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JP2002302837A - 染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維構造物 - Google Patents

染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維構造物

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Publication number
JP2002302837A
JP2002302837A JP2001106870A JP2001106870A JP2002302837A JP 2002302837 A JP2002302837 A JP 2002302837A JP 2001106870 A JP2001106870 A JP 2001106870A JP 2001106870 A JP2001106870 A JP 2001106870A JP 2002302837 A JP2002302837 A JP 2002302837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic polyamide
para
wholly aromatic
meta
fiber structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001106870A
Other languages
English (en)
Inventor
Saoaya Kuroda
幸乙綾 黒田
Yasunori Tatsuoka
康則 立岡
Shigeru Takahashi
茂 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2001106870A priority Critical patent/JP2002302837A/ja
Publication of JP2002302837A publication Critical patent/JP2002302837A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノンキャリヤー染色可能で難燃性に優れた全
芳香族ポリアミド繊維構造物、特にメタ系アラミド繊維
とパラ系アラミド繊維とが混用された全芳香族ポリアミ
ド繊維構造物を提供すること。 【解決手段】 95〜65重量部のメタ系アラミド繊維
と、5〜35重量部の染色可能なパラ系アラミド繊維か
ら構成されてなる繊維構造物であって、該繊維構造物が
少なくとも27.0の限界酸素指数を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色性の改良され
た全芳香族ポリアミド繊維構造物に関するものであり、
さらに詳しくは、メタ系アラミド繊維と、染色可能なパ
ラ系アラミド繊維から構成されてなる、ノンキャリヤー
染色可能で難燃、防炎性に優れた全芳香族ポリアミド繊
維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】全芳香族ポリアミド(以下アラミドと称
することがある)繊維にはコーネックス、ノーメックス
(いずれも登録商標)に代表されるメタ系アラミド繊維
とテクノーラ、ケブラー、トワロン(いずれも登録商
標)に代表されるパラ系アラミド繊維とがある。
【0003】これらのアラミド繊維は、ナイロン6、ナ
イロン66など、従来から使用されている脂肪族ポリア
ミド繊維に比較して、剛直な分子構造と高い結晶性を有
しているので、耐熱性、難燃、防炎性などの熱的性質、
並びに耐薬品性、耐放射線性、電気特性などの安全性に
優れた性質を有している。そのため、近年では、難燃、
防炎性や耐薬品性を必要とする防護服などの衣料用やバ
ッグフィルターなどの産業資材用、カーテンなどのイン
テリア用として広く使用されている。
【0004】しかしながら、アラミド繊維は分子鎖が剛
直で且つ高結晶性であるが故に、後加工での染色が難し
いという欠点を有している。このような欠点を解消しよ
うとして、従来よりアラミド繊維の染色法について数多
くの提案(例えば、Textile Research Journal Vol.56,P
254〜261,1998、特公昭44−11168号公報、特公
昭52−43930号公報など)がなされているが、い
ずれも満足な結果は得られていない。即ち、上記の方法
は、何れも溶媒染色、キャリヤー染色、或いは極性溶媒
による前処理後の染色などであり、加工工程が複雑であ
ったり、作業環境が悪化したり、また近年のエコロジー
思想に相反したり、更には該方法を採用した場合、繊維
