[go: up one dir, main page]

JP2002129259A - 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス - Google Patents

高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス

Info

Publication number
JP2002129259A
JP2002129259A JP2000333556A JP2000333556A JP2002129259A JP 2002129259 A JP2002129259 A JP 2002129259A JP 2000333556 A JP2000333556 A JP 2000333556A JP 2000333556 A JP2000333556 A JP 2000333556A JP 2002129259 A JP2002129259 A JP 2002129259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflective film
substrate
film
alloy
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000333556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4638014B2 (ja
Inventor
Takashi Ueno
崇 上野
Nobuhiro Oda
伸浩 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furuya Metal Co Ltd
Original Assignee
Furuya Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furuya Metal Co Ltd filed Critical Furuya Metal Co Ltd
Priority to JP2000333556A priority Critical patent/JP4638014B2/ja
Publication of JP2002129259A publication Critical patent/JP2002129259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4638014B2 publication Critical patent/JP4638014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/06Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with metals
    • C03C17/09Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with metals by deposition from the vapour phase

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ag自体の保有する高い光学特性が保持さ
れ、更にはAgの材料的な安定性が格段に改善されると
ともに、反射膜とガラス基板又は樹脂基板の間に下地層
を形成すると、高耐熱性反射膜とガラス基板又は樹脂基
板との接合性がより一層効果的に強化されるので、信頼
性の高い高耐熱性反射膜を提供することができ、また、
前記反射膜を用いた液晶表示素子用反射板、或いは建材
ガラス用反射膜等の積層体等も提供する。 【解決手段】 本発明に係る高耐熱性反射膜は、Agを
主成分とし、Auを0.1wt%以上3.0wt%以下
添加し、更にCu、Al、Ti、Pd、Ni、V、T
a、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれ
た少なくとも1種類以上の元素を0.1wt%以上3.
0wt%以下添加してなるAg合金材料から形成したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高反射率の高耐熱
性反射膜、これを用いた積層体、高耐熱性反射膜を用い
た液晶表示素子用反射板及び建材ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建材ガラス用熱線反射膜や反
射型液晶表示素子用反射板にはAl又はAl合金、或い
はAg及びAg−Pdに代表されるAg合金等の様々な
材料が使用されている。また、膜の積層によって高い反
射率に加えて機能性を向上させる等の検討がなされてい
る。それを実現した製品が既に大変多くの分野や多種多
様な方面に用いられてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、400〜4
000nmの光学波長領域において、高い反射率を特徴
とする反射膜、この反射膜を用いて形成される反射型液
晶表示素子用反射板、反射電極層及び建材ガラス用赤外
線及び熱線を反射する反射膜としては、AgやAl若し
くはこれらのうちいずれかの元素を主成分とする合金材
料から形成された反射膜が幅広く知られている。しか
し、これらの反射膜は耐熱性に対して決して優れている
とは言えない。
【0004】例えばAgやAlは熱に対しての耐熱性が
高くなく、特定温度では表面部が拡散し易いために、例
えば液晶表示素子用の反射板を製作する場合には、製作
プロセス中での温度雰囲気が制限される。更に、建材ガ
ラス用の赤外線及び熱線反射膜に至っては、大気中で夏
季に高温に曝されると、反射膜自体が化学的に変異(変
色)してしまう等、熱に対しての品質の安定性に問題が
あった。
【0005】また、反射率が高い材料としては、Agや
Al以外にAuが知られているが、Auは価格的に大変
高価であるため、建材窓ガラス用反射膜や液晶表示素子
用反射板に用いるにはコスト的な面から実用性が乏しい
と判断されている。
【0006】また、反射率が高く、コスト的な面からも
大変安価で、実用性が高いとされるAlについては、P
MMA、シリコーン樹脂等の樹脂基板等を用いた場合
に、樹脂基板から析出されるガス成分に対して化学反応
を起こす虞れがある。このことから、ガスの放出作用が
低い材料からなる基板にのみ有効となって、基板材料が
制限されてしまうばかりか、樹脂とのコンタクトを図る
場合には材料の化学的な安定性が懸念されてしまう等の
不安、課題が残る。
【0007】また、400〜4000nmの可視及び赤
外域と称される光学波長領域中で、Agは数多くの金属
元素中で最も光学反射率が高いために、高反射率を特徴
とする膜としては優れた特性を保持しているものと検討
されている。しかし、熱に対しての自己拡散エネルギー
が活発であるために、熱が加えられた場合に経時変化が
生じるという問題がある。そのため、一時的であっても
