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JP2002203680A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

Info

Publication number
JP2002203680A
JP2002203680A JP2000398909A JP2000398909A JP2002203680A JP 2002203680 A JP2002203680 A JP 2002203680A JP 2000398909 A JP2000398909 A JP 2000398909A JP 2000398909 A JP2000398909 A JP 2000398909A JP 2002203680 A JP2002203680 A JP 2002203680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
derivatives
ion
carbon atoms
transition metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000398909A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Okada
久 岡田
Tatsuya Igarashi
達也 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000398909A priority Critical patent/JP2002203680A/ja
Publication of JP2002203680A publication Critical patent/JP2002203680A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光輝度、応答速度及び耐久性に優れたイオ
ン性遷移金属錯体含有発光素子を提供する。 【解決手段】 本発明の発光素子は一対の電極間に有機
化合物層を有する素子であり、該有機化合物層がイオン
性遷移金属錯体及び有機半導体を含有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気エネルギーを光
に変換して発光する発光素子に関し、特に表示素子、デ
ィスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録
光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリ
ア、光通信用デバイス等に好適に使用できる発光素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】今日、種々の発光素子に関する研究開発
が活発に行われている。中でも、イオン性遷移金属錯体
含有素子、例えばJ. Am. Chem. Soc., 122, 7426 (200
0)、J.Am. Chem. Soc., 121, 3525 (1999) 及び「電子
情報通信学会技術研究報告」, 140号, 75頁 (2000年)
に記載のルテニウム錯体含有素子は低電圧駆動が可能で
あるため、消費電力の低い発光デバイスとしての展開が
期待されている。しかしながら、このような従来の素子
は発光輝度が低い、応答速度が遅い、耐久性が悪い等の
問題点を有しており、改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
輝度、応答速度及び耐久性に優れたイオン性遷移金属錯
体含有発光素子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、イオン性遷移金属錯体からなる層
に有機半導体を添加することにより、高い発光輝度を示
し応答速度及び耐久性に優れた発光素子が得られること
を発見し、本発明に想到した。
【0005】即ち、本発明の発光素子は一対の電極間に
有機化合物層を有する素子であり、該有機化合物層がイ
オン性遷移金属錯体及び有機半導体を含有することを特
徴とする。本発明の発光素子は表示素子、ディスプレ
イ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露
光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通
信用デバイス等に好適に使用できる。
【0006】上記イオン性遷移金属錯体は特に好ましく
は燐光を発する。上記有機半導体はポリマー化合物であ
るのが好ましく、π共役ポリマー化合物又はπ共役構造
を部分構造に有する非共役ポリマー化合物であるのがよ
り好ましい。また、有機半導体の最低三重項エネルギー
準位はイオン性遷移金属錯体の最低三重項エネルギー準
位より大きいのが好ましい。
【0007】上記有機化合物層は、好ましくはイオン性
遷移金属錯体以外のイオン性化合物を含有する。該有機
化合物層はイオン性遷移金属錯体を50質量%以上含有す
るのが好ましい。有機化合物層は塗布法により製膜する
のが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の発光素子は一対の電極
(陽極及び陰極)間に有機化合物層を有し、該有機化合
物層はイオン性遷移金属錯体及び有機半導体を含有す
る。本発明で用いるイオン性遷移金属錯体は遷移金属錯
体イオン及び対イオンからなり、該遷移金属錯体イオン
は遷移金属イオン及び配位子を含む。
【0009】上記遷移金属イオンは特に限定されず、好
ましくはクロムイオン、モリブデンイオン、タングステ
ンイオン、レニウムイオン、ルテニウムイオン、オスミ
ウムイオン、コバルトイオン、ロジウムイオン、イリジ
ウムイオン、白金イオン、銅イオン、銀イオン又は金イ
オンであり、より好ましくはレニウムイオン、ルテニウ
ムイオン、イリジウムイオン又は白金イオンであり、特
に好ましくはルテニウムイオン、イリジウムイオン又は
白金イオンであり、最も好ましくはイリジウムイオンで
ある。イオン性遷移金属錯体はこのような遷移金属原子
を複数含んでいてもよく、即ち、いわゆる複核錯体であ
ってよい。この場合、複数の金属原子は同じでも異なっ
ていてもよい。
【0010】上記配位子は特に限定されず、G. Wilkins
onら著「Comprehensive Coordination Chemistry」, Pe
rgamon Press社(1987年)、H.Yersin著「Photochemist
ry and Photophysics of Coordination Compounds」, S
pringer-Verlag社(1987年)、山本明夫著「有機金属化
学−基礎と応用−」, 裳華房社(1982年)等に記載の配
位子が使用できる。中でも、ハロゲン配位子、含窒素ヘ
テロ環配位子(フェニルピリジン系配位子、ベンゾキノ
リン系配位子、キノリノール系配位子、ビピリジル系配
位子、ターピリジン系配位子、フェナントロリン系配位
子等)、ジケトン配位子(アセチルアセトン等)、カル
ボン酸配位子(酢酸配位子等)、リン配位子(トリフェ
ニルホスフィン系配位子、亜リン酸エステル系配位子
等)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、及びシ
アノ配位子が好ましい。イオン性遷移金属錯体は複数種
の配位子を含んでいてもよいが、好ましくは1又は2種
類の配位子を含む。
【0011】上記対イオンは特に限定されず、例えばア
ルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオ
ン等)、アルカリ土類金属イオン(カルシウムイオン、
