[go: up one dir, main page]

JP2002324518A - メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置 - Google Patents

メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置

Info

Publication number
JP2002324518A
JP2002324518A JP2001130211A JP2001130211A JP2002324518A JP 2002324518 A JP2002324518 A JP 2002324518A JP 2001130211 A JP2001130211 A JP 2001130211A JP 2001130211 A JP2001130211 A JP 2001130211A JP 2002324518 A JP2002324518 A JP 2002324518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal halide
halide lamp
discharge
discharge vessel
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001130211A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Kamimura
幸三 上村
Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
Toshio Hiruta
寿男 蛭田
Mikio Matsuda
幹男 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Harison Toshiba Lighting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp, Harison Toshiba Lighting Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP2001130211A priority Critical patent/JP2002324518A/ja
Publication of JP2002324518A publication Critical patent/JP2002324518A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動時における赤色系の発光時間を短縮させ
ることができる水銀レスのメタルハライドランプ、メタ
ルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置を
提供する。 【解決手段】 メタルハライドランプ1は、放電空間2
aと放電空間2aの両端に設けられた封止部2bとを有
する放電容器2と、封止部2bから放電空間2aにかけ
て対向するように配設された、放電空間2aに突出して
いる突出部3cを有する一対の電極3とを有している。
また、メタルハライドランプ1を50時間以上点灯させ
た状態では、消灯時に、突出部3cに0.005mg以
上かつ放電容器2内に存在している遊離ハロゲン7全重
量に対して60重量%以上の遊離ハロゲン7が付着して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、メタルハライドラ
ンプと、それを用いたメタルハライドランプ点灯装置及
び自動車用前照灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、発光管内に水
銀および希ガスと共に各種のハロゲン化金属(メタルハ
ライド)を封入することにより、ランプの発光効率や演
色性を向上させたものである。このように、メタルハラ
イドランプは高効率、高演色性などの特徴を有すること
から、店舗照明や道路照明などの一般照明用として幅広
く使用されている。さらに、自動車の前照灯装置におい
ても、光源としてメタルハライドランプが使用されるよ
うになってきている。
【0003】上述したように、従来のメタルハライドラ
ンプにおいては、放電媒体の一部として水銀を用いたも
のが一般的である。しかし、環境問題が深刻化してきて
いる現在では、照明分野においても環境負荷が大きい水
銀の使用を減少させることが求められており、さらには
ランプ全般から水銀を廃絶することが非常に重要な問題
として考えられている。
【0004】このような問題に対して、メタルハライド
ランプにおいても水銀を使用しないための対策がいくつ
か提案されている。例えば、特許第2982198号公
報や特開平6−84496号公報には、スカンジウム
(Sc)、ナトリウム(Na)、希土類元素などのハロ
ゲン化物と希ガスを放電媒体として封入したメタルハラ
イドランプが記載されている。
【0005】特開平11−238488号公報には、主
発光物質である第1のハロゲン化物に加えて、蒸気圧が
高くて発光しにくい第2のハロゲン化物を封入したメタ
ルハライドランプが記載されている。さらに、特開平1
1−307048号公報には、ScとNaのハロゲン化
物に加えて、第3の添加物としてイットリウム(Y)や
インジウム(In)のハロゲン化物などを封入したメタ
ルハライドランプが記載されている。これらはいずれも
水銀(Hg)を用いないことに基づく種々の問題に対処
したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した水
銀を用いないメタルハライドランプ(水銀レスメタルハ
ライドランプ)においては、放電媒体の一部として水銀
を使用しないことに基づいて、新たに以下に示すような
問題が生じている。
【0007】即ち、メタルハライドランプをある程度点
灯させると、メタルハライドの一部が分解され、遊離ハ
ロゲンが生成される。水銀を使用したメタルハライドラ
ンプでは、生成された遊離ヨウ素は水銀と反応してヨウ
化水銀等になるので、発光管内にほぼ存在しないが、水
銀レスメタルハライドランプでは、水銀が実質的に存在
しないため、遊離ハロゲンが発光管内に存在する。この
