JP2002336632A - フィルタ及び清浄装置 - Google Patents
フィルタ及び清浄装置Info
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Abstract
フィルタ自身からのガス状有機不純物の脱離がなく,し
かも処理対象空気中に含まれる微量のガス状有機不純物
を除去して同有機物による基板などの表面汚染を防止で
きるフィルタを提供する。 【解決手段】 雰囲気中のガス状有機不純物を除去する
ためのゼオライトを,ガス状有機不純物を吸着する性質
を有し,かつ該ゼオライトの有効細孔径よりも大きな有
効細孔径を有する無機物をバインダとして用いて造粒し
たペレット21を,ケーシング22内に充填して構成し
たことを特徴とするフィルタ1である。
Description
ームやクリーンベンチなどといった清浄装置において使
用される,雰囲気中のガス状有機不純物を除去するため
のフィルタに関する。
装置が広く利用されている。これらの製造過程において
例えばウェハに有機物が付着した場合には,絶縁酸化膜
(SiO2)の絶縁耐圧低下,レジスト膜の密着性低下
に伴う露光・エッチング不良,ウェハの表面抵抗率の上
昇による帯電及び帯電に伴うパーティクルの更なる静電
吸着などといった種々の不都合を引き起こしてしまう。
また,有機物がLCD基板であるガラス基板に付着した
場合は,その表面上に薄膜トランジスタ(TFT)用の
アモルファスシリコン(a−Si)を成膜する際に,L
CD基板とa−Si膜の密着不良を生じてしまう。この
ように,清浄装置雰囲気由来の有機物は,半導体やLC
Dの製造に悪影響を及ぼす。
えば紫外線/オゾン洗浄などの洗浄技術によって除去す
ることも可能である。しかし,基板一枚当たりの洗浄時
間は数分間も要し,頻繁に洗浄することは生産性の低下
を招く。このように,特に最近では,金属不純物やパー
ティクルによる基板の汚染に加えて,清浄装置雰囲気中
に存在する有機不純物が半導体製造に及ぼす影響が問題
視されている。例えば,米国のSEMATECHが19
95年5月31日に発表したTechnology T
ransfer #95052812A−TR「For
ecast of Airborne Molecul
ar Contamination Limits f
or the 0.25 Micron High P
erformance Logic Process」
の記載によると,1998年には,半導体製造における
シリコンウェハ表面に許容される有機物汚染量が,前工
程では5×1013炭素原子個数/cm2,後工程では
1×1015炭素原子個数/cm2となるように,清浄
装置雰囲気中のガス状有機不純物濃度の制御が必要とな
る。
れるガス状有機不純物を除去するための手段として,活
性炭を用いてガス状の有機不純物を吸着して除去するケ
ミカルフィルタが使用されている。そして,活性炭を用
いたケミカルフィルタの最も簡素な形式として,所定の
ケースなどに粒状活性炭を詰め込んだ構成の充填筒が知
られている。また,その他の形式として,繊維状活性炭
を低融点ポリエステルやポリエステル不織布の有機系バ
インダと複合してフェルト形状にした構成のケミカルフ
ィルタや,粒状活性炭をウレタンフォームや不織布に接
着剤で強固に付着させたブロック形状およびシート形状
のケミカルフィルタも知られている。
空気の吹き出し面となっているクリーンルームの場合に
ついていえば,天井に取り付けられている粒子除去用フ
ィルタの上流側にケミカルフィルタを配置することが,
クリーンルームの空気雰囲気中のガス状有機不純物を除
去するために極めて有効な手段である。しかし,活性炭
は消防法において指定された可燃物であり,火気には厳
重な注意が必要である。このため,防災上の観点から,
活性炭を使用したケミカルフィルタは天井に配置し難
い。
清浄装置は,通常,温度23〜25℃,相対湿度40〜
55%の雰囲気に保たれる。しかし,活性炭はガス状有
機不純物のみならず空気中の水分も相当に吸着する。こ
のため,清浄装置への給気側に活性炭を使用したケミカ
ルフィルタを取り付けた場合は,ケミカルフィルタの上
流側においてせっかく所定の湿度に調節しても,ケミカ
ルフィルタに使用されている活性炭が空気中の水分を吸
着するので,清浄装置内の湿度が所定の値よりも低くな
ってしまう。湿度の低下は静電気の発生を容易にし,半
導体やLCDの製造に支障をきたす。
ルタは,有機物の吸着効率は高いが,圧力損失(通気抵
抗)が高いという欠点を有する。一方,フェルト形状や
シート形状のケミカルフィルタは通気性に優れ,吸着効
率も充填筒とさほど劣らないが,濾材構成材料(例え
ば,不織布,有機系バインダなど)や,活性炭をシート
に付着させている接着剤(例えば,ネオプレン系樹脂,
ウレタン系樹脂,エポキシ系樹脂,シリコン系樹脂な
ど)や,濾材を周囲のフレームに固着するために用いる
シール材(例えばネオプレンゴムやシリコンゴム等)な
どから発生したガス状有機不純物がケミカルフィルタ通
過後の空気中に含まれてしまい,半導体の製造に悪影響
を与える可能性がある。さらに,これらフェルト形状や
シート形状のケミカルフィルタは,クリーンルーム雰囲
気中に含まれるppbオーダの極微量有機不純物を一旦
は除去しておきながら,再びケミカルフィルタ自身から
発生したガス状有機不純物を通過空気中に混入させてし
まう。
3518号や特開平3−98611号に示されるものが
ある。前者は粉末活性炭とエマルジョン型固着補助剤と
固体酸を含む水溶液をウレタンフォームからなる基材に
含浸させた後に乾燥させたフィルタであるが,エマルジ
ョン型接着剤として示される合成ゴムラテックスやその
他の水分散系の有機接着剤から,また基材であるウレタ
ンフォーム自体からもガス状有機物の脱離が生じる。ま
た,後者では吸着剤にバインダを併用することを必須要
件とするが,このバインダとしてポリエチレンその他の
有機物が示され,フィルタ自身からのガス状有機物の脱
離が免れない。
湿度の低下が無く,さらにフィルタ自身からのガス状有
機不純物の脱離がなく,しかも処理対象空気中に含まれ
る微量のガス状有機不純物を除去して同有機物による基
板などの表面汚染を防止できるフィルタを提供すること
にある。更に,本発明はそのような清浄装置を提供す
る。
めに,本発明にあっては,雰囲気中のガス状有機不純物
を除去するためのゼオライトを,ガス状有機不純物を吸
着する性質を有し,かつ該ゼオライトの有効細孔径より
も大きな有効細孔径を有する無機物をバインダとして用
いて造粒したペレットを,ケーシング内に充填して構成
したことを特徴とするフィルタである。
径が8オングストロームのゼオライトを利用する場合,
雰囲気中に含まれる例えばBHTやシロキサンなどとい
ったゼオライトでは吸着できない分子径が8オングスト
ロームよりも大きいようなガス状有機不純物は,8オン
グストロームよりも大きな有効細孔径を有する無機物に
より除去し,例えばDOPやDBPなどといった分子径
が8オングストロームよりも小さいガス状有機不純物は
ゼオライトにより除去することができるようになる。ま
た,空気流路の形状・面積,フィルタの設置条件に応じ
て,ケーシングの形状・大きさ,ペレットの充填量を適
宜選択し得るという設計上の融通性が得られる。
も親水性であっても良い。疎水性ゼオライトは,空気中
の水分吸着量が親水性ゼオライトに比べて少ないため,
ゼオライト多孔質構造が有する本来の吸着容量が水分吸
着によって目減りすることがない。したがって,フィル
タの寿命は親水性ゼオライトよりも長いといった利点が
ある。一方,親水性ゼオライトは疎水性ゼオライトに比
べて価格が安いという利点がある。
ングストローム以上であり,かつガス状有機不純物を吸
着する性質を有し,該ゼオライトの有効細孔径よりも大
きな有効細孔径を有する前記無機物において,15〜3
00オングストロームの範囲に分布する細孔の総容積が
該無機物重量当たり0.2cc/g以上であるか,また
は該無機物の細孔の比表面積が100m2/g以上であ
ることが好ましい。そのような前記ゼオライトの有効細
孔径よりも大きな有効細孔径を有する前記無機物の主成
分は,具体的には,多孔性粘土鉱物,けいそう土,シリ
カ,アルミナ,シリカとアルミナの混合物,活性アルミ
ナ,珪酸アルミニウム,多孔質ガラスのいずれかもしく
はそれらの混合物である。そして,前記多孔性粘土鉱物
は,セピオライトやパリゴルスカイト等のリボン状構造
の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物,活性白土,酸性白
土,活性ベントナイト,アルミノ珪酸金属塩の微結晶と
シリカ微粒子の複合物のいずれかもしくはそれらの混合
