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JP2002279989A - 電 池 - Google Patents

電 池

Info

Publication number
JP2002279989A
JP2002279989A JP2001077086A JP2001077086A JP2002279989A JP 2002279989 A JP2002279989 A JP 2002279989A JP 2001077086 A JP2001077086 A JP 2001077086A JP 2001077086 A JP2001077086 A JP 2001077086A JP 2002279989 A JP2002279989 A JP 2002279989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
negative electrode
positive electrode
battery
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001077086A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Fujita
茂 藤田
Hiroyuki Akashi
寛之 明石
Momoe Adachi
百恵 足立
Goro Shibamoto
悟郎 柴本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001077086A priority Critical patent/JP2002279989A/ja
Publication of JP2002279989A publication Critical patent/JP2002279989A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部ショートによる発熱を防止し、安全性を
向上させることができる電池を提供する。 【解決手段】 帯状の正極21と負極22とがセパレー
タ23を介して巻回された巻回電極体20を備える。負
極22には充電の途中においてリチウム金属が析出する
ようになっており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵
・離脱による容量成分とリチウム金属の析出・溶解によ
る容量成分との和により表される。正極21は、正極活
物質として、LiFePO4 あるいはLiFe0.5 Mn
0.5 PO4などのリン酸化物と、LiCoO2 ,LiN
0.8 Co0.2 2 あるいはLiMn2 4 などの酸化
物とを含有している。LiFePO4 などのリン酸化物
により、内部ショートによる発熱が防止され、安全性の
向上が図られると共に、LiCoO2 などの酸化物によ
り容量の向上が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極および負極と
共に電解質を備えた電池に係り、特に、負極の容量がリ
チウムの吸蔵および離脱による容量成分と、リチウムの
析出および溶解による容量成分との和を含む電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR(ビデオテー
プレコーダ),携帯電話あるいはラップトップコンピュ
ータに代表されるポータブル電子機器が広く普及し、そ
れらの小型化、軽量化および長時間連続駆動が強く求め
られている。それに伴い、それらのポータブル電源とし
て、二次電池の高容量化および高エネルギー密度化の要
求が高まっている。
【0003】高エネルギー密度を得ることができる二次
電池としては、例えば、負極に炭素材料などのリチウム
(Li)を吸蔵および離脱することが可能な材料を用い
たリチウムイオン二次電池や、あるいは負極にリチウム
金属を用いたリチウム二次電池がある。特に、リチウム
二次電池は、リチウム金属の理論電気化学当量が205
4mAh/cm3 と大きく、リチウムイオン二次電池で
用いられる黒鉛材料の2.5倍にも相当するので、リチ
ウムイオン二次電池を上回る高いエネルギー密度を得ら
れるものと期待されている。これまでも、多くの研究者
等によりリチウム二次電池の実用化に関する研究開発が
なされてきた(例えば、Lithium Batteries,Jean-Paul
Gabano編, Academic Press(1983)) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム二次電池は、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化
が大きく、実用化が難しいという問題があった。この容
量劣化は、リチウム二次電池が負極においてリチウム金
属の析出・溶解反応を利用していることに基づいてお
り、充放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオン
に対応して負極の体積が容量分だけ大きく増減するの
で、負極の体積が大きく変化し、リチウム金属結晶の溶
解反応および再結晶化反応が可逆的に進みづらくなって
しまうことによるものである。しかも、負極の体積変化
は高エネルギー密度を実現しようとするほど大きくな
り、容量劣化もいっそう著しくなる。また、リチウム二
次電池では、負極にリチウム金属が不均一に析出しやす
く、針状あるいは微粉状となる傾向があるので、安全性
を確保するための機構を他よりも数多く設ける必要があ
るという問題もあった。
【0005】そこで本発明者等は、負極の容量がリチウ
ムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶
解による容量成分との和により表される二次電池を新た
に開発した。これは、負極にリチウムを吸蔵および離脱
することが可能な炭素材料を用い、充電の途中において
炭素材料の表面にリチウムを析出させるようにしたもの
である。この二次電池によれば、高エネルギー密度を達
成しつつ、充放電サイクル特性を向上させることが期待
できる。また、炭素材料の比表面積は大きいので、リチ
ウムを比較的均一に析出させることができ、更に、炭素
材料がヒートシンクとしても機能するので、リチウム二
次電池よりも高い安全性を得ることができる。
【0006】しかし、この二次電池を実用化するには、
いくつもの安全機構を設ける必要がある。例えば、リチ
ウムイオン二次電池においても、セパレータのシャット
ダウン機構、安全弁、電流遮断機構あるいは熱感抵抗素
子などの安全機構が設けられている。よって、電極材料
などを検討することにより安全性をより向上させること
ができれば、これらの安全機構を簡素化することがで
き、より容易に安全性を確保することが可能となる。す
なわち、構造の簡素化、製造工程の簡素化およびコスト
ダウンを図ることができる。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、安全性をより向上させることができ
る電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による電池は、正
極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極
の容量は、リチウム(Li)の吸蔵および離脱による容
量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分と
の和を含み、正極は、正極活物質として、リチウムと、
鉄(Fe),マンガン(Mn)およびコバルト(Co)
からなる群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、リ
ンとを含む第1の酸化物を含有するものである。
【0009】本発明による電池では、正極活物質とし
て、リチウムと、鉄,マンガンおよびコバルトからなる
群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、リンとを含
む第1の酸化物を含有しているので、内部ショートによ
る発熱が抑制され、安全性がより改善される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の一実施の形態に係る二次電
池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわ
ゆるジェリーロール型といわれるものであり、ほぼ中空
円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極2
2とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体2
0を有している。電池缶11は、例えばニッケルのめっ
きがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され
他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回
電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の
絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
【0012】電池缶11の開放端部には、電池蓋14
と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15
および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficie
nt;PTC素子)16とが、ガスケット16を介してか
