JP2002055343A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
層に、第1電極と第2電極とで電圧を印加することによ
って表示を行う液晶表示装置であって、第1電極は、下
層導電層と、下層導電層12の少なくとも一部を覆う誘
電体層と、誘電体層の液晶層側に設けれた上層導電層1
4とを有し、上層導電層は第1開口部を有し、且つ、下
層導電層は、誘電体層を介して第1開口部の少なくとも
一部と対向するように設けられている。
Description
し、特に、広視野角を特性を有し、高表示品位の表示を
行う液晶表示装置に関する。
プレイや携帯情報端末機器の表示部に用いられる表示装
置として、薄型軽量の液晶表示装置が利用されている。
しかしながら、従来のツイストネマチック型(TN
型)、スーパーツイストネマチック型(STN型)液晶
表示装置は、視野角が狭いという欠点を有しており、そ
れを解決するために様々な技術開発が行なわれている。
特性を改善するための代表的な技術として、光学補償板
を付加する方式がある。他の方式として、基板の表面に
対して水平方向の電界を液晶層に印加する横電界方式が
ある。この横電界方式の液晶表示装置は、近年量産化さ
れ、注目されている。また、他の技術としては、液晶材
料として負の誘電率異方性を有するネマチック液晶材料
を用い、配向膜として垂直配向膜を用いるDAP(defor
mation of vertical aligned phase)がある。これは、
電圧制御複屈折(ECB:electrically controlled bire
fringence)方式の1つであり、液晶分子の複屈折性を利
用して透過率を制御する。
方式は広視野角化技術として有効な方式の1つではある
ものの、製造プロセスにおいて、通常のTN型に比べて
生産マージンが著しく狭いため、安定な生産が困難であ
るという問題がある。これは、基板間のギャップむらや
液晶分子の配向軸に対する偏光板の透過軸(偏光軸)方
向のずれが、表示輝度やコントラスト比に大きく影響す
るためであり、これらを高精度に制御して、安定な生産
を行なうためには、さらなる技術開発が必要である。
ラの無い均一な表示を行なうためには、配向制御を行な
う必要がある。配向制御の方法としては、配向膜の表面
をラビングすることにより配向処理する方法がある。し
かしながら、垂直配向膜にラビング処理を施すと、表示
画像中にラビング筋が発生しやすく量産には適していな
い。
を行なう方法として、電極にスリット(開口部)を形成
することによって、斜め電界を発生させ、その斜め電界
によって液晶分子の配向方向を制御する方法も考案され
ている(例えば、特開平6−301036号公報)。し
かしながら、本願発明者が検討した結果、この方法には
下記の問題があることが分かった。
によって斜め電界を発生させる構成を採用すると、電極
に形成されたスリットに対応する領域の液晶層に十分な
電圧を印加することができず、その結果、スリットに対
応する領域の液晶層の液晶分子の配向を十分に制御でき
ず、電圧印加時の透過率のロスが生じるという問題があ
る。
れたもので、表示品位の高い液晶表示装置及びその製造
方法を提供することを目的とする。
は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2
基板との間に設けられた液晶層とを有し、前記第1基板
の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板
に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する
第2電極とによって規定される絵素領域を複数有し、前
記複数の絵素領域内のそれぞれの液晶層は、前記第1電
極と前記第2電極との間に電圧が印加されていないとき
に垂直配向状態をとり、且つ、前記第1電極と前記第2
電極との間に印加された電圧に応じて配向状態を変化
し、前記第1電極は、下層導電層と、前記下層導電層の
少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の前記
液晶層側に設けれた上層導電層とを有し、前記上層導電
層は少なくとも1つの第1開口部を有し、且つ、前記下
層導電層は、前記誘電体層を介して前記少なくとも1つ
の第1開口部の少なくとも一部と対向するように設けら
れており、そのことによって、上記目的が達成される。
第1開口部を有する上層導電層は、第1開口部のエッジ
部に斜め電界を生成し、液晶分子を放射状傾斜配向させ
るように作用する。また、第1開口部に対向する領域に
は下層導電層による電界が印加されるので、第1開口部
上に位置する液晶分子の配向が安定する。
前記少なくとも1つの第1開口部に対向する領域を含む
領域に設けられていることが好ましい。第1開口部上に
位置する液晶層に有効に電界を作用させることができ
る。
であってもよいし、円形であってもよい。
つの第1開口部は複数の第1開口部であることが好まし
い。複数の第1開口部を有する構成を採用すると、絵素
領域全体に亘って安定な放射状傾斜配向を形成させるこ
とができる。また、応答速度の低下を抑制することがで
きる。
口部は、規則的に配置されていることが好ましい。特
に、回転対称性を有するように前記複数の第1開口部を
配置することが好ましい。
1開口部内に、凹部または穴を有する構成としてもよ
い。誘電体層に凹部または穴を有する構成を採用する
と、誘電体層による電圧降下を抑制できる。また、液晶
層の厚さを調整することもできる。
する領域内に第2開口部を有する構成としてもよい。第
2開口部は、第1開口部内の液晶層の放射状傾斜配向の
中心を安定化するように作用する。
ちのいずれか一方は透明導電層であり、他方は反射導電
層である構成としてもよい。特に、上層導電層を反射電
極とし、下層導電層を透明電極とする構成を採用する
と、透過モードの表示特性と反射モードの表示特性をそ
れぞれ最適化することが可能となる。
つの第1開口部は複数の第1開口部であって、前記第1
電極と前記第2電極との間に印加された電圧によって、
前記第1電極に形成された前記複数の第1開口部に対向
する領域内の前記液晶層がそれぞれ放射状傾斜配向状態
をとる複数の液晶ドメインを形成する構成とすることが
好ましい。
の少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、前
記少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を少なく
とも電圧印加状態において放射状傾斜配向させる配向規
制力を発現する配向規制構造をさらに有する構成として
もよい。
の液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けられて
いることが好ましい。
いて、前記配向規制構造による配向規制方向は、前記放
射状傾斜配向の方向と整合することが好ましい。
いても、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を
発現する構成としてもよい。
液晶層側に突き出た凸部であってよい。
液晶層側に設けられた水平配向性の表面を含む構成であ
ってもよい。
てのみ、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を
発現する構成であってもよい。
られた開口部を含む構成であってよい。
設けられた一対の偏光板をさらに有し、前記一対の偏光
板はクロスニコル状態に配置される構成としてもよい。
設けられた一対の4分の1波長板をさらに有し、前記一
対の4分の1波長板のそれぞれは、前記液晶層と前記一
対の偏光板のそれぞれとの間に配置されている構成とす
ることが好ましい。
設けられた一対の2分の1波長板をさらに有し、前記一
対の2分の1波長板のそれぞれは、前記一対の偏光板の
それぞれと前記一対の4分の1波長板のそれぞれとの間
に配置されている構成とすることがさらに好ましい。
に直交するように配置されていることが好ましい。
に直交するように配置されていることが好ましい。
晶層は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加され
た電圧によって渦巻き配向状態をとる構成とすることが
好ましい。
晶層は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加され
た電圧によって前記液晶層に沿ってツイスト配向状態を
とる微小領域を含むことがさらに好ましい。
れぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさらに有
し、前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けら
れ、前記アクティブ素子によってスイッチングされる絵
素電極であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に
対向する少なくとも1つの対向電極である構成としても
よい。対向電極は、典型的には単一の電極である。
板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間
に設けられた液晶層とを有し、前記第1基板の前記液晶
層側に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けられ
前記第1電極に前記液晶層を介して対向する第2電極と
によって、それぞれが規定される複数の絵素領域を有
し、前記第1電極は、下層導電層と、前記下層導電層の
少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の前記
液晶層側に設けれた上層導電層とを有し、前記複数の絵
素領域のそれぞれにおいて、前記上層導電層は、複数の
開口部と中実部とを有し、前記液晶層は、前記第1電極
と前記第2電極との間に電圧が印加されていないときに
垂直配向状態をとり、且つ、前記第1電極と前記第2電
極との間に電圧が印加されたときに、前記上層導電層の
前記複数の開口部のエッジ部に生成される斜め電界によ
って、前記複数の開口部または前記中実部に、それぞれ
が放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成
し、印加された電圧に応じて前記複数の液晶ドメインの
配向状態が変化することによって表示を行う構成を有
し、そのことによって上記目的が達成される。
部は、実質的に、等しい形状で等しい大きさを有し、回
転対称性を有するように配置された少なくとも1つの単
位格子を形成することが好ましい。
開口部のそれぞれの形状は、回転対称性を有することが
好ましい。
開口部のそれぞれは略円形であってよい。
部にそれぞれが実質的に包囲された複数の単位中実部を
有し、前記複数の単位中実部のそれぞれは略円形であっ
てよい。
前記第1電極の前記複数の開口部の面積の合計は、前記
第1電極の前記中実部の面積より小さいことが好まし
い。
をさらに備え、前記凸部の前記基板の面内方向の断面形
状は、前記複数の開口部の形状と同じであり、前記凸部
の側面は、前記液晶層の液晶分子に対して、前記斜め電
界による配向規制方向と同じ方向の配向規制力を有する
構成としてもよい。
れぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさらに有
し、前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けら
れ、前記アクティブ素子によってスイッチングされる絵
素電極であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に
対向する少なくとも1つの対向電極である構成としても
よい。対向電極は、典型的には単一の電極である。
明の実施形態を説明する。
置が有する電極構造とその作用とを説明する。本発明に
よる液晶表示装置は、優れた表示特性を有するので、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置に好適に利用され
る。以下では、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたア
クティブマトリクス型液晶表示装置について、本発明の
実施形態を説明する。本発明はこれに限られず、MIM
を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置や単純マ
トリクス型液晶表示装置に適用することができる。ま
た、以下では、透過型液晶表示装置を例に本発明の実施
形態を説明するが、本発明はこれに限られず、反射型液
晶表示装置や、さらに、後述する透過反射両用型液晶表
示装置に適用することができる。
単位である「絵素」に対応する液晶表示装置の領域を
「絵素領域」と呼ぶ。カラー液晶表示装置においては、
R,G,Bの「絵素」が1つの「画素」に対応する。絵
素領域は、アクティブマトリクス型液晶表示装置におい
ては、絵素電極と絵素電極と対向する対向電極とが絵素
領域を規定する。また、単純マトリクス型液晶表示装置
においては、ストライプ状に設けられる列電極と列電極
と直交するように設けられる行電極とが互いに交差する
それぞれの領域が絵素領域を規定する。なお、ブラック
マトリクスが設けられる構成においては、厳密には、表
示すべき状態に応じて電圧が印加される領域のうち、ブ
ラックマトリクスの開口部に対応する領域が絵素領域に
対応することになる。
0の1つの絵素領域の断面を模式的に図1に示す。以下
では、説明の簡単さのためにカラーフィルタやブラック
マトリクスを省略する。また、以下の図面においては、
液晶表示装置100の構成要素と実質的に同じ機能を有
する構成要素を同じ参照符号で示し、その説明を省略す
る。なお、わかり易さのために、図1は液晶表示装置1
00の1つの絵素領域を示すこととするが、後に詳述す
るように、本発明による液晶表示装置は図1に示した電
極構成を1つの絵素領域内に少なくとも1つ有せばよ
い。
クス基板(以下「TFT基板」と呼ぶ。)100aと、
対向基板(「カラーフィルタ基板」とも呼ぶ)100b
と、TFT基板100aと対向基板100bとの間に設
けられた液晶層30とを有している。液晶層30の液晶
分子30aは、負の誘電率異方性を有し、TFT基板1
00aおよび対向基板100bの液晶層30側の表面に
設けられた垂直配向層(不図示)によって、液晶層30
に電圧が印加されていないとき、図1(a)に示したよ
うに、垂直配向膜の表面に対して垂直に配向する。この
とき、液晶層30は垂直配向状態にあるという。但し、
垂直配向状態にある液晶層30の液晶分子30aは、垂
直配向膜の種類や液晶材料の種類によって、垂直配向膜
の表面(基板の表面)の法線から若干傾斜することがあ
る。一般に、垂直配向膜の表面に対して、液晶分子軸
(「軸方位」とも言う。)が約85°以上の角度で配向
した状態が垂直配向状態と呼ばれる。
は、透明基板(例えばガラス基板)11とその表面に形
成された絵素電極15とを有している。対向基板100
bは、透明基板(例えばガラス基板)21とその表面に
形成された対向電極22とを有している。液晶層30を
介して互いに対向するように配置された絵素電極15と
対向電極22とに印加される電圧に応じて、絵素領域ご
との液晶層30の配向状態が変化する。液晶層30の配
向状態の変化に伴い、液晶層30を透過する光の偏光状
態や量が変化する現象を利用して表示が行われる。
は、下層導電層12と、下層導電層12の少なくとも一
部を覆う誘電体層13と、誘電体層の液晶層30側に設
けれた上層導電層14とを有している。図1に示した液
晶表示装置100においては、開口部14aに対向する
基板11上の領域を全て含む領域に下層導電層12が形
成されている(下層導電層12の面積>開口部14aの
面積)。
絵素電極15の構成は、上記の例に限られず、図2
(a)に示す液晶表示装置100’のように、開口部1
4aに対向する基板11上の領域に下層導電層12を形
成してもよい(下層導電層12の面積=開口部14aの
面積)。また、図2(b)に示す液晶表示装置10
0’’のように、開口部14aに対向する基板11上の
領域内に下層導電層12を形成してもよい(下層導電層
12の面積<開口部14aの面積)。すなわち、下層導
電層12は、誘電体層13を介して開口部14aの少な
くとも一部と対向するように設けられていればよい。但
し、下層導電層12が開口部14a内に形成された構成
(図2(b))においては、基板11の法線方向から見
た平面内に、下層導電層12および上層導電層14のい
ずれもが存在しない領域(隙間領域)が存在し、この隙
間領域に対向する領域の液晶層30に十分な電圧が印加
されないことがある。従って、液晶層30の配向を安定
化するように、この隙間領域の幅(図2(b)中のW
S)を十分に狭くすることが好ましい。WSは、典型的
には、約4μmを越えないことが好ましい。
4を備える絵素電極15を「2層構造電極」と呼ぶこと
もある。「下層」および「上層」は、2つの電極12お
よび14の誘電体層13に対する相対的な関係を表すた
めに用いた用語であり、液晶表示装置の使用時の空間的
な配置を制限するものではない。さらに、「2層構造電
極」は、下層導電層12および上層導電層14以外の電
極を有する構成を排除するものではなく、少なくとも下
層導電層12および上層導電層14を有し、以下に説明
する作用を有する構成であればよい。また、2層構造電
極は、TFT型液晶表示装置における絵素電極である必
要はなく、絵素領域ごとに2層構造電極を有せば他のタ
イプの液晶表示装置にも適用され得る。具体的には、例
えば、単純マトリクス型液晶表示装置における列電極
(信号電極)が、絵素領域毎に2層構造を有せば、絵素
領域内の列電極が2層構造電極として機能する。
ら、2層構造電極を備える液晶表示装置の動作を、他の
構成の電極を備える液晶表示装置の動作と比較しながら
説明する。
を参照しながら説明する。
晶層30内の液晶分子30aの配向状態(OFF状態)
を模式的に示している。図1(b)は、液晶層30に印
加された電圧に応じて、液晶分子30aの配向が変化し
始めた状態(ON初期状態)を模式的に示している。図
1(c)は、印加された電圧に応じて変化した液晶分子
30aの配向が定常状態に達した状態を模式的に示して
いる。図1では、簡単さのために、絵素電極15を構成
する下層導電層12および上層導電層14に同一の電圧
を印加した例を示している。図1(b)および(c)中
の曲線EQは等電位線EQを示す。
と対向電極22が同電位のとき(液晶層30に電圧が印
加されていない状態)には、絵素領域内の液晶分子30
aは、両基板11および21の表面に対して垂直に配向
している。
(b)に示した等電位線EQ(電気力線と直交する)E
Qで表される電位勾配が形成される。絵素電極15の上
層導電層14と対向電極22との間に位置する液晶層3
0内には、上層導電層14および対向電極22の表面に
対して平行な等電位線EQで表される、均一な電位勾配
が形成される。上層導電層14の開口部14aの上に位
置する液晶層30には、下層導電層12と対向電極22
との電位差に応じた電位勾配が形成される。このとき、
液晶層30内に形成される電位勾配が、誘電体層13に
よる電圧降下(容量分割)の影響を受けるので、液晶層
30内に形成される等電位線EQは、開口部14aに対
応する領域で落ち込む(等電位線EQに「谷」が形成さ
れる)。開口部14aに対応する領域で、等電位線EQ
の一部が誘電体層13内に侵入していることが、誘電体
層13によって電圧降下(容量分割)が生じていること
を表している。誘電体層13を介して開口部14aに対
向する領域に下層導電層12が形成されているので、開
口部14aの中央付近上に位置する液晶層30内にも、
上層導電層14および対向電極22の面に対して平行な
等電位線EQで表される電位勾配が形成される(等電位
線EQの「谷の底」)。開口部14aのエッジ部(開口
部14aの境界(外延)を含む開口部14aの内側周
辺)EG上の液晶層30内には、傾斜した等電位線EQ
で表される斜め電界が形成される。
は、液晶分子30aの軸方位を等電位線EQに対して平
行(電気力線に対して垂直)に配向させようとするトル
クが作用する。従って、エッジ部EG上の液晶分子30
aは、図1(b)中に矢印で示したように、図中の右側
エッジ部EGでは時計回り方向に、図中の左側エッジ部
EGでは反時計回り方向に、それぞれ傾斜(回転)し、
等電位線EQに平行に配向する。
0aの配向の変化を詳細に説明する。
電率異方性を有する液晶分子30aには、その軸方位を
等電位線EQに対して平行に配向させようとするトルク
が作用する。図5(a)に示したように、液晶分子30
aの軸方位に対して垂直な等電位線EQで表される電界
が発生すると、液晶分子30aには時計回りまたは反時
計回り方向に傾斜させるトルクが等しい確率で作用す
る。従って、図3を参照しながら後述するように、互い
に対向する平行平板型配置の電極間にある液晶層30内
には、時計回り方向のトルクを受ける液晶分子30a
と、反時計回りに方向のトルクを受ける液晶分子30a
とが混在する。その結果、液晶層30に印加された電圧
に応じた配向状態への変化がスムーズに起こらないこと
がある。
液晶表示装置100の開口部14aのエッジ部EGにお
いて、液晶分子30aの軸方位に対して傾斜した等電位
線EQで表される電界(斜め電界)が発生すると、図5
(b)に示したように、液晶分子30aは、等電位線E
Qと平行になるための傾斜量が少ない方向(図示の例で
は反時計回り)に傾斜する。また、液晶分子30aの軸
方位に対して垂直方向の等電位線EQで表される電界が
発生する領域に位置する液晶分子30aは、図5(c)
に示したように、傾斜した等電位線EQ上に位置する液
晶分子30aと配向が連続となるように(整合するよう
に)、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30
aと同じ方向に傾斜する。なお、「等電位線EQ上に位
置する」とは、「等電位線EQで表される電界内に位置
する」ことを意味する。
に位置する液晶分子30aから始まる配向の変化が進
み、定常状態に達すると、図1(c)に模式的に示した
配向状態となる。開口部14aの中央付近に位置する液
晶分子30aは、開口部14aの互いに対向する両側の
エッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響をほぼ同等
に受けるので、等電位線EQに対して垂直な配向状態を
保ち、開口部14aの中央から離れた領域の液晶分子3
0aは、それぞれ近い方のエッジ部EGの液晶分子30
aの配向の影響を受けて傾斜し、開口部14aの中心S
Aに関して対称な傾斜配向を形成する。この配向状態
は、液晶表示装置100の表示面に垂直な方向(基板1
1および21の表面に垂直な方向)からみると、液晶分
子30aの軸方位が開口部14aの中心に関して放射状
に配向した状態にある(不図示)。そこで、本願明細書
においては、このような配向状態を「放射状傾斜配向」
と呼ぶことにする。
て改善するためには、それぞれの絵素領域内の液晶分子
の配向が表示面に垂直な方向の軸を中心とする回転対称
性を有することが好ましく、軸対称性を有することがさ
らに好ましい。従って、開口部14aは絵素領域の液晶
層30の配向が回転対称性(または軸対称性)を有する
ように配置されることが好ましい。絵素領域毎に1つの
開口部14aを形成する場合には、開口部14aを絵素
領域の中央に設けることが好ましい。また、開口部14
aの形状(液晶層30の層面内における形状)も、回転
対称性(軸対称性)を有することが好ましく、正方形な
どの正多角形や円形であることが好ましい。絵素領域に
複数の開口部14aを形成する場合の配置については、
後述する。
たように、本発明による液晶表示装置100は、絵素領
域毎に2層構造電極15を有しており、絵素領域内の液
晶層30内に、傾斜した領域を有する等電位線EQで表
される電界を生成する。電圧無印加時に垂直配向状態に
ある液晶層30内の負の誘電異方性を有する液晶分子3
0aは、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子3
0aの配向変化をトリガーとして、配向方向を変化し、
安定な放射状傾斜配向を形成する。勿論、図2(a)お
よび(b)に示した液晶表示装置100’および10
0’’も同様に動作する。但し、図2(b)の構成にお
いて、隙間領域WSがあまり大きくなると(例えば、約
5μmを越えると)、開口部14aのエッジ部には十分
な電圧が印加されず、表示に寄与しない領域となってし
まうことがある。
な液晶表示装置200の動作を説明する。図3(a)〜
(c)は、液晶表示装置200の1つの絵素領域を模式
的に示している。
うに配置された絵素電極15Aおよび対向電極22を有
する。絵素電極15Aおよび対向電極22は、いずれも
開口部14aを有しない、単一の導電層から形成されて
いる。
電圧が印加されていないとき、液晶層30は垂直配向状
態をとる。
生成される電界は、図3(b)に示したように、絵素領
域全体に亘って、絵素電極15Aおよび対向電極22の
表面に対して平行な等電位線EQで表される。このと
き、液晶分子30aは軸方位が等電位線EQに対して平
行となるように配向方向を変えようとするが、液晶分子
30aの軸方位と等電位線EQとが直交する電界下にお
いては、図5(a)に示したように、液晶分子30aが
傾斜(回転)する方向が一義的に定まらない。液晶分子
