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JP2002138061A - フィタントリオールの製造方法 - Google Patents

フィタントリオールの製造方法

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Publication number
JP2002138061A
JP2002138061A JP2000334077A JP2000334077A JP2002138061A JP 2002138061 A JP2002138061 A JP 2002138061A JP 2000334077 A JP2000334077 A JP 2000334077A JP 2000334077 A JP2000334077 A JP 2000334077A JP 2002138061 A JP2002138061 A JP 2002138061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phytantriol
tetramethylhexadecane
epoxy
range
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000334077A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2000334077A priority Critical patent/JP2002138061A/ja
Publication of JP2002138061A publication Critical patent/JP2002138061A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度のフィタントリオールを簡便に工業的
に有利に製造し得る方法を提供する。 【解決手段】 1,2−エポキシ−3,7,11,15
−テトラメチルヘキサデカン−3−オールと二酸化炭素
をハロゲン化リチウムの存在下に反応させ、得られる
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン−3−
オール−1,2−カーボネートを塩基の存在下に加水分
解することを特徴とするフィタントリオールの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィタントリオール
(3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ト
リヒドロキシヘキサデカン)の製造方法に関する。フィ
タントリオールは化粧品において湿潤剤やパンテノー
ル、ビタミンA、ビタミンEのような美容用活性成分の
浸透促進剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】フィタントリオールの工業的な製造方法
としては、(1)イソフィトールを過ギ酸などの有機過
酸化物と反応させ、次いで生成物を苛性カリ、苛性ソー
ダなどのアルカリで加水分解する方法(ドイツ国特許第
1149700号明細書参照)、(2)イソフィトール
をバナジウム化合物またはモリブデン化合物の存在下に
t−ブチルヒドロペルオキシドと反応させ、得られたエ
ポキシ化合物をイソプロパノール、テトラヒドロフラン
などの溶媒中、酸性触媒を用いて開環する方法(特開昭
61−236737号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)および
(2)の方法では、いずれもエポキシ化に高価な有機過
酸化物を使用する。また、(1)の方法では、高温で分
解し易いフィタントリオールとほぼ同じ程度に高い沸点
を有する化合物が多数副生するため、短行程蒸留や分子
蒸留のような高真空下(約10-1〜10-5ミリバール)
での分留方法を採用したとしても、化粧品用途に要求さ
れる純度でフィタントリオールを製造することはできな
い。(2)の方法では、加水分解の反応条件によっては
使用する溶媒が反応に関与する恐れがあり、例えば、イ
ソプロパノールを使用する場合にはイソプロピルエーテ
ルが副生し、またテトラヒドロフランを使用する場合に
は生成するフィタントリオールがゲル化する傾向が見ら
れ、いずれも好適な反応条件が非常に限定され、工程管
理が難しい。
【0004】しかして、本発明の目的は、高純度のフィ
タントリオールを簡便に収率よく工業的に有利に製造し
得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、1,2−エポキシ−3,7,11,15−テト
ラメチルヘキサデカン−3−オールと二酸化炭素をハロ
ゲン化リチウムの存在下に反応させ、得られる3,7,
11,15−テトラメチルヘキサデカン−3−オール−
1,2−カーボネートを塩基の存在下に加水分解するこ
とを特徴とするフィタントリオールの製造方法を提供す
ることによって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において原料として使用す
る1,2−エポキシ−3,7,11,15−テトラメチ
ルヘキサデカン−3−オールは、例えば、イソフィトー
