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JP2002308922A - 光重合性組成物並びにそれを用いた記録材料 - Google Patents

光重合性組成物並びにそれを用いた記録材料

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JP2002308922A
JP2002308922A JP2001114565A JP2001114565A JP2002308922A JP 2002308922 A JP2002308922 A JP 2002308922A JP 2001114565 A JP2001114565 A JP 2001114565A JP 2001114565 A JP2001114565 A JP 2001114565A JP 2002308922 A JP2002308922 A JP 2002308922A
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JP
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color
compound
recording layer
recording material
light
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Pending
Application number
JP2001114565A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Matsumoto
浩隆 松本
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Priority to US10/120,392 priority patent/US6869746B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、保存性、光定着性の向上を図った光重
合性組成物及びそれを用いた記録材料を提供する。 【解決手段】 少なくとも付加重合性不飽和結合を有す
る重合可能な化合物と、光ラジカル発生剤と、下記一般
式(I)で表されるアミン化合物とを、含有することを
特徴とする光重合性組成物 【化1】 (一般式(I)中、R1、R2は水素原子、脂肪族基から
選択され互いに同一であってもよいし、異なっていても
よい。該脂肪族基はさらに置換基を有していてもよく、
直接又は置換基を介して連結して環を形成していてもよ
い。R3はベンジル基を表し、さらに置換基を有してい
てもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外〜赤外領域に
ある各種光源の利用が可能な単色又は多色の記録材料に
用いる光重合性組成物に関し、詳しくは、感度、保存
性、光定着性の向上を図った光重合性組成物及びそれを
用いた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液状の現像剤等を用いず、廃
棄物の発生のないドライタイプの画像記録方法が種々検
討されており、中でも、光によって硬化する組成物を用
いる方法が注目されている。この方法は、露光すること
によって、記録材料中に含まれ、光によって硬化する組
成物が硬化することによって潜像が形成される。一方、
記録材料中の未露光部に含まれ、加熱によって発色若し
くは消色反応に作用する成分が記録材料内で移動し、色
画像を形成することを特徴とする。このような方式の記
録材料を用いる場合、まず、光を画像原稿に通して記録
材料上に露光し、該露光部を硬化させて潜像を形成した
後、この記録材料を加熱することにより、未硬化部分
(未露光部分)に含まれる発色若しくは消色反応に作用
する成分を移動させ、可視画像を形成する。この方式に
よれば、廃棄物の発生のない完全ドライシステムを実現
することができる。
【0003】上記方式に用いる記録材料は、具体的には
数種の種類があり、白黒画像の記録方式としても特徴の
ある方式であるが、特に、カラー画像の記録に有用な方
式である。具体的な記録材料としては、例えば、特開昭
52−89915号公報に開示されている2成分型の感
光感熱発色記録材料が知られている。これは、2成分と
して、例えば、電子受容性化合物と電子供与性の無色色
素を用い、光硬化性組成物をマイクロカプセルの内部若
しくは外部、又は双方に含有する感熱発色型の記録材料
である。しかし、この記録材料は、マイクロカプセル内
に含有する光硬化性組成物を十分に硬化させても、その
硬化部における発色を十分に抑制することができない。
このため、非画像部が着色してしまい、コントラストが
低下する傾向がある。
【0004】非画像部の着色のない記録材料としては、
例えば、特開昭61−123838号公報に開示され
る、酸性基を有するビニルモノマーと光重合開始剤から
なる光重合性組成物を含有する層、隔離層及び電子供与
性の無色色素からなる層を積層した記録材料が知られて
いる。この記録材料の場合、非画像部、即ち、光重合反
応によって硬化した部分は酸性基の熱拡散性が無く、非
画像部の着色はない。しかし、その一方で発色濃度自体
がやや低いという欠点がある。
【0005】また、同様の方式で、ネガ画像を得る方式
として、特開平60−119552号公報に開示されて
いる記録材料がある。これは、色素を漂白するモノマー
又はプレポリマーと光重合開始剤とからなる光重合性組
成物と、モノマー若しくはプレポリマーによって漂白さ
れる色素と、を隔離して存在させた記録材料であり、こ
の記録材料も上述の記録材料と同様に、非画像部の着色
はないが、発色濃度自体がやや低いという欠点がある。
【0006】本出願人は、上記欠点に鑑みて、非画像部
における着色を低減し、かつ高い画像濃度が得られる記
録材料として、先に特開平3−87827号公報及び特
開平4−211252号公報に記載の記録材料を提案し
た。前者の記録材料は、2成分型感光感熱発色記録材料
中の2成分のうち、一方をマイクロカプセルに内包し、
他方を光硬化性組成物の硬化性化合物として、或いは、
他方を光硬化性組成物と供にマイクロカプセル外部に含
有する記録材料である。また、後者の記録材料は、電子
供与性の無色色素を内包するマイクロカプセルと、該マ
イクロカプセル外部に電子受容性化合物、重合性ビニル
モノマー及び光重合開始剤を含有する光硬化性組成物
と、を有する層を塗設した感光感熱記録材料である。
【0007】このような感光感熱記録材料を用いてカラ
ー画像の記録を行なうには、感光波長と発色色相が互い
に異なる複数の記録層を支持体上に積層した記録材料を
用いることによって達成することができる。多色の感光
感熱記録材料としては、例えば、本出願人提案の上記感
光感熱記録材料を挙げることができ、具体的には、異な
る波長の光に感光し、かつ異なる色相に発色する複数の
記録層、即ち、中心波長λ1の光に感光し発色する第1
の記録層、中心は波長λ1の光を吸収する中間層、中心
波長λ2の光に感光し、第1の記録層と異なる色に発色
する第2の記録層、・・・、中心波長λi-1の光を吸収
する中間層、中心波長λiの光に感光し、第1、第2、
・・・、及び第i−1番目の記録層と異なる色に発色す
る第i番目の記録層を、露光光源から支持体方向に順
に、少なくともi≧2で積層され、このときの中心波長
λがλ1<λ2<・・・<λiであることを特徴とする多
色記録材料を挙げることができる。
【0008】しかし、これらの記録材料は様々な用途に
適用できるものの、いずれもUV光、短波可視光以外の
光源では画像記録できず、小型で安価な赤外レーザーや
青〜赤色光を用いた使用は不可能であった。
【0009】さらに、高速かつ高精細な画像形成を可能
とするために、上記のような小型で安価な赤外レーザー
や青〜赤色光を用いる場合、記録層中に各照射光の吸収
波長である紫外〜赤外領域に吸収を有する色素等を導入
しなければならない。ところが、これらの色素等、中で
も可視光域に吸収のある色素等を使用した場合には地肌
部が着色されてしまい、コントラストの低い低品位な画
像しか得ることができない。一方、近赤外領域に吸収の
ある色素等を使用すれば地肌部の着色を少なくすること
ができるが、対応するレーザーが高価になってしまうと
いった欠点がある。
【0010】一方、感圧発色型の記録材料として、例え
ば、米国特許第4399209号明細書、同第4440
846号明細書等に開示されている感光感圧記録材料が
挙げられる。これは、画像形成剤としての着色前駆体を
マイクロカプセルに内包させた記録材料を用い、画像様
に露光した後、均一に圧力等を付与することによって、
光硬化していない領域のマイクロカプセルを破裂させ、
カプセル内より放出した着色前駆体とカプセル外の現像
剤とを反応させて可視化する。この多色の記録材料とし
ては、米国特許第339917号明細書、同第4576
891号明細書等に記載のものを挙げることができる。
【0011】しかし、この記録材料においても、光硬化
させる組成の殆どが短波長下において感光性を有するも
のであるため、上記感光感熱記録材料と同様、いずれも
UV光、短波可視光以外の光源では画像記録できず、小
型で安価な赤外レーザーや青〜赤色光を用いた使用は不
可能であった。さらに、高速かつ高精細な画像形成を可
能とするためには、やはり地肌部が着色されたり、コン
トラストの低い低品位な画像しか得ることができない等
といった欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、感度、保存性、光定着性の
向上を図った光重合性組成物を提供することを目的とす
る。また、本発明は、上記光重合性組成物を用いること
で、現像液等の使用が不要、かつ廃棄物の発生のない完
全ドライの処理系で、かつ高感度で、コントラストの高
い高画質な画像を形成できる白黒若しくはカラーの記録
材料を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、支持体上
に記録層の設けられた記録材料の上記記録層を構成する
構成成分、及びこの記録材料を所望の画像形状に露光
し、マイクロカプセル外部に存在させた、光重合して硬
化する組成物(以下、「光重合性組成物」と称する。)
を硬化して潜像形成した後、加熱又は加圧することで発
色成分を発色させ、画像形成する記録材料の画像記録方
法に関し、鋭意検討を重ねた結果、記録層中に特定の光
ラジカル発生剤及び重合助剤としてアミン化合物を使用
すること、また、画像形成後の記録層表面をさらに光照
射することによって形成画像を定着すること、によって
光重合組成物の光重合感度及び生保存性の向上のみなら
ず、コントラスト、画像品質に優れた高画質な画像を得
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。前記課題を解決するための手段は以下の通りであ
る。即ち、本発明は、
【0014】<1>少なくとも付加重合性不飽和結合を
有する重合可能な化合物と、下記一般式(I)で表され
るアミン化合物と光ラジカル発生剤と、を有することを
特徴とする光重合性組成物である。
【0015】
【化3】 (一般式(I)中、R1、R2は水素原子、脂肪族基から
選択され互いに同一であってもよいし、異なっていても
よい。該脂肪族基はさらに置換基を有していてもよく、
直接又は置換基を介して連結して環を形成していてもよ
い。R3はベンジル基を表し、さらに置換基を有してい
てもよい。)
【0016】<2>光ラジカル発生剤として、下記一般
式(II)で表される有機ホウ素化合物を含有すること
を特徴とする上記<1>の光重合性組成である。
【0017】
【化4】 (一般式(II)中、Rは、アルキル基、アリール基、
アラルキル基、アルケニル基、、アルキニル基、複素環
基、及びこれらの誘導体から選択され、互いに同一であ
ってもよいし、異なっていてもよい。また、これらのう
ち2個以上が直接又は置換基を介して連結して含ほう素
へテロ環を形成していてもよい。Xは陽イオンを形成し
得る基を表す。)
【0018】<3>有機色素を含有することを特徴とす
る上記<2>の光重合性組成物である。
【0019】<4>上記有機色素が、アニオン、ノニオ
ン及び前記一般式(II)の有機ホウ素化合物と塩を形
成する場合を含むカチオンの少なくとも一種であること
を特徴とする上記<3>に記載の光重合性組成物であ
る。
【0020】<5>支持体上に記録層を有する記録材料
であって、前記記録層は、上記<1>〜<4>のいずれ
かに記載の光重合性組成物を含むことを特徴とする記録
材料である。
【0021】<6>支持体上に記録層を有してなり、該
記録層が発色成分を内包するマイクロカプセルと、上記
<1>〜<4>までのいずれかに記載の光重合性組成物
とを少なくとも含有し、エチレン性不飽和結合を有する
重合可能な化合物が、前記発色成分と反応して、該発色
成分を発色させる部位を有する化合物である記録材料で
ある。
【0022】<7>支持体上に記録層を有してなり、該