マグネシウムイオン、バリウムイオン等)、ハロゲン化
物イオン(F-、Cl-、Br-、I-等)、パークロレートイオ
ン、PF6 -、ボレートイオン(BF4 -、テトラフェニルボレ
ートイオン等)、アンモニウムイオン(アンモニウムイ
オン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチル
アンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオ
ン、テトラデシルアンモニウムイオン、トリベンジルア
ンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイ
オン等)、スルホン酸イオン(ポリスチレンスルホン酸
イオン、トリフルオロメンタンスルホナートイオン、ト
ルエンスルホナートイオン、ドデシルベンゼンスルホナ
ートイオン等)、カルボン酸イオン(アセテートイオ
ン、トリフルオロアセテートイオン、安息香酸イオン、
アクリレートイオン等)等であってよく、好ましくはパ
ークロレートイオン、PF6 -又はBF4 -である。
【0012】本発明で用いるイオン性遷移金属錯体は好
ましくは15〜100、より好ましくは20〜70、特に好まし
くは30〜60の炭素原子を含む。また、イオン性遷移金属
錯体は低分子化合物であるのが好ましいが、オリゴマー
やポリマー化合物であってもよい。ポリマーである場
合、その質量平均分子量(ポリスチレン換算)は好まし
くは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、特
に好ましくは3000〜100000である。
【0013】本発明で用いるイオン性遷移金属錯体は発
光性化合物であるのが好ましく、発光効率の観点から燐
光発光性化合物であるのが特に好ましい。イオン性遷移
金属錯体は正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送層材
料、電子注入材料等として機能するものであってもよ
く、複数の機能を併せ持っていてもよい。以下、本発明
で使用するイオン性遷移金属錯体の具体例を示すが、そ
れらは本発明を限定するものではない。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】本発明で用いる有機半導体は、正孔又は電
子を輸送することができる化合物であれば特に限定され
ず、低分子化合物であってもポリマー化合物であっても
よい。このような有機半導体の例としては日本化学会編
「季刊 化学総説」, No.42(1983年)、同, No.35
(1998年)に記載の化合物等が挙げられる。有機半導体
はポリマー化合物であるのが好ましく、π共役ポリマー
化合物又はπ共役構造を部分構造に有する非共役ポリマ
ー化合物であるのがより好ましい。また、発光効率向上
の観点から、有機半導体の最低三重項エネルギー準位は
イオン性遷移金属錯体の最低三重項エネルギー準位より
大きいのが好ましい。
【0020】上記π共役ポリマー化合物は芳香族炭化水
素基、芳香族ヘテロ環基、アルケニレン基、アルキニレ
ン基等の繰り返し単位からなるのが好ましい。これらの
基はイミン構造を介して連結してもよい。π共役ポリマ
ー化合物はホモポリマーであってもコポリマーであって
もよく、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共
重合体等であってよい。π共役ポリマー化合物を構成す
る繰り返し単位の具体例を以下に示すが、それらは本発
明を限定するものではない。なお、下記構造式中のRx
それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基又は
芳香族へテロ環基を表す。Rxが脂肪族炭化水素基、アリ
ール基又は芳香族へテロ環基である場合は、他のRxと連
結して環を形成してもよい。
【0021】
【化6】
【0022】上記繰り返し単位は置換基を有してもよ
く、その例としては、アルキル基(好ましくは炭素数1
〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭
素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、t-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-
ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(好ましくは
炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ま
しくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル
基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基等)、アルキニル基
(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜
20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパ
ルギル基、3-ペンチニル基等)、アリール基(好ましく
は炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好
ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p-メ
チルフェニル基、ナフチル基等)、アミノ基(好ましく
は炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好
ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ
基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より
好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10
であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
2-エチルヘキシロキシ基等)、アリールオキシ基(好ま
しくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特
に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキ
シ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭
素数1〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル
基等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2
〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭
素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜
20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニ
ルオキシカルボニル基等)、アシルオキシ基(好ましく
は炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好
ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭
素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好まし
