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JP2002070913A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

Info

Publication number
JP2002070913A
JP2002070913A JP2000254679A JP2000254679A JP2002070913A JP 2002070913 A JP2002070913 A JP 2002070913A JP 2000254679 A JP2000254679 A JP 2000254679A JP 2000254679 A JP2000254679 A JP 2000254679A JP 2002070913 A JP2002070913 A JP 2002070913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylinder
shock absorber
flow path
hydraulic shock
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000254679A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Kawamura
貞雄 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2000254679A priority Critical patent/JP2002070913A/ja
Publication of JP2002070913A publication Critical patent/JP2002070913A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器の高速域での減衰力の増加傾向が
油温の上昇、油の粘度の低下により低減することを回避
すること。 【解決手段】 油圧緩衝器10において、ピストン33
の外周とピストンリング37の内周との間に環状の隙間
82、83を設け、伸側流路40と圧側流路39の少な
くとも一方の流路を上記環状の隙間82、83に連通す
る伸側連通路85と圧側連通路86の少なくとも一方
を、ピストン33に設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧緩衝器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧緩衝器として、シリンダ内の
ピストンの両側に区画した2つの油室を、ピストンに設
けたオリフィス又は減衰バルブを介して導通可能とし、
ピストンロッドの移動に伴ってオリフィス又は減衰バル
ブを通過する油に作用するそれらの流路抵抗に基づく減
衰力をピストンロッドに及ぼすものがある。この減衰力
はピストンロッドの移動速度の例えば2乗(オリフィ
ス)又は2/3乗(減衰バルブ)に比例するものとされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】油圧緩衝器において、
ピストンロッドの移動速度が高速になり、油がオリフィ
ス又は減衰バルブを通過する際の抵抗損失が熱になって
油温を上昇させ、ひいては油の粘度を低くするときに
は、オリフィス又は減衰バルブに基づいて生ずる前述の
減衰力の増加傾向を低減するものになる。
【0004】尚、特開平10-274273号公報では、油供給
装置が圧送する油により、ピストンの外周に設けた摩擦
材を拡径し、この摩擦材をシリンダの内面に押圧させる
ことによって生ずる摩擦力により油圧緩衝器の減衰特性
を調整するものを開示している。ところが、この従来技
術では、摩擦材によって発生せしめる摩擦力が、ピスト
ンロッドの移動速度に依存するものでないため、高速域
での減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下に
より低減することを回避することの作用が全くない。
【0005】本発明の課題は、油圧緩衝器の高速域での
減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下により
低減することを回避することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、作動
油を封入したシリンダにピストンロッドを軸方向に移動
自在に挿入し、ピストンロッドのシリンダへの挿入端に
ピストンを設け、シリンダ内のピストンの両側に2つの
油室を区画し、ピストンの外周にシリンダの内周に摺接
するピストンリングを嵌着し、2つの油室を連通するオ
リフィスをピストンに形成した油圧緩衝器において、ピ