100℃前後の熱が加えられた場合には表面部に拡散現
象が起こり、Ag本来が保有する光沢を失って白濁化し
てしまう。換言すれば、反射率が高いというAg本来の
特性が大幅に低減してしまう。
【0008】また、ガラスや樹脂製の基板上に反射膜を
形成した際には、Agは大気中に放置されると、大気中
の湿気(主として水分)を吸収して黄色化してしまうた
め、反射率が高いというAg本来の特性が損なわれてし
まう等の問題が生じる。従って、高反射率であるという
本来の特性を保持することができなず、耐候性に対して
も決して優れているとは言えない。
【0009】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、Ag自体の保有する高い
光学特性が保持され、更にはAgの材料的な安定性が格
段に改善されるとともに、反射膜とガラス基板又は樹脂
基板の間に下地層を形成すると、高耐熱性反射膜とガラ
ス基板又は樹脂基板との接合性がより一層効果的に強化
されるので、信頼性の高い高耐熱性反射膜を提供するこ
とができ、また、前記反射膜を用いた液晶表示素子用反
射板、或いは建材ガラス用反射膜等の積層体等も提供す
ることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る高耐熱性反射膜は、Agを主成分と
し、Auを0.1wt%以上3.0wt%以下添加し、
更にCu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、M
o、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくと
も1種類以上の元素を0.1wt%以上3.0wt%以
下添加してなるAg合金材料から形成したものであるこ
とを特徴とする。
【0011】なお、上記高耐熱性反射膜では、熱に対し
て安定であり、且つ容易に製作が可能な材料であるAg
を主成分とし、用途に応じて単層又は複数層で構成する
ことにより、温度に対して化学的に安定であり、様々な
用途への適用が可能となる。
【0012】また、本発明に係る高耐熱性反射膜におい
て、Auの好ましい添加量は0.7wt%以上3wt%
以下であり、特に好ましくは0.9wt%である。ま
た、Cu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、M
o、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくと
も1種類以上の元素の好ましい添加量は0.5wt%以
上2.5wt%以下であり、特に好ましくは1.0wt
%である。
【0013】また、本発明に係る高耐熱性反射膜におい
ては、上記Ag合金材料が、蒸着材料であり、蒸着法に
より形成してなることも可能である。また、上記Ag合
金材料が、スパッタリングターゲット材料であり、スパ
ッタリング法により形成してなることも可能である。
【0014】本発明に係る積層体は、少なくとも一層以
上の層からなる高耐熱性反射膜を用いた積層体であっ
て、上記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Auを
0.1wt%以上3.0wt%以下添加し、更にCu、
Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、
Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以
上の元素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加して
なるAg合金材料から形成したものであることを特徴と
する。
【0015】本発明に係る積層体は、基板と、この基板
上に形成された高耐熱性反射膜と、を備えた積層体であ
って、上記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Au
を0.1wt%以上3.0wt%以下添加し、更にC
u、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、C
r、Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種
類以上の元素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加
してなるAg合金材料から形成したものであることを特
徴とする。なお、上記高耐熱性反射膜は、基板上に蒸着
法又はスパッタリング法により形成したものであること
が好ましい。
【0016】また、本発明に係る積層体においては、上
記基板が樹脂基板又はガラス基板であることが好まし
い。
【0017】また、本発明に係る積層体においては、上
記基板と上記高耐熱性反射膜との間に配置された、密着
性を助長する下地膜をさらに含むことが好ましい。
【0018】また、本発明に係る積層体においては、上
記下地膜が、ITO、ZnO2、SiO2、TiO2、T
25、ZrO2、Nb25、窒化珪素、窒化タンタ
ル、窒化チタンからなる群から選ばれた1種類あるいは
少なくとも1種類以上を組み合わせて形成される材料、
若しくは、該1種類又は複数の材料を少なくとも主成分
として含む材料を用いて形成したものであることが好ま
しい。
【0019】また、本発明に係る積層体においては、上
記下地膜が、Si、Ta、Ti、Mo、Cr、Alから
なる群から選ばれた1種類又は複数の元素からなる材
料、若しくは、該1種類又は複数の元素を少なくとも主
成分として含む材料を用いて形成したものであることが
好ましい。
【0020】本発明に係る液晶表示素子用反射板は、基
板と、この基板上に形成された高耐熱性反射膜と、を備
えた積層体からなる液晶表示素子用反射板であって、上
記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Auを0.1
wt%以上3.0wt%以下添加し、更にCu、Al、
Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、
Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元
素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加してなるA
g合金材料から形成したものであることを特徴とする。
【0021】本発明に係る建材ガラスは、基板と、この
基板上に形成された高耐熱性反射膜と、を備えた積層体
からなる建材ガラスであって、上記高耐熱性反射膜は、
Agを主成分とし、Auを0.1wt%以上3.0wt
%以下添加し、更にCu、Al、Ti、Pd、Ni、
V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から
選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1wt%以
