JP2002087832A - ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体 - Google Patents
ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体Info
- Publication number
- JP2002087832A JP2002087832A JP2001176006A JP2001176006A JP2002087832A JP 2002087832 A JP2002087832 A JP 2002087832A JP 2001176006 A JP2001176006 A JP 2001176006A JP 2001176006 A JP2001176006 A JP 2001176006A JP 2002087832 A JP2002087832 A JP 2002087832A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- hollow glass
- boron
- amount
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】化粧品材料用などに好適な、B2O3成分をかな
り含んでいてもホウ素溶出量の極めて少ない微小中空ガ
ラス球状体の提供。 【解決手段】B2O3換算のホウ素含有量が3%以上であ
り、特定の方法で測定したホウ素溶出量が300ppm
以下である微小中空ガラス球状体を原料の選択、洗浄処
理などで得る。
り含んでいてもホウ素溶出量の極めて少ない微小中空ガ
ラス球状体の提供。 【解決手段】B2O3換算のホウ素含有量が3%以上であ
り、特定の方法で測定したホウ素溶出量が300ppm
以下である微小中空ガラス球状体を原料の選択、洗浄処
理などで得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホウ素を含有した
ガラス組成からなり、かつホウ素溶出量の少ない微小中
空ガラス球状体に関する。
ガラス組成からなり、かつホウ素溶出量の少ない微小中
空ガラス球状体に関する。
【0002】
【従来の技術】微小中空ガラス球状体は、一般にガラス
マイクロバルーンと呼ばれ、他の充填材に比較して、比
重が軽く、耐熱性、耐圧性、耐衝撃性が良好であり、充
填材として使用したとき充填物の寸法安定性、成形性な
どの物性を改良できる。
マイクロバルーンと呼ばれ、他の充填材に比較して、比
重が軽く、耐熱性、耐圧性、耐衝撃性が良好であり、充
填材として使用したとき充填物の寸法安定性、成形性な
どの物性を改良できる。
【0003】このため、自動車、携帯電子機器、家庭電
化製品などの樹脂成形品、パテ、シーリング材、船舶用
浮力材、合成木材、強化セメント外壁材、軽量外壁板、
人工大理石などの充填材として、軽量化の目的で多くの
用途に用いられている。
化製品などの樹脂成形品、パテ、シーリング材、船舶用
浮力材、合成木材、強化セメント外壁材、軽量外壁板、
人工大理石などの充填材として、軽量化の目的で多くの
用途に用いられている。
【0004】また、遮音材、吸音材、断熱材、絶縁材、
低誘電率化材など種々の用途への展開も期待されてい
る。特に、微小中空ガラス球状体の粒径を小さくするこ
とにより、断熱塗料などの断熱用途、電線被覆材や配線
基板などの低誘電率化用途での使用が拡大することが期
待できる。また、含水爆薬、紙粘土、ゴム、塗料などの
用途にも使用できる。
低誘電率化材など種々の用途への展開も期待されてい
る。特に、微小中空ガラス球状体の粒径を小さくするこ
とにより、断熱塗料などの断熱用途、電線被覆材や配線
基板などの低誘電率化用途での使用が拡大することが期
待できる。また、含水爆薬、紙粘土、ゴム、塗料などの
用途にも使用できる。
【0005】このように、微小中空ガラス球状体は広い
用途を有するが、近年、微小で、より軽量、耐熱性、強
度の向上した品質の優れた微小中空ガラス球状体が開発
されるに伴い、ガラス組成の面からもより優れた種々の
ガラス組成の微小中空ガラス球状体が強く要求されてき
ている。
用途を有するが、近年、微小で、より軽量、耐熱性、強
度の向上した品質の優れた微小中空ガラス球状体が開発
されるに伴い、ガラス組成の面からもより優れた種々の
ガラス組成の微小中空ガラス球状体が強く要求されてき
ている。
【0006】現在、よく知られているガラス組成として
は、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、ソーダ石
灰ガラス、リン酸亜鉛ガラス、石英ガラス等が例示さ
れ、これらは前述の用途にも有用なものとして期待され
ている。しかし、前述した用途ばかりでなく、さらに種
々の用途に実用的に使用しようとする検討が進むに伴
い、一部の用途には必ずしも充分ではないことも分かっ
てきた。例えば、化粧品材料の充填材としては皮膚に対
する伸び性や感触、および美観性に優れたものとして極
めて有用であることが分かってきた。
は、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、ソーダ石
灰ガラス、リン酸亜鉛ガラス、石英ガラス等が例示さ
れ、これらは前述の用途にも有用なものとして期待され
ている。しかし、前述した用途ばかりでなく、さらに種
々の用途に実用的に使用しようとする検討が進むに伴
い、一部の用途には必ずしも充分ではないことも分かっ
てきた。例えば、化粧品材料の充填材としては皮膚に対
する伸び性や感触、および美観性に優れたものとして極
めて有用であることが分かってきた。
【0007】従来の微小中空ガラス球状体は、特にホウ
ケイ酸塩ガラスは、SiO2−B2O 3−Na2Oを主成分
としたガラスであり、また無アルカリガラスはNa2O
等のアルカリ成分を含まない、SiO2−Al2O3−B2
