JP2002330048A - 弾性表面波フィルタ及びこれを用いた通信機器 - Google Patents
弾性表面波フィルタ及びこれを用いた通信機器Info
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- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic elements; Electromechanical resonators
- H03H9/46—Filters
- H03H9/64—Filters using surface acoustic waves
- H03H9/6423—Means for obtaining a particular transfer characteristic
- H03H9/6426—Combinations of the characteristics of different transducers
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- Acoustics & Sound (AREA)
- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の一方向性電極を用いたトランスバーサ
ル型の弾性表面波フィルタでは、一方向性電極の領域と
両方向性電極の領域での周波数に差が生じて帯域内平坦
性や急峻な帯域外減衰量が劣化するという課題があっ
た。 【解決手段】 圧電基板101と、前記圧電基板上に少
なくとも2つのインターディジタルトランスデューサ電
極とを備え、少なくとも1つの前記インターディジタル
トランスデューサ電極102は一方向性電極104と両
方向電極105を含む構成であり、前記一方向性電極の
基本セルの長さが前記両方向性電極の基本セルの長さよ
りも長いことを特徴とする。
ル型の弾性表面波フィルタでは、一方向性電極の領域と
両方向性電極の領域での周波数に差が生じて帯域内平坦
性や急峻な帯域外減衰量が劣化するという課題があっ
た。 【解決手段】 圧電基板101と、前記圧電基板上に少
なくとも2つのインターディジタルトランスデューサ電
極とを備え、少なくとも1つの前記インターディジタル
トランスデューサ電極102は一方向性電極104と両
方向電極105を含む構成であり、前記一方向性電極の
基本セルの長さが前記両方向性電極の基本セルの長さよ
りも長いことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィル
タ、及びこれを用いた通信機器に関する。
タ、及びこれを用いた通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信分野の発展により伝送さ
れる情報量が増大している。それに伴い、比較的広帯域
で、かつ通過帯域内の位相直線性に優れた弾性表面波フ
ィルタが求められており、従来より、このような弾性表
面波フィルタとしてはトランスバーサル型の弾性表面波
フィルタが適している。一方、よく知られているように
トランスバーサル型の弾性表面波フィルタは、挿入損失
が大きいため、低挿入損失化技術として、一方向性電極
を利用したトランスバーサル型の弾性表面波フィルタが
期待され、検討されている。
れる情報量が増大している。それに伴い、比較的広帯域
で、かつ通過帯域内の位相直線性に優れた弾性表面波フ
ィルタが求められており、従来より、このような弾性表
面波フィルタとしてはトランスバーサル型の弾性表面波
フィルタが適している。一方、よく知られているように
トランスバーサル型の弾性表面波フィルタは、挿入損失
が大きいため、低挿入損失化技術として、一方向性電極
を利用したトランスバーサル型の弾性表面波フィルタが
期待され、検討されている。
【0003】以下、従来の一方向性電極を利用したトラ
ンスバーサル型の弾性表面波フィルタについて説明す
る。図20(a)は一方向性電極を利用したトランスバ
ーサル型の弾性表面波フィルタの第1の従来例を示す図
である。2001は圧電基板であり、圧電基板2001
の上に、入力及び出力インターディジタルトランスデュ
ーサ電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力ID
T電極2002と出力IDT電極2003とを所定の距
離を設けて配置することによって弾性表面波フィルタが
構成される。
ンスバーサル型の弾性表面波フィルタについて説明す
る。図20(a)は一方向性電極を利用したトランスバ
ーサル型の弾性表面波フィルタの第1の従来例を示す図
である。2001は圧電基板であり、圧電基板2001
の上に、入力及び出力インターディジタルトランスデュ
ーサ電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力ID
T電極2002と出力IDT電極2003とを所定の距
離を設けて配置することによって弾性表面波フィルタが
構成される。
【0004】入力IDT電極2002、及び出力IDT
電極2003には、IEEE Ultrasonics symposium,1989,
pp.77-89に開示されている従来技術による第1及び第2
の一方向性電極2004、2005が用いられている。
このようなタイプの一方向性電極はEWC−SPUDT
(Electrode Width Controlled - Single Phase Unidire
ctional Transducer)と呼ばれる。
電極2003には、IEEE Ultrasonics symposium,1989,
pp.77-89に開示されている従来技術による第1及び第2
の一方向性電極2004、2005が用いられている。
このようなタイプの一方向性電極はEWC−SPUDT
(Electrode Width Controlled - Single Phase Unidire
ctional Transducer)と呼ばれる。
【0005】図20(b)に第1の一方向性電極基本セ
ル2004の拡大図を示す。基本的な構成として圧電基
板2001上を伝搬する弾性表面波の波長λの1/4幅
のλ/4幅電極指1つと、λ/8幅電極指2つとによる
合計3本の電極指により基本単位が構成されている。ま
た、第2の一方向性電極基本セル2005は一方向性電
極2004と左右対称構成となっている。
ル2004の拡大図を示す。基本的な構成として圧電基
板2001上を伝搬する弾性表面波の波長λの1/4幅
のλ/4幅電極指1つと、λ/8幅電極指2つとによる
合計3本の電極指により基本単位が構成されている。ま
た、第2の一方向性電極基本セル2005は一方向性電
極2004と左右対称構成となっている。
【0006】これらの第1、及び第2の一方向性電極基
本セル2004、2005では、λ/4幅電極指が反射
器として機能し、弾性表面波の励起中心に対して電極指
による反射中心を非対称な関係とすることにより弾性表
面波の伝搬に方向性を生じることが可能となる。ここ
で、第1の一方向性電極基本セル2004では入力ID
T2002から出力IDT電極2003の方向に方向性
が生じ、第2の一方向性電極基本セル2005では出力
IDT2003から入力IDT電極2002の方向に方
向性が生じる。
本セル2004、2005では、λ/4幅電極指が反射
器として機能し、弾性表面波の励起中心に対して電極指
による反射中心を非対称な関係とすることにより弾性表
面波の伝搬に方向性を生じることが可能となる。ここ
で、第1の一方向性電極基本セル2004では入力ID
T2002から出力IDT電極2003の方向に方向性
が生じ、第2の一方向性電極基本セル2005では出力
IDT2003から入力IDT電極2002の方向に方
向性が生じる。
【0007】また、図21に特開2000−77973
号公報で開示される電極構成を示す。図21(a)はI
DT電極基本区間は3λ/8幅電極指とλ/8幅電極指
2つとにより構成される一方向性電極であり、右方向へ
の反射作用を有する。ここで、基本区間は1波長分のI
DT電極構成のことである。また、図21(b)に示す
電極構成の基本区間は励振作用はあるが、一方向反射は
有しない。即ち、両方向性電極の構成となる。いずれの
場合も基本区間は波長λで規定されている。
号公報で開示される電極構成を示す。図21(a)はI
DT電極基本区間は3λ/8幅電極指とλ/8幅電極指
2つとにより構成される一方向性電極であり、右方向へ
の反射作用を有する。ここで、基本区間は1波長分のI
DT電極構成のことである。また、図21(b)に示す
電極構成の基本区間は励振作用はあるが、一方向反射は
有しない。即ち、両方向性電極の構成となる。いずれの
場合も基本区間は波長λで規定されている。
【0008】また、図22は、特開2000−9186
9号公報にて開示されている構成の一方向性電極を用い
た弾性表面波フィルタの第2の従来例を示す。図22
(a)において、圧電基板2201の上に入力IDT電
極2206、出力IDT電極2207を有し、入、出力
IDT電極2206、2207はそれぞれ互いに交差す
る櫛電極対2202a、2202bおよび2203a、
2203bとこれらを接続する引き出し電極2204
a、2204bおよび2205a、2205bにより構
成されている。また、櫛電極対2202a、2202
b、2203a、2203bは、項サブにおいてことな
った線幅を有する二本の櫛電極で構成されている。
9号公報にて開示されている構成の一方向性電極を用い
た弾性表面波フィルタの第2の従来例を示す。図22
(a)において、圧電基板2201の上に入力IDT電
極2206、出力IDT電極2207を有し、入、出力
IDT電極2206、2207はそれぞれ互いに交差す
る櫛電極対2202a、2202bおよび2203a、
2203bとこれらを接続する引き出し電極2204
a、2204bおよび2205a、2205bにより構
成されている。また、櫛電極対2202a、2202
b、2203a、2203bは、項サブにおいてことな
った線幅を有する二本の櫛電極で構成されている。
【0009】図22(b)は図22(a)の入力IDT
電極2206の拡大図である。引き出し電極2204b
に接続される一対の櫛電極対2202bの細い櫛電極と
線幅の太い櫛電極の線幅間の距離をγ、櫛電極対220