上3.0wt%以下添加してなるAg合金材料から形成
したものであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の実施の形態では、まずAgの保有
する熱に対しての自己拡散エネルギーを緩和させて、任
意で少なくとも100℃以上に加熱した場合に生じ易か
った表面拡散による白濁化という現象を抑制するもので
ある。
【0023】本発明の実施の形態による積層体は、基板
を有し、この基板上にスパッタリング法により高耐熱性
反射膜を成膜したものである。この高耐熱性反射膜は、
Agを主成分とし、Auを0.1〜3.0wt%添加
し、更にCu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、
W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれた少
なくとも1種類以上の元素を0.1〜3.0wt%添加
してなるAg合金材料からなるものである。
【0024】高耐熱性反射膜を成膜する際に用いるスパ
ッタリング装置には、AgとAuのスパッタリングター
ゲットをそれぞれ装着し、特定の高周波電力でAg、A
uの放電量(電力量)を制御し、Arガスを0.1〜
3.0Paの間で任意に設定した上で2つの材料を同時
にスパッタする。この時、上記基板としては例えば石英
基板を用いる。スパッタ・プロセス中の基板温度は常温
(25℃前後)で、スパッタガスとしてはArガスのみ
を用い、成膜室内をAr雰囲気にする前に十分に真空引
きを行い、到達真空度としては3×10-6Pa程度の高
真空とする。高真空まで真空引きを行う理由としては、
不純物ガス等が合金膜の粒界に依存してしまうのを抑制
して、緻密な膜を形成するためである。
【0025】上記実施の形態によれば、Ag自体の保有
する高い光学反射率に対しての高い能力を保持でき、更
にはAgの材料的な安定性を格段に改善でき、しかも、
積層されて用いられた場合には下地層やガラス基板又は
樹脂基板との接合性をより一層効果的に強化でき、より
高い信頼性を得ることができる。
【0026】また、上述したAg合金材料からなる高耐
熱性反射膜では、耐熱性の改善、白濁化現象や高い反射
率の低下が起こらないことが確認されている。
【0027】Agは、大変熱伝導率が良く、原子単位で
熱を吸収・飽和させ易い特徴があるために、熱伝導率を
鈍化させて且つ原子間の活発な移動を抑制するために、
Agに対して完全固溶体を形成する原子であるPdを
0.1〜4wt%任意で組成を振って添加して実験して
見た。
【0028】まず、スパッタリング装置にAgとPdの
スパッタリングターゲットをそれぞれ装着して、特定の
RFパワーでAg、Pdの放電量を制御して、Ar(ア
ルゴン)ガスを0.1〜3.0Paの間で任意に設定し
て、2つの材料を同時にスパッタする。つまり、同時ス
パッタリング法で数種類Pdの添加量を振って合金膜を
形成した。
【0029】この時、基板としては100mm×100
mm×1.1tの石英基板を用いて、スパッタ・プロセ
ス中の基板温度は常温(25℃前後)で、スパッタガス
としてはArガスのみを用いて、到達真空度としては3
×10-6Paという高真空まで真空引きを行い、アルゴ
ンガス雰囲気中で、膜厚20nmで成膜した。
【0030】高真空雰囲気中で成膜を行う理由として
は、不純物ガス等が合金膜の粒界に依存してしまうのを
抑制して、緻密な膜を形成することで材料本来の物性を
確認しようとするためである。
【0031】上記方法にて形成したAgを主成分とし
て、それに数種類の添加組成でPdを添加したAg合金
薄膜を、大気中でホットプレート上に乗せて約2時間放
置して、白濁化の有無と白濁化が開始された温度を観察
して見た。この時のホットプレートの加熱方法として
は、抵抗加熱式を採用し、加熱温度を250℃、加熱速
度を20℃/minに設定した。その試験結果を表1に
示す。
【0032】
【表1】
【0033】一般的に、Pdを添加すると、Agの保有
する高温及び高湿(多湿)環境下での耐候性の無さが改
善されることはよく知られているが、熱を印加した場合
の耐表面拡散性については、表1の用に顕著な差異を確
認することはできなく、Auの添加による白濁化の低減
については、純Agと比較して顕著な優位性を確認する
ことはできなかった。また、反射率は、加熱する前と比
較して、加熱後において2〜3%程度低下することが確
認されたために、Pd添加による表面拡散防止効果は確
認することができなかった。
【0034】そこで、本発明では主成分となるAgに、
Auを0.1〜3wt%添加し、更にCu、Al、T
i、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、M
gからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素
を添加して、少なくとも三元素以上の元素からなるAg
合金から薄膜を形成して、熱による表面拡散の抑制を検
討して見た。この時のCu、Al、Ti、Pd、Ni、
V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から
選ばれた少なくとも1種類以上の元素の添加量は0.1
〜3.0wt%である。
【0035】薄膜の成膜方法としては、Ag及びAu、
更にはCu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、
Mo、Cr、Ru、Mgの内のいずれかのスパッタリン
グターゲット材料より一種類選択してRFマグネトロン
スパッタリング装置に装着し、前記3つの金属元素を同
時スパッタリングすることで、Ag合金薄膜を作成し
た。
【0036】この時、基板としては100mm×100
mm×1.1tの石英基板を用いて、スパッタ・プロセ
ス中の基板温度は常温(25℃前後)で、スパッタガス
としてはAr(アルゴン)ガスのみを用いて、到達真空
度としては3×10-6Paという高真空まで真空引きを
行い、アルゴンガス雰囲気中で、膜厚は前述したAg−
Auからなる二元合金と同様に20nmで成膜した。
【0037】この方法で、主成分となるAgに、Auを
0.1〜3.0wt%添加し、更にCu、Al、Ti、
Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgか
らなる群から選ばれた少なくとも1種類を0.1〜3.
0wt%添加してなるAg合金を石英基板上に膜厚20
nmで成膜して、それを250℃に設定保持されたホッ
トプレート上に置いて2時間放置して見た。その試験結
果を表2及び表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】すると、純Ag或いはAgにAuを0.1
〜3.0wt%添加されたAg合金では、少なからず膜
の表面部が白濁化して反射率が低下してしまったが、A
gを主成分としてAuを0.1〜3.0wt%添加し、
