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JP2002225251A - 複数種類の駆動波形を用いたオーバーラップ印刷 - Google Patents

複数種類の駆動波形を用いたオーバーラップ印刷

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JP2002225251A
JP2002225251A JP2001025148A JP2001025148A JP2002225251A JP 2002225251 A JP2002225251 A JP 2002225251A JP 2001025148 A JP2001025148 A JP 2001025148A JP 2001025148 A JP2001025148 A JP 2001025148A JP 2002225251 A JP2002225251 A JP 2002225251A
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JP
Japan
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main
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printing
drive signal
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JP2001025148A
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Yukimitsu Fujimori
幸光 藤森
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JP2002225251A publication Critical patent/JP2002225251A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷速度を過度に低下させずに画質を向上さ
せる。 【解決手段】 主走査を、複数種類の原駆動信号のうち
のそれぞれ1つを使用する複数種類の主走査群に分類す
るとともに、各主走査群が前記領域内のすべてのドット
位置における記録を実行できるように各主走査群を構成
し、主走査群のうちの少なくとも1つの主走査群に関す
るオーバーラップ数が他の主走査群のオーバーラップ数
と異なる値になるように各主走査群における主走査と副
走査とを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷ヘッドを用
いて印刷媒体上にドットを形成することによって印刷を
行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】主走査方向と副走査方向に走査しながら
印刷ヘッドを用いて印刷を行う印刷装置としては、シリ
アルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等
のようなインクジェットプリンタがある。インクジェッ
トプリンタは、印刷ヘッドの複数のノズルからインクを
吐出させることによって文字や画像を印刷媒体上に形成
する。
【0003】近年のインクジェットプリンタでは、写真
と同程度の滑らかな画像を高速に印刷できる性能が要求
されている。高画質化は、ドット径を小さくすることに
よってある程度達成可能である。ところが、ドット径を
小さくすると、ノズル特性のばらつきによるバンディン
グ(主走査方向に伸びる筋状の画質劣化)がより目立ち
易くなるため、各主走査ラインを多くの主走査で形成さ
せることが要請される傾向にある。
【0004】また、多階調化を行うためには、ドットの
種類を多くすることも効果がある。このため、大きなド
ットから小さなドットまで多くの種類のドットを形成す
ることも要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、小さなドット
と大きなドットとを、同じ主走査回数で形成すると以下
の問題が生ずる。すなわち、大きなドットの形成に合わ
せて、各主走査ラインを形成する主走査回数を設定する
と、小さなドットによるバンディングが目立つ結果とな
る。一方、小さなドットの形成に合わせて主走査回数を
設定すると、大きなドットを、必要以上に多い走査回数
で形成することになるので、印刷速度を過度に低下させ
ることになる。
【0006】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、印刷速度を過度
に低下させずに画質を向上させることのできる技術を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ前記印刷ヘ
ッドからインクを吐出することによって印刷媒体上に印
刷を行う印刷装置であって、少なくとも1色分の同一の
インクを吐出するために副走査方向に沿って配列された
複数のノズルと、前記複数のノズルからインクを吐出さ
せるために前記複数のノズルにそれぞれ設けられた複数
の駆動素子と、を有する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッド
を主走査方向に移動させる主走査駆動機構と、インクの
吐出が行われない期間に前記印刷ヘッドを副走査方向に
移動させる副走査駆動機構と、1回の主走査毎に、互い
に異なる波形を有するM種類(Mは2以上の整数)の原
駆動信号の中から選択された1つの原駆動信号を生成す
る原駆動信号発生部と、与えられた印刷データに応じ
て、前記原駆動信号発生部から供給された原駆動信号を
整形することによって前記印刷ヘッドの各駆動素子に与
えられる駆動信号を生成するとともに、前記駆動信号に
応じて各駆動素子を駆動することによって前記印刷ヘッ
ドからインクを吐出させるヘッド駆動部と、印刷処理の
制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、(i)前
記印刷媒体上の少なくとも一部の領域内において連続し
て行われる複数回の主走査を、前記M種類の原駆動信号
のうちのそれぞれ1つを使用するM種類の主走査群に分
類するとともに、各主走査群が前記領域内のすべてのド
ット位置における記録を実行できるように各主走査群を
構成し、(ii)前記領域内で少なくとも1回使用され
るノズルを動作ノズルと定義し、各主走査ライン上のす
べてのドットの記録を完了するために各主走査ライン上
で行われる動作ノズルの主走査の延べ回数の平均をオー
バーラップ数と定義するとき、前記M種類の主走査群の
うちの少なくとも1つの主走査群に関するオーバーラッ
プ数が他の主走査群のオーバーラップ数と異なる値にな
るように各主走査群における主走査と副走査とを制御す
ることを特徴とする。
【0008】一般に、ノズルから吐出されるインク量は
駆動信号波形に依存するので、M種類の原駆動信号を使
用すれば、種々のサイズのドットを形成することが可能
である。また、オーバーラップ数が大きいほどバンディ
ングを目立ち難くすることができ、一方、オーバーラッ
プ数が小さいほど印刷速度が向上することができる傾向
にある。従って、上記の構成のように、互いに異なる原
駆動信号を用いるM種類の主走査群を利用して、各主走
査群のオーバーラップ数を互いに適切な値に設定すれ
ば、印刷速度を過度に低下させずに画質を向上させるこ
とができる。
【0009】上記印刷装置において、前記整数Mは2で
あり、第1の原駆動信号を用いた1回の主走査では、主
走査ライン上のS個(Sは2以上の整数)に1個の割合
のドット位置に、サイズの異なるm種類(mは2以上の
整数)のいずれかのドットを形成可能であり、第2の原
駆動信号を用いた1回の主走査では、主走査ライン上の
すべてのドット位置に、サイズの異なるn種類(nは1
以上m未満の整数)のいずれかのドットを形成可能であ
るようにしても良い。
【0010】上記印刷装置において、前記第1の原駆動
信号を用いる主走査では、前記第2の原駆動信号で形成
可能な最大サイズのドットよりも小さな複数種類のドッ
トを形成可能であるようにしても良い。
【0011】こうすれば、前記第1の原駆動信号を用い
る主走査では、比較的小さなドットを形成することにな
るので、この主走査についてのみオーバーラップ数を大
きくすることで、印刷速度を過度に低下させずに印刷画
像を向上させることができる。
【0012】上記印刷装置において、前記第1の主走査
群のオーバーラップ数はS+α(αは1未満の小数)で
あり、前記第2の主走査群のオーバーラップ数は1+β
(βは1未満の小数)であるようにしても良い。
【0013】このように、オーバーラップ数は小数であ
っても良い。この場合、第1の主走査群では、S回の主
走査によってドット記録が完了する主走査ラインと、S
+1回の主走査によってドット記録が完了する主走査ラ
インとが存在する。また、第2の主走査群では、1回の
主走査によってドット記録が完了する主走査ラインと、
2回の主走査によってドット記録が完了する主走査ライ
ンとが存在する。
【0014】上記印刷装置において、前記小数α、βの
値は、それぞれ0.2以下であることが好ましい。
【0015】こうすれば、副走査方向に沿って配列され
た複数のノズルのうち、特にドット形成位置の誤差が大
きくなり易い端部のノズルについてのみ、さらにオーバ