30aは、典型的には、垂直配向膜の局所的な表面状態
の違いの影響を受け、種々の方向に傾斜し始める。その
結果、液晶分子30aの配向状態が複数の絵素領域間で
異なり、液晶表示装置200による表示は、ざらついた
表示となる。また、液晶層30の配向状態が図3(c)
に示した定常状態に到達するまでに、上述した本発明の
液晶表示装置100よりも長い時間が必要となる。
は、従来の液晶表示装置200と比較し、ざらつきのな
い高品位の表示が可能であり、且つ、応答速度が速い、
という特徴を有している。
Bに開口部15bを有する液晶表示装置300の動作を
説明する。絵素電極15Bは開口部15bを有する単一
の電極で構成されており、下層導電層12(例えば図1
参照)を有していない点において本発明の液晶表示装置
の絵素電極15と異なる。液晶表示装置300は、前述
した特開平6−301036号公報に開示されている、
対向電極に開口部14aを有する液晶表示装置と同様に
斜め電界を液晶層30中に発生する。
(a)に示したように、電圧無印加時には垂直配向状態
をとる。電圧無印加時の液晶層30の配向状態は、本発
明の液晶表示装置(図1および図2)や従来の典型的な
液晶表示装置(図3)と同じである。
(b)に示した等電位線EQで表される電界が生成され
る。絵素電極15Bは、本実施形態の液晶表示装置10
0の絵素電極15(例えば図1参照)と同様に開口部1
5bを有するので、液晶表示装置200の液晶層30に
生成される等電位線EQは、開口部15bに対応する領
域で落ち込み、開口部15bのエッジ部EG上の液晶層
30内に傾斜した等電位線EQで表される斜め電界が形
成される。しかし、絵素電極15Bは単一の導電層から
形成されており、開口部15bに対応する領域には下層
導電層(絵素電極と同じ電位)を有しないので、開口部
15b上に位置する液晶層30内には電界が生成されな
い領域(等電位線EQが描かれていない領域)が存在す
る。
異方性を有する液晶分子30aは、以下の様に振舞う。
まず、開口部15bのエッジ部EG上の液晶分子30a
は、図4(b)中に矢印で示したように、図中の右側エ
ッジ部EGでは時計回り方向に、図中の左側エッジ部E
Gでは反時計回り方向に、それぞれ傾斜(回転)し、等
電位線EQに平行に配向する。これは、図1(b)を参
照しながら説明した、本実施形態の液晶表示装置100
における液晶分子30aと同じ振る舞いであるり、エッ
ジ部EG付近の液晶分子30aの傾斜(回転)方向を一
義的に決定し、安定に配向変化を起こすことができる。
Gを除く領域の上に位置する液晶層30には電界が発生
しないので、配向を変化するトルクは発生しない。その
結果、十分な時間が経過して液晶層30の配向変化が定
常状態に達しても、図4(c)に示したように、開口部
15bのエッジ部EGを除く領域の上に位置する液晶層
30は、垂直配向状態のままである。勿論、エッジ部E
G付近の液晶分子30aの配向変化の影響を受けて、一
部の液晶分子30aは配向を変化するが、開口部15b
上の液晶層30内の全ての液晶分子30aの配向を変化
することはできない。開口部15bの端部からどれぐら
いの位置にある液晶分子30aまで、その影響が及ぶか
は、液晶層30の厚さや液晶材料の物性(誘電率異方性
の大きさ、弾性率など)にも依存するが、開口部15b
を介して互いに隣接する実際に導電層が存在する領域
(「中実部」とも言う)間の距離が約4μmを越える
と、開口部15bの中央付近の液晶分子30aは電界に
よって配向を変化することなく、垂直配向を維持する。
従って、液晶表示装置300の液晶層30の内の開口部
15b上に位置する領域は、表示に寄与しないので、表
示品位の低下を招く。例えば、ノーマリブラックの表示
モードにおいては、実効開口率が低下し、表示輝度が低
下する。
部15bを有する絵素電極15Bによって形成される斜
め電界によって、液晶分子30aの配向が変化する方向
を一義的に決定するので、従来の典型的な液晶表示装置
200で起こる表示のざらつきを防止できるものの、輝
度が暗くなる。本実施形態の液晶表示装置100は、開
口部14aを有する上層導電層14と開口部14aと対
向するように設けられた下層電極12とを有するので、
開口部14a上に位置する液晶層30のほぼ全ての領域
に電界を作用させ、表示に寄与させることができる。従
って、本実施形態の液晶表示装置100は、高輝度で、
且つざらつきが無い高品位の表示を実現することができ
る。
造電極(絵素電極)15の上層導電層14が有する開口
部14aの形状(基板法線方向から見た形状)について
説明する。開口部14aの形状は、多角形でもよいし、
円形や楕円形でもよい。
向状態(光学的異方性)に起因して、方位角依存性を示
す。表示特性の方位角依存性を低減するためには、液晶
分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向している
ことが好ましい。また、それぞれの絵素領域内の液晶分
子が全ての方位角に対して同等の確率で配向しているこ
とがさらに好ましい。従って、開口部14aは、それぞ
れの絵素領域内の液晶分子が、すべての方位角に対して
同等の確率で配向するような形状を有していることが好
ましい。具体的には、開口部14aの形状は、それぞれ
絵素領域の中心(法線方向)を対称軸とする回転対称性
を有することが好ましい。2回回転軸以上の高い回転対
称性の軸を有することがさらに好ましい。
分子30aの配向状態を図6(a)〜図6(c)を参照
しながら説明する。図6(a)〜(c)は、それぞれ、
基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を模式
的に示している。図6(b)および(c)など、基板法
線方向から見た液晶分子30aの配向状態を示す図にお
いて、楕円状に描かれた液晶分子30aの先が黒く示さ
れている端は、その端が他端よりも、開口部14aを有
する2層電極が設けらている基板側に近いように、液晶
分子30aが傾斜していることを示している。以下の図
面においても同様である。
の絵素領域に対応して、矩形の開口部14aを形成した
構造を例に説明する。図6(a)中の1A−1A’線に
沿った断面図は図1(a)に相当し、図6(b)中の1
B−1B’線に沿った断面図は図1(b)に相当し、図
6(c)中の1C−1C’線に沿った断面図は図1
(c)に相当する。図1(a)〜図1(c)を合わせて
参照しながら説明する。勿論、絵素領域(絵素電極1
5)の形状はこれに限られない。
る絵素電極15および対向電極22が同電位のとき、す
なわち液晶層30に電圧が印加されていない状態におい
ては、TFT基板100aおよび対向基板100bの液
晶層30側表面に設けられた垂直配向層(不図示)によ
って配向方向が規制されている液晶分子30aは、図6
(a)に示したように、垂直配向状態を取る。
示した等電位線EQで表される電界が発生すると、負の
誘電率異方性を有する液晶分子30aには、軸方位が等
電位線EQに平行になるようなトルクが発生する。図5
(a)および(b)を参照しながら説明したように、液晶
分子30aの分子軸に対して垂直な等電位線EQで表さ
れる電場下の液晶分子30aは、液晶分子30aが傾斜
(回転)する方向が一義的に定まっていないため(図5
(a))、配向の変化(傾斜または回転)が容易に起こ
らないのに対し、液晶分子30aの分子軸に対して傾斜
した等電位線EQ下に置かれた液晶分子30aは、傾斜
(回転)方向が一義的に決まるので、配向の変化が容易
に起こる。図6に示した構造では、等電位線EQに対し
て液晶分子30aの分子軸が傾いている上層導電層14
の矩形の開口部14aの4辺のエッジ部から液晶分子3
0aが傾斜し始める。そして、図5(c)を参照しなが
ら説明したように、開口部14aのエッジ部の傾斜した
液晶分子30aの配向と整合性をとるように周囲の液晶
分子30aも傾斜し、図6(c)に示したように、液晶
分子30aの軸方位は安定する(放射状傾斜配向)。
aが、スリット状(長さに対して幅(長さに直交する方
向)が著しく狭い形状)ではなく、矩形状であると、絵
素領域内の液晶分子30aは、電圧印加時に、開口部1
4aの4辺のエッジ部から開口部14aの中心に向かっ
て液晶分子30aが傾斜するので、エッジ部からの液晶
分子30aの配向規制力が釣り合う開口部14aの中心
付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直に配向した
状態を維持し、その回りの液晶分子30aが開口部14
aの中心付近の液晶分子30aを中心に放射状に液晶分
子30aが連続的に傾斜した状態が得られる。このよう
に、絵素領域毎に液晶分子30aが放射状傾斜配向をと
ると、全ての視角方向(方位角方向も含む)に対して、
それぞれの軸方位の液晶分子30aの存在確率がほぼ等
しくなり、あらゆる視角方向に対して、ざらつきのない
高品位の表示を実現することができる。
(4回回転軸を有する)の高い正方形とすると、回転対
称性の低い(2回回転軸を有する)長方形よりも、開口
部14aの中心を対称軸とする液晶分子30aの放射状
傾斜配向の対称性が高くなるので、視角方向に対して一
層ざらつきのない良好な表示を実現できる。なお、開口
部14aの形状として矩形を例示したが、開口部14a
の内側の液晶分子30aが電圧印加時に安定した放射状
傾斜配向をとるのであれば、他の多角形であってもよ
く、回転対称が高い正多角形がさらに好ましい。
は、図8(a)に示したような単純な放射状傾斜配向よ
りも、図8(b)および(c)に示したような、左回り
または右回りの渦巻き状の放射状傾斜配向の方が安定で
ある。なお、ここでいう渦巻き状配向は、液晶層面内
(基板面内)における液晶分子の配向状態を表す。液晶
材料に少量のカイラル剤を添加したときに見られる渦巻
き状配向は、通常のツイスト配向のように液晶層30の
厚さ方向に沿って液晶分子30aの配向方向が螺旋状に
ほとんど変化することがなく、液晶分子30aの配向方
向を微小領域でみると、液晶層30の厚さ方向に沿って
ほとんど変化していない。すなわち、液晶層30の厚さ
方向のどこの位置の断面(層面に平行な面内での断面)
においても、図8(b)または(c)と同じ配向状態に
あり、液晶層30の厚さ方向に沿ったツイスト変形をほ
とんど生じていない。但し、開口部14aの全体でみる
と、ある程度のツイスト変形が発生している。
料にカイラル剤を添加した材料を用いると、図7(a)
および(b)にそれぞれ示すように、電圧印加時に、液
晶分子30aは、開口部14aを中心に左回りまたは右
回りの渦巻き状放射状傾斜配向をとる。右回りか左回り
かは用いるカイラル剤の種類によって決まる。従って、
電圧印加時に開口部14a内の液晶層30を渦巻き状放
射状傾斜配向させることによって、放射状傾斜している
液晶分子30aの、基板面に垂直に立っている液晶分子
30aの周りを巻いている方向を全ての開口部14a内
で一定にすることができるので、ざらつきの無い均一な
表示が可能になる。さらに、基板面に垂直に立っている
液晶分子30aの周りを巻いている方向が定まっている
ので、液晶層30に電圧を印加した際の応答速度も向上
する。
巻き配向状態の液晶層においても、その微小領域に着目
すると、通常のツイスト配向のように、液晶層30の厚
さ方向に沿って液晶分子30aの配向が螺旋状に変化す
るようになる。
0aの配向が螺旋状に変化しない配向状態では、偏光板
の偏光軸に対して垂直方向または平行方向に配向してい
る液晶分子30aは、入射光に対して位相差を与えない
ため、この様な配向状態の領域を通過する入射光は透過
率に寄与しない。例えば、偏光板がクロスニコル状態に
配置された液晶表示装置の白表示状態の絵素領域を観察
すると、放射状傾斜配向した液晶ドメインの中央部に十
字の消光模様が明確に観察される。
て液晶分子30aの配向が螺旋状に変化する配向状態に
おいては、偏光板の偏光軸に垂直方向または平行方向に
配向している液晶分子30aも、入射光に対して位相差
を与えるとともに、光の旋光性を利用することもでき
る。従って、この様な配向状態の領域を通過する入射光
も透過率に寄与するので、明るい表示が可能な液晶表示
装置を得ることができる。例えば、偏光板がクロスニコ
ル状態に配置された液晶表示装置の白表示状態の絵素領
域を観察すると、放射状傾斜配向した液晶ドメインの中
央部の十字の消光模様は不明確になり、全体に明るくな
る。旋光性による光の利用効率を効率良く向上するため
に、液晶層のツイスト角は、約90度であることが好ま
しい。
限られず、円形や楕円形でも良い。
子30aの配向状態を図9(a)〜図9(c)を参照し
ながら説明する。図9(a)〜図9(c)は、それぞ
れ、基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を
模式的に示している。ここでは、矩形の絵素領域に対し
て、円形の開口部14aを形成した構造を例に説明す
る。図9(a)中の1A−1A’線に沿った断面図は図
1(a)に相当し、図9(b)中の1B−1B’線に沿
った断面図は図1(b)に相当し、図9(c)中の1C
−1C’線に沿った断面図は図1(c)に相当する。図
1(a)〜図1(c)を合わせて参照しながら説明す
る。
る絵素電極15および対向電極22が同電位のとき、す
なわち液晶層30に電圧が印加されていない状態におい
ては、TFT基板100aおよび対向基板100bの液
晶層30側表面に設けられた垂直配向層(不図示)によ
って配向方向が規制されている液晶分子30aは、図9
(a)に示したように、垂直配向状態を取る。
示した等電位線EQで表される電界が発生すると、負の
誘電率異方性を有する液晶分子30aには、軸方位が等
電位線EQに平行になるようなトルクが発生する。図5
(a)および(b)を参照しながら説明したように、液晶
分子30aの分子軸に対して垂直な等電位線EQで表さ
れる電場下の液晶分子30aは、液晶分子30aが傾斜
(回転)する方向が一義的に定まっていないため(図5
(a))、配向の変化(傾斜または回転)が容易に起こ
らないのに対し、液晶分子30aの分子軸に対して傾斜
した等電位線EQ下に置かれた液晶分子30aは、傾斜
(回転)方向が一義的に決まるので、配向の変化が容易
に起こる。図9に示した構造では、等電位線EQに対し
て液晶分子30aの分子軸が傾いている上層導電層14
の円形の開口部14aの円周のエッジ部から液晶分子3
0aが傾斜し始める。そして、図5(c)を参照しなが
ら説明したように、開口部14aのエッジ部の傾斜した
液晶分子30aの配向と整合性をとるように周囲の液晶
分子30aも傾斜し、図9(c)に示したような状態で
液晶分子30aの軸方位は安定する(放射状傾斜配
向)。
aが、円形状であると、絵素領域内の液晶分子30a
は、電圧印加時に、開口部14aの円周のエッジ部から
開口部14aの中心に向かって液晶分子30aが傾斜す
るので、エッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が
釣り合う開口部14aの中心付近の液晶分子30aは基
板面に対して垂直に配向した状態を維持し、その回りの
液晶分子30aが開口部14aの中心付近の液晶分子3
0aを中心に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜し
た状態(放射状傾斜配向)が得られる。開口部14aの
形状が円形の場合には四角形の場合よりも、放射状傾斜
配向の中心(基板面に垂直に配向した液晶分子30aの
位置)が開口部14aの中心に安定に形成されるので、
電圧印加時にあらゆる方向において、ざらつきのない高
品位の表示を実現することができる。
る、放射状傾斜配向の中心位置が安定するという作用
は、円の回転対称性が高いことともに、液晶分子30a
が傾斜する方向を決める開口部14aのエッジが連続し
ていること、にあると考えられる。開口部14aのエッ
ジが連続していることによる、放射状傾斜配向安定化の
作用は、開口部14aの形状を楕円(長円)としても得
られる。
は、図8を参照しながら上述したように、渦巻き状配向
性を付与することによって、より安定化する。従って、
図10(a)および図10(b)にそれぞれ示すよう
に、開口部14aを中心に左回りまたは右回り渦巻き状
放射状傾斜配向とする方が好ましい。特に、開口部14
aの面積が大きくなり、開口部14aの辺から中心まで
の距離が長くなると、開口部14a内に位置する液晶分
子30aの配向が安定しにくくなるので、渦巻き状配向
性を付与することが好ましい。例えば、液晶材料にカイ
ラル剤を添加することによって、放射状配向に渦巻き配
向を付与することができる。
絵素領域毎に1つの開口部を有する構成を例に、開口部
を有する2層構造電極の構成と作用とを説明したが、開
口部を絵素領域毎に複数設けても良い。以下では、絵素
領域毎に複数の開口部を有する2層構造の絵素電極を用
いる構成について説明する。
は、絵素領域内の液晶分子が全方位的に均一な配向をと
るように、上述したように複数の開口部のそれぞれが回
転対称性を有する形状を有することが好ましく、さら
に、複数の開口部の配置が回転対称性を有することが好
ましい。以下では、絵素領域毎に複数の開口部を回転対
称性を有するように配置した2層構造の絵素電極を有す
る液晶表示装置を例にその構成と動作を説明する。
および14a2を含む)を有する絵素電極15を備えた
液晶表示装置400の1つの絵素領域の断面構造を模式
的に示す。液晶表示装置400は、TFT基板400a
と対向基板100b(図1に示した対向基板100bと
実質的に同じ。)とを有している。
液晶層30内の液晶分子30aの配向状態(OFF状
態)を模式的に示している。図11(b)は、液晶層3
0に印加された電圧に応じて、液晶分子30aの配向が
変化し始めた状態(ON初期状態)を模式的に示してい
る。図11(c)は、印加された電圧に応じて変化した
液晶分子30aの配向が定常状態に達した状態を模式的
に示している。図11(a)、(b)および(c)は、
絵素領域毎に1つの開口部14aを有する絵素電極15
を備えた液晶表示装置100についての図1(a)、
(b)および(c)にそれぞれ対応する。なお、図11
では、開口部14a1および14a2に誘電体層13を
介して対向するように設けられた下層導電層12は、開
口部14a1および14a2のそれぞれと重なり、且
つ、開口部14a1および14a2との間の領域(上層
導電層14が存在する領域)にも存在するように形成さ
れた例を示したが、下層導電層12の配置はこれに限ら
れず、開口部14a1および14a2のそれぞれに対し
て、図11(a)〜(c)に示した配置関係を有するよ
うに配置されればよい。また、誘電体層13を介して上
層導電層14の導電層が存在する領域と対向する位置に
形成された下層導電層12は、液晶層30に印加される
電界に実質的に影響しないので、特にパターングする必
要はないが、パターニングしてもよい。
5と対向電極22が同電位のとき(液晶層30に電圧が
印加されていない状態)には、絵素領域内の液晶分子3
0aは、両基板11および21の表面に対して垂直に配
向している。
(b)に示した等電位線EQで表される電位勾配が形成
される。絵素電極15の上層導電層14と対向電極22
との間に位置する液晶層30内には、上層導電層14お
よび対向電極22の表面に対して平行な等電位線EQで
表される、均一な電位勾配が形成される。上層導電層1
4の開口部14a1および14a2の上に位置する液晶
層30には、下層導電層12と対向電極22との電位差
に応じた電位勾配が形成される。このとき、液晶層30
内に形成される電位勾配が、誘電体層13による電圧降
下の影響を受けるので、液晶層30内に形成される等電
位線EQは、開口部14a1および14a2に対応する
領域で落ち込む(等電位線EQに複数の「谷」が形成さ
れる)。誘電体層13を介して開口部14a1および1
4a2に対向する領域に下層導電層12が形成されてい
るので、開口部14a1および14a2のそれぞれの中
央付近上に位置する液晶層30内にも、上層導電層14
および対向電極22の面に対して平行な等電位線EQで
表される電位勾配が形成される(等電位線EQの「谷の
底」)。開口部14a1および14a2のエッジ部(開
口部の境界(外延)を含む開口部の内側周辺)EG上の
液晶層30内には、傾斜した等電位線EQで表される斜
め電界が形成される。
は、液晶分子30aの軸方位を等電位線EQに対して平
行に配向させようとするトルクが作用する。従って、エ
ッジ部EG上の液晶分子30aは、図11(b)中に矢
印で示したように、図中の右側エッジ部EGでは時計回
り方向に、図中の左側エッジ部EGでは反時計回り方向
に、それぞれ傾斜(回転)し、等電位線EQに平行に配
向する。
る液晶表示装置400の開口部14a1および14a2
のエッジ部EGにおいて、液晶分子30aの軸方位に対
して傾斜した等電位線EQで表される電界(斜め電界)
が発生すると、図5(b)に示したように、液晶分子3
0aは、等電位線EQと平行になるための傾斜量が少な
い方向(図示の例では反時計回り)に傾斜する。また、
液晶分子30aの軸方位に対して垂直方向の等電位線E
Qで表される電界が発生する領域に位置する液晶分子3
0aは、図5(c)に示したように、傾斜した等電位線
EQ上に位置する液晶分子30aと配向が連続となるよ
うに(整合するように)、傾斜した等電位線EQ上に位
置する液晶分子30aと同じ方向に傾斜する。
に位置する液晶分子30aから始まる配向の変化が進
み、定常状態に達すると、図11(c)に模式的に示し
たように、開口部14a1および14a2のそれぞれの
中心SAに関して対称な傾斜配向(放射状傾斜配向)を
形成する。また、隣接する2つの開口部14a1および
14a2との間に位置する上層導電層14の領域上の液
晶分子30aも、開口部14a1および14a2のエッ
ジ部の液晶分子30aと配向が連続となるように(整合
するように)、傾斜配向する。開口部14a1および1
4a2のエッジの中央に位置する部分上の液晶分子30
aは、それぞれのエッジ部の液晶分子30aの影響を同
程度に受けるので、開口部14a1および14a2の中
央部に位置する液晶分子30aと同様に、垂直配向状態
を維持する。その結果、隣接する2つの開口部14a1
と14a2との間に上層導電層14上の液晶層も放射状
傾斜配向状態となる。但し、開口部14a1および14
a2内の液晶層の放射状傾斜配向と開口部14a1と1
4a2との間の液晶層の放射状傾斜方向とでは、液晶分
子の傾斜方向が異なる。図11(c)に示した、それぞ
れの放射状傾斜配向している領域の中央に位置する液晶
分子30a付近の配向に注目すると、開口部14a1お
よび14a2内では、対向電極に向かって広がるコーン
を形成するように液晶分子30aが傾斜しているのに対
し、開口部間では、上層導電層14に向かって広がるコ
ーンを形成するように液晶分子30aが傾斜している。
なお、いずれの放射状傾斜配向もエッジ部の液晶分子3
0aの傾斜配向と整合するように形成されているので、
2つの放射状傾斜配向は互いに連続している。
すると、上層導電層14に設けた複数の開口部14a1
および14a2それぞれのエッジ部EG上の液晶分子3
0aから傾斜し始め、その後周辺領域の液晶分子30a
がエッジ部EG上の液晶分子30aの傾斜配向と整合す
るように傾斜することによって、放射状傾斜配向が形成
される。したがって、1つの絵素領域内に形成する開口
部14aの数が多いほど、電界に応答して最初に傾斜し
始める液晶分子30aの数が多くなるので、絵素領域全
体に亘って放射状傾斜配向が形成されるのに要する時間
が短くなる。すなわち、絵素領域毎に絵素電極に形成す
る開口部14aの数を増やすることによって、液晶表示
装置の応答速度を改善することができる。
4a1および14a2を形成することによって、全方位
的に視角特性に優れた表示品位を有する液晶表示装置が
実現されるとともに、液晶表示装置の応答特性も改善さ
れる。
ら、複数の開口部14aのそれぞれの形状および相対配
置と液晶分子30aの配向との関係を説明する。図12
(a)および図13(a)中の11A−11A’線に沿
った断面図は図11(a)に相当し、図12(b)およ
び図13(b)中の11B−11B’線に沿った断面図
は図11(b)に相当し、図12(c)および図13
(c)中の11C−11C’線に沿った断面図は図11
(c)に相当する。
5(絵素領域)を例示しているが、絵素電極15(上層
導電層14)の外形の形状はこれに限られない。また、
本発明による液晶表示装置は、1つの絵素領域について
図12や図13に示した電極構成を1つだけ有するもの
に限らず、図12や図13に示した電極構成を1つの絵
素領域内に複数有してもよい。また、絵素電極15(上
層導電層14)の外周と開口部14aとの相対的な配置
関係に特に制限はなく、複数の開口部14aの一部が上
層導電層14の外周を規定する辺または角に重なって形
成されてもよい。このことは、複数の開口部14aを有
する絵素領域を示す他の実施形態の液晶表示装置に対し
ても同じである。なお、絵素領域全体に亘って、液晶分
子の配向を安定化(および応答速度の向上)するために
好ましい、開口部14a間の相対配置については後述す
る。
先に説明したように、多角形や、円形または楕円形であ
ってよい。液晶表示装置400の全ての方位角方向にお
ける視角特性を改善(表示のざらつきをなくす)ために
は、開口部14aのそれぞれの形状は、高い回転対称性
を有することが好ましいので、図12に示した正方形な
どの正多角形や、図13に示した円形が好ましい。それ
ぞれの開口部14aの形状と液晶分子30aの配向状態
との関係については、先の説明の通りなので、ここでは
説明を省略する。