ような遊離ハロゲンは、気体状態では有色である。具体
的には気体状態の遊離ヨウ素は赤紫色である。従って、
発光管内に遊離ヨウ素が気体状態で存在している場合に
は、メタルハライドランプは赤紫色に発光する。なお、
この遊離ヨウ素は放電により分解されるので、この分解
とともに赤紫色の発光も消失する。ところで、交通上、
赤紫色のような赤色系の色は、危険を表す色である。従
って、水銀レスメタルハライドランプを自動車の前照灯
光源として使用した場合には、赤色系の発光時間は短い
方がよい。しかしながら、メタルハライドランプの始動
時における赤色系の発光時間が長いという問題がある。
【0008】また、例えば、メタルハライドランプを自
動車の前照灯光源として使用する場合には、安全上の問
題から光束立ち上がりの早さが要求される。水銀を使用
したメタルハライドランプでは、水銀の発光と安定時の
2倍以上の電力を始動時に投入することで光束立ち上が
りを早めている。しかしながら、水銀レスメタルハライ
ドランプでは、水銀が実質的に存在しないため、水銀の
発光がなく、光束立ち上がりが遅いという問題がある。
【0009】本発明は上記従来の問題を解決するために
なされたものである。即ち、始動時における赤色系の発
光時間を短縮させることができる水銀レスのメタルハラ
イドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動
車用前照灯装置を提供することを目的とする。また、光
束立ち上がりを早めることができる水銀レスのメタルハ
ライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自
動車用前照灯装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】請求項1記載の発明の
メタルハライドランプは、放電空間と前記放電空間の両
端に設けられた封止部とを有する放電容器と;前記封止
部から前記放電空間にかけて対向するように配設され
た、前記放電空間に突出している突出部を有する一対の
電極と;前記各封止部に気密に封止されるとともに前記
各電極に接合された金属箔と;前記各金属箔に接合され
るとともに前記放電容器外に導出された外部リードと;
前記放電容器内に封入され、ハロゲン化金属と希ガスと
を含み、かつ本質的に水銀を含まない放電媒体と;を具
備するメタルハライドランプであって、50時間以上点
灯させた前記メタルハライドランプの消灯時に、前記突
出部に0.005mg以上かつ前記放電容器内に存在し
ている固体状の遊離ハロゲン全重量に対して60重量%
以上の前記固体状の遊離ハロゲンが付着していることを
特徴とする。
【0011】上述した請求項1記載の発明および以下に
示す各発明において、特に指定しない限り用語の定義お
よび技術的意味は次による。
【0012】(放電容器について)放電容器は、耐火性
で透光性の気密容器により構成されており、放電空間と
その両端に設けられた封止部とを有する。気密容器は、
放電ランプの通常の作動温度に十分耐え得る耐火性を備
え、かつ放電によって発生した所望波長域の可視光を外
部に導出することができれば、どのよう材料で作られて
いてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、Y
AGなどのセラミックス、またはこれらの単結晶などを
用いることができる。なお、必要に応じて、気密容器の
内面に耐ハロゲン性または耐金属性の透明性被膜を形成
するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0013】(電極について)一対の電極は、前記封止
部から前記放電空間にかけて対向するように配設され、
前記放電空間に突出している突出部を有するものであ
る。本発明のメタルハライドランプは、交流および直流
のいずれで点灯するように構成してもよい。交流で作動
させる場合には、一対の電極は同一構造とすることがで
きる。
【0014】突出部とは、電極の放電容器内に露出して
いる部分。なお、突出部の長さを放電突出長という。
【0015】また、本発明のメタルハライドランプを自
動車前照灯用として用いる場合には、突出部の先端部の
径を根元部の径より大きくすると好都合である。すなわ
ち、自動車前照灯ではランプの点滅回数が非常に多くな
ると共に、始動時には定常時より大きな電流を流すた
め、突出部の先端部の径を根元部の径より大きくするこ
とで頻繁な点滅に対応させることができ、また電極の封
止部に封しされている部分の径を細くすることで封止部
におけるクラックの発生を抑制することができる。さら
に、直流で作動させる場合には、一般に陽極は温度上昇
が激しいので、同様に陽極の先端部の径を大きくして放
熱面積を大きくすることが好ましい。なお、陰極の先端
部は必ずしも径を大きくする必要はない。
【0016】一対の電極の電極間距離は、実用的には5
mm以下が好適である。すなわち、電極間距離が5mm
を超えると、点光源から離れてしまい、光学系の焦点特
性が悪くなり、例えば自動車前照灯用光源として用いた
場合に、照射面の明るさが低下してしまう。なお、ここ
で言う電極間距離は、短アーク形のメタルハライドラン
プに対応するものであるが、本発明は必ずしもこれに限
られるものではなく、長アーク形のメタルハライドラン
プを構成することも可能である。
【0017】(金属箔について)金属箔は、各封止部に
気密に封止されているとともに各電極に接合されてい
る。また、外部リードにも接続されている。
【0018】金属箔としては、例えばモリブデン箔を使
用することが可能である。また、金属箔は、例えば厚さ
が10〜50μmの短冊状に形成されていることが好ま
しい。なお、金属箔と電極及び外部リードとの接合は特
に限定されるものではなく、溶接接合であっても、また
ろう付けであってもよい。
【0019】(放電媒体について)放電媒体は放電容器
内に封入され、ハロゲン化金属と希ガスとを含むもので
ある。ハロゲン化金属としては、種々の金属元素のハロ
ゲン化物を用いることができ、例えば主として発光に寄
与する金属のハロゲン化物(第1のハロゲン化物)が使
用される。このようなハロゲン化物としては、ナトリウ
ム(Na)、スカンジウム(Sc)および希土類元素か
