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JP2002161109A - イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液からの有機溶媒除去方法及びペレット製造方法 - Google Patents

イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液からの有機溶媒除去方法及びペレット製造方法

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JP2002161109A
JP2002161109A JP2000311078A JP2000311078A JP2002161109A JP 2002161109 A JP2002161109 A JP 2002161109A JP 2000311078 A JP2000311078 A JP 2000311078A JP 2000311078 A JP2000311078 A JP 2000311078A JP 2002161109 A JP2002161109 A JP 2002161109A
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Japan
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isobutylene
block copolymer
resin solution
organic solvent
based block
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JP2000311078A
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JP4750255B2 (ja
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Naoki Furukawa
直樹 古川
Akihisa Hirota
明久 廣田
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Koichiro Obara
功一郎 小原
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Taizo Aoyama
泰三 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソブチレン系ブロック共重合体を含有する
樹脂溶液から有機溶媒を除去するに際し、樹脂の劣化、
装置内での樹脂の付着等を防止しつつ、残存揮発成分を
効率的に減少させて、ペレット状等の樹脂の製造を可能
にする溶媒除去方法を提供する。 【解決手段】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶
液を、二軸スクリュー部の温度が230℃以下、脱気口
圧力が0.0026MPa以上0.10MPa未満に調
節された二軸スクリュー部に加熱媒体が供給される二軸
押出機構を有する蒸発装置に供給する、あるいは、真空
度0.039MPa以下の減圧条件に調節されたフラッ
シュ蒸発タンクに供給する、又は、それらを組み合わせ
た蒸発装置に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソブチレンと芳
香族ビニル化合物を主成分として構成されるイソブチレ
ン系ブロック共重合体と有機溶媒を主成分としてなるイ
ソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液からの有機溶媒
除去方法及びペレット製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イソブチレン系ブロック共重合体と有機
溶媒からなる樹脂溶液から、有機溶媒を除去し揮発成分
の少ない樹脂を製造する方法としては、例えば該ブロッ
ク共重合体樹脂を溶解しない溶媒と接触させて再沈殿さ
せる方法が米国特許4946899号公報で提案されて
いるが、この方法では、樹脂に対して使用する有機溶媒
量が増大したり、樹脂と溶剤の分離が困難であるなどの
欠点がある。
【0003】また、スチームで溶剤をストリッピングし
て樹脂を得る方法も一般的に用いられているが、この方
法では樹脂中に水分を持ち込むことによって、脱水・乾
燥工程などの工程が複雑化したり、後工程での乾燥エネ
ルギー負荷が増大する、排水処理設備が必要である等の
欠点がある。
【0004】熱可塑性を示す重合体と有機溶媒からなる
樹脂溶液からの有機溶媒の除去方法については、例えば
スチレンアクリル共重合体と有機溶媒からなる樹脂溶液
からの効率的な脱溶媒方法として、特開平08−041
123号公報に、単軸の薄膜蒸発機を用いることによ
り、樹脂の熱的・機械的劣化を引き起こさずに残存溶剤
を1000ppm以下にする方法が提案されている。し
かしながら、この方法を本発明で用いるイソブチレン系
ブロック共重合体樹脂に適用すると、樹脂を溶融状態に
して溶媒を蒸発させるために、樹脂の熱的・機械的劣化
による着色などの問題が生じる。
【0005】また、特開平08−239420号公報で
は、メタクリレート系重合体を含む反応生成物から、フ
ラッシュ蒸発部を有する二軸押出機を用いて直接ペレッ
ト化する方法が開示されているが、この二軸押出機は元
来、脱溶剤機としての性能が付与されていないため、樹
脂の脱溶剤効率が悪く、設備化に対する経済性が劣るう
え、二軸スクリュー部は送り部と混練部とから構成さ
れ、濃縮が進行した樹脂は溶融状態で脱気操作を行うた
め、熱履歴による劣化が懸念される。
【0006】一方、熱可塑性を示す重合体と有機溶媒か
らなる樹脂溶液からの有機溶媒の除去方法として、多管
式熱交換器を用いて加熱し、アトマイザーやスプレーノ
ズルを介して減圧した脱揮槽にフラッシュして揮発成分
を除去する方法(以下フラッシュ蒸発と定義する)は、
例えば特公昭48−29797号に示されるように、一
般的に用いられている。この方法は、薄膜蒸発機や二軸
押出機に比べて蒸発装置の構造がシンプルであり、濃縮
操作としては効率的に実施できる方法である。
【0007】本発明で用いるイソブチレン系ブロック共
重合体は、樹脂の粘着性が高く、硬度が低いという特徴
を有する熱可塑性エラストマーである。そのため、従来
報告されているような前述した薄膜蒸発機や二軸押出機
においては、樹脂の缶壁での付着や、溶融下での熱履歴
による「焼け」による品質の低下などが問題になり、樹
脂の粘着性に起因したブロッキングの発生など、市販の
スチレン系エラストマーとして使用されるペレット状、
粉体状の形態を保持することが困難であった。また、従
来報告されているような前述したフラッシュ蒸発操作に
おいては、予め減圧されたフラッシュ蒸発タンク内にア
トマイザーやスプレーノズルを用いて直接蒸発操作を実
施した場合に、ノズル近傍での濃縮樹脂の付着により、
安定的に連続して蒸発操作を行うことが困難であった。
【0008】従って、イソブチレン系ブロック共重合体
樹脂の劣化及び装置内付着を抑制しつつ、効率的に揮発
成分を除去して残存溶剤量を減少でき、取り扱いが容易
