JP2002035909A - 拘束性ブレークアウトの推定方法 - Google Patents
拘束性ブレークアウトの推定方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温度測定器による測温値変化の異常判定を正
確且つ容易に行えるようにして、拘束性ブレークアウト
推定の信頼度を高める。 【解決手段】 連続鋳造の鋳型1に取り付けられた複数
の熱電対2による測温値の変化が所定の条件を満たした
ときに異常と判定し、該判定結果に基づいて拘束性ブレ
ークアウトの発生を推定する方法であって、周期的にサ
ンプリングしている熱電対2の測温値の最新値をTi 、
前回値をTi-1 、しきい値をΔT、熱電対2の過去一定
期間の測温値の標準偏差σを変数とした関数をF(σ)
とした場合に、Ti ≧F(σ)及びTi −Ti-1 ≧ΔT
の両方の条件を満たしたときに、測温値の変化が異常で
あると判定する。
確且つ容易に行えるようにして、拘束性ブレークアウト
推定の信頼度を高める。 【解決手段】 連続鋳造の鋳型1に取り付けられた複数
の熱電対2による測温値の変化が所定の条件を満たした
ときに異常と判定し、該判定結果に基づいて拘束性ブレ
ークアウトの発生を推定する方法であって、周期的にサ
ンプリングしている熱電対2の測温値の最新値をTi 、
前回値をTi-1 、しきい値をΔT、熱電対2の過去一定
期間の測温値の標準偏差σを変数とした関数をF(σ)
とした場合に、Ti ≧F(σ)及びTi −Ti-1 ≧ΔT
の両方の条件を満たしたときに、測温値の変化が異常で
あると判定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造の鋳型に
取り付けられた複数の熱電対による測温値の変化が所定
の条件を満たしたときに異常と判定し、該判定結果に基
づいて拘束性ブレークアウトの発生を推定する方法に関
する。
取り付けられた複数の熱電対による測温値の変化が所定
の条件を満たしたときに異常と判定し、該判定結果に基
づいて拘束性ブレークアウトの発生を推定する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】拘束性ブレークアウトとは、連続鋳造時
に例えばモールドパウダーの鋳型・鋳片間への流入不良
による潤滑不良等が原因で鋳型・鋳片間に焼付きが発生
し、鋳片を下方に引き抜いた時に焼付部分の凝固シェル
が破断してこの破断部が鋳型の下端から露出したところ
で鋳型内の溶鋼が外部に漏れ出すことをいう。
に例えばモールドパウダーの鋳型・鋳片間への流入不良
による潤滑不良等が原因で鋳型・鋳片間に焼付きが発生
し、鋳片を下方に引き抜いた時に焼付部分の凝固シェル
が破断してこの破断部が鋳型の下端から露出したところ
で鋳型内の溶鋼が外部に漏れ出すことをいう。
【0003】ところで、連続鋳造時にこの拘束性ブレー
クアウトが発生すると、鋳造中断や設備損傷を引き起し
て生産性を低下させることになるため、従来において
は、鋳型内面に複数の熱電対を埋設して該熱電対による
測温値の変化の異常を検出し、該検出結果に基づいて拘
束性ブレークアウトの発生を推定して警報等を発し、鋳
込速度を遅くする等の対策を施している。
クアウトが発生すると、鋳造中断や設備損傷を引き起し
て生産性を低下させることになるため、従来において
は、鋳型内面に複数の熱電対を埋設して該熱電対による
測温値の変化の異常を検出し、該検出結果に基づいて拘
束性ブレークアウトの発生を推定して警報等を発し、鋳
込速度を遅くする等の対策を施している。
【0004】拘束性ブレークアウトの発生を推定する方
法の具体例としては、例えば、図8に示すように、鋳型
1内面に複数の熱電対列a及びbを上下二段に埋設して
温度を周期的にサンプリングし、上段列のいずれかの熱
電対an の測温値の変化が異常と判定され、且つ、異常
と判定された上段列の熱電対an に対応する部位の下段
列の熱電対bn の測温値の変化が異常と判断されたとき
に、拘束性ブレークアウトの発生を推定するものがあ
る。このときの各熱電対の測温値変化の異常判定は、通
常、周期的にサンプリングしている各熱電対毎の測温値
の最新値をTi 、前回値をTi-1 、しきい値をΔTとし
た場合に、Ti −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときと
している。
法の具体例としては、例えば、図8に示すように、鋳型
1内面に複数の熱電対列a及びbを上下二段に埋設して
温度を周期的にサンプリングし、上段列のいずれかの熱
電対an の測温値の変化が異常と判定され、且つ、異常
と判定された上段列の熱電対an に対応する部位の下段
列の熱電対bn の測温値の変化が異常と判断されたとき
に、拘束性ブレークアウトの発生を推定するものがあ
る。このときの各熱電対の測温値変化の異常判定は、通
常、周期的にサンプリングしている各熱電対毎の測温値
の最新値をTi 、前回値をTi-1 、しきい値をΔTとし
た場合に、Ti −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときと
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにTi −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときに測温値
変化の異常を判定する場合、各熱電対毎の応答性にばら
つきがあるため、異常の判定を行うしきい値ΔTを応答
性の鈍感な熱電対に合わせる必要があり、その結果、応
答性の敏感な熱電対において誤検知(過検知)を生じて
しまい、しかも、しきい値ΔTは固定値であるため、鋳
造条件の変化や鋳片のディプレッション等による鋳型内
面(銅板)の温度変化が大きい場合にも誤検知を生じる
という不都合がある。