2bの細い櫛電極と交差する引き出し電極2204aに
接続される櫛電極対2202aの太い櫛電極との距離の
1/2をα、櫛電極対2202bの太い櫛電極と交差す
る引き出し電極2204aに接続される櫛電極対220
2aの細い櫛電極との距離の1/2をβとすると、γ>
α+βとなっている。
電極2206の拡大図である。引き出し電極2204b
に接続される一対の櫛電極対2202bの細い櫛電極と
線幅の太い櫛電極の線幅間の距離をγ、櫛電極対220
2bの細い櫛電極と交差する引き出し電極2204aに
接続される櫛電極対2202aの太い櫛電極との距離の
1/2をα、櫛電極対2202bの太い櫛電極と交差す
る引き出し電極2204aに接続される櫛電極対220
2aの細い櫛電極との距離の1/2をβとすると、γ>
α+βとなっている。
【0010】図22に示される一方向性電極において
は、線幅の細い櫛電極の線幅と線幅の太い櫛電極の線幅
の比を線幅比率としたとき、挿入損失に関して方向性の
観点から好ましい線幅比率の範囲を3.0以上5.0未
満としている。
は、線幅の細い櫛電極の線幅と線幅の太い櫛電極の線幅
の比を線幅比率としたとき、挿入損失に関して方向性の
観点から好ましい線幅比率の範囲を3.0以上5.0未
満としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、携帯端末の小型
化、高性能化が進み、それに伴い、IF段の弾性表面波フ
ィルタの小型化、高性能化が求められている。しかしな
がら、上述の一方向性電極を用いたトランスバーサル型
の弾性表面波フィルタでは、上述の一方向性電極を用い
たトランスバーサル型の弾性表面波フィルタでは、一方
向性電極の領域と両方向性電極の領域での周波数に差が
生じて帯域内平坦性や急峻な帯域外減衰量が劣化する。
また、上記の一方向性電極においては、好ましい線幅比
率の範囲が3.0以上5.0以下と、挿入損失に関して
一方向性の観点からのみ議論されており、他の要素を考
慮した電極の最適構成が得られてなかった。また、実際
の弾性表面波フィルタにおいては一方向性電極に加えて
両方向性電極を混在させた構成とする場合が多く、この
場合においても電極の最適構成が得られてなかった。
化、高性能化が進み、それに伴い、IF段の弾性表面波フ
ィルタの小型化、高性能化が求められている。しかしな
がら、上述の一方向性電極を用いたトランスバーサル型
の弾性表面波フィルタでは、上述の一方向性電極を用い
たトランスバーサル型の弾性表面波フィルタでは、一方
向性電極の領域と両方向性電極の領域での周波数に差が
生じて帯域内平坦性や急峻な帯域外減衰量が劣化する。
また、上記の一方向性電極においては、好ましい線幅比
率の範囲が3.0以上5.0以下と、挿入損失に関して
一方向性の観点からのみ議論されており、他の要素を考
慮した電極の最適構成が得られてなかった。また、実際
の弾性表面波フィルタにおいては一方向性電極に加えて
両方向性電極を混在させた構成とする場合が多く、この
場合においても電極の最適構成が得られてなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電基板と、
前記圧電基板上に少なくとも2つのインターディジタル
トランスデューサ電極とを備え、少なくとも1つの前記
インターディジタルトランスデューサ電極は一方向性電
極と両方向電極を含む構成であり、前記一方向性電極の
基本セルの長さが前記両方向性電極の基本セルの長さよ
りも長いことを特徴とする弾性表面波フィルタである。
本発明はこれらの構成を有することで、帯域内平坦性、
高減衰特性に優れる低損失な弾性表面波フィルタを提供
することが可能となる。
前記圧電基板上に少なくとも2つのインターディジタル
トランスデューサ電極とを備え、少なくとも1つの前記
インターディジタルトランスデューサ電極は一方向性電
極と両方向電極を含む構成であり、前記一方向性電極の
基本セルの長さが前記両方向性電極の基本セルの長さよ
りも長いことを特徴とする弾性表面波フィルタである。
本発明はこれらの構成を有することで、帯域内平坦性、
高減衰特性に優れる低損失な弾性表面波フィルタを提供
することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明における弾性表面波
フィルタの実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
フィルタの実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
【0014】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の弾性表面波フィルタを示すものである。図1に
おいて、101は圧電基板であり、圧電基板101の上
に、入力及び出力インターディジタルトランスデューサ
電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力IDT電
極102と出力IDT電極103とを所定の距離を設け
て配置することによって弾性表面波フィルタが構成され
る。入力IDT電極102は一方向性電極104と両方
向性電極105を含む構成であり、一方向性電極104
の1波長の基本セルの長さはλdであり、両方向性電極
の1波長の基本セルの長さはλsである。また、出力I
DT電極103は一方向性電極106と両方向性電極1
07を含む構成であり、一方向性電極106は一方向性
電極104とはその方向性が反対であり、即ち左右対称
構成となる。また、両方向性電極107は両方向性電極
105と同様の構成である。出力IDT電極103にお
いても一方向性電極106の1波長の基本セルの長さは
λdであり、両方向性電極の1波長の基本セルの長さは
λsである。
形態1の弾性表面波フィルタを示すものである。図1に
おいて、101は圧電基板であり、圧電基板101の上
に、入力及び出力インターディジタルトランスデューサ
電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力IDT電
極102と出力IDT電極103とを所定の距離を設け
て配置することによって弾性表面波フィルタが構成され
る。入力IDT電極102は一方向性電極104と両方
向性電極105を含む構成であり、一方向性電極104
の1波長の基本セルの長さはλdであり、両方向性電極
の1波長の基本セルの長さはλsである。また、出力I
DT電極103は一方向性電極106と両方向性電極1
07を含む構成であり、一方向性電極106は一方向性
電極104とはその方向性が反対であり、即ち左右対称
構成となる。また、両方向性電極107は両方向性電極
105と同様の構成である。出力IDT電極103にお
いても一方向性電極106の1波長の基本セルの長さは
λdであり、両方向性電極の1波長の基本セルの長さは
λsである。
【0015】図2(a)は一方向性電極104の基本セ
ルの概略図、図2(b)は一方向性電極104と両方向
性電極105の配置概略図を示す。
ルの概略図、図2(b)は一方向性電極104と両方向
性電極105の配置概略図を示す。
【0016】図2(a)において、一方向性電極基本セ
ル104は基本セル内に4本の電極指を有しており、第
1の電極指対201は細い電極指201aと太い電極指
201bとにより構成される。また、第2の電極指対2
02は細い電極指202aと太い電極指202bとによ
り構成される。第1の電極指対201は上側の引き出し
電極203に接続され、第2の電極指対202は下側の
引き出し電極204に接続され、第1の電極指対201
と第2の電極指対202は交差した構造となっており、
この一方向性電極基本セル104において、弾性表面波
は細い電極指から太い電極指に向かう方向、即ち右方向
の方向性を有する。
ル104は基本セル内に4本の電極指を有しており、第
1の電極指対201は細い電極指201aと太い電極指
201bとにより構成される。また、第2の電極指対2
02は細い電極指202aと太い電極指202bとによ
り構成される。第1の電極指対201は上側の引き出し
電極203に接続され、第2の電極指対202は下側の
引き出し電極204に接続され、第1の電極指対201
と第2の電極指対202は交差した構造となっており、
この一方向性電極基本セル104において、弾性表面波
は細い電極指から太い電極指に向かう方向、即ち右方向
の方向性を有する。
【0017】図2(a)において、細い電極指201
a、202aの電極指幅をL1、太い電極指201b、
202bの電極指幅をL2とすると、一方向性電極10
4は細い電極と太い電極の比である電極幅比率L2/L
1>1の関係を満足し、その特性はL2/L1に依存す
る。さらに、細い電極指201aと太い電極指202a
の間隔及び細い電極指201bと太い電極指202bの
間隔をγとし、一方向性電極基本セル104を2分割し
てλd/2セルを考えて、細い電極指201aと第1の
電極指対201を含むλd/2セル205の左端との間
隔、及び細い電極指202aと第1の電極指対202を
含むλd/2セル206の左端との間隔をα、太い電極
指201bと第1の電極指対201を含むλd/2セル
205の右端との間隔、及び太い電極指202bと第1
の電極指対202を含むλd/2セル206の右端との
間隔をβとしたとき、γはα+βよりも大きく、α<β
の関係を満足する構成である。
a、202aの電極指幅をL1、太い電極指201b、
202bの電極指幅をL2とすると、一方向性電極10
4は細い電極と太い電極の比である電極幅比率L2/L
1>1の関係を満足し、その特性はL2/L1に依存す
る。さらに、細い電極指201aと太い電極指202a
の間隔及び細い電極指201bと太い電極指202bの
間隔をγとし、一方向性電極基本セル104を2分割し
てλd/2セルを考えて、細い電極指201aと第1の
電極指対201を含むλd/2セル205の左端との間
隔、及び細い電極指202aと第1の電極指対202を
含むλd/2セル206の左端との間隔をα、太い電極
指201bと第1の電極指対201を含むλd/2セル
205の右端との間隔、及び太い電極指202bと第1
の電極指対202を含むλd/2セル206の右端との
間隔をβとしたとき、γはα+βよりも大きく、α<β
