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JP2002265769A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

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Publication number
JP2002265769A
JP2002265769A JP2001066255A JP2001066255A JP2002265769A JP 2002265769 A JP2002265769 A JP 2002265769A JP 2001066255 A JP2001066255 A JP 2001066255A JP 2001066255 A JP2001066255 A JP 2001066255A JP 2002265769 A JP2002265769 A JP 2002265769A
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JP
Japan
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component
weight
aromatic polycarbonate
polycarbonate resin
parts
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JP2001066255A
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English (en)
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JP4547100B2 (ja
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Yoshihide Hashimoto
喜秀 橋元
Tetsuya Aihara
哲也 相原
Hiromitsu Kizawa
大光 鬼澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高剛性、高耐衝撃性、良好な表面外観(特に
塗装外観不良の原因となる凸状異物の発生を低減)、お
よび良好なリサイクル性を備えた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂組成物および成形品を提供すること。 【解決手段】 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂(A
成分)50〜100重量%、および(2)熱可塑性ポリ
エステル樹脂(B−1成分)およびゴム成分の含有量が
40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(B−2成
分)よりなる群から選択された少なくとも1種の熱可塑
性樹脂(B成分)0〜50重量%よりなる樹脂成分、並
びに(3)本文中に規定する方法により測定された数平
均繊維長が10μm以下、数平均繊維径が4μm以下、
および繊維長5〜25μmの個数の割合が50%未満の
形状を有するワラストナイト粒子(C成分)をA成分お
よびB成分の合計100重量部当り、1〜100重量部
よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、およびそ
れからなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは高剛性、高耐
衝撃性、良好な表面外観、および良好なリサイクル性を
備えた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は優れた衝
撃強度等の機械特性を有する熱可塑性樹脂として、ま
た、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフ
タレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱
可塑性ポリエステルやABS樹脂との樹脂組成物は芳香
族ポリカーボネート樹脂の優れる特性を維持しかつ芳香
族ポリカーボネート樹脂の欠点である耐薬品性や成形加
工性等がそれぞれ改良された材料として、自動車分野、
OA分野などの種々の用途に幅広く使用されている。か
かる芳香族ポリカーボネート樹脂や芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を主成分とする樹脂組成物の剛性等を改良する
手段としてガラス繊維等の繊維状充填材を配合する方法
(特開昭54−94556号、特開平6−49344
号)また、タルク、マイカ等の鱗片状、板状の無機充填
材を配合する方法(特開昭55−129444号、US
P4280949号、特開平5−222283号)が開
示されている。
【0003】ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維
状充填材で強化した芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香
族ポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂組成物は剛
性等の機械的強度に優れるものの、通常の成形方法では
その成形品外観にはガラス繊維、カーボン繊維等の繊維
状充填材の浮きが目立ち、例えば、良好な塗装外観を得
るためにはその塗装膜厚を非常に厚くしなければならな
い欠点や、成形収縮率等に異方性が大きく、成形品に反
りなどが発生しやすい等寸法安定性の面に欠点を有して
いた。一方、タルク、マイカ等の鱗片状、板状の無機充
填材を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポ
リカーボネート樹脂を主成分とする樹脂組成物は、ガラ
ス繊維およびカーボン繊維などの繊維状充填材で強化し
た芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を主成分とする樹脂組成物と比較すると成形品外
観、寸法安定性に優れるが、その補強効果が小さいため
に適用範囲が限られていた。
【0004】これらの両者の優れた点を併せ持つ無機充
填剤として、ワラストナイト粒子がある。ワラストナイ
ト粒子はその結晶構造から微粉砕した場合にも繊維状の
形態を有する。したがって上記の繊維状充填材や板状充
填材とは異なる特性を樹脂組成物に与えることが可能と
なる。例えば、特開平7−90118号公報には、微量
成分(Fe23、Al23)が特定の組成範囲であるワ
ラストナイトと熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物が記載
されている。該公報にはかかるワラストナイトが繊維形
状を形成しやすく折れにくいことが記載されている。さ
らに得られた樹脂組成物は、高強度、高弾性率を備え、
表面平滑性、寸法精度に優れることが記載されている。
【0005】特開平7−149948号公報、EP63
9613A1、およびUSP5965655には、数平
均繊維長1〜50μm、数平均繊維径0.1〜10μm
のワラストナイト針状粒子と芳香族ポリカーボネート樹
脂などの熱可塑性樹脂との樹脂組成物が記載されてい
る。特にかかるワラストナイト針状粒子として、繊維長
5〜25μmの粒子が少なくとも50%であるものが好
適であることが記載されている。該公報に記載された樹
脂組成物は、鮮映性の高い塗装外観や低い線膨張係数な
どの特性を満足すると記載されている。特開平9−12
846号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香
族ポリエステル樹脂、およびアスペクト比3〜50であ
るワラストナイトの特定割合からなる樹脂組成物が記載
されている。かかる樹脂組成物は高剛性と良好な耐衝撃
性を共に満足し、さらに塗装された成形品表面の平滑性
に優れることが記載されている。
【0006】特開平10−60251号公報には、特定
分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエス
テル樹脂、アスペクト比3〜50であるワラストナイ
ト、およびカルボキシル基変性オレフィンワックスから
なるブロー成形性に優れた樹脂組成物が記載されてい
る。該樹脂組成物はブロー成形に必要なドローダウン性
や耐薬品性に優れると共に、塗装された成形品表面の平
滑性に優れることが記載されている。特開平10−32
4789号公報には、特定分子量の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性グラフト共重合
体、アスペクト比3〜50であるワラストナイト、およ
びカルボキシル基変性オレフィンワックスからなるブロ
ー成形性に優れた樹脂組成物が記載されている。該樹脂
組成物はブロー成形に必要なドローダウン性や耐衝撃性
に優れると共に、塗装された成形品表面の平滑性に優れ
ることが記載されている。
【0007】特開2000−256505号公報には、
微量成分(Fe23、Al23)が特定の組成範囲であ
るワラストナイトと熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物が
記載されている。また該ワラストナイトは、平均繊維長
が20〜50μm、平均繊維径が0.5〜5μm、平均
アスペクト比が7〜100の形状が好適であることが記
載されている。かかる樹脂組成物は、高剛性、高耐熱
性、表面平滑性に優れ、着色性のよい外観のきれいな成
形品が得られることが記載されている。上記のごとく、
ワラストナイトは高剛性かつ表面外観に優れた樹脂組成
物を達成する。殊に芳香族ポリカーボネート樹脂を主体
とする熱可塑性樹脂の無機充填材として好適である。芳
香族ポリカーボネート樹脂を主体とする熱可塑性樹脂の
場合、ベース樹脂の耐衝撃性が高いため、高剛性と高耐
衝撃性を高いレベルで両立する樹脂組成物が達成可能な
ためである。さらに芳香族ポリカーボネート樹脂を主体
とする熱可塑性樹脂の場合、無機充填材を含んだ樹脂組
成物における成形品の外観が比較的悪化しやすいためで
ある。
【0008】しかしながら、上記の従来技術では未だ不
十分な点もある。第1の点は塗装された成形品の外観不
良が少なからず発生することである。かかる外観不良の
発生は製品の歩留まりおよび生産効率に影響を与える。
上記のごとくワラストナイト粒子を含んだ樹脂組成物
は、その良好な表面平滑性に基づき高度な塗装外観の要
求される成形品に使用される。ところが表面にわずかな
凸状異物が生ずる場合がある。かかる凸状異物は塗装に
より表面全体が平滑であると極めて目立つようになる。
したがって、芳香族ポリカーボネート樹脂およびワラス
トナイト粒子を含有する樹脂組成物において、かかる凸
状異物の発生の低減を求められる場合があった。
【0009】第2の点は成形品のリサイクルの問題であ
る。ワラストナイト粒子は比較的折れやすい充填材であ
るため、リサイクル処理のため溶融混練を重ねると剛性
等の機械的特性が低下しやすい。かかる特性の低下は溶
融粘度の高い芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とする
樹脂組成物の場合に顕著であった。したがって、芳香族
ポリカーボネート樹脂およびワラストナイト粒子を含有
する樹脂組成物において、リサイクルを重ねた場合の特
性変化の低減を求められる場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は高剛
性、高耐衝撃性、良好な表面外観(特に塗装外観不良の
原因となる凸状異物の発生を低減)、および良好なリサ
イクル性を備えた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を
提供することにある。本発明者らは、上記目的を達成す
べく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定条件
を満足する比較的微細なワラストナイト粒子を含有し
た、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が上記目的を達
成できることを見出した。さらに好適にはその強熱減量
が特定値以下であるものが、かかる課題に対してより好
適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)芳香族
ポリカーボネート樹脂(A成分)50〜100重量%、
および(2)熱可塑性ポリエステル樹脂(B−1成分)
およびゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単
位成分含有樹脂(B−2成分)よりなる群から選択され
た少なくとも1種の熱可塑性樹脂(B成分)0〜50重
量%よりなる樹脂成分100重量部、並びに(3)数平
均繊維長が10μm以下、数平均繊維径が4μm以下、
および繊維長5〜25μmの個数の割合が50%未満の
粒子形状特性を有するワラストナイト粒子(C成分)1
〜100重量部よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物、およびそれから溶融成形されてなる成形品に係る
ものである。
【0012】さらに本発明について詳細に説明する。本
発明で使用するA成分の芳香族ポリカーボネート樹脂
は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させ
て得られるものである。反応の方法としては例えば界面
重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリ
マーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化
合物の開環重合法などを挙げることができる。
【0013】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プ
ロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニ
ル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペン
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチ
ル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプ
ロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマ
ンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2
種以上を混合して使用できる。
【0014】中でもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた
少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合
体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールA
の単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフ
ェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メ
チル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンと
の共重合体が好ましく使用される。
【0015】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界
面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させ
てポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に
応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤
等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官
能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカ
ーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官
能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート
樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート
樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0016】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−
トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5
−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,
1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−
[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベ
ンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のト
リスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、
1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチ
ル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸
クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン
が好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンが好ましい。
【0017】かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる
多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリ
カーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましく
は0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜
0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場
合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かか
る分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量
中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.
