JP2002284821A - 制振材用材料及び合成樹脂用制振性改良剤 - Google Patents
制振材用材料及び合成樹脂用制振性改良剤Info
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Abstract
を発揮し、かつ耐候性、耐久性、意匠性に優れ、それ自
身成形性に優れる制振材用材料、及び合成樹脂用制振性
改良剤の提供。 【解決手段】 多層構造重合体粒子からなるか又はこれ
と無機充填剤とを混合及び/又は混練して得られる制振
材用材料であって、該多層構造重合体粒子がアクリル酸
エステル及び多官能性単量体を含む単量体混合物の共重
合によって形成されるゴム成分層(I)とメタクリル酸
エステル及び他の単量体からなる単量体混合物の共重合
によって形成される熱可塑性樹脂成分層(II)とを有
し、以下の条件(1)最外層を構成する熱可塑性樹脂成
分の数平均分子量は30,000以下、(2)層(I)
/層(II)の質量比は30/70〜90/10、
(3)平均粒子径は150nm以下を満足する多層構造
重合体粒子である該材料、及び該材料からなる合成樹脂
用制振性改良剤。
Description
合成樹脂用制振性改良剤に関する。さらに詳しくは、土
木、建築、車両、家電等構造的に振動が問題となる分野
において、制振材の成形に好適に使用しうる制振材用材
料及び合成樹脂用制振性改良剤に関する。
低騒音化や、一般家庭での事務機器の普及や家電製品の
大型化により発生する騒音、振動の低減が重要な課題と
なっている。また、屋外においても橋梁等の構造物、産
業機械等の低振動化、低騒音化が進んでいる。これらの
要求に対応するため、ビニル結合を含有するブロック共
重合体(特開平5−279543号公報参照)、共役ジ
エン化合物系共重合体(特開平6−41443号公報参
照)等が提案されている。
外で使用する土木用、建築用、車両用の制振材は、さら
なる耐候性や耐久性等が要求されるようになり、従来の
不飽和結合を有するゴム系制振材やプロセスオイルを添
加した制振材では十分性能が発揮できない用途が広がっ
てきている。一方、一般家庭で使用される家電用の制振
材も、家電製品のデザインの多様化により、さらなる意
匠性等が要求されるようになってきている。本発明は、
それからの成形品が常温領域の幅広い温度範囲で制振性
能を発揮し、かつ耐候性、耐久性、意匠性にも優れ、ま
たそれ自身成形性に優れた制振材用材料、及び添加する
ことにより制振性能を改良できる合成樹脂用の制振性改
良剤を提供することを目的とする。
を解決するために種々の検討を行い、特定の多層構造重
合体粒子を用いると上記課題が解決されることを見出
し、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
有し、かつ少なくとも1つの下記熱可塑性樹脂成分層
(II)を少なくとも最外部に有する、2以上の層から
なる多層構造重合体粒子であって; (2)ゴム成分層(I)は、アクリル酸エステル50〜
99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合可能
な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び該アク
リル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体0.01
〜10質量%からなる単量体混合物(i)の共重合によ
って形成される重合体層であり; (3)熱可塑性樹脂成分層(II)は、メタクリル酸エ
ステル40〜100質量%及び該メタクリル酸エステル
と共重合可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量
体(ii)の重合によって形成される重合体層であり; (4)熱可塑性樹脂成分層(II)のうち最外部に位置
する層を構成する重合体について、GPC法で測定され
た数平均分子量は30,000以下であり; (5)ゴム成分層(I)の総質量と熱可塑性樹脂成分層
(II)の総質量との比は、層(I)/層(II)にお
いて30/70〜90/10の範囲であり; (6)平均粒子径が150nm以下である; ことを特徴とする多層構造重合体粒子からなる制振材用
材料により達成される。
無機充填剤を併せて使用することにより高いレベルの制
振性を保ちながら、さらに広い温度範囲、特に高温領域
における制振性を改善させることが可能になる。すなわ
ち、本発明によれば、上記目的の1つは、上記多層構造
重合体粒子と無機充填剤とを混合及び/又は混練して得
られる制振材用材料により達成される。本発明によれ
ば、上記目的の1つは、上記制振材用材料を、合成樹脂
用の制振性改良剤として用いることにより達成される。
する。本発明で使用する多層構造重合体粒子は、ゴム成
分層(I)を内部に少なくとも1層有し、かつ熱可塑性
樹脂成分層(II)を少なくとも最外層として有する。
本発明で使用する多層構造重合体粒子を構成する層の数
は、2層以上であればよく、3層で構成されていても4
層以上で構成されていてもよい。2層構造の場合は、層
(I)(中心層)/層(II)(最外層)の構成であ
り、3層構造の場合は、層(I)(最内層)/層(I)