ーラップ数を増やすことになる。この結果、印刷速度と
印刷画質の好ましいバランスを図ることができる。
【0016】上記印刷装置において、M種類の主走査群
の合間に行われる副走査の送り量がマイナスにならない
ようにM種類の主走査群の各主走査の実行順序が設定さ
れているようにするのが好ましい。
【0017】こうすれば、副走査送りにおける送り量の
精度を向上させることができる。
【0018】なお、本発明は、種々の態様で実現するこ
とが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印
刷制御方法および印刷制御装置、それらの方法または装
置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そ
のコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコ
ンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデ
ータ信号、等の態様で実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の構成: B.記録方式の基本的条件: C.間欠オーバーラップ方式における主走査の考え方: D.駆動信号の生成処理の方法: E.本発明の実施例におけるドット記録方式: F.変形例:
【0020】A.装置の構成:図1は、本発明の一実施
例としての印刷システムの構成を示すブロック図であ
る。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピ
ュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、
を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュー
タ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶこと
ができる。
【0021】コンピュータ90では、所定のオペレーテ
ィングシステムの下で、アプリケーションプログラム9
5が動作している。オペレーティングシステムには、ビ
デオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれ
ており、アプリケーションプログラム95からは、これ
らのドライバを介して、カラープリンタ20に転送する
ための印刷データPDが出力されることになる。アプリ
ケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して
所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介して
CRT21に画像を表示する。
【0022】アプリケーションプログラム95が印刷命
令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ9
6が、画像データをアプリケーションプログラム95か
ら受け取り、これをカラープリンタ20に供給するため
の印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プ
リンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール
97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュ
ール99と、ラスタライザ100と、色変換テーブルL
UTと、が備えられている。
【0023】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタド
ライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を
果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだ
RGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュー
ル98は、色変換テーブルLUTを参照しつつ、各画素
ごとに、RGB画像データを、カラープリンタ20が利
用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0024】色変換された多階調データは、例えば25
6階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール
99は、インクドットを分散して形成することにより、
カラープリンタ20でこの階調値を表現するためのハー
フトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像
データは、ラスタライザ100によりカラープリンタ2
0に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷
データPDとして出力される。なお、印刷データPD
は、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータ
と、副走査送り量を示すデータと、各主走査に使用され
る駆動信号波形の種類(後述する)を示すデータと、を
含んでいる。
【0025】なお、プリンタドライバ96は、印刷デー
タPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相
当する。プリンタドライバ96の機能を実現するための
プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に
記録された形態で供給される。このような記録媒体とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能
な種々の媒体を利用できる。
【0026】図2は、カラープリンタ20の概略構成図
である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によ
って印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構
と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプ
ラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走
査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッド
ユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動
してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆
動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモー
タ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32
との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えてい
る。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュー
タ90に接続されている。
【0027】印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、
紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ロー
ラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図
示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査
送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリ
ッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッ
ジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設する
プーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位
置センサ39とを備えている。
【0028】図3は、制御回路40を中心としたカラー
プリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路
40は、CPU41と、プログラマブルROM(PRO
M)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを
記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備え
た算術論理演算回路として構成されている。この制御回
路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェース
を専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用
回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動して
インクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモー
タ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆
動回路54と、スキャナ80を制御するスキャナ制御回
路55とを備えている。I/F専用回路50は、パラレ
ルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を
介してコンピュータ90から供給される印刷データPD
を受け取ることができる。カラープリンタ20は、この
印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM
44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッフ
ァメモリとして機能する。
【0029】印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド2
8を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能
である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品
としてカラープリンタ20に着脱される。すなわち、印
刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユ
ニット60を交換することになる。
【0030】図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノ
ズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面に
は、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノ
ズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シア
ンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するた
めの淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインク
を吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡
マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズ
ル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエロー
インクノズル群YD とが形成されている。
【0031】なお、各ノズル群を示す符号における最初
のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、
また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクである
ことを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであ
ることを、それぞれ意味している。
【0032】各ノズル群の複数のノズルは、副走査方向
SSに沿って一定のノズルピッチk・Dでそれぞれ整列
している。ここで、kは整数であり、Dは副走査方向に
おける印刷解像度に相当するピッチ(「ドットピッチ」
と呼ぶ)である。本明細書では、「ノズルピッチはkド
ットである」とも言う。このときの単位[ドット]は、
印刷解像度のドットピッチを意味している。副走査送り
量に関しても同様に、[ドット]の単位を用いる。
【0033】各ノズルには、各ノズルを駆動してインク
滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図
示せず)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド2
8が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク
滴が吐出される。
【0034】なお、各ノズル群の複数のノズルは、副走
査方向に沿って一直線上に配列されている必要はなく、
例えば千鳥状に配列されていてもよい。なお、ノズルが
千鳥状に配列されている場合にも、副走査方向に測った
ノズルピッチk・Dは、図4の場合と同様に定義するこ
とができる。この明細書において、「副走査方向に沿っ
て配列された複数のノズル」という文言は、一直線上に
配列されたノズルと、千鳥状に配置されたノズルと、を
包含する広い意味を有している。
【0035】以上説明したハードウェア構成を有するカ
ラープリンタ20は、紙送りモータ22により用紙Pを
搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24に
より往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を
駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを
形成して用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
【0036】B.記録方式の基本的条件:本発明の実施
例に用いられている記録方式の詳細を説明する前に、以
下ではまず、通常のインターレース記録方式の基本的な
条件について説明する。なお、「インターレース記録方
式」とは、印刷ヘッドの副走査方向に沿って測ったノズ
ルピッチk[ドット]が2以上であるときに採用される
記録方式を言う。インターレース記録方式では、1回の
主走査では隣接するノズルの間に記録できないラスタラ
インが残り、このラスタライン上の画素は他の主走査時
に記録される。なお、本明細書においては、「印刷方
式」と「記録方式」とは同義語である。
【0037】図5は、通常のインターレース記録方式の
基本的条件を示すための説明図である。図5(A)は、
4個のノズルを用いた場合の副走査送りの一例を示して
おり、図5(B)はそのドット記録方式のパラメータを
示している。図5(A)において、数字を含む実線の丸
は、各パスにおける4個のノズルの副走査方向の位置を
示している。ここで、「パス」とは1回分の主走査を意
味している。丸の中の数字0〜3は、ノズル番号を意味
している。4個のノズルの位置は、1回の主走査が終了
する度に副走査方向に送られる。但し、実際には、副走
査方向の送りは紙送りモータ22(図2)によって用紙
を移動させることによって実現されている。
【0038】図5(A)の左端に示すように、この例で
は副走査送り量Lは4ドットの一定値である。従って、
副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が4ド
ットずつ副走査方向にずれてゆく。各ノズルは、1回の
主走査中にそれぞれのラスタライン上のすべてのドット
位置(「画素位置」とも呼ぶ)を記録対象としている。
なお、本明細書では、各ラスタライン(「主走査ライ
ン」とも呼ぶ)上で行われる主走査の回数を、「スキャ
ン繰り返し数S」と呼ぶ。また、各ラスタラインにおけ
るスキャン繰り返し数Sの平均値を「オーバーラップ
数」と呼ぶ。すなわち、オーバーラップ数は、各ラスタ
ライン上で行われる動作ノズルの主走査の延べ回数の平
均値である。すべてのラスタラインが同一のスキャン繰
り返し数で走査されるときには、スキャン繰り返し数と
オーバーラップ数とは同じである。また、ラスタライン
によってスキャン繰り返し数が異なる場合には、オーバ
ーラップ数はスキャン繰り返し数とは異なる値になる。
スキャン繰り返し数とオーバーラップ数とが異なる場合
についてはさらに後述する。
【0039】図5(A)の右端には、各ラスタライン上
のドットを記録するノズルの番号が示されている。な
お、ノズルの副走査方向位置を示す丸印から右方向(主
走査方向)に伸びる破線で描かれたラスタラインでは、
その上下のラスタラインの少なくとも一方が記録できな
いので、実際にはドットの記録が禁止される。一方、主
走査方向に伸びる実線で描かれたラスタラインは、その
前後のラスタラインがともにドットで記録され得る範囲
である。このように実際に記録を行える範囲を、以下で
は有効記録範囲(または「有効印刷範囲」、「印刷実行
領域」、「記録実行領域」)と呼ぶ。
【0040】図5(B)には、このドット記録方式に関
する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式
のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用
ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数Sと、実効
ノズル個数Neff[個]と、副走査送り量L[ドット]
とが含まれている。
【0041】図5の例では、ノズルピッチkは3ドット
である。使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用ノ
ズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実
際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返し