くは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベ
ンゾイルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜
20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキ
シカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニル
アミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭
素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例え
ばフェニルオキシカルボニルアミノ基等)、スルホニル
アミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭
素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミ
ノ基等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜3
0、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素
数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスル
ファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルス
ルファモイル基等)、カルバモイル基(好ましくは炭素
数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましく
は炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカ
ルバモイル基等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数
1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ
基等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、よ
り好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜
12であり、例えばフェニルチオ基等)、スルホニル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜
20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル
基、トシル基等)、スルフィニル基(好ましくは炭素数
1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベ
ンゼンスルフィニル基等)、ウレイド基(好ましくは炭
素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好まし
くは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウ
レイド基、フェニルウレイド基等)、リン酸アミド基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜
20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチ
ルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基等)、ヒド
ロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ
基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサ
ム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテ
ロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素
数1〜12であり、ヘテロ原子は窒素原子、酸素原子、硫
黄原子等であってよく、例えばイミダゾリル基、ピリジ
ル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル
基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミ
ダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、ア
ゼピニル基等)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、
より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3
〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニル
シリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は更に置
換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合、それ
らは同じでも異なっていてもよい。また、置換基同士が
連結して環を形成してもよい。
【0023】上記置換基の中でも、脂肪族炭化水素基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ
基及びヘテロ環基が好ましく、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基及び芳
香族ヘテロ環基がより好ましく、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基及び5
又は6員環状の芳香族ヘテロ環基が特に好ましく、極性
基で置換されたアルキル基及びアルコキシ基、並びにシ
アノ基が最も好ましい。
【0024】π共役ポリマー化合物は、好ましくはポリ
(p-フェニレン)類、ポリ(p-フェニレンビニレン)類、ポ
リフルオレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、
ポリピロール類又はポリピリジン類であり、より好まし
くはポリ(p-フェニレン)類、ポリ(p-フェニレンビニレ
ン)類、ポリフルオレン類又はポリチオフェン類であ
り、特に好ましくは極性基で置換されたポリ(p-フェニ
レン)類、ポリ(p-フェニレンビニレン)類、ポリフルオ
レン類又はポリチオフェン類である。本発明で使用でき
るπ共役ポリマー化合物の例を以下に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。なお、以下に示すπ
共役ポリマー化合物はその互変異性体であってもよく、
またp型又はn型のドーピングがなされていてもよい。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】上述したπ共役構造を部分構造に有する非
共役ポリマー化合物において、π共役構造は電荷輸送部
として機能し、ポリマー主鎖又は側鎖のいずれにあって
もよい。電荷輸送部は正孔輸送部であっても電子輸送部
であってもよく、その構造は特に限定されず、公知の低
分子又は高分子の正孔輸送材料や電子輸送材料と同様の
構造であってよい。
【0030】正孔輸送部の例としては、カルバゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリー
ルアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、ヘテロ芳香族第三級ア
ミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデ
ィン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化
合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系
共重合体、チオフェンオリゴマーやポリチオフェン等の
導電性高分子、有機シラン誘導体等から誘導される構造
が挙げられる。中でも、カルバゾール誘導体、ピラゾロ
ン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン
誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘
導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ヘテロ芳
香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香
族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポ
リシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導
体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー又はポ
リチオフェンから誘導される構造が好ましく、カルバゾ
ール誘導体、アリールアミン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、ヘテロ芳香族第三級アミン化合
物、スチリルアミン化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾー
ル)誘導体、チオフェンオリゴマー又はポリチオフェン
から誘導される構造がより好ましく、カルバゾール誘導
体、アリールアミン誘導体、ヘテロ芳香族第三級アミン
化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体又はチオフ
ェンオリゴマーから誘導される構造が特に好ましい。正
孔輸送部の具体例を以下に示すが、それらは本発明を限
定するものではない。なお、下記構造式中のRx1〜Rx7
それぞれ脂肪族炭化水素基、アリール基又は芳香族へテ
ロ環基を表す。Rx1〜R x7は互いに連結して環を形成して
もよい。
【0031】
【化11】
【0032】電子輸送部の例としては、芳香族アゾール
類(トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キ
ノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導
体、イミダゾピリジン誘導体、トリアジン誘導体、チア
ゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンズオキサジ
アゾール誘導体、ベンズチアジアゾール誘導体、ベンゾ
トリアゾール誘導体等)、フルオレノン誘導体、アント
ラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニル
キノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジ
イミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチ
リルピラジン誘導体、ナフタレンやペリレン等の芳香環
を有するテトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導
体、金属錯体(8-キノリノール誘導体の金属錯体、メタ
ルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾ
ールを配位子とする金属錯体等)、有機シラン誘導体
(シロール誘導体等)等から誘導される構造が挙げられ
る。中でも、芳香族アゾール類から誘導される構造が好
ましく、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、ベンズイミダゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリ
ミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、
フタラジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、トリアジ
ン誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンズオキサジアゾ
ール誘導体、ベンズチアジアゾール誘導体又はベンゾト
リアゾール誘導体から誘導される構造がより好ましく、
トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンズ
イミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、トリア
ジン誘導体又はチアジアゾール誘導体から誘導される構
造が特に好ましい。電子輸送部の具体例を以下に示す
が、それらは本発明を限定するものではない。なお、下
記構造式中のRxは水素原子、脂肪族炭化水素基、アリー
ル基又は芳香族へテロ環基を表す。Rxは連結して環を形
成してもよい。また、Ry1及びRy2はそれぞれ脂肪族炭化
水素基、アリール基又は芳香族へテロ環基を表す。
【0033】
【化12】
【0034】π共役構造を部分構造に有する非共役ポリ
マー化合物は置換基を有してもよい。該置換基の例とし
ては、上記π共役ポリマー化合物をなす繰り返し単位上
の置換基の例として挙げたものと同様のものが挙げら
れ、また好ましい置換基も同様である。本発明で使用で
きる非共役ポリマー化合物の例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下に示す
非共役ポリマー化合物はその互変異性体であってもよ
く、またp型又はn型のドーピングがなされていてもよ
い。
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】駆動電圧低下及び応答速度向上の観点か
ら、上記有機化合物層はイオン性遷移金属錯体以外のイ
オン性化合物を含有するのが好ましい。イオン性化合物
は有機化合物であっても無機化合物であってもよく、イ
オン性化合物を構成するカチオン種の例としては金属錯
体イオン、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナト
リウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セ
シウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(カルシウ
ムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン等)、
アンモニウムイオン(アンモニウムイオン、テトラメチ
ルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオ
ン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラデシルア
ンモニウムイオン、トリベンジルアンモニウムイオン、
トリメチルベンジルアンモニウムイオン等)、ホスホニ
ウムイオン等が挙げられ、アニオン種の例としてはハロ
ゲン化物イオン(F-、Cl-、Br-、I-等)、パークロレー