物であるのが良い。いずれにせよ,前記ガス状有機不純
物を吸着する性質を有し,該ゼオライトの有効細孔径よ
りも大きな有効細孔径を有するバインダとして用いた前
記無機物は,前記ゼオライトの粉末を支持体表面に機械
的に担持する能力または前記ゼオライトをペレットに造
粒する際の結合剤としての能力と,前記ゼオライトでは
吸着不可能な前記ゼオライトの有効細孔径よりも大きな
分子径を有するガス状有機不純物を吸着する能力を合わ
せ持つ。なお,前記フィルタを,ガス状有機不純物を発
生しない素材のみから構成し,前記フィルタを,可燃物
を含まない素材のみで構成することが好ましい。
いてもよい。その場合,無機系固着補助剤は珪酸ソー
ダ,シリカ又はアルミナの少なくとも一つを含むことが
好ましい。
フィルタの製造方法によれば,前記フィルタをガス状有
機不純物を発生しない素材のみから構成することができ
る。また実質的に,前記フィルタは可燃物を含まない素
材のみで構成されることになる。なお,これら請求項1
6や請求項17の製造方法においては,前記支持体の表
面に第1の吸着層を形成したり,さらに第1の吸着層の
上に第2の吸着層を形成する際に,前記無機物の懸濁液
にゾル状態の無機系固着補助剤を混入した場合,前記無
機物は無機系固着補助剤を含むことになる。
空気を循環させる機構を備えた清浄装置において,前記
空気の循環経路に,前記フィルタと,該フィルタの下流
側に配された粒子状不純物を除去する粒子除去フィルタ
を設けたことを特徴とする。この清浄装置によれば,清
浄装置内において循環している空気中のガス状有機不純
物を,湿度を低下させることなく除去することが可能と
なる。この清浄装置は,可燃物である活性炭を使用して
いないので防災に優れており,従って,前記フィルタと
粒子除去フィルタを,清浄装置の天井部に配置すること
ができるようになる。
発明にかかるフィルタの好ましい実施の形態について詳
細に説明する。
である。図示のように,隣接する波形シート10の間
に,凹凸のない薄板シート11を挟んだ構造のハニカム
構造体12の表面全体に,粉末状のゼオライトを該ゼオ
ライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する無
機物をバインダとして用いて固着させた構成になってい
る。即ち,図示のようにフィルタ1は,処理空気の流通
方向(図中,白抜き矢印13で示す方向)に開口するよ
うにアルミニウム製の外枠15a,15b,15c,1
5dを組み立て,その内部空間に粉末状のゼオライトを
前記無機物をバインダとして用いて表面に固着した波形
シート10と薄板シート11を,空気流通方向13に略
平行に交互に積層することにより構成される。フィルタ
1の外形や寸法などは,設置空間に合わせて任意に設計
することができる。
明する。先ず,無機繊維(セラミック繊維,ガラス繊
維,シリカ繊維,アルミナ繊維等)と有機材料(パル
プ,溶融ビニロンの混合物)と珪酸カルシウムの3つの
材料を1:1:1の等重量で配合し,湿式抄紙法により
約0.3mmの厚みに抄造する。なお,珪酸カルシウム
の代わりに,珪酸マグネシウムを主成分とするセピオラ
イト,パリゴルスカイト等の繊維状結晶の粘土鉱物を使
用してもよい。この抄造シートをコルゲータによって波
形加工し,出来上がった波形シート10を,同様の材料
を薄板形状に抄造した薄板シート11に接着剤で接着
し,図1に示すようなハニカム構造体12を得る。この
ハニカム構造体12を,電気炉に入れて約400℃で1
時間程度の熱処理を行い,有機質成分がすべて除去され
る。有機質成分が除去された後のハニカム構造体の表面
には無数のミクロンサイズの陥没穴が残るので,この陥
没穴を孔とする多孔性のハニカム構造体12を製造する
ことができる。後にこの陥没穴に吸着剤やバインダの微
粒子がはまり込むことになる。次に,ゼオライトの粉末
と,ガス状有機不純物を吸着する性質を有し,かつゼオ
ライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を有するバ
インダとして用いる無機物,例えば粘土鉱物,けいそう
土,シリカ,アルミナ,シリカとアルミナの混合物,珪
酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔質ガラス等を分散
させた懸濁液に,このハニカム構造体12を数分間浸し
た後引き上げ,約300℃で1時間程度の熱処理で乾燥
して,図2に示すように,ハニカム構造体12を構成す
る波形シート10及び薄板シート11の表面にゼオライ
トの粉末をバインダとして用いた無機物で固着させて吸
着層20を形成することにより,フィルタ1を得ること
ができる。前記懸濁液には無機系固着補助剤,例えば珪
酸ソーダ又はシリカゾル又はアルミナゾルを少なくとも
一つ含んでいてもよい。無機系固着補助剤の役割は,ゼ
オライトの粉末とバインダとして用いる無機物が,ハニ
カム構造体12の表面(ハニカム構造体12の要素とな
るセルの内表面を含む(以下同様))に強固に固着する
ための補助剤として機能する。こうして得られたフィル
タ1は,構成材料に可燃物を含まないし,フィルタが熱
処理される際に構成材料に含まれていた表面汚染の原因
となるガス状有機不純物成分がすべて脱離・除去される
ため,フィルタ1自身からガス状有機不純物を発生する
こともない。
る。ハニカム構造体12を製作するまでは,前述の製造
方法と同じであるので省略する。この製造方法では,ハ
ニカム構造体12の表面に,ゼオライトの粉末を造粒し
て製造したペレットを接着剤で付着させることを特徴と
する。ゼオライト粉末を造粒する際には,ガス状有機不
純物を吸着する性質を有し,かつゼオライトの有効細孔
径よりも大きな有効細孔径を有する無機物をゼオライト
同士のバインダとしてゼオライト粉末に混合した。ゼオ
ライトの粉末とバインダとして用いた無機物を,適量の
水と無機系固着補助剤を含んだ状態で混合すると粘土状
の粘性と可塑性を示すようになり,造粒が可能となる。
バインダとして用いる無機物や無機系固着補助剤の種類
は先に説明した製造方法と同様である。
する。ハニカム構造体12を製作するまでは,前述の製
造方法と同じであるので省略する。この製造方法でも,
ハニカム構造体12の表面に,ゼオライトの粉末を無機
物のバインダと混合して造粒して製造したペレットを,
接着剤で付着させることを特徴とする。ただし,無機物
のバインダは,前述の製造法のように「ガス状有機不純
物を吸着する性質を有し,かつゼオライトの有効細孔径
よりも大きな有効細孔径を有する」ことを必ずしも必要
としない。前述の製造法と全く異なる点は,ペレットの
表面の構造である。ペレットの表面には,ガス状有機不
純物を吸着する性質を有し,かつゼオライトの有効細孔
径よりも大きな有効細孔径を有する無機物がコーティン
グされている。
オライトを造粒したペレット21をハニカム構造体12
を構成する波形シート10及び薄板シート11の表面に
固着させた構成のフィルタ1の断面部分拡大図である。
波形のシート10と薄板シート11の表面全体に隅な
く,ゼオライトを無機物をバインダとして用いて造粒し
たペレット21を不燃性接着剤で固着する。処理空気
は,この実施の形態では,疑似半月形の断面形状をした
細い筒部17を通過することになる。そして,このよう
にペレット21を固着したハニカム構造体12を,電気
炉に入れて接着剤の耐熱温度以下の約100℃で2時間
程度の熱処理を行い,接着剤に含まれる表面汚染の原因
となるガス状有機不純物成分をすべて脱離・除去するこ
とにより,フィルタ1を製造することができる。
構成材料に可燃物を含まないため,フィルタ1を天井面
に取り付けた場合,可燃物である活性炭をベースとした
従来のケミカルフィルタを天井面に取り付けた場合と比
較して,防災上の安全性は著しく高まる。なお,処理空
気を通過させる空間の断面形状は,以上のような半月形
状に限らず,任意の形状とすることができる。
な清浄装置,例えばクリーンルーム,クリーンベンチ,
クリーンチャンバ,清浄な製品を保管するための各種ス
トッカなど様々な規模の清浄装置や,ミニエンバイロメ
ントと称する局所的な清浄装置においては,種々のガス
状有機不純物が発生する。しかし,基板表面汚染の原因
となるのは高沸点・高分子の有機化合物に限られる。例
えば,クリーンルームのシーラントから発生する有機物
シロキサン,建材中の難燃剤から発生するリン酸エステ
ル,建材中の可塑剤から発生するフタレート,レジスト
密着剤から発生するHMDS,カセット酸化防止剤から
発生するBHTなどである。ゼオライト,とりわけモレ
キュラーシーブと呼ばれる合成ゼオライトは均一な有効
細孔径を有し,その有効細孔径よりも大きなガス分子を
吸着することは不可能である。例えば,有効細孔径が8