ら選ばれる一種または複数種の金属元素のハロゲン化物
を用いることができる。NaやScは特に高効率な発光
物質である。
【0020】ハロゲン化金属は、蒸気圧が相対的に高
く、かつ第1のハロゲン化物の金属に比較して可視光域
に発光しにくい金属の一種または複数種のハロゲン化物
(第2のハロゲン化物)を含むことができる。可視光域
に発光しにくい金属とは、第1のハロゲン化物の金属よ
りエネルギー準位が高く、第1のハロゲン化物の金属が
主として発光する状態であればよい。このような第2の
ハロゲン化物を添加することによって、Hgを含むラン
プに近いランプ電圧を得ることができるため、水銀レス
メタルハライドランプの電気特性や発光特性を改善する
ことが可能となる。第2のハロゲン化物は色度改善など
に対しても寄与する。
【0021】第2のハロゲン化物としては、例えばマグ
ネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ク
ロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、マン
ガン(Mn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(S
b)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、ガリウ
ム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)及
びハフニウム(Hf)から選ばれる一種または複数種の
金属元素のハロゲン化物が用いられる。
【0022】さらに、ハロゲン化金属として、インジウ
ム(In)、錫(Sn)、及びセシウム(Cs)から選
ばれる一種または複数種の金属元素のハロゲン化物(第
3のハロゲン化物)を含んでいてもよい。Inのハロゲ
ン化物は発光色度の改善などに寄与する。また、Csの
ハロゲン化物はアーク温度の分布を補正して熱損失を低
減する成分などとして添加される。
【0023】本発明におけるハロゲン化金属としては、
上述した第1のハロゲン化物に第2のハロゲン化物、さ
らには第3のハロゲン化物を混合したハロゲン化金属が
例示されるが、必ずしもこれに限定されるものではな
く、第1のハロゲン化物のうちの1種以上のハロゲン化
金属であってもよい。また、2種以上のハロゲン化金属
の一部が複合ハロゲン化物を形成していてもよい。
【0024】ハロゲン化金属を構成するハロゲンとして
は、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)、フッ
素(F)のいずれを用いてもよい。また、これらの中で
もヨウ素(I)が最も好ましい。さらに、例えばヨウ化
物と臭化物のように、異なるハロゲンの化合物を併用す
ることもできる。なお、ヨウ素の気体状態は赤紫色であ
り、臭素の気体状態は赤褐色である。
【0025】ハロゲン化金属の封入量については、例え
ば主として発光に寄与する第1のハロゲン化物は、放電
容器の内容積(放電空間の体積)1cc当たり5〜11
0mgの範囲で封入することができる。さらに好適な範
囲は、放電容器の内容積1cc当たり5〜35mgであ
る。このような範囲において、光束の立ち上がりを早く
することができると共に、光色を安定させることができ
る。第2のハロゲン化物は、放電容器の内容積1cc当
たり0.05〜200mgの範囲で封入することができ
る。他のハロゲン化物については適宜調整される。
【0026】希ガスは、始動用および緩衝ガスとして作
用すると共に、始動直後には主発光を担うように作用す
るもので、一般的には気密容器を透過しなければ特に限
定されないが、ネオン(Ne)は石英ガラスを透過しや
すいので、気密容器を石英ガラスで形成する場合には、
アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)またはキセノン
(Xe)が推奨される。始動直後の発光を希ガスに依存
する場合には、最も発光効率が高いのはキセノンである
ため、キセノンが最適である。
【0027】また、希ガスの封入圧力を高くすると、メ
タルハライドランプのランプ電圧が高くなり、同一ラン
プ電流に対してランプ入力を大きくして、光束の立ち上
がり特性を向上させることができる。光束の立ち上がり
特性が良好であることは、どのような使用目的であって
も好都合であるが、特に自動車用前照灯装置や液晶プロ
ジェクタなどにおいて極めて重要である。希ガスは例え
ば3.0×10Pa(3気圧)以上の圧力で封入さ
れ、特に5.1×10〜1.5×10Pa(5.0
〜15気圧)の範囲で封入することが好ましい。
【0028】本発明のメタルハライドランプは、水銀が
本質的に封入されていない。ここで、「本質的に水銀が
封入されていない」とは、水銀を全く封入していない状
態に限られるものではなく、放電容器の内容積1cc当
たり2mg未満の水銀、好ましくは1mg以下の水銀が
存在していることを許容することを意味する。しかし、
水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことであ
る。従来のように、水銀蒸気により放電ランプの電気特
性を維持する場合、短アーク形においては放電容器の内
容積1cc当たり20〜40mg、さらに場合によって
は50mg以上の水銀を封入していたことからすれば、
本発明は水銀量が本質的に少ないといえる。
【0029】(遊離ハロゲンについて)本発明の固体状
の遊離ハロゲンは、50時間以上点灯させたメタルハラ
イドランプの消灯時に、電極の突出部に0.005mg
以上かつ放電容器内に存在している固体状の遊離ハロゲ
ン全重量に対して60重量%以上付着している。
【0030】遊離ハロゲンとは、上記したハロゲン化金
属が分解されることにより遊離するハロゲンである。ま
た、遊離ハロゲンを構成するハロゲンは1種及び複数種
のいずれであってもよい。即ち、異なるハロゲンを有す
る2以上のハロゲン化金属を使用した場合には、異なる
ハロゲンが遊離する可能性があり、これらの遊離したハ
ロゲンの全てを遊離ハロゲンという。
【0031】ここで、以下、特に記載しない限り、「遊
離ハロゲン」とは、「固体状の遊離ハロゲン」をいうも
のとする。
【0032】また、遊離ハロゲンが電極の突出部に0.