トイオン、PF6 -、ボレートイオン(テトラフェニルボレ
ートイオン、BF4 -等)、スルホン酸イオン(ポリスチレ
ンスルホン酸イオン、トリフルオロメンタンスルホナー
トイオン、トルエンスルホナートイオン等)、カルボン
酸イオン(アセテートイオン、トリフルオロアセテート
イオン、安息香酸イオン、アクリレートイオン等)等が
挙げられる。イオン性化合物はアルカリ金属イオンとス
ルホン酸イオンからなるのが好ましく、Li+CF3SO3 -であ
るのがより好ましい。
【0039】有機化合物層は、上記イオン性遷移金属錯
体及び有機半導体のみからなる層であってもよく、これ
らをポリエチレンオキサイド、ポリエチレンスルホン
酸、ポリカーボネート等のポリマーバインダーに分散し
た層であってもよい。この層は複数種のイオン性遷移金
属錯体及び有機半導体を含有してもよく、発光層、正孔
注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び/又は電子注入層
として機能してよい。
【0040】有機化合物層は、イオン性遷移金属錯体を
乾燥後の固形分として50質量%以上含有するのが好まし
く、80質量%以上含有するのがより好ましい。含有率が
50質量%未満であると、駆動電圧の上昇を招き好ましく
ない。また、該有機化合物層は有機半導体を乾燥後の固
形分として5〜50質量%含有するのが好ましく、5〜20
質量%含有するのがより好ましい。有機半導体の含有率
が5質量%未満であると、有機化合物層の膜質が弱くな
り素子の耐久性が低下する。一方、50質量%を超えると
駆動電圧が上昇する。
【0041】有機化合物層の形成方法は特に限定され
ず、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング
法、分子積層法、塗布法、インクジェット法、印刷法、
転写法等の方法が使用できる。中でも、製造工程の簡略
化、製造コストの低減、加工性や発光特性の改善等の観
点から、塗布法が好ましい。有機化合物層の膜厚は10nm
〜2μmとするのが好ましい。膜厚が10nm未満であると
短絡しやすくなったり、膜質が弱くなり素子の耐久性が
低下し、2μmを超えると駆動電圧が高くなるため好ま
しくない。
【0042】本発明の発光素子は上記有機化合物層に加
えて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、
電子輸送層、保護層等を有してよい。これらの各層は複
数の機能を併せ持っていてもよい。以下、各層について
詳述する。
【0043】(A)陽極 陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給
する機能を有し、陽極を形成する材料としては、金属、
合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物
等を用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上
の材料を用いる。具体例としては、導電性金属酸化物
(酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウ
ムスズ(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等)、金属
(金、銀、クロム、ニッケル等)、これら金属と導電性
金属酸化物との混合物又は積層物、無機導電性物質(ヨ
ウ化銅、硫化銅等)、有機導電性材料(ポリアニリン、
ポリチオフェン、ポリピロール等)及びこれとITOとの
積層物等が挙げられる。中でも導電性金属酸化物が好ま
しく、生産性、導電性、透明性等の観点からITOが特に
好ましい。
【0044】陽極の形成法は用いる材料に応じて適宜選
択すればよく、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパ
ッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲ
ル法等)、酸化インジウムスズ分散物の塗布等の方法を
用いることができる。陽極に洗浄等の処理を施すことに
より、発光素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高め
ることも可能である。例えばITOからなる陽極の場合、U
V-オゾン処理、プラズマ処理等が効果的である。陽極の
シート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好ましい。陽極
の膜厚は材料に応じて適宜選択可能であるが、通常10nm
〜5μmとするのが好ましく、50nm〜1μmとするのがよ
り好ましく、100〜500nmとするのが特に好ましい。
【0045】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アル
カリガラス、透明樹脂等からなる基板上に形成する。ガ
ラス基板の場合、ガラスからの溶出イオンを低減するた
めには無アルカリガラスを用いるのが好ましい。ソーダ
ライムガラス基板を用いる場合は、予めその表面にシリ
カ等のバリアコートを形成するのが好ましい。基板の厚
さは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はな
いが、ガラス基板の場合は通常0.2mm以上、好ましくは
0.7mm以上とする。
【0046】(B)陰極 陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給
するものである。陰極の材料としては、金属、合金、金
属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、これ
らの混合物等を用いることができ、発光層等の隣接する
層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮
して選択すればよい。具体例としては、アルカリ金属
(Li、Na、K等)及びそのフッ化物や酸化物、アルカリ
土類金属(Mg、Ca等)及びそのフッ化物や酸化物、金、
銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム及びカリウムを含む
合金及び混合金属、リチウム及びアルミニウムを含む合
金及び混合金属、マグネシウム及び銀を含む合金及び混
合金属、希土類金属(インジウム、イッテリビウム
等)、それらの混合物等が挙げられる。陰極は仕事関数
が4eV以下の材料からなるのが好ましく、アルミニウ
ム、リチウムとアルミニウムを含む合金又は混合金属、
或いはマグネシウムと銀を含む合金又は混合金属からな
るのがより好ましい。
【0047】陰極は、上記のような材料からなる単層構
造であっても、上記材料からなる層を含む積層構造であ
ってもよい。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、
アルミニウム/酸化リチウム等の積層構造が好ましい。
陰極は電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着
法、コーティング法等により形成することができる。蒸
着法の場合、材料を単独で蒸着することも、二種以上の
材料を同時に蒸着することもできる。合金電極を形成す
る場合は、複数の金属を同時蒸着して形成することが可
能であり、また予め調整した合金を蒸着させてもよい。
陰極のシート抵抗は数百Ω/□以下とするのが好まし
い。陰極の膜厚は材料に応じて適宜選択可能であるが、
通常10nm〜5μmとするのが好ましく、50nm〜1μmとす
るのがより好ましく、100nm〜1μmとするのが特に好ま
しい。
