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JP2001309792A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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Publication number
JP2001309792A
JP2001309792A JP2000361017A JP2000361017A JP2001309792A JP 2001309792 A JP2001309792 A JP 2001309792A JP 2000361017 A JP2000361017 A JP 2000361017A JP 2000361017 A JP2000361017 A JP 2000361017A JP 2001309792 A JP2001309792 A JP 2001309792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neuromedin
amino acid
seq
salt
leu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000361017A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniji Hinuma
州司 日沼
Masaki Hosoya
昌樹 細谷
Yuji Kawamata
裕二 川俣
Masashi Fukuzumi
昌司 福住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000361017A priority Critical patent/JP2001309792A/ja
Publication of JP2001309792A publication Critical patent/JP2001309792A/ja
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高血圧症、ストレス性疾患の予防・治療薬のス
クリーニング方法などの提供。 【解決手段】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
はその塩およびFM−3またはその塩を用いることを特
徴とするニューロメジンUまたはその塩とFM−3また
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法など。 【効果】本発明のニューロメジンUもしくはその誘導体
またはその塩およびFM−3またはその塩を用いること
を特徴とするニューロメジンUまたはその塩とFM−3
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法は、高血圧症、ストレス性疾患
等の予防・治療薬などをスクリーニングするために用い
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーファンレセプ
ター蛋白質であるFM−3(Tan, C.P. et al.,Genomic
s 52, 223-229, 1998など)またはその塩とニューロメ
ジンU(Minamino, N. et al., Biochem. Biophys. Re
s. Commun. 130, 1078-1085, 1985など)もしくはその
誘導体またはその塩を用いることを特徴とする高血圧
症、ストレス性疾患の予防・治療薬または食欲調節剤な
どのスクリーニング方法などに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
guanine nucleotide-binding protein(以下、G蛋白質
と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシグ
ナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共通し
た構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプタ
ーあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。この
ようなホルモンや神経伝達物質とG蛋白質共役型レセプ
ターとの相互作用を通じて生体のホメオスタシスの維
持、生殖、個体の発達、代謝、成長、神経系、循環器
系、免疫系、消化器系、代謝系の調節、感覚受容などの
生体にとって重要な機能調節が行われている。このよう
に生体機能の調節には様々なホルモンや神経伝達物質に
対するレセプター蛋白質が存在し、その機能調節に重要
な役割を果たしていることがわかっているが、未知の作
用物質(ホルモンや神経伝達物質など)およびそれに対
するレセプターが存在するかどうかについては未だ不明
なことが多い。近年、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
がその構造の一部にアミノ酸配列の類似性を示すことを
利用して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Pol
ymerase Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法
によって新規レセプター蛋白質をコードするDNAを探
索する方法が行われるようになり、数多くの、リガンド
が不明ないわゆるオーファンG蛋白質共役型レセプター
蛋白質がクローニングされている(Libert, F., et al.
Science, 244, 569-572, 1989, Welch, S.K., etal., B
iochem. Biophys. Res. Commun., 209, 606-613, 1995,
Marchese, A.,et al., Genomics, 23, 609-618, 1994,
Marchese, A., Genomics, 29, 335-344, 1995)。ま
た、ゲノムDNAあるいはcDNAのランダムな配列決
定によっても、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質が
次々と見出されている(Nomura, N.,et al., DNA Resear
ch 1巻、27-35頁、1994年)。これらのオーファンG蛋
白質共役型レセプター蛋白質のリガンドを決定する一般
的な手段としては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
一次構造上の類似性から推定するしかなかった。しか
し、多くのオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質
は既知のレセプターとのホモロジーが低いものが多く、
実際は既知リガンドのレセプターサブタイプである場合
を除いては一次構造上の類似性だけでそのリガンドを推
定することは困難であった。一方、遺伝子解析から多く
のオーファンG蛋白質共役型レセプターがみつかってい
ることから対応する未知のリガンドがまだ数多く存在し
ていることが推定されているが、これまで実際にオーフ
ァンG蛋白質共役型レセプターのリガンドを同定した例
は数少ない。FM−3はgrowth hormone secretagogues
(GHSs)受容体(GHS-R)およびニューロテンシン受容体(N
T-R)に類似の受容体として取得された7回膜貫通型の受
容体であり、アミノ酸配列の一致度(identity)として
は、GHS-Rに対して33%、NT-Rtype1に対して29%と報告さ
れている (Tan, C.P.et al., Genomics 52, 223-229, 1
998)。GHS-Rに類似の受容体としては、他にGPR38、GPR3
9などが報告されており(McKee, K.K. et al., Genomic
s 46, 426-434, 1997)、これらを合わせて一種の受容
体ファミリーを形成していると考えられる。さて、一般
に構造の類似する受容体間でリガンドが互いに交差反応
を示す場合があるが、FM−3を導入し、細胞膜上に当
該受容体が発現していることを確認したHEK-293細胞に
対しては、標識化したMK-0677(GHSsの一種)およびニ
ューロテンシンはいずれも結合しないと報告されている
(Tan, C.P.et al., Genomics52, 223-229, 1998)。ま
た、エンドセリン、VIP (vasoactive intestinal pepti
de)、ガストリン、成長ホルモン放出ホルモン(GH-RH)、
ソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TR
H)、カルシトニン、ガラニン等のペプチドについて検討
したが、細胞内カルシウムイオンの遊離を指標としたア
ッセイにおいてFM−3の活性化は検出されなかった
( Tan, C.P.et al., Genomics 52, 223-229, 1998)。
このように、これまでFM−3の内因性のリガンドに対
する知見は全く得られていなかった。一方、ニューロメ
ジンUはラットの子宮平滑筋収縮活性を指標とし、ブタ
の脊髄より単離・精製されたペプチドで、8アミノ酸残
基からなるニューロメジンU-8および25アミノ酸残
基からなるニューロメジンU-25の2種が最初に報告
されている(Minamino, N. et al., Biochem. Biophys.
Res. Commun. 130, 1078-1085, 1985)。ニューロメジ
ンU-8の配列はニューロメジンU-25のC末端部分に
一致し、その上流にはプロセッシングによって切断を受
ける部位によく見られるような塩基性アミノ酸ペアが存
在することから、両者は共通の前駆体に由来するものと
考えられる。さて、平滑筋収縮作用の他にもニューロメ
ジンUの生理作用は広く知られており、例えば、血圧上
昇(Minamino, N. et al.)、内臓の血流量の低下(Sum
i, S. et al., Life Sci. 41, 1585-1590, 1987)、腸
管におけるイオン輸送の調節(Brown, D.R. and Quito,
F.L., Eur. J. Pharmacol.155, 159-162, 1988)、皮
下投与後のACTHおよびそれに引き続くコルチコステロン
の上昇(Malendowicz, L.K. et al., In Vivo, 7, 419-
422, 1993)などが報告されている。一般に生理活性ペ
プチドはその作用を特異的な受容体を介して発揮するこ
とから、受容体の性状・分布等を知ることはその作用の
メカニズムを明らかにする上で重要であるが、ニューロ
メジンUの受容体はこれまで知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでFM−3のリ
ガンドは不明であったが、FM−3を介した生理作用の
解明およびそれに基づく医薬の開発のためには、FM−
3の内因性のリガンド、あるいはアゴニスト、アンタゴ
ニストが必要であった。また、これまでニューロメジン
Uの受容体は不明であったが、ニューロメジンUの生理
的役割をさらに明らかにし、その機構を活性化、あるい
は修飾、阻害する化合物をスクリーニングして新たな医
薬を開発するためには、受容体の構造を明らかにする必
要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、FM−3発
現CHO細胞に対してニューロメジンUが特異的な細胞刺
激活性を有することを見出した。さらに、ラット型新規
FM−3のcDNAを単離し、その全塩基配列を解析す
ることに成功した。これらの知見に基づいてさらに検討
を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)ニューロメジ
ンUもしくはその誘導体またはその塩およびFM−3ま
たはその塩を用いることを特徴とするニューロメジンU
またはその塩とFM−3またはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(2)ニューロメジンUもしくはその誘導体またはその
塩およびFM−3またはその塩を含有することを特徴と
するニューロメジンUまたはその塩とFM−3またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング用キット、(3)上記(1)記載のスクリー
ニング方法または上記(2)記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られうる、ニューロメジンUまたはその
塩とFM−3またはその塩との結合性を変化させる化合
物またはその塩、(4)上記(3)記載の化合物または
その塩を含有してなる医薬、(5)高血圧症またはスト
レス性疾患の予防・治療薬である上記(4)記載の医
薬、(6)上記(3)記載の化合物またはその塩を含有
してなる食欲調節剤、(7)ニューロメジンUが配列番
号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドである上記
(1)記載のスクリーニング方法または上記(2)記載
のスクリーニング用キット、(8)FM−3が配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質である上記(1)
記載のスクリーニング方法または上記(2)記載のスク
リーニング用キット、(9)配列番号:19で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号:19で表わされるアミ
ノ酸配列に1個以上30個以下のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:19で表わされるアミノ酸配
列中の1個以上30個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で
置換されたアミノ酸配列、または配列番号:19で表
わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下のアミノ酸
が付加し、かつ配列番号:19で表わされるアミノ酸配
列中の1個以上30個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で
置換されたアミノ酸配列を含有することを特徴とする蛋
白質またはその塩、
【0006】(10)上記(9)記載の蛋白質をコード
するDNAを含有するDNA、(11)配列番号:20
で表される塩基配列を有する上記(10)記載のDN
A、(12)上記(10)記載のDNAを含有する組換
えベクター、(13)上記(12)記載の組換えベクタ
ーで形質転換させた形質転換体、(14)上記(13)
記載の形質転換体を培養し、上記(9)記載の蛋白質を
生成せしめることを特徴とする上記(9)記載の蛋白質
またはその塩の製造法、および(15)上記(9)記載
の蛋白質またはその塩に対する抗体などを提供するもの
である。本発明におけるFM−3に関して、具体的に
は、上述のFM−3またはその塩などがあげられるのみ
ならず、(16)配列番号:3または配列番号:19で
表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質であるFM−3またはそ
の塩、または(17)配列番号:1、配列番号:3また
は配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以
上30個以下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1、配列番号:
3または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列に1
個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下のア
ミノ酸が付加した(または挿入された)アミノ酸配列、
あるいは配列番号:1、配列番号:3または配列番号:
19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個以
下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他のア
ミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質であ
るFM−3またはその塩などがあげられる。また、本発
明におけるニューロメジンUに関して、具体的には、上
述のニューロメジンUまたはその塩などがあげられるの
みならず、(18)配列番号:5、配列番号:6、配列
番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:1
0、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14
または配列番号:15で表わされるアミノ酸配列を含有
するペプチドであるニューロメジンUもしくはその誘導
体またはその塩などがあげられる。また、本発明のニュ
ーロメジンUはそのC末端アミノ酸残基のカルボキシル
基がアミド化されたものが好ましい。本発明におけるラ
ット型FM−3に関しては、配列番号:19で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号:19で表わされるアミ
ノ酸配列に1個以上30個以下、好ましくは1個以上1
0個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個
以下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または配列番
号:19で表わされるアミノ酸配列に1個以上30個以
下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が付加
し、かつ配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の
1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含
有する蛋白質であるラット型FM−3またはその塩など
があげられる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるFM−3(上
記のラット型FM−3も含む)またはその塩(以下、単
にFM−3と略称する場合がある)およびニューロメジ
ンUもしくはその誘導体またはその塩(以下、単にニュ
ーロメジンUと略称する場合がある)の製造法を以下に
さらに詳細に説明する。本発明で用いられるFM−3お
よびニューロメジンUとしては、温血動物(例えば、ヒ
ト、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サル、イヌ、ニワトリなど)、両生類(例えば、カ
エルなど)および魚類などのあらゆる組織(たとえば、
下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆の
う、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓
など)または細胞などに由来する蛋白質((ポリ)ペプ
チド)であって、FM−3としては、配列番号:1、ニ
ューロメジンUとしては配列番号:11で表わされるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する蛋白質((ポリ)ペプチド)であれば如何な
るものであってもよい。例えば、本発明のFM−3とし
ては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有す
る蛋白質などの他に、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質
と実質的に同質の活性を有する蛋白質などがあげられ
る。該「実質的に同一」とは、例えば、リガンド(ニュ
ーロメジンU)と受容体(FM−3)の結合活性、生理
的な特性などが、実質的に同じことを意味する。アミノ
酸の置換、欠失、付加あるいは挿入はしばしばポリペプ
チドの生理的な特性や化学的な特性に大きな変化をもた
らさないが、こうした場合その置換、欠失、付加あるい
は挿入を施された蛋白質((ポリ)ペプチド))(いわ
ゆるニューロメジンU改変体、FM−3改変体など)
は、そうした置換、欠失、付加あるいは挿入のされてい
ないものと実質的に同一であるとされるであろう。該ア
ミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物として
は、たとえばそのアミノ酸が属するところのクラスのう
ち他のアミノ酸類から選ぶことができる。非極性(疎水
性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイ
シン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプト
ファン、メチオニンなどがあげられる。極性(中性)ア
ミノ酸としてはグリシン、セリン、スレオニン、システ
イン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどがあげ
られる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としてはアル
ギニン、リジン、ヒスチジンなどがあげられる。負電荷
をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸などがあげられる。
【0008】したがって、受容体結合活性の強さなどの
強弱、蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていても
よい。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有す
る蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質として具
体的には、例えば、配列番号:3で表されるアミノ酸配
列を含有するタンパク質、配列番号:19で表されるア
ミノ酸配列を含有するタンパク質などがあげられる。一
方、本発明のニューロメジンUとしては、配列番号:1
1で表わされるアミノ酸配列を含有する(ポリ)ペプチ
ドなどの他に、配列番号:11で表わされるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する(ポリ)ペ
プチドと実質的に同質の活性を有する(ポリ)ペプチド
などがあげられる。実質的に同質の活性としては、例え
ばレセプター結合活性などがあげられる。実質的に同質
とは、レセプター結合活性などが性質的に同質であるこ
とを示す。したがって、レセプター結合活性の強さなど
の強弱、(ポリ)ペプチドの分子量などの量的要素は異
なっていてもよい。配列番号:11で表されるアミノ酸
配列を含有する(ポリ)ペプチドと実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する(ポリ)ペプチドとして具体的に
は、例えば、配列番号:5で表されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチド、配列番号:6で表されるアミノ酸
配列を含有するポリペプチド、配列番号:7で表される
アミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:8で
表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番
号:9で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ド、配列番号:10で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチド、配列番号:11で表されるアミノ酸配列
を含有するポリペプチド、配列番号:12で表されるア
ミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:13で
表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番
号:14で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ド、および配列番号:15で表されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチドなどがあげられる。本明細書におけ
るFM−3およびニューロメジンUはペプチド標記の慣
例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端
(カルボキシル末端)である。例えば、配列番号:1ま
たは配列番号:11で表されるアミノ酸配列などを含有
する蛋白質または(ポリ)ペプチドはC末端が通常カル
ボキシル基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)で
あるが、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-CO
OR)であってもよい。エステルのRとしては、例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn
−ブチルなどのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シ
クロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、ベンジル、
フェネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2
ルキル、もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチ
ル−C1-2アルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、
経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチ
ル基などがあげられる。本発明で用いられるニューロメ
ジンUとしてはC末端がアミド(-CONH2)であるものが
好ましい。
【0009】本発明で用いられるFM−3およびニュー
ロメジンUの塩としては、生理学的に許容される塩基
(例えばアルカリ金属など)や酸(有機酸、無機酸)と
の塩が用いられるが、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。このような塩としては例えば無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で
用いられるFM−3およびニューロメジンUは、公知の
方法(例、FEBS Letters 398 (1996) 253-258、WO 96/1
8651号公報記載の方法)に準じた方法、即ち、ヒトや温
血動物の組織または細胞からポリペプチドを精製する方
法によって製造することもできるし、後述の蛋白質(ペ
プチド)合成法に準じて製造することもできる。また、
後述する蛋白質(ペプチド)をコードするDNAを含有
する形質転換体を培養することによっても製造すること
ができる。ヒト、温血動物、両生類、魚類などの組織ま
たは細胞から製造する場合、ヒト、温血動物、両生類、
魚類などの組織または細胞をホモジナイズした後、酸、
有機溶媒などで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、
ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなど
のクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単
離することができる。上記したように本発明で用いられ
るFM−3およびニューロメジンUは、自体公知の蛋白
質((ポリ)ペプチド)の合成法に従って、あるいはF
M−3および/またはニューロメジンUを含有する蛋白
質((ポリ)ペプチド)を適当なペプチダーゼで切断す
ることによって製造することができる。蛋白質((ポ
リ)ペプチド)の合成法としては、例えば固相合成法、
液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、FM−
3および/またはニューロメジンUを構成し得る部分ペ
プチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成
物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより
目的の蛋白質((ポリ)ペプチド)を製造することがで
きる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては例えば、
以下の〜に記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タ
ンパク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて蛋白質((ポリ)ペプチ
ド)を精製単離することができる。上記方法で得られる
蛋白質((ポリ)ペプチド)が遊離体である場合は、公
知の方法によって適当な塩に変換することができるし、
逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に
変換することができる。
【0010】FM−3およびニューロメジンUのアミド
体は、アミド形成に適した市販のペプチド合成用樹脂を
用いることができる。そのような樹脂としては例えば、
クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒド
リルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキ
シベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリル
アミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフ
ェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹
脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメ
チル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェ
ニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげる
ことができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と
側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペ
プチドの配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、
樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質
((ポリ)ペプチド)を切り出すと同時に各種保護基を
除去し、必要に応じて高希釈溶液中で分子内ジスルフィ
ド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質((ポリ)ペプ