においては、複数の開口部14aの相対的な配置が回転
対称性を有することが好ましい。例えば、図12に示し
たように、正方形の上層導電層14(すなわち、絵素領
域が正方形の場合)に、正方形の開口部14aを4個形
成する場合、4個の開口部14aを正方形の上層導電層
14の中心SAを軸に、回転対称性を有するように配置
することが好ましい。図示したように、正方形の上層導
電層14の中心SAが4回回転軸となるよう配置するこ
とが好ましい。このように配置すると、図12(b)お
よび(c)に示したように、液晶層30に電圧を印加し
たときにそれぞれの開口部14aを中心に形成される放
射状傾斜配向を有する領域が、上層導電層14の中心S
Aを軸に4回回転対称性を有する。その結果、液晶表示
装置400の視角特性は全方位角方向に亘ってさらに均
一化される。
開口部14aを形成した構成を例示したが、開口部14
aの数はこれに限らない。1つの絵素領域に形成する開
口部14aの数は、絵素領域の大きさや形状、1つの開
口部14aによって安定に放射状傾斜配向が形成される
領域の大きさ、および応答速度を考慮して適宜設定され
る。1つの絵素領域に多数の開口部14aを形成する場
合、視角特性の均一性を向上するためには、絵素領域全
体に亘って、開口部14aの配置が回転対称性を有する
ように配置することが好ましいが、絵素領域の形状によ
っては、絵素領域全体に亘って回転対称性を有するよう
に配置できない場合がある。できるだけ、広い面積に亘
って回転対称性を有するように配置することが好まし
い。例えば、絵素領域が長方形の場合には、長方形を複
数の正方形に分割し、それぞれの正方形に対して回転対
称性を有するように複数の開口部14aを形成すること
によって、十分均一な視角特性を有する液晶表示装置を
得ることができる。
えて、円形の開口部14aを設けた構成を図13に示
す。
に、4つの開口部14aを上層導電層14の中心SAが
4回回転軸となるように配置することによって、液晶表
示装置の視角特性をさらに改善することができる。ま
た、開口部14aの形状が円形の方が、多角形よりも、
それぞれの開口部14aのエッジ部に沿った液晶分子3
0aの配向の連続性が高いので、液晶分子30aの放射
状傾斜配向がより安定する。さらに、複数の開口部14
aを設ける構成において、開口部14aの形状を円形と
すると、隣接する開口部14aによって形成される放射
状傾斜配向の間の連続性が高く、絵素領域内に形成され
る複数の放射状傾斜配向が安定しやすいという利点が得
られる。
形の開口部14aがそれぞれの中心が長方形の角に位置
するように配置された構成においても、その長方形の対
角線上に位置する液晶分子30aが連続的な傾斜配向を
形成することができる。これに対し、図14中の4つの
開口部14aを正方形にすると、開口部14aの中心を
結んで形成される長方形の対角線は、開口部14aの正
方形の対角線と一致しないことから理解できるように、
4つの開口部14aによって囲まれる領域内の液晶分子
30aの配向は連続になり難い。一方、この4つの開口
部14aの形状を、4つの開口部14aの中心が形成す
る長方形と相似関係にある長方形とすれば、上記の問題
は解決するが、それぞれの開口部14a内に形成される
放射状傾斜配向の連続性が低下する。したがって、開口
部14aの形状や配置は、絵素領域の形状や大きさを考
慮して適宜設定することが好ましい。なお、図14は液
晶層に電圧を印加した状態を示しており、図14中の1
1C−11C’線に沿った断面図は図11(c)に相当
する。
成(すなわち、絵素電極または対向電極が開口部を有す
る2層構造電極)における開口部の配置の好ましい例を
更に詳細に説明する。
の他の液晶表示装置400Aの上層導電層14の他のパ
ターンを説明する。図15(b)は、図15(a)中の
15B−15B'線に沿った断面図であり、上層導電層
14の中実部に参照符号14bを付し、単位中実部に参
照符号14b’を付していること以外は、図11(a)
と実質的に同じである。
14は、複数の開口部14aと中実部14bとを有して
いる。開口部14aは、導電膜(例えばITO膜)から
形成される上層導電層14の内の導電膜が除去された部
分を指し、中実部14bは導電膜が存在する部分(開口
部14a以外の部分)を指す。開口部14aは1つの絵
素電極ごとに複数形成されてるが、中実部14bは、基
本的には連続した単一の導電膜から形成されている。
子を形成するように配置されており、1つの単位格子を
形成する4つの格子点上に中心が位置する4つの開口部
14aによって実質的に囲まれる中実部(「単位中実
部」と称する。)14b’は、略円形の形状を有してい
る。それぞれの開口部14aは、4つの4分の1円弧状
の辺(エッジ)を有し、且つ、その中心に4回回転軸を
有する略星形である。なお、絵素領域の全体に亘って配
向を安定させるために、上層導電層14の端部まで単位
格子を形成することが好ましい。従って、図示したよう
に、上層導電層14の端部は、開口部14aの約2分の
1(辺に対応する領域)および開口部14aの約4分の
1(角に対応する領域)に相当する形状にパターニング
されていることが好ましい。なお、図15(a)中に実
線で示した正方形(正方格子の集合)は、単一の導電層
から形成された従来の絵素電極に対応する領域(外形)
を示している。
は実質的に同じ形状で同じ大きさを有している。開口部
14aによって形成される単位格子内に位置する単位中
実部14b’は略円形であり、実質的に同じ形状で同じ
大きさを有している。互いに隣接する単位中実部14
b’は互いに接続されており、実質的に単一の導電膜と
して機能する中実部14bを構成している。
4と対向電極22との間に電圧を印加すると、開口部1
4aのエッジ部に生成される斜め電界によって、それぞ
れが放射状傾斜配向を有する複数の液晶ドメインが形成
される。液晶ドメインは、それぞれの開口部14aに対
応する領域と、単位格子内の単位中実部14b’に対応
する領域とに、それぞれ1つずつ形成される。
しているが、絵素電極の14の形状はこれに限られな
い。上層導電層14の一般的な形状は、矩形(正方形と
長方形を含む)に近似されるので、開口部14aを正方
格子状に規則正しく配列することができる。上層導電層
14が矩形以外の形状を有していても、絵素領域内の全
ての領域に液晶ドメインが形成されるように、規則正し
く(例えば例示したように正方格子状に)開口部14a
を配置すれば、本発明の効果を得ることができる。
る上層導電層14が有する開口部14aの形状(基板法
線方向から見た形状)およびその配置について説明す
る。
向状態(光学的異方性)に起因して、方位角依存性を示
す。表示特性の方位角依存性を低減するためには、液晶
分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向している
ことが好ましい。また、それぞれの絵素領域内の液晶分
子が全ての方位角に対して同等の確率で配向しているこ
とがさらに好ましい。従って、開口部14aは、それぞ
れの絵素領域内の液晶分子30aがすべての方位角に対
して同等の確率で配向するように、液晶ドメインを形成
するような形状を有していることが好ましい。具体的に
は、開口部14aの形状は、それぞれの中心(法線方
向)を対称軸とする回転対称性(好ましくは2回回転軸
以上の対称性)を有することが好ましく、また、複数の
開口部14aが回転対称性を有するように配置されてい
ることが好ましい。また、これらの開口部によって実質
的に包囲される単位中実部14b’の形状も回転対称性
を有することが好ましく、単位中実部14b’も回転対
称性を有するように配置されることが好ましい。
が絵素領域全体に亘って回転対称性を有するように配置
される必要は必ずしも無く、図15(a)に示したよう
に、例えば正方格子(4回回転軸を有する対称性)を最
小単位とし、それらの組合せによって絵素領域が構成さ
れれば、絵素領域全体に亘って液晶分子をすべての方位
角に対して実質的に同等の確率で配向させることができ
る。
る略星形の開口部14aおよび略円形の単位中実部14
b’が正方格子状に配列された場合の液晶分子30aの
配向状態を図16(a)〜図16(c)を参照しながら
説明する。
法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を模式的に
示している。図16(b)および(c)など、基板法線
方向から見た液晶分子30aの配向状態を示す図におい
て、楕円状に描かれた液晶分子30aの先が黒く示され
ている端は、その端が他端よりも、開口部14aを有す
る上層導電層14が設けらている基板側に近いように、
液晶分子30aが傾斜していることを示している。以下
の図面においても同様である。ここでは、図15(a)
に示した絵素領域の内の1つの単位格子(4つの開口部
14aによって形成される)について説明する。図16
(a)〜図16(c)中の対角線に沿った断面図は、図
11(a)〜図11(c)にそれぞれ対応し、これらの
図を合わせて参照しながら説明する。
位のとき、すなわち液晶層30に電圧が印加されていな
い状態においては、TFT基板400aおよび対向基板
100bの液晶層30側表面に設けられた垂直配向層
(不図示)によって配向方向が規制されている液晶分子
30aは、図16(a)に示したように、垂直配向状態
を取る。
(b)に示したように、開口部14aのエッジ部から液
晶分子30aが傾斜し始める。そして、開口部14aの
エッジ部の傾斜した液晶分子30aの配向と整合性をと
るように周囲の液晶分子30aも傾斜し、図16(c)
に示したような状態で液晶分子30aの軸方位は安定す
る(放射状傾斜配向)。
有する形状であると、絵素領域内の液晶分子30aは、
電圧印加時に、開口部14aのエッジ部から開口部14
aの中心に向かって液晶分子30aが傾斜するので、エ
ッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が釣り合う開
口部14aの中心付近の液晶分子30aは基板面に対し
て垂直に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子3
0aが開口部14aの中心付近の液晶分子30aを中心
に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得
られる。
形の開口部14aに包囲された略円形の単位中実部14
b’に対応する領域の液晶分子30aも、開口部14a
のエッジ部に生成される斜め電界で傾斜した液晶分子3
0aの配向と整合するように傾斜する。エッジ部からの
液晶分子30aの配向規制力が釣り合う単位中実部14
b’の中心付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直
に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子30aが
単位中実部14b’の中心付近の液晶分子30aを中心
に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得
られる。
分子30aが放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが正方
格子状に配列されると、それぞれの軸方位の液晶分子3
0aの存在確率が回転対称性を有することになり、あら
ゆる視角方向に対して、ざらつきのない高品位の表示を
実現することができる。放射状傾斜配向を有する液晶ド
メインの視角依存性を低減するためには、液晶ドメイン
が高い回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回
転軸以上がさらに好ましい。)を有することが好まし
い。また、絵素領域全体の視角依存性を低減するために
は、絵素領域に形成される複数の液晶ドメインが、高い
回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回転軸以
上がさらに好ましい。)を有する単位(例えば単位格
子)の組合せで表される配列(例えば正方格子)を構成
することが好ましい。
を有し、単位中実部14b’が略円形を有し、これらが
正方格子状に配列された例を示したが、開口部14aお
よび単位中実部14b’の形状ならびにこれらの配置
は、上記の例に限られない。
の開口部14aおよび単位中実部14b’を有する上層
導電層14Aおよび14Bの上面図をそれぞれ示す。
た上層導電層14Aおよび14Bの開口部14aおよび
単位中実部14b’は、図15(a)に示した絵素電極
の開口部14aおよび単位中実部14b’が若干ひずん
だ形を有している。上層導電層14Aおよび14Bの開
口部14aおよび単位中実部14b’は、2回回転軸を
有し(4回回転軸は有しない)、長方形の単位格子を形
成するように規則的に配列されている。開口部14a
は、いずれも歪んだ星形を有し、単位中実部14b’
は、いずれも略楕円形(歪んだ円形)を有している。上
層導電層14Aおよび14Bを用いても、表示品位が高
い、視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができ
る。
ぞれ示すような上層導電層14Cおよび14Dを用いる
こともできる。
実部14b’が略正方形となるように、略十字の開口部
14aが正方格子状に配置されている。勿論、これらを
歪ませて、長方形の単位格子を形成するように配置して
もよい。このように、略矩形(矩形は正方形と長方形を
含むとする。)の単位中実部14b’を規則正しく配列
しても、表示品位が高い、視角特性に優れた液晶表示装
置を得ることができる。
実部14b’の形状は、矩形よりも円形または楕円形の
方が放射状傾斜配向を安定化できるので好ましい。これ
は、開口部14aの辺が連続的に(滑らかに)変化する
ので、液晶分子30aの配向方向も連続的に(滑らか
に)変化するためと考えられる。
性の観点から、図19(a)および(b)に示す上層導
電層14Eおよび14Fも考えられる。図19(a)に
示した上層導電層14Eは、図15(a)に示した上層
導電層14の変形例で、4つの円弧だけからなる開口部
14aを有している。また、図19(b)に示した上層
導電層14Fは、図18(b)に示した上層導電層14
Dの変形例で、周囲の開口部14aによって規定される
単位中実部14b’が4分の1円弧の組合せから形成さ
れている。上層導電層14Eおよび14Fが有する開口
部14aならびに単位中実部14b’は、いずれも4回
回転軸を有しており、且つ、正方格子状(4回回転軸を
有する)に配列されているが、図17(a)および
(b)に示したように、開口部14aの単位中実部14
b’の形状を歪ませて2回回転軸を有する形状とし、長
方形の格子(2回回転軸を有する)を形成するように配
置してもよい。
14aを形成し、単位中実部14b’の形状を略円形、
略楕円形、略正方形(矩形)および角の取れた略矩形と
した構成を説明した。これに対して、開口部14aと単
位中実部14b’との関係をネガ−ポジ反転させてもよ
い。例えば、図15(a)に示した上層導電層14の開
口部14aと単位中実部14b’とをネガ−ポジ反転し
たパターンを有する上層導電層14Gを図20に示す。
このように、ネガ−ポジ反転したパターンを有する上層
導電層14Gも図15(a)に示した上層導電層14と
実質的に同様の機能を有する。なお、図21(a)およ
び(b)にそれぞれ示す上層導電層14Hおよび14I
のように、開口部14aおよび単位中実部14b’がと
もに略正方形の場合には、ネガ−ポジ反転しても、もと
のパターンと同じパターンとなるものもある。
(a)に示したパターンをネガ−ポジ反転させた場合に
も、上層導電層14のエッジ部に、回転対称性を有する
単位中実部14b'が形成されるように、開口部14a
の一部(約2分の1または約4分の1)を形成すること
が好ましい。このようなパターンとすることによって、
絵素領域のエッジ部においても、絵素領域の中央部と同
様に、斜め電界による効果が得られ、絵素領域の全体に
亘って安定した放射状傾斜配向を実現することができ
る。
上層導電層14の開口部14aと単位中実部14b’の
パターンをネガ−ポジ反転させたパターンを有する図2
0に示した上層導電層14Gを例に、ネガ−ポジパター
ンのいずれを採用すべきかを説明する。
も、開口部14aの辺の長さはどちらのパターンも同じ
である。従って、斜め電界を生成するという機能におい
ては、これらのパターンによる差はない。しかしなが
ら、単位中実部14b’の面積比率(上層導電層14の
全面積に対する比率)は、両者の間で異なり得る。すな
わち、液晶層の液晶分子に採用する電界を生成する中実
部14b(実際に導電膜が存在する部分)の面積が異な
り得る。
印加される電圧は、中実部14bに形成される液晶ドメ
インに印加される電圧はよりも低くくなるので、例え
ば、ノーマリブラックモードの表示を行うと、開口部1
4aに形成された液晶ドメインは暗くなる。すなわち、
開口部14aの面積比率が高くなると表示輝度が低下す
る傾向になる。従って、中実部14bの面積比率が高い
方が好ましい。なお、ここでは、簡単のために下層導電
層の作用を無視して説明するが、本発明による液晶表示
装置が有する2層構造電極は、上層導電層14の開口部
14aに対応する領域に下層導電層(例えば図1の下層
導電層12)を有している。従って、開口部14aに対
応する領域の液晶層30にも下層導電層からの電界が作
用するので、開口部14aの面積比率が高くなることに
伴って表示輝度が低下する程度は、図4(a)〜(c)
を参照しながら説明した従来の液晶表示装置300より
少ない。
ンとのいずれにおいて中実部14bの面積比率が高くな
るかは、単位格子のピッチ(大きさ)に依存する。
ターンの単位格子を示し、図22(b)は、図20に示
したパターンの単位格子(但し、開口部14aを中心と
する。)を示している。なお、図22(b)において
は、図20における単位中実部14b’を相互に接続す
る役割を果たしている部分(円形部から四方に延びる枝
部)を省略している。正方単位格子の一辺の長さ(ピッ
チ)をpとし、開口部14aまたは単位中実部14b’
と単位格子との間隙の長さ(片側のスペース)をsとす
る。
る種々の上層導電層14を形成し、放射状傾斜配向の安
定性などを検討した。その結果、まず、図22(a)に
示したパターン(以下、「ポジ型パターン」と称す
る。)を有する上層導電層14を用いて、放射状傾斜配
向を得るために必要な斜め電界を生成するためには、片
側スペースsが約2.75μm以上必要であることを見
出した。一方、図22(b)に示したパターン(以下、
「ネガ型パターン」と称する。)を有する上層導電層1
4について、放射状傾斜配向を得るための斜め電界を生
成するために、片側スペースsが約2.25μm以上必
要であることを見出した。片側スペースsをそれぞれこ
の下限値として、ピッチpの値を変化させたときの中実
部14bの面積比率を検討した。結果を表1および図2
2(c)に示す。 〔表1〕 ピッチp(μm) 中実部面積比率(%) ポジ型(a) ネガ型(b) 20 41.3 52.9 25 47.8 47.2 30 52.4 43.3 35 55.8 40.4 40 58.4 38.2 45 60.5 36.4 50 62.2 35.0 表1および図22(c)から分かるように、ピッチpが
約25μm以上のときにはポジ型(図22(a))パタ
ーンの方が中実部14bの面積比率が高くなり、約25
μmよりも短くなるとネガ型(図22(b))の方が中
実部14bの面積比率が大きくなる。従って、表示輝度
および配向の安定性の観点から、ピッチpが約25μm
を境にして、採用すべきパターンが変わる。例えば、幅
75μmの上層導電層14の幅方向に、3個以下の単位
格子を設ける場合には、図22(a)に示したポジ型パ
ターンが好ましく、4個以上の単位格子を設ける場合に
は、図22(b)に示したネガ型パターンが好ましい。
例示したパターン以外の場合においても、中実部14b
の面積比率が大きくなるように、ポジ型またはネガ型の
何れかを選択すればよい。
れる。上層導電層14の幅(横または縦)に対して、1
つまたは2以上の整数個の単位格子が配置されるよう
に、単位格子のサイズを計算し、それぞれの単位格子サ
イズについて中実部面積比率を計算し、中実部面積比率
が最大となる単位格子サイズを選ぶ。但し、ポジ型パタ
ーンの場合には単位中実部14b’の直径が15μm未
満、ネガ型パターンの場合には開口部14aの直径が1
5μm未満になると、斜め電界による配向規制力が低下
し、安定した放射状傾斜配向が得られ難くなる。なお、
これら直径の下限値は、液晶層30の厚さが約3μmの
場合であり、液晶層30の厚さがこれよりも薄いと、単
位中実部14b’および開口部14aの直径は、上記の
下限値よりもさらに小さくとも安定な放射状傾斜配向が
得られ、液晶層30の厚さがこれよりも厚い場合に安定
な放射状傾斜配向を得るために必要な、単位中実部14
b’および開口部14aの直径の下限値は、上記の下限
値よりも大きくなる。また、本発明の液晶表示装置にお
いては、下層導電層による電界が作用するので、開口部
14aの直径を上述の結果より若干大きくしても、表示
品位の低下が抑制される。
成は、絵素電極15が開口部を有する2層構造電極であ
ること以外は、公知の垂直配向型液晶表示装置と同じ構
成を採用することができ、公知の製造方法で製造するこ
とができる。ここでは、2層構造の絵素電極の形成方法
を説明し、他は省略する。ここで再び、例えば図1
(a)を参照する。
にはITO層)の堆積工程までは、公知の製造方法で実
施できる。この導電層は、従来の液晶表示装置のプロセ
スにおいては、所定の形状にパターニングされ、絵素電
極とされる。従来の液晶表示装置の製造プロセスにおけ
る絵素電極のパターニング工程において、本実施形態の
液晶表示装置の下層導電層12をパターニングすること
ができる。下層導電層のパターンは、絵素電極と同じで
も良いし、上層導電層14に形成される開口部14aに
対応するように分割したパターンとしてもよい。下層導
電層12は、従来の絵素電極と同様にTFTのドレイン
電極等(ドレインと実質的に同電位の電極)に電気的に
接続される。
00aの表面のほぼ全面に亘って誘電体層13を形成す
る。誘電体層13は例えば、透明な感光性樹脂を用いて
形成することができる。誘電体層13上に再び導電層を
堆積する。得られた導電層をパターニングすることによ
って、開口部14aを有する上層導電層14を形成す
る。
電極に接続するためのコンタクトホールを誘電体層13
に予め形成しておく。この工程も公知のプロセスで実行
することができる。上層導電層14と下層導電層12と
を同電位で駆動させる構成を採用すると、例示したよう
に、上層導電層14と下層導電層12とを同じTFTに
接続すればよい。また、この構成を採用すると、従来の
駆動回路をそのまま用いることができるという利点もあ
る。
る液晶分子を垂直配向させるために、絵素電極15およ
び対向電極22の液晶層30側表面には垂直配向層(不
図示)が形成されている。垂直配向層は、開口部14a
を有する上層導電層14が形成された後に、基板100
aの表示領域に印刷によって形成される。
るネマチック液晶材料が用いられる。また、負の誘電異
方性を有するネマチック液晶材料に2色性色素を添加す
ることによって、ゲスト−ホストモードの液晶表示装置
を得ることもできる。ゲスト−ホストモードの液晶表示
装置は、偏光板を必要としない。
を参照しながら、本発明による実施形態2の液晶表示装
置400Bの1つの絵素領域の構造を説明する。また、
以下の図面においては、図11に示した液晶表示装置4
00の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素を
同じ参照符号で示し、その説明を省略する。図23
(a)は基板法線方向から見た上面図であり、図23
(b)は図23(a)中の23B−23B’線に沿った
断面図に相当する。図23(b)は、液晶層に電圧を印
加していない状態を模式的に示している。
に、液晶表示装置400Bは、TFT基板400bが、
上層導電層14の開口部14aの内側に凸部40を有す
る点において、図15(a)および(b)に示した実施
形態1の液晶表示装置400Aと異なっている。凸部4
0の表面には、垂直配向膜(不図示)が設けられてい
る。以下、開口部14aの内側に凸部40を有するTF
T基板を凸部40の構造に関係なく参照符号400bで
示すことにする。
装置400の上層導電層14の開口部14aに凸部40
を設けた液晶表示装置400Bを例示するが、実施形態
1の他の液晶表示装置に適用できる。
は、図23(a)に示したように、開口部14aの形状
と同じであり、ここでは略星形である。但し、隣接する
凸部40は互いに繋がっており、単位中実部14b’を
略円形に完全に包囲するように形成されている。この凸
部40の基板11に垂直な面内方向の断面形状は、図2
3(b)に示したように台形である。すなわち、基板面
に平行な頂面40tと基板面に対してテーパ角θ(<9
0°)で傾斜した側面40sとを有している。凸部40
を覆うように垂直配向膜(不図示)が形成されているの
で、凸部40の側面40sは、液晶層30の液晶分子3
0aに対して、斜め電界による配向規制方向と同じ方向
の配向規制力を有することになり、放射状傾斜配向を安
定化させるように作用する。
(d)、および図25(a)および(b)を参照しなが
ら説明する。
ら、液晶分子30aの配向と垂直配向性を有する表面の
形状との関係を説明する。
上の液晶分子30aは、垂直配向性を有する表面(典型
的には、垂直配向膜の表面)の配向規制力によって、表
