JP2002311212A - 光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリメータ - Google Patents
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリメータInfo
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- Lenses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光学性能特に球面収差のばらつきの少ない光
軸方向屈折率分布型レンズの加工方法と、レンズ間距離
を広い範囲で変更しても挿入損失が少なく、良好な光学
性能を得られるコリメータを提供すること。 【解決手段】 一端面11aからの光軸方向の深さ位置
により屈折率が異なる屈折率分布を有する基板11(図
1(a))から、一端面側を曲率半径rの球面にした光
軸方向屈折率分布型レンズを作製する同レンズの加工方
法であって、基板11から作製した試料181〜185の
一端面11a側を、一端面11aからの削り量ΔZ1〜
ΔZ5が段階的に異なるように研削或いは研磨する(図
1(c))。削られてできる各試料の端面の表面屈折率
を測定する。この測定結果に基づき、基板11の屈折率
分布が得られる。
軸方向屈折率分布型レンズの加工方法と、レンズ間距離
を広い範囲で変更しても挿入損失が少なく、良好な光学
性能を得られるコリメータを提供すること。 【解決手段】 一端面11aからの光軸方向の深さ位置
により屈折率が異なる屈折率分布を有する基板11(図
1(a))から、一端面側を曲率半径rの球面にした光
軸方向屈折率分布型レンズを作製する同レンズの加工方
法であって、基板11から作製した試料181〜185の
一端面11a側を、一端面11aからの削り量ΔZ1〜
ΔZ5が段階的に異なるように研削或いは研磨する(図
1(c))。削られてできる各試料の端面の表面屈折率
を測定する。この測定結果に基づき、基板11の屈折率
分布が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野等でコ
リメータ用レンズとして使用される光軸方向屈折率分布
型レンズの加工方法及び同方法で作製したレンズを用い
たコリメータに関する。
リメータ用レンズとして使用される光軸方向屈折率分布
型レンズの加工方法及び同方法で作製したレンズを用い
たコリメータに関する。
【0002】 〔発明の詳細な説明〕
【0003】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野等でコ
リメータ用レンズとして使用される光軸方向屈折率分布
型レンズの加工方法及び同方法で作製したレンズを用い
たコリメータに関する。
リメータ用レンズとして使用される光軸方向屈折率分布
型レンズの加工方法及び同方法で作製したレンズを用い
たコリメータに関する。
【0004】
【従来の技術】光通信分野等で使用される従来のコリメ
ータとして、例えば、入射側の単一モード光ファイバか
ら出射した光をコリメータレンズにより平行光にし、こ
の平行光を別のコリメータレンズにより集光して受光側
の単一モード光ファイバ等に結合させる構成のものが知
られている。このようなコリメータでは、両コリメータ
レンズ間に光機能素子(例えば、光学フィルタ、光アイ
ソレータ、光スイッチ、光変調器等)を挿入することに
より、入射側の単一モード光ファイバを伝搬してきた光
に所定の作用を及ぼしたのち、再度受光側の単一モード
光ファイバに結合して伝搬させる機能を有する。
ータとして、例えば、入射側の単一モード光ファイバか
ら出射した光をコリメータレンズにより平行光にし、こ
の平行光を別のコリメータレンズにより集光して受光側
の単一モード光ファイバ等に結合させる構成のものが知
られている。このようなコリメータでは、両コリメータ
レンズ間に光機能素子(例えば、光学フィルタ、光アイ
ソレータ、光スイッチ、光変調器等)を挿入することに
より、入射側の単一モード光ファイバを伝搬してきた光
に所定の作用を及ぼしたのち、再度受光側の単一モード
光ファイバに結合して伝搬させる機能を有する。
【0005】このようなコリメータ用レンズ(コリメー
タレンズ)として、屈折率がそれぞれ均一な均質球面レ
ンズや均質非球面レンズ、光軸に垂直な半径方向の位置
により屈折率の異なる屈折率分布を持つ半径方向屈折率
分布型ロッドレンズ、及び光軸方向の位置により屈折率
の異なる屈折率分布を持つ光軸方向屈折率分布型レンズ
が使用可能である。
タレンズ)として、屈折率がそれぞれ均一な均質球面レ
ンズや均質非球面レンズ、光軸に垂直な半径方向の位置
により屈折率の異なる屈折率分布を持つ半径方向屈折率
分布型ロッドレンズ、及び光軸方向の位置により屈折率
の異なる屈折率分布を持つ光軸方向屈折率分布型レンズ
が使用可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光通信分野
等で使用されるコリメータレンズは、球面収差等が小さ
いことが要求される。このため、上記各レンズを、光通
信分野等でコリメータレンズとして使用する場合、以下
の問題点がある。
等で使用されるコリメータレンズは、球面収差等が小さ
いことが要求される。このため、上記各レンズを、光通
信分野等でコリメータレンズとして使用する場合、以下
の問題点がある。
【0007】(1)上記均質球面レンズでは、球面収差
を補正するのに、複数の均質球面レンズからなる組合せ
レンズを使用する必要がある。この場合、その組合せレ
ンズの設計及び組立てが複雑になってしまう。
を補正するのに、複数の均質球面レンズからなる組合せ
レンズを使用する必要がある。この場合、その組合せレ
ンズの設計及び組立てが複雑になってしまう。
【0008】(2)上記均質非球面レンズでは、単レン
ズで球面収差を最小化する設計が可能である。しかし、
一般に均質非球面レンズはプレス成形で製作されるた
め、同レンズの形状を変更するには金型の変更が必要に
なり、製造コストが増大してしまう。
ズで球面収差を最小化する設計が可能である。しかし、
一般に均質非球面レンズはプレス成形で製作されるた
め、同レンズの形状を変更するには金型の変更が必要に
なり、製造コストが増大してしまう。
【0009】(3)上記半径方向屈折率分布型ロッドレ
ンズでは、屈折率分布形状の変更により、球面収差をあ
る程度補正することができる。また、同ロッドレンズ
は、光軸を中心とする円柱状であるので、光ファイバ等
との整合性は良い。しかし、同ロッドレンズの端面が光
軸に垂直な平面である場合、光ファイバ等に対する反射
戻り光が発生し易い。この反射戻り光を低減するため
に、端面を斜めに加工すると、収差が増大し性能が低下
してしまい、製造コストも増大する。
ンズでは、屈折率分布形状の変更により、球面収差をあ
る程度補正することができる。また、同ロッドレンズ
は、光軸を中心とする円柱状であるので、光ファイバ等
との整合性は良い。しかし、同ロッドレンズの端面が光
軸に垂直な平面である場合、光ファイバ等に対する反射
戻り光が発生し易い。この反射戻り光を低減するため
に、端面を斜めに加工すると、収差が増大し性能が低下
してしまい、製造コストも増大する。
【0010】(4)上記光軸方向屈折率分布型レンズ
は、少なくとも一端面側に球面を有する。同レンズで
は、屈折率分布形状の変更により、単レンズでも球面収
差を補正することができる。同レンズでは、イオン交換
等により形成される屈折率分布と、球面の加工状態との
両方により特性が決まる。しかし、同レンズは、一端面
側に上記屈折率分布を持つ基板から作られるが、基板を
その一端面側からどの位削れば波面収差が最小になるの
かが分からない。そのため、図9に示すように光学性能
特に球面収差のばらつきが大きくなってしまう。
は、少なくとも一端面側に球面を有する。同レンズで
は、屈折率分布形状の変更により、単レンズでも球面収
差を補正することができる。同レンズでは、イオン交換
等により形成される屈折率分布と、球面の加工状態との
両方により特性が決まる。しかし、同レンズは、一端面
側に上記屈折率分布を持つ基板から作られるが、基板を
その一端面側からどの位削れば波面収差が最小になるの
かが分からない。そのため、図9に示すように光学性能