オリゴマーが析出するという問題を有していた。
【0005】一方、特開平8−81827号公報には、
メタフェンレンジアミンとイソフタル酸クロライドを低
温溶液重合或いは、界面重合して得たポリメタフェニレ
ンイソフタルアミドを主成分とするメタ−メタ結合のア
ラミドにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を含有
させたポリマーからなる易染性メタ系アラミド繊維が開
示されている。
【0006】そして、該易染性メタ系アラミド繊維は、
確かにノンキャリヤー染色が可能であるものの、染色
(130℃の温度で行われる)工程において、上記易染
化剤や難燃剤を含んでいる場合はその難燃剤が染色液中
に溶出するため、難燃、防炎性が低下し、難燃素材とし
て要求される限界酸素指数(Limiting oxygen index、
以下LOIと称することがある)26.5をクリアでき
なくなる上、色相の再現性も著しく低下するという問題
があった。
【0007】また、メタ系アラミド繊維と同様、パラ系
アラミド繊維も染色することが非常に難しく、メタ系ア
ラミド繊維とパラ系アラミド繊維とを混用した繊維構造
物を染色すると、パラ系アラミド繊維が充分に染色され
ないためにイラツキが目立ち、品位よく仕上げることが
難しいという問題を有していた。このような場合、パラ
系アラミド繊維を原料着色する方法もあるが、原料着色
は生産性が悪く、小ロット化が困難である上、製造に時
間がかかるのでコスト高になるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、ノンキャリヤー染色
可能で難燃、防炎性及び耐薬品性に優れた全芳香族ポリ
アミド繊維構造物、特にメタ系アラミド繊維とパラ系ア
ラミド繊維とが混用された全芳香族ポリアミド繊維構造
物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、メタ系アラミド繊維
と染色可能なパラ系アラミド繊維とを混用するとき、所
望の繊維構造物が得られることを究明し、本発明に到達
した。
【0010】かくして本発明によれば、95〜65重量
部のメタ系アラミド繊維と、5〜35重量部の染色可能
なパラ系アラミド繊維から構成されてなる繊維構造物で
あって、該繊維構造物が少なくとも27.0の限界酸素
指数を有することを特徴とする染色性の改良された全芳
香族ポリアミド繊維構造物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するメタ系アラミド
繊維とは、主骨格を構成する芳香環がアミド結合により
メタ型に結合されてなるものであり、ポリマーの全繰返
し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタルア
ミド単位であるものを対象とし、特にポリメタフェニレ
ンイソフタルアミドホモポリマーが好ましい。全繰返し
単位の15モル%未満、好ましくは5モル%以下で共重
合し得る第3成分としては、ジアミン成分として、例え
ばパラフェニレンジアミン、3,4'-ジアミノジフェニル
エーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、パラキ
シリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、3,3'-ジク
ロルベンジジン、3,3'-ジメチルベンジジン、3,4'-ジア
ミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、1,5-ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが、ま
た酸成分として、例えばテレフタル酸、ナフタレン-2,6
-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジ
アミン及び芳香族ジカルボン酸は、その芳香族環の水素
原子の一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基に
よって置換されていてもよい。
【0012】尚、ポリマーの全末端の20%以上が、ア
ニリン等の一価のジアミンもしくは一価のカルボン酸成
分で封鎖されている場合には、特に高温下に長時間保持
しても繊維の強力低下が小さくなるので好ましい。
【0013】このようなメタ系芳香族ポリアミドは、芳
香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとを、例
えば従来公知の界面重合させる方法により製造すること
ができる。ポリマーの重合度としては、N−メチル−2
−ピロリドンを溶媒として0℃で測定した固有粘度(I