ストンの外周とピストンリングの内周との間に環状の隙
間を設け、2つの油室のうちの少なくとも一方の油室を
上記環状の隙間に連通する連通路を、ピストンに設けた
ものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明おいて
更に、前記連通路が2つの油室のそれぞれを、前記ピス
トンのオリフィスを介して該ピストンの外周に形成され
る環状の隙間に連通してなるようにしたものである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記ピストンとピストンリングの間の軸
方向に2つのシール材を設け、この2つのシール材の間
に前記環状の隙間を形成し、前記連通路がこの環状の隙
間に開口してなるようにしたものである。
【0009】請求項4の発明は、作動油を封入したシリ
ンダ内にピストンロッドを軸方向に移動自在に挿入し、
ピストンロッドのシリンダへの挿入部にピストンを設け
シリンダ内のピストンの両側に2つの油室を区画し、ピ
ストンの外周にシリンダの内周に摺接するピストンリン
グを嵌着し、2つの油室をそれぞれ連通する伸側流路と
圧側流路をピストンに形成し、伸側流路の開口端に伸側
減衰バルブを、圧側流路の開口端に圧側減衰バルブを設
けた油圧緩衝器において、ピストンの外周とピストンリ
ングの内周との間に環状の隙間を設け、伸側流路と圧側
流路の少なくとも一方の流路を上記環状の隙間に連通す
る伸側連通路と圧側連通路の少なくとも一方を、ピスト
ンに設けたものである。
【0010】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て更に、前記ピストンとピストンリングの間の軸方向に
3つのシール材を設け、軸方向の一方側で相隣る2つの
シール材の間と、他方側で相隣る2つシール材の間のそ
れぞれに前記環状の隙間を形成し、前記伸側連通路が上
記一方側で相隣る2つのシール材の間の一方の環状の隙
間に開口し、前記圧側連通路が上記他方側で相隣る2つ
のシール材の他方の環状の隙間に開口するようにしたも
のである。
【0011】請求項6の発明は、作動油を封入したシリ
ンダ内にピストンロッドを軸方向に移動自在に挿入し、
ピストンロッドのシリンダへの挿入端にピストンを設
け、シリンダ内のピストンの両側に2つの油室を区画
し、ピストンの外周にシリンダの内周に摺接するピスト
ンリングを嵌着し、2つの油室をそれぞれ連通する伸側
流路と圧側流路をピストンに形成し、伸側流路の開口端
に伸側減衰バルブを、圧側流路の開口端に圧側減衰バル
ブを設けた油圧緩衝器において、ピストンの外周とピス
トンリングの内周との間に環状の隙間を設け、伸側流路
と圧側流路を上記環状の隙間を介して互いに連通する連
通路を、ピストンに設けたものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明によれば下記の作用がある。 ピストンロッドが伸縮移動すると、オリフィスはピス
トンロッドの移動速度の2乗に比例した減衰力を発生さ
せ、オリフィスの両端(2つの油室)の間に速度依存の
圧力差を生ずる。従って、ピストンロッドが伸縮を繰り
返すときに、高圧側になった油室の伸側と圧側の少なく
とも一方の速度依存の高圧力が連通路から環状の隙間に
及び、これがピストンリングを拡径方向に押し開き、ピ
ストンリングとシリンダの間に速度依存の摩擦力(摩擦
特性)を生じさせる。これにより、高速域で、ピストン
リングがシリンダとの間で生ずる摩擦力を増加させ、オ
リフィスに基づく減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の
粘度の低下により低減することを、この摩擦力の増加に
よって補い、回避する。
【0013】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 2つの油室のそれぞれを環状の隙間に連通する連通路
の一部に、ピストンに設けてあるオリフィスを用いるこ
とにより、ピストンの外周からオリフィスに向けて穿設
することにて連通路を設けることができ、加工容易とな
る。
【0014】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンとピストンリングの間に2つのシール材を設
けることにより、環状の隙間の密封性を向上できる。
【0015】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンロッドが伸縮移動すると、伸側と圧側の減衰
バルブはピストンロッドの移動速度の2/3乗に比例し
た減衰力を発生させ、減衰バルブの両端(2つの油室)
の間に速度依存の圧力差を生ずる。従って、ピストンロ
ッドが伸縮を繰り返すときに、高圧側になった油室の伸
側と圧側の少なくとも一方の速度依存の高圧力が伸側と