チド)を取得する。上記した保護されたアミノ酸の縮合
に関しては、蛋白質((ポリ)ペプチド)合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としてはDC
C、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-
(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどがあ
げられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBT、HOOBTなど)とともに保護されたアミノ
酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物または
HOBTエステルあるいはHOOBTエステルとしてあらかじめ
保護されたアミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加
することができる。保護されたアミノ酸の活性化や樹脂
との縮合に用いられる溶媒としては、蛋白質((ポリ)
ペプチド)縮合反応に使用しうることが知られている溶
媒から適宜選択されうる。たとえばN,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタ
ノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなど
のスルホキシド類、ピリジンなどの三級アミン類、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセト
ニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メ
チル、酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適
宜の混合物などが用いられる。反応温度はペプチド結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選
択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5な
いし4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いた
テストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を
行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合
を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が
得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾ
ールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化して、後の反
応に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0011】原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどがあげられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばRとして上
記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C
7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロ
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジ
ル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒド
ラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、
トリチルヒドラジドなどがあげられる。セリンおよびス
レオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテ
ル化によって保護することができる。このエステル化に
適する基としては例えばアセチル基などの低級アルカノ
イル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素から
誘導される基などがあげられる。また、エーテル化に適
する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピ
ラニル基、ターシャリーブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBz
l、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどがあげられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどがあげられる。原料のカルボキ
シル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する
酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえ
ば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノ
ール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコー
ル、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシ
ミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBT)とのエステ
ル]などがあげられる。原料のアミノ基の活性化された
ものとしては、たとえば対応するリン酸アミドなどがあ
げられる。
【0012】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd黒あるいはPd炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元などもあげられる。上記酸
処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度で
行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノー
ル、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-
エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効
である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として
用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処
理により除去され、トリプトファンのインドール保護基
として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオ
ール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理によ
る脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアな
どによるアルカリ処理によっても除去される。原料の反
応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、なら
びにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化
などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しう
る。FM−3およびニューロメジンUのアミド体を得る
別の方法としては、まず、カルボキシル末端アミノ酸の
α−カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側にペ
プチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖の
N末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドと
C末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド
(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記
したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細に
ついては上記と同様である。縮合により得られた保護ペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗蛋白質((ポリ)ペプチド)を得るこ
とができる。この粗蛋白質((ポリ)ペプチド)は既知
の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥
することで所望の蛋白質((ポリ)ペプチド)のアミド
体を得ることができる。FM−3およびニューロメジン
Uのエステル体を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα
−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ
酸エステルとした後、蛋白質((ポリ)ペプチド)のア
ミド体と同様にして所望の蛋白質((ポリ)ペプチド)
のエステル体を得ることができる。
【0013】本発明で用いられるニューロメジンUの誘
導体としては、ニューロメジンUの部分ペプチド、
ニューロメジンUの構成アミノ酸が欠失したペプチド、
構成アミノ酸に他のアミノ酸が付加したペプチド、構成
アミノ酸が他のアミノ酸に置換されたペプチド、または
ニューロメジンU、上記記載の部分ペプチドまたは
上記記載のペプチドが標識化されたものなど、FM−
3との結合能を有するものであれば何れのものであって
もよい。ニューロメジンUの部分ペプチドとして具体的
には、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を有す
るペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩などがあげられる。なかでも、配列番号:1
6で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドのアミド
またはその塩が好ましい。該ニューロメジンUの部分ペ
プチドは、上述のニューロメジンUを適当なペプチダー
ゼで切断することによって製造することができるし、上
記の蛋白質((ポリ)ペプチド)の合成法に従って製造
することができる。ニューロメジンUの部分ペプチドの
アミドまたはエステルも上述のアミド体またはエステル
体の製造方法に準じて製造することができる。さらにニ
ューロメジンUの部分ペプチドの塩としては、上記のF
M−3およびニューロメジンUの塩と同様のものなどが
あげられる。また、ニューロメジンUの構成アミノ酸が
欠失したペプチド、構成アミノ酸に他のアミノ酸が付加
したペプチド、構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換され
たペプチドとしては、配列番号:11で表されるアミノ
酸配列中の1個以上3個以下、好ましくは1個または2
個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、または、配列番
号:11で表されるアミノ酸配列に1個以上3個以下、
好ましくは1個または2個のアミノ酸が付加した(また
は挿入された)アミノ酸配列、あるいは配列番号:11
で表されるアミノ酸配列中の1個以上3個以下、好まし
くは1個または2個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列を含有するペプチドなどがあげられ
る。
【0014】さらに、構成アミノ酸が欠失したペプチ
ド、構成アミノ酸に他のアミノ酸が付加したペプチド、
構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換されたペプチドとし
ては、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配
列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番
号:12、配列番号:13、配列番号:14または配列
番号:15で表わされるアミノ酸配列中の1個以上3個
以下、好ましくは1個または2個のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:5、配列番号:6、配列番
号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:1
0、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14
または配列番号:15で表わされるアミノ酸配列に1個
以上3個以下、好ましくは1個または2個のアミノ酸が
付加した(または挿入された)アミノ酸配列、あるいは
配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番
号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:1
2、配列番号:13、配列番号:14または配列番号:
15で表わされるアミノ酸配列中の1個以上3個以下、
好ましくは1個または2個のアミノ酸が他のアミノ酸で
置換されたアミノ酸配列を含有するペプチドなどもあげ
られる。該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な
置換物としては、たとえばそのアミノ酸が属するところ
のクラスのうち他のアミノ酸類から選ぶことができる。
非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシ
ン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニ
ン、トリプトファン、メチオニンなどがあげられる。極
性(中性)アミノ酸としてはグリシン、セリン、スレオ
ニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミ
ンなどがあげられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸
としてはアルギニン、リジン、ヒスチジンなどがあげら
れる。負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸などがあげられる。ニューロメ
ジンU、上記記載の部分ペプチドまたは上記記載の
ペプチドが標識化されたものとしては、自体公知の方法
で、アイソトープラベル化されたもの、蛍光標識された
もの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、
ビオチン化されたもの、酵素標識されたものなどがあげ
られる。具体的には、例えば公知の方法によって、〔3
H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔 35S〕などで標識され
たニューロメジンUなどを利用することができる。ニュ
ーロメジンUの誘導体の塩としては、上記のFM−3お
よびニューロメジンUの塩と同様のものなどがあげられ
る。本発明で用いられるFM−3をコードするDNAと
しては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質
をコードするDNA、本発明で用いられるニューロメジ
ンUをコードするDNAとしては、配列番号:11で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するペプチドをコードするDNAであ
ればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDN
A、ゲノムDNAライブラリー、前記した組織・細胞由
来のcDNA、前記した組織・細胞由来のcDNAライ
ブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリー
に使用するベクターはバクテリオファージ、プラスミ
ド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよ
い。また、前記した組織・細胞よりRNA画分を調製し
たものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase
Chain Reaction (以下、RT-PCR法と略称する)に
よって増幅することもできる。配列番号:1で表される
アミノ酸配列を含有するFM−3をコードするDNAと
しては、例えば配列番号:2で表される塩基配列を含有
するDNAなどがあげられ、配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列を含有するFM−3をコードするDNAとし
ては、例えば配列番号:4で表される塩基配列を含有す
るDNAなどがあげられる。さらに、配列番号:19で
表されるアミノ酸配列を含有するFM−3をコードする
DNAとしては、例えば配列番号:20で表される塩基
配列を含有するDNAなどがあげられる。
【0015】より具体的には、(1)ストリンジェントな
条件下で、配列番号:1または配列番号:11で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有する蛋白質または(ポリ)ペプチドをコー
ドするDNAの有する配列とハイブリダイズするDN
A、(2)遺伝コードの縮重のため、配列番号:1または
配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質または
(ポリ)ペプチドをコードするDNAの有する配列およ
び(1)に定められている配列とハイブリッド形成しない
が、同一アミノ酸配列をもつ蛋白質または(ポリ)ペプ
チドをコードするDNAなどが用いられる。ハイブリダ
イゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じた
方法に従って行うことができる。上記ストリンジェント
な条件としては、例えば42℃、50%ホルムアミド、
4×SSPE(1×SSPE=150mM NaCl, 10mM NaH2PO
4・H2O, 1mM EDTA pH7.4)、5×デンハート溶液、0.1
%SDSである。本発明で用いられるFM−3またはニ
ューロメジンUをコードするDNAは以下の遺伝子工学
的手法によっても製造することができる。本発明のFM
−3またはニューロメジンUを完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、本発明のポリペプチド
の部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列を有する
合成DNAプライマーを用いて自体公知のPCR法によ
って前記DNAライブラリー等から目的とするDNAを
増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNA
を例えばFM−3またはニューロメジンUをコードする
DNAの塩基配列の一部あるいは全領域を有するDNA
断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイ
ブリダイゼーションによって選別することができる。ハ
イブリダイゼーションの方法は、例えば Molecular Clo
ning(2nd ed.;J. Sambrook et al., Cold Spring Ha
rbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行
われる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添
付の使用説明書に記載の方法に従って行う。
【0016】DNAの塩基配列の変換は、公知のキッ
ト、例えば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA
-LA PCR法やGapped duplex法やKunkel法等の自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化された本発明で用いられるFM−3
またはニューロメジンUをコードするDNAは目的によ
りそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、
リンカーを付加したりして使用することができる。該D
NAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATG
を有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのT
AA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これら
の翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DN
Aアダプターを用いて付加することもできる。本発明で
用いられるFM−3またはニューロメジンUの発現ベク
ターは、例えば、(イ)本発明で用いられるFM−3ま
たはニューロメジンUをコードするDNAから目的とす
るDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な
発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することに
より製造することができる。ベクターとしては、大腸菌
由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,
pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド
(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由
来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファ
ージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワク
シニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルス
などが用いられる。用いられるプロモーターとしては、
遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。形質転換する際の宿
主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモー
ター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネイ
ンプロモーター、ヒートショックプロモーター、サイト
メガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなど
が利用できる。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、
Trpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である
場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADH1プロモーター、GALプロモ
ーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、
ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが
好ましい。発現ベクターには、以上の他に、所望により
エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シ
グナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、
SV40oriと略称する場合がある)などを含有して
いるものを用いることができる。選択マーカーとして
は、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと
略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MT
X)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Ampr
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以
下、Neorと略称する場合がある、G418耐性)等
があげられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を用い
てDHFR遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、
チミジンを含まない培地によっても選択できる。また、
必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、ポリペプ
チドまたはその部分ペプチドのN端末側に付加する。宿
主がエシェリヒア属菌である場合は、phoA・シグナル配
列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌
である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチ
リシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、メイテイングファクターα(MFα)・シグナル配
列、インベルターゼ・シグナル配列など、宿主が動物細
胞である場合には、例えばインシュリン・シグナル配
列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・
シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
【0017】このようにして構築されたFM−3または
ニューロメジンUをコードするDNAを含有するベクタ
ーを用いて、形質転換体を製造することができる。宿主
としては、たとえばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、
酵母、昆虫または昆虫細胞、動物細胞などが用いられ
る。エシェリヒア属菌としては、エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM
103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ,(Nuclei
c Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA
221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー(Journal of Molecular Biology)〕,120巻,5
17(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー,41巻,459(196
9)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),3
9巻,440(1954)〕などが用いられる。バチルス
属菌としては、たとえばバチルス・サチルス(Bacillus
subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(19
83)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,8
7(1984)〕などが用いられる。酵母としては、たと
えばサッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces ce
revisiae)AH22,AH22R-,NA87−11
A,DKD−5D,20B−12などが用いられる。昆
虫としては、例えばカイコの幼虫などが用いられる〔前
田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(19
85)〕。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAc
NPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodopte
ra frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの
中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHig
h FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEs
tigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルス
がBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori
N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞として
は、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細
胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vitr
o),13巻,213−217頁(1977年)〕など
が用いられる。動物細胞としては、たとえばサルCOS
−7細胞,Vero細胞,チャイニーズハムスター細胞C
HO,DHFR遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(dhfr-CHO細胞),マウスL細胞,マウ
ス3T3細胞、マウスミエローマ細胞,ヒトHEK29
3細胞、ヒトFL細胞、293細胞、C127細胞、B
ALB3T3細胞、Sp−2/O細胞などが用いられ
る。エシェリヒア属菌を形質転換するには、たとえばプ
ロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1
972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)
などに記載の方法に従って行なわれる。
【0018】バチルス属菌を形質転換するには、たとえ
ばモレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティック
ス(Molecular & General Genetics),168巻,1
11(1979)などに記載の方法に従って行われる。酵
母を形質転換するには、たとえばプロシージングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイ
ズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci.
