[go: up one dir, main page]

JP2002253320A - 鞄 - Google Patents

Info

Publication number
JP2002253320A
JP2002253320A JP2001052660A JP2001052660A JP2002253320A JP 2002253320 A JP2002253320 A JP 2002253320A JP 2001052660 A JP2001052660 A JP 2001052660A JP 2001052660 A JP2001052660 A JP 2001052660A JP 2002253320 A JP2002253320 A JP 2002253320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
core material
stainless steel
laminated composite
composite plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001052660A
Other languages
English (en)
Inventor
Terukiyo Kitazawa
輝清 北澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANKEN KOGYO KK
SANKYO YUNAITO KOGYO KK
Original Assignee
SANKEN KOGYO KK
SANKYO YUNAITO KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANKEN KOGYO KK, SANKYO YUNAITO KOGYO KK filed Critical SANKEN KOGYO KK
Priority to JP2001052660A priority Critical patent/JP2002253320A/ja
Publication of JP2002253320A publication Critical patent/JP2002253320A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Purses, Travelling Bags, Baskets, Or Suitcases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性、強靭性、及び安全性に優
れ、特にパソコンの収容に好適な鞄を提供すること。 【解決手段】 高密度ポリエチレンと低密度ポリ
エチレンとを混合し、これに高温用発泡剤及び低温用発
泡剤を加えて加熱発泡させることにより、少なくとも発
泡樹脂の芯材表層部に小さな球状気泡を主体的に分散分
布させたシート状の芯材の表面に対し、接着用樹脂フィ
ルムを介して薄いステンレス鋼材を熱圧密着して成る積
層複合板から形成される外装部材を有することを特徴と
する鞄。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鞄に関し、さら
に詳しくは、発泡性合成樹脂の芯材とステンレス鋼板と
を積層した積層複合板を外装部材に使用した、軽量性、
強靭性、及び安全性に優れた鞄に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパソコン用鞄及びアタッシュケー
スなどの鞄は、その外装部材の材料として、アルミニウ
ム若しくはアルミニウム合金、又は合成樹脂が使用され
ることが多かった。
【0003】しかし、アルミニウムまたはその合金は、
剛性が低く、また塩分や大気中のガスによって腐蝕され
易く、早い時期に表面の光沢が失われ、経年的な使用を
考慮すると耐用性に劣る。また、アルミニウムまたはそ
の合金は、一般には軽量材料であるといわれているが、
これらを鞄の外装部材の材料に使用した場合に、内部に
収容されるパソコンなどに対する安全性を確保するのに
充分な剛性を鞄に付与しようとすると、前記外装部材を
肉厚にしなければならないので、結果として充分に鞄を
軽量化することができないという問題がある。
【0004】また、アルミニウムを用いた積層複合板
(以下、「アルミニウム積層複合板」という場合があ
る)を使用して鞄を製造する場合には、特に曲げ加工に
よって施工対象に適合させるときには、加工を容易にす
るために、積層複合板に使用するアルミニウム材を軟質
にしなければならないので、それにより鞄の剛性は更に
劣化してしまうという問題を抱えていた。
【0005】さらに、アルミニウム積層複合板を使用し
て鞄を製造するときには、通常、この積層板をアルミニ
ウム製型枠に嵌め込んで成形するので、このようにして
製造された鞄は、角部が鋭利に形成される。したがっ
て、この鞄においては、その角部が身体に当たると危険
であり、使用上の安全性を確保することができないとい
う問題もあった。
【0006】また、合成樹脂で製造した鞄は、軽量化を
図ることは可能であるが、強靭性が低い。つまり、この
鞄は、カッターナイフなどで容易に破壊することが可能
であるので、保管性において満足することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の鞄
が有する前記欠点を解消することを目的とする。すなわ
ち、この発明の目的は、軽量性、強靭性、及び安全性に
優れ、特にパソコンの収容に好適な鞄を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレ
ンとを混合し、これに高温用発泡剤及び低温用発泡剤を
加えて加熱発泡させることにより、少なくとも発泡樹脂
の芯材表層部に小さな球状気泡を主体的に分散分布させ
たシート状の芯材の表面に対し、接着用樹脂フィルムを
介して薄いステンレス鋼材を熱圧密着して成る積層複合
板から形成される外装部材を有することを特徴とする鞄
であり、前記鞄の好適な態様として、前記外装部材は、
前記積層複合板から絞り加工により形成され、前記外装
部材は、箱型であり、前記外装部材は、その角部が丸み
を帯びた形状を有し、前記鞄はパソコン用である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明に係る鞄は、その外装部
材が以下に示す積層複合板により形成される。
【0010】1.積層複合板 この発明に使用する積層複合板は、高密度ポリエチレン
と低密度ポリエチレンとを混合し、これに高温用発泡剤
及び低温用発泡剤を加えて加熱発泡させることにより、
少なくとも発泡樹脂の芯材表層部に小さな球状気泡を主
体的に分散分布させたシート状の芯材の表面に対し、接
着用樹脂フィルムを介して薄いステンレス鋼材を熱圧密
着して成る。
【0011】この積層複合板(以下、「ステンレス積層
複合板」という場合がある)は、アルミニウム板を使用