更に第三元素としてCu、Al、Ti、Pd、Ni、
V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から
選ばれた少なくとも1種類を0.1〜3.0wt%添加
してなる三元素のAg合金では、白濁化現象や反射率の
低下が表2及び表3から分かるようい、全ての組成範囲
で観察されなかった。
【0043】そこで、250℃で加熱した様々な組成範
囲で形成されるAg合金膜が堆積された石英基板を、更
に400℃に加熱されたホットプレート上に2時間放置
して見た場合、何れの組成範囲においても白濁化や反射
率の低下が観察されなかった。
【0044】また、Auを全く添加せずにCu、Al、
Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、
Mgの内、いずれか1種類を0.1〜3.0wt%添加
してなる二元素のAg合金膜を前述の通り、スパッタリ
ング法により同時に石英基板に膜厚15nmにて形成し
て、同じく250℃と400℃の両方で加熱して経時変
化を観察したところ、全ての膜が白濁化、そして反射率
が低下してしまうことが確認された。
【0045】この様に、主成分とするAgに、Auを
0.1〜3.0wt%添加し、更に第三の元素としてC
u、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、C
r、Ru、Mgの内、いずれか1種類を0.1〜3.0
wt%添加してなる三元素のAg合金にすることによ
り、耐熱性の改善が認められ、しかも、高い反射率を低
下させることなく維持できることが分かった。
【0046】次に、上述したAg合金材料からなる薄膜
について、例えば低消費電力であることから携帯電話等
の携帯情報端末機器に有用性が高い反射型液晶表示素子
の反射板や、反射率が高いことを特徴とする反射配線電
極に適用した場合の有用性について検討した。
【0047】従来の反射型液晶表示素子の反射板や反射
配線電極には、Alを主成分とするAl合金が採用され
ている。このAl合金は、Alで課題となっているヒロ
ックと呼称される薄膜となった際の凹凸の発生を抑制で
き、膜や反射配線電極の断面部の劣化現象を抑制できる
ものである。しかし、Al若しくはAl合金では、熱に
対しての安定性について極端には問題になっていないも
のの、例えば有機材料であるレジスト液を塗布してパタ
ーニングした後に、パターン形成されたAl若しくはA
l合金をアルカリ溶液で洗浄してレジスト材を除去する
場合には、膜の表面部が荒れてしまって反射率が低下し
たり光の散乱現象が生じたりすることが問題とされてい
る。
【0048】そこで、本発明では前述したAg合金材料
によって形成された反射膜に、前述と同様にレジスト液
を塗布してパターン形成後にアルカリ溶液で洗浄する耐
蝕試験を行った。その試験結果を表6〜表9に示す。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】表6〜表9から明らかなように、何れの組
成範囲においても反射率の低下が全く確認されなかっ
た。このように前述したAg合金材料から形成された反
射膜に、上述したようにレジスト液を塗布してパターン
形成後にアルカリ溶液で洗浄しても、反射率が全く低下
しないことが確認された。つまり、上述したAg合金材
料から形成される薄膜は、アルカリ液に対し、従来のA
lやAl合金と比較して反射率の低下を安定して抑制で
きる。また、上述したAg合金材料からなる反射型液晶
表示素子用の反射板や反射配線電極においても高い反射
率を保有でき、更にはアルカリ溶液に対する化学的或い
は品質的な安定性も従来と比して高くできる。
【0054】そして、反射型液晶表示素子では、反射率
の高い反射板や反射配線電極を用いることにより、投入
される電力量を低減することができ、更には液晶表示素
子自体の照度を約20%程度向上することができる。液
晶表示素子で基準とされる500〜800nm(565
nm)の光学波長領域で、上述したAg合金はAlと比
較すると、表10〜表14から明らかなように、0.5
〜3.0wt%反射率が向上する。従って、従来のAl
やAl合金での課題が解決され、且つ反射率が高いため
に大きな有用性が確認されている。
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】また、窓ガラスを始めとする建材ガラスで
は、太陽光から発せられる可視光、赤外線、紫外線の内
で、明かりに直接関係の高い可視光を透過して、且つ熱
の元になって夏季に室内に外部から進入する赤外線を反
射する目的で、AgやAl、若しくはそれらの内、いず
れかを主成分としたAg合金又はAl合金からスパッタ
リング法にて膜を形成して、赤外反射効果を実現してき
た。しかし、いずれも大気中に直接暴露された場合には
熱に対して経時変化が大きいために、そのまま大気中に
放置することが困難とされており、一般的にはZnO2
やZnO2−Al 23複合酸化物等の耐熱保護層を形成
することで反射膜の材料的な安定性を確保してきた。
【0061】これまで耐食性及び耐熱性に富んでいるA
g合金としては、従来、Agに1〜3wt%のPdを添
加してなるAg−Pd合金、若しくはAgに1〜10w
t%のAuを添加してなるAg−Au合金が知られてい
る。しかし、このAg−Pd合金とAg−Au合金のい
ずれの合金を用いた合金膜でも、高温高湿(多湿)環境
下で耐候性試験を行った際には黒色の斑点が観察され
た。
【0062】この黒色斑点物を光学顕微鏡で観察したと
ころ、この黒色斑点物がPdのH2融解作用の固溶限界
になり、黒色化して励起反応を起こして隆起物となって
いることが確認できた。そのため、少なくとも建材ガラ
スとして用いる場合では、例えば雨季や冬季に室内外の
温度差によって生じる水滴、或いは湿度の高い地域での
長期信頼性に対しては安定性が欠けることが分かった。
【0063】また、AgとAuは完全固溶する安定な合
金であることはよく知られているが、このAg−Au合
金は塩素をはじめとする耐ハロゲン系元素性に決して富
んではいないために、耐候性試験中に空気が混入してお
り、空気内に含有する塩素やヨウ素と原子的に結合した
ことでこの様な黒色斑点が得られたことが分かった。
【0064】また、Ag−Auの2元合金は耐熱性が高
くないことが、前述の表1で示されているために、外気
の温度が高かったり、太陽光から集中する熱線に対して
安定性に問題があることが確認されている。
【0065】そこで、本発明では耐熱性が高いことが確
認されているAgを主成分としてAuを0.1〜3.0
wt%添加し、更にCu、Al、Ti、Pd、Ni、
V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgの内、いずれか
1種類を0.1〜3.0wt%添加してなる三元素から
なるAg合金膜が高温高湿(多湿)の環境下での耐候性
について、安定性が少なくともAg−Au合金と比較し
