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JP2002333420A - バイオセンサおよび基質の定量方法 - Google Patents

バイオセンサおよび基質の定量方法

Info

Publication number
JP2002333420A
JP2002333420A JP2002057681A JP2002057681A JP2002333420A JP 2002333420 A JP2002333420 A JP 2002333420A JP 2002057681 A JP2002057681 A JP 2002057681A JP 2002057681 A JP2002057681 A JP 2002057681A JP 2002333420 A JP2002333420 A JP 2002333420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cholesterol
biosensor
enzyme
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002057681A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiichi Watanabe
基一 渡邊
Yoshikazu Hasegawa
美和 長谷川
Tomohiro Yamamoto
智浩 山本
Toshihiko Yoshioka
俊彦 吉岡
Shiro Nankai
史朗 南海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2002057681A priority Critical patent/JP2002333420A/ja
Publication of JP2002333420A publication Critical patent/JP2002333420A/ja
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高い応答性を有する、コレステロ
ールを酸化する酵素およびコレステロールエステラーゼ
を含むバイオセンサを提供する。 【解決手段】 本発明のバイオセンサは、絶縁性の基
板、前記基板上に形成された測定極および対極を含む電
極系、前記電極系上に形成された親水性高分子層、前記
基板に組み合わされて基板との間に試料供給口から前記
電極系に試料液を導く試料供給路を形成するカバー部
材、および前記試料供給路内に設けられた試薬層を具備
し、前記試薬層が、コレステロールを酸化する酵素、コ
レステロールエステラーゼ、電子メディエータ、および
酸性のpH領域に緩衝能を有する緩衝剤を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の特定成分
を迅速かつ簡便に定量することができるバイオセンサ、
および基質の定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、試料液の希釈や攪拌などを行
うことなく試料液中の特定成分を簡易に定量する方式と
して、様々なバイオセンサが提案されている。バイオセ
ンサの一例として、例えば次のようなセンサが知られて
いる(特開2000−39416号公報参照)。このバ
イオセンサは、絶縁性基板上にスクリーン印刷などの方
法で測定極、対極および参照極からなる電極系を形成
し、この電極系上に接して酸化酵素と電子メディエータ
とを含む酵素反応層を形成したものである。
【0003】このバイオセンサの酵素反応層上に基質を
含む試料液を滴下すると、酵素反応層が溶解して酵素と
基質が反応し、これにともなって電子メディエータが還
元される。酵素反応終了後、還元された電子メディエー
タを電気化学的に酸化し、このとき得られる酸化電流値
から試料液中の基質濃度を求めることができる。この従
来のバイオセンサでは、血液、血漿、または血清等の試
料液中のコレステロール濃度を測定するため、エステル
型コレステロールを脱エステル化するコレステロールエ
ステラーゼと、遊離型コレステロールを酸化するコレス
テロール酸化酵素であるコレステロールオキシダーゼの
2種類の酵素を含む。しかしながら、血液、血漿、また
は血清等の測定試料は、中性付近にpH緩衝能を有する
ため、コレステロールを酸化する酵素およびコレステロ
ールエステラーゼを含むバイオセンサにとって、必ずし
も好ましいpH条件ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑み、コレステロールを酸化する酵素およびコ
レステロールエステラーゼを含むバイオセンサの至適p
Hおよび好ましい緩衝剤を明確にして、高い応答性を有
する高性能なバイオセンサを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるバイオセン
サは、絶縁性の基板、前記基板上に形成された測定極お
よび対極を含む電極系、前記基板に組み合わされて基板
との間に試料供給口から前記電極系に試料液を導く試料
供給路を形成するカバー部材、および前記試料供給路内
に設けられた試薬層を具備し、前記試薬層が、コレステ
ロールを酸化する酵素、コレステロールエステラーゼ、
電子メディエータ、および酸性のpH領域に緩衝能を有
する緩衝剤を含む。
【0006】本発明による基質の定量方法は、絶縁性の
基板、前記基板上に形成された測定極および対極を含む