した積層複合板とは比較にならない程の優れた品質、機
能及び広汎な用途範囲をもち、その製造方法としては、
剛性の高いステンレス鋼板を対象として使用しながら、
固有の剛性による積層複合板製造上の困難さを克服し
て、上記独自の品質、機能をもった均質な製品を得るこ
とが可能である。
【0012】前記積層複合板は、前記のように、発泡樹
脂である芯材と、この芯材の表裏面に貼り合わされた樹
脂フィルムと、前記芯材及び前記樹脂フィルムを挾着し
たステンレス鋼板とを有して構成される。
【0013】前記積層複合板は、例えば、次のようにし
て製造される。高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレ
ンとの混合物に、高温用及び低温用の2種類の発泡剤を
加え、必要に応じて安定剤及び分散剤を加え、さらに必
要に応じて滑り剤を加えて、これを配合機の中で充分に
混練した後、連続押し出し機内で加熱溶融して発泡させ
る。この発泡体をT−ダイと呼ばれる圧出口から連続し
て押し出して、シート状に成形することにより前記芯材
が形成される。押し出し直後のこの芯材シートの表裏面
に接着用の樹脂フィルムを貼り合わせ、一時的に冷却し
て収縮加工を施し、この収縮したシートに、その両面か
ら、予熱された薄いステンレス鋼板をロールに通し、合
一させながら加熱圧着する。以上により前記積層複合板
が完成される。
【0014】したがって、前記積層複合板においては、
発泡樹脂からなる芯材とステンレス鋼板との間には、発
泡に関与しない極めて薄い接着用の樹脂フィルムが介在
する。この樹脂フィルムは、発泡樹脂から成る芯材の厚
さに対して、例えば数十分の一厚さを有する。
【0015】前述のように、芯材である前記発泡樹脂
は、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを併用
する。このようにする理由は、次の通りである。単一密
度のポリエチレンをもって発泡させると、芯材となる発
泡シートの表面は、平坦な面が形成されないことが顕微
鏡下の観察によって明らかになった。例えば高密度ポリ
エチレンのみを発泡させて芯材となる発泡シートを造る
と、発泡時に発生するガス圧に対して高密度ポリエチレ
ンの薄い膜の強度が低いので、この発泡シートは、凸部
を有する表面状態となる。他方、低密度ポリエチレンの
みによって芯材となる発泡シートを造ると、ポリエチレ
ンの薄い膜の強度が弱い為に、この発泡シートは、凹部
(引けとも云う)を有する表面状態となってしまう。こ
れに対し、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンと
を併用し、また押し出し機を用いて短時間で連続的に処
理すると、高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレン
をそれぞれ単独で使用したの場合に生ずる、発泡時に発
生するガス圧に対する前記欠陥を是正することができ、
表面平滑性の高い発泡状態を有する芯材を得ることがで
きる。
【0016】このような発泡樹脂を芯材とし、ステンレ
ス鋼板をその両面に接着して成る積層複合板の製造にお
いて、原料として用いる高密度ポリエチレンと低密度ポ
リエチレンとの配合比率を変えたり、連続押し出し機内
における発泡時の加熱温度を変えたりすることにより、
種々の発泡倍率を有する製品を得ることができる。この
ようにして得られる一連の製品は、前記製造条件の相違
により、その物性、特に、剛性、製品表面の平滑性、及
び周辺部と中央部との均一性が大きく相違する。
【0017】高い剛性をもち、しかも表面の平滑性及び
均一性のよい製品と、これらが劣る製品とについて、芯
材である発泡樹脂の内部発泡の状態を比較すると、高い
剛性をもち、しかも表面の平滑性及び均一性に優れた製
品では、少なくとも、芯材の表層部に存在する泡の形状
が比較的小さな一様の大きさの球形若しくは楕円球状で
あり、しかもそれが均一に分散されているが、剛性、平
滑性、及び均一性といった前記物性に劣る製品では、芯
材の表層部に存在する泡の大きさのばらつきが大きく、
しかも歪んだ変形気泡が多く、これが不均一に分散され
ている。
【0018】発泡に使用する原料樹脂がポリエチレンで
ある場合、高密度の樹脂と低密度の樹脂との配合割合が
約3:1であり、発泡倍率が1.2〜2.2程度である
と、気泡の直径が0.05〜0.4mmの範囲である小さ
な粒の揃った発泡状態を得ることができ、収縮による
「ヤセ」等の変化が少なくなって、それらの気泡を芯材
表層部に略均一に分散させることができるので好適であ
る。
【0019】この条件により得られる芯材の比重は、
0.6前後であり、軽量でしかも断熱性、遮音性に優れ
ており、表面の平滑性もきわめて良好である。
【0020】高密度のポリエチレンと低密度のポリエチ
レンとの比率を次々に変化させて、発泡状態の異なる芯
材を製造すると、これらの芯材は、次表に示すようにそ
れぞれ異なる物性を有する。 実験例 配合比率 剛性比率 比重 (1) 3:1 75 0.60 (2) 4:1 100 0.75 (3) 3:2 60 0.70 実験例(1)で得られた芯材は、これにステンレス鋼板
を積層させて積層複合板にする上で、好ましい表面性及
び適度の剛性が期待できる。一方、実験例(2)で得ら
れた芯材は、剛性において優れているものの、表面に小
さなクレーター状の凹凸を有しており、これにステンレ
ス鋼板を積層して積層複合板にする場合、その接着のた
めに様々な接着用樹脂フィルムを用いてみても、そのま
までは接着強度が不足し、曲げ加工に対する耐性に劣る
積層複合板しか得られない。また、実験例(3)で得ら
れた芯材は、芯材としての表面性は良好であるが、腰が
弱いので、これにステンレス鋼板を積層して得られた積
層複合板は、撓み易く、反りも生じ易くて、平坦性が保
たれにくい。
【0021】これら実験の結果より、芯材の製造におい
て原料に安定剤や分散剤を加え、さらにそれらの量的配
慮によって芯材の物性改善を図ったとしても、比重が小
さく、所期の剛性を期待することができ、しかも曲げ加
工によっても接着機能を損なわない芯材を得るために
は、高密度ポリエチレンの低密度ポリエチレンに対する
重量的割合の実用的限界は、1.5〜4である。
【0022】また、上記実験と平行して、連続押し出し
機により、押し出し速度、つまり、流れ作業としてのス
テンレス積層複合板の移動速度が製品の物性に与える影
響について調べた結果、ステンレス積層複合板の移動速
度が遅い場合には、芯材の表層部における泡の形状は球
形またはこれに近くなり、一方、移動速度が早くなる
と、次第にこの気泡は、ステンレス鋼板との接着の前後
における発泡過程において楕円球状となり、移動速度の
増大に応じて楕円球状の長径が短径に比較して大きくな
ってゆく。この場合、芯材の深層部における泡は、球状
の場合も楕円球状の場合も共に表層部における泡よりも
大きくなり、球状から楕円球状への変形の状態は、深層