5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である
ものが好ましい。なお、かかる割合については1H−N
MR測定により算出することが可能である。
【0018】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促
進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウ
ム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反
応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に
保つのが好ましい。
【0019】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
または低級アルキル置換フェノールであって、下記一般
式(1)で表される単官能フェノール類を示すことがで
きる。
【0020】
【化1】
【0021】(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換
アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整
数である。) 上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0022】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も
示すことができる。これらの中では、下記一般式(2)
および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基とし
て有するフェノール類が好ましく使用される。
【0023】
【化2】
【0024】(式中、Xは、−R−CO−O−または−
R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数
1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基
を示し、nは10〜50の整数を示す。) かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが1
0〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体
例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノー
ル、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノー
ル、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、
ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等
を挙げることができる。
【0025】また、一般式(3)の置換フェノール類と
してはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である
化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26
のものが好適であって、その具体例としては例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。
【0026】末端停止剤は、得られたポリカーボネート
樹脂の全末端に対して少なくとも5モル%、好ましくは
少なくとも10モル%末端に導入されることが望まし
い。より好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モ
ル%以上導入されること、すなわち二価フェノールに由
来する末端の水酸基(OH基)が20モル%以下である
ことがより好ましく、特に好ましくは全末端に対して末
端停止剤が90モル%以上導入されること、すなわちO
H基が10モル%以下の場合である。また、末端停止剤
は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0027】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の
範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.
3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノ
ールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間
程度である。
【0028】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネ
ート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
トなどが挙げられ、中でもジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0029】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用して
もよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェ
ノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10
-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の
範囲で選ばれる。
【0030】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)
カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、
ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニル
フェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネー
ト、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート
およびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
ト等の化合物を加えることが好ましい。中でも2−クロ
ロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボ
ニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシ
カルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、
特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネ
ートが好ましく使用される。
【0031】さらにかかる重合反応において触媒の活性
を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤
の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼ
ンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベン
ゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−ト
ルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フ
ェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン
化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレ
ン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニ
ル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−
フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホス
ホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘ
キシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチ
ルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェー
ト、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシ
ルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアン
モニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメ
チルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルア
ンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルア
ンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルア
ンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチ
ルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラ
メチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなど
の化合物を挙げることができるが、これらに限定されな
い。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0032】失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはア
ンモニウム塩型のものが好ましい。かかる失活剤の量と
しては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モル
の割合で用いるのが好ましく、また重合後の芳香族ポリ
カーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割
合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ま
しくは0.01〜100ppmの割合で使用する。ポリ
カーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が
10,000未満であると高温特性等が低下し、40,0
00を超えると成形加工性が低下するようになるので、
粘度平均分子量で表して10,000〜40,000のも
のが好ましく、14,000〜30,000のものがより
好ましく、さらに好ましくは16,000〜25,000
のものである。芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上
を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が
上記範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合
することも当然に可能である。
【0033】特に粘度平均分子量が50,000を超え
る芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物はその高いエ
ントロピー弾性に由来する特性(ドリップ防止特性、ド
ローダウン特性、およびジェッティング改良などの溶融
特性を改良する特性)を発揮するものであるため、これ
らの特性が要求される場合には好ましいものである。よ
り好ましくは粘度平均分子量が80,000以上の芳香
族ポリカーボネート樹脂との混合物であり、さらに好ま
しくは100,000以上の粘度平均分子量を有する芳
香族ポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわち
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)な
どの測定方法により2ピーク以上の分子量分布を観察で
きるものが好ましく使用できる。本発明でいう粘度平均
分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹
脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度
(ηSP)を次式に挿入して求める。
【0034】ηSP/c=[η]+0.45×[η]2
(ただし[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7 本発明のB成分しては、熱可塑性ポリエステル樹脂(B
−1成分)およびゴム成分の含有量が40重量%未満の
スチレン単位成分含有樹脂(B−2成分)よりなる群か
ら選択された少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んでい
ることが好ましい。
【0035】その理由としては以下の点が挙げられる。
(i)芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度を低下さ
せることができ、ワラストナイト粒子の折れをさらに抑
制可能である。結果として良好なリサイクル特性を達成
できる。(ii)上記(i)と同様の理由から成形温度や
リサイクル処理時の再溶融の温度を下げることが可能と
なる。これによりワラストナイトとの反応による芳香族
ポリカーボネート樹脂の分子量低下を抑制できる。結果
として良好なリサイクル特性を達成できる。(iii)上
記B−1成分およびB−2成分は芳香族ポリカーボネー
ト樹脂に期待される耐熱性、耐衝撃性を大きく損うこと
がない。(iv)B−1成分およびB−2成分はその芳香
族ポリカーボネート樹脂とのポリマーブレンドの熱安定
性が良好でありリサイクル処理時の熱負荷に十分耐え得
る。
【0036】本発明のB−1成分として使用する熱可塑
性ポリエステル樹脂とは芳香族ジカルボン酸またはその
反応性誘動体と、ジオール、またはそのエステル誘導体
とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないし
は共重合体である。ここでいう芳香族ジカルボン酸とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,
4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビ
フェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルス
ルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピ
リデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカ
ルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’
−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジン
ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸が好適に用いら
れ、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸が好ましく使用できる。
【0037】芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して
使用してもよい。なお少量であれば、該ジカルボン酸と
共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の脂環族ジカルボン酸等を一種以上混合使用する
ことも可能である。
【0038】また本発明の芳香族ポリエステルの成分で
あるジオールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族ジオール等、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパン等の芳香環を含有するジオール等お
よびそれらの混合物等が挙げられる。さらに少量であれ
ば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわ
ちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以
上共重合してもよい。また本発明の芳香族ポリエステル
は少量の分岐剤を導入することにより分岐させることが
できる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、ト
リメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0039】具体的な芳香族ポリエステル樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレー
ト(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、等の他、
ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート/イソフタレート、等のような共
重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち、機械的
性質等のバランスがとれたポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレートおよびこれらの混合
物が好ましく使用できる。また得られた芳香族ポリエス
テル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、
末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同
量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよ
い。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を
反応させる等により、それらの末端基が封止されている
ものであってもよい。
【0040】かかる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法
については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アン
チモン等を含有する重合触媒の存在下に、加熱しながら
ジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副
生する水または低級アルコールを系外に排出することに
より行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒として
は、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、
アルコラート、フェノラート等が例示でき、さらに具体
的には、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩
化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム等が例示
できる。
【0041】有機チタン化合物の重合触媒としては、好
ましい具体例としてチタンテトラブトキシド、チタンイ
ソプロポキシド、蓚酸チタン、酢酸チタン、安息香酸チ
タン、トリメリット酸チタン、テトラブチルチタネート
と無水トリメリット酸との反応物などを挙げることがで
きる。有機チタン化合物の使用量は、そのチタン原子が
ポリブチレンテレフタレートを構成する酸成分に対し、
3〜12mg原子%となる割合が好ましい。また本発明
では、従来公知の重縮合の前段回であるエステル交換反
応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、
マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエス
テル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等
により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能
である。
【0042】芳香族ポリエステル樹脂の製造方法は、バ
ッチ式、連続重合式のいずれの方法をとることも可能で
ある。また芳香族ポリエステル樹脂の分子量については
特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒とし
て35℃で測定した固有粘度が0.6〜1.5、好ましく
は0.65〜1.2、さらに好ましくは0.7〜1.15で
ある。本発明でB−2成分として使用するゴム成分の含
有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂と
は、スチレン系単量体と必要に応じてこれらと共重合可
能な他のビニル単量体およびゴム成分より選ばれる1種
以上を重合して得られる、ゴム成分の含有量が40重量
%未満のスチレン単位成分含有樹脂である。
【0043】前記スチレン単位成分含有樹脂成分に用い
られるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロム
スチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等の
スチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好まし
い。さらにこれらは単独または2種以上用いることがで
きる。
【0044】前記スチレン系単量体と共重合可能な他の
ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレ
ート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエ
ステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸ア
ルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリ
レート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタ
クリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート
等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等の
α,β−不飽和カルボン酸およびその無水物が挙げられ
る。
【0045】前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム
成分としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共
重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アク
リル酸アルキルエステルまたは/およびメタクリル酸ア
ルキルエステルとブタジエンの共重合体、ブタジエン・
イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・
プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、
エチレン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共
重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エ
チレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルア
クリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エ
ステルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等
のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プ
ロピレン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピ
レンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチ
ル等のアクリル系ゴム、およびポリオルガノシロキサン
ゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
とが分離できないように相互に絡み合った構造を有して
いる複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
【0046】かかるB−2成分のスチレン単位成分含有
樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン・スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン
・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS樹脂)、
水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(水添S
IS樹脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS
樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン
共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MAB
S樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム
共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレン
プロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、
スチレン・メチルメタクリレート共重合体(MS樹
脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチ
レン共重合体(MAS樹脂)、スチレン・無水マレイン
酸共重合体(SMA樹脂)およびスチレン・IPN型ゴ
ム共重合体等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられ
る。なおかかるスチレン系熱可塑性樹脂はその製造時に
メタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオタクチッ
クポリスチレン等の高い立体規則性を有するものであっ
てもよい。さらに場合によっては、アニオンリビング重
合、ラジカルリビング重合等の方法により得られる、分
子量分布の狭い重合体および共重合体、ブロック共重合
体、および立体規則性の高い重合体、共重合体を使用す
ることも可能である。これらは1種または2種以上を混
合して使用することも可能である。
【0047】これらの中でもポリスチレン(PS樹
脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロ
ニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹
脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重
合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロ
ピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)メチル
メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MB
S樹脂)からなる群より選択される1種または2種以上
を混合して使用することが好ましく、中でもABS樹
脂、ASA樹脂、AES樹脂が最も好ましい。
【0048】本発明で使用するABS樹脂とは、ジエン
系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合
物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体とシア
ン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体の混
合物である。このABS樹脂を形成するジエン系ゴム成
分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンお
よびスチレン−ブタジエン共重合体等のガラス転移点が
10℃以下のゴムが用いられ、その割合はABS樹脂成
分100重量%中5〜39.9重量%であるのが好まし
く、より好ましくは10〜35重量%、さらに好ましく
は10〜25重量%である。
【0049】ジエン系ゴム成分にグラフトされるシアン
化ビニル化合物としては、前記のものを挙げることがで
き、特にアクリロニトリルが好ましく使用できる。また
ジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニル化合物
としては、同様に前記のものを使用できるが、特にスチ
レンおよびα−メチルスチレンが好ましく使用できる。
かかるジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の割合
は、ABS樹脂成分100重量%中60.1〜95重量
%が好ましく、より好ましくは65〜90重量%、さら
に好ましくは75〜90重量%である。さらにかかるシ
アン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の合計量
100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜5
0重量%およびより好ましくは10〜30重量%、並び
に芳香族ビニル化合物が95〜50重量%およびより好
ましくは90〜70重量%であることが好ましい。さら
に上記のジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の一部
についてメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレ
ート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を混合使用
することもでき、これらの含有割合はABS樹脂成分中
15重量%以下であるものが好ましい。さらに反応で使
用する開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は必要に応じて、
従来公知の各種のものが使用可能である。
【0050】本発明のABS樹脂においては、ゴム粒子
径は0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.
