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JP2002053805A - 被膜形成用組成物 - Google Patents

被膜形成用組成物

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JP2002053805A
JP2002053805A JP2000237490A JP2000237490A JP2002053805A JP 2002053805 A JP2002053805 A JP 2002053805A JP 2000237490 A JP2000237490 A JP 2000237490A JP 2000237490 A JP2000237490 A JP 2000237490A JP 2002053805 A JP2002053805 A JP 2002053805A
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JP
Japan
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group
composition
film
refractive index
fluorinated
Prior art date
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Application number
JP2000237490A
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English (en)
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Kazuyuki Matsumura
和之 松村
Masaaki Yamatani
正明 山谷
Mitsuo Asai
光雄 浅井
Kazuharu Sato
和治 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 フッ化アルキル基含有アルコキシシラン
化合物又はこのフッ化アルキル基含有アルコキシシラン
化合物とシラン化合物との混合物100重量部に対し、
水200〜2,000重量部の比率で加水分解・縮合反
応して得られるフロロオルガノポリシロキサン樹脂を含
有することを特徴とする被膜形成用組成物。 【効果】 本発明の組成物によれば、ガラス、セラミッ
クス、金属及びプラスチックなど各種基材に対する密着
性、耐擦過傷性、耐候性、防汚染性、撥水性、反射防止
性能に優れ、屈折率が低くて透明な硬化被膜を効率的に
形成することができる。本発明の組成物は、耐候性を必
要とする外装用塗料、ハードコート材、防湿コート材、
反射防止コート材として好適に用いることができ、ガラ
ス、プラスチックなどの透明な基材を被覆して光学部品
を構成するコート材として特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被膜形成用組成物に
関し、更に詳しくは、各種基材に対する密着性、耐擦過
傷性、耐候性、撥水性、防汚染性及び指紋付着防止性に
優れ、屈折率の低い透明な硬化被膜を効率よく形成する
ことができる被膜形成用組成物及びこの組成物の硬化被
膜が形成された物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
例えば外装用塗料による塗膜、ハードコート膜、防湿コ
ート膜、反射防止コート膜などのポリマー被膜には、基
材に対する密着性、耐擦過傷性、耐候性、撥水性、防汚
染性、低屈折率性など、諸特性が要求される。
【0003】最近では、建築外装用塗料などを始めとす
る各種の分野において、良好な耐候性などが発現される
ことから、フッ素原子を含有するポリマー材料が注目さ
れている。また、このようなポリマー材料において、フ
ッ素原子の含有割合を増加させることにより、材料の低
屈折率化を図ることが検討されている。
【0004】しかしながら、フッ素原子を含有するポリ
マーは、その溶解度パラメータが他の有機材料と著しく
異なり、また、分子間凝集力が小さいという特性を有す
る。このため、ポリマー材料を調製する際に使用できる
溶剤の種類が限定され、また、基材表面に被膜を形成す
る場合において、基材に対する密着力や被膜の硬度が低
く、しかも、十分な透明性を確保することができないな
どの問題を有している。これらの問題を解決するため
に、下記のような技術が提案されている。 (1)特開昭61−258852号公報 フルオロオレフィンと、ビニルエーテルと、ビニルアル
コキシシランとを共重合させることにより、接着性の良
好なフッ素系重合体を得る方法。 (2)特開昭62−185740号公報 アミノ基及びカルボキシル基を有するフルオロオレフィ
ン系共重合体と、エポキシ官能性アルコキシシランと、
シラノール基含有化合物とにより、耐候性及び硬化性の
良好な組成物を得る方法。 (3)特開平4−275379号公報 ヒドロキシ基及びカルボキシ基を有するフッ素含有重合
体と、金属アルコキシドの加水分解縮合物とにより、耐
候性、耐擦過傷性及び耐酸性の良好な自動車用の上塗り
塗料を得る方法。 (4)特開昭61−40845号公報、特開昭64−1
527号公報 フッ素化アルコキシシランの加水分解物を利用して反射
防止製品を作製する方法。 (5)特開平2−19801号公報、特開平4−226
177号公報 含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーが溶剤に溶解さ
れてなる組成物を低反射加工剤として使用する方法。 (6)特開平10−147740号公報 官能基含有フッ素重合体とシラン化合物及び金属触媒に
より低屈折率被膜を作製する方法。 (7)特開2000−119634号公報 フッ素シラン化合物と多官能有機珪素化合物或いはその
加水分解物とをブレンドして防汚染性組成物として使用
する方法。
【0005】上記のような各種の方法が提案されている
が、特開昭61−258852号公報、特開昭62−1
85740号公報及び特開昭64−1527号公報に開
示の方法では、形成された塗膜を長時間にわたって乾燥
処理する必要があり、生産効率の観点から問題がある。
また、特開昭61−40845号公報及び特開平4−2
75379号公報に開示の技術では、高温条件下で乾燥
処理を行うために、適用可能な基材の種類が制限される
という問題がある。特開平2−19801号公報に開示
の技術では、組成物を構成する溶剤の種類が限定され、
また、形成される被膜が十分な耐擦過傷性を有するもの
とならないという問題がある。特開平10−14774
0号公報の方法では製造工程が煩雑であり、高コストで
ある。また屈折率も今一つ下がらないという問題点があ
った。特開2000−119634号公報では、単にフ
ッ素シラン化合物と多官能有機珪素化合物或いはその加
水分解物とをブレンドしているだけなので、硬さや耐擦
過傷性、耐候性、撥水性が得られにくく、屈折率の低下
も今一つであり、また厚膜化できないなどの問題点があ
った。
【0006】以上のように、従来においては、基材に対
する密着性、耐擦過傷性、耐候性、撥水性、防汚染性、
低屈折率性及び透明性の全てについて良好な硬化被膜を
効率的に形成することができる被膜形成用組成物は知ら
れていない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、基材に対する密着性、耐擦過傷性、耐候性、撥水
性、防汚染性、低屈折率性及び透明性に優れた保護被膜
を形成することができる被膜形成用組成物及びこの組成
物の硬化被膜を有する物品を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、被膜形成用組成物として(1)フッ化アルキル基含
有アルコキシシラン化合物又はこれと(2)シラン化合
物とを過剰の水中又は含フッ素系溶媒中で加水分解・縮
合反応させることにより得られた反応生成物を使用する
ことが有効であることを知見した。
【0009】即ち、本発明者は基材に対する密着性、耐
擦過傷性、耐候性、撥水性、防汚染性、低屈折率性及び
透明性の全てについて良好な硬化被膜を効率的に形成す
ることができる被膜形成用組成物について種々検討した
結果、(1)フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化
合物又はこれと(2)シラン化合物とを過剰の水中で加
水分解・縮合反応させることにより得られた反応生成物
を使用したところ、基材に対する密着性、耐擦過傷性、
耐候性、撥水性、防汚染性、低屈折率性及び透明性の全
てについて良好な硬化被膜を得ることが可能となること
を見出した。
【0010】通常異なる2種類のシラン化合物による反
応物は共にアルコキシド体を用いて、少量の水により、
場合によってはこれに非含フッ素系有機溶媒を加えて、
加水分解・縮合反応により作製するのが常である。しか
し、フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物は加
水分解速度が他のアルコキシシラン化合物よりも遅く、
単に、両者を少量の水で加水分解しても、うまく共加水
分解物を得ることができず、フッ化アルキル基をシロキ
サン中にうまく組み込むことができなかった。それ故、
反応液が層分離を起こしたり、溶剤に溶解しなかった
り、また膜性も悪く、屈折率も1.42以下にすること
はできず、更にはうまく加水分解ができたとしても、剛
直で大きなフッ化アルキル基を持つために、その疎水性
を維持しながらより安定な状態を維持するためか、生成
するシロキサン化合物が環状或いはかご状構造を生成し
易く、これを膜にしても、ヨリやユズ肌状となり、うま
くいかないという欠点があった。
【0011】そこで、本発明者は、発想を転換し、過剰
の水中又は含フッ素系溶媒中でフッ化アルキル基含有ア
ルコキシシラン化合物とシラン化合物との加水分解・縮
合反応を試みたところ、フッ化アルキル基含有アルコキ
シシラン化合物をうまく組み込むことが可能となり、そ
れにより作製した膜は良好な造膜性や低屈折率であるこ
とを見出し、更に詳細に検討して本発明を完成させた。
【0012】従って、本発明は、下記一般式(1)で示
されるフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物又
はこの式(1)のフッ化アルキル基含有アルコキシシラ
ン化合物と下記一般式(2)で示されるシラン化合物と
の混合物100重量部に対し、水200〜2,000重
量部の比率で加水分解・縮合反応して得られるフロロオ
ルガノポリシロキサン樹脂を含有することを特徴とする
被膜形成用組成物、及び、下記一般式(1)で示される
フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物又はこの
式(1)のフッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合
物と下記一般式(2)で示されるシラン化合物との混合
物を含フッ素系溶媒中で加水分解・縮合反応して得られ
るフロロオルガノポリシロキサン樹脂を含有することを
特徴とする被膜形成用組成物を提供する。また、本発明
は、上記組成物の硬化被膜を有する物品を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の被膜形成用組成物は、(1)下記式(1)のフ
ッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物又はこのシ
ラン化合物と(2)下記式(2)のシラン化合物或いは
その部分加水分解物との混合物を、過剰の水中、又は含
フッ素系溶媒中で加水分解・縮合反応して得られるフロ
ロオルガノポリシロキサン樹脂を含有するもので、基材
に対する密着性、耐擦過傷性、耐候性、撥水性、防汚染
性、低屈折率性及び透明性に優れた硬化被膜を形成する
ことができるものである。
【0014】本発明の組成物を構成する成分(1)のフ
ッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物及び成分
(2)のシラン化合物について以下に説明する。フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物 フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物は、下記
一般式(1)で示されるものである。
【化3】 (式中、Rfは、
【化4】 (nは1〜20の整数、mは1以上、好ましくは1〜2
0、特に1〜10の整数)で表されるエーテル結合を1
個以上含んでいてもよいポリフルオロアルキル基を示
し、Xは−CH2−、−CH2O−、−NR3−、−CO
O−、−CONR3−、−S−、−SO3−又はSO2
3−(R3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基)
の1種又は2種以上の結合基を示し、R1は炭素数1〜
4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。aは0〜3の整数、bは1〜3の整数、cは0又は
1である。)
【0015】Rfは、Cn2n+1又はCF3CF2CF2
(CFCF3CF2O)mCFCF3−(n,mは上記の通
り)であり、Cn2n+1としては、CF3−、C25−、
37−、C49−、C613−、C817−、C1021
−、C1225−、C1429−、C1633−、C18
37−、C2041−などが挙げられる。
【0016】このような一般式(1)のアルコキシシラ
ン化合物としては、下記のものを例示することができ
る。 Rf(CH22Si(OCH33 Rf(CH22SiCH3(OCH32 Rf(CH22Si(CH32(OCH3) Rf(CH22Si(OCH2CH33 Rf(CH22SiCH3(OCH2CH32 Rf(CH22Si(CH32(OCH2CH3) Rf(CH23Si(OCH33 Rf(CH23SiCH3(OCH32 Rf(CH23Si(CH32(OCH3) Rf(CH23Si(OCH2CH33 Rf(CH23SiCH3(OCH2CH32 Rf(CH23Si(CH32(OCH2CH3) RfNH(CH22Si(OCH33 RfNH(CH22SiCH3(OCH32 RfNH(CH22Si(CH32(OCH3) RfNH(CH22Si(OCH2CH33 RfNH(CH22SiCH3(OCH2CH32 RfNH(CH22Si(CH32(OCH2CH3) RfNH(CH22NH(CH22Si(OCH33 RfNH(CH22NH(CH22SiCH3(OC