部程少なくなってゆく。
【0023】これらの一連の実験結果から、上記実験例
(2)及び(3)の場合にあっても、球状気泡が楕円球
状化することにより物性的に改善され、実用的限界内に
とり込むことが可能であることがわかる。
【0024】他面、これらの実験により得られた種々の
製品に対し、その発泡倍率がその機能的物性に与える影
響についても調べたところ、発泡倍率が高すぎると、収
縮による「ヤセ」及び折り曲げた場合の気泡の割れが発
生し、製品の平坦性に欠け、剛性も損なわれる結果とな
り、一方、発泡倍率が低すぎると、比重が大きくなっ
て、比重0.6の前後において最も好ましい物性を発揮
することができるという利点が失われ、さらに生産性が
低下し、コスト高になって市場性に適合しなくなる。以
上の結果から、前記発泡倍率としては、1.2〜2.2
の範囲であることが、所期の製品を得る上で望ましいこ
とが明らかである。
【0025】高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン
との配合比率を最大で4倍、最小で1.5倍とした場合
に、比重を0.6前後にし、しかも発泡倍率を1.2〜
2.2の範囲にするためには、連続押し出し機の原料投
入側で行われる過半の行程において高めの外部加熱を施
し、残りの少ない行程で徐々に外部加熱の温度を下げて
ゆくことが好ましい。このようにすると、低発泡の独立
気泡をシート内に多数造成することができる。更に、ポ
リエチレンシートの連続生産におけるこうした押し出し
作業にあっては、ステンレス積層合板の移動速度には殆
んど関係なく、ステンレス鋼板を挾圧熱接着する過程の
後にも追加加熱して発泡を促し、前記挾圧熱接着の工程
の前後において加熱発泡させることが好適である。この
ようにすると、上記のような低発泡のポリエチレンシー
トを効率的に連続生産することができる。
【0026】以下、前記積層複合板の好ましい製造方法
の具体例、及びこの製造方法により得られる積層複合板
について説明する。 (1)芯材となる発泡樹脂シートの製造 この製造工程は、図1のフローチャートの左上部及び図
2の左側に示した装置各部(図3、図4)によって示さ
れる。この製造方法においては、原材料となる原料樹脂
として、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの
双方を配合する。その望ましい実例としては、高密度ポ
リエチレン(比重0.94〜0.96)75重量%に対
し、低密度ポリエチレン(比重0.91〜0.93)2
5重量%である。混合は、配合機11によって行われ、
これに対し下記のような添加剤を配合して混練する。添
加剤は、高温用の発泡剤として、永和化成工業株式会社
の製造に係る商品名ビニホールAC#3と、低温用の発
泡剤として、スパンセルBS25及び分散剤(カルシウ
ムステアレート)とから成るが、必要に応じて粉末カル
シウム等の安定剤及び流動パラフィン等の分散剤が更に
加えられる。この場合、発泡原料樹脂に対する発泡剤及
び分散剤並びに安定剤の添加量の実例としては、発泡原
料樹脂が100重量%、高温用発泡剤が0.25重量
%、低温用発泡剤が0.05重量%、安定剤が0.25
重量%、分散剤が0.20重量%である。
【0027】混練された上記原材料は、連続押し出し機
12に供給され、機内で加熱溶融を受け、発泡が開始さ
れる。連続押し出し機12に対する外部からの加熱温度
は165℃〜190℃の範囲とし、連続押し出し機12
からの押し出し速度は、毎分2.8〜5.2mとするこ
とで、発泡倍率を1.20〜2.20の領域とする低発
泡状態の発泡樹脂を得る初期工程が始まる。この第1の
工程はまた、独立気泡の直径を0.05〜0.40mmの
範囲にとどめることが可能である。ここにおいて、気泡
直径の範囲が0.05〜0.40mmとして示したのは、
一定の温度勾配、一定の押し出し速度で発泡させた樹脂
の中に、表層部で最小0.05mm、深層部で最大4.0
mmの気泡が混在しているという意味であり、一定の温度
勾配、一定の押し出し速度で発泡させた樹脂において生
ずる気泡領域の直径XmmについてX±0.01mm程度の
範囲の気泡が混在し(ただしX=0.05〜4.0)、
温度勾配、押し出し速度の要因に支配されてXの値にも
変化を生ずることとなり、気泡の大きさの範囲にわずか
な変化を生ずる。Xを0.05〜4.0の範囲にとどめ
ることは、この発明の場合、目的とする製品の物性、即
ち、剛性、表面の平滑性、中央部と周辺部との均一性を
保つ上で必要とされるからである。
【0028】ここで、発泡反応を起こさせるための連続
押し出し機12に対する外部からの温度変化、つまり上
記した温度勾配については、配合機11の側で185℃
の高温の加熱を施し、更に昇温して190℃とし、この
外部加熱を連続押し出し機12による送り出し行程の3
/5程度迄持続し、その後、急速な温度降下をさせず
に、圧出口側で次第に温度を下げ(例えば175℃)、
左出口の付近では最終的に165℃程度にする。このこ
とは、シート状芯材の表層領域に低発泡の小さな独立気
泡を多数分散分布させる上で重要である。
【0029】連続押し出し機12は、周知のようにスク
リューコンベア(図示せず)が仕組まれており、このス
クリューコンベアの回転によって、発泡して押し出しさ
れる樹脂材料は、T−ダイと呼ばれる押し出し成形機1
3によって、目的とする製品に応じて、1.0〜4.0
mm程度の厚さをもったシートとして押し出しされる。
【0030】上記のシート化された発泡樹脂芯材Cは、
多くの場合、連続的に生産され、こうした連続生産形態
にあっては、連続押し出し機12内での加熱、溶融とこ
れによる発泡作業において、高密度ポリエチレンと低密
度ポリエチレンとは、連続押し出し機12に導かれる配
合機11内で配合された樹脂原料に対して、更に、添加
剤、発泡剤、安定剤、及び滑り剤としての分散剤が加え
られ、充分に混練された後に、連続押し出し機12に次
々に投入されて、連続押し出し機12の内部に仕組まれ
たスクリューコンベアにより、T−ダイと呼ばれる押し
出し成形機13から連続的にシート状に押し出される。
このような連続的送り出しによる動的状態によって、発
泡しつつ加熱、圧延されて取り出されるシート状の芯材
Cにあっては、押し出しとともに、表層部から深層部に
向けての圧力と、形成芯材の連続的な移動とによって、
発泡により生じた気泡は、移動方向に沿う長さ方向に略
沿った長径と、移動方向とは交差する方向の短径とをも
つ楕円球状化し、表層部に近い表層領域において、それ
らラグビーボール状の楕円球状の気泡は、正確に整列さ
れないまでも、長径部が大凡表層表面に沿った方向に並
べられ、その結果、楕円球状の気泡における半径の大き
な内壁曲面が表層表面に沿うことになるから、静的発泡
条件若しくはこれに準ずる遅い速度による押し出し下の
発泡条件において生ずる球体気泡の場合よりも、表層表
面の凹凸を生ずることが少なくなる。
【0031】楕円球状の気泡の縦横比は、T−ダイと呼