記録層が発色成分を内包するマイクロカプセルと、前記
発色成分と反応して発色させる発色化合物と、上記<1
>〜<4>のいずれかに記載の光重合性組成物とを少な
くとも含有し、エチレン性不飽和結合を有する重合可能
な化合物が、前記発色成分と前記発色化合物との反応を
抑制する部位を有する発色抑制化合物である記録材料で
ある。
【0023】<8>中心波長λ1の光に感光する第1の
記録層、中心波長λ2の光に感光し、前記第1の記録層
と異なる色に発色する第2の記録層、・・・、中心波長
λiの光に感光し、前記第1、第2、・・・、及び第i
−1番目の記録層と異なる色に発色する第iの記録層の
順に積層された多層構造を有する上記<5>〜<7>い
ずれかに記載の記録材料である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光重合性組成物
及びそれを用いた記録材料について、詳細に説明する。
【0025】<光重合性組成物>本発明にかかる光重合
性組成物は、後述する記録材料及び記録方法に好ましく
用いることができるもので、少なくとも付加重合性不飽
和結合を有する重合可能な化合物(以下、単に「重合可
能な化合物」という場合がある。)と、光ラジカル発生
剤と、下記一般式(I)で表されるアミン化合物(以
下、単に「アミン化合物」という場合がある。)からな
り、さらに有機色素を含有していることがより好まし
い。
【0026】上記有機色素と光ラジカル発生剤およびア
ミン化合物は、光露光することによってラジカルを発生
して層内で重合反応を起こし、かつその反応を促進させ
ることができる光重合開始剤として機能する。この重合
反応によって記録層膜は硬化し、所望の画像形状の潜像
を形成することができる。尚、該光ラジカル発生剤及び
アミン化合物は、後述する記録材料(a)〜(c)のい
ずれの場合にも使用することができる。
【0027】(アミン化合物)本発明の光重合性組成物
に含まれるアミン化合物は、下記一般式(I)で表され
る。該アミン化合物を上記重合可能な化合物、及び光ラ
ジカル発生剤と、共存させることによって、重合助剤と
して働き、光重合感度が向上し、生保存性も良好とな
る。
【0028】
【化5】
【0029】一般式(II)中、R1、R2は水素原子、
脂肪族基から選択され互いに同一であってもよいし、異
なっていてもよい。該脂肪族基はさらに置換基を有して
いてもよく、直接又は置換基を介して連結して環を形成
していてもよい。R3はベンジル基を表し、さらに置換
基を有していてもよい。
【0030】上記アミン化合物の具体例およびを以下に
挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化6】
【0032】また、アミン化合物は重合可能な化合物に
対して、即ち、アミン化合物/重合可能な化合物は、1
/1000〜1/1の範囲で使用することが好ましく、
1/100〜1/5の範囲で使用することがより好まし
いが、1/50〜1/10の範囲で使用することが最も
好ましい。上記の比が、1/1000〜1/1の範囲内
であれば、十分な重合反応性の向上、および保存性の向
上を得ることができる。つまり、光重合感度が向上し、
生保存性も良好となる。
【0033】(光ラジカル発生剤)光ラジカル発生剤
は、光露光することによってラジカルを発生して重合反
応を起こし、かつその反応を促進させることができる。
上記光ラジカル発生剤としては、ベンゾフェノン、アセ
トフェノン誘導体例えばα−ヒドロキシ−もしくは、α
−アミノセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキ
ソラン、ベンゾインアルキルエ−テルおよびベンジルケ
タール、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホ
スフィンオキシドまたはチタノセン、フルオレセン、ア
ントラキノン、チオキサントンまたはキサントン、ロフ
ィンダイマー、トリハロメチル化合物またはジハロメチ
ル化合物、活性エステル化合物、有機ホウ素化合物が挙
げられるが、下記一般式(II)で表される有機ホウ素
化合物が特に好ましい。
【0034】
【化7】
【0035】一般式(II)中、Rは、アルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、複素環基、及びこれらの誘導体、から選択され、互
いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。ま
た、これらのうち2個以上が直接又は置換基を介して連
結して含硼素へテロ環を形成していてもよい。尚、上記
官能基は置換基を含んでいても良い。Xは陽イオン形成
し得る基を表す。
【0036】上記有機ホウ素化合物としては、特開昭6
2−143044号公報、特開平9−188685号公
報、特開平9−188686号公報、特開平9−188
710号公報、特願平11−108466号明細書に記
載の有機ホウ素化合物が挙げられる。該有機ホウ素化合
物を上記有機色素と共存させることによって、その分光
吸収波長領域の露光光源に効率よく感応するため、高感
度化が図られ、かつ紫外〜赤外領域にある任意の光源を
用いてラジカルの発生を制御することができる。
【0037】上記有機ホウ素化合物の具体例((1)〜
(19)および(A−1)〜(A−13))を以下に挙
げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】また、本発明の光重合性組成物において
は、後述する有機色素と、有機ホウ素化合物とを別添加
する際、その使用比率が、高感度化と後述する記録方法
における定着工程の光照射による十分な消色性を得る点
で非常に重要となる。有機色素と有機ホウ素化合物の比
(=1/1:モル比)に加え、さらに記録層内に残存す
る有機色素を十分に消色するのに必要な量の有機ホウ素
化合物を添加することが十分な高感度と消色性能を得る
点から特に好ましい。即ち、有機色素/有機ホウ素化合
物の比は、1/1〜1/50の範囲で使用することが好
ましく、1/1.2〜1/30の範囲で使用することが
より好ましいが、1.2〜1/20の範囲で使用するこ
とが最も好ましい。上記の比が、1/1〜1/50で
は、十分な重合反応性と消色性が得られ、かつ、塗布適
性の劣化も防ぐことができる。したがって、本発明で
は、有機色素1モルに対して有機ホウ素化合物を1モル
以上使用することで、感度、保存性、光定着性、有機色
素の消色性等を向上させることができる。尚、本発明の
光重合性組成物においては、単独又は複数種の有機ホウ
素化合物を使用することができる。複数種の有機ホウ素
化合物を用いる場合は、全有機ホウ素化合物の総量が1
モル以上であればよい。複数種の有機ホウ素を併用する
ことで、感度に有効な有機ホウ素化合物を各々の観点で
利用することができる。
【0045】また、本発明の光重合組成物中の有機色素
と有機ホウ素化合物との総量は、後述する付加重合性不
飽和結合を有する重合可能な化合物の使用量に対し、
0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、
0.1〜5質量%の範囲で使用することがより好ましい
が、0.1〜1質量%の範囲で使用することが最も好ま
しい。上記使用量が、0.1質量%〜10質量%の範囲
内で使用すると保存安定性と、塗布適性が保たれる。
【0046】尚、本発明の効果に影響を与えない範囲
で、上記有機色素と相互作用する、特願平11−363
08号明細書の段落番号[0145]〜[0151]に
挙げられる化合物を本発明の光重合性組成物に併用して
もよい。これら有機色素と相互作用する化合物として
は、ベンゾインエーテル類、トリハロゲン置換メチル基
を有するS−トリアジン誘導体、有機過酸化物又はアジ
ニウム塩化物が好ましい。
【0047】本発明の光重合性組成物には、重合反応を
促進する目的で、さらに助剤として、酸素除去剤(ox
ygen scavenger)又は活性水素ドナーの
連鎖移動助剤等の還元剤や連鎖移動的に重合を促進する
その他の化合物を添加することもできる。上記酸素除去
剤としては、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイ
ト、第1銀塩又は酸素によって容易に酸化されるその他
の化合物が挙げられる。具体的には、N−フェニルグリ
シン、トリメチルバルビツール酸、N,N−ジメチル−
2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N,N−2,
4,6−ペンタメチルアニリン酸が挙げられる。さら
に、チオール類、チオケトン類、トリハロメチル化合
物、ロフィンダイマー化合物、ヨードニウム塩類、スル
ホニウム塩類、アジニウム塩類、有機過酸化物、アジド
類等も重合促進剤として有用である。
【0048】(有機色素)本発明に用いる有機色素とし
ては、公知の化合物の中から適宜選択することができる
が、中でも300〜1000nmに最大吸収波長を有す
る有機色素であることが好ましい。上記波長領域にある
有機色素から所望の任意の色素を選択し、用いる光源に
適合するよう感光波長を調整することによって高感度を
得ることができ、また、画像露光に用いる光源に青色、
緑色、赤色の光源や赤外レーザー等を好適に選択するこ
とができる。従って、例えば、異なる色相に発色する単
色の記録層を積層した多色の記録材料を用いてカラー画
像を形成するような場合に、発色色相の異なる各単色層
中に異なる吸収波長を有する分光増感色素として機能す
る有機色素を存在させ、その吸収波長に適合した光源を
用いることによって、複数層積層した記録材料において
も、各層(各色)が高感度で、かつ高鮮鋭な画像を形成
するため、多色の記録材料として、高感度化と高鮮鋭化
を達成することができる。
【0049】上記有機色素の具体例としては、上記「有
機ホウ素化合物」に関する特許公報や、「Resear
ch Disclogure,Vol.200,198
0年12月、Item 20036」や「増感剤」
(p.160〜p.163、講談社;徳丸克己・大河原
信/編、1987年)等に記載されたものを挙げること
ができる。尚、本発明の光重合性組成物に含まれる有機
色素は、カチオン(上記有機ホウ素化合物と塩を形成し
ていてもよい)、アニオン、またはノニオン型色素のい
ずれでも選択可能である。
【0050】具体的には、特開昭58−15603号公
報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40
302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−
28328号公報、同60−53300号公報に記載の
ナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9
621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−
89303号公報、同60−60104号公報に記載の
メロシアニン化合物、特開昭62−150242号公
報、特開昭64−59345号公報、特公平8−964
3号公報、特願平11−20089号明細書、特願平1
1−323838号明細書、特願平11−367432
号明細書、特願2000−34935号明細書、特願2
000−38861号明細書、特願2000−3887
2号明細書、特願2000−142112号明細書に記
載のチオバルビツール酸を含むメロシアニン色素、ヘミ
オキサノール色素、インドレニン核を有するシアニン、
ヘミシアニン、メロシアニン色素等が挙げられる。
【0051】また、「機能性色素の化学」(1981
年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色
材」(60〔4〕212−224(1987))等に記
載された色素も挙げることができ、具体的には、カチオ
ン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオ
ン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カ
チオン性スチリル色素等が挙げられる。
【0052】上記有機色素には、クマリン(ケトクマリ
ン又はスルホノクマリンを含む。)色素、メロスチリル
色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケ
ト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色
素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色
素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケ
ト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニ
ン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメ
チン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色
素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色
素等が含まれる。
【0053】上記カチオン型、アニオン型、及びノニオ
ン型の有機色素の具体例(1−1〜3−15)を以下に
挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】(カチオン型有機色素)
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】(アニオン型有機色素)
【化18】
【0059】(ノニオン型有機色素)
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】上記有機色素を適宜使用することによっ
て、本発明の光重合性組成物の分光感度を紫外〜赤外域
に得ることが可能となる。また、上記各種有機色素は、
一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0063】上記有機色素の使用量としては、感光感熱
記録層又は感光感圧記録層の総質量に対し、0.1〜5
質量%の範囲が好ましく、0.5〜2質量%の範囲がよ
り好ましい。
【0064】(重合可能な化合物)本発明の光重合性組
成物に含まれる付加重合性不飽和結合を有する重合可能
な化合物としては、付加重合性不飽和結合を有し、かつ
重合して膜を硬化し得るものであれば全て使用すること
ができる。本発明においては、光に反応して重合し、硬
化するものが好ましい。例えば、同一分子内に重合性基
と、発色成分と反応して発色する部位と、を有する実質
的に無色の化合物(以下、「化合物(i)」という場合
がある。)、同一分子内に重合性基と、発色成分と他の
化合物との反応を抑制する部位とを有する実質的に無色
の化合物(以下、「化合物(ii)」という場合があ
る。)等があげられる。
【0065】−化合物(i)− 感光感熱記録材料に使用する、同一分子内に重合性基と
発色性分と反応して発色する部位とを有する実質的に無
色の化合物(i)としては、重合性基を有する電子受容
性化合物又は重合性基を有するカプラー化合物等の発色
成分と反応して発色し、かつ光に反応して重合し、硬化
するという両機能を有するものであれば全て使用するこ
とができる。
【0066】上記重合性を有する電子受容性化合物、即
ち、同一分子中に電子受容性基と重合性基とを有する化
合物としては、重合性基を有し、かつ発色成分の一つで
ある電子供与性無色染料と反応して発色し、かつ光重合
して膜を硬化し得るものであれば全て使用することがで
きる。上記電子受容性化合物としては、特開平4−22
6455号に記載の3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、特開昭63−173682号に記載のヒドロキシ基
を有する安息香酸のメタアクリロキシエチルエステル、
アクリロキシエチルエステル、同59−83693号、
同60−141587号、同62−99190号に記載
のヒドロキシ基を有する安息香酸とヒドロキシメチルス
チレンとのエステル、欧州特許29323号に記載のヒ
ドロキシスチレン、特開昭62−167077号、同6
2−16708号に記載のハロゲン化亜鉛のN−ビニル
イミダゾール錯体、同63−317558号に記載の電
子受容性化合物等を参考にして合成できる化合物等が挙
げられる。これらの電子受容性基と重合性基とを同一分
子内に有する化合物のうち、下記一般式で表される3−
ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。
【0067】
【化22】
【0068】(式中、Xはハロゲン原子を表し、中でも
塩素原子が好ましい。Yは重合性エチレン基を有する1
価の基を表し、中でもビニル基を有するアラルキル基、
アクリロイルオキシアルキル基またはメタクリロイルオ
キシアルキル基が好ましく、炭素数5〜11のアクリロ
イルオキシアルキル基または炭素数6〜12のメタクリ
ロイルオキシアルキル基がより好ましい。Zは、水素原
子、アルキル基またはアルコキシル基を表す。)
【0069】上記重合性基を有する電子受容性化合物と
しては、3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸その他の具
体例として、前記特願平11−36308号明細書の段
落番号[0082]〜段落番号[0087]に例示され
たもの等が挙げられる。
【0070】上記重合性基を有する電子受容性化合物
は、上記電子供与性無色染料と組合わせて用いることが
できる。この場合、電子受容性化合物は、使用する電子
供与性無色染料1質量部に対して、0.5〜20質量部
の範囲で使用することが好ましく、3〜10質量部の範
囲で使用することがより好ましい。0.5質量部未満で
は、十分な発色濃度を得ることができず、20質量部を
超えると、感度が低下したり、塗布適性が劣化すること
になり好ましくない。このような電子供与性無色染料と
電子受容性化合物を発色成分として用いた場合、所定の
最大着色濃度を得るためには、電子供与性無色染料と電
子受容性化合物の種類を選択する方法や、形成された記
録層の塗設量を調整する方法などが挙げられる。
【0071】また、感光感熱記録層に使用する上記重合
性基を有するカプラー化合物としては、重合性基を有
し、かつ前記発色成分の一つであるジアゾニウム塩化合
物と反応して発色し、かつ光重合して膜を硬化しうるも
のであれば全て使用することができる。カプラー化合物
は、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気でジアゾ化
合物とカップリングして色素を形成するものであり、色
相調整等種々の目的に応じて、複数種を併用して用いる
ことができる。カプラー化合物の具体例としては、前記
特願平11−36308号明細書の段落番号[009
0]〜段落番号[0096]に例示されたもの等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0072】上記カプラー化合物は、感光感熱記録層中
に、0.02〜5g/m2 の範囲で添加することがで
き、効果の点から、0.1〜4g/m2 の範囲で添加す
ることがより好ましい。添加量が0.02g/m2 未満
では発色性に劣るため好ましくなく、5g/m2 を越え
ると、塗布適性が悪くなることから好ましくない。
【0073】上記カプラー化合物は、上記ジアゾニウム
塩と組合わせて用いることができる。この場合、カプラ
ー化合物は、ジアゾニウム塩1質量部に対し、0.5〜
20質量部の範囲で用いることが好ましく、1〜10質
量部の範囲で用いることがより好ましい。0.5質量部
未満では、十分な発色性を得ることができず、20質量
部を超えると、塗布適性が劣化することになり好ましく
ない。このようなジアゾニウム塩とカプラー化合物とを
発色成分として用いた場合、所望の最大着色濃度を達成
するためには、ジアゾニウム塩化合物とカプラー化合物
の種類の選択を行ったり、形成する記録層の塗布量を調
整すればよい。
【0074】カプラー化合物は、その他の成分とともに
水溶性高分子を添加して、サンドミル等により固体分散
して用いることもできるが、適当な乳化助剤とともに乳
化し、乳化物として用いることもできる。ここで、固体
分散または乳化する方法としては、特に限定されるもの
ではなく、従来公知の方法を使用することができる。こ
れらの方法の詳細については、特開昭59−19088
6号、特開平2−141279号、特開平7−1714
5号に記載されている。
【0075】本発明においては、カップリング反応を促
進する目的で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラ
ジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン
類、グアニジン類、モルホリン類等の有機塩基を用いる
ことができる。
【0076】これらは、具体的には、特開昭57−12
3086号、特開昭60−49991号、特開昭60−
94381号、特開平9−71048号、特開平9−7
7729号、特開平9−77737号等に記載されてい
る。
【0077】有機塩基の使用量は、特に限定されるもの
ではないが、ジアゾニウム塩1モルに対して、1〜30
モルの範囲で使用することが好ましい。
【0078】さらに、発色反応を促進させる目的で、発
色助剤を加えることもできる。発色助剤としては、フェ
ノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベン
ゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合
物、カルボン酸アミド化合物、スルホンアミド化合物等
が挙げられる。これらの化合物は、カプラー化合物また
は塩基性物質の融点を低下させる、或いは、マイクロカ
プセル壁の熱透過性を向上させる作用を有することか
ら、高い発色濃度が得られるものと考えられる。
【0079】−化合物(ii)− 化合物(ii)は、用いる化合物に応じて適合する化合
物、即ち、特定の光重合性モノマー(D1、D2)を選択
して用いる。重合性基を有しない、発色成分と反応して
発色する実質的に無色の化合物を使用する場合、該化合
物は重合性基を有さないため、記録層に光重合による膜
硬化作用を付与する必要があることから、同一分子内に
重合性基と、発色成分と他の化合物との反応を抑制する
部位とを有する実質的に無色の化合物(ii)を併用し
て用いる。
【0080】上記重合性基を有しない、発色成分と反応
して発色する実質的に無色の化合物としては、重合性基
を有しない全ての電子受容性化合物またはカプラー化合
物を使用することができる。重合性基を有しない電子受
容性化合物としては、発色成分の一つである電子供与性
無色染料と反応して発色しうるものであれば、全て使用
することができる。
【0081】重合性基を有しない電子受容性化合物を用
いる場合、特定の光重合性モノマーD1 を併用する
が、該光重合性モノマーD1としては、電子供与性無色
染料と電子受容性化合物との反応抑制機能を有し、分子
内に少なくとも1個のビニル基を有する光重合性モノマ
ーであることが好ましい。具体的には、アクリル酸およ
びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類;
メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メ
タクリルアミド類;無水マレイン酸、マレイン酸エステ
ル類;イタコン酸、イタコン酸エステル類;スチレン
類;ビニルエーテル類;ビニルエステル類;N−ビニル
複素環類;アリールエーテル類;アリルエステル類等が
挙げられる。
【0082】これらのうち、特に、分子内に複数のビニ
ル基を有する光重合性モノマーを使用することが好まし
く、例えば、トリメチロールプロパンやペンタエリスリ
トール等の多価アルコール類のアクリル酸エステルやメ
タクリル酸エステル;レゾルシノール、ピロガロール、
フロログルシノール等の多価フエノール類やビスフエノ
ール類のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル;
および、アクリレートまたはメタクリレート末端エポキ
シ樹脂、アクリレートまたはメタクリレート末端ポリエ
ステル等が挙げられる。
【0083】中でも、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキ
シペンタアクリレート、ヘキサンジオール−1,6−ジ
メタクリレートおよびジエチレングリコールジメタクリ
レート等が特に好ましい。
【0084】上記光重合性モノマーD1の分子量として
は、約100〜約5000が好ましく、約300〜約2
000がより好ましい。
【0085】上記光重合性モノマーD1は、発色成分と
反応して発色する実質的に無色の化合物1質量部に対し
て、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好まし
く、0.5〜5質量部の範囲で使用することがより好ま
しい。0.1質量部未満では、露光工程で潜像を形成す
ることができず、10質量部を超えると、発色濃度が低
下するため好ましくない。
【0086】上記重合性基を有しないカプラー化合物を
用いる場合、特定の光重合性モノマーD2を併用して用
いるが、該光重合性モノマーD2としては、カップリン
グ反応の抑制効果を有する酸性基を有し、金属塩化合物
でない光重合性モノマーであることが好ましい。
【0087】上記光重合性モノマーD2としては、例え
ば、上記特願平11−36308号明細書の段落番号
[0128]〜段落番号[0130]に記載のものが挙
げられる。
【0088】上記光重合性モノマーD2は、発色成分と
反応して発色する実質的に無色の化合物1質量部に対し