の関係を満足する構成である。
【0018】図2(b)において、一方向性電極104
の両側には両方向性電極105が配置される。ここで、
両方向性電極105は基本セル内に幅がλs/8の4本
の電極指を有し、その電極指の中心間隔はλs/4であ
る。即ち、両方向性電極105は、一方向性電極104
においてL2=L1=λd/8、かつα=β=γ/2=
λd/8、λd=λsとした構成に相当する。
の両側には両方向性電極105が配置される。ここで、
両方向性電極105は基本セル内に幅がλs/8の4本
の電極指を有し、その電極指の中心間隔はλs/4であ
る。即ち、両方向性電極105は、一方向性電極104
においてL2=L1=λd/8、かつα=β=γ/2=
λd/8、λd=λsとした構成に相当する。
【0019】このような弾性表面波フィルタにおいて
は、上述のように一方向性電極と両方向性電極とが含ま
れる構成であり、それぞれにおいて励起される弾性表面
波の周波数を一致させることが重要となる。図3に一方
向性電極の中心周波数の両方向性電極の中心周波数から
の変化量を示す。横軸は電極幅比率であり、縦軸は中心
周波数変化量である。図3において、対数(基本セル
数)は100であり、L1+L2=λd/4、規格化電
極膜厚(h/λs)は1.4%、両方向性電極の中心周
波数は200MHzに設定している。図3中の破線はλ
d=λsとした場合の特性である。図3の破線に示され
るように、電極幅比率を大きくするにつれて、一方向性
電極の中心周波数は両方向性電極の中心周波数から大き
くずれていく。
は、上述のように一方向性電極と両方向性電極とが含ま
れる構成であり、それぞれにおいて励起される弾性表面
波の周波数を一致させることが重要となる。図3に一方
向性電極の中心周波数の両方向性電極の中心周波数から
の変化量を示す。横軸は電極幅比率であり、縦軸は中心
周波数変化量である。図3において、対数(基本セル
数)は100であり、L1+L2=λd/4、規格化電
極膜厚(h/λs)は1.4%、両方向性電極の中心周
波数は200MHzに設定している。図3中の破線はλ
d=λsとした場合の特性である。図3の破線に示され
るように、電極幅比率を大きくするにつれて、一方向性
電極の中心周波数は両方向性電極の中心周波数から大き
くずれていく。
【0020】これは一方向性電極と両方向性電極とにお
ける弾性表面波の音速がずれることによって生じるもの
であり、この周波数のずれは、フィルタを構成する場
合、中でも急峻な減衰量、通過帯域内の平坦性が要求さ
れるようなフィルタにおいてはその特性劣化を招く一要
因と成り得る。本発明においては、一波長の基本セルの
長さを一方向性電極と両方向性電極とで異なる構成とす
ることにより、一方向性電極と両方向性電極の周波数を
等しくするものである。
ける弾性表面波の音速がずれることによって生じるもの
であり、この周波数のずれは、フィルタを構成する場
合、中でも急峻な減衰量、通過帯域内の平坦性が要求さ
れるようなフィルタにおいてはその特性劣化を招く一要
因と成り得る。本発明においては、一波長の基本セルの
長さを一方向性電極と両方向性電極とで異なる構成とす
ることにより、一方向性電極と両方向性電極の周波数を
等しくするものである。
【0021】図3の実線で示すのはλd>λsとした場
合の中心周波数の変化量である。L2/L1=2に対し
てはλd/λs=1.00009、L2/L1=3に対
してはλd/λs=1.00023としている。図3の
実線のようにλd>λsとすることにより、両方向性電
極と一方向性電極の中心周波数を一致させることが可能
となり、減衰特性、及び通過帯域内の平坦性を改善する
ことができる。
合の中心周波数の変化量である。L2/L1=2に対し
てはλd/λs=1.00009、L2/L1=3に対
してはλd/λs=1.00023としている。図3の
実線のようにλd>λsとすることにより、両方向性電
極と一方向性電極の中心周波数を一致させることが可能
となり、減衰特性、及び通過帯域内の平坦性を改善する
ことができる。
【0022】さらに、図4に示すのは、規格化膜厚に対
する電極幅比率とλd/λsの関係をグラフにしたもの
である。図4より電極幅比率とλd/λsの関係を近似
式で表すと以下のようになる。
する電極幅比率とλd/λsの関係をグラフにしたもの
である。図4より電極幅比率とλd/λsの関係を近似
式で表すと以下のようになる。
【0023】 規格化膜厚が1.0%のとき: λd/λs=1×10-5(L2/L1)2+2×10-5(L2/L1)+1 (式2) 規格化膜厚が1.4%のとき: λd/λs=2×10-5(L2/L1)2+3×10-5(L2/L1)+1 (式3) 規格化膜厚が1.8%のとき: λd/λs=4×10-5(L2/L1)2+3×10-5(L2/L1)+1 (式4) よって、規格化膜厚が大きくなるほど、同じ電極幅比率
に対してもλd/λsの値は大きくなり、λd>λsの
関係により周波数を調整することがより一層重要とな
る。
に対してもλd/λsの値は大きくなり、λd>λsの
関係により周波数を調整することがより一層重要とな
る。
【0024】(実施の形態2)図5は、本発明の実施の
形態2の弾性表面波フィルタを示すものである。図5に
おいて、501は圧電基板であり、圧電基板501の上
に、入力及び出力インターディジタルトランスデューサ
電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力IDT電
極502と出力IDT電極103とを所定の距離を設け
て配置することによって弾性表面波フィルタが構成され
る。入力IDT電極502は一方向性電極を含む構成で
あり、504は第1の一方向性電極基本セルである。ま
た、出力IDT電極503は一方向性電極を含む構成で
あり、505は第2の一方向性電極基本セルである。第
1、及び第2の一方向性電極基本セル504、505は
1波長(1λd)を基本としている。
形態2の弾性表面波フィルタを示すものである。図5に
おいて、501は圧電基板であり、圧電基板501の上
に、入力及び出力インターディジタルトランスデューサ
電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力IDT電
極502と出力IDT電極103とを所定の距離を設け
て配置することによって弾性表面波フィルタが構成され
る。入力IDT電極502は一方向性電極を含む構成で
あり、504は第1の一方向性電極基本セルである。ま
た、出力IDT電極503は一方向性電極を含む構成で
あり、505は第2の一方向性電極基本セルである。第
1、及び第2の一方向性電極基本セル504、505は
1波長(1λd)を基本としている。
【0025】図5において、第1の一方向性電極基本セ
ル504は、図2(a)で示した一方向性電極104と
同様の構成であり、弾性表面波は細い電極指から太い電
極指に向かう方向、即ち右方向の方向性を有する。ま
た、第2の一方向性電極基本セル505は、図2(a)
において、第1、及び第2の電極指対201、202に
おける細い電極と太い電極の位置がそれぞれ逆の構成で
あり、第2の一方向性電極基本セル505において、弾
性表面波は細い電極指から太い電極指に向かう方向、即
ち左方向の方向性を有する。
ル504は、図2(a)で示した一方向性電極104と
同様の構成であり、弾性表面波は細い電極指から太い電
極指に向かう方向、即ち右方向の方向性を有する。ま
た、第2の一方向性電極基本セル505は、図2(a)
において、第1、及び第2の電極指対201、202に
おける細い電極と太い電極の位置がそれぞれ逆の構成で
あり、第2の一方向性電極基本セル505において、弾
性表面波は細い電極指から太い電極指に向かう方向、即
ち左方向の方向性を有する。
【0026】図2(a)において、細い電極201a、
202aの電極指幅をL1、太い電極201b、202
bの電極指幅をL2とすると、一方向性電極の特性は細
い電極と太い電極の比である電極幅比率L2/L1に依
存する。
202aの電極指幅をL1、太い電極201b、202
bの電極指幅をL2とすると、一方向性電極の特性は細
い電極と太い電極の比である電極幅比率L2/L1に依
存する。
【0027】図6から図8に一方向性電極の電極幅比率
特性を示す。図6は一方向性電極のQ値の電極幅比率特
性を示す図であり、図7は一方向性電極の方向性の電極
幅比率特性を示す図であり、図8は挿入損失の電極幅比
率特性を示す図である。図6から図8において、それぞ
れの特性は、圧電基板として37°の回転Yカット水晶
基板を用い、一方向性電極の対数は200対、即ち一方
向性電極基本セルが200セルであり、電極膜厚hと波
長λの比である規格化膜厚がほぼ1%であり、L1+L
2=λ/4としたときの結果である。
特性を示す。図6は一方向性電極のQ値の電極幅比率特
性を示す図であり、図7は一方向性電極の方向性の電極
幅比率特性を示す図であり、図8は挿入損失の電極幅比
率特性を示す図である。図6から図8において、それぞ
れの特性は、圧電基板として37°の回転Yカット水晶
基板を用い、一方向性電極の対数は200対、即ち一方
向性電極基本セルが200セルであり、電極膜厚hと波
長λの比である規格化膜厚がほぼ1%であり、L1+L
2=λ/4としたときの結果である。
【0028】図6において、Q値は電極のキャパシタン
スCとコンダクタンスG、角周波数ωを用いてQ=ωC
/Gで表され、実効電気−機械結合係数とは逆比例の関
係にある。即ち、Q値が小さいほど弾性表面波の励起効
率は高くなる。また、図6のQ値は、L2/L1=1で
ある従来から一般に用いられているλs/8電極幅の双
方向性電極のQ値で規格化をしている。図6において、
実線は本発明の一方向性電極の特性を示し、破線は従来
のEWC−SPUDTの特性を示している。
スCとコンダクタンスG、角周波数ωを用いてQ=ωC
/Gで表され、実効電気−機械結合係数とは逆比例の関
係にある。即ち、Q値が小さいほど弾性表面波の励起効
率は高くなる。また、図6のQ値は、L2/L1=1で
ある従来から一般に用いられているλs/8電極幅の双
方向性電極のQ値で規格化をしている。図6において、
実線は本発明の一方向性電極の特性を示し、破線は従来
のEWC−SPUDTの特性を示している。
【0029】図6より明らかな様に、L2/L1≦2.