(中間層)/層(II)(最外層)、層(I)(最内
層)/層(II)(中間層)/層(II)(最外層)又
は層(II)(最内層)/層(I)(中間層)/層(I
I)(最外層)の構成であり、4層構造の場合には、例
えば、層(I)(最内層)/層(II)(中間層)/層
(I)(中間層)/層(II)(最外層)の構成を有す
ることができる。これらの中でも、取扱い性に優れる点
において、層(I)(中心層)/層(II)(最外層)
の2層構造;又は層(I)(最内層)/層(I)(中間
層)/層(II)(最外層)若しくは層(II)(最内
層)/層(I)(中間層)/層(II)(最外層)の3
層構造が好ましい。
は、(I)/(II)において30/70〜90/10
の範囲内にあることが必要である。層(I)の割合がこ
の範囲より小さいと多層構造重合体粒子を成形して得ら
れる成形品における弾性回復性が不十分となり、一方層
(I)の割合がこの範囲より大きいと層構造を完全な形
態では形成しにくくなり、溶融流動性が極端に低下して
しまうため成形が困難となる。なお、層(I)の総質量
とは、多層構造重合体粒子中の層(I)が1層のみの場
合には該層の質量であり、層(I)が2層以上の場合に
はそれらの層の質量の和である。同様に、層(II)の
総質量とは、多層構造重合体粒子中の層(II)が1層
のみの場合には該層の質量であり、層(II)が2層以
上の場合にはそれらの層の質量の和である。層(I)と
層(II)の総質量比は、(I)/(II)において5
0/50〜90/10の範囲内にあることが好ましく、
60/40〜80/20の範囲内にあることがより好ま
しい。
ける層(I)は、アクリル酸エステル50〜99.99
質量%、好ましくは55〜99.9質量%、該アクリル
酸エステルと共重合可能な他の単官能性単量体49.9
9〜0質量%、好ましくは44.9〜0質量%及び該ア
クリル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体0.0
1〜10質量%、好ましくは0.1〜2質量%含む単量
体混合物(i)の共重合によって形成されるゴム弾性を
有する重合体層である。
リル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t
−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、、ドデシルアクリレート、オクタ
デシルアクリレート等のアクリル酸と脂肪族アルコール
とのエステル、例えばC1〜C18の飽和脂肪族アルコー
ルとのエステル;シクロヘキシルアクリレート等のアク
リル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとのエステル;
フェニルアクリレート等のアクリル酸とフェノール類と
のエステル;ベンジルアクリレート等のアクリル酸と芳
香族アルコールとのエステルなどが挙げられる。アクリ
ル酸エステルは、層(I)(多層構造重合体粒子が2以
上の層(I)を有する場合には、それぞれの層(I))
を形成するために用いられる単量体混合物(i)に対し
て50〜99.99質量%の範囲において、単独で又は
2種以上混合して用いられる。アクリル酸エステルの量
が50質量%より少ないと多層構造重合体粒子のゴム弾
性が低下することになり、また、99.99質量%を超
えると多層構造重合体粒子の構造が形成されなくなるの
で、いずれも好ましくない。
クリル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体は、分
子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する単量体であ
り、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸等の不
飽和モノカルボン酸とアリルアルコール、メタリルアル
コール等の不飽和アルコールとのエステル;前記の不飽
和モノカルボン酸とエチレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール等のグリコールとのジエステル;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸等
のジカルボン酸と前記の不飽和アルコールとのエステル
等が包含され、具体的には、アクリル酸アリル、アクリ
ル酸メタリル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸メタ
リル、桂皮酸アリル、桂皮酸メタリル、マレイン酸ジア
リル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソ
フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。これらの多官能性単量体の中で
も、メタクリル酸アリルが特に好ましい。なお、前記の
「ジ(メタ)アクリレート」は、「ジアクリレート」と
「ジメタクリレート」との総称を意味する。多官能性単
量体は、層(I)(多層構造重合体粒子が2以上の層
(I)を有する場合には、それぞれの層(I))を形成
するために用いられる単量体混合物(i)に対して0.