O3−CaO−MgO等を主成分としたガラスであり、
微小中空ガラス球状体の基材としていずれも好適に使用
されているが、B2O3成分を比較的多く含む。すなわ
ち、これらの組成からなる微小中空ガラス球状体は質量
%(以下、同じ)で5%以上のホウ素を含有していた。
ケイ酸塩ガラスは、SiO2−B2O 3−Na2Oを主成分
としたガラスであり、また無アルカリガラスはNa2O
等のアルカリ成分を含まない、SiO2−Al2O3−B2
O3−CaO−MgO等を主成分としたガラスであり、
微小中空ガラス球状体の基材としていずれも好適に使用
されているが、B2O3成分を比較的多く含む。すなわ
ち、これらの組成からなる微小中空ガラス球状体は質量
%(以下、同じ)で5%以上のホウ素を含有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、B2O3成分
をかなり含む微小中空ガラス球状体であってもその特性
を生かすべくホウ素溶出量の極めて少ないガラス球状体
を提供することによって、化粧品材料に好適であるだけ
なく、溶出して絶縁性を低下させる可能性のあるホウ素
を好まない半導体分野等の絶縁材料、樹脂封止材料等の
分野にも好適に使用できる微小中空ガラス球状体を提供
することを目的とする。
をかなり含む微小中空ガラス球状体であってもその特性
を生かすべくホウ素溶出量の極めて少ないガラス球状体
を提供することによって、化粧品材料に好適であるだけ
なく、溶出して絶縁性を低下させる可能性のあるホウ素
を好まない半導体分野等の絶縁材料、樹脂封止材料等の
分野にも好適に使用できる微小中空ガラス球状体を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス組成中
に含有されるホウ素濃度がB2O3として3質量%以上で
あり、かつ以下の方法で測定したホウ素溶出量が、サン
プル質量の300ppm以下である微小中空ガラス球状
体を提供する。ホウ素溶出量測定方法:12.5gのサ
ンプルにエタノール200cm3および蒸留水200c
m3を添加し、80℃で1時間撹拌処理をした後、固形
物を濾過し、濾液中に溶存するホウ素量を定量し、溶出
量をサンプル質量に対する割合で表示する。また、本発
明は、平均粒子径(体積基準、以下同じ)が25μm以
下であり、最大粒子径が50μm以下であり、かつ粒子
密度が1.0g/cm3以下である上記微小中空ガラス
球状体を提供する。
に含有されるホウ素濃度がB2O3として3質量%以上で
あり、かつ以下の方法で測定したホウ素溶出量が、サン
プル質量の300ppm以下である微小中空ガラス球状
体を提供する。ホウ素溶出量測定方法:12.5gのサ
ンプルにエタノール200cm3および蒸留水200c
m3を添加し、80℃で1時間撹拌処理をした後、固形
物を濾過し、濾液中に溶存するホウ素量を定量し、溶出
量をサンプル質量に対する割合で表示する。また、本発
明は、平均粒子径(体積基準、以下同じ)が25μm以
下であり、最大粒子径が50μm以下であり、かつ粒子
密度が1.0g/cm3以下である上記微小中空ガラス
球状体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の微小中空ガラス球状体
は、このように、B2O3成分をかなり含む微小中空ガラ
ス球状体であってもその特性を生かすべくホウ素溶出量
の極めて少ないガラス球状体である。まず、本発明にお
いてホウ素溶出量は以下の方法によって測定される。す
なわち、12.5gのサンプルにエタノール200cm
3および蒸留水200cm3を添加し、80℃で1時間撹
拌処理をした後、固形物を濾過し、濾液中に溶存するホ
ウ素量を定量し、溶出量をサンプル質量に対する割合で
表示するものである。
は、このように、B2O3成分をかなり含む微小中空ガラ
ス球状体であってもその特性を生かすべくホウ素溶出量
の極めて少ないガラス球状体である。まず、本発明にお
いてホウ素溶出量は以下の方法によって測定される。す
なわち、12.5gのサンプルにエタノール200cm
3および蒸留水200cm3を添加し、80℃で1時間撹
拌処理をした後、固形物を濾過し、濾液中に溶存するホ
ウ素量を定量し、溶出量をサンプル質量に対する割合で
表示するものである。
【0011】本発明の微小中空ガラス球状体は、ガラス
組成中に含有されるホウ素濃度がB 2O3として3%以上
であっても、上記方法によって測定されたホウ素溶出量
を300ppm以下としたものである。これは、ホウケ
イ酸塩ガラスや無アルカリガラスにおいてホウ素成分は
そのすべてまたはほとんどがB2O3として存在してお
り、通常では溶出しにくいが、化粧材料用途や電子材料
用途においては、微量であっても避けねばならないから
である。なお、本発明の好ましい微小中空ガラス球状体
はホウ素溶出量が200ppm以下である。
組成中に含有されるホウ素濃度がB 2O3として3%以上
であっても、上記方法によって測定されたホウ素溶出量
を300ppm以下としたものである。これは、ホウケ
イ酸塩ガラスや無アルカリガラスにおいてホウ素成分は
そのすべてまたはほとんどがB2O3として存在してお
り、通常では溶出しにくいが、化粧材料用途や電子材料
用途においては、微量であっても避けねばならないから
である。なお、本発明の好ましい微小中空ガラス球状体
はホウ素溶出量が200ppm以下である。
【0012】本発明の微小中空ガラス球状体は、このよ
うに化粧品材料に配合するものとして好適であるが、そ
の場合における微小中空ガラス球状体は平均粒子径25
μm以下かつ最大粒子径50μm以下かつ粒子密度1.
0g/cm3以下であることが好ましい。なお、平均粒
子径、最大粒子径はレーザー散乱式粒度測定装置で、粒
子密度は乾式自動密度計で測定できる。
うに化粧品材料に配合するものとして好適であるが、そ
の場合における微小中空ガラス球状体は平均粒子径25
μm以下かつ最大粒子径50μm以下かつ粒子密度1.