V)が0.8〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲にあ
るものが好ましい。
【0014】上記のメタ系芳香族ポリアミドには、染色
性を向上させ、カチオン染料で容易に染色できるように
するため、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩など
を含有させることが好ましい。含有させるアルキルベン
ゼンスルホン酸オニウム塩は、そのアルキル基が直鎖で
も分枝を有していても良いが、その炭素数は6〜18、
特に8〜16の範囲が適当である。一方、オニウム塩と
しては第4級アンモニウム塩、特に第4級ホスホニウム
塩又は第4級アンモニウム塩が、良好な染色性が得られ
る点で好ましい。なかでもテトラブチルホスホニウム塩
又はベンジルトリメチルアンモニウム塩、入手性及び熱
安定性が良好なので好ましい。
【0015】好ましく用いられるオニウム塩の具体例と
しては、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリ
ブチルベンジルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸トリブチルテトラデシルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルア
ンモニウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ジメチ
ルジベンジルアンモニウム塩等を挙げることが出来る。
なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩及びドデシルベンゼンスルホン酸トリブチ
ルベンジルアンモニウム塩は、優れた染色性が得られる
上に染色物の堅牢性が良好であり、しかもN−メチル−
2−ピロリドンに対する溶解度も高いので特に好まし
い。
【0016】かかるアルキルベンゼンスルホン酸オニウ
ム塩のメタ系芳香族ポリアミド繊維中の含有量は、染色
による染着度をどの程度するかによって変わるが、濃色
に染色できるようにするためには、メタ系芳香族ポリア
ミド繊維の繰返し単位に対して(全繰返し単位を基準と
して)2.5モル%以上、好ましくは2.5〜10.0
モル%、特に好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲と
するのが適当である。
【0017】尚、上記メタ系芳香族ポリアミド繊維に
は、機能特性を保持するために難燃剤や紫外線吸収剤が
含まれていても良く、特にアルキルベンゼンスルホン酸
オニウム塩を含有する場合は、オニウム塩によって難燃
性や耐光性が低下する傾向があるので、難燃剤や紫外線
吸収剤を含有させることはむしろ好ましいことである。
この際使用される難燃剤の好ましい具体例としては、下
記式で示される芳香族縮合型ノンハロゲン化リン酸エス
テル系難燃剤が、染色加工後の繊維における洗濯耐久難
燃性を付与すると共に、例え燃焼しても有毒ガスの発生
を少なくすることができるので、好ましく例示すること
ができる。
【0018】
【化1】
【0019】また紫外線吸収剤としては下記式に示す紫
外線吸収剤を好ましく例示することができる。
【0020】
【化2】
【0021】本発明で使用するパラ系アラミド繊維と
は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)
からなり、染色可能なパラ系アラミド繊維であること
が、本発明の特異的効果を奏する上で肝要である。
【0022】ここで、PPTAとは、テレフタル酸とパ
ラフェニレンジアミンを重縮合して得られる重合体であ
り、少量のジカルボン酸およびジアミンを共重合したも
のも使用でき、重合体または共重合体の分子量は20,000
〜25,000が好ましい。
【0023】前述のように、パラ系アラミド繊維は通常
染色することが非常に難しいが、物理手段の付与によ
り、座屈部(キンクバンド)が形成されているパラ系ア
ラミド繊維は、該座屈部(キンクバンド)がノンキャリ
ヤーで染色されるため、染色が可能となる。
【0024】この物理的手段とは、押し込み式捲縮など
の捲縮付与手段の他、強打(叩く)、表面摩擦(しご
く)、撚糸及び仮撚など、該物理的手段により座屈部
(キンクバンド)が形成(付与)されるものであればい
かなる物理的手段も含まれる。
【0025】また、400℃で1分間熱処理した際の強
力劣化率が10%以上のパラ系アラミド繊維も、分子構
造が適度なゆるみを有しており、座屈部(キンクバン
ド)が形成され易いので染料の浸透が起こり、染色が可
能となる。但し、該強力劣化率が40%を超える場合
は、難燃、防炎性が劣り、繊維構造物のLOIが27.