005mg以上付着しているとは、一対の電極の各突出
部に付着している遊離ハロゲンの合計量が0.005m
g以上であるということである。なお、遊離ハロゲンが
電極の突出部に0.05mg以上付着していることが好
ましい。
【0033】同様に、遊離ハロゲンが、電極の突出部に
放電容器内に存在している遊離ハロゲン全重量に対して
60重量%以上付着しているとは、一対の電極の各突出
部に付着している遊離ハロゲンの合計量が放電容器内に
存在している遊離ハロゲン全重量に対して60重量%以
上であるということである。なお、電極の突出部以外に
存在している遊離ハロゲンは、主に放電容器の内壁面に
付着している。
【0034】上記のような重量以上かつ割合以上で、メ
タルハライドランプの消灯時に電極の突出部に遊離ハロ
ゲンを付着させるには、例えば、消灯時における突出部
の温度が放電容器の温度より低くなるように制御する。
温度の低い方に遊離ハロゲンが付着し易いからである。
具体的には、例えば、放電容器の内径を小くすることに
よって、このような温度制御が可能となる。即ち、通
常、放電容器は突出部より放熱し難い材質で形成されて
いるので、放電容器の内径を小さくして、点灯時におけ
る放電容器の温度を上昇させることにより、消灯時の突
出部の温度を放電容器の温度より低くすることができ
る。また、放電容器の肉厚を厚くすることによっても、
このような温度制御が可能となる。即ち、通常、放電容
器は突出部より放熱し難い材質で形成されているので、
放電容器の肉厚を厚くして、より放熱し難くすることに
より、消灯時の突出部の温度を放電容器の温度より低く
することができる。
【0035】本発明のメタルハライドランプでは、50
時間以上点灯させたメタルハライドランプの消灯時に、
遊離ハロゲンが、前記突出部に0.005mg以上かつ
前記放電容器内に存在している遊離ハロゲン全重量に対
して60重量%以上付着しているので、始動時における
赤色系の発光時間を短縮させることができる。ここで、
赤色系とは、赤紫色及び赤褐色を含むものとする。
【0036】請求項2記載の発明のメタルハライドラン
プは、請求項1記載のメタルハライドランプであって、
前記突出部に付着している遊離ハロゲンは、前記突出部
の先端側半分に、前記放電容器内に存在している遊離ハ
ロゲン全重量に対して70重量%以上付着していること
を特徴とする。
【0037】上記のような割合以上で、メタルハライド
ランプの消灯時に突出部の先端側半分に遊離ハロゲンを
付着させるには、例えば、消灯時における突出部の先端
側半分の温度が根元側半分の温度より低くなるように制
御する。具体的には、例えば、突出部の先端部の径を根
元部の径より大きくすることによって、このような温度
制御が可能となる。即ち、先端部の径を根元部の径より
大きくすることにより、先端部の放熱面積が大きくな
る。その結果、根元部より先端部の方が放熱し易くなる
ので、消灯時の突出部の先端側半分温度を根元側半分の
温度より低くすることができる。
【0038】請求項2記載の発明のメタルハライドラン
プでは、前記突出部に付着している遊離ハロゲンは、前
記突出部の先端側半分に、前記放電容器内に存在してい
る全遊離ハロゲン全重量に対して70重量%以上付着し
ているので、始動時における赤色系の発光時間をより短
縮させることができる。また、光束立ち上がりを早める
ことができる。
【0039】請求項3記載の発明のメタルハライドラン
プは、請求項1又は2記載のメタルハライドランプであ
って、前記遊離ハロゲンが、ヨウ素又は臭素の少なくと
もいずれか一方であることを特徴とする。請求項3記載
の発明のメタルハライドランプは、特に有効な効果が得
られる遊離ハロゲンの構成を規定したものである。
【0040】請求項4記載の発明のメタルハライドラン
プは、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のメタル
ハライドランプであって、前記ハロゲン化金属は、ナト
リウム、スカンジウムおよび希土類元素から選ばれる少
なくとも一種の金属のハロゲン化物と、マグネシウム、
鉄、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、マンガン、ア
ルミニウム、アンチモン、ベリリウム、レニウム、ガリ
ウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、インジウ
ム、錫およびセシウムから選ばれる少なくとも一種の金
属のハロゲン化物とを含むことを特徴とする。請求項4
記載の発明のメタルハライドランプは、使用可能はハロ
ゲン化物を規定したものである。
【0041】請求項5記載の発明のメタルハライドラン
プは、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のメタル
ハライドランプであって、安定時に20〜60Wのラン
プ電力で動作することを特徴とする。ランプに投入され
るランプ電力が20〜60の小形のメタルハライドラン
プは、自動車用前照灯装置の光源として好適である。安
定時のランプ電力は20〜50Wであることがより好ま
しい。さらに、メタルハライドランプの始動時の最大電
流は3A以上であることが好ましく、このようなメタル
ハライドランプは自動車用前照灯装置の光源として好適
である。
【0042】請求項6記載の発明のメタルハライドラン
プ点灯装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載
のメタルハライドランプと;前記メタルハライドランプ
を直流で点灯する点灯回路と;を具備することを特徴と
するメタルハライドランプ点灯装置。請求項6記載のメ
タルハライドランプ点灯装置は、本発明のメタルハライ
ドランプを直流点灯することを規定したものである。
【0043】即ち、本発明のメタルハライドランプを直
流点灯することによって、Hg封入のメタルハライドラ
ンプを交流点灯する場合に比べて、装置を小形化するこ
とができる。これは自動車では直流が用いられているた
め、交流に電力変換する必要がないためである。さら
に、直流点灯の場合には陽極の温度上昇が激しく、陽極
側での発光物質の蒸発量が増大して異常発光が生じやす
い。本発明によれば、このような直流点灯に起因する異
常発光についても確実に解消することができる。このよ
うに、本発明のメタルハライドランプ点灯装置は、特に
自動車の前照灯装置に好適である。
【0044】請求項7記載の発明の自動車用前照灯装置
は、請求項1ないし5のいずれか1項にメタルハライド
ランプと;前記メタルハライドランプが配設され、前記
メタルハライドランプの前記放電容器の長手方向に沿っ
た光軸を有する自動車用前照灯装置本体と;を具備する
ことを特徴とする自動車用前照灯装置である。
【0045】本発明の自動車用前照灯装置は、本発明の
メタルハライドランプを具備するので、始動時の赤色系
の発光時間が短縮され、安全性を高めることが可能とな
る。なお、自動車用前照灯装置本体とは、自動車用前照
灯装置からメタルハライドランプを除いた残余の構成を
全て含むものである。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態に係るメタルハライドランプにつ
いて説明する。図1は本実施の形態に係るメタルハライ
ドランプの概略構成を示した断面図である。これら各図
において、1はメタルハライドランプ、2は放電容器、
3は電極、4は金属箔、5は外部リード、6はハロゲン
化金属である。
【0047】メタルハライドランプ1は、中空紡錘形状
の石英ガラス製気密容器からなるチップレスの放電容器
2を有している。この放電容器2の内部には、細長い放
