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JP2002296277A - Mch受容体アンタゴニスト・アゴニストのスクリーニング方法 - Google Patents

Mch受容体アンタゴニスト・アゴニストのスクリーニング方法

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JP2002296277A
JP2002296277A JP2001203705A JP2001203705A JP2002296277A JP 2002296277 A JP2002296277 A JP 2002296277A JP 2001203705 A JP2001203705 A JP 2001203705A JP 2001203705 A JP2001203705 A JP 2001203705A JP 2002296277 A JP2002296277 A JP 2002296277A
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salt
mch
slt
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seq
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Masaaki Mori
森  正明
Yukio Shimomura
行生 下村
Mihoko Harada
美穂子 原田
Tsukasa Sugo
司 周郷
Yasushi Shintani
靖 新谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗肥満薬または食欲調整薬などのスクリーニン
グ方法を提供する。 【解決手段】MCHもしくはその誘導体またはその塩お
よびSLTもしくはその塩、またはその部分ペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を
用いることを特徴とするMCHまたはその塩とSLTも
しくはその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーファンレセプ
ター蛋白質である配列番号:3で表されるタンパク質
(WO 00/49046(PCT/JP00/00927号))
またはその塩とMCH(メラニン凝集ホルモン;Melani
n Concentrating Hormone(Endocrinology,vol.125, 16
60-1665 (1989)など)もしくはその誘導体またはその塩
を用いることを特徴とする抗肥満薬または食欲調整薬な
どのスクリーニング方法などに関する。
【0002】
【従来の技術】生体のホメオスタシスの維持、生殖、個
体の発達、代謝、成長、神経系、循環器系、免疫系、消
化器系、代謝系の調節、感覚受容などの重要な機能調節
は、様々なホルモンや神経伝達物質のような内在性因子
あるいは光や匂いなどの感覚刺激をこれらに対して生体
が備えている細胞膜に存在する特異的な受容体を介して
細胞が受容し、それに応じた反応をすることによって行
われている。このような機能調節に与るホルモンや神経
伝達物質の受容体の多くはguanine nucleotide-binding
protein(以下、G蛋白質と略称する場合がある)と共
役しており、このG蛋白質の活性化によって細胞内にシ
グナルを伝達して様々な機能を発現させることを特徴と
する。また、これらの受容体タンパク質は共通して7個
の膜貫通領域を有する。これらのことからこうした受容
体はG蛋白質共役型受容体あるいは7回膜貫通型受容体と
総称される。このように生体機能の調節には様々なホル
モンや神経伝達物質およびそれに対する受容体蛋白質が
存在して相互作用し、重要な役割を果たしていることが
わかっているが、未知の作用物質(ホルモンや神経伝達
物質など)およびそれに対する受容体が存在するかどう
かについてはいまだ不明なことが多い。近年、ヒトゲノ
ムDNAあるいは各種ヒト組織由来のcDNAのランダムな配
列決定による配列情報の蓄積および遺伝子解析技術の急
速な進歩によってヒトの遺伝子が加速度的に解明されて
きている。それにともない、機能未知の蛋白をコードす
ると予想される多くの遺伝子の存在が明らかになってい
る。G蛋白質共役型受容体は、7個の膜貫通領域を有する
のみでなくその核酸あるいはアミノ酸に多くの共通配列
が存在するためそのような蛋白の中から明確にG蛋白質
共役型受容体として区分することができる。一方でこう
した構造の類似性を利用したポリメラーゼ・チェーン・
リアクション(Polymerase Chain Reaction:以下、PCR
と略称する)法によってもこうしたG蛋白質共役型受容
体遺伝子が得られている。このようにしてこれまでに得
られたG蛋白共役型受容体のうちには既知の受容体との
構造の相同性が高いサブタイプであって容易にそのリガ
ンドを予測することが可能な場合もあるが、ほとんどの
場合その内在性リガンドは予測不能であり、これらの受
容体は対応するリガンドが見いだされていない。このこ
とからこれらの受容体はオーファン受容体と呼ばれてい
る。このようなオーファン受容体の未同定の内因性リガ
ンドは、リガンドが知られていなかったために十分な解
析がなされていなかった生物現象に関与している可能性
がある。そして、このようなリガンドが重要な生理作用
や病態と関連している場合には、その受容体作動薬ある
いは拮抗薬の開発が革新的な医薬品の創製に結びつくこ
とが期待される(Stadel, J. et al.、TiPS、18巻、430
-437頁、1997年、Marchese, A. et al.、TiPS、20巻、3
70-375頁、1999年、Civelli, O. et al.、Brain Res.、
848巻、63-65頁、1999年)。しかし、これまで実際にオ
ーファンG蛋白質共役型受容体のリガンドを同定した例
はそれほど多くない。最近、幾つかのグループによって
こうしたオーファン受容体のリガンド探索の試みがなさ
れ、新たな生理活性ペプチドであるリガンドの単離・構
造決定が報告されている。ReinsheidらおよびMeunierら
は独立に、動物細胞にオーファンG蛋白質共役型受容体L
C132あるいはORL1をコードするcDNAを導入して受容体を
発現させ、その応答を指標としてorphanin FQあるいはn
ociceptinと名付けられた新規ペプチドをブタ脳あるい
はラット脳の抽出物より単離し、配列を決定した(Rein
sheid, R. K. et al.、Science、270巻、792-794頁、19
95年、Meunier, J.-C.et al.、Nature、377巻、532-535
頁、1995年)。このペプチドは痛覚に関与していること
が報告されたが、さらに、受容体のノックアウトマウス
の研究により記憶に関与していることが明らかにされた
(Manabe, T. et al.、Nature、394巻、577-581頁、199
8年)。その後これまでに上記と同様な方法によりPrRP
(prolactin releasing peptide)、orexin、apelin、g
hrelinおよびGALP(galanin-like peptide)などの新規
ペプチドがオーファンG蛋白質共役型受容体のリガンド
として単離された(Hinuma, S. et al.、Nature、393
巻、272-276頁、1998年、Sakurai, T. et al.、Cell、9
2巻、573-585頁、1998年、Tatemoto, K. et al.、Biche
m. Biophys. Res. Commun.、251巻、471-476頁、1998
年、Kojima, M. et al.、Nature、402巻、656-660頁、1
999年、Ohtaki, T. et al.、J. Biol. Chem.、274巻、3
7041-37045頁、1999年)。一方、これまで明らかでなか
った生理活性ペプチドの受容体が同様な方法によって解
明される場合もある。腸管収縮に関与するmotilinの受
容体がGPR38であることが明らかにされた(Feighner,
S. D. et al.、Science、284巻、2184-2188頁、1999
年)ほか、SLC-1がメラニン凝集ホルモン(MCH)の受容
体として同定され(Chambers, J. et al.、Nature、400
巻、261-265頁、1999年、Saito, Y. etal.、Nature、40
0巻、265-269頁、1999年、Shimomura, Y. et al.、Bioc
hem. Biophys. Res. Commun.、261巻、622-626頁、1999
年、Lembo, P. M. C. et al.、Nature Cell Biol.、1
巻、267-271頁、1999年、Bachner, D. et al.、FEBS Le
tt.、457巻、522-524頁、1999年)、またGPR14(SENR)
がurotensin IIの受容体であることが報告された(Ame
s, R. S. et al.、Nature、401巻、282-286頁、1999
年、Mori, M. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commu
n.、265巻、123-129頁、1999年、Nothacker, H.-P. et
al.、Nature Cell Biol.、1巻、383-385頁、1999年、Li
u, Q. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、266
巻、174-178頁、1999年)。MCHはそのノックアウトマウ
スが羸痩のphenotypeを示すことから肥満に関与するこ
とが示されていたが(Shimada, M. et al.、Nature、39
6巻、670-674頁、1998年)、その受容体が明らかにされ
たことにより抗肥満薬としての可能性を有する受容体拮
抗薬の探索が可能となった。また、urotensin IIはサル
に静脈内投与することによって心虚血を惹起することか
ら心循環系に強力な作用を示すことも報告されている
(Ames, R. S. et al.、Nature、401巻、282-286頁、19
99年)。このように、オーファン受容体およびそのリガ
ンドは新たな生理作用に関与する場合が多く、その解明
は新たな医薬品開発に結びつくことが期待される。しか
し、オーファン受容体のリガンド探索においては多くの
困難さが伴い、これまでに数多くのオーファン受容体の
存在が明らかにされながらそのリガンドが明らかにされ
た受容体はごく一部に過ぎない。オーファンG蛋白質共
役型受容体として渡辺らは新規受容体SLT(本願明細
書の配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するタン
パク質:以下、本明細書において、単にSLTと称する
場合がある)を見出した(WO 00/49046(PCT/JP
/00927号))が、そのリガンドが何であるのかは
これまで不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オーファンレセプター
蛋白質であるSLTに対するリガンドの探索と、SLT
およびそのリガンドを用いることを特徴とする化合物な
どのスクリーニング方法の確立が課題とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SLT受
容体蛋白を高発現するCHO細胞を作製し、種々の動物組
織抽出物あるいは既知ペプチドを投与して受容体発現細
胞の応答を検討した。その結果、予想外にも、MCHがS
LT受容体発現CHO細胞に対して細胞内cAMP産生抑制活
性を示すことを見出した。このことは、MCHがSLT
の内因性リガンドであることを示すものである。本発明
者らは、かかる知見に基づいて、MCHおよびSLTを
用いたスクリーニング系を用いて、より好ましくは、更
にMCHおよびSLC−1を用いたスクリーニング系と
組み合わせることによって、MCHの介在する疾患の治
療薬(MCH拮抗薬あるいは作動薬など、具体的には抗
肥満薬など)のスクリーニングができることを初めて見
出した。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)メラニン凝集ホルモン(MCH)もしくはその誘
導体またはその塩および配列番号:3で表されるタンパ
ク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる
ことを特徴とするMCHまたはその塩と配列番号:3で
表されるタンパク質もしくはその塩、またはその部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のス
クリーニング方法、 (2)さらにSLC−1またはその塩、またはその部分
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩を用いることを特徴とする上記(1)記載のス
クリーニング方法、 (3)MCHもしくはその誘導体またはその塩および配
列番号:3で表されるタンパク質もしくはその塩、また
はその部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
ステルまたはその塩を含有することを特徴とするMCH
またはその塩と配列番号:3で表されるタンパク質もし
くはその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、 (4)さらにSLC−1またはその塩、またはその部分
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩を含有することを特徴とする上記(3)記載の
スクリーニング用キット、 (5)上記(1)記載のスクリーニング方法または上記
(3)記載のスクリーニング用キットを用いて得られう
る、MCHまたはその塩と配列番号:3で表されるタン
パク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結
合性を変化させる化合物またはその塩、 (6)上記(5)記載の化合物またはその塩を含有して
なる医薬、 (7)抗肥満薬である上記(6)記載の医薬、 (8)MCHが配列番号:6で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドである上記(1)記載のスクリーニング方法、 (9)MCHが配列番号:6で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドである上記(3)記載のスクリーニング用キッ
ト、 (10)誘導体が配列番号:6で表されるアミノ酸配列
のN末端から第5番目ないし第19番目の配列を含有す
るペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルで
ある上記(1)記載のスクリーニング方法、 (11)誘導体が配列番号:6で表されるアミノ酸配列
のN末端から第5番目ないし第19番目の配列を含有す
るペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルで
ある上記(3)記載のスクリーニング用キット、 (12)誘導体がボルトンハンター試薬により誘導され
たMCHまたはボルトンハンター試薬により誘導された
配列番号:6で表されるアミノ酸配列のN末端から第5
番目ないし第19番目の配列を含有するペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルである上記(1)記
載のスクリーニング方法、 (13)誘導体がボルトンハンター試薬により誘導され
たMCHまたはボルトンハンター試薬により誘導された
配列番号:6で表されるアミノ酸配列のN末端から第5
番目ないし第19番目の配列を含有するペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルである上記(3)記
載のスクリーニング用キット、 (14)MCHもしくはその誘導体またはその塩が[
125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピ
オニル)-Met4]-MCH(4-19)またはその塩である上記
(1)記載のスクリーニング方法、 (15)MCHもしくはその誘導体またはその塩が[
125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピ
オニル)-Met4]-MCH(4-19)またはその塩である上記
(3)記載のスクリーニング用キット、 (16)MCHもしくはその誘導体またはその塩;
SLC−1またはその塩、またはその部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩;お
よび配列番号:3で表されるタンパク質もしくはその
塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とす
る、 1)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、 2)(i)SLC−1またはその塩、またはその部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩;および/または(ii)配列番号:3で表される
タンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、 (17)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、配
列番号:3で表されるタンパク質もしくはその塩、また
はその部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエ
ステルまたはその塩との結合性を選択的に変化させる化
合物またはその塩をスクリーニングすることを特徴とす
る上記(16)記載のスクリーニング方法、 (18)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、S
LC−1またはその塩、またはその部分ペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結
合性を選択的に変化させる化合物またはその塩をスクリ
ーニングすることを特徴とする上記(16)記載のスク
リーニング方法、 (19)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、
(i)配列番号:3で表されるタンパク質もしくはその
塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩および(ii)SLC−1ま
たはその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を選択
的に変化させる化合物またはその塩をスクリーニングす
ることを特徴とする上記(16)記載のスクリーニング
方法、 (20)MCHもしくはその誘導体またはその塩;
SLC−1またはその塩、またはその部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩;お
よび配列番号:3で表されるタンパク質もしくはその
塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とす
る、 1)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、 2)(i)SLC−1またはその塩、またはその部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩;および/または(ii)配列番号:3で表される
タンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キット、などを提供するものである。
【0006】本明細書において、「実質的に同一」とは
ポリペプチドなどの活性、例えば、リガンド(MCH)
と受容体(SLT)の結合活性、生理的な特性などが、
実質的に同じことを意味する。本発明で用いられるSL
Tまたはその塩(以下、単にSLTと略称する場合があ
る)およびMCHもしくはその誘導体またはその塩(以
下、単にMCHと略称する場合がある)の製造法を以下
にさらに詳細に説明する。また、本発明のSLTとMC
Hを用いることを特徴とするスクリーニング方法などと
組み合せて用いることができるMCHの受容体SLC−
1またはその塩(以下、単にSLC−1と略称する場合
がある)は、例えば、Chambers, J. et al.、Nature、4
00巻、261-265頁、1999年、Saito, Y. et al.、Natur
e、400巻、265-269頁、1999年、Shimomura, Y. et a
l.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、261巻、622-626
頁、1999年、Lembo, P. M. C. et al.、Nature Cell Bi
ol.、1巻、267-271頁、1999年、Bachner, D. et al.、F
EBS Lett.、457巻、522-524頁、1999年、およびWO 00/
40725(PCT/JP99/07336号)に記載の製
造法によって得ることができるが、SLC−1の製造法
についても、以下に合わせて説明する。本発明で用いら
れるSLT、SLC−1およびMCHとしては、ヒト、
温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ブ
タ、ヒツジ、ウシ、サルなど)および魚類などのあらゆ
る組織(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管、血管、心臓など)または細胞などに由来するポ
リペプチドであって、SLTとしては、配列番号:3、
SLC−1としては、配列番号:16または配列番号:
17、MCHとしては配列番号:6で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するポリペプチドであれば如何なるものであってもよ
い。例えば、SLTとしては、配列番号:3で表わされ
るアミノ酸配列を含有するポリペプチドなどの他に、配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチドなど
があげられる。実質的に同質の活性としては、例えばリ
ガンド結合活性、シグナル伝達活性などがあげられる。
実質的に同質とは、リガンド結合活性などが性質的に同
質であることを示す。したがって、リガンド結合活性の
強さなどの強弱、ポリペプチドの分子量などの量的要素
は異なっていてもよい。SLC−1としては、配列番
号:16または配列番号:17で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドなどの他に、配列番号:16
または配列番号:17で表わされるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペ
プチドなどがあげられる。実質的に同質の活性として
は、例えばリガンド結合活性、シグナル伝達活性などが
あげられる。実質的に同質とは、リガンド結合活性など
が性質的に同質であることを示す。したがって、リガン
ド結合活性の強さなどの強弱、ポリペプチドの分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。MCHとしては、
配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドなどの他に、配列番号:6で表わされるアミノ
酸配列を含有するポリペプチドと実質的に同質の活性を
有するポリペプチドなどがあげられる。実質的に同質の
活性としては、例えばレセプター結合活性などがあげら
れる。実質的に同質とは、レセプター結合活性などが性
質的に同質であることを示す。したがって、レセプター
結合活性の強さなどの強弱、ポリペプチドの分子量など
の量的要素は異なっていてもよい。
【0007】本明細書におけるSLT、SLC−1およ
びMCHはペプチド標記の慣例に従って左端がN末端
(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)で
ある。例えば、配列番号:3、配列番号:16、配列番
号:17または配列番号:6で表されるアミノ酸配列な
どを含有するポリペプチドはC末端が通常カルボキシル
基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)であるが、
C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であっ
てもよい。エステルのRとしては、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルな
どのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル、α−ナフ
チルなどのC6-12アリール基、ベンジル、フェネチル、
ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2アルキル、もし
くはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2
ルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステ
ルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などがあ
げられる。本発明で用いられるSLT、SLC−1およ
びMCHの塩としては、生理学的に許容される塩基(例
えばアルカリ金属など)や酸(有機酸、無機酸)との塩
が用いられるが、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。このような塩としては例えば無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるSLT、SLC−1およびMCHは、公知の方法
(例、FEBS Letters 398 (1996) 253-258、WO 96/18651
号記載の方法)に準じた方法、即ち、ヒトや温血動物の
組織または細胞からポリペプチドを精製する方法によっ
て製造することもできるし、後述のタンパク質(ペプチ
ド)合成法に準じて製造することもできる。また、後述
するタンパク質(ペプチド)をコードするDNAを含有
する形質転換体を培養することによっても製造すること
ができる。
【0008】ヒト、温血動物、魚類などの組織または細
胞から製造する場合、ヒト、温血動物、魚類などの組織
または細胞をホモジナイズした後、酸、有機溶媒などで
抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相
クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離することがで
きる。上記したように本発明で用いられるSLT、SL
C−1およびMCHは、自体公知のタンパク質(ペプチ
ド)の合成法に従って、あるいはSLT、SLC−1お
よび/またはMCHを含有するタンパク質(ペプチド)
を適当なペプチダーゼで切断することによって製造する
ことができる。タンパク質(ペプチド)の合成法として
は、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても
良い。すなわち、SLT、SLC−1および/またはM
CHを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余
部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護
基を脱離することにより目的のタンパク質(ペプチド)
を製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱
離としては例えば、以下の〜に記載された方法があ
げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タ
ンパク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせてタンパク質(ペプチド)
を精製単離することができる。上記方法で得られるタン
パク質(ペプチド)が遊離体である場合は、公知の方法
によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で
得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換する
ことができる。
【0009】SLT、SLC−1およびMCHのアミド
体は、アミド形成に適した市販のペプチド合成用樹脂を
用いることができる。そのような樹脂としては例えば、
クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒド
リルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキ
シベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリル
アミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフ
ェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹
脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメ
チル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェ
ニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげる
ことができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と
側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペ
プチドの配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、
樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質