圧側の連通路から環状の隙間に及び、これがピストンリ
ングを拡径方向に押し開き、ピストンリングとシリンダ
の間に速度依存の摩擦力(摩擦特性)を生じさせる。こ
れにより、高速域で、ピストンリングがシリンダとの間
で生ずる摩擦力を増加させ、伸側と圧側の減衰バルブに
基づく減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下
により低減することを、この摩擦力の増加によって補
い、回避する。
【0016】請求項5の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンとピストンリングの間の軸方向に3つのシー
ル材を設けることにより、2つの環状の隙間の密封性を
向上し、伸側と圧側で独立した摩擦特性を得ることがで
きる。
【0017】請求項6の発明によれば下記の作用があ
る。 ピストンロッドが伸縮移動すると、伸側と圧側の減衰
バルブはピストンロッドの移動速度の2乗に比例して減
衰力を発生させ、減衰バルブの両端(2つの油室)の間
に速度依存の圧力差を生ずる。従って、ピストンロッド
が伸縮を繰り返すときに、高圧側になった油室の伸側と
圧側の両方の速度依存の高圧力がそれらの連通路から共
通の環状の隙間に及び、これがピストンリングを拡径方
向に押し開き、ピストンリングとシリンダの間に速度依
存の摩擦力(摩擦特性)を生じさせる。これにより、高
速域で、ピストンリングがシリンダとの間で生ずる摩擦
力を増加させ、伸側と圧側の減衰バルブに基づく減衰力
の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下により低減す
ることを、この摩擦力の増加によって補い、回避する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の油圧緩衝器
を示す断面図、図2は図1の減衰力発生装置を示す断面
図、図3は第2実施形態の減衰力発生装置を示す断面
図、図4は第3実施形態の減衰力発生装置を示す断面図
である。
【0019】(第1実施形態)(図1、図2) 油圧緩衝器10は、図1に示す如く、シリンダ11に中
空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ11とピスト
ンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装して
いる。
【0020】シリンダ11は車体側取付部14を備え、
ピストンロッド12に車輪側取付部15を備える。シリ
ンダ11の外周部にはばね受け調整リング16とばね受
け17が螺着され、ピストンロッド12にはばね受け1
8が固定されており、ばね受け17とばね受け18の間
に懸架スプリング13を介装し、ばね受け調整リング1
6とばね受け17の螺動により懸架スプリング13の設
定長さを調整可能としている。懸架スプリング13の弾
発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0021】シリンダ11はピストンロッド12が貫通
するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、
Oリング22を介してシリンダ11に液密に装着される
とともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシ
ール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に
摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイ
ド21の外側に圧側バンパ26を備え、最圧縮時に、ピ
ストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧
側バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制可能と
している。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の
内側に伸側バンプラバー28を備えている。
【0022】油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置
(伸側減衰力発生装置)30と、ベースバルブ装置(圧
側減衰力発生装置)60とを有している。油圧緩衝器1
0は、ピストンバルブ装置30とベースバルブ装置60
が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝
撃力の吸収に伴うシリンダ11とピストンロッド12の
伸縮振動を抑制する。
【0023】(ピストンバルブ装置30)(図1、図
2) ピストンバルブ装置30は、シリンダ11に挿入された