32 RfNH(CH22NH(CH22Si(CH32(O
CH3) RfNH(CH22NH(CH22Si(OCH2
33 RfNH(CH22NH(CH22SiCH3(OCH2
CH32 RfNH(CH22NH(CH22Si(CH32(O
CH2CH3) RfCONH(CH22Si(OCH33 RfCONH(CH22SiCH3(OCH32 RfCONH(CH22Si(CH32(OCH3) RfCONH(CH22Si(OCH2CH33 RfCONH(CH22SiCH3(OCH2CH32 RfCONH(CH22Si(CH32(OCH2
3) RfSO2NH(CH22Si(OCH33 RfSO2NH(CH22SiCH3(OCH32 RfSO2NH(CH22Si(CH32(OCH3) RfSO2NH(CH22Si(OCH2CH33 RfSO2NH(CH22SiCH3(OCH2CH32 RfSO2NH(CH22Si(CH32(OCH2CH
3
【0017】好ましいものとして下記のものが挙げられ
る。 CF3(CH22Si(OCH33 CF3(CH22SiCH3(OCH32 CF3(CH22Si(CH32(OCH3) CF3(CH22Si(OCH2CH33 CF3(CH22SiCH3(OCH2CH32 CF3(CH22Si(CH32(OCH2CH3) C817(CH22Si(OCH33817(CH22SiCH3(OCH32817(CH22Si(CH32(OCH3) C817(CH22Si(OCH2CH33817(CH22SiCH3(OCH2CH32817(CH22Si(CH32(OCH2CH3) C37(CF(CF3)CF2O)3CF(CF3)CH2
O(CH23Si(OCH33 これらのアルコキシシラン化合物は1種を単独で又は2
種以上の混合物として使用することができる。
【0018】シラン化合物 シラン化合物は下記一般式(2)で示されるものであ
る。 R4 dSi(OR54-d (2) (式中、R4は炭素数1〜10の有機基、R5は炭素数1
〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アル
コキシアルキル基又はアシル基を示す。dは0〜3、好
ましくは0〜2の整数である。)
【0019】ここで、R4は炭素原子数1〜10のアル
キル基、アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、
(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基、
シアノ基置換アルキル基、アリール基、アルケニル基等
のエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト
基、アミノ基、シアノ基等を有する有機基を表す。具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロヘキシ
ル基などのアルキル基、フェニル基、フェネチル基など
のアリール基、ビニル基、アリル基、9−デセニル基、
p−ビニルベンジル基などのアルケニル基、3−グリシ
ドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチル基、9,10−エポキシデシル基などのエ
ポキシ基含有有機基、γ−メタクリルオキシプロピル
基、γ−アクリルオキシプロピル基などの(メタ)アク
リルオキシ基含有有機基、γ−メルカプトプロピル基、
p−メルカプトメチルフェニルエチル基などのメルカプ
ト基含有有機基、γ−アミノプロピル基、(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピル基などのアミノ基含有有
機基、β−シアノエチル基などのシアノ基含有有機基な
どを例示することができる。
【0020】R5は炭素原子数1〜10のアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アルコキシアルキル基又は
アシル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フ
ェニル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセ
チル基などが例示される。
【0021】これらのシラン化合物の具体例としては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メ
チルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリブ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリ
イソプロペノキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノ
エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエ
トキシシラン等のトリアルコキシ又はトリアシルオキシ
シラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジプロポキ
シシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチ
ルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセト
キシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)
シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アク
リルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチル
ジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチ
ルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン又は
ジアシルオキシシラン類;メチルシリケート、エチルシ
リケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケ
ート、sec−ブチルシリケート及びt−ブチルシリケ
ート等のテトラアルコキシシラン類などを挙げることが
できる。
【0022】特に紫外線、電子線などで硬化させて被膜
を形成させようとする場合は、アクリロイル基又はメタ
クリロイル基を有する有機基を持つシラン化合物が好ま
しく、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、スチ
リルトリメトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシ
ランなどが挙げられる。なお、これらのシラン化合物を
部分加水分解したものを使用してもよい。
【0023】更にこれらのシラン化合物或いは部分加水
分解物は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用
することができる。
【0024】上記フッ化アルキル基含有アルコキシシラ
ン化合物(1)とシラン化合物(2)の配合比率は、成
分(1)100重量部に対し、成分(2)0〜1,00
0重量部であることが好ましい。より好ましくは、成分
(2)が0〜300重量部である。この成分(2)の比
率が1,000重量部を超えると、硬化被膜の低屈折率
性が悪化する場合がある。なお、成分(2)を配合する
場合、その効果を有効に発揮させるためには、5重量部
以上配合することが好ましい。
【0025】本発明におけるフッ化アルキル基含有アル
コキシシラン化合物とシラン化合物との加水分解・縮合
反応の条件について以下に説明する。
【0026】まず、過剰の水で加水分解・縮合反応を行
う場合、フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物
(1)又はこれとシラン化合物(2)との混合物100
重量部に対して、水が200〜2,000重量部の範囲
とする。特に好ましくは300〜1,000重量部であ
る。2,000重量部よりも多いと、得られるポットイ
ールドが小さくなり、経済的に不利である。200重量
部よりも少ないと、(共)加水分解がうまくいかず、フ
ッ化アルキル基含有シリル部位の組み込み量が低下する
ため、基材に対する密着性や低屈折率性が悪くなる。
【0027】この反応を行う際は、非フッ素系有機溶剤
を添加して反応を行ってもよい。用いる有機溶剤の具体
例としては、ジアセトンアルコール、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセ
トン、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン等
が挙げられる。
【0028】上記フッ化アルキル基含有アルコキシシラ
ン化合物(1)又はこれとシラン化合物(2)との加水
分解・縮合反応を行う際、系内を酸性下或いはアルカリ
性下で加水分解・縮合を行わせるとよい。特に好ましく
はpH1〜7の酸性〜弱酸性下で行うのがよい。
【0029】そのために従来公知の酸性触媒或いは塩基
性触媒の使用が可能である。酸性触媒としては酸性のハ
ロゲン化水素、カルボン酸、スルフォン酸、固体酸触媒
などが好ましい。具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、酢
酸、マレイン酸、酸性系イオン交換樹脂触媒などが挙げ
られる。また、塩基性触媒としてはアミン系のものが好
ましい。具体例としてはアンモニア、ジメチルアミン、
ジエチルアミンなどが挙げられる。
【0030】この加水分解・縮合反応は20〜120℃
の温度範囲で1〜30時間反応させるのが好ましい。よ
り好ましくは20〜60℃で5〜20時間反応を行う。
【0031】本発明のフロロオルガノポリシロキサン樹
脂が固体で生成する場合は、濾過等の常法により取り出
し、乾燥することにより得ることができる。また、本発
明のフロロオルガノポリシロキサン樹脂が液状の場合、
そのまま分液により取り出してもよいし、この樹脂が溶
解し、水に非溶解性の溶剤を用いて抽出し、溶液化して
から取り出してもよい。
【0032】また、加水分解・縮合反応を含フッ素系溶
媒中で行う場合、本発明において使用される含フッ素系
溶媒は、非プロトン性含フッ素系溶媒とプロトン性含フ
ッ素系溶媒がある。なお、ここでいう非プロトン性含フ
ッ素系溶媒とは、通常の反応条件下には解離せずプロト
ンを生じない含フッ素溶媒である。プロトン性含フッ素
系溶媒とは含フッ素アルコールなどの解離してプロトン
を生じ易い含フッ素溶媒である。
【0033】本発明で用いる非プロトン性含フッ素溶媒
とは、通常の反応条件下には解離せずプロトンを生じな
い溶媒であり、非プロトン性含フッ素溶媒は、シラン化
合物を溶解できるものが好ましい。更に、成形時に溶媒
が大気中に放出される場合を考慮すると、環境への配慮
から非プロトン性含フッ素溶媒は塩素原子を含有しない
含フッ素溶媒が好ましい。特に、水素原子、フッ素原
子、炭素原子、酸素原子からなる含フッ素溶媒、水素原
子、フッ素原子、炭素原子、窒素原子からなる含フッ素
溶媒、又は水素原子、フッ素原子、炭素原子からなる含
フッ素溶媒であることが好ましい。また、取り扱い上の
便利さから、通常は沸点が30〜200℃の非プロトン
性含フッ素溶媒又はその混合物が用いられる。
【0034】非プロトン性含フッ素溶媒の具体例を以下
に挙げるが、これらに限定されない。これらの非プロト
ン性含フッ素溶媒は単独で又は2種以上の混合物として
使用できる。
【0035】ペルフルオロベンゼン、ペンタフルオロベ
ンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなど
の含フッ素芳香族炭化水素類、ペルフルオロデカリン、
ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロ(1,3,
5−トリメチルシクロヘキサン)などの含フッ素脂環族
炭化水素類、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフル
オロトリプロピルアミンなどの含フッ素アルキルアミン
類、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)な
どの含フッ素環状エーテル類、フッ素含有低分子量ポリ
エーテルなどの含フッ素ポリエーテル類、ビス(ヘプタ
フルオロイソプロピル)ケトンなどの含フッ素ケトン
類、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペ
ルフルオロデカン、ペルフルオロドデカン、ペルフルオ
ロ(2,7−ジメチルオクタン)、3,3−ジクロロ−
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3
−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロ
パン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルヘキサン)、ペ
ルフルオロ(1,3−ジメチルヘキサン)、2H,3H
−ペルフルオロペンタン、1H−ペルフルオロヘキサ
ン、1H−ペルフルオロオクタン、1H−ペルフルオロ
デカン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロ
ヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオ
ロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフル
オロデカン、3H,4H−ペルフルオロ−2−メチルペ
ンタン、2H,3H−ペルフルオロ−2−メチルペンタ
ンなどの含フッ素脂肪族炭化水素類などが例示される。