USA),75巻,1929(1978)に記載の方法に
従って行なわれる。昆虫細胞または昆虫を形質転換する
には、たとえばバイオ/テクノロジー(Bio/Technolog
y),6巻, 47−55頁(1988年)などに記載の方
法に従って行なわれる。動物細胞を形質転換するには、
たとえばヴィロロジー(Virology),52巻,456
(1973)に記載の方法に従って行なわれる。発現ベク
ターの細胞への導入方法としては、例えば、リポフェク
ション法〔Felgner, P.L. et al. プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of The N
ational Academy of Sciences of The United States o
f America),84巻,7413頁(1987年)〕、
リン酸カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb,
A. J.ヴィロロジー(Virology),52巻,456−4
67頁(1973年)〕、電気穿孔法〔Nuemann, E. et
al. エンボ・ジャーナル(EMBO J.),1巻,841−
845頁(1982年)〕等があげられる。このように
して、本発明で用いられるFM−3またはニューロメジ
ンUをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質
転換された形質転換体が得られる。なお、動物細胞を用
いて、本発明で用いられるFM−3またはニューロメジ
ンUを安定に発現させる方法としては、上記の動物細胞
に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた細胞
をクローン選択によって選択する方法がある。具体的に
は、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を選択
する。さらに、このように選択マーカーを用いて得られ
た動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行なうこ
とにより本発明で用いられるFM−3またはニューロメ
ジンUの高発現能を有する安定な動物細胞株を得ること
ができる。また、dhfr遺伝子を選択マーカーとして
用いた場合、MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株
を選択することにより、dhfr遺伝子とともに、本発
明で用いられるFM−3またはニューロメジンUをコー
ドするDNAを細胞内で増幅させて、さらに高発現の動
物細胞株を得ることもできる。上記の形質転換体を本発
明で用いられるFM−3またはニューロメジンUをコー
ドするDNAが発現可能な条件下で培養し、本発明で用
いられるFM−3またはニューロメジンUを生成、蓄積
せしめることによって、本発明で用いられるFM−3ま
たはニューロメジンUを製造することができる。
【0019】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、たとえばグルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。また、酵
母、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を
培養する際の培地としては、例えばグルコース、カザミ
ノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・
オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネ
ティックス(Journal of Experiments in Molecular Ge
netics),431−433,Cold Spring Harbor Labor
atory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要に
よりプロモーターを効率よく働かせるために、たとえば
3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えること
ができる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常
約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、通
気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌の
場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行な
い、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主
が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、
たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bo
stian, K. L. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミ
ノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(198
4)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整する
のが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主
が昆虫細胞である形質転換体を培養する際、培地として
は、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャ
ー(Nature),195,788(1962))に非動化した10%ウシ
血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培
地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。
培養は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて
通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体
を培養する際、培地としては、たとえば約5〜20%の
胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Scienc
e),122巻,501(1952)〕,DMEM培地
〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(195
9)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ
・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Jo
urnal of The American Medical Association)199
巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング
・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカ
ル・メディスン(Proceeding ofThe Society for The B
iological Medicine),73巻,1(1950)〕などが
用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養
は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必要
に応じて通気や撹拌を加える。特にCHO(dhfr-)細
胞およびdhfr遺伝子を選択マーカーとして用いる場合に
は、チミジンをほとんど含まない透析ウシ胎児血清を含
むDMEM培地を用いるのが好ましい。上記培養物から
本発明で用いられるFM−3またはニューロメジンUを
分離精製するには、例えば下記の方法により行なうこと
ができる。本発明で用いられるFM−3またはニューロ
メジンUを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際して
は、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、こ
れを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび
/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊
したのち、遠心分離やろ過により本発明で用いられるF
M−3またはニューロメジンUの粗抽出液を得る方法な
どが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジン
などのタンパク変性剤や、トリトンX−100TM など
の界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本発明
で用いられるFM−3またはニューロメジンUが分泌さ
れる場合には、培養終了後、自体公知の方法で菌体ある
いは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このように
して得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本
発明で用いられるFM−3またはニューロメジンUの精
製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行
なうことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法やクロマトフォーカシングなどの
等電点の差を利用する方法などが用いられる。かくして
得られる本発明で用いられるFM−3またはニューロメ
ジンUが遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あ
るいはそれに準じる方法によって塩に変換することがで
き、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいは
それに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換す
ることができる。なお、組換え体が産生する本発明で用
いられるFM−3またはニューロメジンUを、精製前ま
たは精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることによ
り、任意に修飾を加えたり、蛋白質((ポリ)ペプチ
ド)を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素と
しては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギ
ニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコ
シダーゼなどが用いられる。またN末端アミノ酸を欠失
させるためには、エドマン(Edman)試薬(フェニルイソ
チオシアネート)を用いた公知のエドマン法を用いるこ
とが可能である。かくして生成する本発明で用いられる
FM−3またはニューロメジンUの存在は特異抗体を用
いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定すること
ができる。ニューロメジンUおよびFM−3を用いるこ
とを特徴とするニューロメジンとFM−3との結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法ま
たはニューロメジンUおよびFM−3を含有することを
特徴とするニューロメジンUとFM−3との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット
(以下、本発明のスクリーニング方法、本発明のスクリ
ーニング用キットと略記する場合がある)について以下
に詳述する。FM−3を用いるか、または組換え型FM
−3の発現系を構築し、該発現系を用いたニューロメジ
ンUとの結合アッセイ系(リガンド・レセプターアッセ
イ系)を用いることによって、ニューロメジンUとFM
−3との結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチ
ド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生
産物など)またはその塩をスクリーニングすることがで
きる。
【0020】このような化合物には、FM−3を介して
細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコ
リン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細
胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電
位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの変化などを促進する活性など)を有する化合
物(即ちFM−3アゴニスト)と該細胞刺激活性を有し
ない化合物(即ちFM−3アンタゴニスト)などが含ま
れる。また、「ニューロメジンUとFM−3との結合性
を変化させる」とは、ニューロメジンUとFM−3との
結合を阻害する場合と結合を促進する(結合時間を長く
する)場合の両方を包含するものである。すなわち、本
発明は、(i)FM−3に、ニューロメジンUを接触さ
せた場合と(ii)上記したFM−3に、ニューロメジン
Uおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なう
ことを特徴とするニューロメジンUとFM−3との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。本発明のスクリーニング方法において
は、(i)上記したFM−3に、ニューロメジンUを接
触させた場合と(ii)上記したFM−3に、ニューロメ
ジンUおよび試験化合物を接触させた場合における、例
えば該FM−3に対するリガンドの結合量、細胞刺激活
性などを測定して、比較する。
【0021】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 上記のニューロメジンの誘導体として表される標識し
たニューロメジンU(以下、単に「標識したニューロメ
ジンU」とする)を、上記したFM−3に接触させた場
合と、標識したニューロメジンUおよび試験化合物をF
M−3に接触させた場合における、標識したニューロメ
ジンUの該FM−3に対する結合量を測定し、比較する
ことを特徴とするニューロメジンUとFM−3との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、 標識したニューロメジンUを、FM−3を含有する細
胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識した
ニューロメジンUおよび試験化合物をFM−3を含有す
る細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合におけ
る、標識したニューロメジンUの該細胞または該膜画分
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするニ
ューロメジンUとFM−3との結合性を変化させる化合
物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したニューロメジンUを、FM−3をコードする
DNAを含有する形質転換体を培養することによって細
胞膜上に発現したFM−3に接触させた場合と、標識し
たニューロメジンUおよび試験化合物をFM−3をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
って細胞膜上に発現したFM−3に接触させた場合にお
ける、標識したニューロメジンUのFM−3に対する結
合量を測定し、比較することを特徴とするニューロメジ
ンUとFM−3との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、 FM−3を活性化する化合物(例えば、ニューロメジ
ンU)をFM−3を含有する細胞に接触させた場合と、
FM−3を活性化する化合物および試験化合物をFM−
3を含有する細胞に接触させた場合における、FM−3
を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、ア
セチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP
生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、
細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos
の活性化、pHの変化などを促進する活性など)を測定
し、比較することを特徴とするニューロメジンUとFM
−3との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、および FM−3を活性化する化合物(例えば、ニューロメジ
ンUなど)をFM−3をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したF
M−3に接触させた場合と、 FM−3を活性化する化
合物および試験化合物を、FM−3をコードするDNA
を含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上
に発現したFM−3に接触させた場合における、FM−
3を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの変化などを促進する活性など)を
測定し、比較することを特徴とするニューロメジンUと
FM−3との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法などである。本発明のスクリーニン
グ方法の具体的な説明を以下にする。まず、本発明のス
クリーニング方法に用いるFM−3としては、上記のF
M−3を含有するものであれば何れのものであってもよ
いが、ヒト、温血動物、両生類、魚類などの臓器の膜画
分などが好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入
手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられ
るものとしては、組換え体を用いて大量発現させたFM
−3などが適している。FM−3を製造するには、前述
の方法などが用いられる。
【0022】本発明のスクリーニング方法において、F
M−3を含有する細胞あるいは該細胞膜画分などを用い
る場合、後述の調製法に従えばよい。FM−3を含有す
る細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホ
ルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法はそれ自
体公知の方法に従って行うことができる。FM−3を含
有する細胞としては、FM−3を発現した宿主細胞をい
うが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、酵
母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられる。膜画分とし
ては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られ
る細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕
方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細
胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フ
レンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから
噴出させることによる破砕などがあげられる。細胞膜の
分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの
遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細
胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短
時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高
速(15000rpm〜30000rpm)で通常30
分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜
画分中には、発現したFM−3と細胞由来のリン脂質や
膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該FM−3を含
有する細胞や膜画分中のFM−3の量は、1細胞当たり
103〜108分子であるのが好ましく、105〜107
子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画
分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高
感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでな
く、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
ニューロメジンUとFM−3との結合性を変化させる化
合物またはその塩をスクリーニングする前記の〜を
実施するためには、適当なFM−3画分と、標識したリ
ガンドまたはリガンド活性を有する化合物(ニューロメ
ジンU、その誘導体など)が用いられる。FM−3画分
としては、天然型のFM−3画分か、またはそれと同等
の活性を有する組換え型FM−3画分などが望ましい。
ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性など
を示す。標識したリガンドまたはリガンド活性を有する
化合物としては、標識したリガンドまたはリガンド活性
を有する化合物(ニューロメジンU、その誘導体など)
などが用いられる。例えば〔3H〕、〔125I〕、
14C〕、〔35S〕などで標識されたリガンド(ニュー
ロメジンU誘導体として表されるニューロメジンUの標
識体)などを利用することができる。具体的には、ニュ
ーロメジンUとFM−3との結合性を変化させる化合物
のスクリーニングを行うには、まずFM−3を含有する
細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバ
ッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製す
る。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6
〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーな
どのリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッフ
ァーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低
減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花
王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなど
の界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さら
に、プロテアーゼによるFM−3やニューロメジンUの
分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64
(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアー
ゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10
mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜
500000cpm)の標識したニューロメジンU(ニ
ューロメジンU誘導体として表されるニューロメジンU
の標識体)を添加し、同時に10-4〜10-1μMの試験
化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知る
ために大過剰の未標識のニューロメジンUを加えた反応
チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましく
は4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは3
0分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない
場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を
引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、
特異的結合量(B−NSB)が例えば80%以下になる
試験化合物をFM−3とニューロメジンUとの結合性を
変化させる能力のある候補物質として選択することがで
きる。
【0023】また、FM−3とニューロメジンUとの結
合を測定する方法として、BIAcore(アマシャム
ファルマシアバイオテク社製)を用いることもできる。