01〜10質量%の範囲において、単独で又は二種以上
を組み合わせて用いられる。多官能性単量体の量が、1
0質量%より多いと、多層構造重合体粒子がゴム弾性を
示さなくなり、弾性回復性が不十分となるので好ましく
ない。また、多官能性単量体の量が0.01質量%より
少ないと、層(I)が粒子構造として形成されなくなる
ので好ましくない。
エステル及び多官能性単量体以外に、該アクリル酸エス
テルと共重合可能な他の単官能性単量体を併用すること
ができる。該他の単官能性単量体としては、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル
メタクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ド
デシルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、パ
ルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、
ベヘニルメタクリレート等のメタクリル酸と脂肪族アル
コールとのエステル、例えばC1〜C22の飽和脂肪族ア
ルコールとのエステル;シクロヘキシルメタクリレート
等のメタクリル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとの
エステル;フェニルメタクリレート等のメタクリル酸と
フェノール類とのエステル、ベンジルメタクリレート等
のメタクリル酸と芳香族アルコールとのエステルなどの
メタクリル酸エステルが代表的であるが、他にも、スチ
レン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3
−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロ
ヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル
−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチ
レン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル系単量体;ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チルブタジエン、2−メチル−3−エチルブタジエン、
1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジ
エン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘ
キサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、3,
4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタ
ジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、1,3−
オクタジエン、シクロペンタジエン、クロロプレン、ミ
ルセン等の共役ジエン系単量体等が挙げられる。これら
の単量体は、必要に応じて、層(I)(多層構造重合体
粒子が2以上の層(I)を有する場合には、それぞれの
層(I))を形成するために用いられる単量体混合物
(i)に対して49.99質量%以下の割合において、
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。上
記の他の単官能性単量体の割合が49.99質量%を超
える場合は、多層構造重合体粒子の耐候性が不十分とな
るので好ましくない。
ける層(II)は、メタクリル酸エステル40〜100
質量%、好ましくは60〜99質量%、さらに好ましく
は80〜99質量%及びそれと共重合可能な他の単量体
60〜0質量%、好ましくは40〜1質量%、さらに好
ましくは20〜1質量%からなる単量体(ii)の重合に
よって形成される熱可塑性を有する重合体層である。メ
タクリル酸エステルの量が40質量%未満であると多層
構造重合体粒子の耐候性が不十分となる。
タクリル酸エステルの具体例としては、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタ
クリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ミ
リスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、
ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、
オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート等が挙げられ、好ましくは
メチルメタクリレートである。
重合可能な他の単量体の具体例としては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オ
クタデシルアクリレート等のアクリル酸と脂肪族アルコ
ールとのエステル、例えばC1〜C18の飽和脂肪族アル
コールとのエステル;シクロヘキシルアクリレート等の
アクリル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとのエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタ
レン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4
−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2
−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチ
ル)スチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系
単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル系単量体;マレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロ
モフェニル)マレイミド、N−(クロロフェニル)マレ
イミド等のマレイミド系単量体;前記例で示した多官能
性単量体等が挙げられる。これらの中でも、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト等のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。
ら構成され、層(II)は熱可塑性を有する重合体成分
から構成されるように、それぞれ、上記した単量体の種
類及び使用割合の範囲内で適宜条件を選択すればよい。
いては、その中に含有される層(II)のうち少なくと
も粒子の最外層を構成する共重合体の数平均分子量がG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で
の測定に基づいて30,000以下であることが重要で
ある。数平均分子量が30,000を超える場合、多層
構造重合体粒子を成形して得た成形品における弾性回復
性が不十分となり、さらに溶融流動性が低下する場合も
ある。数平均分子量の下限については、必ずしも厳密な
制限はないが、生産工程における多層構造重合体粒子の
工程通過性の点からは、数平均分子量は1,000を下
回らないことが好ましい。弾性回復性及び生産工程での
工程通過性の両立の点からは、数平均分子量を3,00
0〜20,000の範囲内とすることが特に好ましい。
均粒子径は、150nm以下である。150nmより大
きいと弾性回復性が不十分となる。また、溶融流動性が
良くない場合もある。平均粒子径の下限値については特
に限定されるものではないが、多層構造重合体粒子の所
定の層構造を形成させやすい観点からは、平均粒子径は
30nm以上であることが好ましい。該平均粒子径はさ
らに好ましくは80〜120nmである。
層を形成させるための重合反応工程と熱可塑性樹脂成分
層を形成させるための重合反応工程とを所定の順序で行
うことによって、中心部から外部に向かって順次層を形
成させることからなる、少なくとも1つのゴム成分層を
内部に有し、かつ少なくとも1つの熱可塑性樹脂成分層
を少なくとも最外部に有する、2以上の層からなる多層
構造重合体粒子を製造するための公知の製造方法に準じ
て、製造することができる。その際、以下の点に留意す
る。
の重合反応工程(a)において、アクリル酸エステル5
0〜99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合
可能な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び該
アクリル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体0.