0未満に低下することがある。
【0026】パラ系アラミド繊維は、PPTAを濃硫酸
に溶解し、その粘調な溶液を紡糸口金から押し出し、空
気中または水中に紡出することによりフィラメント状に
した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、最終的には
120〜500℃で乾燥・熱処理することにより得られる。乾
燥・熱処理前のPPTA繊維は結晶サイズ(110面)が5
0オングストローム未満であり、乾燥・熱処理後では50
オングストローム以上となれば良い。
【0027】本発明においては、上記のメタ系アラミド
繊維95〜65重量部と、染色可能なパラ系アラミド繊
維5〜35重量部とを混用して紡績糸条、長繊維糸条、
ロープ、織編物或いは不織布などの繊維構造物とする。
【0028】ここで、混用とは、メタ系アラミド繊維と
パラ系アラミド繊維とを原綿で混紡して紡績糸とした
り、該紡績糸を用いて織編物を形成させたり、メタ系ア
ラミド繊維とパラ系アラミド繊維のフィラメント糸条を
混繊して混繊糸条を得たり、該混繊糸条を用いて織編物
を形成させたり、メタ系アラミド繊維、及びパラ系アラ
ミド繊維の紡績糸或いはフィラメント糸条を交織或いは
交編して繊維構造物を形成させることを言う。
【0029】この際、パラ系アラミド繊維の混用率が3
5重量部を越える場合、或いはメタ系アラミド繊維の混
用率が65重量部未満の場合は、染色のイラツキが発生
し、一方、パラ系アラミド繊維の混用率が5重量部未満
の場合、或いはメタ系アラミド繊維の混用率が95重量
部を越える場合は、耐薬品性や耐疲労性などが低下す
る。
【0030】また、上記繊維構造物には、本発明の目的
を損なわない範囲で、メタ系アラミド繊維、パラ系アラ
ミド繊維以外の他の繊維を混用しても構わない。混用す
る繊維には特に限定はないが、アラミド繊維の難燃性を
生かす上では難燃レーヨン、難燃加工綿、難燃ポリエス
テル、難燃ビニロン、ノポラックなどの難燃素材が好ま
しい。また快適性の点からは、難燃レーヨンなどのセル
ロース系を混合するとアラミド単独よりも高吸湿性とな
り、より快適な素材が提供出来る。
【0031】上記繊維構造物を染色する際には、特殊な
設備や方法を必要とせず、既存の合成繊維の染色設備を
用いることができる。また染料としては、カチオン染
料、分散染料、また更にはカチオン/分散混合染料の何
れも用いることが出来るが、緻密な構造に浸透しやす
く、また染着がイオン結合であり、染色後の堅牢性や色
相安定性がよいカチオン染料が望ましい。
【0032】カチオン染料とは水に可溶性で、塩基性を
示す基を有する水溶性染料をいい、アクリル繊維、天然
繊維或いはカチオン可染型ポリエステル繊維等の染色に
多く用いられており、ジ及びトリアクリルメタン系、キ
ノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)系、キサ
ンテン系、メチン系(ポリメチン、アザメチン)、複素
環アゾ系(チアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ベンゾ
チアゾールアゾ)、アントラキノン系などがある。ま
た、最近では塩基性基を封鎖することにより水分散型に
したカチオン染料もあり、いずれを用いても良い。
【0033】染色温度は、115℃〜150℃が好まし
く120℃以上がより好ましい。染色温度が115℃未
満であると、染色性が不充分になる場合がある。また染
色温度は高いほど染着性高まるものの、反面、染料の分
解やアラミド繊維と他の素材を複合している場合には複
合素材の劣化の問題も発生し始めるので、必ずしも高温
にすればするほど良いわけではなく高々140℃が好ま
しい。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中の物性の評価は下記の方法に従っ
て行った。
【0035】(1)強力劣化率 繊維の強力劣化率は、400℃で1分間熱処理した際
の、熱処理前後の強力S0、S1から次式により算出し
た。
【0036】
【数1】
【0037】(2)染色性 マクベス カラーアイ(Macbeth COLOR-EYE)モデルCE
−3100を用いて測定を行い、見掛けの色の濃さK/
S及び明度指数L*で表現した。明度指数L*は、JI
S Z 8701(2度視野XYZ系による色の表示方
法)又はJISZ 8728(10度視野XYZ系によ
る色の表示方法)に規定する三刺激値のYを用いて、次
式より求められるものである。
【0038】
【数2】
【0039】また、K/Sは染色された試料の最大吸収
波長における反射率(R)から下記に示すクーベルカム
ンク(Kubelka-Munk)の式により求められるものであ
る。
【0040】
【数3】
【0041】さらに、目視による染色性(均染性)の判
定は、以下の基準で評価した。 ○:繊維構造物が著しく均染化されている。 △:繊維構造物が均染化されている。 ×:繊維構造物が均染化されていない(イラツキが認め