オングストロームのゼオライトで基板表面汚染の原因と
なるDOPやDBPを吸着することは可能である(なぜ
ならば,DOPやDBPはその大きさが8オングストロ
ームよりも小さいからである。)。しかし,有効細孔径
が8オングストロームのゼオライトで基板表面汚染の原
因となるBHTやシロキサンを吸着することは不可能で
ある(なぜならば,BHTやシロキサンはその大きさが
8オングストロームよりもかなり大きいからである)。
図示のフィルタ1では,このようにゼオライトでは吸着
できないBHTやシロキサンなどを,ゼオライトのバイ
ンダとして用いる無機物の吸着作用で吸着除去すること
が可能となる。
いため,ゼオライトの粉末をペレットに成型したり,ハ
ニカム構造体12の表面に層状に固着させるためには,
バインダを添加しなければならない。従来このバインダ
には,タルク,カオリン鉱物,ベントナイトのような粘
土鉱物が一般に利用されてきた。これら従来の各バイン
ダの15〜300オングストロームの範囲に分布する細
孔の総容積(各バインダ重量当たり)はそれぞれ0.0
7cc/g,0.06cc/g,0.03cc/gであ
り,各バインダの細孔の比表面積はそれぞれ28m2/
g,21m2/g,23m2/gに過ぎない。
気性を重視し,隣接したバインダ微粒子同士または隣接
したバインダ微粒子とゼオライト微粒子の間隙部分に形
成される通気孔の主要な大きさは500オングストロー
ム以上であった。つまり,通気孔は通気性は極めて良く
ても物理吸着を起こしにくいマクロ孔であった。また,
タルク,カオリン鉱物,ベントナイトといったバインダ
微粒子自体の表面にも物理吸着を起こしやすい細孔はあ
まり存在しなかった。これは,バインダは単にゼオライ
トの粉末を支持体表面に機械的に担持するために利用す
るべきもので,吸着能力を高めるにはゼオライトの担持
量を出来得る限り多くし,バインダのゼオライトに対す
る含有割合は出来得る限り少ない方がよいという考えに
よる。つまり,バインダには,ゼオライト粉末の担持能
力と,担持されたゼオライトの粉末表面に処理対象ガス
が到達しやすいよう優れた通気能力が要求されており,
吸着能力は要求されていなかった。
したバインダ微粒子同士または隣接したバインダ微粒子
とゼオライト微粒子の間隙部分に形成される通気孔は従
来のバインダと変わらないが,バインダ微粒子自体の表
面に物理吸着を起こしやすい細孔,つまり孔径が20オ
ングストローム以下の大きさの細孔であるミクロ孔や,
孔径が20オングストローム以上500オングストロー
ム以下の大きさの細孔であるメソ孔が存在するため,ゼ
オライトでは吸着できないBHTやシロキサンはバイン
ダ微粒子自体の表面で吸着除去される。しかもゼオライ
トの粉末表面に処理対象ガスが到達しやすいよう優れた
通気性も有るため,ゼオライトの選択吸着特性,つまり
ゼオライトの細孔径よりも大きな分子は吸着しないが細
孔径よりも小さな分子は吸着してその吸着性能も極めて
優れているという特性は従来と同様に発揮される。な
お,ガス状分子の物理吸着のしやすさは,ミクロ孔,メ
ソ孔,マクロ孔の順であり,マクロ孔はほとんど物理吸
着に関与しないといわれている。図4は,ゼオライトの
粉末を無機物のバインダ微粒子で支持体表面に担持した
吸着層について示した吸着層断面の部分拡大図である。
処理対象ガスは,吸着層の表面(処理対象ガスとの接触
面)から,ゼオライト微粒子とバインダ微粒子との間に
形成される通気孔をかいくぐるように,吸着層内部に入
り込んだり,逆に吸着層内部から外部に出て行ったりす
る。その際,ゼオライト微粒子とバインダ微粒子のそれ
ぞれの表面に存在する細孔にガス状有機不純物の分子が
入り込んで吸着除去される。
してメソ孔領域又はミクロ孔領域の細孔を有する無機物
をバインダとして用いてゼオライトの粉末をハニカム構
造体12に吸着層20として固着させてフィルタ1を構
成したり,同様の前記無機物のバインダによりゼオライ
トの粉末をペレット21に成型してこのペレット21を
ハニカム構造体12の表面に固着させてフィルタ1を構
成する。また図5にA−A断面,B−B断面を示すよう
に,ゼオライトの有効細孔径よりも大きな主としてメソ
孔領域又はミクロ孔領域の細孔を有する無機物のバイン
ダによりゼオライトの粉末をペレット21に成型し,こ
のペレット21を側面に多数の通気口23を有する二重
円筒形状のケーシング22内に充填してフィルタ1’を
構成することによって,本発明の目的を達成できる。処
理空気はケーシング22の内側円筒から流入し,ケーシ
ング22内のペレット21の充填層を透過した後,ケー
シング22の外側円筒と外筒24に挟まれた空間を通過
して出ていく。処理空気の流通方向は矢印13で示し
た。
8オングストロームの合成ゼオライトを,数μmの粉末
状の酸処理モンモリナイト(活性白土)のバインダと混合
してハニカム構造体12の表面に固着するか,この混合
物をペレット20に成型してハニカム構造体12の表面
に固着するか,ケーシング内に充填して,本発明のフィ
ルタ1や1’を製作することができる。なお,モンモリ
ナイトとはフランスのモンモリオンで産出したAl4S
i8(OH)4・nH2Oなる化学組成の粘土鉱物に付
けられた名称であり,モンモリナイトを酸処理すると,
細孔径が15〜300オングストロームの細孔容積が約
0.37cc/g,比表面積が約300m2/g程度と
なる。細孔容積全体に占める細孔径が40オングストロ
ーム〜600オングストロームの範囲の細孔容積の割合
は22%もあり,酸処理モンモリナイト(活性白土)を細
孔径8オングストロームの合成ゼオライトのバインダと
して利用することで,ゼオライトでは吸着できない分子
の大きさが8オングストロームよりも大きいBHTやシ
ロキサンを該バインダの細孔内に物理吸着することがで
きる。
用されてきたタルクやカオリナイトは結晶子サイズが大
きく,マクロ孔域の容積は大きいが,ミクロ孔域やメソ
孔域の内部表面積や容積は小さく,物理吸着能力も小さ
い。また,粉末状ゼオライトのバインダとして従来使用
されてきたベントナイトもマクロ孔域の容積は大きい
が,ミクロ孔域やメソ孔域の内部表面積や容積は小さ
く,物理吸着能力も小さい。一方,繊維状の多孔性粘土
鉱物であるセピオライトの細孔は10オングストローム
のミクロ孔と200オングストロームのメソ孔から成
り,ミクロ孔域やメソ孔域の内部表面積や容積は大きく
物理吸着能力も大きい。酸処理モンモリナイト(活性白
土)や,合成スチブンサイトや,合成アメサイトや,合
成フライポンタイトや,合成フライポンタイトのような
アルミノ珪酸金属塩の微結晶とシリカ微粒子の複合物,
などの多孔性粘土鉱物も,セピオライトと同様,物理吸
着能力が大きい。これらの多孔性粘土鉱物はいずれも,
15オングストローム〜300オングストロームの範囲
に分布する単位重量当たりの細孔容積が0.2cc/g
以上であり,また比表面積は100m2/g以上であ
る。繊維状の多孔性粘土鉱物であるセピオライトやパリ
ゴルスカイト,酸処理モンモリナイト(活性白土),多孔
性の各種合成粘土等は,後述するように第2の吸着層と
して好適に利用できる。
れる有機汚染物のうちで最も量が多い種類はDOPとD
BPである。これらは塩化ビニル素材に大量に含まれて
おり,分子径は6オングストローム〜8オングストロー
ムの範囲にある。したがって,ゼオライトの細孔径を7
オングストローム以上にすれば,基板表面有機汚染の原
因となるガス状有機物のうちで最も量が多い種類のDO
PとDBPはゼオライトで除去される。一方,ゼオライ
トの有効細孔径よりも大きな分子径のガス状有機不純物
は,該ゼオライトのバインダとして,該ゼオライトの有
効細孔径よりも大きな有効細孔径を有する無機物を用い
ることにより,除去される。
する強い吸着力は,骨格中のアルミニウム原子数に対応
するカチオンの静電気力に依存する。結晶中のシリカ
(SiO2)とアルミナ(Al2O3)の含有重量比Si
O2/Al2O3が大きくなるに従い結晶中のカチオン
の数は減少し,疎水性が増大する。SiO2/Al2O
3が2〜5程度では親水性を示すのに対して,SiO2
/Al2O3が20以上無限大までのゼオライトでは親
水性は減少し,疎水性が勝ってくる。
とゼオライト100g当たりの水の吸着量(cc/100
g)の関係を示す。SiO2/Al2O3が20以上で
水の吸着量は低下し,80以上ではほとんど吸着しな
い。さらに,SiO2/Al 2O3が40の疎水性ゼオ
ライトについて,水の等温吸着線図を図7に示す。比較
のため,椰子殻を原料とした活性炭についても水の等温
吸着線図を図7に示す。相対湿度50%において,活性
炭(g)への水分吸着量(cc)は0.11cc/g,疎水
性ゼオライト(g)への水分吸着量(cc)は0.03cc