電極系、前記基板上に組み合わされて基板との間に試料
供給口から前記電極系に試料液を導く試料供給路を形成
するカバー部材、および前記試料供給路内に設けられ
た、コレステロールを酸化する酵素、コレステロールエ
ステラーゼ、および電子メディエータを含む試薬層を具
備するバイオセンサを用いる基質の定量方法であって、
測定試料を、酸性のpH領域に緩衝能を有する緩衝剤と
混合する前処理工程、前記前処理工程により得られた溶
液を前記バイオセンサに供給する工程、および前記バイ
オセンサによって前記測定試料中の基質の定量を行う工
程を含む。
【0007】本発明は、別の観点において、上記のバイ
オセンサ、並びに前記バイオセンサの測定極と対極との
間に電圧を印加する電圧印加手段および電圧を印加され
た前記測定極と対極との間に流れる電流を検知する電流
検出手段を備えた測定システムを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明によるバイオセンサは、絶
縁性の基板、前記基板上に形成された測定極および対極
を含む電極系、前記基板に組み合わされて基板との間に
試料供給口から前記電極系に試料液を導く試料供給路を
形成するカバー部材、および前記試料供給路内に設けら
れた試薬層を具備し、前記試薬層が、コレステロールを
酸化する酵素、コレステロールエステラーゼ、電子メデ
ィエータ、および酸性のpH領域に緩衝能を有する緩衝
剤を含むことを特徴とする。ここで、前記電極系上に
は、親水性高分子層が形成されていることが好ましい。
【0009】本発明のバイオセンサは、試薬層が酸性の
pH領域に緩衝能を有する緩衝剤を含んでいるから、測
定試料液が中性付近に緩衝能を有する血液、血漿、また
は血清等である場合にも、試料に試薬層が溶解した反応
系のpHは酸性領域に調製される。このため、酵素の反
応性を向上させ、センサの応答性を向上することができ
る。また、反応系の基質濃度が高濃度であっても、一定
時間内に十分な応答値が得られるので、測定時間が短縮
できる。さらに、センサの応答性の向上に伴いS/N比
が向上する、すなわち測定精度が向上する。また、試薬
層が緩衝剤を含むと、溶液の展開および乾燥により形成
される試薬層が平滑化される。試薬層をその試薬の水溶
液からの乾燥により形成する場合、試薬の結晶の粗大化
などにより試薬層が凹凸を有するものとなることがあ
る。特に、電子メディエータのフェリシアン化カリウム
を含むとき顕著である。試薬層が緩衝剤を含むとそのよ
うな凹凸を有しない、平滑な試薬層が得られる。その理
由は、必ずしもここに述べる理論に拘束されるのを好む
ものではないが、緩衝剤はその溶液の乾燥により生成す
る結晶がより微細であるためと思われる。
【0010】センサに試料液を供給して試薬層を試料液
に溶解する際、試薬層が凹凸を有すると、試料液と試薬
層の凹凸部との間に空気が介在し、そのため試薬層を溶
解した試料液中に気泡が生じることがある。試料液に気
泡が生じると、試料供給路中を試料液がスムーズに移動
できず、測定に支障を来すことがある。試薬層が平滑化
されることにより、前記のような不都合を解消すること
ができる。さらに試薬層が平滑化されるので、試料供給
路内の体積または高さを減少することができ、試料液の
微量化が実現される。
【0011】ここで緩衝剤が、コハク酸、コハク酸塩、
D−酒石酸、クエン酸、クエン酸塩、フタル酸、フタル
酸塩、trans−アクチニン酸、ギ酸、3,3−ジメ
チルグルタル酸、フェニル酢酸ナトリウム、酢酸、酢酸
塩、カコジル酸ナトリウム、マレイン酸、マレイン酸
塩、リン酸、リン酸塩、イミダゾール、2,4,6−ト
リメチルピリジン、トリエタノールアミン、トリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン(以下Trisで表
す)、2−モルホリノエタンスルホン酸(以下MESで
表す)、N−(2−アセトアミド)イミノジアセト酢酸
(以下ADAで表す)、ピペラジン−N,N’−ビス
(2−エタンスルホン酸)(以下PIPESで表す)、
N−2−(アセトアミド)−2−アミノエタノールスル
ホン酸(以下ACESで表す)、N,N−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(以下
BESで表す)、3−モルホリノプロパンスルホン酸
(以下MOPSで表す)、N−トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以下TES
で表す)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’
−2−エタンスルホン酸(以下HEPESで表す)、お
よびクロロ酢酸からなる群より選択されることが好まし
い。
【0012】これらの中で、溶解性が十分高いという観
点から、コハク酸カリウム、コハク酸ナトリウム等のコ
ハク酸塩、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カ
リウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナ
トリウム等のリン酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム
等の酢酸塩、フタル酸水素カリウム、フタル酸ナトリウ
ム、フタル酸カリウム等のフタル酸塩、マレイン酸水素
ナトリウム、マレイン酸カリウム、マレイン酸ナトリウ