この方法では、ニューロメジンUを装置に添付のプロト
コルに従ったアミノカップリング法によってセンサーチ
ップに固定し、FM−3を含有する細胞またはFM−3
をコードするDNAを含有する形質変換体から精製した
FM−3またはFM−3を含む膜画分、あるいは精製し
たFM−3またはFM−3を含む膜画分および試験化合
物を含むリン酸バッファーまたはトリスバッファーなど
の緩衝液をセンサーチップ上を毎分2−20μlの流量
で通過させる。 センサーチップ上のニューロメジンU
とFM−3とが結合することによって生じる表面プラズ
モン共鳴の変化を共存する試験化合物が変化させること
を観察することによってFM−3とニューロメジンUと
の結合を変化させる化合物のスクリーニングを行なうこ
とができる。この方法は、FM−3をセンサーチップに
固定し、ニューロメジンUおよび試験化合物を含むリン
酸バッファーまたはトリスバッファーなどの緩衝液をセ
ンサーチップ上を通過させる方法を用いても同様に測定
することができる。試験化合物としては、上記と同様の
ものなどがあげられる。ニューロメジンUとFM−3と
の結合性を変化させる化合物をスクリーニングする前記
の〜の方法を実施するためには、FM−3を介する
細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコ
リン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細
胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電
位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて
測定することができる。具体的には、まず、FM−3を
含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。ス
クリーニングを行うにあたっては前もって新鮮な培地あ
るいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換
し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベート
した後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成し
た産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活
性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生
成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合
は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行
なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性につ
いては、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増
大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出す
ることができる。
【0024】細胞刺激活性を測定してスクリーニングを
行なうには、適当なFM−3を発現した細胞が用いられ
る。本発明のFM−3を発現した細胞としては、前述の
組換え型FM−3発現細胞株などが望ましい。形質変換
体であるFM−3発現細胞は安定発現株でも一過性発現
株でも構わない。また、動物細胞の種類は上記と同様の
ものが用いられる。試験化合物としては、例えばペプチ
ド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵
生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液など
があげられる。上記のリガンド・レセプターアッセイ系
について、さらに具体的に記載すると以下のようなアッ
セイ系が用いられる。
【0025】(1)受容体発現細胞が受容体アゴニスト
によって刺激されると細胞内のGタンパクが活性化され
てGTPが結合する。この現象は受容体発現細胞の膜画
分においても観察される。通常、GTPは加水分解され
てGDPへと変化するが、このとき反応液中にGTPγ
Sを添加しておくとGTPγSはGTPと同様にGタン
パクに結合するが、加水分解されずにGタンパクを含む
細胞膜に結合した状態が維持される。標識したGTPγ
Sを用いると細胞膜に残存した放射活性を測定すること
によって受容体アゴニストの受容体発現細胞刺激活性を
測定することができる。この反応を利用してニューロメ
ジンUのFM−3発現細胞に対する刺激活性を測定する
ことができる。この方法は、前記〜のようにFM−
3を含む細胞を用いるものではなく、〜のようにF
M−3を含む膜画分を用いるアッセイ法であるが、〜
のように細胞刺激活性を測定するものであり、本測定
法においてFM−3膜画分へのGTPγS結合促進活性
を示す物質はアゴニストである。ここにおいて、ニュー
ロメジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合物
を添加し、ニューロメジンUの単独投与に比べてFM−
3細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性に変化が生じ
ることを観察することによってニューロメジンUとFM
−3との結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
ることができる。このとき、ニューロメジンUによるF
M−3細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を抑制す
る活性を示す化合物をFM−3とニューロメジンUとの
結合性を変化させる能力のある候補物質として選択する
ことができる。一方、試験化合物のみを投与し、FM−
3細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を観察するこ
とによりアゴニストのスクリーニングを行なうこともで
きる。スクリーニング法の一例についてより具体的に以
下に述べる。上述の方法によって調製したFM−3を含
む細胞膜画分を、膜希釈緩衝液(50 mM Tris, 5 mM MgC
l2, 150 mM NaCl, 1 μM GDP, 0.1% BSA pH 7.4)で希
釈する。希釈率は、受容体の発現量により異なる。これ
をFalconb 2053に0.2mlずつ分注し、ニューロメジンU
あるいはニューロメジンUおよび試験化合物を加え、さ
らに終濃度200pMとなるように[35S]GTPγSを加える。25
℃で1時間保温した後、氷冷した洗浄用緩衝液(50 mM T
ris, 5 mM MgCl2, 150 mM NaCl, 0.1% BSA , 0.05% CHA
PS pH 7.4 1.5ml)を加えて、ガラス繊維ろ紙GF/Fでろ
過する。65℃、30分保温して乾燥後、液体シンチレーシ
ョンカウンターでろ紙上に残った膜画分に結合した
[35S]GTPγSの放射活性を測定する。ニューロメジンU
のみを加えた実験区の放射活性を100%、ニューロメ
ジンUを加えなかった実験区の放射活性を0%とし、ニ
ューロメジンUによるGTPγS結合促進活性に対する
試験化合物の影響を算出する。GTPγS結合促進活性
が例えば80%以下になる試験化合物をFM−3とニュ
ーロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物
質として選択することができる。
【0026】(2)FM−3発現細胞はニューロメジン
U刺激によって細胞内cAMP量が減少する場合、この反応
を利用してニューロメジンUのFM−3発現細胞に対す
る刺激活性を測定することができる。FM−3を発現さ
せた種々の動物細胞のcAMP産生量はマウス、ラット、ウ
サギ、ヤギ、ウシなどを免疫して得られた抗cAMP抗体と
125I標識cAMP(ともに市販品)を使用することによって
RIAあるいは抗cAMP抗体と標識cAMPとを組み合わせた他
のEIA系でも測定することができる。また抗cAMP抗体をp
rotein Aあるいは抗cAMP抗体産生に用いた動物のIgGな
どに対する抗体などを使用して固定したシンチラントを
含むビーズと125I標識cAMPとを使用するSPA法による定
量も可能である(アマシャムファルマシアバイオテク製
のキットを使用する)。本方法において、フォルスコリ
ンまたはカルシトニンなど細胞内cAMP量を増加させるよ
うなリガンドなどによって細胞内cAMP量を上昇させ、ニ
ューロメジンUまたはニューロメジンUおよび試験化合
物を添加することによってニューロメジンUの単独投与
による細胞内cAMP量の抑制が変化することを観察し、ニ
ューロメジンUとFM−3の結合を変化させる化合物の
スクリーニングを行なうことができる。このとき、ニュ
ーロメジンUによるFM−3発現細胞のcAMP産生抑制活
性を阻害する活性を示す化合物をFM−3とニューロメ
ジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質とし
て選択することができる。一方、試験化合物のみを添加
してcAMP産生抑制活性を調べることによりアゴニスト活
性を示す化合物のスクリーニングを行なうことができ
る。スクリーニング法をより具体的に以下に記載する。
FM−3を発現させたCHO細胞を24穴プレートに5 x
104 cell/wellで播種し、48時間培養する。細胞を0.2mM
3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20
mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄する
(以下、0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチンと
0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH
7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。その後0.5mlの反
応用バッファーを加えて30分間培養器で保温する。反
応用バッファーを除き、新たに0.25mlの反応用バッファ
ーを細胞に加えた後、2μMフォルスコリンを含む0.25ml
の反応用バッファーに1 nMのニューロメジンUあるいは
1 nMのニューロメジンUおよび試験化合物を添加したも
のを細胞に加え、37℃で24分間反応させる。100μl
の20%過塩素酸を加えて反応を停止させ、次に氷上で1
時間置くことにより細胞内cAMPを抽出する。抽出液中の
cAMP量は、cAMP EIAキット(アマシャムファルマシアバ
イオテク)を用いて測定する。フォルスコリン刺激によ
って産生されたcAMP量を100%とし、1 nMのニューロメジ
ンUの添加によって抑制されたcAMP量を0%として、ニュ
ーロメジンUによるcAMP産生抑制活性に対する試験化合
物の影響を算出する。ニューロメジンUの活性を阻害し
てcAMP産生活性が例えば80%以下になる試験化合物を
FM−3とニューロメジンUとの結合性を変化させる能
力のある候補物質として選択することができる。cAMP産
生促進活性を測定するには、フォルスコリンを添加せず
にFM−3を発現させたCHO細胞に試験化合物を添加
して産生されたcAMPを上記の方法で定量する。この場合
は、cAMPの産生活性が例えば10%以上の試験化合
物をFM−3とニューロメジンUとの結合性を変化させ
る能力のある候補物質として選択することができる。
【0027】(3)CRE(cAMP response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをCRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。CRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、cAMP上昇を伴う刺
激は、CREを介したルシフェラーゼ遺伝子発現とそれに
引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生を誘導する。
つまり、ルシフェラーゼ活性を測定することにより、CR
E−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のcAMP量の変
動を検出することができる。CRE−レポーター遺伝子ベ
クターをFM−3発現細胞にトランスフェクションした
細胞を利用してニューロメジンUとFM−3の結合を変
化させる化合物のスクリーニングを行なうことができ
る。具体的なスクリーニング法を以下に記す。CRE−レ
ポーター遺伝子導入FM−3発現細胞を24穴プレートに
5 x 103 cell/wellで播種し、48時間培養する。細胞を
0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BS
Aと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄
する(以下、0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチ
ンと0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー
(pH7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。その後0.5mlの
反応用バッファーを加えて30分間培養器で保温する。
反応用バッファーを除き、新たに0.25mlの反応用バッフ
ァーを細胞に加えた後、1 nMのニューロメジンUあるい
は1 nMのニューロメジンUおよび試験化合物と2μMフォ
ルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファーを細胞に加
え、37℃で24分間反応させる。細胞をピッカジーン
用細胞溶解剤(東洋インキ製造(株))で溶かし、溶解
液に発光基質(東洋インキ製造(株))を添加する。ル
シフェラーゼによる発光は、ルミノメーター、液体シン
チレーションカウンターまたはトップカウンターにより
測定する。 ニューロメジンUとFM−3の結合を変化
させる化合物の影響はルシフェラーゼによる発光量をニ
ューロメジンUを単独で投与した場合と比較することに
よって測定することができる。このとき、ニューロメジ
ンUの投与によりフォルスコリン刺激による発光量の増
加が抑制されるが、この抑制を回復させる化合物をFM
−3とニューロメジンUとの結合性を変化させる能力の
ある候補物質として選択することができる。一方、試験
化合物のみを投与し、フォルスコリン刺激によって上昇
した発光量のニューロメジンUと同様な抑制を観察する
ことによりアゴニストのスクリーニングを行なうことも
できる。レポーター遺伝子として、ルシフェラーゼ以外
に例えばアルカリフォスファターゼ、クロラムフェニコ
ール アセチルトランスフェラーゼあるいはβ−ガラク
トシダーゼを用いることもできる。これらのレポーター
遺伝子の遺伝子産物の酵素活性は以下のように市販の測
定キットを用いて容易に測定することができる。アルカ
リフォスファターゼ活性は、例えば和光純薬製Lumi-Pho
s 530によって、クロラムフェニコール アセチルトラ
ンスフェラーゼ(chloramphenicol acetyltransferas
e)活性は、例えば和光純薬製FAST CAT chrolamphenico
l Acetyltransferase Assay Kitによって、β−ガラク
トシダーゼ活性は、例えば和光純薬製Aurora Gal-XEに
よって測定することができる。
【0028】(4)FM−3発現細胞がニューロメジン
U刺激によってアラキドン酸代謝物を細胞外に放出する
場合、あらかじめ、放射活性を有するアラキドン酸を細
胞に取り込ませておくことによって、この活性を細胞外
に放出された放射活性を測定することによって測定する
ことができる。このとき、ニューロメジンUあるいはニ
ューロメジンUおよび試験化合物を添加して、ニューロ
メジンUのアラキドン酸代謝物放出活性に対する影響を
調べることにより、ニューロメジンUとFM−3の結合
に影響を与える化合物のスクリーニングを行なうことが
できる。このとき、ニューロメジンUによるアラキドン
酸代謝物放出活性を阻害する化合物をFM−3とニュー
ロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質
として選択することができる。また、試験化合物のみを
添加し、FM−3発現細胞のアラキドン酸代謝物放出活
性を調べることによりアゴニスト活性を示す化合物のス
クリーニングを行なうこともできる。ニューロメジンU
とFM−3の結合に影響を与える化合物のスクリーニン
グ法より具体的に以下に述べる。FM−3を発現させた
CHO細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種
し、24時間培養後、[3H]アラキドン酸を0.25 μCi/well
となるよう添加する。[3H]アラキドン酸添加16時間後、
細胞を0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファ
ー(pH7.4)で洗浄し、各wellに0.05% BSAと20mM HEPES
を含むハンクスバッファー(pH7.4)に溶解した終濃度10
nMのニューロメジンUあるいは10 nMのニューロメジン
Uおよび試験化合物を含むバッファー500 μlを添加す
る。以降、0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッ
ファー(pH7.4)を反応用バッファーと呼ぶ。37℃で60分
間インキュベートした後に、反応液400 μlをシンチレ
ーターに加え、反応液中に遊離した[3H]アラキドン酸代
謝物の量をシンチレーションカウンターにより測定す
る。ニューロメジンUの非添加反応バッファーによる培
地中の[3H]アラキドン酸代謝物の量を0%とし、10 nM
のニューロメジンUを添加したときのたときの培地中の
[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%として試験化合
物のニューロメジンUとFM−3の結合に対する影響を
算出する。アラキドン酸代謝物産生活性が例えば50%
以下になる試験化合物をFM−3とニューロメジンUと
の結合性を変化させる能力のある候補物質として選択す
ることができる。
【0029】(5)FM−3発現細胞をニューロメジン
Uによって刺激することによって細胞内のCa2+濃度が上
昇する場合、これを利用することによってニューロメジ
ンUとFM−3の結合に対する試験化合物の影響を調べ
ることができる。FM−3発現細胞を、滅菌した顕微鏡
用カバーグラス上に播き、2日後、培養液を4 mM Fura-
2 AM(同仁化学研究所)を縣濁したHBSSに置換し、室温
で2時間30分おく。HBSSで洗浄した後、キュベットにカ
バーグラスをセットし、蛍光測定器で、ニューロメジン
UあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を加えた
ときの励起波長340nm及び380nmでの505nmの蛍光強度の
比の上昇を測定する。このとき、ニューロメジンUを単
独で投与したときに比べて試験化合物の添加によって生
じる蛍光強度の変化を測定することによりニューロメジ
ンUとFM−3の結合に対して影響を与える化合物のス
クリーニングを行なうことができる。また、以下のよう
にFLIPR(モレキュラーデバイス社製)を使うこともで
きる。すなわち、細胞縣濁液にFluo-3 AM(同仁化学研
究所製)を添加し、細胞に取り込ませた後、上清を遠心
により数度洗浄後、96穴プレートに細胞を播く。FLIP
R装置にセットし、Fura-2 AMの場合と同様にニューロメ
ジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を加
え、ニューロメジンUを単独で投与したときに比べて試
験化合物の添加によって観測される蛍光強度が変化する
ことを測定することにより、ニューロメジンUとFM−
3の結合に対して影響を与える化合物のスクリーニング
を行なうことができる。これらにおいて、ニューロメジ
ンUによる蛍光強度の上昇を抑制する化合物をFM−3
とニューロメジンUとの結合性を変化させる能力のある
候補物質として選択することができる。一方、試験化合
物のみの添加による蛍光強度の上昇を観察することによ
ってアゴニストのスクリーニングを行なうこともでき
る。FM−3発現細胞にaequorinなどのように細胞内Ca
2+イオンの上昇によって発光するようなタンパク質の遺
伝子を共発現させておき、細胞内Ca2+イオン濃度の上昇
によってaequorinがCa2+結合型となり発光することを利
用して、ニューロメジンUあるいはニューロメジンUお
よび試験化合物を加え、ニューロメジンUを単独で投与
したときに比べて試験化合物の添加によって観測される
発光強度が変化することを測定することにより、ニュー
ロメジンUとFM−3の結合に対して影響を与える化合
物のスクリーニングを行なうことができる。方法は、蛍
光物質を取り込ませないこと以外は上記と同様である。
【0030】(6)受容体を発現する細胞に受容体アゴ
ニストを添加すると、細胞内イノシトール三リン酸濃度
が上昇することが知られている。ニューロメジンUによ
って生じるFM−3細胞におけるこの反応を観察するこ
とによりニューロメジンUとFM−3の結合に影響を与
える化合物のスクリーニングを行なうことができる。2
4穴プレートに播いて1日目の細胞にmyo-[2-3H]inosit
ol (2.5マイクロCi/well)を添加した培地中で1日培養
した細胞を、よく洗浄後、ニューロメジンUあるいはニ
ューロメジンUおよび試験化合物を添加した後、10%過
塩素酸を加え反応を止める。1.5 M KOH, 60mM HEPES溶
液で中和し、0.5mlのAG1x8樹脂 (Bio-Rad)を詰めたカラ
ムに通し、5mM Na2BO3 60mM HCOONH4で洗浄した後、1M
HCOONH4 0.1M HCOOHで溶出した放射活性を液体シンチ
レーションカウンターで測定する。ニューロメジンUの
非添加反応バッファーによる培地中の放射活性を0%と
し、ニューロメジンUを添加したときの培地中の放射活
性を100%として試験化合物のニューロメジンUとF
M−3の結合に対する影響を算出する。イノシトール三
リン酸産生活性が例えば50%以下になる試験化合物を
FM−3とニューロメジンUとの結合性を変化させる能
力のある候補物質として選択することができる。一方、
試験化合物のみの添加によるイノシトール三リン酸産生
上昇を観察することによってアゴニストのスクリーニン
グを行なうこともできる。
【0031】(7)TRE(TPA response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをTRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。 TRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、 細胞内Ca2+上昇
を伴う刺激は、 TREを介したルシフェラーゼ遺伝子発現
とそれに引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生を誘
導する。つまり、ルシフェラーゼ活性を測定することに
より、TRE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のカ
ルシウム量の変動を検出することができる。 TRE−レポ
ーター遺伝子ベクターをFM−3発現細胞にトランスフ
ェクションした細胞を利用したニューロメジンUとFM
−3の結合を変化させる化合物の具体的なスクリーニン
グ法を以下に記す。TRE−レポーター遺伝子導入FM−
3発現細胞を24穴プレートに5 x 103 cell/wellで播種
し、48時間培養する。細胞を0.05% BSAと20mM HEPESを
含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄した後、10 nMの
ニューロメジンUあるいは10 nMのニューロメジンUお
よび試験化合物を添加し、37℃で60分間反応させ
る。細胞をピッカジーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造
(株))で溶かし、溶解液に発光基質(東洋インキ製造
(株))を添加する。ルシフェラーゼによる発光は、ル
ミノメーター、液体シンチレーションカウンターまたは
トップカウンターにより測定する。 ニューロメジンU
とFM−3の結合を変化させる化合物の影響は、ルシフ
ェラーゼによる発光量をニューロメジンUを単独で投与
した場合と比較することによって測定することができ
る。このとき、ニューロメジンUの投与により細胞内Ca
2+の上昇によって発光量が増加するが、この増加を抑制
する化合物をFM−3とニューロメジンUとの結合性を
変化させる能力のある候補物質として選択することがで
きる。一方、試験化合物のみを投与し、ニューロメジン
Uと同様な発光量の増加を観察することによりアゴニス
トのスクリーニングを行なうこともできる。レポーター
遺伝子として、ルシフェラーゼ以外に例えばアルカリフ
ォスファターゼ、クロランフェニコール アシルトラン
スフェラーゼあるいはβ−ガラクトシダーゼを用いるこ
ともできる。これらのレポーター遺伝子の遺伝子産物の
酵素活性は以下のように市販の測定キットを用いて容易
に測定することができる。アルカリフォスファターゼ活
性は、例えば和光純薬製Lumi-Phos 530によって、クロ
ラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(chlo
ramphenicol acetyltransferase)活性は、例えば和光
純薬製FAST CAT chrolamphenicol Acetyltransferase A