ばれる押し出し成形機13において気泡に加わる圧力の
大きさ及び押し出し成型速度の大きさによって変化を生
じ、加わる圧力が大きい程、そして圧力作用下での押し
出し成型速度が速い程、前記楕円球状の気泡は偏平化す
る傾向にあり、それによって表層表面の平滑性は、益々
高められる反面、押し出し成形機13による移動速度が
遅ければ遅い程気泡の形状は球形に近づく。
【0032】他方、深層領域では、前記圧縮成型出口に
加わる圧力が小さく、また押し出し成形速度が小さい状
態、若しくは、それらの合成相乗作用が小さい状態で
は、大きな発泡気泡は球形状態に近い状態で分散分布
し、逆に圧縮成型出口に加わる圧力が大きく、また押し
出し成型速度が大きい状態では、それらの合成相乗作用
によって、深層領域にも気泡に対する圧偏作用が波及す
るので、球状の気泡と縦横比の小さな楕円球状の気泡と
が混在するようになり、更に、押し出し成形機13に加
わる圧力が大きくなったり、また押し出し成形速度が大
きくなったりすると、大部分の気泡に圧偏作用が波及し
て、長径と短径との縦横比の大きな楕円球状の気泡が発
生するようになる。
【0033】単一の密度をもつ発泡樹脂材料を原材料と
した発泡状態にある発泡樹脂体が、連続押し出し機12
のT−ダイと呼ばれる押し出し成形機13の出口から連
続的に押し出された場合の組織内部の気泡は、加圧力と
移動速度との相関的作用から、気泡が圧偏されて楕円球
状化するが、生じた気泡が大きくなることにより、個々
の楕円球状気泡も大きくなり、表層部の楕円球状の気泡
が破れて、これが表層表面に対し大きな影響を与え、表
層表面に凹凸が生じ、表面の平滑性に良からぬ結果を招
く。
【0034】(2)接着用フィルムの貼り合わせとその
収縮工程 押し出しされた発泡樹脂のシートには、第2工程とし
て、押し出しされた直後にその表裏両面に対し、接着樹
脂フィルムF及びF′がフィルム供給機21により供給
されて貼合わされる。接着樹脂フィルムとしての好適な
例としては、三井石油化学工業株式会社から提供されて
いる無水マレイン酸で変性した変性ポリオレフィンの厚
さ0.03〜0.05mm程度のフィルムを挙げることが
できるが、必ずしもこのフィルムに特定される訳ではな
く、後に積層接着されるステンレス鋼板SS及び芯材C
となる発泡樹脂シートとの親和性をもつ限り他の熱可塑
性フィルムであってもよい。
【0035】このようにして、接着樹脂フィルムF及び
F′を両面に貼合わされた芯材Cは、第2工程の終りで
連続冷却ロール14を経て、一時的に温度50〜75℃
の領域迄除冷される。この冷却によって発泡樹脂のシー
トは、幅において約10%程度収縮し、内部応力の残留
は殆んどなくなる。
【0036】この段階で、収縮により内部応力の残留を
無くさないと、ステンレス鋼板SSを接着した際におけ
る芯材Cに残る内部応力が、積層複合板とした後に、こ
れが撓んでしまったり、湾曲したりする原因となる。
【0037】この段階で発泡樹脂シートに対し必要とさ
れる収縮を実施しない場合には、製品となった積層複合
板において、表裏両面のステンレス鋼板SS間に挟まれ
た発泡樹脂シートが単独に収縮し、製品の四周々縁部で
発泡樹脂シートの芯材Cだけが凹みを生ずることにな
る。
【0038】[ステンレス鋼板に対する事前処理の別工
程]この製造方法で使用される、前記芯材Cの両面に積
層接着されるステンレス鋼板SSは、厚さが0.03〜
0.20mmであり、極く薄いために、連続処理をする上
からも、ロール状に巻かれていることが好ましい。ステ
ンレス鋼板SSとしては、一般にSUS−304、また
はSUS−430と呼ばれるステンレス鋼板が使用され
るが、これらに限定されることはなく、焼鈍材としての
調質を具えていれば他のステンレス鋼板であってもよ
い。
【0039】ロール状に巻かれたステンレス鋼板SS
は、したがってステンレス鋼板と呼ぶよりは、ステンレ
ス鋼の箔として表現することが材料を特定する上では好
ましいが、後に述べる製品の物性に関する説明上、本明
細書では、薄いステンレス鋼板の語または単にステンレ
ス鋼板の語をもって統一して表現する。ロール状に巻か
れた薄いステンレス鋼板SSは、一旦捲戻されて、その
展張状態において以下のような洗浄、表面処理を施し、
乾燥して、再び別の巻軸上に捲き替えられる。
【0040】洗浄処理は、PH10以上のアルカリをも
ってステンレス鋼板を洗浄することにより行い、その表
面の脱脂処理を行う。この洗浄工程に続いて、リン酸や
クロメート剤等により表面処理を加えた後乾燥する。急
速乾燥のためには、熱風の吹付けを実施するが、連続工
程を維持する必要から、乾燥に時間をかけないように、
熱風の吹付けによって短時間内に乾燥することが望まし
い。図1において符号31はこれらの工程を示す。
【0041】展張状態によって、上記表面処理(この場
合当然の事ながら表面処理とは、ステンレス鋼板SSの
表裏両面に対して行うことは云うまでもない。)を行っ
たステンレス鋼板SSは、別の巻軸によって捲き替えら
れる。この捲き替えられたステンレス鋼板SSは、芯材
Cの両面に接着積層するために、連続作業を考慮して2
本の巻軸上に捲着けたロール33及び34として準備さ
れ、貼り合わせ機32及び32に装着される。
【0042】(3)ステンレス鋼板の接着積層工程 これら2本の巻軸上に捲きつけられたロール33及び3
4から繰り出され展張されるステンレス鋼板SSは、そ
れぞれ数本の加熱ロール間に通され、接合積層に先立っ
て予熱が行われる。この予熱の温度は150℃〜200
℃の範囲である。冷却工程を経て充分に収縮した発泡樹
脂から成るシート状芯材Cは、その各面にそれぞれ接着
樹脂フィルムF及びF′の層を有した状態で、この冷却
工程に続いて加熱圧着装置15に送り込まれる。加熱圧
着装置15は、シート状芯材Cの進行方向と直交する面
内に、その上下に架装された二本のロール41及び42
を具備し、一方の巻軸に巻かれたステンレス鋼板SSの
ロール33から繰り出されるステンレス鋼板SSは、接
着樹脂フィルムFを貼り合わせたシート状芯材Cの上面
に送り込まれ、他方の巻軸に巻かれたステンレス鋼板S
Sのロール34から繰り出されるステンレス鋼板SS
は、接着樹脂フィルムF′を貼り合わせたシート状芯材
Cの下面に向けて送り込まれ、これによって、シート状
芯材Cはそれぞれ上下面からステンレス鋼板SSによっ
て挾み込まれ、2本のロール41及び42による加熱圧
着により、その上下各面にステンレス鋼板SSが接着樹
脂フィルムF及びF′によって接合接着され、積層され
た複合板SCSが形成される。(第3工程) この場合の外部加熱温度は、ステンレス鋼板SSの厚さ
にもよるが、0.03mm〜0.20mmの厚さのステンレ
ス鋼板SSに対し、180℃〜190℃の範囲であり、
ロール41及び42による加圧力はロールの重量で15
00kg程度とし、ロール間の間隔は、積層複合された板
の厚さより0.03mm程度狭くすることが望ましい。ま
た、この場合、接合された積層複合板SCSの移動速度