(ペプチド)を切り出すと同時に各種保護基を除去し、
必要に応じて高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形
成反応を実施し、目的のタンパク質(ペプチド)を取得
する。上記した保護されたアミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質(ペプチド)合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミドなどがあげられる。これらに
よる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBT、HO
OBTなど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加
するかまたは、対称酸無水物またはHOBTエステルあるい
はHOOBTエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸
の活性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。
保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられ
る溶媒としては、タンパク質(ペプチド)縮合反応に使
用しうることが知られている溶媒から適宜選択されう
る。たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸
アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコー
ル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピ
リジンなどの三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニ
トリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用い
られる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得
ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−
20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化され
たアミノ酸誘導体は通常1.5ないし4倍過剰で用いら
れる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が
不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応
を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。
反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、
無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応ア
ミノ酸をアセチル化して、後の反応に影響を及ぼさない
ようにすることができる。
【0010】原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどがあげられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばRとして上
記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C
7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロ
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジ
ル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒド
ラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、
トリチルヒドラジドなどがあげられる。セリンおよびス
レオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテ
ル化によって保護することができる。このエステル化に
適する基としては例えばアセチル基などの低級アルカノ
イル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素から
誘導される基などがあげられる。また、エーテル化に適
する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピ
ラニル基、ターシャリーブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBz
l、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどがあげられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどがあげられる。原料のカルボキ
シル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する
酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえ
ば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノ
ール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコー
ル、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシ
ミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBT)とのエステ
ル]などがあげられる。原料のアミノ基の活性化された
ものとしては、たとえば対応するリン酸アミドがあげら
れる。保護基の除去(脱離)方法としては、たとえばPd
黒あるいはPd炭素などの触媒の存在下での水素気流中で
の接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプ
ロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、
ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中
ナトリウムによる還元などもあげられる。上記酸処理に
よる脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度で行われ
るが、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチ
オールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。ま
た、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる
2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除
去され、トリプトファンのインドール保護基として用い
られるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-
ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以
外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアなどによるア
ルカリ処理によっても除去される。原料の反応に関与す
べきでない官能基の保護および保護基、ならびにその保
護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知
の基あるいは公知の手段から適宜選択しうる。SLT、
SLC−1およびMCHのアミド体を得る別の方法とし
ては、まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキ
シル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所
望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−
アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカル
ボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミ
ノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような混
合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記
と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製
した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望
の粗タンパク質(ペプチド)を得ることができる。この
粗タンパク質(ペプチド)は既知の各種精製手段を駆使
して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のタン
パク質(ペプチド)のアミド体を得ることができる。
【0011】SLT、SLC−1およびMCHのエステ
ル体を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキ
シル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステル
とした後、タンパク質(ペプチド)のアミド体と同様に
して所望のタンパク質(ペプチド)のエステル体を得る
ことができる。本発明で用いられるMCHの誘導体とし
ては、MCHの部分ペプチド、MCHの構成アミノ
酸が欠失したペプチド、構成アミノ酸に他のアミノ酸が
付加したペプチド、構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換
されたペプチド、またはMCH、上記記載の部分ペ
プチドまたはに記載のペプチドが標識化されたものな
ど、好ましくは、SLTおよびSLC−1との結合能を
有するものであれば何れのものであってもよい。MCH
の部分ペプチドとして具体的には、配列番号:6で表さ
れるアミノ酸配列のN末端から第5番目ないし第19番
目の部分配列を含有するペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩などがあげられる。よ
り具体的には、配列番号:10、配列番号:11、配列
番号:12、配列番号:13、配列番号:14または配
列番号:15で表わされるアミノ酸配列を有するペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩などがあげられる。さらに、SLTおよび/またはS
LC−1を用いて後述のスクリーニングを行う場合に、
特に好ましくは配列番号:12で表されるアミノ酸配列
を有するペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩が好ましく用いられる。また、MCH
の構成アミノ酸が欠失したペプチド、構成アミノ酸に他
のアミノ酸が付加したペプチド、構成アミノ酸が他のア
ミノ酸に置換されたペプチドとしては、配列番号:6中
の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さ
らに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠
失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは1〜5
個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のア
ミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1また
は2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好まし
くは1〜5個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたペプチド
などがあげられる。該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質
的に同一な置換物としては、たとえばそのアミノ酸が属
するところのクラスのうち他のアミノ酸類から選ぶこと
ができうる。非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フ
ェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンなどがあ
げられる。極性(中性)アミノ酸としてはグリシン、セ
リン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギ
ン、グルタミンなどがあげられる。陽電荷をもつ(塩基
性)アミノ酸としてはアルギニン、リジン、ヒスチジン
などがあげられる。負電荷をもつ(酸性)アミノ酸とし
ては、アスパラギン酸、グルタミン酸などがあげられ
る。但し、上記する他のアミノ酸が欠失、置換する位置
としては、MCHの構成アミノ酸中、Cys以外の位置
であることが好ましい。MCH、上記記載のペプチド
またはに記載のペプチドが標識化されたものとして
は、自体公知の方法で、アイソトープラベル化されたも
の、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなど
による蛍光標識)、ビオチン化されたもの、酵素標識さ
れたものなどがあげられる。
【0012】具体的には、例えば公知の方法によって、
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔 35S〕などで標識さ
れたMCHなどを利用することができる。また、ボルト
ン−ハンター試薬を用いて公知の方法で調製したMCH
またはその誘導体の標識体を利用することもできる。該
MCHまたはその誘導体の標識体の具体例としては、例
えば、 (1)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Asp1]-MCH
【化1】 (2)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Phe2]-MCH(2-19)
【化2】 (3)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Asp3]-MCH(3-19)
【化3】 (4)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Met4]-MCH(4-19)
【化4】 (5)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Leu5]-MCH(5-19)
【化5】 (6)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Arg6]-MCH(6-19)
【化6】 (7)[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニ
ル)プロピオニル)-Cys7]-MCH(7-19)
【化7】 などがあげられる。なかでも、特に[125I]-[N-(3-(4-
ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピオニル)-Met4]-MC
H(4-19)が好ましく用いられる。MCHもしくはその誘
導体の塩としては、上記のSLT、SLC−1およびM
CHの塩と同様のものなどがあげられる。本発明で用い
られるSLTおよび/またはSLC−1の部分ペプチド
(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)として
は、前記したSLTおよび/またはSLC−1を構成す
る部分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、
例えば、SLTおよび/またはSLC−1の蛋白質分子
のうち、細胞膜の外に露出している部位であって、レセ
プター結合活性を有するものなどが用いられる。具体的
には、 SLTおよび/またはSLC−1の疎水性プロ
ット解析において細胞外領域(親水性(Hydrophilic)
部位)であると分析された部分を含むペプチドである。
また、疎水性(Hydrophobic)部位を一部に含むペプチ
ドも同様に用いることができる。個々のドメインを個別
に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同時に
含む部分のペプチドでも良い。SLTおよび/またはS
LC−1の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記したS
LTおよび/またはSLC−1の構成アミノ酸配列のう
ち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より
好ましくは100個以上である。
【0013】また、SLTおよび/またはSLC−1の
部分ペプチドとしては、上記SLTおよび/またはSL
C−1を表わすアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1
または2個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1または2個))のアミノ酸が付加し、また
は、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜10個程度、より好ましくは1〜5個程度、さ
らに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたペプチドなどもあげられる。以
下、SLTおよびSLTの部分ペプチドを単にSLT
と、SLC−1およびSLC−1の部分ペプチドを単に
SLC−1と略称する場合がある。本発明で用いられる
SLTをコードするDNAとしては、配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする塩基配列
を有するDNAを含有するDNA、本発明で用いられる
SLC−1をコードするDNAとしては、配列番号:1
6または配列番号:17で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、本発明で用いられるMCHをコードするDNA
としては、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプ
チドをコードする塩基配列を有するDNAを含有するD
NAであればいかなるものであってもよい。また、ゲノ
ムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した組織・
細胞由来のcDNA、前記した組織・細胞由来のcDN
Aライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブ
ラリーに使用するベクターはバクテリオファージ、プラ
スミド、コスミド、ファージミドなどいずれであっても
よい。また、前記した組織・細胞よりRNA画分を調製
したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymera
se Chain Reaction (以下、RT-PCR法と略称する)
によって増幅することもできる。より具体的には、 (1)
ストリンジェントな条件下で、配列番号:3、配列番
号:16、配列番号:17または配列番号:6で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質またはペプチドをコードす
る塩基配列を有するDNAを含有するDNAの有する配
列とハイブリダイズするDNA、(2)遺伝コードの縮重
のため、配列番号:3、配列番号:16、配列番号:1
7または配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質またはペプチドをコードする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNAの有する配列および(1)に定められ
ている配列とハイブリッド形成しないが、同一アミノ酸
配列をもつタンパク質またはペプチドをコードするDN
Aなどが用いられる。ハイブリダイゼーションは、自体
公知の方法あるいはそれに準じた方法に従って行うこと
ができる。上記ストリンジェントな条件としては、例え
ば42℃、50%ホルムアミド、4×SSPE(1×S
SPE=150mM NaCl, 10mM NaH2PO4・H2O, 1mM EDTA pH
7.4)、5×デンハート溶液、0.1%SDSである。本
発明で用いられるSLTをコードするDNA、即ち、配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコー
ドする塩基配列を有するDNAを含有するDNAとして
より具体的には、配列番号:9で表わされる塩基配列を
有するDNAを含有するDNAなどがあげられる。本発
明で用いられるSLC−1をコードするDNA、即ち、
配列番号:16または配列番号:17で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNAとしてより具体的には、配列番号:
18または配列番号:19で表される塩基配列を有する
DNAを含有するDNAなどがあげられる。本発明で用
いられるMCHをコードするDNAとしては、配列番
号:6で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげら
れる。本発明で用いられるSLT、SLC−1およびM
CHをコードするDNAは以下の遺伝子工学的手法によ
っても製造することができる。本発明のSLT、SLC
−1またはMCHを完全にコードするDNAのクローニ
ングの手段としては、本発明のSLT、SLC−1また
はMCHの部分塩基配列を有する合成DNAプライマー
を用いて自体公知のPCR法によって前記DNAライブ
ラリー等から目的とするDNAを増幅するか、または適
当なベクターに組み込んだDNAを例えばSLT、SL
C−1またはMCHをコードする塩基配列の一部あるい
は全領域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用い
て標識したものとのハイブリダイゼーションによって選
別することができる。ハイブリダイゼーションの方法
は、例えば Molecular Cloning(2nd ed.;J. Sambroo
k etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行われる。また、市販のライブラ
リーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に
従って行う。クローン化された本発明で用いられるSL
T、SLC−1またはMCHをコードするDNAは目的
によりそのまま、または所望により制限酵素で消化した
り、リンカーを付加したりして使用することができる。
該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのA
TGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとして
のTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。こ
れらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成
DNAアダプターを用いて付加することもできる。
【0014】本発明で用いられるSLT、SLC−1ま
たはMCHの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明で
用いられるSLT、SLC−1またはMCHをコードす
るDNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)
該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの
下流に連結することにより製造することができる。ベク
ターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR3
22,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草
菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,p
C194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,p
SH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レ
トロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルス
などの動物ウイルスなどが用いられる。用いられるプロ
モーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応し
て適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主が動物細胞である場合には、SV
40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモータ
ー、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプ
ロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SR
αプロモーターなどが利用できる。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、Trpプロモーター、T7プロモー
ター、lacプロモーター、recAプロモーター、λ
PLプロモーター、lppプロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADH1プロモータ
ー、GALプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細
胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プ
ロモーターなどが好ましい。発現ベクターには、以上の
他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナ
ル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製
オリジン(以下、SV40oriと略称する場合があ
る)などを含有しているものを用いることができる。選
択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素
(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソ
トレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝
子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイ
シン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合がある、
G418耐性)等があげられる。特に、CHO(dhf
-)細胞を用いてDHFR遺伝子を選択マーカーとし
て使用する場合、チミジンを含まない培地によっても選
択できる。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル
配列を、ポリペプチドまたはその部分ペプチドのN端末
側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、
phoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿
主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグ
ナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が
酵母である場合は、メイテイングファクターα(MFα)
・シグナル配列、インベルターゼ・シグナル配列など、
宿主が動物細胞である場合には、例えばインシュリン・
シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、
抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。こ
のようにして構築されたSLT、SLC−1またはMC
HをコードするDNAを含有するベクターを用いて、形
質転換体を製造することができる。宿主としては、たと
えばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫また
は昆虫細胞、動物細胞などが用いられる。エシェリヒア
属菌としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌク
イレック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Rese
arch),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal
of Molecular Biology),120巻,517(197
8)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C60
0〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440
(1954)〕などが用いられる。バチルス属菌として
は、たとえばバチルス・サチルス(Bacillus subtili
s)MI114〔ジーン,24巻,255(198