/gであった。ゼオライトが水を吸着すると,ゼオライ
トのガス状有機物に対する吸着容量は,吸着水がない場
合と比較して,吸着水の容積分だけ減ってしまうため,
吸着能力が持続する時間,つまり吸着剤としての寿命が
それだけ短くなる。つまり,通常の相対湿度30〜60
%の清浄装置内でガス状有機物を吸着除去するために使
用するゼオライトは疎水性であることが望ましい。
しても良い。クリーンルームやクリーンベンチの空気雰
囲気中においてハンドリングされるシリコンウェハには
多少の差はあっても表面に自然酸化膜が形成されてお
り,したがってそのウェハ表面は親水性である。また,
同空気雰囲気中においてハンドリングされるガラス基板
もガラス自体の物性により親水性であることはよく知ら
れている。このような自然酸化膜が形成されたシリコン
ウェハやガラス基板の親水性表面を汚染する空気雰囲気
由来の有機物は,親水性表面とよく馴染む親水基を有し
ている。つまり,先に説明した表面汚染の原因となる有
機物は,炭素の二重結合やベンゼン環の化学構造を有す
る高沸点・高分子の疎水性有機物であり,当然疎水基を
有している。しかし,これらの有機物は表面汚染の原因
となる親水基も同時に有している。このようにシリコン
ウェハなどの電子材料が親水性であり,また,吸着すべ
き有機物が親水基を有することから,親水性ゼオライト
も利用可能となる。
は2〜5程度であり,疎水性ゼオライトではシリカ/ア
ルミナ比は20から無限大である。疎水性ゼオライトは
親水性ゼオライトよりも有機物の吸着素材としての寿命
が長いが,疎水性ゼオライトは親水性ゼオライトを原料
として酸処理による脱アルミニウム処理とその後の加熱
乾燥という工程を経て製造されるため,親水性ゼオライ
トよりも価格が高い。親水性ゼオライトには量産による
コストダウンが容易であるのに対して,疎水性ゼオライ
トのコストダウンは難しい。
吸着する性質を有し,かつ該ゼオライトの有効細孔径よ
りも大きなメソ孔領域またはミクロ孔領域の有効細孔径
を有する無機物をバインダとして用いて該ゼオライトの
粉末を造粒したペレットを支持体に固着するために用意
しておく態様では,該ゼオライトと該無機物の両者の粉
末に例えば市水を混ぜて粘土状とし,0.3〜0.8m
m程度のペレットに造粒機にて造粒する。これを予め無
機系かつ不燃性の接着剤を付着させた支持体に高速空気
を利用して吹き付けることで図3に示したようなフィル
タを製作できる。支持体としては必ずしもハニカム構造
に限らず,ロックウール等の三次元網目構造体を例示で
きる。後者では被処理空気が網目構造体を横切って通過
するため,空気抵抗は大きいが,吸着剤との接触機会は
ハニカム構造体よりもむしろ多くなる。
な分解組立図である。なお,このフィルタ31におい
て,ハニカム構造体12自体の構成は先に図1で説明し
た空調用ィルタ1の構成と同様であるため,同じ構成要
素については図8において図1と同じ符号を付すること
により詳細な説明は省略する。
に,波形シート10と薄板シート11を積層したハニカ
ム構造体12の表面に,ガス状有機不純物を吸着する性
質を有し,かつゼオライトの有効細孔径よりも大きな有
効細孔径を有する無機物をバインダとして用いてゼオラ
イトを固着させて第1の吸着層25を形成し,更にその
表面に同様の無機物を固着させて第2の吸着層26を形
成した構成になっている。なお,フィルタ31の外形や
寸法などは,設置空間に合わせて任意に設計することが
できる。ただし,第1の吸着層25を形成する際に使用
するバインダとしての無機物は,第2の吸着層26を形
成する際に使用する無機物とは異なり,必ずしもガス状
有機不純物を吸着する能力を必要とはしない。また,ゼ
オライトの有効細孔径よりも小さな有効細孔径を有して
もよい。例えば,従来使用されてきた物理吸着に関与す
る細孔をほとんど有さないタルク,カオリン鉱物,ベン
トナイトのような粘土鉱物であってもよい。また,珪酸
ソーダ,シリカゾル,アルミナゾルのような無機系固着
補助剤そのものであってもかまわない。図10は,第1
の吸着層と第2の吸着層からなる複合吸着層断面の部分
拡大図である。
説明する。先ず,多孔性のハニカム構造体12を製造す
る。吸着層を形成する前までは先に説明した方法と同様
であり省略する。つぎにゼオライトの粉末と,従来使用
されてきたタルク,カオリン鉱物,ベントナイトのよう
な粘土鉱物のバインダを分散させた懸濁液に,ハニカム
構造体12を数分間浸した後,約300℃で1時間程度
の熱処理で乾燥して,第1の吸着層25を形成する。つ
ぎにゼオライトの有効細孔径よりも大きな有効細孔径を
有し,かつガス状有機不純物を吸着する性質を有する無
機物,例えば多孔性粘土鉱物,けいそう土,シリカ,ア
ルミナ,シリカとアルミナの混合物,珪酸アルミニウ
ム,活性アルミナ,多孔質ガラス等の微粒子をバインダ
として分散させた懸濁液に,第1の吸着層を形成した後
のハニカム構造体12を数分間浸した後,約300℃で
1時間程度の熱処理で乾燥して,第2の吸着層26を形
成する。前記多孔性粘土鉱物としては,セピオライトや
パリゴルスカイト等のリボン状構造の含水珪酸マグネシ
ウム質粘土鉱物,活性白土,酸性白土,活性ベントナイ
ト,アルミノ珪酸金属塩の微結晶とシリカ微粒子の複合
物等がある。こうして第1の吸着層25の上に第2の吸
着層26をコーティングしたハニカム構造体12を得る
ことができる。第1の吸着層25と第2の吸着層26を
形成する際に使用される無機物は無機系固着補助剤,例
えば珪酸ソーダまたはシリカゾルまたはアルミナゾルを
少なくとも一つ含んでいてもよい。無機系固着補助剤の
役割は,第1の吸着層25を形成しているゼオライトの
粉末や無機バインダが,ハニカム構造体12の孔などに
強固に固着するための補助剤として機能したり,さらに
第2の吸着層26を形成している無機物が第1の吸着層
25に強固に固着をするための補助剤として機能する。
こうして得られたハニカム構造体12は,構成材料に可
燃物を含まないし,ハニカム構造体12が熱処理される
際に構成材料に含まれていた表面汚染の原因となるガス
状有機不純物成分がすべて脱離・除去されるため,ハニ
カム構造体12自身からガス状有機不純物を発生するこ
ともない。さらに,図8に示された外枠15の素材には
アルミニウムのようなガス状有機物を発生せずかつ可燃
物を含まない素材を使用することが好ましい。また,ハ
ニカム構造体12を外枠15に固定する目的やハニカム
構造体12と外枠15との間隙部分を塞ぐ目的に使用す
る接着剤やシール剤も,ガス状有機物を発生せずかつ可
燃物を含まない特性を有するものであることが好まし
い。この場合例えば,ハニカム構造体12に外枠15を
取り付けて組み立てを完了したフィルタ31全体に熱処
理を施して,フィルタ31の構成材料である不燃性の接
着剤やシール剤から表面汚染の原因となるガス状有機不
純物成分をすべて脱離・除去してもよい。こうして,フ
ィルタ31全体を,可燃物を含まない素材のみで構成し
たり,ガス状有機不純物を発生しない素材のみから構成
したりすることができる。
する。前述の製造方法で製作されるハニカム構造体やロ
ックウールなどの三次元網目構造体を支持体として利用
する。そしてこの製造方法例では,支持体の表面に,粒
状のゼオライトを接着剤で付着させる。粒状のゼオライ
トについては,ゼオライトの粉末に無機物をバインダと
して混合し,成型してペレット形状とする。該ペレット
の周囲に,ゼオライトの有効細孔径よりも大きな有効細
孔径を有し,ガス状有機不純物を吸着する性質を有する
無機物をコーティングして被覆層を形成した被覆層付き
ゼオライトペレットを予め準備しておく。このペレット
の製作の仕方は,無機物の被覆層を形成するため,コー
ティング用の無機物を分散した懸濁液にペレット形状に
成型したゼオライトを浸した後,引き上げ・乾燥して行
われる。被覆層の機械的強度を増すため,該懸濁液には
コーティング用の無機物とともにゾル状の無機系固着補
助剤を分散させて,ペレットにコーティングされた該無
機物に無機系固着補助剤が含まれるようにしてもよい。
コーティングされた該無機物や無機系固着補助剤の種類
は前述したとおりである。
支持体の構成は,先に図1,8で説明したようなハニカ
ム構造体12に限られないことはもちろんである。例え
ば,図1,8では薄板シート11を挟んで配置した波形
シート10の稜線の方向を処理空気の流通方向(矢印1
3の方向)と平行に配置しているが,波形シート10の
稜線の方向を処理空気の流通方向(矢印13の方向)と
適当な角度を持って配置しても良い。また,図1,8で
は隣接する波形シート10の稜線の方向を互いに平行に
なるように配置しているが,隣接する波形シート10の