7において、本発明の一方向性電極の方が従来のEWC
−SPUDTよりも励起効率が改善されていることが分
かる。
7において、本発明の一方向性電極の方が従来のEWC
−SPUDTよりも励起効率が改善されていることが分
かる。
【0030】また、図7において、方向性とは所望の方
向への伝搬する弾性表面波と逆方向へ伝搬する弾性表面
波の大きさの比のことである。図7において、実線は本
発明の一方向性電極の特性を示し、破線は従来のEWC
−SPUDTの特性を示している。図7より、電極幅比
率を変えることによって、方向性を制御することが可能
であり、L2/L1≦2.2においては、本発明の一方
向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも方向性
が小さくなっていることが分かる。
向への伝搬する弾性表面波と逆方向へ伝搬する弾性表面
波の大きさの比のことである。図7において、実線は本
発明の一方向性電極の特性を示し、破線は従来のEWC
−SPUDTの特性を示している。図7より、電極幅比
率を変えることによって、方向性を制御することが可能
であり、L2/L1≦2.2においては、本発明の一方
向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも方向性
が小さくなっていることが分かる。
【0031】弾性表面波フィルタの挿入損失は、前述の
Q値と方向性のトレードオフの関係によって決定され
る。図8において、挿入損失は入力、及び出力IDT電
極に一方向性電極を用いて、それぞれの伝搬方向が向き
合うように配置したときの弾性表面波フィルタとしての
挿入損失である。図8において、実線は本発明の一方向
性電極の特性を示し、破線は従来のEWC−SPUDT
の特性を示している。図8より、1.6≦L2/L1≦
2.7において、本発明の一方向性電極の方が従来のE
WC−SPUDTよりも挿入損失が改善していることが
分かる。図8においてはL2/L1の値がほぼ2.0で
挿入損失が最小となり、EWC−SPUDTに比べても
約0.6dB改善している。
Q値と方向性のトレードオフの関係によって決定され
る。図8において、挿入損失は入力、及び出力IDT電
極に一方向性電極を用いて、それぞれの伝搬方向が向き
合うように配置したときの弾性表面波フィルタとしての
挿入損失である。図8において、実線は本発明の一方向
性電極の特性を示し、破線は従来のEWC−SPUDT
の特性を示している。図8より、1.6≦L2/L1≦
2.7において、本発明の一方向性電極の方が従来のE
WC−SPUDTよりも挿入損失が改善していることが
分かる。図8においてはL2/L1の値がほぼ2.0で
挿入損失が最小となり、EWC−SPUDTに比べても
約0.6dB改善している。
【0032】また、図8における低挿入損失化が実現で
きる電極幅比率L2/L1の範囲は電極の対数によって
変化する。図9に低挿入損失化の電極幅比率の対数依存
性を示す。図9において、対数は入力、あるいは出力I
DT電極の一方の対数であり、実線はEWC−SPUD
Tより低挿入損失となる電極幅比率の最小値であり、破
線はEWC−SPUDTより低挿入損失となる電極幅比
率の最大値となる。即ち、実線と破線の間の電極幅比率
を満足すれば、低損失化が実現できる。弾性表面波フィ
ルタの電極対数はフィルタサイズ、使用周波数、重み付
け関数によって異なるが、一般に、おおよそ50対から
250対の対数範囲で弾性表面波フィルタが構成され
る。よって、図9より、本発明の一方向性電極は電極幅
比率が1.4≦L2/L1≦4.2において、低挿入損
失化が実現できるものである。
きる電極幅比率L2/L1の範囲は電極の対数によって
変化する。図9に低挿入損失化の電極幅比率の対数依存
性を示す。図9において、対数は入力、あるいは出力I
DT電極の一方の対数であり、実線はEWC−SPUD
Tより低挿入損失となる電極幅比率の最小値であり、破
線はEWC−SPUDTより低挿入損失となる電極幅比
率の最大値となる。即ち、実線と破線の間の電極幅比率
を満足すれば、低損失化が実現できる。弾性表面波フィ
ルタの電極対数はフィルタサイズ、使用周波数、重み付
け関数によって異なるが、一般に、おおよそ50対から
250対の対数範囲で弾性表面波フィルタが構成され
る。よって、図9より、本発明の一方向性電極は電極幅
比率が1.4≦L2/L1≦4.2において、低挿入損
失化が実現できるものである。
【0033】また、さらに電極幅比率が1.4≦L2/
L1≦2.7の場合がより好ましい。図9から明らかな
ように、電極幅比率がL2/L1≦2.7以下では、Q
値を従来構成のEWC−SPUDTより下げることが可
能となり、波の励振効率を向上させることができ、さら
に低損失化が可能となる。
L1≦2.7の場合がより好ましい。図9から明らかな
ように、電極幅比率がL2/L1≦2.7以下では、Q
値を従来構成のEWC−SPUDTより下げることが可
能となり、波の励振効率を向上させることができ、さら
に低損失化が可能となる。
【0034】図10から図12に対数、及びh/λを変
化させたときの一方向性電極の対数−電極幅比率特性を
示す。図10から図12は従来のEWC−SPUDTに
比べて本発明の一方向性電極がそれぞれの特性において
改善される点をプロットしたものである。図10は一方
向性電極のQ値が改善される領域の対数−電極幅比率特
性を示す図であり、図11は一方向性電極の方向性が小
さくなる領域の対数−電極幅比率特性を示す図であり、
図12は挿入損失が小さくなる領域の対数−電極幅比率
特性を示す図である。図7から図9において、それぞれ
の特性は、圧電基板として37°の回転Yカット水晶基
板を用い、一方向性電極の対数は50から250対、即
ち一方向性電極基本セルが50から250セルであり、
規格化膜厚がほぼ1から2%であり、L1+L2=λd
/4としたときの結果である。
化させたときの一方向性電極の対数−電極幅比率特性を
示す。図10から図12は従来のEWC−SPUDTに
比べて本発明の一方向性電極がそれぞれの特性において
改善される点をプロットしたものである。図10は一方
向性電極のQ値が改善される領域の対数−電極幅比率特
性を示す図であり、図11は一方向性電極の方向性が小
さくなる領域の対数−電極幅比率特性を示す図であり、
図12は挿入損失が小さくなる領域の対数−電極幅比率
特性を示す図である。図7から図9において、それぞれ
の特性は、圧電基板として37°の回転Yカット水晶基
板を用い、一方向性電極の対数は50から250対、即
ち一方向性電極基本セルが50から250セルであり、
規格化膜厚がほぼ1から2%であり、L1+L2=λd
/4としたときの結果である。
【0035】図7において、白丸は規格化膜厚が1%、
白四角は規格化膜厚が1.5%、白三角は規格化膜厚が
2.0%のときのQ値が改善される点であり、それぞれ
実線より下の電極幅比率の領域で従来のEWC−SPU
DTに比べて本発明の一方向性電極のQ値が小さくな
り、励振効率が改善される。
白四角は規格化膜厚が1.5%、白三角は規格化膜厚が
2.0%のときのQ値が改善される点であり、それぞれ
実線より下の電極幅比率の領域で従来のEWC−SPU
DTに比べて本発明の一方向性電極のQ値が小さくな
り、励振効率が改善される。
【0036】即ち、図5より明らかな様に、対数、及び
規格化膜厚の全ての条件において、本発明の一方向性電
極は電極幅比率がL2/L1≦2.5において、本発明
の一方向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも
励起効率が改善されていることが分かる。
規格化膜厚の全ての条件において、本発明の一方向性電
極は電極幅比率がL2/L1≦2.5において、本発明
の一方向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも
励起効率が改善されていることが分かる。
【0037】また、図11において、白丸は規格化膜厚
が1%、白四角は規格化膜厚が1.5%、白三角は規格
化膜厚が2%のときの方向性が小さくなる点であり、そ
れぞれ実線より下の電極幅比率の領域で従来のEWC−
SPUDTに比べて本発明の一方向性電極の方向性が小
さくなる。図11より明らかな様に、対数、及び規格化
膜厚の全ての条件において、本発明の一方向性電極は電
極幅比率がL2/L1≦2.2においては、本発明の一
方向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも方向
性が小さくなっていることが分かる。
が1%、白四角は規格化膜厚が1.5%、白三角は規格
化膜厚が2%のときの方向性が小さくなる点であり、そ
れぞれ実線より下の電極幅比率の領域で従来のEWC−
SPUDTに比べて本発明の一方向性電極の方向性が小
さくなる。図11より明らかな様に、対数、及び規格化
膜厚の全ての条件において、本発明の一方向性電極は電
極幅比率がL2/L1≦2.2においては、本発明の一
方向性電極の方が従来のEWC−SPUDTよりも方向
性が小さくなっていることが分かる。
【0038】弾性表面波フィルタの挿入損失は、前述の
Q値と方向性のトレードオフの関係によって決定され
る。図12において、挿入損失は入力、及び出力IDT
電極に一方向性電極を用いて、それぞれの伝搬方向が向
き合うように配置したときの弾性表面波フィルタとして
の挿入損失である。図12において、白丸は規格化膜厚
が1%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小さ
くなる電極幅比率の最大値であり、黒丸は規格化膜厚が
1%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小さく
なる電極幅比率の最小値である。また、図12におい
て、白四角は規格化膜厚が1.5%のときのEWC−S
PUDTより挿入損失が小さくなる電極幅比率の最大値
であり、黒四角は規格化膜厚が1.5%のときのEWC
−SPUDTより挿入損失が小さくなる電極幅比率の最
小値である。また、図12において、白三角は規格化膜
厚が2%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小
さくなる電極幅比率の最大値であり、黒三角は規格化膜
厚が2%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小
さくなる電極幅比率の最小値である。即ち、それぞれの
最大値と最小値との間の電極幅比率を満足すれば、低損
失化が実現できる。
Q値と方向性のトレードオフの関係によって決定され
る。図12において、挿入損失は入力、及び出力IDT
電極に一方向性電極を用いて、それぞれの伝搬方向が向
き合うように配置したときの弾性表面波フィルタとして
の挿入損失である。図12において、白丸は規格化膜厚
が1%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小さ
くなる電極幅比率の最大値であり、黒丸は規格化膜厚が
1%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小さく
なる電極幅比率の最小値である。また、図12におい
て、白四角は規格化膜厚が1.5%のときのEWC−S
PUDTより挿入損失が小さくなる電極幅比率の最大値
であり、黒四角は規格化膜厚が1.5%のときのEWC
−SPUDTより挿入損失が小さくなる電極幅比率の最
小値である。また、図12において、白三角は規格化膜
厚が2%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小
さくなる電極幅比率の最大値であり、黒三角は規格化膜
厚が2%のときのEWC−SPUDTより挿入損失が小
さくなる電極幅比率の最小値である。即ち、それぞれの
最大値と最小値との間の電極幅比率を満足すれば、低損
失化が実現できる。