01〜10質量%からなる単量体混合物(i)を共重合
させること。 (2)熱可塑性樹脂成分層(II)を形成させるための
重合反応工程(b)において、メタクリル酸エステル4
0〜100質量%及び該メタクリル酸エステルと共重合
可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量体(ii)
を重合させること。
くとも、最外部の熱可塑性樹脂成分層(II)を形成さ
せるための重合反応工程において、分子量調節剤を単量
体(ii)に対して0.4〜10質量%の範囲内となる割
合で使用して重合反応を行うこと。 (4)全重合反応工程で使用する単量体混合物(i)の
総質量と単量体(ii)の総質量との比を、単量体混合物
(i)/単量体(ii)において30/70〜90/10
の範囲内とすること。 (5)全ての重合反応工程が終了した時点における多層
構造重合体粒子の平均粒子径が150nm以下となるよ
うに制御すること。
特に物性面および製造の簡便性の点から最内部にゴム成
分層(Ia)を有し、該最内部の外部表面を覆う状態で
位置する隣接部にゴム成分層(Ib)を有し、かつ最外
部に熱可塑性樹脂成分層(II)を有する3層構造の多
層構造重合体粒子が好ましい。層(Ia)および(I
b)を形成するために用いられるアクリル酸エステル、
該アクリル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体お
よび該アクリル酸エステルと共重合可能な他の単官能性
単量体としては、前述の層(I)を形成するために用い
られる単量体を使用することができる。
子を成形して得た成形品において、優れた弾性回復性、
良好な柔軟性及びこれ以外の機械的物性を並立させるに
は、単量体混合物(ia)におけるアクリル酸エステル
の含有率(質量%)と単量体混合物(ib)におけるア
クリル酸エステルの含有率(質量%)との差〔(ia)
(単位:質量%)−(ib)(単位:質量%)又は(i
b)(単位:質量%)−(ia)(単位:質量%)〕が
3質量%以上の値となることが一般に好ましく、(i
a)(単位:質量%)−(ib)(単位:質量%)が3
質量%以上の値となることがより好ましい。
子において、層(Ia)及び層(Ib)がゴム弾性を有
する重合体成分から構成され、層(II)が熱可塑性を
有する重合体成分から構成されるように、それぞれ上記
したような単量体の種類及び使用割合の範囲内で適宜条
件を選択すればよい。ただし、多層構造重合体粒子から
なる成形品について透明性が重視される場合には、多層
構造重合体粒子中の相互に隣接する重合体層の間〔例え
ば、多層構造重合体粒子が3層構造である場合、層(I
a)と層(Ib)の間、及び層(Ib)と層(II)の
間〕における屈折率の差が小さくなるように、各層を形
成させるための単量体の種類及び使用割合を適宜選択す
ることが好ましい。
子においては、ゴム成分層(Ia)及び(Ib)の質量
の和と熱可塑性樹脂成分層(II)の質量との比は、
〔(Ia)+(Ib)〕/(II)において、30/7
0〜90/10の範囲内である。層(Ia)及び層(I
b)の質量の和の割合がこの範囲より小さいと多層構造
重合体粒子を成形して得られる成形品における弾性回復
性及び柔軟性が不十分となり、一方層(Ia)及び層
(Ib)の質量の和の割合がこの範囲より大きいと層構
造を完全な形態では形成しにくくなり、溶融流動性が極
端に低下してしまうため成形が困難となる。本発明の効
果をより顕著なものとする目的においては、ゴム成分層
(Ia)及び(Ib)の質量の和と熱可塑性樹脂成分層
(II)の質量との比は、〔(Ia)+(Ib)〕/
(II)において、50/50〜90/10の範囲内で
あることが好ましく、60/40〜80/20の範囲内
であることがより好ましい。
合体粒子においては、ゴム成分層(Ia)の質量とゴム
成分層(Ib)の質量との比は、(Ia)/(Ib)に
おいて、5/95〜95/5、好ましくは20/80〜
80/20の範囲内である。ゴム成分層(Ia)の質量
とゴム成分層(Ib)の質量との比が5/95〜95/
5の範囲を外れる場合、一般に、優れた弾性回復性、適
度な柔軟性及び優れたその他の機械的物性を並立させる
ことが困難となる。
合体粒子は、最内部のゴム成分層(Ia)、その隣接部
のゴム成分層(Ib)及び最外部の熱可塑性樹脂成分層
(II)の3層を基本構成とするが、層(Ib)と層
(II)との間に1つ以上の任意の重合体層が介在して
いてもよい。ただし、本発明の効果を特に顕著に発揮さ
せる目的においては、ゴム成分層(Ia)、ゴム成分層
(Ib)及び熱可塑性樹脂成分層(II)の質量の和が
多層構造重合体粒子全体の質量に対して80%以上であ
ることが好ましく、多層構造重合体粒子がゴム成分層
(Ia)、ゴム成分層(Ib)及び熱可塑性樹脂成分層
(II)のみから構成されることがより好ましい。
子の平均粒子径も150nm以下である。150nmよ
り大きいと弾性回復性が不十分となり、さらには、溶融
流動性がよくない場合もある。平均粒子径の下限値につ
いては特に限定されるものではないが、多層構造重合体
粒子の所定の層構造を形成させやすい観点からは、平均
粒子径は30nm以上であることが好ましい。該平均粒
子径はさらに好ましくは80〜120nmである。
子は、多層構造重合体粒子を製造するための公知の製造
方法に準じ、ゴム層成分(Ia)を形成させるための重
合反応操作、ゴム層成分(Ib)を形成させるための重