【0048】(C)正孔注入層及び正孔輸送層 正孔注入層及び正孔輸送層に用いる材料は、陽極から正
孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、及び陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。その具体例としては、カルバゾール
誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリ
ールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化
合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系
化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、
ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合
体、チオフェンオリゴマーやポリチオフェン等の導電性
高分子、有機シラン誘導体、カーボン等が挙げられる。
【0049】正孔注入層及び正孔輸送層は1種又は2種
以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同
一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であって
もよい。正孔注入層及び正孔輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解又は分
散させて塗布する方法(スピンコート法、キャスト法、
ディップコート法等)、インクジェット法、印刷法、転
写法等が用いられる。塗布法の場合、上記材料を樹脂成
分と共に溶解又は分散させて塗布液を調製してもよく、
該樹脂成分としては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブ
チルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポ
リフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N-ビニ
ルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノ
キシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、ポリ酢酸ビ
ニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂等が使用できる。正孔注入層及び正孔輸送層の
膜厚は特に限定されないが、通常1nm〜5μmとするの
が好ましく、5nm〜1μmとするのがより好ましく、10
〜500nmとするのが特に好ましい。
【0050】(D)発光層 発光素子に電界を印加すると、発光層において陽極、正
孔注入層又は正孔輸送層から注入された正孔と、陰極、
電子注入層又は電子輸送層から注入された電子とが再結
合し、光を発する。発光層をなす材料は、電界印加時に
陽極等から正孔を受け取る機能、陰極等から電子を受け
取る機能、電荷を移動させる機能、及び正孔と電子の再
結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成す
ることができるものであれば特に限定されない。発光層
の材料としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイ
ミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリル
ベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタ
ジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフ
タルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、
ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン
誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導
体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘
導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘
導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン化
合物、金属錯体(8-キノリノール誘導体の金属錯体、希
土類錯体、遷移金属錯体等)、高分子発光材料(ポリチ
オフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン
等)、有機シラン誘導体、カーボン膜等が使用できる。
【0051】発光層の形成方法は特に限定されず、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分子積
層法、塗布法(スピンコート法、キャスト法、ディップ
コート法等)、インクジェット法、印刷法、LB法、転写
法等が使用可能である。中でも、塗布法が好ましい。発
光層の膜厚は特に限定されず、通常1nm〜5μmとする
のが好ましく、5nm〜1μmとするのがより好ましく、1
0〜500nmとするのが特に好ましい。
【0052】(E)電子注入層及び電子輸送層 電子注入層及び電子輸送層をなす材料は、陰極から電子
を注入する機能、電子を輸送する機能、並びに陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。具体例としては、トリアゾール誘導
体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノ
ジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン
誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド
誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピ
ラジン誘導体、ナフタレンやペリレン等の芳香環を有す
るテトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、金
属錯体(8-キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタ
ロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを
配位子とする金属錯体等)、有機シラン誘導体等が挙げ
られる。
【0053】電子注入層及び電子輸送層は1種又は2種
以上の上記材料からなる単層構造であってもよいし、同
一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であって
もよい。電子注入層及び電子輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法、LB法、上記材料を溶媒中に溶解又は分
散させて塗布する方法(スピンコート法、キャスト法、
ディップコート法等)、インクジェット法、印刷法、転
写法等が用いられる。塗布する方法の場合、上記材料を
樹脂成分と共に溶解又は分散させて塗布液を調製しても
よい。該樹脂成分としては、前述した正孔注入層及び正
孔輸送層の場合と同様のものが使用できる。電子注入層
及び電子輸送層の膜厚は特に限定されず、通常1nm〜5