しめられることにより取り付けられており、電池缶11
の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池
缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構
15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的
に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱な
どにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク
板15aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電
気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子1
6は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限
し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例
えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構
成されている。ガスケット16は、例えば、絶縁材料に
より構成されており、表面にはアスファルトが塗布され
ている。
【0013】巻回電極体20は、例えば、センターピン
24を中心に巻回されている。巻回電極体20の正極2
1にはアルミニウムなどよりなる正極リード25が接続
されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リ
ード26が接続されている。正極リード25は安全弁機
構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接
続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され
電気的に接続されている。
【0014】図2は図1に示した巻回電極体20の一部
を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向
する一対の面を有する正極集電体21aの両面に正極合
剤層21bが設けられた構造を有している。なお、図示
はしないが、正極集電体21aの片面のみに正極合剤層
21bを設けるようにしてもよい。正極集電体21a
は、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アル
ミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金
属箔により構成されている。正極合剤層21bは、例え
ば、厚みが80μm〜250μmであり、正極活物質と
して、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極
材料を含んで構成されている。なお、正極合剤層21b
の厚みは、正極合剤層21bが正極集電体21aの両面
に設けられている場合には、その合計の厚みである。
【0015】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な正極材料は、リチウムと、鉄,マンガンおよびコバル
トからなる群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、
リンとを含む第1の酸化物を1種以上含んでいる。これ
により、この二次電池では、内部ショートによる過剰な
発熱を抑制し、安全性を向上させることができるように
なっている。この第1の酸化物は、オリビン型結晶構造
を有するリン酸化物であり、その化学量論組成による化
学式は例えば化1により表される。
【0016】
【化1】LiMIPO4 式中、MIは第1の元素を表す。
【0017】なお、第1の酸化物は化学量論組成でなく
てもよく、第1の元素以外の他の元素を構成元素または
不純物として更に含んでいてもよい。第1の元素として
は、鉄を含むことが好ましく、鉄とマンガンとを含むよ
うにすればより好ましい。構造的に安定であるからであ
る。すなわち、第1の酸化物としては、化学量論組成で
表すとLiFePO4 あるいはLiFeh Mnk PO4
(h+k=1)などが好ましい。
【0018】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な正極材料は、更に、リチウムと、コバルト,ニッケル
(Ni)およびマンガンからなる群のうちの少なくとも
1種の第2の元素とを含む第2の酸化物を1種以上含む
ことが好ましい。より高いエネルギー密度を得ることが
できるからである。この第2の酸化物の化学式は、例え
ば化2により表される。
【0019】
【化2】Lix MIIO2 式中、MIIは第2の元素を表し、xは0.4<x<1.
1の範囲内の値であることが好ましい。また、酸素の組
成は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成から
ずれていてもよい。
【0020】なお、第2の酸化物は第2の元素以外の他
の元素を構成元素または不純物として更に含んでいても
よい。第2の元素としては、コバルト、あるいはコバル
トおよびニッケル、またはマンガンを含むことが好まし
い。構造的に安定であるからである。すなわち、第2の
酸化物としては、化学量論組成で表すとLiCoO2
LiNim Con 4 (m+n=1)あるいはLiMn
2 4 などが好ましい。
【0021】また、リチウムを吸蔵および離脱すること
が可能な正極材料は、第1の酸化物および第2の酸化物
に加えて、他の1種以上の材料を含んでいてもよい。こ
れら正極材料における第1の酸化物の含有量は、正極2
1に含まれる正極活物質の全質量に対して1質量%以上
であることが好ましい。これよりも少ないと、第1の酸
化物を混合することによる発熱防止の効果を十分に得る
ことができないからである。
【0022】なお、このような正極材料は、例えば、リ
チウムの炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物と、
他の構成元素の炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化
物とを所望の組成になるように混合し、粉砕した後、酸
素雰囲気中において焼成などすることにより調製され
る。
【0023】正極合剤層21bは、また、例えば導電剤
を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいても
よい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラッ
クあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料があげら
れ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられ
る。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であ
れば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるよ
うにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブ
タジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピ
レンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリビニリデン
フルオロライドなどの高分子材料が挙げられ、そのうち
の1種または2種以上を混合して用いられる。例えば、
図1に示したように正極21および負極22が巻回され
ている場合には、結着剤として柔軟性に富むスチレンブ
タジエン系ゴムあるいはフッ素系ゴムなどを用いること
が好ましい。
【0024】負極22は、例えば、対向する一対の面を
有する負極集電体22aの両面に負極合剤層22bが設
けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負
極集電体22aの片面のみに負極合剤層22bを設ける
ようにしてもよい。負極集電体22aは、良好な電気化
学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅
箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔によ
り構成されている。特に、銅箔は高い電気伝導性を有す
るので最も好ましい。負極集電体22aの厚みは、例え
ば、6μm〜40μm程度であることが好ましい。6μ
mよりも薄いと機械的強度が低下し、製造工程において
負極集電体22aが断裂しやすく、生産効率が低下して
しまうからであり、40μmよりも厚いと電池内におけ
る負極集電体22aの体積比が必要以上に大きくなり、
エネルギー密度を高くすることが難しくなるからであ
る。
【0025】負極合剤層22bは、リチウムを吸蔵およ
び離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または
2種以上を含んで構成されており、必要に応じて、例え
ば正極合剤層21bと同様の結着剤を含んでいてもよ
い。負極合剤層22bの厚みは、例えば、80μm〜2
50μmである。この厚みは、負極合剤層22bが負極
集電体22aの両面に設けられている場合には、その合
計の厚みである。
【0026】なお、本明細書においてリチウムの吸蔵・