ルをタングステン酸アンモニウム、リン酸および第4級
アンモニウムの存在下に過酸化水素と反応させることに
よって容易に製造することができる。
【0007】本発明においては、まず1,2−エポキシ
−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン−3
−オールと二酸化炭素をハロゲン化リチウムの存在下に
反応させて3,7,11,15−テトラメチルヘキサデ
カン−3−オール−1,2−カーボネートを得る。
【0008】上記の反応は二酸化炭素の雰囲気下で実施
される。系内の二酸化炭素の分圧は特に限定されるもの
ではない。反応性および安全性を考慮すれば、系内は常
圧であるのが好ましい。
【0009】ハロゲン化リチウムとしては、例えば塩化
リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムが使用される
が、安定性や有機物への溶解性を考慮して、臭化リチウ
ムを使用するのが好ましい。ハロゲン化リチウムの使用
量は、基質である1,2−エポキシ−3,7,11,1
5−テトラメチルヘキサデカン−3−オールに対して
0.01〜100モル%の範囲であるのが好ましいが、
経済性、反応性および操作性を考慮すれば、0.05〜
50モル%の範囲であるのがより好ましく、0.1〜1
0モル%の範囲であるのが特に好ましい。
【0010】上記の反応に溶媒は必ずしも必要ではない
が、反応を阻害しない範囲で使用することができる。溶
媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド
類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシドな
どのスルホキシド類;ジメチルスルホン、フェニルメチ
ルスルホン、スルホランなどのスルホン類;ジメチルイ
ミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン類を使用するこ
とができる。溶媒の使用量は、基質である1,2−エポ
キシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン
−3−オールに対して0.01〜100重量倍の範囲で
あるのが好ましく、操作性、反応性および経済性を考慮
すれば、0.5〜50重量倍の範囲であるのがより好ま
しく、0.5〜10重量倍の範囲であるのが特に好まし
い。
【0011】反応温度は、特に制限されるものではない
が、−50℃〜200℃の範囲が好ましく、操作性およ
び反応性を考慮すれば、0〜200℃の範囲がより好ま
しく、80〜200℃の範囲が特に好ましい。
【0012】本発明においては、次に3,7,11,1
5−テトラメチルヘキサデカン−3−オール−1,2−
カーボネートを塩基の存在下に加水分解することにより
フィタントリオールを得る。
【0013】塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化
カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の
水酸化物などを使用するのが好ましい。塩基の使用量は
特に制限されるものではないが、例えば、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液の濃度とし
て、0.01〜5規定の範囲であるのが好ましく、操作
性、反応性および安全性を考慮すれば、0.05〜4規
定の範囲であるのがより好ましく、0.1〜2規定の範
囲であるのが特に好ましい。
【0014】加水分解反応に溶媒は必ずしも必要ではな
いが、反応を阻害しない範囲で使用することができる。
溶媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類が挙げ
られる。溶媒の使用量は、特に制限されるものではない
が、基質である3,7,11,15−テトラメチルヘキ
サデカン−3−オール−1,2−カーボネートに対して
0.1〜10重量倍の範囲であるのが好ましい。
【0015】加水分解反応の温度としては、0〜100
℃の範囲が好ましく、操作性および反応性を考慮すれ
ば、20〜90℃の範囲がより好ましく、30〜80℃
の範囲が特に好ましい。反応圧力は特に制限されない
が、通常は大気圧下の圧力で十分である。この反応は如
何なる雰囲気下で実施しても差支えないが、安全性を考
慮すれば、窒素、アルゴンなどの不活性気体の雰囲気下
で実施するのが好ましい。
【0016】本発明により粗フィタントリオールが粘稠
な油状物として得られる。粗フィタントリオールを真空
下で精留することにより、純度99%を超える高純度の
フィタントリオールを得ることも可能である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例によって限定されるものではな
い。
【0018】参考例1 メカニカルスターラ、還流管および温度計を装着した3
L三つ口フラスコに、イソフィトール1036.8g
(3.5モル)およびトリオクチルメチルアンモニウム
クロライド14.5gを取り、タングステン酸ナトリウ
ム2水和物8.7gおよびリン酸39gを水200gに
溶解して得られた触媒液を添加した。この混合液を60