て、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好まし
く、0.5〜5質量部の範囲で使用することがより好ま
しい。0.1質量部未満では、露光工程で潜像を形成す
ることができず、10質量部を超えると、発色濃度が低
下することになり好ましくない。
【0089】<記録材料>次に、本発明の記録材料につ
いて説明する。本発明の記録材料は、支持体上に記録層
を有する記録材料であって、前記記録層は本発明の光重
合性組成物を含むことを特徴とする。その基本的な構成
としては、下記の記録材料(a)〜(c)に該当するも
のが挙げられる。
【0090】本発明の光重合性組成物を好適に用いるこ
とができる記録材料は、支持体上に感光感熱記録層が設
けられた感光感熱記録材料又は支持体上に感光感圧記録
層が設けられた感光感圧記録材料であり、(a)支持体
上に、発色成分Aを内包した熱応答性マイクロカプセル
と、該マイクロカプセル外部に、少なくとも、同一分子
内に重合性基と上記発色成分Aと反応して発色する部位
とを有する実質的に無色の化合物Bと、光ラジカル発生
剤と、アミン化合物と、からなる光重合性組成物を含有
する感光感熱記録層を有する感熱記録材料、又は、
(b)支持体上に、発色成分Aを内包した熱応答性マイ
クロカプセルと、該マイクロカプセル外部に、少なくと
も、上記発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の
化合物Cと、同一分子内に重合性基と上記発色成分Aと
化合物Cとの反応を抑制する部位とを有する実質的に無
色の化合物Dと、光ラジカル発生剤と、アミン化合物
と、からなる光重合性組成物と、を含有する感光感熱記
録層を有する感光感熱記録材料、(c)支持体上に、少
なくとも、発色成分Aと、重合可能な化合物と、光ラジ
カル発生剤と、アミン化合物と、含有する光重合性組成
物と、を内包したマイクロカプセルと、該マイクロカプ
セル外部に、少なくとも、上記発色成分Aと反応して発
色させる実質的に無色の化合物Eと、を含有する感光感
圧記録層を有する感光感圧記録材料が挙げられる。ま
た、上記記録材料は、支持体上に、感光感熱記録層又は
感光感圧記録層を、単1層又は2層以上を塗設すること
によって構成される。
【0091】上記感光感熱記録材料(a)は、所望の画
像形状に露光することにより、マイクロカプセル外部に
ある光重合性組成物が、光ラジカル発生剤から発生する
ラジカルにより重合反応を起こして硬化し、所望の画像
形状の潜像を形成する。この際、アミン化合物による重
合感度の向上により、弱い露光による潜像の形成が可能
になり、生保存性も良好となる。次いで、加熱すること
によって未露光部分に存在する上記化合物Bが記録材料
内を移動し、カプセル内の発色成分Aと反応し発色す
る。従って、露光部では発色せず、未露光部の硬化され
なかった部分が発色し画像を形成するポジ型の感光感熱
記録材料である。
【0092】上記感光感熱記録材料(b)は、所望の画
像形状に露光することにより、重合性基を有する上記化
合物Dが、露光により反応した光重合開始剤から発生す
るラジカルによって重合して膜が硬化し、所望の画像形
状の潜像を形成する。この際、アミン化合物による重合
感度の向上により、弱い露光による潜像の形成が可能に
なり、生保存性も良好となる。この潜像(硬化部)の持
つ膜性に依存して、上記化合物Cが移動し、カプセル内
の発色成分Aと反応して画像を形成する。従って、露光
部が発色して、画像を形成するネガ型の感光感熱記録材
料である。
【0093】上記感光感圧記録材料(c)は、所望の画
像形状に露光することにより、マイクロカプセル内に含
有する重合可能な化合物が、同カプセル内に共存する、
露光により反応した光重合開始剤から発生するラジカル
により重合してカプセル内が硬化し、所望の画像形状の
潜像を形成する。この際、アミン化合物による重合感度
の向上により、弱い露光による潜像の形成が可能にな
り、生保存性も良好となる。上記潜像の形成により、露
光部分では、カプセル外部に存在する上記化合物Cとの
発色反応が抑制され、加圧することにより未露光部分に
存在する上記化合物Cが記録材料内を移動し、カプセル
内の発色成分Aと反応し発色する。従って、露光部では
発色せず、未露光部の硬化されなかった部分が発色し画
像を形成するポジ型の感光感圧記録材料である。
【0094】また、支持体上に、複数の記録層を形成し
て構成される感光感熱記録層又は感光感圧記録層を有し
てなる記録材料としてもよい。この場合、それぞれ異な
る色相に発色する発色成分Aをカプセル中に存在させた
単色の記録層を複数積層し、波長の異なる複数の光源を
用いて光照射することにより多色画像を実現することが
できる。
【0095】上記記録材料の具体的態様として、下記
(1)〜(3)のものが挙げられる。 (1)特開平3−87827号に記載の、マイクロカプ
セル外部に、電子受容性基と重合性基を同一分子内に有
する化合物、光ラジカル発生剤、アミン化合物を含有す
る光硬化性組成物およびマイクロカプセルに内包された
電子供与性無色色素を含有する感光感熱記録層を有する
ポジ型の感光感熱記録材料である。この感光感熱記録材
料においては、露光によりマイクロカプセル外部にある
光硬化性組成物が重合して硬化し、潜像が形成される。
その後、加熱により未露光部分に存在する電子受容性化
合物が記録材料内を移動し、マイクロカプセル内の電子
供与性無色色素と反応、発色する。従って、露光部の硬
化した潜像部分は発色せず、硬化されなかった部分のみ
が発色し、コントラストの高い鮮明なポジ画像を形成す
ることができる。
【0096】(2)特開平4−211252号に記載
の、マイクロカプセル外部に電子受容性化合物、重合性
ビニルモノマー、光ラジカル発生剤、アミン化合物およ
びマイクロカプセルに内包された電子供与性無色色素を
含有する感光感熱記録層を有するネガ型の感光感熱記録
材料である。この機構は明確ではないが、露光によりマ
イクロカプセル外部に存在するビニルモノマーが重合さ
れる一方、露光部分に共存する電子受容性化合物は、形
成された重合体には全く取り込まれず、むしろビニルモ
ノマーとの相互作用が低下して、拡散速度の高い移動可
能な状態で存在する。一方、未露光部の電子受容性化合
物は、共存するビニルモノマーにトラップされて存在す
るため、加熱した際、露光部における電子受容性化合物
が優先的に記録材料内で移動し、マイクロカプセル内の
電子供与性無色色素と反応するが、未露光部の電子受容
性化合物は、加熱してもカプセル壁を透過できず、電子
供与性無色色素と反応せず、発色に寄与できないためと
考えられる。従って、この感光感熱記録材料では、露光
部分が発色し、未露光部分では発色せずに画像を形成す
るため、コントラストの高い鮮明なネガ画像を形成する
ことができる。
【0097】(3)米国特許第4399209号等に記
載の、マイクロカプセル外部に現像剤、及び光硬化可能
な組成物、着色前駆体が内包されたマイクロカプセルを
含有する感光感圧記録層を有するポジ型の感光感圧記録
材料である。この感光感圧記録材料は、露光によりマイ
クロカプセル内部にある光硬化可能な組成物が硬化し、
潜像が形成される。その後、加圧により未露光部分に存
在する現像剤が記録材料内を移動し、マイクロカプセル
内の着色前駆体と反応、発色する。従って、露光部の硬
化した潜像部分は発色せず、硬化されなかった部分のみ
が発色し、コントラストの高い鮮明なポジ画像を形成す
ることができる。
【0098】記録層中のマイクロカプセルに内包する発
色成分Aとしては、実質的に無色の電子供与性無色染料
またはジアゾニウム塩化合物が挙げられる。
【0099】上記電子供与性無色染料としては、従来よ
り公知のものを使用することができ、前記化合物B、化
合物C又は化合物Eと反応して発色するものであれば全
て使用することができる。これら、発色成分の具体例
は、特願平11−36308号明細書中に記載の化合
物、例えば、電子供与性化合物としては、段落番号[0
051]〜[0059]が、本発明の記録材料を多色の
記録材料として用いる場合、上記電子供与性化合物と組
み合わせて使用されるシアン、マゼンタ、イエローの各
発色色素用の電子供与性無色染料としては、同明細書段
落番号[0060]に記載されている。
【0100】上記電子供与性無色染料は、感光感熱記録
層中に0.1〜1g/m2の範囲で使用することが好ま
しく、0.1〜0.5g/m2 の範囲で使用することが
より好ましい。上記使用量が、0.1g/m2 未満で
は、十分な発色濃度を得ることができず、1g/m2
超えると、塗布適性が劣化するため好ましくない。多層
記録材料の場合には、上記使用量の電子供与性無色染料
を含有する記録層を複数積層して構成する。
【0101】上記ジアゾニウム塩としては、下記式で表
される化合物を挙げることができる。 Ar−N2 +- 〔式中、Arは芳香族環基を表し、X- は酸アニオンを
表す。〕
【0102】このジアゾニウム塩は加熱によってカプラ
ーとカップリング反応を起こして発色したり、また光に
よって分解する化合物である。これらはAr部分の置換
基の位置や種類によって、その最大吸収波長を制御する
ことが可能である。上記式において、Arは、置換又は
無置換もアリール基を表し、該置換基及びアリール基と
しては上記特願平11−36308号明細書の段落番号
[0064]〜[0067]に記載されているものを用
いることができる。
【0103】本発明に用いられるジアゾニウム塩の最大
吸収波長λmax は、450nm以下であることが効
果の点から好ましく、290〜440nmであることが
より好ましい。また、本発明において用いられるジアゾ
ニウム塩は、炭素原子数が12以上で、水に対する溶解
度が1%以下で、かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%
以上であることが望ましい。
【0104】本発明の記録材料に好適に使用しうるジア
ゾニウム塩の具体例としては、前記特願平11−363
08号明細書の段落番号[0064]〜段落番号[00
75]に例示されたもの等が挙げられるが、これに限定
されるものではない。
【0105】本発明において、ジアゾニウム塩は、単独
で用いてもよいし、さらに色相調整等の諸目的に応じ
て、2種以上を併用することもできる。
【0106】上記ジアゾニウム塩は、感光感熱記録層中
に0.01〜3g/m2 の範囲で使用することが好まし
く、0.02〜1.0g/m2 がより好ましい。0.0
1g/m2 未満では、十分な発色性を得ることができ
ず、3g/m2を超えると、感度が低下したり、定着時
間を長くする必要が生じるため好ましくない。
【0107】感光感熱記録層中に使用する、同一分子内
に重合性基と前記発色成分Aと反応して発色する部位と
を有する実質的に無色の化合物Bとしては、上述の化合
物(i)と同様のものを使用することができ、重合性基
を有する電子受容性化合物または重合性基を有するカプ
ラー化合物等の前記発色成分Aと反応して発色し、かつ
光に反応して重合し、硬化するという両機能を有するも
のであれば全て使用することができる。
【0108】また、本発明においては、前記発色成分A
と反応して発色する化合物として、前記のような重合性
基を有する化合物Bに代えて、重合性基を有しない、発
色成分Aと反応して発色する実質的に無色の化合物Cを
使用することもできる。但し、化合物Cは重合性基を有
さないため、記録層に光重合による膜硬化作用を付与す
る必要があることから、他に重合性基を有する化合物D
を併用して用いる。化合物Dは、用いる上記化合物Cに
応じて適合する化合物D、即ち、特定の光重合性モノマ
ー(上述の光重合性モノマーD1 、D2 )を選択して
用いる。
【0109】上記化合物Cとしては、重合性基を有しな
い全ての電子受容性化合物またはカプラー化合物を使用
することができる。重合性基を有しない電子受容性化合
物としては、前記発色成分Aの一つである電子供与性無
色染料と反応して発色しうるものであれば、全て使用す
ることができる。
【0110】重合性基を有しない電子受容性化合物とし
ては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、
芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、
ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等
が挙げられる。具体的には、特公昭40−9309号、
特公昭45−14039号、特開昭52−140483
号、特開昭48−51510号、特開昭57−2108
86号、特開昭58−87089号、特開昭59−11
286号、特開昭60−176795号、特開昭61−
95988号等に記載されている。上記の具体的な化合
物としては、前記特願平11−36308号明細書の段
落番号[0109]〜段落番号[0110]に例示され
たもの等が挙げられる。
【0111】上記重合性基を有しない電子受容性化合物
を使用する場合は、用いる電子供与性無色染料の使用量