面に対して垂直に配向する。このように垂直配向状態に
ある液晶分子30aに液晶分子30aの軸方位に対して
垂直な等電位線EQで表される電界が印加されると、液
晶分子30aには時計回りまたは反時計回り方向に傾斜
させるトルクが等しい確率で作用する。従って、互いに
対向する平行平板型配置の電極間にある液晶層30内に
は、時計回り方向のトルクを受ける液晶分子30aと、
反時計回りに方向のトルクを受ける液晶分子30aとが
混在する。その結果、液晶層30に印加された電圧に応
じた配向状態への変化がスムーズに起こらないことがあ
る。
面に対して垂直に配向している液晶分子30aに対し
て、水平な等電位線EQで表される電界が印加される
と、液晶分子30aは、等電位線EQと平行になるため
の傾斜量が少ない方向(図示の例では時計回り)に傾斜
する。また、水平な表面に対して垂直に配向している液
晶分子30aは、図24(c)に示したように、傾斜し
た表面に対して垂直に配向している液晶分子30aと配
向が連続となるように(整合するように)、傾斜した表
面上に位置する液晶分子30aと同じ方向(時計回り)
に傾斜する。
の連続した凹凸状の表面に対しては、それぞれの傾斜し
た表面上の液晶分子30aによって規制される配向方向
と整合するように、頂面および底面上の液晶分子30a
が配向する。
表面の形状(凸部)による配向規制力の方向と、斜め電
界による配向規制方向とを一致させることによって、放
射状傾斜配向を安定化させる。
23(b)に示した液晶層30に電圧を印加した状態を
示しており、図25(a)は、液晶層30に印加された
電圧に応じて、液晶分子30aの配向が変化し始めた状
態(ON初期状態)を模式的に示しており、図25
(b)は、印加された電圧に応じて変化した液晶分子3
0aの配向が定常状態に達した状態を模式的に示してい
る。図25(a)および(b)中の曲線EQは等電位線
EQを示す。
向電極22とが同電位のとき(液晶層30に電圧が印加
されていない状態)には、図23(b)に示したよう
に、絵素領域内の液晶分子30aは、両基板11および
21の表面に対して垂直に配向している。このとき、凸
部40の側面40sの垂直配向膜(不図示)に接する液
晶分子30aは、側面40sに対して垂直に配向し、側
面40sの近傍の液晶分子30aは、周辺の液晶分子3
0aとの相互作用(弾性連続体としての性質)によっ
て、図示したように、傾斜した配向をとる。
(a)に示した等電位線EQで表される電位勾配が形成
される。この等電位線EQは、上層導電層14の中実部
14bと対向電極22との間に位置する液晶層30内で
は、中実部14bおよび対向電極22の表面に対して平
行であり、上層導電層14の開口部14aに対応する領
域で落ち込み、開口部14aのエッジ部(開口部14a
の境界(外延)を含む開口部14aの内側周辺)EG上
の液晶層30内には、傾斜した等電位線EQで表される
斜め電界が形成される。また、上層導電層14の開口部
14aに対応する領域内で、上層導電層14の電位の影
響を受けない領域の液晶層30には、下層導電層12お
よび対向電極22の表面に平行な等電位線EQで表され
る電界が生成される。
エッジ部EG上の液晶分子30aは、図25(a)中に
矢印で示したように、図中の右側エッジ部EGでは時計
回り方向に、図中の左側エッジ部EGでは反時計回り方
向に、それぞれ傾斜(回転)し、等電位線EQに平行に
配向する。この斜め電界による配向規制方向は、それぞ
れのエッジ部EGに位置する側面40sによる配向規制
方向と同じである。
に位置する液晶分子30aから始まる配向の変化が進
み、定常状態に達すると、図25(b)に模式的に示し
た配向状態となる。開口部14aの中央付近、すなわ
ち、凸部40の頂面40tの中央付近に位置する液晶分
子30aは、開口部14aの互いに対向する両側のエッ
ジ部EGの液晶分子30aの配向の影響をほぼ同等に受
けるので、等電位線EQに対して垂直な配向状態を保
ち、開口部14a(凸部40の頂面40t)の中央から
離れた領域の液晶分子30aは、それぞれ近い方のエッ
ジ部EGの液晶分子30aの配向の影響を受けて傾斜
し、開口部14a(凸部40の頂面40t)の中心SA
に関して対称な傾斜配向を形成する。また、開口部14
aおよび凸部40によって実質的に包囲された単位中実
部14b’に対応する領域においても、単位中実部14
b’の中心SAに関して対称な傾斜配向を形成する。
00Bにおいても、実施形態1の液晶表示装置400A
と同様に、放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが開口
部14aおよび単位中実部14b’に対応して形成され
る(図16(c)参照)。凸部40は単位中実部14
b’を略円形に完全に包囲するように形成されているの
で、液晶ドメインは凸部40で包囲された略円形の領域
に対応して形成される。さらに、開口部14aの内側に
設けられた凸部40の側面は、開口部14aのエッジ部
EG付近の液晶分子30aを、斜め電界による配向方向
と同じ方向に傾斜させるように作用するので、放射状傾
斜配向を安定化させる。
ら、電圧印加時にしか作用せず、その強さは電界の強さ
(印加電圧の大きさ)に依存する。したがって、電界強
度が弱い(すなわち、印加電圧が低い)と、斜め電界に
よる配向規制力は弱く、液晶パネルに外力が加わると、
液晶材料の流動によって放射状傾斜配向が崩れることが
ある。一旦、放射状傾斜配向が崩れると、十分に強い配
向規制力を発揮する斜め電界を生成するだけの電圧が印
加されないと、放射状傾斜配向は復元されない。これに
対し、凸部40の側面40sによる配向規制力は、印加
電圧に関係なく作用し、配向膜のアンカリング効果とし
て知られているように、非常に強い。従って、液晶材料
の流動が生じて、一旦放射状傾斜配向が崩れても、凸部
40の側面40sの近傍の液晶分子30aは放射状傾斜
配向のときと同じ配向方向を維持している。従って、液
晶材料の流動が止まりさえすれば、放射状傾斜配向が容
易に復元される。
0Bは、実施形態1の液晶表示装置400Aが有する特
徴に加え、外力に対して強いという特徴を有している。
従って、液晶表示装置400Bは、外力が印加されやす
い、携帯して使用される機会の多いPCやPDAに好適
に用いられる。
いて形成すると、開口部14aに対応して形成される液
晶ドメインの表示への寄与率が向上しするという利点が
得られる。一方、凸部40を不透明な誘電体を用いて形
成すると、凸部40の側面340sによって傾斜配向し
ている液晶分子30aのリタデーションに起因する光漏
れを防止できるという利点が得られる。いずれを採用す
るかは、液晶表示装置の用途などの応じて決めればよ
い。いずれの場合にも、感光性樹脂を用いると、開口部
14aに対応してパターニングする工程を簡略化できる
利点がある。十分な配向規制力を得るためには、凸部4
0の高さは、液晶層30の厚さが約3μmの場合、約
0.5μm〜約2μmの範囲にあることが好ましい。一
般に、凸部40の高さは、液晶層30の厚さの約1/6
〜約2/3の範囲内にあることが好ましい。
は、上層導電層14の開口部14aの内側に凸部40を
有し、凸部40の側面40sは、液晶層30の液晶分子
30aに対して、斜め電界による配向規制方向と同じ方
向の配向規制力を有する。側面40sが斜め電界による
配向規制方向と同じ方向の配向規制力を有するための好
ましい条件を図26(a)〜(c)を参照しながら説明
する。
示装置400C、400Dおよび400Eの断面図を模
式的に示し、図25(a)に相当する。液晶表示装置4
00C、400Dおよび400Eは、いずれも開口部1
4aの少なくとも内側に凸部を有するが、1つの構造体
としての凸部40全体と開口部14aとの配置関係が液
晶表示装置400Bと異なっている。
は、図25(a)に示したように、構造体としての凸部
40の全体が開口部14aの内側に形成されており、且
つ、凸部40の底面は開口部14aよりも小さい。図2
6(a)に示した液晶表示装置400Cにおいては、凸
部40Aの底面は開口部14aと一致しており、図26
(b)に示した液晶表示装置400Dにおいては、凸部
40Bは開口部14aよりも大きい底面を有し、開口部
14aの周辺の中実部(導電膜)14bを覆うように形
成されている。これらの凸部40、40Aおよび40B
のいずれの側面40s上にも中実部14bが形成されて
いない。その結果、それぞれの図に示したように、等電
位線EQは、中実部14b上ではほぼ平坦で、そのまま
開口部14aで落ち込む。従って、液晶表示装置400
Cおよび400Dの凸部40Aおよび40Bの側面40
sは、上述した液晶表示装置400Bの凸部40と同様
に、斜め電界による配向規制力と同じ方向の配向規制力
を発揮し、放射状傾斜配向を安定化する。
示装置400Eの凸部40Cの底面は開口部14aより
も大きく、開口部14aの周辺の中実部14bは凸部4
0Cの側面40s上に形成されている。この側面40s
上に形成された中実部14bの影響で、等電位線EQに
山が形成される。等電位線EQの山は、開口部14aで
落ち込む等電位線EQと反対の傾きを有しており、これ
は、液晶分子30aを放射状傾斜配向させる斜め電界と
は逆向きの斜め電界を生成していることを示している。
従って、側面40sが斜め電界による配向規制方向と同
じ方向の配向規制力を有するためには、側面40s上に
中実部(導電膜)14bが形成されていないことが好ま
しい。
(a)に示した凸部40の27A−27A’線に沿った
断面構造を説明する。
部40は、単位中実部14b’を略円形に完全に包囲す
るように形成されているので、隣接する単位中実部14
b’を相互に接続する役割を果たしている部分(円形部
から四方に延びる枝部)は、図27に示したように、凸
部40上に形成される。従って、上層導電層14の中実
部14bを形成する導電膜を堆積する工程において、凸
部40上で断線が生じたり、あるいは、製造プロセスの
後工程で剥離が生じる危険性が高い。
液晶表示装置400Fのように、開口部14a内に、そ
れぞれ独立した凸部40Dが完全に含まれるように形成
すると、中実部14bを形成する導電膜は、基板11の
平坦な表面に形成されるので断線や剥離が起こる危険性
が無くなる。なお、凸部40Dは、単位中実部14b’
を略円形に完全に包囲するようには形成されていない
が、単位中実部14b’に対応した略円形の液晶ドメイ
ンが形成され、先の例と同様に、その放射状傾斜配向は
安定化される。
によって、放射状傾斜配向を安定化させる効果は、例示
したパターンの開口部14aに限られず、実施形態1で
説明した全てのパターンの開口部14aに対して同様に
適用でき、同様の効果を得ることができる。なお、凸部
40による外力に対する配向安定化効果を十分に発揮さ
せるためには、凸部40のパターン(基板法線方向から
見たときにパターン)は、できるだけ広い領域の液晶層
30を包囲する形状であることが好ましい。従って、例
えば、円形の開口部14aを有するネガ型パターンより
も、円形の単位中実部14b’を有するポジ型パターン
の方が、凸部40による配向安定化効果が大きい。
示装置では、液晶層30を介して互いに対向し、絵素領
域を規定する絵素電極15と対向電極22との内の一方
の電極(絵素電極15の場合を例示した)を2層構造電
極とし、上層導電層14に開口部14aを設けることに
よって、電圧印加時に斜め電界を生成させ、この斜め電
界を用いて液晶分子を放射状傾斜配向させた。実施形態
2の液晶表示装置は、上層導電層14の開口部14a内
に凸部を設けることによって、放射状傾斜配向を安定化
させた。
れた基板(上記の例ではTFT基板)とは異なる基板
(上記の例では対向基板)にさらなる配向規制構造を備
える液晶表示装置を説明する。以下の説明では、上述し
た斜め電界によって放射状傾斜配向を実現する電極構造
を第1配向規制構造と呼び、液晶層に対して第1配向規
制構造とは異なる側に設けられたさらなる配向規制構造
を第2配向規制構造と呼ぶことにする。
作用を説明する。これまでの説明に沿って、第1配向規
制構造がTFT基板に設けられ、第2配向規制構造が対
向基板に設けられている場合について説明する。
造28を有する対向基板200bを模式的に示す。上述
の液晶表示装置と実質的に同じ構成要素には共通の参照
符号を付して、その説明をここでは省略する。
制構造28は、液晶層30の液晶分子30aを放射状傾
斜配向させるように作用する。但し、図29(a)〜
(d)に示した配向規制構造28と図29(e)に示し
た配向規制構造28とでは、液晶分子30aを傾斜させ
る方向が異なっている。
制構造28による液晶分子の傾斜方向は、第1配向規制
構造によって上層導電層14の単位中実部14b’(例
えば図11(c)参照)に対応する領域に形成される液
晶ドメインの放射状傾斜配向の配向方向と整合する。こ
れに対し、図29(e)に示した第2配向規制構造28
による液晶分子の傾斜方向は、第1配向規制構造によっ
て上層導電層14の開口部14a(例えば図11(c)
参照)に対応する領域に形成される液晶ドメインの放射
状傾斜配向の配向方向と整合する。
8は、上層導電層14(例えば図15(a)の単位中実
部14b’)に対向する位置に設けられた、対向電極2
2の開口部22aによって構成されている。なお、対向
基板200bの液晶層30側の表面には垂直配向膜(不
図示)が設けられている。
配向規制構造と同様に、電圧印加時にのみ配向規制力を
発現する。第2配向規制構造28は、第1配向規制構造
によって形成される放射状傾斜配向をとる液晶ドメイン
内の液晶分子に対して配向規制力を作用すればよいの
で、開口部22aの大きさは、上層導電層14に設けら
れる開口部14aよりも小さく、また、開口部14aに
よって包囲される単位中実部14b’(例えば図15
(a)参照)よりも小さい。例えば、開口部14aや単
位中実部14b’の面積の半分以下で十分な効果を得る
ことができる。対向電極22の開口部22aを上層導電
層14の単位中実部14b’の中央部に対向する位置に
設けることによって、液晶分子の配向の連続性が高くな
り、且つ、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定するこ
とができる。
圧印加時にのみ配向規制力を発現する構造を採用する
と、電圧無印加状態において液晶層30のほとんど全て
の液晶分子30aが垂直配向状態をとるので、ノーマリ
ブラックモードを採用した場合に、黒表示状態のおいて
光漏れがほとんど発生せず、良好なコントラスト比の表
示を実現できる。
しないので放射状傾斜配向が形成されず、また、印加電
圧が低いときには配向規制力が小さいので、あまり大き
な応力が液晶パネルに印加されると、残像が視認される
ことがある。
制構造28は、電圧の印加無印加に関わらず、配向規制
力を発現するので、全ての表示階調において安定した放
射状傾斜配向が得られ、応力に対する耐性にも優れてい
る。
構造28は、対向電極22上に液晶層30側に突き出た
凸部22bを有する。凸部22bを形成する材料に特に
制限はないが、樹脂などの誘電体材料を用いて容易に形
成することができる。なお、対向基板200bの液晶層
30側の表面には垂直配向膜(不図示)が設けられてい
る。凸部22bは、その表面(垂直配向性を有する)の
形状効果によって、液晶分子30aを放射状に傾斜配向
させる。また、熱によって変形する樹脂材料を用いる
と、パターニングの後の熱処理によって、図29(b)
に示したような、なだらかな丘上の断面形状を有する凸
部22bを容易に形成できるので好ましい。図示したよ
うに、頂点を有するなだらかな断面形状(例えば球の一
部)を有する凸部22bや円錐状の形状を有する凸部
は、放射状傾斜配向の中心位置を固定する効果に優れて
いる。
8は、対向電極22の下(基板21側)に形成された誘
電体層23に設けられた開口部(凹部でもよい)23a
内の液晶層30側の水平配向性表面によって構成されて
いる。ここでは、対向基板200bの液晶層30側に形
成される垂直配向膜24を、開口部23a内にだけ形成
しないことで、開口部23a内の表面を水平配向性表面
としている。これに代えて、図29(d)に示したよう
に、開口部23a内にだけ、水平配向膜25を形成して
もよい。
ば、一旦対向基板200bの全面に垂直配向膜24を形
成し、開口部23a内に存在する垂直配向膜24に選択
的に紫外線を照射するなどして、垂直配向性を低下させ
ることよって形成してもよい。第2配向規制構造28を
構成するために必要な水平配向性は、TN型液晶表示装
置に用いられている配向膜のようにプレチルト角が小さ
い必要はなく、例えば、プレチルト角が45°以下であ
ればよい。
に、開口部23a内の水平配向性表面上では、液晶分子
30aが基板面に対して水平に配向しようとするので、
周囲の垂直配向膜24上の垂直配向している液晶分子3
0aの配向と連続性を保つような配向が形成され、図示
したような放射状傾斜配向が得られる。
の開口部によって形成される)を設けずに、対向電極2
2の平坦な表面上に、水平配向性表面(電極の表面また
は水平配向膜など)を選択的に設けるだけでも放射状傾
斜配向が得られるが、凹部の形状効果によって、放射状
傾斜配向をさらに安定化することができる。
凹部を形成するために、例えば、誘電体層23として、
カラーフィルタ層やカラーフィルタ層のオーバーコート
層を用いると、プロセスが増加することが無いので好ま
しい。また、図29(c)および(d)に示した構造
は、図29(a)に示した構造のように、凸部22bを
介して液晶層30に電圧が印加される領域が存在しない
ので、光の利用効率の低下が少ない。
8は、図29(d)に示した第2配向規制構造28と同
様に、誘電体層23の開口部23aを用いて、対向基板
200bの液晶層30側に凹部を形成し、その凹部の底
部にのみ、水平配向膜26を形成している。水平配向膜
26を形成する代わりに、図29(c)に示したよう
に、対向電極22の表面を露出させてもよい。
向規制構造を備える液晶表示装置400Gを図30
(a)および(b)に示す。図30(a)は上面図であ
り、図30(b)は、図30(a)中の22B−22
B’線に沿った断面図に相当する。
造を構成する開口部14aを有する上層導電層14を有
するTFT基板400aと、第2配向規制構造28を有
する対向基板200bとを有している。なお、第1配向
規制構造は、ここで例示する構成に限られず、前述した
種々の構成を適宜用いることができる。また、第2配向
規制構造28として、電圧無印加時にも配向規制力を発
現するもの(図29(b)〜(d)および図29
(e))を例示するが、図29(b)〜(d)に示した
第1配向規制構造に代えて、図29(a)に示したもの
を用いることもできる。
に設けられている第2配向規制構造28のうち、上層導
電層14の中実部14bに対向する領域の中央付近に設
けられている第2配向規制構造28は、図29(b)〜
(d)に示したもののいずれかであり、上層導電層14
の開口部14aに対向する領域の中央付近に設けられて
いる第2配向規制構造28は、図29(e)に示したも
のである。
30に電圧を印加した状態、すなわち、上層導電層14
と対向電極22との間に電圧を印加した状態において、
第1配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の
方向と、第2配向規制構造28によって形成される放射
状傾斜配向の方向が整合し、放射状傾斜配向が安定化す
る。この様子を図30(a)〜(c)に模式的に示して
いる。図30(a)は電圧無印加時を示し、図30
(b)は電圧印加後に配向が変化し始めた状態(ON初
期状態)を示し、図30(c)は電圧印加中の定常状態
を模式的に示している。
(d))による配向規制力は、図31(a)に示したよ
うに、電圧無印加状態においても、近傍の液晶分子30
aに作用し、放射状傾斜配向を形成する。
したような等電位線EQで示される電界が発生し(第1
配向規制構造による)、開口部14aおよび中実部14
bに対応する領域に液晶分子30aが放射状傾斜配向し
た液晶ドメインが形成され、図31(c)に示したよう
な定常状態に達する。このとき、それぞれの液晶ドメイ
ン内の液晶分子30aの傾斜方向は、対応する領域に設
けられた第2配向規制構造28の配向規制力による液晶
分子30aの傾斜方向と一致する。
力が印加されると、液晶層30の放射状傾斜配向は一旦
崩れるが、応力が取り除かれると、第1配向規制構造お
よび第2配向規制構造による配向規制力が液晶分子30
aに作用しているので、放射状傾斜配向状態に復帰す
る。従って、応力による残像の発生が抑制される。第2
配向規制構造28による配向規制力が強すぎると、電圧
無印加時にも放射状傾斜配向によるリタデーションが発
生し、表示のコントラスト比を低下するおそれがある
が、第2配向規制構造28による配向規制力は、第1配
向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の安定化
および中心軸位置を固定する効果を有せばいいので、強
い配向規制力は必要なく、表示品位を低下させるほどの
リタデーションを発生させない程度の配向規制力で十分
である。
を採用する場合、直径が約30μm〜約35μmの単位
中実部14b’に対して、それぞれ直径が約15μmで
高さ(厚さ)が約1μmの凸部22bを形成すれば、十
分な配向規制力が得られ、且つ、リタデーションによる
コントラスト比の低下も実用上問題の無いレベルに抑え
られる。
制構造および第2配向規制構造を備える他の液晶表示装
置400Hを示す。図32(a)は上面図、図32
(b)は図32(a)の32B−32B’線に沿った断
面図である。
0aの上層導電層14の開口部14aに対向する領域に
は第2配向規制構造を有していない。開口部14aに対
向する領域に形成されるべき図29(e)に示した第2
配向規制構造28を形成することはプロセス上の困難さ
を伴うので、生産性の観点からは、図29(a)〜
(d)に示した第2配向規制構造28のいずれかだけを
用いることが好ましい。特に、図29(b)に示した第
2配向規制構造28は簡便なプロセスで製造できるので
好ましい。
4aに対応する領域に第2配向規制構造を設けなくと
も、図33(a)〜(c)に模式的に示したように、液
晶表示装置400Gと同様の放射状傾斜配向が得られ、
その耐応力性も実用上問題が無い。 (実施形態4)本実施形態の液晶表示装置は、絵素電極
の上層導電層と下層導電層との間に設けられた誘電体層
が、上層導電層の開口部内に穴(孔)または凹部を有す
る。すなわち、本実施形態の液晶表示装置の2層構造の
絵素電極は、上層導電層の開口部内に位置する誘電体層
の全部が除去された(穴が形成された)構造または一部
が除去された(凹部が形成された)構造を有する。
穴が形成された絵素電極を備える液晶表示装置500の
構造と動作を説明する。
層導電層14が開口部14aを有するとともに、下層導
電層12と上層導電層14との間に設けられている誘電
体層13が、上層導電層14が有する開口部14aに対
応して形成された開口部13aを有しており、開口部1
3a内に下層導電層12が露出されている。誘電体層1
3の開口部13aの側壁は、一般にテーパ状(テーパ
角:θ)に形成されている。液晶表示装置500は、誘
電体層13が開口部13aを有していることを除いて、
実施形態1の液晶表示装置100と実質的に同じ構造を
有しており、2層構造の絵素電極15は、実質的に液晶
表示装置100の絵素電極15と同じように作用し、電
圧印加時に液晶層30を放射状傾斜配向状態とする。
〜(c)を参照しながら説明する。図34(a)〜
(c)は、実施形態1の液晶表示装置100についての
図1(a)〜(c)にそれぞれ対応する。
時(OFF状態)には、絵素領域内の液晶分子30a
は、両基板11および21の表面に対して垂直に配向し
ている。ここでは、簡単さのために、開口部13aの側
壁による配向規制力は無視して説明する。
(b)に示した等電位線EQで表される電位勾配が形成
される。等電位線EQが上層導電層14の開口部14a
に対応する領域で落ち込んでいる(「谷」が形成されて
いる。)ことから分かるように、液晶表示装置500の
液晶層30にも図1(b)に示した電位勾配と同様に、
傾斜電界が形成されている。しかしながら、絵素電極1
5の誘電体層13が、上層導電層14の開口部14aに
対応する領域に開口部13aを有するので、開口部14
a内(開口部13a内)に対応する領域の液晶層30に
印加される電圧は、下層導電層12と対向電極22との
電位差そのものであり、誘電体層13による電圧降下
(容量分割)が発生しない。すなわち、上層導電層14
と対向電極22との間に図示した7本の等電位線は、液
晶層30全体に亘って7本であり(図1(b)では、5
本の等電位線EQのうちの1本が誘電体層13中に侵入
しているのに対し)、絵素領域全体に亘って一定の電圧
が印加される。
を形成することによって、開口部13aに対応する液晶
層30にも、その他の領域に対応する液晶層30と同じ
電圧を印加することできる。しかしながら、電圧が印加
される液晶層30の厚さが絵素領域内の場所によって異
なるので、電圧印加時のリタデーションの変化が場所に
よって異なり、その程度が著しく大きいと、表示品位が
低下するという問題が発生する。
層(開口部14a以外)14上の液晶層30の厚さd1
と、開口部14a(および開口部13a)内に位置する
下層導電層12上の液晶層30の厚さd2とは、誘電体
層13の厚さ分だけ異なる。厚さd1の液晶層30と厚
さd2の液晶層30とを同じ電圧範囲で駆動すると、液
晶層30の配向変化に伴うリタデーションの変化量は、
それぞれの液晶層30の厚さの影響を受けて互いに異な