0g/cm3以下であることが好ましい。なお、平均粒
子径、最大粒子径はレーザー散乱式粒度測定装置で、粒
子密度は乾式自動密度計で測定できる。
【0013】平均粒子径が25μmを超える場合、また
は最大粒子径が50μmを超える場合は、皮膚に塗布し
たときに異物感やざらつき感が強くなる。異物感やざら
つき感のない良好な感触を得るためのより好ましい平均
粒子径は20μm以下、最大粒子径は45μm以下であ
る。また、粒子密度が1.0g/cm3を超えると重く
なりすぎ、質感が変化して柔らかくかつ弾力性のある皮
膚への好感触が得にくくなる。より好ましい粒子密度は
0.7g/cm3以下である。
は最大粒子径が50μmを超える場合は、皮膚に塗布し
たときに異物感やざらつき感が強くなる。異物感やざら
つき感のない良好な感触を得るためのより好ましい平均
粒子径は20μm以下、最大粒子径は45μm以下であ
る。また、粒子密度が1.0g/cm3を超えると重く
なりすぎ、質感が変化して柔らかくかつ弾力性のある皮
膚への好感触が得にくくなる。より好ましい粒子密度は
0.7g/cm3以下である。
【0014】本発明において、B2O3成分を3%以上含
みかつホウ素溶出量が300ppm以下と極めて少ない
微小中空ガラス球状体を得る方法としては、B2O3成分
の含有量やどの程度のホウ素溶出量にすべきかなどに応
じて、種々の方法が採用できる。
みかつホウ素溶出量が300ppm以下と極めて少ない
微小中空ガラス球状体を得る方法としては、B2O3成分
の含有量やどの程度のホウ素溶出量にすべきかなどに応
じて、種々の方法が採用できる。
【0015】例えば、微小中空ガラス球状体を得る製法
自体の改良で行うこともできるし、微小中空ガラス球状
体を得た後の処理(例えば固液分離や分級処理過程、洗
浄処理、特別に行う脱ホウ素処理、またはこれらの組合
わせ処理など)で行うことができる。
自体の改良で行うこともできるし、微小中空ガラス球状
体を得た後の処理(例えば固液分離や分級処理過程、洗
浄処理、特別に行う脱ホウ素処理、またはこれらの組合
わせ処理など)で行うことができる。
【0016】以下、本発明の微小中空ガラス球状体を得
る好ましい方法について説明する。まず、ガラス調合原
料は、加熱によりガラス化するものであり、一般には、
異なる複数の原料が目標とするガラス組成になるような
割合で調合される。ガラス原料としては、ケイ砂、シラ
ス、真珠岩、松脂岩、黒曜石、シリカゲル、ゼオライ
ト、ベントナイト、ソーダ灰、ホウ砂、ホウ酸、亜鉛
華、石灰、リン酸カルシウム、硫酸ナトリウム、アルミ
ナ等が例示される。
る好ましい方法について説明する。まず、ガラス調合原
料は、加熱によりガラス化するものであり、一般には、
異なる複数の原料が目標とするガラス組成になるような
割合で調合される。ガラス原料としては、ケイ砂、シラ
ス、真珠岩、松脂岩、黒曜石、シリカゲル、ゼオライ
ト、ベントナイト、ソーダ灰、ホウ砂、ホウ酸、亜鉛
華、石灰、リン酸カルシウム、硫酸ナトリウム、アルミ
ナ等が例示される。
【0017】ガラス原料としては、目標とするガラス組
成となるよう複数の原料の所定量を、あらかじめ溶融炉
で溶解、冷却して得られるガラスカレットを粉砕したガ
ラス粉末が好適である。このようなガラス粉末をガラス
原料として使用することはホウ素溶出量の少ない本発明
の微小中空ガラス球状体を得るのに有利である。
成となるよう複数の原料の所定量を、あらかじめ溶融炉
で溶解、冷却して得られるガラスカレットを粉砕したガ
ラス粉末が好適である。このようなガラス粉末をガラス
原料として使用することはホウ素溶出量の少ない本発明
の微小中空ガラス球状体を得るのに有利である。
【0018】このガラス原料には通常発泡剤が含有され
る。発泡剤は、ガラス原料が加熱によりガラス化され球
状になる際にガスを発生して、ガラス化した溶融ガラス
を中空体にする作用を有する。具体的には、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、アルミニウムおよび亜鉛からなる群から選ば
れる金属の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩または酢酸塩が例示
される。さらに、各種原料に含まれる結晶水も発泡剤と
して機能する。
る。発泡剤は、ガラス原料が加熱によりガラス化され球
状になる際にガスを発生して、ガラス化した溶融ガラス
を中空体にする作用を有する。具体的には、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、アルミニウムおよび亜鉛からなる群から選ば
れる金属の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩または酢酸塩が例示
される。さらに、各種原料に含まれる結晶水も発泡剤と
して機能する。
【0019】発泡剤の含有量の調節は、本発明の好まし
い粒度および粒子密度を得るために極めて重要であり、
例えば炭酸塩の場合、ガラス調合原料中のCO2換算で
0.5〜15%となるようにすることが好ましい。炭酸
塩の含有量が0.5%未満になると、発泡が不充分で得
られる微小中空ガラス球状体の粒子密度が1.0g/c
m3超と大きくなり、目標とする粒子密度が得られなく
なるので好ましくない。また逆に、15%超になると発
泡ガス量が多すぎて粒子内部に留まらずに外部に放出さ
れ、その結果中空粒子が得られなくなるので好ましくな
い。
い粒度および粒子密度を得るために極めて重要であり、
例えば炭酸塩の場合、ガラス調合原料中のCO2換算で
0.5〜15%となるようにすることが好ましい。炭酸
塩の含有量が0.5%未満になると、発泡が不充分で得
られる微小中空ガラス球状体の粒子密度が1.0g/c
m3超と大きくなり、目標とする粒子密度が得られなく
なるので好ましくない。また逆に、15%超になると発
泡ガス量が多すぎて粒子内部に留まらずに外部に放出さ
れ、その結果中空粒子が得られなくなるので好ましくな
い。
【0020】こうしたガラス調合原料より得られるガラ
スとしては、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等
が好ましい。ホウケイ酸塩ガラスは、SiO2−B2O3
−Na2Oを主成分としたガラスであり、また無アルカ
リガラスはNa2O等のアルカリ成分を含まない、Si