てどのような結果が得られるかを実験して見た。
【0066】すると、前述したAg合金材料によって形
成された反射膜単層の場合でも、Ag合金の下地にIT
O、ZnO2、SiO2を形成して積層体になった場合で
も、Ag合金単層と比較して耐候性が高いことが確認で
きた。
【0067】この結果として、Agを主成分とし、Au
を0.1〜3.0wt%添加し、更にCu、Al、T
i、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、M
gからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素
を0.1〜3.0wt%添加してなるAg合金材料から
なるAg合金膜では、それを上層として基板との間に任
意で酸化物を形成した場合でも下地に依存することな
く、耐熱性が高く更には反射率や耐候性を保持できるこ
とが確認された。例えば窓ガラスをはじめとする建材ガ
ラス用の赤外線反射膜、熱線反射膜としては従来のAg
合金に比べて有用性が高いことが確認された。
【0068】対照的に、従来から反射膜として広く用い
られてきた従来のAlやAlを主成分とするAl合金、
更にはAgやAg−Pd合金については、いずれも樹脂
基板に対して化学的に不安定であるために、樹脂基板上
で高温高湿環境下に放置すると、反射膜と樹脂基板との
接着界面で化学反応を起こしてしまう。
【0069】そこで、前述したAg合金材料の化学安定
性を確認するために、PMMA、PET、PC、シリコ
ーンなどの樹脂で構成される基板上に、これまでと同様
に三元同時スパッタリング法にて15nmの厚みの膜厚
を形成して、高温多湿の環境下で24時間放置してその
外観や反射特性の経時変化を観察した。その結果を表1
5〜表18に示す。
【0070】
【表15】
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】表15〜表18から明らかなように、24
時間放置後でも材料に従来問題であった経時変化が観察
されなかったため、様々な樹脂基板上に形成したAg合
金材料からなる膜の反射率を分光光度計を用いて観察し
てみたが、反射型液晶表示素子で有用とされる565n
mの光学波長領域や、建材ガラス等で必要とされる40
0nm〜4μmの光学波長領域中で反射率が低下しない
ことが確認された。このように、本発明によって得られ
たAg合金材料は、樹脂に対して化学的安定性が高く、
従来と比して基板材質を制限しないことが分かった。
【0075】従来、建材ガラス用の赤外線反射膜、熱線
反射膜、及び反射型液晶表示素子用反射板においては、
Ag若しくはAl、更にはAgを主成分とするAg合金
材料や、Alを主成分とするAl合金材料は、その材料
を用いて薄膜を形成する際に、基板の材質によっては密
着性が大変悪いため、薄膜を形成した直後、或いは薄膜
を形成して長期間放置した時に、剥離等の問題が発生す
ることが確認されている。そのため、密着性を向上させ
るために様々な密着助長膜を反射膜と基板との中間に挟
むことで、従来は密着性が弱いという問題に対する解決
がなされてきた。
【0076】そこで、本発明のAg合金材料の膜でも同
様の問題が生じるかどうかを、PMMAなどの基板上に
Ag合金反射膜を形成した後に、反射膜にJIS規格の
セロハンテープを貼り付け、特定の引っ張り力でセロハ
ンテープを剥離して膜の剥離の有無を観察するというテ
ープ試験を行うことで、基板とAg合金反射膜との中間
に密着助長層の必要性の有無を確認して見た。
【0077】すると、低アルカリガラス、無アルカリガ
ラス、硼珪酸ガラスの基板と上述したAg合金反射膜と
は、程度の差異こそ発見されるものの、密着性が決して
良いとは言えず、部分的あるいは広域にわたって剥離現
象が確認されて、ガラス基板との密着性が決して良好で
はないことが確認された。
【0078】そこで、低アルカリガラス、無アルカリガ
ラス、硼珪酸ガラスなどのガラス基板との密着性を助長
するために、ガラス基板と上述したAg合金反射膜との
間に中間層(密着助長下地膜)を配置することが望まし
い。ガラス基板の密着助長下地層としては、Si、T
a、Ti、Mo、Cr、Al、ITO、ZnO2、Si
2、TiO2、Ta25、ZrO2がある。また、樹脂
基板との密着助長下地膜としては、ITO、ZnO2
SiO2、TiO2、Ta25、ZrO2、Nb25、窒
化珪素、窒化タンタル、窒化チタンから選ばれた1種類
以上あるいは少なくとも1種類以上を組み合わせて形成
される材料を用いて形成される薄膜が望ましい。その理
由としては、樹脂基板は特定の純度や材質の場合には、
ガスの発生が大変多いこと、また、金属はその発生ガス
と反応し易いこと、また、Ag合金と密着させる接合界
面に反応浮動体被膜(例えば酸化膜等)を生じる可能性
が高いこと等から適切であるとは言い難いからである。
【0079】そのために、樹脂基板上に下地層を形成す
る場合では、特に化学的な安定性が要求されるために、
少なくとも金属に比して金属酸化物の方が還元反応を抑
制し易い為に、本発明のAg合金との接合界面での化学
的もしくは品質的な安定性は高い為に、樹脂基板を用い
て、Agを主成分として三元素からなる前述したAg合
金膜と基板との間で中間層として下地膜を形成する場合
には、ITO、ZnO 2、SiO2、TiO2、Ta
25、ZrO2、Nb25、窒化珪素、窒化タンタル、
窒化チタンから選ばれた1種類以上あるいは少なくとも
1種類以上を組み合わせて形成される材料を用いること
が適切である。
【0080】中間層として検討する金属酸化物において
は、例えば反射電極層等の電気的な特性の向上を兼ね備
える場合には、ITO、ZrO2等の導電性金属酸化
物、若しくは複合酸化物を1〜100nm程度形成する
ことが望ましい。選択の理由としては、密着性の向上以
外の効果として、例えば絶縁性の高い中間層を挟んだ場
合には、本発明のAg合金と中間下地層の積層体自体の
体積抵抗率が大幅に向上して、中間層によってAg合金
の特性が損なわれる可能性が高いためである。
【0081】また、中間下地層として金属酸化物を検討
する場合においては、反射率や屈折率等の光学特性の低
下抑制を検討する場合においては、SiO2、TiO2
Ta 25、ZrO2等が望ましいと考えられる。この理
由としては、SiO2は吸収が400〜4000nmの
光学波長領域中では大変少ない為に、吸収率の増加によ
る反射率の低下が抑制でき、更にTiO 2、Ta25
ZrO2、Nb25についてはいずれも屈折率が高く吸
収率が小さいために、屈折率の依存による光学特性の変
異が抑制できることが確認できたためである。
【0082】上記で述べた密着助長下地膜を樹脂基板に
形成する場合は、スパッタ装置を用いると、前記樹脂基
板を成膜室内に入れてから真空引きを行う際に、基板よ
りガスが発生するために、真空度が上がらず、更には樹
脂基板と密着助長層との界面も不安定になり易いため
に、少なくとも本発明のAg合金を樹脂基板上に形成す