μmとするのが好ましく、5nm〜1μmとするのがより好
ましく、10〜500nmとするのが特に好ましい。
【0054】(F)保護層 保護層は水分、酸素等の素子劣化を促進するものが素子
内に入ることを抑止する機能を有する。保護層の材料と
しては、金属(In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni
等)、金属酸化物(MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、Ni
O、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等)、金属フッ化物
(MgF2、LiF、AlF3、CaF2等)、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポ
リウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロ
エチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少な
くとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重
合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有
する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、
吸水率0.1%以下の防湿性物質等が使用できる。
【0055】保護層の形成方法は特に限定されず、真空
蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、
MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム
法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波
励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レー
ザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、塗布法、イン
クジェット法、印刷法、転写法等が適用できる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0057】実施例1 40mgのイオン性遷移金属錯体(K-1)、30mgの有機半導
体(P-7)及び10mgのCF 3SO3Liを3mlの1,2-ジクロロエ
タンに溶解した溶液を、洗浄したITO基板上にスピンコ
ート(1000rpm、30sec)し、約25℃で1時間乾燥して膜
厚100nmの有機化合物層を形成した。得られた有機化合
物層上に発光面積が4mm×5mmとなるようにパターニン
グしたマスクを設置し、蒸着装置内でアルミニウムを蒸
着して膜厚200nmの陰極を形成し、実施例1の発光素子
を作成した。
【0058】得られた発光素子に、東陽テクニカ製「ソ
ースメジャーユニット2400型」を用いて直流定電圧を印
加して発光させ、その発光輝度をトプコン社製「輝度計
BM-8」を用いて測定し、発光波長を浜松フォトニクス社
製「スペクトルアナライザーPMA-11」を用いて測定し
た。その結果、橙色の発光が得られ、4Vの駆動電圧で
得られた最高輝度は7920cd/m2であった。また、電圧を
印加して輝度2000cd/m2に到達するまでの時間は2秒で
あり、初期輝度1000cd/m2で駆動させた場合の輝度半減
寿命は約12分であった。
【0059】比較例1 40mgのイオン性遷移金属錯体(K-1)を1mlのアセトニ
トリルに溶解した溶液を、洗浄したITO基板上にスピン
コートし、約25℃で1時間乾燥して膜厚100nmの有機化
合物層を得た。この有機化合物層上に発光面積が4mm×
5mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸
着装置内でアルミニウムを蒸着して膜厚200nmの陰極を
形成し、J. Am. Chem. Soc., 122, 7426 (2000) を参考
にして比較例1の発光素子を作成した。得られた発光素
子の発光輝度及び発光波長を実施例1と同様に測定した
結果、橙色の発光が得られ、4Vの駆動電圧で得られた
最高輝度は2000cd/m2であった。また、電圧を印加して
輝度2000cd/m2に到達するまでの時間は4秒であり、初
期輝度1000cd/m2で駆動させた場合の輝度半減寿命は約
1分であった。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の発光素子
は従来のイオン性遷移金属錯体含有素子に比べて高輝度
発光が可能であり、応答速度及び耐久性に優れている。
そのため、本発明の発光素子は表示素子、ディスプレ
イ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露
光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通
信用デバイス等に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 D

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に有機化合物層を有する発
    光素子において、前記有機化合物層がイオン性遷移金属
    錯体及び有機半導体を含有することを特徴とする発光素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発光素子において、前
    記イオン性遷移金属錯体が燐光を発することを特徴とす
    る発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発光素子におい
    て、前記有機半導体がポリマー化合物であることを特徴
    とする発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発光素子において、前
    記有機半導体がπ共役ポリマー化合物であることを特徴
    とする発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の発光素子において、前
    記有機半導体がπ共役構造を部分構造に有する非共役ポ
    リマー化合物であることを特徴とする発光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の発光素
    子において、前記有機半導体の最低三重項エネルギー準
    位が、前記イオン性遷移金属錯体の最低三重項エネルギ
    ー準位より大きいことを特徴とする発光素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の発光素
    子において、前記有機化合物層が前記イオン性遷移金属
    錯体以外のイオン性化合物を含有することを特徴とする
    発光素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の発光素
    子において、前記有機化合物層中に、前記イオン性遷移
    金属錯体を50質量%以上含有することを特徴とする発光
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の発光素
    子において、前記有機化合物層が塗布法により製膜した
    層であることを特徴とする発光素子。
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