数Sは、各ラスタライン上においてS回の主走査が実行
されることを意味している。例えば、スキャン繰り返し
数Sが2のときには、各ラスタライン上において2回の
主走査が実行される。このとき、通常は、一回の主走査
において1ドットおきに間欠的にドットが形成される。
図5の場合には、スキャン繰り返し数Sは1である。実
効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nをスキャン繰
り返し数Sで割った値である。この実効ノズル個数Nef
f は、一回の主走査でドット記録が完了するラスタライ
ンの正味の本数を示しているものと考えることができ
る。
【0042】図5(B)の表には、各パスにおける副走
査送り量Lと、その累計値ΣLと、ノズルのオフセット
Fとが示されている。ここで、オフセットFとは、最初
のパス1におけるノズルの周期的な位置(図5では4ド
ットおきの位置)をオフセットが0である基準位置と仮
定した時に、その後の各パスにおけるノズルの位置が基
準位置から副走査方向に何ドット離れているかを示す値
である。例えば、図5(A)に示すように、パス1の後
には、ノズルの位置は副走査送り量L(4ドット)だけ
副走査方向に移動する。一方、ノズルピッチkは3ドッ
トである。従って、パス2におけるノズルのオフセット
Fは1である(図5(A)参照)。同様にして、パス3
におけるノズルの位置は、初期位置からΣL=8ドット
移動しており、そのオフセットFは2である。パス4に
おけるノズルの位置は、初期位置からΣL=12ドット
移動しており、そのオフセットFは0である。3回の副
走査送り後のパス4ではノズルのオフセットFは0に戻
るので、3回の副走査を1サイクルとして、このサイク
ルを繰り返すことによって、有効記録範囲のラスタライ
ン上のすべてのドットを記録することができる。
【0043】図5の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットFはゼロである。また、オフ
セットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッ
チkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、
「%」は、除算の余りをとることを示す演算子である。
なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれば、オ
フセットFは、ノズルの初期位置からの位相のずれ量を
示しているものと考えることもできる。
【0044】スキャン繰り返し数Sが1の場合には、有
効記録範囲において記録対象となるラスタラインに抜け
や重複が無いようにするためには、以下のような条件を
満たすことが必要である。
【0045】条件c1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0046】条件c2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範囲
のそれぞれ異なる値となる。
【0047】条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/
k)は、使用ノズル数Nに等しい。換言すれば、1サイ
クル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズ
ル数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)に等
しい。
【0048】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタラインが存在するので、1サイクルでこれら
(k−1)本のラスタライン上で記録を行ってノズルの
基準位置(オフセットFがゼロの位置)に戻るために
は、1サイクルの副走査送りの回数はk回となる。1サ
イクルの副走査送りがk回未満であれば、記録されるラ
スタラインに抜けが生じ、一方、1サイクルの副走査送
りがk回より多ければ、記録されるラスタラインに重複
が生じる。従って、上記の第1の条件c1が成立する。
【0049】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラ
スタラインに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第
2の条件c2が成立する。
【0050】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タラインの記録を行うことになる。従って、1サイクル
ではN×k本のラスタラインの記録が行われる。一方、
上記の第3の条件c3を満足すれば、図5(A)に示す
ように、1サイクル後(k回の副走査送り後)のノズル
の位置が、初期のノズル位置からN×kラスタライン離
れた位置に来る。従って、上記第1ないし第3の条件c
1〜c3を満足することによって、これらのN×k本の
ラスタラインの範囲において、記録されるラスタライン
に抜けや重複を無くすることができる。
【0051】図6は、スキャン繰り返し数Sが2以上の
場合のドット記録方式の基本的条件を示すための説明図
である。スキャン繰り返し数Sが2以上の場合には、同
一のラスタライン上でS回の主走査が実行される。以下
では、スキャン繰り返し数Sが2以上のドット記録方式
を「オーバーラップ方式」と呼ぶ。
【0052】図6に示すドット記録方式は、図5(B)
に示すドット記録方式のパラメータの中で、スキャン繰
り返し数Sと副走査送り量Lとを変更したものである。
図6(A)からも解るように、図6のドット記録方式に
おける副走査送り量Lは2ドットの一定値である。但
し、図6(A)においては、偶数回目のパスのノズルの
位置を、菱形で示している。通常は、図6(A)の右端
に示すように、偶数回目のパスで記録されるドット位置
は、奇数回目のパスで記録されるドット位置と、主走査
方向に1ドット分だけずれている。従って、同一のラス
タライン上の複数のドットは、異なる2つのノズルによ
ってそれぞれ間欠的に記録されることになる。例えば、
有効記録範囲内の最上端のラスタラインは、パス2にお
いて2番のノズルで1ドットおきに間欠的に記録された
後に、パス5において0番のノズルで1ドットおきに間
欠的に記録される。このオーバーラップ方式では、各ノ
ズルは、1回の主走査中に1ドット記録した後に(S−
1)ドット記録を禁止するように、間欠的なタイミング
でノズルが駆動される。
【0053】このように、各主走査時にラスタライン上
の間欠的な画素位置を記録対象とするオーバーラップ方
式を、「間欠オーバーラップ方式」と呼ぶ。なお、間欠
的な画素位置を記録対象とする代わりに、各主走査時に
ラスタライン上のすべての画素位置を記録対象としても
よい。すなわち、1本のラスタライン上でS回の主走査
を実行するときに、同じ画素位置でドットの重ね打ちを
許容してもよい。このようなオーバーラップ方式を、
「重ね打ちオーバーラップ方式」または「完全オーバー
ラップ方式」と呼ぶ。
【0054】なお、間欠オーバーラップ方式では、同一
ラスタラインを記録する複数のノズルの主走査方向の位
置が互いにずれていればよいので、各主走査時における
実際の主走査方向のずらし量は、図6(A)に示すもの
以外にも種々のものが考えられる。例えば、パス2では
主走査方向のずらしを行わずに丸で示す位置のドットを
記録し、パス5において主走査方向のずらしを行なって
菱形で示す位置のドットを記録するようにすることも可
能である。
【0055】図6(B)の表の最下段には、1サイクル
中の各パスのオフセットFの値が示されている。1サイ
クルは6回のパスを含んでおり、パス2からパス7まで
の各パスにおけるオフセットFは、0〜2の範囲の値を
2回ずつ含んでいる。また、パス2からパス4までの3
回のパスにおけるオフセットFの変化は、パス5からパ
ス7までの3回のパスにおけるオフセットFの変化と等
しい。図6(A)の左端に示すように、1サイクルの6
回のパスは、3回ずつの2組の小サイクルに区分するこ
とができる。このとき、1サイクルは、小サイクルをS
回繰り返すことによって完了する。
【0056】一般に、スキャン繰り返し数Sが2以上の
整数の場合には、上述した第1ないし第3の条件c1〜
c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えら
れる。
【0057】条件c1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数Sとを乗じた
値(k×S)に等しい。
【0058】条件c2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範
囲の値であって、それぞれの値がS回ずつ繰り返され
る。
【0059】条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/
(k×S)}は、実効ノズル数Neff (=N/S)に等
しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査送り量L
の累計値ΣLは、実効ノズル数Neff と副走査送り回数
(k×S)とを乗算した値{Neff ×(k×S)}に等
しい。
【0060】上記の条件c1’〜c3’は、スキャン繰