3〜3.0μm、さらに好ましくは0.4〜1.5μm、
特に好ましくは0.4〜0.9μmである。かかるゴム粒
子径の分布は単一の分布であるものおよび2山以上の複
数の山を有するもののいずれもが使用可能であり、さら
にそのモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一の相を
なすものであっても、ゴム粒子の周りにオクルード相を
含有することによりサラミ構造を有するものであっても
よい。
【0051】またABS樹脂がジエン系ゴム成分にグラ
フトされないシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル
化合物を含有することは従来からよく知られているとこ
ろであり、本発明のABS樹脂においてもかかる重合の
際に発生するフリーの重合体成分を含有するものであっ
てもよい。かかるフリーのシアン化ビニル化合物および
芳香族ビニル化合物からなる共重合体の分子量は、好ま
しくは還元粘度で0.2〜1.0、より好ましくは0.2
5〜0.5であるものである。またグラフトされたシア
ン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物のジエン系
ゴム成分に対する重量割合(グラフト率)は20〜20
0重量%が好ましく、より好ましくは20〜70重量%
のグラフト率のものである。
【0052】このABS樹脂は塊状重合、懸濁重合、乳
化重合のいずれの方法で製造されたものでもよく、また
共重合の方法も一段で共重合しても、多段で共重合して
もよい。またABS樹脂に、芳香族ビニル化合物とシア
ン化ビニル成分とを別途共重合して得られるビニル化合
物重合体をブレンドしたものも好ましく使用できる。さ
らに重合法としては一般的な乳化重合法の他、過硫酸カ
リウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シー
ド重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。
また懸濁重合法において、水相とモノマー相とを個別に
保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径
を分散機の回転数で制御する方法や、連続式の製造方法
において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜
数十μm径の細径オリフィスまたは多孔質フィルターを
通すことにより供給し粒径を制御する方法などを行って
もよい。
【0053】本発明で使用するASA樹脂とは、アクリ
ルゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合
物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、また
は該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合
物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物をいう。
本発明でいうアクリルゴムとは、炭素数が2〜10のア
ルキルアクリレート単位を含有するものであり、さらに
必要に応じてその他の共重合可能な成分として、スチレ
ン、メチルメタクリレート、ブタジエンを含有してもよ
い。炭素数が2〜10のアルキルアクリレートとして好
ましくは2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチル
アクリレートが挙げられ、かかるアルキルアクリレート
はアクリレートゴム100重量%中50重量%以上含ま
れるものが好ましい。さらにかかるアクリレートゴムは
少なくとも部分的に架橋されており、かかる架橋剤とし
ては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、アリルメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジアクリレート等を挙げることができ、かかる架
橋剤はアクリレートゴムに対して0.01〜3重量%使
用されることが好ましい。アクリルゴム成分の割合は、
ASA樹脂100重量%中、5〜39.9重量%が好ま
しく、より好ましくは10〜35重量%、さらに好まし
くは10〜25重量%である。
【0054】またシアン化ビニル化合物および芳香族ビ
ニル化合物の割合はかかる合計量100重量%に対し
て、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビ
ニル化合物が95〜50重量%であり、特にシアン化ビ
ニル化合物が15〜35重量%、芳香族ビニル化合物が
85〜65重量%のものが好ましい。製造法としては上
記ABS樹脂と同様のものを使用することが可能であ
る。本発明で使用するAES樹脂とは、エチレン−プロ
ピレンゴム成分またはエチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を
グラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、または該
熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合物と
芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物である。製造
法としては上記ABS樹脂と同様のものを使用すること
が可能である。
【0055】かかるA成分とB成分からなる熱可塑性樹
脂は、260℃におけるキャピラリーレオメータで測定
した溶融粘度がシェアレート300sec-1で0.1×
103〜5×103Pa・sの範囲にあることが好まし
く、0.3×103〜2×103Pa・sの範囲にあるこ
とがさらに好ましい。本発明の芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物は、特定のワラストナイト粒子を使用するこ
とで、かかる条件範囲の樹脂に対しても良好な表面外観
およびリサイクル性を達成できる。本発明のC成分であ
るワラストナイト粒子は、以下の測定法により得られた
数平均繊維長が10μm以下、数平均繊維径が4μm以
下、および繊維長5〜25μmの個数の割合が50%未
満の粒子形状特性を有するものである。
【0056】上記繊維長および繊維径の測定方法は次の
とおりである。繊維長の測定は、原料であるワラストナ
イト粒子を光学顕微鏡で観察し、個々のワラストナイト
の長さを求め、その測定値から数平均繊維長、および繊
維長5〜25μmの個数の割合を算出する。なお、ワラ
ストナイト粒子はその結晶構造に由来する特性から微粉
砕した場合においてもほとんどの粒子がある程度繊維状
の形態を有している。光学顕微鏡の観察は、まずワラス
トナイト粒子同士があまり重なり合わないように分散さ
れたサンプルを用意して行う。かかる観察は対物レンズ
20倍の条件で行い、その観察像を画素数が約25万で
あるCCDカメラに画像データとして取り込む。得られ
た画像データを、画像解析装置を使用して、画像データ
の2点間の最大距離を求めるプログラムを使用して、繊
維長を算出する。かかる条件の下では1画素当りの大き
さが1.25μmの長さに相当する。測定本数は500
0本以上として行う。
【0057】一方繊維径の測定は組成物の原料となるワ
ラストナイト粒子を電子顕微鏡で観察し、個々のワラス
トナイト粒子の繊維径を求め、その測定値から数平均繊
維径を算出する。電子顕微鏡を使用するのは、対象とす
るレベルの大きさを正確に測定することが光学顕微鏡で
は困難なためである。繊維径は、電子顕微鏡の観察で得
られる画像に対して、繊維径を測定する対象のワラスト
ナイトをランダムに抽出し、中央部に近いところで繊維
径を測定する。得られた測定値から数平均繊維径を算出
する。近年の電子顕微鏡はその観察画面上の長さを算出
する機能が備えられているため、かかる繊維径も比較的
容易に算出可能である。観察の倍率は約1,000倍と
し、測定本数は1,000本以上として行う。
【0058】C成分のワラストナイトを上記の粒子形状
特性の条件を満足すべく粉砕するための粉砕機として
は、各種のものが使用でき、例えば、高速回転ミル、ボ
ールミル、媒体攪拌ミル、およびジェットミルなどを挙
げることができる。中でもジェットミルが好ましい。さ
らにかかるジェットミルの方式としては、気流吸い込み
式、ノズル中吸い込み式、衝突体衝突式、対向ジェット
衝突式、および複合型などを挙げることができ、中でも
対向ジェット衝突式の粉砕機が好ましい。
【0059】さらに粉砕されたワラストナイト粒子を分
級することにより、繊維長の長い成分を取り除き、目的
のワラストナイト粒子を得ることが好ましい。かかる分
級の方法には、網型の篩を通す方法の他、インパクタ型
慣性力分級機(バリアブルインパクターなど)、コアン
ダ効果利用型慣性力分級機(エルボージェットなど)、
スパイラル気流型の遠心場分級機(多段サイクロンな
ど)、ヘリカル気流型の遠心場分級機のうち自由渦型で
案内羽根付きのもの(ミクロプレックス、ディスパージ
ョンセパレーターなど)、ヘリカル気流型の遠心場分級
機のうち強制渦型で分級室回転型のもの(アキュカッ
ト、ターボクラシファイアなど)、およびヘリカル気流
型の遠心場分級機のうち強制渦型で回転羽根型のもの
(ミクロンセパレーター、スーパーセパレーターなど)
などを挙げることができ、またこれらの複合型などの使
用も好ましいものである(なお、かっこ内の名称は商品
名または俗称である)。これらのうちより微細な粒子の
分級を可能にするものとして、遠心場分級機が好まし
い。
【0060】ワラストナイト粒子は珪酸カルシウムが主
成分である針状結晶をもつ天然白色鉱物から、これを粉
砕・分級することにより得ることができる。かかる結晶
構造により鉱物の粉砕物も繊維状の形態を有する。本発
明においては合成したワラストナイトも勿論使用するこ
とができる。これらのワラストナイトは実質的に化学式
CaO・SiO2で表され、SiO2約50重量%、Ca
O約47重量%、その他不純物としてFe23、Al2
3、CaCO3などを含有しており、その比重は約2.
9であることが知られている。
【0061】本発明は上記の特定形状を有するワラスト
ナイト粒子を使用することにより、特に塗装外観不良の
原因となる凸状異物の発生を低減した良好な表面外観を
備え、および良好なリサイクル性を有する芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物からなる成形品が提供される。上
記の数平均繊維長は3〜10μmが好ましく、3.5〜
8μmがより好ましく、4〜8μmがさらに好ましい。
上記の数平均繊維径は、0.5〜4μmが好ましく、0.