合反応操作及び熱可塑性樹脂成分層(II)を形成させ
るための重合反応操作を含む、所定の重合体層を形成さ
せるための重合反応操作を所定の順序で行うことによ
り、中心部から外部に向かって順次層を形成させること
によって製造することができる。その際、以下の点に留
意する。
それぞれ形成させるための重合反応操作(a)及び
(b)において、アクリル酸エステル50〜95質量
%、該アクリル酸エステルと共重合可能な他の単官能性
単量体49.99〜0質量%、及び該アクリル酸エステ
ルと共重合可能な多官能性単量体0.01〜10質量%
からなる単量体混合物(ia)及び(ib)をそれぞれ
共重合させること。 (2)単量体混合物(ia)におけるアクリル酸エステ
ルの含有率(質量%)と単量体混合物(ib)における
アクリル酸エステルの含有率(質量%)との差を3質量
%以上となるよう設定すること。 (3)熱可塑性樹脂成分層(II)を形成させるための
重合反応操作(c)において、メタクリル酸エステル4
0〜100質量%及び該メタクリル酸エステルと共重合
可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量体(i
i)を重合させること。 (4)上記重合反応操作(c)において、層(II)を
構成する重合体の数平均分子量が30,000以下とな
るように反応条件を制御すること。 (5)単量体混合物(ia)と単量体混合物(ib)の
質量の和と単量体(ii)の質量との比が、〔(ia)
+(ib)〕/(ii)において30/70〜90/1
0の範囲内となるよう設定すること。 (6)単量体混合物(ia)の質量と単量体混合物(i
b)の質量との比が、(ia)/(ib)において5/
95〜95/5の範囲内となるよう設定すること。 (7)すべての重合反応操作が終了した時点における多
層構造重合体粒子の平均粒子径が150nm以下となる
ように制御すること。
のための重合法については特に制限はなく、例えば、通
常の多層構造重合体粒子を製造するための公知の重合法
に準じて、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、又は
これらの組み合わせを採用することができる。
各層を形成させるための重合を行うことにより、多層構
造重合体粒子を得ることができる。乳化重合の温度とし
ては、必ずしも限定されないが一般的な範囲は0〜10
0℃である。ここで使用する乳化剤としては、オレイン
酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム等の脂肪酸のアルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナ
トリウム等の脂肪アルコールの硫酸エステル塩;ロジン
酸カリウム等のロジン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン
酸等のアルキルアリールスルホン酸等;ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩が
挙げられ、これらは、1種類ないし2種類以上の組合せ
で用いられる。乳化重合で使用する重合開始剤として
は、ラジカル重合開始剤が一般的である。ラジカル重合
開始剤の具体例としては、過硫酸塩、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を
単独で用いることができる。また、ラジカル重合開始剤
として、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイ
ドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類
と、遷移金属塩等の還元剤との組合せによるレドックス
系開始剤も使用することができる。
所定の単量体混合物の所定量を順次重合させることによ
り、所定の重合体層を、粒子の中心部から外部に向かっ
て段階的に形成させることができるが、本発明の多層構
造重合体粒子を製造するためには、少なくとも最外層を
形成させるための重合反応工程において、分子量調節剤
を、その工程で使用する単量体(ii)に対して0.4〜
10質量%、好ましくは0.4〜5質量%、より好まし
くは0.6〜2質量%の範囲内となる割合で使用するこ
とが重要である。通常の多層構造体粒子を製造する場
合、最外部の熱可塑性樹脂成分層を形成させるための重
合反応において使用される分子量調節剤の使用量は、一
般に単量体に対して0〜0.3質量%程度であるが、こ
のように0.4質量%未満の場合には、その層を構成す
る熱可塑性樹脂成分の数平均分子量が高くなり過ぎ、多
層構造重合体粒子を成形して得られる成形品の弾性回復
性が不十分となり、さらに成形流動性が不十分となる場
合もある。本発明の目的においては分子量調節剤の量は
上記基準において高々10質量%あれば十分であり、そ
れ以上の量を使用しても、もはやそれ以上の弾性回復性
付与効果の向上はなく、むしろ多層構造重合体粒子にお
ける分子量調節剤の残存量が多くなるので望ましくな
い。
チルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ド
デシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メル
カプトエタノール等のメルカプタン類;ターピノーレ
ン、ジペンテン、t−テルピネン及び少量の他の環状テ