り返し数Sが1の場合にも成立する。従って、条件c
1’〜c3’は、スキャン繰り返し数Sの値に係わら
ず、インターレース記録方式に関して一般的に成立する
条件であると考えられる。すなわち、上記の3つの条件
c1’〜c3’を満足すれば、有効記録範囲において、
記録されるドットに抜けや不要な重複が無いようにする
ことができる。但し、間欠オーバーラップ方式を採用す
る場合には、同じラスタラインを記録するノズルの記録
位置を互いに主走査方向にずらすという条件も必要であ
る。また、重ね打ちオーバーラップ方式を採用する場合
には、上記の条件c1’〜c3’が満足されていればよ
く、各パスにおいてすべての画素位置が記録対象とされ
る。
【0061】なお、図5,図6では、副走査送り量Lが
一定値である場合について説明したが、上記の条件c
1’〜c3’は、副走査送り量Lが一定値である場合に
限らず、副走査送り量として複数の異なる値の組み合わ
せを使用する場合にも適用可能である。なお、本明細書
において、送り量Lが一定値である副走査送りを「定則
送り」と呼び、送り量として複数の異なる値の組み合わ
せを使用する副走査送りを「変則送り」と呼ぶ。
【0062】C.間欠オーバーラップ方式における主走
査の考え方:図7は、ヘッド駆動回路52(図3)の主
要な構成を示すブロック図である。ヘッド駆動回路52
は、原駆動信号発生部220と、複数のマスク回路22
2と、各ノズルのピエゾ素子PEとを備えている。マス
ク回路222は、印刷ヘッド28の各ノズル#1,#2
…に対応して設けられている。なお、図7において、信
号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供
給されるノズルの番号を示している。
【0063】図8(a)は、オーバーラップなしのイン
ターレース方式におけるヘッド駆動回路52の動作を示
すタイミングチャートである。原駆動信号発生部220
は、各ノズルに共通に用いられる原駆動信号COMDR
Vを生成して複数のマスク回路222に供給する。この
原駆動信号COMDRVは、1画素分の主走査期間Td
内に1つのパルスを含む信号である。i番目のマスク回
路222は、i番目のノズルのシリアル印刷信号PRT
(i)のレベルに応じて原駆動信号COMDRVをマス
クする。具体的には、マスク回路222は、印刷信号P
RT(i)が1レベルのときには原駆動信号COMDR
Vをそのまま通過させる。そし原駆動信号は駆動信号D
RVとしてピエゾ素子PEに供給される。一方、印刷信
号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号COM
DRVを遮断する。このシリアル印刷信号PRT(i)
は、i番目のノズルが1回の主走査で記録する各画素の
記録状態を示す信号であり、コンピュータ90から与え
られた印刷データPD(図1)をノズル毎に分解したも
のである。なお、図8(a)は、1画素おきにドットが
記録される場合の例であり、全画素にドットが記録され
る場合には、原駆動信号COMDRVがそのまま駆動信
号DRVとしてピエゾ素子PEに供給される。
【0064】図8(b)は、スキャン繰り返し数Sが2
である間欠オーバーラップ方式において奇数画素位置に
ドットを形成する際のタイミングチャートであり、図8
(c)は、偶数画素位置にドットを形成する際のタイミ
ングチャートである。これらの例では、原駆動信号CO
MDRVの波形は、2画素に1画素の割合で発生してい
る。従って、図8(b)の原駆動信号波形を用いた場合
には、仮にシリアル印刷信号PRT(i)がすべて
「1」レベルである場合にも、奇数画素位置にドットが
形成できるだけである。同様に、図8(c)の原駆動信
号波形を用いた場合には、シリアル印刷信号PRT
(i)がすべて「1」レベルである場合にも、偶数画素
位置にドットが形成できるだけである。このように、間
欠オーバーラップ方式において、原駆動信号COMDR
Vの波形が間欠的な画素位置にのみ現れるようにしてい
る理由は、以下に説明するように、印刷速度を向上させ
るためである。
【0065】一般に、主走査速度が同じという条件で
は、印刷速度は実効ノズル個数Neff(すなわち、1回
の主走査でドットの形成が完成する主走査ラインの数)
に比例する。前述したように、実効ノズル個数Neff
は、使用ノズル個数Nをスキャン繰り返し数Sで除した
値である。従って、主走査速度と使用ノズル数が同じ条
件では、印刷速度はスキャン繰り返し数Sに反比例す
る。例えば、図6に示したオーバーラップ方式は、図5
に示したノンオーバーラップ方式に比べて印刷速度が1
/2である。
【0066】このように、オーバーラップ方式を採用す
ると、印刷速度は低下する。しかし、主走査速度を高く
すれば、印刷速度の低下の程度を緩和することができ
る。例えば、スキャン繰り返し数Sが2のときには、主
走査速度を2倍にすれば印刷速度はスキャン繰り返し数
Sが1のときと同じである。しかし、一般的には、ノズ
ルの駆動周波数(単位時間当たりのインクの吐出回数)
の上限が主走査速度の制約となっている。すなわち、ド
ットを適正な画素位置に形成するためには、主走査速度
の増加に応じてノズルの駆動周波数も増加する必要があ
る。しかし、ノズルの駆動周波数を過度に高くすると、
適切な量のインクを吐出することができなくなる。従っ
て、適正な画素位置に適切な量のインクを吐出するため
には、ノズルの駆動周波数に上限が存在し、これに応じ
て主走査速度も制限される。
【0067】このように、ノズルの駆動周波数に上限が
あることが、主走査速度の制約となっている。しかし、
インクの吐出が主走査方向において間欠的であれば、主
走査速度を速くすることも可能である。例えば、2列に
1列の割合で主走査方向に間欠的にインクを吐出する場
合、主走査速度が同一であれば、ノズルの駆動周波数は
半分で足りることになる。一般に、S列に1列の割合で
インクを吐出すれば、主走査速度をS倍に上げてもノズ
ルの駆動周波数は変化せず、インクを主走査方向の所定
の位置に着弾することができることになる。
【0068】D.駆動信号の生成処理の方法:図9は、
本実施例で利用される第1と第2の共通駆動信号波形を
示すタイミングチャートである。図9(A)は、第1の
共通駆動信号波形を示しており、図9(E)は、第2の
共通駆動信号波形を示している。図9(A)に示すよう
に、第1の共通駆動信号COMDRV1は1画素分の波
形が、互いに波形の異なる3つのパルスW11,W1
2,W13に区分されている。図9(B),(C),
(D)にそれぞれに示すように、小ドットを記録する場
合には1番目のパルスW11のみを残して他のパルスを
マスクし、中ドットを記録する場合には2番目のパルス
W12のみを残して他のパルスをマスクし、大ドットを
記録する場合には3番目のパルスW13のみを残して他
のパルスをマスクする。この場合にも、各画素における
シリアル印刷信号PRTに応じてこのようなマスク処理
を行うことにより、各画素位置において大きさの異なる
3種類のドットのうちのいずれかを選択的に記録するこ
とが可能である。
【0069】図9(E)に示すように、第2の共通駆動
信号COMDRV2では1画素に対して、一つのパルス
W2が発生する。図9(F)に示すように、各画素にお
けるシリアル印刷信号PRTに応じて、印字する場合は
第2の共通駆動信号COMDRV2をそのまま通過さ
せ、印字しない場合はマスクする。このように、第2の
共通駆動信号COMDRV2は、一種類の駆動信号のみ
を発生させる。
【0070】図10(a)〜(c)は、第1の共通駆動
信号COMDRV1と、マスク信号PRT(i)の例
と、このマスク信号PRT(i)に応じて形成されるド
ットと、をそれぞれ示している。図10(c)に示され
ているように、この信号COMDRV1を用いた1回の
主走査では、インク量が5plである小ドットと、10pl
である中ドットと、20plである大ドットとのうちのい
ずれかを、1画素おきの各画素のほぼ中心に間欠的に形
成することができる。
【0071】図10(d)〜(f)は、第2の共通駆動
信号COMDRV2と、マスク信号PRT(i)の例
と、このマスク信号PRT(i)に応じて形成されるド
ットと、をそれぞれ示している。図10(f)に示され
ているように、この信号COMDRV2を用いた1回の
主走査では、インク量が40plである極大ドットを各画
素のほぼ中心に形成することができる。
【0072】なお、複数種類の共通駆動信号を生成する
回路の構成や動作については、本出願人により開示され
た特開2000−001001号公報に詳述されている
ので、ここではその説明は省略する。
【0073】E.本発明の実施例におけるドット記録方
式:図11は、本発明の第1実施例のドット記録方式を
示す説明図である。この記録方式は、図10(a)に示
した第1の共通駆動信号COMDRV1を用いる第1の
主走査群と、図10(e)に示した第2の共通駆動信号
COMDRV2を用いる第2の主走査群とを利用してい
る。
【0074】パス1からパス4,および、パス9からパ
ス12までは、第1の主走査群の主走査であり、パス5
からパス8までは第2の主走査群の主走査である。パス
13以降は、パス1〜12と同様の主走査が繰り返され
る。なお、各パスの後に実行される副走査送りの送り量
は、3ドットの一定値である。
【0075】各ラスタライン上におけるドットの記録
は、3回の主走査で完了する。例えば、1番目のラスタ
ライン上におけるドットの記録は、パス3での7番ノズ