3)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミ
ストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87
(1984)〕などが用いられる。酵母としては、たとえ
ばサッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae)AH22,AH22R-,NA87−11A,D
KD−5D,20B−12などが用いられる。昆虫とし
ては、例えばカイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、
ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcN
PVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera
frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中
腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh
FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEsti
gmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスが
BmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori
N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞として
は、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細
胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vitr
o),13巻,213−217頁(1977年)〕など
が用いられる。動物細胞としては、たとえばサルCOS
−7細胞,Vero細胞,チャイニーズハムスター細胞C
HO,DHFR遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(dhfr-CHO細胞),マウスL細胞,マウ
ス3T3細胞、マウスミエローマ細胞,ヒトHEK29
3細胞、ヒトFL細胞、293細胞、C127細胞、B
ALB3T3細胞、Sp−2/O細胞などが用いられ
る。エシェリヒア属菌を形質転換するには、たとえばプ
ロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1
972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)
などに記載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を
形質転換するには、たとえばモレキュラー・アンド・ジ
ェネラル・ジェネティックス(Molecular & General G
enetics),168巻,111(1979)などに記載の
方法に従って行われる。酵母を形質転換するには、たと
えばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl.Acad. Sci. USA),75巻,1929
(1978)に記載の方法に従って行なわれる。昆虫細胞
または昆虫を形質転換するには、たとえばバイオ/テク
ノロジー(Bio/Technology),6巻, 47−55頁(1
988年)などに記載の方法に従って行なわれる。動物
細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー(Viro
logy),52巻,456(1973)に記載の方法に従っ
て行なわれる。発現ベクターの細胞への導入方法として
は、例えば、リポフェクション法〔Felgner, P.L. et a
l. プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of The National Academy of Sciences
of The United States of America),84巻,741
3頁(1987年)〕、リン酸カルシウム法〔Graham,
F. L. and van der Eb,A. J.ヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456−467頁(1973年)〕、電
気穿孔法〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(E
MBO J.),1巻,841−845頁(1982年)〕等
があげられる。このようにして、本発明で用いられるS
LT、SLC−1またはMCHをコードするDNAを含
有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得ら
れる。なお、動物細胞を用いて、本発明で用いられるS
LT、SLC−1またはMCHを安定に発現させる方法
としては、上記の動物細胞に導入された発現ベクターが
染色体に組み込まれた細胞をクローン選択によって選択
する方法がある。具体的には、上記の選択マーカーを指
標にして形質転換体を選択する。さらに、このように選
択マーカーを用いて得られた動物細胞に対して、繰り返
しクローン選択を行なうことにより本発明で用いられる
SLT、SLC−1またはMCHの高発現能を有する安
定な動物細胞株を得ることができる。また、dhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐
々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、dh
fr遺伝子とともに、本発明で用いられるSLT、SL
C−1またはMCHをコードするDNAを細胞内で増幅
させて、さらに高発現の動物細胞株を得ることもでき
る。上記の形質転換体を本発明で用いられるSLT、S
LC−1またはMCHをコードするDNAが発現可能な
条件下で培養し、本発明で用いられるSLT、SLC−
1またはMCHを生成、蓄積せしめることによって、本
発明で用いられるSLT、SLC−1またはMCHを製
造することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチル
ス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用され
る培地としては液体培地が適当であり、その中には該形
質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他
が含有せしめられる。炭素源としては、たとえばグルコ
ース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源
としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コー
ンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、
大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0015】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加えるこ
ともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約
30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気
や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質転
換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホー
ルダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、
「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕があげられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に
応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質
転換体を培養する際、培地としては、Grace's Insect M
edium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788
(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜
加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜
6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で
約3〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地と
しては、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むME
M培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1
952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virolog
y),8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培
地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・
アソシエーション(The Journal of The American Medi
cal Association)199巻,519(1967)〕,1
99培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・
フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding
ofThe Society for The Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。特にCHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択
マーカーとして用いる場合には、チミジンをほとんど含
まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるの
が好ましい。上記培養物から本発明で用いられるSL
T、SLC−1またはMCHを分離精製するには、例え
ば下記の方法により行なうことができる。本発明で用い
られるSLT、SLC−1またはMCHを培養菌体ある
いは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法
で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁
し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などに
よって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ
過により本発明で用いられるSLT、SLC−1または
MCHの粗抽出液を得る方法などが適宜用い得る。緩衝
液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク変性剤
や、トリトンX−100(登録商標。以下、TMと省略
することがある。)などの界面活性剤が含まれていても
よい。
【0016】培養液中に本発明で用いられるSLT、S
LC−1またはMCHが分泌される場合には、培養終了
後、自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、
あるいは抽出液中に含まれる本発明で用いられるSL
T、SLC−1またはMCHの精製は、自体公知の分離
・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。こ
れらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法
などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲ
ルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方
法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親
和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー
などの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法や
クロマトフォーカシングなどの等電点の差を利用する方
法などが用いられる。かくして得られる本発明で用いら
れるSLT、SLC−1またはMCHが遊離体で得られ
た場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生する本発明で用いられるSLT、S
LC−1またはMCHを、精製前または精製後に適当な
蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加
えたり、タンパク質(ペプチド)を部分的に除去するこ
ともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。またN末端アミノ酸を欠失させるためには、エドマ
ン(Edman)試薬(フェニルイソチオシアネート)を用い
た公知のエドマン法を用いることが可能である。かくし
て生成する本発明で用いられるSLT、SLC−1また
はMCHの存在は特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイなどにより測定することができる。MCHもしく
はその誘導体またはその塩およびSLTまたはその塩を
用いることを特徴とするMCHまたはその塩とSLTま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング方法またはMCHもしくはその標識体
またはその塩およびSLTまたはその塩を含有すること
を特徴とするMCHまたはその塩とSLTまたはその塩
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング用キット(以下、本発明のスクリーニング方法、
本発明のスクリーニング用キットと略記する)について
以下に詳述する。
【0017】SLTまたはその塩を用いるか、または組
換え型SLTの発現系を構築し、該発現系を用いたMC
Hもしくはその誘導体またはその塩との結合アッセイ系
(リガンド・レセプターアッセイ系)を用いることによ
って、 MCHまたはその塩とSLTまたはその塩との
結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物な
ど)またはその塩をスクリーニングすることができる。
このような化合物には、SLTを介して細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下
などを促進する活性または抑制する活性など)を有する
化合物(即ちSLT(MCH受容体)アゴニスト)と該
細胞刺激活性を有しない化合物(即ちSLT(MCH受
容体)アンタゴニスト)などが含まれる。「MCHまた
はその塩とSLTまたはその塩との結合性を変化させ
る」とは、 MCHまたはその塩とSLTまたはその塩
との結合を阻害する場合とリガンドとの結合を促進する
場合の両方を包含するものである。すなわち、本発明
は、(i)SLTまたはその塩に、MCHもしくはその
誘導体またはその塩を接触させた場合と(ii)上記した
SLTまたはその塩に、MCHもしくはその誘導体また
はその塩および試験化合物を接触させた場合との比較を
行なうことを特徴とするMCHまたはその塩とSLTま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニ
ング方法においては、(i)上記したSLTまたはその
塩に、MCHもしくはその誘導体またはその塩を接触さ
せた場合と(ii)上記したSLTまたはその塩に、MC
Hもしくはその誘導体またはその塩および試験化合物を
接触させた場合における、例えば該SLTまたはその塩
に対するリガンドの結合量、細胞刺激活性などを測定し
て、比較する。
【0018】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 標識したMCHもしくはその誘導体またはその塩
(「MCHの誘導体またはその塩」として、上記の「M
CH等が標識化されたものまたはその塩」を用いる場合
には、更に標識する必要はない。以下同じ。)を、上記
したSLTまたはその塩に接触させた場合と、標識した
MCHもしくはその誘導体またはその塩および試験化合
物をSLTまたはその塩に接触させた場合における、標
識したMCHもしくはその誘導体またはその塩の該SL
Tまたはその塩に対する結合量を測定し、比較すること
を特徴とするMCHまたはその塩とSLTまたはその塩
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、 標識したMCHもしくはその誘導体またはその塩を、
SLTを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触さ
せた場合と、標識したMCHもしくはその誘導体または
その塩および試験化合物をSLTを含有する細胞または
該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識したM
CHもしくはその誘導体またはその塩の該細胞または該
膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴と
するMCHまたはその塩とSLTとの結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したMCHもしくはその誘導体またはその塩を、
SLTをコードするDNAを含有する形質転換体を培養
することによって細胞膜上に発現したSLTに接触させ
た場合と、標識したMCHもしくはその誘導体またはそ
の塩および試験化合物をSLTをコードするDNAを含
有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発
現したSLTに接触させた場合における、標識したMC
Hもしくはその誘導体またはその塩のSLTに対する結
合量を測定し、比較することを特徴とするMCHまたは
その塩とSLTとの結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、 SLTを活性化する化合物(例えば、MCHもしくは
その誘導体またはその塩)をSLTを含有する細胞に接
触させた場合と、SLTを活性化する化合物および試験
化合物をSLTを含有する細胞に接触させた場合におけ
る、SLTを介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca 2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性ま
たは抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴
とするMCHまたはその塩とSLTとの結合性を変化さ
せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、および SLTを活性化する化合物(例えば、 MCHもしく
はその誘導体またはその塩など)をSLTをコードする
DNAを含有する形質転換体を培養することによって細
胞膜上に発現したSLTに接触させた場合と、 SLT
を活性化する化合物および試験化合物を、 SLTをコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現したSLTに接触させた場合にお
ける、 SLTを介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を測定し、比較することを
特徴とするMCHまたはその塩とSLTとの結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法など
である。
【0019】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いるSLTとしては、上記のSLTを含有するもので
あれば何れのものであってもよい。しかし、特にヒト由
来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニン
グに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発
現させたSLTなどが適している。SLTを製造するに
は、前述の方法などが用いられる。本発明のスクリーニ
ング方法において、SLTを含有する細胞あるいは該細
胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法に従えばよ
い。SLTを含有する細胞を用いる場合、該細胞をグル
タルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。
固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行うことがで
きる。SLTを含有する細胞としては、SLTを発現し
た宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸
菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられ
る。膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知
の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをい
う。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモ
ジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダ
ーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波
による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を
細いノズルから噴出させることによる破砕などがあげら
れる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠
心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現したSLTと細胞由来
のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該
SLTを含有する細胞や膜画分中のSLTの量は、1細
胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105
〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多
いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高
くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になる
ばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるよ
うになる。MCHまたはその塩とSLTとの結合性を変
化させる化合物をスクリーニングする前記の〜を実
施するためには、適当なSLT画分と、標識したリガン
ドまたはリガンド活性を有する化合物(MCHもしくは
その誘導体)が用いられる。SLT画分としては、天然
型のSLT画分か、またはそれと同等の活性を有する組
換え型SLT画分などが望ましい。ここで、同等の活性
とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識したリ
ガンドまたはリガンド活性を有する化合物としては、標
識したリガンドまたはリガンド活性を有する化合物(M
CHまたはその誘導体)などが用いられる。例えば〔3
H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識され
たリガンド(MCHまたはその誘導体)などを利用する
ことができる。特に、ボルトン−ハンター試薬を用いて
公知の方法で調製したMCHの誘導体の標識体を利用す
ることもできる。MCH誘導体の標識体の具体例として
は、例えば、上記の(1)〜(7)で表される化合物な
どがあげられる。具体的には、MCHまたはその塩とS
LTとの結合性を変化させる化合物のスクリーニングを
行うには、まずSLTを含有する細胞または細胞の膜画
分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁するこ
とによりレセプター標品を調製する。バッファーは、p
H4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファ
ー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプタ
ーとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでも
よい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHA
PS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギ
トニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファ
ーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによる
SLTやMCHもしくはその誘導体の分解を抑える目的
でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所
製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加す
ることもできる。0.01ml〜10mlの該レセプタ
ー溶液に、一定量(5000cpm〜500000cp
m)の標識したMCHもしくはその誘導体を添加し、同
時に10-4〜10-1μMの試験化合物を共存させる。非
特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の
MCHもしくはその誘導体を加えた反応チューブも用意
する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から37
℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時間
行う。反応後、反応液をガラス繊維濾紙等で濾過し、適
量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存
する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたは
γ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合の
カウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いた
カウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的
結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化
合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択すること
ができる。また、SLTとMCHもしくはその誘導体と
の結合を測定する方法として、BIAcore(アマシ
ャムファルマシアバイオテク社製)を用いることもでき
る。この方法では、MCHもしくはその誘導体を装置に
添付のプロトコルに従ったアミノカップリング法によっ
てセンサーチップに固定し、SLTを含有する細胞また
はSLTをコードするDNAを含有する形質変換体から
精製したSLTまたはSLTを含む膜画分、あるいは精
製したSLTまたはSLTを含む膜画分および試験化合
物を含むリン酸バッファーまたはトリスバッファーなど
の緩衝液をセンサーチップ上を毎分2−20μlの流量
で通過させる。 センサーチップ上のMCHもしくはそ
の誘導体とSLTとが結合することによって生じる表面
プラズモン共鳴の変化を共存する試験化合物が変化させ
ることを観察することによってSLTとMCHとの結合
を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことがで
きる。この方法は、SLTをセンサーチップに固定し、
MCHもしくはその誘導体またはMCHもしくはその誘
導体および試験化合物を含むリン酸バッファーまたはト
リスバッファーなどの緩衝液をセンサーチップ上を通過
させる方法を用いても同様に測定することができる。試
験化合物としては、上記と同様のものなどがあげられ
る。MCHまたはその塩とSLTまたはその塩との結合
性を変化させる化合物をスクリーニングする前記の〜
の方法を実施するためには、 SLTを介する細胞刺
激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など)
を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定す
ることができる。具体的には、まず、SLTを含有する
細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニ
ングを行うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細
胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化