O2−Al2O3−B2O3−CaO−MgO等を主成分と
したガラスであり、本発明の微小中空ガラス球状体の基
材としていずれも好適である。
スとしては、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等
が好ましい。ホウケイ酸塩ガラスは、SiO2−B2O3
−Na2Oを主成分としたガラスであり、また無アルカ
リガラスはNa2O等のアルカリ成分を含まない、Si
O2−Al2O3−B2O3−CaO−MgO等を主成分と
したガラスであり、本発明の微小中空ガラス球状体の基
材としていずれも好適である。
【0021】こうして得られたガラス調合原料は湿式粉
砕される。湿式粉砕に使用する液体としては可燃性液
体、なかでも噴霧燃焼時のスラリの液体と同じものを使
用すると製造工程が簡略化されるので好ましい。湿式粉
砕工程における液体中のガラス調合原料の濃度は、噴霧
時のスラリ中のガラス調合原料の濃度と同一になるよう
に液体の量を調整しておくと製造工程が簡略化されるの
で好ましい。
砕される。湿式粉砕に使用する液体としては可燃性液
体、なかでも噴霧燃焼時のスラリの液体と同じものを使
用すると製造工程が簡略化されるので好ましい。湿式粉
砕工程における液体中のガラス調合原料の濃度は、噴霧
時のスラリ中のガラス調合原料の濃度と同一になるよう
に液体の量を調整しておくと製造工程が簡略化されるの
で好ましい。
【0022】湿式粉砕後のガラス調合原料の平均粒子径
は、目標とする平均粒子径および粒度分布を有する微小
中空ガラス球状体を効率的に得るため、ならびに均一な
組成の微小中空ガラス球状体を得るため、3μm以下で
あることが好ましい。
は、目標とする平均粒子径および粒度分布を有する微小
中空ガラス球状体を効率的に得るため、ならびに均一な
組成の微小中空ガラス球状体を得るため、3μm以下で
あることが好ましい。
【0023】このスラリの分散および分散安定化のため
に、分散剤、分散安定剤を添加してもよい。分散剤とし
てはノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤等を使用でき
る。なかでも高分子アニオン系界面活性剤が特に好まし
く、例えばアクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合
体であって酸価が5〜100mgKOH/g程度の大き
な酸価を有する酸含有アクリルオリゴマ等の酸含有オリ
ゴマー等が好ましい。このような高分子アニオン系界面
活性剤はスラリの分散および分散安定化に寄与する他
に、スラリの粘度を低く抑制できて好ましい。
に、分散剤、分散安定剤を添加してもよい。分散剤とし
てはノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤等を使用でき
る。なかでも高分子アニオン系界面活性剤が特に好まし
く、例えばアクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合
体であって酸価が5〜100mgKOH/g程度の大き
な酸価を有する酸含有アクリルオリゴマ等の酸含有オリ
ゴマー等が好ましい。このような高分子アニオン系界面
活性剤はスラリの分散および分散安定化に寄与する他
に、スラリの粘度を低く抑制できて好ましい。
【0024】こうして得られたガラス調合原料がスラリ
としての所定濃度になっていない場合は不足分の液体を
添加してガラス調合原料が所定濃度になるように調整す
る。スラリ中のガラス調合原料の濃度は5〜50%が好
ましく、さらに好ましくは10〜40%である。スラリ
中のガラス調合原料の濃度が5%未満の場合はスラリを
形成する可燃性液体の原単位が上昇するので好ましくな
い。逆に50%を超えるとスラリの粘度が上昇して取り
扱いが不便になり、また噴霧時の微粒液滴化にも支障を
きたすので好ましくない。
としての所定濃度になっていない場合は不足分の液体を
添加してガラス調合原料が所定濃度になるように調整す
る。スラリ中のガラス調合原料の濃度は5〜50%が好
ましく、さらに好ましくは10〜40%である。スラリ
中のガラス調合原料の濃度が5%未満の場合はスラリを
形成する可燃性液体の原単位が上昇するので好ましくな
い。逆に50%を超えるとスラリの粘度が上昇して取り
扱いが不便になり、また噴霧時の微粒液滴化にも支障を
きたすので好ましくない。
【0025】ついで、このスラリを二流体ノズルを使用
したり、圧力を加えて噴霧して液滴とする。生成した液
滴にはガラス調合原料が含有される。この液滴の大きさ
は、大きすぎると加熱による燃焼が不安定となったり、
大粒子が生成するので好ましくない。一方、小さすぎる
と得られるガラス組成が均一になりにくくなり、微小中
空ガラス球状体の収率が低下するので好ましくない。好
ましい液滴の大きさは0.1〜70μmの範囲である。
したり、圧力を加えて噴霧して液滴とする。生成した液
滴にはガラス調合原料が含有される。この液滴の大きさ
は、大きすぎると加熱による燃焼が不安定となったり、
大粒子が生成するので好ましくない。一方、小さすぎる
と得られるガラス組成が均一になりにくくなり、微小中
空ガラス球状体の収率が低下するので好ましくない。好
ましい液滴の大きさは0.1〜70μmの範囲である。
【0026】液滴が加熱されることにより、ガラス調合
原料が溶融されガラス化するとともにガラス中の発泡成
分がガス化し微小中空ガラス球状体が形成される。加熱
手段としては、燃焼、電気加熱など任意のものが使用で
きる。加熱温度は、ガラス調合原料のガラス化する温度
に依存する。具体的には、300〜1500℃の範囲で
ある。本発明においては、スラリの液体成分が可燃性液
体であることが好ましいので、これが燃焼して発熱しガ
ラスの溶融に寄与する。
原料が溶融されガラス化するとともにガラス中の発泡成
分がガス化し微小中空ガラス球状体が形成される。加熱
手段としては、燃焼、電気加熱など任意のものが使用で
きる。加熱温度は、ガラス調合原料のガラス化する温度
に依存する。具体的には、300〜1500℃の範囲で
ある。本発明においては、スラリの液体成分が可燃性液
体であることが好ましいので、これが燃焼して発熱しガ
ラスの溶融に寄与する。
【0027】形成された微小中空ガラス球状体は、サイ
クロン、バグフィルタ、スクラバや充填塔等を用いた方
法により回収される。ついで、回収粉体中の未発泡品を