る。印加電圧と液晶層30のリタデーション量との関係
が場所によって著しく異なると、表示品位を重視した設
計においては透過率が犠牲になり、透過率を重視すると
白表示の色温度がシフトし表示品位が犠牲になるという
問題が発生する。したがって、液晶表示装置500を透
過型液晶表示装置として用いる場合には、誘電体層13
の厚さは薄い方が良い。
液晶表示装置600の1つの絵素領域の断面構造を図3
5に示す。
する誘電体層13は、上層導電層14の開口部14aに
対応する凹部13bを有している。その他の構造は、図
34に示した液晶表示装置500と実質的に同じ構造を
有している。
15が有する上層導電層14の開口部14a内に位置す
る誘電体層13は完全に除去されていないので、開口部
14a内に位置する液晶層30の厚さd3は、液晶表示
装置500における開口部14a内に位置する液晶層3
0の厚さd2よりも、凹部13b内の誘電体層13の厚
さ分だけ薄い。また、開口部14a内に位置する液晶層
30に印加される電圧は、凹部13b内の誘電体層13
による電圧降下(容量分割)を受けるので、上層導電層
(開口部14aを除く領域)14上の液晶層30に印加
される電圧よりも低くなる。したがって、凹部13b内
の誘電体層13の厚さを調整することによって、液晶層
30の厚さの違いに起因するリタデーション量の違い
と、液晶層30に印加される電圧の場所による違い(開
口部14a内の液晶層に印加される電圧の低下量)との
関係を制御し、印加電圧とリタデーションとの関係が絵
素領域内の場所に依存しないようにすることができる。
より厳密には、液晶層の複屈折率、液晶層の厚さ、誘電
体層の誘電率および誘電体層の厚さ、誘電体層の凹部の
厚さ(凹部の深さ)を調整することによって、印加電圧
とリタデーションとの関係を絵素領域内の場所で均一に
することができ、高品位な表示が可能となる。特に、表
面が平坦な誘電体層を有する透過型表示装置と比較し、
上層導電層14の開口部14aに対応する領域の液晶層
30に印加される電圧の低下による透過率の減少(光の
利用効率の低下)が抑制される利点がある。
層導電層14と下層導電層12とに同じ電圧を供給した
場合について説明したが、下層導電層12と上層導電層
14とに異なる電圧を印加する構成とすれば、表示むら
の無い表示が可能な液晶表示装置の構成のバリエーショ
ンを増やすことができる。例えば、上層導電層14の開
口部14a内に誘電体層13を有する構成においては、
上層導電層14に印加する電圧よりも、誘電体層13に
よる電圧降下分だけ高い電圧を下層導電層12に印加す
ることによって、液晶層30に印加される電圧が絵素領
域内の場所によって異なることを防止することができ
る。
600においても、実施形態1の液晶表示装置100と
同様に、開口部14aを有する上層導電層14を備える
2層電極構造の絵素電極15によって生じる斜め電界の
作用で、開口部14aのエッジ部の液晶分子30aから
傾斜配向し、絵素領域内の液晶層30が開口部14aを
中心に放射状傾斜配向状態となる。放射状傾斜配向が形
成される現象の説明は、ここでは省略する。
表示装置の絵素電極の構造をさらに詳しく説明する。図
36(a)および(b)は、絵素電極の近傍を拡大した
模式的な断面図である。図36(a)は、誘電体層13
の開口部13aの側壁に上層導電層14が形成されてい
ない絵素電極構造を示し、図36(b)は、誘電体層1
3の開口部13aの側壁上にも上層導電層14が形成さ
れている絵素電極構造を示している。
表示装置500および600が有している、図36
(a)に示した構造は、図36(b)に示した絵素電極
構造よりも好ましい。なぜならば、図36(a)に示し
た絵素電極構造の方が、上層導電層14の開口14aの
エッジ部に生成される斜め電界の傾斜がきつく(傾斜角
が大きく)、その結果、エッジ部近傍の液晶分子30a
をより安定に(一義的な方向に)傾斜配向させることが
可能になるからである。図36(a)中の等電位線EQ
から分かるように、開口部14a内の等電位線EQは、
その一部が誘電体層13の開口部13aの側壁に侵入す
るので、等電位線EQの開口部14aのエッジ部におけ
る傾斜は、側壁の傾斜よりも強くなる。したがって、開
口部13aの側壁の表面(側面上に形成された垂直配向
膜(不図示)上)に垂直に配向規制されている液晶分子
30aを一義的に(図示の例では反時計回り方向に)傾
斜させることができる。また、図36(a)から分かる
ように、開口部13aの側壁上の液晶分子30aが斜め
電界によって一義的な方向に傾斜(回転)するために
は、側壁の傾斜角θは小さい方が好ましい。
の側壁上に上層導電層14を形成すると、図36(b)
中の等電位線EQに示したよう、側壁上では等電位線E
Qが上層導電層14の表面に平行になるので、開口部1
4aのエッジ部における等電位線EQの傾斜は側壁の傾
斜よりも緩やかになる。したがって、誘電体層13の開
口部13aの側壁の表面(上層導電層上に形成された垂
直配向膜(不図示)上)に垂直に配向規制されている液
晶分子30aに対して、等電位線EQは直交するので、
液晶分子30aが傾斜する方向が一義的に決まらないと
いう問題が発生することがある。なお、上層導電層14
と下層導電層12とを電気的に接続するために、上層導
電層14の一部を下層導電層12の一部に重ねてもよ
い。この場合、上層導電層14と下層導電層12とを電
気的に接続するためのコンタクトホールを別途設ける必
要が無くなる。特に、誘電体層13の平坦な表面(上
面)上に形成された上層導電層14を反射電極(反射
層)として用いる反射型液晶表示装置においては、開口
率を向上することができる。
についての上記の説明は、誘電体層13が凹部13bを
有する構成にも適用される。
電層14が絵素領域に1つの開口部14aを有する絵素
電極を備えた液晶表示装置を例示したが、本実施形態
は、上記の例に限られず、絵素領域毎に複数の開口部1
4aを有する液晶表示装置に適用することができる。上
述した、上層導電層14の開口部14a対応して、誘電
体層13に開口部13aまたは凹部13bを形成する構
成は、実施形態1として説明した全ての液晶表示装置に
適用することができる。
700の1つの絵素領域を模式的に図37に示す。図3
7(a)は液晶表示装置700の断面図、図37(b)
は液晶表示装置700の平面図である。図37(a)は
図37(b)中の37A−37A’線に沿った断面図に
相当する。液晶表示装置700は下層導電層12がさら
に開口部12aを有する以外は、実施形態4の液晶表示
装置500と実質的に同じ構造を有しているので、共通
する構造の説明をここでは省略する。
導電層は、誘電体層13の開口部13a内に露出された
領域内に開口部12aを有している。図37(b)に示
したように、誘電体層13の円形の開口部13aは、絵
素領域の中央、すなわち上層導電層14の中央部に設け
られた円形の開口部14aに対応して設けられている。
誘電体層13の開口部13a内に露出された下層導電層
12に形成されている開口部12aは、開口部14aお
よび開口部13aの中央にある。
圧を印加すると、図37(a)に示した等電位線EQで
表される電界が発生する。上層導電層14の開口部14
aのエッジ部EGで落ち込んだ等電位線EQは、下層導
電層12の開口部12a内でさらに落ち込む。
にも斜め電界が形成されるので、電圧を印加された液晶
層30中の液晶分子30aの配向変化は、開口部14a
のエッジ部と開口部12aのエッジ部とにおける液晶分
子30aの傾斜がトリガーとなって起こり、開口部12
aの中心で垂直に配向した状態の液晶分子30aを中心
に、放射状傾斜配向が形成される。このように、上層導
電層14の開口部14aに加え、開口部14aに対向す
る位置にある下層導電層12の中央に開口部12aを設
けることによって、開口部14a内の液晶分子30aの
放射状傾斜配向の位置を正確に且つ安定に制御すること
ができるので、放射状傾斜配向がさらに安定化するとと
ともに、応答速度を向上することができる。
には電圧が印加されないので、開口部12aは大きくな
いことが好ましい。典型的には8μm以下であることが
好ましい。開口部12aは、放射状傾斜配向の中心にの
み形成すればよいので、開口部14a毎の中心に1つ形
成すればよい。開口部12aの形状は、円形に限らず、
楕円や多角形が用いられ得ることは、開口部14aにつ
いて上述したのと同じである。
成について、開口部12aの作用を説明したが、誘電体
層13に凹部13bを形成した場合(図35)や平坦な
誘電体層13を用いる場合(例えば図1)に用いること
ができる。すなわち、液晶表示装置700を例に説明し
た、絵素電極15の下層導電層12が、上層導電層14
の開口部14aに対向する領域に開口部12aを有する
構成は、上述した実施形態1および2の液晶表示装置と
適宜組み合わせることができる。但し、開口部12aは
小さい(典型的には直径8μm以下)ので、開口部12
a上の誘電体層13が厚い場合には十分な効果が得られ
ないことがある。
透過反射両用型液晶表示装置(以下、「両用型液晶表示
装置」と略す)は、絵素領域内に、透過モードで表示を
行う透過領域と、反射モードで表示を行う反射領域とを
有する液晶表示装置を指す。透過領域および反射領域
は、典型的には、透明電極および反射電極によって規定
される。反射電極に代えて、反射層と透明電極との組み
合わせた構造によって、反射領域を規定することもでき
る。
透過モードとを切り替えて表示すること、または同時に
両方の表示モードで表示することもできる。したがっ
て、例えば、周囲光が明るい環境下では反射モードの表
示を、暗い環境では透過モードの表示を実現することが
できる。また、両方のモードの表示を同時に行うと、透
過モードの液晶表示装置を周囲光が明るい環境下(蛍光
灯の光や太陽光が直接特定の角度で表示面に入射する状
態)で使用したときに見られるコントラスト比の低下を
抑制することができる。このように、透過型液晶表示装
置の欠点を補うことができる。なお、透過領域と反射領
域との面積の比率は、液晶表示装置の用途に応じて適宜
設定され得る。また、専ら透過型として用いる液晶表示
装置においては、反射モードでの表示ができない程度に
まで反射領域の面積比率を小さくしても、上述した透過
型液晶表示装置の欠点を補うことができる。
しながら両用型液晶表示装置の構造と動作を説明する。
図38Aに示した両用型液晶表示装置150は実施形態
1の液晶表示装置100と、図38Bに示した両用型液
晶表示装置550は実施形態4の液晶表示装置500
と、図38Cに示した両用型液晶表示装置650は実施
形態4の液晶表示装置600と、それぞれ基本的に同じ
構造を有している。両用型液晶表示装置は、図示したこ
れらの例に限られず、実施形態1、2および3で説明し
た全ての液晶表示装置において、上層電極層および下層
電極層の内のいずれか一方を透明導電層とし、他方を反
射導電層とすることによって得られる。
絵素電極15の上層導電層14Tは透明導電層から形成
されており、下層導電層12Rは光反射特性を有する導
電層、典型的には金属層から形成されている。絵素電極
15で規定される絵素領域は、反射下層導電層12Rに
よって規定される反射領域Rと、透明上層導電層14T
で規定される透過領域Tとを有している。なお、透明上
層導電層14Tと反射下層導電層12Rとの重なりや、
基板法線(表示面法線)に対して斜めに入射する光の表
示への寄与を考慮すると、反射領域Rと透過領域Tとは
その境界付近で互いに重なることになるが、簡単さのた
めに、基板法線方向から入射する光による表示モードに
よって両領域を区別して図示することにする。
晶表示装置100と同じなので、実質的に同じように液
晶層を駆動する。すなわち、液晶層30は、電圧印加時
に、2層構造の絵素電極15の作用によって、安定した
放射状傾斜配向をとり、視角特性に優れた液晶表示装置
が実現される。
説明する。
TFT基板100aの外側(図中の下側)に設けられた
バックライト(不図示)から透過領域Tに入射する光
は、基板11、誘電体層13、透明上層導電層14Tを
順次通過し、液晶層30を経て、対向基板100b側に
出射される。対向基板100b側から入射する光(典型
的には周囲光)は、基板21および対向電極22を順次
通過し、液晶層30および誘電体層13を経て、反射下
層導電層12Rに入射し、反射され、逆の経路を辿っ
て、対向基板100b側に出射される。
液晶層30を1回しか通過しないのに対し、反射モード
の表示を行う光は液晶層30を2回通過する。したがっ
て、絵素領域の全体(透過領域Tおよび反射領域R)に
亘って均一な厚さ(d5)の液晶層30に、同じ電圧を
印加すると、透過光が液晶層30によって受けるリタデ
ーションの変化量と、反射光が液晶層30から受けるリ
タデーションの変化量とが一致しなくなり、液晶層30
に電圧印加時に、透過光と反射光で同時に同じ階調を表
示することができず、表示品位が低下するという問題が
発生する。
発明による液晶表示装置150では上記の問題の発生を
回避することができる。
15を備えるので、実施形態1の液晶表示装置について
説明したように、反射領域R内の液晶層30に印加され
る電圧(下層導電層12Rと対向電極22との間の電
圧)は、誘電体層13による電圧降下を受けるので、透
過領域T内に液晶層30に印加される電圧(上層導電層
14Tと対向電極22との間の電圧)よりも低くなる。
その結果、反射領域R内の液晶層30によるリタデーシ
ョン変化は、透過領域T内の液晶層30のリタデーショ
ン変化よりも少ない。したがって、液晶層30の複屈折
率および厚さ、誘電体層13の誘電率および厚さを調整
することによって、透過領域T内の液晶層30によるリ
タデーション変化と反射領域R内の液晶層30によるリ
タデーション変化とを近づけることができる。すなわ
ち、反射光のリタデーションに対する光路長の影響を、
印加電圧を調整することによって補償することができ
る。
50を用いると、透過モードの電圧−透過率特性と反射
モードの電圧−反射率特性とを互いに近づけることが可
能となり、全方位において視野角特性に優れ、且つあら
ゆる環境で視認性が高い透過反射両用型液晶表示装置が
得られる。
型液晶表示装置550の構造と動作とを説明する。両用
型液晶表示装置550の絵素電極15の上層導電層14
Rは光反射特性を有する導電層から形成されており、下
層導電層12Tは透明導電層から形成されている。絵素
電極15で規定される絵素領域は、反射上層導電層14
Rによって規定される反射領域Rと、透明下層導電層1
2Tで規定される透過領域Tとを有している。両用型液
晶表示装置550のその他の基本的な構成は、図34に
示した液晶表示装置500と同様なので、その説明はこ
こでは省略する。
Rの開口部14a以外の領域内(すなわち、反射領域R
内)の液晶層30の厚さをd1、反射上層導電層14R
の開口部14a内および誘電体層13の開口部13a内
(すなわち、透過領域T内)の液晶層30の厚さをd2
とする。反射モードの表示に寄与する光(反射光)は、
反射領域R内の厚さd1の液晶層30を2回通過し、透
過モードの表示に寄与する光(透過光)は、透過領域T
内の厚さd2の液晶層30を1回通過する。従って、誘
電体層13の厚さをd1と等しくすることによって、d
1=d2/2とすれば、反射光および透過光がそれぞれ
液晶層30を通過する距離を互いに等しくできる。ま
た、液晶表示装置550の絵素電極15は、透明下層導
電層12Tが誘電体層13の開口部13a内に露出され
ている構成(透明下層導電層12T上に誘電体層13が
存在しない構成)を有しているので、透過領域T内の液
晶層30に印加される電圧は、反射領域R内の液晶層3
0に印加される電圧と等しい。
d1と透過領域T内の液晶層30の厚さd2とが2・d
1=d2の関係を満足するように設定すれば、下層導電
層12Rと上層導電層14Tに同じ電圧を印加した場合
に透過光が液晶層30によって受けるリタデーションの
変化量と、反射光が液晶層30から受けるリタデーショ
ンの変化量とが一致する。但し、反射領域R内の液晶層
30の厚さと透過領域T内の液晶層30の厚さとが互い
に異なると、印加する電圧が等しくても電界強度は異な
るため、この違いを考慮して、2・d1=d2の関係か
らずらした方がより好ましい。
50を用いると、透過モードの電圧−透過率特性と反射
モードの電圧−反射率特性とを互いに近づけることが可
能となり、全方位において視野角特性に優れ、且つあら
ゆる環境で視認性が高い透過反射両用型液晶表示装置が
得られる。
型液晶表示装置650の構造と動作とを説明する。両用
型液晶表示装置650の絵素電極15の上層導電層14
Rは光反射特性を有する導電層から形成されており、下
層導電層12Tは透明導電層から形成されている。絵素
電極15で規定される絵素領域は、反射上層導電層14
Rによって規定される反射領域Rと、透明下層導電層1
2Tで規定される透過領域Tとを有している。両用型液
晶表示装置650のその他の基本的な構成は、図35に
示した液晶表示装置600と同様なので、その説明はこ
こでは省略する。
Rの開口部14a以外の領域内(すなわち、反射領域R
内)の液晶層30の厚さをd1、反射上層導電層14R
の開口部14a内および誘電体層13の凹部13b内
(すなわち、透過領域T内)の液晶層30の厚さをd3
とする。透過領域T内の液晶層30の厚さd3は、反射
領域R内の液晶層30の厚さd1よりも、誘電体層13
の凹部13bの深さ分だけ厚い。反射モードの表示に寄
与する光(反射光)は、反射領域R内の厚さd1の液晶
層30を2回通過し、透過モードの表示に寄与する光
(透過光)は、透過領域T内の厚さd3の液晶層30を
1回通過する。すなわち、透過光が液晶層30内を通過
する距離はd3で、反射光が液晶層30内を通過する距
離は2・d1でである。
れる電圧は、凹部13b内の誘電体層13による電圧降
下(容量分割)を受けるので、反射領域Rの液晶層30
に印加される電圧よりも低くなる。したがって、凹部1
3b内の誘電体層13の厚さを調整することによって、
液晶層30内を通過する距離の違いに起因するリタデー
ション量の違いと、液晶層30に印加される電圧の場所
による違い(透過領域T内の液晶層30に印加される電
圧の低下量)との関係を制御し、印加電圧とリタデーシ
ョンとの関係が透過領域Tと反射領域Rとで一致するさ
せることができる。より厳密には、液晶層の複屈折率、
液晶層の厚さ、誘電体層の誘電率および誘電体層の厚
さ、誘電体層の凹部の厚さ(凹部の深さ)を調整するこ
とによって、印加電圧とリタデーションとの関係を透過
領域と反射領域とに亘って均一にすることができる。
50を用いると、透過モードの電圧−透過率特性と反射
モードの電圧−反射率特性とを互いに近づけることが可
能となり、全方位において視野角特性に優れ、且つあら
ゆる環境で視認性が高い透過反射両用型液晶表示装置が
得られる。
0および650を図38A,38Bおよび38Cでは、
反射導電層(上層または下層導電層)の表面を平坦に描
いたが、反射導電層の表面を凹凸状に加工することによ
って、光を拡散反射(または散乱)させる機能を付与す
ることもできる。反射導電層に光拡散機能を付与するこ
とによって、視差が無く、表示品位の高い反射モードの
表示を実現することが出来る。
しては、例えば、特開平6−75238号公報に開示さ
れている方法が挙げられる。
ジ型のいずれでもよい)を用いて誘電体層13を形成
し、所定のパターンの透光部(または遮光部)を有する
フォトマスクを用いたフォトリソグラフィプロセスで、
レジスト層の表面に凹凸を加工する。必要に応じて、凹
凸が形成されたレジスト層を加熱し、レジスト層の表面
が熱によって変形する現象(熱だれ)を利用し、凹凸を
滑らか(連続した波状)としてもよい。このようにして
形成された誘電体層13の凹凸を有する表面上に反射上
層導電層を形成することによって、反射上層導電層の表
面に凹凸を形成することができる。
型液晶表示装置550および650の様に、反射上層導
電層14Rを用いる構成においては、図40(a)およ
び(b)に示した様に、開口部14aのエッジ部におけ
る誘電体層13の高さが均一とすることが好ましい。
14aを有する反射上層導電層14Rを備える2層構造
の絵素電極15によって、開口部14aのエッジ部に生
成される斜め電界を利用して液晶分子を放射状傾斜配向
させている。
に、誘電体層13の表面に形成した凹凸(図中の円は凹
部または凸部を模式的に示している。)が、誘電体層1
3の開口部13aや凹部13bと重なるように配置され
ると、図39(b)に示した様に、開口部14aのエッ
ジ部における誘電体層13の厚さが場所によって異な
る。このように、エッジ部の誘電体層13の表面に凹凸
が存在すると、エッジ部に生成される斜め電界の方向
(等電位線の傾斜方向)が場所によって変化することに
なり、開口部14aを中心とする放射状傾斜配向の安定
性が低下したり、開口部14aの位置によって放射状傾
斜配向の状態が異なったりする。
部14a(誘電体層13の開口部13aまたは凹部13
b)の周辺の誘電体層13の表面には凹凸を形成せず、
平坦な表面とすると、図40(b)に示すように、開口
部14aの全周に亘ってエッジ部付近の誘電体層13が
均一な厚さを有する構造が得られる。
ることによって反射導電層に光拡散機能を付与する代わ
りに、光拡散機能を有する拡散層を反射導電層の光入射
側に設けてもよい。拡散層は、液晶パネルの内側(基板
の液晶層側)に設けてもよいし、外側(観察者側)に設
けてもよい。拡散層は、液晶表示装置の反射領域に選択
的に設けることが好ましい。
方性を有する液晶分子が電圧無印加時に垂直配向する液
晶層を備える、いわゆる垂直配向型液晶表示装置は、種
々の表示モードで表示を行うことができるが、そのなか
で、液晶層の複屈折率を電界によって制御することによ
って表示する複屈折モードが、表示品位の観点から好ま
しい。複屈折モードの垂直配向型液晶表示装置の表示品
位を向上するための、偏光板や位相差板(波長板)の配
置関係を以下に説明する。先の実施形態1から5で説明
した全ての液晶表示装置の一対の基板(例えば、TFT
基板と対向基板)の外側(液晶層30と反対側)に一対
の偏光板を設けることによって、複屈折モードの液晶表
示装置を得ることができる。
を参照しながら説明する。図41は電圧無印加状態(O
FF状態)を、図42は電圧印加状態(ON状態)をそ
れぞれ示している。
び対向基板100bのそれぞれの外側に偏光板50aお
よび50bをそれぞれ有する液晶表示装置100Aの模
式的な断面図である。液晶表示装置100Aは、先の実
施形態1から5の任意の液晶表示装置であり得る。図4
1(a)に示したように、液晶層30内の液晶分子30
aは電圧無印加時には垂直配向状態にある。
対向基板100b側(観察者側)から表示面法線方向
(基板法線方向)に沿って見たときの、偏光板50aお
よび50bの透過軸(偏光軸)PAの配置関係を模式的
に示している。図中の実線矢印PA1は偏光板(上側)
50bの透過軸を、破線矢印は偏光板(下側)50aの
透過軸PA2をそれぞれ示している。図41(b)に示
したように、偏光板50aおよび50bの透過軸PA2
およびPA1は、互いに直交するように配置されてい
る。すなわち、偏光板50aおよび50bはクロスニコ
ル状態に配置されている。
aの軸方位は基板面に対して垂直であるため、液晶層3
0に垂直に入射する偏光に対しては位相差を与えない。
なお、「液晶層30に垂直」とは、基板100aおよび
100bに平行な液晶層30の面に対して垂直であるこ
とを意味する。
る偏光に位相差を与えないので、例えば、TFT基板1
00a側から液晶層30に垂直に入射する光は、偏光板
50aを通過することによって透過軸PA2に沿った偏
光方向を有する直線偏光となり、液晶層30に垂直に入
射し、その偏光方向を維持したままで液晶層30を通っ
て偏光板50bに入射する。偏光板50aおよび偏光板
50bの透過軸PA2およびPA1は互いに直交してい
るので、対向基板100bを通過した直線偏光は偏光板
50bで吸収される。その結果、電圧無印加状態の液晶
表示装置100Aは黒表示となる。
(b)に示したように、液晶分子30aは放射状傾斜配
向している。図42(a)および(b)では、簡単さの
ために1つの放射状傾斜配向領域を図示しているが、先
の実施形態1から5で説明したように、1つの絵素領域
内に複数の放射状傾斜配向領域が形成されてもよい。以
下の図面においても、1つの放射状傾斜配向を図示する
ことがあるが、1つの絵素領域内に複数の放射状傾斜配
向領域が形成されてもよい。
液晶層30は、例えば、TFT基板100a側から液晶
層30に垂直に入射する光は、偏光板50aを通過する
ことによって透過軸PA2に沿った偏光方向を有する直
線偏光となり、液晶層30に垂直に入射する。基板法線
方向から見た軸方位がこの直線偏光の偏光方向に対して
平行または直交するように配向している液晶分子30
a、および垂直配向状態にある液晶分子(放射状傾斜配
向の中心に位置する液晶分子)30aは、液晶層30に
垂直に入射した直線偏光に位相差を与えない。従って、
液晶分子30aが上記の配向方向にある領域に入射した
直線偏光は、偏光状態を維持したままで液晶層30を通
過し、対向基板100bを通って偏光板50bに入射す
る。偏光板50aおよび偏光板50bの透過軸PA2お
よびPA1は互いに直交しているので、この直線偏光は
偏光板50bで吸収される。すなわち、放射状傾斜配向
状態の液晶層30の一部の領域は、電圧印加状態におい
ても、黒表示状態となる。
な偏光方向を有する直線偏光のうち、基板法線方向から
見た軸方位がこの直線偏光の偏光方向に対して平行また
は直交するように配向している液晶分子30a、および