ssay Kitによって、β−ガラクトシダーゼ活性は、例え
ば和光純薬製Aurora Gal-XEによって測定することがで
きる。 (8)ニューロメジンUに応答したFM−3発現細胞に
ついてMAP kinase活性化によって増殖が観察される場
合、この増殖をMAP kinase活性、チミジン取り込み、細
胞数測定(MTTなど)によって測定することができる。
これを利用してニューロメジンUとFM−3の結合を変
化させる化合物のスクリーニングを行なうことができ
る。MAP kinase活性は、ニューロメジンUあるいはニュ
ーロメジンUおよび試験化合物を細胞に添加した後、細
胞溶解液から抗MAP kinase抗体を用いた免疫沈降によっ
てMAP kinase分画を得た後、例えば和光純薬製MAP Kina
se Assay Kitとγ-[ 32P]-ATPを使用して容易に測定でき
る。チミジン取り込み活性は、FM−3発現細胞を播
き、ニューロメジンUあるいはニューロメジンUおよび
試験化合物を添加した後、[methyl-3H]-チミジンを加
え、その後、細胞内に取り込まれた標識チミジンの放射
活性を細胞を溶解して液体シンチレーションカウンター
で計数することによって測定することができる。FM−
3発現細胞の増殖は、発現細胞を播き、ニューロメジン
UあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を添加し
た後にMTT (3-(4,5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphen
yl-2H-tetrazolium bromide) を添加し、細胞内に取り
込まれてMTTが変化したMTTホルマザンを塩酸酸性とした
イソプロパノールで細胞を溶解した後、570 nmの吸収を
測定することによっても測定できる。ニューロメジンU
とFM−3の結合を変化させる化合物の、標識チミジン
取り込み活性を利用した具体的なスクリーニング法を以
下に記す。FM−3発現細胞を24穴プレートにウェル
当たり5000個まき一日間培養する。次に血清を含ま
ない培地で2日間培養し、細胞を飢餓状態にする。ニュ
ーロメジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合
物を細胞に添加して24時間培養した後、[methyl-3H]-
チミジンをウェル当たり0.015MBq添加し6時間
培養する。細胞をPBS(−)で洗った後、メタノール
を添加して10分間放置する。次に5%トリクロロ酢酸
を添加して15分間放置後、固定された細胞を蒸留水で
4回洗う。0.3N水酸化ナトリウム溶液で細胞を溶解
し、溶解液中の放射活性を液体シンチレーションカウン
ターで測定する。ニューロメジンUとFM−3の結合を
変化させる化合物の影響は、チミジン取り込みによる放
射活性の上昇をニューロメジンUを単独で投与した場合
と比較することによって測定することができる。このと
き、ニューロメジンUの投与による放射活性の増加を抑
制する化合物をFM−3とニューロメジンUとの結合性
を変化させる能力のある候補物質として選択することが
できる。一方、試験化合物のみを投与し、ニューロメジ
ンUと同様な放射活性の増加を観察することによりアゴ
ニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0032】(9)FM−3発現細胞にニューロメジン
Uを添加すると、K channelが活性化し、細胞内にあるK
イオンが、細胞外に流出する場合、Kイオンと同族元素
であるRbイオンは、Kイオンと区別無くK channelを通っ
て細胞外に流出するので、細胞に標識Rb ([86Rb])を添
加して取り込ませておいた後、ニューロメジンUの刺激
によって流出する[86Rb]の流れを測定することでニュー
ロメジンUの作用を測定できる。ニューロメジンUとF
M−3の結合を変化させる化合物の、[86Rb]流出活性を
利用した具体的なスクリーニング法を以下に記す。24
穴にまいて2日後のFM−3発現細胞を1mCi/mlの86Rb
Clを含む培地中で2時間保温する。培地をよく洗浄し、
外液中の86RbClを完全に除く。ニューロメジンUあるい
はニューロメジンUおよび試験化合物を細胞に添加して
30分後の外液を回収し、γカウンターで放射活性を測
定する。ニューロメジンUとFM−3の結合を変化させ
る化合物の影響は、[86Rb]流出による放射活性の上昇を
ニューロメジンUを単独で投与した場合と比較すること
によって測定することができる。このとき、ニューロメ
ジンUの投与による放射活性の上昇を抑制する化合物を
FM−3とニューロメジンUとの結合性を変化させる能
力のある候補物質として選択することができる。一方、
試験化合物のみを投与し、ニューロメジンUと同様な放
射活性の上昇を観察することによりアゴニストのスクリ
ーニングを行なうこともできる。
【0033】(10)FM−3発現細胞がニューロメジ
ンUに反応して変化する細胞外のpH(acidification ra
te)をサイトセンサー装置(モレキュラーデバイス社)
を使用して測定することによって、 ニューロメジンU
の活性を測定することができる。サイトセンサー装置を
利用した、細胞外pH変化の測定をすることによるニュ
ーロメジンUとFM−3の結合を変化させる化合物の具
体的なスクリーニング法を以下に記す。FM−3発現細
胞をサイトセンサー装置用のカプセル内で終夜培養し、
装置のチャンバーにセットして細胞外pHが安定するま
で約2時間0.1% BSAを含むRPMI1640培地(モレキュラー
デバイス社製)を灌流させる。pHが安定した後、ニュ
ーロメジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合
物を含む培地を細胞上に灌流させることによって生じる
培地のpH変化を測定する。ニューロメジンUとFM−3
の結合を変化させる化合物の影響は、FM−3発現細胞
の細胞外pH変化をニューロメジンUを単独で投与した
場合と比較することによって測定することができる。こ
のとき、ニューロメジンUの投与による細胞外pH変化
を抑制する化合物をFM−3とニューロメジンUとの結
合性を変化させる能力のある候補物質として選択するこ
とができる。一方、試験化合物のみを投与し、ニューロ
メジンUと同様な細胞外pH変化を観察することにより
アゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0034】(11)酵母(Saccharomyces cerevisia
e)のhaploidα-mating Type (MATα)の性フェロモン受
容体STe2はG蛋白Gpa1とカップルしており、性フェロモ
ンα-mating factorに応答してMAP kinaseを活性化し、
以下、Far1 (cell-cycle arrest) および転写活性化因
子Ste12が活性化される。Ste12は接合に関与するFUS1を
含む種々の蛋白の発現を誘導する。一方、制御因子Sst2
は以上の過程に抑制的に機能する。この系において、受
容体遺伝子を導入した酵母を作製し、受容体アゴニスト
刺激によって酵母細胞内のシグナル伝達系を活性化し、
その結果生じる増殖などの指標を用いた、受容体アゴニ
ストと受容体との反応の測定系の試みが行なわれている
(Pausch, M. H., Trends in Biotechnology, vol. 15,
pp. 487-494(1997))。このような受容体遺伝子導入酵
母の系を利用してニューロメジンUおよびFM−3の結
合を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことが
できる。MATα酵母のSte2およびGpa1をコードする遺伝
子を除去し、代わりにFM−3遺伝子およびGpa1-Gai2
融合蛋白をコードする遺伝子を導入する。Farをコード
する遺伝子を除去してcell-cycle arrestが生じないよ
うにし、また、Sstをコードする遺伝子を除去すること
によってニューロメジンUに対する応答の感度を向上さ
せておく。さらに、FUS1にヒスチジン生合成遺伝子HIS3
をつなげたFUS1-HIS3遺伝子を導入する。以上の遺伝子
組換え操作は例えば、Priceら(Price, L. A.et al., M
olecular and Cellular Biology, vol. 15, pp. 6188-6
195 (1995))の報告に記載の方法において、ソマトスタ
チン受容体タイプ2(SSTR2)遺伝子をFM−3遺伝子
に置き換えて実施することによって容易に行なうことが
できる。こうして構築された形質転換酵母はFM−3の
リガンドであるニューロメジンUに高感度で反応し、そ
の結果MAPキナーゼの活性化が起きてヒスチジン生合成
酵素が合成されるようになって、ヒスチジン欠乏培地で
生育可能になる。これを利用して、ヒスチジン欠乏培地
での酵母の生育を指標としてニューロメジンUによるF
M−3発現酵母の応答を観察することができる。以下に
ニューロメジンUおよびFM−3の結合を変化させる化
合物のスクリーニング法を述べる。上記のようにして作
製された形質変換酵母を完全合成培地の液体培地で終夜
培養し、2 x 104 cell/mlの濃度でヒスチジンを除去し
た溶解寒天培地に加え、9 x9 cmの角形シャーレに播
く。寒天が固化した後、ニューロメジンUあるいはニュ
ーロメジンUおよび試験化合物をしみこませた滅菌濾紙
を寒天表面におき、30℃で3日間培養する。ニューロメ
ジンUとFM−3の結合を変化させる化合物の影響は、
濾紙の周囲の酵母の生育をニューロメジンUを単独で投
与した場合と比較することによって測定することができ
る。このとき、ニューロメジンUの投与による酵母の生
育を抑制する化合物をFM−3とニューロメジンUとの
結合性を変化させる能力のある候補物質として選択する
ことができる。一方、試験化合物のみを投与し、ニュー
ロメジンUと同様な酵母の生育を観察することによりア
ゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。ま
た、あらかじめ、寒天培地にニューロメジンUを添加し
ておいて滅菌濾紙に試験化合物のみをしみこませて培養
し、シャーレ全面での酵母の生育が濾紙の周囲で影響を
受けることを観察することによってもニューロメジンU
とFM−3の結合を変化させる化合物の影響を調べるこ
とができる。
【0035】(12) FM−3遺伝子RNAをアフリ
カツメガエル卵母細胞に注入し、ニューロメジンUによ
って刺激すると細胞内Ca2+イオン濃度が上昇して、calc
ium-activated chloride currentが生じる。これを膜電
位の変化としてとらえることが出来る(Kイオン濃度勾
配に変化がある場合も同様)。ニューロメジンUによっ
て生じるFM−3導入アフリカツメガエル卵母細胞にお
けるこの反応を観察することによりニューロメジンUと
FM−3の結合に影響を与える化合物のスクリーニング
を行なうことができる。氷冷して動けなくなった雌のア
フリカツメガエルから取り出した、卵母細胞塊を,MB
S液(88mM NaCl, 1mM KCl, 0.41mM CaCl2, 0.33mM Ca
(NO3)2, 0.82mM MgSO4, 2.4mM NaHCO3, 10mM HEPES, pH
7.4)に溶かしたコラーゲナーゼ(0.5mg/ml)で卵塊がほ
ぐれるまで19℃、1-6時間、 150rpmで処理する。外
液をMBS液に置換することで3度洗浄し、マイクロマニ
ピュレーターでFM−3mRNA (50ng/50nl)をマイクロイ
ンジェクションする。FM−3mRNAは、組織や細胞から
調製しても、plasmidからin vitroで転写してもよい。
これをMBS液中で20℃で3日培養する。これをRinger
液を流しているvoltage clamp装置のくぼみに置き、電
位固定用ガラス微小電極、電位測定用ガラス微小電極を
細胞内に刺入し、(-)極は、細胞外に置く。電位が安定
したら、ニューロメジンUまたはニューロメジンUおよ
び試験化合物を含むRinger液を流して電位変化を記録す
る。ニューロメジンUとFM−3の結合を変化させる化
合物の影響は、FM−3導入アフリカツメガエル卵母細
胞の細胞膜電位変化をニューロメジンUを単独で投与し
た場合と比較することによって測定することができる。
このとき、ニューロメジンUの投与による細胞膜電位変
化を抑制する化合物をFM−3とニューロメジンUとの
結合性を変化させる能力のある候補物質として選択する
ことができる。一方、試験化合物のみを投与し、ニュー
ロメジンUと同様な細胞膜電位変化を観察することによ
りアゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。
この系において、反応を変化量を増大して測定しやすい
ように各種のGタンパク質遺伝子のpoly(A)+ RNAを導入
することもできる。またaequorinのようなCa2+存在下で
発光を生じるようなタンパクの遺伝子のpoly(A)+RNAを
共インジェクションすることにより膜電位変化ではなく
発光を観察してこの反応を測定することもできる。ニュ
ーロメジンUとFM−3との結合性を変化させる化合物
またはその塩のスクリーニング用キットは、FM−3、
FM−3を含有する細胞、あるいはFM−3を含有する
細胞の膜画分、およびニューロメジンUを含有するもの
である。
【0036】本発明のスクリーニング用キットの例とし
ては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 FM−3標品 FM−3を発現させたCHO細胞を、12穴プレートに
5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%
airで2日間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
たニューロメジンU。適当な溶媒または緩衝液に溶解し
たものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定
用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 ニューロメジンUを0.1%ウシ血清アルブミン(シグ
マ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−
20℃で保存する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したFM−3を発
現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した
後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識したニューロメジンUを5μl加え、室温にて
1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験
化合物のかわりに10-3MのニューロメジンUを5μl
加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識したニューロメジンUを0.2
N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シン
チレーターA(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式で求める。 式 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キ
ットを用いて得られる化合物またはその塩は、ニューロ
メジンUとFM−3との結合を変化させる(結合を阻害
あるいは促進する)化合物であり、具体的にはFM−3
を介して細胞刺激活性を有する化合物(いわゆるFM−
3アゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化合物
(いわゆるFM−3アンタゴニスト)である。該化合物
としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、
合成化合物、発酵生産物などがあげられ、これら化合物
は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であっ
てもよい。
【0037】上記FM−3アゴニストであるかアンタゴ
ニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)また
は(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、ニューロメジンUとFM
−3との結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)
化合物を得た後、該化合物が上記したFM−3を介する
細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細胞刺激
活性を有する化合物またはその塩はFM−3アゴニスト
であり、該活性を有しない化合物またはその塩はFM−
3アンタゴニストである。 (a)試験化合物をFM−3を含有する細胞に接触させ、
上記FM−3を介した細胞刺激活性を測定する。細胞刺
激活性を有する化合物またはその塩はFM−3アゴニス
トである。 (b)FM−3を活性化する化合物(例えば、ニューロメ
ジンUまたはFM−3アゴニストなど)をFM−3を含
有する細胞に接触させた場合と、FM−3を活性化する
化合物および試験化合物をFM−3を含有する細胞に接
触させた場合における、FM−3を介した細胞刺激活性
を測定し、比較する。 FM−3を活性化する化合物に
よる細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は
FM−3アンタゴニストである。該FM−3アゴニスト
は、FM−3に対するニューロメジンUが有する生理活
性と同様の作用を有しているので、 ニューロメジンU
と同様に安全で低毒性な医薬として有用である。逆に、
FM−3アンタゴニストは、FM−3に対するニューロ
メジンUが有する生理活性を抑制することができるの
で、該レセプター活性を抑制する安全で低毒性な医薬と
して有用である。
【0038】ニューロメジンUまたはその塩は平滑筋収
縮作用、血圧上昇作用、腸管におけるイオン輸送の調
節、皮下投与後のACTHおよびそれに引き続くコルチ
コステロンの上昇などに関与していることから、低血圧
症予防・治療剤や局所血管収縮剤、下垂体ホルモン分泌
不全治療薬などとして利用できるため、上記のスクリー
ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得ら
れる化合物のうち、FM−3アゴニストは低血圧症予防
・治療剤や局所血管収縮剤、下垂体ホルモン分泌不全治
療薬などとして用いることができ、FM−3アンタゴニ
ストは高血圧症、心筋梗塞、急性腎不全、ストレス性疾
患(例えば、心血管系の疾患(狭心症、心筋梗塞、不
整脈など)呼吸器系の疾患(気管支喘息、過呼吸症候
群など)筋骨格系の疾患(慢性関節リウマチ、腰痛
症、片頭痛、緊張性頭痛など)、その他(糖尿病、更
年期障害、慢性疼痛、免疫力低下など)、消化器系疾患
(胃潰瘍、潰瘍性大腸炎など)などの予防・治療薬など
として用いることができる。また、ニューロメジンUま
たはその塩は食欲調節作用を有していることから、その
食欲調節作用に基づいて、上記のスクリーニング方法ま
たはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物の
うち、FM−3アゴニストは食欲抑制剤、抗肥満剤、過
食症治療薬、多食症治療薬などとして、またFM3アン
タゴニストは食欲促進剤などとして用いることができ
る。上記のスクリーニング方法またはスクリーニング用
キットを用いて得られうる化合物の塩としては、例え
ば、薬学的に許容可能な塩などが用いられる。例えば、
無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機
酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などがあげ
られる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシ
ウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、な
らびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などがあげられ
る。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、
2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレ
ンジアミンなどとの塩あげられる。無機酸との塩の好適
な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸
などとの塩があげられる。有機酸との塩の好適な例とし
ては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息
香酸などとの塩があげられる。塩基性アミノ酸との塩の
好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルチ
ニンなどとの塩があげられ、酸性アミノ酸との好適な例
としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などと
の塩があげられる。本発明のスクリーニング方法または
スクリーニング用キットを用いて得られうる化合物また
はその塩を上述の医薬として使用する場合には、以下に
記載するとおりに使用することができる。
【0039】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られうる化合物またはその
塩を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って
実施することができる。例えば、必要に応じて糖衣や腸
溶性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マ
イクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もし
くはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、
または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、該化合物またはその塩を生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製薬実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガ
ントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロ
ースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アル
ギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウム
のような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのよう
な甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーの
ような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセ
ルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のよ
うな液状担体を含有することができる。注射のための無
菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡
麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解ま
たは懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたがって処方
することができる。注射用の水性液としては、例えば、
生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液
(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、
たとえばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアル
コール(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソ
ルベート80(TM)、HCO−50)などと併用しても
よい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、
溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコー
ルなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン
酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えば温血動物(例えば、ヒト、モルモット、ラ
ット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル、イヌ、ニワ
トリなど)、両生類(例えば、カエルなど)および魚類
などに対して投与することができる。本発明のスクリー
ニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得ら
れる化合物(特にアンタゴニスト)またはその塩の投与
量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、
一般的に成人の高血圧症患者(体重60kgとして)に
おいては、一日につき約0.1から1000mg、好ま
しくは約1.0から300mg、より好ましくは約3.
