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JP2002060610A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Publication number
JP2002060610A
JP2002060610A JP2000249436A JP2000249436A JP2002060610A JP 2002060610 A JP2002060610 A JP 2002060610A JP 2000249436 A JP2000249436 A JP 2000249436A JP 2000249436 A JP2000249436 A JP 2000249436A JP 2002060610 A JP2002060610 A JP 2002060610A
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JP
Japan
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component
weight
resin composition
compound
resin
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Application number
JP2000249436A
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Yoshikazu Niide
義和 新出
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホスファイト化合物およびホスホナイト化合
物から選択される少なくとも1種のリン化合物を含むポ
リカーボネート樹脂およびその樹脂組成物における耐湿
熱分解性の向上を図り、結果として熱安定性、ならびに
製品寿命やリサイクル性に優れた樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(a−1成分)3
0〜100重量%および他の樹脂(a−2成分)70〜
0重量%の合計100重量%からなる樹脂組成物(A成
分)100重量部に対し、ホスファイト化合物およびホ
スホナイト化合物から選択される少なくとも1種のリン
化合物(B成分)0.0005〜1重量部、並びに炭酸
金属塩、硫酸金属塩、クロム酸金属塩、チタン酸金属
塩、酸化珪素、珪酸塩化合物、および水性溶液または懸
濁液におけるpH値が6〜8.5である金属酸化物から
選択される少なくとも1種の化合物(C成分)0.00
5〜1重量部を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐湿熱分解性の改良
された熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくはホス
ファイト化合物およびホスホナイト化合物から選択され
る少なくとも1種のリン化合物を含むポリカーボネート
樹脂およびその樹脂組成物における湿熱分解性の問題
を、炭酸金属塩、珪酸塩化合物、および特定の金属酸化
物などから選択される化合物を耐湿熱改良剤として使用
し解決するものである。更に詳しくは特定のホスファイ
ト化合物を使用することにより、耐湿熱分解性の良好な
熱可塑性樹脂を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、機械部品、自
動車部品、電気・電子部品などの多くの用途に用いられ
ている。多くの場合他の熱可塑性樹脂や添加剤などを配
合することによる機能性付与や、難燃剤の配合による難
燃性付与などを行い、高機能化されたポリカーボネート
樹脂組成物が多くの用途に用いられている。
【0003】一方、近年では環境への配慮から、樹脂リ
サイクルへの取り組みが必要となっている。樹脂リサイ
クルの問題点として、一般的に樹脂を長く使用(または
放置)すると樹脂は劣化し、リサイクルした場合に特性
低下などを引き起こすことが知られている。樹脂劣化の
原因としては、熱による劣化、空気中の水分による加水
分解劣化、光による劣化などが挙げられる。屋内で使用
する場合は熱と水分による劣化が樹脂劣化の主要原因と
考えられる。従って樹脂のリサイクル特性を向上する為
には、熱や水分による分解に対する耐性(以下“耐湿熱
分解性”と称する)の向上が重要な課題となる。更にか
かる耐湿熱分解性の向上は使用時における製品特性の低
下を極力少なくするものであり、製品寿命の観点からも
好ましいものである。
【0004】ポリカーボネート樹脂の場合、一般的に製
造時や成形加工時における色相改善および熱安定性改良
のためホスファイト化合物やホスホナイト化合物が酸化
防止剤として配合されている。これらの化合物はポリカ
ーボネート樹脂よりも熱や水分により加水分解し易く、
加水分解により酸成分を生じる。かかる酸成分はポリカ
ーボネート樹脂の加水分解を促進し、ポリカーボネート
樹脂の耐湿熱分解性を悪化させる原因となっている。ま
た、ポリカーボネート樹脂に他の熱可塑性樹脂、添加
剤、または難燃剤などを配合した組成物においても、配
合物によってはポリカーボネート樹脂の加水分解を促進
する。特にホスフェート系難燃剤、赤リン系難燃剤、ホ
スファゼン系難燃剤、またはシリコーン系難燃剤は、熱
や水分により加水分解され易く酸成分を生じ、ポリカー
ボネート樹脂の加水分解を促進する。
【0005】上記理由から、ポリカーボネート樹脂およ
びその樹脂組成物のリサイクル特性の向上や製品寿命の
向上を図るためには、ポリカーボネート樹脂およびその
樹脂組成物の耐湿熱分解性の改良が必要である。
【0006】ポリカーボネート樹脂組成物の耐湿熱分解
性の向上方法として、特開平11−310695号公報
には、芳香族ポリカーボネート、1種以上の熱可塑性樹
脂、並びに酸成分および酸生成成分の少ない有機リン系
難燃剤化合物を含む加水分解安定性の改善された難燃性
熱可塑性樹脂組成物が開示されている。また、特開平1
1−315200号公報には、芳香族ポリカーボネー
ト、1種以上の熱可塑性樹脂、ビニル芳香族グラフトポ
リマー、有機リン系難燃剤化合物、および塩基性金属酸
化物を含む加水分解安定性の改善された難燃性熱可塑性
樹脂組成物が開示されている。更に特開2000−07
2962号公報には、特定量以下の塩素化合物を含有す
るポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、リン酸エス
テル系難燃剤、および珪酸塩系充填材からなるポリカー
ボネート樹脂組成物が開示されている。
【0007】しかしながら、上記の公報に記載された知
見はいずれも、熱可塑性樹脂組成物中に安定剤として少
量含まれるホスファイト化合物などが誘発する湿熱分解
を改良するためには十分といえるものではなかった。
【0008】上記の様な背景から、ポリカーボネート樹
脂およびその組成物の耐湿熱分解性の改良方法が求めら
れ、耐湿熱分解性の改良されたポリカーボネート樹脂組
成物の発明が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ホス
ファイト化合物およびホスホナイト化合物から選択され
る少なくとも1種のリン化合物を含むポリカーボネート
樹脂およびその樹脂組成物における耐湿熱分解性の向上
を図り、結果として熱安定性、ならびに製品寿命やリサ
イクル性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【0010】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検
討を重ねた結果、熱安定剤としてホスファイト化合物お
よびホスホナイト化合物から選択される少なくとも1種
のリン化合物を特定量含むポリカーボネート樹脂および
その樹脂組成物において、更に炭酸金属塩、珪酸塩化合
物、および特定の金属酸化物などから選択される化合物
を含むことにより、上記の問題が解決できることを見出
し、かかる熱可塑性樹脂組成物が、樹脂組成物本来の特
性を損ねることなく耐湿熱分解性の改良が可能であるこ
とを見出し本発明に達した。
【0011】本発明者はかかる理由を以下のように推測
している。ホスファイト化合物およびホスホナイト化合
物を含むポリカーボネート樹脂およびその樹脂組成物に
おいて、熱や水分などによりそれらの化合物は加水分解
され耐湿熱分解性に悪影響を与える成分(酸など)を生
じる。
【0012】ここに特定の金属酸化物、炭酸金属塩、硫
酸金属塩、クロム酸金属塩、チタン酸金属塩、酸化珪
素、または珪酸塩化合物などが含まれていると、これら
の固体表面に悪影響を与える成分(酸など)を吸着また
は配位させ、悪影響を与える成分を失活させることが可
能となる。結果として耐湿熱分解性への悪影響を抑制す
ると考えられる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリカーボネ
ート樹脂(a−1成分)30〜100重量%および他の
樹脂(a−2成分)70〜0重量%の合計100重量%
からなる樹脂組成物(A成分)100重量部に対し、ホ
スファイト化合物およびホスホナイト化合物から選択さ
れる少なくとも1種のリン化合物(B成分)0.000
5〜1重量部、並びに炭酸金属塩、硫酸金属塩、クロム
酸金属塩、チタン酸金属塩、酸化珪素、珪酸塩化合物、
および水性溶液または懸濁液におけるpH値が6〜8で
ある金属酸化物から選択される少なくとも1種の化合物
0.005〜1重量部を含んでなる熱可塑性樹脂組成物
にかかるものである。
【0014】本発明a−1成分として使用するポリカー
ボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前
駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させ
て得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相
エステル交換法により重合させたもの、または環状カー
ボネート化合物の開環重合法により重合させて得られる
ものである。
【0015】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェ
ニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単
独または2種以上を混合して使用できる。
【0016】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0017】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0018】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必
要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防
止の為の酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカー
ボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共
重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族
または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエ
ステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られ
たポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物で
あってもよい。
【0019】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,
6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4
−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノー
ル等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)
ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェ
ニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれ
らの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−
トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0020】かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる
多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリ
カーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましく
は0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01
〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の
場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、か
かる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全
量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜
0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%
であるものが好ましい。尚、かかる割合については1
−NMR測定により算出することが可能である。
【0021】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促
進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウ
ム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反
応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に
保つのが好ましい。
【0022】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、かかる単官能フェノール類としては、一般にはフ
ェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、
下記一般式(2)で表される単官能フェノール類を示す
ことができる。
【0023】
【化2】
【0024】(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換
アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整
数である。) 上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0025】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も
示すことができる。これらのなかでは、下記一般式
(3)および(4)で表される長鎖のアルキル基を置換
基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
【0029】かかる一般式(3)の置換フェノール類と
してはnが10〜30、特に10〜26のものが好まし
く、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデ
シルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシ
ルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフ
ェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフ
ェノール等を挙げることができる。
【0030】また、一般式(4)の置換フェノール類と
してはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である
化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26
のものが好適であって、その具体例としては例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。また、末端停止剤は単独でまた
は2種以上混合して使用してもよい。
【0031】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の
範囲である。反応後期には系を1.33×103〜1
3.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフ
ェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4
時間程度である。
【0032】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネ
ート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
トなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが
好ましい。
【0033】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用
してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価
フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×
10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4
量の範囲で選ばれる。
【0034】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)
カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、
ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニル
フェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネー
ト、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート
およびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
ト等の化合物を加えることができる。なかでも2−クロ
ロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボ
ニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシ
カルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、
特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネ
ートが好ましく使用される。
【0035】さらにかかる重合反応において触媒の活性
を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤
の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼ
ンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベン
ゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスル
ホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−ト
ルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フ
ェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン
化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレ
ン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニ
ル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−
フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホス
ホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘ
キシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチ
ルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェー
ト、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシ
ルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアン
モニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメ
チルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルア
ンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルア
ンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルア
ンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチ
ルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラ
メチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の
化合物を挙げることができるが、これらに限定されな
い。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0036】失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはア
ンモニウム塩型のものが好ましい。かかる触媒の量とし
ては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの
割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネ
ート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より
好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは
0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0037】ポリカーボネート樹脂の分子量は特定され
ないが、分子量が10,000未満であると高温特性等
が低下し、50,000を超えると成形加工性が低下す
るようになるので、粘度平均分子量で表して10,00
0〜50,000のものが好ましく、14,000〜3
0,000のものがより好ましく、更に好ましくは1
4,000〜24,000である。また、ポリカーボネ
ート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。この場
合粘度平均分子量が上記範囲外であるポリカーボネート
樹脂とを混合することも当然に可能である。
【0038】特に粘度平均分子量が50,000を超え
るポリカーボネート樹脂との混合物はドリップ防止能が
高く、本発明の効果を更に効率的に発揮するため好まし
いものである。より好ましくは粘度平均分子量が80,
000以上のポリカーボネート樹脂との混合物であり、
更に好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を
有するポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわ
ちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
などの方法により2ピーク以上の分子量分布を有するも
のが好ましく使用できる。
【0039】本発明でいう粘度平均分子量はまず次式に
て算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカ
ーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオ
ストワルド粘度計を用いて求め、 比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0 [t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下
秒数] 求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量M
を求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0040】本発明のa−2成分としては各種の熱可塑
性樹脂、ゴム質重合体および熱硬化性樹脂を使用するこ
とができる。
【0041】a−2成分における熱可塑性樹脂としては
各種の熱可塑性樹脂を使用することができる。かかる熱
可塑性樹脂としては例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、HIPS樹脂、MS
樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹
脂、SMA樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フェ
ノキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
環状ポリオレフィン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリ
アリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリア
リレート)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリフェニレンサルファイドなどを挙げることができ
る。更にスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウ
レタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラスト
マーも使用することができる。
【0042】a−2成分におけるゴム質重合体としては
各種のゴム質重合体を使用することができる。ここでゴ
ム質重合体とはガラス転移温度が10℃以下のゴム成分
に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、およびこれらと共重合可能
なビニル化合物から選択されたモノマーの1種または2
種以上が共重合されたグラフト共重合体を挙げることが
できる。
【0043】ここでガラス転移温度が10℃以下のゴム
成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル
複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合ゴ
ム、イソブチレン−シリコン複合ゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−ア
クリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、
フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加
されたものを挙げることができる。
【0044】中でもガラス転移温度が10℃以下のゴム
成分を含有するゴム質重合体が好ましく、特にブタジエ
ンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴ
ム、アクリル-シリコン複合ゴムを使用したゴム質重合
体が好ましい。ブタジエン−アクリル複合ゴムとは、ブ
タジエンゴムの成分と、アクリルゴムの成分とを共重合
または分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造を
とるように重合したゴムであり、アクリル−シリコン複
合ゴムとは、アクリルゴムの成分とシリコンゴムの成分
とを分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造とし
たまたはシリコンゴム中の官能基と共重合したものをい
う。
【0045】ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分を
含有するゴム質重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合のいずれの重合法で製造したものであって
もよく、共重合の方式は一段グラフトであっても多段グ
ラフトであっても差し支えない。また製造の際に副生す
るグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であっても
よい。更に一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等
の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合
法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸
濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持
して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分
散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方
法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数
〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを
通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能で
ある。
【0046】かかるゴム質重合体は市販されており容易
に入手することが可能である。例えばガラス転移温度が
10℃以下のゴム成分として、ブタジエンゴム、または
ブタジエン−アクリル複合ゴムを主体とするものとして
は、鐘淵化学工業(株)のカネエースBシリーズ、三菱
レーヨン(株)のメタブレンCシリーズ、呉羽化学工業
(株)のEXLシリーズ、HIAシリーズ、BTAシリ
ーズ、KCAシリーズが挙げられ、ガラス転移温度が1
0℃以下のゴム成分としてアクリル−シリコン複合ゴム
を主体とするものとしては三菱レーヨン(株)よりメタ
ブレンS−2001あるいはSRK−200という商品
名で市販されているものが挙げられる。
【0047】a−2成分における熱硬化樹脂としては、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
【0048】上記a−2成分のうち、ポリスチレン樹
脂、HIPS樹脂、MS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、
AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂などの各種スチレ
ン系樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、脂肪族
ポリエステル樹脂などのポリエステル樹脂、スチレン系
樹脂、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートの
他、アクリルイミド構成単位やメチルシクロヘキシルメ
タクリレート構成単位などが共重合されたものなどを含
む)、およびゴム質重合体から選ばれる1種または2種
以上を含む場合には、本発明の耐湿熱分解性の改良効果
がより強調されるため好ましい。特に好ましくは、a−
2成分としてポリエステル系樹脂またはスチレン系樹脂
を使用した場合である。更にスチレン系樹脂としては、
塊状重合により製造されることで、アルカリ(土類)金
属塩の量が10ppm以下、より好ましくは5ppm以
下であるものが耐湿熱分解性が更に向上するため好まし
く使用することができる。
【0049】本発明のB成分として使用するホスファイ
ト化合物およびホスホナイト化合物としては各種の化合
物を使用することが可能である。例えば下記一般式
(5)
【0050】
【化5】
【0051】[式中R3は、水素または炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアル
カリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはこ
れらのハロ、アルキルチオ(アルキル基は炭素数1〜3
0)またはヒドロキシ置換基を示し、3個のR8は互い
に同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき、
また2価フェノール類から誘導されることにより環状構
造も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物で
ある。
【0052】また、一般式(6)
【0053】
【化6】
【0054】[式中R4、R5はそれぞれ水素、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ない
しアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル
基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜
25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリー
ル基を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基
は、アルキル基で置換されていないもの、またはアルキ
ル基で置換されているもののいずれも選択できる。]で
表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0055】また、一般式(7)
【0056】
【化7】
【0057】[式中R6、R7は炭素数12〜15のアル
キル基である。尚、R6およびR7は互いに同一または互
いに異なるのいずれの場合も選択できる。]で表わされ
るホスファイト化合物を挙げることができる。
【0058】ホスホナイト化合物としては下記一般式
(8)で表わされるホスホナイト化合物、および下記一
般式(9)で表わされるホスホナイト化合物を挙げるこ
とができる。
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】[式中、Ar1、Ar2は炭素数6〜20の
アリール基ないしアルキルアリール基、または炭素数1
5〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換ア
リール基を示し、4つのAr1は互いに同一、または互
いに異なるいずれも選択できる。または2つのAr2
互いに同一、または互いに異なるいずれも選択でき
る。]
【0062】上記一般式(5)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、ジフェニルイ
ソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイ
ト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ
(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
【0063】上記一般式(6)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリト
ールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイトを挙げることができる。かかるホスフ
ァイト化合物は1種、または2種以上を併用することが
できる。
【0064】上記一般式(7)に対応するホスファイト
化合物における好ましい具体例としては、4,4’−イ
ソプロピリデンジフェノールテトラトリデシルホスファ
イトを挙げることができる。
【0065】上記一般式(8)に対応するホスホナイト
化合物における好ましい具体例としては、テトラキス
(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
ホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,
3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,
6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n
−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホ
ナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テ
トラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’
−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキ
ス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジ
ホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイ
トがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト
は、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−1成分)、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−2成
分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト
(E2−3成分)の1種もしくは2種以上を併用して使
用可能であるが、好ましくはかかる3種の混合物であ
る。また、3種の混合物の場合その混合比は、E2−1
成分、E2−2成分およびE2−3成分を重量比で10
0:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:
40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
【0066】上記一般式(9)に対応するホスホナイト
化合物の好ましい具体例としては、ビス(2,4−ジ−
iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニル
ホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニ
ル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェ
ニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホス
ホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニ
ル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス
(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−
フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−
3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビ
ス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェ
ニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナ
イトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイト
は、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェ
ニル−フェニルホスホナイト、およびビス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニ
ルホスホナイトの1種もしくは2種を併用して使用可能
であるが、好ましくはかかる2種の混合物である。ま
た、2種の混合物の場合その混合比は、重量比で5:1
〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好まし
い。
【0067】上記のホスファイト化合物およびホスホナ
イト化合物に対して更に好ましい化合物としては、以下
の一般式(1)で示される化合物を挙げることができ
る。
【0068】
【化10】
【0069】(式(1)中、R1およびR2は、それぞれ
炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基またはアラルキル基を示す。) 式(1)中、好ましくはR1およびR2は炭素原子数1〜
12のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数1
〜8のアルキル基である。式(1)の化合物としては具
体的に、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−
iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ
−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイトなどがあげられ、特にトリス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ま
しい。
【0070】本発明のC成分を含むことにより、本発明
の熱可塑性樹脂組成物は耐湿熱分解性の改良効果を発揮
する。かかるC成分は、炭酸金属塩、硫酸金属塩、クロ
ム酸金属塩、チタン酸金属塩、酸化珪素、珪酸塩化合
物、および水性溶液または懸濁液におけるpH値が6〜
8である金属酸化物から選択される少なくとも1種の化
合物であり、以下で更に説明する。
【0071】本発明のC成分は、粉末状、板状、針状、
繊維状のいずれの形態を取ることも可能な固体状のもの
である。耐湿熱分解性の改良効果は固体表面にて発現す
るものであり、粒子形状、粒子径、および結晶形などに
よって特に制限を受けるものではない。しかしながら、
平均粒子径が大きい場合、単位重量当たりの表面積が低
下してくるため、好ましくは平均粒子径が10μm以下
のものである。より好ましくは8μm以下であり、特に
好ましくは5μm以下である。一方下限としては5nm
以上である。かかる平均粒子径は電子顕微鏡観察および
光学顕微鏡観察による画像を、画像解析するなどの方法
により算出することができる。数μm以上の粒径を有
し、その分布も広いものに対してはマイクロメッシュシ
ーブ法によりおよその粒径を簡便に算出することも可能
である。上記粒径を満足する場合には耐衝撃特性や外観
も良好なものとなる。
【0072】本発明で使用される炭酸金属塩としては、
一例として炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸亜
鉛、ハイドロタルサイト、およびドロマイトなどが挙げ
られる。なかでも、炭酸カルシウムが耐湿熱分解性の改
良効果が顕著であり好ましい。特に好ましくは、純度が
99%以上の炭酸カルシウムである。かかる炭酸カルシ
ウムは耐湿熱分解性の改良効果が顕著である。これは炭
酸カルシウムの不純物(特に水分など)が多い場合、不
純物の影響で耐湿熱分解性の改良効果が損なわれるため
だと考えられる。
【0073】本発明で使用される硫酸金属塩としては、
一例として硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バ
リウム、および硫酸銅などが挙げられる。なかでも、硫
酸バリウムが耐湿熱分解性の改良効果が顕著であり好ま
しい。
【0074】本発明で使用されるクロム酸金属塩として
は、一例としてクロム酸鉛、クロム酸亜鉛、およびクロ
ム酸バリウムなどが挙げられる。なかでも、クロム酸鉛
が耐湿熱分解性の改良効果が顕著であり好ましい。
【0075】本発明で使用されるチタン酸金属塩として
は、一例としてチタン酸カリウム、チタン酸ナトリウ
ム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、およびチタン酸マグネシウムなどが挙
げられる。なかでも、チタン酸カリウムが耐湿熱分解性
の改良効果が顕著であり好ましい。
【0076】本発明で使用される酸化珪素としては、天
然シリカおよび合成シリカのいずれかも使用可能であ
り、天然シリカとしては結晶シリカ、および溶融(非晶
質)シリカのいずれかも使用可能である。更に合成シリ
カとしては乾式法および湿式法のいずれの方法により得
られたものも使用可能である。すなわち無水珪酸塩およ
び含水珪酸塩のいずれも使用可能である。
【0077】本発明で使用される珪酸塩化合物として
は、一例として珪酸カルシウム(ワラストナイト、ゾノ
トライトなど)、タルク、クレー、マイカ、モンモリロ
ナイト、サポナイト、ベントナイト、活性白土、セピオ
ライト、イモゴライト、セリサイト、焼成クレー、ゼオ
ライト、ジークライト、カオリン、ケイソウ土、焼成ケ
イソウ土、シラス、コーディエライト、ユークリプタイ
ト、スポジューメンなどを挙げることができる。これら
は天然に産出されたものおよび人工的に合成されたもの
のいずれも使用可能である。また層間が架橋されたもの
を使用することも可能であり、かかる場合吸着量を増大
させることが可能となるため、熱安定性などの条件が満
足できれば好ましいことが多い。更にガラス繊維、ガラ
スビーズ、ガラスフレークなどのガラス系充填剤も挙げ
ることができる。
【0078】上記珪酸塩化合物の中でも、ワラストナイ
ト、タルク、およびマイカが耐湿熱分解性の改良効果が
顕著であり好ましい。より好ましくは不純物としての酸
化カルシウム含有量は1%以下であるタルクである。か
かる理由は明確ではないが酸化カルシウム含有量が少な
いほど、ポリカーボネート樹脂の湿熱分解を引き起こす
成分を吸着しやすくなるためだと考えられる。
【0079】本発明で使用される金属酸化物は、その水
性溶液または懸濁液におけるpH値が6〜8のものであ
る。かかる金属酸化物の一例としては、酸化チタン(チ
タンブラック、チタンイエローなどを含む)、酸化鉄、
酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化鉛、酸
化クロム、酸化コバルト、酸化タングステン、および酸
化銅などが挙げられる。なかでも、酸化チタン、酸化鉄
が耐湿熱分解性の改良効果が顕著であり好ましい。かか
る場合、マイカなどの表面を酸化チタン、酸化鉄で被覆
したものの使用可能である。さらに好ましくは酸化チタ
ンであり、特に二酸化チタン含有量が95%以上である
酸化チタンが好ましい。これは不純物が多い場合には、
かかる不純物の影響によりポリカーボネート樹脂の湿熱
分解を引き起こす成分に対する吸着作用およびかかる成
分の分解作用が低下するためではないかと考えられる。
【0080】上記より本発明のC成分としてより好まし
い態様としては、酸化チタン含有量95重量%以上の酸
化チタン、純度99重量%以上の炭酸カルシウム、およ
び酸化カルシウム含有量が1重量%以下のタルクから選
択される少なくとも1種の化合物を挙げることができ
る。
【0081】本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるA成
分、B成分、およびC成分の組成割合について説明す
る。B成分は本発明のA成分100重量部に対して0.