垂直配向状態にある液晶分子30a以外の液晶分子30
aを含む領域に入射した直線偏光は、液晶層30によっ
て位相差が与えられる。すなわち、直線偏光は偏光状態
を崩され、楕円偏光となる。また、この位相差は、入射
直線偏光の偏光方向と、基板法線方向から見たときの液
晶分子30aの軸方位が45度をなす領域で最大とな
り、入射直線偏光の偏光方向に対して、基板法線方向か
ら見たときの液晶分子30aの軸方位が平行または直交
に近づくにつれて小さくなる。従って、入射直線偏光の
偏光方向に対して、基板法線方向から見たときの液晶分
子30aの軸方位が平行または直交以外、または液晶分
子30aの分子軸が基板法線方向に平行ではない領域
で、且つ、基板法線方向から見たときの液晶分子30a
の軸方位が平行または直交以外の領域では、液晶層30
に入射する直線偏光に位相差が与えられ、直線偏光が崩
される(一般的には楕円偏光となる)。従って、液晶層
30を通過することによって偏光状態が変換された偏光
が、偏光板50bに入射すると、その一部は偏光板50
bを透過する。この透過する偏光の量は、液晶層30に
よって与えられる位相差の大きさに依存するので、液晶
層30に印加する電圧を制御することによって調整され
得る。従って、液晶層30に印加する電圧を制御するこ
とによって、階調表示が可能となる。
対の偏光板と液晶層との間に、4分の一波長板(λ/4
板)を設けることによって、さらに表示品位を向上する
ことができる。すなわち、放射状傾斜配向を呈する液晶
層30に円偏光を入射させることによって、光の利用効
率を高めることができる。例えば、特開平10−301
114号公報に開示されている4分割マルチドメイン配
向の垂直配向型液晶層に直線偏光を入射させる液晶表示
装置は、マルチドメインのドメイン間の境界領域を表示
に寄与させることができないのに対し、連続的に配向方
向が変化する放射状傾斜配向を呈する液晶層に円偏光を
入射させる構成を採用すると、より明るい(光の利用効
率の高い)液晶表示装置を実現することができる。
4板の作用を説明する。図43は電圧無印加状態を、図
44は電圧印加状態をそれぞれ模式的に示している。な
お、本願明細書において、特にことわらない限り、「λ
/4板」は、単層のものを指し、複数の位相差板を積層
して全体としてλ/4条件を満足する位相差板を、特に
「広帯域λ/4板」と呼ぶことにする。ここでは、単層
のλ/4板を用いた構成について説明する。
100Bは、液晶表示装置100の両側に、偏光板50
aおよび50bと、λ/4板60aおよび60bとを有
している。λ/4板60aおよび60bは、その遅相軸
に対して45°の偏光方向を有する直線偏光を円偏光に
変換または逆に円偏光をその遅相軸に対して45°の偏
光方向を有する直線偏光に変換する位相差板である。な
お、液晶表示装置100に限られず、実施形態1から5
の任意の液晶表示装置を用いることができる。
0aとその外側(液晶層30とは反対側)に設けられた
偏光板50aとの間にλ/4板60a有し、対向基板1
00bと、その外側に設けられた偏光板50bとの間に
λ/4板60bを有している。偏光板50aおよび50
bのそれぞれの透過軸PA2およびPA1、λ/4板6
0aおよび60bのそれぞれの遅相軸SL2およびSL
1は、図43(b)に示したように配置されている。
0aの透過軸PA2と45°の角度をなし、λ/4板6
0bの遅相軸SL1は偏光板50bの透過軸PA1と4
5°の角度をなすように配置されている。透過軸PA1
およびPA2と遅相軸SL2およびSL1とがなす角
は、同じ方向(例えば、図示したように、対向基板10
0b側から基板法線方向に沿って見たとき、いずれも同
一方向、右回りなら両方とも右回り、左回りなら両方と
も左回り)に45度をなすように配置されている。
時には、液晶層30は垂直配向状態にあるので、液晶層
30に垂直に入射する光に位相差を与えない。従って、
例えば、TFT基板100a側から液晶層30に垂直に
入射する光は、偏光板50aを通り、偏光方向がλ/4
板60aの遅相軸SL2に対して45°の直線偏光とな
り、λ/4板60aに入射する。この直線偏光はλ/4板
60aを通過することによって円偏光に変換される。円
偏光は偏光状態を維持したままで液晶層30を通過し、
λ/4板60bに入射する。λ/4板60bを通過するこ
とによって円偏光は、偏光方向が遅相軸SL1に対して
45度の直線偏光となり、偏光板50bに入射する。λ
/4板60bを通過した直線偏光の偏光方向は、偏光板
50bの透過軸PA1と直交しているので、この直線偏
光は偏光板50bで吸収される。従って、液晶表示装置
100Bは、電圧無印加状態で黒表示状態となる。
(b)に示したように、液晶分子30aは放射状傾斜配
向している。
液晶層30は、液晶層30に入射する光にその偏光方向
に応じた位相差を与える。例えば、TFT基板100a
側から液晶層30に垂直に入射する光は、偏光板50a
を通過することによって、偏光方向がλ/4板60aの
遅相軸SL2に対して45°の直線偏光となり、λ/4
板60aに入射する。この直線偏光はλ/4板60aを
通過することによって円偏光に変換される。このとき、
垂直配向状態にある液晶分子(放射状傾斜配向の中心に
位置する液晶分子)30aは、液晶層30に垂直に入射
した偏光に位相差を与えない。従って、液晶分子30a
が垂直配向している領域に入射した円偏光は、偏光状態
を維持したままで液晶層30を通過し、λ/4板60b
に入射する。λ/4板60bを通過することによって円
偏光は、偏光方向が遅相軸SL1に対して45度の直線
偏光となり、偏光板50bに入射する。λ/4板60b
を通過した直線偏光の偏光方向は、偏光板50bの透過
軸PA1と直交しているので、この直線偏光は偏光板5
0bで吸収される。すなわち、放射状傾斜配向状態の液
晶層30の一部の領域(垂直配向領域のみ)は、電圧印
加状態においても、黒表示状態となる。
ら変換された円偏光のうち、垂直配向状態にある液晶分
子30a以外の液晶分子30aを含む領域に入射した円
偏光は、液晶層30によって位相差が与えられる。すな
わち、円偏光の偏光状態が変化する(一般には楕円偏光
となる)。従って、λ/4板60bを通過した偏光の一
部は偏光板50bを透過する。この透過する偏光の量
は、液晶層30によって与えられる位相差の大きさに依
存するので、液晶層30に印加する電圧を制御すること
によって調整され得る。従って、液晶層30に印加する
電圧を制御することによって、階調表示が可能となる。
0bをさらに有する液晶表示装置100Bは、電圧印加
状態で黒表示状態となる領域が、垂直配向領域(放射状
傾斜配向の中心)だけであり、垂直配向領域および偏光
板の透過軸に平行または直交する方向に配向した領域が
黒表示状態となる液晶表示装置100Aと比較し、電圧
印加状態で黒表示となる領域が少ない。すなわち、液晶
表示装置100Bは、液晶表示装置100Aよりも光利
用効率(実効開口率)が高く、輝度の高い表示を実現す
ることができる。
bの波長分散を完全に無くすことは容易ではない。例え
ば、λ/4板60aおよび60bとして、視感度が最も
高い波長が550nmの光に対してλ/4条件を満足す
るように作製されたλ/4板を用いると、光の波長が5
50nmからずれるに従いλ/4条件からはずれること
になる。その結果、液晶表示装置100Bでは、黒表示
状態において、波長が550nmからずれた可視光が偏
光板50bを通過し、その結果、色づき現象が発生す
る。
を抑制するために、図45に示す液晶表示装置100C
のように、偏光板50aおよび50bの透過軸PA2お
よびPA1を互いに直交させ、且つ、λ/4板60aお
よび60bの遅相軸SL2およびSL1を互いに直交さ
せる。偏光板50aの透過軸PA2とλ/4板60aの
遅相軸SL2と、および偏光板50bの透過軸PA1と
λ/4板60bの遅相軸SL1とは、液晶表示装置10
0Bと同様に、それぞれ同一方向に45°の角度をなし
ている。このように、λ/4板60aの遅相軸SL2と
λ/4板60bの遅相軸SL1とを互いに直交するよう
に配置することによって、λ/4板60aおよびλ/4板
60bのそれぞれが有する屈折率異方性の波長分散が互
いに相殺するので、黒表示状態において、広い波長範囲
の可視光が偏光板50bによって吸収され、良好な黒表
示が実現される。特に、λ/4板60aおよびλ/4板6
0bとして同一のλ/4板(少なくとも同じ材料から形
成されたλ/4板)を用いることが好ましい。このよう
な構成を採用すると、以下に説明する広帯域λ/4板を
用いる構成よりも安価に、液晶表示装置を構成すること
ができる。
bの屈折率異方性の波長分散に起因する黒表示状態にお
ける色づき現象の発生を抑制する他の方法として、単層
のλ/4板に代えて、広帯域λ/4板を用いる方法があ
る。広帯域λ/4板は、複数の位相差板を積層すること
によって波長分散の影響を相殺し、可視光全体(400
nm〜800nm)に亘ってλ/4条件を満足する。広
帯域λ/4板は、例えば、単層のλ/4板と単層の半波
長板(以下、「λ/2板」と称する。)とを積層するこ
とによって形成することができる。
液晶表示装置100の両側に、偏光板50aおよび50
bと、λ/4板60aおよび60bと、λ/2板70a
および70bを有している。TFT基板100aの外側
(液晶層30とは反対側)には、液晶層30側から順
に、λ/4板60a、λ/2板70a、および偏光板5
0aが設けられ、対向基板100bの外側には、液晶層
30側から順に、λ/4板60b、λ/2板70b、お
よび偏光板50bが設けられている。
60b、λ/2板70b、および偏光板50bは、図4
6(b)に示すようにそれぞれの光学軸が配置されてい
る。偏光板50bの透過軸PA1とλ/2板70bの遅
相軸SL3との間の角をα(°)とするとき、偏光板5
0bの透過軸PA1とλ/4板60bの遅相軸SL1と
の間の角が2α±45°となるように配置されている。
λ/4板60a、λ/2板70a、および偏光板50a
は、図46(c)に示すようにそれぞれの光学軸が配置
されている。偏光板50aの透過軸PA2とλ/2板7
0aの遅相軸SL4との間の角をβ(°)とするとき、
偏光板50aの透過軸PA2とλ/4板60aの遅相軸
SL2との間の角が2β±45°となるように配置され
ている。また、偏光板50aの透過軸PA2とλ/4板
60aの遅相軸SL2との間のこの角(2β±45°)
は、偏光板50bの透過軸PA1とλ/4板60bの遅
相軸SL1との間の角(2α±45°)と符号が一致す
るように設定されている。すなわち、PA1と遅相軸S
L1との間の角が2α+45°のとき、透過軸PA2と
遅相軸SL2との間の角が2β+45°となるように設
定されている。
ある液晶層30に垂直に入射した光は、偏光板50aを
通り直線偏光となり、λ/2板70aを通って偏光板5
0aの透過軸PA2に対して2βの角度の偏光方向を有
する直線偏光になる。この直線偏光は、λ/4板60a
に入射し、円偏光に変換される。この円偏光は、偏光状
態を維持したまま液晶層30を通過し、λ/4板60b
に入射する。λ/4板60bによって、λ/4板60bの
遅相軸SL1に対して45度の角度の偏光方向を有する
直線偏光に変換される。この直線偏光は、λ/2板70
bに入射してλ/4板60bの遅相軸SL1に対して2
β+45度の角度の直線偏光となり、偏光板50bに入
射する。ここで、λ/2板70bを通過した直線偏光の
偏光方向は、偏光板50bの透過軸PA1と直交してい
るので、この直線偏光は偏光板50bで吸収される。従
って、液晶表示装置100Dは、電圧無印加状態で黒表
示状態となる。
板60aと偏光板50aとの間、およびλ/4板60b
と偏光板50bとの間に、λ/2板70aおよびλ/2板
70bをそれぞれ有しており、λ/2板70aおよび7
0bがλ/4板60aおよび60bの屈折率異方性の波
長分散を緩和するので、色付きのない良好な黒表示が可
能となる。
をさらに抑制するために、図47に示す液晶表示装置1
00Eのように、偏光板50aおよび50bの透過軸P
A2およびPA1を互いに直交させ、且つ、λ/4板6
0aおよび60bの遅相軸SL2およびSL1を互いに
直交させ、さらに、λ/2板70aおよび70bの遅相
軸SL4およびSL3を互いに直交させる。また、偏光
板50bの透過軸PA1とλ/2板70bの遅相軸SL
3との間の角をα(°)とするとき、偏光板50bの透
過軸PA1とλ/4板60bの遅相軸SL1との間の角
が2α±45°となるように配置されており、偏光板5
0aの透過軸PA2とλ/2板70aの遅相軸SL4と
の間の角がα、偏光板50aの透過軸PA2とλ/4板
60aの遅相軸SL2との間の角が2α±45°となる
ように配置されている。また、偏光板50aの透過軸P
A2とλ/4板60aの遅相軸SL2との間のこの角
(2α±45°)は、偏光板50bの透過軸PA1とλ
/4板60bの遅相軸SL1との間の角(2α±45
°)と符号が一致するように設定されている。
透過軸同士、λ/4板60aおよび60bの遅相軸同
士、さらに、λ/2板70aおよび70bの遅相軸同士
をそれぞれ互いに直交させることによって、λ/4板6
0aおよびλ/4板60bのそれぞれが有する屈折率異
方性の波長分散を相殺することができ、黒表示状態にお
いて、広い波長範囲の可視光が偏光板50bによって吸
収され、液晶表示装置100Eは、液晶表示装置100
Dよりもさらに良好な黒表示が実現される。
する光に対する液晶層30の作用を説明した。液晶表示
装置において、特に透過型においては、液晶層30に垂
直に入射する光が表示に最も寄与するが、液晶層30に
斜めに入射する光も表示に寄与する。液晶層30に斜め
に入射する光は、垂直配向状態の液晶層30によっても
位相差が与えられる。従って、液晶表示装置の表示面を
斜め(表示面法線から傾斜した方向)から見たとき、本
来黒表示状態であるべき垂直配向状態において光漏れが
発生し、表示のコントラスト比が低下することがある。
ような屈折率異方性を有する位相差板(視角補償板)を
さらに設けることによって、あらゆる視角範囲で良好な
コントラスト比を有する液晶表示装置を実現することが
できる。なお、この視角補償板は、単一の位相差板であ
る必要はなく、複数の位相差板を積層したものでもよ
い。また、視角補償板を設ける位置は、TFT基板10
0aの外側(液晶層30から最も遠い側)だけでも、対
向基板100bの外側だけでも、またTFT基板100
aと対向基板100bの両方の外側に設けてもよい。
型液晶表示装置の場合について説明したが、反射型また
は透過反射両用型液晶表示装置における反射モードの表
示の品質を向上するためには、液晶表示装置の観察者側
に配置されるλ/4板の位相差板の波長分散を低減させ
る必要がある。従って、広帯域λ/4板を用いることが
好ましい。また、両用型液晶表示装置においては、透過
型液晶表示装置について上述したように、広帯域λ/4
板を液晶表示装置の両側に配置し、広帯域λ/4板の波
長分散を互いに相殺させる構成を採用してもよい。
る。本発明は以下の実施例によって限定されるものでは
ない。特に、上層導電層が有する開口部および中実部の
パターン(形状や配置)は、実施形態1で説明した種々
のパターンであってよい。
置800の断面図を図48に、平面図を図49にそれぞ
れ示す。図48は、図49中の48A−48A’線に沿
った断面図である。
3.5型18万絵素(ドット数横840×縦220、ドッ
トピッチ横86μm×縦229μm)のTFT型液晶表
示装置である。
aと、対向基板800bと、これらの間に配設された垂
直配向液晶層30とを有している。マトリクス状に配列
された絵素領域のそれぞれは、絵素電極105と対向電
極122とに印加される電圧によって駆動される。絵素
電極105は、信号電圧が与えられるソース配線114
にTFT118を介して接続されており、TFT118
はゲート配線108から与えれらる走査信号によってそ
のスイッチング制御される。走査信号によってON状態
とされたTFT118に接続されている絵素電極105
に信号電圧が印加される。
上層導電層104と、これらに間に設けられた誘電体層
(層間絶縁層107および感光性樹脂層103)とを有
している。下層導電層102と上層導電層104とは、
コンタクトホール107aにおいて互いに電気的に接続
されている。上層導電層104は、開口部104aを有
しており、電圧印加時にはそのエッジ部に斜め電界を発
生する。開口部104aは、ゲート配線108と、ソー
ス配線114と、補助容量配線119とによって囲まれ
る領域に1個形成されている。絵素領域ごとに2つの開
口部104aが形成されている。
ほぼ中央付近をゲート配線108と平行に延びるように
形成されている。補助容量配線119は、ゲート絶縁層
110を介して対向する下層導電層102と、補助容量
を形成する。補助容量は、絵素容量の保持率を向上する
ために設けられる。勿論、補助容量を省略してもよい
し、補助容量の構造は上記の例に限られない。
装置800のTFT基板800aの製造方法を説明す
る。
基板101上に、必要に応じて、ベースコート膜として
Ta2O5、SiO2などからなる絶縁層(不図示)を形成
する。その後、Al、Mo、Taなどからなる金属層を
スパッタリング法で形成し、パターニングすることによ
ってゲート電極(ゲート配線も含む)108を形成す
る。ここでは、Taを用いてゲート電極108を形成す
る。このとき、補助容量配線119を同じ材料を用いて
同じ工程で形成してもよい。
板101の表面のほぼ全面にゲート絶縁層110を形成
する。ここでは、厚さ約300nmのSiNx膜をP-
CVD法により堆積し、ゲート絶縁層110を形成す
る。なお、ゲート電極108を陽極酸化して、この陽極
酸化膜をゲート絶縁層として用いることもできる。勿
論、陽極酸化膜とSiNxなどの絶縁膜とを備える2層
構造としてもよい。
1および電極コンタクト層112となるSi層を連続し
てCVD法で堆積する。チャネル層111には、厚さ約
150nmのアモルファスSi層を用い、電極コンタク
ト層112には厚さ約50nmのリン等の不純物をドー
ピングしたアモルファスSiまたは微結晶Si層を用い
る。これらのSi層をHCl+SF6の混合ガスによる
ドライエッチング法などによりパターニングすることに
よって、チャネル層111および電極コンタクト層11
2を形成する。
層導電層を構成する透明導電層(ITO)102をスパッ
タリング法により約150nm堆積する。続いて、A
l、Mo、Taなどからなる金属層114、115を積
層する。ここでは、Taを用いる。これらの金属層をパ
ターニングすることによって、ソース電極113、11
4およびドレイン電極113、115を形成する(以
下、「ソース電極114」および「ドレイン電極11
5」と表記する。)。ソース電極114およびドレイン
電極115はそれぞれ2層構造を有し、ITO層102
からなる導電層に参照符号113を付している。ITO
層102は、2層構造の絵素電極の下層導電層として機
能する。
Nxなどからなる絶縁層をCVD法にて約300nm堆
積した後、パターニングして層間絶縁層107を形成す
る。パターニングの際には、後に形成する上層導電層1
03とITO層102とを電気的に接続するためのコン
タクトホール107aを補助容量配線119上の層間絶
縁層107に形成する。
層間絶縁層107上に誘電体層となる感光性樹脂層10
3を形成し、感光性樹脂層103を露光および現像する
ことによって、層間絶縁層107のコンタクトホール1
07a内にドレイン電極102を露出させる開口部10
3aを成形する。感光性樹脂層103は、例えば、ポジ
型感光性樹脂(JSR社製のアクリル樹脂:比誘電率
3.7)を用い、約1.5μmの厚さに形成される。な
お、感光性樹脂層103を感光性の無い樹脂を用いて形
成し、別途フォトレジストを用いるフォトリソグラフィ
工程で非感光性樹脂層に開口部103aを形成してもよ
い。
絶縁層107および感光性樹脂層103を形成した基板
101上に、上層導電層を構成する透明導電層(ITO)
104をスパッタリング法により約100nmの厚さに
形成する。
aを形成することによって、図48に示したTFT基板
800aが得られる。開口部104aの形成は、例え
ば、以下の方法で実行できる。
料を塗布し、フォトリソグラフィープロセスで、所定の
パターンのフォトレジスト層を形成する。このフォトレ
ジスト層をマスクとしてエッチングすることによって開
口部104aを形成する。その後、フォトレジスト層を
剥離する。ここでは、透明導電層104の開口部104
aとして、a=68μm、b=59μm(図中の上側)
と、a=68μm、b=36μm(図中の下側)の2種
類を長方形の開口部14aを形成する。
電層102と、ITO層からなる上層導電層104と、
これらの間にある層間絶縁層107および誘電体層10
3とから構成される2層構造の絵素電極を備えるTFT
基板800aが得られる。
102の間に挟まれた誘電体層は層間絶縁層107と感
光性樹脂103との2層で形成されているが、その必要
は無く、いずれか一方で形成してもよいし、さらに他の
層を含んでもよい。上層導電層と下層導電層との間に設
けられる誘電体層は、上層導電層の開口部104aのエ
ッジ部に液晶分子を傾斜させる斜め電界を生じるように
形成されればよく、材料の種類や厚さ、層数に制限は無
い。光の利用効率が低下しないように、透明性の高い材
料を用いることが好ましい。
00のTFT基板800aの他の製造方法を説明する。
基板101上に、必要に応じて、ベースコート膜として
Ta2O5、SiO2などからなる絶縁層(不図示)を形
成する。その後、A1、Mo、Taなどからなる金属層
をスパッタリング法で形成し、パターニングすることに
よってゲート電極(ゲート配線も含む)108を形成す
る。ここでは、Ti/A1/Tiの積層膜を用いてゲー
ト電極108を形成する。このとき、補助容量配線11
9を同じ材料を用いて同じ工程で形成してもよい。
板101の表面のほぼ全面にゲート絶縁層110を形成
する。ここでは、厚さ約300nmのSiNx膜をP−
CVD法により堆積し、ゲート絶縁層110を形成す
る。
1および電極コンタクト層112となるSi層を連続し
てCVD法で堆積する。チャネル層111には、厚さ約
150nmのアモルファスSi層を用い、電極コンタク
ト層112には厚さ約50nmのリン等の不純物をドー
ピングしたアモルファスSiまたは微結晶Si層を用い
る。これらのSi層をHCl+SF6の混合ガスによる
ドライエッチング法などによりパターニングすることに
よって、チャネル層111および電極コンタクト層11
2を形成する。
1、Mo、Taなどからなる金属層7114、115を
積層する。ここでは、A1/Tiの積層膜を用いる。こ
れらの金属層をパターニングすることによって、ソース
電極114およびドレイン電極115を形成する。次
に、ソース電極114およびドレイン電極115をマス
クにして、HCl+SF6の混合ガスによるドライエッ
チング法などによりパターニグすることによって、電極
コンタクト層112のギャップ部112gをエッチング
する。
Nxなどからなる絶縁層をCVD法にて約300nm堆
積した後、パターニングして層間絶縁層107を形成す
る。パターニングの際には、後に形成するITO層から
なる下層導電層102とドレイン電極115とを電気的
に接続するためのコンタクトホール107aを補助容量
配線119上の層間絶縁層107に形成する。
導電層を構成する透明導電層(ITO)102をスパッ
タリング法により約140nmの厚さに形成する。
ITO層からなる下層導電層102上に誘電体層となる
感光性樹脂層103を形成し、感光性樹脂層103を露
光および現像することによって、ITO層からなる下層
導電層102を露出させる開口部103aを成形する。
感光性樹脂層103は、例えば、ポジ型感光性樹脂(J
SR社製のアクリル樹脂:比誘電率3.7)を用い、約
1.5μmの厚さに形成される。なお、感光性樹脂層1
03を感光性の無い樹脂を用いて形成し、別途フォトレ
ジストを用いるフォトリソグラフィ工程で非感光性樹脂
層に開口部103aを形成してもよい。
性樹脂層103を形成した基板101上に、上層導電層
を構成する透明導電層(ITO)104をスパッタリン
グ法により約100nmの厚さに形成する。
aを形成することによって、図48に示したTFT基板
800aが得られる。開口部104aの形成は、例え
ば、以下の方法で実行できる。
料を塗布し、フォトリソグラフィープロセスで、所定の
パターンのフォトレジスト層を形成する。このレジスト
層をマスクとしてエッチングすることによって開口部1
04aを形成する。その後、フォトレジスト層を剥離す
る。
電層102と、ITO層からなる上層導電層104と、
これらの間にある層間絶縁層107および誘電体層10
3とから構成される2層構造の絵素電極を備えるTFT
基板800aが得られる。
る誘電体層は、上層導電層の開口部104aのエッジ部
に液晶分子を傾斜させる斜め電界を生じるように形成さ
れればよく、安定した放射状傾斜配向が得られるのであ
れば、材料の種類や厚さ、層数に制限は無い。光の利用
効率が低下しないように、透明性の高い材料を用いるこ
とが好ましい。
板121上にスパッタリング法を用いてITOからなる
対向電極122を形成する。
0aおよび対向基板800bの内側表面に垂直配向処理
を行う。例えば、JSR社製垂直配向性ポリイミドを用
いて、垂直配向層を形成する。垂直配向層にラビング処
理は行わない。
直径3μmの球状プラスチックビーズを散布し、公知の
シール剤を用いて、対向基板800bとTFT基板80
0aとを貼り合わせる。その後、例えば、メルク社製の
負の誘電異方性を有するネマチック液晶材料(△n=0.