5〜2.5μmがより好ましく、1〜2μmがさらに好
ましい。数平均繊維長は3μm以上であると剛性や強度
の点で有利である。数平均繊維径は細いほど外観の平滑
性には有効であるが、0.5μm以上であると繊維状の
粒子が折れにくく、リサイクル性の向上に有利である。
【0062】また上記の繊維長5〜25μmの個数の割
合は、30%以上50%未満が好ましく、35%以上4
9%未満がより好ましく、40%以上48%未満がさら
に好ましい。繊維長5〜25μmの個数の割合が30%
以上であると、剛性や強度の点で有利である。さらに本
発明の好適な態様としては、上記測定に基づく繊維長2
5μmを超える粒子の個数の割合が5%以下のものが挙
げられる。繊維長25μmを超えるワラストナイト粒子
が凸状異物の発生の要因となりやすいためである。また
長い粒子は溶融混練時の折れなども発生しやすい。繊維
長25μmを超える粒子の個数の割合は、4%以下がよ
り好ましく、3.5%以下がさらに好ましい。下限とし
ては0.5%が挙げられる。
【0063】さらに本発明のワラストナイト粒子の好適
な態様としては、以下に示す湿式篩法により算出される
325メッシュパス(ASTM規格による)の割合が9
9.95重量%以上好ましくは99.96重量%以上のも
のが挙げられる。かかる条件を満足することでさらに凸
状異物を低減し、結果として塗装外観不良を低減するこ
とが可能となる。かかる325メッシュパスの割合は9
9.97重量%以上がより好ましい。かかる条件を満足
するワラストナイト粒子を得るために、粉砕後上記に挙
げた網状篩の他、遠心場分級機などを使用して分級処理
をして製造することが好ましい。
【0064】ここで上記の湿式篩法による325メッシ
ュパス量の算出について説明する。約20gのワラスト
ナイト粒子を電子天秤で秤量する(かかる重量をαgと
する)。そのワラストナイト粒子を325メッシュ(A
STM規格による)の篩上にのせ、その篩に3分間流水
し、その後5分間加熱灯で篩上のワラストナイト粒子を
乾燥させる。篩上に残ったサンプルをブラシで注意深く
取り去り、電子天秤で秤量する(かかる重量をβgとす
る)。このα(g)およびβ(g)の値から325メッ
シュパスの割合を、(α−β)×100/α(重量%)
として算出する。
【0065】さらに本発明のワラストナイト粒子に好適
な態様としては、以下に示す強熱減量が1.7重量%以
下のものが挙げられる。かかる強熱減量は1.5重量%
以下がより好ましく、1.2重量%以下がさらに好まし
い。本発明者らは、強熱減量が1.7重量%以下である
ワラストナイト粒子が、補強性能に優れ、特に芳香族ポ
リカーボネート樹脂を主成分とする溶融粘度の高い樹脂
と溶融混練を繰り返しても、剛性、強度などの低下が少
ないこと、すなわちリサイクル性に優れることを見出し
た。
【0066】本発明においてワラストナイト粒子の強熱
減量は、水分を除去するために110℃で6時間処理し
た後、デシケータ中(乾燥剤入り)で室温まで放冷した
ワラストナイト粒子、繊維を用意する。かかるワラスト
ナイト粒子、繊維をTGA(Thermogravim
etric Analysis:熱重量解析)測定機に
より、10℃/minで1,300℃まで連続的に昇温
し、1,300℃に到達した時点での重量減少値を算出
し、強熱減量とする。なお、この強熱処理による減量は
ワラストナイト中に不純物として微量含有されるCaC
3に由来するCO2が主成分であると考えられる。すな
わち、ワラストナイト中の不純物として微量含有される
CaCO3が少ない方が補強効果やリサイクル性に優れ
るものであると推定される。
【0067】また、ワラストナイト粒子には通常の表面
処理剤、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系
カップリング剤などのカップリング剤などで表面処理を
施したものを使用しても差し支えない。かかるシラン系
カップリング剤としてはエポキシシランカップリング剤
を好ましく挙げることができる。またポリアルコキシシ
ロキサンとエポキシシランカップリング剤との混合物お
よび/またはポリアルコキシシロキサンとエポキシシラ
ンカップリング剤との反応物も好ましく使用することが
できる。これらシランカップリング剤で表面処理された
ワラストナイト粒子の使用が可能である。
【0068】上記A成分、B成分、およびC成分の組成
割合は、次のとおりである。樹脂成分であるA成分とB
成分の合計100重量%中、A成分は50〜100重量
%、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは60
〜90重量%である。B成分は0〜50重量%、好まし
くは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%
である。A成分がA成分とB成分の合計100重量%中
50重量%未満では耐熱性、衝撃強度などが低下するよ
うになり好ましくない。
【0069】C成分は上記樹脂組成分100重量部に対
して1〜100重量部、好ましくは1〜70重量部、よ
り好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜3
0重量部である。C成分のワラストナイト粒子の割合が
1重量部未満では剛性などの機械特性が低下するように
なり、100重量部を超えると衝撃強度、外観などが低
下するようになり好ましくない。本発明において得られ
る芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の衝撃強度等をさ
らに向上させるためにD成分として弾性重合体を使用す
ることができる。本発明において使用可能なD成分の弾
性重合体の例としては、ガラス転移温度が10℃以下の
ゴム成分に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、およびこれらと共
重合可能なビニル化合物から選択されたモノマーの1種
または2種以上が共重合されたグラフト共重合体を挙げ
ることができる。
【0070】またかかるゴム成分と上記モノマーのブロ
ック共重合体も挙げられる。かかるブロック共重合体と
しては具体的にはスチレン・エチレンプロピレン・スチ
レンエラストマー(水添スチレン・イソプレン・スチレ
ンエラストマー)、および水添スチレン・ブタジエン・
スチレンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーを挙
げることができる。さらに他の熱可塑性エラストマーし
て知られている各種の弾性重合体、例えばポリウレタン
エラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエーテ
ルアミドエラストマー等を使用することも可能である。
弾性重合体は、ゴム成分を40%以上含有するものであ
り、この点で本発明のB成分のABS樹脂等とは明確に
区別されるものである。
【0071】ここでいうガラス転移温度が10℃以下の
ゴム成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アク
リル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合
ゴム、イソブチレン−シリコン複合ゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−ア
クリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、
フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加
されたものを挙げることができる。中でもガラス転移温
度が−10℃以下、より好ましくは−30℃以下のゴム
成分を含有する弾性重合体が好ましく、特にブタジエン
ゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、
アクリル-シリコン複合ゴムを使用した弾性重合体が好
ましい。複合ゴムとは、2種のゴム成分を共重合したゴ
ムまたは分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造
をとるように重合したゴムをいう。
【0072】芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレ
ン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができ、特にス
チレンが好ましい。またアクリル酸エステルとしては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル等
を挙げることができ、メタアクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸オクチル等を挙げることができ、メタクリル酸メチ
ルが特に好ましい。
【0073】ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分を
含有する弾性重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合のいずれの重合法で製造したものであって
もよく、共重合の方式は一段グラフトであっても多段グ
ラフトであっても差し支えない。また製造の際に副生す
るグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であっても
よい。さらに重合法としては一般的な乳化重合法の他、
過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合
法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることが
できる。また懸濁重合法において、水相とモノマー相と
を個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給
し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法、および連
続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモ
ノマー相を数〜数十μm径の細径オリフィスまたは多孔
質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方
法などを行ってもよい。
【0074】かかる弾性重合体は市販されており容易に
入手することが可能である。例えばガラス転移温度が1
0℃以下のゴム成分として、ブタジエンゴム、アクリル
ゴムまたはブタジエン−アクリル複合ゴムを主体とする
ものとしては、鐘淵化学工業(株)のカネエースBシリ
ーズ、三菱レイヨン(株)のメタブレンCシリーズ、呉
羽化学工業(株)のEXLシリーズ、HIAシリーズ、
BTAシリーズ、KCAシリーズ、宇部サイコン(株)
のUCLモディファイヤーレジンシリーズが挙げられ、
ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分としてアクリル
−シリコン複合ゴムを主体とするものとしては三菱レイ
ヨン(株)よりメタブレンS−2001あるいはSRK
−200という商品名で市販されているものが挙げられ
る。
【0075】D成分の組成割合は、A成分および任意に
B成分の合計100重量部に対し0.5〜50重量部が
好ましく、より好ましくは0.5〜30重量部、さらに
好ましくは1〜20重量部である。D成分の弾性重合体
の割合が50重量部を超えると、耐熱性、外観が低下す
るようになり好ましくない。本発明においては、さらに
ワラストナイト粒子の折れを抑制するための折れ抑制剤
(E成分)を含むものであってもよく、特に本発明のワ
ラストナイトと組合わせた場合により良好な効果を生ず
るため、含むものであることが好ましい。
【0076】かかるワラストナイト粒子の折れ抑制剤と
しては、A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂に対して
滑り性のある成分に、折れ抑制剤がワラストナイト粒子
の周囲を被覆するためのワラストナイト粒子との間に反
応性または親和性を有する官能基を含むものが挙げられ
る。このような構造を有することで、本発明の樹脂組成
物の構成成分を溶融混合する間に、かかる折れ抑制剤は
樹脂成分には結合または密着せず、一方ワラストナイト
粒子とは結合または密着して、結果的にワラストナイト
粒子の表面を滑剤が被覆するようになる。
【0077】かかる芳香族ポリカーボネート樹脂に滑り
性のある成分としては、高級脂肪酸エステル、高級脂肪
酸アミド、ポリオレフィン成分、ポリオルガノシロキサ
ン成分、フッ素置換ポリオレフィン成分、アルキルエー
テル成分、フッ素置換ポリアルキルエーテル成分等を挙
げることができ、かかるものの中でも、ポリオレフィン
ワックス成分、シリコーンオイル、フッ素オイル成分が
好ましい。一方ワラストナイト粒子との間に反応性また
は親和性を有する官能基としては、カルボキシル基、エ
ステル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、チオエス
テル基、2−オキサゾリン基などの環状イミノエーテル
基、無水コハク酸−2−イル基、無水コハク酸−2,3
−ジイル基などのカルボン酸無水物基などを挙げること
ができる。特に芳香族ポリカーボネート樹脂に対する分
解作用がなく好ましいのは、カルボキシル基、エポキシ
基、カルボン酸無水物基であり、特に無水マレイン酸を
共重合したものが好ましい。
【0078】滑剤と各種の官能基を結合する方法として
は、(1)滑剤に上記の官能基および滑剤と反応性のあ
る官能基を有する化合物を反応させる方法、(2)滑剤
の合成時に上記の官能基を有する化合物を共重合する方
法、(3)滑剤、官能基を有する化合物およびラジカル
発生剤を加熱下で混合して反応する方法、および(4)
熱酸化により修飾する方法などを挙げることができ、い
ずれの方法も使用可能である。
【0079】かかるE成分の好ましい例としては、カル
ボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を含有す
るオレフィンワックスを挙げることができる。かかるカ
ルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を含有
するオレフィンワックスとは、オレフィンワックスを後
処理により、カルボキシル基および/またはカルボン酸
無水物基を含有させた化合物、好ましくはマレイン酸お
よび/または無水マレイン酸で後処理により変性したも
のが挙げられる。さらにエチレンおよび/または1−ア
ルケンを重合または共重合する際にかかるモノマー類と
共重合可能なカルボキシル基および/またはカルボン酸
無水物基を含有する化合物、好ましくはマレイン酸およ
び/または無水マレイン酸を共重合したものも挙げら
れ、かかる共重合をしたものはカルボキシル基および/
またはカルボン酸無水物基が高濃度かつ安定して含まれ
るので好ましい。
【0080】かかるカルボキシル基やカルボン酸無水物
基は、このオレフィンワックスのどの部分に結合しても
よく、またその濃度は特に限定されないが、オレフィン
ワックス1g当り0.1〜6meq/gの範囲がワラス
トナイト粒子の折れを効率よく改良できるため好まし
く、さらに好ましくは0.5〜4meq/gの範囲であ
る。なお、ここで1eq(1当量)とは、カルボキシル
基の場合は、カルボキシル基が1モル分存在することを
いい、カルボン無水物基の場合には、カルボン無水物基
が0.5モル分存在することをいう。他の官能基もカル
ボキシル基の場合と同程度含まれていることが好まし
い。
【0081】またカルボキシル基および/またはカルボ