0005〜1重量部である。下限として好ましくはA成
分100重量部に対して0.001重量部であり、更に
好ましくは0.002重量部である。一方上限として好
ましくはA成分100重量部に対して0.5重量部であ
り、更に好ましくは0.2重量部である。B成分がA成
分100重量部に対して0.0005重量部未満の場合
には、熱安定性の不足のよりポリカーボネート樹脂の着
色や分子量低下が生ずる場合が多い。一方、1重量部を
超える場合は熱安定性に対する効果が飽和する一方で、
耐湿熱分解性が悪化するようになる。
【0082】C成分は本発明のA成分100重量部に対
して0.005〜1重量部であり、好ましくは0.00
5〜0.5重量部である。更に好ましくは下限としてA
成分100重量部に対して0.01重量部であり、上限
としては0.4重量部である。C成分がA成分100重
量部に対して0.005重量部未満では耐湿熱分解性の
改良が不十分となる。一方、1重量部あれば本発明の効
果は十分に達成できる。
【0083】更に好ましくはC成分がB成分に対して1
/100〜100倍量(重量比)であり、更に好ましく
は1/10〜10倍量(重量比)の場合である。かかる
場合には、より効率的に耐湿熱分解性の改良が可能とな
る。
【0084】一方、A成分におけるポリカーボネート樹
脂(a−1成分)と他の樹脂(a−2成分)の比率とし
てはa−1成分とa−2成分の合計100重量%中、a
−1成分が30〜100重量%、好ましくは40〜10
0重量%、更に好ましくは50〜100重量%、特に好
ましくは60〜100重量%である。一方a−2成分
は、a−1成分とa−2成分の合計100重量%中70
〜0重量%の割合であり、好ましくは60〜0重量%、
更に好ましくは50〜0重量%、特に好ましくは40〜
0重量%である。a−1成分とa−2成分の合計100
重量%中、a−1成分が30〜100重量%の場合に
は、本発明の効果がより有効に発揮される。
【0085】本発明の熱可塑性樹脂組成物には更に各種
の機能付与を目的として、各種の添加剤を含むことがで
きる。その1つとして難燃剤を挙げることができる。
【0086】本発明における難燃剤(D成分)として
は、ホスフェート系難燃剤、赤リン系難燃剤、ホスファ
ゼン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ハロゲン系難燃
剤、無機系リン酸塩、金属水酸化物、金属硫化物、有機
スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、無機スルホン酸ア
ルカリ(土類)金属塩、有機カルボン酸アルカリ(土
類)金属塩、無機カルボン酸アルカリ(土類)金属塩な
どを挙げることができる。
【0087】中でもホスフェート系難燃剤(d−1成
分)、赤リン系難燃剤(d−2成分)、ホスファゼン系
難燃剤(d−3成分)およびシリコーン系難燃剤(d−
4成分)から選択される少なくとも1種の難燃剤を挙げ
ることができる。
【0088】ホスフェート系難燃剤(d−1成分)とし
ては下記一般式(10)に示される化合物を挙げること
ができる。
【0089】
【化11】
【0090】(但し上記式中のYは、ハイドロキノン、
レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メ
タン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドなど
の二価フェノールから誘導されるものが挙げられ、j、
k、l、mはそれぞれ独立して0または1であり、nは
0〜5の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステ
ルの混合物の場合は0〜5の平均値であり、R8、R9
10、およびR11はそれぞれ独立して1個以上のハロゲ
ン原子を置換したもしくは置換していないフェノール、
クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、
ブチルフェノール、p−クミルフェノールから誘導され
るものである。)
【0091】この中で好ましくは、上記式中のYは、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異な
るリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値で
あり、R8、R9、R10、およびR11はそれぞれ独立して
1個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換してい
ないフェノール、クレゾール、キシレノールから誘導さ
れるものである。
【0092】更に、特に好ましくは、Yはレゾルシノー
ル、ビスフェノールAから誘導されるものであり、j、
k、l、mはそれぞれ1であり、nは0または1であ
り、R 8、R9、R10、およびR11はそれぞれ独立してフ
ェノールまたはキシレノールから誘導されるものであ
る。
【0093】かかる有機リン酸エステル系難燃剤の中で
も、モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホス
フェート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノール
ビス(ジキシレニルホスフェート)およびビスフェノー
ルAビス(ジフェニルホスフェート)が、耐加水分解性
が良好であり好ましく使用できる。
【0094】ホスフェート系難燃剤(d−1成分)とし
ては下記一般式(11)に示される化合物も挙げること
ができる。
【0095】
【化12】
【0096】(式中R12、R13はそれぞれ、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないし
アルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、
炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25
の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基
を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基は、ア
ルキル基で置換されていないもの、またはアルキル基で
置換されているもののいずれも選択できる。) 上記R12、R13としては、好ましくはそれぞれフェニル
基、2−メチルフェニル基、2,6−キシリル基、4−
tert−ブチルフェニル基、2−ナフチル基、および
4−(2−フェニルイソプロピル)フェニル基を挙げる
ことができる。
【0097】更にホスフェート系難燃剤(d−1成分)
として下記一般式(12)に示される化合物も使用でき
る。
【0098】
【化13】
【0099】(式(12)中、R14、R15、R16
17、R20、R21、およびR22はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜12のアルキル基、炭素数4〜20のシク
ロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基またはアラ
ルキル基を示し、R12は水素原子または炭素原子数1〜
4のアルキル基を示し、およびR13は水素原子またはメ
チル基を示す。)
【0100】式(12)で表わされる芳香族環状リン酸
エステル化合物としては、例えば、6−オキソ−6−フ
ェノキシ−12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)
−ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−6−オキ
ソ−6−フェノキシ−12H−ジベンゾ(d,g)
(1,3,2)−ジオキサホスホシン、4,8−ジメチ
ル−6−オキソ−6−フェノキシ−12H−ジベンゾ
(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン、6−
オキソ−6−フェノキシ−12−メチル−12H−ジベ
ンゾ(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン、
6−オキソ−6−(2,6−ジメチルフェノキシ)−1
2H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)−ジオキサホ
スホシン、2,10−ジメチル−6−オキソ−6−
(2,6−ジメチルフェノキシ)−12H−ジベンゾ
(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン、4,
8−ジメチル−6−オキソ−6−(2,6−ジメチルフ
ェノキシ)−12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,
2)−ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−6−
オキソ−6−フェノキシ−12−メチル−12H−ジベ
ンゾ(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン、
2,10−ジメチル−6−オキソ−6−(2,6−ジメ
チルフェノキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ
(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン等が挙
げられる。
【0101】なかでも、6−オキソ−6−フェノキシ−
12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)−ジオキサ
ホスホシン、2,10−ジメチル−6−オキソ−6−フ
ェノキシ−12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)
−ジオキサホスホシン、6−オキソ−6−(2,6−ジ
メチルフェノキシ)−12H−ジベンゾ(d,g)
(1,3,2)−ジオキサホスホシン等が好ましい。
【0102】本発明の赤リン系難燃剤(d−2成分)と
しては、一般の赤リンの他に、赤リン表面を熱硬化樹脂
および/または無機材料を用いてマイクロカプセル化さ
れている赤リンを使用することができる。更に、かかる
マイクロカプセル化されている赤リンの使用は、安全
性、作業性を良好とするためマスターペレット化したも
のが好ましく使用される。かかるマイクロカプセル化に
使用される無機材料としては、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化チタン、水酸化スズ、水酸化
セリウムなどがあげられ、熱硬化樹脂としてはフェノー
ル・ホルマリン系、尿素・ホルマリン系、メラミン・ホ
ルマリン系樹脂などが挙げられる。更にかかる無機材料
で被覆されたものの上に、熱硬化性樹脂を用いた被覆を
形成し、二重に被覆処理した赤リンなども好ましく使用
できる。また、使用する赤リンは無電解メッキしたもの
も使用可能であり、無電解メッキ被膜としては、ニッケ
ル、コバルト、銅、鉄、マンガン、亜鉛またはこれらの
合金から選ばれた金属メッキ被膜を使用することができ
る。更に無電解メッキされた赤リンに更に上記に記載の
無機材料および熱硬化性樹脂で被覆された赤リンを使用
することもできる。かかる無機材料、熱硬化性樹脂およ
び無電解メッキなどのマイクロカプセル化に使用する成
分の量としては赤リン系難燃剤100重量%中20重量
%以下であることが望ましく、より好ましくは5〜15
重量%である。赤リン系難燃剤の平均粒径としては、1
〜100μm、好ましくは1〜40μmが使用される。
かかるマイクロカプセル化した赤リン系難燃剤の市販品
としては、ノーバエクセル140、ノーバエクセルF−
5(燐化学工業(株)製:商品名)、ヒシガードTP−
10(日本化学工業(株)製:商品名)、ホスタフラム
RP614(クラリアント・ジャパン(株)製:商品
名)などが挙げられる。
【0103】本発明のホスファゼン系難燃剤(d−3成
分)としては、フェノキシホスファゼンオリゴマーや環
状フェノキシホスファゼンオリゴマーを挙げることがで
きる。
【0104】本発明のシリコーン系難燃剤(d−4成
分)としては、下記一般式(13)および(14)から
選択される少なくとも1種のものを挙げることができ
る。
【0105】
【化14】
【0106】(式(13)中、β1はビニル基、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル
基、並びに炭素数6〜12のアリール基およびアラルキ
ル基を示す。γ1、γ2、γ3、γ4、γ5、およびγ6は炭
素数1〜6のアルキル基およびシクロアルキル基、並び
に炭素数6〜12のアリール基およびアラルキル基を示
し、少なくとも1つの基がアリール基またはアラルキル
である。δ1、δ2、およびδ3は炭素数1〜4のアルコ
キシ基を示す。)
【0107】
【化15】
【0108】(式(14)中、β2およびβ3はビニル
基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜6のシクロ
アルキル基、並びに炭素数6〜12のアリール基および
アラルキル基を示す。γ7、γ8、γ9、γ10、γ11、γ
12、γ13およびγ14は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数4〜6のシクロアルキル基、並びに炭素数6〜12の
アリール基およびアラルキル基を示し、少なくとも1つ
の基がアリール基またはアラルキルである。δ4、δ5
δ6、およびδ7は炭素数1〜4のアルコキシ基を示
す。)
【0109】上記一般式(13)および(14)におい
て、β1は、β2およびβ3は好ましくはメチル基、フェ
ニル基およびビニル基のうちいずれかの基である。特に
ビニル基が好ましい。また上記一般式(13)および
(14)において、γ1〜γ14は好ましくはメチル基お
よびフェニル基のうちいずれかの基であり、式中、フェ
ニル基が3〜6の範囲で含まれることが好ましい。更に
δ1〜δ7においてより好ましくはメトキシ基である。
【0110】更にシリコーン系難燃剤(d−4成分)と
しては、25℃における粘度が150mm2/sec以
下の下記一般式(15)および(16)から選択される
少なくとも1種のものを挙げることができる。
【0111】
【化16】
【0112】
【化17】
【0113】(式(15)および式(16)中、Z1
6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価
の有機残基、または下記一般式(17)で示される化合
物を示す。α1〜α6はそれぞれ独立に0また1を表わ
す。またR23〜R26はそれぞれ独立に炭素数1〜20の
一価の有機残基を示す。m1は0以上の整数を表わし、
m2は3以上の整数を表わす。更に式(15)および式
(16)の化合物はそれぞれ少なくとも1つ以上のSi
−H結合を有し、更に式(15)中においてm1が2以
上の場合の繰返し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰
返し単位を取ることができる。また式(16)中の繰返
し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取る
ことができる。)
【0114】
【化18】
【0115】(式(17)中、Z7〜Z9はそれぞれ独立
に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。
α7〜α9はそれぞれ独立に0また1を表わす。またR
27およびR28はそれぞれ独立に炭素数1〜20の一価の
有機残基を示す。m3は0以上の整数を表わす。更に式
(3)中においてm3が2以上の場合の繰返し単位はそ
れぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取ることができ
る。)
【0116】上記の25℃における粘度が150mm2
/sec以下である一般式(15)および(16)で示
されるシリコーン系難燃剤としては好ましくは、かかる
粘度条件を満足するポリメチル水素シロキサン化合物を
挙げることができる。
【0117】難燃剤はA成分100重量部に対して0.
0005〜30重量部の範囲で含まれることが好まし
い。更に上記D成分の組成割合としては、A成分100
重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、より好
ましくは1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量
部である。
【0118】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、上記難
燃剤の効果をより高めるために各種のドリップ防止剤や
チャー形成化合物を含むことができる。
【0119】ドリップ防止剤としては、フィブリル形成
能を有する含フッ素ポリマーを挙げることができ、かか
るポリマーとしてはポリテトラフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、な
ど)、米国特許第4379910号公報に示されるよう
な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製
造されるポリカーボネート樹脂などを挙げることができ
るが、好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
【0120】フィブリル形成能を有するポリテトラフル
オロエチレンとしてはテトラフルオロエチレンを乳化重
合して得られるラテックスを凝析および乾燥した粉末
(いわゆるポリテトラフルオロエチレンのファインパウ
ダーであり、ASTM規格においてタイプ3に分類され
るもの)が挙げられる。あるいはそのラテックスに界面
活性剤を加え濃縮および安定化して製造される水性分散
体(いわゆるポリテトラフルオロエチレンのディスパー
ジョン)が挙げられる。
【0121】かかるフィブリル形成能を有するポリテト
ラフルオロエチレンの分子量は、標準比重から求められ
る数平均分子量において100万〜1000万、より好
ましく200万〜900万である。
【0122】更にかかるフィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレンは、1次粒子径が0.05〜
1.0μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは
0.1〜0.5μmである。ファインパウダーを使用す
る場合の2次粒子径としては1〜1000μmのものが
使用可能であり、更に好ましくは10〜500μmのも
のを用いることができる。
【0123】かかるポリテトラフルオロエチレンはUL
規格の垂直燃焼テストにおいて試験片の燃焼テスト時に
溶融ドリップ防止性能を有しており、かかるフィブリル
形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては具
体的には、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)
製のテフロン6Jおよびテフロン30J、ダイキン化学
工業(株)製のポリフロンMPA FA−500、ポリ
フロンF−201LおよびポリフロンD−1、および旭
アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のCD076な
どを挙げることができる。
【0124】かかるポリテトラフルオロエチレンはファ
ィンパウダーにおいて、2次凝集を防止するために各種
の処理を施したものがより好ましく使用される。かかる
処理としては、ポリテトラフルオロエチレンの表面を焼
成処理することが挙げられる。またかかる処理として
は、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチ
レンの表面を非フィブリル形成能のポリテトラフルオロ
テトラフルオロエチレンで被覆することが挙げられる。
本発明でより好ましいのは後者の処理を行ったポリテト
ラフルオロエチレンである。前者の場合には、目的とす
るフィブリル形成能が低下しやすいためである。かかる
場合フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチ
レンが全体量の70〜95重量%の範囲であることが好
ましい。またフィブリル非形成能ポリテトラフルオロエ
チレンとしては、その分子量が標準比重から求められる
数平均分子量において1万〜100万、より好ましく1
万〜80万である。
【0125】かかるポリテトラフルオロエチレン(以下
PTFEと称することがある)は、上記の通り固体形状
の他、水性分散液形態のものも使用可能である。またか
かるフィブリル形成能を有するPTFEは樹脂中での分
散性を向上させ、更に良好な難燃性および機械的特性を
得るために以下の形態のPTFE混合物を使用すること
も可能である。
【0126】第1にPTFE分散液とビニル系重合体の
分散体との共凝集混合物を挙げることができる。具体的
には特開昭60−258263号公報に平均粒径0.0
5〜5μmのPTFE分散液とビニル系重合体の分散液
を混合し、30μmより大きいPTFE粒子を精製させ
ることなく凝固させ、かかる凝固物を乾燥することによ
りPTFE混合物を得る方法が記載されており、かかる
混合物の使用が可能である。
【0127】第2にPTFE分散液と乾燥したポリマー
粒子とを混合した混合物を挙げることができ、かかるポ
リマー粒子としては各種のものが使用できるが、より好
ましくはポリカーボネート樹脂粉末またはABS樹脂粉
末を使用したものである。かかる混合物については、特
開平4−272957号公報にPTFE分散液とABS
樹脂粉末との混合物について記載がされており、かかる
方法の使用が可能である。
【0128】第3にPTFE分散液と熱可塑性樹脂溶液
の混合物からそれぞれの媒体を同時に除去することによ
り得られたPTFE混合物を挙げることができ、具体的
にはスプレードライヤーを使用することにより媒体を除
去した混合物を挙げることができ、かかる混合物につい
ては特開平08−188653号公報に記載されてい
る。
【0129】第4にPTFE分散液中で他のビニル系単
量体を重合することにより得られたPTFE混合物を挙
げることができ、かかる混合物については特開平9−9
5583号公報に、PTFEラテックス中にスチレンお
よびアクリロニトリルを供給することによりPTFE混
合物を得る方法が具体的に記載されており、かかる混合
物等を使用することができる。
【0130】第5に、PTFE分散液とポリマー粒子分
散液を混合後、更に該混合分散液中でビニル系単量体を
重合する方法を挙げることができ、かかる方法は製造の
簡便性とPTFEの分散の微細化を両立できる点で好ま
しいPTFE混合物として挙げることができる。かかる
混合物については特開平11−29679号にその詳細
が記載されており、すなわち粒子径0.05〜1.0μ
mのPTFE分散液とポリマー粒子分散液とを混合した
分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳
化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化
されたPTFE混合物を好ましいものとして挙げること
ができる。
【0131】かかる第5の形態のPTFE混合物として
は、三菱レイヨン(株)よりメタブレン「A3000」
(商品名)が市販されており、入手が容易であると共
に、本発明において好ましく使用することができる。
【0132】PTFE混合物におけるPTFEの割合と
しては、PTFE混合物100重量%中、PTFEが1
〜60重量%、より好ましくは3〜40重量%、更に好
ましくは5〜30重量%である。PTFEの割合がかか
る範囲にある場合は、PTFEの良好な分散性を達成す
ることができる。
【0133】d成分のドリップ防止剤の割合としては、
A成分100重量部に対して好ましくは0.05〜1重
量部が好ましく、より好ましくは0.1〜0.7重量
部、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。
【0134】チャー形成化合物としては以下のものが挙
げられる。
【0135】第1にヒドロキシベンゼン化合物、ヒドロ
キシナフタレン化合物、およびヒドロキシアントラセン
化合物などとホルムアルデヒドとの縮合物が挙げられ
る。例えば、ノボラック型フェノール樹脂、およびクレ
ゾール変性フェノール樹脂を挙げることができる。また
スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有する化合物も入
手容易であり好ましく使用できる。例えばナフタレンス
ルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物を挙げる
ことができる。
【0136】第2に重質油類またはピッチ類とホルムア