0996)にカイラル剤を添加した材料を注入する。こ
のようにして、液晶パネルが得られる。なお、液晶表示
装置を構成する構造単位のうち、一対の基板(ここで
は、TFT基板800aと対向基板800b)と、これ
らの間に挟持された液晶層とを有する構造単位を「液晶
パネル」と称する。
の外側に偏光板50aを、対向基板800bの外側に偏
光板50bを配置する。偏光板50aと偏光板50aの
透過軸は互いに直交するように配置する(図41(b)
参照)。また、偏光板50aおよび偏光板50bの透過
軸が、それぞれ液晶パネルのゲート配線の延設方向に対
して45度になるように配置する。
電圧無印加時(しきい値電圧未満の電圧を印加している
時を含む)、良好な黒表示を実現する。
電圧(しきい値電圧以上の電圧)を印加したときの絵素
領域の様子を模式的に図51に示す。図51は隣接する
2つの絵素領域を示している。
に、開口部104aの中央を中心とする消光模様(暗
部)が見られる。消光模様の中心(曲線の交差部)では
液晶分子が垂直配向状態にあり、中心の周りの液晶分子
は、垂直配向状態の液晶分子を中心に放射状傾斜配向し
ている。これは、開口部104aを有する2層構造の絵
素電極によって斜め電界が生成されたためである。な
お、電圧印加状態において略クロス状に暗部が観察され
るのは、先に説明したように、液晶層に入射した直線偏
光の偏光方向と平行または直交する方向(すなわち、偏
光板50aの透過軸と平行または直交する方向)に液晶
分子が配向している領域を通過した直線偏光は、液晶層
によって位相差が与えらず、偏光状態を維持したまま液
晶層を通過するので、偏光板50bによって吸収され、
表示に寄与しないからである。この例では、カイラル剤
が添加された液晶材料を用いているので、液晶層は渦巻
き状の放射状傾斜配向となっており、その結果、互いに
直交する偏光板の吸収軸からずれた位置で消光が観察さ
れている。
察される領域は、液晶層に入射した直線偏光が液晶層に
よって位相差を与えられた領域であり、白さ(明るさ)
の程度は、液晶層によって与えられる位相差の大きさに
依存する。従って、液晶層に印加する電圧の大きさを制
御することによって液晶層の配向状態を変化させ、そ液
晶層が与える位相差の大きさを調整すれば、階調表示が
実現できる。
aおよび50bの配置は上記の例に限られず、ゲート配
線と平行または直交するように配置してもよい。本発明
による液晶表示装置の液晶層は、電圧印加時に放射状傾
斜配向状態となる垂直配向型液晶層なので、偏光板の透
過軸の方向は、任意の方向に設定され得る。液晶表示装
置の用途に応じて、視角特性等を考慮して適宜設定され
る。特に、ゲート配線(又はソース配線)と平行または
直交する方向に偏光板の透過軸を設定することによっ
て、表示面の上下方向および左右方向の視野角特性を向
上することができる。これは、偏光板の偏光選択性は、
透過軸に平行または直交する方向において最も高く、透
過軸から45°において最も低くなるからである。さら
に、ゲート配線と平行または直交する方向に偏光板の透
過軸を設定すると、ゲート配線からの斜め電界によっ
て、ゲート配線の近傍に存在する液晶分子が、ゲート配
線の延設方向に直交する方向に傾斜しても、光漏れは発
生しないという利点がある。
層に円偏光を入射させる構成とすると、偏光板の透過軸
にほぼ沿って観察される消光模様を無くすことができ、
光の利用効率を向上することができる。さらに、λ/2
板や視角補償板を設けることによって、黒表示の色づき
の発生を抑制し、高品位の表示を実現できる液晶表示装
置を得ることができる。
向型のノーマリブラックモードの液晶表示であり、高コ
ントラスト比の表示が可能であり、且つ、放射状傾斜配
向した液晶層を利用しているので、あらゆる方位におい
て広視野角特性を有している。さらに、放射状傾斜配向
の形成には、開口部を有する2層構造電極によって形成
する斜め電界を用いているので、制御性が良く、良好な
放射状傾斜配向を実現することができる。
限られず、先の実施形態で説明した種々の構造の2層構
造を採用することができる。さらに、上層導電層および
/または下層導電層を形成する材料を変更することによ
って、反射型液晶表示装置や透過反射両用型液晶表示装
置を得ることができる。
置の絵素電極は、実施例1の液晶表示装置800に比
べ、比較的小さい開口部を多数有し、開口部が絵素電極
(上層導電層)の全体に亘って形成されている。開口部
および中実部の形状や配置は、一例に過ぎず、実施形態
1で例示した種々のパターンを用いることができる。表
示輝度の観点からは、図19(b)に示したパターンが
好ましい。また、開口部および中実部の面積比率は、図
22を参照しながら説明した指針に従って最適化され
る。
を説明する前に、実施例1の液晶表示装置800が有し
得る欠点を説明する。なお、この欠点は、液晶表示装置
の用途によっては問題とならないこともある。
04が有する開口部104a(特に大きい方、図49中
の上側の開口部:a=68μm、b=59μm)は、サ
イズが比較的大きいので、液晶層30に電圧を印加して
から、開口部104a内に位置する液晶層30が安定し
た放射状傾斜配向をとるまでの時間が長い。従って、用
途によっては、応答速度が遅いという問題が生じる。
下側エッジ部とゲート配線108との間の領域(ソース
線に平行な方向の幅が約25μm)のように、開口部1
04aのエッジ部からの距離が長い領域の液晶層30
は、安定な放射状傾斜配向をとるまでに比較的長い時間
がかかる。また、開口部104aのエッジ部から離れた
上層導電層104のエッジ部(例えば、図49中の右下
付近)に位置する液晶層30は、開口部104aによっ
て生成される斜め電界と、ソース配線114(113)
に印加されている信号電圧によって生成される電界との
影響を受けるので、液晶分子30aの傾斜方向が画素ご
とに安定しないことがある。その結果、表示にざらつき
が見られることがある。
例2の液晶表示装置900の構造と動作とを説明する。
液晶表示装置900の断面図を図52に、平面図を図5
3にそれぞれ示す。図52は、図53中の52A−52
A’線に沿った断面図である。以下の説明では、液晶表
示装置900の構成要素のうち実施例1の液晶表示装置
800の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素
を同じ参照符号で示し、その説明を省略する。液晶表示
装置900は液晶表示装置800と実質的に同じプロセ
スで製造することができる。
0の上層導電層104は、比較的に多数の、比較的小さ
な開口部104aを有している。ここでは、絵素電極1
05毎(上層導電層104毎)に、23個の円形の開口
部104aを形成している。開口部104aの直径は2
0μmとして、行方向または列方向(ゲート配線または
ソース配線に平行な方向)に隣接する開口部104a間
の間隔は、それぞれ4μmで一定としている。開口部1
04aは、絵素電極105の全体に亘って正方格子状に
配列されており、格子点に位置する4個(2×2)の開
口部104aが回転対称性を有するように配置されてい
る。また、開口部104aのうちの最も外側(上層導電
層104のエッジに近い)開口部104aのエッジと、
上層導電層104のエッジとの距離は約5μmとしてい
る。
有する開口部104aの直径は20μmと比較的小さい
ので、電圧印加によって、開口部104a内に位置する
液晶層30が速やかに安定な放射状傾斜配向をとる。ま
た、開口部104aは正方格子状に配列されており、格
子点に位置する4個(2×2)の開口部104aが回転
対称性を有するように配置されているので、開口部10
4aの間に位置する液晶層30も安定な放射状傾斜配向
をとる。さらに、隣接する開口部104a間の距離は4
μmと比較的短いので、開口部104a間に位置する液
晶層30も速やかに配向変化する。また、上層導電層1
04のエッジ部の近く(約5μm)にも開口部104a
を配置することによって、上層導電層104のエッジ部
近傍において、液晶分子の傾斜方向が安定しない領域を
狭くすることができる。
示装置800に比べ、応答速度が速く、且つ表示のざら
つきは見られないことを実際に確認した。
の開口部104aを設ける構成を採用すると、開口部1
04aのサイズや配置を最適化することが可能となり、
応答速度や放射状傾斜配向の安定性(再現性を含む)が
向上した液晶表示装置を得ることができる。
示装置800および900において、上層導電層104
の開口部104a上に位置する液晶層30に印加される
電圧は、感光性樹脂層103による電圧降下の影響を受
ける。従って、開口部104a上に位置する液晶層30
に印加される電圧が、上層導電層104(開口部104
aを除く領域)上に位置する液晶層30に印加される電
圧よりも低くなる。従って、上層導電層104と下層導
電層102とに同じ電圧(信号電圧)を印加すると、電
圧−透過率特性が、絵素領域内の場所によって異なり、
開口部104a上に位置する液晶層30の透過率が相対
的に低くなる。液晶表示装置800および900は、ノ
ーマリブラックモードで表示を行うので、黒レベルが浮
く(電圧無印加時の透過率が上昇する)ことは無いが、
十分な白レベル(実際使う上での一番明るい表示状態)
を実現するためには、通常よりも高い電圧を液晶層に印
加する必要がある。
印加される電圧の、感光性樹脂層103による電圧降下
を抑制するためには、図34および図35を参照しなが
ら説明したように、開口部104a内に位置する感光性
樹脂層103に凹部または穴を形成すればよい。実施例
1および2では感光性樹脂を用いているので、公知のフ
ォトリソグラフィプロセスで凹部または穴を形成するこ
とができる。
103に凹部または穴を形成すれば、開口部104a内
に位置する液晶層30に印加される電圧の感光性樹脂層
103による電圧降下を低減できるとともに、感光性樹
脂層103による透過率の低下を低減し、光の利用効率
を向上することができる。また、開口部103a内の感
光性樹脂層103の厚さを薄くすると、開口部104a
以外の上層導電層104上の液晶層30の厚さに比べ
て、開口部104a上の液晶層30厚さが厚くなり、す
なわち、リタデーションが大きくなるので、透過率(光
利用効率)が向上する。
晶表示装置1000の断面図を図54に、平面図を図5
5にそれぞれ示す。図54は、図55中の54A−54
A’線に沿った断面図である。以下の説明では、液晶表
示装置1000の構成要素のうち実施例1の液晶表示装
置800の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要
素を同じ参照符号で示し、その説明を省略する。
00aと、対向基板800bと、これらの間に配設され
た垂直配向液晶層30とを有している。マトリクス状に
配列された絵素領域のそれぞれは、絵素電極105と対
向電極122とに印加される電圧によって駆動される。
絵素電極105はTFT118を介してソース配線11
4に接続されている。TFT118はゲート配線108
から与えれらる走査信号によってそのスイッチングが制
御される。走査信号によってON状態とされたTFT1
18に接続されている絵素電極105に信号電圧が印加
される。
る透明下層導電層102Tと、反射電極として機能する
反射上層導電層104Rと、これらの間に設けられた誘
電体層(層間絶縁層107および感光性樹脂層103)
とを有している。透明下層導電層102Tと反射上層導
電層104Rとは、コンタクトホール107aにおいて
互いに電気的に接続されている。反射上層導電層104
Rは、開口部104aを有しており、電圧印加時にはそ
のエッジ部に斜め電界を発生する。感光性樹脂層103
は開口部104aに対応するように形成された開口部1
03aを有している。開口部103a内に透明下層導電
層102Tが露出されている。絵素領域ごとに8つの開
口部104aおよび開口部103aが形成されている。
造することができる。液晶表示装置800の製造方法と
同様の工程の説明を省略する。
03の塗布工程までは、TFT基板800aと同様の工
程で形成することができる(図50A(a)〜(c)参
照)。
縁層107上に感光性樹脂を塗布する。例えば、感光性
樹脂としてポジ型の感光性樹脂(JSR社製のアクリル
樹脂)を用い、約3.7μm程度の厚みに塗布する。な
お、この厚さは、ポストベーク工程完了後に約3μmの
厚さとなるよう設定されている。
3の表面に複数の滑らかな凹凸部を形成するための所定
のパターンを有するフォトマスク(例えば図40参照)
を用いて、感光性樹脂103を露光(例えば、露光量約
50mJ)する。
ことによって、コンタクトホール107a、開口部10
3aおよび表面の凹凸(不図示)が形成される。また、
必要に応じて熱処理を行なうことによって、感光性樹脂
層103の表面に形成される凹凸を滑らかにすることが
できる。
01のほぼ全面に、上層導電層となるMo層104R1
およびAl層104R2をスパッタリング法によって、
それぞれ約100nmの厚さにこの順で形成する。
R1からなる反射上層導電層104Rをフォトリソグラ
フィー工程を用いて所定のパターンに加工することによ
て、開口部104aを形成する。開口部104aは、実
施例1につて説明した方法で実施することができる。
導電層113の間に挟まれた誘電体層は層間絶縁層10
7と感光性樹脂103の2層で形成されているが、どち
らか1層で形成しても構わないし、2層以上の多層で形
成しても構わないのは、実施例1と同じである。
板800aおよび常法に従って作製された対向基板80
0bの内側表面に垂直配向処理を行う。例えば、JSR
社製垂直配向性ポリイミドを用いて、垂直配向層を形成
する。垂直配向層にラビング処理は行わない。
直径3.0μmの球状プラスチックビーズを散布し、公
知のシール剤を用いて、対向基板800bとTFT基板
1000aとを貼り合わせる。その後、例えば、メルク
社製の負の誘電異方性を有するネマチック液晶材料(△
n=0.0649)を注入する。このようにして、液晶パ
ネルが得られる。
導電層104R上)の液晶層30の厚さは、プラスチッ
クビーズ径の3μmとなり、透過領域(開口部104a
に対応する領域)では、プラスチックビーズ径の3μm
とポストベーク後の感光性樹脂層103の厚さ約3μm
とを足した約6μmになる。このように、感光性樹脂層
103の厚さを調整することによって、表示に用いられ
る光に対するリタデーション(液晶厚さd×複屈折率△
n)が透過領域と反射領域とでほぼ一致させることが可
能となり、光の利用効率が向上する。
び(b)に示したように、一対の偏光板50aおよび5
0bと、一対のλ/4板60aおよび60bを配置す
る。透過モードによる表示動作は先に説明したので、こ
こでは、液晶表示装置1000の反射領域における反射
モードによる表示動作を説明する。
る。対向基板800b側から対向基板800bに垂直
に、反射領域に入射する光は、偏光板50bを通り直線
偏光となり、λ/4板60bに入射する。λ/4板60b
によって円偏光に変換された後、液晶層30に入射す
る。液晶層30を通過して反射上層導電層104Rに到
達した円偏光は、反射上層導電層104Rの表面で反射
され、逆回りの円偏光となり、再び液晶層30を通過
し、λ/4板60bに入射する。この円偏光はλ/4板6
0bによって、λ/4板60bの遅相軸SL1に対して
45度方向の偏光方向を有する直線偏光となり、偏光板
50bに入射する。偏光板50bの透過軸PA1とλ/
4板60bを通過した直線偏光の偏光軸は直交している
ので、この直線偏光は偏光板50bで吸収される。従っ
て、液晶表示装置1000の反射領域は、透過領域と同
様に、電圧無印加状態で黒表示状態となる。
る。
にある液晶層30の内、基板表面に対して垂直配向して
いしている液晶分子30aは円偏光に位相差を与えない
ので、この領域は黒表示状態となる。液晶層30のその
他の領域(垂直配向領域以外の領域)に入射した円偏光
は、液晶層30を2回通過する間に液晶層30によって
位相差が与えられ、λ/4板60bに入射する。λ/4板
60bに入射する光の偏光状態は円偏光状態からずれて
いるので、λ/4板60bを通過した光の一部は偏光板
50bを透過する。この透過する偏光の量は、液晶層3
0によって与えられる位相差の大きさに依存するので、
液晶層30に印加する電圧を制御することによって調整
され得る。従って、液晶層30に印加する電圧を制御す
ることによって、反射領域においても階調表示が可能と
なる。
れず、図41〜図47を参照しながら説明したように、
λ/2板や視角補償板などをさらに設けてもよい。
液晶表示装置を構成する場合、開口部104aの形状、
大きさ、数や配置は、放射状傾斜配向を得るためだけで
なく、所望する表示特性(透過領域と反射領域との面積
比)によっても制限される。
ような両用型液晶表示装置では、開口部104a以外の
反射上層導電層104Rが占める面積比を大きくする必
要がある。十分な大きさの開口部104aを十分な個数
形成できない場合、反射領域(反射上層導電層104R
上)の液晶層30を安定に放射状傾斜配向させることが
難しくなる。すなわち、電圧印加時における液晶分子3
0aの分子軸の傾斜方向の方位角が安定しない(基板法
線方向から見た液晶分子30aの基板面内における配向
方向が放射状にならず、場所によって異なる)。従っ
て、液晶分子30aの分子軸の基板面内の配向状態が絵
素領域によって異なることが多くなる。
装置1000の反射領域内の液晶層30に電圧印加した
時の表示動作を説明する。図57は、液晶分子30aの
傾斜方向(方位角)が180度異なっている領域を模式
的に示している。
る左右2つの液晶分子30aに入射した光が、反射上層
導電層104Rで反射され、観察者側に出射されるまで
に、液晶分子30aから与えられる位相差は同じであ
る。このことから理解できるように、反射モードで表示
を行う反射領域の液晶層における配向方向の方位角方向
のばらつきは、透過モードの場合のように表示のざらつ
きとして視認されにくい。 (実施例4)実施例4の透過反射両用型液晶表示装置1
100の断面図を図58に示す。両用型液晶表示装置1
100の平面図は、図55と実質的に同じなので省略す
る。図58は、図55中の54A−54A’線に沿った
断面図に相当する。
構成要素のうち実施例3の液晶表示装置1000の構成
要素と実質的に同じ機能を有する構成要素を同じ参照符
号で示し、その説明を省略する。液晶表示装置1100
は液晶表示装置1000と実質的に同じプロセスで製造
することができる。
03が凹部103bを有する点において、実施例3の両
用型液晶表示装置1000と異なる。感光性樹脂層10
3の凹部103bは、例えば、以下の様にして形成する
ことができる。
置1000の製造工程において、3.7μm程度の厚さ
(ポストベーク後の厚さ約3μm)に塗布されたポジ型
の感光性樹脂(JSR社製アクリル樹脂)を、開口部10
4a内(透過領域)の感光性樹脂103の一部(例え
ば、厚さ約1μm)を残すように露光(例えば、露光量
約100mJ)すればよい。後の現像工程を経ることに
よって、所定の深さ(ここでは、約2μm)の凹部10
3bが形成される。
同様にして、液晶表示装置1100の液晶パネルが得ら
れる。ここでは、セルギャップの設定や液晶材料を実施
例3と同じにする。
導電層104R上)の液晶層30の厚さは、プラスチッ
クビーズ径の3μmとなり、透過領域(開口部104a
に対応する領域)では、プラスチックビーズ径の3μm
とポストベーク後の感光性樹脂層103の厚さ約3μm
とを足し、それから開口部104a内の感光性樹脂層1
03の残膜量約1μmを引いた約5μmとなる。このよ
うに、感光性樹脂層103の厚さを調整することによっ
て、表示に用いられる光に対するリタデーション(液晶
厚さd×複屈折率△n)が透過領域と反射領域とでほぼ
一致させることが可能となり、光の利用効率が向上す
る。
ながら、実施例3の液晶表示装置1000における感光
性樹脂層103の開口部103aおよび実施例4の液晶
表示装置1100における感光性樹脂層103の凹部1
03bのエッジ部の構造を説明する。
層103の開口部103aのエッジ部では、感光性樹脂
が存在する領域から存在しない領域へ、連続した膜厚変
化をしながら徐々に変化している。すなわち、開口部1
03aの側面はテーパ状になっている。開口部103a
の側面がテーパ状となるのは、感光性樹脂の感光特性お
よび現像特性による。
部では、図59(a)に示したように、テーパ角θが約
45度のテーパ状側面が形成される。このテーパ状側面
に垂直配向層(不図示)を形成すると、液晶分子30a
はテーパ状側面に対して垂直に配向しようとする。従っ
て、テーパ状側面上の液晶分子30aは、図示したよう
に、電圧無印加時においても、基板の表面に垂直な方向
(基板法線)から傾いた状態となっている。テーパ角が
大きいと、テーパ状側面上の液晶分子30aは、電圧印
加時に生成される斜め電界による傾斜方向とは逆方向に
傾斜していることとなり、放射状傾斜配向が乱れる原因
となる。
は、図59(b)に示したように、開口部104a内の
感光性樹脂層103の一部を残すことで、テーパ状側面
のテーパー角θを小さくできるとともに、開口部104
a内の液晶層30と下層導電層102Tの間に感光性樹
脂103が存在するため、電圧印加時において液晶層3
0に斜め電界が有効に作用し、安定した放射状傾斜配向
が得られる。その結果、ざらつきのない良好な表示品位
を有する液晶表示装置が得られる。
置の絵素電極は、実施例2の透過型液晶表示装置900
と異なり、開口部が絵素電極(上層導電層)のエッジ部
にも形成されている。実施例5の液晶表示装置は、上層
導電層104が有する開口部の配置が異なる以外は、実
施例2の液晶表示装置と実質的に同じ構成を有するの
で、共通する構造の説明をここでは省略する。
を説明する前に、実施例2の液晶表示装置900が有し
得る欠点を説明する。なお、この欠点は、液晶表示装置
の用途によっては問題とならないこともある。
上層導電層104の一部を模式的に示す。上層導電層1
04は、比較的多数の、比較的小さな開口部104aを
有しているとともに、開口部104aは、絵素電極10
5の全体に亘って正方格子状に配列されており、格子点
に位置する4個(2×2)の開口部104aが回転対称
性を有するように配置されている。
層104が有する円形の開口部104a内(領域A)に
位置する液晶層30は、速やかに、開口部104aの中
心SAを中心とする安定な放射状傾斜配向をとる。ま
た、図60の領域Bに示すような、格子点に位置する4
個(2×2)の開口部104aに囲まれる領域の液晶層
30は、電圧の印加によって、格子点に囲まれる正方形
の対角線の交点SAを中心とする安定な放射状傾斜配向
をとる。
な、開口部104aのうちの最も外側(上層導電層10
4のエッジに近い)開口部104aと上層導電層104
のエッジの間に位置する液晶層30は、図60の領域B
に示す4個の格子点に囲まれる領域に比べて、上層導電
層104のエッジ部に生成される斜め電界と、開口部1
04aのエッジ部に生成される斜め電界の対称性が低い
(電界の方向および強度の分布の対称性)ため、安定し
た配向状態が得られない。その結果、表示のざらつき
や、残像などが視認され、表示品位が低下することがあ
る。
00のように上層導電層104のエッジの近く(約5μ
m)に開口部104aを配置し、上層導電層104のエ
ッジ部近傍の、液晶分子の傾斜方向が安定しない領域
(領域C)を狭くすることによって、ある程度解決でき
るが、その領域を表示領域として利用する限り、表示品
位に対して何らかの悪影響を与える。
も近づけて開口部104aを形成すると、上層導電層1
04のエッジ部の斜め電界の影響により、開口部104
a内の液晶層30が安定した放射状傾斜配向をとれなく
なる。従って、上層導電層104のエッジの近傍の液晶
分子の傾斜方向が安定しない領域(領域C)を狭くする
ことにも限界がある。ここで、図60の領域Cに示す、
液晶分子の傾斜方向が安定しない領域を遮光するのも1
つの解決策であるが、開口率の低下を伴うので好ましく
ない。
層導電層104は、図61、図62および図63に模式
的に示したように、上層導電層104のエッジ(辺およ
び角)に開口部104a’を有する。以下に、これらの
図を参照しながら、実施例5の上層導電層104の構造
と、液晶層30に電圧を印加した時の液晶分子の動作と
を説明する。なお、上層導電層104のエッジは、上層
導電層104の外延(最も外側の辺を直線で結んで得ら
れる形状)で規定され、図61、図62および図63で
は、実線で示している。
に、実施例5の液晶表示装置の上層導電層104は、そ
のエッジに開口部104a’を有している。エッジ以外
に設けられた開口部104aのそれぞれは、好ましくは
回転対称性を有する形状(ここでは、円形)を有し、そ
れぞれの大きさは互いに等しい。また、複数の開口部1
04aの中心(回転対称軸の位置)は、回転対称性を有
するように(典型的には、図示したように正方格子状
に)配置されている。また、エッジに形成された開口部
104a’は、開口部104aの中心を上層導電層10
4のエッジに配置したものに相当し、開口部104aと
異なり、回転対称性を有する形状とはならず、その一部
が欠けた形状を有する。例えば、開口部104aが円形
の場合、中心が上層導電層104の辺に位置する開口部
104a’の形状は、図61に示したように半円とな
る。また、中心が上層導電層104の角(角度:90
°)に位置する開口部104a’の形状は、図62に示
したように、4分の1円となる。さらに、上層導電層1
04が矩形の一部を切り欠いた形状を有する場合、切り
欠き部の角(角度:270°)に位置する開口部104
a’は、図63に示したように、4分の3円となる。
設けられた開口部104a’の形状は、回転対称性を有
する形状の一部が欠落した形状なので、正方格子の4つ
の格子点上に中心を有する4つの開口部104aのうち
の少なくとも1つが、エッジに設けられた開口部104
a’を含むと、これらの配置は回転対称性を有しないこ
とになる。しかしながら、開口部104aおよび開口部
104a’の中心が形成する正方格子(正方形)に注目
すると、それぞれの正方形の角部は、4つの開口部10
4aおよび開口部104a’のそれぞれの4分の1円で
占められており、これら4つの開口部104aおよび開
口部104a’の4分の1円は、回転対称性を有するよ
うに配置されている。
る、開口部104aおよび開口部104a’の4分の1
円の部分(これを「サブ開口部」と呼ぶことにする。)
を基準に考えると、上層導電層104のエッジで規定さ
れる領域の全てが、サブ開口部によって規定される、互
いに等価な多数の正方形の領域に分割されていることに
なる。また、互いに隣接する4つのサブ開口部は、1つ
の回転対称性を有する形状(ここでは円形)の開口部1
04aを形成する。なお、上層導電層104の辺を含む
正方形の領域を規定するサブ開口部には、隣接する3つ
のサブ開口部が存在しないので、回転対称性を有する形
状(円形)の一部が欠けた形状の開口部(3/4円、半
円または1/4円)104a’を形成する。
および104a’を配置すると、上層導電層104のエ
ッジで規定される領域(典型的には、画素に対応する)
のうち、エッジに位置する開口部104a’に対応する
領域は対称性の低い形状となるが、その他の領域は、回
転対称性を有する領域(正方形の領域と円形の開口部1
04a)の集合体となる。
104aおよび104a’を有する上層導電層104を
備えた液晶表示装置の液晶層30に電圧を印加すると、
開口部104a内の領域Aおよび開口部104aで包囲
される領域Bだけでなく、開口部104aと開口部10
4a’で包囲される領域C(上層導電層104の辺を含
む(角を含まない)領域)および領域D(上層導電層1
04の角を含む領域)の液晶層30が放射状傾斜配向を
とる。その結果、本実施例5の液晶表示装置において、
電圧印加時に放射状傾斜配向をとる領域の面積は、実施
例2の液晶表示装置900においてよりも広くなり、ざ
らつきや残像等の無い、高品位の表示を実現できる。
ては、上層導電層104のエッジに形成した開口部10
4a’の形状は、開口部104aの4分の3、2分の1
もしくは4分の1としたが、画素ピッチおよび上層導電
層104の大きさによっては、図示したように開口部1
04a’を配置できるとは限らない。このような場合、
電圧印加時に上層導電層104のエッジ部の液晶層30
が安定な放射状傾斜配向をとるのであれば、上層導電層
104のエッジに形成した開口部104a’の形状は、
開口部104aの4分の3、2分の1もしくは4分の1
でなくても構わないし、開口部104a’の中心を回転
対称を有する位置からずらして配置しても構わない。
てに開口部104a’を形成しなくてもよい。特に、光
を透過しないバス配線(信号配線や走査配線)などの構
成要素上に位置する上層導電層104の辺および角に
は、開口部104a’を形成しなくても、実施例2の液
晶表示装置900の表示品位を大幅に向上することがで
きる。
装置と同様に、開口部104a内に位置する液晶層30
に印加される電圧の、感光性樹脂層103による電圧降
下を抑制するために、図34および図35を参照しなが
ら説明したように、一部の開口部104a内に位置する
感光性樹脂層103に凹部または穴を形成しても良い。
したが、上述した開口部104aおよび104a’の配
置は、勿論、透過反射両用型液晶表示装置に適用するこ
とができる。この場合、実施例3および4の透過反射両
用型液晶表示装置と同様に、感光性樹脂層103による
電圧降下を抑制するために、一部の開口部104a内に