られる)。
【0042】(3)LOI 難燃性(防炎性)の指標である限界酸素指数(LOI)
は、JIS L K7201に準じて測定した。
【0043】(4)接炎穴あき 10cm四方のピン枠に緊張下でセットされた試料に、
垂直方向より、防風筒により保護されたガスバーナー
(都市ガス使用)による炎(炎温度:1100〜1200℃)を
接触(接炎)させ、接触開始から試料に小穴(布帛の亀
裂含む)が生じるまでの時間を計測して、接炎穴あき時
間(秒)とした。
【0044】接炎穴あき試験は衣服が火災に暴露された
時、布帛の収縮応力によって、衣服にゆとりがない部分
で穴あきや破れが生じる現象をモデル的に評価する試験
であり、接炎穴あき時間は30秒以上であることが好ま
しい。
【0045】[実施例1]固有粘度(IV)が1.35
dl/gのポリ−m−フェニレンイソフタルアミド30
gをN−メチル−2−ピロリドン110gに溶解し、さ
らに3.6gのドデシルベンゼンスルフォン酸トリブチ
ルベンジルアンモニウム塩を混合溶解し、減圧脱法して
紡糸ドープとした。
【0046】このドープを85℃に加温し、口径0.0
7ミリ、孔数200の紡糸口金から凝固浴中に湿式紡糸
し、糸条を凝固浴中に約10cm走行させた後、6.2
m/分の速度で引き出した。凝固浴の組成は、塩化カル
シウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水は5
5重量%であり、該凝固浴の温度は85℃であった。
【0047】該糸条を水洗し、95℃の温水で3.3倍
に延伸して120℃のロールで乾燥した後、300℃の
熱板上で1.0倍延伸して444dtex/200フィ
ラメントの延伸糸を得た。この延伸糸を100本集束し
て2万デニールのトウとし、捲縮を付与した後カットし
た。得られた繊維の繊度、カット長、強度、伸度、30
0℃の収縮率、湿熱135℃の収縮率はそれぞれ1.9
dtex、51mm、4.2g/de、43.6%、
8.4%、5.2%であった。
【0048】上記のメタ系アラミド短繊維95重量部
と、強力劣化率が32%で、捲縮を付与することにより
座屈部(キンクバンド)が形成されたPPTA短繊維
(商品名トワロン)5重量部とを常法により混紡、合撚
して30/2の紡績糸とし、次いで該紡績糸を経、緯そ
れぞれ55本/in×54本/inの密度で製織して平
織物を得た。
【0049】次に該織物をスコアロール400(花王
製)で1g/l、80℃で20分間精錬した。水洗・乾
燥後、190℃で1分間プレ・セットした。次いで、下
記染浴で常温から2℃/分の速度で昇温し、135℃で
60分間染色処理した。 ・染料C.I.Basic Blue 54(Kayacryl Blue GSL-ED) 4 %owf ・硝酸Na 25 g/l ・酢酸 0.5 cc/l ・浴比1:30 次いで、染色された試料を下記洗浄浴で80℃×20分間還元洗浄した。 ・NaOH 1g/l ・ハイドロサルファイト 1g/l ・アミラジンD (非イオン活性剤 第一工業製薬製) 1g/l 還元洗浄後、十分水洗して乾燥、ファイナル・セット
(180℃×1分間)し、防護服用の織物を得た。
【0050】[実施例2]実施例1において、PPTA
短繊維を10重量部混紡した以外は、実施例1と同様に
実施した。
【0051】[実施例3]実施例1において、PPTA
短繊維を20重量部混紡した以外は、実施例1と同様に
実施した。
【0052】[実施例4]実施例1において、PPTA
短繊維を35重量部混紡した以外は、実施例1と同様に
実施した。
【0053】[比較例1]実施例1において、パラ系ア
ラミド繊維として、強力劣化率が2%のコポリパラフェ
ニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルア
ミド繊維(帝人(株)製、テクノーラ)を使用した以外
は、実施例1と同様に実施した。尚、上記パラ系アラミ
ド繊維には座屈部(キンクバンド)は存在しておらず、
染色は不可能であった。
【0054】[比較例2]実施例2において、パラ系ア
ラミド繊維として、強力劣化率が2%のコポリパラフェ
ニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルア
ミド繊維(帝人(株)製、テクノーラ)を使用した以外
は、実施例2と同様に実施した。
【0055】[比較例3]実施例3において、パラ系ア
ラミド繊維として、強力劣化率が2%のコポリパラフェ
ニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルア
ミド繊維(帝人(株)製、テクノーラ)を使用した以外
は、実施例3と同様に実施した。
【0056】[比較例4]実施例4において、パラ系ア
ラミド繊維として、強力劣化率が2%のコポリパラフェ
ニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルア
ミド繊維(帝人(株)製、テクノーラ)を使用した以外