【0036】プロトン性含フッ素溶媒は、含フッ素アル
コールなどの解離してプロトンを生じ易い含フッ素溶媒
である。シラン化合物の溶解性を上げるためなどの理由
で、非プロトン性含フッ素溶媒中にプロトン性含フッ素
溶媒を併用してもよいし、或いはプロトン性含フッ素溶
媒を単独使用してもよい。この場合、プロトン性含フッ
素溶媒はシラン化合物のアルコキシ基とアルコキシ交換
を起こす可能性があり、一旦交換してしまうと加水分解
されにくくなるため、プロトン性含フッ素溶媒の種類に
よっては共加水分解がうまくいかないこともあるので、
プロトン性含フッ素溶媒を非プロトン性含フッ素溶媒と
併用する場合は、目的に応じてその種類や量を調整する
ことが好ましい。
【0037】プロトン性含フッ素溶媒を使用する場合、
非プロトン性含フッ素溶媒とプロトン性含フッ素溶媒の
混合比率は両者の合計に対してプロトン性含フッ素溶媒
0.01〜50重量%が好ましく、特に0.1〜30重
量%が好ましい。
【0038】プロトン性含フッ素溶媒としては含フッ素
アルコールが最も好ましく、含フッ素アルコールとして
は例えば以下のような化合物が使用できる。
【0039】(CF32CHOH、F(CF2f(CH
2gOH[f=1〜12、g=1〜5]、(CF32
F(CF2h(CH2iOH[h=1〜10、i=1〜
5]、F(CF(CF3)CF2O)jCF(CF3)CH
2OH[j=1〜4]。
【0040】含フッ素アルコール類以外のプロトン性含
フッ素溶媒としては、例えば含フッ素カルボン酸類、含
フッ素カルボン酸アミド類、含フッ素スルホン酸類など
を使用できる。具体的な化合物としては、例えば以下の
ような化合物が挙げられる。
【0041】トリフルオロ酢酸、ペルフルオロプロパン
酸、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、
ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペ
ルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフ
ルオロデカン酸、3H−テトラフルオロプロパン酸、5
H−オクタフルオロペンタン酸、7H−ドデカフルオロ
ヘプタン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナン酸、これ
ら含フッ素カルボン酸類のアミド、トリフルオロメタン
スルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸等
である。
【0042】本発明におけるフッ化アルキル基含有アル
コキシシラン化合物又はこれとシラン化合物との加水分
解・縮合反応の条件について以下に説明する。
【0043】フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化
合物(1)又はこれとシラン化合物(2)との混合物1
00重量部に対して、含フッ素系溶媒50〜2,000
重量部の範囲が好ましい。特に好ましくは100〜1,
000重量部である。2,000重量部よりも多いと得
られるポットイールドが小さくなり、経済的に不利であ
る。50重量部よりも少ないと、シラン化合物を含フッ
素系溶媒で溶かし込むのに不十分な場合が発生し、加水
分解がうまくいかなくなることがある。
【0044】この反応を行う際は、反応を阻害しない範
囲で非フッ素系有機溶剤を添加して反応を行ってもよ
い。用いる非フッ素系有機溶剤の具体例としては、ジア
セトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、アセチルアセトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、キシレン、トルエン等が挙げられる。
【0045】上記フッ化アルキル基含有アルコキシシラ
ン化合物(1)又はこれとシラン化合物(2)との混合
物の加水分解・縮合反応を行う際、系内を酸性下、或い
はアルカリ性下で加水分解・縮合を行わせるとよい。そ
のために従来公知の酸性触媒或いは塩基性触媒の使用が
可能である。酸性触媒としては酸性のハロゲン化水素、
カルボン酸、スルフォン酸、固体酸触媒などが好まし
い。具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸、酸性系イオン交換樹脂触媒などが挙げられる。ま
た、塩基性触媒としてはアミン系のものが好ましい。具
体例としてはアンモニア、ジメチルアミン、ジエチルア
ミンなどが挙げられる。
【0046】なお、含フッ素系溶媒中で加水分解を行う
場合の水の量は、成分(1)又は成分(1)と成分
(2)との合計のアルコキシ基のモル数以上であればよ
い。
【0047】この加水分解・縮合反応は20〜120℃
の温度範囲で1〜30時間反応させるのが好ましい。よ
り好ましくは20〜80℃で5〜20時間反応を行う。
【0048】生成して得られる本発明のフロロオルガノ
ポリシロキサン樹脂が含フッ素系溶媒に溶解している場
合は、残存水分を乾燥した後、そのまま溶液で使用して
もよいし、含フッ素系溶媒を揮発させ単離して使用して
もよいし、更にこれを他の非フッ素系有機溶剤に溶解し
たものを使用してもよい。また、本発明のフロロオルガ
ノポリシロキサン樹脂が含フッ素系溶媒と層分離を起こ
した場合は、フロロオルガノポリシロキサン樹脂層をそ
のまま分液により取り出して使用してもよいし、更にこ
こから含フッ素系溶媒を揮発除去し、単離して使用して
もよいし、更にこれを他の非フッ素系有機溶剤に溶解し
たものを使用してもよい。
【0049】本発明の被膜形成用組成物には、上記必須
構成成分(フロロオルガノポリシロキサン樹脂)以外
に、有機系或いはシリコーン系のバインダー樹脂、無機
微粒子、有機溶剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの
任意成分が含まれていてもよい。以下、これらの成分に
つき説明する。
【0050】(a)無機微粒子:本発明の組成物に添加
される無機微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微
粒子などの金属酸化物微粒子が好ましく、コロイダルシ
リカが特に好ましい。本発明の組成物に無機微粒子を含
有させることにより、形成される硬化被膜の耐擦過傷性
を更に向上させることができる。
【0051】無機微粒子として好適なコロイダルシリカ
は、その平均粒子径が0.001〜0.1μmであるこ
とが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.05μ
mとされる。コロイダルシリカの平均粒子径が0.1μ
mを超える場合には、調製される組成物によって形成さ
れる硬化被膜の透明性が低下する傾向がある。
【0052】コロイダルシリカの添加量は、上記フロロ
オルガノポリシロキサン樹脂100重量部あたり、固形
分換算で5〜80重量部であり、好ましくは10〜50
重量部である。コロイダルシリカの添加量が80重量部
を超える場合には、調製される組成物によって形成され
る硬化被膜の透明性が低下する傾向がある。コロイダル
シリカは、通常、分散媒中に分散された状態で使用され
る。ここで、分散媒としては、水及び有機溶剤を挙げる
ことができる。コロイダルシリカの分散媒として水を使
用する場合には、当該分散媒のpHが2〜10、好まし
くは3〜7に調整されていることが好ましい。
【0053】コロイダルシリカの分散媒として好適な有
機溶剤としては、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテルなどのアルコール類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドンなどのアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
γ−ブチロラクトンなどのエステル類、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類を挙げるこ
とができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が
好ましい。これら有機溶剤は、単独で又は2種以上を混
合して分散媒として使用することができる。
【0054】このコロイダルシリカを含有させた被膜形
成用組成物には、最適の耐磨耗性が得られるように、緩
衝液及び硬化触媒を添加することが好ましい。
【0055】硬化触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、メ
タンスルホン酸のような酸触媒、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、ナトリウムメチラート、カリウムメチラ
ート、アンモニア、ジメチルアミン、エチルアミン、ト
リエチルアミン、DBU、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、酢酸エタノールアミン、蟻酸ジメチルアニ
リン、安息香酸、テトラエチルアンモニウム塩、酢酸ナ
トリウム、プロピオン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、
酢酸ベンゾイルトリメチルアンモニウム塩などのアルカ
リ触媒、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−
ブトキシチタン、テトラブトキシジルコニウム、ジブト
キシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン、
ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネー
ト)チタンテトラ−i−プロポキシジルコニウム、ジブ
トキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコ
ニウム、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタン
ジオネート)ジルコニウム、アルミニウムトリイソブト
キシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニ
ウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセ
チルアセトナート、亜鉛オクチレート、亜鉛アセチルア
セトナート、鉄アセチルアセトナート、スズアセチルア
セトナート、ジブチルスズオクチレート、ジブチルスズ
ラウレート等が挙げられる。この硬化触媒の添加量はコ
ロイダルシリカを含有させた被膜形成用組成物の固形分
100重量部に対して0.02〜0.4重量部の使用が
好ましい。
【0056】また、系内のpHをシラノール基が安定に
存在し易いpH2〜7、特に好ましくはpH3〜6に制
御することが、安定性を確保する観点から好ましい。p
Hを調整するための緩衝剤となる酸・塩基性化合物の組
み合わせ、例えば、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸水素
二ナトリウム−クエン酸などを添加してもよい。
【0057】(b)有機溶剤:本発明の組成物を構成す
る有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル類、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジアセトン
アルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンな
どの炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、カルビトールなどのエーテル類、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートなどのグリコール類を挙げ
ることができる。
【0058】(c)紫外線吸収剤:本発明の被膜形成用
組成物には弊害を及ぼさない範囲で通常の紫外線吸収剤
を加えてもよい。無機酸化物ゾル、或いは主骨格がヒド
ロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シア
ノアクリレート系、トリアジン系である化合物誘導体な
どの有機化合物が好ましい。更に側鎖にこれら紫外線吸
収剤を含有するビニルポリマーなどの重合体でもよい。
具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの
無機酸化物ゾルからなる無機系紫外線吸収剤、或いは、
2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−
ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−ベンジロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエト
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5
−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)
−4,6−ジフェニルトリアジン、4−(2−アクリロ
キシエトキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの重合
体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエ
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの重合体等
の有機系紫外線吸収剤が例示される。なお、これらの紫
外線吸収剤は2種以上併用してもよい。
【0059】本発明の組成物を基材表面にコーティング
する方法としては、ディッピング法、スピンコート法、
フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、
スクリーン印刷法など特に限定されるものではないが、
膜厚の制御を容易に行うことができることから、スプレ
ー法及びロールコート法が好ましい。
