)及び(C)成分
の合計100重量部あたり、0.005〜5重量部、特
に0.01〜3重量部の範囲内が適している。
【0035】(E)成分:レオロジーコントロール剤 この(E)成分を配合することによって本組成物にチキ
ソトロピー性を付与することができ、これにより、スプ
レー塗装時などの高剪断応力が加わるような場合には、
十分に粘度が下がって容易にスプレー塗装作業を行うこ
とができるようになり、一方、被塗面に塗着してからの
低剪断応力が加わるような場合には、見かけ上の粘度を
高くすることが可能となる。その結果、垂直の被塗面に
塗装する場合や、その部分へ塗装後の焼き付け時におい
てタレ、ハジキ等の塗膜欠陥の発生を防止することがで
き、仕上り外観の良好な塗膜を形成できるという効果が
得られる。このようなレオロジーコントロール剤とし
て、架橋重合体微粒子やポリウレア化合物などがあげら
れる。
【0036】架橋重合体微粒子は、上記の(A)、
(B)及び(C)成分や有機溶剤などと殆ど又は全く溶
解、相溶せず、本組成物中に安定に分散しうる、内部架
橋された粒子状重合体である。
【0037】架橋重合体微粒子の具体例としては、水性
エマルジョンないしは水性サスペンジョン重合法又は非
水分散重合方法によって得られる公知の分子内架橋され
た微粒子状重合体が使用可能である。このうち水性エマ
ルジョンないしは水性サスペンジョン重合法によって得
られる分子内架橋構造を有する微粒子状重合体は、水の
蒸発もしくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝
集等の、物理的ないしは化学的手段によって、固形物の
形で分離せしめることもできるし、あるいは、物理的な
いしは化学的手段を施すに際して、目的とする架橋重合
体微粒子の媒体を、直接、水から他の樹脂や有機溶剤等
に置き換えることもできる。
【0038】架橋重合体微粒子として、特開平3−66
770号公報に開示されているような分子内に少なくと
も2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モ
ノマー及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを分
子内にアリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化
重合せしめて得られる架橋重合体微粒子を好適に使用で
きる。この場合には、分子内に少なくとも2個のラジカ
ル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマーにより重
合体微粒子が内部架橋されている。
【0039】また、架橋重合体微粒子として、ポリ(1
2−ヒドロキシステアリン酸)の分子鎖を有し、かつ重
合性不飽和二重結合を1分子あたり平均約1個以上有す
るマクロモノマー(a)と、エチレン性不飽和単量体の
共重合体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.
5〜9.2であり、かつ1分子あたり平均して約1.0
〜約1.5個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモ
ノマー(b)との混合物の存在下に、相互に反応して結
合することができる相補的官能基をそれぞれ有する少な
くとも2種のビニル系単量体を少なくとも0.5重量%
含有するビニル系単量体混合物を、マクロモノマー
(a)、マクロモノマー(b)及び該ビニル系単量体は
溶解するが、該ビニル単量体の重合体は実質的に溶解し
ない有機溶媒中で共重合および架橋反応させてなるゲル
重合体微粒子の分散液を使用することができる。該架橋
重合体微粒子自体は既知のものであって、特公平6−7
0110号公報に詳細に開示されている。マクロモノマ
ー(a)は、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)の
末端カルボキシル基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽
和化合物を付加してなる重合性不飽和基含有反応生成物
を、エポキシ基を有する重合性モノマーを含有する重合
性不飽和モノマー混合物とグラフト共重合又はブロック
共重合させて得られる懸垂エポキシ基含有共重合体に重
合性不飽和カルボン酸を付加させて得られる、1分子中
に約1〜約10個の重合性不飽和二重結合を有するマク
ロモノマーが好適である。特に、マクロモノマー(a)
は、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カル
ボキシル基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物
を付加してなる1分子中に1個の重合性不飽和二重結合