ン酸無水物基を含有するオレフィンワックスの分子量は
重量平均分子量で1,000〜〜20,000であり、好
ましくは3,000〜15,000である。かかる分子量
はGPC測定において標準ポリスチレンから得られた較
正直線を用いたポリスチレン換算の値である。さらに本
発明において好適なE成分としては、α−オレフィンと
無水マレイン酸との共重合体を挙げることができる。か
かる共重合体は、常法に従いラジカル触媒の存在下に、
溶融重合あるいはバルク重合法で製造することができ
る。ここでα−オレフィンとしてはその炭素数が平均値
として10〜60のものを好ましく挙げることができ
る。α−オレフィンとしてより好ましくはその炭素数が
平均値として16〜60、さらに好ましくは25〜55
のものを挙げることができる。
【0082】かかるオレフィンワックスは、市販品とし
ては例えばダイヤカルナPA30、PA30M[三菱化
学(株)の商品名]、ハイワックス酸処理タイプの22
03A、1105A[三井石油化学(株)の商品名]等
が挙げられる。特にダイヤカルナPA30、PA30M
が好ましい。これら単独でまたは二種以上の混合物とし
て用いられる。
【0083】その他のE成分としてはカルボキシル基、
カルボン酸無水物基、およびエポキシ基から選択される
1種以上の官能基を含有するポリオルガノシロキサンを
挙げることができ、これらはかかる基を有するシラン系
カップリング剤とアルコキシ基含有ポリオルガノシロキ
サンとの反応により得ることができる。またE成分のう
ち好ましいシリコーンオイルとしてポリアルキルハイド
ロジェンシリコーンを挙げることができる。中でもポリ
メチルハイドロジェンシリコーンオイルは容易に入手で
きより好ましい具体例として挙げることができる。
【0084】一方、ワラストナイト粒子を滑剤であらか
じめ表面処理して同様の効果を達成することもできる。
この場合はワラストナイト粒子と反応性を有する官能基
を有していない滑剤の使用も可能である。滑剤としては
上記のものが使用できる。滑剤であらかじめ表面処理さ
れたワラストナイト粒子は、例えば溶液の状態で、また
は水性分散液の状態でワラストナイト粒子とミキサーな
どで混合し、その後乾燥処理などをすることにより得ら
れる。したがって本発明のワラストナイト粒子の折れ抑
制剤(E成分)は、(i)ワラストナイト粒子との間に
反応性を有する官能基を含む滑剤、および(ii)ワラス
トナイト粒子にあらかじめ表面被覆された滑剤から選択
される成分が使用できる。
【0085】かかるE成分を使用する場合には、A成
分、および任意にB成分からなる樹脂組成物100重量
部に対し、0.02〜5重量部添加することにより、ワ
ラストナイト粒子の折れをより抑制し、良好なリサイク
ル性等を得ることができる。5重量部を超えると層剥離
等を起こし好ましくない。本発明の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物には、A成分およびB成分以外の他の熱
可塑性樹脂(F成分)を含むことができる。かかる熱可
塑性樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、アクリル樹
脂、並びにポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂
等のポリオレフィン樹脂等を例示することができる。さ
らに、ポリフェニルエーテルおよびポリアセタール等の
エンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド、
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、およびポリ
フェニレンサルファイド等のいわゆるスーパーエンプラ
と呼ばれるものが挙げられる。
【0086】F成分の組成割合は、A成分および任意に
B成分よりなる樹脂成分100重量部当り、0.5〜2
0重量部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部で
ある。本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、
上記A成分およびC成分、ならびに任意にB成分、D成
分およびE成分からなるものであるが、さらに必要に応
じ、本発明の目的が損われない量の難燃剤等の各種添加
剤を配合することができる。
【0087】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物に使用可能な難燃剤(G成分)としては、特に制限さ
れるものではないが、ハロゲン化ビスフェノールAのポ
リカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃剤、芳香族リン
酸エステル系難燃剤、あるいは、ハロゲン化芳香族リン
酸エステル型難燃剤等が挙げられ、それらを一種以上配
合することができる。具体的にハロゲン化ビスフェノー
ルAのポリカーボネート型難燃剤は、テトラクロロビス
フェノールAのポリカーボネート型難燃剤、テトラクロ
ロビスフェノールAとビスフェノールAとの共重合ポリ
カーボネート型難燃剤テトラブロモビスフェノールAの
ポリカーボネート型難燃剤、テトラブロモビスフェノー
ルAとビスフェノールAとの共重合ポリカーボネート型
難燃剤等である。
【0088】具体的に有機塩系難燃剤は、ジフェニルス
ルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニ
ルスルホン−3−スルホン酸カリウム、2,4,5−トリ
クロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,4,5−トリ
クロロベンゼンスルホン酸カリウム、ビス(2,6−ジ
ブロモ−4−クミルフェニル)リン酸カリウム、ビス
(4−クミルフェニル)リン酸ナトリウム、ビス(p−
トルエンスルホン)イミドカリウム、ビス(ジフェニル
リン酸)イミドカリウム、ビス(2,4,6−トリブロモ
フェニル)リン酸カリウム、ビス(2,4−ジブロモフ
ェニル)リン酸カリウム、ビス(4−ブロモフェニル)
リン酸カリウム、ジフェニルリン酸カリウム、ジフェニ
ルリン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カ
リウム、ラウリル硫酸ナトリウムあるいはカリウム、ヘ
キサデシル硫酸ナトリウムあるいはカリウム等である。
具体的にハロゲン化芳香族リン酸エステル型難燃剤は、
トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェー
ト、トリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェー
ト、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェート等であ
る。
【0089】具体的に芳香族リン酸エステル系難燃剤
は、トリフェニルホスフェート、トリス(2,6−キシ
リル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニ
ルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニル
ホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジキシ
レニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジキシ
レニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニ
ルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホ
スフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジフェニ
ルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニル
ホスフェート)、芳香環ソースがレゾルシンとフェノー
ルでありフェノール性OH基を含まない芳香族ポリホス
フェート、芳香環ソースがレゾルシンとフェノールであ
りフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、
芳香環ソースがヒドロキノンとフェノールでありフェノ
ール性OH基を含まない芳香族ポリホスフェート、同様
のフェノール性OH基を含む芳香族ポリホスフェート、
(以下に示す「芳香族ポリホスフェート」は、フェノー
ル性OH基を含む芳香族ポリホスフェートと含まない芳
香族ポリホスフェートの両方を意味するものとする)芳
香環ソースがビスフェノールAとフェノールである芳香
族ポリホスフェート、芳香環ソースがレゾルシンと2,
6−キシレノールである芳香族ポリホスフェート、芳香
環ソースがヒドロキノンと2,6−キシレノールである
芳香族ポリホスフェート、芳香環ソースがビスフェノー
ルAと2,6−キシレノールである芳香族ポリホスフェ
ート等である。
【0090】これらの難燃剤の中で、ハロゲン化ビスフ
ェノールAのポリカーボネート型難燃剤として、テトラ
ブロモビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、
テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAとの
共重合ポリカーボネートが好ましく、さらにテトラブロ
モビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤が好ま
しい。有機塩系難燃剤としてはパーフルオロブタンスル
ホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジス
ルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホ
ン酸カリウム、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン
酸ナトリウムが好ましい。芳香族リン酸エステル系難燃
剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾ
ルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフ
ェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が好まし
い。
【0091】またその他の難燃剤としては、ハロゲン系
難燃剤として、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹
脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム
化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化
ポリフェニレンエーテル、ポリジブロムフェニレンエー
テル、赤リンまたは赤リン表面を公知の熱硬化樹脂およ
び/または無機材料を用いてマイクロカプセル化されて
いる安定化赤リンに代表される赤リン系難燃剤、フェニ
ル基、ビニル基およびメチル基を含有する(ポリ)オル
ガノシロキサン化合物や(ポリ)オルガノシロキサンと
ポリカーボネート樹脂の共重合体に代表されるシリコー
ン型難燃剤、およびフェノキシホスファゼンオリゴマー
や環状フェノキシホスファゼンオリゴマーに代表される
ホスファゼンポリマー型難燃剤などを挙げることができ
る。
【0092】上記の難燃剤の中でもTGA(Therm
ogravimetric Analysis:熱重量
解析)によるチッ素雰囲気中における23℃から20℃
/minの昇温速度で600℃まで昇温した時の5%重
量減少温度が300℃以上の芳香族リン酸エステル系難
燃剤を好適な態様として挙げることができる。
【0093】これらの難燃剤は芳香族ポリカーボネート
樹脂に対して可塑化効果を有する。したがって溶融混練
時のワラストナイト粒子の折れがさらに抑制される。ま
た成形時の転写性が向上するため、凸状異物の発生の低
減に対しても効果的である。さらに上記重量減少温度の
条件を満足するものは熱安定性も良好である。したがっ
て繰り返し溶融混練された際も樹脂組成物からの揮発お
よびそれ自体の熱分解が少ない。さらに芳香族リン酸エ
ステル系難燃剤の加水分解に起因する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の加水分解性(耐湿熱性)も、ワラストナイ
ト粒子との併用効果により大幅に向上する。上記の効果
により結果としてリサイクル性の良好な樹脂組成物が達
成される。
【0094】一方、難燃剤を配合する樹脂成分として
は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)よりなる樹
脂成分、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および
芳香族ポリエステル樹脂(B−1成分)よりなる樹脂成
分、並びに芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)およ
びゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位成
分含有樹脂(B−2成分)よりなる樹脂成分のいずれも
好ましく挙げることができる。中でもより好ましいのは
A成分およびB−2成分よりなる樹脂成分である。かか
る樹脂成分は高流動性、高耐衝撃強度、低反り性、およ
びメッキ性を兼ね備えることから薄肉の電子・電気機器
類の筐体成形品を得るのに好適なものであるが、一方当
該用途は高い難燃性もさらに要求されるためである。本
発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、主とし
て難燃性能をさらに向上させる目的でフィブリル形成能
を有するポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと
称することがある)をH成分として含むことができる。
【0095】フィブリル形成能を有するPTFEの分子
量は極めて高い分子量を有し、せん断力などの外的作用
によりPTFE同士を結合して繊維状になる傾向を示す
ものである。その分子量は、標準比重から求められる数
平均分子量において100万〜1,000万、より好ま
しく200万〜900万である。かかるPTFEは、固
体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能である。
またかかるフィブリル形成能を有するPTFEは樹脂中
での分散性を向上させ、さらに良好な難燃性および機械
的特性を得るために他の樹脂との混合形態のPTFE混
合物を使用することも可能である。
【0096】かかるフィブリル形成能を有するPTFE
の市販品としては例えば三井・デュポンフロロケミカル
(株)のテフロン6J、ダイキン工業(株)のポリフロ
ンMPA FA500、F−201Lなどを挙げること
ができる。PTFEの水性分散液の市販品としては、旭
アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンAD
−1、AD−936、ダイキン工業(株)製のポリフロ
ンD−1、D−2、三井・デュポンフロロケミカル
(株)製のテフロン30Jなどを代表として挙げること
ができる。混合形態のPTFEの市販品としては、三菱
レイヨン(株)の「メタブレン A3000」(商品
名)、およびGEスペシャリティーケミカル社製 「B
LENDEX449」(商品名)などを挙げることがで
きる。
【0097】H成分の配合量は、A成分および任意にB
成分の合計100重量部当り、PTFEの量として0.