【0060】基材表面にコーティングされた本発明の組
成物による塗膜は、 (1)基材の変形温度以下の温度でキュアーし被膜を形
成する方法 (2)紫外線により硬化させ被膜を形成する方法 により形成される。
【0061】(1)法:乾燥温度としては、通常0〜3
00℃、好ましくは50〜150℃とされ、乾燥時間と
しては、通常10秒〜24時間、好ましくは30秒〜1
時間とされる。なお、本発明の組成物に硬化促進剤を添
加含有させることにより、乾燥時間(硬化時間)の短縮
を図ることができる。ここで、硬化促進剤の具体例とし
ては、ジメチルアミン、酢酸エタノールアミン、蟻酸ジ
メチルアニリン、安息香酸、テトラエチルアンモニウム
塩、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、蟻酸ナ
トリウム、酢酸ベンゾイルトリメチルアンモニウム塩、
テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシ
チタン、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウ
ムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセト
ナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、コ
バルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、
亜鉛オクチレート、亜鉛アセチルアセトナート、鉄アセ
チルアセトナート、スズアセチルアセトナート、ジブチ
ルスズオクチレート、ジブチルスズラウレート、アミノ
プロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノ
プロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン類等が
挙げられる。
【0062】(2)法:この方法を用いるには、本発明
のフロロオルガノポリシロキサン樹脂中に(メタ)アク
リロイル基或いはエポキシ基を含有していることが必須
となる。このもの単独或いは硬度、基材に対する密着
性、耐擦過傷性等の物性を調整すること、又は組成物の
粘度、硬化性等を調整することを目的としてアクリロイ
ル基又はメタクリロイル基を有する化合物(以下、(メ
タ)アクリレート化合物という)を更に添加してもよ
い。(メタ)アクリレート化合物の具体例はエチレンオ
キサイド変性フェノールの(メタ)アクリレート、プロ
ピレンオキサイド変性フェノールの(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールの(メ
タ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフ
ェノールの(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
カルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート等の単官能(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグ
リコールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジ(メタ)
アクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノ
ールAのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
アリルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサ
イド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、アロニ
ックスM−6400(東亞合成株式会社製ポリエステル
アクリレート)等のポリエステルアクリレート、アロニ
ックスM−1200(東亞合成株式会社製ウレタンアク
リレート)等のウレタンアクリレート、環状ヒンダード
アミン構造を有する2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジニルメタクリレート、1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等が挙
げられる。
【0063】また、エポキシ化合物としては、下記のも
のが挙げられる。
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】また、屈折率を更に下げる目的でフルオロ
アルキル基含有単官能或いは多官能性(メタ)アクリレ
ート化合物及びフルオロアルキル基含有単官能或いは多
官能性エポキシ化合物を用いてもよい。
【0068】(メタ)アクリレート化合物としては、 CF3(CH22COOCH=CH237(CH22COOCH=CH2613(CH22COOCH=CH2817(CH22COOCH=CH2 CF3(CH22COOC(CH3)=CH237(CH22COO(CH3)=CH2613(CH22COO(CH3)=CH2817(CH22COO(CH3)=CH2 CH2=CHCOO(CH22612(CH22COO
CH=CH2 CH2=CHCOO(CH22816(CH22COO
CH=CH2などが挙げられる。
【0069】エポキシ化合物としては、例えば、ヘキサ
フルオロエポキシプロパン、3−パーフルオロブチル−
1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル
−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチ
ル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシ
ル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−
3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−
(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポ
キシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチ
ル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ
−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン、3
−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−
1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,5H−
オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−エポキシプ
ロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプ
チルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1
H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−
1,2−エポキシプロパン等の単官能性エポキシ化合物
及び下記構造式で示される多官能性エポキシ化合物類が
挙げられる。 Ep−CH2−(O)f−(CH2g−(CF2h−(C
2k−(O)j−CH2−Ep (但し、Epはエポキシ基、f=0〜1、g=0〜2、
h=2〜12、k=0〜2、j=0〜1の整数を表
す。)
【0070】なお、上記式において、hは屈折率を低減
させ、硬さと低屈折率性を保持するために、4以上10
以下とすることが好ましい。
【0071】その配合割合は、使用目的により異なり、
特に制限されるものではないが、本発明のフロロオルガ
ノポリシロキサン樹脂100重量部に対する(メタ)ア
クリレート化合物の配合割合は好ましくは5〜1,00
0重量部であり、更に好ましくは10〜300重量部で
ある。
【0072】また、この系に光重合開始剤を添加し、光
重合を行わせるのが好ましく、光重合開始剤としては、
アリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノ
ン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル
類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエ
ート類、α−アシロキシムエステル類など)、含硫黄系
光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン
類など)、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、
その他の光重合開始剤がある。また、光重合開始剤はア
ミン類などの光増感剤と組み合わせても使用できる。
【0073】具体的な光重合開始剤としては、例えば以
下のような化合物が挙げられる。4−フェノキシジクロ
ロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフ
ェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−
メチルプロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)
フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベン
ゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、
ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノ
ン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナント
レンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2
−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフ
タロフェノン、α−アシロキシムエステル、フェニルグ
リオキシル酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジ
フェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオ
キサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメ
チルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキ
シド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドな
どである。
【0074】また、エポキシ化合物の場合、重合開始剤
としては、酸無水物類、アミン類、アミド類、フェノー
ル類、(ポリ)メルカプト化合物、イミダゾール類、芳
香族ジアゾニウム塩、カチオン付与系等が挙げられる。
【0075】光分解カチオン付与系としては、プロトン
酸、酸性ハロゲン化金属、有機金属化合物、安定なカル
ボニウムイオン塩などが挙げられる。中でも光分解カチ
オン付与系の化合物がポットライフの長さ、硬化速度の
速さから硬化に適しており、ジアリルヨードニウム塩、
トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレノニウム
塩、トリアリルピリジニウム塩、ベンジルピリジニウム
チオシアネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム
塩、ジアルキルヒドロキシフェニルスルホニウム塩、ジ
アルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩、鉄アレン
錯体等が、単独でもしくは混合して用いられる。
【0076】光重合開始剤の添加量は本発明のフロロオ
ルガノポリシロキサン樹脂と(メタ)アクリレート化合
物の合計100重量部に対して0.01〜20重量部、
特に0.1〜10重量部が好ましい。
【0077】本発明の組成物によって基材表面に形成さ
れる硬化被膜の膜厚は、通常0.01〜5μmとされ、
好ましくは0.05〜3μmとされる。防汚、撥水目的
で使用する場合は、より厚膜に形成するのが好ましい。
【0078】本発明の組成物による硬化被膜の屈折率
は、透明樹脂からなる基材表面に形成されたときに良好
な反射防止効果を発揮させるなどの観点から1.42以
下であることが好ましく、更に好ましくは1.40以
下、特には1.35〜1.40とされる。
【0079】この硬化被膜を用いて、より反射防止性を
高めるため、本発明の硬化被膜の下層にその屈折率が
1.65以上となる高屈折率層を積層させるのがより好
ましい。この層の屈折率を高めるため、より大きい屈折
率を有する物質からなる添加剤を含有させることが好ま
しい。そのような添加剤としては屈折率1.5以上の金
属酸化物ゾルからなる高屈折率超微粒子がある。この高
屈折率金属酸化物ゾルとしては、平均粒径が1〜100
nm、特に1〜50nmの高屈折率金属酸化物ゾルが好
ましい。高屈折率金属酸化物ゾルを配合する場合、その
配合量は特に限定されないが、配合する目的を十分達成
するためには、高屈折率層を形成する組成物の硬化性成
分100重量部に対して5〜500重量部が好ましい。
特に好ましくは100〜250重量部である。配合量が
500重量部より多いと硬化被膜にヘーズが発生するな
どの問題が生じ易くなる。一方、5重量部より少ないと
屈折率が高くならない場合がある。
【0080】高屈折率金属酸化物ゾルは、硬化層の硬化
物屈折率よりも高く、かつ屈折率1.5以上であること
が、高屈折率の硬化物層の屈折率を上げる点から好まし
い。具体的なものとしては、ZnO(n=1.90)、
TiO2(n=2.3〜2.7)、Sb25(n=1.