を有するマクロモノマーが好適である。マクロモノマー
(b)が数平均分子量3000〜20000、水酸基価
45〜150であることが好ましい。相補的官能基の組
み合わせが、例えば、エポキシ基/カルボキシル基、ア
ルコキシシリル基/水酸基、エポキシ基/りん酸基、イ
ソシアネート基/水酸基などがあげられる。
【0040】これらの架橋性重合体微粒子は、架橋密度
が高く、トルエンや酢酸エチルなどのポリマー溶解力の
大きい有機溶剤中においても、実質的に、非膨潤性でか
つ非融着性であり、しかも有機溶剤を含む本組成物に添
加すると、本組成物の粘度を殆ど上昇させることなく、
樹脂含有率の高い、つまり高固形分の溶液(分散液)を
得ることができる。また、架橋重合体微粒子を配合した
本組成物は、微粒子とバインダー樹脂とが共に硬化塗膜
を形成する。架橋重合体微粒子の平均粒子径は0.01
〜2μm程度、特に0.05〜0.5の範囲内が適して
おり、粒径がこの範囲内にあると塗膜のタレ防止効果及
び塗膜の仕上り外観が優れている。
【0041】さらに、レオロジーコントロール剤(E)
として、3〜20個の炭素原子を有するジイソシアネ−
ト化合物から得られるイソシアヌレ−ト3量体と1個以
上の1級アミノ基を有するアミン化合物との反応生成物
からなる固体粒子状のポリウレア化合物も使用すること
ができる(特公平7−81099号公報)。イソシアヌ
レ−ト3量体は、3〜20個、好ましくは5〜14個、
さらに好ましくは8〜12個の炭素原子を有するジイソ
シアネート、特に好適にはヘキサメチレンジイソシアネ
ートから作られることが好ましい。好適なジイソシアネ
ートの例としては、メチレンジイソシアネート、トリメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ω,ω゜ジプ
ロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイ
ソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタン−4,4゜−ジイソシア
ネート、1,5−ジメチルー2,4−ビス(イソシアナ
トメチル)−ベンゼン、1,5−ジメチルー2,4−ビ
ス(ω−イソシアナトエチル)―ベンゼン、1,3,5
−トリメチルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリエチルー2,4−ビス(イソ
シアナトメチル)ベンゼン、バイエル社のデスモジュー
ル(Desmodur)TTの商標で販売されている複
素環ジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタ
ン−4,4‘−ジイソシアネート、2,4−トルエンジ
イソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及
びジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアネートなど
があげられる。所望により、2種又は3種類の異なった
ジイソシアネートの複素環3量体を使用してもよい。ま
た、上記複素環トリイソシアネートの混合物を使用する
こともできる。
【0042】ポリウレア化合物を作るのに使用する第2
成分である好適な第1級アミンの例としては、ベンジル
アミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
α−メチルブチルアミン、α−エチルプロピルアミン、
β−エチルブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、アニリン及びヘキサメチレンジアミンなどが
あげられる。これらの第1級アミンは一般に55個以下
の炭素原子、好ましくは1〜24個、さらに好ましくは
1〜12個の炭素原子を含んでいる。1個以上の1級ア
ミノ基及び1個以上のエーテル及び/又はヒドロキシル
基を有するアミンも使用することができる。例えば、エ
タノールアミン、6−アミノヘキサノール、p−メトキ
シベンジルアミン、メトキシプロピルアミン、3,4−
ジメトキシフェニルエチルアミン、2,5−ジメトキシ
アニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリル
アミン、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロ
フラン(約750の分子量を有するもの)があげられ
る。上記アミンの混合物も使用できる。
【0043】ポリウレア化合物を作るための複素環トリ
イソシアネートと第1級アミンとの反応においては一般
に複素環トリイソシアネート又は第1級アミンの一方を
化学量論量より過剰に使用することができる。例えば、
第1級アミンのアミノ基数対複素環トリイソシアネート
基数の比は0.7から1.5、好ましくは0.9〜1.