特に球面収差のばらつきが大きくなってしまう。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、その目的は、光学性能特に球面収
差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レンズの加
工方法を提供することにある。また、本発明の別の目的
は、光学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向
屈折率分布型レンズを提供することにある。さらに、本
発明の別の目的は、レンズ間距離を広い範囲で変更して
も挿入損失が少なく、良好な光学性能が得られるコリメ
ータを提供することにある。
してなされたもので、その目的は、光学性能特に球面収
差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レンズの加
工方法を提供することにある。また、本発明の別の目的
は、光学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向
屈折率分布型レンズを提供することにある。さらに、本
発明の別の目的は、レンズ間距離を広い範囲で変更して
も挿入損失が少なく、良好な光学性能が得られるコリメ
ータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、一端面からの光軸方向の深
さ位置により屈折率が異なる屈折率分布を有する透明な
基板から、少なくとも前記一端面側を曲率半径rの球面
にした1個以上の光軸方向屈折率分布型レンズを作製す
る光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法であって、前
記屈折率分布の実測値に基づき前記レンズを加工するこ
とを要旨とする。
め、請求項1に係る発明は、一端面からの光軸方向の深
さ位置により屈折率が異なる屈折率分布を有する透明な
基板から、少なくとも前記一端面側を曲率半径rの球面
にした1個以上の光軸方向屈折率分布型レンズを作製す
る光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法であって、前
記屈折率分布の実測値に基づき前記レンズを加工するこ
とを要旨とする。
【0013】この構成によれば、屈折率分布の実測値に
基づき前記レンズを加工するので、同実測値から、基板
をその一端面側からどの位削れば波面収差が最小になる
のかが分かる。このため、波面収差が最小となる削り量
を狙いとして基板の一端面側を研削することができ、光
学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率
分布型レンズが作製可能となる。
基づき前記レンズを加工するので、同実測値から、基板
をその一端面側からどの位削れば波面収差が最小になる
のかが分かる。このため、波面収差が最小となる削り量
を狙いとして基板の一端面側を研削することができ、光
学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率
分布型レンズが作製可能となる。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
屈折率分布の実測値に基づき、波面収差が最小となる前
記一端面からの最適削り量ΔZmと、同最適削り量ΔZ
mだけ削ったときの表面屈折率ntとを求め、この表面
屈折率ntと、予め設定される開口数NAと、予め設定
されるレンズの有効径De又は前記曲率半径rとに基づ
き、曲率半径r又は有効径Deを求めることを要旨とす
る。
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
屈折率分布の実測値に基づき、波面収差が最小となる前
記一端面からの最適削り量ΔZmと、同最適削り量ΔZ
mだけ削ったときの表面屈折率ntとを求め、この表面
屈折率ntと、予め設定される開口数NAと、予め設定
されるレンズの有効径De又は前記曲率半径rとに基づ
き、曲率半径r又は有効径Deを求めることを要旨とす
る。
【0015】この構成によれば、屈折率分布の実測値に
基づき波面収差が最小となる一端面からの最適削り量Δ
Zmを求めるので、同削り量ΔZmを狙いとして基板の
一端面側を研削することができる。これにより、波面収
差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レンズが基
板から作製可能となる。
基づき波面収差が最小となる一端面からの最適削り量Δ
Zmを求めるので、同削り量ΔZmを狙いとして基板の
一端面側を研削することができる。これにより、波面収
差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レンズが基
板から作製可能となる。
【0016】また、最適削り量ΔZmだけ削ったときの
表面屈折率ntと、予め設定される開口数NAと、予め
設定されるレンズの有効径De又は前記曲率半径rとに
基づき、曲率半径r又は有効径Deを求めることができ
る。このため、設計パラメータとして開口数NAと、レ
ンズの有効径De又は曲率半径rとを与えることによ
り、加工パラメータとして、最適削り量ΔZmの他に、
有効径De又は曲率半径rが得られる。これにより、少
なくとも一端面側を球面にした光軸方向屈折率分布型レ
ンズが、基板から容易に作製可能となる。
表面屈折率ntと、予め設定される開口数NAと、予め
設定されるレンズの有効径De又は前記曲率半径rとに
基づき、曲率半径r又は有効径Deを求めることができ
る。このため、設計パラメータとして開口数NAと、レ
ンズの有効径De又は曲率半径rとを与えることによ
り、加工パラメータとして、最適削り量ΔZmの他に、
有効径De又は曲率半径rが得られる。これにより、少
なくとも一端面側を球面にした光軸方向屈折率分布型レ
ンズが、基板から容易に作製可能となる。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法におい
て、前記波面収差が最小となる前記最適削り量ΔZm
は、前記実測値を、前記削り量ΔZの異なる前記光軸方
向の各深さ位置Zにおける屈折率n(Z)を表す下記の
多項式 n(Z)=n0+n1Z+n2Z2+・・・(ここで、n0
はΔZ=0の位置での屈折率、n1は1次項の分布定
数、n2は2次項の分布定数である。)に当てはめて前
記屈折率分布を得るとともに、同屈折率分布に基づき波
面収差を前記一端面からの削り量ΔZの関数として求め
ことにより得ることを要旨とする。
記載の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法におい
て、前記波面収差が最小となる前記最適削り量ΔZm
は、前記実測値を、前記削り量ΔZの異なる前記光軸方
向の各深さ位置Zにおける屈折率n(Z)を表す下記の
多項式 n(Z)=n0+n1Z+n2Z2+・・・(ここで、n0
はΔZ=0の位置での屈折率、n1は1次項の分布定
数、n2は2次項の分布定数である。)に当てはめて前
記屈折率分布を得るとともに、同屈折率分布に基づき波
面収差を前記一端面からの削り量ΔZの関数として求め
ことにより得ることを要旨とする。
【0018】この構成によれば、前記実測値を、上記多
項式に当てはめることにより、前記基板の屈折率分布を
正確に知ることができる。このとき、その基板の屈折率
分布は、理想的には直線分布(1次項まで)で表される
が、実際にイオン交換法により形成された屈折率分布は
直線分布からずれるため、このずれを高次項で補正する
ことができる。
項式に当てはめることにより、前記基板の屈折率分布を
正確に知ることができる。このとき、その基板の屈折率
分布は、理想的には直線分布(1次項まで)で表される
が、実際にイオン交換法により形成された屈折率分布は
直線分布からずれるため、このずれを高次項で補正する
ことができる。
【0019】また、こうして得られる屈折率分布に基づ
き、波面収差を前記一端面からの削り量ΔZの関数とし
て求めることができる。この計算は、光学シュミレーシ
ョンソフトを使って行う。また、その関数から、波面収
差が最小となる削り量ΔZmを求めることができる。
き、波面収差を前記一端面からの削り量ΔZの関数とし
て求めることができる。この計算は、光学シュミレーシ