ルによる記録と、パス7での4番ノズルによる記録と、
パス11での1番ノズルによる記録と、で完了してい
る。但し、各主走査において記録対象となる画素位置
は、第1の主走査群と第2の主走査群とでは異なってい
る。
【0076】図11の右端には、第1と第2の主走査群
において、各ラスタライン上の各画素位置の記録を担当
するノズル番号がそれぞれ示されている。例えば、第1
の主走査群においては、1番目のラスタライン上の奇数
番目の画素位置は7番ノズル(パス3)によって記録さ
れ、偶数番目の画素位置は1番ノズル(パス11)によ
って記録される。一方、第2の主走査群においては、1
番目のラスタライン上のすべての画素位置が4番ノズル
(パス7)によって記録される。これは、他のラスタラ
イン上においても同様である。すなわち、第1の主走査
群では、すべてのラスタライン上において2つの異なる
ノズルを用いて画素の記録が相補的に実行される。一
方、第2の主走査群では、すべてのラスタライン上にお
いてそれぞれ1つのノズルを用いて画素の記録が実行さ
れる。
【0077】また、第1の主走査群によってすべてのラ
スタライン上の画素位置を記録でき、第2の主走査群に
よってもすべてのラスタライン上の画素位置を記録でき
ることが理解できる。すなわち、第1の主走査群と第2
の主走査群とは、いずれもすべてのラスタライン上のす
べての画素位置の記録を実行することが可能であり、第
1と第2の主走査群による記録が重畳的に実行される。
但し、実際には、第1の主走査群で記録されるドット
と、第2の主走査群で記録されるドットとが同じ画素位
置で重ね合わされる必要はなく、図10(c)、図10
(f)に示した4種類のドットのいずれかが各画素位置
に記録されることになる。こうすることによって、各色
のインクについて、サイズの異なる4種類のドットのい
ずれかを各画素位置に記録することができる。
【0078】図12は、第1実施例の第1の主走査群の
みを抽出して示す説明図である。この図から理解できる
ように、第1の主走査群のみで構成される記録方式は、
ノズルピッチkが4ドット、使用ノズル個数Nが9、副
走査送り量が15(1回)−3(7回)ドット、スキャ
ン繰り返し数Sが2のフルオーバーラップ方式である。
この第1の主走査では、すべてのラスタラインに関する
スキャン繰り返し数Sが2で同一なので、オーバーラッ
プ数(スキャン繰り返し数の平均値)も2である。第1
の主走査群の走査パラメータは、上述した条件c1‘〜
c3’を満足しているので、第1の主走査群によってす
べての画素位置を抜けや重複なく記録することができ
る。
【0079】図13は、第1実施例の第2の主走査群の
みを抽出して示す説明図である。第2の主走査群のみで
構成される記録方式は、ノズルピッチkが4ドット、使
用ノズル個数Nが9、副走査送り量が27−3−3−3
ドット、スキャン繰り返し数Sが1の非オーバーラップ
方式である。また、オーバーラップ数(スキャン繰り返
し数の平均値)は1である。第1の主走査群の走査パラ
メータも上述した条件c1‘〜c3’を満足しているの
で、第2の主走査群によってすべての画素位置を抜けや
重複なく記録することができる。なお、初回のみ副走査
送り量を12ドットとしているのは、第1主走査群と第
2主走査群とで、副走査方向の位置関係を調整するため
である。この位置関係の調整については後述する。
【0080】第1の共通駆動信号COMDRV1を使用
する第1の主走査群では、インク量が5plである小ドッ
トと、10plである中ドットと、20plである大ドット
の3種類のドットを形成することが可能である(図10
(c))。一方、第2の共通駆動信号COMDRV2を
使用する第2の主走査群では、インク量が40plである
極大ドットを形成することが可能である(図10
(f))。一般に、ドットのサイズが小さいほどドット
の位置ずれが目につき易く、その結果、バンディングが
目立ち易い傾向にある。従って、第1の主走査群で形成
されるドットは、第2の主走査群で形成される極大ドッ
トよりもバンディングが目立ち易くなる傾向にある。一
方、1ラスタライン上の記録を複数のノズルで行うと
(すなわち、スキャン繰り返し数Sを2以上の値にする
と)、個々のノズルによるドットの位置ずれが目立ち難
くなり、この結果、バンディングが目立ち難くなる傾向
がある。
【0081】そこで、本実施例では、バンディングが比
較的目立ち易い比較的小さなドットを形成する第1の主
走査群に関しては、スキャン繰り返し数Sを2に設定す
ることによって、比較的小さいドットの位置ずれに起因
するバンディングを目立ち難くしている。
【0082】なお、スキャン繰り返し数Sを大きくする
と、バンディングは目立ち難くなるが、印刷速度は低下
する。そこで、比較的バンディングが目立ち難い極大ド
ットを形成する第2の主走査群に関しては、スキャン繰
り返し数Sを1に設定することによって、印刷速度が過
度に低下することを防止している。
【0083】このように、第1実施例では、比較的小さ
なドットを形成する第1の主走査群ではスキャン繰り返
し数を2に設定してバンディングを抑制しつつ、比較的
大きなドットを形成する第2の主走査群ではスキャン繰
り返し数を1に設定して印刷速度の低下を防止してい
る。この結果、印刷速度を過度に低下させることなく、
画質を向上させることができるという利点がある。
【0084】図14と図15は、本発明の第2実施例の
記録方式を示す説明図である。このドット記録方式は、
図11に示した第1実施例のドット記録方式のパラメー
タの中で、ノズル数Nを9個から10個に増大させたも
のである。
【0085】この実施例では、第1実施例で使用してい
る9個のノズルに#10ノズルが追加されている。この
ため、第1実施例では#1で記録していたドットを、こ
の第2実施例では、#1ノズルと#10ノズルとで交互
に記録する。これは、いずれの主走査群においても同様
である。
【0086】このとき、第1と第2の主走査群のオーバ
ーラップ数は以下のように算出される。第2実施例で追
加された#10ノズルは#1ノズルと同じラスタライン
を記録するだけでなので、第2実施例の印刷速度は、第
1実施例と同じである。換言すれば、同じ回数の主走査
を行ったときに、第1実施例と第2実施例とは同じ本数
のラスタラインを記録する。
【0087】ところで、オーバーラップ数は、スキャン
繰り返し数の平均値である。従って、オーバーラップ数
は、一般に、任意の回数の主走査を行ったときの使用ノ
ズルの延べ個数(使用ノズル個数×主走査回数)を、そ
の回数の主走査で記録される正味のラスタライン本数で
割った値に等しい。例えば、図12で説明した第1実施
例の第1の主走査群の例では、2回の主走査を行うと、
延べ18個のノズルで正味9本のラスタラインを記録で
きる。従って、第1実施例の第1の主走査群に関するオ
ーバーラップ数は、2(=18/9)である。
【0088】一方、第2実施例の第1の主走査群では、
2回の主走査を行うと、延べ20個のノズルで第1実施
例と同じ正味9本のラスタラインを記録できる。従っ
て、第2実施例の第1の主走査群に関するオーバーラッ
プ数は、約2.2(=20/9)である。
【0089】同様に、第2実施例の第2の主走査群で
は、2回の主走査を行うと、延べ20個のノズルで正味
18本のラスタラインを記録できる。従って、第2実施
例の第2の主走査群に関するオーバーラップ数は、約
1.1(=20/18)である。
【0090】このように、本発明においても、オーバー
ラップ数は、整数だけでなく小数にすることもできるこ
とが分かる。なお、#1や#10のノズルのようにヘッ
ドの端にあるノズルは、ドット形成位置の誤差が大きい
ので、このようなノズルを追加的なオーバーラップに利
用するのがバンディングの抑制に効果が大きい。なお、
一般に、印刷ヘッドに装備されているノズル数のうち、
端部の2割程度以下のノズルに関してドット形成位置の
誤差が大きい傾向にある。このため、第1の主走査群の
オーバーラップ数としては、S+α(Sは2以上の整数
であり、αは0.2以下の小数)が好ましい。また、第
2の主走査群のオーバーラップ数としては、1+β(β
は0.2以下の小数)が好ましい。
【0091】図16は、本発明のドット記録方式におけ
るパスの設定方法を示すフローチャートである。この方
法は、各パスにおいて記録する画素位置と、それぞれの
副走査の送り量を定める。
【0092】ステップS101では、各主走査群毎にパ
スを設定する。この設定は、各主走査群毎に別個に行
う。たとえば、主走査群が二つある場合は、原則として
第1主走査群と第2主走査群とでは無関係に設定するこ
とになる。
【0093】ステップS102では、パスの周期を計算
する。この計算をするのは、設定すべきパスの数を求め
るためである。この計算は、各主走査群に属する1サイ
クルのパスで形成されるラスタラインの数の最小公倍数
として求めることができる。1サイクルのパスとは、図
6に示す1サイクルに含まれるパスを意味する。ラスタ
ラインの数の最小公倍数としているのは、この周期で、
各主走査群に属するパスのサイクルが一致するからであ
る。この結果、1周期に含まれるパスを設定すれば、そ
の繰り返しで記録できることになる。なお、周期の計算
方法の詳細は後述する。
【0094】ステップS103では、各主走査群に属す
るパスの初期位置の設定を行う。これは、各主走査群に
属するパスの副走査方向における位置関係を設定するた
めのものである。たとえば、図11に示すように第1実