℃に昇温した後、該混合液に30%過酸化水素水430
g(3.85モル)を6時間かけて添加した。さらに4
時間、60℃で攪拌を続け、室温に冷却した後、静置
し、水層(下層)を分離し、有機層(上層)に水400
gを加えて水洗し、これを2回繰り返し、1,2−エポ
キシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン
−3−オールを1070.9g得た。この生成物をガス
クロマトグラフィー(GC−14B:島津製作所製、カ
ラム:化学品検査協会製G−100、30m、210℃
一定)で分析し、内容量1038.2g(純度96.9
%、収率95%)であることを確認した。
【0019】実施例1 温度計および還流管を装着した2L三口フラスコに、参
考例1で得られた1,2−エポキシ−3,7,11,1
5−テトラメチルヘキサデカン−3−オール32.1g
(純度96.9%、0.1モル)をジメチルホルムアミ
ド64.2gに溶解して加え、臭化リチウム0.43g
(0.005モル)を加えて、炭酸ガスで系内を置換し
た。系内を100℃に加熱した後、5L炭酸ガス風船を
装着した。10時間加熱攪拌しながら、反応をガスクロ
マトグラフィー(GC−14B:島津製作所製、カラ
ム:化学品検査協会製G−100、30m、220℃一
定)で追跡した。1,2−エポキシ−3,7,11,1
5−テトラメチルヘキサデカン−3−オールの消失を確
認した後、反応混合物に水300gを加え、ヘキサン2
00gで3回抽出した。抽出液からヘキサンを減圧下に
留去し、残渣として3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデカン−3−オール−1,2−カーボネートを3
5.6g得た。これをガスクロマトグラフィー(GC−
14B:島津製作所製、カラム:化学品検査協会製G−
100、30m、220℃一定)で分析したところ、内
容量は34.9g(純度98%、1,2−エポキシ−
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン−3−
オール基準の収率98.1%)であった。上記の残渣
を、還流管および温度系を装着した100ml三口フラ
スコに取り、10%水酸化ナトリウム水溶液30gを加
え、系内を窒素で置換した後、40℃で6時間攪拌し
た。反応混合液をヘキサン150gで3回で抽出した。
抽出液からヘキサンを減圧下に留去し、残査を32.7
g得た。これをガスクロマトグラフィー(GC−14
B:島津製作所製、カラムOV−1 1m×4mmφ、
100〜240℃、5℃/分で昇温)で分析したとこ
ろ、フィタントリオール31.4g(純度96%、3,
7,11,15−テトラメチルヘキサデカン−3−オー
ル−1,2−カーボネート基準の収率96.9%)が得
られていた。得られた残査を1パスカルの減圧下、ボト
ム温度197℃で分子蒸留し、純度99.1%のフィタ
ントリオールを30.3g得た。
【0020】実施例2 実施例1において、水酸化ナトリウムに代えて水酸化カ
リウムを使用した以外は同様の反応および操作を行い、
フィタントリオール31.1g(純度97.2%、1,
2−エポキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキ
サデカン−3−オール基準の収率96.2%)を得た。
【0021】実施例3 実施例1において、ジメチルホルムアミドに代えてジメ
チルイミダゾリジノンを使用した以外は同様の反応およ
び操作を行い、フィタントリオール30.9g(純度9
8.2%、1,2−エポキシ−3,7,11,15−テ
トラメチルヘキサデカン−3−オール基準の収率93.
6%)を得た。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、高純度のフィタントリ
オールを簡便に収率よく工業的に有利に製造し得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−エポキシ−3,7,11,15
    −テトラメチルヘキサデカン−3−オールと二酸化炭素
    をハロゲン化リチウムの存在下に反応させ、得られる
    3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカン−3−
    オール−1,2−カーボネートを塩基の存在下に加水分
    解することを特徴とするフィタントリオールの製造方
    法。
JP2000334077A 2000-11-01 2000-11-01 フィタントリオールの製造方法 Pending JP2002138061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013081137A1 (ja) * 2011-12-02 2013-06-06 ダイキン工業株式会社 含フッ素環状カーボネートの製造方法
US20230128213A1 (en) * 2021-10-21 2023-04-27 Alliance For Sustainable Energy, Llc Phytol-based surfactants and methods therefor

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