は毎分2.5m〜5.5mの範囲とする。上記移動速度
範囲において、温度領域をこの範囲に設定し、また加圧
力をこの範囲にすることは、この加熱圧着装置15を通
過する際に加熱温度が上記範囲より低くなると、熱可塑
性の接着樹脂フィルムFまたはF′が充分に加熱され
ず、それによりシート状の芯材Cに対してステンレス鋼
板SSを充分な接着強度の下に接合し得ないからであ
り、逆に上記温度領域の上限を超えると、熱が、介在す
る接着樹脂フィルムF及びF′の層を超えて、シート状
の芯材Cの表層部に対する発泡を促し、芯材Cの表層部
の気泡を大きくし、その形状に変化を与え、製品として
の物性を所期の物性にするのが困難だからである。
【0043】上記加熱温度の領域は、シート状芯材Cの
移動速度との相対的関係にあり、より速い移動速度で
は、より高温領域の加熱が適用され、逆に移動速度が遅
くなれば、シート状芯材Cの内部における発泡を促して
発泡状態に変化を来たすので、速度と温度との相関関係
には充分な配慮が必要であり、連続工程として接合され
た積層複合板SCSを送り出す速度を作業上の利便を考
えて、例えば毎分2.5mとするときは、約180℃程
度の温度で加熱圧着をすることが望ましい。
【0044】また、この移動速度は、加圧接着時のロー
ル間圧力にもよるが、大きな圧力下に送り出される積層
複合板の芯材組織に変化を与える。
【0045】(4)積層複合板に対する追加加熱工程 加熱圧着装置15から押し出されて、接合された積層複
合板SCSは、続いて数段階の追加加熱処理を行い接着
樹脂フィルムF及びF′による接着力の安定化を図る。
図中符号16−1、16−2、16−3、……は、上下
一対の加熱ロールを示し、この追加加熱における望まし
い加熱条件としては、芯材Cとステンレス鋼板SSとの
積層された積層複合板SCSの温度が、95℃〜117
℃の範囲に保たれるように加熱し、接着樹脂フィルムF
及びF′による接着を熟成完結し、接合強度を安定化す
る。(第4工程) (5)積層複合板に対する徐冷工程 これらのローラ間を一定の速度で通過した積層複合板S
CSは、同様符号17−1、17−2、17−3、……
……で示す上下一対の冷却ロールに導かれ、この間に略
常温に達するまで冷却される。この冷却は、製品を定常
的に安定させるためのアニール工程として必要であり、
ステンレス鋼板SSを積層したことによって生ずる内部
応力の除去と製品化された積層複合板SCSにおいて、
経年的に芯材部分が収縮するのを防ぐための重要な処理
工程である。(第5工程) 最終の冷却ロールから押し出されて来る積層複合板SC
Sは、その直後において表面保護フィルムが貼られ、続
いて所与の製品寸法に合わせた裁断がなされる。符号1
8で示す部分は、表面保護フィルムの貼り合わせ装置、
符号19はこの裁断装置を示し、周知の裁断装置が用い
られるので図中にはその概略を示すだけにとどめた。
【0046】このような製造方法によって得られた製品
を、芯材に対しアルミニウム板を複合させた積層複合板
と対比した実験結果を以下に示す。この場合、物性の比
較を明らかにするために、芯材に対し接合積層される金
属は、その厚さが共に0.1mmである。表中、ACA
は、金属板としてアルミニウム板を使用した積層複合板
であり、SCSは、金属板としてステンレス鋼板を使用
した積層複合板である。 単 位 SCS ACA 複合板の厚さ mm 2.0 3.0 2.0 3.0 比 重 1.36 1.07 0.86 0.80 面対圧力 kg/ m2 2.72 3.21 1.72 2.40 引張り強度 kgf/mm2 7.68 5.20 4.00 3.00 曲げ強度 kgf/mm2 15.38 10.14 9.50 7.70 曲げ弾性率 kgf/mm2 5100 3260 1970 1400 熱変形温度 ℃ 117 90〜95 2.鞄 上記ステンレス積層複合板を外装部材として使用したこ
の発明に係る鞄の一具体例である鞄50を図5、図6、
図7、及び図8に示す。図5は、鞄50の正面図であ
り、図6は、鞄50の左側面図であり、図7は、鞄50
の平面図であり、図8は、鞄50の蓋を開けた状態にお
ける鞄50の斜視図である。
【0047】鞄50は、図5〜7に示すように、収容物
を収容することのできる空間を有する直方体状の筐体に
取っ手を取り付けて成る構造を有し、本体部51、蓋部
52、及び把持部53から構成されている。本体部51
は、蓋部52と組み合わされることにより、鞄50の筐
体部分を形成する、蓋部52よりも大きな深みを有する
箱型の部材である。本体部51は、本体外装部材54と
本体内装部材55とを有する。
【0048】本体外装部54は、本体部51の外殻部を
形成し、その内部に本体内装部55を収容している。本
体外装部材54は、前記ステンレス積層複合板により形
成されている。本体外装部54は、外部から鞄50に加
えられる衝撃的な力や静的な圧力、又は熱から、鞄50
内に収容された収容物を保護する機能を有する。本体外
装部54に使用される前記ステンレス複合体は、前述の
ように、アルミニウム板を使用した積層複合板に比較し
て、面対圧力、引張り強度、曲げ強度、及び曲げ弾性率
が大きく、また熱変形温度が高いので、本体外装部54
は、上記機能を十分に発揮することができる。
【0049】本体外装部54を形成するステンレス積層
複合板の厚み、並びに、このステンレス積層複合板に使
用されるステンレス鋼板の厚み及び芯材の厚みは、鞄5
0の使用目的及び収容物の性質等に応じて適宜決定する
ことができる。例えば、外力などに対する高強度を望む
場合には、前記ステンレス積層複合板の厚みを大きくす
ることができ、また軽量化を望む場合には、前記ステン
レス積層複合板の厚みを小さくすることができる。例え
ば、鞄50をパソコン用鞄として使用する場合には、前
記ステンレス積層複合板の厚みが1.0〜4.0mmで
あり、前記ステンレス鋼板の厚みが0.05〜0.20
mmであり、前記芯材の厚みが0.9〜3.6mmであ
ると、収容物であるパソコンを前記外部作用から充分に
保護することができ、また携帯時に支障がないように鞄
50を充分軽量にすることができるので好適である。ま
た、前記ステンレス鋼板の種類として、銅及び珪素等の
元素を添加したSUS−304等の絞り適性を有するス
テンレスを使用すると、前記機能を保持しながら、さら
に絞り加工等に対する加工性が向上する点で好ましい。
【0050】本体外装部54は、図5〜図8に示したよ
うに、その稜線部が丸く形成されている。本体外装部の
稜線部がこのように成形されていることにより、鞄50
は、その角部が身体に当たったときに、苦痛を軽減する
ことができ、またけがをする危険性が低い。
【0051】本体外装部54は、上記のような形状を形
成することができればどのような加工方法によって製造
されてもよいが、絞り加工により製造するのが好適であ
る。従来のアルミニウム積層複合板を使用した鞄の本体
外装部の製造に通常用いられる方法においては、アルミ
製の型枠にアルミニウム積層複合板を嵌め込んで成形し