なペレット状等の樹脂を製造可能な、操作性の良い脱気
方法の確立が望まれていた。また、効率的に濃縮操作を
実施できるフラッシュ蒸発操作においては、ノズル出口
での樹脂のスケーリングや詰まりを防止し、連続して安
定的に実施できる操作方法の確立が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イソ
ブチレン系ブロック共重合体を含有する樹脂溶液から有
機溶媒を除去するに際し、樹脂の劣化、装置内での樹脂
の付着等を防止しつつ、残存揮発成分を効率的に減少さ
せて、ペレット状等の樹脂の製造を可能にする溶媒除去
方法を提供することにある。また、本発明の目的は、イ
ソブチレン系ブロック共重合体を含有する樹脂溶液から
フラッシュ蒸発を利用して有機溶媒を除去するに際し、
ノズル部での樹脂付着を抑制し、安定して連続的な蒸発
操作を可能にする有機溶媒除去方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機溶媒
を含む樹脂溶液からイソブチレン系ブロック共重合体を
単離する方法について鋭意検討した結果、樹脂の劣化や
装置内付着を抑制しつつ、残存溶剤を効率的に減少させ
る蒸発方法を見出し本発明を完成した。
【0011】すなわち第一の本発明は、イソブチレン及
び芳香族ビニル化合物を重合してなるイソブチレン系ブ
ロック共重合体並びに有機溶媒を含んでなるイソブチレ
ン系ブロック共重合体樹脂溶液を、二軸スクリュー部に
加熱媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置に
導入し、上記二軸スクリュー部の温度を230℃以下、
上記蒸発装置の脱気口圧力を0.0026〜0.10M
Paとして上記有機溶媒を除去する、イソブチレン系ブ
ロック共重合体樹脂溶液からの有機溶媒除去方法であ
る。
【0012】また第一の本発明は、イソブチレン及び芳
香族ビニル化合物を重合してなるイソブチレン系ブロッ
ク共重合体並びに有機溶媒を含んでなるイソブチレン系
ブロック共重合体樹脂溶液を、二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置に導入
し、上記二軸スクリュー部の温度を230℃以下、上記
蒸発装置の脱気口圧力を0.0026MPa以上0.1
0MPa未満として上記有機溶媒を除去した後、上記蒸
発装置に連結された排出機からストランド状の樹脂とし
て排出し、これを切断してペレット化する、イソブチレ
ン系ブロック共重合体のペレット化方法でもある。
【0013】第二の本発明は、イソブチレン及び芳香族
ビニル化合物を重合してなるイソブチレン系ブロック共
重合体並びに有機溶媒を含んでなるイソブチレン系ブロ
ック共重合体樹脂溶液を100℃〜200℃に加熱し、
次いで0.10MPa以上に調節されたフラッシュ蒸発
タンクに上記樹脂溶液を供給し、その後、上記フラッシ
ュ蒸発タンクを真空度0.039MPa以下の減圧条件
にすることにより、上記有機溶媒をフラッシュ蒸発させ
る、イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液からの有
機溶媒除去方法である。以下に本発明を詳述する。
【0014】まず第一の本発明について説明する。本発
明におけるイソブチレン系ブロック共重合体とは、イソ
ブチレンと芳香族ビニル化合物をブロック共重合させて
得られたものであれば特に制限されない。しかしなが
ら、例えば、α−クロル−イソプロピルベンゼン等の一
官能成分、1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベ
ンゼン(p−ジクミルクロライドともいう)等の二官能
成分又は1,3,5−トリス(α−クロロイソプロピ
ル)ベンゼン等の三官能成分を開始剤兼連鎖移動剤と
し、BCl やTiCl などのルイス酸を触媒とし
てリビングカチオン重合を行うイニファー法(例えば米
国特許USP4276394号公報に開示されている方
法)を用いて、分子量が制御されたイソブチレンの重合
体を形成させ、引続き芳香族ビニル化合物を添加して共
重合させることで製造されうるイソブチレン系ブロック
共重合体に好適に適用できる。
【0015】イソブチレンと上記芳香族ビニル化合物と
の配合比としては特に限定されないが、イソブチレン:
上記芳香族ビニル化合物の比は、通常、例えば、95:
5〜40:60であることが好ましく、85:15〜5
0:50であることがより好ましい。
【0016】本発明において芳香族ビニル化合物とは、
カチオン重合が可能な芳香族単量体成分のことである。
芳香族ビニル化合物としては特に限定されない。このう
ち、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン及びインデンからなる群より選択されるものが好まし
く、コストの面から、スチレン、p−メチルスチレン及
びα−メチルスチレンからなる群より選択されるものが
より好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0017】上記イソブチレン系ブロック共重合体に
は、その他の共重合可能な単量体成分を、上記芳香族ビ
ルニ化合物/その他の単量体の比の値が60/40以
上、より好ましくは80/20以上共重合させてもよ
い。上記その他の単量体としては、例えば、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテ
ン、ノルボルネン等の脂肪族オレフィン系単量体、ブタ
ジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン等
のジエン系単量体類、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテ
ル、メチルプロペニルエーテル等のビニルエーテル類、
ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラ
ン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラ
ン、ジビニルジメトキシシラン等のシラン化合物等を挙
げることができる。
【0018】またイソブチレン系ブロック共重合体の数
平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物
性等の面から、30000〜500000であることが
好ましく、50000〜400000であることが特に
好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分
子量が上記範囲より低い場合には機械的な物性が十分に
発現されない傾向にあり、一方、上記範囲を超える場合
には流動性、加工性の面で不利となるおそれがある。
【0019】イソブチレン系ブロック共重合体の重合で
用いる反応溶媒は、上述したカチオン重合に適用できる
ものであれば良く、塩化メチル、塩化メチレン、1−ク
ロロブタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;及び、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族