ピストンロッド12の端部にリバウンドストッパ兼バル
ブストッパ31、圧側減衰バルブ32、ピストン33、
伸側減衰バルブ34、バルブストッパ35を装着し、こ
れらをナット36で固定してある。
【0024】ピストン33は、外周部に備えたピストン
リング37を介してシリンダ11の内部を液密に摺接
し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容さ
れないピストン側油室38Aと、ピストンロッド12が
収容されるロッド側油室38Bとに区画する。ピストン
33は、圧側減衰バルブ32を開口端に備えてピストン
側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能とする
圧側流路39と、伸側減衰バルブ34を開口端に備えて
ピストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可
能とする伸側流路40とを備える。
【0025】また、ピストンバルブ装置30は、スライ
ダ装置41により操作される減衰力調整ロッド42をピ
ストンロッド12の中空部に進退自在に通し、この調整
ロッド42の先端のニードル弁43により、ピストンロ
ッド12に設けてあるピストン側油室38Aとロッド側
油室38Bとのバイパス流路44の開口面積を調整可能
としている。
【0026】スライダ装置41は、ピストンロッド12
の車輪側取付部15に該ピストンロッド12の軸方向に
直交する方向から圧入固定されたアジャストホルダ45
と、このアジャストホルダ45に枢着されたアジャスタ
46と、アジャスタ46の軸直角外方向にセットスプリ
ングで付勢されてアジャストホルダ45の側の係合凹部
に係合可能とされるボール48と、アジャスタ46のね
じ部に螺着されたスライダ49とから構成される。アジ
ャスタ46は操作溝46Aを備える操作端側をアジャス
トホルダ45に支持され、反操作端側を車輪側取付部1
5に支持され、操作溝46Aに係着される工具により回
転操作され、ボール48をアジャストホルダ45の周方
向複数位置に配置(等配)されている係合凹部のそれぞ
れに順に係合し、アジャスタ46をそれらの回転操作停
止位置に節度感をもって設定替え可能とされる。他方、
スライダ49は、アジャスタ46のねじ部に螺着された
状態で、車輪側取付部15に設けてあるガイドボルト5
0の先端ガイド部をスライダ49の軸方向に設けてある
ガイド溝に係入されている。これにより、スライダ装置
41は、アジャスタ46の回転操作によりスライダ49
を調整ロッド42の軸方向に直交する方向に進退可能と
する。
【0027】調整ロッド42は、ピストンロッド12の
中空部にOリング51を介して液密に挿入され、先端の
ニードル弁43によりバイパス流路44の開口面積を調
整する。このとき、調整ロッド42は、シリンダ11の
ピストン側油室38Aの油圧に基づくスラスト力によ
り、その基端部に加締にて回転自在に保持されているボ
ール52を上述のスライダ49のテーパー面に圧接せし
められる。
【0028】即ち、ピストンバルブ装置30にあって
は、スライダ49のテーパー面を調整ロッド42の基端
部のボール52に当接させ、スライダ装置41のアジャ
スタ46に加える回転操作に基づくスライダ49の進退
により調整ロッド42を軸方向に進退させ、調整ロッド
42の先端のニードル弁43の移動によりバイパス流路
44の開口面積を調整する。
【0029】従って、油圧緩衝器10の圧縮時には、ピ
ストン側油室38Aの油が圧側流路39を通り圧側減衰
バルブ32を開いてロッド側油室38Bに導かれる。
【0030】また、油圧緩衝器10の伸長時には、シリ
ンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のと
き、ロッド側油室38Bの油がニードル弁43のあるバ
イパス流路44を通ってピストン側油室38へ流れ、こ
の間のニードル弁43による絞り抵抗により伸側の減衰
力を生ずる。
【0031】また、油圧緩衝器10の伸長時で、シリン
ダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のと
き、ロッド側油室38Bの油が伸側流路40を通り伸側
減衰バルブ34を撓み変形させてピストン側油室38A
へ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0032】(ベースバルブ装置60)(図1) ベースバルブ装置60は、シリンダ11にリザーバ61
を一体化し、このリザーバ61のキャップ62で封止さ
れる内部をダイヤフラム型(フリーピストン型でも可)
の隔壁部材(不図示)により、油室とガス室とに区画し
ている。キャップ62には、ガス室に加圧ガスを封入す
るガス封入バルブ(不図示)が設けられている。