ョンソフトを使って行う。また、その関数から、波面収
差が最小となる削り量ΔZmを求めることができる。
【0020】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの加工
方法において、前記基板の一端面側を、該一端面からの
光軸方向の削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨
し、前記深さ位置がそれぞれ異なる各端面の表面屈折率
をそれぞれ測定することにより、前記屈折率分布の実測
値を得ることを要旨とする。
ずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの加工
方法において、前記基板の一端面側を、該一端面からの
光軸方向の削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨
し、前記深さ位置がそれぞれ異なる各端面の表面屈折率
をそれぞれ測定することにより、前記屈折率分布の実測
値を得ることを要旨とする。
【0021】この構成によれば、基板の一端面側を、光
軸方向の削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨
し、前記深さ位置がそれぞれ異なる各端面の表面屈折率
をそれぞれ測定するので、この測定結果に基づき基板の
正確な屈折率分布が得られる。これにより、光学性能特
に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レ
ンズが作製可能となる。
軸方向の削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨
し、前記深さ位置がそれぞれ異なる各端面の表面屈折率
をそれぞれ測定するので、この測定結果に基づき基板の
正確な屈折率分布が得られる。これにより、光学性能特
に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レ
ンズが作製可能となる。
【0022】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
各端面の表面屈折率を測定する際に、前記基板をその光
軸方向に沿って切断した複数個の試料の各一端面側を、
同一端面からの前記削り量ΔZがそれぞれ異なるように
研削或いは研磨するとともに、削られてできる各試料の
端面の表面屈折率を測定することを要旨とする。
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
各端面の表面屈折率を測定する際に、前記基板をその光
軸方向に沿って切断した複数個の試料の各一端面側を、
同一端面からの前記削り量ΔZがそれぞれ異なるように
研削或いは研磨するとともに、削られてできる各試料の
端面の表面屈折率を測定することを要旨とする。
【0023】この構成によれば、基板から複数個の試料
を作り、各試料の一端面側を前記削り量ΔZがそれぞれ
異なるように研削或いは研磨し、削られてできる各試料
の端面の表面屈折率を測定するので、この測定結果に基
づき基板の正確な屈折率分布が得られる。このため、同
一のイオン交換ロットで所望の屈折率分布がそれぞれ形
成された複数個の基板の一つのみを使って、基板の屈折
率分布を知ることができる。
を作り、各試料の一端面側を前記削り量ΔZがそれぞれ
異なるように研削或いは研磨し、削られてできる各試料
の端面の表面屈折率を測定するので、この測定結果に基
づき基板の正確な屈折率分布が得られる。このため、同
一のイオン交換ロットで所望の屈折率分布がそれぞれ形
成された複数個の基板の一つのみを使って、基板の屈折
率分布を知ることができる。
【0024】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
複数個の試料の各一端面側を削り量ΔZがそれぞれ異な
るように研削或いは研磨する際に、各試料を、その一端
面側を上にして、各試料の削り量ΔZに応じて高さの異
なる複数の載置面にそれぞれ載せ、この状態で複数個の
試料の各一端面側を同じ高さ位置で研削或いは研磨する
ことを要旨とする。
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法において、前記
複数個の試料の各一端面側を削り量ΔZがそれぞれ異な
るように研削或いは研磨する際に、各試料を、その一端
面側を上にして、各試料の削り量ΔZに応じて高さの異
なる複数の載置面にそれぞれ載せ、この状態で複数個の
試料の各一端面側を同じ高さ位置で研削或いは研磨する
ことを要旨とする。
【0025】この構成によれば、各試料の削り量ΔZに
応じて高さの異なる複数の載置面を有する治具を作製し
ておき、これらの載置面のうち、高さの低い載置面には
削り量ΔZの小さい試料が載るように、複数の載置面に
複数個の試料を順に載せる。この状態で、複数個の試料
の各一端面側を同じ高さ位置で研削或いは研磨すること
により、複数個の試料に対して、一端面からの削り量Δ
Zが異なるように1回の加工で簡単に削ることができ
る。これにより、複数個の試料を所望の長さに研削或い
は研磨する作業を効率良く行うことができる。
応じて高さの異なる複数の載置面を有する治具を作製し
ておき、これらの載置面のうち、高さの低い載置面には
削り量ΔZの小さい試料が載るように、複数の載置面に
複数個の試料を順に載せる。この状態で、複数個の試料
の各一端面側を同じ高さ位置で研削或いは研磨すること
により、複数個の試料に対して、一端面からの削り量Δ
Zが異なるように1回の加工で簡単に削ることができ
る。これにより、複数個の試料を所望の長さに研削或い
は研磨する作業を効率良く行うことができる。
【0026】請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6
のいずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの
加工方法で作製される光軸方向屈折率分布型レンズであ
る。この構成によれば、上記加工方法で作製されるの
で、光学性能特に球面収差のばらつきが低減される。ま
た、少なくとも一端側に球面を有するので、反射戻り光
が低減される。
のいずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの
加工方法で作製される光軸方向屈折率分布型レンズであ
る。この構成によれば、上記加工方法で作製されるの
で、光学性能特に球面収差のばらつきが低減される。ま
た、少なくとも一端側に球面を有するので、反射戻り光
が低減される。
【0027】請求項8に係る発明は、上記請求項1〜6
のいずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの
加工方法で作製したレンズを用いたコリメータであっ
て、前記光軸方向屈折率分布型レンズを2個用い、これ
ら2つのレンズを、前記一端面側に形成した各々の曲面
を対向させるとともに、互いの光軸を一致させて配置し
てなることを要旨とする。
のいずれか一項に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの
加工方法で作製したレンズを用いたコリメータであっ
て、前記光軸方向屈折率分布型レンズを2個用い、これ
ら2つのレンズを、前記一端面側に形成した各々の曲面
を対向させるとともに、互いの光軸を一致させて配置し
てなることを要旨とする。
【0028】この構成によれば、上記加工方法で作製さ
れる光学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向
屈折率分布型レンズレンズを2個用いてコリメータが構
成されている。このため、コリメータのレンズ間距離L
と挿入損失の関係を示す図8から明らかなように、例え
ば、レンズ間距離LがL=0からL=1000mm付近
までの広い範囲にわたって、挿入損失が小さくなり、良
好な光学性能が得られる。
れる光学性能特に球面収差のばらつきの少ない光軸方向
屈折率分布型レンズレンズを2個用いてコリメータが構
成されている。このため、コリメータのレンズ間距離L
と挿入損失の関係を示す図8から明らかなように、例え
ば、レンズ間距離LがL=0からL=1000mm付近