炭化水素;から選ばれる単独又は混合溶媒を用いること
ができる。反応溶媒は、溶解度、誘電率、環境対策、コ
ストの観点から選定することができる。
【0020】重合時の溶媒の使用量は、重合後の樹脂と
溶媒の溶解度、反応熱除去の観点から決定すれば良い
が、通常、重合体の反応液中の濃度が1〜50重量%、
好ましくは5〜30重量%となる条件で使用量が決定さ
れる。
【0021】重合によって得られた反応液は、中和又は
水を用いる方法でルイス酸触媒を失活させ、引き続き水
洗や濾過・吸着処理などにより不純物を除去することに
より、イソブチレン系ブロック共重合体を含んでなるイ
ソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液を得ることがで
きる。
【0022】本発明でいうイソブチレン系ブロック共重
合体樹脂溶液は、イソブチレン系ブロック共重合体が有
機溶媒に溶解した溶液であれば特に限定されるものでは
ないが、重合後の反応液を処理することによって得られ
たものが好ましい。この場合には、イソブチレン系ブロ
ック共重合体を溶かし込んだ有機溶媒は、重合反応に用
いられた反応溶媒、及び、重合反応における未反応の残
存モノマーからなる。
【0023】このようなイソブチレン系ブロック共重合
体樹脂溶液から有機溶媒を除去するに際して、本発明で
使用する装置は、二軸押出機構を有する蒸発装置であっ
て、その二軸スクリュー部に加熱媒体が供給されるもの
を用いれば良く、工業的に実現可能な範囲で特に制限な
く種々の具体的方式を用いることができる。上記蒸発装
置は、二軸ベント押出機と異なり、二軸スクリュー部に
加熱媒体が供給されるため、構造が複雑でかつ複数の排
気設備が必要な二軸押出機に比べて、蒸発機構及び排気
設備が簡易であり、設備費は経済的に有利である。
【0024】たとえば、このような二軸スクリュー部に
加熱媒体を供給できる蒸発装置としては、セルフクリー
ニング性と脱気能力を兼ね備えた栗本鉄工所製のSCプ
ロセッサー、三菱重工業製SCRなどが挙げられるが特
に限定されるものではない。これらの装置は単独で用い
ても良いし、複数を組み合わせても良い。このような機
能を有する蒸発装置の軸径(D)に対する長さ(L)の
比(L/D)は特に限定されるものではないが、5〜2
0であることが好ましい。これらの蒸発装置の材質は、
ステンレスや鉄などを用いることもできるし、耐蝕材料
を用いることもできる。
【0025】上記二軸スクリュー部に供給される加熱媒
体としては一般に熱媒油やスチーム等の蒸気が適用でき
るが、二軸スクリュー部の加熱による応力変形などを考
慮すると熱媒油を用いるのが好ましい。熱媒油として
は、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、ジフェニー
ル系やジクロルベンゼン系、アルキルベンゼン系、アル
キルナフタレン系などが挙げられ、例えば新日鉄化学製
のサームエス300、サームエス600、サームエス7
00、サームエス800、サームエス900や総研化学
のSK−OILシリーズなどが好適に使用できる。
【0026】上記蒸発装置における二軸スクリュー部の
温度条件は、230℃以下であり、好ましくは210℃
以下であり、より好ましくは190℃以下である。23
0℃より高くなると、ポリマー主鎖の熱分解が生じ、樹
脂の品質を著しく低減させるためである。上記温度条件
としては、100℃以上が好ましく、150℃以上がよ
り好ましい。また、二軸スクリュー部だけではなく、ジ
ャケット部も同じ温度条件を満たすことが好ましい。
【0027】本発明で適用し得る圧力条件は、上記蒸発
装置の脱気口圧力が0.10MPa未満の減圧下であ
る。蒸発装置内部の圧力は、低くなるほど蒸発分離後の
樹脂中の残存溶媒量が低減できるため好ましい。しかし
ながら、樹脂溶液の溶媒含有率が高い場合に装置内圧力
を極端に低下させておくと、樹脂溶液からの溶媒蒸気が
供給口付近でフラッシュし、樹脂の発泡・飛沫により脱
気口へ溶媒蒸気と共に樹脂が同伴されたり、付着するた
め、樹脂溶液の供給条件と脱気後の樹脂中の残存溶媒量
の関係から、0.0026MPa以上0.10MPa未
満、好ましくは0.0066〜0.053MPaの条件
にて操作すれば良い。
【0028】本発明において、上記蒸発装置内における
樹脂の滞留時間は1〜30分であることが好ましい。3
0分を超えると温度条件によっては樹脂の熱的な劣化が
生じることがあるからである。
【0029】二軸押出機構を有する蒸発装置から排出さ
れる樹脂の形態は特に限定されるものではないが、樹脂
のハンドリングをよくする為にストランド状で排出され
るのが好ましい。また、上記蒸発装置に、排出機、好ま
しくは単軸又は2軸押出機能を有する排出機を連結する
ことにより、排出機出口からストランド状の樹脂を得る
こともできる。ストランド状に排出される樹脂は通常ペ
レットとして使用できるものであれば特に限定されるも
のではないが、内径1〜20mmの円柱状で排出するこ
とが好ましい。得られたストランドは、カッターなどを
用いて任意の長さの円柱状や球状/半球状のペレットに
切断して製品化するのが一般的である。カット方式とし
て上記のようにストランドをペレット化するストランド
カット方式の他、排出機出口直近でカットするホットカ
ット方式、アンダーウォーターカット方式があるが、カ
ット方式は特に限定されるものではない。また、蒸発装
置に粉砕機や破砕機などを併用することにより樹脂を粉
砕して粉体状として製品化することもできる。
【0030】樹脂溶液から脱気操作を行う際に酸化防止
剤を存在させることにより、ポリマーの熱分解による品
質劣化をより一層抑制することができる。これらの酸化
剤は、樹脂溶液の段階で溶解させておけば良い。上記酸
化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤としての機能を有する
ものであることが好ましい。このようなものとしては特
に限定されず、例えば、フェノール系酸化防止剤やアミ
ン系酸化防止剤等を挙げることができる。
【0031】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6
−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−メチル−6
−t−ブチルフェノール、2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブ
チリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリ
エチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6−ヒキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)
−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチ
レンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]等を挙げることができ
る。
【0032】アミン系酸化防止剤としては、例えば、フ
ェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、