0から50mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、症状、投与方法などによって
も異なるが、たとえば注射剤の形では成人の高血圧症患
者(体重60kgとして)への投与においては、一日に
つき約0.01から30mg程度、好ましくは約0.1
から20mg程度、より好ましくは約0.1から10m
g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。上記の本発明のラット型FM−3、即
ち、配列番号:19で表わされるアミノ酸配列、配
列番号:19で表わされるアミノ酸配列に1個以上30
個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個
以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列、または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列
に1個以上30個以下のアミノ酸が付加し、かつ配列番
号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個
以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列を含有することを特徴とする蛋白質またはその塩に対
する抗体について、以下に詳細に説明する。本発明のラ
ット型FM−3またはその塩に対する抗体は、本発明の
ラット型FM−3またはその塩を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。
【0040】本発明のラット型FM−3またはその塩
(以下、本発明のラット型FM−3と略記する場合もあ
る)に対する抗体は、本発明のラット型FM−3を抗原
として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従
って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のラット型FM−3は、哺乳動物に対して投与に
より抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6
週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いら
れる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、
モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギがあげられ
るが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノ
クローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫
された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫
細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗
体価の測定は、例えば、標識化ラット型FM−3と抗血
清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を
測定することにより行なうことができる。融合操作は既
知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネ
イチャー(Nature)、256巻、495頁(1975
年)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが
用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0などがあげられるが、P3U1が
好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜2
0:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG100
0〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加
され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約
1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細
胞融合を実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できる
が、例えば、本発明のラット型FM−3抗原を直接ある
いは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレー
ト)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物
質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融
合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロ
ブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、
固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗
免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固
相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵
素などで標識したラット型FM−3を加え、固相に結合
したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられ
る。モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそ
れに準じる方法に従って行なうことができるが、通常は
HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)
を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。
選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育
できるものならばどのような培地を用いても良い。例え
ば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清
を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血
清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイ
ブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製
薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通
常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0041】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のラット型FM−
3に対するポリクローナル抗体は、それ自体公知あるい
はそれに準じる方法にしたがって製造することができ
る。例えば、免疫抗原(レセプター蛋白質の抗原)とキ
ャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクロー
ナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該
免疫動物から本発明のラット型FM−3に対する抗体含
有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製
造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗
原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋
白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、
キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体
が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架
橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシ
サイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシア
ニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、
好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いら
れる。また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、
種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデ
ヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオ
ール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬
等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週
毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができ
る。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺
乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取する
ことができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定
は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定でき
る。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクロ
ーナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精
製法に従って行なうことができる。本発明のラット型F
M−3に対する抗体は、本発明のラット型FM−3を特
異的に認識することができるので、被検液中の本発明の
レセプター蛋白質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法
による定量などに使用することができる。すなわち、本
発明は、例えば、(i)本発明のラット型FM−3に対
する抗体と、被検液および標識化ラット型FM−3とを
競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化ラット型F
M−3の割合を測定することを特徴とする被検液中のラ
ット型FM−3の定量法、(ii)被検液と担体上に不溶
化した本発明のラット型FM−3に対する抗体および標
識化された本発明のラット型FM−3に対する抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の本
発明のラット型FM−3の定量法を提供する。上記(i
i)においては、一方の抗体が本発明のラット型FM−
3のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のラ
ット型FM−3のC端部に反応する抗体であることが好
ましい。本発明のラット型FM−3に対するモノクロー
ナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称する
場合がある)を用いて本発明のラット型FM−3の測定
を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうことも
できる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いて
もよく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、ある
いはFab画分を用いてもよい。本発明のラット型FM
−3に対する抗体を用いる測定法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ラット
型FM−3量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗
原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、
これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準
曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用
いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノ
メトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられる
が、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用
いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用い
られる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵
素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位
元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フル
オレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなど
が用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
が用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との
結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。抗
原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いて
もよく、また通常、蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固
定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよ
い。担体としては、例えば、アガロース、デキストラ
ン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガ
ラス等が用いられる。サンドイッチ法においては不溶化
した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ
(1次反応)、さらに標識化した本発明のモノクローナ
ル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明の
ラット型FM−3量を定量することができる。1次反応
と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法によるレセプター蛋白質の測定法
においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明の
モノクローナル抗体はラット型FM−3の結合する部位
が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反応
および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応
で用いられる抗体が、ラット型FM−3のC端部を認識
する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC
端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測
定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法ある
いはネフロメトリーなどに用いることができる。競合法
では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合
的に反応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗体
と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、
B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を
定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用
い、B/F分離をポリエチレングリコール、上記抗体に
対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体
として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可
溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固
相化法とが用いられる。イムノメトリック法では、被検
液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対し
て競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるい
は、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に
結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれ
かの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗
原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測定す
る。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。これら個々の
免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっ
ては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。そ
れぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通
常の技術的配慮を加えて本発明のラット型FM−3また
はその塩の測定系を構築すればよい。これらの一般的な
技術手段の詳細については、総説、成書などを参照する
ことができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッ
セイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラ
ジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石
川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年
発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)
(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免
疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、
「メソッズ・イン・エンジモノジー(Methods in ENZYM
OLOGY)」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part
A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part
B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part
C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part
D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunoche
mical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodiesand G
eneral Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immun
ochemical Techniques(Part I:Hybridoma Technology a
nd Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレ
ス社発行)など参照〕。また、本発明のラット型FM−
3に対する抗体は、体液や組織などの被検体中に存在す
る本発明のラット型FM−3を特異的に検出するために
使用することができる。また、本発明のラット型FM−
3を精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時
の各分画中の本発明のラット型FM−3の検出、被検細
胞内における本発明のラット型FM−3の挙動の分析な
どのために使用することができる。
【0042】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0043】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキ シイミド Bzl :ベンジル Z :ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロルベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Bum :ターシャリーブトキシメチル Trt :トリチル BSA :ウシ血清アルブミン CHAPS :3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1 −プロパンスルホナート PMSF :フェニルメチルスルホニルフルオリド E64 :(L−3−trans−カルボキオキシラン−2−カルボニル )L−ロイシル−アグマチン GDP :グアノシン−5’−二リン酸 MEMα :ミニマムエッセンシャルメジウムアルファ Fura−2AM :1-[6-アミノ-2-(5-カルボキシ-2-オキサゾリル)-5-ベンゾ フラニロキシ]-2-(2-アミノ-5メチルフェノキシ)-エタン-N,N,N',N'-四酢酸ペン タアセトキシメチルエステル HBSS :ハンクス平衡塩液 Fluo−3AM :1-[2-アミノ-5-(2,7-ジクロロ-6-ヒドロキシ-3-オキシ-9- キサンテニル)フェノキシ]-2-(2-アミノ-5-メチルフェノキシ)エタン-N,N,N',N' -四酢酸ペンタアセトキシメチルエステル HEPES :2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル] エタンスルホン酸 MeBzl :4−メチルベンジル NMP :N−メチルピロリドン