【0033】また、ベースバルブ装置60は、シリンダ
11のピストン側油室38Aとリザーバ61の油室との
間の連通領域にバルブハウジング71を設け、シリンダ
11に螺着されるプラグボルト72によってこのバルブ
ハウジング71を固定してある。バルブハウジング71
にはピストン73が固定化され、ピストン73には流路
74を設けてある。ピストン73の中央部にはバイパス
形成ボルト75が固定され、バイパス形成ボルト75の
中央部まわりには流路74を圧縮時に開とする圧側バル
ブ76と、流路74を伸長時に導通する伸側バルブ(チ
ェックバルブ)(不図示)が設けられる。
【0034】そして、ベースバルブ装置60は、プラグ
ボルト72にアジャストレバー77を液密に嵌着し、ア
ジャストレバー77にアジャストロッド78を回転可能
に装着し、このアジャストロッド78の先端部に回転方
向には係合し軸方向には相対移動できるニードル弁79
を備え、ニードル弁79をバイパス形成ボルト75のバ
イパス流路75Aに対して進退し、バイパス流路75A
の開口面積を調整可能とする。
【0035】従って、油圧緩衝器10の圧縮時には、シ
リンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分
の油が、ピストン側油室38Aからバイパス形成ボルト
75のバイパス流路75A、もしくはピストン73の流
路74を通ってリザーバ61の油室に排出される。この
とき、シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が
低速のときには、バイパス流路75Aに設けてあるニー
ドル弁88による絞り抵抗により圧側の減衰力を得る。
また、シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が
中高速のときには、ピストン側油室38Aから流路74
を通る油が圧側バルブ76を撓み変形させてリザーバ6
1の油室に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
【0036】油圧緩衝器10の伸長時には、シリンダ1
1から退出するピストンロッド12の退出容積分の油
が、リザーバ61の油室から伸側バルブ、流路74を通
ってピストン側油室38Aに返送される。
【0037】然るに、油圧緩衝器10にあっては、高速
域での圧側減衰バルブ32、伸側減衰バルブ34の減衰
力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下により低減
することを回避するため、ピストンバルブ装置30に以
下の構成を具備する。
【0038】即ち、ピストン33の外周に設けた環状溝
81に弾性体からなるピストンリング37を装着し、ピ
ストン33の外周とピストンリング37の内周との間に
環状の隙間82、83を設ける。このとき、ピストン3
3とピストンリング37の間の軸方向の3位置に、ピス
トン33に設けられたリング溝に係着された3つのOリ
ング84A〜84C(シール材)のそれぞれを設け、軸
方向の一方側で相隣るOリング84AとOリング84B
の間に環状の隙間82を形成し、他方側で相隣るOリン
グ84BとOリング84Cの間に環状の隙間83を形成
した。そして、伸側流路40を環状の隙間82に連通す
る伸側連通路85と、圧側流路39を環状の隙間83に
連通する圧側連通路86のそれぞれをピストン33に設
けた。
【0039】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 ピストンロッド12が伸縮移動すると、伸側と圧側の
減衰バルブ32、34はピストンロッド12の移動速度
の2/3乗に比例した減衰力を発生させ、減衰バルブ3
2、34の両端(2つの油室38A、38B)の間に速
度依存の圧力差を生ずる。従って、ピストンロッド12
が伸縮を繰り返すときに、高圧側になった油室38A、
38Bの伸側と圧側それぞれの速度依存の高圧力が伸側
と圧側の連通路85、86から環状の隙間82、83に
及び、これがピストンリング37を拡径方向に押し開
き、ピストンリング37とシリンダ11の間に速度依存
の摩擦力(摩擦特性)を生じさせる。これにより、高速
域で、ピストンリング37がシリンダ11との間で生ず
る摩擦力を増加させ、伸側と圧側の減衰バルブ32、3
4に基づく減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の
低下により低減することを、この摩擦力の増加によって
補い、回避する。
【0040】ピストン33とピストンリング37の間
の軸方向に3つのOリング84A〜84Cを設けること
により、2つの環状の隙間82、83の密封性を向上
し、伸側と圧側で独立した摩擦特性を得ることができ
る。
【0041】尚、油圧緩衝器10において、速度依存の