までの広い範囲にわたって、挿入損失が小さくなり、良
好な光学性能が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した光軸方
向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光
軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリ
メータの各実施形態について、図面を参照して説明す
る。なお、各実施形態の説明において、同様の部位には
同一の符号を付して重複した説明を省略する。
向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光
軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリ
メータの各実施形態について、図面を参照して説明す
る。なお、各実施形態の説明において、同様の部位には
同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0030】[ 加工方法の一実施形態]図1(a)〜
(f)は一実施形態に係る光軸方向屈折率分布型レンズ
の加工方法を示しており、図2(a)は同加工方法で作
製される光軸方向屈折率分布型レンズを示している。
(f)は一実施形態に係る光軸方向屈折率分布型レンズ
の加工方法を示しており、図2(a)は同加工方法で作
製される光軸方向屈折率分布型レンズを示している。
【0031】本実施形態の加工方法は、図1(a)に示
す透明な基板11から、図2(a)に示す光軸方向屈折
率分布型レンズ12を1個以上作製するための方法であ
る。図1(a)に示す基板11はガラス基板であり、同
基板11には、一端面11aから光軸方向(幅方向)の
所定の深さ位置Aまで、同方向の深さ位置に応じて屈折
率が異なる屈折率分布がイオン交換により形成されてい
る。すなわち、基板11は、前記屈折率分布を持つ一端
面11aから所定の深さ位置Aまでの屈折率分布領域1
3と、屈折率が均一である前記位置Aから他端面11b
までの屈折率均質領域14とを備える。また、屈折率分
布領域13では、屈折率が、一端面11aからの光軸方
向における深さ位置に応じてほぼ直線的に小さくなって
いる(図1(b)参照)。なお、同図(b)は、基板1
1を、光軸方向に沿って円柱状に切り出した一つの試料
の断面を示している。
す透明な基板11から、図2(a)に示す光軸方向屈折
率分布型レンズ12を1個以上作製するための方法であ
る。図1(a)に示す基板11はガラス基板であり、同
基板11には、一端面11aから光軸方向(幅方向)の
所定の深さ位置Aまで、同方向の深さ位置に応じて屈折
率が異なる屈折率分布がイオン交換により形成されてい
る。すなわち、基板11は、前記屈折率分布を持つ一端
面11aから所定の深さ位置Aまでの屈折率分布領域1
3と、屈折率が均一である前記位置Aから他端面11b
までの屈折率均質領域14とを備える。また、屈折率分
布領域13では、屈折率が、一端面11aからの光軸方
向における深さ位置に応じてほぼ直線的に小さくなって
いる(図1(b)参照)。なお、同図(b)は、基板1
1を、光軸方向に沿って円柱状に切り出した一つの試料
の断面を示している。
【0032】また、光軸方向屈折率分布型レンズ12
は、図2(a)に示すように、前記一端面11a側、す
なわち屈折率分布領域13側に曲率半径rの球面15を
有し、他端面11b側にレンズ光軸16に垂直な平面1
7を有している。すなわち、光軸方向屈折率分布型レン
ズ(以下、単にレンズという。)12では、前記深さ位
置に応じて屈折率がn0からΔnだけほぼ直線的に小さ
くなる屈折率分布領域13に、球面15が形成されてい
る(図2(b)参照)。
は、図2(a)に示すように、前記一端面11a側、す
なわち屈折率分布領域13側に曲率半径rの球面15を
有し、他端面11b側にレンズ光軸16に垂直な平面1
7を有している。すなわち、光軸方向屈折率分布型レン
ズ(以下、単にレンズという。)12では、前記深さ位
置に応じて屈折率がn0からΔnだけほぼ直線的に小さ
くなる屈折率分布領域13に、球面15が形成されてい
る(図2(b)参照)。
【0033】本実施形態の加工方法は、以下の工程
(1)〜工程(7)を備える。 (工程1)図1(a)に示す基板11を、光軸方向に沿
って切断し或いは切り出して図1(b)に示す試料18
を複数個作製する。本例では、基板11を光軸方向に沿
って円柱状に切り出した5個の試料181〜185(図1
(b),(c)参照)を作製する。
(1)〜工程(7)を備える。 (工程1)図1(a)に示す基板11を、光軸方向に沿
って切断し或いは切り出して図1(b)に示す試料18
を複数個作製する。本例では、基板11を光軸方向に沿
って円柱状に切り出した5個の試料181〜185(図1
(b),(c)参照)を作製する。
【0034】(工程2)各試料181〜185の一端面1
1a側を、図1(c)に示すように、その一端面11a
からの削り量(球面側削り量)ΔZ(ΔZ1〜ΔZ5)が
段階的に異なるように研削或いは研磨する。ここで、各
削り量ΔZ1〜ΔZ5は、ΔZ 1<ΔZ2<ΔZ3<ΔZ4<
ΔZ5の関係になっている。
1a側を、図1(c)に示すように、その一端面11a
からの削り量(球面側削り量)ΔZ(ΔZ1〜ΔZ5)が
段階的に異なるように研削或いは研磨する。ここで、各
削り量ΔZ1〜ΔZ5は、ΔZ 1<ΔZ2<ΔZ3<ΔZ4<
ΔZ5の関係になっている。
【0035】このように、各試料181〜185の一端面
11a側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそれぞれ異なるよう
に研削或いは研磨するために、本例では、底面19aか
らの高さの異なる5つの載置面191〜195を有する研
削加工用の治具19を用いる。5つの載置面191〜1
95は、載置面191側から載置面195側に向かって高
さが次第に高くなっている。
11a側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそれぞれ異なるよう
に研削或いは研磨するために、本例では、底面19aか
らの高さの異なる5つの載置面191〜195を有する研
削加工用の治具19を用いる。5つの載置面191〜1
95は、載置面191側から載置面195側に向かって高
さが次第に高くなっている。
【0036】各載置面191〜195に、各試料181〜
185をその一端面11a側が上になる姿勢で載せる。
このとき、これらの載置面のうち、高さの低い載置面に
は削り量ΔZの小さい試料が載るように、複数の載置面
に複数個の試料を順に載せる。この状態で、5個の試料
181〜185の各一端面11a側を、治具19の底面1
9aから同じ高さHの位置で一度に研削或いは切断す
る。これにより、各試料181〜185の一端面11a側
が、削り量ΔZ1〜ΔZ5だけそれぞれ削られる(図1
(c)参照)。
185をその一端面11a側が上になる姿勢で載せる。
このとき、これらの載置面のうち、高さの低い載置面に
は削り量ΔZの小さい試料が載るように、複数の載置面
に複数個の試料を順に載せる。この状態で、5個の試料
181〜185の各一端面11a側を、治具19の底面1
9aから同じ高さHの位置で一度に研削或いは切断す
る。これにより、各試料181〜185の一端面11a側
が、削り量ΔZ1〜ΔZ5だけそれぞれ削られる(図1
(c)参照)。
【0037】(工程3)上記工程(2)で削られてでき
る各試料181〜185の端面の表面屈折率を、例えばア
ッベの屈折率計でそれぞれ測定する。この測定により、
各削り量ΔZ1〜ΔZ5と、削られてできる各試料181
〜185の端面の屈折率(表面屈折率)nΔZ1〜nΔZ
5との関係を示す図3に示すような測定結果が得られ
る。
る各試料181〜185の端面の表面屈折率を、例えばア
ッベの屈折率計でそれぞれ測定する。この測定により、
各削り量ΔZ1〜ΔZ5と、削られてできる各試料181
〜185の端面の屈折率(表面屈折率)nΔZ1〜nΔZ
5との関係を示す図3に示すような測定結果が得られ
る。
【0038】(工程4)上記工程(3)で得られる測定
結果に基づき、基板11の屈折率分布領域13の屈折率
分布を得る。この屈折率分布は、図3に示す上記測定結