合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細
胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそ
れぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標と
する物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞
が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解
酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよ
い。また、cAMP産生抑制などの活性については、フ
ォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させてお
いた細胞に対する産生抑制作用として検出することがで
きる。
【0020】細胞刺激活性を測定してスクリーニングを
行なうには、適当なSLTを発現した細胞が用いられ
る。SLTを発現した細胞としては、前述の組換え型S
LT発現細胞株などが望ましい。形質転換体であるSL
T発現細胞は安定発現株でも一過性発現株でも構わな
い。また、動物細胞の種類は上記と同様のものが用いら
れる。試験化合物としては、例えばペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられ
る。
【0021】上記のリガンド・レセプターアッセイ系に
ついて、さらに具体的に記載すると以下のようなアッセ
イ系が用いられる。 (1)受容体発現細胞が受容体アゴニストによって刺激
されると細胞内のGタンパクが活性化されてGTPが結
合する。この現象は受容体発現細胞の膜画分においても
観察される。通常、GTPは加水分解されてGDPへと
変化するが、このとき反応液中にGTPγSを添加して
おくとGTPγSはGTPと同様にGタンパクに結合す
るが、加水分解されずにGタンパクを含む細胞膜に結合
した状態が維持される。標識したGTPγSを用いると
細胞膜に残存した放射活性を測定することによって受容
体アゴニストの受容体発現細胞刺激活性を測定すること
ができる。この反応を利用してMCHもしくはその誘導
体のSLT発現細胞に対する刺激活性を測定することが
できる。この方法は、前記〜のようにSLTを含む
細胞を用いるものではなく、〜のようにSLTを含
む膜画分を用いるアッセイ法であるが、〜のように
細胞刺激活性を測定するものであり、本測定法において
SLT膜画分へのGTPγS結合促進活性を示す物質は
アゴニストである。ここにおいて、MCHもしくはその
誘導体あるいはMCHもしくはその誘導体および試験化
合物を添加し、MCHもしくはその誘導体の単独投与に
比べてSLT細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性に
変化が生じることを観察することによってMCHとSL
Tとの結合性を変化させる化合物をスクリーニングする
ことができる。このとき、MCHもしくはその誘導体に
よるSLT細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を抑
制する活性を示す化合物を拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。一方、試験化合物のみを
投与し、SLT細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性
を観察することによりアゴニストのスクリーニングを行
なうこともできる。スクリーニング法の一例についてよ
り具体的に以下に述べる。SLTを含む細胞膜画分を、
膜希釈緩衝液(50 mM Tris, 5 mM MgCl2, 150 mM NaCl,
1 μM GDP, 0.1% BSA pH 7.4)で希釈する。希釈率
は、受容体の発現量により異なる。これをFalcon2053に
0.2mlずつ分注し、MCHもしくはその誘導体あるいは
MCHもしくはその誘導体および試験化合物を加え、さ
らに終濃度200 pMとなるように[35S]GTPγSを加える。2
5℃で1時間保温した後、氷冷した洗浄用緩衝液(50 mMT
ris, 5 mM MgCl2, 150 mM NaCl, 0.1% BSA , 0.05% CHA
PS pH 7.4 1.5ml)を加えて、ガラス繊維ろ紙GF/Fでろ
過する。65℃、30分保温して乾燥後、液体シンチレーシ
ョンカウンターでろ紙上に残った膜画分に結合した
[35S]GTPγSの放射活性を測定する。MCHもしくはそ
の誘導体のみを加えた実験区の放射活性を100%、MC
Hもしくはその誘導体を加えなかった実験区の放射活性
を0%とし、MCHもしくはその誘導体によるGTPγ
S結合促進活性に対する試験化合物の影響を算出する。
GTPγS結合促進活性が例えば50%以下になる試験
化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択するこ
とができる。
【0022】(2)SLT発現細胞はMCH刺激によっ
て細胞内cAMP量が減少する。この反応を利用してMCH
のSLT発現細胞に対する刺激活性を測定することがで
きる。SLTを発現させた種々の動物細胞のcAMP産生量
はマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウシなどを免疫して
得られた抗cAMP抗体と125I標識cAMP(ともに市販品)を
使用することによってRIAあるいは抗cAMP抗体と標識cAM
Pとを組み合わせた他のEIA系でも測定することができ
る。また抗cAMP抗体をprotein Aあるいは抗cAMP抗体産
生に用いた動物のIgGなどに対する抗体などを使用して
固定したシンチラントを含むビーズと125I標識cAMPとを
使用するSPA法による定量も可能である(アマシャムフ
ァルマシアバイオテク製のキットを使用する)。cAMP産
生抑制のアッセイは、具体的には後述の実施例5または
それに準じた方法により行われる。この系において、フ
ォルスコリンまたはcalcitoninなど細胞内cAMP量を増加
させるようなリガンドなどによって細胞内cAMP量を上昇
させ、MCHもしくはその誘導体またはMCHもしくは
その誘導体および試験化合物を添加することによってM
CHもしくはその誘導体の単独投与による細胞内cAMP量
の抑制が変化することを観察し、MCHとSLTの結合
を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことがで
きる。このとき、MCHもしくはその誘導体によるSL
T発現細胞のcAMP産生抑制活性を阻害する活性を示す化
合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択すること
ができる。一方、試験化合物のみを添加してcAMP産生抑
制活性を調べることによりアゴニスト活性を示す化合物
のスクリーニングを行なうことができる。スクリーニン
グ法をより具体的に以下に記載する。CHO/SLT細胞を24
穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種し、48時間培養
する。細胞を0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチ
ンと0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー
(pH7.4)で洗浄する(以下、0.2mM 3−イソブチル−メ
チルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンク
スバッファー(pH7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。
その後0.5mlの反応用バッファーを加えて30分間培養
器で保温する。反応用バッファーを除き、新たに0.25ml
の反応用バッファーを細胞に加えた後、2μMフォルスコ
リンを含む0.25mlの反応用バッファーに1 nMのMCHも
しくはその誘導体あるいは1 nMのMCHもしくはその誘
導体および試験化合物を添加したものを細胞に加え、3
7℃で24分間反応させる。100μlの20%過塩素酸を加
えて反応を停止させ、次に氷上で1時間置くことにより
細胞内cAMPを抽出する。抽出液中のcAMP量は、cAMP EIA
キット(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて
測定する。フォルスコリン刺激によって産生されたcAMP
量を100%とし、1 nMのMCHもしくはその誘導体の添加
によって抑制されたcAMP量を0%として、MCHもしくは
その誘導体によるcAMP産生抑制活性に対する試験化合物
の影響を算出する。MCHもしくはその誘導体の活性を
阻害してcAMP産生活性が例えば50%以上になる試験化
合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択すること
ができる。cAMP産生促進活性を測定するには、フォルス
コリンを添加せずにCHO/SLT細胞に試験化合物を添加し
て産生されたcAMPを上記の方法で定量する。
【0023】(3)CRE(cAMP response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをCRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。 CRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、 cAMP上昇を伴う
刺激は、 CREを介したルシフェラーゼ遺伝子発現とそれ
に引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生を誘導す
る。つまり、ルシフェラーゼ活性を測定することによ
り、 CRE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のcAMP
量の変動を検出することができる。CRE−レポーター遺
伝子ベクターをSLT発現細胞にトランスフェクション
した細胞を利用してMCHとSLTの結合を変化させる
化合物のスクリーニングを行なうことができる。具体的
なスクリーニング法を以下に記す。CRE−レポーター遺
伝子導入SLT発現細胞を24穴プレートに5 x 103 cell
/wellで播種し、48時間培養する。細胞を0.2mM 3−イ
ソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPES
を含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄する(以下、
0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BS
Aと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)を、反
応用バッファーと呼ぶ)。その後0.5mlの反応用バッフ
ァーを加えて30分間培養器で保温する。反応用バッフ
ァーを除き、新たに0.25mlの反応用バッファーを細胞に
加えた後、1 nMのMCHもしくはその誘導体あるいは1
nMのMCHもしくはその誘導体および試験化合物と2μM
フォルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファーを細胞
に加え、37℃で24分間反応させる。細胞をピッカジ
ーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造(株))で溶かし、
溶解液に発光基質(東洋インキ製造(株))を添加す
る。ルシフェラーゼによる発光は、ルミノメーター、液
体シンチレーションカウンターまたはトップカウンター
により測定する。 MCHとSLTの結合を変化させる
化合物の影響はルシフェラーゼによる発光量をMCHも
しくはその誘導体を単独で投与した場合と比較すること
によって測定することができる。このとき、MCHもし
くはその誘導体の投与によりフォルスコリン刺激による
発光量の増加が抑制されるが、この抑制を回復させる化
合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択すること
ができる。一方、試験化合物のみを投与し、フォルスコ
リン刺激によって上昇した発光量のMCHもしくはその
誘導体と同様な抑制を観察することによりアゴニストの
スクリーニングを行なうこともできる。レポーター遺伝
子として、ルシフェラーゼ以外に例えばアルカリフォス
ファターゼ、クロラムフェニコール アセチルトランス
フェラーゼあるいはβ−ガラクトシダーゼを用いること
もできる。これらのレポーター遺伝子の遺伝子産物の酵
素活性は以下のように市販の測定キットを用いて容易に
測定することができる。アルカリフォスファターゼ活性
は、例えば和光純薬製Lumi-Phos 530によって、クロラ
ムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(chlora
mphenicol acetyltransferase)活性は、例えば和光純
薬製FAST CAT chrolamphenicol Acetyltransferase Ass
ay KiTによって、β−ガラクトシダーゼ活性は、例えば
和光純薬製Aurora Gal-XEによって測定することができ
る。
【0024】(4)SLT発現細胞はMCH刺激の結果
アラキドン酸代謝物を細胞外に放出する。あらかじめ、
放射活性を有するアラキドン酸を細胞に取り込ませてお
くことによって、この活性を細胞外に放出された放射活
性を測定することによって測定することができる。測定
は、後述の実施例9またはそれに準じた方法により行わ
れる。このとき、MCHもしくはその誘導体あるいはM
CHもしくはその誘導体および試験化合物を添加して、
MCHもしくはその誘導体のアラキドン酸代謝物放出活
性に対する影響を調べることにより、MCHとSLTの
結合に影響を与える化合物のスクリーニングを行なうこ
とができる。このとき、MCHもしくはその誘導体によ
るアラキドン酸代謝物放出活性を阻害する化合物を拮抗
阻害能力のある候補物質として選択することができる。
また、試験化合物のみを添加し、SLT発現細胞のアラ
キドン酸代謝物放出活性を後述の実施例9に準じた方法
で調べることによりアゴニスト活性を示す化合物のスク
リーニングを行なうこともできる。MCHとSLTの結
合に影響を与える化合物のスクリーニング法より具体的
に以下に述べる。CHO/SLT細胞を24穴プレートに5 x 104
cell/wellで播種し、24時間培養後、[3H]アラキドン酸
を0.25 μCi/wellとなるよう添加する。[3H]アラキドン
酸添加16時間後、細胞を0.05% BSAと20mM HEPESを含む
ハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄し、各wellに0.05%
BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)に溶
解した終濃度10 nMのMCHもしくはその誘導体あるい
は10 nMのMCHもしくはその誘導体および試験化合物
を含むバッファー500 μlを添加する。以降、0.05%BSA
と20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)を反応
用バッファーと呼ぶ。37℃で60分間インキュベートした
後に、反応液400 μlをシンチレーターに加え、反応液
中に遊離した[3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレー
ションカウンターにより測定する。MCHもしくはその
誘導体の非添加反応バッファーによる培地中の[3H]アラ
キドン酸代謝物の量を0%とし、10 nMのMCHもしくは
その誘導体を添加したときの培地中の[3H]アラキドン酸
代謝物の量を100%として試験化合物のMCHもしくはそ
の誘導体とSLTの結合に対する影響を算出する。アラ
キドン酸代謝物産生活性が例えば50%以下になる試験
化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択するこ
とができる。
【0025】(5)SLT発現細胞をMCHによって刺
激することによって細胞内のCaイオン濃度が上昇する。
これを利用することによってMCHとSLTの結合に対
する試験化合物の影響を調べることができる。具体的に
は、後述の実施例8またはそれに準じた方法で調べるこ
とができる。SLT発現細胞を、滅菌した顕微鏡用カバ
ーグラス上に播き、2日後、培養液を4 mM Fura-2 AM
(同仁化学研究所)を縣濁したHBSSに置換し、室温で2
時間30分おく。HBSSで洗浄した後、キュベットにカバー
グラスをセットし、蛍光測定器で、MCHもしくはその
誘導体あるいはMCHもしくはその誘導体および試験化
合物を加えたときの励起波長340nm及び380nmでの505nm
の蛍光強度の比の上昇を測定する。このとき、MCHも
しくはその誘導体を単独で投与したときに比べて試験化
合物の添加によって生じる蛍光強度の変化を測定するこ
とによりMCHとSLTの結合に対して影響を与える化
合物のスクリーニングを行なうことができる。また、以
下のようにFLIPR(モレキュラーデバイス社製)を使う
こともできる。すなわち、細胞縣濁液にFluo-3 AM(同
仁化学研究所製)を添加し、細胞に取り込ませた後、上
清を遠心により数度洗浄後、96穴プレートに細胞を播
く。FLIPR装置にセットし、Fura-2の場合と同様にMC
Hもしくはその誘導体あるいはMCHもしくはその誘導
体および試験化合物を加え、MCHもしくはその誘導体
を単独で投与したときに比べて試験化合物の添加によっ
て観測される蛍光強度が変化することを測定することに
より、MCHもしくはその誘導体とSLTの結合に対し
て影響を与える化合物のスクリーニングを行なうことが
できる。これらにおいて、MCHもしくはその誘導体に
よる蛍光強度の上昇を抑制する化合物を拮抗阻害能力の
ある候補物質として選択することができる。一方、試験
化合物のみの添加による蛍光強度の上昇を観察すること
によってアゴニストのスクリーニングを行なうこともで
きる。SLT発現細胞にaequorinなどのように細胞内Ca
イオンの上昇によって発光するようなタンパク質の遺伝
子を共発現させておき、細胞内Caイオン濃度の上昇によ
ってaequorinがCa結合型となり発光することを利用し
て、MCHもしくはその誘導体あるいはMCHもしくは
その誘導体および試験化合物を加え、MCHもしくはそ
の誘導体を単独で投与したときに比べて試験化合物の添
加によって観測される発光強度が変化することを測定す
ることにより、MCHとSLTの結合に対して影響を与
える化合物のスクリーニングを行なうことができる。方
法は、蛍光物質を取り込ませないこと以外は上記と同様
である。
【0026】(6)受容体を発現する細胞に受容体アゴ
ニストを添加すると、細胞内イノシトール三リン酸濃度
が上昇することが知られている。MCHによって生じる
SLT細胞におけるこの反応を観察することによりMC
HとSLTの結合に影響を与える化合物のスクリーニン
グを行なうことができる。24穴プレートに播いて1日
目の細胞にmyo-[2-3H]inositol (2.5マイクロCi/well)
を添加した培地中で1日培養した細胞を、よく洗浄後、
MCHもしくはその誘導体あるいはMCHもしくはその
誘導体および試験化合物を添加した後、10%過塩素酸を
加え反応を止める。1.5 M KOH, 60mM HEPES溶液で中和
し、0.5ml のAG1x8樹脂 (Bio-Rad)を詰めたカラムに通
し、5mM Na2BO3 60mM HCOONH4で洗浄した後、1M HCOON
H4 0.1M HCOOHで溶出した放射活性を液体シンチレーシ
ョンカウンターで測定する。MCHもしくはその誘導体
の非添加反応バッファーによる培地中の放射活性を0%と
し、MCHもしくはその誘導体を添加したときの培地中
の放射活性を100%として試験化合物のMCHもしくはそ
の誘導体とSLTの結合に対する影響を算出する。イノ
シトール三リン酸産生活性が例えば50%以下になる試
験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択する
ことができる。一方、試験化合物のみの添加によるイノ
シトール三リン酸産生上昇を観察することによってアゴ
ニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0027】(7)TRE(TPA response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをTRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。 TRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、 細胞内Caイオン
上昇を伴う刺激は、 TREを介したルシフェラーゼ遺伝子
発現とそれに引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生
を誘導する。つまり、ルシフェラーゼ活性を測定するこ
とにより、 TRE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内
のカルシウム量の変動を検出することができる。 TRE−
レポーター遺伝子ベクターをSLT発現細胞にトランス
フェクションした細胞を利用したMCHとSLTの結合
を変化させる化合物の具体的なスクリーニング法を以下
に記す。TRE−レポーター遺伝子導入SLT発現細胞を2
4穴プレートに5 x 103 cell/wellで播種し、48時間培養
する。細胞を0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバ
ッファー(pH7.4)で洗浄した後、10 nMのMCHもしくは
その誘導体あるいは10 nMのMCHもしくはその誘導体
および試験化合物を添加し、37℃で60分間反応させ
る。細胞をピッカジーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造
(株))で溶かし、溶解液に発光基質(東洋インキ製造
(株))を添加する。ルシフェラーゼによる発光は、ル
ミノメーター、液体シンチレーションカウンターまたは
トップカウンターにより測定する。 MCHもしくはそ
の誘導体とSLTの結合を変化させる化合物の影響は、
ルシフェラーゼによる発光量をMCHもしくはその誘導
体を単独で投与した場合と比較することによって測定す
ることができる。このとき、MCHもしくはその誘導体
の投与により細胞内Caイオンの上昇によって発光量が増
加するが、この増加を抑制する化合物を拮抗阻害能力の
ある候補物質として選択することができる。一方、試験
化合物のみを投与し、MCHもしくはその誘導体と同様
な発光量の増加を観察することによりアゴニストのスク
リーニングを行なうこともできる。レポーター遺伝子と
して、ルシフェラーゼ以外に例えばアルカリフォスファ
ターゼ、クロラムフェニコール アセチルトランスフェ
ラーゼあるいはβ−ガラクトシダーゼを用いることもで
きる。これらのレポーター遺伝子の遺伝子産物の酵素活
性は以下のように市販の測定キットを用いて容易に測定
することができる。アルカリフォスファターゼ活性は、
例えば和光純薬製Lumi-Phos 530によって、クロラムフ
ェニコール アセチルトランスフェラーゼ(chloramphe
nicol acetyltransferase)活性は、例えば和光純薬製
FAST CAT chrolamphenicol Acetyltransferase Assay K
itによって、β−ガラクトシダーゼ活性は、例えば和光
純薬製Aurora Gal-XEによって測定することができる。
【0028】(8)MCHに応答したSLT発現細胞は
MAP kinase活性化によって増殖が観察される。この増殖
をMAP kinase活性、チミジン取り込み、細胞数測定(MT
Tなど)によって測定することができる。これを利用し
てMCHもしくはその誘導体とSLTの結合を変化させ
る化合物のスクリーニングを行なうことができる。MAP
kinase活性は、MCHもしくはその誘導体あるいはMC
Hもしくはその誘導体および試験化合物を細胞に添加し
た後、細胞溶解液から抗MAP kinase抗体を用いた免疫沈
降によってMAP kinase分画を得た後、例えば和光純薬製
MAP KinaseAssay Kitとγ-[32P]-ATPを使用して容易に
測定できる。チミジン取り込み活性は、SLT発現細胞
を播き、MCHもしくはその誘導体あるいはMCHもし
くはその誘導体および試験化合物を添加した後、[methy
l-3H]-チミジンを加え、その後、細胞内に取り込まれた
標識チミジンの放射活性を細胞を溶解して液体シンチレ
ーションカウンターで計数することによって測定するこ
とができる。SLT発現細胞の増殖は、発現細胞を播
き、MCHもしくはその誘導体あるいはMCHもしくは
その誘導体および試験化合物を添加した後にMTT (3-(4,
5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazoliu
m bromide) を添加し、細胞内に取り込まれてMTTが変化
したMTTホルマザンを塩酸酸性としたイソプロパノール
で細胞を溶解した後、570 nmの吸収を測定することによ
っても測定できる。MCHとSLTの結合を変化させる
化合物の、標識チミジン取り込み活性を利用した具体的
なスクリーニング法を以下に記す。SLT発現細胞を2
4穴プレートにウェル当たり5000個まき一日間培養
する。次に血清を含まない培地で2日間培養し、細胞を
飢餓状態にする。MCHもしくはその誘導体あるいはM
CHもしくはその誘導体および試験化合物を細胞に添加
して24時間培養した後、[methyl-3H]-チミジンをウェ
ル当たり0.015MBq添加し6時間培養する。細胞
をPBSで洗った後、メタノールを添加して10分間放
置する。次に5%トリクロロ酢酸を添加して15分間放
置後、固定された細胞を蒸留水で4回洗う。0.3N水
酸化ナトリウム溶液で細胞を溶解し、溶解液中の放射活
性を液体シンチレーションカウンターで測定する。MC
HとSLTの結合を変化させる化合物の影響は、チミジ
ン取り込みによる放射活性の上昇をMCHもしくはその
誘導体を単独で投与した場合と比較することによって測
定することができる。このとき、MCHもしくはその誘
導体の投与による放射活性の増加を抑制する化合物を拮
抗阻害能力のある候補物質として選択することができ
る。一方、試験化合物のみを投与し、MCHもしくはそ
の誘導体と同様な放射活性の増加を観察することにより
アゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0029】(9)SLT発現細胞にMCHを添加する
と、K channelが活性化し、細胞内にあるKイオンが、細
胞外に流出する。 Kイオンと同族元素であるRbイオン
は、Kイオンと区別無くK channelを通って細胞外に流出
するので、細胞に標識Rb ([86Rb])を添加して取り込ま
せておいた後、MCHの刺激によって流出する[86Rb]の
流れを測定することでMCHの作用を測定できる。MC
HとSLTの結合を変化させる化合物の、[86Rb]流出活
性を利用した具体的なスクリーニング法を以下に記す。
24穴にまいて2日後のSLT発現細胞を1mCi/ml の
86RbClを含む培地中で2時間保温する。培地をよく洗浄
し、外液中の86RbClを完全に除く。MCHもしくはその
誘導体あるいはMCHもしくはその誘導体および試験化
合物を細胞に添加して30分後の外液を回収し、γカウ
ンターで放射活性を測定する。MCHもしくはその誘導
体とSLTの結合を変化させる化合物の影響は、[86Rb]
流出による放射活性の上昇をMCHもしくはその誘導体
を単独で投与した場合と比較することによって測定する
ことができる。このとき、MCHもしくはその誘導体の
投与による放射活性の上昇を抑制する化合物を拮抗阻害
能力のある候補物質として選択することができる。一
方、試験化合物のみを投与し、MCHもしくはその誘導
体と同様な放射活性の上昇を観察することによりアゴニ
ストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0030】(10)SLT発現細胞がMCHに反応して
変化する細胞外のpH(acidification rate)をCyto
sensor装置(モレキュラーデバイス社)を使用し
て測定することによって、 MCHの活性を測定するこ
とができる。Cytosensor装置を利用した、細
胞外pH変化の測定をすることによるMCHとSLTの
結合を変化させる化合物の具体的なスクリーニング法を
以下に記す。SLT発現細胞をCytosensor装
置用のカプセル内で終夜培養し、装置のチャンバーにセ
ットして細胞外pHが安定するまで約2時間0.1% BSAを
含むRPMI1640培地(モレキュラーデバイス社製)を灌流
させる。pHが安定した後、MCHもしくはその誘導体
あるいはMCHもしくはその誘導体および試験化合物を
含む培地を細胞上に灌流させることによって生じる培地
のpH変化を測定する。MCHとSLTの結合を変化させ
る化合物の影響は、SLT発現細胞の細胞外pH変化を
MCHもしくはその誘導体を単独で投与した場合と比較
することによって測定することができる。このとき、M
CHもしくはその誘導体の投与による細胞外pH変化を
抑制する化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選
択することができる。一方、試験化合物のみを投与し、
MCHもしくはその誘導体と同様な細胞外pH変化を観
察することによりアゴニストのスクリーニングを行なう
こともできる。
【0031】(11)酵母(Saccharomyces cerevisia
e)のhaploidα-mating Type (MATα)の性フェロモン受
容体STe2はG蛋白Gpa1とカップルしており、性フェロモ
ンα-mating factorに応答してMAP kinaseを活性化し、
以下、Far1 (cell-cycle arrest) および転写活性化因
子Ste12が活性化される。Ste12は接合に関与するFUS1を