る場合においては、蒸着法による膜厚形成が望ましいと
考えられる。
【0083】但し、液晶表示素子に用いるガラス基板や
建材ガラス用のガラス基板に密着助長下地膜を形成する
場合は、ガラスが大型であるということと、形成する膜
の緻密さや膜の厚みの面内分布が大変重要であるため
に、成膜室内を高真空に真空引きした後にAr雰囲気で
成膜を行えるスパッタリング法を用いて形成するほうが
望ましいということが分かった。
【0084】密着性を助長させることを目的とする中間
下地膜を検討する上で重要な課題としては、容易に膜の
形成が可能であるかどうかという点であるが、例えばS
i、Ta、Ti、Mo、Cr、Al等の金属膜は、蒸着
法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティン
グ法のいずれでも膜の製作が可能であるために、少なく
ともAg合金を製作する方法と連動することが可能であ
るために、汎用的な有用性は高いと検討することができ
る。
【0085】また、ITO、ZnO2、SiO2、TiO
2、Ta25、ZrO2等の酸化物においても、蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法で容易に形
成することが可能であり、例えば窓ガラス等に赤外線を
反射する赤外反射膜を形成する場合に、いずれの方法で
も同じ反射特性を有する反射膜を形成することができ
た。
【0086】尚、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明による高耐熱
性反射膜によれば、Ag、Alと比較して、熱エネルギ
ーによる表面原子或いは粒子間の移動が活発でないため
に、表面拡散が行われず、耐熱性に富んでいることが分
かる。例えば反射膜として用いたり、それを形成する工
程において熱が発生したり、或いは気候によって反射膜
に熱が加えられた場合でも、反射率の低下を回避するこ
とができる。よって、安定した高反射率を特徴とする高
耐熱性反射膜を得ることができる。
【0088】また、本発明の高耐熱性反射膜を用いて形
成した積層体、例えば建材ガラス用熱線・赤外線反射
膜、及び反射型液晶表示素子用反射板においては、耐熱
性が高く反射率も高く、更にアルカリ系の有機材料に対
して安定で、更には樹脂基板を用いる場合、その基板か
らの脱ガスに対しても化学的に安定であるために、高品
質な製品を形成することができる。
【0089】また、本発明のAg合金膜を用いて高耐熱
性反射膜を形成する場合に、例えば基板と反射膜との間
に、密着性及び光学特性の向上を目的として下地層を形
成して積層体となった場合でも、熱に対しての安定性が
劣化することが無く、更には光学特性の著しい低下がな
いことから、積層構造とされた場合でも品質が劣化する
ことがない。
【0090】また、本発明のAg合金膜を形成する場合
には、スパッタリング法及び蒸着法のいずれも場合であ
っても目的や用途、もしくは基板の種類に応じて安定し
て同じ特性を得ることがわかり、例えば膜の形成方法に
よる品質の差異が生じない。
【0091】従って、本発明によれば、Ag自体の保有
する高い光学特性が保持され、更にはAgの材料的な安
定性が格段に改善されるとともに、反射膜とガラス基板
又は樹脂基板の間に下地層を形成すると、高耐熱性反射
膜とガラス基板又は樹脂基板との接合性がより一層効果
的に強化されるので、信頼性の高い高耐熱性反射膜を提
供することができ、また、前記反射膜を用いた液晶表示
素子用反射板、或いは建材ガラス用反射膜等の積層体等
も提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 5/08 C22C 5/08 C23C 14/06 C23C 14/06 R N 14/24 14/24 E 14/34 14/34 A G02B 5/08 G02B 5/08 A Fターム(参考) 2H042 DA01 DA04 DA11 DA12 DA15 DB06 DC02 DE00 4F100 AA33C AB09A AB09H AB10A AB10H AB12A AB12H AB13A AB13H AB16A AB16H AB17A AB17H AB24A AB25A AB25H AB31A AB40A AB40H AD04C AD05C AG00B AK01B AT00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B EH66A GB07 GB41 JJ03A JM02A JM02C JN06A 4G059 AA01 AA08 AB01 AB11 AC06 DA01 DB02 EA01 EA03 EA04 EA05 EA07 EA12 GA01 GA04 GA14 4K029 AA09 AA11 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA11 BA12 BA16 BA17 BA21 BB02 BC07 BD09 CA01 CA05 DB03 DB04 DC03 DC04 DC39 FA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Agを主成分とし、Auを0.1wt%
    以上3.0wt%以下添加し、更にCu、Al、Ti、
    Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を
    0.1wt%以上3.0wt%以下添加してなるAg合
    金材料から形成したものであることを特徴とする高耐熱
    性反射膜。
  2. 【請求項2】 上記Ag合金材料が、蒸着材料であり、
    蒸着法により形成してなることを特徴とする請求項1に
    記載の高耐熱性反射膜。
  3. 【請求項3】 上記Ag合金材料が、スパッタリングタ
    ーゲット材料であり、スパッタリング法により形成して
    なることを特徴とする請求項1に記載の高耐熱性反射
    膜。
  4. 【請求項4】 少なくとも一層以上の層からなる高耐熱
    性反射膜を用いた積層体であって、上記高耐熱性反射膜
    は、Agを主成分とし、Auを0.1wt%以上3.0
    wt%以下添加し、更にCu、Al、Ti、Pd、N
    i、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群
    から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1wt
    %以上3.0wt%以下添加してなるAg合金材料から
    形成したものであることを特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】 基板と、 この基板上に形成された高耐熱性反射膜と、 を備えた積層体であって、 上記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Auを0.