71)、Y23(n=1.87)、La23(n=1.
95)、ZrO2(n=2.05)、Al23(n=
1.63)、InとSnの混合酸化物であるITO(n
=1.95)、或いはTiO2−SiO2、ZrO−Ti
2、ZrO−SiO2、SiO2−ZrO−TiO2等の
複合酸化物などの金属酸化物からなる高屈折率金属酸化
物ゾルが好ましい。その他In23、SnO2、CeO2
などの金属酸化物ゾルなども使用できる。これら高屈折
率金属酸化物ゾルは分散安定性を向上させる点から表面
がシランカップリング剤等で修飾されたものでもよい。
【0081】この高屈折率硬化層を形成する硬化性樹脂
としては、従来公知の有機樹脂やシリコーン樹脂、例え
ば熱硬化性アクリル樹脂、湿気硬化性アクリル樹脂、熱
可塑性アクリル樹脂、シランやシロキサンで変性したア
クリル樹脂、ウレタン樹脂などを使用できるが、特に好
ましくは、アルコキシシリル基を含有するアクリル系及
び/又はビニル系単量体とこれら単量体との共重合可能
な他の単量体との有機共重合体を含有する組成物であ
る。このものはアルコキシシリル基の導入により基材と
の接着性、低屈折率層(上記被膜形成用組成物による硬
化被膜層)との密着性も向上されるし、アルコキシシリ
ル基同士が架橋することにより、耐熱性が向上し、耐久
性を付与できる。
【0082】この場合、このアルコキシシリル基を含有
する単量体の含有量は0.1重量%より少ないと、耐熱
性、耐久性が改良されない場合があり、また50重量%
より多いと硬くなりすぎて接着性が低下する場合がある
ので、0.1〜50重量%の範囲で含有するのが好まし
い。
【0083】このアルコキシシリル基を含有するアクリ
ル系単量体としては、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−
メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキ
シメチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシ
メチルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシメチ
ルトリメトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリエ
トキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジメトキ
シシラン、3−アクリロキシメチルメチルジエトキシシ
ランなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、架
橋密度、反応性などから3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシランが好ましい。
【0084】また、このアルコキシシリル基を含有する
ビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルビス(2
−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキ
シシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、スチリル
メチルジエトキシシランなどが例示されるが、これらの
中で取り扱い性、反応性などからビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプロ
ピルトリメトキシシランが好ましい。
【0085】次に、これらのアルコキシシラン(アルコ
キシシリル基を含有する単量体)と共重合可能な他の単
量体としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキ
ルメタクリレート類、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレー
ト類、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、ア
クリルニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類、スチレン、エチレングリコールジメタ
クリレート、また紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾー
ル類にメタクリル基を含有するもの、例えば2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)
−2H−ベンゾトリアゾールなど、また光安定剤である
ヒンダードアミン類にメタクリル基を含有するもの、例
えば2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル
−メタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジニル−メタクリレートなどが例示され
る。なお、アルコキシシリル基と反応し得る、例えば、
2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどは高屈折率硬
化被膜用組成物が増粘、ゲル化などの経時変化を起こす
ので好ましくない。
【0086】この有機共重合体は、上記したアルコキシ
シリル基を含有する単量体とこれと共重合し得る他の単
量体との共重合体であり、この共重合はこれら単量体を
含有する溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド等のパーオキサイド類又はアゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重
合用開始剤を加え、加熱下に反応させることにより容易
に得られる。
【0087】この有機共重合体のコーティング剤組成物
(高屈折率硬化被膜用組成物)における構成比は、10
重量%未満では熱可塑性となり耐熱性が低下する場合が
あり、また80重量%より多いと接着性が不良となる場
合があるので、好適には10〜80重量%の範囲が好ま
しい。
【0088】また、この高屈折率硬化被膜用組成物の粘
度が低すぎて塗工しずらく塗膜が薄くなってしまうよう
な場合、接着性を低下させずに、可撓性を付与する成分
としてアクリル系共重合体を添加してもよい。アクリル
系共重合体としては、ポリ(メチルメタクリレート)、
ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ブチルアクリレ
ート)などのポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ
(アルキルアクリレート)或いはこれらの共重合体が例
示される。これらのものは、接着性を低下させることな
く高屈折率硬化被膜用組成物に可撓性を付与させるもの
である。これを添加する場合、高屈折率硬化被膜用組成
物に対して30重量%より多く添加すると、この組成物
の熱硬化性が悪化する場合があるので、この添加量は3
0重量%以下が望ましい。
【0089】更に、高屈折率硬化被膜用組成物に耐水性
の良好な接着性を付与したり、有機共重合体中のアルコ
キシシリル基と架橋させる目的で、一分子内に窒素原子
及びアルコキシシリル基を含有する化合物を添加しても
よい。更に詳しくは、このものは一分子内に窒素原子1
個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有するもの
がより好ましい。
【0090】この成分としては、アミノ基含有アルコキ
シシラン、アミノ基含有ジ(アルコキシシラン)、アミ
ド基含有アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシ
ランとエポキシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤
との反応生成物をアミド化したもの、アミノ基含有アル
コキシシランと多官能(メタ)アクリル化合物との反応
生成物、アミノ基含有アルコキシシランと(メタ)アク
リル化合物との反応生成物、アミノ基含有アルコキシシ
ランと(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとの反
応生成物、ポリアミン化合物と(メタ)アクリル基含有
アルコキシシランとの反応生成物、アミノ基含有アルコ
キシシランと多官能イソシアネート化合物との反応生成
物をアミド化したもの、アミノ基含有アルコキシシラン
とイソシアネート基含有アルコキシシランとの反応生成
物をアミド化したもの、チオール基含有アルコキシシラ
ンとイソシアネート基含有アルコキシシランとの反応生
成物などが好適に使用されるが、より好ましくはアミノ
基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシ
ラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化したもの
が望ましい。
【0091】これらの成分として使用されるものの具体
例を下記に例示する。アミノ基含有アルコキシシランと
しては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、3−(トリメトキシ
シリルプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−(トリエトキシシリルプロピル)アミノプロピルト
リエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルプロピ
ル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、2−(トリエトキシシリルプロピル)アミノエチ
ル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例示
される。
【0092】アミド基含有アルコキシシランとしては、
ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジメト
キシシラン、ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン
などが例示される。
【0093】アミノ基含有アルコキシシランとエポキシ
基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応生成物
をアミド化したものは、下記の方法により製造されるも
のである。アミノ基含有アルコキシシランとしては上記
に示したものが挙げられるが、接着性、操作性の点から
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシランなどが好ましい。ま
た、ここで使用されるエポキシ基含有アルコキシシラン
としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及びβ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエ
トキシシランなどが例示される。これらの中で反応性、
操作性の点からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
メチルジメトキシシランとすることが好ましい。
【0094】なお、ここで使用されるシリル化剤として
は、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメ
チルシリル)ホルムアミド、N,N’−ビス(トリメチ
ルシリル)ウレアなどが例示されるが、このものはアミ
ノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシ
シランとの反応により、生成するOH基を保護してOH
基とアルコキシシリル基との反応を防止し、この反応生
成物の経時変化を防止するためのものである。
【0095】このアミノ基含有アルコキシシランとエポ
キシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応
は、アミノ基含有アルコキシシランとシリル化剤との混
合物にエポキシ基含有アルコキシシランを滴下し、加熱
反応させればよく、アミノ基含有アルコキシシランとエ
ポキシ基含有アルコキシシランとを反応させ、この反応
生成物にシリル化剤を添加して反応させるようにしても
よい。
【0096】なお、この反応におけるアミノ基含有アル
コキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランの配合
比は、エポキシ基/アミノ基(=N−H)のモル比が
0.3未満では1分子中の架橋に関与するアルコキシ基
の数が少なすぎて硬化性が弱くなるし、分子全体の広が
りがなくなり、面接着性が弱くなって接着性が劣るおそ
れがあり、これが1.2を超えるようになると、後述す
るアミド化においてアミド化し得る=N−H基が殆どな
くなって耐水接着性が悪くなるおそれがあるので、0.