含む種々の蛋白の発現を誘導する。一方、制御因子Sst2
は以上の過程に抑制的に機能する。この系において、受
容体遺伝子を導入した酵母を作製し、受容体アゴニスト
刺激によって酵母細胞内のシグナル伝達系を活性化し、
その結果生じる増殖などの指標を用いた、受容体アゴニ
ストと受容体との反応の測定系の試みが行なわれている
(Pausch, M. H., Trends in Biotechnology, vol. 15,
pp. 487-494(1997))。このような受容体遺伝子導入酵
母の系を利用してMCHおよびSLTの結合を変化させ
る化合物のスクリーニングを行なうことができる。MAT
α酵母のSte2およびGpa1をコードする遺伝子を除去し、
代わりにSLT遺伝子およびGpa1-Gai2融合蛋白をコー
ドする遺伝子を導入する。Farをコードする遺伝子を除
去してcell-cycle arrestが生じないようにし、また、S
stをコードする遺伝子を除去することによってMCHに
対する応答の感度を向上させておく。さらに、FUS1にヒ
スチジン生合成遺伝子HIS3をつなげたFUS1-HIS3遺伝子
を導入する。以上の遺伝子組換え操作は例えば、Price
ら(Price, L. A. et al., Molecular and Cellular Bi
ology, vol. 15, pp. 6188-6195 (1995))の報告に記載
の方法において、ソマトスタチン受容体タイプ2(SSTR
2)遺伝子をSLTに置き換えて実施することによって
容易に行なうことができる。こうして構築された形質変
換酵母はSLTのリガンドであるMCHに高感度で反応
し、その結果MAPキナーゼの活性化が起きてヒスチジン
生合成酵素が合成されるようになって、ヒスチジン欠乏
培地で生育可能になる。これを利用して、ヒスチジン欠
乏培地での酵母の生育を指標としてMCHによるSLT
発現酵母の応答を観察することができる。上記のように
して作製された形質変換酵母を完全合成培地の液体培地
で終夜培養し、2 x 104 cell/mlの濃度でヒスチジンを
除去した溶解寒天培地に加え、9 x9 cmの角形シャーレ
に播く。寒天が固化した後、MCHもしくはその誘導体
あるいはMCHもしくはその誘導体および試験化合物を
しみこませた滅菌濾紙を寒天表面におき、30℃で3日間
培養する。MCHもしくはその誘導体とSLTの結合を
変化させる化合物の影響は、濾紙の周囲の酵母の生育を
MCHもしくはその誘導体を単独で投与した場合と比較
することによって測定することができる。このとき、M
CHもしくはその誘導体の投与による酵母の生育を抑制
する化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択す
ることができる。一方、試験化合物のみを投与し、MC
Hもしくはその誘導体と同様な酵母の生育を観察するこ
とによりアゴニストのスクリーニングを行なうこともで
きる。また、あらかじめ、寒天培地に MCHもしくは
その誘導体を添加しておいて滅菌濾紙に試験化合物のみ
をしみこませて培養し、シャーレ全面での酵母の生育が
濾紙の周囲で影響を受けることを観察することによって
もMCHとSLTの結合を変化させる化合物の影響を調
べることができる。
【0032】(12) SLT遺伝子RNAをアフリカ
ツメガエル卵母細胞に注入し、MCHによって刺激する
と細胞内Caイオン濃度が上昇して、calcium-activated
chloride currentが生じる。これを膜電位の変化として
とらえることが出来る(Kイオン濃度勾配に変化がある
場合も同様)。MCHによって生じるSLT導入アフリ
カツメガエル卵母細胞におけるこの反応を観察すること
によりMCHとSLTの結合に影響を与える化合物のス
クリーニングを行なうことができる。氷冷して動けなく
なった雌のアフリカツメガエルから取り出した、卵母細
胞塊を,MBS液(88mM NaCl, 1mM KCl, 0.41mM CaCl2,
0.33mM Ca(NO3)2, 0.82mM MgSO4, 2.4mM NaHCO3, 10mM
HEPES, pH7.4)に溶かしたコラーゲナーゼ(0.5mg/ml)
で卵塊がほぐれるまで19℃、1-6時間、 150rpmで処
理する。外液をMBS液に置換することで3度洗浄し、マ
イクロマニピュレーターでpoly(A)+ SLT cRNA (50ng/5
0nl)をマイクロインジェクションする。SLT mRNA
は、組織や細胞から調製しても、プラスミドからin vit
roで転写してもよい。これをMBS液中で20℃で3日培
養する。これをRinger液を流しているvoltage clamp装
置のくぼみに置き、電位固定用ガラス微小電極、電位測
定用ガラス微小電極を細胞内に刺入し、(-)極は、細胞
外に置く。電位が安定したら、MCHもしくはその誘導
体またはMCHもしくはその誘導体および試験化合物を
含むRinger液を流して電位変化を記録する。MCHとS
LTの結合を変化させる化合物の影響は、SLT導入ア
フリカツメガエル卵母細胞の細胞膜電位変化をMCHも
しくはその誘導体を単独で投与した場合と比較すること
によって測定することができる。このとき、MCHもし
くはその誘導体の投与による細胞膜電位変化を抑制する
化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択するこ
とができる。一方、試験化合物のみを投与し、MCHも
しくはその誘導体と同様な細胞膜電位変化を観察するこ
とによりアゴニストのスクリーニングを行なうこともで
きる。この系において、反応を変化量を増大して測定し
やすいように各種のGタンパク質遺伝子のpoly(A)+ RNA
を導入することもできる。またaequorinのようなCa存在
下で発光を生じるようなタンパクの遺伝子のpoly(A)+ R
NAを共インジェクションすることにより膜電位変化では
なく発光を観察してこの反応を測定することもできる。
MCHまたはその塩とSLTまたはその塩との結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
トは、SLTまたはその塩、SLTを含有する細胞、あ
るいはSLTを含有する細胞の膜画分、およびMCHも
しくはその誘導体またはその塩を含有するものである。
上記のとおり、本発明に用いられるMCHは、SLC−
1に対してもリガンド活性を有することが知られている
ため、上述のMCHとSLTを用いるスクリーニング方
法をSLTの代わりにSLC−1を用いることによって
実施し、MCHとSLC−1との結合性を変化させる化
合物またはその塩(SLC−1アンタゴニスト、SLC
−1アゴニスト)をスクリーニングすることが可能であ
る。従って、本発明のスクリーニング方法によって得ら
れる「MCHとSLTとの結合性を変化させる化合物ま
たはその塩(SLTアンタゴニスト、SLTアゴニス
ト)」の活性と、SLTの代わりにSLC−1を用いる
ことにより、本発明のスクリーニング方法またはそれに
準じた方法によって得られる「MCHとSLC−1との
結合性を変化させる化合物またはその塩(SLC−1ア
ンタゴニスト、SLC−1アゴニスト)」の活性とを比
較することによって、「MCHとSLC−1との結合性
を選択的に変化させる化合物またはその塩(SLC−1
により選択的な活性を有するアンタゴニストもしくはア
ゴニスト)」、または「MCHとSLTとの結合性を選
択的に変化させる化合物またはその塩(SLTにより選
択的な活性を有するアンタゴニストもしくはアゴニス
ト)」を得ることができる。ここで、「結合性を選択的
に変化させる化合物またはその塩」とは、(1)SLC
−1またはSLTのいずれか一方に対する活性(受容体
(SLC−1またはSLT)を介する細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの変化な
どを促進する活性など)など)が他方に対する活性に対
して通常2倍以上、好ましくは10倍以上、量的に異な
る化合物またはその塩、および(または)(2)SLC
−1またはSLTのいずれか一方に対する結合力(例、
IC50値)が、他方に対する結合力に対して通常2倍以
上、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは100倍
以上、異なる化合物またはその塩のことをいう。すなわ
ち、「SLC−1により選択的な活性を有するアンタゴ
ニスト」とは、(1)SLC−1に対する活性(受容体
(SLC−1)を介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの変化などを促進する活
性など)など)がSLTに対する活性に対して通常2倍
以上、好ましくは10倍以上弱い化合物またはその塩、
および(または)(2)SLC−1に対する結合力が、
SLTに対する結合力に対して通常2倍以上、好ましく
は10倍以上、さらに好ましくは100倍以上強い化合
物またはその塩のことをいう。「SLC−1により選択
的な活性を有するアゴニスト」とは、(1)SLC−1
に対する活性(受容体(SLC−1)を介する細胞刺激
活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの変化などを促進する活性など)など)がSLTに対
する活性に対して通常2倍以上、好ましくは10倍以上
強い化合物またはその塩、および(または)(2)SL
C−1に対する結合力が、SLTに対する結合力に対し
て通常2倍以上、好ましくは10倍以上、さらに好まし
くは100倍以上強い化合物またはその塩のことをい
う。「SLTにより選択的な活性を有するアンタゴニス
ト」とは、(1)SLTに対する活性(受容体(SL
T)を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの変化などを促進する活性など)
など)がSLC−1に対する活性に対して通常2倍以
上、好ましくは10倍以上弱い化合物またはその塩、お
よび(または)(2)SLTに対する結合力が、SLC
−1に対する結合力に対して通常2倍以上、好ましくは
10倍以上、さらに好ましくは100倍以上強い化合物
またはその塩のことをいう。「SLTにより選択的な活
性を有するアゴニスト」とは、(1)SLTに対する活
性(受容体(SLT)を介する細胞刺激活性(例えば、
アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノ
シトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質の
リン酸化、c−fosの活性化、pHの変化などを促進
する活性など)など)がSLC−1に対する活性に対し
て通常2倍以上、好ましくは10倍以上強い化合物また
はその塩、および(または)(2)SLTに対する結合
力が、SLC−1に対する結合力に対して通常2倍以
上、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは100倍
以上強い化合物またはその塩のことをいう。
【0033】このように、本発明は、さらに、MCH
もしくはその誘導体またはその塩;SLC−1または
その塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩;およびSLTもし
くはその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特
徴とする、 1)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、 2)(i)SLC−1またはその塩、またはその部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩;および/または(ii)SLTもしくはその塩、
またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング方法を提供する。 本スクリーニング方法によれば、(a)MCHもしくは
その誘導体またはその塩と、SLC−1またはその塩、
またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはその塩との結合性を選択的に変化させ
る化合物またはその塩;(b)MCHもしくはその誘導
体またはその塩と、SLTもしくはその塩、またはその
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩との結合性を選択的に変化させる化合物ま
たはその塩;および(c)(i)MCHもしくはその誘
導体またはその塩と、SLC−1またはその塩、または
その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩との結合性;および(ii)MCHもし
くはその誘導体またはその塩と、SLTもしくはその
塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化
合物またはその塩をスクリーニングすることができる。
上記スクリーニング方法において、MCHもしくはその
誘導体またはその塩と、SLTもしくはその塩、または
その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩との結合性を選択的に変化させる化合
物またはその塩をスクリーニングすることが好ましい。
【0034】本発明のスクリーニング用キットの例とし
ては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 SLT標品およびSLC−1標品 SLTを発現させたCHO細胞またはSLC−1を発現
させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/
穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日
間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
たMCH。適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4
℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液に
て1μMに希釈する。 リガンド標準液 MCHを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を
含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で保
存する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したSLTまたは
SLC−1を発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識したMCHを5μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物のか
わりに10-3Mのリガンド(MCH)を5μl加えてお
く。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンド(MCH)を0.2N
NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチ
レーターA(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。 〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0035】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、MCHまたはその塩とSLTまたはその塩との結合
を変化させる(結合を阻害あるいは促進する)化合物で
あり、具体的にはSLTを介して細胞刺激活性を有する
化合物またはその塩(いわゆるSLTアゴニスト)、あ
るいは該刺激活性を有しない化合物(いわゆるSLTア
ンタゴニスト)である。該化合物としては、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であっ
てもよいし、公知の化合物であってもよい。上記SLT
アゴニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な
評価方法は以下の(i)または(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、MCHまたはその塩とS
LTまたはその塩との結合性を変化させる(特に、結合
を阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記したSL
Tを介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定す
る。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はSLT
アゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその
塩はSLTアンタゴニストである。 (ii)(a)試験化合物をSLTを含有する細胞に接触さ
せ、上記SLTを介した細胞刺激活性を測定する。細胞
刺激活性を有する化合物またはその塩はSLTアゴニス
トである。 (b) SLTを活性化する化合物(例えば、本発明のポリ
ペプチドまたはSLTアゴニストなど)をSLTを含有
する細胞に接触させた場合と、 SLTを活性化する化
合物および試験化合物をSLTを含有する細胞に接触さ
せた場合における、 SLTを介した細胞刺激活性を測
定し、比較する。 SLTを活性化する化合物による細
胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩はSLT
アンタゴニストである。該SLTアゴニストは、 SL
Tに対するMCHまたはその塩が有する生理活性と同様
の作用を有しているので、 MCHまたはその塩と同様
に安全で低毒性な医薬として有用である。逆に、SLT
アンタゴニストは、 SLTに対するMCHまたはその
塩が有する生理活性を抑制することができるので、該レ
セプター活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用
である。
【0036】また、SLC−1を用いる本発明のスクリ
ーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得
られる化合物またはその塩は、MCHまたはその塩とS
LC−1またはその塩との結合を変化させる(結合を阻
害あるいは促進する)化合物であり、具体的にはSLC
−1を介して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩
(いわゆるSLC−1アゴニスト)、あるいは該刺激活
性を有しない化合物(いわゆるSLC−1アンタゴニス
ト)である。該化合物としては、ペプチド、タンパク、
非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などがあ
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。上記SLC−1アゴ
ニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価
方法は前記(i)または(ii)に準じて行えばよい。該
SLC−1アゴニストは、 SLC−1に対するMCH
またはその塩が有する生理活性と同様の作用を有してい
るので、 MCHまたはその塩と同様に安全で低毒性な
医薬として有用である。逆に、SLC−1アンタゴニス
トは、 SLC−1に対するMCHまたはその塩が有す
る生理活性を抑制することができるので、該レセプター
活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
【0037】MCHまたはその塩は食欲(摂食)増進作
用およびオキシトシン分泌促進作用などに関与している
ことから、食欲(摂食)増進剤またはオキシトシン分泌
促進剤などとして用いることができるため、上記のスク
リーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて
得られる化合物のうち、SLTアゴニストおよびSLC
−1アゴニストは食欲(摂食)増進剤として用いること
ができる他、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮
復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞、神
経性食欲不振症などの食欲不振およびそれに伴う貧血、
低蛋白症などの予防・治療薬などとして用いることがで
き、SLTアンタゴニストおよびSLC−1アンタゴニ
ストは肥満症[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocy
tosis)、外因性肥満 (exogenous obesity)、過インシュ
リン性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満
(hyperplasmic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal a
diposity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲
状腺機能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部
性肥満(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptom
atic obesity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半
身肥満(upper body obesity)、食事性肥満症 (alimenta
ry obesity)、性機能低下性肥満(hypogonadalobesit
y)、全身性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純
性肥満(simple obesity)、中心性肥満(central obesit
y)など]、摂食亢進症(hyperphagia)、情動障害、性機
能障害などの予防・治療薬などとして用いることができ
る他、過強陣痛、強直性子宮収縮、胎児仮死、子宮破
裂、頚菅裂傷、早産、Prader-Willi症候群、糖尿病およ
びその合併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病
性神経障害など)、高血圧、高脂血症、冠状動脈硬化
症、痛風、呼吸器疾患(Pickwick症候群、睡眠時無呼吸
症候群)、脂肪肝、不妊症、変形性骨関節症など(特に
抗肥満剤(薬)、食欲(摂食)調節剤など)の予防・治
療薬などとして用いることができる。上記のスクリーニ
ング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ
る化合物の塩としては、例えば、薬学的に許容可能な塩
などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有機塩基
との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸
性アミノ酸との塩などがあげられる。無機塩基との塩の
好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩な
どのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム塩、ア
ンモニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩の好適
な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩など
があげられる。無機酸との塩の好適な例としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩があげら
れる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩があ
げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、
例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどとの塩があ
げられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えばア
スパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。
【0038】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、該医薬は、必要に応じて
糖衣や腸溶性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシ
ル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるい
は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌
性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に
使用できる。本発明の医薬は、例えば、該化合物または
その塩を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、
ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に
認められた単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガ
ントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロ
ースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アル
ギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウム
のような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのよう
な甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーの
ような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセ
ルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のよ
うな液状担体を含有することができる。注射のための無
菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡
麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解ま
たは懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたがって処方
することができる。注射用の水性液としては、例えば、
生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液
(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、
たとえばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアル
コール(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソ
ルベート80(TM)、HCO−50)などと併用しても
よい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、
溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコー
ルなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン
酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。
【0039】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投
与することができる。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経
口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)に
おいては、一日につき約0.1から1000mg、好ま
しくは約1.0から300mg、より好ましくは約3.
0から50mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法な
どによっても異なるが、たとえば注射剤の形では成人の
肥満症患者(体重60kgとして)への投与において
は、SLCアンタゴニストを一日につき約0.01から
30mg程度、好ましくは約0.1から20mg程度、
より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射に
より投与するのが好都合である。他の動物の場合も、6
0kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0040】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグ
アニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0041】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネ
ンー2,3−ジカルボキシイミド Bzl :ベンジル Z :ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボ
ニル Cl−Z :2−クロルベンジルオキシカルボ
ニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾー
ル DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル DNP :ジニトロフェニル Bum :ターシャリーブトキシメチル Trt :トリチル BSA :ウシ血清アルブミン CHAPS :3−[(3−コラミドプロピル)
ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート PMSF :フェニルメチルスルホニルフルオ
リド E64 :(L−3−trans−カルボキオキ
シラン−2−カルボニル)L−ロイシル−アグマチン GDP :グアノシン−5’−二リン酸 MEMα :ミニマムエッセンシャルメジウム
アルファ Fura−2AM :1-[6-アミノ-2-(5-カルボキシ-2-
オキサゾリル)-5-ベンゾフラニロキシ]-2-(2-アミノ-5
メチルフェノキシ)-エタン-N,N,N',N'-四酢酸ペンタア
セトキシメチルエステル HBSS :ハンクス平衡塩液 Fluo−3AM :1-[2-アミノ-5-(2,7-ジクロロ-6-
ヒドロキシ-3-オキシ-9-キサンテニル)フェノキシ]-2-
(2-アミノ-5-メチルフェノキシ)エタン-N,N,N',N'-四酢
酸ペンタアセトキシメチルエステル HEPES :2−[4−(2−ヒドロキシエチ
ル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 MeBzl :4−メチルベンジル NMP :N−メチルピロリドン
【0042】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒトSLTをコードするcDNAのクローニ
ングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:2〕ヒトSLTをコードするcDNAのクローニ
ングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:3〕ヒトSLTの全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕5’側にSal I認識配列が付加され、ま
た3’側にSpe I認識配列が付加されたヒトSLT cDNAの全
塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕ヒトSLT発現CHO細胞の各クローンにお
けるSLT mRNAの発現量を測定するために使用したリボプ
ローブ(riboprobe)を示す。 〔配列番号:6〕メラニン凝集ホルモン(melanin-conc
entrating hormone, MCH)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕ヒトSLTをコードするcDNAをクローニ
ングするために使用した合成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕ヒトSLTをコードするcDNAをクローニ
ングするために使用した合成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列を有するヒトSLTをコードするcDNAの塩基配列を示
す。 〔配列番号:10〕Des-Asp1-MCH (MCH(2-19))のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:11〕Des-[Asp1, Phe2]-MCH (MCH(3-19))
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕Des-[Asp1, Phe2, Asp3]-MCH (MCH
(4-19))のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:13〕Des-[Asp1, Phe2, Asp3, Met4]-MCH
(MCH(5-19))のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕Des-[Asp1, Phe2, Asp3, Met4, Leu
5]-MCH (MCH(6-19))のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕Des-[Asp1, Phe2, Asp3, Met4, Leu
5, Arg6]-MCH (MCH(7-19))のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:16〕ラットSLC-1の全アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:17〕ヒトSLC-1の全アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:18〕配列番号:16で表されるアミノ酸
配列をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕配列番号:17で表されるアミノ酸
配列をコードするDNAの塩基配列を示す。
【0043】後述の参考例1で得られたEscherichia co
li DH5α/pCR3.1−hSLTは、平成11年
(1999年)4月28日から日本国茨城県つくば市東
1−1−3、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−6710
として、平成11年(1999年)4月20日から日本
国大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85、財団法
人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 1628
4として寄託されている。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に実施例および参考例を示し
て、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の
範囲を限定するものではない。
【0045】
【実施例】参考例1 ヒト海馬cDNAからのヒトSLT受容
体タンパクをコードするcDNAのクローニング ヒト海馬cDNA(クロンテック社)を鋳型とし、2個のプ
ライマー、プライマー1(配列番号:7)およびプライ
マー2(配列番号:8)を用いてPCR反応を行った。該
反応における反応液の組成は上記cDNAの10分の1量を鋳
型として使用し、Advantage 2 Polymerase Mix(クロン
テック社)1/50量、プライマー1(配列番号:7)およ
びプライマー2(配列番号:8)を 各0.2 μM、dNTPs
200 μM、および酵素に添付のバッファーを加え、25 μ
lの液量とした。PCR反応は、94℃・1分の後、94℃
・20秒、72℃・2分のサイクルを3回、94℃・20秒、65
℃・20秒、68℃・2分のサイクルを3回、94℃・20秒、
58℃・20秒、68℃・2分のサイクルを36回繰り返し、
最後に68℃・7分の伸長反応を行った。該PCR反応後の反
応産物をTAクローニングキット(インビトロジェン社)
の処方に従いプラスミドベクターpCR3.1(インビトロジ
ェン社)へ サブクローニングした。これを大腸菌DH5α
に導入し、cDNAをもつクローンをアンピシリンを含むL
B寒天培地中で選択した後、個々のクローンの配列を解
析した結果、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするcDNA配列(配列番号:9)を得た。 このcDNA
より導き出されるアミノ酸配列(配列番号:3)を含有
する新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をhSLTと命名
し、この形質転換体を大腸菌(Escherichia coli)DH5
α/pCR3.1-hSLTと命名した。
【0046】参考例2 Des-[Asp1, Phe2, Asp3]-MCH
(MCH(4-19), Met-Leu-Arg-Cys-Met-Leu-Gly-Arg-Val-Ty
r-Arg-Pro-Cys-Trp-Gln-Val)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 mmol/g resin) 0.5 m
mol分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、Boc-s
trategy (NMP-HOBt)ペプチド合成方法でBoc-Gln, Boc-T
rp(CHO), Boc-Cys(MeBzl), Boc-Pro, Boc-Arg(Tos), Bo
c-Tyr(Br-Z),Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Le
u, Boc-Met, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Arg(Tos), Boc-Leu,
Boc-Met, を順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得
る。 この樹脂0.6 gをp-クレゾール2 g、1,4-ブタンジ
チオール1.2 mlと共に無水弗化水素10 ml中、0℃・60分
撹袢した後、弗化水素を減圧留去し、残留物へジエチル
エーテルを加え沈殿を濾過する。 この沈殿に50%酢酸水
を加え抽出し、不溶部分を除き、抽出液を十分に濃縮
後、50%酢酸水で充填したセファデックス(商品名)G-2
5カラム(2.0 x 80 cm)に付し、同溶媒で展開、主要画
分を集めLiChroprep(商品名) RP-18を充填した逆相ク
ロマトカラム(2.6 x 60 cm)に付け0.1% TFA水200 mlで
洗浄、0.1% TFA水300 mlと0.1% TFA含有40%アセトニト
リル水300 mlを用いた線型勾配溶出を行ない、主要画分
を集め濃縮する。此れを約4 mlの酢酸に溶解し、蒸留水
で240 mlに希釈の後、アンモニア水を用いpH 7.5に調整
し、緩やかに空気を吹込み攪拌する。 反応をHPLCで追
跡し、SH体ペプチドのピークがすべてSS体に変化した事
を確認後、酢酸を加え溶液のpHを3に調整し、 上記LiCh
roprep(商品名) RP-18カラムに吸着する。 カラムを
0.1% TFA水200 mlで洗浄後、0.1% TFA水300 mlと0.1% T
FA含有50%アセトニトリル水300 mlを用いた線型勾配溶
出を行ない、主要画分を集め、凍結乾燥し目的とするペ
プチドを得る。 質量分析による(M+H)+ 2009.9 (理論値 2010.0) HPLC溶出時間:17.9分 カラム条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 150 mm) 溶離液:A液−0.1% TFA含有10%アセトニトリル水、B液
−0.1%TFA含有60%アセトニトリル水を用い、A/B : 20/8
0〜80/20へ直線型濃度勾配溶出(20分) 流速:1.0 ml/分
【0047】参考例3 ラジオアイソトープ標識MCH(4-
19)の作製 参考例2で調製したMCHのN末端アミノ酸3残基欠失体で
あるMCH(4-19)を、ボルトン−ハンター法でラジオアイ
ソトープ標識した。チューブの中でベンゼンに溶解して
いる[125I]-ボルトン−ハンター試薬(3-(4-ヒドロキシ
-3-ヨードフェニル)プロピオン酸N-スクシンイミジル)
9.25 MBq (0.11 nmol)(NENライフサイエンスプロダ
クツ社、81.4 TBq/mmol)に乾燥窒素ガスを吹き付け
て、ベンゼンを溜去した。このチューブに、18μlの50
mMリン酸緩衝液(pH 7.5)と1.5μlのジメチルスルフオ
キシドに溶解した2.3 nmolのMCH(4-19)と0.5μlのジメ
チルスルフオキシドを添加し、よく混合した。混合液を
37℃で2時間保温した後、ボルトン−ハンター試薬によ
るMCH(4-19)の放射化誘導体である[125I]-[N-(3-(4-ヒ
ドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピオニル)-Met4]-MCH
(4-19)を逆相HPLCにより分取した。[125I]-[N-(3-(4-ヒ
ドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピオニル)-Met4]-MCH
(4-19)は、ODSカラム(トーソー、ODS-80TM (4.6 mm x
150 mm))からアセトニトリル濃度43.6%付近に溶出し
た。
【0048】参考例4 手動エドマン分解によるMCH(2-
19)、MCH(3-19)、MCH(4-19)、MCH(5-19)、MCH(6-19)お
よびMCH(7-19)(配列番号:10−15)の調製 MCH 0.1 mg(シグマ社)を30μlの50%ピリジンに溶解
し、1μlのフェニルイソチオシアネート(和光純薬)を
加えて窒素置換した後、45℃に保温した。10分おきに攪
拌して1時間を経過したところで保温を止め、窒素気流
下で乾固した。20μlのエタノールに再度溶解し、窒素
気流下、次いで減圧下で溶媒を溜去して乾固した。反応
生成物であるフェニルチオカルバモイル誘導体を20μl
のトリフルオロ酢酸(和光純薬)によって溶解し、窒素
置換して45℃で20分間保温することによりペプチドのア
ミノ末端アミノ酸をアニリノチアゾリノン誘導体として
切断した。窒素気流でトリフルオロ酢酸を除いた後、30
μlの水および100μlの酢酸n-ブチルを加え、酢酸n-ブ
チルにより過剰な試薬およびアニリノチアゾリノン誘導
体を抽出して除去した。酢酸n-ブチルによる抽出は3回
繰り返した。アミノ末端が1残基短縮されたMCH(2-19)
を含む水相を窒素気流下、次いで減圧下で乾固した。こ
の分解過程を1回のみ行なうことにより、アミノ末端の
1残基のみが欠失したMCH(2-19)を得た。同様な分解過
程を2回、3回、4回、5回あるいは6回繰り返すことによ
り、1残基ずつN末端のアミノ基が短縮されたMCH(3-1
9)、MCH(4-19)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およびMCH(7-19)
を得た。上記の分解反応によって得られたMCH(2-19)、M
CH(3-19)、MCH(4-19)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およびMCH
(7-19)を次のように精製した後、質量分析およびアミノ
酸分析によって構造の確認を行なった。以下にMCH(4-1
9)について詳細に述べるが、他の誘導体についてもほぼ
同様の操作を行なった。得られたMCH(2-19)、MCH(3-1
9)、MCH(4-19)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およびMCH(7-19)
の分析値を表1に示す。
【0049】[表1]MCH(2-19)、MCH(3-19)、MCH(4-1
9)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およびMCH(7-19)の質量分析
値およびアミノ酸分析値
【表1】
【0050】MCH(4-19)を以下のようにHPLCで精製し
た。Spheri-5 RP-18逆相高速液体クロマトグラフィー用
カラム(ブラウンリー社、2.1 mm x 30 mm)にあらかじ
めA液(0.1%トリフルオロ酢酸)を流速300μl/minで流
し、25℃にて平衡化した。反応産物は270μlの0.1%トリ
フルオロ酢酸に溶解し、1回50μlをカラムに打ち込んだ
後、流速300μl/minを保ちながら、30分間かけてB液
(0.1%トリフルオロ酢酸/70%アセトニトリル)濃度を70
%まで上昇させた。溶出液を210 nmの吸光度でモニター
し、ピークを手動で分取した。MCH(4-19)は17.1分に溶
出した。1つの試験管に集めたMCH(4-19)を濃縮乾固
し、100μlのDMSOに溶解した。質量分析は日本電子JMS-
HX110でLSIMS法にて行なった。即ち、プローブチップ上
で1μlの3-ニトロベンジルアルコールとグリセロールが
3:2からなるマトリクスと、1μlのサンプルとを混合
し、イオン源に導入した。15 kVに加速されたセシウム
イオンを照射し、生成した正二次イオンを10 kVに加速
して検出器に導いた。アミノ酸分析のための加水分解
は、サンプル5μlをガラス管にとって減圧乾固し反応バ
イアルに入れ、その底部に6 N共沸塩酸(ピアス社、Seq
uenal Grade)200μlを入れ、ウォーターズ社Pico-Tag
ワークステーションを用いてウォーターズ社の推奨する
方法に従って脱気後、110℃、24時間保温して行なっ
た。反応バイアル中の塩酸を真空ポンプにより減圧下除
去した後、150μlの20 mM塩酸で試料を希釈し、分析バ
イアルに注入してアミノ酸分析装置にセットし、100μl
を分析に供した。アミノ酸分析は日立L-8500高速アミノ
酸分析計を用いて、オルトフタルアルデヒド試薬(和光
純薬)を誘導体化反応に用いた蛍光分析法にて分析し
た。蛍光分析用緩衝液の調製法、反応液の調製法、分析
条件は、L-8500アミノ酸分析計取り扱い説明書の記載に
従った。ロイシンを基準としたときの測定値のモル比は
表1に示したとおりである。なお、MCHあるいはMCH(2-1
9)、MCH(3-19)、MCH(4-19)およびMCH(5-19)は参考例7
から参考例11に記載した固相合成法によっても調製す
ることができる。
【0051】参考例5 MCH、MCH(2-19)、MCH(3-19)、M
CH(4-19)およびMCH(5-19)の非アイソトープボルトン−
ハンター試薬による誘導体化 MCHおよびMCH(2-19)、MCH(3-19)、MCH(4-19)、MCH(5-1
9)およびMCH(6-19)の非アイソトープボルトン−ハンタ
ー試薬による誘導体化を行なった。MCH(4-19)の誘導体
化を例にして以下に述べる。ジメチルホルムアミド50μ
lに溶解したMCH(4-19) 1 nmolに非アイソトープボルト
ン−ハンター試薬である3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェ
ニル)プロピオン酸N-スクシンイミジル(和光純薬)100
nmolおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(和光純
薬)100 nmolを加えて37℃で4時間反応させた。反応混
合物に0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリル4
50μlを加えてHPLCにより精製した。クロマトグラフィ
ーの条件は以下のとおりである。カラムはWakosil-II 5
C18HG (4.6 x 150 mm)で流速は毎分1.0 mlとした。溶出
は0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル水を用
い、アセトニトリル濃度を2分間10%に保持した後、5分
間で20%まで上昇させ、その後20分間に50%まで上昇させ
て行なった。MCH(4-19)の非アイソトープボルトン−ハ
ンター試薬による誘導体である[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-
ヨードフェニル)プロピオニル)-Met4]-MCH(4-19)は22.9
分に溶出され、手動によって分取した。MCHあるいはMCH
(2-19)、MCH(3-19)、MCH(5-19)およびMCH(6-19)につい
てもほぼ同様の操作によってN末端アミノ酸のアミノ基
に3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プロピオニル基
を導入して誘導体化し、HPLCによって分取した。これら
の誘導体を酸加水分解した後、アミノ酸分析を行なっ
た。結果を表2に示した。
【0052】[表2]誘導体化MCH(2-19)、MCH(3-19)、
MCH(4-19)、MCH(5-19)およびMCH(6-19)のアミノ酸分析
【表2】
【0053】参考例6 放射ヨード標識MCH、MCH(2-1
9)、MCH(3-19)、MCH(4-19)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およ
びMCH(7-19)の作製 アイソトープ標識MCH、MCH(2-19)、MCH(3-19)、MCH(4-1
9)、MCH(5-19)、MCH(6-19)およびMCH(7-19)は以下のよ
うにアミノ酸配列中のTyr13を放射ヨード化して作製す
ることもできる。MCH(4-19)について例示するが、同様
の方法によってMCH、MCH(2-19)、MCH(3-19)、MCH(5-1
9)、MCH(6-19)およびMCH(7-19)の放射ヨード化体を作製
することができる。MCH(4-19) 5μgを25μlの0.4 M酢酸
ナトリウム(pH 5.6)に溶解し、これに200 ngのラクト
パーオキシダーゼ(和光純薬製)を加えた後、1 mCiの[
125I]-ヨウ化ナトリウム(アマシャムファルマシアバイ
オテク社)および200 ngの過酸化水素(10μl)を加え
る。室温で10分間静置した後、さらに200 ngの過酸化水
素(10μl)を加えて10分間静置する。これをTSKgel OD
S-80TSカラム(4.6 mm x 25 cm、トーソー)を用いたHP
LCによって精製し、[125I]-標識MCH(4-19)を得る。
【0054】参考例7 MCH (Asp-Phe-Asp-Met-Leu-Arg
-Cys-Met-Leu-Gly-Arg-Val-Tyr-Arg-Pro-Cys-Trp-Gln-V
al)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 mmol/g resin) 0.5 m
mol分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、Boc-s
trategy (NMP-HOBt)ペプチド合成方法でBoc-Gln, Boc-T
rp(CHO), Boc-Cys(MeBzl), Boc-Pro, Boc-Arg(Tos), Bo
c-Tyr(Br-Z),Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Le
u, Boc-Met, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Arg(Tos), Boc-Leu,
Boc-Met, Boc-Asp(OcHex), Boc-Phe, Boc-Asp(OcHex)
を順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得る。この樹脂
0.6 gをp-クレゾール2 g、1,4-ブタンジチオール1.2 ml
と共に無水弗化水素10 ml中、0℃・60分撹袢した後、弗
化水素を減圧留去し、残留物へジエチルエーテルを加え
沈殿を濾過する。 この沈殿に50%酢酸水を加え抽出し、
不溶部分を除き、抽出液を十分に濃縮後、50%酢酸水で
充填したセファデックス(商品名)G-25カラム(2.0 x
80 cm)に付し、同溶媒で展開、主要画分を集めLiChrop
rep(商品名) RP-18を充填した逆相クロマトカラム
(2.6 x 60 cm)に付け0.1% TFA水200 mlで洗浄、0.1% T
FA水300 mlと0.1% TFA含有40%アセトニトリル水300 ml
を用いた線型勾配溶出を行ない、主要画分を集め濃縮す
る。此れを約4 mlの酢酸に溶解し、蒸留水で240 mlに希
釈の後、アンモニア水を用いpH 7.5に調整し、緩やかに
空気を吹込み攪拌する。 反応をHPLCで追跡し、SH体ペ
プチドのピークがすべてSS体に変化した事を確認後、酢
酸を加え溶液のpHを3に調整し、 上記LiChroprep(商品
名) RP-18カラムに吸着する。 カラムを0.1% TFA水20
0 mlで洗浄後、0.1% TFA水300 mlと0.1% TFA含有50%ア
セトニトリル水300 mlを用いた線型勾配溶出を行ない、
主要画分を集め、 凍結乾燥し目的とするペプチドを得る。 質量分析による(M+H)+ 2387.3 (理論値 2387.9) HPLC溶出時間:20.9分 カラム条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 150 mm) 溶離液:A液−0.1% TFA含有10%アセトニトリル水、B液
−0.1%TFA含有60%アセトニトリル水を用い、A/B : 20/8
0〜80/20へ直線型濃度勾配溶出(20分) 流速:1.0 ml/分
【0055】参考例8 Des-Asp1-MCH (MCH(2-19), Phe
-Asp-Met-Leu-Arg-Cys-Met-Leu-Gly-Arg-Val-Tyr-Arg-P
ro-Cys-Trp-Gln-Val)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 mmol/g resin) 0.5 m
mol分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、Boc-s
trategy (NMP-HOBt)ペプチド合成方法でBoc-Gln, Boc-T
rp(CHO), Boc-Cys(MeBzl), Boc-Pro, Boc-Arg(Tos), Bo
c-Tyr(Br-Z),Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Le
u, Boc-Met, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Arg(Tos), Boc-Leu,
Boc-Met, Boc-Asp(OcHex), Boc-Pheを順に導入し目的
の保護ペプチド樹脂を得る。 この樹脂を参考例7と同
様に脱保護、環化、精製を行い目的のペプチドを得る。 質量分析による(M+H)+ 2272.3 (理論値 2272.1) HPLC溶出時間:20.6分 カラム条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 150 mm) 溶離液:A液−0.1% TFA含有10%アセトニトリル水、B液
−0.1%TFA含有60%アセトニトリル水を用い、A/B : 20/8
0〜80/20へ直線型濃度勾配溶出(20分) 流速:1.0 ml/分
【0056】参考例9 Des-[Asp1, Phe2]-MCH (MCH(3-
19), Asp-Met-Leu-Arg-Cys-Met-Leu-Gly-Arg-Val-Tyr-A
rg-Pro-Cys-Trp-Gln-Val)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 mmol/g resin) 0.5 m
mol分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、Boc-s
trategy (NMP-HOBt)ペプチド合成方法でBoc-Gln, Boc-T
rp(CHO), Boc-Cys(MeBzl), Boc-Pro, Boc-Arg(Tos), Bo
c-Tyr(Br-Z),Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Le
u, Boc-Met, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Arg(Tos), Boc-Leu,
Boc-Met, Boc-Asp(OcHex)を順に導入し目的の保護ペプ
チド樹脂を得る。 この樹脂を参考例7と同様に脱保
護、環化、精製を行い目的のペプチドを得る。 質量分析による(M+H)+ 2124.8 (理論値 2125.0) HPLC溶出時間:19.2分 カラム条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 150 mm) 溶離液:A液−0.1% TFA含有10%アセトニトリル水、B液
−0.1%TFA含有60%アセトニトリル水を用い、A/B : 20/8
0〜80/20へ直線型濃度勾配溶出(20分) 流速:1.0 ml/分
【0057】参考例10 Des-[Asp1, Phe2, Asp3, Met
4]-MCH (MCH(5-19), Leu-Arg-Cys-Met-Leu-Gly-Arg-Val
-Tyr-Arg-Pro-Cys-Trp-Gln-Val-OH)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 mmol/g resin) 0.5 m
mol分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、Boc-s
trategy (NMP-HOBt)ペプチド合成方法でBoc-Gln, Boc-T
rp(CHO), Boc-Cys(MeBzl), Boc-Pro, Boc-Arg(Tos), Bo
c-Tyr(Br-Z),Boc-Val, Boc-Arg(Tos), Boc-Gly, Boc-Le
u, Boc-Met, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Arg(Tos), Boc-Leu
を順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得る。 この樹
脂を参考例7と同様に脱保護、環化、精製を行い目的の
ペプチドを得る。 質量分析による(M+H)+ 1878.9 (理論値 1878.9) HPLC溶出時間:17.4分 カラム条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 150 mm) 溶離液:A液−0.1% TFA含有10%アセトニトリル水、B液
−0.1%TFA含有60%アセトニトリル水を用い、A/B : 20/8
0〜80/20へ直線型濃度勾配溶出(20分) 流速:1.0 ml/分
【0058】実施例1 ヒトSLT受容体cDNAの増幅 参考例1記載のpCR3.1-hSLTを鋳型とし、配列番号:1
および2の合成DNAプライマーを用いてPCR法による増幅
を行なった。合成DNAプライマーは受容体蛋白に翻訳さ
れる領域の遺伝子が増幅されるように構築したが、その
際に遺伝子の5’側に制限酵素Sal Iの認識する塩基配列
が付加され、また3’側に制限酵素Spe Iの認識する塩基
配列が付加されるように、5’側および3’側にそれぞれ
の制限酵素の認識配列を付加した。反応液の組成は、 p
CR3.1-hSLT鋳型5 μl、合成DNAプライマー各0.4μM、0.