ルペン類よりなるテルペン混合物;クロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。こ
れらの中でも、n−オクチルメルカプタン等のアルキル
メルカプタンが好ましい。
粒子の平均粒子径は乳化剤の添加量等の重合条件によっ
て影響されるので、それらの条件を適宜選択することに
よって、容易に最終的な多層構造重合体粒子の平均粒子
径を150nm以下に制御することができる。
の重合反応系からの分離取得も、公知の手法に従って行
うことができ、例えば、酸析法、塩析法、スプレードラ
イ法、凍結凝固法などを採用することができる。なお、
分離取得された多層構造重合体粒子は、熱可塑性樹脂成
分からなる最外層において粒子間相互で部分的に融着し
ていても差し支えない。
無機充填剤を含有させることが可能である。無機充填剤
としては、マイカ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、
カーボンブラック、シリカ等が挙げられるが、特に、マ
イカ等の鱗片状無機充填剤とを併用することにより、高
いレベルの制振効果を維持し、広い温度範囲、特に高温
領域における制振効果を発揮させることが可能になる。
無機充填剤の望ましい含有量は、多層構造重合体粒子1
00質量部に対して、通常100質量部以下、好ましく
は1〜50質量部、より好ましくは2〜40質量部の範
囲である。
料又はそれを成形して得られる成形品の物性を改善する
ための種々の物性改善剤の1種又は2撞以上を、所望に
応じて、本発明の効果を損わない程度において、配合し
てもよい。かかる物性改善剤としては、特に制限はな
く、例えば、ゴム、滑剤、酸化防止剤、可塑剤、光安定
剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤等、フィラー(ガラス
繊維等の繊維補強剤等)等が挙げられる。
体粒子単独よりなるか、又は上記多層構造重合体粒子、
上記無機充填剤及び任意成分としての他の物性改善剤
を、混合及び/又は混練、好ましくは混合又は混合後混
練するか、又は上記多層構造重合体粒子及び他の物性改
善剤を、混合及び/又は混練、好ましくは混合又は混合
後混練することにより製造することができる。この際、
混合機としてはタンブラー、ミキサー、ブレンダー等、
混練機としてはスクリュー押出機、ロール等を用いるこ
とができる。
押出成形、射出成形、プレス成形、カレンダ成形、ミル
ロール加工等により成形することができる。本発明の制
振材用材料は、それを成形して得られる成形品としてそ
のまま、あるいはその成形品を鋼板等に貼り付けたり、
挟んだりして、制振材として、用いることができる。本
発明で得られた制振材用材料は、土木用、建築用、車両
用、家電用等に利用されるが、これらの用途に限定され
るものではない。
性改良剤として用いる場合には、公知の方法により合成
樹脂に配合することができる。例えば、制振材用材料と
合成樹脂とを、タンブラー、ミキサー、ブレンダー等で
混合し、スクリュー押出機、ロール等で混練することに
より調製できる。合成樹脂としては、ABS樹脂、アク
リル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート等が挙げられる。制振材用材料の望ま
しい配合量は、合成樹脂100質量部に対して、5〜1
00質量部、好ましくは10〜50質量部である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例の中の各測定値は以下の評価法に従った。多
層構造重合体粒子の平均粒子径は、重合完了後のラテッ
クスから採取した試料を用いて、レーザー粒径解析装置
PAR−III(大塚電子製)を用いて動的散乱法によ
り測定し、キュムラント法により解析し求めた。多層構
造重合体粒子の最外層を構成する重合体成分の数平均分
子量は、多層構造重合体粒子の試料を室温下にトルエン
中で十分に攪拌した後、遠心分離して得られた溶液を用
いてGPC法により測定した。これにより得られた数平
均分子量を、本発明においては最外層を構成する重合体
成分の数平均分子量とみなして、その数値を示した。
は、メルトインデクサL244(テクノ・セブン製)を
用いて、230℃、10kgfで測定した。成形品(シ
ート)のtanδのピーク温度及びピーク値は、粘弾性
解析装置DVE−V4(レオロジ製)により振動周波数
11Hzで粘弾性スペクトルを測定することにより求め
た。成形品(シート)の引張破断強度、引張破断伸度、
100%伸長時の応力(100%モジュラス)及び引張
永久伸びは、オートグラフAG−2000B(島津製作
所製)を用いて、JIS K 6301に準じて測定し
た。成形品(シート)の硬度は、A型硬度計(オスカー
製)を用いて、JIS K6301に準じて測定した。
成形品(シート)の耐候性は、サンシャインウエザーメ
ーター S80(スガ試験機製)を用い、ブラックパネ
ル温度63℃、湿度50%、スプレーサイクル18分/
2時間の条件で2000時間放置前後のb値の変化量で
評価した。なお、b値はSMカラーコンピューター S
M−4(スガ試験機製)で測定した。
の製造例) 窒素雰囲気下、攪拌翼、冷却管及び滴下ロートを装着し
た重合器に、蒸留水200質量部、水相乳化剤としての
ネオペレックスF−25(花王製)0.6質量部、及び
炭酸ナトリウム0.1質量部を加え、80℃に加熱して
均一に溶解させた。次いで、同温度において、ペルオキ