に対して5〜1000質量%の範囲で使用することが好
ましい。
【0112】重合性基を有しない電子受容性化合物を用
いる場合、化合物D、即ち、特定の光重合性モノマーD
1 を併用するが、該光重合性モノマーD1 について
は、上述のとおりである。
【0113】上記の重合性基を有しないカプラー化合物
としては、前記発色成分Aの一つであるジアゾニウム塩
化合物と反応して発色しうるものであれば全て使用する
ことができる。上記重合性基を有しないカプラー化合物
は、塩基性雰囲気および/または中性雰囲気でジアゾニ
ウム塩化合物とカップリングして色素を形成するもので
あり、色相調整等種々目的に応じて、複数種を併用する
ことが可能である。
【0114】重合性基を有しないカプラー化合物として
は、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活
性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導
体などを挙げることができ、本発明の目的に合致する範
囲で適宜、選択して使用することができる。
【0115】上記重合性基を有しないカプラー化合物の
具体例としては、前述の特願平11−36308号明細
書の段落番号[0119]〜段落番号[0121]に記
載のものが挙げられる。
【0116】重合性基を有しないカプラー化合物の詳細
は、特開平4−201483号、特開平7−22336
7号、特開平7−223368号、特開平7−3236
60号、特開平5−278608号、特開平5−297
024号、特開平6−18669号、特開平6−186
70号、特開平7−316280号、等の公報に記載さ
れており、本願出願人が先に提出した特願平8−126
10号、特願平8−30799号、特開平9−2164
68号、特開平9−216469号、特開平9−319
025号、特開平10−35113号、特開平10−1
93801号、特開平10−264532号等に記載さ
れたものも参照できる。
【0117】重合性基を有しないカプラー化合物は、重
合性基を有するカプラー化合物の場合同様、感光感熱記
録層中に0.02〜5g/m2 の範囲で添加することが
好ましく、効果の点から0.1〜4g/m2 の範囲で添
加することがより好ましい。添加量が0.02g/m2
未満では十分な発色濃度を得ることができないため、5
g/m2 を越えると、塗布適性が悪くなることため好ま
しくない。
【0118】カプラー化合物は、その他の成分とともに
水溶性高分子を添加して、サンドミル等により固体分散
して用いることもできるが、適当な乳化助剤とともに乳
化し、乳化物として用いることもできる。ここで、固体
分散または乳化する方法としては、特に限定されるもの
ではなく、従来公知の方法を使用することができる。こ
れらの方法の詳細は、特開昭59−190886号、特
開平2−141279号、特開平7−17145号に記
載されている。
【0119】また、カップリング反応を促進する目的
で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ア
ミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジ
ン類、モルホリン類等の有機塩基を用いることができ
る。ここで用いる有機塩基は、上述の重合性基を有する
カプラー化合物の場合と同様のものを挙げることができ
る。また、ここで使用できる有機塩基の使用量も同様で
ある。
【0120】また、発色反応を促進させる目的で用いる
発色助剤も上述の重合性基を有するカプラー化合物の場
合と同様のものを使用することができる。
【0121】上記重合性基を有しないカプラー化合物を
用いる場合、化合物D、即ち、特定の光重合性モノマー
2 を併用して用いるが、該光重合性モノマーD2
ついては上述のとおりである。
【0122】感光感圧記録層中に使用する、発色成分A
と反応して発色させる実質的に無色の化合物Eとして
は、重合性基を有するもの、有しないもののいずれであ
ってもよく、上記発色成分Aと反応して発色しうるもの
であれば使用することができる。例えば、上述の通り、
重合性基を有する前記化合物B及び重合性基を有しない
前記化合物Cに挙げられる電子受容性化合物、カプラー
化合物と同様のもの等を使用することができる。
【0123】本発明の記録材料は、前述の感光感熱記録
材料(a)〜(c)に限定されるものではなく、先に述
べたように目的に応じて様々な構成をとることができ
る。
【0124】(保護層)また、本発明の記録材料には、
必要に応じて、保護層を設けることができる。該保護層
は、多色の多層記録材料の、照射光の入射光側である最
外層に設けられるのが好ましい。前記保護層としては、
単層構造であってもよいし、二層以上の積層構造であっ
てもよい。
【0125】上記保護層に用いる材料としては、例え
ば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類などが挙
げられる。
【0126】上記保護層に用いる水溶性高分子化合物を
架橋することによって、保存安定性をより一層向上させ
ることもできる。この場合、上記架橋に用いる架橋剤と
しては、公知の架橋剤を使用することができ、具体的に
はN−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素
−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、
グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、
硼砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリン
などが挙げられる。
【0127】上記保護層には、更に公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもでき、
公知のUV吸収剤やUV吸収剤プレカーサーを添加する
こともできる。
【0128】前記保護層の塗布量としては、0.2〜5
g/m2 が好ましく、0.5〜3g/m2 がより好まし
い。
【0129】(多色の記録材料)多色の記録材料の場合
は、支持体上に複数の単色の記録層を積層して構成さ
れ、各記録層にそれぞれ発色色相の異なる発色成分を含
有するマイクロカプセルと、それぞれ異なる波長の光に
感光する光重合性組成物と、を含有させることができ
る。上記光重合性組成物は、それぞれ異なる吸収波長を
有する有機色素又は他の分光増感化合物を使用すること
によって、異なる波長の光に感光する光重合性組成物と
することができる。この場合、各色の感光感熱記録層間
に中間層を設けることもできる。
【0130】本発明の多色の多層の記録材料の感光感熱
記録層又は感光感圧記録層は、例えば、以下のようにし
て得ることができる。イエロー発色する発色成分を含有
するマイクロカプセルと、光源の中心波長λ 1 に感光す
る光重合性組成物と、を含有した第1の記録層を支持体
上に設け、その層上に、マゼンタ発色する発色成分を含
有するマイクロカプセルと、中心波長λ2 に感光する光
重合性組成物と、を含有した第2の記録層を設け、さら
にその層上に、シアン発色する発色成分を含有するマイ
クロカプセルと、波長λ3 に感光する光重合性組成物
と、を含有した第3の記録層を設けて積層した感光感熱
記録層又は感光感圧記録層より構成することができる。
また、必要に応じて、保護層を設けたり、それぞれの記
録層の間に中間層を設けた感光感熱記録層とすることも
できる。なお、ここで、それぞれの光源の中心波長
λ1、λ2、λ3は互いに異なる。
【0131】本発明に適用される如き多色の記録層を有
する記録材料を用いて画像形成する場合、露光工程で、
各記録層の吸収波長に適合した、波長の異なる複数の光
源を用いて画像露光することにより、光源の吸収波長を
有する記録層が選択的にそれぞれ潜像を形成するため、
多色画像を高感度、かつ高鮮鋭に形成することができ、
その後に、記録層表面を光照射することにより、層内に
残存する分光増感化合物をはじめとする光重合開始剤に
よる地肌部の着色を消色することができるため、高いコ
ントラストを有する高画質な画像を形成することができ
る。
【0132】本発明の記録材料では、用いる電子供与性
無色染料またはジアゾニウム塩化合物(以下、適宜、発
色成分と称する)をマイクロカプセルに内包して使用す
る。マイクロカプセル化する方法としては、従来公知の
方法を用いることができる。例えば、米国特許第280
0457号、同28000458号に記載の親水性壁形
成材料のコアセルベーションを利用した方法、米国特許
第3287154号、英国特許第990443号、特公
昭38−19574号、同42−446号、同42−7
71号等に記載の界面重合法、米国特許第341825
0号、同3660304号に記載のポリマー析出による
方法、米国特許第3796669号に記載のイソシアネ
ートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第391
4511号に記載のイソシアネート壁材料を用いる方
法、米国特許第4001140号、同4087376
号、同4089802号に記載の尿素−ホルムアルデヒ
ド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成
材料を用いる方法、米国特許第4025455号に記載
のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビ
ルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36
−9168号、特開昭51−9079号に記載のモノマ
ーの重合によるin situ法、英国特許第9528
07号、同965074号に記載の電解分散冷却法、米
国特許第3111407号、英国特許第930422号
に記載のスプレードライング法等が挙げられる。
【0133】マイクロカプセル化する方法はこれらに限
定されるものではないが、本発明の記録材料において
は、特に、発色成分をカプセルの芯となる疎水性の有機
溶媒に溶解または分散させ調製した油相を、水溶性高分
子を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段に
より乳化分散した後、加温することによりその油滴界面
で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプ
セル壁を形成させる界面重合法を採用することが好まし
い。即ち、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成する
ことができ、生保存性にすぐれた記録材料とすることが
できる。
【0134】高分子を形成するリアクタントは、油滴内
部および/または油滴外部に添加される。高分子物質の
具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン
メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重
合体等が挙げられる。中でも、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好
ましく、ポリウレタン、ポリウレアが特に好ましい。上
記の高分子物質は、2種以上併用して用いることもでき
る。
【0135】前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。
【0136】例えば、ポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合には、多価イソシアネートおよびそれと反
応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオ
ール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)また
はカプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、これ
らを乳化分散した後、加温することにより油滴界面で高
分子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成するこ
とができる。
【0137】上記多価イソシアネート及びそれと反応す
る相手のポリオール、ポリアミンとしては、米国特許第
3281383号、同3773695号、同37932
68号、特公昭48−40347号、同49−2415
9号、特開昭48−80191号、同48−84086
号に記載されているものを使用することができる。
【0138】本発明において、発色成分を含有するマイ
クロカプセルを調製する際、内包する発色成分は、該カ
プセル中に溶液状態で存在していても、固体状態で存在
していてもよい。上記溶媒としては、前記の光硬化性組
成物の乳化分散させる場合に用いる溶媒と同様のものを
用いることができる。電子供与性無色染料またはジアゾ