2 mM dNTPs、pfu (ストラタジーン) DNAポリメラーゼ1
μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応量は50 μ
lとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー
(PE Biosystems)を用い、94℃・60秒の加熱の後、94
℃・60秒、57℃・60秒、72℃・150秒のサイクルを25回
繰り返し、最後に72℃で10分間反応させた。増幅産物の
確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウ
ムブロマイド染色によって行なった。
【0059】実施例2 PCR産物のプラスミドベクター
へのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の
解読による増幅cDNA配列の確認 実施例1で行なったPCRの反応産物は0.8 %の低融点ア
ガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソリ
で切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノール
・クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行なってDNAを
回収した。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキット
(ストラタジーン)の処方に従い、回収したDNAをプラ
スミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクローニン
グした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia col
i)DH5αcompetent cell (トーヨーボー)に導入して
形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピ
シリン、IPTGおよびX-galを含むLB寒天培地中で選択
し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用
いて分離し、形質転換体E. coli DH5α/hSLTを得た。個
々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養
し、 QIAwell 8 Plasmid KIt (キアゲン)を用いてプ
ラスミドDNAを調製した。調製したDNAの一部を用いて制
限酵素Sal IおよびSpe Iによる切断を行ない、挿入され
ている受容体cDNA断片の大きさを確認した。塩基配列の
決定のための反応はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequen
ce Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動
シーケンサーを用いて解読した。得られた2クローンの
配列を解析し全ての配列が報告されているヒトSLTタン
パク質(配列番号:3)をコードするcDNA配列の5’側
にSal I認識配列が付加し、3’側にSpe I認識配列が付
加した遺伝子配列と一致することを確認した(配列番
号:4)。図1にヒトSLT受容体蛋白のアミノ酸配列お
よびそれをコードするDNA配列を示した。
【0060】実施例3 ヒトSLT発現CHO細胞の作製 実施例2で配列が確認されたヒトSLTの全長アミノ酸配
列をコードし、5’側にSal I認識配列が付加し、また
3’側にSpe I認識配列を付加した遺伝子が導入されたプ
ラスミドによって形質転換されたE. coliのクローンよ
りPlasmid Midi Kit(キアゲン)を用いてプラスミドを
調製し、制限酵素Sal IおよびSpe Iで切断してインサー
ト部分を切り出した。インサートDNAは電気泳動後、ア
ガロースゲルからカミソリで切り出し、次に細片化、フ
ェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出、エタノ
ール沈殿を行なって回収した。このインサートDNAをSal
IおよびSpe Iで切断した動物細胞発現用ベクタープラ
スミドpAKKO-111H(Hinuma, S. et al. Biochim. Bioph
ys. Acta, Vol. 1219, pp. 251-259 (1994)記載のpAKKO
1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加え、T4ライゲ
ース(宝酒造)を用いてライゲーションを行ない、蛋白
発現用プラスミドpAKKO-hSLTを構築した。pAKKO-hSLTで
形質転換したE. coli DH5αcompetent cell(トーヨー
ボー)を培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン)を用い
てpAKKO-hSLTのプラスミドDNAを調製した。これをCellP
hect Transfection Kit(アマシャムファルマシアバイ
オテク)を用い添付のプロトコルに従ってCHO dhfr-
胞に導入した。6 μgのDNAをリン酸カルシウムとの共沈
懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x 106個のCHO
dhfr-細胞を播種した6 cmシャーレに添加した。10%ウ
シ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した後、継代
し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸不
含MEMα培地で培養した。選択培地中で増殖してくるヒ
トSLT発現CHO細胞である形質転換細胞のコロニー46クロ
ーンを選択した。
【0061】実施例4 全長ヒトSLTレセプター蛋白質m
RNAの発現量の高いCHO/hSLT細胞株の選択 実施例3で樹立されたCHO/hSLT株46クローンの全長ヒト
SLTレセプター蛋白質mRNAの発現量をCytostar T Plate
(アマシャムファルマシアバイオテク)を用い、添付の
プロトコルに従って以下のように測定した。CHO/ hSLT
株の各クローンをCytostar T Plateの各wellに2.5 x 10
4個ずつ播種して24時間培養した後、10%ホルマリンに
よって細胞を固定した。各wellに0.25% Triton X-100
を添加して細胞の透過性をあげた後、35Sラベルした配
列番号:5のriboprobeを加えてハイブリダイズさせ
た。20 mg/mlのRNaseAを各wellに加えて遊離のriboprob
eを消化し、プレートをよく洗浄した後、ハイブリダイ
ズしたriboprobeの放射活性をTopcounterで測定した。
放射活性の高い株がmRNA発現量が高い。mRNA発現量の高
い6クローン(#1,3,4,13,26および36)を以下の実験に
用いたが、特にクローン番号1を主に用いた。
【0062】実施例5 MCHによるヒトSLT発現CHO細胞
に対するcAMP合成抑制活性 市販の合成ヒトMCH(配列番号:6、バッケム社)を種
々の濃度に希釈し、ヒトSLT発現CHO細胞に対するcAMP合
成抑制活性を以下に示す方法で測定した。実施例4で選
択したCHO/hSLT細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wel
lで播種し、48時間培養した。細胞を0.2mM 3−イソブ
チル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPESを含
むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄した(以下、0.2mM
3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20
mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)を、反応用
バッファーと呼ぶ)。その後0.5mlの反応用バッファー
を加えて30分間培養器で保温した。反応用バッファーを
除き、新たに0.25 mlの反応用バッファーを細胞に加え
た後、種々の量のMCHと2μMフォルスコリンを含む0.25
mlの反応用バッファーを細胞に加え、37℃で30分間反応
させた。100μlの20%過塩素酸を加えて反応を停止さ
せ、次に氷上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出
した。抽出液中のcAMP量は、cAMP EIAキット(アマシャ
ムファルマシアバイオテク)を用いて測定した。その結
果、MCHは30 pMの濃度で明らかに細胞内cAMP量を低下さ
せ、さらにペプチド濃度を増やすと用量依存的に細胞内
cAMP量は減少した。(図2)。図中、 cAMP合成抑制活
性は、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加し
たときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加した
ときの細胞内cAMP量を減じた量を100%として、MCHを加
えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加し
たときの細胞内cAMP量を減じた量を%として表わした。
【0063】実施例6 ヒトSLT発現CHO細胞膜画分の調
製 1 x 108個のCHO/hSLT細胞に10mlのホモジネートバッフ
ァー(10 mM NaHCO3, 5mM EDTA, 0.5 mM PMSF, 1μg/ml
pepstatin, 4μg/ml E64, 20μg/ml leupeptin)添加
し、ポリトロン(12,000 rpm、1分間)を用いて破砕し
た。細胞破砕液を遠心(1,000 g, 15分間)して上清を
得た。次にこの上清を超遠心分離(BeckmanType 30ロー
ター、30,000 rpm, 1時間)し、得られた沈殿物をヒトS
LT発現CHO細胞膜画分とした。
【0064】実施例7 ボルトン−ハンター試薬を用い
て作製した[125I]-標識MCH(4-19)を用いた受容体結合実
験 参考例3でボルトン−ハンター試薬を用いて作製した[
125I]-標識MCH(4-19)およびヒトSLT発現CHO細胞から調
製した細胞膜画分を用いて受容体結合実験を行なった。
ヒトSLT発現CHO細胞から実施例6に従って調製した細胞
膜画分を、アッセイ用バッファー(50 mM Tris-HCl、5
mM EGTA(エチレングリコールビス(アミノエチルエー
テル)四酢酸)、5 mM酢酸マグネシウム、0.05% CHAP
S、0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.25 mM PMSF
(フェニルメチルスルホニルフルオライド)、1μg/ml
ペプスタチン、20μg/ml ロイペプチン、pH 7.4)で各
種濃度に希釈後、ポリプロピレン製試験管(ファルコン
社、2053)に200μlずつ分注した。最大結合量(TB)を
測定するために、2μlのDMSOと、20 nMの[125I]-標識MC
H(4-19) 2μlを、また、非特異的結合(NSB)を測定す
るために、100μM MCHのDMSO溶液2μlと、20 nMの
[125I]-標識MCH(4-19) 2μlを、膜画分溶液に添加し
た。25℃で60分間反応させた後、ポリエチレンイミン処
理したグラスフィルター(ワットマン社、GF-F)を用い
て反応液を吸引ろ過した。ろ過後、γ-カウンターを用
いてろ紙上に残った[125I]-標識MCH(4-19)の放射活性を
測定した。図3に示すように、膜画分の濃度に依存した
[125I]-標識MCH(4-19)の特異的な結合(SB)が認められ
た。また、膜画分濃度を30μg/mlに設定して、阻害率
(%) からMCHの50%阻害濃度(IC50値)を算出したと
ころ、IC50値は約20 nMであった(図4)。また、MCHの
アミノ末端短縮体であるMCH(4-19)のIC50値は3.3 nMで
あった(図4)。
【0065】実施例8 FLIPRを用いたMCHによるヒトSL
T発現CHO細胞の細胞内Caイオン濃度上昇活性の測定 実施例4で得られたヒトSLT発現CHO細胞のMCH(配列番
号:6)による細胞内Caイオン濃度上昇活性の測定をFL
IPR(モレキュラーデバイス社)を用いて行った。CHO/hSL
T細胞を15 x 104 cells/mlとなるように10%透析ウシ胎
児血清を含むDMEMに懸濁し、FLIPR用96穴プレート(Blac
k plate clear bottom、コースター社)に分注器を用い
て各ウェルに200μlずつ植え込み(3.0×104 cells/200
μl/ウェル)、5% CO2インキュベーター中にて37℃で
一晩培養した後、アッセイに用いた(以後このプレート
を細胞プレートと言う)。HANKS’/HBSS(ニッスイハン
クス2(日水製薬株式会社) 9.8 g、炭酸水素ナトリウ
ム 0.35 g、HEPES 4.77 g 、6M水酸化ナトリウム溶液で
pH7.4に合わせた後、フィルター滅菌処理)20 ml、250
mM Probenecid 200μl、ウシ胎児血清(FBS) 200μlを
混合したものに、Fluo3-AM(同仁化学研究所) 2バイア
ル(50μg)をジメチルスルフォキサイド40μlおよび20%
Pluronic acid(モレキュラープローブ社)40μlに溶解
して加えて混和後、8連ピペットを用いて培養液を除い
た細胞プレートに各ウェル 100μlずつ分注した後、5%
CO2インキュベーター中にて37℃で1時間インキュベー
トし、細胞に色素を印加した。FLIPR用96穴プレート(V-
Bottomプレート、コースター社)の各ウェルに2.5 mM Pr
obenecid、0.05% BSAを含むHANKS’/HBSS 150μlを入
れ、さらに種々の濃度のMCHを添加してサンプルプレー
トを調製した。細胞プレートの色素ローディング終了
後、HANKS’/HBSSに2.5 mM Probenecidを加えた洗浄バ
ッファーでプレートウォッシャー(モレキュラーデバイ
ス社)を用いて細胞プレートを4回洗浄し、洗浄後100μ
lの洗浄バッファーを残した。この細胞プレートとサン
プルプレートをFLIPRにセットしアッセイを行なった(F
LIPRにより、サンプルプレートから50μlのサンプルが
細胞プレートへと移される)。その結果、MCHは濃度依存
的にヒトSLT発現CHO細胞の細胞内Caイオン濃度を上昇さ
せることが示された(図5)。
【0066】実施例9 MCHがヒトSLT発現CHO細胞に対
して惹起するアラキドン酸代謝物放出活性 種々の濃度のMCHが示すヒトSLT発現CHO細胞に対するア
ラキドン酸代謝物放出活性を以下の方法により測定し
た。実施例4で得られたヒトSLT発現CHO細胞であるCHO/
hSLT株を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種し、2
4時間培養後、[3H]アラキドン酸を0.25μCi/wellとなる
よう添加した。[3H]アラキドン酸添加16時間後、細胞を
0.05% BSAと20 mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH
7.4)で洗浄し、各wellに種々の濃度のMCHを加えた0.05%
BSAと20 mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)5
00μlを添加した。37℃で60分間インキュベートした後
に、反応液400μlをシンチレーターに加え、反応液中に
遊離した[3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレーショ
ンカウンターにより測定した。その結果、MCHが用量依
存的にヒトSLT発現細胞に対してアラキドン酸代謝物放
出活性を示すことが確認され、そのEC50値は0.57nMであ
った。種々の濃度のMCHが示すヒトSLT発現CHO細胞に対
するアラキドン酸代謝物放出活性を図6に示した。
【0067】(配列表フリーテキスト) 配列番号:6 配列に関する他の情報:第7番目および第16番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:10 配列に関する他の情報:第6番目および第15番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:11 配列に関する他の情報:第5番目および第14番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:12 配列に関する他の情報:第4番目および第13番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:13 配列に関する他の情報:第3番目および第12番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:14 配列に関する他の情報:第2番目および第11番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:15 配列に関する他の情報:第1番目および第10番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。
【0068】
【発明の効果】本発明のMCHもしくはその誘導体また
はその塩およびSLTまたはその塩を用いることを特徴
とするMCHもしくはその誘導体またはその塩とSLT
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法は、食欲(摂食)増進剤の他、
微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝
王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞などの予防・治療
薬などとして用いることができるSLTアゴニスト、肥
満症[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、
外因性肥満 (exogenous obesity)、過インシュリン性肥
満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperpl
asmic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposit
y)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機
能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満
(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic o
besity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥満
(upperbody obesity)、食事性肥満症 (alimentary obes
ity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身
性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(si
mple obesity)、中心性肥満(central obesity)など]、
摂食亢進症(hyperphagia)、情動障害、性機能障害など
の予防・治療薬などの他、過強陣痛、強直性子宮収縮、
胎児仮死、子宮破裂、頚菅裂傷、早産、Prader-Willi症
候群などの予防・治療薬などとして用いることができる
SLTアンタゴニストのスクリーニング方法として有用
である。
【0069】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method for MCH Receptor antagonist or agonist <130> B01258 <150> JP 2000-208254 <151> 2000-07-05 <160> 19 <210> 1 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 gtcgacatga atccatttca tgcatc 26 <210> 2 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 actagtctaa aagtgtgatt tcagag 26 <210> 3 <211> 340 <212> PRT <213> Human <400> 3 Met Asn Pro Phe His Ala Ser Cys Trp Asn Thr Ser Ala Glu Leu Leu 5 10 15 Asn Lys Ser Trp Asn Lys Glu Phe Ala Tyr Gln Thr Ala Ser Val Val 20 25 30 Asp Thr Val Ile Leu Pro Ser Met Ile Gly Ile Ile Cys Ser Thr Gly 35 40 45 Leu Val Gly Asn Ile Leu Ile Val Phe Thr Ile Ile Arg Ser Arg Lys 50 55 60 Lys Thr Val Pro Asp Ile Tyr Ile Cys Asn Leu Ala Val Ala Asp Leu 65 70 75 80 Val His Ile Val Gly Met Pro Phe Leu Ile His Gln Trp Ala Arg Gly 85 90 95 Gly Glu Trp Val Phe Gly Gly Pro Leu Cys Thr Ile Ile Thr Ser Leu 100 105 110 Asp Thr Cys Asn Gln Phe Ala Cys Ser Ala Ile Met Thr Val Met Ser 115 120 125 Val Asp Arg Tyr Phe Ala Leu Val Gln Pro Phe Arg Leu Thr Arg Trp 130 135 140 Arg Thr Arg Tyr Lys Thr Ile Arg Ile Asn Leu Gly Leu Trp Ala Ala 145 150 155 160 Ser Phe Ile Leu Ala Leu Pro Val Trp Val Tyr Ser Lys Val Ile Lys 165 170 175 Phe Lys Asp Gly Val Glu Ser Cys Ala Phe Asp Leu Thr Ser Pro Asp 180 185 190 Asp Val Leu Trp Tyr Thr Leu Tyr Leu Thr Ile Thr Thr Phe Phe Phe 195 200 205 Pro Leu Pro Leu Ile Leu Val Cys Tyr Ile Leu Ile Leu Cys Tyr Thr 210 215 220 Trp Glu Met Tyr Gln Gln Asn Lys Asp Ala Arg Cys Cys Asn Pro Ser 225 230 235 240 Val Pro Lys Gln Arg Val Met Lys Leu Thr Lys Met Val Leu Val Leu 245 250 255 Val Val Val Phe Ile Leu Ser Ala Ala Pro Tyr His Val Ile Gln Leu 260 265 270 Val Asn Leu Gln Met Glu Gln Pro Thr Leu Ala Phe Tyr Val Gly Tyr 275 280 285 Tyr Leu Ser Ile Cys Leu Ser Tyr Ala Ser Ser Ser Ile Asn Pro Phe 290 295 300 Leu Tyr Ile Leu Leu Ser Gly Asn Phe Gln Lys Arg Leu Pro Gln Ile 305 310 315 320 Gln Arg Arg Ala Thr Glu Lys Glu Ile Asn Asn Met Gly Asn Thr Leu 325 330 335 Lys Ser His Phe 340 <210> 4 <211> 1035 <212> DNA <213> Human <400> 4 gtcgacatga atccatttca tgcatcttgt tggaacacct ctgccgaact tttaaacaaa 60 tcctggaata aagagtttgc ttatcaaact gccagtgtgg tagatacagt catcctccct 120 tccatgattg ggattatctg ttcaacaggg ctggttggca acatcctcat tgtattcact 180 ataataagat ccaggaaaaa aacagtccct gacatctata tctgcaacct ggctgtggct 240 gatttggtcc acatagttgg aatgcctttt cttattcacc aatgggcccg agggggagag 300 tgggtgtttg gggggcctct ctgcaccatc atcacatccc tggatacttg taaccaattt 360 gcctgtagtg ccatcatgac tgtaatgagt gtggacaggt actttgccct cgtccaacca 420 tttcgactga cacgttggag aacaaggtac aagaccatcc ggatcaattt gggcctttgg 480 gcagcttcct ttatcctggc attgcctgtc tgggtctact cgaaggtcat caaatttaaa 540 gacggtgttg agagttgtgc ttttgatttg acatcccctg acgatgtact ctggtataca 600 ctttatttga cgataacaac tttttttttc cctctaccct tgattttggt gtgctatatt 660 ttaattttat gctatacttg ggagatgtat caacagaata aggatgccag atgctgcaat 720 cccagtgtac caaaacagag agtgatgaag ttgacaaaga tggtgctggt gctggtggta 780 gtctttatcc tgagtgctgc cccttatcat gtgatacaac tggtgaactt acagatggaa 840 cagcccacac tggccttcta tgtgggttat tacctctcca tctgtctcag ctatgccagc 900 agcagcatta acccttttct ctacatcctg ctgagtggaa atttccagaa acgtctgcct 960 caaatccaaa gaagagcgac tgagaaggaa atcaacaata tgggaaacac tctgaaatca 1020 cacttttaga ctagt 1035 <210> 5 <211> 757 <212> RNA <213> Human <400> 5 caaaagcugg agcuccaccg cgguggcggc cgcucuagcc ccuaaaagug ugauuucaga 60 guguuuccca uauuguugau uuccuucuca gucgcucuuc uuuggauuug aggcagacgu 120 uucuggaaau uuccacucag caggauguag agaaaagggu uaaugcugcu gcuggcauag 180 cugagacaga uggagaggua auaacccaca uagaaggcca gugugggcug uuccaucugu 240 aaguucacca guuguaucac augauaaggg gcagcacuca ggauaaagac uaccaccagc 300 accagcacca ucuuugucaa cuucaucacu cucuguuuug guacacuggg auugcagcau 360 cuggcauccu uauucuguug auacaucucc caaguauagc auaaaauuaa aauauagcac 420 accaaaauca aggguagagg gaaaaaaaaa guuguuaucg ucaaauaaag uguauaccag 480 aguacaucgu caggggaugu caaaucaaaa gcacaacucu caacaccguc uuuaaauuug 540 augaccuucg aguagaccca gacaggcaau gccaggauaa aggaagcugc ccaaaggccc 600 aaauugaucc ggauggucuu guaccuuguu cuccaacgug ucagucgaaa ugguuggacg 660 agggcaaagu accuguccac acucauuaca gucaugaugg cacuacaggc aaauugguua 720 caaguaucca gggaugugau gauggugcag agaggcc 757 <210> 6 <211> 19 <212> PRT <213> Human <223> The 7th cystein residue binds with the 16th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 6 Asp Phe Asp Met Leu Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys 1 5 10 15 Trp Gln Val 19 <210> 7 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 atgaatccat ttcatgcatc ttgt 24 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 8 ctaaaagtgt gatttcagag tgttt 25 <210> 9 <211> 1023 <212> DNA <213> Human <400> 9 atgaatccat ttcatgcatc ttgttggaac acctctgccg aacttttaaa caaatcctgg 60 aataaagagt ttgcttatca aactgccagt gtggtagata cagtcatcct cccttccatg 120 attgggatta tctgttcaac agggctggtt ggcaacatcc tcattgtatt cactataata 180 agatccagga aaaaaacagt ccctgacatc tatatctgca acctggctgt ggctgatttg 240 gtccacatag ttggaatgcc ttttcttatt caccaatggg cccgaggggg agagtgggtg 300 tttggggggc ctctctgcac catcatcaca