除去し、発泡品のみを水による浮選法により回収する。
より低密度の発泡品を選別する場合には、比重の軽いア
ルコール等で浮選する方法が有効である。また、浮選法
により回収されたスラリは、微小中空ガラス球状体に取
り込まれなかった塩類を除去するために、遠心濾過、減
圧濾過、または加圧濾過等により固液分離した後、洗浄
水を供給しながら固液分離する等して塩類の除去をす
る。
クロン、バグフィルタ、スクラバや充填塔等を用いた方
法により回収される。ついで、回収粉体中の未発泡品を
除去し、発泡品のみを水による浮選法により回収する。
より低密度の発泡品を選別する場合には、比重の軽いア
ルコール等で浮選する方法が有効である。また、浮選法
により回収されたスラリは、微小中空ガラス球状体に取
り込まれなかった塩類を除去するために、遠心濾過、減
圧濾過、または加圧濾過等により固液分離した後、洗浄
水を供給しながら固液分離する等して塩類の除去をす
る。
【0028】また、濾過ケーキを再度水で希釈し、スラ
リ化しこれを充分撹拌した後で濾過する操作を一回また
は数回繰り返し、不純物を除去する方法も好適である。
洗浄に使用する水についても、特に限定されないが、洗
浄効率等を勘案し、水道水、イオン交換水、脱塩水など
が使用される。また、使用水の温度を高温にすることも
好適である。このような固液分離、塩類の除去、不純物
の除去などの過程において、同時にホウ素溶出量のほと
んどない中空体とするために、これらの過程を繰り返し
行ったり、さらなる洗浄を行うことが有効である。
リ化しこれを充分撹拌した後で濾過する操作を一回また
は数回繰り返し、不純物を除去する方法も好適である。
洗浄に使用する水についても、特に限定されないが、洗
浄効率等を勘案し、水道水、イオン交換水、脱塩水など
が使用される。また、使用水の温度を高温にすることも
好適である。このような固液分離、塩類の除去、不純物
の除去などの過程において、同時にホウ素溶出量のほと
んどない中空体とするために、これらの過程を繰り返し
行ったり、さらなる洗浄を行うことが有効である。
【0029】ついで、最大粒子径が50μm以下となる
よう分級処理を行う。分級処理としては特に限定されな
いが、風力式分級機や篩い分け装置等を用いるのが好ま
しい。また、この分級処理は濾過工程の前段階で行うこ
ともできる。そのときは、浮選法により回収されたスラ
リを湿式分級することで、より効率化を図ることができ
る。このような処理の過程においても、ホウ素溶出量の
ほとんどない微小中空ガラス球状体とするために、これ
らの過程を繰り返し行ったり、さらなる洗浄を行うこと
が有効である。
よう分級処理を行う。分級処理としては特に限定されな
いが、風力式分級機や篩い分け装置等を用いるのが好ま
しい。また、この分級処理は濾過工程の前段階で行うこ
ともできる。そのときは、浮選法により回収されたスラ
リを湿式分級することで、より効率化を図ることができ
る。このような処理の過程においても、ホウ素溶出量の
ほとんどない微小中空ガラス球状体とするために、これ
らの過程を繰り返し行ったり、さらなる洗浄を行うこと
が有効である。
【0030】このようにして製造される微小中空ガラス
球状体は、ガラス組成に含有されるホウ素濃度がB2O3
として3%以上であっても、ホウ素溶出量が、サンプル
質量の300ppm以下のものとすることができる。ホ
ウ素溶出量は、必要ならばこの後に洗浄などを行うこと
によっても、溶出防止の表面処理を行うことによっても
さらに低減できる。
球状体は、ガラス組成に含有されるホウ素濃度がB2O3
として3%以上であっても、ホウ素溶出量が、サンプル
質量の300ppm以下のものとすることができる。ホ
ウ素溶出量は、必要ならばこの後に洗浄などを行うこと
によっても、溶出防止の表面処理を行うことによっても
さらに低減できる。
【0031】本発明の微小中空ガラス球状体はホウ素溶
出量が低いことにより、化粧料として特に好適に使用さ
れる。すなわち、清浄用化粧料、頭髪化粧料、基礎化粧
料、メークアップ化粧料、日焼け・日焼け止め化粧料、
爪化粧料、アイライナー化粧料、口唇化粧料、口腔化粧
料、入浴用化粧料等に好適に使用できる。また半導体分
野等の絶縁材料、樹脂封止材料等にも好適に使用でき
る。
出量が低いことにより、化粧料として特に好適に使用さ
れる。すなわち、清浄用化粧料、頭髪化粧料、基礎化粧
料、メークアップ化粧料、日焼け・日焼け止め化粧料、
爪化粧料、アイライナー化粧料、口唇化粧料、口腔化粧
料、入浴用化粧料等に好適に使用できる。また半導体分
野等の絶縁材料、樹脂封止材料等にも好適に使用でき
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限されない。
明するが、本発明はこれらにより何ら制限されない。
【0033】[例1(実施例)]二酸化ケイ素85.0
g、炭酸カルシウム22.5g、ホウ酸18.2g、第
二リン酸カルシウム5.0g、炭酸リチウム2.0g、
硫酸ナトリウム6.7g、ホウ砂14.2g、分散剤
(花王社製、商品名ホモゲノールL−1820)7.7
gを灯油600g中に混合した後、媒体撹拌ミルを使用
して湿式粉砕することでガラス調合原料のスラリを得
た。
g、炭酸カルシウム22.5g、ホウ酸18.2g、第
二リン酸カルシウム5.0g、炭酸リチウム2.0g、
硫酸ナトリウム6.7g、ホウ砂14.2g、分散剤
(花王社製、商品名ホモゲノールL−1820)7.7
gを灯油600g中に混合した後、媒体撹拌ミルを使用
して湿式粉砕することでガラス調合原料のスラリを得
た。
【0034】使用したミルは、内容積1400cm3で
あり、材質はジルコニア製のものを使用した。平均径
0.65mmφのジルコニア製のビーズを1120cm
3入れて使用した。運転条件は回転数を2500rpm
とし、30分間湿式粉砕した。得られたガラス調合原料
のスラリを二流体ノズルにて噴霧し、火炎を近づけるこ
とで着火し噴霧燃焼を行い、ホウケイ酸塩ガラス(B2
O3含有量:15%)からなる微小中空ガラス球状体を
製造した。
あり、材質はジルコニア製のものを使用した。平均径
0.65mmφのジルコニア製のビーズを1120cm
3入れて使用した。運転条件は回転数を2500rpm
とし、30分間湿式粉砕した。得られたガラス調合原料
のスラリを二流体ノズルにて噴霧し、火炎を近づけるこ
とで着火し噴霧燃焼を行い、ホウケイ酸塩ガラス(B2