ルデヒドとの縮合物が挙げられる。かかる重質油類また
はピッチ類は、芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜
0.95、芳香環水素量Ha値が20〜80%であるこ
とが好ましい。例えば、減圧軽油の流動接触分解工程で
得た塔底油とパラホルムアルデヒドとの縮合物を挙げる
ことができる。
【0137】第3に上記重質油類またはピッチ類そのも
のを挙げることができる。第4に熱可塑性樹脂タイプの
ものとして、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、アリル化ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジフェニルポ
リフェニレンエーテル、ポリパラフェニレン、ポリエー
テルサルフォン、ポリアリレート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンなど
が挙げられる。その他、ポリパラフェニレンオリゴマ
ー、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げ
ることができる。
【0138】これらの中から選ばれた1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。このうち、特に
好ましいチャー形成樹脂は、ノボラック型フェノール樹
脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、ポリフェニレンスルフィドを挙げることができ
る。
【0139】チャー形成化合物の割合としては、A成分
100重量部に対して好ましくは0.05〜30重量部
が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部、特に
好ましくは0.1〜5重量部である。
【0140】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更に各種
の酸化防止剤や紫外線吸収剤、および光安定剤などを含
むことにより、熱安定性や耐候性を向上させることがで
きる。
【0141】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤やイオウ系酸化防止剤を挙げることができる。
【0142】かかるフェノール系酸化防止剤の具体例と
しては、例えばビタミンE、フェノール系酸化防止剤の
具体例としては、例えばn−オクタデシル−β−(4’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−
(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒド
ロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、
3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、およびテ
トラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンなどを好ましく挙げることができ、n−オクタデ
シル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−te
rt−ブチルフェニル)プロピオネートをより好ましく
挙げることができる。
【0143】本発明のイオウ系酸化防止剤の具体例とし
ては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エス
テル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エ
ステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸
エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン
酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプ
ロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β
−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ビス[2−
メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)
−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタ
デシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、
2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,
1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることが
できる。より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ
(β−ラウリルチオプロピオネート)エステルを挙げる
ことができる。
【0144】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は紫外
線吸収剤を含むことができる。紫外線吸収剤としては、
例えば2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒド
ロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表され
るベンゾフェノン系紫外線吸収剤を挙げることができ
る。
【0145】また紫外線吸収剤としては例えば2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−
ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,
2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチ
ル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4
−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレング
リコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0146】更に紫外線吸収剤としては例えば、2−
(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−
イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール、2−(4,
6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノ
ールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙
げることができる。
【0147】またビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプ
ロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメ
チル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒン
ダードアミン系の光安定剤も含むことができ、かかる光
安定剤は上記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用に
おいて、耐候性などの点においてより良好な性能を発揮
する。
【0148】上記酸化防止剤は、A成分100重量部当
たり、それぞれ0.0001〜1重量部であることが好
ましい。より好ましくは0.0005〜0.5重量部、
更に好ましくは0.001〜0.2重量部である。
【0149】上記紫外線吸収剤、光安定剤の割合は、A
成分100重量部当たり0.01〜5重量部であること
が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量部であ
る。
【0150】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて離型剤を配合することができる。本発明において
は良好な難燃性を有するため、通常難燃性に対して悪影
響を及ぼしやすい離型剤を配合した場合であっても、良
好な難燃性を達成することができる。かかる離型剤とし
ては公知のものが使用できる。例えば、飽和脂肪酸エス
テル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワック
ス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。
酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも
使用できる)、シリコーン化合物(直鎖状または環状の
ポリジメチルシロキサンオイルやポリメチルフェニルシ
リコーンオイルなどが挙げられる。酸変性などの官能基
含有化合物で変性されているものも使用できる)、フッ
素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表される
フッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを
挙げることができる。これらの中でも飽和脂肪酸エステ
ル類、直鎖状または環状のポリジメチルシロキサンオイ
ルやポリメチルフェニルシリコーンオイルなど、および
フッ素オイルを挙げることができる。かかる離型剤はA
成分100重量部に対して0.01〜0.3重量部が好
ましい。
【0151】好ましい離型剤としては飽和脂肪酸エステ
ルが挙げられ、例えばステアリン酸のモノグリセライ
ド、ジグリセライド、トリグリセライドなどのグリセリ
ン脂肪酸エステル類、デカグリセリンデカステアレート
およびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリ
セリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートな
どの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなど
の高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラ
ステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用さ
れる。
【0152】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には紫
外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すためにブルー
イング剤を配合することができる。ブルーイング剤とし
てはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、
特に支障なく使用することができる。一般的にはアンス
ラキノン系染料が入手容易であり好ましい。具体的なブ
ルーイング剤としては、例えば一般名Solvent
Violet13[CA.No(カラーインデックスN
o)60725;商標名 バイエル社製「マクロレック
スバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジン
ブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイ
オレットB」]、一般名SolventViolet3
1[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製
「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solve
nt Violet33[CA.No60725;商標
名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一
般名Solvent Blue94[CA.No615
00;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルー
N」]、一般名Solvent Violet36[C
A.No68210;商標名 バイエル社製「マクロレ
ックスバイオレット3R」]、一般名Solvent
Blue97[商標名 バイエル社製「マクロレックス
ブルーRR」]および一般名Solvent Blue
45[CA.No61110;商標名 サンド社製「テ
ラゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケ
ミカルズ社のマクロレックスバイオレットやテラゾール
ブルーRLS等があげられ、特に、マクロレックスブル
ーRR、マクロレックスバイオレットBやテラゾールブ
ルーRLSが好ましい。
【0153】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に各
種添加剤を含むことができる。各種添加剤としては、例
えば補強剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、離型剤、滑剤、摺動剤、着色剤(カーボンブラッ
ク、有機顔料、無機顔料、有機染料など)、光拡散剤、
蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改
質剤、結晶核剤、抗菌剤、赤外線吸収剤、フォトクロミ
ック剤などを配合することができる。
【0154】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するに
は、任意の方法が採用される。例えばA成分〜C成分お
よび任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練しペ
レット化する方法などが挙げられる。予備混練の手段と
してはV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケ
ミカル装置、押出混合機などを挙げることができる。場
合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどに
より造粒を行うことも可能である。溶融混練はベント式
二軸ルーダーに代表される溶融混練機で行うことができ
る。ペレット化はペレタイザー等の各種機器により行う
ことができる。
【0155】他に、A成分〜C成分および任意に他の成
分をそれぞれ独立にベント式二軸ルーダーに代表される
溶融混練機に供給する方法が挙げられる。また、A成分
〜C成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に
溶融混練機に供給する方法も可能である。B成分、C成
分を水または有機溶剤で希釈混合した後、溶融混練機に
供給、またはかかる希釈混合物を他の成分と予備混合し
た後、溶融混練機に供給する方法なども挙げられる。
尚、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融混
練機への供給にいわゆる液注装置、または液添装置を使
用することができる。
【0156】本発明の熱可塑性樹脂組成物は通常かかる
ペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製
品を製造することができる。かかる射出成形において
は、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、
ランナーレスを可能とするホットランナーによって製造
することも可能である。また射出成形においても、通常
の成形方法だけでなくガスアシスト射出成形、射出圧縮
成形、超高速射出成形等を使用することができる。
【0157】また本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出
成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなど
の形で使用することもできる。またシート、フィルムの
成形にはインフレーション法や、キャスティング法など
も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることに
より熱収縮チューブとして成形することも可能である。
その他回転成形や超音波金型成形などの粉末成形により
成形品を得ること、およびブロー成形により中空成形品
とすることも可能である。
【0158】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ホスファ
イト化合物やホスホナイト化合物を含むポリカーボネー
ト樹脂およびその樹脂組成物において、耐湿熱分解性が
改良されているため、熱安定性と共に製品寿命やリサイ
クル性にも優れるものである。したがって幅広い分野に
おいて、有用なものである。
【0159】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を更
に詳細に説明する。
【0160】[実施例1〜115、および比較例1〜5
6]実施例および比較例は、表1〜表16に示す各成分
を表記載の配合割合にてV型ブレンダーで混合した後、
スクリュー径30mmのベント式二軸押出機[神戸製鋼
(株)製KTX−30]によりペレット化した。スクリ
ュー構成はベント位置以前に第1段のニーディングゾー
ン(送りのニーディングディスク×2、送りのローター
×1、戻しのローター×1および戻しニーディングディ
スク×1から構成される)を、ベント位置以後に第2段
のニーディングゾーン(送りのローター×1、および戻
しのローター×1から構成される)を設けてあった。シ
リンダ−温度およびダイス温度が270℃、およびベン
ト吸引度が3000Paの条件でストランドを押出し、
水浴において冷却した後ペレタイザーでストランドカッ
トを行い、ペレット化した。
【0161】得られたペレットは110℃で6時間、熱
風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[ファナック
(株)T−150D]によりシリンダー温度250〜2
90℃、金型温度70℃で試験片(縦70mm×横50
mm×厚み2mmの板状成形品)を成形した。この成形
品を使用し、耐湿熱分解性の評価を実施し評価結果を表
1〜表16に示した。
【0162】(1)耐湿熱分解性の評価 耐湿熱分解性の評価は、以下の手順にて促進試験を実施
し行った。(株)平山製作所製の超加速寿命試験装置
(型式PC−305III/V)を使用し、温度120
℃、湿度100%RHの条件にて、上記方法で得たペレ
ットを24時間、48時間の湿熱処理を実施した。処理
後、粘度管を使用し既知の分子量の単分散ポリスチレン
標準と比較して、粘度平均分子量(Mv)を測定し、湿
熱処理前と湿熱処理後の粘度平均分子量の差(ΔMv)
を算出した。
【0163】[参考例1](ホスフェート系難燃剤D5
の合成) 下記の方法により、6−オキソ−6−フェノキシ−12
H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)−ジオキサホス
ホシン(上記式(12)において、R14、R15、R16
17、R20、R21、およびR22がすべて水素原子であ
り、更にR18およびR19のいずれも水素原子である化合
物。)の合成を行った。
【0164】撹拌装置、還流冷却管、滴下漏斗、オイル
バスを備えた5リットル三つ口フラスコに、オキシ塩化
リン2683部(17.5mol)、無水塩化マグネシ
ウム7.14g(0.075mol)を仕込み、窒素気
流下でオイルバスを約110℃に加熱し、オキシ塩化リ
ンを還流する状態とした後、滴下漏斗よりフェノール4
70.55g(5.0mol)をクロロベンゼン700
mlに溶解した溶液を約1時間かけて注入し、その後3
0分更に反応させた。発生する塩化水素は、還流冷却管
を通して反応系外の水酸化ナトリウム水溶液に吸収させ
た。反応後溶媒と過剰のオキシ塩化リンを留去し、続い
て、フェニルジクロロホスフェートを蒸留した。収量9
70.51g(収率92%)。31P−NMR(重クロロ
ホルム溶媒)測定を行い、3.4ppmの単一ピークを
確認した。
【0165】次に、撹拌装置、還流冷却管、滴下漏斗、
オイルバスを備えた10リットルの三つ口フラスコに、
2,2′−メチレンビスフェノール(ビスフェノール−
F)600.7g(3.0mol)、トリエチルアミン
607.1g(6.0mol)、トルエン2Lを加え、
窒素雰囲気下、室温で攪拌した。この溶液に、上記で得
たフェニルジクロロホスフェート632.9g(3.0
mol)とトルエン2Lとの混合液を滴下ロートから約
2時間かけて注入し、その後加熱して、約2時間還流さ
せた。反応終了後、大部分の溶媒と塩を除去し、希釈H
Cl、水、飽和NaHCO3の順に洗浄し、無水MgS
4で乾燥させた。MgSO4及び溶媒を除去し、生じた
白色固体をエタノールから再結晶して、BPFP86
2.7gを得た(収率85%)。この化合物の示差走査
熱量計(DSC)分析による融点は104℃であった。
【0166】表中に記載の各成分を示す記号は下記の通
りである。尚、C成分、およびC成分に対応するC成分
以外の成分におけるpH値は、JIS K5101法に
より得られた値である。
【0167】(A成分) (a−1成分) PC1:ビスフェノールA、および末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノールを使用し、ホスゲン法に
よりアミン系触媒を使用しないで製造された粘度平均分
子量22,500の直鎖状ポリカーボネート樹脂。尚、
かかるポリカーボネート樹脂の塩素原子に換算した塩素
化合物含有量は20ppm(蛍光X線による分析法)、
および分子鎖末端におけるフェノール性水酸基の割合は
10モル%であった。 PC2:ビスフェノールAとジフェニルカーボネートの
溶融エステル交換反応により得られた粘度平均分子量2
2,500のポリカーボネート樹脂。尚、かかるポリカ
ーボネート樹脂は分岐結合成分が繰返し単位に対して
0.1モル%であった(1H−NMRの測定より算出
し、同様に測定されたPC1のポリカーボネート樹脂で
は0モル%(該当ピークなし)であった。)。更に分子
鎖末端におけるフェノール性水酸基の割合は34モル%
であった。
【0168】(a−2成分) PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製「TR−8580」、固有粘度0.80) PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製「TRB−J」、固有粘度0.87) ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合樹脂(宇部サイコン(株)製「サイコラックY−54
0A−1101」) PS:ポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン(株)製
「H450K」) AS:アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(旭化成
工業(株)製「スタイラックAS−769」) MB:ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体(呉
羽化学工業(株)製「パラロイドEXL2602」) MBS:メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン
グラフト重合体(鐘淵化学工業(株)製B−56)
【0169】(B成分) B−1:トリス(2,4−ジ−tert−ブチル)ホス
ファイト(日本チバガイギー(株)製「Irgafos
168」) B−2:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業
(株)製「アデカスタブPEP−36」)
【0170】(C成分) TiO2−1:二酸化チタン(石原産業(株)製「CR
−60」、平均粒子径約0.2μm、PH約6.5、純
度95%以上) TiO2−2:二酸化チタン(石原産業(株)製「PC
−3」、平均粒子径約0.2μm、PH約6.5、純度
約91%) Fe2O3:三二酸化鉄(チタン工業(株)製「TAR
OX R−516−L」、PH約7.0) Sb2O3:三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製
「三酸化アンチモン」、PH約6.5) PbO:酸化鉛(II)(和光純薬工業(株)製、平均
粒子径5μm、純度99%以上、PH約7.0) CeO2:酸化セリウムと酸化ジルコニウムの固溶体
(東レ(株)製「セラエクランIV」、平均粒径約0.