稜線の方向が互いに交差するように配置させることもで
きる。その場合は,隣接する波形シート10同士の稜線
がぶつかって隣接する波形シート10同士が密接する心
配がなくなるので,薄板シート11を省略することもで
きる。なお,このように図1,8で説明したようなハニ
カム構造体12と異なる支持体を構成した場合でも,先
と同様の方法によってその表面にゼオライトを固着する
ことが可能である。
浄装置101の構成を概略的に示す説明図である。この
清浄装置101は,具体的には,例えばクリーンルーム
やクリーンベンチなどである。清浄装置101は,例え
ばLSIやLCDなどの製造を行うための処理空間10
2と,この処理空間102の上下に位置する天井部(サ
プライプレナム)103及び床下部(レタンプレナム)
104と,処理空間102の側方に位置するレタン通路
105から構成される。
と,先に説明したフィルタ1もしくはフィルタ31のい
ずれかと,フィルタ1,31の下流側に配された粒子状
不純物を除去する粒子除去フィルタ112を有するクリ
ーンファンユニット113が配置されている。処理空間
102には,熱発生源となる例えば半導体の製造装置1
14が設置されている。床下部104は多数の孔が穿孔
されたグレーチング115で仕切られている。また,床
下部104には,半導体製造装置114の熱負荷を処理
するためのドライコイル116が設置されている。ドラ
イコイル116は,熱交換表面に結露を生じさせない条
件で空気を冷却する空気冷却器を意味する。レタン通路
105に温度センサ117が設置されており,この温度
センサ117で検出される温度が所定の設定値となるよ
うに,ドライコイル116の冷媒圧調整弁118が制御
される。
ファンユニット110が稼働することによって,適宜気
流速度が調整されながら,清浄装置101内部の空気
は,天井部103→処理空間102→床下部104→レ
タン通路105→天井部103の順に流れて循環するよ
うに構成されている。またこの循環中に,ドライコイル
116によって冷却され,クリーンファンユニット11
3内のフィルタ1もしくはフィルタ31のいずれかと,
粒子除去フィルタ112によって空気中のガス状有機不
純物と粒子状不純物が除去されて,適温で清浄な空気が
処理空間102内に供給されるようになっている。
1の下流側に配されており,この粒子除去フィルタ11
2は粒子状不純物を除去することが可能な機能を有して
いる。また粒子除去フィルタ112は,ガス状有機不純
物を発生しない素材のみで構成されている
は,取り入れ外気が回路120を経て適宜供給される。
この回路120には,取り入れ外気からガス状有機物を
除去するための,親水性ゼオライトを備えたフィルタ1
21が配されており,フィルタ121の上流側には,取
り入れ外気の除塵・調温・調湿を行うユニット型空調機
122が設けられている。また,回路120には湿度セ
ンサ127が配置されており,この湿度センサ127で
検出される湿度が所定の設定値となるように,ユニット
型空調機122の調湿部の給水圧調整弁129が制御さ
れる。一方,処理空間102内には湿度センサ128が
設置されており,この湿度センサ128で処理空間10
2内の雰囲気の湿度が検出される。
04に供給された取り入れ外気は,レタン通路105及
び天井部103を経由して,処理空間102に導入され
る。そして,この取り入れ外気に見合った空気量が,排
気口125から排気ガラリ126を介して室外に排気さ
れる。
フィルタやHEPAフィルタ,ULPAフィルタでは,
濾材に揮発性有機物を含むバインダを使用しているので
バインダからの脱ガスがある。したがってバインダを使
用しない濾材を用い,あるいはバインダを使用していて
も焼きだしなどの処理により揮発性有機物を除去した濾
材を用い,さらに濾材をフレームに固定する手段である
シール材にも脱ガスの発生のない種類を選択したり,あ
るいは濾材を脱ガスのない素材で物理的に圧着してフレ
ームに固定することが望ましい。
浄装置101’を図12に示した。この図12に示す清
浄装置101’は,先に説明したフィルタ1もしくはフ
ィルタ31を清浄装置101’の天井部103全面に取
り付けるのではなく,所々間引いて設置している。本例
では,図11と比較してフィルタ1,31の設置台数を
半分にした。その他の点は,先に図11において説明し
た清浄装置101と同様の構成である。従って,図12
に示す清浄装置101’おいて,先に図11で説明した
清浄装置101と同じ構成要素については同じ符号を付
することにより,詳細な説明は省略する。
発生する,基板表面汚染の原因となる有機物は,シーラ
ントから発生する有機物シロキサン,建材中の難燃剤か
ら発生するリン酸エステル,建材中の可塑剤から発生す
るフタレート,レジスト密着剤から発生するHMDS,
カセット酸化防止剤から発生するBHTなどの高沸点・
高分子の有機化合物に限られる。これらの有機物の発生
源はクリーンルームなどといった清浄装置の構成部材も
しくは清浄装置内部に存在する製造に利用する種々の物
品であり,取り入れ外気に由来するものはあまりない。
したがって,フィルタ1,31の役割は,主として清浄
装置内部で発生する表面汚染の原因となる高沸点・高分
子の有機化合物を循環空気中から除去し,清浄装置内部
のこれら有機物濃度を低減することである。フィルタ
1,31を備えた清浄装置を稼働すると,稼働初期に清
浄装置内部の有機物濃度は最も高く,稼働時間の経過と
ともに,循環空気中からこれら有機物が逐一除去され
て,濃度は低下していき,遂には清浄装置内部の発生量
と平衡する濃度で安定化する。空気が1回循環する際に
除去される有機物量は,天井全面に取り付けた図11の
清浄装置1と,フィルタ1,31を間引いた図12の清
浄装置101’を比較すると,2:1の関係がある。つ
まり,稼働初期の最高濃度から,清浄装置内部の発生量
と平衡する濃度まで達するまでの時間は,間引いた図1
2の清浄装置101’の場合は天井全面に取り付けた図
11の清浄装置101の場合よりも相当に長くなる。ま
た,最終的に到達する平衡濃度も,間引いた場合は天井
全面に取り付けた場合よりも少し高くなる。つまり,間
引くと濃度の低減に時間がかかり,低減後の平衡濃度も
間引かない場合よりも少し高くなるという短所はある
が,フィルタ1,31のイニシャルコストや定期的交換
に伴うランニングコストを安くしたいという経済的要望
から,この図12に示す例の構成とすることもできる。
かかるフィルタの作用効果を説明する。まず,クリーン
ルーム中において,粒状活性炭と繊維状活性炭をそれぞ
れ使用した市販のケミカルフィルタ2種とイオン交換繊
維を使用したケミカルフィルタのそれぞれにより処理し
たクリーンルームエアと,参考零のフィルタにより処理
したクリーンルームエアの計4つの雰囲気中で,酸化膜
付きシリコンウェハ表面の接触角の経時変化を測定し
た。その結果を図13に示した。参考例にかかるフィル
タはつぎのようにして製作した。吸着剤としての有効細
孔径が8オングストロームでSiO2/Al2O3が4
0の疎水性ゼオライトの4μmの粉末を,前記無機物と
してのカオリナイトの3μmの粉末と混合し,無機系固
着補助剤としてのシリカゾルと共に分散させたスラリー
に前述の多孔性ハニカム構造体を浸した後,乾燥して第
1の吸着層を形成した。つぎに,ガス状有機不純物を吸
着する性質を有する無機物として有効細孔径が主として
20オングストローム〜1000オングストロームに分
布した活性白土の3μmの粉末を,無機系固着補助剤と
してのシリカゾルと共に分散させたスラリーに,第1の
吸着層が形成された前述のハニカム構造体を再度浸した
後,乾燥して第2の吸着層を形成した。
水を滴下して測定した。この接触角は,基板表面の有機
物汚染の程度を簡便に評価する指標である。洗浄直後の
有機物汚染のない酸化膜付きシリコンウェハやガラスの
表面は水に馴染みやすい性質,つまり親水性であり,接
触角は小さい。ところが,有機物で汚染されたそれらの
表面は水をはじく性質,つまり疎水性であり,接触角は
大きくなる。例えば,クリーンルーム雰囲気中に放置さ
れたガラス基板表面を対象に,超純水滴下による接触角
の測定値と,X線光電子分光法(XPS:X−ray
Photoelectron Spectroscop
y)により測定した有機物表面汚染は,図14に示すよ
うな相関関係があることが知られている。酸化膜付きシ
リコンウェハの表面についても,接触角と有機物表面汚
染の間にはほぼ同様の相関関係がある。このように,基
板表面における水の接触角の大きさと有機物表面汚染の
間には極めて強い相関がある。
オン交換繊維は本来水溶性無機不純物を吸着除去するた
めのものであり,有機物を吸着できず,逆にガス状有機
物を発生する。1日放置で約10゜の接触角の増加が見