N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェ
ニレンジアミン等を挙げることができる。これらの酸化
防止剤としてはフェノール系酸化防止剤が好適に使用で
きる。酸化防止剤の添加量は、イソブチレン系ブロック
共重合体100重量部に対して0.001〜10重量部
が好ましい。0.001重量部未満であると、酸化防止
剤の効果が低下し、10重量部を超えると、製品品質に
悪影響を及ぼす場合がある。
【0033】次に、例として図面を参照しつつ本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定され
るものではない。図1〜図5は本発明で用いうる装置の
概略フローシートである。まず図1であるが、原料タン
ク1内のイソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液は、
供給ポンプ2より所定流量で、二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置3に供
給される。蒸発装置3は、予めジャケット部及び二軸ス
クリュー部が所望の温度まで加熱されており、装置内圧
力も真空ポンプ9にて調整される。注入されたイソブチ
レン系ブロック共重合体樹脂溶液は、蒸発しながら、ス
クリューによって移送される。蒸発装置出口より排出さ
れた樹脂は蒸発装置に連結された排出機4によってスト
ランド状に排出され、冷却槽5を通してカッター6でペ
レット状に成形される。脱気口は複数あってもよい。排
出装置は一組で使用される。
【0034】図2〜図5は、イソブチレン系ブロック共
重合体樹脂溶液の溶媒量を予め調整するために、更に予
備濃縮設備を装備した場合である。図2は、攪拌機を有
する脱気槽(以下、単に攪拌槽ともいう)12で真空ポ
ンプ又はエジェクターにてバッチ蒸発させる場合であ
り、図3は攪拌槽12でフラッシュ蒸発させる場合であ
り、図4は薄膜蒸発機17により蒸発させる場合であ
り、図5は蒸発装置3に樹脂溶液が注入される前にフラ
ッシュ蒸発タンク18でフラッシュ蒸発させる場合であ
る。
【0035】通常の二軸押出機の場合は二軸スクリュー
部には加熱媒体が供給されず、バレル温度を制御してベ
ント部において蒸発・濃縮させ、送り部と混練部とから
スクリューが構成されている。濃縮が進行すれば樹脂は
混練部にて溶融状態で脱気されながらダイまで送られ、
押し出されてペレット化される。従って、この場合、樹
脂が溶融状態で滞留する時間が長くなるので、樹脂が劣
化する。また、薄膜蒸発機のみを使用した場合も同様に
溶融状態で蒸発操作を実施することになり、従って、こ
の場合も樹脂の熱的劣化(着色)が生じる。これに対し
て本発明の方法は、二軸スクリュー部に加熱媒体を供給
することから、蒸発効率が高く、比較的低温、例えば、
180〜230℃での蒸発操作が可能であること、蒸発
装置内では溶融状態に達しない状態での蒸発操作が可能
であること、等により、樹脂の熱的劣化を抑制すること
ができる。
【0036】上記蒸発装置に供給する樹脂溶液中の有機
溶媒含有量は75重量%以下であることが好ましく、よ
り好ましくは60重量%以下である。このような条件を
満たすには、図2〜図5で示したように、上記蒸発装置
に供給する以前に、 1)攪拌機を有する脱気槽で脱揮するか、 2)減圧した脱気槽で連続的に脱揮するか若しくは樹脂
溶液を加熱してフラッシュ蒸発タンクでフラッシュ蒸発
させるか、又は 3)流下型や付属のワイパーなどで強制的に薄膜化させ
て蒸発させる薄膜蒸発機等の蒸発設備を用いて、樹脂溶
液を予備濃縮することにより、その量を調整することが
できる。
【0037】上記の中でも、蒸発の進行とともに粘着性
の増大、流動性の悪化が顕著に現れるイソブチレン系ブ
ロック共重合体においては、特に、フラッシュ蒸発を行
うことが有利である。具体的にこの予備濃縮としてのフ
ラッシュ蒸発は、イソブチレン系ブロック共重合体樹脂
溶液を100℃〜200℃に加熱し、次いで0.10M
Pa以上に調節されたフラッシュ蒸発タンクに上記樹脂
溶液を供給し、その後、上記フラッシュ蒸発タンクを真
空度0.0026MPa以上0.10MPa未満の減圧
条件にすることにより行うことが好ましい。フラッシュ
蒸発により濃縮された樹脂溶液は、ポンプ、スクリュー
型排出機等を連結して二軸押出機構を有する蒸発装置に
送ってもよいし、フラッシュ蒸発タンク下部に当該蒸発
装置を直接連結してもよい。フラッシュ蒸発の具体的な
実施態様は後述するものと同様である。ただし、真空ポ
ンプは樹脂溶液処理量に対し、フラッシュ蒸発タンク内
の真空度を0.0026〜0.10MPaに保持できる
排気能力を備えたものであれば良い。
【0038】次に第二の本発明について説明する。イソ
ブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液に関しては第一の
本発明と同様である。図面を引用しつつ第二の本発明を
説明するが第二の本発明はこれら図面に限定されるもの
ではない。第二の本発明では例えば図8に示すような蒸
発装置を使用するのが好ましい。図8の蒸発装置は、原
料タンク1、供給ポンプ2、樹脂溶液加熱装置21、フ
ラッシュ蒸発タンク18、フラッシュノズル22、真空
ポンプ14、コンデンサー13、回収溶媒受槽15から
構成される。
【0039】樹脂溶液加熱装置21は、重合体を希望の
温度まで昇温できる機能を有していれば特に制限はな
く、プレート式又は多管式の熱交換器類等種々の形式の
ものを使用することができる。また、原料タンク1にジ
ャケットやコイルを設置し加熱することもできる。ま
た、加熱媒体も特に制約はなく、スチーム、熱媒油等を
用いることができる。このような加熱装置を用いること
により樹脂溶液を100〜200℃に加熱する。100
℃未満では溶媒の蒸発に必要な熱量が不足し、その結果
蒸発効率の低下を招く傾向がある。また、200℃を超
えると樹脂の熱劣化が発生する可能性がある。好ましく
は120〜180℃である。
【0040】加熱された樹脂溶液は、フラッシュノズル
22を介してフラッシュ蒸発タンク18に送られる。樹
脂溶液を送液するにあたっては供給ポンプ2を使用する
他に、圧送を用いることができる。圧送の場合は窒素等
の不活性ガス又は樹脂溶液中に含まれる溶媒の蒸気圧い
ずれを利用してもかまわない。
【0041】加熱された樹脂溶液を減圧条件下のフラッ
シュ蒸発タンクに供給した場合、フラッシュノズル内で
の蒸発が発生し、濃縮された樹脂が析出した結果ノズル
詰まりを発生することがよくある。このためフラッシュ
ノズル内では蒸発が発生しない常圧系又は加圧系になっ
ている必要がある。
【0042】このような条件を実現するには、樹脂溶液
の供給開始時はフラッシュ蒸発タンク内を0.10MP
a以上の条件下に調整する。このような条件下では配管
内での樹脂の析出が発生することなく蒸発操作が開始さ
れる。逆に0.10MPa未満であると樹脂溶液の供給
が安定するまでに蒸発が開始され、特にノズル内部が樹
脂溶液で満たされる以前に蒸発が開始すると、その結果
としてノズル内部で樹脂が析出し、ノズル部の詰まりを
引き起こす。
【0043】樹脂溶液の供給が安定し、樹脂溶液の吐出
圧力が安定すれば、フラッシュ蒸発タンクを真空度0.