【0039】弾性表面波フィルタの電極対数はフィルタ
サイズ、使用周波数、重み付け関数によって異なるが、
図12から明らかなように、本発明の一方向性電極は電
極幅比率が1.1≦L2/L1≦4.2において、低挿
入損失化が実現できるものである。
サイズ、使用周波数、重み付け関数によって異なるが、
図12から明らかなように、本発明の一方向性電極は電
極幅比率が1.1≦L2/L1≦4.2において、低挿
入損失化が実現できるものである。
【0040】さらに、細い電極指201aと太い電極指
202aの間隔及び細い電極指201bと太い電極指2
02bの間隔をγとし、一方向性電極基本セル104を
2分割してλd/2セルを考えて、細い電極指201a
と第1の電極指対201を含むλd/2セル205の左
端との間隔、及び細い電極指202aと第1の電極指対
202を含むλd/2セル206の左端との間隔をα、
太い電極指201bと第1の電極指対201を含むλd
/2セル205の右端との間隔、及び太い電極指202
bと第1の電極指対202を含むλd/2セル206の
右端との間隔をβとしたとき、γはα+βよりも大き
く、α<βの関係を満足する。α<βとすることにより
対称性に優れることとなり、通過帯域内偏差を小さく、
通過帯域外減衰量を大きくすることができる。
202aの間隔及び細い電極指201bと太い電極指2
02bの間隔をγとし、一方向性電極基本セル104を
2分割してλd/2セルを考えて、細い電極指201a
と第1の電極指対201を含むλd/2セル205の左
端との間隔、及び細い電極指202aと第1の電極指対
202を含むλd/2セル206の左端との間隔をα、
太い電極指201bと第1の電極指対201を含むλd
/2セル205の右端との間隔、及び太い電極指202
bと第1の電極指対202を含むλd/2セル206の
右端との間隔をβとしたとき、γはα+βよりも大き
く、α<βの関係を満足する。α<βとすることにより
対称性に優れることとなり、通過帯域内偏差を小さく、
通過帯域外減衰量を大きくすることができる。
【0041】α、βの値に関して言えば、例えば、水晶
基板上において、L1+L2=λ/4であるときには、
電極指膜厚と波長の比である規格化膜厚がほぼ1%、
1.4%、1.8%におけるα、βは図13に示すよう
な関係となる。
基板上において、L1+L2=λ/4であるときには、
電極指膜厚と波長の比である規格化膜厚がほぼ1%、
1.4%、1.8%におけるα、βは図13に示すよう
な関係となる。
【0042】図13において、縦軸はα、及びβをλd
/16で規格化した値、α/(λd/16)、β/(λ
d/16)であり、横軸は電極幅比率(L2/L1)で
ある。図13において、白丸は規格化膜厚が1%のとき
のα/(λd/16)であり、黒丸は規格化膜厚が1%
のときのβ/(λd/16)である。また、図13にお
いて、白四角は規格化膜厚が1.5%のときのα/(λ
d/16)であり、黒四角は規格化膜厚が1.4%のと
きのβ/(λd/16)である。また、図13におい
て、白三角は規格化膜厚が1.8%のときのα/(λd
/16)であり、黒三角は規格化膜厚が1.8%のとき
のβ/(λd/16)である。
/16で規格化した値、α/(λd/16)、β/(λ
d/16)であり、横軸は電極幅比率(L2/L1)で
ある。図13において、白丸は規格化膜厚が1%のとき
のα/(λd/16)であり、黒丸は規格化膜厚が1%
のときのβ/(λd/16)である。また、図13にお
いて、白四角は規格化膜厚が1.5%のときのα/(λ
d/16)であり、黒四角は規格化膜厚が1.4%のと
きのβ/(λd/16)である。また、図13におい
て、白三角は規格化膜厚が1.8%のときのα/(λd
/16)であり、黒三角は規格化膜厚が1.8%のとき
のβ/(λd/16)である。
【0043】図14に示すのは、本発明の一方向性電極
の放射特性である。図14(a)は、α、β調整前の放
射特性であり、図14(b)はα、β調整後の放射特性
である。図14から明らかな様に、図13に従ってα、
βを調整することにより、周波数特性の対称性が優れる
ことが分かる。
の放射特性である。図14(a)は、α、β調整前の放
射特性であり、図14(b)はα、β調整後の放射特性
である。図14から明らかな様に、図13に従ってα、
βを調整することにより、周波数特性の対称性が優れる
ことが分かる。
【0044】以上のように膜厚比率、電極幅比率から
α、βを決定することにより、一方向性電極基本セル5
04において、弾性表面波の励起中心と反射中心の位相
関係によって、対称性に優れた右側に強い波を生じる。
また、一方向性電極基本セル505においても同様に、
弾性表面波の励起中心と反射中心の位相関係によって、
対称性に優れた左側に強い波を生じる。
α、βを決定することにより、一方向性電極基本セル5
04において、弾性表面波の励起中心と反射中心の位相
関係によって、対称性に優れた右側に強い波を生じる。
また、一方向性電極基本セル505においても同様に、
弾性表面波の励起中心と反射中心の位相関係によって、
対称性に優れた左側に強い波を生じる。
【0045】なお、規格化膜厚が変化すれば、これらの
α/(λd/16)、β/(λd/16)も変化する
が、γがα+βよりも大きく、α<βの関係については
規格化膜厚に関係なく同じである。
α/(λd/16)、β/(λd/16)も変化する
が、γがα+βよりも大きく、α<βの関係については
規格化膜厚に関係なく同じである。
【0046】以上説明したように本発明の一方向性電極
を用いた弾性表面波フィルタは、IDT電極内にEWC
−SPUDT電極のλ/4電極幅電極指のような反射器
としてのみの電極を配置することなく、弾性表面波の励
振に寄与する電極に反射器の役割を持たせる構成とする
ことにより、IDT電極のQ値、即ち実効電気−機械結
合係数を改善することができ、低損失化が実現できるも
のである。また、電極幅比率を変えることにより方向性
を制御することが可能となるものである。
を用いた弾性表面波フィルタは、IDT電極内にEWC
−SPUDT電極のλ/4電極幅電極指のような反射器
としてのみの電極を配置することなく、弾性表面波の励
振に寄与する電極に反射器の役割を持たせる構成とする
ことにより、IDT電極のQ値、即ち実効電気−機械結
合係数を改善することができ、低損失化が実現できるも
のである。また、電極幅比率を変えることにより方向性
を制御することが可能となるものである。
【0047】なお、本実施の形態では、一方向性電極基
本セルを用いた構成の説明であったが、これは、従来か
ら一般に用いられているλs/8電極幅の双方向性電極
やλ/4電極幅の双方向性電極を組み合わせた構成で用
いても、低挿入損失に関しては同様の効果が得られる。
この場合、一方向性電極基本セル504とλs/8電極
幅の双方向性電極の配置は、IDT電極における弾性表
面波の励起中心を一致させるために図2(b)に示すよ
うに示すようになる。また、一方向性電極基本セル50
4とλ/4電極幅の双方向性電極の配置は、IDT電極
における弾性表面波の励起中心を一致させるために図1
5に示すように示すようになる。
本セルを用いた構成の説明であったが、これは、従来か
ら一般に用いられているλs/8電極幅の双方向性電極
やλ/4電極幅の双方向性電極を組み合わせた構成で用
いても、低挿入損失に関しては同様の効果が得られる。
この場合、一方向性電極基本セル504とλs/8電極
幅の双方向性電極の配置は、IDT電極における弾性表
面波の励起中心を一致させるために図2(b)に示すよ
うに示すようになる。また、一方向性電極基本セル50
4とλ/4電極幅の双方向性電極の配置は、IDT電極
における弾性表面波の励起中心を一致させるために図1
5に示すように示すようになる。
【0048】なお、このような組み合わせに関しては、
これに限るものではなく、所望のフィルタ特性を得るた
めの重み付け関数により決定されるものである。
これに限るものではなく、所望のフィルタ特性を得るた
めの重み付け関数により決定されるものである。
【0049】なお、本実施の形態において、αとβの関
係を規格化膜厚がおおよそ1.0%、1.4%、1.8
%であり、L1+L2=λ/4として説明したが、h/
λはそれ以外の規格化膜厚でもよく、また、L1+L2
もλ/4で以外であっても、α<βを満足していれば、
本発明と同様の効果が得られる。
係を規格化膜厚がおおよそ1.0%、1.4%、1.8
%であり、L1+L2=λ/4として説明したが、h/
λはそれ以外の規格化膜厚でもよく、また、L1+L2
もλ/4で以外であっても、α<βを満足していれば、
本発明と同様の効果が得られる。
【0050】また、本実施の形態においては一方向性電
極の電極幅比率を1つとして説明したが、これは2つ以
上の電極幅比率を用いて方向性の異なる複数の一方向性
電極基本セルをIDT電極内に介在させることも可能で
ある。これにより、さらに重み付けの自由度が増すもの
である。
極の電極幅比率を1つとして説明したが、これは2つ以
上の電極幅比率を用いて方向性の異なる複数の一方向性
電極基本セルをIDT電極内に介在させることも可能で
ある。これにより、さらに重み付けの自由度が増すもの
である。
【0051】また、図13に示すα、βの調整は、本発
明の一方向性電極における励起中心と反射中心の位相を
調整すると共に、α<βとすることで、図2(a)、及
び図15に示す様にλs/8電極幅の双方向性電極やλ
/4電極幅の双方向性電極を同時に含むIDT電極構成
とした場合に、本発明の一方向性電極の励起中心と、λ
/8電極幅の双方向性電極やλ/4電極幅の双方向性電
極との励起中心を周期的に一致させる役割も担ってい
る。
明の一方向性電極における励起中心と反射中心の位相を
調整すると共に、α<βとすることで、図2(a)、及
び図15に示す様にλs/8電極幅の双方向性電極やλ
/4電極幅の双方向性電極を同時に含むIDT電極構成
とした場合に、本発明の一方向性電極の励起中心と、λ
/8電極幅の双方向性電極やλ/4電極幅の双方向性電
極との励起中心を周期的に一致させる役割も担ってい
る。
【0052】また、本発明の一方向性電極のみの構成を
考える場合には、電極位置を表すパラメータをα0、β
0としたとき、α0=β0=(α+β)/2としてもよ
く、この場合にも、周波数の対称性が優れるという効果
は同様である。
考える場合には、電極位置を表すパラメータをα0、β
0としたとき、α0=β0=(α+β)/2としてもよ
く、この場合にも、周波数の対称性が優れるという効果
は同様である。
【0053】また、本実施の形態において、第2の一方
向性電極505は第1の一方向性電極504における第
1、及び第2の電極指対201、202における細い電
極と太い電極の位置がそれぞれ逆の構成としたが、これ
は第1の一方向性電極を1波長を基本として左右対称の
構成であっても、電極指の位相関係が変化するだけであ
って、低挿入損失やフィルタ特性改善の効果に関しては
同じである。
向性電極505は第1の一方向性電極504における第
1、及び第2の電極指対201、202における細い電
極と太い電極の位置がそれぞれ逆の構成としたが、これ
は第1の一方向性電極を1波長を基本として左右対称の
構成であっても、電極指の位相関係が変化するだけであ
って、低挿入損失やフィルタ特性改善の効果に関しては
同じである。
【0054】なお、本実施の形態においては、圧電基板
として37°回転Yカット水晶基板を用いて説明をした
が、これは他のカット角でもよく、例えば、28°〜4
2°回転Yカット水晶基板を用いても同様の効果が得ら
れ、これらのカット角は電極の膜厚や使用温度範囲で最
適な温度特性が得られるように選ばれるものである。ま
た、圧電基板として、LiTaO3やLiNbO3、L
i2B4O7などの他の圧電基板を用いても同様の効果が
得られる。
として37°回転Yカット水晶基板を用いて説明をした
が、これは他のカット角でもよく、例えば、28°〜4
2°回転Yカット水晶基板を用いても同様の効果が得ら