1とすることができる。
【0044】複素環トリイソシアネートと第1級アミン
との反応は、一般に、反応成分を混合し、必要により温
度を高めて任意の選ばれた方法で実施することができ
る。この反応は10℃〜150℃の温度、さらに好まし
くは20℃〜80℃の温度で行うことが好ましい。一般
に、反応成分は任意の選ばれた方法で混合することがで
きるが、第1級アミンに複素環トリイソシアネートを加
えることが望ましく、必要により数段階に分けてもよ
い。一般にこの反応は溶剤、例えば、アセトン、メチル
イソブチルケトン、1―メトキシープロパノールー2、
ベンゼン、トルエン、キシレン、又は石油エーテルのよ
うな脂肪族炭化水素の存在下で行われる。
【0045】(E)成分の配合量は、使用目的により任
意に選択できるが、固形分比で、(A)、(B)及び
(C)成分の合計100重量部あたり、1〜20重量
部、特に2〜10重量部の範囲内が適している。
【0046】本組成物は、上記の(A)成分、(B)成
分及び(C)成分を必須成分とし、さらに必要に応じて
(D)成分及び(又は)(E)成分を含有せしめること
ができ、これに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メ
タリック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、
光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加
剤などを含有せしめることも可能であり、これらの成分
を有機溶剤に均一に混合することにより本組成物が得ら
れる。
【0047】ソリッドカラー顔料としては、例えば、キ
ナクリドンレッド等のキナクリドン系、ピグメントレッ
ド等のアゾ系、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ペリレンレッド等のフタロシアニン系等の有
機顔料や酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料が
あげられ、メタリック顔料としては、例えば、アルミニ
ウム粉、蒸着アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、ニ
ッケル粉、銅粉、真鍮粉、クロム粉等が挙げられ、干渉
色顔料としては、真珠光沢状のパールマイカ粉、真珠光
沢状の着色パールマイカ粉等を挙げることができる。
【0048】本組成物は、有機溶剤型の高固形分塗料組
成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用有
機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、ア
ルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エー
テル系溶剤等が使用できる。本組成物の固形分濃度は、
塗装時において、70重量%以上の高固形分であり、好
ましくは75〜90重量%である。
【0049】本組成物において、(B)ポリイソシアネ
ート化合物は、室温において(A)成分などの活性水素
を有する成分と比較的容易に反応するので、(A)成分
とあらかじめ分離しておく、いわゆる2液型の形態で使
用することが好ましい。2液型では、それぞれのグルー
プの成分を使用直前に混合してから塗装に供すればよ
い。この場合、(A)、(B)及び(C)成分以外の成
分は、(B)成分の反応性を考慮して、(A)成分側、
又は(B)成分側のいずれかに配合せしめるか、又は第
3成分とすることも可能である。
【0050】本組成物は、塗装時の固形分濃度が70重
量%以上であっても塗装可能な適正粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよい。本組成物は、これらの塗
装方法による微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉
持感に優れた塗膜を形成することができる。
【0051】また、本組成物は、例えば30〜80℃、
好ましくは40〜60℃に加温してから塗装することも
可能である。加温方法として、(A)成分を含有する組
成物(i)と(B)成分を含有する組成物(ii)をそ
れぞれ加温してから混合する、組成物(i)のみを加温
してから組成物(ii)を混合する、組成物(ii)の
みを加温してから組成物(i)を混合する、組成物
(i)と組成物(ii)とを混合してから加温する、の
4通りがあげられる。この加温により、本組成物のポッ
トライフが更に短くなることがあるので、加温してから
2液混合装置(例えば、GRACO社製、Precision M
ix )を用いて均一に混合することにより、ポットライ
フの問題を回避するとは可能である。例えば、この装置
のA液タンクに組成物(i)を、B液タンクに組成物
(ii)をそれぞれ仕込み、A液タンクを55℃に加温
する。その際、B液タンクは室温のままである。そし
て、2液混合装置を使用して、組成物(i)と組成物
(ii)とを混合すると40℃の液温度とすることがで
きる。この場合、組成物(i)と組成物(ii)の加温
を逆に行なってもよい。このように加温すると塗装時に
おける本組成物の粘度を低くすることができ、その結
果、高固形分塗料としての本組成物の塗装性がさらに向
上させることができる。
【0052】本組成物は、クリヤ塗料として、また、着
色顔料、メタリック顔料、干渉色顔料などの各種顔料を
配合してソリッドカラー塗料、メタリック塗料、干渉色