05〜3重量部が好ましく、より好ましくは0.08〜
1.5重量部、さらに好ましくは0.1〜1.0重量部で
ある。本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、
本発明のC成分以外に少量の無機充填材や耐熱有機充填
材を含むものであってもよい。
【0098】かかる無機充填剤としては、ガラス繊維
(チョップドストランド)、炭素繊維、金属繊維、ゾノ
トライト、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミ
ニウムウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー
等の繊維状充填剤、タルク、マイカ、ガラスフレーク、
グラファイトフレーク等の板状充填剤、ガラス短繊維
(ミルドファイバー)、炭素短繊維、ガラスビーズ、ガ
ラスバルーン、セラミックバルーン、カーボンビーズ、
シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化セリウム、
酸化亜鉛等の各種粒子状充填剤、および上記各種の無機
充填材にメッキ、蒸着、スパッタリング等の方法によ
り、金、銀、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム等に
代表される各種金属や、酸化チタン、酸化鉄、酸化ス
ズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される金
属酸化物等を被覆した無機充填材を挙げることができ
る。
【0099】耐熱有機充填剤とは、本発明のA成分であ
る芳香族ポリカーボネート樹脂の成形加工温度において
溶融しないものをいい、かかる充填剤としては、アラミ
ド繊維、ポリアリレート繊維等の繊維状充填剤、アラミ
ド粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、フェノール
樹脂粒子、架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子等の粒
子状充填剤を挙げることができる。本発明の芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物は、リン系の熱安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、発泡剤、染
顔料等を含むものでもよく、かかる目的に対して適宜処
方することが可能であるが、特にリン系の熱安定剤を含
むことは好ましいものである。
【0100】リン系の熱安定剤としては亜リン酸、リン
酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル
等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、ト
リオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホ
スファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジ
イソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジ
フェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファ
イト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メ
チレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)
オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト等の亜リン酸エステル化合物、トリブチルホス
フェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェ
ニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニ
ルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソ
プロピルホスフェート等のリン酸エステル化合物、さら
にその他のリン系熱安定剤として、テトラキス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェ
ニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホ
スホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4−ビフェニレンホスホナイト等の亜ホスホン酸エステ
ル化合物等を挙げることができる。
【0101】これらのうち、トリスノニルフェニルホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェ
ニルホスフェート、トリメチルホスフェート、テトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナ
イトが好ましい。
【0102】これらの熱安定剤は、単独でもしくは2種
以上混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の配合量
は、A成分および任意にB成分の合計100重量部に対
して0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜
0.5重量部がより好ましく、0.002〜0.3重量部
がさらに好ましい。さらに上記の中でも、樹脂成分が芳
香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および芳香族ポリ
エステル樹脂(B−1成分)よりなる樹脂成分の場合に
は、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトなどのペンタエリスリ
トールジホスファイト化合物が好ましい。
【0103】好ましい理由は次のとおりである。A成分
およびB−1成分よりなる樹脂成分は、溶融混練時にA
成分とB−1成分の間のエステル交換反応に伴いA成分
の芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量低下が生じやす
い。さらにかかるエステル交換反応はワラストナイトな
どのケイ酸塩充填剤の存在により促進される。ペンタエ
リスリトールジホスファイト化合物は他のホスファイト
化合物に比較して加水分解が生じやすい。かかる加水分
解により生成した酸成分は上記ワラストナイトのエステ
ル交換反応促進効果を抑制し、より分子量低下の少ない
良好な芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が達成され
る。ペンタエリスリトールジホスファイト化合物の組成
割合は、A成分およびB−1成分の合計100重量部当
り、0.005〜1重量部が好ましく、より好ましくは
0.05〜1重量部である。
【0104】酸化防止剤としては、例えばペンタエリス
リトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリル
チオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリル
チオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマ
イド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン
酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、3,
9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸
化防止剤の配合量は、A成分および任意にB成分の合計
100重量部に対して0.0001〜1重量部が好まし
い。
【0105】紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表され
るベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および例えば2−
(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メ
チレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,
α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリ
アゾールおよび2−(3,5−ジ−tert−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールに代表さ
れるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示される。
さらにビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート等に代表されるヒンダ
ードアミン系の光安定剤も使用することが可能である。
さらに2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジ
ン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−
(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5
−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノ
ールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物も使
用可能である。かかる紫外線吸収剤、光安定剤の配合量
は、A成分および任意にB成分の合計100重量部に対
して0.01〜5重量部が好ましい。
【0106】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、溶融成
形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発
明の目的を損わない範囲で離型剤を配合することも可能
である。かかる離型剤としては、オレフィンワックス、
シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン、一価また
は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、パラフィンワ
ックス、蜜蝋等が挙げられる。かかる離型剤の配合量
は、A成分および任意にB成分の合計100重量部に対
し、0.01〜2重量部が好ましい。
【0107】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するに
は、任意の方法が採用される。例えばA成分、C成分、
および任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練
し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混
合の手段としては、タンブラー、V型ブレンダー、ヘン
シェルミキサー、ナウタミキサー、リボンミキサー、メ
カノケミカル装置、押出混合機などを挙げることができ
る。予備混合においては場合により押出造粒器やブリケ
ッティングマシーンなどにより造粒を行うこともでき
る。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融
混練機で溶融混練し、およびペレタイザー等の機器によ
りペレット化する。
【0108】他に、A成分、C成分、および任意に他の
成分を予備混合することなく、それぞれ独立に二軸ルー
ダーに代表される溶融混練機に供給する方法も取ること
ができる。またA成分、C成分、および任意に他の成分
のうち一部の成分を予備混合した後、残りの成分と独立
に溶融混練機に供給する方法が挙げられる。例えば、C
成分をサイドフィーダーを用いて押出機途中から独立に
供給するなどの方法が挙げられる。予備混合の手段や造
粒に関しては、上記と同様である。なお、配合する成分
に液状のものがある場合には、溶融混練機への供給にい
わゆる液注装置、または液添装置を使用することができ
る。また芳香族リン酸エステル系難燃剤などの融点が比
較的低い化合物を供給する場合、加温して液状とし液注
装置または液添装置により溶融混練機に供給する方法も
取ることができる。
【0109】樹脂成分がA成分およびB−1成分よりな
る場合には、溶融混練前のA成分、およびB−1成分に