    1wt%以上3.0wt%以下添加し、更にCu、A
    l、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、R
    u、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上
    の元素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加してな
    るAg合金材料から形成したものであることを特徴とす
    る積層体。
  6. 【請求項6】 上記基板が樹脂基板又はガラス基板であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 【請求項7】 上記基板と上記高耐熱性反射膜との間に
    配置された、密着性を助長する下地膜をさらに含むこと
    を特徴とする請求項5又は6に記載の積層体。
  8. 【請求項8】 上記下地膜が、ITO、ZnO2、Si
    2、TiO2、Ta25、ZrO2、Nb25、窒化珪
    素、窒化タンタル、窒化チタンからなる群から選ばれた
    1種類あるいは少なくとも1種類以上を組み合わせて形
    成される材料、若しくは、該1又は複数の材料を少なく
    とも主成分として含む材料を用いて形成したものである
    ことを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 【請求項9】 上記下地膜が、Si、Ta、Ti、M
    o、Cr、Alからなる群から選ばれた1種類又は複数
    の元素からなる材料、若しくは、該1又は複数の元素を
    少なくとも主成分として含む材料を用いて形成したもの
    であることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  10. 【請求項10】 基板と、 この基板上に形成された高耐熱性反射膜と、 を備えた積層体からなる液晶表示素子用反射板であっ
    て、 上記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Auを0.
    1wt%以上3.0wt%以下添加し、更にCu、A
    l、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、R
    u、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上
    の元素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加してな
    るAg合金材料から形成したものであることを特徴とす
    る液晶表示素子用反射板。
  11. 【請求項11】 基板と、 この基板上に形成された高耐熱性反射膜と、 を備えた積層体からなる建材ガラスであって、 上記高耐熱性反射膜は、Agを主成分とし、Auを0.
    1wt%以上3.0wt%以下添加し、更にCu、A
    l、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、R
    u、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上
    の元素を0.1wt%以上3.0wt%以下添加してな
    るAg合金材料から形成したものであることを特徴とす
    る建材ガラス。
JP2000333556A 2000-10-31 2000-10-31 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス Expired - Lifetime JP4638014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000333556A JP4638014B2 (ja) 2000-10-31 2000-10-31 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000333556A JP4638014B2 (ja) 2000-10-31 2000-10-31 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002129259A true JP2002129259A (ja) 2002-05-09
JP4638014B2 JP4638014B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=18809617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000333556A Expired - Lifetime JP4638014B2 (ja) 2000-10-31 2000-10-31 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4638014B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100482676B1 (ko) * 2002-08-22 2005-04-13 솔라 어플라이드 머티리얼 테크놀로지 코포레이션 반사형 평면 디스플레이의 반사막과 스퍼터링 타겟재의합금재
WO2005056851A1 (ja) * 2003-12-10 2005-06-23 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 反射率維持特性に優れた銀合金
WO2006093398A1 (en) 2005-03-04 2006-09-08 Inktec Co., Ltd. Conductive inks and manufacturing method thereof
WO2006132416A1 (ja) * 2005-06-10 2006-12-14 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金
JP2007146247A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Hitachi Cable Ltd 金属と樹脂からなる複合材料及びその製造方法並びにそれを用いた製品
WO2009041529A1 (ja) 2007-09-25 2009-04-02 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho 反射膜、反射膜積層体、led、有機elディスプレイ及び有機el照明器具
JP2009094362A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Toyota Motor Corp 太陽電池モジュール用光学フィルム
WO2012128227A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 旭硝子株式会社 反射鏡
US8366958B2 (en) 2005-04-06 2013-02-05 Inktec Co., Ltd. Etching solutions
US8445578B2 (en) 2006-04-29 2013-05-21 Inktec Co., Ltd. Compositions for forming reflecting layer having organic silver complexes, and method for preparing reflecting layer using same
WO2020162206A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 三菱マテリアル株式会社 Ag合金スパッタリングターゲット、及び、Ag合金膜

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63238260A (ja) * 1987-03-25 1988-10-04 Unitika Ltd 熱線反射膜の形成方法
JPH06138453A (ja) * 1992-10-26 1994-05-20 Fujitsu Ltd 液晶表示装置
JPH08104547A (ja) * 1994-08-01 1996-04-23 Nippon Sheet Glass Co Ltd 断熱ガラス
JPH09324264A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Toppan Printing Co Ltd スパッタリングターゲット
JP2000180848A (ja) * 1998-12-16 2000-06-30 Nippon Sheet Glass Co Ltd 液晶表示素子用基板およびそれを用いた反射型液晶表示素子
JP2001004993A (ja) * 1999-06-21 2001-01-12 Toppan Printing Co Ltd 電極基板
JP2002015464A (ja) * 2000-04-28 2002-01-18 Kobe Steel Ltd 光情報記録媒体用の反射層または半透明反射層、光情報記録媒体及び光情報記録媒体用スパッタリングターゲット