039MPa以下、好ましくは0.026MPa以下の
減圧条件下に操作し、蒸発を開始する。真空度0.03
9MPa以下でないと、十分に有機溶媒が蒸発しない。
【0044】樹脂溶液の吐出圧力は0.01〜1MPa
の範囲で安定するのが好ましい。吐出圧力が0.01M
Pa未満であるとノズル内部まで蒸発が進行した結果、
ノズルの詰まりが発生しやすくなる傾向があり、逆に1
MPaを超えると樹脂溶液の吐出速度が大きすぎ、フラ
ッシュ蒸発タンク内での液の飛散、跳ね返りによりタン
ク壁に樹脂溶液が付着しやすくなる。タンク壁に付着し
た樹脂溶液は蒸発が進行し、タンク壁で残留してしまう
ため回収率が低下する。より好ましくは0.1〜1MP
aである。
【0045】また、安定して吐出圧力を保持するため
に、樹脂溶液をフラッシュ蒸発タンクに供給するための
ノズル又は配管は、直径0.5〜10mmの孔径を有す
るものが好ましい。0.5mm未満であると上記吐出圧
力範囲内であってもノズル又は配管の詰まりが発生しや
すい傾向があり、10mmを超えると上記吐出圧力範囲
内であっても樹脂溶液の吐出速度が大きく、上述したフ
ラッシュ蒸発タンク壁面への樹脂溶液付着の問題が発生
しやすい傾向がある。配管先端部の形状は特に制限はな
く、一般のテーパー状に絞ったもの又は単なる直管であ
っても構わない。
【0046】使用する材質は鋼鉄、ステンレスいずれで
も構わないが、これ以外のものであっても、使用する温
度、圧力、耐溶媒性を考慮して適宜選択可能である。な
お、金属を用いる場合は配管内部及び先端付近にテフロ
ンコーティングを施すことにより、ノズルへの樹脂の付
着を更に低減し、安定した蒸発が可能となる。
【0047】フラッシュ蒸発タンクは使用温度、圧力に
適合するものであれば、形状等は自由に選択可能であ
る。ただ、フラッシュ蒸発タンクの内径Dは処理量によ
って制約があり、通常、フラッシュ蒸発タンクの単位時
間、単位断面積あたりの溶媒蒸発量が500kg/m
/h以下となるように設計する必要がある。これより大
きな蒸発量の範囲で蒸発操作を行うと、ポリマーの飛沫
同伴現象が発生しやすくなるからである。また、飛沫同
伴を抑制する意味で真空ポンプ14、コンデンサー13
より構成される溶媒回収ラインの取り口は、フラッシュ
蒸発タンクの上部に設置することが好ましい。
【0048】また、フラッシュ蒸発タンク内部で溶媒蒸
気が結露してしまうと、蒸発後の共重合体に含浸される
等の現象が起こり、蒸発効率の低下を招く恐れがある。
このためフラッシュ蒸発タンク自体は溶媒蒸気の結露を
防止できる程度に保温しておくことが好ましい。
【0049】真空ポンプ14は樹脂溶液処理量に対し、
フラッシュ蒸発タンク内を0.039MPa以下に保持
できる排気能力を備えたものであれば制約なしに使用す
ることができる。これはフラッシュ蒸発における溶媒蒸
発量が樹脂溶液供給量、供給温度及びフラッシュ蒸発タ
ンク内圧により決定されるからである。第二の本発明の
フラッシュ蒸発においては、イソブチレン系ブロック共
重合体樹脂溶液中に含まれる有機溶媒の80重量%以上
を蒸発分離することが可能である。
【0050】本発明のフラッシュ蒸発自体は、イソブチ
レン系ブロック共重合体以外の樹脂にも適用可能なもの
であるが、蒸発の進行とともに粘着性の増大、流動性の
悪化が顕著に現れるイソブチレン系ブロック共重合体に
おいては、従来の薄膜蒸発機や自己更新性を有する蒸発
方式では機器の大型化が実生産上の大きな課題となるた
め、フラッシュ蒸発方式は非常に有利な蒸発方式であ
る。この場合、フラッシュ蒸発単独で蒸発操作を行って
もよいし、従来の蒸発装置と組み合わせてもよい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら
限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜
変更実施可能である。なお、実施例に先立ち、本発明で
用いた分析測定方法について以下に説明する。
【0052】(ブロック共重合体の分子量測定) 使用機器:Waters 510型GPCシステム 検出器:Waters 486型 UV波長:254nm カラム:昭和電工(株)社製Shodex K−804
(ポリスチレンゲル) 移動相:クロロホルム カラム温度:35℃ 流速:1.0ml/分 インジェクション量:10μl 数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。溶出時間
12〜19分で分子量を測定した。
【0053】(樹脂又は樹脂溶液中の有機溶媒含量の測
定) 使用機器:島津製作所ガスクロマトグラフィーGC−1
7A 分離カラム:キャピラリーカラムSUPELCOWAX
−10 分離条件:初期温度40℃、2分間保持 昇温速度15℃/min(160℃)、30℃/min
(200℃) 最終温度200℃、3分間保持 インジェクション温度260℃ ディテクター温度260℃ 試料調整:樹脂約1g、希釈溶剤トルエン約10g、標
準試料デカン約0.01g
【0054】(イソブチレン系ブロック共重合体中のス
チレン単位含量の測定)スチレン単位含量の測定は精密
アッベ屈折計(ATAGO社製Cat.No.123
0)を用いて、イソブチレン系ブロック共重合体を30
mm×10mm×1mm径にプレス成形したシートを用
いて屈折率(nD)を測定し、以下の式に従って算出し
た。 スチレン含量=11.905×(nD−1.508) (ノズル部での樹脂付着性及び安定性評価) 蒸発中にノズル先端部からの樹脂溶液の流出状態を観察
した。蒸発終了後、フラッシュ蒸発タンク壁に対する樹
脂の付着状態を観察した。
【0055】(製造例1)攪拌機付き200L反応容器
に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥し
たもの)61.1kg、メチルシクロヘキサン(モレキ
ュラーシーブスで乾燥したもの)51.0kg、p−ジ
クミルクロライド25.3gを加えた。反応容器を−7
0℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジ
ン)20.5g、イソブチレン6.8kgを添加した。
さらに四塩化チタン1.5kgを加えて重合を開始し、
−70℃で溶液を攪拌しながら3時間反応させた。次い
で反応溶液にスチレン4.12kgを添加し、さらに4
時間反応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて反
応を停止させた。さらに水相中の電気伝導度が50μS
以下となるまで水洗を繰り返し行った後、水相が中性に
なっているのを確認してから有機相を攪拌機付き180
L槽にて、ジャケット温度を90〜110℃まで加熱
し、予備濃縮した。その後、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]を重合体100重量部に
対して0.5重量部となるように添加溶解させた。
【0056】(製造例2)攪拌機付き200L反応容器
に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥し
たもの)61.2kg、n−ヘキサン(モレキュラーシ
ーブスで乾燥したもの)31.6kg、p−ジクミルク
ロライド64.7gを加えた。反応容器を−70℃に冷
却した後、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)
122g、イソブチレン16.1kgを添加した。さら
に四塩化チタン1.5kgを加えて重合を開始し、−7