含まれる水分が少ないことが好ましい。したがって各種
熱風乾燥、電磁波乾燥、真空乾燥などの方法により、乾
燥されたA成分またはB−1成分を溶融混練することが
好ましい。一方溶融混練中にベント吸引は、あまり真空
度を高くしないで行うことが好ましい。大気圧に近い状
態で窒素ガスなどを循環させながら揮発分を系外に排出
する方法などもとることができる。
【0110】本発明の熱可塑性樹脂組成物は通常かかる
ペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製
品を製造することができる。かかる射出成形において
は、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、
ランナーレスを可能とするホットランナーによって製造
することも可能である。また射出成形においても、通常
の成形方法だけでなくガスアシスト射出成形、射出圧縮
成形、超高速射出成形、射出プレス成形、インサート成
形、局所高温金型成形(断熱金型成形を含む)、サンド
イッチ成形、2色成形等を使用することができる。
【0111】以上より本発明によれば、(1)芳香族ポ
リカーボネート樹脂(A成分)50〜100重量%、お
よび(2)熱可塑性ポリエステル樹脂(B−1成分)お
よびゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン単位
成分含有樹脂(B−2成分)よりなる群から選択された
少なくとも1種の熱可塑性樹脂(B成分)0〜50重量
%よりなる樹脂成分100重量部、並びに(3)本文中
に規定する方法により測定された数平均繊維長が10μ
m以下、数平均繊維径が4μm以下、および繊維長5〜
25μmの個数の割合が50%未満の粒子形状特性を有
するワラストナイト粒子(C成分)1〜100重量部よ
りなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成され
た成形品が提供される。
【0112】さらに詳細には、以下の成形品が提供され
る。すなわち(i)上記A成分よりなる樹脂成分および
該樹脂成分100重量部当り上記C成分1〜100重量
部よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成
された成形品、(ii)上記A成分およびB−1成分より
なる樹脂成分および該樹脂成分100重量部当り上記C
成分1〜100重量部よりなる芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物より形成された成形品、並びに(iii)上記
A成分およびB−2成分よりなる樹脂成分および該樹脂
成分100重量部当り上記C成分1〜100重量部より
なる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された
成形品である。
【0113】さらに好適には、上記ポリカーボネート樹
脂組成物より形成された、塗装された成形品が提供され
る。かくして得られた本発明の成形品は良好な表面外
観、衝撃強度、および剛性に加えて良好なリサイクル性
を達成するものである。より詳しくは以下に示す実施例
において記載されたリサイクル性の定義に基づいて少な
くとも85%、好ましくは90%、より好ましくは93
%の保持率を達成するものである。
【0114】上記のごとく、本発明は高剛性、高耐衝撃
性、良好な表面外観、および良好なリサイクル性を備え
た芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。かか
る樹脂組成物の特性は幅広い産業分野および用途におい
て有用であるが殊に下記の分野において有用である。そ
の第1として車輌用内装部品および車輌用外装部品を挙
げることができる。かかる分野は殊に良好な表面外観が
求められる分野である。車輌用内装部品としては、セン
ターパネル、インストルメンタルパネル、ダッシュボー
ド、インナードアハンドル、リアボード、カーナビゲー
ション・カーテレビジョンなどのディスプレーハウジン
グなどが挙げられる。
【0115】車輌用外装部品としては、アウタードアハ
ンドル、フェンダーパネル、ドアパネル、スポイラー、
ガーニッシュ、ピラーカバー、フロントグリル、リアボ
ディパネル、モーターバイクのカウル、トラックの荷台
カバーなどが挙げられる。かかる部品においては、樹脂
成分が、芳香族ポリカーボネート樹脂および熱可塑性ポ
リエステル樹脂よりなる樹脂成分、または芳香族ポリカ
ーボネート樹脂およびゴム成分の含有量が40重量%未
満のスチレン単位成分含有樹脂よりなる樹脂成分のいず
れかである場合が殊に好適である。芳香族ポリカーボネ
ート樹脂および熱可塑性ポリエステル樹脂よりなる樹脂
成分においてはさらに耐薬品性および疲労強度などにも
優れるため、これらの特性が要求されるアウタードアハ
ンドルに特に好適である。一方芳香族ポリカーボネート
樹脂およびゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレ
ン単位成分含有樹脂よりなる樹脂成分は耐衝撃性におい
て有利であり、成形加工性にも優れるため、ドアパネル
などの大型成形品において好適である。
【0116】その第2として携帯型精密機器のハウジン
グ部品を挙げることができる。携帯型精密機器として
は、カメラ、デジタルカメラ、ビデオムービー、望遠
鏡、双眼鏡、携帯電話、携帯情報端末、携帯ノート型コ
ンピューター、携帯テープレコーダー、携帯光ディスク
再生機、携帯ナビゲーション装置、腕時計などを挙げる
ことができる。かかるハウジング部品は薄肉化が進んで
おり高剛性が要求され、また精密部品の位置決めのため
に寸法精度なども要求される。さらに携帯するため高耐
衝撃性が要求され、さらに表面外観に対する要求も高級
感を付与するため厳しいものがある。かかるハウジング
部品においては樹脂成分として、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂およびゴム成分の含有量が40重量%未満のスチ
レン単位成分含有樹脂よりなる樹脂成分が好適である。
かかる樹脂成分は薄肉製品における寸法精度や耐衝撃性
の点で有利である。
【0117】その第3としてOA機器のハウジング部品
を挙げることができる。OA機器としてはノートパソコ
ン、パソコン本体、CRTディスプレー、プリンター、
複写機、記録媒体(CD、DVDなど)のドライブ装
置、スキャナー、ファクシミリなどを挙げることができ
る。かかる部品においては難燃性能が求められることか
ら、樹脂成分として、芳香族ポリカーボネート樹脂、ま
たは芳香族ポリカーボネート樹脂およびゴム成分の含有
量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂よりな
る樹脂成分が殊に好適である。難燃剤としては芳香族リ
ン酸エステル型難燃剤、赤リン、ホスファゼンポリマー
型難燃剤などのリン系難燃剤が好適である。また樹脂成
分が芳香族ポリカーボネート樹脂の場合は、シリコーン
型難燃剤や、有機塩系難燃剤も好適である。中でも樹脂
成分として芳香族ポリカーボネート樹脂およびゴム成分
の含有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂
よりなる樹脂成分、および難燃剤として芳香族リン酸エ
ステル型難燃剤(殊にリン酸エステルオリゴマー)を組
合せてなる樹脂組成物が難燃性および成形加工性の観点
から有用である。
【0118】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、評価は下記の方法によっ
た。
【0119】(1)表面外観;図1に示す携帯ノート型
コンピューターの表側カバー成形品(鏡面部分とシボ付
部分とを有する)を100個成形した。かかる成形品の
全数について凸状異物の発生の有無を目視観察により調
べ、以下の評価基準にしたがって評価を行った。 ◎:凸状異物の発生が認められない ○:凸状異物の発生割合が10%未満である △:凸状異物の発生割合が10%以上50%未満である ×:凸状異物の発生割合が50%以上である さらに、各サンプルそれぞれに対して得られた成形品か
ら3個を抜き出し、かかる成形品に日本ビーケミカル
(株)製R−230ドーバーホワイトを塗装ブース中で
スプレー塗装し、80℃×1時間乾燥して塗装成形品を
得た。かかる塗装成形品の鏡面部分の表面粗さを測定
し、その平均値を求めた。かかる測定は、万能表面形状
測定機(SURFCOM 3B.E−MD−S10A:
東京精密(株)製)にて触針径2μm、触針圧0.07
gの条件により行い、平均表面粗さ(Ra)を算出し
た。平均表面粗さ(Ra)の値が小さいほど表面外観は
良好であると判断することができる。なお塗装膜厚は3
0μmであった。
【0120】(2)衝撃強度;ASTM D256に従
い、[1/8”]試験片にて23℃雰囲気下のノッチ付
きアイゾット衝撃強度を測定した。 (3)剛性;ASTM D790に従い曲げ試験を実施
し、曲げ弾性率(FM1)を測定した。 (4)リサイクル性;曲げ試験用成形品を粉砕機
((株)朋来鉄工所製SB−210)にて70kg/h
の処理能力で粉砕し、リペレットした。得られたペレッ
トを再度、射出成形した。この「粉砕→リペレット→成
形」の操作を5回繰り返した後、5回目の射出成形によ
り得られた試験片にて、ASTM D790に従い曲げ
試験を実施し、曲げ弾性率を測定(FM5)し、(3)
で得られた曲げ弾性率(FM1)に対する保持率を下記
式により算出した。 保持率(%)=(FM5/FM1)×100 この保持率が高い程、リサイクル性に優れると判断する
ことができる。 (5)難燃性;UL規格94Vに準拠し、厚み1mmお
よび1.3mmの試験片について垂直燃焼試験を行い、
燃焼性のランクを評価した。
【0121】実施例1〜59、比較例1〜14 表2〜表10に示す各成分を表記載の配合割合にてV型
ブレンダーで混合した後、スクリュー径30mmのベン
ト式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−30]によ
りシリンダー温度270℃、ベント吸引度3kPaでペ
レット化した。なお、各成分のうち芳香族ポリカーボネ
ート樹脂および芳香族ポリエステル樹脂は120℃で5
時間熱風乾燥処理したものを使用し、また全てのサンプ
ルについてA成分およびB成分の合計100重量部当り
0.03重量部のトリメチルホスフェート(大八化学工
業(株)製TMP)を添加した。このペレットを100
〜110℃で6時間乾燥した後、射出成形機[FANU
C(株)製T−150D]によりシリンダー温度270
℃、金型温度80℃で試験片を作成し、評価結果を表2
〜表10に示した。
【0122】なお、表中の溶融粘度はキャピラリーレオ
メータ(キャピログラフ:(株)東洋精機製)を用い、
表中のA成分およびB成分からなり上記押出機を使用し
て得られた樹脂組成物についてキャピラリー長10.0
mm、キャピラリー径1.0mm、測定温度260℃に
て測定速度を任意に変更し測定した結果得られたShe
ar Rate/Viscosityカーブより300
sec-1での溶融粘度を読み取った数値を記載したもの
である。
【0123】(A成分) PC−1:ビスフェノールAとホスゲンより製造され
る粘度平均分子量25,000の直鎖状芳香族ポリカー
ボネート樹脂(帝人化成(株)製「パンライトL−12
50」) PC−2:ビスフェノールAとホスゲンより製造され
る粘度平均分子量30,000の直鎖状芳香族ポリカー
ボネート樹脂(帝人化成(株)製「パンライトK−13
00」) PC−3:以下の溶融エステル交換法により製造され
た粘度平均分子量23,300の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂 撹拌機及び蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン228部、ジフェニルカ
ーボネート(バイエル社製)220部(約1.03モル
/ビスフェノールA1モル)及び触媒として水酸化ナト
リウム0.000024部(約6×10-7モル/ビスフ
ェノールA1モル)とテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド0.0073部(約8×10-5モル/ビスフェノ
ールA1モル)を仕込み、窒素置換した。この混合物を
200℃まで加熱して撹拌しながら溶解させた。次い
で、減圧度を4KPaとして加熱しながら1時間で大半
のフェノールを留去し、さらに270℃まで温度を上
げ、減圧度を1Torrとして2時間重合反応を行っ
た。次に溶融状態のままで、触媒中和剤としてドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を0.