果を、削り量ΔZのそれぞれ異なる光軸方向の各深さ位
置Zにおける屈折率n(Z)を表す下記の多項式(1) n(Z)=n0+n1Z+n2Z2+n3Z3・・・(1) に当てはめて得られる。
結果に基づき、基板11の屈折率分布領域13の屈折率
分布を得る。この屈折率分布は、図3に示す上記測定結
果を、削り量ΔZのそれぞれ異なる光軸方向の各深さ位
置Zにおける屈折率n(Z)を表す下記の多項式(1) n(Z)=n0+n1Z+n2Z2+n3Z3・・・(1) に当てはめて得られる。
【0039】ここで、n0はΔZ=0の位置、つまり基
板11の一端面11aでの屈折率、n1は1次項の分布
定数、n2は2次項の分布定数、n3は3次項の分布定数
である。
板11の一端面11aでの屈折率、n1は1次項の分布
定数、n2は2次項の分布定数、n3は3次項の分布定数
である。
【0040】また、屈折率分布領域13の屈折率分布を
求める際に、必要に応じて上記多項式(1)の高次の項
を加える。つまり、その屈折率分布は、理想的には直線
分布(1次まで)であるが、実際にイオン交換法により
形成される屈折率分布は直線分布からずれるために、こ
のずれを高次の項で補正する。
求める際に、必要に応じて上記多項式(1)の高次の項
を加える。つまり、その屈折率分布は、理想的には直線
分布(1次まで)であるが、実際にイオン交換法により
形成される屈折率分布は直線分布からずれるために、こ
のずれを高次の項で補正する。
【0041】例えば、上記多項式(1)で2次の項まで
加えることにより、下記に示す分布式(2)が一例とし
て得られる。 n(Z)=1.620 +(-0.060)Z+(0.049 )Z2・・・(2) すなわち、分布式(2)では、n0=1.620 、n1=-0.06
0、n2=0.049 となっている。
加えることにより、下記に示す分布式(2)が一例とし
て得られる。 n(Z)=1.620 +(-0.060)Z+(0.049 )Z2・・・(2) すなわち、分布式(2)では、n0=1.620 、n1=-0.06
0、n2=0.049 となっている。
【0042】(工程5)上記工程(4)で得られる分布
式、例えば上記分布式(2)で表される屈折率分布に基
づき、RMS(Root Mean Square)波面収差(λ)を一
端面11aからの削り量ΔZの関数として求める。
式、例えば上記分布式(2)で表される屈折率分布に基
づき、RMS(Root Mean Square)波面収差(λ)を一
端面11aからの削り量ΔZの関数として求める。
【0043】ここでの波面収差の計算は、光学シュミレ
ーションソフト(例えば、米国Sinclair Optics 社のOs
lo Six等)により行う。こうした計算により求めたRM
S波面収差(λ)と削り量ΔZ(mm)の関係を図4で
示してある。同図から、RMS波面収差が最小となる一
端面11aからの最適削り量ΔZmmが、ΔZm=0.
08mmであることがわかる。
ーションソフト(例えば、米国Sinclair Optics 社のOs
lo Six等)により行う。こうした計算により求めたRM
S波面収差(λ)と削り量ΔZ(mm)の関係を図4で
示してある。同図から、RMS波面収差が最小となる一
端面11aからの最適削り量ΔZmmが、ΔZm=0.
08mmであることがわかる。
【0044】(工程6)上記工程(5)で得られた最適
削り量ΔZmだけ基板11を削ったときにできる端面の
表面屈折率nt(図1(d)参照)を求める。求めた表
面屈折率ntと、それぞれ予め設定されるレンズ12の
開口数NA及び有効径De(図2(a)参照)とに基づ
き、レンズ12の焦点距離f及び曲率半径rが求まる。
削り量ΔZmだけ基板11を削ったときにできる端面の
表面屈折率nt(図1(d)参照)を求める。求めた表
面屈折率ntと、それぞれ予め設定されるレンズ12の
開口数NA及び有効径De(図2(a)参照)とに基づ
き、レンズ12の焦点距離f及び曲率半径rが求まる。
【0045】すなわち、製品仕様からの要請により、開
口数NAとレンズの有効径Deとが予め設定されて与え
られることにより、下記の式(3)によりレンズ12の
焦点距離fが求まる。
口数NAとレンズの有効径Deとが予め設定されて与え
られることにより、下記の式(3)によりレンズ12の
焦点距離fが求まる。
【0046】 NA=De/2f・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) また、上式(3)で求めた焦点距離fと、前記表面屈折
率ntとにより、下記の式(4)によりレンズ12の曲
率半径rが求まる。
率ntとにより、下記の式(4)によりレンズ12の曲
率半径rが求まる。
【0047】 f=r/(nt−1)・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) さらに、レンズ12のレンズ厚sが、下記の式(5)に
より求まる。 s=r−(r2−De2/4)1/2・・・・・・・・・・・(5) こうして、レンズ12を基板11から作製するための加
工パラメータ(本例では、最適削り量ΔZm、曲率半径
r及びレンズ厚s)が求まる。これらの加工パラメータ
は、同一のイオン交換ロットの基板に対して適用可能で
ある。
より求まる。 s=r−(r2−De2/4)1/2・・・・・・・・・・・(5) こうして、レンズ12を基板11から作製するための加
工パラメータ(本例では、最適削り量ΔZm、曲率半径
r及びレンズ厚s)が求まる。これらの加工パラメータ
は、同一のイオン交換ロットの基板に対して適用可能で
ある。
【0048】(工程7)図1(a)に示す基板11を、
一端面11aから最適削り量ΔZmだけ(図1(d)の
斜線部を)研削或いは研磨し、同基板11から有効径D
eの円柱形状のレンズ母材20(図1(e)参照)を1
個以上切り出す。また、切り出されたレンズ母材20の
一端面側を、図1(f)に示すように、曲率半径rの球
面に加工する。そして、最後に、レンズ母材20を、球
面の頂部から距離sの位置で、レンズ軸16に垂直な平
面に切断或いは研削する。
一端面11aから最適削り量ΔZmだけ(図1(d)の
斜線部を)研削或いは研磨し、同基板11から有効径D
eの円柱形状のレンズ母材20(図1(e)参照)を1
個以上切り出す。また、切り出されたレンズ母材20の
一端面側を、図1(f)に示すように、曲率半径rの球
面に加工する。そして、最後に、レンズ母材20を、球
面の頂部から距離sの位置で、レンズ軸16に垂直な平
面に切断或いは研削する。
【0049】これにより、一端面側に球面15を有する
図2(a)に示すレンズ12が完成する。以上のように
構成された一実施形態に係る加工方法によれば、以下の
作用効果を奏する。
図2(a)に示すレンズ12が完成する。以上のように
構成された一実施形態に係る加工方法によれば、以下の
作用効果を奏する。
【0050】(イ)図1(c)に示す5個の試料181
〜185の一端面11a側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそ
れぞれ異なるように研削或いは研磨する、一端面11a
からの光軸方向の深さ位置がそれぞれ異なる各試料の端
面の表面屈折率をそれぞれ測定する。このため、各削り
量ΔZ1〜ΔZ5だけ一端面からの光軸方向の深さがそれ
ぞれ異なる各深さ位置での屈折率が得られる。この測定
結果に基づき基板11の屈折率分布領域13の正確な屈
折率分布(上記分布式(2)で表される屈折率分布)を
得ることができる。これにより、光学性能特にRMS球
面収差のばらつきの少ないレンズ12を作製することが
できる。
〜185の一端面11a側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそ
れぞれ異なるように研削或いは研磨する、一端面11a
からの光軸方向の深さ位置がそれぞれ異なる各試料の端
面の表面屈折率をそれぞれ測定する。このため、各削り
量ΔZ1〜ΔZ5だけ一端面からの光軸方向の深さがそれ
ぞれ異なる各深さ位置での屈折率が得られる。この測定
結果に基づき基板11の屈折率分布領域13の正確な屈
折率分布(上記分布式(2)で表される屈折率分布)を
得ることができる。これにより、光学性能特にRMS球
面収差のばらつきの少ないレンズ12を作製することが
できる。
【0051】(ロ)光学性能特にRMS球面収差のばら