ム等のマレイン酸塩が好ましい。これらコハク酸、コハ
ク酸塩、リン酸、リン酸塩、マレイン酸、マレイン酸
塩、フタル酸、フタル酸塩を用いると、特に応答値の向
上が著しく、応答の直線性に優れたバイオセンサが得ら
れる。さらに好ましくは、良好なバイオセンサ保存特性
が得られるという点でコハク酸がよい。
【0013】上記の緩衝剤は、水に溶けやすいので、試
料液を添加した際、緩衝剤を含む層は直ちに試料液に溶
解し、酵素反応と電極反応を円滑に進めることができ
る。上記の緩衝剤は、必要に応じて塩酸、酢酸などの酸
や、NaOH、KOHなどのアルカリによって、所定の
pH領域に緩衝能を有するように調製してバイオセンサ
の試料供給路内に添加すればよい。応答の直線性の向
上、および一定時間内において十分高い応答値を得ると
いう観点から、好適なpHは、4〜6.5である。さら
に好ましいpHは、4〜5.5である。
【0014】測定試料が緩衝作用を有する場合もあるた
め、2種類以上の緩衝剤をバイオセンサに添加してもよ
い。緩衝剤の組み合わせとしては、コハク酸とマレイン
酸の混合物、コハク酸とリン酸の混合物、マレイン酸と
Trisの混合物等が好ましい。上記緩衝剤の添加量
は、試料液として血液0.04〜20μlを測定対象と
する使い捨てタイプのセンサでは、緩衝剤を含む層の効
果的な平滑化、およびブランク値の低減化という観点か
ら、センサ1個当たり5〜1000nmolの範囲であ
ることが好ましい。さらに、緩衝剤を含む試薬層の溶解
性の向上およびブランク値の低減化という観点から、セ
ンサ1個当たり20〜500nmolであることがより
好ましい。ここで、ブランク値とは、基質濃度が0の測
定試料、例えば、水に対する応答値をいう。測定を迅速
化するため、センサへ試料を供給してから応答値を得る
までの測定に要する時間を4分程度より短くするために
好ましい酵素量は、センサ1個当たり、コレステロール
エステラーゼが0.1〜10U、コレステロールオキシ
ダーゼが0.03〜3Uである。
【0015】本発明の好ましい実施の形態において、前
記コレステロールを酸化する酵素および前記コレステロ
ールエステラーゼと、前記電子メディエータとが互いに
離れて担持されている。この実施の形態によれば、ブラ
ンク値が低いバイオセンサが得られる。さらに、保存に
よる応答値増加が防止されるので、保存特性に優れたバ
イオセンサが得られる。本発明の他の好ましい実施の形
態において、前記緩衝剤が、前記コレステロールを酸化
する酵素またはコレステロールエステラーゼと混合して
担持されている。この実施の形態によれば、コレステロ
ールを酸化する酵素またはコレステロールエステラーゼ
を含む層が平滑化されるので、測定試料をセンサに供給
する時に、気泡が混入することを防ぐことができる。
【0016】本発明のさらに他の好ましい実施の形態に
おいて、前記緩衝剤が、前記電子メディエータと混合し
て担持されている。この実施の形態によれば、電子メデ
ィエータを含む層が平滑化されるので、測定試料供給時
に気泡が混入することを防ぐことができる。本発明の好
ましい実施の形態において、前記緩衝剤が、前記コレス
テロールを酸化する酵素、前記コレステロールエステラ
ーゼおよび前記電子メディエータから離れて担持されて
おり、かつ前記試料供給路内において、前記コレステロ
ールを酸化する酵素、前記コレステロールエステラーゼ
および前記電子メディエータよりも前記試料供給口に近
い位置に担持されている。この実施の形態によれば、バ
イオセンサに供給された測定試料は、まず緩衝剤を溶解
することで、測定試料のpHがすみやかに酸性側に調製
されるという効果を有する。
【0017】本発明の他の好ましい実施の形態におい
て、さらに前記試料供給路内にフィルターを有する。試
料として血液を用いたとき、このフィルタにより、血球
成分が濾過され、血球成分が電極に対して与える影響を
防ぐことができる。前記フィルタが、試料供給路内にお
いて、試料供給口に近い位置にあると、試料から血球成
分をより効果的に除去できるので、より好ましい。前記
フィルタが、試料供給路のうち試料供給口に近い位置に
セットされていると、試料として血液を用いたときに、
酵素や電子メディエータなどの試薬や電極へ血球成分が
接触することをより効果的に防止することができる。フ
ィルタとしては、ガラスフィルタ、濾紙、セルロース繊
維等が用いられる。
【0018】本発明のバイオセンサが測定する対象とし
ては、体液が挙げられる。体液としては、血液、血漿、
血清、リンパ液、細胞間質液、汗のいずれかが挙げられ
る。特に、血液、血漿、および血清に含まれるコレステ
ロールの一部は、脂肪酸が結合したコレステロールエス
テルとして存在している。本発明のバイオセンサは、コ
レステロールエステラーゼを含み、その触媒作用によっ
て、コレステロールエステルを遊離型のコレステロール
に変換し、これをコレステロールオキシダーゼ等により
酸化する。
【0019】本発明は、別の観点において、上記のバイ
オセンサ、並びに前記バイオセンサの測定極と対極との
間に電圧を印加する電圧印加手段および電圧を印加され
た前記測定極と対極との間に流れる電流を検知する電流
検出手段を備えた測定システムを提供する。本発明の好
ましい測定システムは、さらに前記電流検出手段の検知
した電流または前記電流を例えばコレステロール値に変
換した値を表示する表示部を有する。
【0020】本発明は、さらに、絶縁性の基板、前記基
板上に形成された測定極および対極を含む電極系、前記