施例のドット記録方式では、第2主走査群のパス1は、
第1主走査群のパス1の副走査方向の位置を基準とし
て、副走査方向に12ドットだけずれた位置に配置され
ている。これは、第1主走査群のパス1が、第1実施例
における記録方式全体では、パス5に相当するため、こ
のパス5の副走査送り方向の位置に調整したものであ
る。
【0095】ステップS104では、パスの並び替えを
行う。この並び替えは、たとえば、初期位置からの累積
された副走査送り量の小さい順に並べる。これにより、
副走査送りの逆転を防止して、副走査送り量の精度を向
上させることができる。また、副走査送り量が一定であ
る定則送りが、副走査送り量の精度の向上という観点か
らは、より好ましい。
【0096】このように、ドットの記録方式が複数の主
走査群から構成される場合も、容易にパスの設定ができ
ることが分かる。
【0097】図17と図18は、本発明の第4実施例の
ドット記録方式を示す説明図である。このドット記録方
式は、図14と図15に示した第2実施例のドット記録
方式のパラメータの中で、第2主走査群についてのみス
キャン繰り返し数Sと平均副走査送り量Lとを変更した
ものである。
【0098】本発明の記録方式におけるパスの周期は、
各主走査群のパスの周期の最小公倍数として求めること
ができる。この各主走査群の副走査周期は、図6に示す
1サイクルと同じものであり、ノズルピッチkとスキャ
ン繰り返し数Sとの積として求めることができる。第1
主走査群では、k=4、S=2なので、1サイクルは8
パスとなる。
【0099】第1主走査群に属するパスが1サイクルに
形成するラスタラインの数は以下のようにして求める。
使用ノズル数は10個であるが、#10ノズルは、追加
のオーバーラップのために使用されているものであり、
ラスタラインの増加には寄与しない。一方、スキャン繰
り返し数は2である。この結果、2回のパスで正味9本
のラスタラインを形成することになる。第1主走査群に
属するパスが1サイクルに形成するラスタラインの数
は、前述のように、1サイクルに8回のパスが含まれて
いるので、36本(=9×8÷2)となる。同様の計算
により、第2主走査群に属するパスが1サイクルに形成
するラスタラインの数は、40本(=10×4÷1)と
なる。
【0100】この第4実施例のドット記録方式の周期
は、各主走査群に属するパスが1サイクルに形成するラ
スタラインの数から求めることができる。第1主走査群
が1サイクルで形成するラスタラインは36本であり、
第2主走査群が1サイクルで形成するラスタラインは4
0本である。この結果、36本と40本の最小公倍数で
ある360本の周期で、すなわち、361番目以降のラ
スタは、1番目から360番目のラスタラインを形成し
たパスと同様のパスが繰り返されることにより記録され
る。1周期のパスの数は、第1主走査群に属する80本
(=8×360÷36)と、第2主走査群に属する36
本(=4×360÷40)との和である116本とな
る。このことは、パス117以降は、パス1〜116と
同様の主走査が繰り返されることを意味する。
【0101】第4実施例の1周期のパスの数を第2実施
例のものと比較する。第1主走査群については、この第
4実施例と第2実施例とでは同じなので、1サイクルに
80本のパスが含まれる。一方、第2主走査群について
は、この第4実施例と第2実施例とでは異なり、第2実
施例では#10ノズルを追加のオーバーラップのために
利用している。このため、第2実施例の第2主走査群に
属するパスは40本(=4×360÷36)となる。こ
の結果、第2実施例の1周期には、120本のパスが含
まれていることになるので、この第4実施例より4本だ
け多いことになる。
【0102】印刷速度は、形成するラスタラインの本数
が同一であれば、その形成に必要なパスの数に反比例す
る。このことより、第4実施例の印刷速度は、第2実施
例の120/116倍の印刷速度を有することになる。
ただし、第2実施例の第2主走査群では、#10のノズ
ルが追加のオーバーラップに使用されていないので、印
刷ヘッドの端部のノズルに起因するバンディングの抑制
の効果は得られない。
【0103】第4実施例におけるパスの設定は、たとえ
ば、第2主走査群のパスで形成するドットのみが画素に
比較して大きい場合に有効である。この場合、第2主走
査群のパスでは#10ノズルによる追加のオーバーラッ
プの必要性が小さいからである。
【0104】図20は、本発明の第5実施例のドット記
録方式を示す説明図である。このドット記録方式は、第
1主走査群の一部のパスの直後に副走査送りをすること
なく、第2主走査群の主走査を行う方式である。各主走
査群は別個独立に設定でき、また、各主走査の間に副走
査送りを必須としないので、このような設定も可能であ
る。この記録方式は、本発明のを送り精度の良い定則送
りで簡便に実現でき、また、副走査送りの回数を少なく
することができるという利点もある。
【0105】以上に説明したように、本発明では、主走
査を複数の主走査群に分割し、それぞれ別個に主走査を
設定することができるので、主走査の全体を一律に設定
する方法に比較して、印刷速度と印刷画像の調整をより
適正に行えるという効果がある。
【0106】F.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0107】F1.変形例1:上記各実施例では、印刷
媒体上の有効記録範囲のすべてのラスタラインを複数の
主走査群で記録していたが、複数の主走査群による記録
は、印刷媒体上の少なくとも一部の領域において行われ
ていればよい。すなわち、本発明では、一般に、印刷媒
体上の少なくとも一部の領域において連続して行われる
複数回の主走査を、複数種類の主走査群に分類すればよ
い。
【0108】F2.変形例2:上記実施例では、二つの
主走査群を用いているが、3つ以上の主走査群を用いて
も良い。ただし、主走査群の数が多いほど印刷速度は低
下するので、実用上は二つの主走査群で十分な場合が多
い。
【0109】F3.変形例3:上記実施例では、複数の
主走査群に関するオーバーラップ数が互いに異なる値に
設定されていたが、3つ以上の主走査群を用いる場合に
はいくつかの主走査群のオーバーラップ数が同一であっ
てもよい。すなわち、本発明では、複数種類の主走査群
のうちの少なくとも1つの主走査群に関するオーバーラ
ップ数が、他の主走査群のオーバーラップ数と異なる値
になるように各主走査群が構成されていればよい。
【0110】F4.変形例4:上記実施例では、複数種
類のドットを形成可能な第1の共通駆動信号COMDR
V1(図10(a)〜(c))は、1回の主走査では2
画素に1画素の割合で間欠的にドットを形成できるだけ
であった。しかし、第1の共通駆動信号COMDRV1
を用いたときも、1回の主走査でラスタライン上の各画
素位置にドットを形成できるようにしてもよい。これ
は、例えばキャリッジ速度(印刷ヘッドの移動速度)を
やや遅くすることによって実現することができる。但
し、第1実施例の第1の主走査群では、オーバーラップ
によってバンディングを目立たなくするために間欠的に
ドットを記録していくだけなので、キャリッジ速度を遅
くする利点は無い。
【0111】F5.変形例5:上記実施例では、第2の
共通駆動信号COMDRV2(図10(d)〜(f))
は、1種類のドット(極大ドット)を形成できるだけで
あったが、第2の共通駆動信号COMDRV2として、
2種類以上の複数種類のドットを形成可能な波形を用い
てもよい。
【0112】なお、本発明では、一般に、比較的小さな
サイズのドットを形成可能な第1の共通駆動信号COM
DRV1を用いる第1の主走査群は、比較的大きなサイ
ズのドットを形成可能な第2の共通駆動信号COMDR
V2を用いる第2の主走査群よりもスキャン繰り返し数
が大きいことが好ましい。この理由は、上記実施例でも
説明したように、より小さなサイズのドットはバンディ
ングが目立ちやすい傾向にあるので、スキャン繰り返し
数を多くすることによってバンディングを目立ち難くで
きるからである。このように、比較的小さなサイズのド
ットを形成可能な第1の共通駆動信号COMDRV1を
用いて比較的大きなスキャン繰り返し数で記録を実行す
る場合には、1回の主走査中に、ラスタライン上のq個
(qは2以上の整数)に1個の割合の画素位置にドット
を形成できるように信号COMDRV1の波形やキャリ
ッジ速度が設定されていればよい。一方、比較的大きな
サイズのドットを形成可能な第2の共通駆動信号COM
DRV2を用いて比較的小さなスキャン繰り返し数で記
録を実行する場合には、1回の主走査中に、ラスタライ
ン上の各画素位置にドットを形成できるように信号CO
MDRV2の波形やキャリッジ速度が設定されていれば
よい。このとき、第2の共通駆動信号COMDRV2を
用いて形成できるドットの種類は、第1の共通駆動信号
COMDRV1を用いて形成できるドットの種類よりも
少なくて良い。
【0113】この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ
印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドットで表
現することにより多階調を表現する印刷にも適用でき
る。また、ドラムプリンタにも適用できる。尚、ドラム
プリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッ
ジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、イ
ンクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のノズ
ル列を有する記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録
を行うドット記録装置に適用することができる。
【0114】上記実施例において、ハードウェアによっ
て実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換え
るようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現
されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるよう
にしてもよい。例えば、図1に示したプリンタドライバ
96の機能の一部または全部を、プリンタ20内の制御
回路40が実行するようにすることもできる。この場合
には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコン
ピュータ90の機能の一部または全部が、プリンタ20
の制御回路40によって実現される。
【0115】本発明の機能の一部または全部がソフトウ
ェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピ
ュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記
録媒体に格納された形で提供することができる。この発
明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」
とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携
帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコ
ンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコ
ンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を
示すブロック図。
【図2】プリンタの構成を示す説明図。
【図3】カラープリンタ20における制御回路40の構
成を示すブロック図。
【図4】印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示
す説明図。
【図5】通常のインターレース記録方式の基本的条件を
示すための説明図。
【図6】オーバーラップ記録方式の基本的条件を示すた
めの説明図。
【図7】ヘッド駆動回路52の主要な構成を示すブロッ
ク図。
【図8】印刷ヘッド駆動部214の動作を示すタイミン
グチャートを示す図。
【図9】本実施例で利用される第1と第2の共通駆動信
号波形を示すタイミングチャート。
【図10】本発明の第1実施例における駆動信号と形成
されるドットの関係を示す説明図。
【図11】本発明の第1実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【図12】本発明の第1実施例のドット記録方式(第1
主走査群)を示す説明図。
【図13】本発明の第1実施例のドット記録方式(第2
主走査群)を示す説明図。
【図14】本発明の第2実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【図15】本発明の第2実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【図16】本発明のドット記録方式におけるパスの設定
方法を示すフローチャート。
【図17】本発明の第4実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【図18】本発明の第4実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【図19】本発明の第4実施例のドット記録方式(第2
主走査群)を示す説明図。
【図20】本発明の第5実施例のドット記録方式を示す
説明図。
【符号の説明】
20…カラープリンタ 21…CRT 22…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印刷ヘッド 30…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置センサ 40…制御回路 41…CPU 44…RAM 50…I/F専用回路 52…ヘッド駆動回路 54…モータ駆動回路 55…スキャナ制御回路 56…コネクタ 60…印刷ヘッドユニット 80…スキャナ 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色変換モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…ラスタライザ 214…印刷ヘッド駆動部 220…原駆動信号発生部 222…マスク回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ
    前記印刷ヘッドからインクを吐出することによって印刷
    媒体上に印刷を行う印刷装置であって、 少なくとも1色分の同一のインクを吐出するために副走
    査方向に沿って配列された複数のノズルと、前記複数の
    ノズルからインクを吐出させるために前記複数のノズル
    にそれぞれ設けられた複数の駆動素子と、を有する印刷
    ヘッドと、 前記印刷ヘッドを主走査方向に移動させる主走査駆動機
    構と、 インクの吐出が行われない期間に前記印刷ヘッドを副走
    査方向に移動させる副走査駆動機構と、 1回の主走査毎に、互いに異なる波形を有するM種類
    (Mは2以上の整数)の原駆動信号の中から選択された
    1つの原駆動信号を生成する原駆動信号発生部と、 与えられた印刷データに応じて、前記原駆動信号発生部
    から供給された原駆動信号を整形することによって前記
    印刷ヘッドの各駆動素子に与えられる駆動信号を生成す
    るとともに、前記駆動信号に応じて各駆動素子を駆動す
    ることによって前記印刷ヘッドからインクを吐出させる
    ヘッド駆動部と、 印刷処理の制御を行う制御部と、を備え、 前記制御部は、(i)前記印刷媒体上の少なくとも一部
    の領域内において連続して行われる複数回の主走査を、
    前記M種類の原駆動信号のうちのそれぞれ1つを使用す
    るM種類の主走査群に分類するとともに、各主走査群が
    前記領域内のすべてのドット位置における記録を実行で
    きるように各主走査群を構成し、(ii)前記領域内で
    少なくとも1回使用されるノズルを動作ノズルと定義
    し、各主走査ライン上のすべてのドットの記録を完了す
    るために各主走査ライン上で行われる動作ノズルの主走
    査の延べ回数の平均をオーバーラップ数と定義すると
    き、前記M種類の主走査群のうちの少なくとも1つの主
    走査群に関するオーバーラップ数が他の主走査群のオー
    バーラップ数と異なる値になるように各主走査群におけ
    る主走査と副走査とを制御することを特徴とする印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記整数Mは2であり、 第1の原駆動信号を用いた1回の主走査では、主走査ラ
    イン上のS個(Sは2以上の整数)に1個の割合のドッ
    ト位置に、サイズの異なるm種類(mは2以上の整数)
    のいずれかのドットを形成可能であり、 第2の原駆動信号を用いた1回の主走査では、主走査ラ
    イン上のすべてのドット位置に、サイズの異なるn種類
    (nは1以上m未満の整数)のいずれかのドットを形成
    可能である、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記第1の原駆動信号を用いる主走査では、前記第2の
    原駆動信号で形成可能な最大サイズのドットよりも小さ
    な複数種類のドットを形成可能である、印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の印刷装置であ
    って、 前記第1の主走査群のオーバーラップ数はS+α(αは
    1未満の小数)であり、 前記第2の主走査群のオーバーラップ数は1+β(βは
    1未満の小数)である、印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の印刷装置であって、 前記小数α、βの値は、それぞれ0.2以下である、印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記M種類の主走査群の各主走査の合間に行われる副走
    査の送り量がマイナスにならないように前記M種類の主
    走査群の各主走査の実行順序が設定されている、印刷装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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