離脱というのは、リチウムイオンがそのイオン性を失う
ことなく電気化学的に吸蔵・離脱されることを言う。こ
れは、吸蔵されたリチウムが完全なイオン状態で存在す
る場合のみならず、完全なイオン状態とは言えない状態
で存在する場合も含む。これらに該当する場合として
は、例えば、黒鉛に対するリチウムイオンの電気化学的
なインタカレーション反応による吸蔵が挙げられる。ま
た、金属間化合物あるいは合金の形成によるリチウムの
吸蔵も挙げることができる。
【0027】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あ
るいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。こ
れら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非
常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共
に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので
好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエ
ネルギー密度を得ることができ好ましい。
【0028】黒鉛としては、例えば、真密度が2.10
g/cm3 以上のものが好ましく、2.18g/cm3
以上のものであればより好ましい。なお、このような真
密度を得るには、(002)面のC軸結晶子厚みが1
4.0nm以上であることが必要である。また、(00
2)面の面間隔は0.340nm未満であることが好ま
しく、0.335nm以上0.337nm以下の範囲内
であればより好ましい。
【0029】黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
人造黒鉛であれば、例えば、有機材料を炭化して高温熱
処理を行い、粉砕・分級することにより得られる。高温
熱処理は、例えば、必要に応じて窒素(N2 )などの不
活性ガス気流中において300℃〜700℃で炭化し、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1500℃まで
昇温してこの温度を0時間〜30時間程度保持し仮焼す
ると共に、2000℃以上、好ましくは2500℃以上
に加熱し、この温度を適宜の時間保持することにより行
う。
【0030】出発原料となる有機材料としては、石炭あ
るいはピッチを用いることができる。ピッチには、例え
ば、コールタール,エチレンボトム油あるいは原油など
を高温で熱分解することにより得られるタール類、アス
ファルトなどを蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチ
ーム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合することによ
り得られるもの、木材還流時に生成されるもの、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチ
ラートまたは3,5−ジメチルフェノール樹脂がある。
これらの石炭あるいはピッチは、炭化の途中最高400
℃程度において液体として存在し、その温度で保持され
ることで芳香環同士が縮合・多環化し、積層配向した状
態となり、そののち約500℃以上で固体の炭素前駆
体、すなわちセミコークスとなる(液相炭素化過程)。
【0031】有機材料としては、また、ナフタレン,フ
ェナントレン,アントラセン,トリフェニレン,ピレ
ン,ペリレン,ペンタフェン,ペンタセンなどの縮合多
環炭化水素化合物あるいはその誘導体(例えば、上述し
た化合物のカルボン酸,カルボン酸無水物,カルボン酸
イミド)、またはそれらの混合物を用いることができ
る。更に、アセナフチレン,インドール,イソインドー
ル,キノリン,イソキノリン,キノキサリン,フタラジ
ン,カルバゾール,アクリジン,フェナジン,フェナン
トリジンなどの縮合複素環化合物あるいはその誘導体、
またはそれらの混合物を用いることもできる。
【0032】なお、粉砕は、炭化,仮焼の前後、あるい
は黒鉛化前の昇温過程の間のいずれで行ってもよい。こ
れらの場合には、最終的に粉末状態で黒鉛化のための熱
処理が行われる。但し、嵩密度および破壊強度の高い黒
鉛粉末を得るには、原料を成型したのち熱処理を行い、
得られた黒鉛化成型体を粉砕・分級することが好まし
い。
【0033】例えば、黒鉛化成型体を作製する場合に
は、フィラーとなるコークスと、成型剤あるいは焼結剤
となるバインダーピッチとを混合して成型したのち、こ
の成型体を1000℃以下の低温で熱処理する焼成工程
と、焼成体に溶融させたバインダーピッチを含浸させる
ピッチ含浸工程とを数回繰り返してから、高温で熱処理
する。含浸させたバインダーピッチは、以上の熱処理過
程で炭化し、黒鉛化される。ちなみに、この場合には、
フィラー(コークス)とバインダーピッチとを原料にし
ているので多結晶体として黒鉛化し、また原料に含まれ
る硫黄や窒素が熱処理時にガスとなって発生することか
ら、その通り路に微小な空孔が形成される。よって、こ
の空孔により、リチウムの吸蔵・離脱反応が進行し易し
くなると共に、工業的に処理効率が高いという利点もあ
る。なお、成型体の原料としては、それ自身に成型性、
焼結性を有するフィラーを用いてもよい。この場合に
は、バインダーピッチの使用は不要である。
【0034】難黒鉛化性炭素としては、(002)面の
面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm
3 未満であると共に、空気中での示差熱分析(differen
tialthermal analysis ;DTA)において700℃以
上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
【0035】このような難黒鉛化性炭素は、例えば、有
機材料を1200℃程度で熱処理し、粉砕・分級するこ
とにより得られる。熱処理は、例えば、必要に応じて3
00℃〜700℃で炭化した(固相炭素化過程)のち、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1300℃まで
昇温し、この温度を0〜30時間程度保持することによ
り行う。粉砕は、炭化の前後、あるいは昇温過程の間で
行ってもよい。
【0036】出発原料となる有機材料としては、例え
ば、フルフリルアルコールあるいはフルフラールの重合
体,共重合体、またはこれらの高分子と他の樹脂との共
重合体であるフラン樹脂を用いることができる。また、
フェノール樹脂,アクリル樹脂,ハロゲン化ビニル樹
脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリアミ
ド樹脂,ポリアセチレンあるいはポリパラフェニレンな
どの共役系樹脂、セルロースあるいはその誘導体、コー
ヒー豆類、竹類、キトサンを含む甲殻類、バクテリアを
利用したバイオセルロース類を用いることもできる。更
に、水素原子(H)と炭素原子(C)との原子数比H/
Cが例えば0.6〜0.8である石油ピッチに酸素
(O)を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)させた
化合物を用いることもできる。
【0037】この化合物における酸素の含有率は3%以
上であることが好ましく、5%以上であればより好まし
い(特開平3−252053号公報参照)。酸素の含有
率は炭素材料の結晶構造に影響を与え、これ以上の含有
率において難黒鉛化性炭素の物性を高めることができ、
負極22の容量を向上させることができるからである。
ちなみに、石油ピッチは、例えば、コールタール,エチ
レンボトム油あるいは原油などを高温で熱分解すること
により得られるタール類、またはアスファルトなどを、
蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチーム蒸留),熱
重縮合,抽出あるいは化学重縮合することにより得られ
る。また、酸化架橋形成方法としては、例えば、硝酸,
硫酸,次亜塩素酸あるいはこれらの混酸などの水溶液と
石油ピッチとを反応させる湿式法、空気あるいは酸素な
どの酸化性ガスと石油ピッチとを反応させる乾式法、ま
たは硫黄,硝酸アンモニウム,過硫酸アンモニア,塩化
第二鉄などの固体試薬と石油ピッチとを反応させる方法
を用いることができる。
【0038】なお、出発原料となる有機材料はこれらに
限定されず、酸素架橋処理などにより固相炭化過程を経
て難黒鉛化性炭素となり得る有機材料であれば、他の有
機材料でもよい。
【0039】難黒鉛化性炭素としては、上述した有機材
料を出発原料として製造されるものの他、特開平3−1
37010号公報に記載されているリン(P)と酸素と
炭素とを主成分とする化合物も、上述した物性パラメー
タを示すので好ましい。
【0040】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、また、リチウムと合金あるいは化
合物を形成可能な金属あるいは半導体、またはこれらの
合金あるいは化合物が挙げられる。これらは高いエネル
ギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素
材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得
ることができると共に、優れたサイクル特性を得ること
ができるのでより好ましい。
【0041】このような金属あるいは半導体としては、
例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(A