れ、これらのカット角は電極の膜厚や使用温度範囲で最
適な温度特性が得られるように選ばれるものである。ま
た、圧電基板として、LiTaO3やLiNbO3、L
i2B4O7などの他の圧電基板を用いても同様の効果が
得られる。
【0055】(実施の形態3)図16は、本発明の実施
の形態3の弾性表面波フィルタを示すものである。図1
6において、1601は圧電基板であり、圧電基板16
01の上に、入力及び出力インターディジタルトランス
デューサ電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力
IDT電極1602と出力IDT電極1603とを所定
の距離を設けて配置することによって弾性表面波フィル
タが構成される。入力IDT電極1602、出力IDT
電極1603は一方向性電極を含む構成であり、160
4は第1の一方向性電極基本セル、1605は第2の一
方向性電極基本セルである。第1、及び第2の一方向性
電極基本セル1604、1605は1波長(1λ)を基
本としている。第1の一方向性電極基本セル1604
は、図5における第1の一方向性電極基本セル504と
同様の構成であり、弾性表面波は細い電極指から太い電
極指に向かう方向、即ち右方向の方向性を有する。ま
た、第2の一方向性電極基本セル1605は、図5にお
ける第1の一方向性電極基本セル505と同様の構成で
あり、弾性表面波は細い電極指から太い電極指に向かう
方向、即ち左方向の方向性を有する。
の形態3の弾性表面波フィルタを示すものである。図1
6において、1601は圧電基板であり、圧電基板16
01の上に、入力及び出力インターディジタルトランス
デューサ電極(以下IDT電極とする)を形成し、入力
IDT電極1602と出力IDT電極1603とを所定
の距離を設けて配置することによって弾性表面波フィル
タが構成される。入力IDT電極1602、出力IDT
電極1603は一方向性電極を含む構成であり、160
4は第1の一方向性電極基本セル、1605は第2の一
方向性電極基本セルである。第1、及び第2の一方向性
電極基本セル1604、1605は1波長(1λ)を基
本としている。第1の一方向性電極基本セル1604
は、図5における第1の一方向性電極基本セル504と
同様の構成であり、弾性表面波は細い電極指から太い電
極指に向かう方向、即ち右方向の方向性を有する。ま
た、第2の一方向性電極基本セル1605は、図5にお
ける第1の一方向性電極基本セル505と同様の構成で
あり、弾性表面波は細い電極指から太い電極指に向かう
方向、即ち左方向の方向性を有する。
【0056】図16において、入力IDT電極1602
に含まれる第1の一方向性電極基本セル1604は順方
向となり、第2の一方向性電極基本セル1605は逆方
向となる。また、出力IDT電極1603に含まれる第
1の一方向性電極基本セル1604は逆方向となり、第
2の一方向性電極基本セル1605は順方向となる。ま
た、第1、及び第2の一方向性電極基本セルが隣り合う
場合には、それぞれの電極配置は図17に示すようにな
る。
に含まれる第1の一方向性電極基本セル1604は順方
向となり、第2の一方向性電極基本セル1605は逆方
向となる。また、出力IDT電極1603に含まれる第
1の一方向性電極基本セル1604は逆方向となり、第
2の一方向性電極基本セル1605は順方向となる。ま
た、第1、及び第2の一方向性電極基本セルが隣り合う
場合には、それぞれの電極配置は図17に示すようにな
る。
【0057】図17(a)は第1の一方向性電極基本セ
ル1604−第2の方向性電極基本セル1605の構成
図であり、図17(b)は第2の一方向性電極基本セル
1605−第1の方向性電極基本セル1604の構成図
である。
ル1604−第2の方向性電極基本セル1605の構成
図であり、図17(b)は第2の一方向性電極基本セル
1605−第1の方向性電極基本セル1604の構成図
である。
【0058】図16に示す構成では、入力、及び出力I
DT電極に、それぞれ順方向、及び逆方向の方構成を有
する一方向性電極基本セルを介在させることにより、入
力、及び出力IDT電極内で弾性表面波の伝搬路を折り
返すことが可能となり、小型化、低挿入損失化が実現で
きるものである。このような技術は、リカーシブSPU
DTとして、従来から知られており、一般にはEWC−
SPUDT等の一方向性電極を用いて構成される。
DT電極に、それぞれ順方向、及び逆方向の方構成を有
する一方向性電極基本セルを介在させることにより、入
力、及び出力IDT電極内で弾性表面波の伝搬路を折り
返すことが可能となり、小型化、低挿入損失化が実現で
きるものである。このような技術は、リカーシブSPU
DTとして、従来から知られており、一般にはEWC−
SPUDT等の一方向性電極を用いて構成される。
【0059】本実施の形態においては、本発明の一方向
性電極基本セルを適用することにより、電極幅比率L2
/L1を変えて方向性の制御が可能となり、電極幅比率
を1.1≦L2/L1≦4.2とすることにより、低挿
入損失化が実現できるものである。また、規格化膜厚が
ほぼ1%のときには、電極幅比率が1.4≦L2/L1
≦2.7の場合がより好ましく、図6から明らかなよう
に、電極幅比率がL2/L1≦2.7以下では、Q値を
従来構成のEWC−SPUDTより下げることが可能と
なり、波の励振効率を向上させることができ、さらに逆
方向のSPUDTを含むフィルタにおいても低損失化が
可能となる。
性電極基本セルを適用することにより、電極幅比率L2
/L1を変えて方向性の制御が可能となり、電極幅比率
を1.1≦L2/L1≦4.2とすることにより、低挿
入損失化が実現できるものである。また、規格化膜厚が
ほぼ1%のときには、電極幅比率が1.4≦L2/L1
≦2.7の場合がより好ましく、図6から明らかなよう
に、電極幅比率がL2/L1≦2.7以下では、Q値を
従来構成のEWC−SPUDTより下げることが可能と
なり、波の励振効率を向上させることができ、さらに逆
方向のSPUDTを含むフィルタにおいても低損失化が
可能となる。
【0060】図18に弾性表面波フィルタの通過特性を
示す。図18において、実線が本発明における弾性表面
波フィルタの通過特性であり、破線が従来のEWC−S
PUDTにおける弾性表面波フィルタの通過特性であ
る。図18において(a)はh/λがおおよそ1%であ
り、(b)はh/λがおおよそ1.5%である。また、
図18(a)は周波数が100MHz帯であり、図15
(b)は周波数が200MHz帯であり、帯域幅等の設
計が若干異なる。
示す。図18において、実線が本発明における弾性表面
波フィルタの通過特性であり、破線が従来のEWC−S
PUDTにおける弾性表面波フィルタの通過特性であ
る。図18において(a)はh/λがおおよそ1%であ
り、(b)はh/λがおおよそ1.5%である。また、
図18(a)は周波数が100MHz帯であり、図15
(b)は周波数が200MHz帯であり、帯域幅等の設
計が若干異なる。
【0061】図18(a)において、圧電基板としては
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1%である。また、本発明における電極幅比
率はL2/L1=1.8である。図15より、本発明に
おける弾性表面波フィルタの挿入損失は8.7dBであ
り、従来の10.2dBに比べ、1.5dBの低挿入損
失化が実現している。
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1%である。また、本発明における電極幅比
率はL2/L1=1.8である。図15より、本発明に
おける弾性表面波フィルタの挿入損失は8.7dBであ
り、従来の10.2dBに比べ、1.5dBの低挿入損
失化が実現している。
【0062】図18(b)において、圧電基板としては
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1.5%である。また、本発明における電極
幅比率はL2/L1=1.8である。図15(b)よ
り、本発明における弾性表面波フィルタの挿入損失は
9.8dBであり、従来の10.8dBに比べ、1.0
dBの低挿入損失化が実現している。
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1.5%である。また、本発明における電極
幅比率はL2/L1=1.8である。図15(b)よ
り、本発明における弾性表面波フィルタの挿入損失は
9.8dBであり、従来の10.8dBに比べ、1.0
dBの低挿入損失化が実現している。
【0063】以上より、規格化膜厚や周波数、さらに設
計の異なるフィルタにおいても、本発明の一方向性電極
は従来のEWC−SPUDTに比べて低挿入損失化が実
現しているものである。
計の異なるフィルタにおいても、本発明の一方向性電極
は従来のEWC−SPUDTに比べて低挿入損失化が実
現しているものである。
【0064】また、図19に弾性表面波フィルタの通過
特性を示す。図19(a)において、圧電基板としては
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1%である。また、図10に示すα、βの値
を用いて放射特性が対称性に優れるように調整をしてい
る。図19(a)は電極幅比率がL2/L1=1.8の
弾性表面波フィルタの通過特性であり、図19(b)は
電極幅比率がL2/L1=2.2の弾性表面波フィルタ
の通過特性であり、図19(c)は電極幅比率がL2/
L1=2.6の弾性表面波フィルタの通過特性であり、
図19(d)は従来のEWC−SPUDTを用いた弾性
表面波フィルタの通過特性である。また、図19の縦軸
は最小挿入損失で規格化している。
特性を示す。図19(a)において、圧電基板としては
37°回転Yカット水晶基板を用いており、規格化膜厚
がおおよそ1%である。また、図10に示すα、βの値
を用いて放射特性が対称性に優れるように調整をしてい
る。図19(a)は電極幅比率がL2/L1=1.8の
弾性表面波フィルタの通過特性であり、図19(b)は
電極幅比率がL2/L1=2.2の弾性表面波フィルタ
の通過特性であり、図19(c)は電極幅比率がL2/
L1=2.6の弾性表面波フィルタの通過特性であり、
図19(d)は従来のEWC−SPUDTを用いた弾性
表面波フィルタの通過特性である。また、図19の縦軸
は最小挿入損失で規格化している。
【0065】図19より明らかな様に、電極幅比率を大
きくするにつれて、通過帯域の両端の部分が大きく欠け
ていき、L2/L1=2.6ではEWC−SPUDTを
用いた場合と同じ程度、通過特性が傾く。これは、ID
T電極内での反射、即ち方向性に起因するところが大き
く、L2/L1=1.8の通過特性から分かるように、
方向性が小さいところでは、IDT電極内での反射の影
響が小さく、フィルタの通過特性に傾きが現れない。
きくするにつれて、通過帯域の両端の部分が大きく欠け
ていき、L2/L1=2.6ではEWC−SPUDTを
用いた場合と同じ程度、通過特性が傾く。これは、ID
T電極内での反射、即ち方向性に起因するところが大き
く、L2/L1=1.8の通過特性から分かるように、
方向性が小さいところでは、IDT電極内での反射の影
響が小さく、フィルタの通過特性に傾きが現れない。
【0066】以上より、図11から分かるように、電極
幅比率がL2/L1≦2.2では、従来のEWC−SP
UDTよりも方向性が弱くすることができる。その結
果、IDT電極内の一方向性電極基本セルでの弾性表面
波の反射を小さくできるので、さらに低挿入損失化が実
現でき、また、図16に示したように、L2/L1≦
2.2とすることによりIDT電極内の反射が小さいた
め通過帯域内の平坦性にも優れたフィルタ特性が得られ
る。
幅比率がL2/L1≦2.2では、従来のEWC−SP
UDTよりも方向性が弱くすることができる。その結