電極系上に形成された親水性高分子層、前記基板に組み
合わされて基板との間に試料供給口から前記電極系に試
料液を導く試料供給路を形成するカバー部材、および前
記試料供給路内に設けられた試薬層を具備し、前記試薬
層が、コレステロールを酸化する酵素、コレステロール
エステラーゼ、および電子メディエータを含むバイオセ
ンサを用いる基質の定量方法であって、酸性のpH領域
に緩衝能を有する緩衝剤と測定試料とを混合する前処理
工程、記前処理工程がされた溶液を前記バイオセンサに
供給する工程、および前記バイオセンサによって前記測
定試料中の基質の定量を行う工程を含む基質の定量方法
を提供する。この方法によると、前処理工程によって、
測定試料のpHがすみやかに酸性側に調製されるので、
酵素の反応性を向上し、センサの応答性を向上すること
ができる。
【0021】本発明は、酸性のpH領域に緩衝能を有す
る緩衝剤および酵素を含み、前記酵素が少なくともコレ
ステロールを酸化する酵素およびコレステロールエステ
ラーゼである酵素試薬を提供する。この酵素試薬をバイ
オセンサに添加するだけで、応答性が向上したバイオセ
ンサが得られる。本発明においてコレステロールを酸化
する酵素としては、コレステロールオキシダーゼおよび
コレステロールデヒドロゲナーゼが挙げられる。電子メ
ディエータとしては、フェリシアン化カリウム、p−ベ
ンゾキノンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェ
ート、メチレンブルー、フェロセンおよびその誘導体な
どを用いることができる。中でも、空気中において安定
な酸化還元を行うことができるフェリシアン化カリウム
が好ましい。
【0022】親水性高分子は、電極系表面または基板表
面から、コレステロールを酸化する酵素、コレステロー
ルエステラーゼ、電子メディエータ、緩衝剤等の試薬を
含む試薬層の剥離を防ぐことができる。さらに、親水性
高分子は、前記試薬層表面の割れを防ぐ効果も有してお
り、バイオセンサの信頼性を高めるのに効果的である。
このような親水性高分子としては、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ポリリジンなどのポリアミノ酸、ポリ
スチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、アク
リル酸またはその塩の重合体、メタクリル酸またはその
塩の重合体、スターチおよびその誘導体、無水マレイン
酸またはその塩の重合体、アガロースゲルおよびその誘
導体があげられる。特に、十分な粘度が得られることか
ら、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、およびポリビニルピロリドンが好ましい。
【0023】本発明は、微量の試料量で精度の高い測定
値の得られるバイオセンサを提供することをも意図して
いる。そのような目的には、後述のような構造のセンサ
が適する。特に、試料供給口から空気孔に至る試料供給
路のサイズを、幅0.4〜4mm、高さ0.05〜0.
5mm、長さ2〜10mmとするのが好ましい。さらに
好ましいセンサは、試料供給路のサイズが、幅0.5〜
2mm、高さ0.05〜0.2mm、長さ3〜5mmで
あり、試料量は0.075〜2μlとなる。以下に、実
施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみ
に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】《実施例1》図1は、本発明のバイオセンサ
において酸性溶液を与える緩衝剤を用いることの効果を
実証するために用いた、バイオセンサの斜視図を示す。
ポリエチレンテレフタレートからなる電気絶縁性の基板
1上に、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷し、リ
ード2および3を形成している。ついで、樹脂バインダ
ーを含む導電性カーボンペーストを基板1上に印刷して
測定極4を形成している。この測定極4は、リード2と
接触している。さらに、この基板1上に、絶縁性ペース
トを印刷して絶縁層6を形成している。絶縁層6は、測
定極4の外周部を覆っており、これにより測定極4の露
出部分の面積を一定に保っている。そして、樹脂バイン
ダーを含む導電性カーボンペーストをリード3と接触す
るように基板1上に印刷してリング状の対極5を形成し
ている。測定極4および対極5から電極系が形成され
る。
【0025】コレステロールを酸化する酵素およびコレ
ステロールエステラーゼを用いたバイオセンサの至適p
H、および好ましい緩衝剤を明確にするため、上記バイ
オセンサを用いて以下の実験を行った。まず、コレステ
ロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、お
よび1種類の緩衝剤を含む水溶液を調製した。次に、フ
ェリシアン化カリウム、およびTritonX−100
を含む水溶液を調製した。測定試料としてヒト血清を用
いた。緩衝剤は、コハク酸、マレイン酸、リン酸、およ
びTrisの中から1種類選択した。コレステロール濃
度0mg/mlに対する応答値を得るためには、ヒト血
清の代わりに水を用いた。上記3種の溶液をチューブ内
で撹拌、混合した。得られた混合溶液中の各試薬および
測定対象のコレステロールの濃度は次のとおりである。
【0026】コレステロールエステラーゼ:200ユニ