3〜1.2の範囲とすることが好ましい。
【0097】更に、この成分はこの反応生成物をアミド
化したものとされるが、このアミド化は酢酸クロリド、
酢酸ブロミド、プロピオン酸クロリド、無水酢酸、酢酸
イソプロペニル、ベンゾイルクロリドなどで例示される
カルボン酸の酸ハロゲン化物、酸無水物、酸イソプロペ
ニルエステル化合物と反応させればよい。
【0098】なお、高屈折率硬化被膜用組成物における
この成分の添加量は、上記に示した有機基共重合体10
0重量部に対して0.5〜20重量部含有することが好
ましい。20重量部超えて添加すると、架橋密度が高く
なりすぎて、得られる被膜の硬度が高くなって逆に接着
性が不良となる場合がある。
【0099】上記高屈折率硬化被膜用組成物には、弊害
を及ぼさない範囲で通常の紫外線吸収剤を加えてもよ
い。この場合、上記の有機共重合体と相溶性が良好な有
機系紫外線吸収剤が好ましい。特に、主骨格がヒドロキ
シベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノア
クリレート系、トリアジン系である化合物誘導体が好ま
しい。更に側鎖にこれら紫外線吸収剤を含有するビニル
ポリマーなどの重合体でもよい。具体的には、2,4’
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−
テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−n−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロ
ポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブ
トキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−
シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2−
ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−
ジフェニルトリアジン、4−(2−アクリロキシエトキ
シ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの重合体、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾールの重合体等が例示さ
れる。なお、これらの有機系紫外線吸収剤は2種以上併
用してもよい。
【0100】上記高屈折率硬化被膜用組成物は、溶剤に
より希釈されて使用してもよい。この溶剤としては、ジ
アセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセチルアセトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン等が挙げられる。
特に、高屈折率硬化被膜用組成物は、通常、上記溶剤で
希釈され、上記有機共重合体の5〜10重量%の溶液と
して使用される。
【0101】必要に応じ、従来のコーティング剤に用い
られる公知の添加剤、例えばレベリング剤などを配合し
ても差し支えない。更に、塗膜の平滑化を図るため、フ
ッ素系或いはシリコーン系の界面活性剤を添加してもよ
い。また、この塗膜の硬化を促進させるために架橋硬化
触媒を添加してもよい。
【0102】この高屈折率硬化被膜用組成物に金属酸化
物ゾルを添加した溶液を予め清浄化したプラスチックフ
ィルム等の基材の表面に塗布し、上記希釈溶剤を室温或
いは加熱下で蒸発させて厚さ0.01〜1μm、好まし
くは0.05〜0.5μmの塗膜を形成させるようにす
ればよい。
【0103】この高屈折率硬化被膜層を形成するために
この組成物を塗工する手段も特に制限されず、公知又は
周知の方法を採用できる。例えば、ディップ法、フロー
コート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフ
コート法等の方法を採用できる。
【0104】本発明の被膜形成用組成物或いはこれと上
記高屈折率硬化被膜用組成物とにより被覆される基材と
しては、プラスチック、ガラス、セラミックスなどから
なる透明基材を挙げることができ、特に、ポリカーボネ
ート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルサルホ
ン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポ
リエーテル、ポリエーテルケトン、トリメチルペンテ
ン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、
(メタ)アクリロニトリル、トリアセチルセルロース、
ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロー
スなどの透明樹脂からなる基材が好ましい。透明基材の
屈折率は1.40以上であることが好ましい。なお、こ
の明細書において、「屈折率」の値は、ナトリウムD線
を光源とし、アッベ屈折率計によって測定される値(測
定温度20℃)をいうものとする。
【0105】
【実施例】以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、
本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に
制限されるものではない。なお、下記の例において%は
重量%、部は重量部、本明細書中における平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、G
PCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量を
示す。また、使用した含フッ素系溶媒は以下の略号とす
る。 MXHF:m−キシレンヘキサフロライド PBTF:ペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラ
ン HFN:1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノ
ール
【0106】<反応縮合物の合成> [合成例1]撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた
0.5リットルフラスコに、イオン交換水230g、3
5%塩酸0.2gを仕込み、撹拌しているところに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン100g(0.176モル)を仕込んだ滴下ロ
ートにより1時間で滴下した。そのまま18時間室温下
に反応させたところ、白色固体状物が析出していた。こ
れを濾過し、イオン交換水によりpHが6〜7になるま
で洗浄し、減圧下60℃で3時間乾燥させ、白色粉末状
樹脂101gを得た。このものの融点は102〜105
℃であった。また、このもののGPCによる分子量は約
2,000であった。
【0107】[合成例2]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
230g、28%アンモニア水16.4gを仕込み、撹
拌しているところに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン100g(0.176モル)を仕込んだ滴下ロ
ートにより1時間で滴下した。そのまま18時間室温下
に反応させたところ、白色グリース状物が析出してい
た。これを濾過し、イオン交換水によりpHが6〜7に
なるまで洗浄し、減圧下60℃で3時間乾燥させ、やや
粘性のある白色固体状樹脂97gを得た。このものの融
点は38℃であった。また、このもののGPCによる分
子量は約2,200であった。
【0108】[合成例3]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
230g、35%塩酸0.2gを仕込み、撹拌している
ところに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン10
0g(0.459モル)を仕込んだ滴下ロートにより1
時間で滴下した。そのまま18時間室温下に反応させた
ところ、2層分離していた。これを分液し、下層をボウ
硝により乾燥させたところ、やや粘性のある液状樹脂6
1gを得た。このもののGPCによる分子量は約1,5
00であった。また、このものの屈折率は1.3764
であった。
【0109】[合成例4]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
230g、35%塩酸0.2gを仕込み、撹拌している
ところに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン50g(0.088モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン41.2g(0.176
モル)を仕込んだ滴下ロートにより1時間で滴下した。
そのまま18時間室温下に反応させたところ、白色グリ
ース状物が析出していた。これを濾過し、イオン交換水
によりpHが6〜7になるまで洗浄し、減圧下60℃で
3時間乾燥させ、やや粘性のある白色固体状樹脂65g
を得た。このもののGPCによる分子量は約2,200
であった。
【0110】[合成例5]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
276g、35%塩酸0.2gを仕込み、撹拌している
ところに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン40
g(0.18モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン20g(0.035モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン15g(0.064モ
ル)、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン5g(0.023モル)及びテトラエトキシシラン
40g(0.192モル)を仕込んだ滴下ロートにより
1時間で滴下した。そのまま18時間室温下に反応させ
たところ、2層分離していた。これにメチルイソブチル
ケトン165gを添加し、混合したものを分液し、上層
をボウ硝により乾燥させた。固形分が29%のメチルイ
ソブチルケトン溶液231gを得た。このもののGPC
による分子量は約2,300であった。
【0111】[合成例6]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
230g、35%塩酸0.2gを仕込み、撹拌している
ところに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン64
g(0.293モル)、 C817(CH22Si(OCH33 示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキシ
シラン16g(0.028モル)、及びテトラエトキシ
シラン20g(0.096モル)を仕込んだ滴下ロート
により1時間で滴下した。そのまま18時間室温下に反
応させたところ、2層分離していた。これにメチルイソ
ブチルケトン148gを添加し、混合したものを分液
し、上層をボウ硝により乾燥させた。固形分が27%の
メチルイソブチルケトン溶液207gを得た。このもの
のGPCによる分子量は約2,500であった。
【0112】[合成例7]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、イオン交換水
230g、35%塩酸0.2gを仕込み、撹拌している
ところに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン64
g(0.293モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン16g(0.028モル)、及びメチルトリメ
トキシシラン11.8g(0.086モル)を仕込んだ
滴下ロートにより1時間で滴下した。そのまま18時間
室温下に反応させたところ、2層分離していた。これに
メチルイソブチルケトン147gを添加し、混合したも
のを分液し、上層をボウ硝により乾燥させた。固形分が
27%のメチルイソブチルケトン溶液232g得た。こ
のもののGPCによる分子量は約1,800であった。
【0113】[合成例8]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン100g(0.176モル)、MXHF100
gを仕込み、撹拌しているところに、0.25規定の酢
酸水溶液4.8gを仕込んだ滴下ロートにより5分間で
滴下した。そのまま3時間室温下に反応させ、引き続き
80℃で2時間反応させた。反応液にボウ硝を加え、乾
燥し、これを濾過し、減圧下MXHFを揮発させ、透明
液状樹脂99gを得た。このもののGPCによる分子量
は約1,900であった。また、屈折率は1.3645
であった。
【0114】[合成例9]撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.5リットルフラスコに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン100g(0.176モル)、MXHF30g
及びPBTF70gを仕込み、撹拌しているところに、
0.25規定の酢酸水溶液4.8gを仕込んだ滴下ロー
トにより5分間で滴下した。そのまま3時間室温下に反
応させ、引き続き80℃で2時間反応させた。反応液に
ボウ硝を加え、乾燥し、これを濾過し、減圧下MXH
F、PBTFを揮発させ、透明液状樹脂99gを得た。
このもののGPCによる分子量は約2,000であっ
た。また、屈折率は1.3642であった。
【0115】[合成例10]撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた0.5リットルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン10
0g(0.459モル)、MXHF90g及びHFN1
0gを仕込み、撹拌しているところに、0.25規定の
酢酸水溶液12.4gを仕込んだ滴下ロートにより5分
間で滴下した。そのまま3時間室温下に反応させ、引き
続き80℃で2時間反応させた。反応液にボウ硝を加
え、乾燥し、これを濾過し、減圧下MXHF、HFNを
揮発させ、やや粘性のある透明液状樹脂60gを得た。
このもののGPCによる分子量は約1,800であっ
た。また、屈折率は1.3760であった。
【0116】[合成例11]撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた0.5リットルフラスコに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン50g(0.088モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン41.2g(0.176
モル)、MXHF30g及びPBTF70gを仕込み、
撹拌しているところに、0.25規定の酢酸水溶液7.