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63238260A (ja) * 1987-03-25 1988-10-04 Unitika Ltd 熱線反射膜の形成方法
JPH06138453A (ja) * 1992-10-26 1994-05-20 Fujitsu Ltd 液晶表示装置
JPH08104547A (ja) * 1994-08-01 1996-04-23 Nippon Sheet Glass Co Ltd 断熱ガラス
JPH09324264A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Toppan Printing Co Ltd スパッタリングターゲット
JP2000180848A (ja) * 1998-12-16 2000-06-30 Nippon Sheet Glass Co Ltd 液晶表示素子用基板およびそれを用いた反射型液晶表示素子
JP2001004993A (ja) * 1999-06-21 2001-01-12 Toppan Printing Co Ltd 電極基板
JP2002015464A (ja) * 2000-04-28 2002-01-18 Kobe Steel Ltd 光情報記録媒体用の反射層または半透明反射層、光情報記録媒体及び光情報記録媒体用スパッタリングターゲット

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100482676B1 (ko) * 2002-08-22 2005-04-13 솔라 어플라이드 머티리얼 테크놀로지 코포레이션 반사형 평면 디스플레이의 반사막과 스퍼터링 타겟재의합금재
WO2005056851A1 (ja) * 2003-12-10 2005-06-23 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 反射率維持特性に優れた銀合金
WO2006093398A1 (en) 2005-03-04 2006-09-08 Inktec Co., Ltd. Conductive inks and manufacturing method thereof
US7691294B2 (en) 2005-03-04 2010-04-06 Inktec Co., Ltd. Conductive inks and manufacturing method thereof
US7955528B2 (en) 2005-03-04 2011-06-07 Inktec Co., Ltd Conductive inks and manufacturing method thereof
US8366958B2 (en) 2005-04-06 2013-02-05 Inktec Co., Ltd. Etching solutions
US9365935B2 (en) 2005-04-06 2016-06-14 Inktec Co., Ltd. Etching solutions
US8821753B2 (en) 2005-04-06 2014-09-02 Inktec Co., Ltd. Etching Solutions
WO2006132416A1 (ja) * 2005-06-10 2006-12-14 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金
JPWO2006132416A1 (ja) * 2005-06-10 2009-01-08 田中貴金属工業株式会社 反射率・透過率維持特性に優れた銀合金
JP2007146247A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Hitachi Cable Ltd 金属と樹脂からなる複合材料及びその製造方法並びにそれを用いた製品
US8445578B2 (en) 2006-04-29 2013-05-21 Inktec Co., Ltd. Compositions for forming reflecting layer having organic silver complexes, and method for preparing reflecting layer using same
US8399100B2 (en) 2007-09-25 2013-03-19 Kobe Steel, Ltd. Reflection film, reflection film laminate, LED, organic EL display, and organic EL illuminating instrument
WO2009041529A1 (ja) 2007-09-25 2009-04-02 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho 反射膜、反射膜積層体、led、有機elディスプレイ及び有機el照明器具
JP2009094362A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Toyota Motor Corp 太陽電池モジュール用光学フィルム
WO2012128227A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 旭硝子株式会社 反射鏡
WO2020162206A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 三菱マテリアル株式会社 Ag合金スパッタリングターゲット、及び、Ag合金膜
CN113366140A (zh) * 2019-02-06 2021-09-07 三菱综合材料株式会社 银合金溅射靶以及银合金膜
EP3922747A4 (en) * 2019-02-06 2022-10-26 Mitsubishi Materials Corporation AG ALLOY SPRAY TARGET, AND AG ALLOY FILM

Also Published As

Publication number Publication date
JP4638014B2 (ja) 2011-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4961786B2 (ja) 透明導電膜、およびこれを用いた透明導電性フィルム
DK169758B1 (da) Artikel med høj transmission og lav emissivitet samt fremgangsmåde til dens fremstilling
US4565719A (en) Energy control window film systems and methods for manufacturing the same
EP1213599A2 (en) Heat resistant reflecting layer
CN106575005B (zh) 红外线反射薄膜
CN103966560B (zh) 红外线反射薄膜的制造方法
KR20170117447A (ko) 강화된 태양광 제어 성능을 갖는 태양광 제어 코팅
CN102421719B (zh) 低辐射玻璃及其制造方法
JPH02217339A (ja) 透明導電ガラス
JPH01319701A (ja) 保護された銀被着基板とそれを含有するミラー
JPS62196366A (ja) 高透過率,低放射率物品
WO1991002102A1 (en) Film based on silicon dioxide and production thereof
JP2003034828A (ja) 電磁波シールド用のAg合金膜、電磁波シールド用Ag合金膜形成体及び電磁波シールド用Ag合金スパッタリングターゲット
JP4615701B2 (ja) 高耐熱性反射膜を用いた積層体
JP2002129259A (ja) 高耐熱性反射膜、これを用いた積層体、液晶表示素子用反射板及び建材ガラス
KR910002490B1 (ko) 비스무트/주석 산화물의 스퍼터링된 필름 및 이런 필름을 포함하는 물품
JP3997177B2 (ja) 電磁波シールド用Ag合金膜、電磁波シールド用Ag合金膜形成体および電磁波シールド用Ag合金膜の形成用のAg合金スパッタリングターゲット
JP2004277780A (ja) 銀系合金の積層構造並びにそれを用いた電極、配線、反射膜及び反射電極
KR101968813B1 (ko) 반사성 코팅 기판
JP3392000B2 (ja) 断熱ガラス
JPH03187735A (ja) 選択透過膜付きガラスの製造方法
JP2011037255A (ja) 積層体
CN105837058A (zh) 高耐磨耐湿性银基低辐射镀膜玻璃
TW201139313A (en) Solar control single low-E series with low visible reflectance
JP2004315970A (ja) 電磁波シールド用Ag基合金膜および電磁波シールド用Ag基合金膜積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4638014

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term