O3含有量:15%)からなる微小中空ガラス球状体を
製造した。
【0035】微小中空ガラス球状体はバグフィルタにて
回収後、水に混合しスラリを作成し、このスラリを遠心
分離することで水浮上品のみをスラリとして回収した。
さらに、このスラリをステンレス鋼製42μmの網をセ
ットした湿式振動篩で分級し、篩下スラリを回収した。
このスラリを固液分離し、そのケーキを固形分の30倍
の50℃の脱塩水でスラリ化し、再度固液分離した。こ
の操作をさらにもう一度繰り返し、得られたケーキを1
20℃で静置乾燥して、水浮上品を得た。
回収後、水に混合しスラリを作成し、このスラリを遠心
分離することで水浮上品のみをスラリとして回収した。
さらに、このスラリをステンレス鋼製42μmの網をセ
ットした湿式振動篩で分級し、篩下スラリを回収した。
このスラリを固液分離し、そのケーキを固形分の30倍
の50℃の脱塩水でスラリ化し、再度固液分離した。こ
の操作をさらにもう一度繰り返し、得られたケーキを1
20℃で静置乾燥して、水浮上品を得た。
【0036】水浮上品の形状を走査型電子顕微鏡で観察
したところ、いずれも真球状であった。水浮上品の粒度
を、レーザー散乱式粒度測定装置(日機装社製、商品名
マイクロトラックHRAモデル9320−X100、以
下同じ)で測定したところ、平均粒径は12.5μmで
あり、最大粒子径は約40μmであった。また乾式自動
密度計(島津製作所製、商品名アキュピック1330、
以下同じ)で測定した水浮上品の粒子密度は0.34g
/cm3であった。さらに、前述の操作で得られた平均
粒子径12.5μmの微小中空ガラス球状体は、X線回
折測定の結果、ガラス質であることが確認された。
したところ、いずれも真球状であった。水浮上品の粒度
を、レーザー散乱式粒度測定装置(日機装社製、商品名
マイクロトラックHRAモデル9320−X100、以
下同じ)で測定したところ、平均粒径は12.5μmで
あり、最大粒子径は約40μmであった。また乾式自動
密度計(島津製作所製、商品名アキュピック1330、
以下同じ)で測定した水浮上品の粒子密度は0.34g
/cm3であった。さらに、前述の操作で得られた平均
粒子径12.5μmの微小中空ガラス球状体は、X線回
折測定の結果、ガラス質であることが確認された。
【0037】つぎに、微小中空ガラス球状体のホウ素溶
出量を測定した。500cm3のステンレス鋼製フラス
コに、前述の操作で得られた平均粒子径12.5μmの
微小中空ガラス球状体12.5gを入れ、次にエタノー
ル200cm3を加えて良く混合した後、蒸留水200
cm3を加えて良く混合した。
出量を測定した。500cm3のステンレス鋼製フラス
コに、前述の操作で得られた平均粒子径12.5μmの
微小中空ガラス球状体12.5gを入れ、次にエタノー
ル200cm3を加えて良く混合した後、蒸留水200
cm3を加えて良く混合した。
【0038】スタティックミキサで微小中空ガラス球状
体を液中に浮遊させた状態でゆっくり撹拌しながら、こ
の混合液をマントルヒータで加熱し、80℃で1時間保
持した。空冷後、5C濾過紙で濾過し、残留物を少量の
蒸留水で洗い、濾液に合わせた。その濾液を0.22μ
mのメンブレンフィルタで濾過し、ポリテトラフルオロ
エチレン製ビーカーに回収した。
体を液中に浮遊させた状態でゆっくり撹拌しながら、こ
の混合液をマントルヒータで加熱し、80℃で1時間保
持した。空冷後、5C濾過紙で濾過し、残留物を少量の
蒸留水で洗い、濾液に合わせた。その濾液を0.22μ
mのメンブレンフィルタで濾過し、ポリテトラフルオロ
エチレン製ビーカーに回収した。
【0039】その濾液を250cm3のポリプロピレン
製メスフラスコに取り、ビーカーを少量の蒸留水で洗っ
て合わせ、蒸留水を加えて250cm3に調整し、調整
した液のホウ素濃度をICP−AES(誘導結合高周波
プラズマ原子発光分析)にて測定したところ、5.1p
pmであった。これはサンプル質量の102ppmに相
当する量であった。なお、バグフィルタにて回収直後の
微小中空ガラス球状体について、同様にホウ素溶出量を
測定したところ、サンプル質量の15500ppmであ
った。
製メスフラスコに取り、ビーカーを少量の蒸留水で洗っ
て合わせ、蒸留水を加えて250cm3に調整し、調整
した液のホウ素濃度をICP−AES(誘導結合高周波
プラズマ原子発光分析)にて測定したところ、5.1p
pmであった。これはサンプル質量の102ppmに相
当する量であった。なお、バグフィルタにて回収直後の
微小中空ガラス球状体について、同様にホウ素溶出量を
測定したところ、サンプル質量の15500ppmであ
った。
【0040】本例において、ホウ素溶出量が102pp
mとなったのは、バグフィルタにて回収した後、スラリ
化して、遠心分離および固液分離処理を行ったことによ
るものと考えられる。特に、固液分離時のケーキ洗浄処
理の効果が大きいものと考えられる。
mとなったのは、バグフィルタにて回収した後、スラリ
化して、遠心分離および固液分離処理を行ったことによ
るものと考えられる。特に、固液分離時のケーキ洗浄処
理の効果が大きいものと考えられる。
【0041】[例2(実施例)]あらかじめ原料を溶解
し、微粉砕して得た平均粒子径約10μmのガラスカレ
ット(組成SiO2:59.5%、Al2O3:17.6
%、B2O3:8.3%、MgO:3.1%、CaO:
3.7%、SrO:7.8%)139.6g、硫酸マグ
ネシウム14.0g、分散剤(ホモゲノールL−182
0)7.7gを灯油500g中に混合した後、媒体撹拌
ミルを使用して湿式粉砕することでガラス調合原料のス
ラリを得た。
し、微粉砕して得た平均粒子径約10μmのガラスカレ
ット(組成SiO2:59.5%、Al2O3:17.6
%、B2O3:8.3%、MgO:3.1%、CaO:
3.7%、SrO:7.8%)139.6g、硫酸マグ
ネシウム14.0g、分散剤(ホモゲノールL−182
0)7.7gを灯油500g中に混合した後、媒体撹拌
ミルを使用して湿式粉砕することでガラス調合原料のス
ラリを得た。
【0042】媒体撹拌ミル、ビーズは例1と同じものを
使用した。運転条件は撹拌回転数を2500rpmと
し、60分間湿式粉砕した。得られたガラス調合原料の
スラリからガラス調合原料粒子を回収し、レーザー散乱
式粒度測定装置を用いて平均粒子径を測定したところ、
1.5μmであった。