l)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Z
n)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウ
ム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀
(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)
およびイットリウム(Y)が挙げられる。これらの合金
あるいは化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt
Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表される
ものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチ
ウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属元素および
半導体元素のうちの少なくとも1種を表し、Mbはリチ
ウムおよびMa以外の金属元素および半導体元素のうち
少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも
1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半導体元
素のうち少なくとも1種を表す。また、s、t、u、
p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧
0、p>0、q>0、r≧0である。
【0042】中でも、4B族の金属元素あるいは半導体
元素、またはそれらの合金あるいは化合物が好ましく、
特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはそれらの
合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでも
アモルファスのものでもよい。
【0043】このような合金あるいは化合物について具
体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgS
b、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Mg2 Sn、N
2Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、Ni
Si2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeS
2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VS
2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、S
2 2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<
w≦2)、SnSiO3 、LiSiOあるいはLiSn
Oなどがある。
【0044】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高
分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、酸化
鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化
物や、あるいはLiN3 などが挙げられ、高分子材料と
してはポリアセチレン,ポリアニリンあるいはポリピロ
ールなどが挙げられる。
【0045】また、この二次電池では、充電の過程にお
いて、開回路電圧(すなわち電池電圧)が過充電電圧よ
りも低い時点で負極22にリチウム金属が析出し始める
ようになっている。つまり、開回路電圧が過充電電圧よ
りも低い状態において負極22にリチウム金属が析出し
ており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵・離脱によ
る容量成分と、リチウム金属の析出・溶解による容量成
分との和で表される。従って、この二次電池では、リチ
ウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とリチウム金属との両
方が負極活物質として機能し、リチウムを吸蔵・離脱可
能な負極材料はリチウム金属が析出する際の基材となっ
ている。
【0046】なお、過充電電圧というのは、電池が過充
電状態になった時の開回路電圧を指し、例えば、日本蓄
電池工業会(電池工業会)の定めた指針の一つである
「リチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン」(S
BA G1101)に記載され定義される「完全充電」
された電池の開回路電圧よりも高い電圧を指す。また換
言すれば、各電池の公称容量を求める際に用いた充電方
法、標準充電方法、もしくは推奨充電方法を用いて充電
した後の開回路電圧よりも高い電圧を指す。具体的に
は、この二次電池では、例えば開回路電圧が4.2Vの
時に完全充電となり、開回路電圧が0V以上4.2V以
下の範囲内の一部においてリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料の表面にリチウム金属が析出している。
【0047】これにより、この二次電池では、高いエネ
ルギー密度を得ることができると共に、サイクル特性、
急速充電特性および安全性を向上させることができるよ
うになっている。これは、負極22にリチウム金属を析
出させるという点では負極にリチウム金属あるいはリチ
ウム合金を用いた従来のリチウム二次電池と同様である
が、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金
属を析出させるようにしたことにより、次のような利点
が生じるためであると考えられる。
【0048】第1に、従来のリチウム二次電池ではリチ
ウム金属を均一に析出させることが難しく、それがサイ
クル特性を劣化させ、安全性を低下させる原因となって
いたが、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料は一般的
に表面積が大きいので、この二次電池ではリチウム金属
を均一に析出させることができることである。第2に、
従来のリチウム二次電池ではリチウム金属の析出・溶出
に伴う体積変化が大きく、それもサイクル特性を劣化さ
せる原因となっていたが、この二次電池ではリチウムを
吸蔵・離脱可能な負極材料の粒子間の隙間にもリチウム
金属が析出するので体積変化が少ないことである。第3
に、従来のリチウム二次電池ではリチウム金属の析出・
溶解量が多ければ多いほど上記の問題も大きくなるが、
この二次電池ではリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料
によるリチウムの吸蔵・離脱も充放電容量に寄与するの
で、電池容量が大きいわりにはリチウム金属の析出・溶
解量が小さいことである。第4に、従来のリチウム二次
電池では急速充電を行うとリチウム金属がより不均一に
析出してしまうのでサイクル特性が更に劣化してしまう
が、この二次電池では充電初期においてはリチウムを吸
蔵・離脱可能な負極材料にリチウムが吸蔵されるので急
速充電が可能となることである。第5に、この二次電池
では、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料をヒートシ
ンクとしても機能させることができることである。
【0049】これらの利点をより効果的に得るために
は、例えば、開回路電圧が過充電電圧になる前の最大電
圧時において負極22に析出するリチウム金属の最大析
出容量は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の充電
容量能力の0.05倍以上3.0倍以下であることが好
ましい。リチウム金属の析出量が多過ぎると従来のリチ
ウム二次電池と同様の問題が生じてしまい、少な過ぎる
と充放電容量を十分に大きくすることができないからで
ある。また、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極
材料の放電容量能力は、150mAh/g以上であるこ
とが好ましい。リチウムの吸蔵・離脱能力が大きいほど
リチウム金属の析出量は相対的に少なくなるからであ
る。なお、負極材料の充電容量能力は、例えば、リチウ
ム金属を対極として、この負極材料を負極活物質とした
負極について0Vまで定電流・定電圧法で充電した時の
電気量から求められる。負極材料の放電容量能力は、例
えば、これに引き続き、定電流法で10時間以上かけて
2.5Vまで放電した時の電気量から求められる。
【0050】セパレータ23は、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレン
などの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多
孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質
膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオ
レフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつ
シャットダウン効果による電池の安全性向上を図ること
ができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100
℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効
果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れて
いるので、セパレータ23を構成する材料として好まし
い。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安
定性を備えた樹脂であればポリエチレンあるいはポリプ
ロピレンと共重合させたり、またはブレンド化すること
で用いることができる。
【0051】このポリオレフィン製の多孔質膜は、例え
ば、溶融状態のポリオレフィン組成物に溶融状態で液状
の低揮発性溶媒を混練し、均一なポリオレフィン組成物
の高濃度溶液としたのち、これをダイスにより成型し、
冷却してゲル状シートとし、延伸することにより得られ
る。
【0052】低揮発性溶媒としては、例えば、ノナン,
デカン,デカリン,p−キシレン,ウンデカンあるいは
流動パラフィンなどの低揮発性脂肪族または環式の炭化
水素を用いることができる。ポリオレフィン組成物と低
揮発性溶媒との配合割合は、両者の合計を100質量%
として、ポリオレフィン組成物が10質量%以上80質
量%以下、更には15質量%以上70質量%以下である
ことが好ましい。ポリオレフィン組成物が少なすぎる
と、成型時にダイス出口で膨潤あるいはネックインが大
きくなり、シート成形が困難となるからである。一方、
ポリオレフィン組成物が多すぎると、均一な溶液を調製
することが難しいからである。
【0053】ポリオレフィン組成物の高濃度溶液をダイ
スにより成型する際には、シートダイスの場合、ギャッ
プは例えば0.1mm以上5mm以下とすることが好ま
しい。また、押し出し温度は140℃以上250℃以
下、押し出し速度は2cm/分以上30cm/分以下と
することが好ましい。
【0054】冷却は、少なくともゲル化温度以下まで行
う。冷却方法としては、冷風,冷却水,その他の冷却媒
体に直接接触させる方法、または冷媒で冷却したロール
に接触させる方法などを用いることができる。なお、ダ
イスから押し出したポリオレフィン組成物の高濃度溶液
は、冷却前あるいは冷却中に1以上10以下、好ましく
は1以上5以下の引取比で引き取ってもよい。引取比が
大きすぎると、ネックインが大きくなり、また延伸する
際に破断も起こしやすくなり、好ましくないからであ
る。
【0055】ゲル状シートの延伸は、例えば、このゲル
状シートを加熱し、テンター法、ロール法、圧延法ある
いはこれらを組み合わせた方法により、二軸延伸で行う
ことが好ましい。その際、縦横同時延伸でも、逐次延伸
のいずれでもよいが、特に、同時二次延伸が好ましい。
延伸温度は、ポリオレフィン組成物の融点に10℃を加
えた温度以下、更には結晶分散温度以上融点未満とする
ことが好ましい。延伸温度が高すぎると、樹脂の溶融に
より延伸による効果的な分子鎖配向ができず好ましくな
いからであり、延伸温度が低すぎると、樹脂の軟化が不
十分となり、延伸の際に破膜しやすく、高倍率の延伸が
できないからである。
【0056】なお、ゲル状シートを延伸したのち、延伸
した膜を揮発溶剤で洗浄し、残留する低揮発性溶媒を除
去することが好ましい。洗浄したのちは、延伸した膜を
加熱あるいは送風により乾燥させ、洗浄溶媒を揮発させ
る。洗浄溶剤としては、例えば、ペンタン,ヘキサン,
ヘブタンなどの炭化水素、塩化メチレン,四塩化炭素な
どの塩素系炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭
素、またはジエチルエーテル,ジオキサンなどのエーテ
ル類のように易揮発性のものを用いる。洗浄溶剤は用い
た低揮発性溶媒に応じて選択され、単独あるいは混合し
て用いられる。洗浄は、揮発性溶剤に浸漬して抽出する
方法、揮発性溶剤を振り掛ける方法、あるいはこれらを
組み合わせた方法により行うことができる。この洗浄
は、延伸した膜中の残留低揮発性溶媒がポリオレフィン
組成物100質量部に対して1質量部未満となるまで行
う。
【0057】セパレータ23には、液状の電解質である
電解液が含浸されている。この電解液は、液状の溶媒、
例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解
された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。液状
の非水溶媒というのは、例えば、1種以上の非水化合物
よりなり、25℃における固有粘度が10.0mPa・
s以下のものを言う。なお、電解質塩を溶解した状態で
の固有粘土が10.0mPa・s以下のものでもよく、
複数種の非水化合物を混合して溶媒を構成する場合に
は、混合した状態での固有粘土が10.0mPa・s以
下であればよい。。このような非水溶媒としては、例え
ば、環状炭酸エステルあるいは鎖状炭酸エステルにより
代表される化合物の1種または2種以上を混合したもの
が好ましい。
【0058】具体的には、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポ
ニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロ
ピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−
メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、
ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、
燐酸トリメチルおよびこれらの化合物の水酸基の一部ま
たは全部をフッ素基に置換したものなどが挙げられる。
特に、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性
を実現するためには、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネートの少なくとも1種
を用いることが好ましい。
【0059】リチウム塩としては、例えば、LiAsF
6 、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiB
(C6 5 4 、LiCH3 SO3 、LiCF3
3 、LiN(SO2 CF3 2 、LiC(SO2 CF
3 3 、LiAlCl4 、LiSiF6 、LiClおよ
びLiBrなどが挙げられ、これらのうちのいずれか1
種または2種以上が混合して用いられる。リチウム塩の
含有量(濃度)は溶媒に対して3.0mol/kg以下
であることが好ましく、0.5mol/kg以上であれ
ばより好ましい。この範囲内において電解液のイオン伝
導度を高くすることができるからである。
【0060】なお、電解液に代えて、ホスト高分子化合
物に電解液を保持させたゲル状の電解質を用いてもよ
い。ゲル状の電解質は、イオン伝導度が室温で1mS/
cm以上であるものであればよく、組成およびホスト高
分子化合物の構造に特に限定はない。電解液(すなわち
液状の溶媒および電解質塩)については上述のとおりで
ある。ホスト高分子化合物としては、例えば、ポリアク
リロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
リデンとポリヘキサフルオロプロピレンの共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピ
レン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレ
ンあるいはポリカーボネートが挙げられる。特に、電気
化学的安定性の点からは、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンある
いはポリエチレンオキサイドの構造を持つ高分子化合物
を用いることが望ましい。電解液に対するホスト高分子
化合物の添加量は、両者の相溶性によっても異なるが、
通常、電解液の5質量%〜50質量%に相当するホスト
高分子化合物を添加することが好ましい。
【0061】また、リチウム塩の含有量は、電解液と同
様に、溶媒に対して3.0mol/kg以下であること
が好ましく、0.5mol/kg以上であればより好ま
しい。但し、ここで溶媒というのは、液状の溶媒のみを
意味するのではなく、電解質塩を解離させることがで
き、イオン伝導性を有するものを広く含む概念である。
よって、ホスト高分子化合物にイオン伝導性を有するも
のを用いる場合には、そのホスト高分子化合物も溶媒に
含まれる。
【0062】この二次電池は、例えば、次のようにして
製造することができる。
【0063】まず、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能
な正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤
を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン
などの溶剤に分散してペースト状の正極合剤スラリーと
する。この正極合剤スラリーを正極集電体21aに塗布
し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧
縮成型して正極合剤層21bを形成し、正極21を作製
する。
【0064】次いで、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可
能な負極材料と、結着剤とを混合して負極合剤を調製
し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの
溶剤に分散してペースト状の負極合剤スラリーとする。
この負極合剤スラリーを負極集電体22aに塗布し溶剤
を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型
して負極合剤層22bを形成し、負極22を作製する。
【0065】続いて、正極集電体21aに正極リード2
5を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22
aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。その
のち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して
巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶
接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に
溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶
縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正
極21および負極22を電池缶11の内部に収納したの
ち、電解質を電池缶11の内部に注入し、セパレータ2
3に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電
池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガ
スケット16を介してかしめることにより固定する。こ
れにより、図1に示した二次電池が形成される。
【0066】この二次電池は次のように作用する。
【0067】この二次電池では、充電を行うと、正極合
剤層21bからリチウムイオンが離脱し、セパレータ2
3に含浸された電解液を介して、まず、負極合剤層22
bに含まれるリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸
蔵される。更に充電を続けると、開回路電圧が過充電電
圧よりも低い状態において、充電容量がリチウムを吸蔵
・離脱可能な負極材料の充電容量能力を超え、リチウム
を吸蔵・離脱可能な負極材料の表面にリチウム金属が析
出し始める。そののち、充電を終了するまで負極22に
はリチウム金属が析出し続ける。これにより、負極合剤
層22bの外観は、例えばリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料として炭素材料を用いる場合、黒色から黄金
色、更には白銀色へと変化する。
【0068】次いで、放電を行うと、まず、負極22に
析出したリチウム金属がイオンとなって溶出し、セパレ
ータ23に含浸された電解液を介して、正極合剤層21
bに吸蔵される。更に放電を続けると、負極合剤層22
b中のリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸蔵され
たリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極合剤層
21bに吸蔵される。よって、この二次電池では、従来
のいわゆるリチウム二次電池およびリチウムイオン二次
電池の両方の特性、すなわち高いエネルギー密度および
良好な充放電サイクル特性が得られる。
【0069】特に、本実施の形態では、正極材料とし
て、リチウムと第1の元素とリンとを含む第1の酸化物
を含んでいるので、内部ショートが発生しても過剰な発
熱が防止される。
【0070】このように、本実施の形態によれば、正極
22に、リチウムと第1の元素とリンとを含む第1の酸
化物を含むようにしたので、内部ショートによる過剰な
発熱を防止することができ、安全性をより向上させるこ
とができる。よって、安全機構を簡素化することができ
る。
【0071】特に、正極22に、第1の酸化物に加え
て、リチウムと第2の元素とを含む第2の酸化物を含む
ようにすれば、安全性を向上させることができると共
に、より高いエネルギー密度を得ることができる。
【0072】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図1
および図2を参照して詳細に説明する。
【0073】(実施例1〜6)まず、シュウ酸鉄二水物
(Fe2 CO4 ・2H2 O)とリン酸二水素アンモニウ
ム(NH4 2 PO4 )と炭酸リチウム(Li2
3 )とを、Fe2 CO4・2H2 O:NH4 2 PO
4 :Li2 CO3 =2:2:1(モル比)の割合で十分
に混合し、窒素雰囲気中において300℃で12時間仮
焼きして反応前駆体を得た。そののち、この反応前駆体
を窒素雰囲気中で600℃で24時間焼成して第1の酸
化物としてのリン酸リチウム鉄(LiFePO4 )を合
成した。
【0074】また、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭
酸コバルト(CoCO3 )とを、Li2 CO3 :CoC
3 =0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中に
おいて900℃で5時間焼成して、第2酸化物としての
リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得
た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物および
上記リン酸リチウム鉄を正極活物質とし、この正極活物
質99質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部
と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混
合して正極合剤を調整した。その際、正極活物質におけ
るリン酸化リチウム鉄の含有量を、実施例1〜6で表1
に示したように変化させた。
【0075】
【表1】
【0076】続いて、この正極合剤を溶剤であるN−メ
チル−2−ピロリドンに分散して正極合剤スラリーと
し、厚み20μmの帯状アルミニウム箔よりなる正極集
電体21aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプ
レス機で圧縮成型して正極合剤層21bを形成し、厚み
174μmの正極21を作製した。そののち、正極集電
体21aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取
り付けた。
【0077】また、(002)面の面間隔が0.335
8nmの粒状人造黒鉛粉末を負極材料として用意し、こ
の粒状人造黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフ
ッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調整
した。次いで、この負極合剤を溶媒であるN−メチル−
2−ピロリドンに分散させてスラリー状としたのち、厚
み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22aの両面
に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型
して負極合剤層22bを形成し、厚み130μmの負極
22を作製した。続いて、負極集電体22aの一端にニ
ッケル製の負極リード26を取り付けた。
【0078】正極21および負極22をそれぞれ作製し
たのち、厚み25μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィ
ルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパ
レータ23,正極21,セパレータ23の順に積層して
この積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を
作製した。
【0079】巻回電極体20を作製したのち、巻回電極
体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード2
6を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25をを
安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケル
めっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そのの
ち、電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液に
は、エチレンカーボネート35質量%と、ジメチルカー
ボネート50質量%と、エチルメチルカーボネート15
質量%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6
を溶媒に対して1.2mol/kgの含有量で溶解させ
たものを用いた。
【0080】電池缶11の内部に電解液を注入したの
ち、表面にアスファルトを塗布したガスケット16を介
して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、実
施例1〜6について直径14mm、高さ65mmのジェ
リーロール型二次電池を得た。なお、安全弁機構15と
電池蓋14の間には熱感抵抗素子(PTC)16を介さ
なかった。
【0081】得られた実施例1〜6の二次電池につい
て、充放電試験を行い、電池の定格放電容量を求めた。
その際、充電は、400mAの定電流で電池電圧が4.