ていたので、鞄の稜線部に角が生じやすかったが、絞り
加工による製造方法は、前述のように鞄の稜線部を丸く
成形することが容易であるという利点を有する。
【0052】本体外装部54は、把持部53が設けられ
ている外面と同一外面上に、本体部51と蓋部52との
着脱を可能にし、鞄50の開閉を可能にする開閉具56
が2個設けられている。なお、開閉具56は、ステンレ
ス積層複合板を絞り加工した後に、この絞り加工された
ステンレス積層複合板に別途加工を施して、取り付ける
ことができる。
【0053】本体内装部55は、本体部51の内殻部を
形成し、鞄50の中に収容された収容物を直接保持する
部材である。本体内装部55は、本体外装部54に加え
られる衝撃的な力や静的な圧力、又は熱が鞄50内に伝
達されるのを緩衝することにより、鞄50内に収容され
た収容物をこれらの作用から保護する機能を有する。
【0054】本体内装部55は、メルトン材で形成され
ており、本体外装部54の内部に、本体外装部54の内
周面を覆うように設けられている。本体内装部55の厚
みは、鞄50の使用目的及び収容物の性質等に応じて、
本体内装部55の前記機能が効果的に発揮されるように
適宜決定することができる。また、前記メルトン材の種
類は、本体内装部55が前記機能を発揮することができ
る限り特に制限はなく、適宜決定可能である。
【0055】また、本体内装部55には、鞄50の内部
で収容物を保持する箱状の収容具57、及び、鞄50の
内部で収容物を固定することのできる、面ファスナー等
により相互に結合可能な2本の帯状体から成る固定具5
8が設けられている。収容具57は、本体内装部55に
使用されるメルトン材と同質のメルトン材により形成さ
れ、固定具58は、例えば合成樹脂で形成されている。
【0056】蓋部52は、蝶番(図示せず)により本体
部51に開閉可能に設けられ、閉じられた状態で、蓋部
52とともに、鞄50の筐体部分を形成し、また収容物
を収容することのできる密封空間を鞄50内部に形成す
る。蓋部52は、蓋外装部材59と蓋内装部材60とを
有する。
【0057】蓋外装部59は、蓋部52の外殻部を形成
し、その内部に蓋内装部60を収容している。蓋外装部
材59は、前記ステンレス積層複合板により形成され、
本体外装部54が有する前記機能と同様の機能を有す
る。
【0058】蓋外装部59を形成するステンレス積層複
合板、及び、このステンレス積層複合板に使用されるス
テンレス鋼板の厚み及び芯材の厚み、並びに、前記ステ
ンレス鋼板の種類については、本体外装部の場合と同様
に決定することができる。また、蓋外装部59は、本体
外装部と同様の理由により、その稜線部が丸く形成され
ており、絞り加工により製造するのが好適である。
【0059】蓋内装部60は、蓋部52の内殻部を形成
し、鞄50の中に収容された収容物を、本体内装部55
とともに保持する部材である。本体内装部55は、本体
外装部54が有する前記機能と同様の機能を有する。
【0060】蓋内装部60は、本体内装部55に使用さ
れるメルトン材と同質のメルトン材で形成されており、
蓋外装部59の内部に、蓋外装部54の内周面を覆うよ
うに設けられている。蓋内装部60の厚み及びメルトン
材についての条件は、本体外装部54の場合と同様にし
て決定することができる。
【0061】また、蓋内装部60には、小物類を収容す
ることのできる蓋付きポケット式の収容ケース61、及
び、本体部51内に収容する収容物とは別に収容物を収
容するためのチャック付きの袋具62が設けられてい
る。収容ケース61及び袋具62は、例えば合成樹脂又
は皮革により形成されている。
【0062】把持部53は、鞄50の携帯時に使用する
取手部である。把持部53は、把持具63と固定部64
とを有する。把持具63は、コの字状の部材であって、
開閉具56が設けられている本体外装部54の外面と同
一外面上に設けられた2つの固定部によって、回転可能
に保持されている。固定部64は、金属製であり、本体
外装部54と一体成形されていてもよく、また本体外装
部54を成形した後に別途本体外装部54に取り付けて
もよい。把持具63は、例えば合成樹脂製又は金属製で
ある。
【0063】鞄50は、以下のように作用する。収容物
を鞄50内に収容する。鞄50内におけるその収容物の
収容場所は、その収容物の大きさ、性質、又は使用目的
等に応じて適宜、収容具57、固定具58、収容ケース
61、又は袋具62によって保持される場所に決定され
る。蓋部52を閉じて、開閉具56により蓋部52が開
かない状態にする。それ以後、把持具63を手で持つな
どして、鞄50を運搬する。
【0064】鞄50は、その外装部が前記ステンレス積
層複合板によって形成されているので、外部から大きな
力や大きな熱量が加えられても、破壊や変形が生じにく
く、また内部にその力や熱量が伝達しにくい。したがっ
て、鞄50においては、そのような外部作用が加わって
も、その内部の収容物が受けるダメージが小さい。
【0065】具体的には、鞄50に外部から衝撃的な力
が加えられたとき、例えば鞄50が高所から落下された
とき、又は鞄50を意図的に破壊しようとして、バット
等により鞄50を殴打したときでも、鞄50は、従来の
同型の鞄に比較して、変形又は破損しにくい。鞄50に
外部から静的な力が持続的に加えられたとき、例えば鞄
50の上に重量の大きい物体が長期間放置されたときで
も、鞄50は、従来の同型の鞄に比較して、変形又は破
損しにくい。また、鞄50に高熱が加えられたとき、例
えば鞄50が高熱体の近傍に長期間放置されたときで
も、鞄50は、従来の同型の鞄に比較して、変形しにく
い。
【0066】前記ステンレス積層複合板は、上記のよう
に、アルミニウム積層複合板に比較して力及び熱に対す
る抵抗性が格段に大きいので、力及び熱に対する所定の
抵抗性を発揮するのに要する厚みが、アルミニウム積層
複合板に比較して小さくて済む。したがって、前記ステ
ンレス積層複合板は、アルミニウム積層複合板に比較し
て比重が大きいが、前記ステンレス積層複合板を外装部
材に使用して製造した鞄である鞄50は、鞄50と同等
の前記抵抗性及びサイズを有する、アルミニウム積層複
合板を外装部材に使用して製造した鞄に比較して、重量
が小さくなる。このように、鞄50は、外力及び熱に対
する強度が大きく、さらに軽量にすることができる。し
たがって、鞄50は、運搬に対する労力を軽減すること
ができる。
【0067】鞄50は、その稜線部が丸く成形されてい
るので、その稜線部が身体に当たっても苦痛が小さく、
また誤って鞄50を他人にぶつけても相手にけがをさせ
る危険性が低い。
【0068】鞄50の製造方法としては、従来の同型の
鞄の製造方法と同様の製造方法を使用することができ
る。なお、本体外装部54及び蓋外装部59の製造に
は、前述の通り、絞り加工によるのが好ましい。
【0069】この発明に係る鞄は、その構造について
は、鞄50が有する構造に制限されることはなく、目的