使用した。運転条件は撹拌回転数を2500rpmと
し、60分間湿式粉砕した。得られたガラス調合原料の
スラリからガラス調合原料粒子を回収し、レーザー散乱
式粒度測定装置を用いて平均粒子径を測定したところ、
1.5μmであった。
【0043】得られたガラス調合原料の灯油スラリを二
流体ノズルを用いて液滴化し、液滴に火炎を近づけ燃焼
を行い、ガラス化するとともに無アルカリガラスからな
る微小中空ガラス球状体を製造した。二流体ノズルに使
用する噴霧ガスとしては空気を使用し、その圧力は0.
4MPaであり、そのとき形成された液滴の大きさは約
13μmであった。また燃焼時の燃焼空気量は理論空気
量の1.7倍量を使用し、燃焼温度は約1250℃であ
った。
流体ノズルを用いて液滴化し、液滴に火炎を近づけ燃焼
を行い、ガラス化するとともに無アルカリガラスからな
る微小中空ガラス球状体を製造した。二流体ノズルに使
用する噴霧ガスとしては空気を使用し、その圧力は0.
4MPaであり、そのとき形成された液滴の大きさは約
13μmであった。また燃焼時の燃焼空気量は理論空気
量の1.7倍量を使用し、燃焼温度は約1250℃であ
った。
【0044】得られた中空球状体は、バグフィルタで回
収後、水に混合しスラリを作成し、このスラリを遠心分
離することで水浮上品のみをスラリとして回収した。さ
らに、このスラリをステンレス鋼製42μmの網をセッ
トした湿式振動篩で分級し、篩下スラリを回収した。こ
のスラリを固液分離し、そのケーキを固形分の30倍の
50℃の脱塩水でスラリ化し、再度固液分離した。この
操作をさらにもう一度繰り返し、得られたケーキを12
0℃で静置乾燥して、水浮上品を得た。水浮上品の形状
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれも真球状
であった。
収後、水に混合しスラリを作成し、このスラリを遠心分
離することで水浮上品のみをスラリとして回収した。さ
らに、このスラリをステンレス鋼製42μmの網をセッ
トした湿式振動篩で分級し、篩下スラリを回収した。こ
のスラリを固液分離し、そのケーキを固形分の30倍の
50℃の脱塩水でスラリ化し、再度固液分離した。この
操作をさらにもう一度繰り返し、得られたケーキを12
0℃で静置乾燥して、水浮上品を得た。水浮上品の形状
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、いずれも真球状
であった。
【0045】水浮上品の粒度をレーザー散乱式粒度測定
装置を用いて測定したところ、平均粒子径は7.3μ
m、最大粒子径は約35μmであった。最大粒子径につ
いては、走査型電子顕微鏡観察による方法でも確認した
が、約34μmとほぼ合致していた。また乾式自動密度
計で測定した粒子密度は0.52g/cm3であった。
得られた球状体は、X線回折測定の結果、ガラス質であ
ることが確認された。つぎに、例1と同様に微小中空ガ
ラス球状体のホウ素溶出量を測定したところ、サンプル
質量の30ppmであった。なお、バグフィルタにて回
収後の微小中空ガラス球状体について、同様にホウ素溶
出量を測定したところ、サンプル質量の650ppmで
あった。
装置を用いて測定したところ、平均粒子径は7.3μ
m、最大粒子径は約35μmであった。最大粒子径につ
いては、走査型電子顕微鏡観察による方法でも確認した
が、約34μmとほぼ合致していた。また乾式自動密度
計で測定した粒子密度は0.52g/cm3であった。
得られた球状体は、X線回折測定の結果、ガラス質であ
ることが確認された。つぎに、例1と同様に微小中空ガ
ラス球状体のホウ素溶出量を測定したところ、サンプル
質量の30ppmであった。なお、バグフィルタにて回
収後の微小中空ガラス球状体について、同様にホウ素溶
出量を測定したところ、サンプル質量の650ppmで
あった。
【0046】本例において、ホウ素溶出量が30ppm
となったのは、スラリ化して、遠心分離および固液分離
処理を行ったことによるものと考えられる。特に、固液
分離時のケーキ洗浄処理の効果が大きいものと考えられ
る。
となったのは、スラリ化して、遠心分離および固液分離
処理を行ったことによるものと考えられる。特に、固液
分離時のケーキ洗浄処理の効果が大きいものと考えられ
る。
【0047】[例3(比較例)]東芝バロティーニ社
製、商品名HSC−110(B2O3を7.9%含むアル
ミノシリケートガラスからなる中空ガラスビーズ)を用
いて、例1と同様にホウ素溶出量を測定したところ、サ
ンプル質量の718ppmであった。用いたHSC−1
10の、レーザー散乱式粒度測定装置にて測定した平均
粒子径は11.4μm、乾式自動密度計にて測定した真
密度は1.14g/cm3であった。
製、商品名HSC−110(B2O3を7.9%含むアル
ミノシリケートガラスからなる中空ガラスビーズ)を用
いて、例1と同様にホウ素溶出量を測定したところ、サ
ンプル質量の718ppmであった。用いたHSC−1
10の、レーザー散乱式粒度測定装置にて測定した平均
粒子径は11.4μm、乾式自動密度計にて測定した真
密度は1.14g/cm3であった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、B2O3成分をかなり含んでい
てもホウ素溶出量の極めて少ない微小中空ガラス球状体
であり、化粧品材料用に好適であるだけでなく、ホウ素
を好まない半導体分野等の絶縁材料、樹脂封止材料等の
分野においても好適に使用できる。
てもホウ素溶出量の極めて少ない微小中空ガラス球状体
であり、化粧品材料用に好適であるだけでなく、ホウ素
を好まない半導体分野等の絶縁材料、樹脂封止材料等の
分野においても好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/04 A61K 7/04 7/06 7/06 7/42 7/42 7/50 7/50 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 山田 兼士 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4C083 AB151 AB152 AB172 AB292 AB312 AB352 BB23 CC01 CC11 CC13 CC14 CC19 CC22 CC25 CC31 CC41 EE09 4M109 AA01 EA18