位置する感光性樹脂層103に凹部または穴を形成して
も良い。
置の絵素電極(上層導電層)は、実施例5とは異なる配
置の開口部104aを有し、上層導電層のエッジ部の液
晶層30の放射状傾斜配向を安定化している。実施例6
の液晶表示装置は、上層導電層104が有する開口部の
配置が異なる以外は、実施例2および実施例5の液晶表
示装置と実質的に同じ構成を有するので、共通する構造
の説明をここでは省略する。
電層104の一部を示す。図64を参照しながら、実施
例6の上層導電層104の構造と液晶層30に電圧印加
時の液晶分子の動作とを説明する。図64に示したよう
に、上層導電層104が有する開口部104aは正方格
子状に配列されており、格子点に位置する4個(2×
2)の開口部104aが回転対称性を有するように配置
されている。さらに、これらの開口部104aは、この
開口部104aのうち、上層導電層104のエッジに最
も近い開口部104aが、上層導電層104の外側に設
けられた仮想開口部104a’’(実際には存在しな
い)と正方格子を形成し、且つ、その仮想開口部104
a’’のエッジが上層導電層104のエッジに重なるよ
うに、配列されている。
層が形成されていない領域を開口部と見なしたときに、
上層導電層104に形成されている開口部104aとと
もに回転対称性を有する相対配置(ここでは正方格子)
を構成するように、開口部104aが配列されている。
実施例5における開口部(104aと104a’を含
む)の配置との違いは、上層導電層104に形成される
開口部の全てが同じ形状(好ましくは回転対称性を有す
る形状(ここでは円形))を有している点である。
置の液晶層30に電圧を印加すると、上層導電層104
が有する開口部104a内(領域A)に位置する液晶層
30が速やかに安定な放射状傾斜配向をとる。また、開
口部104aは正方格子状に配列されており、格子点に
位置する4個(2×2)の開口部104aが回転対称性
を有するように配置されているので、開口部104aの
間(領域B)に位置する液晶層30も安定な放射状傾斜
配向をとる。さらに、上層導電層104のエッジ部近傍
の領域C(上層導電層104の辺を含む領域)では、格
子点に位置する3個の開口部104aと、それに対応し
た格子点に位置し、上層導電層104のエッジとそのエ
ッジが重なる仮想開口部104a’’(導電層の無い領
域)により、液晶層30は安定な放射状傾斜配向をと
る。また、上層導電層104の角を含む領域Dでは、上
層導電層104の角に最も近い位置にある2個の開口部
104aと、それに対応した格子点に位置し、上層導電
層104のエッジとそのエッジが重なる2個の仮想開口
部104a’’(導電層の無い領域)により、液晶層3
0は安定な放射状傾斜配向をとる。
4の辺に、格子点に位置する仮想開口部104a’’の
エッジが重なるように、開口部104aを形成している
が、画素ピッチおよび上層導電層104の大きさによっ
ては、図示したように開口部104aを配置できるとは
限らない。このような場合、電圧印加時に上層導電層1
04のエッジ部の液晶層30が安定な放射状傾斜配向を
とるのであれば、仮想開口部104a’’のエッジが上
層導電層104のエッジからずれた位置で正方格子を形
成するように開口部104aを形成してもよい。
図65に示した上層導電層104は、図64の上層導電
層104と同様に、格子点に位置する仮想開口部104
a’’が上層導電層104のエッジと重なるように形成
されている。しかしながら、図64において、上層導電
層104のエッジに最も近い開口部104aが他の開口
部104aと同様に回転対称性を有する形状を有してい
たのに対し、図65においては、上層導電層104のエ
ッジに最も近い開口部104a’は、他の開口部104
aの一部が欠落した形状を有している。なお、開口部1
04aの一部が欠落した形状を有するこの開口部104
a’は、実施例5の上層導電層104が有する開口部1
04a’(例えば図61参照)と異なり、その中心は上
層導電層104のエッジよりも内側に位置している。
び104a’を配置しても、図64を参照しながら上述
したのと同様に、電圧印加時に、上層導電層104のエ
ッジ部(領域Cおよび領域D)の液晶層30は安定した
放射状傾斜配向をとる。また、上述したのと同様に、電
圧印加時に上層導電層104のエッジ部の液晶層30が
安定な放射状傾斜配向をとるのであれば、仮想開口部1
04a’’のエッジが上層導電層104のエッジからず
れた位置で正方格子を形成するように開口部104aを
形成してもよい。
置1200は、実施例2の透過型液晶表示装置900と
異なり、上層導電層103と下層導電層102とを電気
的に接続するためのコンタクトホール117aが、複数
の開口部104aの配列が形成する正方格子の格子点に
形成されている。
よび動作を説明する前に、実施例2の液晶表示装置90
0が有し得る欠点を説明する。なお、この欠点は、液晶
表示装置の用途によっては問題とならないこともある。
示装置900の上層導電層104は、比較的に多数の比
較的小さな開口部104aが、絵素電極105の全体に
亘って正方格子状に配列されており、格子点に位置する
4個(2×2)の開口部104aが回転対称性を有する
ように配置されている。従って、液晶層30に電圧を印
加すると、上層導電層104が有する開口部104a内
に位置する液晶層30が速やかに安定な放射状傾斜配向
をとる。また、格子点に位置する4個(2×2)の開口
部104aに囲まれる領域では、液晶層30に電圧を印
加すると、格子点に囲まれる正方形の対角線の交点に中
心を持つ、安定な放射状傾斜配向が得られる。
と重なるように開口部104aを形成すると、その部分
では下層導電層102と上層導電層104との電気的接
続を行うことが出来ないため、コンタクトホール107
aの周辺部の上層導電層104には、開口部104aを
正方格子状に配列することが困難である。従って、コン
タクトホール107aの周辺では、斜め電界の対称性
(電界の方向および強度の分布の対称性)が低いため、
安定した配向状態が得られない。その結果、表示のざら
つきや残像などが視認され、表示品位が低下することが
ある。
線119等のバックライト光が遮光される領域上にコン
タクトホール107aを形成することで、コンタクトホ
ール107aの周辺において、液晶分子の傾斜方向が安
定しない領域をほとんど見えなくすることによって、あ
る程度解決できるが、その領域が光透過部に一部でも存
在する限り、表示品位に対して何らかの悪影響を与え
る。ここで、図53のコンタクトホール107a周辺の
液晶分子の傾斜方向が安定しない領域を完全に遮光する
のも1つの解決策であるが、開口率の低下を伴うの好ま
しくない。
00は、図66および図67に示すすように、開口部1
04aが絵素電極105の全体に亘って正方格子状に配
列されているとともに、コンタクトホール117aがそ
の正方格子の格子点の位置に形成されている。これらの
図を参照しながら、実施例7の液晶表示装置1200の
構造と動作とを説明する。なお、以下の説明では、液晶
表示装置1200の構成要素のうち、実施例2の液晶表
示装置900の構成要素と実質的に同じ機能を有する構
成要素を同じ参照符号で示し、その説明を省略する。ま
た、液晶表示装置1200は液晶表示装置900と実質
的に同じプロセスで製造することができる。
部104aは、絵素電極105の全体に亘って正方格子
状に配列されているとともに、コンタクトホール117
aが格子点の位置に形成されている。また、補助容量配
線119上のバックライト光が透過しない領域にも、上
層導電層104の開口部104aが格子点に形成されて
いる。従って、液晶層30に電圧を印加すると、上層導
電層104が有する開口部104a内に位置する液晶層
30が速やかに安定な放射状傾斜配向をとる。コンタク
トホール117a上に位置する液晶層30も速やかに安
定な放射状傾斜配向をとる。これは、コンタクトホール
117aが、図58に示した実施例4の透過反射両用型
液晶表示装置1100において感光性樹脂層103に形
成された凹部103bと同様に機能するからである。
されており、格子点に位置する4個(2×2)の開口部
104aが回転対称性を有するように配置されているの
で、開口部104aの間に位置する液晶層30も安定な
放射状傾斜配向をとる。さらに、コンタクトホール11
7aと開口部104aは正方格子状に配列されており、
格子点に位置する4個(2×2)の開口部104aとコ
ンタクトホール117aとが回転対称性を有するように
配置されているので、コンタクトホール117aと開口
部104aとの間に位置する、コンタクトホール117
aの近傍の液晶層30も安定な放射状傾斜配向をとる。
1200では、実施例2の液晶表示装置900で見られ
たコンタクトホール107aの周辺での液晶分子の傾斜
方向が安定しない領域を無くすことができ、表示のざら
つき、残像などが視認されない、良好な表示品位の液晶
表示装置が得られる。
トホール117aが開口部104aとなるべく同じよう
に液晶分子に作用するように、コンタクトホール117
aの大きさは開口部104aの大きさと同じであること
が好ましい。特に、コンタクトホール117aが開口部
104aと同じ大きさで同じ形状を有していると、コン
タクトホール117aの周辺部の配向安定性が特に優れ
た液晶表示装置が得られる。但し、画素ピッチや、構造
上の制約から、コンタクトホール117aと開口部10
4aとを同じ大きさおよび同じ形状で形成することが困
難な場合でも、コンタクトホール117aと開口部10
4aとを回転対称性を有するように(典型的には例示し
た正方格子状)に配列することによって、コンタクトホ
ール117aの周辺の液晶層の配向を十分に安定化でき
る。
射両用型液晶表示装置に適用することも可能であり、ま
た、先の実施例と適宜組み合わせることができる。
施例を説明したが、本発明の実施形態1から5の液晶表
示装置を同様に実施できる。
電層と、誘電体層と、下層導電層とを備える2層構造電
極によって、上層導電層の開口部のエッジ部に斜め電界
を生成し、それによって垂直配向性液晶層の液晶分子を
放射状傾斜配向させるので、安定に再現性よく放射状傾
斜配向を形成することができる。従って、本発明による
と表示品位の高い液晶表示装置が提供される。
構成を採用すると、絵素領域全体に亘って安定な放射状
傾斜配向が得られるとともに、応答速度の低下が抑制さ
れた液晶表示装置が提供される。
造)を有する基板と液晶層を介して対向する基板に第2
配向規制構造を設けた構成を採用すると、放射状傾斜配
向をさらに安定化させた液晶表示装置が提供される。配
向を安定化する効果は、2層構造電極の上層導電層の開
口部内に凸部を有する構成を採用することによっても得
られる。
体層に凹部または穴を有する構成において、上層導電層
を反射電極とし、下層導電層を透明電極とする構成を採
用すると、透過モードの表示特性と反射モードの表示特
性がそれぞれ最適化された透過反射両用型液晶表示装置
が提供される。
1つの絵素領域の断面を模式的に示す図である。
実施形態の他の液晶表示装置100’および100’’
の1つの絵素領域の断面を模式的に示す図である。
示装置200の1つの絵素領域を模式的に示す断面図で
ある。
領域を模式的に示す断面図である。
す図である。
る、基板法線方向から見た液晶分子の配向状態を模式的
に示す図である。
状傾斜配向の例を示す模式図である。
図である。
る、基板法線方向から見た液晶分子の配向状態を模式的
に示す図である。
す図である。
の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図である。
相対配置と液晶分子の配向との関係を模式的に示す図で
ある。
対配置と液晶分子の配向との関係を模式的に示す図であ
る。
子の配向との関係を模式的に示す図である。
0Aの1つの絵素領域の構造を模式的に示す図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)中の15B−15B’
線に沿った断面図である。
向の例を模式的に示す図である。
態1の液晶表示装置に用いられる他の絵素電極を模式的
に示す上面図である。
態1の液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を
模式的に示す上面図である。
態1の液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を
模式的に示す上面図である。
いられるさらに他の絵素電極を模式的に示す上面図であ
る。
態1の液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を
模式的に示す上面図である。
単位格子を模式的に示す図であり、(b)は、図20に
示したパターンの単位格子を模式的に示す図であり、
(c)はピッチpと中実部面積比率との関係を示すグラ
フである。
0Bの1つの絵素領域の構造を模式的に示す図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)中の23B−23B’
線に沿った断面図である。
垂直配向性を有する表面の形状との関係を説明するため
の模式図である。
印加した状態を示す図であり、(a)は、配向が変化し
始めた状態(ON初期状態)を模式的に示し、(b)
は、定常状態を模式的に示している。
係が異なる、実施形態2の液晶表示装置400C、40
0Dおよび400Eの模式的な断面図である。
示す図であり、図23(a)中の27A−27A’線に
沿った断面図である。
0Fの1つの絵素領域の構造を模式的に示す図であり、
(a)は上面図、(b)は(a)中の28A−28A’
線に沿った断面図である。
有する対向基板200bを模式的に示す図である。
備える液晶表示装置400Gを模式的に示す図であり、
(a)は上面図であり、(b)は(a)中の30B−3
0B’線に沿った断面図である。
面構造を模式的に示す図であり、(a)は電圧無印加状
態を示し、(b)は配向が変化し始めた状態(ON初期
状態)を示し、(c)は定常状態を示している。
備える他の液晶表示装置400Hを模式的に示す図であ
り、(a)は上面図であり、(b)は(a)中の32B
−32B’線に沿った断面図である。
面構造を模式的に示す図であり、(a)は電圧無印加状
態を示し、(b)は配向が変化し始めた状態(ON初期
状態)を示し、(c)は定常状態を示している。
の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図である。
の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図である。
電極の近傍を拡大した模式的な断面図である。
の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図である。
置150の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図
である。
置550の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図
である。
置650の1つの絵素領域の断面構造を模式的に示す図
である。
における開口部の付近の構造を示す模式図である。
における開口部の付近の構造を示す模式図である。
る液晶分子の配向状態および偏光板の配置を示す図であ
る(電圧無印加状態)。
る液晶分子の配向状態および偏光板の配置を示す図であ
る(電圧印加状態)。
る液晶分子の配向状態、および偏光板およびλ/4板の
配置を示す図である(電圧無印加状態)。
る液晶分子の配向状態、および偏光板およびλ/4板の
配置を示す図である(電圧印加状態)。
る液晶分子の配向状態、および偏光板およびλ/4板の
他の配置を示す図である(電圧無印加状態)。
る液晶分子の配向状態、および偏光板、λ/4板および
λ/2板の配置を示す図である(電圧無印加状態)。
る液晶分子の配向状態、および偏光板、λ/4板および
λ/2板の他の配置を示す図である(電圧無印加状
態)。
800の模式的な断面図である。
800の模式的な平面図である。
的な断面図である。
模式的な断面図である。
たときの絵素領域の様子を模式的に示す図である。
900の模式的な断面図である。
900の模式的な平面図である。
1000の模式的な断面図である。
1000の模式的な平面図である。
的な断面図である。
に電圧印加した時の表示動作を説明するための模式図で
ある。
1100の模式的な断面図である。
103の開口部103aおよび液晶表示装置1100に
おける感光性樹脂層103の凹部103bのエッジ部の
構造を模式的に示す図である。
の上層導電層104の一部を模式的に示す平面図であ
る。
導電層104の辺付近に設けらた開口部の配置を模式的
に示す図である。
導電層104の角付近に設けられた開口部の配置を模式
的に示す図である。
導電層104の切り欠き部付近に設けられた開口部の配
置を模式的に示す図である。
導電層104の開口部の配置を模式に示す図である。
導電層104の開口部の他の配置を模式に示す図であ
る。
0の模式的な平面図である。
0の模式的な断面図である。
F、14G、14H、14I 上層導電層 14a 開口部 15 絵素電極(2層構造電極) 22 対向電極 30 液晶層 30a 液晶分子 50a、50b 偏光板 60a、60b λ/4板 70a、70b λ/2板 100、100’、100’’ 液晶表示装置 100a、400a、400b TFT基板 100b、200b 対向基板 14a 開口部 14b 中実部(導電膜) 14b’ 単位中実部 22 対向電極 30 液晶層 30a 液晶分子 40、40A、40B、40C、40D 凸部 40s 凸部の側面 40t 凸部の頂面 100、100’、100’’ 液晶表示装置 100a、400b TFT基板 100b 対向基板
Claims (34)
- 【請求項1】 第1基板と、第2基板と、前記第1基板
と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、 前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、
前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介
して対向する第2電極とによって、それぞれが規定され
る複数の絵素領域を有し、 前記複数の絵素領域内のそれぞれの液晶層は、前記第1
電極と前記第2電極との間に電圧が印加されていないと
きに垂直配向状態をとり、且つ、前記第1電極と前記第
2電極との間に印加された電圧に応じて配向状態を変化
し、 前記第1電極は、下層導電層と、前記下層導電層の少な
くとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の前記液晶
層側に設けれた上層導電層とを有し、 前記上層導電層は少なくとも1つの第1開口部を有し、
且つ、前記下層導電層は、前記誘電体層を介して前記少
なくとも1つの第1開口部の少なくとも一部と対向する
ように設けられている液晶表示装置。 - 【請求項2】 前記下層導電層は、前記誘電体層を介し
て前記少なくとも1つの第1開口部に対向する領域を含
む領域に設けられている請求項1に記載の液晶表示装
置。 - 【請求項3】 前記少なくとも1つの第1開口部は四角
形である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 前記少なくとも1つの第1開口部は円形
である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。 - 【請求項5】 前記上層導電層が有する前記少なくとも
1つの第1開口部は複数の第1開口部である請求項1か
ら4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】 前記上層導電層が有する前記複数の第1
開口部は、規則的に配置されている請求項5に記載の液
晶表示装置。 - 【請求項7】 前記誘電体層は、前記少なくとも1つの
第1開口部内に、凹部または穴を有する請求項1から6
のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項8】 前記下層導電層は、前記第1開口部に対
向する領域内に第2開口部を有する、請求項1から7の
いずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項9】 前記上層導電層および前記下層導電層の
うちのいずれか一方は透明導電層であり、他方は反射導
電層である、請求項1から8のいずれかに記載の液晶表
示装置。 - 【請求項10】 前記上層導電層が有する前記少なくと
も1つの第1開口部は複数の第1開口部であって、 前記第1電極と前記第2電極との間に印加された電圧に
よって、前記第1電極に形成された前記複数の第1開口
部に対向する領域内の前記液晶層がそれぞれ放射状傾斜
配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成する、請求項
1から9のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項11】 前記第2基板は、前記複数の液晶ドメ
インの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域
に、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を
少なくとも電圧印加状態において放射状傾斜配向させる
配向規制力を発現する配向規制構造をさらに有する、請
求項10に記載の液晶表示装置。 - 【請求項12】 前記配向規制構造は、前記少なくとも
1つの液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けら
れている、請求項11に記載の液晶表示装置。 - 【請求項13】 前記少なくとも1つの液晶ドメイン内
において、前記配向規制構造による配向規制方向は、前
記放射状傾斜配向の方向と整合する、請求項11または
12に記載の液晶表示装置。 - 【請求項14】 前記配向規制構造は、電圧無印加状態
においても、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制
力を発現する、請求項11から13のいずれかに記載の
液晶表示装置。 - 【請求項15】 前記配向規制構造は、前記第2基板の
前記液晶層側に突き出た凸部である、請求項14に記載
の液晶表示装置。 - 【請求項16】 前記配向規制構造は、前記第2基板の
前記液晶層側に設けられた水平配向性の表面を含む、請
求項14に記載の液晶表示装置。 - 【請求項17】 前記配向規制構造は、電圧印加状態に
おいてのみ、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制
力を発現する、請求項11から13のいずれかに記載の
液晶表示装置。 - 【請求項18】 前記配向規制構造は、前記第2電極に
設けられた開口部を含む、請求項17に記載の液晶表示
装置。 - 【請求項19】 前記液晶層を介して互いに対向するよ
うに設けられた一対の偏光板をさらに有し、前記一対の
偏光板はクロスニコル状態に配置されている、請求項1
から18のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項20】 前記液晶層を介して互いに対向するよ
うに設けられた一対の4分の1波長板をさらに有し、前
記一対の4分の1波長板のそれぞれは、前記液晶層と前
記一対の偏光板のそれぞれとの間に配置されている、請
求項19に記載の液晶表示装置。 - 【請求項21】 前記液晶層を介して互いに対向するよ
うに設けられた一対の2分の1波長板をさらに有し、前
記一対の2分の1波長板のそれぞれは、前記一対の偏光
板のそれぞれと前記一対の4分の1波長板のそれぞれと
の間に配置されている、請求項20に記載の液晶表示装
置。 - 【請求項22】 前記一対の4分の1波長板の遅相軸は
互いに直交するように配置されている、請求項20また
は21に記載の液晶表示装置。 - 【請求項23】 前記一対の2分の1波長板の遅相軸は
互いに直交するように配置されている、請求項20から
22のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項24】 前記複数の絵素領域内のそれぞれの前
記液晶層は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加
された電圧によって渦巻き配向状態をとる請求項20か
ら23のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項25】 前記複数の絵素領域内のそれぞれの前
記液晶層は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加
された電圧によって前記液晶層に沿ったツイスト配向状
態をとる微小領域を含む、請求項24に記載の液晶表示
装置。 - 【請求項26】 前記第1基板は、前記複数の絵素領域
のそれぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさら
に有し、 前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前
記アクティブ素子によってスイッチングされる絵素電極
であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に対向す
る少なくとも1つの対向電極である請求項1から25の
いずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項27】 第1基板と、第2基板と、前記第1基
板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、 前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、
前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介
して対向する第2電極とによって、それぞれが規定され
る複数の絵素領域を有し、 前記第1電極は、下層導電層と、前記下層導電層の少な
くとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の前記液晶
層側に設けれた上層導電層とを有し、 前記複数の絵素領域のそれぞれにおいて、前記上層導電
層は、複数の開口部と中実部とを有し、前記液晶層は、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されて
いないときに垂直配向状態をとり、且つ、前記第1電極
と前記第2電極との間に電圧が印加されたときに、前記
上層導電層の前記複数の開口部のエッジ部に生成される
斜め電界によって、前記複数の開口部または前記中実部
に、それぞれが放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ド
メインを形成し、印加された電圧に応じて前記複数の液
晶ドメインの配向状態が変化することによって表示を行
う、液晶表示装置。 - 【請求項28】 前記複数の開口部の少なくとも一部の
開口部は、実質的に、等しい形状で等しい大きさを有
し、回転対称性を有するように配置された少なくとも1
つの単位格子を形成する、請求項27に記載の液晶表示
装置。 - 【請求項29】 前記複数の開口部の前記少なくとも一
部の開口部のそれぞれの形状は、回転対称性を有する、
請求項28に記載の液晶表示装置。 - 【請求項30】 前記複数の開口部の前記少なくとも一
部の開口部のそれぞれは略円形である請求項28または
29に記載の液晶表示装置。 - 【請求項31】 前記中実部は、前記少なくとも一部の
開口部にそれぞれが実質的に包囲された複数の単位中実
部を有し、前記複数の単位中実部のそれぞれは略円形で
ある、請求項28から30のいずれかに記載の液晶表示
装置。 - 【請求項32】 前記複数の絵素領域のそれぞれにおい
て、前記第1電極の前記複数の開口部の面積の合計は、
前記第1電極の前記中実部の面積より小さい、請求項2
7から31のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項33】 前記複数の開口部のそれぞれの内側に
凸部をさらに備え、前記凸部の前記第1基板の面内方向
の断面形状は、前記複数の開口部の形状と同じであり、
前記凸部の側面は、前記液晶層の液晶分子に対して、前
記斜め電界による配向規制方向と同じ方向の配向規制力
を有する、請求項27から32のいずれかに記載に液晶
表示装置。 - 【請求項34】 前記第1基板は、前記複数の絵素領域
のそれぞれに対応して設けられたアクティブ素子をさら
に有し、 前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前
記アクティブ素子によってスイッチングされる絵素電極
であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に対向す
る少なくとも1つの対向電極である請求項27から33
のいずれかに記載の液晶表示装置。
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