られる。本来有機物表面汚染を防止するはずの活性炭フ
ィルタ2種は,1日放置で約10゜の接触角の増加とな
り,表面汚染防止効果はほとんどない結果を示した。活
性炭を利用した2種のケミカルフィルタに効果が見られ
ない理由は,バインダ,固着補助剤,シール剤等の表面
有機汚染物質がケミカルフィルタの構成部材に含まれる
ため,折角の活性炭吸着効果が自身の構成部材脱ガスに
より打ち消されてしまったためである。一方,参考例の
フィルタでは,吸着濾材自身からガス状有機不純物を発
生することはないので,有機物表面汚染は発生せず,接
触角も増加しない。
ゼオライト,細孔径8オングストロームの疎水性ゼオラ
イト,椰子殻を出発原料とする天然物系活性炭,石油ピ
ッチを出発原料とする合成物系活性炭の4種の吸着剤を
対象に,クリーンルーム雰囲気中(23℃,40%RH)
に含まれる表面汚染の原因となる微量有機物の吸着性能
を比較した。クリーンルームエア中に含まれる表面汚染
の原因となる微量有機物は主として塩化ビニル素材に起
因するDOPやDBPである。それぞれの吸着剤0.0
4gを断面積0.15cm2のカラムに充填し,クリー
ンルームエアを3リットル/min通気した。実験条件
を表1に示す。
リコンウェハを,吸着剤に通気する前のクリーンルーム
エアに曝した場合40と,吸着剤に通気後のクリーンル
ームエアに曝した場合(41:6オングストローム疎水
性ゼオライト,42:8オングストローム疎水性ゼオラ
イト,43:天然物系活性炭,44:合成物系活性炭)の
接触角の変化を図15に示す。図中の接触角は,洗浄直
後のウェハ表面を対象となるエアに20時間暴露した後
のそのウェハ表面に対する測定値である。なお,洗浄直
後のウェハ表面に対する接触角の測定値は3°であっ
た。図15からつぎのようなことがわかる。吸着性能
は,42>43>41>44の順である。特に44:合
成物系活性炭が悪い。41:6オングストローム疎水性
ゼオライトと43:天然物系活性炭は,通気時間が50
時間を越えるあたりから吸着性能の低下が始まる。4
2:8オングストローム疎水性ゼオライトと44:合成
物系活性炭は,通気時間が200時間まで吸着性能は低
下しない。吸着性能が低下しない使用初期において,4
1:6オングストローム疎水性ゼオライトと42:8オ
ングストローム疎水性ゼオライトを比較すると,6オン
グストロームが3゜→6.4゜の変化に対して,8オン
グストロームは3゜→3.1゜の変化であった。8オン
グストローム疎水性ゼオライトはクリーンルーム雰囲気
中に含まれる表面汚染の原因となる微量有機物をほぼ完
全に吸着除去できるのに対して,6オングストローム疎
水性ゼオライトは吸着除去できずに通過してしまう表面
汚染の原因となる微量有機物があるということがわか
る。42:8オングストローム疎水性ゼオライトおよび
43:天然物系活性炭の吸着性能は,41:6オングス
トローム疎水性ゼオライトおよび44:合成物系活性炭
の吸着性能よりもはるかに良い。ゼオライトは,細孔径
よりも大きな分子を吸着することはできない。従って,
42:8オングストローム疎水性ゼオライトでクリーン
ルーム雰囲気中に含まれる表面汚染の原因となるDOP
やDBPの微量有機物をほぼ完全に吸着除去できたとい
うことは,表面汚染の原因となるこれら微量有機物の分
子サイズが8オングストローム以下であるということで
理解できる。一方,41:6オングストローム疎水性ゼ
オライトは44:合成物系活性炭と比較するとほぼ満足
できる吸着性能があるものの,わずかに吸着除去できず
に通過する表面汚染の原因となる微量有機物があるとい
うことは,この通過した微量有機物の分子サイズが6オ
ングストローム以上8オングストローム以下であるとい
うことを示す。
第1の吸着層とし,活性白土を第2の吸着層として固着
させたハニカム構造体のフィルタに,DOP,DBP,
BHT,5量体のシロキサン(D5)をそれぞれ数百p
ptから数ppb含むクリーンルームエアを通気させた
場合のフィルタの上流側と下流側のそれぞれの雰囲気中
に設置したシリコンウェハ表面の有機物汚染量をガスク
ロマトグラフィ−マススペクトロメトリ(GC−MS)
により測定して比較し,表面汚染防止効果を評価した。
その結果を表2に示す。
を用いた。洗浄後のウェハをフィルタの上流側と下流側
でそれぞれ曝露し,表面汚染を測定した。ウェハ表面に
付着した有機物の分析・測定には,昇温ガス脱離装置と
ガスクロマトグラフ質量分析装置を組み合わせて用い
た。また,ガスクロマトグラフに基づいて次のようにし
て表面汚染防止率を求めた。
のピークの面積 B :下流側のウェハ表面から検出された汚染有機物質
のピークの面積
接する波形シートの間に凹凸のない薄板シートを挟んだ
構造を有する。フィルタの通気方向の厚みは10cm,
通気風速は0.6m/s,フィルタに通気する処理空気
が接触するフィルタ単位体積当たりのシート総表面積は
3000m2/m3であった。参考例のフィルタは,細孔
径が8オングストローム,大きさが3〜4μmの疎水性
ゼオライトの粉末に3μmのカオリナイト(カオリン鉱
物の一種)の粉末をバインダとして混合して,シリカゾ
ルを無機系固着補助剤として共に分散させたスラリー
に,前述の多孔性ハニカム構造体を浸した後乾燥して,
ハニカム構造体に疎水性ゼオライトを第1の吸着層とし
て固着させた。さらに数μmの粉末状の酸処理モンモリ
ナイト(活性白土)のバインダを無機系固着補助剤であ
るシリカゾルと共に分散させたスラリーに,第1の吸着
層が形成された多孔性ハニカム構造体を浸した後乾燥し
て,第2の吸着層として固着させた。第1の吸着層の厚
みは100μm,その重量組成比は,疎水性ゼオライ
ト:カオリナイト:シリカ=70%:25%:5%,さ
らに第2の吸着層の厚みは10μmで,その重量組成比
は,酸処理モンモリナイト:シリカ=87%:13%で
あった。フィルタ全体の密度は230g/リットル,そ
のうち吸着層が占める密度は90g/リットル(フィル
タ全体の39%)であった。なお,表2中には比較のた
め,前述の有効細孔径が8オングストロームの疎水性ゼ
オライトの粉末に3μmのカオリナイトの粉末をバイン
ダとして混合して,シリカゾルを無機系固着補助剤とし
て共に分散させたスラリーに前述の多孔性ハニカム構造
体を浸した後,乾燥して製作した従来のフィルタに関す
る測定結果も併せて示す。カオリナイトは通気孔の主要
な大きさが1000オングストローム以上であり,物理
吸着の能力はほとんどない。一方,活性白土は有効細孔
径が主として20オングストローム〜1000オングス
トロームに分布しており,物理吸着能は活性炭と比較し
て遜色ない。この従来のフィルタのハニカム構造体の形
状,通気条件等は表2に示した参考例のフィルタと全く
同じであり,異なる点はハニカム構造体の表面に固着さ
れるのが参考例と全く同様の第1の吸着層であるが,参
考例の第2の吸着層(活性白土の層)に相当するものを有
していないという点である。表2から明かなことは,清
浄装置内の基板表面から検出される有機汚染物のうちで
最も量が多い種類のDOPとDBPは,その分子サイズ
が8オングストロームよりも小さいため,バインダに物
理吸着能力があまりなくても疎水性ゼオライトの吸着能
力のみで吸着除去される。しかし,BHTや5量体のシ
ロキサン(D5)については,その分子サイズは8オング
ストロームよりも大きいため,疎水性ゼオライトでは除
去できず,その吸着除去は物理吸着能力を有する第2の
吸着層に依らざるを得ない。
と,従来例のフィルタと,第1の吸着層と第2の吸着層
の支持体への固着の順序を入れ替えた参考例とは異なる
構成の2種の比較例のフィルタについて比較を行った。
その結果を表3に示す。
ゼオライト,第2の吸着層が酸処理モンモリナイトのバ
インダから成るハニカム構造のフィルタである。参考例
Bはハニカム構造体の表面にゼオライトと酸処理モンモ
リナイトのバインダに無機系固着補助剤であるアルミナ
ゾルを混合させて吸着層を形成したフィルタである。参
考例Cは,参考例Bのフィルタ表面に,更に酸処理モン
モリナイトのバインダを第2の吸着層として形成したフ
ィルタである。従来例のフィルタは,ハニカム構造体の
表面にゼオライトの吸着層のみを形成した。比較例D
は,参考例Aの第1の吸着層と第2の吸着層の支持体へ
の固着の順序を入れ替えたフィルタであり,第1の吸着
層が酸処理モンモリナイトのバインダ,第2の吸着層が
ゼオライトから成るハニカム構造のフィルタである。比
較例Eは,参考例Cの第1の吸着層と第2の吸着層の支
持体への固着の順序を入れ替えたフィルタであり,第1
の吸着層が酸処理モンモリナイトのバインダ,第2の吸
着層がゼオライトと酸処理モンモリナイトのバインダか
ら成るハニカム構造のフィルタである。