電空間2aが形成されており、さらに放電容器2の両端
には一対の封止部2bがそれぞれ一体に設けられてい
る。なお、図中2cは放電容器2の内壁面を示してい
る。なお、本実施の形態の放電容器2の内径は、従来の
放電容器の内径より小さくなっている。
【0048】放電容器2内には放電媒体として、2種以
上のハロゲン化金属から実質的になるハロゲン化金属6
と希ガスとが封入されている。放電媒体は本質的にHg
を含まないものである。ハロゲン化金属6は、具体的に
は、例えば発光に寄与するNa、Scおよび希土類金属
から選ばれる一種または複数種の第1のハロゲン化物
と、前述した第2のハロゲン化物と第3のハロゲン化物
とから主に構成されている。
【0049】放電容器2の各封止部2a内には、モリブ
デン箔などの金属箔4が配設されている。この金属箔4
の一端には、それぞれ外部リード5の一端が接合されて
おり、これら外部リード5の他端は放電容器2外に導出
されている。また、金属箔4の他端には、電極3の後述
する電極軸3aの端部が接合されている。電極3、金属
箔4、及び外部リード5は上記のように接合された状態
で、封止部2bにより気密に封着されている。この封着
により、放電容器2内を気密状態することができる。
【0050】放電空間2a内には一対の電極3が対向し
て配置されており、これら電極3はそれぞれ電極軸3a
とそれより径大とされた先端部3bを有している。先端
部3bは球状構造とされており、電極軸3aと一体に形
成されている。なお、先端部3bの径は従来の先端部の
径より大きく、かつ電極軸3aの径は従来の電極軸の径
と同径である。メタルハライドランプ1の放電容器2及
び電極3をこのように設計することにより後述する重量
以上かつ割合以上の遊離ハロゲン7を電極3に付着させ
ることができる。
【0051】電極3の電極軸3aは、一部が上述したよ
うに封止部2b内に埋設されている。この埋設により、
電極3が放電空間2a内の所定の位置に支持されてい
る。ここで、本実施の形態では、電極3の封止部2bに
封着されていない部分、即ち、電極3の放電容器2内に
露出している部分を突出部3cというものとする。具体
的には、例えば突出部3cは電極軸3aの封止部2bに
封着されていない部分と先端部3bとから構成されてい
る。
【0052】次に、本実施の形態のメタルハライドラン
プ1を50時間以上点灯させたときの消灯時の状態につ
いて説明する。図2は本実施の形態に係るメタルハライ
ドランプを50時間以上点灯させたときの消灯時におけ
る電極付近の状態図である。電極3の突出部3c及び放
電容器2の内壁面2cには、遊離ハロゲン7が付着して
いる。この遊離ハロゲン7は、ハロゲン化金属6が分解
されることによりハロゲン化金属6から遊離したハロゲ
ンである。
【0053】具体的には、電極3の突出部3cに0.0
05mg以上及び放電容器2内に存在している遊離ハロ
ゲン7全重量に対して60重量%以上の遊離ハロゲン7
が付着している。さらに具体的には、突出部3cの先端
側半分3dに放電容器2内に存在している遊離ハロゲン
7全重量に対して70重量%以上の遊離ハロゲン7が付
着している。
【0054】本実施の形態では、50時間以上点灯させ
たメタルハライドランプ1の消灯時に、電極3の突出部
3cに、0.005mg以上かつ放電容器2内に存在し
ている遊離ハロゲン7全重量に対して60重量%以上の
遊離ハロゲン7が付着しているので、始動時における赤
色系の発光時間を短縮させることができる。
【0055】即ち、メタルハライドランプ1を点灯させ
ると、電極3の突出部3cの温度が最も速く上昇するの
で、始動時では電極3の突出部3cの温度が最も高くな
る。ここで、本実施の形態では、大部分の遊離ハロゲン
7が電極3の突出部3cに付着している。従って、始動
時における遊離ハロゲン7の蒸発速度が放電容器に大部
分の遊離ハロゲンが付着している場合より高くなるの
で、同時に蒸発する遊離ハロゲン7の量が放電容器に付
着している場合より多くなる。なお、蒸発した遊離ハロ
ゲン7は赤色系であるので、蒸発した遊離ハロゲンが存
在する間の発光は赤色系なる。また、蒸発した遊離ハロ
ゲン7は、電子或いは希ガス等の衝突により分解され
る。ここで、電子或いは希ガス等は、放電空間2aに多
量存在しているので、蒸発した各遊離ハロゲン7を同時
に分解することができる。従って、同時に分解される遊
離ハロゲン7の量が、放電容器に付着している場合より
多くなる。その結果、遊離ハロゲン7全体として蒸発か
ら分解までの時間を短縮させることができ、始動時にお
ける赤色系の発光時間を短縮させることができる。
【0056】また、本実施の形態では、電極3の突出部
3cの先端側半分3dに、放電容器2内に存在している
全遊離ハロゲン7に対して70重量%以上の遊離ハロゲ
ン7が付着しているので、光束立ち上がりを早めること
ができる。
【0057】即ち、突出部3cの先端側半分3dに大部
分の遊離ハロゲン7が付着しているので、この大部分の
遊離ハロゲン7が始動時に蒸発すると、蒸発した遊離ハ
ロゲン7が突出部3cの先端側半分3dの周囲を取り囲
む。ここで、遊離ハロゲン7は電子吸着性が高いため、
先端側半分3d間、具体的には先端部3b間で起こって
いる放電を阻害する。従って、先端部3bからより放電
し易い突出部3cの根元側半分に放電が移動して、根元
側半分間で放電が起こる。この根元側半分間で起こる放
電、いわゆるバックアークにより、突出部3cの根元付
近の放電容器2に付着しているハロゲン化金属6の温度
が上昇するので、ハロゲン化金属6が発光するまでの時
間を早めることができる。よって、光束立ち上がりを早
めることができる。なお、突出部3の先端側半分の周囲
を取り囲んでいる蒸発した遊離ハロゲン7が、放電によ
り分解されれば、バックアークから先端部3b間の放電
に戻る。
【0058】また、光束立ち上がりを早めることによ
り、ランプ寿命を長くすることも可能になる。即ち、上
述したように、始動時には、例えば安定時の2倍以上の
電力を投入しているが、光束立ち上がりを早めることに
より、始動時の電力の投入時間を短くさせることができ
る。その結果、多量の電力投入による封止部2b及び電
極3の劣化を防ぐことでき、ランプ寿命を長くすること
ができる。
【0059】(実施例1)以下、実施例1について説明
する。本実施例では、第1の実施の形態に係るメタルハ
ライドランプ1を使用して、始動時における赤紫色の発
光時間を測定した。
【0060】以下、本実施例のメタルハライドランプに
ついて説明する。なお、以下に説明するメタルハライド
ランプは、50時間以上点灯させた状態のものである。
本実施例のメタルハライドランプの放電容器は、内径が
2.6mmであり、平均肉厚が2.0〜2.3mmであ
る。放電容器内には、希ガスとしてのキセノンが8.6
×10〜1.0×10Pa(8.5〜10気圧)で
封入されている。また、放電容器内には、ハロゲン化金
属としてヨウ化金属のみが封入されている。突出部の長
さである電極突出長が1.8mmに設定されている。ま
た、電極の先端部の径は0.7mmであり、電極軸の径
は0.4mmである。電極の突出部には、0.005m
g以上かつ放電容器内に存在している遊離ヨウ素全重量
に対して60重量%以上の遊離ヨウ素が付着している。
【0061】上記のようなメタルハライドランプを点灯
させて、始動時における赤紫色の発光時間を測定した。
ここで、本実施例に係るメタルハライドランプと比較す
るために、比較例として従来のメタルハライドランプに
ついても始動時における赤紫色の発光時間を測定した。
【0062】以下、比較例のメタルハライドランプにつ
いて説明する。この比較例に係るメタルハライドランプ
は、水銀レスメタルハライドランプである。また、以下