1gを仕込んだ滴下ロートにより5分間で滴下した。そ
のまま3時間室温下に反応させ、引き続き80℃で2時
間反応させた。反応後、反応液は2層分離していた。こ
れを分液し、上層をボウ硝により乾燥させた。これを濾
過し、減圧下MXHF、PBTFを揮発させ、透明液状
樹脂67gを得た。このもののGPCによる分子量は約
2,200であった。また、屈折率は1.3733であ
った。
【0117】[合成例12]撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた0.5リットルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン40
g(0.18モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン20g(0.035モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン15g(0.064モ
ル)、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン5g(0.023モル)、テトラエトキシシラン4
0g(0.192モル)、HFN100gを仕込み、撹
拌しているところに、0.25規定の酢酸水溶液25.
2gを仕込んだ滴下ロートにより10分間で滴下した。
そのまま3時間室温下に反応させ、引き続き80℃で2
時間反応させた。反応後、反応液は均一透明液であっ
た。HFNを揮発させ、透明液状樹脂51gを得た。こ
のもののGPCによる分子量は約2,400であった。
また、屈折率は1.3711であった。
【0118】[合成例13]撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた0.5リットルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン64
g(0.293モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン16g(0.028モル)、テトラエトキシシ
ラン20g(0.096モル)、及びMXHF100g
を仕込み、撹拌しているところに、0.1規定の塩酸水
溶液11.3gを仕込んだ滴下ロートにより7分間で滴
下した。そのまま3時間室温下に反応させ、引き続き8
0℃で2時間反応させた。反応後、反応液は2層分離し
ていた。これを分液し、上層をボウ硝により乾燥させ
た。これを濾過し、減圧下MXHFを揮発させ、透明液
状樹脂55gを得た。このもののGPCによる分子量は
約2,600であった。また、屈折率は1.3670で
あった。
【0119】[合成例14]撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた0.5リットルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン64
g(0.293モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン16g(0.028モル)、及びメチルトリメ
トキシシラン11.8g(0.086モル)、MXHF
30g及びPBTF70gを仕込み、撹拌しているとこ
ろに、0.25規定の酢酸水溶液11.0gを仕込んだ
滴下ロートにより7分間で滴下した。そのまま3時間室
温下に反応させ、引き続き80℃で2時間反応させた。
反応後、反応液は2層分離していた。これを分液し、上
層をボウ硝により乾燥させた。これを濾過し、減圧下M
XHFを揮発させ、透明液状樹脂55gを得た。このも
ののGPCによる分子量は約2,000であった。ま
た、屈折率は1.3650であった。
【0120】[合成例15](比較例) 撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リット
ルフラスコに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン32g(0.056モル)、メチルイソブチル
ケトン112g及び0.25Nの酢酸水溶液3.0gを
仕込み、80℃まで加熱により内温を上昇させ、そのま
ま5時間反応させたところ、微濁溶液を得た。このもの
の固形分濃度は19.5%であった。GPCをみると未
反応の原料が観測された。
【0121】[合成例16](比較例) 撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リット
ルフラスコに、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン32g(0.056モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン26.2g(0.112
モル)、メチルイソブチルケトン186g及び0.25
Nの酢酸水溶液9.0gを仕込み、80℃まで加熱によ
り内温を上昇させ、そのまま5時間反応させたところ、
微濁溶液を得た。このものの固形分濃度は19.0%で
あった。GPCをみると未反応の原料が観測された。
【0122】[合成例17](比較例) 撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リット
ルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン40
g(0.18モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン20g(0.035モル)、γ−アクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン15g(0.064モ
ル)、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン5g(0.023モル)及びテトラエトキシシラン
40g(0.192モル)、メチルイソブチルケトン2
83g及び0.25Nの酢酸水溶液26gを仕込み、8
0℃まで加熱により内温を上昇させ、そのまま5時間反
応させたところ、微濁溶液を得た。このものの固形分濃
度は18.0%であった。GPCをみると未反応の原料
が観測された。
【0123】[合成例18](比較例) 撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リット
ルフラスコに、 CF3(CH22Si(OCH33 で示されるトリフロロプロピルトリメトキシシラン64
g(0.293モル)、 C817(CH22Si(OCH33 で示されるヘプタデカフロロオクチルエチルトリメトキ
シシラン16g(0.028モル)、及びメチルトリメ
トキシシラン11.8g(0.086モル)、メチルイ
ソブチルケトン253g及び0.25Nの酢酸水溶液2
2gを仕込み、80℃まで加熱により内温を上昇させ、
そのまま5時間反応させたところ、微濁溶液を得た。こ
のものの固形分濃度は19.0%であった。GPCをみ
ると未反応の原料が観測された。
【0124】<アルコキシシリル基含有の有機共重合体
の合成> [合成例19]撹拌機、コンデンサー及び温度計を備え
た0.5リットルフラスコにγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン20g、メチルメタクリレート6
0g、エチルアクリレート5g、酢酸ビニル5g、グリ
シジルメタクリレート10g、エチレングリコールジメ
タクリレート0.2g及び重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル0.5g並びに溶剤としてジアセトン
アルコール20g、エチレングリコールモノメチルエー
テル80gを仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5
時間撹拌した。得られたアルコキシシリル基を含有する
有機共重合体溶液の粘度は43,600cst、またそ
の共重合体中のアルコキシル基含有量は20%であっ
た。
【0125】[合成例20]合成例19のγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン20gを10gに、
メチルメタクリレート60gを70gに代えた以外は合
成例19と同様に合成してアルコキシシリル基を含有す
る有機共重合体溶液を作製した。得られたアルコキシシ
リル基を含有する有機共重合体溶液の粘度は40,60
0cst、またその共重合体中のアルコキシル基含有量
は10%であった。
【0126】[合成例21]合成例19のγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン20gをビニルトリ
メトキシシラン20gに代えた以外は合成例19と同様
に合成してアルコキシシリル基を含有する有機共重合体
溶液を作製した。得られたアルコキシシリル基を含有す
る有機共重合体溶液の粘度は39,700cst、また
その共重合体中のアルコキシル基含有量は20%であっ
た。
【0127】<分子内に窒素原子とアルコキシシリル基
を含有する化合物の合成> [合成例22]撹拌機、コンデンサー及び温度計を備え
た2.0リットルフラスコにN−2−(アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン222gとシ
リル化剤としてのヘキサメチルジシラザン242gを仕
込んで窒素気流下に120℃に加熱し、ここにγ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン496gを滴
下して反応させ、120℃で5時間加熱撹拌したのち、
低沸点分を減圧下100℃で除去したところ、粘度1,
387cst、屈折率1.4618、比重1.048の
粘稠な化合物862gが得られた。
【0128】次いでこの反応生成物862gとトルエン
862gを撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた
2.0リットルフラスコに仕込み、窒素気流下に室温で
ここに無水酢酸141gを滴下して反応させ、110℃
で2時間加熱撹拌したのち、50℃でメタノール141
gを滴下し、50℃で1時間加熱撹拌し、次いで減圧下
に100℃で低沸分を除去し、高粘稠な化合物を得た。
この化合物の赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、
3,000cm-1以上の領域にOH基或いはNH基に起
因する吸収は認められず、1,650cm-1にアミド基
に起因する強い吸収が認められた。
【0129】以下、実施例と比較例を示す。なお、実施
例及び比較例に用いた本発明の縮合物及びその加水分解
物、有機共重合体等の略号は以下の通りである。 <縮合物及びその加水分解物> FS−1:合成例1の反応生成物 FS−2:合成例2の反応生成物 FS−3:合成例3の反応生成物 FS−4:合成例4の反応生成物 FS−5:合成例5の反応生成物 FS−6:合成例6の反応生成物 FS−7:合成例7の反応生成物 FS−8:合成例8の反応生成物 FS−9:合成例9の反応生成物 FS−10:合成例10の反応生成物 FS−11:合成例11の反応生成物 FS−12:合成例12の反応生成物 FS−13:合成例13の反応生成物 FS−14:合成例14の反応生成物 FS−15:合成例15の反応生成物 FS−16:合成例16の反応生成物 FS−17:合成例17の反応生成物 FS−18:合成例18の反応生成物 <アルコキシシリル基含有の有機共重合体> Pol−1:合成例19の反応生成物 Pol−2:合成例20の反応生成物 Pol−3:合成例21の反応生成物 <分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化
合物> NSi−1:ウレイドプロピルトリエトキシラン NSi−2:合成例22の反応生成物