21に拡大して斜視図(a)と断面図(b)として示し
た。これらの図は図4または図10に示した吸着層を,
吸着層の厚みを高さとする円筒状に部分的に切り出し,
その円筒内に存在する吸着に関与する細孔であるミクロ
孔やメソ孔の分布の様子を概念的に模式図として示した
ものである。なお,これら各図16〜21では支持体は
省略して示している。参考例Aは,図16に示すよう
に,第1の吸着層51にはゼオライトの約8オングスト
ローム程度の細孔が形成され,第2の吸着層52には酸
処理モンモリナイトの約15〜300オングストローム
程度の細孔が形成されている。従来例は,図17に示す
ように,吸着層53にゼオライトの約8オングストロー
ム程度の細孔が形成されている。参考例Bは,図18に
示すように,吸着層54にゼオライトの約8オングスト
ローム程度の細孔と酸処理モンモリナイトの約15〜3
00オングストローム程度の細孔が形成されている。参
考例Cは,図19に示すように,第1の吸着層55には
ゼオライトの約8オングストローム程度の細孔と酸処理
モンモリナイトの約15〜300オングストローム程度
の細孔が形成され,第2の吸着層56には酸処理モンモ
リナイトの約15〜300オングストローム程度の細孔
が形成されている。一方,比較例Dは,図20に示すよ
うに,第1の吸着層60には酸処理モンモリナイトの約
15〜300オングストローム程度の細孔が形成され,
第2の吸着層61にはゼオライトの約8オングストロー
ム程度の細孔が形成されている。比較例Eは,図21に
示すように,第1の吸着層62には酸処理モンモリナイ
トの約15〜300オングストローム程度の細孔が形成
され,第2の吸着層63にはゼオライトの約8オングス
トローム程度の細孔と酸処理モンモリナイトの約15〜
300オングストローム程度の細孔が形成されている。
面汚染防止率を調べた結果,参考例のフィルタは,何れ
も従来例のフィルタに比べてBHTとD5の吸着に優れ
ていた。なお,参考例の中では,C,A,Bの順で吸着
性が優れていた。比較例のDのフィルタの吸着性能は従
来例のフィルタと同等であり,比較例Eのフィルタ吸着
性能は参考例Bのフィルタと同等であった。表3の結果
から理解できるように,BHTやD5のようなゼオライ
トの有効細孔径よりも大きいな分子径のガス状不純物の
吸着性能は,処理対象ガスと直接接触する吸着層との接
触面に如何に多くのゼオライトの有効細孔径よりも大き
な有効細孔径の細孔が分布するか,言い換えるとその面
積密度が如何に大きいかによって決定される。従って,
吸着層が第1の吸着層と第2の吸着層の異なる2層から
なる場合,BHTやD5のような分子径の大きなガス状
不純物の吸着に適した細孔の面積密度が相対的に小さ
く,その結果吸着性能が劣る吸着層と,それら分子径の
大きなガス状不純物の吸着に適した細孔の面積密度が相
対的に大きく,その結果吸着性能が優れた吸着層を支持
体に固着させる順は,吸着性能が劣る吸着層を支持体と
直接接する第1の吸着層とし,この第1の吸着層の上に
重ねて,吸着性能が優れた吸着層を処理対象ガスと直接
接する第2の吸着層として形成して,吸着性能に優れた
フィルタが得られるわけで,支持体に固着させる順を逆
にすれば,BHTやD5のような分子径の大きなガス状
不純物の吸着性能は劣るので注意が必要である。
の有効細孔径よりも小さな分子径のガス状不純物の吸着
性能でも,処理対象ガスと直接接する吸着層との接触面
に如何に多くの物理吸着に関与するミクロ孔やメソ孔が
分布するか,言い換えると,その面積密度が如何に大き
いかによって決定される。従って,支持体と直接接する
第1の吸着層の吸着性能は関与しない。それでは,処理
対象ガスと直接接触する第2の吸着層の吸着性能さえ優
れておれば,支持体と直接接する第1の吸着層の構成は
どうでもよいというとそうではない。表3で測定された
吸着性能とは,フィルタを長時間使用して処理対象ガス
中に含まれるガス状不純物で吸着飽和してその除去効率
が低下する以前の表面汚染防止率を意味し,フィルタの
性能仕様には,この吸着性能のみなず,ガス状不純物で
吸着飽和に達するまでの時間,つまり吸着性能が持続す
る寿命も含まれる。寿命を決定するのは,吸着層全体の
物理吸着に関与するミクロ孔やメソ孔の総細孔容積や,
それら細孔面積であるから,処理対象ガスと直接接触す
る第2の吸着層のみならず,支持体と直接接する第1の
吸着層も,前記細孔容積や細孔面積が大きくなるような
構成を選択することで寿命の長いフィルタを得ることが
できる。
装置を実際に製作し,処理空間に洗浄直後の有機物汚染
のない酸化膜付きシリコンウェハ基板を放置した。処理
空間の天井部には,ファンユニット,本発明のフィル
タ,粒子除去フィルタを有するクリーンファンユニット
を配置した。本発明のフィルタには親水性ゼオライトを
用いた。そして洗浄直後と3日間放置後の接触角をそれ
ぞれ測定し,3日間放置による接触角の増加を調べた。
3日間放置による接触角の増加の測定(洗浄→接触角測
定→3日間放置→接触角測定)を同じようにして15日
ごとに繰り返し,本発明のフィルタの吸着性能の経時劣
化を測定した。清浄装置内の循環空気流量を5000m
3/minとし,この循環空気を処理するために使用し
た親水性ゼオライト使用量は5000kgとした。外気
取り入れ量は,循環空気流量の4%の200m3/mi
nとした。クリーンルーム全体の内容積は3120m3
であり,1時間当たりの換気回数は100回であった。
ルタを,繊維状活性炭を低融点ポリエステルやポリエス
テル不織布のバインダと複合してフェルト形状にした従
来の構成のケミカルフィルタに交換し,酸化膜付きシリ
コンウェハ基板を洗浄後3日間放置したことによる接触
角の増加の測定を15日ごとに繰り返した。この場合も
1m3/minの通気量当たりの活性炭使用量は1kg
とした。さらに,ゼオライトを備えたフィルタや従来の
構成によるケミカルフィルタを一切設けない場合,即
ち,清浄装置雰囲気中に含まれるガス状有機不純物が除
去されない場合についても同様の測定を行った。
ハ表面の接触角は3°であった。3日間曝された酸化膜
付きシリコンウェハ表面の接触角が6°以下に保たれて
いることがガス状有機不純物汚染によるデバイスの品質
低下を防止するための清浄装置雰囲気に求められる必要
条件であると仮定する。
置雰囲気と,従来の構成によるケミカルフィルタを設け
た清浄装置雰囲気と,ガス状有機不純物が除去されない
清浄装置雰囲気のそれぞれに曝された酸化膜付きシリコ
ンウェハ表面の接触角の経時変化を比較したものであ
る。ガス状有機不純物が除去されない清浄装置雰囲気に
曝された酸化膜付きシリコンウェハ表面の接触角は,3
日間放置によって26°〜30°も増加する。本発明の
清浄装置については,使用開始直後の状態において,3
日間放置後の酸化膜付きシリコンウェハの接触角は4°
以下に保たれた。しかし,通気時間の増加と共に親水性
ゼオライトの吸着性能は低下し,フィルタ通過後の空気
中に含まれるガス状有機物の濃度も増加する。つまり,
親水性ゼオライトへの通気時間の増加と共に,下流側の
処理済み空気に一定時間曝された酸化膜付きシリコンウ
ェハ表面の接触角も増加することになる。フィルタ通過
後の空気に3日間曝された酸化膜付きシリコンウェハ表
面の接触角が6°に達するまでの本発明のフィルタの使
用時間は約3ヶ月であることがわかる。一方,従来のケ
ミカルフィルタについては,使用開始直後の状態におい
てすら3日間放置酸化膜付きシリコンウェハの接触角は
12°に達した。この理由は繊維状活性炭を担持するた
めに使用される低融点ポリエステルやポリエステル不織
布のバインダからの脱ガスがケミカルフィルタをそのま
ま素通りしてしまい,下流側に放置されたシリコンウェ
ハの表面を汚染してしまったためである。従来のケミカ
ルフィルタにおいても,通気時間の増加と共に活性炭の
吸着性能は低下し,6ヶ月間使用後においては20°に
達した。
について説明する。細孔径が10オングストロームの親
水性ゼオライトと石炭を原料とする活性炭について,2
5℃の雰囲気において測定した水の吸着等温線図を図2
3に示した。活性炭に関しては,相対湿度が少し増加す
るだけで空気中の水分吸着飽和量も急激に増加する。例
えば,水分をほとんど吸着していない未使用の活性炭添
着ケミカルフィルタを相対湿度20%の雰囲気の容器内
に保管しておき,このケミカルフィルタを使用するため
保管容器から取り出して,いきなり相対湿度50%のク
リーンルーム雰囲気に曝されると,活性炭が吸着飽和に
達するまで空気中の水分を多量に吸着することになって
しまう。相対湿度20%(水分吸着飽和量0.004c
c/g)と50%(水分吸着飽和量0.114cc/g)
における活性炭の水分吸着飽和量の差は0.11cc/