に説明するメタルハライドランプは、50時間以上点灯
させた状態のものである。比較例のメタルハライドラン
プの放電容器は、内径が4mmであり、平均肉厚が1.
0mmである。放電容器内には、希ガスとしてのキセノ
ンが1.1×10 〜1.3×10Pa(11〜13
気圧)で封入されている。また、放電容器内には、ハロ
ゲン化金属としてヨウ化金属のみが封入されている。電
極突出長が1.2mmに設定されている。また、電極の
先端部の径は0.5mmであり、電極軸の径は0.4m
mである。さらに、遊離ヨウ素の大部分は、放電容器の
内壁に付着している。
【0063】測定結果を以下に示す。本実施例に係るメ
タルハライドランプの赤紫色の発光時間は、0.1〜
0.3秒程度であったのに対し、比較例に係るメタルハ
ライドランプの赤紫色の発光時間は、約1秒であった。
従って、比較例に係るメタルハライドランプより本実施
例に係るメタルハライドランプの方が、赤紫色の発光時
間が短いということが確認された。
【0064】(実施例2)以下、実施例2について説明
する。本実施例では、第1の実施の形態に係るメタルハ
ライドランプ1を使用して、光束立ち上がりの早さを測
定した。
【0065】本実施例では、上記実施例1に記載したメ
タルハライドランプと同様のメタルハライドランプを使
用した。
【0066】上記のようなメタルハライドランプを点灯
させて、光束立ち上がりの早さを測定した。ここで、本
実施例に係るメタルハライドランプと比較するために、
比較例1として従来の水銀を使用したメタルハライドラ
ンプ及び比較例2として上記実施例1に記載した比較例
のメタルハライドランプについても光束立ち上がりの早
さを測定した。
【0067】測定結果を以下に示す。図3は、本実施例
に係るメタルハライドランプの立ち上がり特性を表した
グラフである。図3に示すように、本実施例に係るメタ
ルハライドランプ及び比較例1に係るメタルハライドラ
ンプは、電源投入後、約6秒で光束立ち上がり率が約1
00%に到達したのに対し、比較例2に係るメタルハラ
イドランプは、電源投入後、約10秒で光束立ち上がり
率が約100%に到達した。従って、比較例2に係るメ
タルハライドランプより本実施例に係るメタルハライド
ランプの方が、光束立ち上がりが早いということが確認
された。
【0068】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下本実施の形
態以降の実施の形態のうち先行する実施の形態と重複す
る内容については説明を省略する。図4は本実施の形態
に係るメタルハライドランプの概略構成を示す正面図で
ある。本実施の形態は、図1と同様な構成を有するメタ
ルハライドランプ1を、さらに自動車用前照灯装置に装
着するのに適した構造を示すものである。同図におい
て、11は外管、12は口金、13は絶縁チューブであ
る。
【0069】外管11は紫外線カット性能を備えてお
り、その内部に図1と同様な構成を有するメタルハライ
ドランプ1が収納されている。外管11の両端はメタル
ハライドランプ1の封止部2bにそれぞれ固定されてい
るが、内部は気密ではなく、外気に連通している。メタ
ルハライドランプ1の一方の封止部2bは、口金12に
植立されている。他端から導出された外部リード5は、
外管11に平行に配置されており、先端は口金12内に
導入されて図示しない端子に接続されている。この外部
リード5の周囲は絶縁チューブ13で覆われている。
【0070】メタルハライドランプ1による光照射方向
は、絶縁チューブ13と反対側の方向になる。この際、
絶縁チューブ13をセラミックスチューブで構成し、こ
のセラミックスチューブを黒色などに着色することも有
効である。黒色のセラミックスチューブによれば、メタ
ルハライドランプ1からの光が反射しにくいため、光の
乱反射によるグレアを抑制することができる。グレアの
抑制は自動車用前照灯装置に対して特に有効である。セ
ラミックスチューブの黒色化は、金属酸化物の塗布、焼
成などにより実施可能である。
【0071】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。図5は本実施の形態に
係る自動車用前照灯装置の概略構成を示す斜視図であ
る。同図において、14は反射鏡、15は前面カバーで
ある。反射鏡14は、プラスチックスの成形によって異
形の回転放物面に形成され、頂部背面から図4に示すメ
タルハライドランプ(図示せず)を着脱するように構成
されている。前面カバー15は、透明性のプラスチック
スの成形によりプリズムまたはレンズが一体に形成され
ており、反射鏡14の前面開口部に気密に装着されてい
る。
【0072】(第4の実施の形態)以下、本発明の第4
の実施の形態について説明する。図6は本実施の形態に
係るメタルハライドランプ点灯装置の回路を模式的に示
した図である。この実施形態は、メタルハライドランプ
を直流点灯するように構成したものである。同図におい
て、21は直流電源、22はチョッパ、23は制御手
段、24はランプ電流検出手段、25はランプ電圧検出
手段、26は始動手段、27はメタルハライドランプで
ある。
【0073】直流電源21には、バッテリーまたは整流
化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的に
バッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流
化直流電源であってもよい。また必要に応じて、電解コ
ンデンサ21aを並列接続して平滑化を行う。
【0074】チョッパ22は、直流電圧を所要値の電圧
に変換すると共に、メタルハライドランプ27を所要に
制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパ
を用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0075】制御手段23は、チョッパ22を制御す
る。例えば、点灯直後にはメタルハライドランプ27に
定格ランプ電流の例えば3倍以上のランプ電流をチョッ
パ22から流し、その後時間の経過と共に徐々にランプ
電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように
制御する。また、制御手段23はランプ電流とランプ電
圧との検出信号が帰還入力されることにより、定電力制
御信号を発生してチョッパ22を定電力制御する。さら
に、制御手段23には時間的な制御パターンが予め組み
込まれたマイコンが内蔵されていて、これによりランプ
電流を制御するように構成されている。
【0076】ランプ電流検出手段24は、ランプと直列
に挿入されてランプ電流を検出して制御手段23に制御
入力する。ランプ電圧検出手段25は、ランプと並列的
に接続されてランプ電圧を検出して制御手段23に制御
入力する。始動手段26は、始動時に20kVのパルス
電圧をメタルハライドランプ27に供給できるように構
成されている。
【0077】そして、この実施形態のメタルハライドラ
ンプ点灯装置を用いてメタルハライドランプを直流点灯
すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これによ
り、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定
格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実
現することができる。また、直流−交流変換回路が不要
になるため、交流点灯に比較して約30%のコスト低減
が可能である。また、重量で15%軽減できる。これに