【0130】また、実施例中の各種物性の測定及び評価
は以下の方法で行った。 (1)鉛筆硬度 JIS K5400に準じて測定した。 (2)耐候性試験 被膜が形成された基材の各々について、フェードメータ
[スガ試験機(株)製]による耐候性促進試験を行い、
1,000時間後における光沢の保持率(%)を測定し
た。評価は、光沢保持率が90%以上である場合を
「○」、89〜60%である場合を「△」、59%以下
である場合を「×」とした。 (3)耐擦過傷性試験 ASTM 1044に準拠し、テーパー磨耗試験機にて
磨耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1,0
00回転後の曇価を測定した。テーパー磨耗性(%)は
(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で示した。 (4)硬化被膜の密着性 JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃
で1mm間隔の縦横11本ずつ切り目を入れて100個
の碁盤目をつくり、市販セロテープ(登録商標)をよく
密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被
膜が剥離せずに残存したます目数(X)をX/100で
表示した。 (5)透明性 被膜の全面が均一な透明性を有している場合を「○」、
透明性が損なわれた部分が認められる場合を「×」とし
た。 (6)屈折率 膜厚30〜50μmのフィルムを作製し、このフィルム
についてアッベ屈折率計により測定した(測定温度20
℃)。 (7)反射率 分光光度計にて測定された硬化被膜基材表面の視感平均
反射率。 (8)撥水性 接触角測定装置を用いて、被膜上に水滴を落とし、水の
接触角を測定した。 (9)耐汚染性 被膜上に赤マジックインキ(登録商標)で直線を引き、
乾いた布で拭き取り、その状況により耐汚染性を評価し
た。 ◎:線を引き、拭き取りを10回以上繰り返しても軽く
擦っただけで拭き取れる。 ○:線を引き、拭き取りを繰り返しても拭き取れるが、
かすかに跡が残る。 △:強く擦らないと拭き取れず、繰り返すと拭き取れな
くなる。 ×:全く拭き取れない。
【0131】[実施例、比較例] (1)被膜形成用組成物の調製 合成例1〜18で作製した縮合物、メチルエチルケトン
分散コロイダルシリカ(固形分30%)、多官能アクリ
レート:トリメチロールプロパントリアクリレート、フ
ッ化アルキル基含有アクリレート:C817(CH22
COOCH=CH2、光重合開始剤:2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、硬化触
媒:蟻酸ナトリウムなどを混合し、固形分が15%にな
るようにジアセトンアルコールにて調整して、組成物a
〜tを表1,2に示したように調製した。 (2)高屈折率硬化被膜用組成物の調製 合成例19〜22で作製した組成物、平均分子量15万
のポリメチルメタクリレート、高屈折率金属酸化物ゾ
ル:屈折率2.70のTiO2のメチルエチルケトンゾ
ル(平均粒径50nm)などを混合し、有機共重合体の
固形分が10%になるようにジアセトンアルコールにて
調整して、組成物A〜Eを表3に示したように調製し
た。
【0132】(3)表面被覆形成物の作製 (2)の高屈折率硬化被膜用組成物を塗布する場合は、
表面を清浄化した透明樹脂板(或いはフィルム)に硬化
塗膜として1〜3μmになるようにフローコーティング
法にて塗布し、約120℃にて約30分間硬化させる。
その上に(1)の被膜形成用組成物を塗布する場合は、
硬化塗膜として0.1〜0.5μmになるようにバーコ
ータコーティング法にて塗布する。
【0133】その後、紫外線で硬化させる場合は高圧水
銀灯を用いて200mJ/cm2を3回繰り返して硬化
させる。熱硬化をさせる場合は、80℃の熱風循環オー
ブン中で5分間保持し硬化させる。或いは(2)の高屈
折率硬化被膜用組成物を塗布しない場合は、表面を清浄
化した透明樹脂板(或いはフィルム)に硬化塗膜として
0.1〜0.5μmになるようにバーコータコーティン
グ法にて塗布する。その後、紫外線で硬化させる場合は
高圧水銀灯を用いて200mJ/cm2を3回繰り返し
て硬化させる。熱硬化をさせる場合は、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持し硬化させる。
【0134】使用した透明樹脂板は0.5mmのPC樹
脂、フィルムは50μmのPETフィルムを用いて行っ
た。このようにして得られた塗膜の物性評価結果を表4
及び表5に示した。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
【表4】
【0139】
【表5】
【0140】
【発明の効果】本発明の組成物によれば、ガラス、セラ
ミックス、金属及びプラスチックなど各種基材に対する
密着性、耐擦過傷性、耐候性、防汚染性、撥水性、反射
防止性能に優れ、屈折率が低くて透明な硬化被膜を効率
的に形成することができる。本発明の組成物は、耐候性
を必要とする外装用塗料、ハードコート材、防湿コート
材、反射防止コート材として好適に用いることができ、
ガラス、プラスチックなどの透明な基材を被覆して光学
部品を構成するコート材として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 5/16 5/16 (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 佐藤 和治 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J035 BA01 BA03 BA11 BA13 CA072 CA102 CA112 CA132 CA142 CA16N CA161 CA182 CA192 CA202 CA262 EA01 EB02 GA08 GB02 LA03 LB01 4J038 DL071 DL081 DL111 GA01 GA02 GA06 GA09 GA13 LA02 NA03 NA05 NA07 NA11 NA12 NA19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるフッ化アル
    キル基含有アルコキシシラン化合物又はこの式(1)の
    フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物と下記一
    般式(2)で示されるシラン化合物との混合物100重
    量部に対し、水200〜2,000重量部の比率で加水
    分解・縮合反応して得られるフロロオルガノポリシロキ
    サン樹脂を含有することを特徴とする被膜形成用組成
    物。 【化1】 (式中、Rfは、 【化2】 (nは1〜20の整数、mは1以上の整数)で表される
    エーテル結合を1個以上含んでいてもよいポリフルオロ
    アルキル基を示し、Xは−CH2−、−CH2O−、−N
    3−、−COO−、−CONR3−、−S−、−SO3
    −又はSO2NR3−(R3は水素原子又は炭素数1〜8
    のアルキル基)の1種又は2種以上の結合基を示し、R
    1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す。aは0〜3の整数、bは1〜3の整
    数、cは0又は1である。) R4 dSi(OR54-d (2) (式中、R4は炭素数1〜10の有機基、R5は炭素数1
    〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アル
    コキシアルキル基又はアシル基を示す。dは0〜3の整
    数である。)
  2. 【請求項2】 水がpH1〜7であることを特徴とする
    請求項1記載の被膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)で示されるフッ化アル
    キル基含有アルコキシシラン化合物又はこの式(1)の
    フッ化アルキル基含有アルコキシシラン化合物と上記一
    般式(2)で示されるシラン化合物との混合物を含フッ
    素系溶媒中で加水分解・縮合反応して得られるフロロオ
    ルガノポリシロキサン樹脂を含有することを特徴とする
    被膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】 含フッ素系溶媒が非プロトン性含フッ素
    溶媒又はプロトン性含フッ素溶媒であることを特徴とす
    る請求項3記載の被膜形成用組成物。
  5. 【請求項5】 含フッ素系溶媒が非プロトン性含フッ素
    溶媒とプロトン性含フッ素溶媒の混合溶媒であることを
    特徴とする請求項3記載の被膜形成用組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(2)に示されるR4の少なくと
    も1つがアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する
    有機基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項記載の被膜形成用組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(2)の化合物がメチルトリアル
    コキシシラン又はテトラアルコキシシランであることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の被膜形
    成用組成物。
  8. 【請求項8】 硬化被膜の屈折率が1.42以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の
    被膜形成用組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項記載の被
    膜形成用組成物の硬化被膜を有することを特徴とする防
    汚染性及び撥水性に優れた保護被膜を有する物品。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれか1項記載の
    被膜形成用組成物の硬化被膜を有することを特徴とする
    反射防止性に優れた反射防止用物品。
  11. 【請求項11】 屈折率が1.65以上となる高屈折率
    層と、請求項1乃至8のいずれか1項記載の被膜形成用
    組成物の硬化被膜とが表面に積層されたことを特徴とす
    る請求項10記載の反射防止性に優れた反射防止用物
    品。
  12. 【請求項12】 高屈折率層中に金属酸化物ゾルを含有
    することを特徴とする請求項11記載の反射防止性に優
    れた反射防止用物品。
  13. 【請求項13】 高屈折率層が、アルコキシシリル基を
    含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体と共重合
    可能な他の単量体との有機共重合体を含有し、この共重
    合体中のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び
    /又はビニル系単量体の比率が0.1〜50重量%であ
    ることを特徴とする請求項11又は12記載の反射防止
    性に優れた反射防止用物品。
  14. 【請求項14】 更に、高屈折率層が一分子内に窒素原
    子及びアルコキシシリル基を有する化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項13記載の反射防止用物品。
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