塗料として使用することができる。特に、本組成物は、
耐酸性、耐擦り傷性、仕上り外観(例えば、ツヤ、肉持
感、鮮映性)などに優れた硬化塗膜を形成することがで
きるので、少なくとも1種の着色塗料及び少なくとも1
種のクリヤ塗料を順次塗装して複層塗膜を形成する方法
における最上層のクリヤ塗料として、本組成物を使用す
るのに適している。
【0053】次に、本方法、すなわち、1層以上の着色
塗膜及び1層以上の透明塗膜からなる複層塗膜であっ
て、その最上層の透明塗膜が本組成物により形成されて
いることを特徴とする複層塗膜形成方法について説明す
る。
【0054】本方法により、複層塗膜を形成するにあた
り、最上層のクリヤ塗料として本組成物を使用する方法
として、例えば以下に述べる方法があげられる。
【0055】方法a:着色塗料及びクリヤ塗料を順次塗
装する2コート方式において、クリヤ塗料として本組成
物を使用する塗装方法。
【0056】方法b:着色塗料、第1クリヤ塗料及び第
2クリヤ塗料を順次塗装する3コート方式において、第
2クリヤ塗料として本組成物を使用する塗装方法。
【0057】方法c:第1着色塗料、第2着色塗料及び
クリヤ塗料を順次塗装する3コート方式において、クリ
ヤ塗料として本組成物を使用する塗装方法。
【0058】これらの方法a、b及びcについて、さら
に詳細に説明する。
【0059】上記方法aにおいて、着色塗料としては、
ソリッドカラー塗料、メタリック塗料及び干渉色塗料が
包含される。
【0060】上記着色塗料において、樹脂成分は、例え
ば架橋性官能基(例えば、水酸基、エポキシ基、カルボ
キシル基、アルコキシシリル基など)を有するアクリル
樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、
ウレタン樹脂などの少なくとも1種の基体樹脂と、基体
樹脂を架橋硬化させるためのアルキルエーテル化したメ
ラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロックされ
ていてもよいポリイソシアネート化合物、エポキシ化合
物、カルボキシル基含有化合物などの少なくとも1種の
架橋剤成分とからなり、該両成分の合計重量を基準にし
て、基体樹脂は50〜90%、架橋剤成分は50〜10
%の比率で併用することが好ましい。着色塗料には、前
記本発明塗料組成物に配合できる公知の顔料として挙げ
た、着色顔料、メタリック顔料、干渉色顔料などの顔料
が配合される。これらの顔料は、単独で又は2種以上併
用して使用することができる。また、着色塗料は、有機
溶剤系であっても水系のいずれであってもよい。
【0061】方法aは、自動車用などの金属製もしくは
プラスチック製の被塗物に直接、又はカチオン電着塗料
などの下塗塗料及び必要に応じて中塗り塗料を塗装し、
硬化させた後、上記着色塗料を、エアレススプレー、エ
アスプレー、回転霧化塗装(これらは静電印加していて
もよい)などの方法によって膜厚が硬化膜厚で約10〜
50μmとなるように塗装し、約100〜180℃、好
ましくは約120〜160℃で約10〜40分間加熱し
て硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置
もしくはプレヒートしてから、本組成物からなるクリヤ
塗料を同様の塗装方法によって膜厚が硬化膜厚で約10
〜70μmになるように塗装し、約100〜180℃、
好ましくは約120〜160℃で約10〜40分間加熱
して架橋硬化させることからなる、2コート1ベーク方
式(2C1B)又は2コート2ベーク方式(2C2B)
により行うことができる。
【0062】方法bにおいて、着色塗料としては、方法
aの項で説明した着色塗料と同様のものを使用すること
ができる。また、第1クリヤ塗料は、透明塗膜形成用塗
料であり、着色塗料から顔料の殆どもしくはすべてを除
去してなる塗料(本料組成物であってもよい)を使用す
ることができる。そして、第2クリヤ塗料として、本組
成物からなるクリヤ塗料を使用する。方法bは、方法a
と同様の工程にて、着色塗料を塗装し硬化させてから、
又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒート
してから、着色塗膜上に第1クリヤ塗料を同様に塗装方
法により膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるよう
に塗装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜
160℃で約10〜40分間加熱して硬化させてから、
又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒート
してから、本組成物からなる第2クリヤ塗料を同様の塗
装方法によって膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmにな
るように塗装し、約100〜180℃、好ましくは約1
20〜160℃で約10〜40分間加熱して硬化させる
ことからなる、3コート1ベーク方式(3C1B)、3
コート2ベーク方式(3C2B)又は3コート3ベーク
方式(3C3B)により行うことができる。
【0063】方法cにおいて、第1着色塗料としては、
方法aの項で説明した着色塗料と同様のものを使用する
ことができる。第2着色塗料としては、第1着色塗料の
塗面に塗装するものであり、該第2着色塗料塗膜を通し
て第1着色塗料塗面の色調(ソリッドカラー、メタリッ
ク色、干渉色)が視認できる程度の小さい隠蔽性を有し
ている着色透明塗料が使用される。したがって、該第2