果、IDT電極内の一方向性電極基本セルでの弾性表面
波の反射を小さくできるので、さらに低挿入損失化が実
現でき、また、図16に示したように、L2/L1≦
2.2とすることによりIDT電極内の反射が小さいた
め通過帯域内の平坦性にも優れたフィルタ特性が得られ
る。
【0067】よって、本発明の一方向性電極を用いて一
方向、及びそれと反対方向の特性を有するフィルタを構
成する場合には、低挿入損失が実現できると共に、対
数、及び規格化膜厚の全ての条件において、電極幅比率
が1.1≦L2/L1≦2.2の範囲内とすることによ
り、通過帯域内の平坦性に優れた弾性表面波フィルタを
得ることが可能となる。
方向、及びそれと反対方向の特性を有するフィルタを構
成する場合には、低挿入損失が実現できると共に、対
数、及び規格化膜厚の全ての条件において、電極幅比率
が1.1≦L2/L1≦2.2の範囲内とすることによ
り、通過帯域内の平坦性に優れた弾性表面波フィルタを
得ることが可能となる。
【0068】以上説明したように、本発明の一方向性電
極を用いて弾性表面波フィルタを構成することにより、
低挿入損失化、通過帯域内の平坦性が実現できるもので
ある。
極を用いて弾性表面波フィルタを構成することにより、
低挿入損失化、通過帯域内の平坦性が実現できるもので
ある。
【0069】なお、本実施の形態においてフィルタを構
成する場合でもλd>λsの関係は実施の形態1と同様
であり、これにより一方向性電極と双方向性電極の周波
数を一致させることができ、良好なフィルタ特性が実現
できる。
成する場合でもλd>λsの関係は実施の形態1と同様
であり、これにより一方向性電極と双方向性電極の周波
数を一致させることができ、良好なフィルタ特性が実現
できる。
【0070】なお、本実施の形態では、一方向性電極基
本セルを用いた構成の説明であったが、これは、図12
と同様に、従来から一般に用いられているλs/8電極
幅の双方向性電極やλ/4電極幅の双方向性電極を組み
合わせた構成で用いても、低挿入損失に関しては同様の
効果が得られる。なお、このような組み合わせに関して
は、これに限るものではなく、所望のフィルタ特性を得
るための重み付け関数により決定されるものである。
本セルを用いた構成の説明であったが、これは、図12
と同様に、従来から一般に用いられているλs/8電極
幅の双方向性電極やλ/4電極幅の双方向性電極を組み
合わせた構成で用いても、低挿入損失に関しては同様の
効果が得られる。なお、このような組み合わせに関して
は、これに限るものではなく、所望のフィルタ特性を得
るための重み付け関数により決定されるものである。
【0071】なお、本実施の形態において、αとβの関
係を規格化膜厚がおおよそ1%、1.5%、2%であ
り、L1+L2=λd/4として説明したが、h/λは
それ以外の膜厚比率でもよく、また、L1+L2もλd
/4で以外であっても、α<βを満足していれば、本発
明と同様の効果が得られる。
係を規格化膜厚がおおよそ1%、1.5%、2%であ
り、L1+L2=λd/4として説明したが、h/λは
それ以外の膜厚比率でもよく、また、L1+L2もλd
/4で以外であっても、α<βを満足していれば、本発
明と同様の効果が得られる。
【0072】また、本実施の形態においては一方向性電
極の電極幅比率を1つとして説明したが、これは2つ以
上の電極幅比率を用いて方向性の異なる複数の一方向性
電極基本セルをIDT電極内に介在させることも可能で
ある。これにより、さらに重み付けの自由度が増すもの
である。
極の電極幅比率を1つとして説明したが、これは2つ以
上の電極幅比率を用いて方向性の異なる複数の一方向性
電極基本セルをIDT電極内に介在させることも可能で
ある。これにより、さらに重み付けの自由度が増すもの
である。
【0073】なお、本実施の形態においては、圧電基板
として37°回転Yカット水晶基板を用いて説明をした
が、これは他のカット角でもよく、例えば、28°〜4
2°回転Yカット水晶基板を用いても同様の効果が得ら
れ、これらのカット角は電極の膜厚や使用温度範囲で最
適な温度特性が得られるように選ばれるものである。ま
た、圧電基板として、LiTaO3やLiNbO3、Li
2B4O7などの他の圧電基板を用いても同様の効果が得
られる。
として37°回転Yカット水晶基板を用いて説明をした
が、これは他のカット角でもよく、例えば、28°〜4
2°回転Yカット水晶基板を用いても同様の効果が得ら
れ、これらのカット角は電極の膜厚や使用温度範囲で最
適な温度特性が得られるように選ばれるものである。ま
た、圧電基板として、LiTaO3やLiNbO3、Li
2B4O7などの他の圧電基板を用いても同様の効果が得
られる。
【0074】また、本実施の形態においては、第1、及
び第2の一方向性電極基本セルの配置は、所望のフィル
タ特性を得るための重み付け関数によって定義されるも
のであり、これに限るものではない。
び第2の一方向性電極基本セルの配置は、所望のフィル
タ特性を得るための重み付け関数によって定義されるも
のであり、これに限るものではない。
【0075】また、本実施の形態においては、入力、及
び出力IDT電極の両方に本発明の一方向性電極を含む
構成としたが、これはどちらか一方が本発明の一方向性
電極を含む構成であっても構わない。
び出力IDT電極の両方に本発明の一方向性電極を含む
構成としたが、これはどちらか一方が本発明の一方向性
電極を含む構成であっても構わない。
【0076】また、本発明の弾性表面波フィルタは入出
力インピーダンスが従来のEWC−SPUDTを用いた
弾性表面波フィルタよりも低くすることができ、弾性表
面波フィルタの前段、後段に接続されるデバイスとのイ
ンピーダンス整合がとりやすくなり、本発明の弾性表面
波フィルタを通信機器に搭載することでより高性能な通
信機器を実現できる。
力インピーダンスが従来のEWC−SPUDTを用いた
弾性表面波フィルタよりも低くすることができ、弾性表
面波フィルタの前段、後段に接続されるデバイスとのイ
ンピーダンス整合がとりやすくなり、本発明の弾性表面
波フィルタを通信機器に搭載することでより高性能な通
信機器を実現できる。
【0077】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によると、帯域内平坦性、高減衰特性に優れる低
損失な弾性表面波フィルタを提供することができるもの
である。
本発明によると、帯域内平坦性、高減衰特性に優れる低
損失な弾性表面波フィルタを提供することができるもの
である。
【図1】本発明の実施の形態1の弾性表面波フィルタの
構成図
構成図
【図2】(a)は、本発明の実施の形態1の一方向性電
極の拡大図 (b)は、本発明の実施の形態1の一方向性電極と双方
向性電極の組み合わせ構成図
極の拡大図 (b)は、本発明の実施の形態1の一方向性電極と双方
向性電極の組み合わせ構成図
【図3】電極幅比率と周波数変化量の関係を示す図
【図4】電極幅比率とλd/λsの関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態2の弾性表面波フィルタの
構成図
構成図
【図6】一方向性電極のQ値の電極幅比率特性を示す図
【図7】一方向性電極の方向性の電極幅比率特性を示す
図
図
【図8】挿入損失の電極幅比率特性を示す図
【図9】低挿入損失化を実現する電極幅比率の対数依存
性を示す図
性を示す図
【図10】一方向性電極のQ値が改善される領域の対数
−電極幅比率特性を示す図
−電極幅比率特性を示す図
【図11】一方向性電極の方向性が小さくなる領域の対
数−電極幅比率特性を示す図
数−電極幅比率特性を示す図
【図12】挿入損失が小さくなる領域の対数−電極幅比
率特性を示す図
率特性を示す図
【図13】α/(λd/16)、β/(λd/16)の
電極幅比率特性を示す図
電極幅比率特性を示す図
【図14】(a)は、α、β調整前の一方向性電極の放
射特性を示す図 (b)は、α、β調整後の一方向性電極の放射特性を示
す図
射特性を示す図 (b)は、α、β調整後の一方向性電極の放射特性を示
す図
【図15】λ/4電極幅の双方向性電極と一方向性電極
基本セルの構成図
基本セルの構成図
【図16】本発明の実施の形態3の弾性表面波フィルタ
の構成図
の構成図
【図17】(a)、(b)は、一方向性電極基本セルと
両方向性電極基本セルの配置図
両方向性電極基本セルの配置図
【図18】(a)、(b)は、本実施の形態における弾
性表面波フィルタの通過特性を示す図
性表面波フィルタの通過特性を示す図
【図19】(a)は、L2/L1=1.8のときの弾性
表面波フィルタの通過特性を示す図 (b)は、L2/L1=2.2のときの弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す図 (c)は、L2/L1=2.6のときの弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す図 (d)は、EWC−SPUDTを用いたときの弾性表面
波フィルタの通過特性を示す図
表面波フィルタの通過特性を示す図 (b)は、L2/L1=2.2のときの弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す図 (c)は、L2/L1=2.6のときの弾性表面波フィ
ルタの通過特性を示す図 (d)は、EWC−SPUDTを用いたときの弾性表面
波フィルタの通過特性を示す図
【図20】(a)は、従来の弾性表面波フィルタの構成
図 (b)は、従来の一方向性電極の拡大図
図 (b)は、従来の一方向性電極の拡大図
【図21】(a)は、従来の一方向性電極の基本区間を
構成図 (b)は、従来の両方向性電極の基本区間を構成図
構成図 (b)は、従来の両方向性電極の基本区間を構成図
【図22】(a)は、従来の弾性表面波フィルタの構成
図 (b)は、従来の一方向性電極の拡大図
図 (b)は、従来の一方向性電極の拡大図
101,501,1601,2001,2201 圧電
基板 102,502,1602,2002,2206 入力
IDT電極 103,503,1603,2003,2207 出力
IDT電極 104,106,504,505,1604,160
5,2004,2005一方向性電極 105,107 両方向性電極 2202a,2202b,2203a,2203b 櫛
電極対 2204a,2204b,2205a,2205b 引
き出し電極 201,202 電極指対 201a,201b,202a,202b 電極指 203,204 引き出し電極 205,206 λ/2セル
基板 102,502,1602,2002,2206 入力
IDT電極 103,503,1603,2003,2207 出力
IDT電極 104,106,504,505,1604,160
5,2004,2005一方向性電極 105,107 両方向性電極 2202a,2202b,2203a,2203b 櫛
電極対 2204a,2204b,2205a,2205b 引
き出し電極 201,202 電極指対 201a,201b,202a,202b 電極指 203,204 引き出し電極 205,206 λ/2セル
フロントページの続き (72)発明者 西村 和紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井垣 努 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 都築 茂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松波 賢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石崎 俊雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA01 AA15 AA16 BB11 CC15 DD04 DD07 DD13 GG02 KK04
Claims (15)