つきの少ないレンズ12を作製できるので、同レンズを
2個使ってコリメータを構成した場合に、挿入損失を低
減することができる。
つきの少ないレンズ12を作製できるので、同レンズを
2個使ってコリメータを構成した場合に、挿入損失を低
減することができる。
【0052】(ハ)レンズ12は少なくとも一端側に球
面15を形成した平凸レンズであるので、反射戻り光を
低減することができる。 (ニ)レンズ12を作製する基板11から、その屈折率
分布を測定するための試料を5個作り、これら5個の試
料181〜185を使って、基板11の一端面11aから
それぞれ異なる深さ位置にある5つの位置での屈折率を
知ることができる。このため、同一のイオン交換ロット
でそれぞれ所望の屈折率分布が形成された複数個の基板
11の一つのみを使って、基板11の正確な屈折率分布
を得ることができる。
面15を形成した平凸レンズであるので、反射戻り光を
低減することができる。 (ニ)レンズ12を作製する基板11から、その屈折率
分布を測定するための試料を5個作り、これら5個の試
料181〜185を使って、基板11の一端面11aから
それぞれ異なる深さ位置にある5つの位置での屈折率を
知ることができる。このため、同一のイオン交換ロット
でそれぞれ所望の屈折率分布が形成された複数個の基板
11の一つのみを使って、基板11の正確な屈折率分布
を得ることができる。
【0053】(ホ)各削り量ΔZ1〜ΔZ5と、削られて
できる各試料181〜185の端面の屈折率(表面屈折
率)nΔZ1〜nΔZ5との関係を示す図3に示すような
測定結果に基づき、RMS波面収差が最小となる一端面
からの最適削り量ΔZmを求めることができる。このた
め、この最適削り量ΔZmを狙いとして基板11の一端
面11a側を研削することができる。これにより、RM
S波面収差のばらつきの小さい1個以上のレンズ12を
基板11から作製することができる。
できる各試料181〜185の端面の屈折率(表面屈折
率)nΔZ1〜nΔZ5との関係を示す図3に示すような
測定結果に基づき、RMS波面収差が最小となる一端面
からの最適削り量ΔZmを求めることができる。このた
め、この最適削り量ΔZmを狙いとして基板11の一端
面11a側を研削することができる。これにより、RM
S波面収差のばらつきの小さい1個以上のレンズ12を
基板11から作製することができる。
【0054】例えば、最適削り量ΔZmをほぼ0.1m
mとした場合、その最適削り量ΔZmを狙いとして基板
11の一端面11a側を研削することができるので、図
6に示すように、加工公差範囲内での波面収差のばらつ
きを、±0.01λ程度の範囲内に抑えることができ
る。
mとした場合、その最適削り量ΔZmを狙いとして基板
11の一端面11a側を研削することができるので、図
6に示すように、加工公差範囲内での波面収差のばらつ
きを、±0.01λ程度の範囲内に抑えることができ
る。
【0055】(ヘ)製品仕様からの要請により、開口数
NAとレンズの有効径Deとが予め設定されて与えられ
ることにより、上式(3)によりレンズ12の焦点距離
fが求まる。また、上式(3)で求めた焦点距離fと、
最適削り量ΔZmだけ削ったときの表面屈折率ntとに
より、上式(4)により曲率半径rを求めることができ
る。
NAとレンズの有効径Deとが予め設定されて与えられ
ることにより、上式(3)によりレンズ12の焦点距離
fが求まる。また、上式(3)で求めた焦点距離fと、
最適削り量ΔZmだけ削ったときの表面屈折率ntとに
より、上式(4)により曲率半径rを求めることができ
る。
【0056】このため、基板11を一端面11aから最
適削り量ΔZmだけ研削或いは研磨し、同基板11から
有効径Deの円柱形状のレンズ母材20を1個以上切り
出し、同母材20の一端面側を曲率半径rの球面に加工
することにより、RMS波面収差の小さいレンズ12を
容易に作製することができる。
適削り量ΔZmだけ研削或いは研磨し、同基板11から
有効径Deの円柱形状のレンズ母材20を1個以上切り
出し、同母材20の一端面側を曲率半径rの球面に加工
することにより、RMS波面収差の小さいレンズ12を
容易に作製することができる。
【0057】(ト)図3に示すような測定結果を、上記
多項式(1)に当てはめることにより、基板11の屈折
率分布を正確に知ることができる。 (チ)こうして得られる屈折率分布に基づき、RMS波
面収差を、光学シュミレーションソフトを使って、一端
面11aからの削り量ΔZの関数として求めることがで
きる。こうして求めた関数から、RMS波面収差が最小
となる削り量ΔZmを求めることができる。
多項式(1)に当てはめることにより、基板11の屈折
率分布を正確に知ることができる。 (チ)こうして得られる屈折率分布に基づき、RMS波
面収差を、光学シュミレーションソフトを使って、一端
面11aからの削り量ΔZの関数として求めることがで
きる。こうして求めた関数から、RMS波面収差が最小
となる削り量ΔZmを求めることができる。
【0058】(リ)各試料181〜185の一端面11a
側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそれぞれ異なるように研削
或いは研磨するために、底面19aからの高さの異なる
5つの載置面191〜195を有する研削加工用の治具1
9を用いている。これにより、5個の試料181〜185
の各一端面11a側を、治具19の底面19aから同じ
高さHの位置で研削或いは切断することにより、5個の
試料181〜185の一端面11a側を、1回の研削或い
は研磨加工で削り量ΔZ1〜ΔZ5だけそれぞれ削ること
ができる。その結果、複数個の試料181〜185を所望
の長さに研削或いは研磨する作業を効率良く行うことが
できる。
側を、削り量ΔZ1〜ΔZ5がそれぞれ異なるように研削
或いは研磨するために、底面19aからの高さの異なる
5つの載置面191〜195を有する研削加工用の治具1
9を用いている。これにより、5個の試料181〜185
の各一端面11a側を、治具19の底面19aから同じ
高さHの位置で研削或いは切断することにより、5個の
試料181〜185の一端面11a側を、1回の研削或い
は研磨加工で削り量ΔZ1〜ΔZ5だけそれぞれ削ること
ができる。その結果、複数個の試料181〜185を所望
の長さに研削或いは研磨する作業を効率良く行うことが
できる。
【0059】[ コリメータの一実施形態]次に、上記一
実施形態に係る加工方法で作製したレンズ12を用いた
コリメータの一実施形態について、図7及び図8を参照
して説明する。
実施形態に係る加工方法で作製したレンズ12を用いた
コリメータの一実施形態について、図7及び図8を参照
して説明する。
【0060】図7に示すコリメータ30は、上記レンズ
12を2個用い、これら2つのレンズ12,12を、前
記一端面側に形成した各々の曲面15,15を対向させ
るとともに、互いのレンズ光軸16,16を一致させて
配置してなる。
12を2個用い、これら2つのレンズ12,12を、前
記一端面側に形成した各々の曲面15,15を対向させ
るとともに、互いのレンズ光軸16,16を一致させて
配置してなる。
【0061】このように構成された一実施形態に係るコ
リメータによれば、以下の作用効果を奏する。 (ヌ)光学性能特にRMS球面収差のばらつきの少ない
レンズ12を2個用いてコリメータ30が構成されてい
る。このため、コリメータ30のレンズ間距離Lと挿入
損失(dB)の関係を示す図8から明らかなように、レ
ンズ間距離LがL=0からL=1000mm付近までの
広い範囲にわたって、挿入損失を小さくすることがで
き、良好な光学性能が得られる。したがって、レンズ間
距離Lを広い範囲で変更しても、挿入損失が少なく、良
好な光学性能を有する高性能コリメータが得られる。
リメータによれば、以下の作用効果を奏する。 (ヌ)光学性能特にRMS球面収差のばらつきの少ない
レンズ12を2個用いてコリメータ30が構成されてい
る。このため、コリメータ30のレンズ間距離Lと挿入
損失(dB)の関係を示す図8から明らかなように、レ
ンズ間距離LがL=0からL=1000mm付近までの
広い範囲にわたって、挿入損失を小さくすることがで
き、良好な光学性能が得られる。したがって、レンズ間
距離Lを広い範囲で変更しても、挿入損失が少なく、良
好な光学性能を有する高性能コリメータが得られる。