0℃で溶液を攪拌しながら90分反応させた。次いで反
応溶液にスチレン7.8kgを添加し、さらに45分反
応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて反応を停
止させた。さらに水相中の電気伝導度が50μS以下と
なるまで水洗を繰り返し行った後、水相が中性になって
いるのを確認してから有機相を攪拌機付き180L槽に
て、ジャケット温度を90〜110℃まで加熱し、予備
濃縮した。その後、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]を重合体100重量部に対して
0.5重量部となるように添加溶解させた。
【0057】(製造例3)攪拌機付き200L反応容器
に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥し
たもの)69.4kg、n−ヘキサン(モレキュラーシ
ーブスで乾燥したもの)36.5kg、p−ジクミルク
ロライド65.3gを加えた。反応容器を−70℃に冷
却した後、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)
49.2g、イソブチレン12.8kgを添加した。さ
らに四塩化チタン1.5kgを加えて重合を開始し、−
70℃で溶液を攪拌しながら90分反応させた。次いで
反応溶液にスチレン5.5kgを添加し、さらに45分
反応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて反応を
停止させた。さらに水相中の電気伝導度が50μS以下
となるまで水洗を繰り返し行った後、水相が中性になっ
ているのを確認してから有機相を攪拌機付き180L槽
にて、ジャケット温度を90〜110℃まで加熱し、予
備濃縮した。その後、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]を重合体100重量部に対して
0.5重量部となるように添加溶解させた。
【0058】(製造例4)重合反応後、加熱による予備
濃縮を行わなかった以外は、製造例3と同様とした。 (製造例5)製造例4と同様とした。
【0059】(製造例6)攪拌機付き200L反応容器
に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥し
たもの)53.2kg、メチルシクロヘキサン(モレキ
ュラーシーブスで乾燥したもの)44.4kg、クミル
クロライド96.0gを加えた。反応容器を−70℃に
冷却した後、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミ
ド)54.1g、イソブチレン20.7kgを添加し
た。さらに四塩化チタン2.0kgを加えて重合を開始
し、−70℃で溶液を攪拌しながら90分反応させた。
次いで反応溶液にスチレン4.2kgを添加し、さらに
45分反応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて
反応を停止させた。さらに水相中の電気伝導度が50μ
S以下となるまで水洗を繰り返し行った後、水相が中性
になっているのを確認してから有機相を攪拌機付き18
0L槽にて、ジャケット温度を90〜110℃まで加熱
し、予備濃縮した。その後、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]を重合体100重量部に
対して0.5重量部となるように添加溶解させた。
【0060】(製造例7)重合反応後、加熱による予備
濃縮を行わなかった以外は、製造例6と同様とした。製
造例1〜7で得られた樹脂溶液の組成分析結果を表1〜
2にまとめる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】(実施例1)実施例1に用いた装置図を図
1に示す。蒸発装置は栗本鉄工所製SCP100(L/
D=9)を用いた。蒸発装置3のジャケット部及び二軸
スクリュー部の温度を180℃に、真空度を0.020
MPaにして、製造例1で得られた樹脂溶液をポンプ2
より24kg/hで蒸発装置3に供給した。また、蒸発
装置3に連結された排出機(2軸押出機:L/D=9、
スクリュー径30mm、ダイ口径5mm、ダイ口数3
個)の温度を180℃に設定して、連続的に樹脂をスト
ランドとして排出させた。ストランドは、水浴により冷
却した後に、カッターにてペレットとして成形した。樹
脂中の残存溶媒量、着色状況は表3のとおりであった。
【0064】
【表3】
【0065】(比較例1)比較例1に用いた装置図を図
6に示す。蒸発装置は池貝製PCM46(L/D=3
5、スクリュー径46mm、ダイ口径5mm、ダイ口数
3個)を用いた。二軸押出機19のリアベント20近傍
のバレル温度を160℃とし、ベント27、28前後の
バレル温度を200℃として、リアベントの真空度を
0.039MPa、ベント27、28の真空度を0.0
013MPaにして、製造例1で得られた樹脂溶液をポ
ンプ2より24kg/hで二軸押出機19に供給した。
連続的に樹脂をストランドとして排出させた。ストラン
ドは、水浴により冷却した後に、カッターにてペレット
として成形した。樹脂中の残存溶媒量、着色状況は表3
のとおりであった。
【0066】(比較例2)比較例2に用いた装置図を図
7に示す。蒸発装置は神鋼パンテック社製エクセバ
(0.2m)を用いた。蒸発機のジャケット温度を2
00℃、真空度を0.0039MPaとし、10kg/
hで、製造例1で得られた樹脂溶液を供給した。蒸発後
の樹脂は、単軸の排出機(10φ)より排出させた。ス
トランドをカッターにてペレット化した。
【0067】(比較例3)蒸発装置3の温度を240℃
にする以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られ
た結果を表1に併記する。これより、蒸発時の樹脂温度
が高い場合には、樹脂の着色が観察され、樹脂の品質が
損なわれる要因になる可能性が高い。
【0068】(実施例2)蒸発装置3への供給条件を1
5kg/h、真空度を0.013MPaとする以外は実
施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表3に併
記する。 (実施例3)蒸発装置3のジャケット部及び二軸スクリ
ュー部の温度を190℃とする以外は実施例2と同様の
操作を行った。得られた結果を表3に併記する。
【0069】(実施例4)排出機のダイを取り外し、排
出機先端に受槽を設置することにより排出機内で切断さ
れた樹脂を粉体状で取出す以外は実施例1と同様の操作
を行った。得られた結果を表3に併記する。 (実施例5)製造例2で得られた樹脂溶液を図1に示す
蒸発装置に供給した。蒸発装置3への供給条件を27k
g/h、真空度を0.011MPaとする以外は実施例
1と同様の操作を行った。得られた結果を表3に併記す
る。
【0070】(実施例6)製造例3で得られた樹脂溶液
を図1に示す蒸発装置に供給した。蒸発装置3への供給
条件を29kg/h、真空度を0.0053MPaとす
る以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた結果
を表3に併記する。 (実施例7)製造例6で得られた樹脂溶液を図1に示す
蒸発装置に供給した。蒸発装置3への供給条件を31k
g/h、真空度を0.0053MPaとし、排出機のダ
イを取り外し、排出機先端に受槽を設置することにより
排出機内で切断された樹脂をクラム状で取出す以外は実