着色塗料膜の隠蔽性は、第1着色塗料膜の隠蔽性より通
常小さい。該第2着色塗料膜の上にクリヤ塗料が塗装さ
れるが、このクリヤ塗料は、透明塗膜形成用塗料であ
り、本組成物が使用される。方法cは、方法aと同様の
工程にて、着色塗料として第1着色塗料を塗装し硬化さ
せてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくは
プレヒートしてから、第1着色塗膜上に第2着色塗料を
膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装
し、約100〜180℃、好ましくは約120〜160
℃で約10〜40分間加熱して硬化させてから、又は硬
化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートしてか
ら、本組成物からなるクリヤ塗料を同様の塗装方法によ
って膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗
装し、約100〜180℃、好ましくは約120〜16
0℃で約10〜40分間加熱して硬化させることからな
る、3コート1ベーク方式(3C1B)、3コート2ベ
ーク方式(3C2B)又は3コート3ベーク方式(3C
3B)により行うことができる。
【0064】
【発明の効果】本発明は、環境保全及び省資源の観点か
ら、有機溶剤の使用量を削減して固形分濃度を高くした
いわゆる高固形分塗料組成物に関し、上記の(A)重量
平均分子量が1000以下、かつ水酸基価が200〜8
00のカルボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合
物との反応生成物、(B)ポリイソシアネート化合物%
及び(C)メラミン樹脂を含有することを特徴としてお
り、特に、塗面にワキ(発泡)などの発生がなく、酸性
雨による塗膜のエッチングやシミ状汚れなどの発生を防
止することができ、しかも洗車機などによるスリキズ発
生も殆ど認められない、自動車用の最上層上塗り塗膜形
成用塗料として特に有効であるという効果を有してい
る。
【0065】
【実施例】以下に、本発明に関する実施例及び比較例に
ついて説明をする。部及び%はいずれも重量に基いてお
り、また塗膜の厚さは硬化塗膜についてである。
【0066】1.試料の調製 1)(A)成分 (A−1):攪拌器、冷却器、温度制御器、窒素導入管
及び滴下ロートを備えた反応装置に、ジメチロールブタ
ン酸296部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行な
い、120℃に加熱した。そこへ、「カージュラE1
0」490部を2時間かけて滴下し、120℃を保持し
て、酸価が9以下になった時点で反応を終了させた。得
られた(A−1)成分は、固形分含有率約98%、ガー
ドナー粘度(20℃)Z6Z7、水酸基価428mgK
OH/g、数平均分子量600、重量平均分子量610
であった。
【0067】(A−2):攪拌器、冷却器、温度制御
器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応装置に、ジ
メチロールプロピオン酸268部を仕込み、反応容器内
の窒素置換を行ない、150℃に加熱した。そこへ、
「カージュラE10」490部を1時間かけて滴下して
から、温度を120℃に下げ、同温度で酸価が9以下に
なった時点で反応を終了させた。得られた(A−2)成
分は、固形分含有率約97%、ガードナー粘度(20
℃)Z6、水酸基価444mgKOH/g、数平均分子
量590、重量平均分子量600であった。
【0068】(A−3):攪拌器、冷却器、温度制御
器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応装置に、ア
ジピン酸292部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行
ない、150℃に加熱した。そこへ、「カージュラE1
0」490部を2時間かけて滴下し、120℃を保持し
て、酸価が9以下になった時点で反応を終了させた。得
られた(A−3)成分は、固形分含有率約98%、ガー
ドナー粘度(20℃)Z6、水酸基価176mgKOH
/g、数平均分子量800、重量平均分子量910であ
った。(比較用) (A−4):「TONE301」(ユニオンカーバイド社
製、商品名、多価アルコールとラクトン類との開環エス
テル化反応生成物、水酸基価約561mgKOH/g、
重量平均分子量約700)(比較用) 2)(E)成分 (E−1):12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン
還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合してな
る樹脂酸価30で、数平均分子量約1800の自己縮合
ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に、ジメチルア
ミノエタノールを触媒として、グリシジルメタクリレー
トを付加して重合性二重結合を導入して、マクロモノマ
ー(a)を得た。このものの固形分含有率は70%であ
り、1分子あたり数平均分子量に基づき約1個の重合性二
重結合を有していた。
【0069】一方、フラスコに酢酸ブチル174部を入
れ加熱還流し、この中に、70%マクロモノマー(a)
溶液297部、メチルメタクリレート195.9部、グ
リシジルメタクリレート18.5部、キシレン163.