摩擦特性を伸側においてだけ得ようとするものであれば
伸側連通路85だけを設け、圧側においてだけ得ようと
するものであれば圧側連通路86だけを設ける。
【0042】(第2実施形態)(図3) 第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ピストンバ
ルブ装置30の構成にある。即ち、ピストン33の外周
に設けた環状溝91に弾性体からピストンリング37を
装着し、ピストン33の外周とピストンリング37の内
周との間に環状の隙間92を設ける。このとき、ピスト
ン33とピストンリング37の間の軸方向の2位置に、
ピストン33に設けられたリング溝に係着された2つの
Oリング93A、93B(シール材)のそれぞれを設
け、この2つのOリング93A、93Bの間に環状の隙
間92を形成した。そして、伸側流路40と圧側流路3
9のそれぞれを環状の隙間92に連絡する連通路94、
95をピストン33に設け、結果として、伸側流路40
と圧側流路39を連通路94、95、環状の隙間92を
介して互いに連通した。
【0043】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 ピストンロッド12が伸縮移動すると、伸側と圧側の
減衰バルブ32、34はピストンロッド12の移動速度
の2乗に比例して減衰力を発生させ、減衰バルブ32、
34の両端(2つの油室38A、38B)の間に速度依
存の圧力差を生ずる。従って、ピストンロッド12が伸
縮を繰り返すときに、高圧側になった油室38A、38
Bの伸側と圧側の両方の速度依存の高圧力がそれらの連
通路94、95から共通の環状の隙間92に及び、これ
がピストンリング37を拡径方向に押し開き、ピストン
リング37とシリンダ11の間に速度依存の摩擦力(摩
擦特性)を生じさせる。これにより、高速域で、ピスト
ンリング37がシリンダ11との間で生ずる摩擦力を増
加させ、伸側と圧側の減衰バルブ32、34に基づく減
衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘度の低下により低
減することを、この摩擦力の増加によって補い、回避す
る。
【0044】ピストン33とピストンリング37の間
に2つのOリング93A、93Bを設けることにより、
環状の隙間の密封性を向上できる。
【0045】(第3実施形態)(図4) 第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、2つの油室
38A、38Bを連通するオリフィス101をピストン
33に形成し、ピストン33の外周とピストンリング3
7の内周との間に環状の隙間102を設け、2つの油室
38A、38Bのそれぞれを環状の隙間102に連通す
る連通路103をピストン33に設けたことにある。
【0046】このとき、連通路103は、2つの油室3
8A、38Bのそれぞれを、ピストン33のオリフィス
101を介して環状の隙間102に連通するものとし
た。また、ピストン33とピストンリング37の間の軸
方向の2位置に、ピストン33に設けられたリング溝に
係着された2つのOリング104A、104B(シール
材)のそれぞれを設け、この2つのOリング104A、
104Bの間に環状の隙間102を形成し、連通路10
3をこの環状の隙間102に開口した。
【0047】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 ピストンロッド12が伸縮移動すると、オリフィス1
01はピストンロッド12の移動速度の2乗に比例した
減衰力を発生させ、オリフィス101の両端(2つの油
室38A、38B)の間に速度依存の圧力差を生ずる。
従って、ピストンロッド12が伸縮を繰り返すときに、
高圧側になった油室38A、38Bの伸側と圧側のそれ
ぞれの速度依存の高圧力が連通路103から環状の隙間
102に及び、これがピストンリングを拡径方向に押し
開き、ピストンリングとシリンダ11の間に速度依存の
摩擦力(摩擦特性)を生じさせる。これにより、高速域
で、ピストンリングがシリンダ11との間で生ずる摩擦
力を増加させ、オリフィス101に基づく減衰力の増加
傾向が油温の上昇、油の粘度の低下により低減すること
を、この摩擦力の増加によって補い、回避する。
【0048】2つの油室38A、38Bのそれぞれを
環状の隙間102に連通する連通路103の一部に、ピ
ストンに設けてあるオリフィス101を用いることによ
り、ピストンの外周からオリフィス101に向けて穿設
することにて連通路103を設けることができ、加工容
易となる。
【0049】ピストン33とピストンリングの間に2
つのOリング104A、104Bを設けることにより、
環状の隙間102の密封性を向上できる。
【0050】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、油圧緩衝