0035部(約6×10-6モル/ビスフェノールA1モ
ル)添加して270℃、1.33KPa以下で反応を継
続し、粘度平均分子量23,300、末端水酸基濃度3
4モル%の芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。この芳
香族ポリカーボネート樹脂をギアポンプでエクストルー
ダーに送った。エクストルーダー途中でトリス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.
008重量%加え、芳香族ポリカーボネート樹脂ペレッ
トを得た。これをPC−3とした。
【0124】(B成分) (B−1成分) PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(TR−8
580;帝人(株)製、固有粘度0.8) PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(TRB−
H;帝人(株)製、固有粘度1.07) (B−2成分) ABS−1:ABS樹脂(日本エイアンドエル(株)
製「サンタックUT−61」) ABS−2:ABS樹脂(日本エイアンドエル(株)
製「サンタックAT−05」) ABS−3:ABS樹脂(宇部サイコン(株)製「サ
イコラックY−540A」) AS:(日本エイアンドエル(株)製「ライタック9
80PC」、重量平均分子量約130,000)
【0125】(C成分) 下記表1に示される特性を有するW−1〜W−7のワラ
ストナイト粒子を使用した。
【0126】
【表1】
【0127】(D成分) D−1:ポリオルガノシリコンゴム成分とポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないよう
に相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに1種ま
たは2種以上ビニル系単量体がグラフト重合されてなる
複合ゴム系グラフト共重合体(三菱レイヨン(株)製
「メタブレンS−2001」) D−2:ブタジエンゴムにエチルアクリレート:メチ
ルメタクリレートを約1:4の割合でグラフトした共重
合体(クレハ化学工業(株)製「パラロイドEXL−2
602」) D−3:ブタジエンゴムにスチレンおよびアクリロニ
トリルをグラフト重合してなるブタジエン成分の含有量
が60重量%であるABS共重合体(宇部サイコン
(株)製「UCLモディファイヤーレジンB600
N」)
【0128】(E成分) Wax:α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合
体成分を含有するオレフィン系ワックス(三菱化学
(株)製「ダイヤカルナPA30M」(無水マレイン酸
含有量=10重量%))
【0129】(G成分) FR−1:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフ
ェート)(旭電化工業(株)製アデカスタブFP−50
0、TGA5%重量減少温度=351.0℃) FR−2:トリフェニルホスフェート(大八化学工業
(株)製TPP、TGA5%重量減少温度=239.4
℃) FR−3:ハロゲン系難燃剤(テトラブロモビスフェ
ノールAのカーボネートオリゴマー、帝人化成(株)製
ファイヤガードFG7000)
【0130】(H成分) PTFE:フィブリル形成能を有するポリテトラフル
オロエチレン(ダイキン工業(株)製 ポリフロンMP
A FA−500) (その他の添加剤) ST:サイクリック ネオペンタンテトライルビス
(オクタデシルフォスファイト)(旭電化工業(株)製
「アデカスタブPEP−8」)
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】
【0138】
【表9】
【0139】
【表10】
【0140】これらの表から明らかなように、芳香族ポ
リカーボネート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂と熱
可塑性ポリエステル樹脂やスチレン単位成分含有樹脂と
からなる樹脂組成物と本発明の条件を満足するワラスト
ナイトとからなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は
剛性、衝撃性等の機械特性、表面外観、リサイクル特性
に優れているといえる。一方、本発明の条件を満足しな
いワラストナイト粒子を使用した場合、塗装表面の平滑
性は比較的良好であっても凸状異物の発生が多かった
り、リサイクル性において劣っている。また繊維長25
μm超の割合、325メッシュパスの割合、および強熱
減量なども凸状異物の発生やリサイクル性に影響を与え
ることがわかる。
【0141】
【発明の効果】発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物は、剛性等の機械特性、表面外観およびリサイクル特
性に優れ、自動車アウターハンドルなどの自動車部品、
各種OA機器部品等の用途として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した携帯ノート型コンピュ
ーターのハウジング成形品の表側斜視概要図である(縦
178mm×横245mm×縁の高さ10mm)。
【符号の説明】
1 ノートパソコンのハウジングを模した成形品本体 2 艶消し表面部 3 鏡面部 4 ゲート(成形品裏面、ピンゲート0.8mmφ、
5個所)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/521 C08K 5/521 C08L 101/00 C08L 101/00 //(C08L 69/00 (C08L 69/00 67:00) 67:00) (C08L 69/00 (C08L 69/00 25:04) 25:04) (72)発明者 鬼澤 大光 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA22 AA45 AA50 AB26 AD01 AE07 BA01 BB05 BC07 4J002 AE034 BC043 BC083 BD124 BN123 BN143 BN153 BN163 CF042 CF062 CF072 CF082 CG011 CP034 DJ006 EH037 EP017 FA046 FB096 FD010 FD050 FD060 FD070 FD130 FD160

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂(A
    成分)50〜100重量%、および(2)熱可塑性ポリ
    エステル樹脂(B−1成分)およびゴム成分の含有量が
    40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(B−2成
    分)よりなる群から選択された少なくとも1種の樹脂か
    らなる熱可塑性樹脂(B成分)0〜50重量%よりなる
    樹脂成分100重量部、並びに(3)数平均繊維長が1
    0μm以下、数平均繊維径が4μm以下、および繊維長
    5〜25μmの粒子個数の割合が50%未満の粒子形状
    特性を有するワラストナイト粒子(C成分)1〜100
    重量部よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該樹脂成分は、A成分が50〜95重量
    %およびB成分が5〜50重量%含有される請求項1記
    載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該ワラストナイト粒子(C成分)は、数
    平均繊維長が3〜10μm、数平均繊維径が0.5〜4
    μm、および繊維長5〜25μmの粒子個数の割合が3
    0%以上50%未満である請求項1記載の芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該ワラストナイト粒子(C成分)は、繊
    維長25μmを超えるの粒子個数の割合が5%以下であ
    る請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該ワラストナイト粒子(C成分)は、強
    熱減量が1.7重量%以下である請求項1記載の芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該ワラストナイト粒子(C成分)は、湿
    式篩法による325メッシュパスの割合が99.96重
    量%以上である請求項1記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 該樹脂成分は、芳香族ポリカーボネート
    樹脂(A成分)50〜95重量%および熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂(B−1成分)5〜50重量%よりなる請求
    項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 該B−1成分は、ポリエチレンテレフタ
    レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
    フタレート、およびポリブチレンナフタレートよりなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載の芳
    香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 該樹脂成分は、芳香族ポリカーボネート
    樹脂(A成分)50〜95重量%およびゴム成分の含有
    量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(B−
    2成分)5〜50重量%よりなる請求項1記載の芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 該B−2成分はポリスチレン(PS樹
    脂)、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロ
    ニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニ
    トリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹
    脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム(A
    SA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン・
    スチレン共重合体(AES樹脂)、およびメチルメタク
    リレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹
    脂)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求
    項9記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 該樹脂成分は、260℃におけるキャ
    ピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレー
    ト300sec-1で0.1×103〜5×10 3Pa・s
    の範囲にある請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  12. 【請求項12】 さらに衝撃強度改良剤として弾性重合
    体(D成分)をA成分およびB成分の合計100重量部
    当り0.5〜50重量部含有する請求項1記載の芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 さらにワラストナイト粒子(C成分)
    の折れ抑制剤(E成分)を、A成分およびB成分の合計
    100重量部当り0.02〜5重量部含有する請求項1
    記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 さらにA成分およびB成分以外の他の
    熱可塑性樹脂(F成分)を、A成分およびB成分の合計
    100重量部当り0.5〜20重量部含有する請求項1
    記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 さらに難燃剤(G成分)を、A成分お
    よびB成分の合計100重量部当り0.1〜20重量部
    含有する請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物。
  16. 【請求項16】 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂
    (A成分)100重量部および(2)数平均繊維長が1
    0μm以下、数平均繊維径が4μm以下、および繊維長
    5〜25μmの個数の割合が50%未満の粒子形状特性
    を有するワラストナイト粒子(C成分)1〜100重量
    部よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 さらに衝撃強度改良剤として弾性重合
    体(D成分)をA成分100重量部当り0.5〜50重
    量部含有する請求項16記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 さらにワラストナイト粒子(C成分)
    の折れ抑制剤(E成分)を、A成分100重量部当り
    0.02〜5重量部含有する請求項16記載の芳香族ポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂
    (A成分)50〜95重量%および(2)熱可塑性ポリ
    エステル樹脂(B−1成分)5〜50重量%よりなる樹
    脂成分100重量部、および(3)数平均繊維長が10
    μm以下、数平均繊維径が4μm以下、および繊維長5
    〜25μmの個数の割合が50%未満の粒子形状特性を
    有するワラストナイト粒子(C成分)1〜100重量部
    よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 さらに衝撃強度改良剤として弾性重合
    体(D成分)をA成分およびB−1成分の合計100重
    量部当り0.5〜50重量部含有する請求項19記載の
    芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 さらにワラストナイト粒子(C成分)
    の折れ抑制剤(E成分)を、A成分およびB−1成分の
    合計100重量部当り0.02〜5重量部含有する請求
    項19記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂
    (A成分)50〜95重量%および(2)ゴム成分の含
    有量が40重量%未満のスチレン単位成分含有樹脂(B
    −2成分)5〜50重量%よりなる樹脂成分100重量
    部、および(3)数平均繊維長が10μm以下、数平均
    繊維径が4μm以下、および繊維長5〜25μmの粒子
    個数の割合が50%未満の粒子形状特性を有するワラス
    トナイト粒子(C成分)1〜100重量部よりなる芳香
    族ポリカーボネート樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 さらに衝撃強度改良剤として弾性重合
    体(D成分)をA成分およびB−2成分の合計100重
    量部当り0.5〜50重量部含有する請求項22記載の
    芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  24. 【請求項24】 さらにワラストナイト粒子(C成分)
    の折れ抑制剤(E成分)を、A成分およびB−2成分の
    合計100重量部当り0.02〜5重量部含有する請求
    項22記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 さらに難燃剤(G成分)をA成分およ
    びB−2成分の合計100重量部当り、0.1〜20重
    量部含有する請求項22記載の芳香族ポリカーボネート
    樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 請求項1、16、19、または22の
    いずれか記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より
    形成された成形品。
  27. 【請求項27】 リサイクル特性が少なくとも85%を
    有する請求項26記載の成形品。
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