伴い点灯回路が安価になる。
【0078】(第5の実施の形態)以下、本発明の第5
の実施の形態について説明する。図7は本実施の形態に
係るメタルハライドランプ点灯装置の回路を模式的に示
した図である。この実施の形態は、メタルハライドラン
プを交流点灯するように構成した点で第4の実施の形態
と異なる。
【0079】28は交流変換手段である。この交流変換
手段28は、フルブリッジインバータからなる。すなわ
ち、一対のスイッチング手段28a、28aの直列回路
の一対をチョッパ22の出力端間に並列接続してブリッ
ジ回路を構成し、発振器28bの発振出力を4個のスイ
ッチング手段28aの対角方向のスイッチング手段に交
互に供給してブリッジ回路の出力端間に高周波交流を発
生するものである。
【0080】そして、高周波交流によってメタルハライ
ド放電ランプ27が点灯されるようになっている。この
交流点灯形式の構成においても、図6と同様な制御が行
われるようになっている。
【0081】
【発明の効果】以上、詳説したように、請求項1ないし
5の各発明によれば、始動時における赤色系の発光時間
を短縮させることができる。
【0082】請求項6の発明によれば、水銀を封入した
メタルハライドランプを交流点灯する場合よりも小形化
した点灯装置を提供することができる。
【0083】請求項7の発明によれば、安全性や信頼性
に優れる自動車用前照灯装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るメタルハライドランプ
の概略構成を示した断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るメタルハライドランプ
を50時間以上点灯させたときの消灯時における電極付
近の状態図である。
【図3】本実施2例に係るメタルハライドランプの立ち
上がり特性を表したグラフである。
【図4】第2の実施の形態に係るメタルハライドランプ
の概略構成を示す正面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る自動車用前照灯装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図6】第4の実施の形態に係るメタルハライドランプ
点灯装置の回路を模式的に示した図である。
【図7】第5の実施の形態に係るメタルハライドランプ
点灯装置の回路を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…メタルハライドランプ 2…放電容器 2a…放電空間 2b…封止部 3…電極 3c…突出部 3d…先端側半分 4…金属箔 5…外部リード 6…ハロゲン化金属 7…遊離ハロゲン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 41/24 F21W 101:10 // F21W 101:10 F21Y 101:00 F21Y 101:00 F21M 3/02 G (72)発明者 石神 敏彦 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 蛭田 寿男 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 松田 幹男 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 Fターム(参考) 3K042 AA08 AC06 3K072 AA13 AC11 AC20 BA03 GA02 GB18 5C015 JJ06 QQ03 QQ06 QQ09 QQ14 QQ34 QQ35 QQ37 QQ38 QQ39 QQ43 QQ44 QQ45 QQ47 QQ49 QQ52 QQ56 QQ58 RR05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間と前記放電空間の両端に設けら
    れた封止部とを有する放電容器と;前記封止部から前記
    放電空間にかけて対向するように配設された、前記放電
    空間に突出している突出部を有する一対の電極と;前記
    各封止部に気密に封止されるとともに前記各電極に接合
    された金属箔と;前記各金属箔に接合されるとともに前
    記放電容器外に導出された外部リードと;前記放電容器
    内に封入され、ハロゲン化金属と希ガスとを含み、かつ
    本質的に水銀を含まない放電媒体と;を具備するメタル
    ハライドランプであって、 50時間以上点灯させた前記メタルハライドランプの消
    灯時に、前記突出部に0.005mg以上かつ前記放電
    容器内に存在している固体状の遊離ハロゲン全重量に対
    して60重量%以上の前記固体状の遊離ハロゲンが付着
    していることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のメタルハライドランプで
    あって、前記突出部に付着している前記固体状の遊離ハ
    ロゲンは、前記突出部の先端側半分に、前記放電容器内
    に存在している前記固体状の遊離ハロゲン全重量に対し
    て70重量%以上付着していることを特徴とするメタル
    ハライドランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のメタルハライドラ
    ンプであって、前記遊離ハロゲンは、ヨウ素又は臭素の
    少なくともいずれか一方であることを特徴とするメタル
    ハライドランプ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のメタルハライドランプであって、前記ハロゲン化金属
    は、ナトリウム、スカンジウムおよび希土類元素から選
    ばれる少なくとも一種の金属のハロゲン化物と、マグネ
    シウム、鉄、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、マン
    ガン、アルミニウム、アンチモン、ベリリウム、レニウ
    ム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イ
    ンジウム、錫およびセシウムから選ばれる少なくとも一
    種の金属のハロゲン化物とを含むことを特徴とするメタ
    ルハライドランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のメタルハライドランプであって、安定時に20〜60
    Wのランプ電力で動作することを特徴とするメタルハラ
    イドランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のメタルハライドランプと;前記メタルハライドランプ
    を直流で点灯する点灯回路と;を具備することを特徴と
    するメタルハライドランプ点灯装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のメタルハライドランプと;前記メタルハライドランプ
    が配設され、前記メタルハライドランプの前記放電容器
    の長手方向に沿った光軸を有する自動車用前照灯装置本
    体と;を具備することを特徴とする自動車用前照灯装
    置。