gにもなる。一方,細孔径が10オングストロームの親
水性ゼオライトでは,相対湿度20%の水分吸着飽和量
は26.2cc/gとかなり多いが,相対湿度が20%
から50%に変化しても,水分吸着飽和量の増加はわず
か0.02cc/gに過ぎない。図23からも理解でき
るように,相対湿度が10%以下の雰囲気で保管されて
いた未使用の10オングストロームの親水性ゼオライト
を備えたフィルタを相対湿度50%のクリーンルーム雰
囲気において使用を開始した場合,その上流側において
所定の相対湿度に調節しても,このフィルタに使用され
ている親水性ゼオライトが空気中の水分をほとんど吸着
しないので,清浄装置内の相対湿度が所定の値よりも低
くなるという不具合はない。
に,使用先の雰囲気の温湿度を出荷前に調査し,その温
湿度に見合った水分をわざとケミカルフィルタの活性炭
に吸着させて密封梱包の上出荷するという面倒な作業は
必要ない。なぜなら,相対湿度が10%以下の雰囲気は
通常の作業環境ではありえない超乾燥状態であり,通常
の作業環境では数10%が普通であるから,親水性ゼオ
ライトを備えたフィルタには,活性炭を添着したケミカ
ルフィルタのように水分をわざわざ出荷前に吸着する必
要はなく,そのまま梱包して出荷できる。
8オングストロームのそれぞれの親水性ゼオライトの吸
着性能を,疎水性ゼオライトと同様に調べた。その結果
を図15中に合わせて示した。図15において,曲線4
1’は,細孔径6オングストロームの親水性ゼオライト
を備えた吸着剤に通気後のクリーンルームエアに曝した
場合であり,曲線42’は,細孔径8オングストローム
の親水性ゼオライトを備えた吸着剤に通気後のクリーン
ルームエアに曝した場合である。吸着性能は,42>4
2’>43>41>41’>44の順となった。
た本発明にかかる清浄装置の湿度制御性を,ケミカルフ
ィルタを備えた従来の清浄装置と比較して調べた。除塵
・調温・調湿を行うユニット型空調機とフィルタを通過
後の外気取り入れ回路に設けた湿度センサの信号によ
り,ユニット型空調機内に設けた調湿機の給水弁を調節
した。湿度制御性の良否を判定するため,本発明に従う
清浄装置と従来の清浄装置の内部にも湿度センサをそれ
ぞれ設けた。また,循環空気量5000m3/minに
対して,外気取り入れ量はわずか200m3/minと
した。
ミカルフィルタを備えた清浄装置では,ケミカルフィル
タは通過空気中の水分を吸着しやすいため,ケミカルフ
ィルタの取り付け後,活性炭が水分を吸着して平衡状態
に達するまでの約2週間の間は清浄装置内部の相対湿度
は設定値50%よりも5%も低い45%で推移する。一
方,本発明に従う清浄装置内部では,通過空気中の水分
はほとんど吸着しないため,相対湿度は設定値の50%
に維持された。LSIやLCDの製造工程においては,
湿度が設定値よりも低下してしまうと,ウェハやガラス
基板に静電気が発生しやすくなって,それら製品表面の
微粒子汚染や素子の静電破壊が起きて歩留まりが低下す
る。従来の構成のケミカルフィルタを備えた清浄装置で
は,フィルタの取り付け後約2週間にわたって製品の歩
留まりが低下した。しかし,本発明に従うフィルタを備
えた清浄装置内部では,フィルタの取り付け直後から相
対湿度は設定値に保たれ,製品の歩留まり低下は見られ
なかった。
やLCDの製造プロセス全般などに好適に利用される清
浄装置(いわゆるクリーンルーム)に関して説明した
が,本発明はかかる例に限定されない。ミニエンバイロ
メントと称する局所的な清浄装置やクリーンベンチやク
リーンチャンバや清浄な製品を保管するための各種スト
ッカなど様々な規模の清浄装置,本発明のフィルタの処
理可能風量,循環風量と外気取り入れ空気量の割合,清
浄装置内部からのガス状有機不純物の発生の有無などの
処理環境に応じて多様な適用が考えられる。また,本発
明のフィルタが処理の対象とするのは空気のみに限定さ
れず,窒素やアルゴンのような不活性ガスを処理しても
同様に半導体やLCDの製造などに好適な不活性ガスを
作り出すことができるのは言うまでもない。
する。 (1).清浄装置で取り扱う基板表面の有機物汚染を防
止するにあたり,雰囲気中に含まれる基板表面汚染の原
因となるガス状有機物について,例えばDOPやDBP
などといった分子径が8オングストロームよりも小さい
ガス状有機不純物と,例えばBHTやシロキサンなどと
いった分子径が8オングストロームよりも大きいガス状
有機不純物の両方を吸着・除去したことによって, A.半導体やLCDの製造などに好適な基板表面の有機
物汚染の原因となるガス状有機物が除去された清浄空気
を作り出すことができた。 B.半導体やLCDの製造において,清浄空気を,基板
表面が暴露される清浄装置の雰囲気として利用すること
で,基板表面の有機物汚染を防止することができた。 (2).(1)において,分子径が8オングストローム
よりも小さいガス状有機不純物を吸着・除去するための
吸着剤としてゼオライトを,また分子径が8オングスト
ロームよりも大きいガス状有機不純物を吸着・除去する
ための吸着剤として各種無機物を適宜に選択し,組み合
わせることによって, A.構成材料に可燃物を含まないフィルタを提供するこ
とができ,このフィルタを用いて構築された清浄装置
は,従来の活性炭吸着剤のフィルタを用いて構築された
清浄装置に比べて防災上,優れていた。 B.基板表面汚染の原因となるガス状有機物を発生しな
い素材のみから構成されるフィルタを提供することがで
き,このフィルタを用いて構築された清浄装置は,従来
の活性炭吸着剤のフィルタを用いて構築された清浄装置
に比べて,基板表面の有機物汚染をより完全に防止する
ことができた。 C.従来の活性炭吸着剤のフィルタと比較して,空気中
の水分をより吸着しにくく,ガス状有機不純物の吸着能
力が持続する時間もより長いフィルタを提供することが
でき,このフィルタを用いて構築された清浄装置では,
従来の活性炭吸着剤のフィルタを用いて構築された清浄
装置に比べて,清浄装置内の湿度制御がより簡便に行
え,かつより長期にわたって雰囲気中に含まれるガス状
有機不純物の吸着・除去を行えた。
を用いれば,消防法において可燃物に指定された活性炭
を含む従来のケミカルフィルタと比較して,防災上極め
て安全である。また,フィルタの上流側に空気の調湿装
置を設けても,親水性ゼオライトは吸湿しないため,湿
度コントロールが容易である。
である。
図である。
略的な分解組立図である。
100g当たりの水分吸着量(25℃,相対湿度50
%)の関係を示すグラフである。
水の吸着等温線図である。
フィルタの拡大断面図である。
着層断面の部分拡大図である。
を概略的に示す説明図である。
構成を概略的に示す説明図である。
ウェハ表面の接触角の経時変化を示すグラフである。
る。
機物の吸着性能を比較したグラフである。
大図である。
大図である。
大図である。
大図である。
間各種雰囲気に曝した場合の接触角の経時変化を示すグ
ラフである。
線図である。
浄装置と従来のケミカルフィルタを備えた清浄装置のそ
れぞれの相対湿度の変化を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 雰囲気中のガス状有機不純物を除去する
ためのゼオライトを,ガス状有機不純物を吸着する性質
を有し,かつ該ゼオライトの有効細孔径よりも大きな有
効細孔径を有する無機物をバインダとして用いて造粒し
たペレットを,ケーシング内に充填して構成したことを
特徴とするフィルタ。 - 【請求項2】 前記ゼオライトの有効細孔径が7オング
ストローム以上であり,かつ前記ガス状有機不純物を吸
着する性質を有し,該ゼオライトの有効細孔径よりも大
きな有効細孔径を有する前記無機物において,15〜3
00オングストロームの範囲に分布する細孔の総容積が
該無機物重量当たり0.2cc/g以上であるか,また
は該無機物の細孔の比表面積が100m2/g以上であ
ることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。 - 【請求項3】 前記無機物が無機系固着補助剤を含み,
該無機系固着補助剤が珪酸ソーダ,シリカ又はアルミナ
の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は
2に記載のフィルタ。 - 【請求項4】 湿度が調節された空気を循環させる機構
を備えた清浄装置において,前記空気の循環経路に,請
求項1,2又は3のいずれかに記載のフィルタと,該フ
ィルタの下流側に配された粒子状不純物を除去する粒子
除去フィルタを設けたことを特徴とする清浄装置。
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