に応じて適宜変更を加えることができる。
【0070】鞄50は、幅及び奥行きに比較して高さが
小さい直方体形であるが、この発明に係る鞄の形状とし
ては、幅及び奥行きに比較して高さが大きい直方体形で
あってもよく、また、例えば円柱形又は角柱形であって
もよい。
【0071】鞄50は、開閉様式として蓋形式を採用す
るが、この発明に係る鞄の開閉方式においては、これ以
外の様式であってもよく、例えば扉方式及びドア方式で
あってもよい。
【0072】この発明に係る鞄の外装部材には、取り扱
い上の利便性を向上させるために、種々の部品を設ける
ことができ、例えば、運搬の利便性を高めるためにキャ
スターを取り付けることができる。また、この発明に係
る鞄の外装部材には、取り扱い上の利便性を向上させる
ために、種々の加工を施すことができ、例えば、鞄に通
気性を付与するために、外装部材に通気孔を設けたり、
鞄の外部からその内部を観察するために、外装部材に観
察用の孔又は窓を設けたり、鞄の外部からその内部で作
業を行うことができるように、外装部材に作業用の孔を
設けたりすることができる。
【0073】鞄50においては、把持部が本体外装部に
設けられているが、この発明においては、把持部の設置
位置は、本体外装部以外に設けられていてもよく、例え
ば蓋外装部に設けられていてもよい。また、取り扱い上
必要がなければ設けなくてもよい。
【0074】また、この発明に係る鞄の外装部材には、
通常の同種の鞄に施されているデザイン上の各種加工、
例えばエンボス加工、鏡面加工、及びエッチングを施す
こともできる。
【0075】この発明に係る鞄の内装部材に使用する材
料としては、収容物に対する目的に適合した保護を行う
ことができれば、メルトン材以外であってもよく、例え
ば、ポリエチレン発泡材のような緩衝材を使用すること
ができる。このような緩衝材の使用方法としては、例え
ば、その緩衝材を外装部材の内周面上の全部又は一部に
層状に設けるクッション張り加工、及び、収容物の形状
に適合する凹部を有する前記緩衝材を、外装部材が有す
る中空部を満たすように外装部材内に設けるルーダー加
工がある。なお、この発明においては、内装部材は、取
り扱い上必要がなければ設けなくてもよい。
【0076】この発明に係る鞄は、従来の同型の鞄と同
様の製造方法により製造することができる。例えば、外
装部材の製造方法としては、前記絞り加工の他、複数の
平板状の前記ステンレス積層複合板を各種フレームを用
いて箱状に組立てることにより、鞄を製造してもよい。
【0077】この発明に係る鞄は、上記機能を発揮する
ことができればその用塗に特に制限はなく、例えば、通
信機器、OA機器、音響機器、及び撮影機器の収容に使
用することができる。特に、この発明に係る鞄が有する
高い機械的強度に基づく、収容物に対する優れた保護機
能を考慮すると、この発明に係る鞄は、パソコンのよう
な精巧な機器の運搬用に好適に使用することができる。
【0078】
【発明の効果】
【発明の効果】この発明に係る鞄は、外装部がステンレ
ス積層複合板によって形成されているので、外部から大
きな力や大きな熱量が加えられても、破壊や変形が生じ
にくく、また内部にその力や熱量が伝達しにくいので、
その内部の収容物が受けるダメージが小さい。したがっ
て、この発明に係る鞄及びその収容物は、外力及び熱を
受けても壊れにくい。
【0079】前記ステンレス積層複合板は、アルミニウ
ム積層複合板に比較して力及び熱に対する抵抗性が格段
に大きいので、この発明に係る鞄は、アルミニウム積層
複合板を外装部材に使用して製造した鞄に比較して軽量
にすることができる。したがって、この発明に係る鞄
は、運搬に対する労力を軽減することができる。また、
この発明に係る鞄は、外装部材が薄くしても所定の強度
を確保することができるので、その分だけ小型にするこ
とができる。
【0080】この発明に係る鞄は、その稜線部を丸く成
形することにより、その稜線部が身体に当たっても苦痛
が小さく、また他人にけがをさせる危険性が低い。この
ような成形は、絞り加工を使用することにより好適に行
うことができる。
【0081】この発明に係る鞄は、特殊な製法を用いる
ことなく製造することができるので、生産性を高くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ステンレス積層複合板の製造過程を示
すフローチャートである。
【図2】図2は、未発泡材料に対する発泡工程と、その
連続押し出し工程、連続押し出し工程によって押し出さ
れたシート状芯材に対する接着用樹脂フィルムの供給貼
り合わせ工程、コイル状に巻かれた極薄ステンレス鋼板
の処理工程、シート状芯材の表裏面に極薄ステンレス鋼
板を供給し加熱圧着する工程、ロールによる追加熱処理
工程、冷却工程、表面保護フィルムの貼り合わせ工程及
び定寸法裁断工程をそれぞれ示す加工装置の概要側面図
である。
【図3】図3は、図2の加工装置における配合機、連続
押し出し機、押し出し成形機及び連続冷却ロールの各部
を示す側面図である。
【図4】図4は、図2の加工装置における配合機、連続
押し出し機、押し出し成形機及び連続冷却ロールの各部
を示す平面図である。
【図5】図5は、鞄50の正面図である。
【図6】図6は、鞄50の左側面図である。
【図7】図7は、鞄50の平面図である。
【図8】図8は、鞄50の蓋を開けた状態における鞄5
0の斜視図である。
【符号の説明】
11・・配合機、12・・連続押し出し機、13・・押
し出し成形機、14・・連続冷却ロール、15・・加熱
圧着装置、16−1・・加熱ロール、16−2・・加熱
ロール、16−3・・加熱ロール、17−1・・冷却ロ
ール、17−2・・冷却ロール、17−3・・冷却ロー
ル、18・・貼り合わせ装置、19・・裁断装置、21
・・フィルム供給機、31・・工程、32・・貼り合わ
せ機、33・・ロール、34・・ロール、41・・ロー
ル、42・・ロール、50・・鞄、51・・本体部、5
2・・蓋部、53・・把持部、54・・本体外装部材、
55・・本体内装部材、56・・開閉具、57・・収容
具、58・・固定具、59・・蓋外装部、60・・蓋内
装部、61・・収容ケース、62・・袋具、63・・把
持具、64・・固定部、C・・シート状の芯材、F・・
接着樹脂フィルム、F’・・接着樹脂フィルム、CS・
・ステンレスロール材、SS・・ステンレス鋼板、SC
S・・ステンレス積層複合板、ACA・・アルミニウム
積層複合板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレ
    ンとを混合し、これに高温用発泡剤及び低温用発泡剤を
    加えて加熱発泡させることにより、少なくとも発泡樹脂
    の芯材表層部に小さな球状気泡を主体的に分散分布させ
    たシート状の芯材の表面に対し、接着用樹脂フィルムを
    介して薄いステンレス鋼材を熱圧密着して成る積層複合
    板から形成される外装部材を有することを特徴とする
    鞄。