0部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル9.6部か
らなる混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに
2時間熟成した。ついで、p−t−ブチルカテコール
0.05部、メタクリル酸3.8部、ジメチルアミノエ
タノール0.5部からなる混合物をフラスコ中に加えて
樹脂酸価が0.5になるまで140℃で約5時間反応を
行ない、固形分含有率50%のマクロモノマー(b)を
得た。得られたマクロモノマー(b)は、ポリ12−ヒ
ドロキシステアリン酸による第1のセグメントと、メチ
ルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合
体による第2のセグメントとを有するグラフトポリマー
であって、1分子中に平均4個の重合性不飽和二重結合
を有していた。
【0070】他方、フラスコにキシレン153部を入れ
125℃に加熱してから、2−エチルヘキシルアクリレ
ート50部、n−ブチルアクリレート23部、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート25部、アクリル酸2部、t
−ブチルパーオクトエート4.5部からなる混合物を4
時間かけて滴下し、その後、2時間熟成を行なった。得
られたアクリル樹脂ワニスは固形分含有率65%、数平
均分子量7000であった。このアクリル樹脂ワニス1
00部に、グリシジルメタクリレート2部、4−t−ブ
チルピロカテコール0.01部、テトラブチルアンモニ
ウムブロミド0.15部を加えて115℃で7時間攪拌
し、共重合二重結合を分子中に導入してマクロモノマー
(c)を得た。マクロモノマー(c)における導入二重
結合の数は1分子あたり数平均分子量に基き約1.0個
で、SP値は8.70、水酸基価は121mgKOH/
gであった。
【0071】フラスコにヘプタン190、50%マクロ
モノマー(b)溶液20部、65%マクロモノマー
(c)溶液23部を仕込み、還流温度にて、50%マク
ロモノマー(b)溶液20部、65%マクロモノマー
(c)溶液23部、メチルメタクリレート50部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート50部、グリシジルメタ
クリレート1.5部、メタクリル酸0.8部、2,2
‘−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を
5時間要して滴下し、続いて2時間熟成した。ついで、
ジメチルアミノエタノール0.1部を加え、さらに4時
間熟成を行なって重合体微粒子の非水分散液を得た。得
られた分散液は固形分含有率40%の白色分散液で、粒
子の粒径は約160nm(ピーク粒子径)であった。粒
子径はコールタール社の「COULTER N4型サブ
ミクロン粒子分析装置」により測定した。また、この粒
子はアセトン、酢酸エチル、キシレンなどの有機溶剤に
不溶でった。
【0072】2.実施例及び比較例 上記の成分を使用し、表1に記載した重量比率で混合
し、有機溶剤系高固形分型塗料(クリヤ塗料)を得た。
(A)〜(E)成分の配合量はいずれも固形分比であ
る。
【0073】塗膜の性能試験(仕上り性、硬度、耐擦り
傷性及び耐酸性)は、化成処理を行なった冷延ダル鋼板
にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し(膜厚25
μm)、170℃で30分間加熱硬化した後、中塗り塗
料(「ルーガベイクAM」関西ペイント社製、商品名、
ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系塗料、グレー色)を
膜厚30μmに塗装し、140℃で30分間加熱硬化
し、ついで、この塗面にメタリック塗料(「TWX−4
02」関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラ
ミン樹脂系塗料)を膜厚18μmに塗装し、室温で3分
間放置した後の未硬化塗面に、表1に記載の実施例及び
比較例の高固形分型塗料(クリヤ塗料)(粘度50秒/
フォードカップ#4/20℃に調整)を膜厚35μmに
塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬
化してなる複層塗膜について行なった。これらの性能試
験結果も表1に示した。
【0074】表1中の「塗装時固形分濃度」は粘度50
秒/フォードカップ#4/20℃に調整した塗装時直前
の高固形分型塗料(クリヤ塗料)の粘度である。
【0075】
【表1】
【0076】(注1):「デスモジュールN3300」
住友バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ。
【0077】(注2):「LT1」 協和醗酵社製、商品