【0044】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト型FM3をコードするアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するヒト型FM−3をコードするDNAの塩基配
列を示す。 〔配列番号:3〕マウス型FM−3をコードするアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するマウス型FM−3をコードするDNAの塩基
配列を示す。 〔配列番号:5〕ブタ型ニューロメジンU−8をコード
するアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕イヌ型ニューロメジンU−8をコード
するアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕ニワトリ型ニューロメジンU−9をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕モルモット型ニューロメジンU−9を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕ラット型ニューロメジンU−23をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:10〕カエル型ニューロメジンU−23を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:11〕ヒト型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕ブタ型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:13〕イヌ型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕ニワトリ型ニューロメジンU−25
をコードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕カエル型ニューロメジンU−25を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:16〕ニューロメジンU−25の部分ペプ
チドをコードするアミノ酸配列を示す。配列番号:5で
表されるアミノ酸配列の第4番目〜第8番目のアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:17〕実施例1で用いられたFM3F2の
塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕実施例1で用いられたFM3R2の
塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕実施例3で得られたラット型FM3
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕 配列番号:19で表されるアミノ酸配列を含有するラッ
ト型FM3をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例3に記載のプライマーrFM
Fの塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕実施例3に記載のプライマーrFM
Rの塩基配列を示す。
【0045】後述の実施例3で得られたラットFM3の
アミノ酸配列をコードするDNA(配列番号:20)を
有する形質転換体 Escherichia coli JM109/pTArFM3-1
は、2000年11月9日から日本国茨城県つくば市東
1−1−3、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−7358
として、日本国大阪府大阪市十三本町2−17−85、
財団法人発酵研究所(IFO)に2000年10月24
日から寄託番号 IFO 16491として寄託されてい
る。
【0046】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0047】実施例1 ヒト型FM−3発現CHO細胞
の作成 ヒト型FM−3の取得は以下のように行った。Genomics
52,223-229(1998) に報告されているヒト型FM−3の
配列に基づき以下の2種類の合成DNAを合成した。 FM3F2:5’-GTCGACCATGGCTTGCAATGGCAGTGCGGCCAGG-3’(配列番号:17) FM3R2:5’-GCTAGCTCAGGATGGATCGGTCTCTTGCTG-3’(配列番号:18) これらの合成DNAを用いてヒト胎児脳cDNAよりPCRにて
取得した。PCRの反応液はラット視床下部cDNA溶液1 μl
(0.2 ng poly(A)+RNA由来)、1 μFM3F2(10μM)、
1 μl FM3R2(10 μM)、5μl添付の10 x反応液、5 μl
dNTP(10mM)、1 μl Ex Taq(タカラ)、36 μl 蒸留
水を加えて合計50μlにした。反応液をThermalCycler96
00を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃・2 分の
変性の後、98℃・10 秒、65℃・10秒、72℃・90秒のサ
イクルを28回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気
泳動で約1,2 kbのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物
をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸
菌にサブクローニングした。サブクローニングで得られ
た大腸菌からプラスミドをプラスミド抽出機(クラボウ
社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、そ
の配列が上記の文献に報告されているものと同じヒト型
FM−3cDNA(配列番号:2)であることを確認した。
次にそのプラスミドから制限酵素SalIおよびNhe
Iによって消化後約1.2 kbのヒト型FM−3cDNA断片を
得た。さらに、動物細胞用の発現ベクターであるpAK
KO−111Hはマルチクローニングサイト部分の制限
酵素サイトSalIおよびNheIによって消化後、電
気泳動を行い、ベクター部分を回収した。以上の操作に
よって調製したヒト型FM−3cDNA断片および発現ベク
ターをライゲーションによって連結し、大腸菌JM10
9を形質転換してE. coliJM109/pAKKOFM
3を得た。形質転換体E. coliJM109/pAKKO
FM3を培養し、プラスミドpAKKOFM3のDNA
を大量に調製した。そのプラスミドDNAのうちの20
μgを1mlの生理的食塩水(PBS)に溶解後、ジーン
トランスファー(和光純薬)のバイアルに注入し、ボル
テックスミキサーを用いて激しく撹拌してDNAを含有
するリポソームを形成させた。CHOdhfr−細胞1
ないし2×106個を直径35mmの細胞培養用シャーレ
に播種し、20時間培養した後に培養液を新鮮なものに
交換した。各シャーレに対して0.5μgのDNAに相当
する量(25μl)のリポソーム液を滴下し、16時間
インキュベーションを行ってプラスミドDNAの導入を
行った。さらに新鮮な培地に交換して1日間培養した
後、選択培地に交換して3日間培養を続け、最後にトリ
プシン消化を行って分散させた細胞を低密度で選択培地
(deoxyribonucleosidesおよびribonucleosidesを含有
しないminimum essential medium,alpha mediumに10
%透析ウシ血清を加えたもの)中に播種し、形質転換体
の選択を行った。形質転換体のみが選択培地中で増殖す
ることが可能であり、継代を繰り返すことによって選択
を重ね、CHO−FM3細胞を樹立した。
【0048】実施例2 FM−3発現CHO細胞に特異的
なニューロメジンU-25の細胞刺激作用 組織培養用容器にて培養したFM−3発現CHO細胞およ
びmock CHO細胞をトリプシンで消化し、解離させた。細
胞数を計測した後、2.7×105cells/カプセルの密度でそ
れぞれサイトセンサー(モレキュラーデバイス社)用カ
プセルキットに播種して一晩培養した。細胞の入ったカ
プセルは、測定用のセンサーチャンバーに移し、それを
ワークステーションに装着した。細胞の入っている部分
を0.1%ウシ血清アルブミンを含有するlow buffered RPM
I培地で還流し、Acidification Rate の値が安定するま
で静置した。Acidification Rate の測定は、80秒間の
ポンプ作動および40秒間のポンプ停止の交互の繰り返し
(1サイクルあたり2分間)中に行ない、ポンプ停止後
8秒後から30秒間の間の細胞外pHの変化率をサイトセ
ンサーによってAcidification Rateとして算出した。ブ
タ型ニューロメジンU-8(BACHEM社、H-5505、配列番
号:5)は10mMの濃度で蒸留水に溶解し、さらに0.1% B
SA を含有するlow buffered RPMI培地にて段階的に希釈
したものを調製した。希釈液をサイトセンサーの2系統
ある流路の一方にセットし、バルブの切り換えによって
ニューロメジンU-8溶液を細胞に暴露した。作用時間
は7分2秒間とした。個々のセンサーチャンバーの検出
感度の違いを平均化(normalize)するため、サイトセ
ンサーのソフトウエア上で細胞にサンプルを暴露する直
前の3サイクル間の値を100%としてAcidification Rate
を換算し、その値にて細胞の反応性の比較を行なった
(図1)。その結果、用量依存的かつFM−3発現CHO
細胞特異的な細胞刺激活性が検出された。
【0049】実施例3 ラット型FM-3遺伝子の取得 ラット型FM-3遺伝子の取得のために、ヒト型FM3取得の
ために用いた配列番号:17または配列番号:18で表
されるプライマーを参考にして、以下の2種類の合成DN
Aを合成した。 rFMF:5’-GTCGACCATGCTCTCCCCAAATGCTTCAACGGG -3’ (配列番号:21) rFMR:5’-GCTAGCTTATTCAGGAGGGTCTGTCTCTTGCTC -3’ (配列番号:22) これらの合成DNAを用いてラット脳cDNAよりPCRにて取
得した。PCRの反応液はcDNA溶液1 μl(0.1 ng poly
(A)+RNA由来)、0.5μl rFMF(10μM)、0.5μl rFMR
(10μM)、2.5μl添付の10x反応液、2.5 μldNTP(10m
M)、0.5μl Klen Taq DNA polymerase(クローンテッ
ク社)、17.5 μl蒸留水を加えて合計25μlにした。反
応液をThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PC
Rの条件は95℃2分の変性の後、98℃ 10秒、65℃ 10秒、
72℃ 60秒のサイクルを33回繰り返した。PCR産物の一部
を用いて電気泳動で約1.3kbのPCR産物の増幅を確認した
後、PCR産物を直接配列決定を行い配列番号:20で示
す配列を得た。配列番号:20で示すDNA配列から予測
されるアミノ酸配列は配列番号:19に示すものであり
ラット型FM-3遺伝子であることが確認できた。
【0050】
【発明の効果】本発明のニューロメジンUおよびFM−
3を用いることを特徴とするニューロメジンUとFM−
3との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法は、高血圧症、ストレス性疾患等の予防・
治療薬などをスクリーニングするために用いることがで
きる。FM−3アンタゴニストは高血圧症、ストレス性
疾患等の予防・治療薬として有用である。
【0051】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method <130> B00348 <150> JP 11-338387 <151> 1999-11-29 <150> JP 12-052251 <151> 2000-02-24 <160> 22 <210> 1 <211> 403 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Ala Cys Asn Gly Ser Ala Ala Arg Gly His Phe Asp Pro Glu Asp 1 5 10 15 Leu Asn Leu Thr Asp Glu Ala Leu Arg Leu Lys Tyr Leu Gly Pro Gln 20 25 30 Gln Thr Glu Leu Phe Met Pro Ile Cys Ala Thr Tyr Leu Leu Ile Phe 35 40 45 Val Val Gly Ala Val Gly Asn Gly Leu Thr Cys Leu Val Ile Leu Arg 50 55 60 His Lys Ala Met Arg Thr Pro Thr Asn Tyr Tyr Leu Phe Ser Leu Ala 65 70 75 80 Val Ser Asp Leu Leu Val Leu Leu Val Gly Leu Pro Leu Glu Leu Tyr 85 90 95 Glu Met Trp His Asn Tyr Pro Phe Leu Leu Gly Val Gly Gly Cys Tyr 100 105 110 Phe Arg Thr Leu Leu Phe Glu Met Val Cys Leu Ala Ser Val Leu Asn 115 120 125 Val Thr Ala Leu Ser Val Glu Arg Tyr Val Ala Val Val His Pro Leu 130 135 140 Gln Ala Arg Ser Met Val Thr Arg Ala His Val Arg Arg Val Leu Gly 145 150 155 160 Ala Val Trp Gly Leu Ala Met Leu Cys Ser Leu Pro Asn Thr Ser Leu 165 170 175 His Gly Ile Arg Gln Leu His Val Pro Cys Arg Gly Pro Val Pro Asp 180 185 190 Ser Ala Val Cys Met Leu Val Arg Pro Arg Ala Leu Tyr Asn Met Val 195 200 205 Val Gln Thr Thr Ala Leu Leu Phe Phe Cys Leu Pro Met Ala Ile Met 210 215 220 Ser Val Leu Tyr Leu Leu Ile Gly Leu Arg Leu Arg Arg Glu Arg Leu 225 230 235 240 Leu Leu Met Gln Glu Ala Lys Gly Arg Gly Ser Ala Ala Ala Arg Ser 245 250 255 Arg Tyr Thr Cys Arg Leu Gln Gln His Asp Arg Gly Arg Arg Gln Val 260 265 270 Thr Lys Met Leu Phe Val Leu Val Val Val Phe Gly Ile Cys Trp Ala 275 280 285 Pro Phe His Ala Asp Arg Val Met Trp Ser Val Val Ser Gln Trp Thr 290 295 300 Asp Gly Leu His Leu Ala Phe Gln His Val His Val Ile Ser Gly Ile 305 310 315 320 Phe Phe Tyr Leu Gly Ser Ala Ala Asn Pro Val Leu Tyr Ser Leu Met 325 330 335 Ser Ser Arg Phe Arg Glu Thr Phe Gln Glu Ala Leu Cys Leu Gly Ala 340 345 350 Cys Cys His Arg Leu Arg Pro Arg His Ser Ser His Ser Leu Ser Arg 355 360 365 Met Thr Thr Gly Ser Thr Leu Cys Asp Val Gly Ser Leu Gly Ser Trp 370 375 380 Val His Pro Leu Ala Gly Asn Asp Gly Pro Glu Ala Gln Gln Glu Thr 385 390 395 400 Asp Pro Ser 403 <210> 2 <211> 1209 <212> DNA <213> Human <400> 2 ATGGCTTGCA ATGGCAGTGC GGCCAGGGGG CACTTTGACC CTGAGGACTT GAACCTGACT 60 GACGAGGCAC TGAGACTCAA GTACCTGGGG CCCCAGCAGA CAGAGCTGTT CATGCCCATC 120 TGTGCCACAT ACCTGCTGAT CTTCGTGGTG GGCGCTGTGG GCAATGGGCT GACCTGTCTG 180 GTCATCCTGC GCCACAAGGC CATGCGCACG CCTACCAACT ACTACCTCTT CAGCCTGGCC 240 GTGTCGGACC TGCTGGTGCT GCTGGTGGGC CTGCCCCTGG AGCTCTATGA GATGTGGCAC 300 AACTACCCCT TCCTGCTGGG CGTTGGTGGC TGCTATTTCC GCACGCTACT GTTTGAGATG 360 GTCTGCCTGG CCTCAGTGCT CAACGTCACT GCCCTGAGCG TGGAACGCTA TGTGGCCGTG 420 GTGCACCCAC TCCAGGCCAG GTCCATGGTG ACGCGGGCCC ATGTGCGCCG AGTGCTTGGG 480 GCCGTCTGGG GTCTTGCCAT GCTCTGCTCC CTGCCCAACA CCAGCCTGCA CGGCATCCGG 540 CAGCTGCACG TGCCCTGCCG GGGCCCAGTG CCAGACTCAG CTGTTTGCAT GCTGGTCCGC 600 CCACGGGCCC TCTACAACAT GGTAGTGCAG ACCACCGCGC TGCTCTTCTT CTGCCTGCCC 660 ATGGCCATCA TGAGCGTGCT CTACCTGCTC ATTGGGCTGC GACTGCGGCG GGAGAGGCTG 720 CTGCTCATGC AGGAGGCCAA GGGCAGGGGC TCTGCAGCAG CCAGGTCCAG ATACACCTGC 780 AGGCTCCAGC AGCACGATCG GGGCCGGAGA CAAGTGACCA AGATGCTGTT TGTCCTGGTC 840 GTGGTGTTTG GCATCTGCTG GGCCCCGTTC CACGCCGACC GCGTCATGTG GAGCGTCGTG 900 TCACAGTGGA CAGATGGCCT GCACCTGGCC TTCCAGCACG TGCACGTCAT CTCCGGCATC 960 TTCTTCTACC TGGGCTCGGC GGCCAACCCC GTGCTCTATA GCCTCATGTC CAGCCGCTTC 1020 CGAGAGACCT TCCAGGAGGC CCTGTGCCTC GGGGCCTGCT GCCATCGCCT CAGACCCCGC 1080 CACAGCTCCC ACAGCCTCAG CAGGATGACC ACAGGCAGCA CCCTGTGTGA TGTGGGCTCC 1140 CTGGGCAGCT GGGTCCACCC CCTGGCTGGG AACGATGGCC CAGAGGCGCA GCAAGAGACC 1200 GATCCATCC 1209 <210> 3 <211> 405 <212> PRT <213> Mouse <400> 3 Met Val Cys Asn Ile Ser Glu Phe Lys Trp Pro Tyr Gln Pro Glu Asp 5 10 15 Leu Asn Leu Thr Asp Glu Ala Leu Arg Leu Lys Tyr Leu Gly Pro Gln 20 25 30 Gln Met Lys Gln Phe Val Pro Ile Cys Val Thr Tyr Leu Leu Ile Phe 35 40 45 Val Val Gly Thr Leu Gly Asn Gly Leu Thr Cys Thr Val Ile Leu Arg 50 55 60 Asn Lys Thr Met Arg Thr Pro Thr Asn Phe Tyr Leu Phe Ser Leu Ala 65 70 75 80 Val Ser Asp Met Leu Val Leu Leu Val Gly Leu Pro Leu Glu Leu Tyr 85 90 95 Glu Met Gln Gln Asn Tyr Pro Phe Gln Leu Gly Ala Ser Ala Cys Tyr 100 105 110 Phe Arg Ile Leu Leu Leu Glu Thr Val Cys Leu Ala Ser Val Leu Asn 115 120 125 Val Thr Ala Leu Ser Val Glu Arg Tyr Val Ala Val Val Arg Pro Leu 130 135 140 Gln Ala Lys Ser Val Met Thr Arg Ala His Val Arg Arg Met Val Gly 145 150 155 160 Ala Ile Trp Val Leu Ala Thr Leu Phe Ser Leu Pro Asn Thr Ser Leu 165 170 175 His Gly Leu Ser Gln Leu Thr Val Pro Cys Arg Gly Pro Val Pro Asp 180 185 190 Ser Ala Ile Cys Ser Leu Val Gly Pro Met Asp Phe Tyr Lys Leu Val 195 200 205 Val Leu Thr Thr Ala Leu Leu Phe Phe Cys Leu Pro Met Val Thr Ile 210 215 220 Ser Val Leu Tyr Leu Leu Ile Gly Leu Arg Leu Arg Arg Glu Arg Met 225 230 235 240 Leu Leu Gln Val Glu Val Lys Gly Arg Lys Thr Ala Ala Thr Gln Glu 245 250 255 Thr Ser His Arg Arg Ile Gln Leu Gln Asp Arg Gly Arg Arg Gln Val 260 265 270 Thr Lys Met Leu Phe Ala Leu Val Val Val Phe Gly Ile Cys Trp Ala 275 280 285 Pro Phe His Ala Asp Arg Ile Met Trp Ser Leu Val Tyr Gly His Ser 290 295 300 Thr Glu Gly Leu His Leu Ala Tyr Gln Cys Val His Ile Ala Ser Gly 305 310 315 320 Ile Phe Phe Tyr Leu Gly Ser Ala Ala Asn Pro Val Leu Tyr Ser Leu 325 330 335 Met Ser Thr Arg Phe Arg Glu Thr Phe Leu Gln Ala Leu Gly Leu Gly 340 345 350 Thr Gln Cys Cys His Arg Arg Gln Pro Tyr His Gly