ソ二硫酸カリウム0.05質量部を加えた後、アクリル
酸n−ブチル30質量部、メタクリル酸メチル13.5
質量部、スチレン6.5質量部、メタクリル酸アリル
0.2質量部及びモノマー乳化剤としてのアデカコール
CS−141E(旭電化製)0.25質量部からなる混
合物を滴下ロートより1時間かけて滴下し、1層目を形
成した。滴下終了後、同温度でさらに1時間反応を続
け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消費さ
れたことを確認した。
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
アクリル酸n−ブチル20質量部、メタクリル酸メチル
0.5質量部、スチレン4.5質量部、メタクリル酸ア
リル0.1質量部及びアデカコールCS−141E(旭
電化製)0.125質量部からなる混合物を滴下ロート
より30分間かけて滴下し、2層目を形成した。滴下終
了後さらに80℃で1時間反応を続け、ガスクロマトグ
ラフィーで各単量体がすべて消費されたことを確認し
た。
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
メタクリル酸メチル23.75質量部、アクリル酸メチ
ル1.25質量部、n−オクチルメルカプタン0.25
質量部及びアデカコールCS−141E(旭電化製)
0.125質量部からなる混合物を滴下ロートより30
分間かけて滴下し、3層目を形成した。滴下終了後さら
に80℃で1時間反応を続け、ガスクロマトグラフィー
で各単量体がすべて消費されたことを確認し、重合を終
了した。得られたラテックスにおける多層構造重合体粒
子の平均粒子径は104nmであった。
して凝集させた後、凝集物を取り出し、40℃の熱水で
3回洗浄した。60℃で2日間減圧乾燥して、凝集粉末
状の3層型多層構造重合体粒子[A−1]を得た。な
お、最外層を構成する重合体成分の数平均分子量は、1
8,000であった。
の製造例) 窒素雰囲気下、攪拌翼、冷却管及び滴下ロートを装着し
た重合器に、蒸留水150質量部、水相乳化剤としての
ネオペレックスF−25(花王製)0.7質量部、及び
分散安定剤としてのポイズ520(花王製)0.8質量
部を加え、80℃に加熱して均一に溶解させた。次い
で、同温度において、ペルオキソ二硫酸カリウム0.0
45質量部を加えた後、アクリル酸n−ブチル39.1
5質量部、スチレン5.85質量部、メタクリル酸アリ
ル0.23質量部、及びモノマー乳化剤としてのアデカ
コールCS−141E(旭電化製)0.225質量部か
らなる混合物を滴下ロートより90分間かけて滴下し、
1層目を形成した。滴下終了後、同温度でさらに1時間
反応を続け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべ
て消費されたことを確認した。
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
アクリル酸n−ブチル20.5質量部、スチレン3.5
質量部、メタクリル酸メチル1.0質量部、メタクリル
酸アリル0.13質量部、及び乳化剤としてのアデカコ
ールCS−141E(旭電化製)0.125質量部から
なる混合物を滴下ロートより50分間かけて滴下し、2
層目を形成した。滴下終了後さらに80℃で1時間反応
を続け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消
費されたことを確認した。
ルオキソ二硫酸カリウム0.030質量部を加えた後、
メタクリル酸メチル26.1質量部、アクリル酸ブチル
3.9質量部、n−オクチルメルカプタン0.30質量
部、及び乳化剤としてのアデカコールCS−141E
(旭電化製)0.150質量部からなる混合物を滴下ロ
ートより40分間かけて滴下し、3層目を形成した。滴
下終了後さらに80℃で1時間反応を続け、ガスクロマ
トグラフィーで各単量体がすべて消費されたことを確認
し、重合を終了した。得られたラテックスにおける多層
構造重合体粒子の平均粒子径は100nmであった。
して凝集させた後、凝集物を取り出し、40℃の熱水で
3回洗浄した。60℃で2日間減圧乾燥して、凝集粉末
状の3層型多層構造重合体粒子[A−2]を得た。な
お、最外層を構成する重合体成分の数平均分子量は、1
6,000であった。
の製造例) 窒素雰囲気下、攪拌翼、冷却管及び滴下ロートを装着し
た重合器に、蒸留水600質量部、乳化剤としてのドデ
シルベンゼンスルホン酸カリウム2.5質量部を加え、
70℃に加熱して均一に溶解させた。次いで、同温度に
おいて、アクリル酸n−ブチル100質量部、メタクリ
ル酸メチル80質量部、メタクリル酸アリル1.5質量
部を加え、60分間攪拌した後、ペルオキソ二硫酸カリ
ウム0.15質量部を加えて重合を開始した。4時間
後、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消費さ
れたことを確認した。
ルオキソ二硫酸カリウム0.3質量部を加えた後、メタ
クリル酸メチル40質量部及びアクリル酸エチル10質
量部からなる混合物を滴下ロートより2時間かけて滴下
した。滴下終了後、さらに70℃で30分間反応を続
け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消費さ
れたことを確認した。得られたラテックスにおける多層