JP2001130211A 2001-04-26 2001-04-26 メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置 Withdrawn JP2002324518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130211A JP2002324518A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130211A JP2002324518A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002324518A true JP2002324518A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18978623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001130211A Withdrawn JP2002324518A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002324518A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003030211A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Harison Toshiba Lighting Corp. Lampe a halogenure metallise, dispositif de commande de lampe a halogenure metallise et dispositif de phare avant d'automobile
JP2009218212A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Blv Licht-&-Vakuumtechnik Gmbh 水銀を含まないハロゲン化金属高圧放電ランプ
JP2009218203A (ja) * 2008-02-12 2009-09-24 Koito Mfg Co Ltd 放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ
JP2015146235A (ja) * 2014-01-31 2015-08-13 岩崎電気株式会社 セラミックメタルハライドランプ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003030211A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Harison Toshiba Lighting Corp. Lampe a halogenure metallise, dispositif de commande de lampe a halogenure metallise et dispositif de phare avant d'automobile
JP2009218203A (ja) * 2008-02-12 2009-09-24 Koito Mfg Co Ltd 放電ランプ装置用水銀フリーアークチューブ
JP2009218212A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Blv Licht-&-Vakuumtechnik Gmbh 水銀を含まないハロゲン化金属高圧放電ランプ
JP2015146235A (ja) * 2014-01-31 2015-08-13 岩崎電気株式会社 セラミックメタルハライドランプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4037142B2 (ja) メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置
US7573203B2 (en) Mercury-free high-pressure discharge lamp and luminaire using the same
JPWO2003030211A1 (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置
JP4203418B2 (ja) 高圧放電ランプ、高圧放電ランプ点灯装置および自動車用前照灯装置
JP2001313001A (ja) メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置
JP2005123112A (ja) メタルハライドランプおよび照明装置
JP2003242933A (ja) メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置
JP2002324518A (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置
JP4401762B2 (ja) メタルハライドランプおよび照明装置
JP2002298780A (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置
JP4208222B2 (ja) 前照灯用短アーク形メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および前照灯
US20110025204A1 (en) Metal halide lamp, metal halide lamp lighting, and head light
JP2008177160A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
EP1763067A1 (en) Metal halidee lamp, lighting device for metal halide lamp and headlight
WO2006003895A1 (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および前照灯
JPH11102663A (ja) 金属蒸気放電ランプおよび投光装置
JP2004220879A (ja) 自動車前照灯用メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置
JP2008181681A (ja) メタルハライドランプ、点灯装置、自動車用前照灯装置
JP2002329476A (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置、及び自動車用前照灯装置
JP2002260581A (ja) メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置
JP4361240B2 (ja) メタルハライドランプ、灯具、照明装置、及び車両用前照灯装置
JP4427391B2 (ja) 高圧放電ランプおよび高圧放電ランプの製造方法
JP2008103320A (ja) 高圧放電ランプ、高圧放電ランプ点灯装置および照明装置
JP4362155B2 (ja) 直流点灯用メタルハライド放電ランプ、直流点灯用メタルハライド放電ランプ点灯装置および照明装置
JP2006318731A (ja) メタルハライド放電ランプおよびメタルハライド放電ランプシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080324

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080512

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090703