tccctggata cttgtaacca atttgcctgt 360 agtgccatca tgactgtaat gagtgtggac aggtactttg ccctcgtcca accatttcga 420 ctgacacgtt ggagaacaag gtacaagacc atccggatca atttgggcct ttgggcagct 480 tcctttatcc tggcattgcc tgtctgggtc tactcgaagg tcatcaaatt taaagacggt 540 gttgagagtt gtgcttttga tttgacatcc cctgacgatg tactctggta tacactttat 600 ttgacgataa caactttttt tttccctcta cccttgattt tggtgtgcta tattttaatt 660 ttatgctata cttgggagat gtatcaacag aataaggatg ccagatgctg caatcccagt 720 gtaccaaaac agagagtgat gaagttgaca aagatggtgc tggtgctggt ggtagtcttt 780 atcctgagtg ctgcccctta tcatgtgata caactggtga acttacagat ggaacagccc 840 acactggcct tctatgtggg ttattacctc tccatctgtc tcagctatgc cagcagcagc 900 attaaccctt ttctctacat cctgctgagt ggaaatttcc agaaacgtct gcctcaaatc 960 caaagaagag cgactgagaa ggaaatcaac aatatgggaa acactctgaa atcacacttt 1020 tag 1023 <210> 10 <211> 18 <212> PRT <213> Human <223> The 6th cystein residue binds with the 15th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 10 Phe Asp Met Leu Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp 1 5 10 15 Gln Val 18 <210> 11 <211> 17 <212> PRT <213> Human <223> The 5th cystein residue binds with the 14th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 11 Asp Met Leu Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp Gln 1 5 10 15 Val 17 <210> 12 <211> 16 <212> PRT <213> Human <223> The 4th cystein residue binds with the 13th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 12 Met Leu Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp Gln Val 1 5 10 15 16 <210> 13 <211> 15 <212> PRT <213> Human <223> The 3rd cystein residue binds with the 12th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 13 Leu Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp Gln Val 1 5 10 15 <210> 14 <211> 14 <212> PRT <213> Human <223> The 2nd cystein residue binds with the 11th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 14 Arg Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp Gln Val 1 5 10 <210> 15 <211> 13 <212> PRT <213> Human <223> The 1st cystein residue binds with the 10th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 15 Cys Met Leu Gly Arg Val Tyr Arg Pro Cys Trp Gln Val 1 5 10 <210> 16 <211> 353 <212> PRT <213> Rat <400> 16 Met Asp Leu Gln Thr Ser Leu Leu Ser Thr Gly Pro Asn Ala Ser Asn 1 5 10 15 Ile Ser Asp Gly Gln Asp Asn Leu Thr Leu Pro Gly Ser Pro Pro Arg 20 25 30 Thr Gly Ser Val Ser Tyr Ile Asn Ile Ile Met Pro Ser Val Phe Gly 35 40 45 Thr Ile Cys Leu Leu Gly Ile Val Gly Asn Ser Thr Val Ile Phe Ala 50 55 60 Val Val Lys Lys Ser Lys Leu His Trp Cys Ser Asn Val Pro Asp Ile 65 70 75 80 Phe Ile Ile Asn Leu Ser Val Val Asp Leu Leu Phe Leu Leu Gly Met 85 90 95 Pro Phe Met Ile His Gln Leu Met Gly Asn Gly Val Trp His Phe Gly 100 105 110 Glu Thr Met Cys Thr Leu Ile Thr Ala Met Asp Ala Asn Ser Gln Phe 115 120 125 Thr Ser Thr Tyr Ile Leu Thr Ala Met Thr Ile Asp Arg Tyr Leu Ala 130 135 140 Thr Val His Pro Ile Ser Ser Thr Lys Phe Arg Lys Pro Ser Met Ala 145 150 155 160 Thr Leu Val Ile Cys Leu Leu Trp Ala Leu Ser Phe Ile Ser Ile Thr 165 170 175 Pro Val Trp Leu Tyr Ala Arg Leu Ile Pro Phe Pro Gly Gly Ala Val 180 185 190 Gly Cys Gly Ile Arg Leu Pro Asn Pro Asp Thr Asp Leu Tyr Trp Phe 195 200 205 Thr Leu Tyr Gln Phe Phe Leu Ala Phe Ala Leu Pro Phe Val Val Ile 210 215 220 Thr Ala Ala Tyr Val Lys Ile Leu Gln Arg Met Thr Ser Ser Val Ala 225 230 235 240 Pro Ala Ser Gln Arg Ser Ile Arg Leu Arg Thr Lys Arg Val Thr Arg 245 250 255 Thr Ala Ile Ala Ile Cys Leu Val Phe Phe Val Cys Trp Ala Pro Tyr 260 265 270 Tyr Val Leu Gln Leu Thr Gln Leu Ser Ile Ser Arg Pro Thr Leu Thr 275 280 285 Phe Val Tyr Leu Tyr Asn Ala Ala Ile Ser Leu Gly Tyr Ala Asn Ser 290 295 300 Cys Leu Asn Pro Phe Val Tyr Ile Val Leu Cys Glu Thr Phe Arg Lys 305 310 315 320 Arg Leu Val Leu Ser Val Lys Pro Ala Ala Gln Gly Gln Leu Arg Thr 325 330 335 Val Ser Asn Ala Gln Thr Ala Asp Glu Glu Arg Thr Glu Ser Lys Gly 340 345 350 Thr <210> 17 <211> 422 <212> PRT <213> Human <400> 17 Met Ser Val Gly Ala Met Lys Lys Gly Val Gly Arg Ala Val Gly Leu 1 5 10 15 Gly Gly Gly Ser Gly Cys Gln Ala Thr Glu Glu Asp Pro Leu Pro Asn 20 25 30 Cys Gly Ala Cys Ala Pro Gly Gln Gly Gly Arg Arg Trp Arg Leu Pro 35 40 45 Gln Pro Ala Trp Val Glu Gly Ser Ser Ala Arg Leu Trp Glu Gln Ala 50 55 60 Thr Gly Thr Gly Trp Met Asp Leu Glu Ala Ser Leu Leu Pro Thr Gly 65 70 75 80 Pro Asn Ala Ser Asn Thr Ser Asp Gly Pro Asp Asn Leu Thr Ser Ala 85 90 95 Gly Ser Pro Pro Arg Thr Gly Ser Ile Ser Tyr Ile Asn Ile Ile Met 100 105 110 Pro Ser Val Phe Gly Thr Ile Cys Leu Leu Gly Ile Ile Gly Asn Ser 115 120 125 Thr Val Ile Phe Ala Val Val Lys Lys Ser Lys Leu His Trp Cys Asn 130 135 140 Asn Val Pro Asp Ile Phe Ile Ile Asn Leu Ser Val Val Asp Leu Leu 145 150 155 160 Phe Leu Leu Gly Met Pro Phe Met Ile His Gln Leu Met Gly Asn Gly 165 170 175 Val Trp His Phe Gly Glu Thr Met Cys Thr Leu Ile Thr Ala Met Asp 180 185 190 Ala Asn Ser Gln Phe Thr Ser Thr Tyr Ile Leu Thr Ala Met Ala Ile 195 200 205 Asp Arg Tyr Leu Ala Thr Val His Pro Ile Ser Ser Thr Lys Phe Arg 210 215 220 Lys Pro Ser Val Ala Thr Leu Val Ile Cys Leu Leu Trp Ala Leu Ser 225 230 235 240 Phe Ile Ser Ile Thr Pro Val Trp Leu Tyr Ala Arg Leu Ile Pro Phe 245 250 255 Pro Gly Gly Ala Val Gly Cys Gly Ile Arg Leu Pro Asn Pro Asp Thr 260 265 270 Asp Leu Tyr Trp Phe Thr Leu Tyr Gln Phe Phe Leu Ala Phe Ala Leu 275 280 285 Pro Phe Val Val Ile Thr Ala Ala Tyr Val Arg Ile Leu Gln Arg Met 290 295 300 Thr Ser Ser Val Ala Pro Ala Ser Gln Arg Ser Ile Arg Leu Arg Thr 305 310 315 320 Lys Arg Val Thr Arg Thr Ala Ile Ala Ile Cys Leu Val Phe Phe Val 325 330 335 Cys Trp Ala Pro Tyr Tyr Val Leu Gln Leu Thr Gln Leu Ser Ile Ser 340 345 350 Arg Pro Thr Leu Thr Phe Val Tyr Leu Tyr Asn Ala Ala Ile Ser Leu 355 360 365 Gly Tyr Ala Asn Ser Cys Leu Asn Pro Phe Val Tyr Ile Val Leu Cys 370 375 380 Glu Thr Phe Arg Lys Arg Leu Val Leu Ser Val Lys Pro Ala Ala Gln 385 390 395 400 Gly Gln Leu Arg Ala Val Ser Asn Ala Gln Thr Ala Asp Glu Glu Arg 405 410 415 Thr Glu Ser Lys Gly Thr 420 <210> 18 <211> 1074 <212> DNA <213> Rat <400> 18 gtcgacatgg atctgcaaac ctcgttgctg tccactggcc ccaatgccag caacatctcc 60 gatggccagg ataatctcac attgccgggg tcacctcctc gcacagggag tgtctcctac 120 atcaacatca ttatgccttc cgtgtttggt accatctgtc tcctgggcat cgtgggaaac 180 tccacggtca tctttgctgt ggtgaagaag tccaagctac actggtgcag caacgtcccc 240 gacatcttca tcatcaacct ctctgtggtg gatctgctct tcctgctggg catgcctttc 300 atgatccacc agctcatggg gaacggcgtc tggcactttg gggaaaccat gtgcaccctc 360 atcacagcca tggacgccaa cagtcagttc actagcacct acatcctgac tgccatgacc 420 attgaccgct acttggccac cgtccacccc atctcctcca ccaagttccg gaagccctcc 480 atggccaccc tggtgatctg cctcctgtgg gcgctctcct tcatcagtat cacccctgtg 540 tggctctacg ccaggctcat tcccttccca gggggtgctg tgggctgtgg catccgcctg 600 ccaaacccgg acactgacct ctactggttc actctgtacc agtttttcct ggcctttgcc 660 cttccgtttg tggtcattac cgccgcatac gtgaaaatac tacagcgcat gacgtcttcg 720 gtggccccag cctcccaacg cagcatccgg cttcggacaa agagggtgac ccgcacggcc 780 attgccatct gtctggtctt ctttgtgtgc tgggcaccct actatgtgct gcagctgacc 840 cagctgtcca tcagccgccc gaccctcacg tttgtctact tgtacaacgc ggccatcagc 900 ttgggctatg ctaacagctg cctgaacccc tttgtgtaca tagtgctctg tgagaccttt 960 cgaaaacgct tggtgttgtc agtgaagcct gcagcccagg ggcagctccg cacggtcagc 1020 aacgctcaga cagctgatga ggagaggaca gaaagcaaag gcacctgaac tagt 1074 <210> 19 <211> 1275 <212> DNA <213> Human <400> 19 taggtgatgt cagtgggagc catgaagaag ggagtgggga gggcagttgg gcttggaggc 60 ggcagcggct gccaggctac ggaggaagac ccccttccca actgcggggc ttgcgctccg 120 ggacaaggtg gcaggcgctg gaggctgccg cagcctgcgt gggtggaggg gagctcagct 180 cggttgtggg agcaggcgac cggcactggc tggatggacc tggaagcctc gctgctgccc 240 actggtccca acgccagcaa cacctctgat ggccccgata acctcacttc ggcaggatca 300 cctcctcgca cggggagcat ctcctacatc aacatcatca tgccttcggt gttcggcacc 360 atctgcctcc tgggcatcat cgggaactcc acggtcatct tcgcggtcgt gaagaagtcc 420 aagctgcact ggtgcaacaa cgtccccgac atcttcatca tcaacctctc ggtagtagat 480 ctcctctttc tcctgggcat gcccttcatg atccaccagc tcatgggcaa tggggtgtgg 540 cactttgggg agaccatgtg caccctcatc acggccatgg atgccaatag tcagttcacc 600 agcacctaca tcctgaccgc catggccatt gaccgctacc tggccactgt ccaccccatc 660 tcttccacga agttccggaa gccctctgtg gccaccctgg tgatctgcct cctgtgggcc 720 ctctccttca tcagcatcac ccctgtgtgg ctgtatgcca gactcatccc cttcccagga 780 ggtgcagtgg gctgcggcat acgcctgccc aacccagaca ctgacctcta ctggttcacc 840 ctgtaccagt ttttcctggc ctttgccctg ccttttgtgg tcatcacagc cgcatacgtg 900 aggatcctgc agcgcatgac gtcctcagtg gcccccgcct cccagcgcag catccggctg 960 cggacaaaga gggtgacccg cacagccatc gccatctgtc tggtcttctt tgtgtgctgg 1020 gcaccctact atgtgctaca gctgacccag ttgtccatca gccgcccgac cctcaccttt 1080 gtctacttat acaatgcggc catcagcttg ggctatgcca acagctgcct caaccccttt 1140 gtgtacatcg tgctctgtga gacgttccgc aaacgcttgg tcctgtcggt gaagcctgca 1200 gcccaggggc agcttcgcgc tgtcagcaac gctcagacgg ctgacgagga gaggacagaa 1260 agcaaaggca cctga 1275
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト海馬由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋
白質hSLTをコードするDNAの塩基配列、およびそれから
推定されるアミノ酸配列を示す。
【図2】種々の濃度のMCHのヒトSLT発現CHO細胞に対す
るcAMP合成抑制活性を示す図を示す。
【図3】ボルトン−ハンター試薬を用いて作製した[125
I]-標識MCH(4-19)のヒトSLT発現CHO細胞から調製した細
胞膜画分に対する特異的結合を示す図を示す。3種類の
発現細胞のクローン(#1, 26, 36)の膜画分について測
定した。
【図4】ヒトSLT発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を
用いた、ボルトン−ハンター試薬を用いて作製した[125
I]-標識MCH(4-19)に対するMCHおよびそのアミノ末端短
縮体であるMCH(4-19)の結合阻害活性を示す図を示す。
【図5】FLIPRを用いて測定した種々の濃度のMCHのヒト
SLT発現CHO細胞に対する細胞内Caイオン上昇活性を示す
図を示す。
【図6】種々の濃度のMCHが示すヒトSLT発現CHO細胞に
対するアラキドン酸代謝物放出活性を示す図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 美穂子 茨城県つくば市東2丁目14番地5 仕黒マ ンション201号 (72)発明者 周郷 司 茨城県つくば市花畑2丁目7番地26 テク ノタウン筑波301号 (72)発明者 新谷 靖 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ703号 Fターム(参考) 2G045 BB05 BB10 BB14 BB20 BB46 BB48 BB50 BB51 FB06 FB08 4C084 AA17 NA14 ZA702 ZC422

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メラニン凝集ホルモン(MCH)もしくは
    その誘導体またはその塩および配列番号:3で表される
    タンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を
    用いることを特徴とするMCHまたはその塩と配列番
    号:3で表されるタンパク質もしくはその塩、またはそ
    の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ
    の塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】さらにSLC−1またはその塩、またはそ
    の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩を用いることを特徴とする請求項1記載
    のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】MCHもしくはその誘導体またはその塩お
    よび配列番号:3で表されるタンパク質もしくはその
    塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とす
    るMCHまたはその塩と配列番号:3で表されるタンパ
    ク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合
    性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用
    キット。
  4. 【請求項4】さらにSLC−1またはその塩、またはそ
    の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩を含有することを特徴とする請求項3記
    載のスクリーニング用キット。
  5. 【請求項5】請求項1記載のスクリーニング方法または
    請求項3記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
    うる、MCHまたはその塩と配列番号:3で表されるタ
    ンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドもし
    くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との
    結合性を変化させる化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】請求項5記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
  7. 【請求項7】抗肥満薬である請求項6記載の医薬。
  8. 【請求項8】MCHが配列番号:6で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するペプチドである請求項1記載のスクリーニング方
    法。
  9. 【請求項9】MCHが配列番号:6で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するペプチドである請求項3記載のスクリーニング用キ
    ット。
  10. 【請求項10】誘導体が配列番号:6で表されるアミノ
    酸配列のN末端から第5番目ないし第19番目の配列を
    含有するペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
    テルである請求項1記載のスクリーニング方法。
  11. 【請求項11】誘導体が配列番号:6で表されるアミノ
    酸配列のN末端から第5番目ないし第19番目の配列を
    含有するペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
    テルである請求項3記載のスクリーニング用キット。
  12. 【請求項12】誘導体がボルトンハンター試薬により誘
    導されたMCHまたはボルトンハンター試薬により誘導
    された配列番号:6で表されるアミノ酸配列のN末端か
    ら第5番目ないし第19番目の配列を含有するペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルである請求項
    1記載のスクリーニング方法。
  13. 【請求項13】誘導体がボルトンハンター試薬により誘
    導されたMCHまたはボルトンハンター試薬により誘導
    された配列番号:6で表されるアミノ酸配列のN末端か
    ら第5番目ないし第19番目の配列を含有するペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルである請求項
    3記載のスクリーニング用キット。
  14. 【請求項14】MCHもしくはその誘導体またはその塩
    が[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プ
    ロピオニル)-Met4]-MCH(4-19)またはその塩である請求
    項1記載のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】MCHもしくはその誘導体またはその塩
    が[125I]-[N-(3-(4-ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)プ
    ロピオニル)-Met4]-MCH(4-19)またはその塩である請求
    項3記載のスクリーニング用キット。
  16. 【請求項16】MCHもしくはその誘導体またはその
    塩;SLC−1またはその塩、またはその部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩;および配列番号:3で表されるタンパク質もしく
    はその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴
    とする、 1)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、 2)(i)SLC−1またはその塩、またはその部分ペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    その塩;および/または(ii)配列番号:3で表される
    タンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と
    の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  17. 【請求項17】MCHもしくはその誘導体またはその塩
    と、配列番号:3で表されるタンパク質もしくはその
    塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩との結合性を選択的に変化
    させる化合物またはその塩をスクリーニングすることを
    特徴とする請求項16記載のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】MCHもしくはその誘導体またはその塩
    と、SLC−1またはその塩、またはその部分ペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
    との結合性を選択的に変化させる化合物またはその塩を
    スクリーニングすることを特徴とする請求項16記載の
    スクリーニング方法。
  19. 【請求項19】MCHもしくはその誘導体またはその塩
    と、(i)配列番号:3で表されるタンパク質もしくは
    その塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩および(ii)SLC−
    1またはその塩、またはその部分ペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を
    選択的に変化させる化合物またはその塩をスクリーニン
    グすることを特徴とする請求項16記載のスクリーニン
    グ方法。
  20. 【請求項20】MCHもしくはその誘導体またはその
    塩;SLC−1またはその塩、またはその部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩;および配列番号:3で表されるタンパク質もしく
    はその塩、またはその部分ペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特
    徴とする、 1)MCHもしくはその誘導体またはその塩と、 2)(i)SLC−1またはその塩、またはその部分ペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    その塩;および/または(ii)配列番号:3で表される
    タンパク質もしくはその塩、またはその部分ペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と
    の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
    ング用キット。
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