施例1と同様の操作を行った。得られた結果を表3に併
記する。
【0071】(実施例8)製造例4で得られた樹脂溶液
を、フラッシュ蒸発タンクにおいて予備濃縮を行った後
に蒸発装置に供給した。装置図を図5に示す。フラッシ
ュ蒸発タンクに装着した内径2mmのテフロンコーティ
ングを施したステンレス管(3ヶ)を介して吐出圧力
0.3MPaで、125℃に加熱した樹脂溶液を34k
g/hで供給した。フラッシュ蒸発タンクの真空度は
0.025MPaに調節した。蒸発装置の操作条件とし
ては、真空度を0.016MPaに調節した以外は実施
例1と同様の操作を行った。得られた結果を表3に併記
する。なお、溶媒蒸発率は(供給した樹脂溶液中の有機
溶媒重量−蒸発操作終了後に得られた樹脂又は樹脂溶液
中に残存している有機溶媒重量)/(供給した樹脂溶液
中の有機溶媒重量)x100で算出した。溶媒蒸発率は
99.997重量%であった。
【0072】(実施例9)樹脂溶液の供給量を60kg
/hとする以外は実施例8と同様の操作を行った。得ら
れた結果を表3に併記する。溶媒蒸発率は99.99重
量%であった。 (実施例10)樹脂溶液の供給量を129kg/hとす
る以外は実施例8と同様の操作を行った。得られた結果
を表3に併記する。溶媒蒸発率は99.97重量%であ
った。また、本発明方法の処理能力に対する設備コスト
に関しては、表4に比較表を示した。ここで、処理能力
は本実施例及び比較例で示した蒸発装置を用いた場合の
有機溶媒除去後の樹脂の排出量(kg/h)を示す。ま
た、単価は、本設備の本体費単価を実施例1に示した設
備単価を100とした場合の、比較例1及び2に用いた
設備単価の相対値を示す。また、単価/処理能力は、実
施例1の最大能力を用いて算出した値を100とした場
合の、比較例1及び2の相対値を示す。
【0073】
【表4】
【0074】(実施例11〜12)製造例2で得られた
樹脂溶液を、図9に示す蒸発設備を用いてフラッシュ蒸
発を行う。樹脂溶液をジャケット付15L耐圧容器に約
5L仕込み、熱媒オイルをジャケットに循環して昇温を
行った。樹脂溶液温度が155℃(実施例11)、14
7℃(実施例12)で一定になった後、窒素ガスにて耐
圧容器内圧を一定圧力に調節した。フラッシュ蒸発タン
クに設置するフラッシュノズルは孔径0.5mm若しく
は5mmのステンレス管又は孔径1mmのテフロンコー
ティングノズルのいずれか1つを適宜取り付けた。常圧
に開放したフラッシュ蒸発タンクに樹脂溶液を約5秒間
供給し、溶液圧力が0.5MPa以上になっていること
を確認した後、真空ポンプを起動し約10分間蒸発操作
を継続した。蒸発操作中は真空度を0.0092MPa
(実施例11)、0.026MPa(実施例12)に保
持した。なお、蒸発操作中ノズルの詰まりは確認されな
かった。蒸発操作終了後、フラッシュ蒸発タンク底の樹
脂溶液を回収した。なお、タンク側壁に樹脂の付着は確
認されなかった。樹脂溶液中に残存する溶媒量を上記方
法で定量した。結果を表5に示す。溶媒蒸発率は80重
量%以上であった。
【0075】
【表5】
【0076】(比較例4)真空度0.0092MPaの
フラッシュ蒸発タンクに樹脂溶液を供給した以外は、実
施例11と同様の実験を行った。約10秒でノズル先端
に樹脂が付着し溶液の供給ができなくなった。 (比較例5〜7)樹脂溶液温度、フラッシュ蒸発タンク
真空度をそれぞれ65℃、0.0092MPa(比較例
5)、75℃、0.10MPa(比較例6)及び90
℃、0.0092MPa(比較例7)に設定し、実施例
11〜12と同様の実験を行った。ノズルの詰まり、樹
脂のタンク壁への付着は確認されなかった。残存溶媒測
定結果を表6に示す。供給温度が低く、真空度が高いた
め溶媒蒸発率は60重量%以下となった。
【0077】
【表6】
【0078】(実施例13〜14)製造例5で得られた
樹脂溶液を用いたほかは、実施例11〜12と同様の実
験を行った。重合体温度、フラッシュ蒸発タンク真空度
を145℃、0.039MPa(実施例13)、152
℃、0.026MPa(実施例14)で実施した。ノズ
ルの詰まり、樹脂のタンク壁への付着は確認されなかっ
た。残存溶媒測定結果を表7に示す。溶媒蒸発率は80
重量%以上であった。
【0079】
【表7】
【0080】(比較例8)重合体温度を145℃、フラ
ッシュ蒸発タンク真空度を0.053MPaの条件で実
施例13、14と同様の実験を行った。ノズルの詰ま
り、樹脂のタンク壁への付着は確認されなかった。残存
溶媒測定結果を表8に示す。真空度が0.039MPa
以上であるため溶媒蒸発率は80重量%未満であった。
【0081】
【表8】
【0082】(実施例15)製造例7で得られた樹脂溶
液を用いたほかは、実施例11〜12と同様の実験を行
った。ノズルの詰まり、樹脂のタンク壁への付着は確認
されなかった。残存溶媒測定結果を表9に示す。溶媒蒸
発率は80重量%以上であった。
【0083】
【表9】
【0084】(比較例9)重合体温度、フラッシュ蒸発
タンク真空度を変化させ、実施例15と同様の実験を行
った。ノズルの詰まり、樹脂のタンク壁への付着は確認
されなかった。残存溶媒測定結果を表10に示す。真空
度が0.039MPa以上であるため溶媒蒸発率は40
重量%以下となった。
【0085】
【表10】
【0086】
【発明の効果】本発明の方法は上述の構成よりなるの
で、イソブチレン系ブロック共重合体を含む樹脂溶液
を、二軸スクリュー部に加熱媒体を導入できる二軸押出
機構を有する蒸発装置に供給することにより、効率的に
揮発成分を除去して、着色等の変質を伴うことなく高品
質の重合体を製造することができる。また、表4に示す
ように他の方法に対して、処理能力に対する設備コスト
が安く、経済的である。本発明の方法によれば、通常の
二軸ベント押出機と比較して、低温で高能力に脱気可能
であり、1〜30分という短い滞留時間で処理可能であ
る。また、蒸発装置内でフラッシュさせることなく脱気
できるので、樹脂の発泡・飛沫により脱気口へ溶媒蒸気
と共に樹脂が同伴されたり、付着することを防止でき
る。さらに、蒸発装置に供給する樹脂溶液を攪拌機を有
する脱気槽、薄膜蒸発機及びフラッシュ蒸発タンクから
なる群より選択される少なくとも1種、並びに、排出機
と組み合わせることにより、高品質のペレットを製造す
るための製造ラインを経済的に有利な設備費で構築可能
である。また、本発明のフラッシュ蒸発方法を用いるこ
とにより、イソブチレン系ブロック共重合体を含有する
樹脂溶液からフラッシュ蒸発により有機溶媒を除去する
に際し、ノズル部での樹脂付着を抑制し、安定して連続
的な蒸発操作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置を備え
た、樹脂溶液からペレット状樹脂を得るための概略フロ
ーシートである。
【図2】 本発明で用いられる二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置及び攪
拌槽を備えた、樹脂溶液からペレット状樹脂を得るため
の概略フローシートである。
【図3】 本発明で用いられる二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置及び攪
拌槽を備えた、樹脂溶液からペレット状樹脂を得るため
の概略フローシートである。
【図4】 本発明で用いられる二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置及び薄
膜蒸発機を備えた、樹脂溶液からペレット状樹脂を得る
ための概略フローシートである。