05μm、PH約7.0) CaCO3−1:炭酸カルシウム(シプロ化成(株)製
「シプロンA」、平均粒子径5μm、PH9.5、純度
99%以上) CaCO3−2:炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
(株)製「スノーライト」、平均粒子径2.0μm、P
H8.8、純度98%以下) MgCO3:炭酸マグネシウム(和光純薬工業(株)
製) MgSO4:硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株)
製、純度98%以上) BaSO4:硫酸バリウム(日本化学工業(株)製「沈
降性硫酸バリウムST」、平均粒子径0.85μm、P
H約7) PbCrO4:クロム酸鉛(和光純薬工業(株)製) K2Ti6O13:チタン酸カリウム(大塚化学(株)
製「ティスモ−D」、平均粒子径9μm、PH約8) SiO2:酸化珪素((株)龍森製「クリスタライト
CMC−12」、平均粒子径5μm、PH約6.5) TALC−1:タルク(林化成工業(株)製「Upn
HS−T0.8」、平均粒子径3μm、PH9.5、C
aO含有量1%以下) TALC−2:タルク(土屋カオリン(株)製「スーパ
ーカット#15」、平均粒子径24.5μm、PH9.
5、CaO含有量1.8%) MICA:マイカ(コープケミカル(株)製「ミクロマ
イカ MK−100」、平均粒子径:5.5μm) WSN:ワラストナイト(NYCO製「NYGLOS
4」、平均粒子径4μm、PH10)
【0171】(D成分) D−1:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェー
ト)(旭電化(株)製「アカスタブFP−500」) D−2:ビスフェノールAビスフェニルホスフェート
(大八化学工業(株)製「CR−741」) D−3:安定化赤燐(燐化学工業(株)製「ノーバエク
セル140」) D−4:メチルフェニルシロキサン(信越化学工業
(株)製「信越シリコーンX−40−9243」) D−5:上記参考例1で作成した環状リン酸エステル化
合物
【0172】(E成分) PTFE:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオ
ロエチレン(ダイキン工業(株)製ポリフロンMPA
FA500) (その他の成分) Fe:鉄粉(和光純薬工業(株)製) Ti:チタン粉(和光純薬工業(株)製) Si:珪素粉末(和光純薬工業(株)製) CB:カーボンブラック(三菱化成(株)製「カーボン
ブラック#CB970」)
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
【0176】
【表4】
【0177】
【表5】
【0178】
【表6】
【0179】
【表7】
【0180】
【表8】
【0181】
【表9】
【0182】
【表10】
【0183】
【表11】
【0184】
【表12】
【0185】
【表13】
【0186】
【表14】
【0187】
【表15】
【0188】
【表16】
【0189】この表1〜表16より、各組成においてC
成分を配合しない場合(比較例)と比較して、C成分を
配合した場合(実施例)は耐湿熱分解性が大幅に改良さ
れることが明らかである。
【0190】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ホスフ
ァイト化合物およびホスホナイト化合物から選択される
少なくとも1種のリン化合物を含むポリカーボネート樹
脂およびその樹脂組成物における耐湿熱分解性の向上を
図るものであり、結果として熱安定性、ならびに製品寿
命やリサイクル性に優れた樹脂組成物を達成するもので
ある。本発明は各種電子・電気機器分野を初めとして、
土木・建築分野、自動車・船舶・航空機などの分野、機
械分野などにおいて好適なものであり、その奏する工業
的価値は極めて大である。特にOA機器の外装材用途な
ど、リサイクル対応が必要な用途に極めて適している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 3/36 3/36 5/521 5/521 5/524 5/524 5/5317 5/5317 C08L 21/00 C08L 21/00 83/04 83/04 85/02 85/02 101/00 101/00 Fターム(参考) 4J002 BB03X BB12X BB17X BC02X BC06X BC07X BG02X BK00X BN06X BN12X BN14X BN15X BN17X BN22X CB00X CC02X CC18X CD00X CF03X CF05X CF16X CF21X CG01W CG02W CG04W CH07X CH08X CK02X CL00X CM04X CN03X CP03X CP033 CP063 CP143 CQ013 DA058 DE087 DE137 DE187 DE227 DE237 DE247 DE287 DJ007 DJ037 DJ047 EW048 EW066 EW086 EW126 FD050 FD070 FD133 FD138 FD160 FD200

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂(a−1成分)3
    0〜100重量%および他の樹脂(a−2成分)70〜
    0重量%の合計100重量%からなる樹脂組成物(A成
    分)100重量部に対し、ホスファイト化合物およびホ
    スホナイト化合物から選択される少なくとも1種のリン
    化合物(B成分)0.0005〜1重量部、並びに炭酸
    金属塩、硫酸金属塩、クロム酸金属塩、チタン酸金属
    塩、酸化珪素、珪酸塩化合物、および水性溶液または懸
    濁液におけるpH値が6〜8.5である金属酸化物から
    選択される少なくとも1種の化合物(C成分)0.00
    5〜1重量部を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 B成分が下記一般式(1)で示されるホ
    スファイト化合物である請求項1に記載の熱可塑性樹脂
    組成物。 【化1】 (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ炭素原子数1
    〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基ま
    たはアラルキル基を示す。)
  3. 【請求項3】 C成分が0.005〜0.5重量部であ
    る請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更にA成分100重量部に対してホスフ
    ェート系難燃剤(d−1成分)、赤リン系難燃剤(d−
    2成分)、ホスファゼン系難燃剤(d−3成分)および
    シリコーン系難燃剤(d−4成分)から選択される少な
    くとも1種の難燃剤(D成分)を0.005〜30重量
    部を含んでなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 更にA成分100重量部に対してゴム質
    重合体を0.5〜30重量部含んでなる請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 C成分が平均粒径10μm以下である請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 C成分が酸化チタン含有量95重量%以
    上の酸化チタン、純度99重量%以上の炭酸カルシウ
    ム、および酸化カルシウム含有量が1重量%以下のタル
    クから選択される少なくとも1種である請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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