ット(U)/ml コレステロールオキシダーゼ:1000U/ml 緩衝剤:100mM フェリシアン化カリウム:300mM TritonX−100:2wt% コレステロール:0〜116mg/dl
【0027】前記の混合された溶液中では、血清中に含
まれるエステル型コレステロールは、コレステロールエ
ステラーゼによって、脱エステル化される。この脱エス
テル化されたコレステロール、および初めから血清に含
まれているコレステロールは、コレステロールオキシダ
ーゼによって酸化される。同時に、溶液中のフェリシア
ン化カリウムがフェロシアン化カリウムに還元される。
【0028】次に、上記の混合液を図1に示す電極系上
に10μl(マイクロリットル)滴下した。3種の溶液
を混合してから20秒後に、対極を基準として測定極に
500mVの電圧を印加した。このとき、溶液中に含ま
れるフェロシアン化イオンが酸化され、測定極と対極の
間に電流が流れる。電圧を印加して5秒後に測定極およ
び対極間を流れる電流値を測定した。最後に、血清が緩
衝能を有するため、混合溶液のpHを実測した。緩衝剤
の一例としてマレイン酸を用い、種々の総コレステロー
ル濃度に調製された混合溶液の応答電流値を測定した。
横軸に混合溶液の総コレステロール濃度、縦軸に応答電
流値をプロットしてセンサの応答特性図を作成した。そ
れを図2に示す。その結果、溶液のpHが酸性領域にあ
る場合に、より応答値が高く、よりよい応答の直線性が
得られた。また、pHが酸性領域にある場合、一定時間
内に応答の直線性が得られることから、酸性の緩衝剤の
添加によって、測定時間の短縮を実現できた。
【0029】次に、緩衝剤としてコハク酸を用いた場合
のセンサの応答特性図を図3に示す。その結果、pH4
または5のいずれの場合にも応答値が高く、よりよい応
答の直線性が得られた。また、応答直線の傾き向上によ
るS/N比向上、すなわち測定精度の向上が望める。コ
ハク酸、マレイン酸、リン酸、およびTrisをそれぞ
れ緩衝剤に用いたときの結果を図4に示す。この図から
センサのpH依存性が明らかである。混合液のpHを酸
性領域に調製した場合に、より高い応答値が得られるこ
とが明らかになった。一方、混合液のpHを8より高く
した場合は、ブランク応答(コレステロール0mg/d
lに対する電流応答値)が高いことが明らかとなり、不
適であった。最適なpHは、4〜6.5であり、さらに
好ましくは、4〜5.5であった。この実験で用いた酵
素の至適pHは、コレステロールエステラーゼがpH
6.5以下、コレステロールオキシダーゼがpH7付近
であった。よって、これらの結果は、コレステロールエ
ステラーゼの至適pHにより近いpHに、試料液のpH
を調節することで、より高い応答値が得られることを示
している。
【0030】《実施例2》図5および図6を用いて本実
施例を説明する。図5は、本実施例におけるバイオセン
サの試薬層を除いた分解斜視図であり、図6はその縦断
面図である。基板1は、図1と同様の電極系を有する。
この基板に組み合わせるカバー部材は、スリット8を有
するスペーサ7、および空気孔10を有するカバー9か
らなる。後述のように各試薬層を形成した後、図5の一
点鎖線で示すような位置関係をもって、基板1にスペー
サ7およびカバー9を接着することにより、バイオセン
サが組み立てられる。このバイオセンサは、スペーサ7
のスリット8の部分に試料供給路が形成される。センサ
の端部におけるスリット8の開放端部8aは、試料供給
路への試料供給口となる。ここに用いた基板1のサイズ
は、幅6mm、長さ30mmである。試料供給口から空
気孔に至る試料供給路の内容積のサイズは、幅2.0m
m、高さ0.1mm、長さ5.0mmである。
【0031】電極系を形成した基板1上に、親水性高分
子の一種であるカルボキシメチルセルロース(以下CM
Cで表す)の0.5wt%水溶液を4μl滴下し、50
℃で15分間乾燥することによりCMC層11を形成し
た。次いで、このCMC層11上に、緩衝剤の一種であ
るコハク酸、および電子メディエータの一種であるフェ
リシアン化カリウムを含む電子メディエータ・緩衝剤層
12を形成した。電子メディエータ・緩衝剤層12の作
製方法は、以下の通りである。まず、pH5に調製した
コハク酸濃度20mMの緩衝液に、フェリシアン化カリ
ウムを75mMとなる量を添加し、溶解した。次に、こ
のフェリシアン化カリウムを含むコハク酸緩衝液を、C
MC層11上に4μl滴下した後、50℃において15
分間乾燥した。
【0032】一方、スペーサ7とカバー9を張り合わせ
たカバー部材における試料供給路となるスリット8に面
するカバー9側には、コレステロールエステラーゼ90
0U/ml、コレステロールオキシダーゼ400U/m
l、並びに界面活性剤としてTritonX−100を
1.6wt%およびコール酸ナトリウムを30mM含む
水溶液0.5μlを滴下し、凍結乾燥することで、酵素
・界面活性剤層13を形成した。酵素・界面活性剤層1
3を形成したカバー部材と、CMC層11および電子メ
ディエータ・緩衝剤層12を形成した基板1とを張り合
わせてバイオセンサが完成する。
【0033】測定試料がセンサ内に導入されると、電子
メディエータ・緩衝剤層12に含まれるコハク酸が溶解
して、センサ内の溶液のpHを酸性側に調製する。その
ため、酵素の活性が向上して、センサの応答性が向上す
る効果が得られる。そして、一定時間内に十分な応答が
得られるので、測定時間が短縮されるという効果が得ら
れる。また、電子メディエータ・緩衝剤層12に含まれ