Claims (2)
- 【請求項1】ガラス組成中に含有されるホウ素濃度がB
2O3として3質量%以上であり、かつ以下の方法で測定
したホウ素溶出量が、サンプル質量の300ppm以下
である微小中空ガラス球状体。 ホウ素溶出量測定方法:12.5gのサンプルにエタノ
ール200cm3および蒸留水200cm3を添加し、8
0℃で1時間撹拌処理をした後、固形物を濾過し、濾液
中に溶存するホウ素量を定量し、溶出量をサンプル質量
に対する割合で表示する。 - 【請求項2】平均粒子径(体積基準)が25μm以下で
あり、最大粒子径が50μm以下であり、かつ粒子密度
が1.0g/cm3以下である請求項1に記載の微小中
空ガラス球状体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001176006A JP2002087832A (ja) | 2000-07-10 | 2001-06-11 | ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208295 | 2000-07-10 | ||
JP2000-208295 | 2000-07-10 | ||
JP2001176006A JP2002087832A (ja) | 2000-07-10 | 2001-06-11 | ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002087832A true JP2002087832A (ja) | 2002-03-27 |
Family
ID=26595699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001176006A Pending JP2002087832A (ja) | 2000-07-10 | 2001-06-11 | ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002087832A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180088A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 株式会社ノエビア | 皮膚外用剤 |
-
2001
- 2001-06-11 JP JP2001176006A patent/JP2002087832A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180088A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 株式会社ノエビア | 皮膚外用剤 |
JP7523892B2 (ja) | 2019-04-26 | 2024-07-29 | 株式会社ノエビア | 皮膚外用剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6531222B1 (en) | Fine hollow glass sphere and method for preparing the same | |
US20020004111A1 (en) | Hollow glass microspheres and process for their production | |
US20010043996A1 (en) | Hollow aluminosilicate glass microspheres and process for their production | |
AU695077B2 (en) | Hollow borosilicate microspheres and method of making | |
EP0801037B1 (en) | Process for producing inorganic microspheres and glass microballoons | |
TW200422276A (en) | Synthetic hollow microspheres | |
JP2002037645A (ja) | 微小中空アルミノシリケートガラス球状体およびその製造方法 | |
JPH0151455B2 (ja) | ||
JP3740745B2 (ja) | 微小中空ガラス球状体の製造方法 | |
JP3579966B2 (ja) | 微小中空ガラス球状体の製造方法 | |
JP2002087831A (ja) | 微小中空ガラス球状体およびその製造方法 | |
CA2233997A1 (en) | Process for making a low density detergent composition by agglomeration with a hydrated salt | |
JP2002087832A (ja) | ホウ素溶出量の少ない微小中空ガラス球状体 | |
TW201223869A (en) | Method of manufacturing granulated silica powder, method of manufacturing vitreous silica crucible | |
JP2002020235A (ja) | 中空ガラス球状体配合化粧料 | |
JP2002029764A (ja) | 微小中空ガラス球状体およびその製造方法 | |
JP2004359543A (ja) | 発泡シリカゲル及びその製造方法 | |
JPH07315869A (ja) | 微細中空ガラス球状体の製造方法 | |
JP6741942B2 (ja) | スプレー造粒法による顆粒状モールドパウダーの製造方法 | |
CA1142555A (en) | Lead additive and process for its production | |
JPH05125400A (ja) | ノニオン活性剤含有粒状組成物の製造法 | |
JP2001172031A (ja) | 軽量微小フィラーおよびそれを配合した成形体 | |
JP2002338279A (ja) | 微小中空ガラス球状体の製造方法 | |
JPH0437017B2 (ja) | ||
RU2135410C1 (ru) | Способ получения жидкого стекла |