  2. 【請求項2】 前記外装部材は、前記積層複合板から絞
    り加工により形成される請求項1に記載の鞄。
  3. 【請求項3】 前記外装部材は、箱型である請求項2に
    記載の鞄。
  4. 【請求項4】 前記外装部材は、その角部が丸みを帯び
    た形状を有する請求項3に記載の鞄。
  5. 【請求項5】 パソコン用である請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の鞄。
JP2001052660A 2001-02-27 2001-02-27 Withdrawn JP2002253320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052660A JP2002253320A (ja) 2001-02-27 2001-02-27

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052660A JP2002253320A (ja) 2001-02-27 2001-02-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002253320A true JP2002253320A (ja) 2002-09-10

Family

ID=18913260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052660A Withdrawn JP2002253320A (ja) 2001-02-27 2001-02-27

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002253320A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3416519A1 (fr) * 2016-02-19 2018-12-26 Louis Vuitton Malletier Coque de bagage, bagage comprenant une telle coque de bagage, et procédé de fabrication de la coque de bagage
CN109368001A (zh) * 2018-11-28 2019-02-22 大连知你文化产业发展有限公司 一种防压动漫手办收纳袋及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3416519A1 (fr) * 2016-02-19 2018-12-26 Louis Vuitton Malletier Coque de bagage, bagage comprenant une telle coque de bagage, et procédé de fabrication de la coque de bagage
AU2017219960B2 (en) * 2016-02-19 2022-10-13 Louis Vuitton Malletier Luggage shell, piece of luggage comprising a shell of said type, and method for manufacturing the luggage shell
US11528972B2 (en) 2016-02-19 2022-12-20 Louis Vuitton Malletier Luggage shell, luggage comprising such a shell, and method for manufacturing a luggage shell
CN109368001A (zh) * 2018-11-28 2019-02-22 大连知你文化产业发展有限公司 一种防压动漫手办收纳袋及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9975687B2 (en) Process for forming an insulated container having artwork
US11897683B2 (en) Insulated multi-layer sheet and method of making the same
JP3486744B2 (ja) 熱成形用発泡スチレン系樹脂積層シートとその製造方法及び成形品
JP2002096419A (ja) 深絞り成型用アルミニウム箔複合材、その製造方法およびその成形方法
JP2002253320A (ja)
JP2010013167A (ja) 素板ガラス搬送用スチレン系樹脂シート
WO2014208710A1 (ja) 積層体およびその製造方法
EP3067195A1 (en) Tear resistant mono-axially oriented propylene-based film
JP4157310B2 (ja) 帯電防止性ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及び包装用成形体
JP5385693B2 (ja) 積層シート及び成形体
JPH09141772A (ja) 熱成形用スチレン系樹脂積層発泡シート
JP5681251B2 (ja) 積層シート及び成形体
JP2010105396A (ja) 積層フィルム、該積層フィルムを用いた容器及び該容器の製造方法
JPH08174737A (ja) 積層ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びその成形品
JP2000225664A (ja) ステインレス鋼板と発泡樹脂芯材とを積層した積層複合板及びその製造方法。
JP3701299B2 (ja) 容器
JP3142443B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡シートの成形方法および成形品
JP7496678B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート及び容器
JPH11115116A (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート
JPH10109389A (ja) 低発泡エチレン重合体樹脂積層防錆性シート
JP2023016856A (ja) 梱包用フィルム及び梱包用部材
JP2003094378A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡積層シートの製造方法
JPH09240723A (ja) 容器形成用の周側枠材
JPH0373333A (ja) 熱収縮性ポリオレフィン複合シート
JP2007237735A (ja) 熱可塑性樹脂製発泡成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513