るコハク酸が、層12自体を平滑化するので、電極系上
への気泡の混入を防止するという効果が得られる。さら
に、酵素と電子メディエータとが互いに離れて担持され
ているので、ブランク値が低いバイオセンサが得られ
る。酵素と電子メディエータとが互いに離れて担持され
ているので、保存特性に優れたバイオセンサが得られ
る。すなわち、保存後のバイオセンサにおいても作製直
後のバイオセンサと同等の応答値を示し、ブランク値の
増加その他により保存後の応答値が不当に増加するのが
抑制される。
【0034】バイオセンサ内における酵素、またはフェ
リシアン化カリウムは、本発明の効果を損なわない限
り、種々の位置に配置することができる。例えば、フェ
リシアン化カリウムは、試料供給路内のCMC層上以外
の場所にも配置することができる。本実施例では、界面
活性剤としてTritonX−100およびコール酸ナ
トリウムを用いたが、他のオクチルチオグルコシド、L
ubrol、コール酸、デオキシコール酸ナトリウム、
ジギトニン、ドデシルマルトシド、シュクロースモノラ
ウレート、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレン−p−t−オクチルフェニルエーテル等の
界面活性剤を用いてもよい。酵素反応に伴い還元された
電子メディエータを酸化する電流の測定方法としては、
測定極と対極のみの二電極方式と、さらに参照極を加え
た三電極方式の両方の方式が可能である。
【0035】《実施例3》本実施例のバイオセンサを図
7に示す。まず、基板1上に、実施例2と同様にして、
CMC層11を形成した。次に、pH5に調製したマレ
イン酸緩衝液に、コレステロールエステラーゼ、コレス
テロールオキシダーゼ、フェリシアン化カリウム、Tr
itonX−100、およびコール酸ナトリウムを加え
た水溶液を調製した。この水溶液中の各試薬の濃度は、
マレイン酸:200mM、コレステロールエステラー
ゼ:900U/ml、コレステロールオキシダーゼ:4
00U/ml、フェリシアン化カリウム:600mM、
TritonX−100:1.6wt%、コール酸ナト
リウム:30mMである。この水溶液をCMC層11上
に0.5μl滴下して凍結乾燥することで酵素・界面活
性剤・電子メディエータ・緩衝剤層14を形成した。
【0036】本実施例では、CMC以外の全ての試薬を
一度に滴下し乾燥するので、作製方法が最も容易である
という利点を有する。また、測定試料がセンサ内に導入
されると、酵素・界面活性剤・電子メディエータ・緩衝
剤層14に含まれるマレイン酸が溶解して、センサ内の
溶液のpHを酸性側に調製する。そのため、酵素の活性
が向上して、センサの応答性が向上する効果が得られ
る。
【0037】《実施例4》本実施例のバイオセンサを図
8に示す。電極系を形成した基板1上に、実施例2と同
様にして、CMC層11を形成した。次いで、CMC層
11上に、TritonX−100を0.16wt%、
コール酸ナトリウムを3mM、およびフェリシアン化カ
リウムを75mM含む水溶液を5μl滴下した後、50
℃において15分間乾燥して、界面活性剤・電子メディ
エータ層15を形成した。一方、試料供給路内のカバー
9側には、コレステロールエステラーゼ900U/m
l、コレステロールオキシダーゼ400U/ml、およ
び緩衝剤の一種であるリン酸を20mM含む水溶液を
0.5μl滴下した後に凍結乾燥することで酵素・緩衝
剤層16を形成した。
【0038】測定試料がセンサ内に導入されると、酵素
・緩衝剤層16に含まれるリン酸が溶解して、センサ内
の溶液のpHを酸性側に調製する。そのため、酵素の活
性が向上して、センサの応答性が向上する効果が得られ
る。また、酵素・緩衝剤層16に含まれるリン酸が、層
16自体を平滑化するので、電極系上への気泡の混入を
防止するという効果が得られる。さらに、酵素と電子メ
ディエータとが互いに離れて担持されているので、ブラ
ンク値が低く、保存による応答値増加が防止され、保存
特性に優れたバイオセンサが得られる。
【0039】《実施例5》図9および図10を用いて、
本実施例を説明する。図9は本実施例におけるバイオセ
ンサの試薬層を除いた分解斜視図であり、図10は同バ
イオセンサの縦断面図である。基板21は、実施例1と
同様にして、リード22に接続された測定極24、リー
ド23に接続された対極25および絶縁層26を有す
る。基板21上に電極系を覆うように、実施例2と同様
にして、CMC層32を形成した。次いで、CMC層3
2上に、フェリシアン化カリウムの75mM水溶液を5
μl滴下した後、50℃において15分間乾燥し、電子
メディエータ層33を形成した。
【0040】一方、スペーサ27とカバー29を張り合
わせたカバー部材側には、試料供給路内のカバー29
に、コレステロールエステラーゼ900U/ml、コレ
ステロールオキシダーゼ400U/ml、並びに界面活
性剤としてTritonX−100を1.6wt%およ
びコール酸ナトリウムを30mM含む水溶液を0.5μ
l滴下した後に凍結乾燥することで酵素・界面活性剤層
34を形成した。さらに、試料供給路内において、酵素
・界面活性剤層34の上流には、測定試料に含まれる固
体成分を濾過するためのフィルタ31を設けた。
【0041】フィルタ31は、例えば、測定試料が血液
である場合には、その血球を濾過し、血球成分が電極に
対して与える影響を防ぐ役割を果たす。図10のよう
に、試料供給路において、フィルタ31が試料供給口に
近い位置にあると、試料から血球成分をより効果的に除