【0062】[ 変形例]なお、この発明は以下のように
変更して具体化することもできる。 ・上記一実施形態の加工方法では、1つの基板11から
作製した5個の試料181〜185を使って、基板11の
屈折率分布を得るようにしているが、試料の数は5個以
外の複数個であってもよい。
変更して具体化することもできる。 ・上記一実施形態の加工方法では、1つの基板11から
作製した5個の試料181〜185を使って、基板11の
屈折率分布を得るようにしているが、試料の数は5個以
外の複数個であってもよい。
【0063】・上記一実施形態の加工方法では、複数個
の試料181〜185を使って基板11の屈折率分布を得
るようにしているが、本発明はこれに限定されない。例
えば、基板11自体の一端面11a側を、同端面からの
削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨する、削ら
れてできる各端面の表面屈折率をその都度測定するよう
にしてもよい。
の試料181〜185を使って基板11の屈折率分布を得
るようにしているが、本発明はこれに限定されない。例
えば、基板11自体の一端面11a側を、同端面からの
削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨する、削ら
れてできる各端面の表面屈折率をその都度測定するよう
にしてもよい。
【0064】・上記一実施形態の加工方法では、基板1
1の一端面11aからの光軸方向の深さ位置がそれぞれ
異なる位置での表面屈折率をそれぞれ測定して、同基板
11の屈折率分布の実測値を得ているが、同屈折率分布
の測定方法はこれに限定されない。
1の一端面11aからの光軸方向の深さ位置がそれぞれ
異なる位置での表面屈折率をそれぞれ測定して、同基板
11の屈折率分布の実測値を得ているが、同屈折率分布
の測定方法はこれに限定されない。
【0065】・上記一実施形態の加工方法では、治具1
9を用いて複数個(5個)の試料181〜185の一端面
側を1回の加工で一度に研削或いは研磨するようにして
いるが、各試料の一端面側を個別に研削或いは研磨する
ようにしてもよいことは言うまでもない。
9を用いて複数個(5個)の試料181〜185の一端面
側を1回の加工で一度に研削或いは研磨するようにして
いるが、各試料の一端面側を個別に研削或いは研磨する
ようにしてもよいことは言うまでもない。
【0066】・上記一実施形態の加工方法では、レンズ
12の一端面側にのみ球面15を形成するようにしてい
るが、レンズ12の両端面に球面を形成する場合にも本
発明は適用可能である。
12の一端面側にのみ球面15を形成するようにしてい
るが、レンズ12の両端面に球面を形成する場合にも本
発明は適用可能である。
【0067】・上記一実施形態の加工方法において、上
記分布式(2)で表される屈折率分布のとき、レンズの
有効径Deと曲率半径rを一定にして、削り量ΔZを
0.02mmから0.20mmまで0.02mm間隔で
変えた場合、各削り量ΔZに対応する焦点距離fと開口
数NAを計算すると、NAはほとんど一定になる。この
場合の焦点距離fと削り量ΔZの関係を図5に示してあ
る。ここで、De=3.4mm、r=7.3mm、s=
0.2mmとして計算している。図5から明らかなよう
に、焦点距離fはΔZが大きくなるのに従って増加する
が、NAはΔZの変化に対してほぼ一定である。
記分布式(2)で表される屈折率分布のとき、レンズの
有効径Deと曲率半径rを一定にして、削り量ΔZを
0.02mmから0.20mmまで0.02mm間隔で
変えた場合、各削り量ΔZに対応する焦点距離fと開口
数NAを計算すると、NAはほとんど一定になる。この
場合の焦点距離fと削り量ΔZの関係を図5に示してあ
る。ここで、De=3.4mm、r=7.3mm、s=
0.2mmとして計算している。図5から明らかなよう
に、焦点距離fはΔZが大きくなるのに従って増加する
が、NAはΔZの変化に対してほぼ一定である。
【0068】このことから、設計パラメータとして開口
数NAと、有効径De又は曲率半径rのいずれかを与え
れば、最適削り量ΔZmは上記分布式(2)で表される
屈折率分布に基づいて求まるとともに、曲率半径r又は
有効径Deが求まる。これにより、波面収差のばらつき
の小さい特性の揃った光軸方向屈折率分布型レンズを作
製できることが分かる。
数NAと、有効径De又は曲率半径rのいずれかを与え
れば、最適削り量ΔZmは上記分布式(2)で表される
屈折率分布に基づいて求まるとともに、曲率半径r又は
有効径Deが求まる。これにより、波面収差のばらつき
の小さい特性の揃った光軸方向屈折率分布型レンズを作
製できることが分かる。
【0069】したがって、上記一実施形態の加工方法で
は、設計パラメータとして、レンズ12の開口数NA
と、レンズの有効径Deとを与えることにより、加工パ
ラメータとして、最適削り量ΔZmと曲率半径rを求め
るようにしているが、本発明はこのような構成に限定さ
れない。設計パラメータとして、開口数NAと曲率半径
rを与えることにより、加工パラメータとして、最適削
り量ΔZmと有効径Deを求めるようにしてもよい。
は、設計パラメータとして、レンズ12の開口数NA
と、レンズの有効径Deとを与えることにより、加工パ
ラメータとして、最適削り量ΔZmと曲率半径rを求め
るようにしているが、本発明はこのような構成に限定さ
れない。設計パラメータとして、開口数NAと曲率半径
rを与えることにより、加工パラメータとして、最適削
り量ΔZmと有効径Deを求めるようにしてもよい。
【0070】・上記一実施形態の加工方法では、基板1
1としてガラス基板を用いたが、基板11はガラスに限
らず、光軸方向に屈折率分布を形成できる材質であれば
よい。
1としてガラス基板を用いたが、基板11はガラスに限
らず、光軸方向に屈折率分布を形成できる材質であれば
よい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、光学性能特に球面収差のばらつきの少ない
光軸方向屈折率分布型レンズを作製することができる。
明によれば、光学性能特に球面収差のばらつきの少ない
光軸方向屈折率分布型レンズを作製することができる。
【0072】請求項7に係る発明によれば、光学性能特
に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レ
ンズが得られる。請求項8に係る発明によれば、レンズ
間距離を広い範囲で変更しても挿入損失が少なく、良好
な光学性能を有する高性能コリメータが得られる。
に球面収差のばらつきの少ない光軸方向屈折率分布型レ
ンズが得られる。請求項8に係る発明によれば、レンズ
間距離を広い範囲で変更しても挿入損失が少なく、良好
な光学性能を有する高性能コリメータが得られる。
【図1】 (a)〜(f)は一実施形態に係る光軸方向
屈折率分布型レンズの加工方法を示す説明図。
屈折率分布型レンズの加工方法を示す説明図。
【図2】 (a)は同加工方法で作製した光軸方向屈折
率分布型レンズを示す側面図、(b)は同レンズの屈折
率分布を示す説明図。
率分布型レンズを示す側面図、(b)は同レンズの屈折
率分布を示す説明図。
【図3】 削り量と屈折率の関係を示すグラフ。
【図4】 削り量とRMS波面収差の関係を示すグラ
フ。
フ。
【図5】 一実施形態の変形例を説明するための削り量
と焦点距離の関係を示すグラフ。
と焦点距離の関係を示すグラフ。
【図6】 一実施形態に係る加工方法により、最適削り
量ΔZmをほぼ0.1mmとした場合における、削り量
ΔZと波面収差の関係を示すグラフ。
量ΔZmをほぼ0.1mmとした場合における、削り量
ΔZと波面収差の関係を示すグラフ。
【図7】 一実施形態に係るコリメータを示す概略構成
図。
図。
【図8】 同コリメータにおけるレンズ間距離と挿入損
失の関係を示すグラフ。
失の関係を示すグラフ。
【図9】 従来の光軸方向屈折率分布型レンズの削り量
と波面収差の関係を示すグラフ。
と波面収差の関係を示すグラフ。
11…基板、11a…一端面、12…光軸方向屈折率分
布型レンズ、15…球面、16…レンズ軸(光軸)、1
8(181〜185)…試料、19…治具、191〜195
…載置面、20…レンズ母材、30…コリメータ。
布型レンズ、15…球面、16…レンズ軸(光軸)、1