【図5】 本発明で用いられる二軸スクリュー部に加熱
媒体が供給される二軸押出機構を有する蒸発装置及びフ
ラッシュ蒸発タンクを備えた、樹脂溶液からペレット状
樹脂を得るための概略フローシートである。
【図6】 比較例1で用いた装置の概略フローシートで
ある。
【図7】 比較例2で用いた装置の概略フローシートで
ある。
【図8】 本発明で用いられるフラッシュ蒸発装置の概
略図である。
【図9】 本発明の実施例11〜15及び比較例4〜9
で用いた実験装置の概略図である。
【符号の説明】
1:原料タンク 2:供給ポンプ 3:二軸スクリュー部に加熱媒体が供給される二軸押出
機構を有する蒸発装置 4:排出機 5:冷却槽 6:カッター 7:貯槽 8:コンデンサー 9:真空ポンプ 10:回収タンク 11:熱媒 12:攪拌槽 13:コンデンサー 14:真空ポンプ 15:回収溶媒受槽 16:熱交換器 17:薄膜蒸発機 18:フラッシュ蒸発タンク 19:二軸押出機 20:リアベント 21:樹脂溶液加熱装置 22:フラッシュノズル 23:熱媒装置 24:樹脂溶液温度計 25:樹脂溶液圧力計 26:フラッシュ蒸発タンク圧力計 27:ベント(1) 28:ベント(2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 竜司 兵庫県神戸市須磨区北落合1−1−323− 302 (72)発明者 青山 泰三 兵庫県高砂市西畑4−13−10 Fターム(参考) 4F201 AA12F AA13F AB06 AR02 AR06 AR11 BA02 BA04 BC01 BC12 BC33 BC37 BK13 BK36 BL08 BN23 4J026 HA02 HA25 HA32 HA39 HB06 HB25 HB32 HB39 HE01 4J100 GB02 GB05 GC02 GC26

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチレン及び芳香族ビニル化合物を
    重合してなるイソブチレン系ブロック共重合体並びに有
    機溶媒を含んでなるイソブチレン系ブロック共重合体樹
    脂溶液を、二軸スクリュー部に加熱媒体が供給される二
    軸押出機構を有する蒸発装置に導入し、前記二軸スクリ
    ュー部の温度を230℃以下、前記蒸発装置の脱気口圧
    力を0.0026MPa以上0.10MPa未満として
    前記有機溶媒を除去することを特徴とする、イソブチレ
    ン系ブロック共重合体樹脂溶液からの有機溶媒除去方
    法。
  2. 【請求項2】 除去される有機溶媒は、イソブチレン系
    ブロック共重合体の重合に用いられた反応溶媒、及び、
    前記重合における未反応の残存モノマーからなるもので
    ある請求項1記載の有機溶媒除去方法。
  3. 【請求項3】 反応溶媒は、ハロゲン化炭化水素、芳香
    族炭化水素及び脂肪族炭化水素からなる群より選択され
    る少なくとも1種である請求項2記載の有機溶媒除去方
    法。
  4. 【請求項4】 二軸スクリュー部の温度が210℃以下
    である請求項1、2又は3記載の有機溶媒除去方法。
  5. 【請求項5】 脱気口圧力が0.0066〜0.053
    MPaである請求項1、2、3又は4記載の有機溶媒除
    去方法。
  6. 【請求項6】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶
    液は、蒸発装置内でフラッシュさせずに導入される請求
    項1、2、3、4又は5記載の有機溶媒除去方法。
  7. 【請求項7】 蒸発装置内における樹脂の滞留時間は、
    1〜30分である請求項1、2、3、4、5又は6記載
    の有機溶媒除去方法。
  8. 【請求項8】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶
    液は、イソブチレン系ブロック共重合体100重量部に
    対して0.001〜10重量部の酸化防止剤を更に含有
    するものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の有機溶媒除去方法。
  9. 【請求項9】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶
    液は、有機溶媒含有量が75重量%以下のものである請
    求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の有機溶媒
    除去方法。
  10. 【請求項10】 イソブチレン及び芳香族ビニル化合物
    を重合してなるイソブチレン系ブロック共重合体並びに
    有機溶媒を含んでなるイソブチレン系ブロック共重合体
    樹脂溶液を、二軸スクリュー部に加熱媒体が供給される
    二軸押出機構を有する蒸発装置に導入し、前記二軸スク
    リュー部の温度を230℃以下、前記蒸発装置の脱気口
    圧力を0.0026MPa以上0.10MPa未満とし
    て前記有機溶媒を除去した後、前記蒸発装置に連結され
    た排出機からストランド状の樹脂として排出し、これを
    切断してペレット化することを特徴とする、イソブチレ
    ン系ブロック共重合体のペレット化方法。
  11. 【請求項11】 攪拌機を有する脱気槽、薄膜蒸発機及
    びフラッシュ蒸発タンクからなる群より選択される少な
    くとも1種において予備濃縮をした後に、イソブチレン
    系ブロック共重合体樹脂溶液を蒸発装置に導入する請求
    項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂
    溶液を100℃〜200℃に加熱し、次いで0.10M
    Pa以上に調節されたフラッシュ蒸発タンクに前記樹脂
    溶液を供給し、その後、前記フラッシュ蒸発タンクを真
    空度0.0026MPa以上0.10MPa未満の減圧
    条件にすることにより予備濃縮を行う請求項11記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 イソブチレン及び芳香族ビニル化合物
    を重合してなるイソブチレン系ブロック共重合体並びに
    有機溶媒を含んでなるイソブチレン系ブロック共重合体
    樹脂溶液を100℃〜200℃に加熱し、次いで0.1
    0MPa以上に調節されたフラッシュ蒸発タンクに前記
    樹脂溶液を供給し、その後、前記フラッシュ蒸発タンク
    を真空度0.039MPa以下の減圧条件にすることに
    より、前記有機溶媒をフラッシュ蒸発させることを特徴
    とする、イソブチレン系ブロック共重合体樹脂溶液から
    の有機溶媒除去方法。
  14. 【請求項14】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂
    溶液をフラッシュ蒸発タンクに供給する際に、直径0.
    5〜10mmの孔径を有するノズル又は配管を用い、か
    つノズル又は配管部の前記樹脂溶液の吐出圧力を0.0
    1〜1MPaにする請求項13記載の有機溶媒除去方
    法。
  15. 【請求項15】 イソブチレン系ブロック共重合体樹脂
    溶液中に含まれる有機溶媒の80重量%以上を蒸発分離
    する請求項13又は14記載の有機溶媒除去方法。
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