ニウム塩化合物をカプセル中に溶液状態で内包させる場
合、電子供与性無色染料またはジアゾニウム塩化合物を
溶媒に溶解した状態でカプセル化すればよく、この場
合、溶媒は電子供与性無色染料100質量部に対して、
1〜500質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0139】また、カプセル化しようとする電子供与性
無色染料またはジアゾニウム塩化合物の上記溶媒に対す
る溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点溶媒を補
助的に併用することもできる。この低沸点溶媒として
は、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられ
る。
【0140】一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解
した水溶液を使用し、これに蒸気油相を投入後、ホモジ
ナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高
分子は分散を均一に、かつ容易にするとともに、乳化分
散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。こ
こで、更に均一に乳化分散し安定化させるためには、油
相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加し
てもよい。界面活性剤は周知の乳化用界面活性剤が使用
可能である。また、界面活性剤を添加する場合には、界
面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1%〜5
%、特に0.5%〜2%であることが好ましい。
【0141】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを
好適に選択して使用することができる。好ましい界面活
性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオク
チルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を
挙げることができる。
【0142】上述したように、油相を混合する水相に保
護コロイドとして含有させる水溶性高分子は、公知のア
ニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中か
ら適宜選択することができる。
【0143】アニオン性高分子としては、天然、合成の
いずれのものも用いることができ、例えば、−COO
−、−SO2 −基等を有するものが挙げられる。具体的
には、アラビヤゴム、アルギン酸、ベクチン等の天然
物;カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等
のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルロー
ス、リグニンスルホン酸等の半合成品;無水マレイン酸
系(加水分解物を含む)共重合体、アクリル酸系(メタ
クリル酸系)重合体および共重合体、ビニルベンゼンス
ルホン酸系重合体および共重合体、カルボキシ変成ポリ
ビニルアルコール等の合成品が挙げられる。
【0144】ノニオン性高分子としては、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース等が挙げられる。両性高分子としては、ゼラチン等
が挙げられる。これらのうち、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコールが好ましい。上記水溶性高分
子は0.01〜10質量%の水溶液として用いられる。
【0145】本発明の記録層中に含有させる発色成分を
はじめとする全ての成分は、例えば、水溶性高分子、増
感剤およびその他の発色助剤等とともに、サンドミル等
の手段により固体分散して用いることもできるが、予め
水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解した後、
これを界面活性剤および/または水溶性高分子を保護コ
ロイドとして含有する高分子水溶液(水相)と混合し、
ホモジナイザー等で乳化した乳化分散物として用いるこ
とがより好ましい。この場合、必要に応じて、低沸点溶
剤を溶解助剤として用いることもできる。さらに、上記
の発色成分をはじめとする全ての成分は、それぞれ別々
に乳化分散することも、予め混合してから高沸点溶媒に
溶解し乳化分散することも可能である。好ましい乳化分
散粒子径は1μm以下である。
【0146】乳化は、上記成分を含有した油相と保護コ
ロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超
音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段、例え
ば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散
機、ディゾルバー、ケディーミルなど、公知の乳化装置
を用いて容易に行うことができる。乳化後は、カプセル
壁形成反応を促進させるために、乳化物を30〜70℃
に加温する。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止
するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げた
り、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0147】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプ
セル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数
時間反応させることにより、目的の色素を内包したマイ
クロカプセルを得ることができる。
【0148】本発明の記録材料に用いるマイクロカプセ
ルの平均粒子径は、20μm以下が好ましく、高解像度
を得る観点から5μm以下であることがより好ましい。
形成したマイクロカプセルの径が小さすぎると、一定固
形分に対する表面積が大きくなり多量の壁剤が必要とな
るため、上記平均粒子径は0.1μm以上であることが
好ましい。
【0149】本発明の記録材料を多色の記録材料として
用いる場合、記録材料の感光感熱記録層又は感光感圧記
録層は、支持体上に複数の記録層を積層して構成され、
その各記録層には、それぞれ異なる色相に発色する電子
供与性無色染料又はジアゾニウム塩化合物を含有するマ
イクロカプセルと、それぞれ最大吸収波長の異なる有機
色素または他の分光増感化合物を含有する光重合性組成
物と、が含有され、光照射した際、その光源波長の違い
により感光し、多色画像を構成する。
【0150】(中間層)また、上記感光感熱記録層又は
感光感圧記録層を構成する各単色の録層間には、中間層
を設けることができる。中間層は、主にバインダーから
構成され、必要に応じて、硬化剤やポリマーラテックス
等の添加剤を含有することができる。
【0151】本発明の記録材料において、保護層、感光
感熱記録層又は感光感圧記録層、中間層等の各層に用い
るバインダーとしては、上記光重合性組成物の乳化分散
に用いるバインダーと同様のもの、発色成分をカプセル
化する際に用いる水溶性高分子のほか、ポリスチレン、
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメ
チルアクリレート,ポリブチルアクリレート,ポリメチ
ルメタクリレート,ポリブチルメタクリレートやそれら
の共重合体等のアクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレ
ン−ブタジエン樹脂、エチルセルロース、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等の溶剤可溶性高分子、或いは、これ
らの高分子ラテックスを用いることもできる。中でも、
ゼラチンおよびポリビニルアルコールが好ましい。
【0152】(その他)本発明の記録材料を構成する各
記録層には、塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化
分散、接着防止等の種々の目的で、種々の界面活性剤を
用いることができる。界面活性剤としては、例えば、非
イオン性界面活性剤であるサポニン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリエチレンオキサイドのアルキルエーテル等
のポリエチレンオキサイド誘導体やアルキルスルホン酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル、N−アシル−
N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、
スルホアルキルポリオキシエチレナルキルフェニルエー
テル類等のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン
類、アルキルスルホベタイン類等の両性界面活性剤、脂
肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類等のカチオ
ン性界面活性剤を用いることができる。
【0153】さらに、記録層には、これまで述べた添加
剤等のほか、必要に応じて、他の添加剤を添加すること
ができる。例えば、染料、紫外線吸収剤、可塑剤、蛍光
増白剤、マット剤、塗布助剤、硬化剤、帯電防止剤、滑
り性改良剤等を添加することもできる。上記各添加剤の
代表例は、「Research Disclosur
e,Vol.176」(1978年12月、Item
17643)および「同Vol.187」(1979年
11月、Item 18716)に記載されている。
【0154】本発明の記録材料では、感光感熱記録層又
は感光感圧記録層、中間層、保護層等の各層に必要に応
じて硬化剤を併用することができる。特に、保護層中に
硬化剤を併用し、保護層の粘着性を低減することが好ま
しい。硬化剤としては、例えば、写真感光材料の製造に
用いられる「ゼラチン硬化剤」が有用であり、例えば、
ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド
系の化合物、米国特許第3635718号等に記載の反
応性のハロゲン化合物、米国特許第3635718号等
に記載の反応性のエチレン性不飽和基を有する化合物、
米国特許第3017280号等に記載のアジリジン系化
合物、米国特許第3091537号等に記載のエポキシ
系化合物、ムコクロル酸等のハロゲノカルボキシアルデ
ヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロジオキサン
等のジオキサン類、米国特許第3642486号や米国
特許第3687707号に記載のビニルスルホン類、米
国特許第3841872号に記載のビニルスルホンブレ
カーサー類、米国特許第3640720号に記載のケト
ビニル類を用いることができ、また、無機硬化剤とし
て、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、硼酸等も用いる
ことができる。
【0155】中でも、1,3,5−トリアクロイル−ヘ
キサヒドロ−s−トリアジン、1,2−ピスピニルスル
ホニルメタン、1,3−ビス(ビニルスルホニルメチ
ル)プロパノール−2、ビス(α−ビニルスルホニルア
セトアミド)エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−s−トリアジン・ナトリウム塩、2,4,6−トリ
エチレニミノ−s−トリアジンや硼酸等の化合物が好ま
しい。上記硬化剤は、バインダーの使用量に対して、
0.5〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0156】本発明の記録材料は、感光感熱記録層用塗
布液、感光感圧記録層用塗布液、保護層用塗布液等を前
記各構成成分を必要に応じて溶媒中に溶解する等の手段
により調製した後に、各塗布液を順次、所望の支持体上
に塗布、乾燥することで得ることができる。塗布液の調
製に使用できる溶媒としては、水;メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール、メチルセロソルプ、1−
メトキシ−2−プロパノール等のアルコール;メチレン
クロライド、エチレンクロライド等のハロゲン系溶剤;
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の
ケトン類;酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸メ
チル等のエステル;トルエン;キシレン等の単独物、お
よびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。中で
も、水が特に好ましい。
【0157】感光感熱記録層用塗布液又は感光感圧記録
層用塗布液を支持体上に塗布するには、ブレードコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、ロールドクター
コーター、リバースロールコーター、トランスファーロ
ールコーター、グラビアコーター、キスロールコータ
ー、カーテンコーター、エクストルージョンコーター等
を用いることができる。
【0158】塗布方法としては、「Rcscarch
Disclosurc,Vol.200」(1980年
12月,Item 20036 XV項)を参考に塗布
することができる。感光感熱記録層又は感光感圧記録層
の層厚としては、0.1〜50μmの範囲であることが
好ましく、5〜35μmの範囲であることがより好まし
い。
【0159】前記のようにして得られた本発明の記録材
料は、色調に優れたフルカラー画像を形成することが可
能なため、様々な用途に利用することができる。例え
ば、カラープリンター、ラベル、カラープルーフ、コピ
ア、ファックス、第2原図等の用途が挙げられる。
【0160】(支持体)本発明の記録材料に用いる支持
体としては、紙、コーティツドペーパー、ラミネート紙
等の合成紙;ポリエチレンテレフタレートフイルム、3
酢酸セルロースフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリ
スチレンフイルム、ポリカーボネートフイルム等のフイ
ルム;アルミニウム、亜鉛、銅等の金属板;または、こ
れらの支持体表面に表面処理、下塗、金属蒸着処理等の
各種処理を施したもの等を挙げることができる。さら
に、「Research Disclosure,Vo
l.200」(1980年12月、Item 2003
6 XVII項)の支持体も挙げることができる。これ
らの支持体には蛍光増白剤、青み付け染料、顔料等を含
有させることもできる。また、支持体自体が弾性を有す
るポリウレタンフォームやゴム等のシートを用いること
もできる。さらに、必要に応じて、用いる支持体の表面
にはアンチハレーション層を、裏面にはスベリ層、アン
チスタチック層、カール防止層、粘着剤層等を設けるこ
とができる。さらにまた、支持体と感光感熱記録層又は
感光感圧記録層との間に接着層を設けて、用いた支持体
を剥離紙として使用するシール状の態様に構成すること
もできる。
【0161】支持体と感光感熱記録層又は感光感圧記録
層との間、或いは、透明支持体の場合は、支持体の感光
感熱記録層又は感光感圧記録層を設けられていない側の
表面に、上記アンチハレーション層を設ける場合には、
光照射又は熱によって漂白可能なアンチハレーション層
を設けることができる。
【0162】光照射によって漂白可能な層とする場合に
は、例えば、上述の有機色素と有機ホウ素化合物とを組
合せたものを利用することができ、熱によって漂白可能
な層とする場合には、例えば、熱によって塩基又は求核
剤が発生し、共存する有機色素を漂白しうるような構成
が利用できる。
【0163】上記支持体と感光感熱記録層又は感光感圧
記録層との間には、酸素透過性の低い、ゼラチン、ボリ
ビニルアルコール(PVA)等のポリマーを含有してな
る層を設けることもでき、該層を設けることによって、
形成画像の光酸化に起因する退色を効果的に防止するこ
とができる。
【0164】本発明の記録材料は、潜像を形成するため
の露光と同じに又は露光後に、加熱又は加圧現像処理を
行なうことによって、画像形成できる。本発明の記録材
料が、感光感熱記録材料である場合には、加熱現像処理
によって、また、感光感圧記録材料である場合には、加
圧現像処理によって可視画像とすることができる。
【0165】本発明の記録材料は、潜像を形成するため
の露光と同時に、または露光後に加熱現像処理を行うこ
とにより、画像を形成することができる。加熱現像処理
する際の加熱方法としては、従来公知の方法を用いるこ
とができ、一般に、加熱温度が80〜200℃であるこ
とが好ましく、85〜130℃であることがより好まし
い。加熱時間は、3秒〜1分の範囲が好ましく、5秒〜
30秒の範囲がより好ましい。
【0166】加熱現像処理後、記録層表面を光照射する
ことにより、形成画像を定着し、かつ記録層中に残存す
る分光増感化合物、ジアゾニウム塩化合物等の地肌部の
白色性を低下させる成分を消色、分解または失活させる
ことが好ましい。このようにすることにより、地肌部
(非画像部)をはじめとする記録層中に残存する地肌部
を着色している成分を除去することができ、かつ残存す
るジアゾニウム塩化合物も失活して発色反応を抑制する
ことができるため、画像中の濃度変動が抑制でき、画像
保存性を大幅に向上させることができる。
【0167】本発明の感光感熱記録材料は、上記記録方
法による態様のみならず、公知の他の記録方法にも使用
することができる。例えば、サーマルヘッド等の加熱装
置を用いた感熱記録やコントラスト、画像品質向上を目
的として、国際出願WO95/31745号明細書に記
載の、3M社提案のハロゲン化銀感光感熱記録材料に用
いるレーザービームを照射することによって画像形成す
る記録方法にも使用することができる。即ち、潜像形成
の際のレーザービームの照射過程において、(1)目標
対象物上で、高さ又は長さの少なくとも一方が600μ
m以下のビームスポットを形成することのできる放射光
源を用意し、また(2)この光源に感光する記録材料を
所定の目標位置に配置した後に、まず、(3)上記光源
が長さ又は幅の少なくとも一方が250μm以下のビー
ムスポットとのなるように調整し、このビームを用いて
画像分布に従い照射する。(4)照射したスポットに対
して、次に照射するビームの少なくともいくつかのスポ
ットがオーバーラップして照射されるように、画像分布
に従って照射する画像形成技術、
【0168】或いは、記録材料を露光して潜像を形成す
る方法において、(1)感光させる光源を用意し、
(2)この光源のビームスポットの高さ又は長さの一方
が600μm以下の小領域を複数照射し、そのうち、少
なくとも1つの小領域に要するエネルギーの少なくとも
10%、即ち、複数の小領域のうち少なくとも10%
が、他の1つの小領域とオーバーラップするように照射
する画像形成技術、等を根幹とするものである。
【0169】また、特開昭60−195568号に記載
のキャノン(株)提案の記録方法、即ち、記録材料面に
照射するレーザービームの入射角を傾けることにより、
入射ビームが記録材料の感光層界面で反射する反射ピッ
チをビームスポット径より大きくし、記録材料に生ずる
光干渉を防止する技術を用いることにより、より高品質
の画像を得ることができる技術にも使用することができ
る。この場合、照射するレーザービームのエネルギーを
調整して着色画像濃度を制御しうる。
【0170】上記加圧現像処理の際の加圧方法として
は、従来公知の方法の中から適宜選択することができ、
一般に、加圧式プラテンローラー、点接触ボール等を用
いて処理することができる。上記加圧時の圧力として
は、10〜300kg/cm2が好ましく、130〜2
00kg/cm2がより好ましい。上記圧力が、10k
g/cm2未満であると、十分な発色濃度が得られない
ことがあり、300kg/cm2を超えると、硬化した
マイクロカプセルまで破壊され、画像のディスクリミネ
ーションガ不十分となることがある。加熱現像処理後、
感光感熱記録層表面を光照射することにより、形成画像
を定着し、かつ、記録層中に残存させる成分を消色、分
解又は失活させる。従って、地肌部(非画像部)をはじ
めとする記録層中に残存する地肌部を着色している成分
を除去することができ、ジアゾニウム塩化合物を用いた
場合には、残存するジアゾニウム塩化合物も失活して発
色反応を抑制できるため、形成画像を濃度変動を抑制で
き、画像保存性を大幅に向上させることができる。
【0171】<記録方法>つぎに、本発明の記録方法に
ついて説明する。本発明の記録方法は、本発明の感光感
熱記録材料を、少なくとも、画像露光により光重合性組
成物が潜像を形成する露光工程と、加熱により発色成分
が潜像に応じて発色し、画像形成する発色工程と、記録
層表面を光照射して形成画像を定着し、有機色素を消色
する定着工程とを有することを特徴とする。尚、本発明
の記録方法は、上記発色工程において、加圧により発色
成分を潜像に応じて発色させて画像を形成することで、
感光感圧記録材料を用いることもできる。
【0172】上記露光工程では、層中の光重合性組成物
が、所望の画像形状のパターンに応じて、その画像形状
に露光され、潜像を形成し、その後、発色工程で記録層
面を加熱又は加圧することにより感光感圧記録層中に含
まれる発色成分と、発色成分と反応して発色する化合
物、或いは、化合物中の発色する特定の基とが反応し
て、予め形成された潜像の形状に発色し、画像を形成す
る。ここで発色画像の最大発色濃度を好ましい範囲に制
御するためには、各色の感広域に応じた波長で、所望の
発色濃度が得られる光量で全面露光する等の手段を用い
ることができる。
【0173】上記露光工程で画像形成用に用いる光源と
しては、感光感熱記録層中に特定領域に吸収を有する分
光増感化合物等の光吸収材料を用いることにより、紫外
〜赤外領域に光源波長を有する光源から任意に選択して
使用することができる。具体的には、最大吸収波長が3
00〜1000nmの範囲にある光源が好ましい。この
場合、使用する有機色素等の光吸収材料の吸収波長に適
合する波長を有する光源を適宜選択して用いることが好
ましい。上記のように光吸収材料を選択的に使用するこ
とにより、青〜赤色の光源や小型で安価な赤外レーザー
等を使用することができ、用途が広がるだけでなく、高
感度化、高鮮鋭化を図ることができる。上記の中でも、
特に、青色、緑色、赤色等のレーザー光源またはLED
を用いることが、装置の簡易小型化、低コスト化を達成
しうる点で好ましい。
【0174】本発明の画像記録方法においては、上記発
色工程を得た後に、記録層表面の全面をさらに特定の光
源により光照射することにより、上記発色工程で形成さ
れた画像を定着し、かつ記録層中に残存する光重合開始
剤成分による着色を消色する定着工程を設ける。この定
着工程を経ることにより、非画像部の白色性を高めるこ
とができ、化学的に安定した最終画像わ得ることができ
る。また、発色成分にジアゾニウム塩を用いた場合に
は、画像形成後の記録層中に残存するジアゾニウム塩を
も光照射により失活させることができるため、濃度変
動、変色等のない形成画像の保存安定化にも寄与しう
る。
【0175】上記定着工程で用いることのできる光源と
しては、水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電型水銀灯、
キセノンランプ、タングステンランプ、メタルハライド
ランプ、蛍光灯等の幅広い光源を好適に用いることがで
きる。上記のうち、感光感熱記録材料の感光感熱記録層
又は感光感圧記録層中に用いる有機色素及び有機ホウ素
化合物等の吸収波長に適合した波長を有する光源を適宜
選択して使用することが好ましい。
【0176】定着工程での上記光源を用いた光照射の方
法としては、特に限定されるものではなく、記録層表面
全面を一度に照射する方法でも、スキャニング等により
記録面を徐々に光照射し最終的に全面を照射する方法で
もよいが、ほぼ均一の照射光を用いて、最終的に画像形
成後の感光感熱記録材料の記録面全体に照射することが
できる方法であればよい。このように、記録層全体を光
照射することが本発明の効果を向上させる観点から好ま
しい。上記光源を用いて光照射する時間は、形成画像が
定着し、地肌部を十分に消色しうるのに要する時間、照
射する必要があり、数秒〜数十秒の範囲で照射すること
が十分な画像定着性と消色性を得る観点から好ましく、
数秒〜数分の範囲で照射することがより好ましい。
【0177】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」
は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味す
る。
【0178】(実施例1〜実施例6)表1に示す、光ラ
ジカル発生剤、および有機色素を用い、下記組成の光重
合性組成物を調製した。
【0179】 〔光重合性組成物〕 ペンタエリスリトールテトラアクリレート・・・・・・・・1.41g メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸・・・・・・・・・・1.29g (モル比73/27共重合体) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・8.62g 光ラジカル発生剤(表1参照)・・・・・・・・・・・・・0.18g 有機色素(表1参照)・・・・・・・・・・・・・・・・・0.03g アミン化合物(表1参照)・・・・・・・・・・・・・・・0.12g メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6g