8(181〜185)…試料、19…治具、191〜195
…載置面、20…レンズ母材、30…コリメータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA22 LA25 PA02 PA17 PB02 QA05 QA13 QA21 QA33 QA41 RA23
Claims (8)
- 【請求項1】 一端面からの光軸方向の深さ位置により
屈折率が異なる屈折率分布を有する透明な基板から、少
なくとも前記一端面側を曲率半径rの球面にした1個以
上の光軸方向屈折率分布型レンズを作製する光軸方向屈
折率分布型レンズの加工方法であって、 前記屈折率分布の実測値に基づき前記レンズを加工する
ことを特徴とする光軸方向屈折率分布型レンズの加工方
法。 - 【請求項2】 前記屈折率分布の実測値に基づき、波面
収差が最小となる前記一端面からの最適削り量ΔZm
と、同最適削り量ΔZmだけ削ったときの表面屈折率n
tとを求め、この表面屈折率ntと、予め設定される開口
数NAと、予め設定されるレンズの有効径De又は前記
曲率半径rとに基づき、曲率半径r又は有効径Deを求
めることを特徴とする請求項1に記載の光軸方向屈折率
分布型レンズの加工方法。 - 【請求項3】 前記波面収差が最小となる前記最適削り
量ΔZmは、前記実測値を、前記削り量ΔZの異なる前
記光軸方向の各深さ位置Zにおける屈折率n(Z)を表
す下記の多項式 n(Z)=n0+n1Z+n2Z2+・・・(ここで、n0
はΔZ=0の位置での屈折率、n1は1次項の分布定
数、n2は2次項の分布定数である。)に当てはめて前
記屈折率分布を得るとともに、同屈折率分布に基づき波
面収差を前記一端面からの削り量ΔZの関数として求め
ことにより得ることを特徴とする請求項1又は2に記載
の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法。 - 【請求項4】 前記基板の一端面側を、該一端面からの
光軸方向の削り量ΔZを段階的に変えて研削或いは研磨
し、前記深さ位置がそれぞれ異なる各端面の表面屈折率
をそれぞれ測定することにより、前記屈折率分布の実測
値を得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
に記載の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法。 - 【請求項5】 前記各端面の表面屈折率を測定する際
に、前記基板をその光軸方向に沿って切断した複数個の
試料の各一端面側を、同一端面からの前記削り量ΔZが
それぞれ異なるように研削或いは研磨するとともに、削
られてできる各試料の端面の表面屈折率を測定すること
を特徴とする請求項4に記載の光軸方向屈折率分布型レ
ンズの加工方法。 - 【請求項6】 前記複数個の試料の各一端面側を削り量
ΔZがそれぞれ異なるように研削或いは研磨する際に、
各試料を、その一端面側を上にして、各試料の削り量Δ
Zに応じて高さの異なる複数の載置面にそれぞれ載せ、
この状態で複数個の試料の各一端面側を同じ高さ位置で
研削或いは研磨することを特徴とする請求項5に記載の
光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法。 - 【請求項7】 上記請求項1〜6のいずれか一項に記載
の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法で作製される
光軸方向屈折率分布型レンズ。 - 【請求項8】 上記請求項1〜6のいずれか一項に記載
の光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法で作製したレ
ンズを用いたコリメータであって、 前記光軸方向屈折率分布型レンズを2個用い、これら2
つのレンズを、前記一端面側に形成した各々の曲面を対
向させるとともに、互いの光軸を一致させて配置してな
ることを特徴とするコリメータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001114775A JP2002311212A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | 光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリメータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001114775A JP2002311212A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | 光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリメータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002311212A true JP2002311212A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18965779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001114775A Pending JP2002311212A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | 光軸方向屈折率分布型レンズの加工方法、同方法で作製した光軸方向屈折率分布型レンズ、及び同レンズを用いたコリメータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002311212A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013243635A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-12-05 | Rohm Co Ltd | ドキュメントスキャナ |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5964547A (ja) * | 1982-10-02 | 1984-04-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 軸方向屈折率分布型レンズの製造方法 |
JPS61261238A (ja) * | 1985-05-13 | 1986-11-19 | Hoya Corp | 軸方向に屈折率分布を有するレンズの製造法 |
JPH01226753A (ja) * | 1988-03-07 | 1989-09-11 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 屈折率分布ガラス体の製造方法 |
JPH01312521A (ja) * | 1988-06-13 | 1989-12-18 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 真空装置用光学系 |
JPH02271936A (ja) * | 1989-04-12 | 1990-11-06 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 光学ガラスのイオン交換処理方法 |
JPH11153705A (ja) * | 1997-11-20 | 1999-06-08 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 軸方向屈折率分布型レンズ |
-
2001
- 2001-04-13 JP JP2001114775A patent/JP2002311212A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013243635A (ja) * | 2012-04-23 | 2013-12-05 | Rohm Co Ltd | ドキュメントスキャナ |
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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