器の高速域での減衰力の増加傾向が油温の上昇、油の粘
度の低下により低減することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の油圧緩衝器を示す断面図
である。
【図2】図2は図1の減衰力発生装置を示す断面図であ
る。
【図3】図3は第2実施形態の減衰力発生装置を示す断
面図である。
【図4】図4は第3実施形態の減衰力発生装置を示す断
面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 シリンダ 12 ピストンロッド 33 ピストン 37 ピストンリング 38A、38B 油室 82、83 環状の隙間 84A〜84C Oリング(シール材) 85 伸側連通路 86 圧側連通路 92 環状の隙間 93A、93B Oリング(シール材) 94、95 連通路 101 オリフィス 102 環状の隙間 104A、104B Oリング(シール材) 103 連通路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油を封入したシリンダにピストンロ
    ッドを軸方向に移動自在に挿入し、ピストンロッドのシ
    リンダへの挿入端にピストンを設け、 シリンダ内のピストンの両側に2つの油室を区画し、 ピストンの外周にシリンダの内周に摺接するピストンリ
    ングを嵌着し、 2つの油室を連通するオリフィスをピストンに形成した
    油圧緩衝器において、 ピストンの外周とピストンリングの内周との間に環状の
    隙間を設け、2つの油室のうちの少なくとも一方の油室
    を上記環状の隙間に連通する連通路を、ピストンに設け
    たことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記連通路が2つの油室のそれぞれを、
    前記ピストンのオリフィスを介して該ピストンの外周に
    形成される環状の隙間に連通してなる請求項1に記載の
    油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記ピストンとピストンリングの間の軸
    方向に2つのシール材を設け、この2つのシール材の間
    に前記環状の隙間を形成し、前記連通路がこの環状の隙
    間に開口してなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 作動油を封入したシリンダ内にピストン
    ロッドを軸方向に移動自在に挿入し、 ピストンロッドのシリンダへの挿入部にピストンを設け シリンダ内のピストンの両側に2つの油室を区画し、 ピストンの外周にシリンダの内周に摺接するピストンリ
    ングを嵌着し、 2つの油室をそれぞれ連通する伸側流路と圧側流路をピ
    ストンに形成し、 伸側流路の開口端に伸側減衰バルブを、圧側流路の開口
    端に圧側減衰バルブを設けた油圧緩衝器において、 ピストンの外周とピストンリングの内周との間に環状の
    隙間を設け、伸側流路と圧側流路の少なくとも一方の流
    路を上記環状の隙間に連通する伸側連通路と圧側連通路
    の少なくとも一方を、ピストンに設けたことを特徴とす
    る油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 前記ピストンとピストンリングの間の軸
    方向に3つのシール材を設け、軸方向の一方側で相隣る
    2つのシール材の間と、他方側で相隣る2つシール材の
    間のそれぞれに前記環状の隙間を形成し、前記伸側連通
    路が上記一方側で相隣る2つのシール材の間の一方の環
    状の隙間に開口し、前記圧側連通路が上記他方側で相隣
    る2つのシール材の他方の環状の隙間に開口する請求項
    4に記載の油圧緩衝器。
  6. 【請求項6】 作動油を封入したシリンダ内にピストン
    ロッドを軸方向に移動自在に挿入し、 ピストンロッドのシリンダへの挿入端にピストンを設
    け、 シリンダ内のピストンの両側に2つの油室を区画し、 ピストンの外周にシリンダの内周に摺接するピストンリ
    ングを嵌着し、 2つの油室をそれぞれ連通する伸側流路と圧側流路をピ
    ストンに形成し、 伸側流路の開口端に伸側減衰バルブを、圧側流路の開口
    端に圧側減衰バルブを設けた油圧緩衝器において、 ピストンの外周とピストンリングの内周との間に環状の
    隙間を設け、伸側流路と圧側流路を上記環状の隙間を介
    して互いに連通する連通路を、ピストンに設けたことを
    特徴とする油圧緩衝器。
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