構造重合体粒子の平均粒子径は250nmであった。こ
のラテックスを−20℃に24時間冷却して凝集させた
後、凝集物を取り出し、80℃の熱水で3回洗浄した。
50℃で2日間減圧乾燥して、凝集粉末状の多層構造重
合体粒子[A−3]を得た。
圧縮成形機を用いて、230℃にてシートを作成し、各
種測定を行った。また、多層構造重合体粒子[A−1]
についてMFRを測定した。得られた測定結果を表1に
示す。実施例2 製造例1で得られた多層構造重合体粒子[A−1]10
0質量部に対して、マイカ(ミクロマイカMK−30
0、コープケミカル製)を5質量部混合し、230℃で
溶融混練して得られた樹脂組成物から圧縮成形機を用い
て、230℃にてシートを作成し、各種測定を行った。
また、該樹脂組成物についてMFRを測定した。得られ
た測定結果を表1に示す。実施例3 製造例2で得られた多層構造重合体粒子[A−2]10
0質量部に対して、マイカ(ミクロマイカMK−30
0、コープケミカル製)を30質量部混合し、230℃
で溶融混練して得られた樹脂組成物から圧縮成形機を用
いて、230℃にてシートを作成し、各種測定を行っ
た。また、該樹脂組成物についてMFRを測定した。得
られた測定結果を表1に示す。
圧縮成形機を用いて、230℃にてシートを作成し、各
種測定を行った。また、多層構造重合体粒子[A−3]
についてMFRを測定した。得られた測定結果を表1に
示す。
質量部とABS樹脂(サイコラックUT10B、宇部サ
イコン製)80質量部とを220℃で溶融混練すること
により、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物から圧
縮成形機を用いて220℃にてシートを作成し、各種測
定を行った。得られた測定結果を表2に示す。
製)を圧縮成形機を用いて220℃にてシートを作成
し、各種測定を行った。得られた測定結果を表2に示
す。
で得られた、本発明に従う制振材用材料(多層構造重合
体粒子[A−1]又は実施例2又は3の組成物)を成形
して得られたシート及び実施例4で得られた、本発明に
従う制振材用材料(多層構造重合体粒子[A−1])を
配合したABS樹脂を成形して得られたシートは、常温
領域にtanδのピーク温度が存在し、常温領域で制振
性能を有することが分かる。一方、比較例2で得られ
た、本発明に属さないABS樹脂を成形して得られたシ
ートは、常温領域にtanδのピーク温度が存在せず、
常温領域で制振性能を有していないことが分かる。ま
た、表1におけるMFRの比較から、実施例1〜3で使
用した、本発明に従う制振材用材料(多層構造重合体粒
子[A−1]又は実施例2又は3の組成物)は、比較例
1で使用した本発明に属さない多層構造重合体粒子[A
−3]に比し、成形性がはるかに優れていることが分か
る。
る成形品は常温領域の幅広い温度範囲で制振性能を発揮
する、さらに、本発明の制振材用材料は成形性に優れ、
またこれを成形して得られる成形品は耐候性、耐久性、
意匠性にも優れる。また、本発明の制振材用材料を合成
樹脂に添加することにより、その合成樹脂の制振性能を
改良できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (1)少なくとも1つの下記ゴム成分層
(I)を内部に有し、かつ少なくとも1つの下記熱可塑
性樹脂成分層(II)を少なくとも最外部に有する、2
以上の層からなる多層構造重合体粒子であって; (2)ゴム成分層(I)は、アクリル酸エステル50〜
99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合可能
な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び該アク
リル酸エステルと共重合可能な多官能性単量体0.01
〜10質量%からなる単量体混合物(i)の共重合によ
って形成される重合体層であり; (3)熱可塑性樹脂成分層(II)は、メタクリル酸エ
ステル40〜100質量%及び該メタクリル酸エステル
と共重合可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量
体(ii)の重合によって形成される重合体層であり; (4)熱可塑性樹脂成分層(II)のうち最外部に位置
する層を構成する重合体について、GPC法で測定され
た数平均分子量は30,000以下であり; (5)ゴム成分層(I)の総質量と熱可塑性樹脂成分層
(II)の総質量との比は、層(I)/層(II)にお
いて30/70〜90/10の範囲であり; (6)平均粒子径が150nm以下である; ことを特徴とする多層構造重合体粒子からなる制振材用
材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の多層構造重合体粒子と無
機充填剤とを混合及び/又は混練して得られる制振材用
材料。 - 【請求項3】 無機充填剤がマイカである請求項2記載
の制振材用材料。 - 【請求項4】 他の物性改善剤を配合した請求項1〜3
のいずれか1項に記載の制振材用材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の制
振材用材料からなる合成樹脂用制振性改良剤。 - 【請求項6】 請求項1記載の多層構造重合体粒子の制
振材製造のための使用。
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