2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で充電
時間の総計が4時間に達するまで行った。充電終了直前
の正極21と負極22との間の電圧は4.2V、電流値
は5mA以下であった。一方、放電は、400mAの定
電流で電池電圧が2.75Vに達するまで行った。ちな
みに、ここに示した条件で充放電を行えば、完全充電状
態および完全放電状態となる。なお、定格放電容量は2
サイクル目の放電容量とした。それらの結果を表1に示
す。
【0082】また、実施例1〜6の二次電池について、
上述した条件で1サイクル充放電を行ったのち再度完全
充電させたものを解体し、目視および 7Li核磁気共鳴
分光法により、負極合剤層22bにリチウム金属が析出
しているか否かを調べた。更に、上述した条件で2サイ
クル充放電を行い、完全放電させたものを解体し、同様
にして、負極合剤層22bにリチウム金属が析出してい
るか否かを調べた。それらの結果も表1に示す。
【0083】更に、実施例1〜6の二次電池について、
次のようにして過充電釘刺し試験を行い、内部ショート
による発熱を調べた。まず、上述した条件で完全充電し
たのち、400mAの定電流充電を電池電圧が4.4V
に達するまで行い、更に4.4Vの定電圧充電を充電時
間の総計が4時間に達するまで行って過充電状態とし
た。過充電終了直後の正極21と負極22との間の電圧
は4.4Vであった。そののち、この過充電状態の電池
の中心部を太さ3mmの釘で貫通して内部ショートを発
生させ、その時の電池缶11の温度を測定した。その
際、電池缶11の温度が200℃以下であれば発熱防止
の効果ありと判断し、200℃を超えると発熱防止の効
果なしと判断した。それらの結果も表1に示す。なお、
表1では、発熱防止の効果ありの場合は○で表し、なし
の場合は×で表した。
【0084】本実施例に対する比較例1〜3として、正
極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物のみを用
い、本実施例と同様にして二次電池を作製した。なお、
比較例1では他の条件は本実施例と同一とし、比較例2
では熱感抵抗素子を備えたことを除き他は本実施例と同
一とした。また、比較例3では、熱感抵抗素子を備える
と共に、負極の厚みを180μmとし、負極材料の量を
増やして充電時にリチウム金属が析出しないようにした
ことを除き、他は本実施例と同一とした。比較例1〜3
の二次電池についても、実施例1〜6と同様にして、充
放電試験を行い、電池の定格放電容量および完全充電状
態と完全放電状態とにおけるリチウム金属の析出の有無
を調べると共に、過充電釘刺し試験を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0085】表1に示したように、実施例1〜6および
比較例1,2では、完全充電状態において負極合剤層2
2bに白銀色の析出物が見られ、 7Li核磁気共鳴分光
法によりリチウム金属に帰属するピークが得られた。す
なわち、リチウム金属の析出が認められた。また、完全
充電状態では、 7Li核磁気共鳴分光法により、リチウ
ムイオンに帰属するピークも得られ、負極合剤層22b
において黒鉛の層間にリチウムイオンが吸蔵されている
ことが認められた。一方、完全放電状態では、負極合剤
層22bは黒色で白銀色の析出物は見られず、 7Li核
磁気共鳴分光法によっても、リチウム金属に帰属するピ
ークは見られなかった。また、リチウムイオンに帰属す
るピークはわずかに認められる程度であった。すなわ
ち、負極22の容量は、リチウム金属の析出・溶解によ
る容量成分とリチウムの吸蔵・離脱による容量成分との
和により表されることが確認された。
【0086】これに対して、比較例3では、完全充電状
態において、白銀色の析出物は認められず、黄金色であ
り、 7Li核磁気共鳴分光法によってもリチウム金属に
帰属するピークは見られず、リチウムイオンに帰属する
ピークのみが得られた。一方、完全放電状態では、黒色
であり、 7Li核磁気共鳴分光法によっても、リチウム
金属に帰属するピークは見られず、リチウムイオンに帰
属するピークがわずかに認められた。すなわち、負極の
容量はリチウムの吸蔵・離脱による容量により表され、
比較例3は既存のリチウムイオン二次電池であることが
確認された。
【0087】また、表1から分かるように、リン酸リチ
ウム鉄を混合した実施例1〜6では過充電釘刺し試験に
おいて発熱防止効果が認められたのに対して、リン酸リ
チウム鉄を混合していない比較例1では発熱防止効果が
認められなかった。また、リン酸リチウム鉄を混合しな
くても熱感抵抗素子を備えた比較例2では、発熱防止効
果が認められた。すなわち、正極22にリン酸リチウム
鉄を含むようにすれば、内部ショートによる発熱を有効
に防止することができ、安全機構を簡素化しても、安全
性を確保できることが分かった。
【0088】なお、この発熱防止効果は、リン酸リチウ
ム鉄の正極活物質における含有量を1質量%とした実施
例1においても認められた。すなわち、リン酸リチウム
鉄の含有量を正極活物質の全質量の1質量%以上とすれ
ば、安全性を確保できることが分かった。
【0089】また、定格放電容量は、実施例1〜6のい
ずれも従来のリチウムイオン二次電池である比較例3に
比べて大きな値が得られたが、リン酸リチウム鉄の含有
量を増加させると、低下する傾向が見られた。すなわ
ち、リチウム・コバルト複合酸化物と混合して用いるよ
うにすれば、安全性を向上させることができると共に、
より大きな容量を得られることが分かった。
【0090】(実施例7〜9)第1の酸化物または第2
の酸化物を表2に示したように代えたことを除き、他は
実施例3と同様にして二次電池を作製した。なお、実施
例7では第1の酸化物をLiFe0.5 Mn0.5 PO4
代え、実施例8では第2の酸化物をLiNi0. 8 Co
0.2 2 に代え、実施例9では第2の酸化物をLiMn
2 4 に代えた。実施例7〜9についても、実施例3と
同様にして、充放電試験を行い、電池の定格放電容量お
よび完全充電状態と完全放電状態とにおけるリチウム金
属の析出の有無を調べると共に、過充電釘刺し試験を行
った。得られた結果を実施例3および実施例6の結果と
共に表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】表2から分かるように、第1の酸化物を代
えた実施例7においても、実施例3と同様に発熱防止効
果が認められた。また、第2の酸化物を代えた実施例
8,9においても、実施例1〜5と同様に、第2の酸化
物を含まない実施例6に比べて大きな定格放電容量が得
られた。
【0093】すなわち、正極活物質として、リチウムと
第1の元素とリンとを含む第1の酸化物を含有するよう
にすれば、安全性を向上させることができ、更に、リチ
ウムと第2の元素とを含む第2の酸化物を含有するよう
にすれば、より大きな放電容量を得られることが分かっ
た。
【0094】なお、上記実施例では、第1の酸化物につ
いていくつかの具体的な例を挙げて説明したが、第1の
酸化物による発熱防止効果はその結晶構造に起因するも
のと考えられるので、他の第1の酸化物を用いても同様
の結果を得ることができる。また、他の第2の酸化物を
用いるようにしても、同様の結果を得ることができる。
【0095】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、上記実施の形態および実施例においては、リチウ
ムの吸蔵・離脱反応と、リチウムの析出・溶解反応とを
利用する場合について説明したが、リチウムが析出する
際には合金を形成してもよい。その場合には、電解質中
にリチウムと合金を形成可能な物質が存在し、析出の際
に合金を形成してもよく、また、負極にリチウムと合金
を形成可能な物質が存在し、析出の際に合金を形成して
もよい。
【0096】また、上記実施の形態および実施例におい
ては、電極反応種としてリチウムを用いる場合について
説明したが、他の反応種を更に含んでいてもよい。他の
反応種としては、例えば、ナトリウム(Na)あるいは
カリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネ
シウム(Mg)あるいはカルシウム(Ca)などのアル