去できるので、好ましい。フィルタ31が、試料供給路
のうち試料供給口に近い位置にセットされると、試料と
して血液を用いたときに、電子メディエータ層33、酵
素・界面活性剤層34や電極へ、血球成分が接触するこ
とをより効果的に防止することができる。フィルタとし
ては、ガラスフィルタ、濾紙、セルロース繊維等の三次
元的に連なる多孔体が用いられる。この多孔体は、毛管
作用により血液を電極系側へ移動させるが、血漿と血球
との流通抵抗の差により血球を濾過する作用を有する。
【0042】基板21、スペーサ27、およびカバー2
9を一点鎖線で示す位置関係で接着した際に、フィルタ
31は基板21の表面と31’の部分において接する。
基板21上のセンサ端部21aは、試料供給路への試料
供給口となる。ここに供給された試料は、フィルタ31
に吸収され、毛管作用により電極系へ移動する。緩衝剤
であるコハク酸は、酵素・界面活性剤層34および電子
メディエータ層33より上流側に位置するフィルタ31
内に含有させた。コハク酸の含有方法としては、フィル
タ31を所定の位置に配置した後、コハク酸の水溶液を
フィルタ31に滴下して、凍結乾燥する方法によった。
【0043】本実施例では、試料供給路内において、コ
ハク酸が、酵素およびフェリシアン化カリウムより上流
に位置するので、測定試料がまずコハク酸を溶解するこ
とで、測定試料のpHが速やかに酸性側に調製される。
そのため、バイオセンサ内における酵素の活性が向上し
て、センサの応答性が向上する効果が得られる。
【0044】《実施例6》図11は、本発明の一実施例
における測定システムの回路構成を示すブロック図であ
る。測定装置40は、バイオセンサ41の測定極のリー
ド42と対極のリード43とを通して両電極間に制御さ
れた電圧を印加する電圧印加装置44およびセンサの測
定極と対極間に流れる電流を測定する電流測定器45を
有する。測定された電流値は、表示部46に表示され
る。表示部46は、測定された電流値を例えばコレステ
ロールに換算して表示することもある。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、緩衝剤を
添加してバイオセンサ内の反応系のpHを酸性領域に調
製することで、バイオセンサの応答値を向上することが
でき、より良好な応答の直線性が得られる。また、一定
時間内に十分高い応答値が得られることから、測定時間
の短縮を実現することができる。さらに、緩衝剤がこれ
を含む試薬層を平滑化するので、測定試料を供給した時
に、気泡が混入することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバイオセンサにおいて緩衝剤を用いる
ことの効果を実証するために用いた、バイオセンサの斜
視図である。
【図2】同バイオセンサにおいて緩衝剤としてマレイン
酸を用いた場合の応答特性を示す図である。
【図3】同バイオセンサにおいて緩衝剤としてコハク酸
を用いた場合の応答特性を示す図である。
【図4】同バイオセンサにおいて各種緩衝剤を用いた場
合の応答特性を示す図である。
【図5】本発明の一実施例におけるバイオセンサの試薬
層を除いた分解斜視図である。
【図6】同バイオセンサの縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施例におけるバイオセンサの縦
断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例におけるバイオセン
サの縦断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例におけるバイオセン
サの試薬層を除いた分解斜視図である。
【図10】同バイオセンサの縦断面図である。
【図11】本発明の実施例における測定システムの回路
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 基板 2、3 リード 4 測定極 5 対極 6 絶縁層 7 スペーサ 8 スリット 9 カバー 10 空気孔 11 CMC層 12 電子メディエータ・緩衝剤層 13 酵素・界面活性剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/30 353P 353R (72)発明者 山本 智浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉岡 俊彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 南海 史朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA13 BA01 BB05 BB52 CA25 CA26 CA30 DA69 FB01 FB05 GC20 HA01 4B029 AA07 AA21 BB20 CC01 CC03 CC08 FA12 4B063 QA01 QQ03 QQ76 QR03 QR12 QR50 QR51 QR52 QR85 QS39 QX04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の基板、前記基板上に形成された
    測定極および対極を含む電極系、前記基板に組み合わさ
    れて基板との間に試料供給口から前記電極系に試料液を
    導く試料供給路を形成するカバー部材、および前記試料
    供給路内に設けられた試薬層を具備し、前記試薬層が、