【0180】
【化23】
【0181】調製した光重合性組成物の各々を、100
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に2μm
の厚みに塗布し、100℃で5分間乾燥した。さらに、
下記保護層用塗布液(1)を1μmの厚みに塗布し、1
00℃で2分間乾燥して、実施例1〜実施例6の記録材
料を作製した。
【0182】 〔保護層用塗布液(1)〕 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98g ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7g ヒドロキシプロピルメチルセルロース・・・・・・・・・・ 1.7g ポリビニルピロリドン・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8.7g
【0183】(比較例1〜比較例4)実施例1で用いた
有機色素および有機ホウ素化合物を、各々、表1に示す
有機色素および有機ホウ素化合物に変更した以外は、実
施例1と同様にして、比較例1〜4の記録材料を作製し
た。
【0184】作製した実施例1〜実施例6、および比較
例1〜比較例4の記録材料を、真空焼枠装置を用いて露
光した。記録材料への露光は、ステップウエッジ(濃度
段差0.15、濃度段数1〜15段、「富士ステップガ
イドP」(富士写真フイルム社製)及び「SC38フィ
ルター」(富士写真フイルム社製、380nm以下の光
をカットするシャープカットフィルター))を通して、
500Wキセノンランプ(ウシオ(株)製)で10秒間
光を照射することにより行った。露光後、下記組成の現
像液を用いて、記録材料を各々現像した。
【0185】 〔現像液〕 無水炭酸ソーダ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10g ブチルセロソルブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5g 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1lg 現像すると、ステップウエッジの高い段数に相当する領
域への露光量は、少ないため、該領域の光重合性組成物
は現像液中に溶出し、ポリエチレンテレフタレート面が
現れた。各々の実施例の記録材料について、光重合性組
成物が完全に溶出した領域を調べ、最も露光量の多かっ
た領域に相当するステップウェッジの段数(クリア段
数)を求めた。求めた段数が高い程、記録材料の感度が
高いことを意味する。結果を表1に示す。感度が低く、
露光した全ての領域にわたって光重合性組成物が現像液
中に溶出した場合は、表中に“流れ”と表示し、感度が
高く、露光した全ての領域にわたって光重合性組成物が
硬化し、現像後も残る場合には、表中に“ベタ”と表示
した。尚、下記表1中に示した有機色素の欄の数字は前
記有機色素の例示化合物No.に相当する。
【0186】また、上記記録材料を温度40℃、湿度9
0%の環境下に一日放置し、(促進経時)後に、同様に
して露光・現像しクリア段数を求めた。作製直後との秒
数の差が小さいほど、生保存性が良好であることを示
す。
【0187】
【表1】
【0188】表1に示した結果から、比較例1〜4と比
較して、実施例1〜6の記録材料は高感度で、生保存性
にも優れることが示された。
【0189】(実施例7) 1.〔電子供与性無色染料カプセル液の調製〕 −1−a.電子供与性無色染料(1)カプセル液の調製
− 下記の電子供与性無色染料(1)8.9gを酢酸エチル
16.9gに溶解し、カプセル化剤である「タケネート
D−110N」(武田薬品工業株式会社製)20gと
「ミリオネートMR200」(日本ポリウレタン工業株
式会社製)2gを添加した。この溶液を8%のフタル化
ゼラチン42gと10%のドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム溶液1.4gの混合液に添加し、20℃で乳
化分散し乳化液を得た。得られた乳化液に水14gと
2.9%のテトラエチレンペンタミン水溶液72gを加
え、攪拌しながら60℃に加温し、2時間後に電子供与
性無色染料(1)を芯に内包した、平均粒径0.5μm
のカプセル液を得た。
【0190】
【化24】
【0191】2.〔光重合性組成物の乳化液の調製〕 −2−a.光重合性組成物(7)の乳化液の調製− 表2に示す光ラジカル発生剤0.3gと、表2に示す有
機色素0.05gと、表2に示すアミン化合物0.02
gと、下記重合性の電子受容性化合物(1)4.2gに
酢酸イソプロピル5.3gを添加し攪拌溶解した。
【0192】
【化25】
【0193】この溶液を、8%ゼラチン水溶液13g
と、2%界面活性剤(1)水溶液0.8gと、2%界面
活性剤(2)水溶液0.8gとの混合溶液中に添加し、
ホモジナイザー(日本精機株式会社製)にて10000
回転で5分間乳化し、光重合性組成物(7)の乳化液を
得た。
【0194】
【化26】
【0195】3.〔記録層用塗布液の調製〕 −3−a.記録層(7)用塗布液の調製− 前記電子供与性無色染料(1)カプセル液4gと、光重
合性組成物(7)の乳化液12gと、15%ゼラチン水
溶液12gとを混合し、記録層(7)用塗布液を調製し
た。
【0196】4.〔保護層用塗布液(2)の調製〕 −4−a.保護層用塗布液(2)の調製− 10%ゼラチン水溶液4.5gと、蒸留水4.5gと、
2%の界面活性剤(3)水溶液0.5gと、2%界面活
性剤(4)水溶液0.3gと、2%硬膜剤(1)水溶液
0.5gと、「サイロイド72」(FUJI−DEVI
SON CHEMICALLTD.製)を塗布量が50
mg/m2 となるだけの量と、「スノーテックスN」1
gとを混合し、保護層用塗布液(2)を調製した。
【0197】
【化27】
【0198】5.〔支持体〕 白色顔料を充填した厚み100μmの白色のポリエステ
ルフィルム(「ルミラーE68L」、東レ社製)を支持
体として用いた。前記支持体上に、前記記録層用塗布液
(21)をコーティングバーを用いて塗布層の乾燥質量
が6g/m2 になるように塗布し、30℃で10分間乾
燥した。この上に、前記保護層用塗布液(2)をコーテ
ィングバーを用いて塗布層の乾燥質量が2g/m2 にな
るように塗布し、30℃で10分間乾燥して実施例21
の記録材料を得た。
【0199】(実施例8〜実施例12)実施例7におい
て用いた光ラジカル発生剤、有機色素およびアミン化合
物を、各々、表2に示す光ラジカル発生剤、有機色素お
よびアミン化合物に変更した以外は、実施例7と同様に
して、実施例8〜12の記録材料を得た。
【0200】(比較例5〜比較例7)実施例7において
用いた光ラジカル発生剤、有機色素およびアミン化合物
を、各々、表2に示す光ラジカル発生剤、有機色素およ
びアミン化合物に変更した以外は、実施例7と同様にし
て、比較例5〜7の記録材料を得た。
【0201】作製した実施例7〜実施例12の記録材
料、および比較例5〜比較例7の記録材料を、真空焼枠
装置を用いて、ステップウェッジ及びSC38フィルタ
ーを通して500Wキセノンランプで30秒間光を照射
し、各々、潜像を形成した。その後、各々の記録材料
を、125℃の熱板で15秒間加熱したところ、未露光
部では電子供与性無色染料(1)と重合性電子受容性化
合物(1)とが反応した際に生じる色の発色を生じ、露
光部では発色濃度が低下ないし発色が起こらなかった。
発色が起こらなかった領域を調べ、最も露光量の少なか
った領域に相当するステップウェッジの段数(クリア段
数)を求めた。求めた段数が高い程、記録材料の感度が
高いことを意味する。結果を表2に示す。
【0202】尚、感度が高く、すべての段で発色が起き
なかった場合は、表中に“クリア”と表示した。また、
感度が低く、全ての段で発色が起きた場合は、表中に
“ベタ”と表示した。また、上記記録材料を温度40
℃、湿度90%の環境下に1日放置(促進経時)後に、
同様にして露光・加熱しクリア段数を求めた。作製直後
との係数の差が小さいほど、生保存性が良好であること
を示す。
【0203】
【表2】
【0204】表2に示した結果から、比較例5〜7と比
較して、実施例7〜12の記録材料は、好感度で、生保
存性にも優れることが示された。
【0205】本発明によれば、感度、保存性、光定着性
の向上を図った光重合性組成物を提供することができ
る。また、現像液等の使用が不要、かつ廃棄物の発生の
ない完全ドライの処理系で、かつ高感度で、コントラス
トの高い高画質な画像を形成できる白黒若しくはカラー
の記録材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA11 AB09 AB11 AC01 AC08 AD03 BC13 BC42 CA27 CA39 CA41 CA48 CC16 CC20 DA10 FA06 FA19 4J011 QA12 QA13 QA22 QA23 QA24 QA34 QA46 QB14 QB19 SA02 SA15 SA16 SA18 SA22 SA34 SA54 SA61 SA62 SA63 SA64 SA73 SA82 SA86 SA87 SA88 UA02 VA01 WA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも付加重合性不飽和結合を有す
    る重合可能な化合物と、光ラジカル発生剤と、下記一般
    式(I)で表されるアミン化合物を、含有することを特
    徴とする光重合性組成物。 【化1】 (一般式(I)中、R1、R2は水素原子、脂肪族基から
    選択され互いに同一であってもよいし、異なっていても
    よい。該脂肪族基はさらに置換基を有していてもよく、
    直接又は置換基を介して連結して環を形成していてもよ
    い。R3はベンジル基を表し、さらに置換基を有してい
    てもよい。)
  2. 【請求項2】 光ラジカル発生剤として、下記一般式
    (II)で表される有機ホウ素化合物を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物 【化2】 (一般式(II)中、Rは、アルキル基、アリール基、
    アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環
    基、及びこれらの誘導体から選択され、互いに同一であ
    ってもよいし、異なっていてもよい。また、これらのう
    ち2個以上が直接又は置換基を介して連結して含ほう素
    へテロ環を形成していてもよい。Xは陽イオンを形成し
    得る基を表す。)
  3. 【請求項3】 有機色素を含有することを特徴とする請
    求項2に記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機色素が、アニオン、ノニオン及
    び前記一般式(II)の有機ホウ素化合物と塩を形成す
    る場合を含むカチオンであることを特徴とする請求項3
    に記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 支持体上に記録層を有する記録材料であ
    って、前記記録層は、請求項1〜4のいずれかに記載の
    光重合性組成物を含むことを特徴とする記録材料。
  6. 【請求項6】 支持体上に記録層を有してなり、該記録
    層が発色成分を内包するマイクロカプセルと、請求項1
    〜4のいずれかに記載の光重合性組成物とを少なくとも
    含有し、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合
    物が、前記発色成分と反応して、該発色成分を発色させ
    る部位を有する化合物である記録材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に記録層を有してなり、該記録
    層が発色成分を内包するマイクロカプセルと、前記発色
    成分と反応して発色させる発色化合物と、請求項1〜4
    までのいずれかに記載の光重合性組成物とを少なくとも
    含有し、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合
    物が、前記発色成分と前記発色化合物との反応を抑制す
    る部位を有する発色抑制化合物である記録材料。
  8. 【請求項8】 中心波長λ1の光に感光する第1の記録
    層、中心波長λ2の光に感光し、前記第1の記録層と異
    なる色に発色する第2の記録層、・・・、中心波長λi
    の光に感光し、前記第1、第2、・・・、及び第i−1
    番目の記録層と異なる色に発色する第iの記録層の順に
    積層された多層構造を有する請求項5〜7のいずれかに
    記載の記録材料
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