カリ土類金属、またはアルミニウム(Al)などの他の
軽金属が挙げられる。
【0097】また、上記実施の形態および実施例におい
ては、電解液または固体状の電解質の1種であるゲル状
の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質
を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例え
ば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分
散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,
イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる
無機固体電解質、またはこれらの無機固体電解質と電解
液とを混合したもの、またはこれらの無機固体電解質と
ゲル状の電解質あるいは有機固体電解質とを混合したも
のが挙げられる。
【0098】更に、上記実施の形態および実施例におい
ては、巻回構造を有する円筒型の二次電池について説明
したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型あるいは多
角形型の二次電池、または正極および負極を折り畳んだ
りあるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても
同様に適用することができる。加えて、いわゆるコイン
型,ボタン型あるいはカード型など二次電池についても
適用することができる。また、二次電池に限らず、一次
電池についても適用することができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項14のいずれか1に記載の電池によれば、正極が、リ
チウムと、第1の元素と、リンとを含む第1の酸化物を
含有するようにしたので、内部ショートによる過剰な発
熱を防止することができ、より安全性を向上させること
ができる。よって、安全機構を簡素化することができ
る。
【0100】また、請求項4ないし請求項8のいずれか
1に記載の電池によれば、正極が、第1の酸化物に加え
て、リチウムと第2の元素とを含む第2の酸化物を含む
ようにしたので、安全性を向上させることができると共
に、より高いエネルギー密度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を
表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池における巻回電極体の一
部を拡大して表す断面図である。
【符号の説明】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、1
5…安全弁機構、15a…ディスク板、16…熱感抵抗
素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正
極、21a…正極集電体、21b…正極合剤層、22…
負極、22a…負極集電体、22b…負極合剤層、23
…セパレータ、24…センターピン、25…正極リー
ド、26…負極リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 百恵 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 柴本 悟郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ12 AK01 AK03 AK18 AL01 AL02 AL06 AL07 AL11 AL16 AL18 AM02 AM03 AM05 AM07 AM16 BJ02 BJ14 BJ27 DJ02 EJ01 EJ04 EJ12 HJ01 HJ19 5H050 AA08 AA15 BA06 BA07 BA17 BA18 CA08 CA09 CA29 CB01 CB02 CB07 CB08 CB11 CB12 CB13 CB14 CB15 CB20 CB21 CB22 CB29 EA02 EA09 EA24 FA05 HA01 HA19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極と共に電解質を備えた電
    池であって、 前記負極の容量は、リチウム(Li)の吸蔵および離脱
    による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容
    量成分との和を含み、 前記正極は、正極活物質として、リチウムと、鉄(F
    e),マンガン(Mn)およびコバルト(Co)からな
    る群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、リンとを
    含む第1の酸化物を含有することを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 前記第1の酸化物は、第1の元素として
    鉄を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 前記第1の酸化物は、第1の元素として
    鉄およびマンガンを含むことを特徴とする請求項1記載
    の電池。
  4. 【請求項4】 前記正極は、正極活物質として、更に、
    リチウムと、コバルト,ニッケル(Ni)およびマンガ
    ンからなる群のうちの少なくとも1種の第2の元素とを
    含む第2の酸化物を含有することを特徴とする請求項1
    記載の電池。
  5. 【請求項5】 前記第2の酸化物は、第2の元素として
    コバルトを含むことを特徴とする請求項4記載の電池。
  6. 【請求項6】 前記第2の酸化物は、第2の元素として
    コバルトとニッケルとを含むことを特徴とする請求項4
    記載の電池。
  7. 【請求項7】 前記第2の酸化物は、第2の元素として
    マンガンを含むことを特徴とする請求項4記載の電池。
  8. 【請求項8】 前記第1の酸化物の含有量は、前記正極
    に含まれる正極活物質の全質量に対して、1質量%以上
    であることを特徴とする請求項4記載の電池。
  9. 【請求項9】 前記負極はリチウムを吸蔵および離脱す
    ることが可能な負極材料を含むことを特徴とする請求項
    1記載の電池。
  10. 【請求項10】 前記負極は炭素材料を含むことを特徴
    とする請求項9記載の電池。
  11. 【請求項11】 前記負極は、黒鉛、易黒鉛化性炭素お
    よび難黒鉛化性炭素からなる群のうちの少なくとも1種
    を含むことを特徴とする請求項10記載の電池。
  12. 【請求項12】 前記負極は黒鉛を含むことを特徴とす
    る請求項11記載の電池。
  13. 【請求項13】 前記負極は、リチウムと合金または化
    合物を形成可能な金属、半導体、これらの合金、および
    化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを
    特徴とする請求項9記載の電池。
  14. 【請求項14】 前記負極は、スズ(Sn),鉛(P
    b),アルミニウム(Al),インジウム(In),ケ
    イ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビ
    スマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム
    (Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニ
    ウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム
    (Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム
    (Y)の単体、合金および化合物からなる群のうちの少
    なくとも1種を含むことを特徴とする請求項13記載の
    電池。
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