    コレステロールを酸化する酵素、コレステロールエステ
    ラーゼ、電子メディエータ、および酸性のpH領域に緩
    衝能を有する緩衝剤を含むことを特徴とするバイオセン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記緩衝剤が、コハク酸、コハク酸塩、
    クエン酸、クエン酸塩、フタル酸、フタル酸塩、マレイ
    ン酸、マレイン酸塩、リン酸、およびリン酸塩からなる
    群より選択される請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記緩衝剤がpH4〜6.5の領域に緩
    衝能を有する請求項2記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 前記緩衝剤の量がセンサ1個当たり5〜
    1000nmolである請求項3記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記緩衝剤の量がセンサ1個当たり20
    〜500nmolである請求項4記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 前記コレステロールを酸化する酵素およ
    びコレステロールエステラーゼと、前記電子メディエー
    タとが互いに離れて前記試料供給路内に担持されている
    請求項1記載のバイオセンサ。
  7. 【請求項7】 前記緩衝剤が、前記コレステロールを酸
    化する酵素またはコレステロールエステラーゼと混合し
    て担持されている請求項1記載のバイオセンサ。
  8. 【請求項8】 前記緩衝剤が、前記電子メディエータと
    混合して担持されている請求項1記載のバイオセンサ。
  9. 【請求項9】 前記緩衝剤が、前記コレステロールを酸
    化する酵素、前記コレステロールエステラーゼおよび前
    記電子メディエータから離れて担持されており、かつ前
    記試料供給路内において、前記コレステロールを酸化す
    る酵素、前記コレステロールエステラーゼおよび前記電
    子メディエータよりも前記試料供給口に近い位置に担持
    されている請求項1記載のバイオセンサ
  10. 【請求項10】 さらに前記試料供給路内にフィルター
    を有する請求項1記載のバイオセンサ
  11. 【請求項11】 前記フィルターが試料供給口に近い位
    置にある請求項10記載のバイオセンサ
  12. 【請求項12】 前記フィルタが前記緩衝剤を担持して
    いる請求項10記載のバイオセンサ。
  13. 【請求項13】 前記コレステロールを酸化する酵素
    が、コレステロールオキシダーゼである請求項1記載の
    バイオセンサ。
  14. 【請求項14】 測定対象が体液である請求項1記載の
    バイオセンサ。
  15. 【請求項15】 前記体液が血液、血漿、リンパ液、ま
    たは細胞間質液である請求項14記載のバイオセンサ。
  16. 【請求項16】 絶縁性の基板、前記基板上に形成され
    た測定極および対極を含む電極系、前記基板に組み合わ
    されて基板との間に試料供給口から前記電極系に試料液
    を導く試料供給路を形成するカバー部材、および前記試
    料供給路内に設けられた試薬層を具備し、前記試薬層
    が、コレステロールを酸化する酵素、コレステロールエ
    ステラーゼ、電子メディエータ、および酸性のpH領域
    に緩衝能を有する緩衝剤を含むバイオセンサ、並びに前
    記測定極と対極との間に電圧を印加する電圧印加手段お
    よび電圧を印加された前記測定極と対極との間に流れる
    電流を検知する電流検出手段を備えた測定システム。
  17. 【請求項17】 さらに前記電流検出手段の検知した電
    流または前記電流を変換した値を表示する表示部を有す
    る請求項16記載の測定システム。
  18. 【請求項18】 絶縁性の基板、前記基板上に形成され
    た測定極および対極を含む電極系、前記基板に組み合わ
    されて基板との間に試料供給口から前記電極系に試料液
    を導く試料供給路を形成するカバー部材、および前記試
    料供給路内に設けられた試薬層を具備し、前記試薬層
    が、コレステロールを酸化する酵素、コレステロールエ
    ステラーゼ、および電子メディエータを含むバイオセン
    サを用いる基質の定量方法であって、酸性のpH領域に
    緩衝能を有する緩衝剤と測定試料とを混合する前処理工
    程、前記前処理工程がされた溶液を前記バイオセンサに
    供給する工程、および前記バイオセンサによって前記測
    定試料中の基質の定量を行う工程を含む基質の定量方
    法。
  19. 【請求項19】 酸性のpH領域に緩衝能を有する緩衝
    剤および酵素を含み、前記酵素が少なくともコレステロ
    ールを酸化する酵素およびコレステロールエステラーゼ
    である酵素試薬。
  20. 【請求項20】 前記緩衝剤が、コハク酸、コハク酸
    塩、クエン酸、クエン酸塩、フタル酸、フタル酸塩、マ
    レイン酸、マレイン酸塩、リン酸、およびリン酸塩から
    なる群より選択される請求項19記載の酵素試薬。
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