- 【請求項1】 圧電基板と、前記圧電基板上に少なくと
も2つのインターディジタルトランスデューサ電極とを
備え、少なくとも1つの前記インターディジタルトラン
スデューサ電極は一方向性電極と両方向電極を含む構成
であり、前記一方向性電極の基本セルの長さが前記両方
向性電極の基本セルの長さよりも長いことを特徴とする
弾性表面波フィルタ。 - 【請求項2】 前記一方向性電極の基本セルの長さをλ
dとし、前記両方向性電極の基本セルの長さをλsとし
たときにλd/λsが1より大きい構成であって、電極
の膜厚が厚くなるにつれてλd/λsが大きくなること
を特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項3】 前記一方向性電極における電極膜厚と前
記両方向性電極における電極膜厚とが等しいことを特徴
とする請求項2に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項4】 前記一方向性電極は1波長の長さで規定
される基本セル内に4本の電極指を有し、前記4本の電
極指は2本の電極指対を形成し、他の電極指対とはお互
いに交差する構成であって、前記2つの電極指対におい
て隣り合う電極指の電極幅が異なっており、細い電極指
の電極幅(L1)と太い電極指の電極幅(L2)の電極
幅比率(L2/L1)が1より大きい構成であり、前記
両方向性電極は1波長の長さで規定される基本セル内に
等幅の電極指を有する構成であって、前記一方向性電極
の基本セルの長さをλdとし、前記両方向性電極の基本
セルの長さをλsとしたときにλd/λsが1より大き
い構成であって、L2/L1を大きくするにつれてλd
/λsが大きくなり、電極の膜厚が厚くなるにつれてλ
d/λsが大きくなることを特徴とする請求項1に記載
の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項5】 前記一方向性電極の電極指対における細
い電極指と太い電極指の間隔を波長/8より大きくする
ことにより、前記一方向性電極における電極指の励起中
心と反射中心の位相差をほぼ45度とすることを特徴と
する請求項4に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項6】 前記電極指対が(数1)を満足する構成
であることを特徴とする請求項4または5に記載の弾性
表面波フィルタ。 (数1) γ>α+β α<β ただし、 γ:電極指対における細い電極指と太い電極指間の距離 α:IDT電極を半波長単位で区切った領域の左端と細
い電極指との距離 β:IDT電極を半波長単位で区切った領域の右端と太
い電極指との距離 - 【請求項7】 (数1)におけるα、βが少なくとも1
つの前記インターディジタルトランスデューサ電極の放
射特性が中心周波数に対して左右対称となるように調整
されていることを特徴とする請求項6に記載の弾性表面
波フィルタ。 - 【請求項8】 前記一方向性電極の電極指対における電
極幅比率が1.1≦(L2/L1)≦4.2の範囲であ
ることを特徴とする請求項1、4または6に記載の弾性
表面波フィルタ。 - 【請求項9】 前記一方向性電極の電極指対における電
極幅比率が1.1≦(L2/L1)≦2.5の範囲であ
ることを特徴とする請求項1、4または6に記載の弾性
表面波フィルタ。 - 【請求項10】 少なくとも1つのインターディジタル
トランスデューサ電極において、一方向に弾性表面波を
強める第1の一方向性電極と前記方向と反対の方向に弾
性表面波を強める第2の一方向性電極が含まれることを
特徴とする請求項7または8に記載の弾性表面波フィル
タ。 - 【請求項11】 前記第1の一方向性電極と前記第2の
一方向性電極は細い電極指と太い電極指の位置を入れ換
えることにより構成されることを特徴とする請求項10
に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項12】 前記一方向性電極の電極指対における
電極幅比率が1.1≦(L2/L1)≦2.2の範囲で
あることを特徴とする請求項11に記載の弾性表面波フ
ィルタ。 - 【請求項13】 前記インターディジタルトランスデュ
ーサ電極において、2つ以上の電極幅比率により構成さ
れる複数の方向性の強さを有する一方向性電極によって
構成されることを特徴とした請求項1から12のいずれ
か1項に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項14】 前記圧電基板が28°〜42°の回転
Yカット水晶基板であることを特徴とする請求項1から
13のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタ。 - 【請求項15】 請求項1から14のいずれか1項に記
載の弾性表面波を搭載した通信機器。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2001131405A JP2002330048A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 弾性表面波フィルタ及びこれを用いた通信機器 |
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Country | Link |
---|---|
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JP (1) | JP2002330048A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6806619B2 (en) | 2001-10-16 | 2004-10-19 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Interdigital transducer, surface acoustic wave filter, and radio communication apparatus |
JP2009509430A (ja) * | 2005-09-23 | 2009-03-05 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 表面波で作動する変換器 |
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DE10345239B4 (de) * | 2003-09-29 | 2013-09-05 | Epcos Ag | Mit Oberflächenwellen arbeitender Wandler |
DE102004045008B4 (de) * | 2004-09-16 | 2015-09-10 | Epcos Ag | Mit Oberflächenwellen arbeitender Wandler |
US8436509B1 (en) * | 2008-07-08 | 2013-05-07 | Saudia Corporation | High-frequency shear-horizontal surface acoustic wave sensor |
JP5930532B2 (ja) * | 2012-06-01 | 2016-06-08 | 日本電波工業株式会社 | 圧電振動片及び圧電デバイス |
DE102012107049B4 (de) | 2012-08-01 | 2017-10-05 | Snaptrack, Inc. | Elektroakustischer Wandler |
FR3079101B1 (fr) * | 2018-03-16 | 2020-11-06 | Frecnsys | Structure de transducteur pour suppression de source dans les dispositifs de filtres a ondes acoustiques de surface |
WO2022251596A1 (en) * | 2021-05-27 | 2022-12-01 | The Regents Of The University Of California | Unapodization |
Family Cites Families (6)
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---|---|---|---|---|
JPS5944802B2 (ja) * | 1977-07-11 | 1984-11-01 | 株式会社日立製作所 | 弾性表面波素子 |
US4162465A (en) | 1977-09-14 | 1979-07-24 | University Of Illinois Foundation | Surface acoustic wave device with reflection suppression |
JP2000091869A (ja) | 1998-07-15 | 2000-03-31 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 弾性表面波フィルタとこれを用いた通信機器 |
JP3493308B2 (ja) | 1998-08-28 | 2004-02-03 | 東洋通信機株式会社 | トランスバーサルsawフィルタ |
US6246150B1 (en) | 1999-10-28 | 2001-06-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Surface acoustic wave device |
US6469598B2 (en) * | 2001-03-12 | 2002-10-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | SAW filter with unidirectional transducer and communication apparatus using the same |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001131405A patent/JP2002330048A/ja not_active Withdrawn
-
2002
- 2002-04-01 US US10/114,866 patent/US6710683B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6806619B2 (en) | 2001-10-16 | 2004-10-19 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Interdigital transducer, surface acoustic wave filter, and radio communication apparatus |
US6870302B2 (en) | 2001-10-16 | 2005-03-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Interdigital transducer, surface acoustic wave filter, and radio communication apparatus |
JP2009509430A (ja) * | 2005-09-23 | 2009-03-05 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 表面波で作動する変換器 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
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