は、実施例4と同様に実施した。
【0057】[比較例5]実施例1において、PPTA
短繊維の混紡率を3重量部とした以外は、実施例1と同
様に実施した。得られた織物は染色性は良好であるもの
の、耐薬品性(酸及びアルカリ)と耐疲労性に劣るもの
であり、防護服用途に供し得るものではなかった。
【0058】[比較例6]実施例1において、PPTA
短繊維を40重量部混紡した以外は、実施例1と同様に
実施した。
【0059】得られた繊維構造物の染色性、及び難燃、
防炎性の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、ノンキャリヤー染色可
能で難燃、防炎性に優れた全芳香族ポリアミド繊維構造
物、特にメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とが
混用された全芳香族ポリアミド繊維構造物が得られ、ユ
ニホームや消防服などの衣料用途やバッグフィルターな
どの産業資材用途、カーテンなどのインテリア用途へ好
適に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 21/00 D04B 21/00 B 4L048 D06B 1/00 D06B 1/00 D06P 3/82 D06P 3/82 F (72)発明者 高橋 茂 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 3B154 AA08 AB20 BA07 BB12 BB32 BD01 DA13 4H057 AA01 BA03 DA01 DA31 4L002 AA06 AB01 AC00 AC06 EA00 EA04 FA00 FA01 FA06 4L035 BB03 BB07 BB16 BB66 BB85 DD19 EE01 EE14 FF01 MG04 4L036 MA06 MA35 MA39 PA31 PA33 RA04 UA16 4L048 AA25 AA42 AA53 AA55 AB05 AC07 AC14 BA01 CA00 CA06 DA01 DA19 DA40 EB00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 95〜65重量部のメタ系アラミド繊維
    と、5〜35重量部の染色可能なパラ系アラミド繊維か
    ら構成されてなる繊維構造物であって、該繊維構造物が
    少なくとも27.0の限界酸素指数を有することを特徴
    とする染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維構造
    物。
  2. 【請求項2】 メタ系アラミド繊維が、繰り返し単位の
    85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位
    であり、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を含む
    ポリマーから構成されるメタ系アラミド繊維である請求
    項1記載の染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維
    構造物。
  3. 【請求項3】 アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩
    が、アルキルベンゼンスルホン酸第4級オニウム塩であ
    る請求項2記載の染色性の改良された全芳香族ポリアミ
    ド繊維構造物。
  4. 【請求項4】 アルキルベンゼンスルホン酸第4級オニ
    ウム塩が、テトラブチルホスホニウム塩又はトリブチル
    ベンジルアンモニウム塩である請求項3記載の染色性の
    改良された全芳香族ポリアミド繊維構造物。
  5. 【請求項5】 染色可能なパラ系アラミド繊維が、40
    0℃で1分間熱処理した際の強力劣化率が10〜40%
    のパラ系アラミド繊維である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維
    構造物。
  6. 【請求項6】 染色可能なパラ系アラミド繊維が、座屈
    部(キンクバンド)を有するパラ系アラミド繊維である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の染色性の改良され
    た全芳香族ポリアミド繊維構造物。
  7. 【請求項7】 座屈部(キンクバンド)が物理的手段に
    より形成された座屈部(キンクバンド)である請求項6
    記載の染色性の改良された全芳香族ポリアミド繊維構造
    物。
  8. 【請求項8】 物理手段が押込み式捲縮付与手段である
    請求項7記載の染色性の改良された全芳香族ポリアミド
    繊維構造物。
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