名、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナト
カプロエート。重量平均分子量約267。
【0078】(注3):「サイメル325」 三井サイ
アナミド社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹
脂。
【0079】(注4):「サイメル303」 三井サイ
アナミド社製、商品名、完全メチロール型(イミノ基含
まず)アルキルエーテルメラミン樹脂。
【0080】(注5):N5543」 米国、キングインダ
ストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸
のアミン中和物溶液。
【0081】(注6):「Scat 24」 三共有機合成社
製、商品名、錫触媒。
【0082】(注7):「Setalux C-7176VB-60」 ア
クゾノーベル社製、商品名、レオロジー調整剤。ポリウ
レア化合物。
【0083】(注8):試験塗板の複層塗膜面の外観を
目視にて判定した。○は平滑性、ツヤ、鮮映性が良好で
異常が認められない、△は平滑性、ツヤ、鮮映性のいず
れかがやや劣る、×は平滑性、ツヤ、鮮映性のいずれか
が顕著に劣ることを示す。
【0084】(注9):試験塗板の複層塗膜のツーコン
硬度(20℃)を測定した。
【0085】(注10):試験塗板の複層塗膜面に、磨き
砂(ダルマクレンザー)を水で固練りして載せ、その上
を試験機端子で押さえ0.5Kgの荷重をかけて、25
往復した後、目視にて評価した。○は塗面のツヤに変化
が認められない、△はツヤビケが少し認められる、×は
ツヤビケが著しく認められることを示す。
【0086】(注11):試験板の複層塗膜面に30%の
硫酸水溶液0.4ccをスポット状に滴下し、熱風乾燥
機にて60℃で15分間加熱してから水洗し、塗面を目
視評価した。○は塗面の変化が認められない、△はスポ
ット跡が少し認められる、×はスポット跡に、シミ、白
化又はフクレがが著しく認められることを示す。
【0087】(注12):サンシャインウエザオメータを
用いて480時間試験を行なった後の塗面の光沢保持率
(60度鏡面反射率)を調べた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井坂 尚志 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 CA02 CA32 DB02 DC12 EA08 EA43 EB32 EB38 EB52 4J038 DA031 DA162 DG081 DG271 DG281 DG291 DG301 GA03 KA04 KA07 MA14 NA27 PB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カルボキシル基含有化合物とエポキ
    シ基含有化合物との反応生成物であり、かつ重量平均分
    子量が1000以下で、水酸基価が200〜800であ
    る水酸基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物
    及び(C)メラミン樹脂を含有することを特徴とする高
    固形分塗料組成物。
  2. 【請求項2】さらに(D)硬化触媒及び(又は)(E)
    レオロジーコントロール剤を含有せしめてなる請求項1
    記載の高固形分塗料組成物。
  3. 【請求項3】1層以上の着色塗膜及び1層以上の透明塗膜
    からなる複層塗膜であって、その最上層の透明塗膜が請
    求項1又は2記載の高固形分塗料組成物により形成され
    ていることを特徴とする複層塗膜形成方法。
JP2001153438A 2000-11-01 2001-05-23 高固形分塗料組成物 Pending JP2002348529A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006291111A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Basf Coatings Japan Ltd 塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品
JP2009511669A (ja) * 2005-10-05 2009-03-19 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ハイソリッドコーティング組成物
KR101050506B1 (ko) * 2008-12-31 2011-07-20 조광페인트주식회사 유변성 에폭시에스테르 도료 조성물 및 그의 제조 방법

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