Ser His Asn His 355 360 365 Ile Arg Leu Thr Thr Gly Ser Thr Leu Cys Asp Val Gly His Arg Asn 370 375 380 Ser Arg Asp Glu Pro Leu Ala Val Asn Glu Asp Pro Gly Cys Gln Gln 385 390 395 400 Glu Thr Asp Pro Ser 405 <210> 4 <211> 1215 <212> DNA <213> Mouse <400> 4 ATGGTCTGCA ATATCAGTGA GTTCAAGTGG CCCTATCAAC CTGAGGATCT GAACCTTACC 60 GATGAGGCCC TGAGGCTGAA GTATTTGGGG CCACAGCAGA TGAAACAGTT TGTCCCCATC 120 TGTGTCACGT ACCTGCTGAT CTTCGTGGTG GGCACTCTGG GCAACGGGCT GACCTGCACC 180 GTCATCCTGC GCAACAAGAC TATGCGCACG CCCACCAACT TCTACCTCTT CAGCCTCGCT 240 GTGTCCGATA TGCTGGTGCT CCTGGTGGGC TTGCCTCTGG AGCTTTATGA GATGCAGCAA 300 AATTACCCGT TCCAGCTGGG TGCGAGTGCC TGCTACTTCC GAATACTGCT CTTAGAGACC 360 GTCTGCCTAG CTTCAGTGCT CAATGTCACA GCCCTGAGTG TGGAGCGTTA TGTGGCCGTG 420 GTGCGCCCAC TCCAAGCCAA GTCTGTGATG ACACGGGCCC ATGTGCGCCG CATGGTGGGG 480 GCCATCTGGG TCCTCGCTAC TCTCTTCTCT CTGCCCAACA CCAGCCTGCA TGGCCTCAGT 540 CAACTAACTG TGCCCTGCCG GGGGCCGGTG CCCGACTCAG CTATATGTTC GCTGGTGGGT 600 CCCATGGACT TCTACAAGTT GGTGGTACTG ACTACCGCAC TGCTCTTCTT CTGTCTGCCC 660 ATGGTCACCA TCAGTGTGCT GTATCTGCTC ATTGGGCTGC GGCTGCGGAG GGAGAGGATG 720 TTGCTCCAAG TGGAGGTCAA GGGCAGGAAA ACCGCAGCAA CCCAGGAGAC CTCCCACAGA 780 AGGATTCAGC TGCAAGATAG GGGACGGAGA CAGGTGACCA AGATGCTGTT TGCACTGGTT 840 GTGGTATTCG GCATCTGCTG GGCTCCATTC CATGCTGACC GTATCATGTG GAGCCTGGTG 900 TATGGACACT CAACGGAAGG CCTGCACCTG GCCTACCAGT GTGTCCACAT TGCCTCTGGC 960 ATCTTCTTCT ATCTCGGCTC AGCAGCCAAC CCGGTGCTCT ACAGCCTCAT GTCTACTCGC 1020 TTCCGAGAGA CCTTCCTGCA AGCCCTGGGC CTTGGAACCC AGTGCTGTCA TCGCCGCCAA 1080 CCCTATCATG GCTCCCATAA CCACATCAGG TTGACCACAG GCAGCACCCT GTGTGACGTG 1140 GGCCACAGGA ACAGCAGGGA CGAACCTCTG GCTGTGAATG AGGATCCAGG GTGTCAGCAA 1200 GAGACAGACC CCTCC 1215 <210> 5 <211> 8 <212> PRT <213> Pig <400> 5 Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 8 <210> 6 <211> 8 <212> PRT <213> Dog <400> 6 Glu Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 8 <210> 7 <211> 9 <212> PRT <213> Chicken <400> 7 Gly Tyr Phe Phe Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 9 <210> 8 <211> 9 <212> PRT <213> Guinea pig <400> 8 Gly Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 9 <210> 9 <211> 23 <212> PRT <213> Rat <400> 9 Tyr Lys Val Asn Glu Tyr Gln Gly Pro Val Ala Pro Ser Gly Gly Phe 1 5 10 15 Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 23 <210> 10 <211> 23 <212> PRT <213> Frog <400> 10 Ser Asp Glu Glu Val Gln Val Pro Gly Gly Val Ile Ser Asn Gly Tyr 1 5 10 15 Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 23 <210> 11 <211> 25 <212> PRT <213> Human <400> 11 Phe Arg Val Asp Glu Glu Phe Gln Ser Pro Phe Ala Ser Gln Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 12 <211> 25 <212> PRT <213> Pig <400> 12 Phe Leu Val Asp Glu Glu Phe Gln Gly Pro Ile Val Ser Gln Asn Arg 1 5 10 15 Arg Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 13 <211> 25 <212> PRT <213> Dog <400> 13 Phe Arg Leu Asp Glu Glu Phe Gln Gly Pro Ile Ala Ser Gln Val Arg 1 5 10 15 Arg Gln Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 14 <211> 25 <212> PRT <213> Chicken <400> 14 Tyr Lys Val Asp Glu Asp Leu Gln Gly Ala Gly Gly Ile Gln Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Phe Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 15 <211> 25 <212> PRT <213> Frog <400> 15 Leu Lys Pro Asp Glu Glu Leu Gln Gly Pro Gly Gly Val Leu Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Val Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 16 <211> 5 <212> PRT <213> Human <400> 16 Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 <210> 17 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 17 GTCGACCATG GCTTGCAATG GCAGTGCGGC CAGG 34 <210> 18 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 18 GCTAGCTCAG GATGGATCGG TCTCTTGCTG 30 <210> 19 <211> 412 <212> PRT <213> Rat <400> 19 Met Leu Ser Pro Asn Ala Ser Thr Gly Leu Leu Ser Cys Asn Asp Ser 5 10 15 Glu Phe Lys Glu His Phe Asp Leu Glu Asp Leu Asn Leu Thr His Glu 20 25 30 Asp Leu Arg Leu Lys Tyr Leu Gly Pro Gln Gln Val Lys Gln Phe Leu 35 40 45 Pro Ile Cys Val Thr Tyr Leu Leu Ile Phe Val Val Gly Thr Leu Gly 50 55 60 Asn Gly Leu Thr Cys Thr Val Ile Leu Arg Gln Lys Ala Met His Thr 65 70 75 80 Pro Thr Asn Phe Tyr Leu Phe Ser Leu Ala Val Ser Asp Leu Leu Val 85 90 95 Leu Leu Val Gly Leu Pro Leu Glu Leu Tyr Glu Met Gln His Asn Tyr 100 105 110 Pro Phe Gln Leu Gly Ala Gly Gly Cys Tyr Phe Arg Ile Leu Leu Leu 115 120 125 Glu Thr Val Cys Leu Ala Ser Val Leu Asn Val Thr Ala Leu Ser Val 130 135 140 Glu Arg Tyr Val Ala Val Val His Pro Leu Gln Ala Lys Ser Val Met 145 150 155 160 Thr Arg Thr His Val Arg Arg Met Leu Gly Ala Ile Trp Val Phe Ala 165 170 175 Ile Leu Phe Ser Leu Pro Asn Thr Ser Leu His Gly Leu Ser Pro Leu 180 185 190 Tyr Val Pro Cys Arg Gly Pro Val Pro Asp Ser Val Thr Cys Thr Leu 195 200 205 Val Arg Pro Gln Phe Phe Tyr Lys Leu Val Ile Gln Thr Thr Ile Leu 210 215 220 Leu Phe Phe Cys Leu Pro Met Val Thr Ile Ser Val Leu Tyr Leu Leu 225 230 235 240 Ile Gly Leu Arg Leu Arg Arg Glu Arg Met Leu Leu Gln Glu Glu Val 245 250 255 Lys Gly Arg Ile Ser Ala Ala Ala Arg Gln Ala Ser His Arg Ser Ile 260 265 270 Gln Leu Arg Asp Arg Glu Arg Arg Gln Val Thr Lys Met Leu Ile Ala 275 280 285 Leu Val Ile Val Phe Gly Thr Cys Trp Val Pro Phe His Ala Asp Arg 290 295 300 Leu Met Trp Ser Met Val Ser His Trp Thr Asp Gly Leu Arg Leu Ala 305 310 315 320 Phe Gln Ser Val His Leu Ala Ser Gly Val Phe Leu Tyr Leu Gly Ser 325 330 335 Ala Ala Asn Pro Glu Leu Tyr Asn Leu Met Ser Thr Arg Phe Arg Glu 340 345 350 Ser Phe Arg Glu Thr Leu Gly Leu Gly Thr Arg Cys Cys His Arg His 355 360 365 Gln Pro Arg His Asp Ser His Ser His Leu Arg Leu Thr Thr Val Ser 370 375 380 Thr Leu Cys Asp Arg Asn Ser Arg Asp Val Pro Leu Ala Glu Asn Arg 385 390 395 400 Asp Pro Gly Cys Glu Gln Glu Thr Asp Pro Pro Glu 405 410 412 <210> 20 <211> 1239 <212> DNA <213> Rat <400> 20 ATGCTCTCCC CAAATGCTTC AACGGGCCTC TTGTCCTGCA ATGACAGTGA GTTCAAGGAG 60 CACTTTGACC TTGAGGACCT GAACCTTACT CATGAGGACC TGAGGCTGAA GTACTTGGGG 120 CCACAGCAGG TAAAACAATT TTTGCCCATC TGTGTCACGT ACCTGTTGAT CTTCGTAGTG 180 GGCACTCTGG GCAACGGGTT GACCTGCACC GTCATCCTGC GCCAGAAGGC AATGCACACG 240 CCCACCAACT TCTACCTCTT CAGTCTCGCG GTGTCCGATT TGCTGGTGCT CCTGGTGGGC 300 TTGCCCCTGG AACTTTATGA GATGCAGCAC AATTACCCAT TCCAGCTGGG TGCAGGTGGC 360 TGTTACTTCC GGATACTGCT TTTGGAGACT GTCTGCCTGG CTTCAGTGCT CAATGTCACA 420 GCCCTAAGTG TGGAGCGTTA TGTGGCCGTG GTGCACCCAC TCCAAGCCAA GTCTGTGATG 480 ACACGGACCC ATGTGCGCCG CATGTTGGGA GCCATCTGGG TCTTCGCTAT TCTCTTCTCT 540 CTGCCCAACA CCAGCTTACA TGGCCTCAGT CCACTCTATG TACCCTGCCG GGGGCCGGTG 600 CCCGATTCAG TTACGTGTAC GCTGGTGCGT CCCCAGTTCT TCTACAAGTT GGTAATACAG 660 ACGACCATAC TGCTCTTCTT CTGTCTGCCC ATGGTCACCA TCAGTGTGCT GTACCTGCTC 720 ATTGGGCTGA GGCTGCGGAG GGAGAGGATG TTGCTCCAAG AGGAGGTCAA GGGCAGGATA 780 TCTGCAGCAG CCAGGCAGGC CTCCCACAGA AGTATTCAGC TTCGAGATAG GGAACGCAGA 840 CAGGTGACCA AGATGCTAAT TGCTCTGGTT ATAGTATTTG GCACCTGCTG GGTTCCATTC 900 CATGCTGACC GTCTCATGTG GAGTATGGTG TCCCATTGGA CTGACGGCCT GCGCCTGGCC 960 TTCCAGTCTG TGCACCTTGC TTCTGGTGTC TTCTTGTACC TCGGCTCAGC GGCTAACCCG 1020 GAGCTCTACA ACCTCATGTC CACTCGCTTC CGAGAGTCCT TCCGGGAAAC CCTGGGCCTT 1080 GGGACACGGT GCTGTCATCG CCACCAACCG CGTCACGACT CCCATAGCCA CCTTAGGTTG 1140 ACCACAGTCA GCACCCTGTG TGACAGGAAC AGCAGGGATG TACCCCTGGC TGAGAACAGG 1200 GATCCAGGGT GTGAGCAAGA GACAGACCCT CCTGAATAA 1239 <210> 21 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 21 GTCGACCATG CTCTCCCCAA ATGCTTCAAC GGG 33 <210> 22 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 22 GCTAGCTTAT TCAGGAGGGT CTGTCTCTTG CTC 33
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で行われたサイトセンサーによるFM
−3特異的な細胞刺激活性の検出の結果を示す図を表
す。サイトセンサーアッセイにおいて、FM−3発現CH
O細胞(●)およびmock CHO細胞(○)に対して図に表
示の濃度のブタ型ニューロメジンU-8を7分2秒間作
用させ、その間のAcidification Rateの最大値をプロッ
トしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/08 A61P 9/02 4C084 5/06 9/10 4H045 9/02 9/12 9/10 11/06 9/12 25/06 11/06 29/00 101 25/06 37/04 29/00 101 C07K 14/705 37/04 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/04 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/04 C12P 21/08 G01N 33/15 C12R 1:91) 33/50 (C12P 21/02 C // C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 5/10 (C12Q 1/04 C12R 1:91) C12R 1:91) (C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:91) A61K 37/02 (C12Q 1/04 C12N 5/00 A C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 福住 昌司 茨城県つくば市並木3丁目17番地6 ロイ ヤルシティ並木302号 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 CB01 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA11 BA63 CA04 DA02 EA04 GA13 HA01 HA14 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QR48 QR77 QR80 QS28 QS38 QX07 4B064 AG20 AG27 CA10 CA19 CC24 CE09 CE11 CE12 CE14 DA13 4B065 AA26X AA91X AA91Y AA93Y AB01 AC14 CA24 CA46 4C084 AA16 BA02 BA17 BA22 BA23 CA17 CA21 ZA031 ZA032 ZA421 ZA422 ZC781 ZC782 ZC801 ZC802 4H045 AA11 AA20 AA30 CA45 DA50 DA76 DA86 EA50 FA72 FA74 GA20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
    はその塩およびFM−3またはその塩を用いることを特
    徴とするニューロメジンUまたはその塩とFM−3また
    はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
    スクリーニング方法。
  2. 【請求項2】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
    はその塩およびFM−3またはその塩を含有することを
    特徴とするニューロメジンUまたはその塩とFM−3ま
    たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
    のスクリーニング用キット。
  3. 【請求項3】請求項1記載のスクリーニング方法または
    請求項2記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
    うる、ニューロメジンUまたはその塩とFM−3または
    その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項3記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
  5. 【請求項5】高血圧症またはストレス性疾患の予防・治
    療薬である請求項4記載の医薬。
  6. 【請求項6】請求項3記載の化合物またはその塩を含有
    してなる食欲調節剤。
  7. 【請求項7】ニューロメジンUが配列番号:11で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するペプチドである請求項1記載のスクリ
    ーニング方法または請求項2記載のスクリーニング用キ
    ット。
  8. 【請求項8】FM−3が配列番号:1で表されるアミノ
    酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
    有する蛋白質である請求項1記載のスクリーニング方法
    または請求項2記載のスクリーニング用キット。
  9. 【請求項9】配列番号:19で表わされるアミノ酸配
    列、配列番号:19で表わされるアミノ酸配列に1個
    以上30個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
    配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上
    30個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
    ノ酸配列、または配列番号:19で表わされるアミノ
    酸配列に1個以上30個以下のアミノ酸が付加し、かつ
    配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の1個以上
    30個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
    ノ酸配列を含有することを特徴とする蛋白質またはその
    塩。
  10. 【請求項10】請求項9記載の蛋白質をコードするDNA
    を含有するDNA。
  11. 【請求項11】配列番号:20で表される塩基配列を有
    する請求項10記載のDNA。
  12. 【請求項12】請求項10記載のDNAを含有する組換
    えベクター。
  13. 【請求項13】請求項12記載の組換えベクターで形質
    転換させた形質転換体。
  14. 【請求項14】請求項13記載の形質転換体を培養し、
    請求項9記載の蛋白質を生成せしめることを特徴とする
    請求項9記載の蛋白質またはその塩の製造法。
  15. 【請求項15】請求項9記載の蛋白質またはその塩に対
    する抗体。
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JPWO2006068326A1 (ja) * 2004-12-24 2008-06-12 国立循環器病センター総長 新規ポリペプチドおよびその用途
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