うにTi −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときに測温値
変化の異常を判定する場合、各熱電対毎の応答性にばら
つきがあるため、異常の判定を行うしきい値ΔTを応答
性の鈍感な熱電対に合わせる必要があり、その結果、応
答性の敏感な熱電対において誤検知(過検知)を生じて
しまい、しかも、しきい値ΔTは固定値であるため、鋳
造条件の変化や鋳片のディプレッション等による鋳型内
面(銅板)の温度変化が大きい場合にも誤検知を生じる
という不都合がある。
【0006】なお、複数の熱電対に対して応答性に応じ
たしきい値を個別に設定し、且つ、このしきい値を鋳造
状況に応じて時々刻々と変更し続けるようにすると、上
述した不都合を解消することが可能になるが、このよう
なしきい値の設定は煩雑すぎて現実的でない。本発明は
このような技術的背景に鑑みてなされたものであり、温
度測定器による測温値変化の異常判定を正確且つ容易に
行えるようにして拘束性ブレークアウト推定の信頼度を
高めることができる拘束性ブレークアウトの推定方法を
提供することを目的とする。
たしきい値を個別に設定し、且つ、このしきい値を鋳造
状況に応じて時々刻々と変更し続けるようにすると、上
述した不都合を解消することが可能になるが、このよう
なしきい値の設定は煩雑すぎて現実的でない。本発明は
このような技術的背景に鑑みてなされたものであり、温
度測定器による測温値変化の異常判定を正確且つ容易に
行えるようにして拘束性ブレークアウト推定の信頼度を
高めることができる拘束性ブレークアウトの推定方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る拘束性ブレークアウトの推定方法は、
連続鋳造の鋳型に取り付けられた複数の温度測定器によ
る測温値の変化が所定の条件を満たしたときに異常と判
定し、該判定結果に基づいて拘束性ブレークアウトの発
生を推定する方法であって、周期的にサンプリングして
いる温度測定器の測温値の最新値をTi 、前回値をT
i-1 、しきい値をΔT、温度測定器の過去一定期間の測
温値の標準偏差σを変数とした関数をF(σ)とした場
合に、Ti ≧F(σ)及びTi −Ti-1 ≧ΔTの両方の
条件を満たしたときに、測温値の変化が異常であると判
定することを特徴とする。
に、本発明に係る拘束性ブレークアウトの推定方法は、
連続鋳造の鋳型に取り付けられた複数の温度測定器によ
る測温値の変化が所定の条件を満たしたときに異常と判
定し、該判定結果に基づいて拘束性ブレークアウトの発
生を推定する方法であって、周期的にサンプリングして
いる温度測定器の測温値の最新値をTi 、前回値をT
i-1 、しきい値をΔT、温度測定器の過去一定期間の測
温値の標準偏差σを変数とした関数をF(σ)とした場
合に、Ti ≧F(σ)及びTi −Ti-1 ≧ΔTの両方の
条件を満たしたときに、測温値の変化が異常であると判
定することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の
一例である拘束性ブレークアウトの推定方法を説明する
ための説明図、図2は応答性の敏感な熱電対及び応答性
の鈍感な熱電対の各測温値と時間との関係を示すグラフ
図、図3は応答性の敏感な熱電対及び応答性の鈍感な熱
電対の各F(σ)値と時間との関係を示すグラフ図、図
4はコントローラの作動を説明するためのフローチャー
ト図、図5は本発明法を用いた場合の応答性の敏感な熱
電対及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示す
グラフ図、図6は従来法を用いた場合の応答性の敏感な
熱電対及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示
すグラフ図、図7は本発明例及び従来例の過検知による
警報回数の比較を示すグラフ図である。
を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の
一例である拘束性ブレークアウトの推定方法を説明する
ための説明図、図2は応答性の敏感な熱電対及び応答性
の鈍感な熱電対の各測温値と時間との関係を示すグラフ
図、図3は応答性の敏感な熱電対及び応答性の鈍感な熱
電対の各F(σ)値と時間との関係を示すグラフ図、図
4はコントローラの作動を説明するためのフローチャー
ト図、図5は本発明法を用いた場合の応答性の敏感な熱
電対及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示す
グラフ図、図6は従来法を用いた場合の応答性の敏感な
熱電対及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示
すグラフ図、図7は本発明例及び従来例の過検知による
警報回数の比較を示すグラフ図である。
【0009】図1において符号1は連続鋳造用鋳型、2
はこの鋳型1の内面(銅板)に上下二段に複数箇所埋設
された熱電対(温度測定器)であり、各熱電対2による
測温値Tはコントローラ3によって所定の周期でサンプ
リングされて所定のプログラムによる処理が実行され
る。コントローラ3は、F(σ)演算手段4、異常判定
手段5及び警報発生手段6を備える。なお、説明の便宜
上、異常判定手段5から先に説明する。
はこの鋳型1の内面(銅板)に上下二段に複数箇所埋設
された熱電対(温度測定器)であり、各熱電対2による
測温値Tはコントローラ3によって所定の周期でサンプ
リングされて所定のプログラムによる処理が実行され
る。コントローラ3は、F(σ)演算手段4、異常判定
手段5及び警報発生手段6を備える。なお、説明の便宜
上、異常判定手段5から先に説明する。
【0010】異常判定手段5は、個々の熱電対2毎に測
温値の変化が異常であるか否かを判定するものであり、
次式(1)及び(2)の両方の条件を満たしたときに測
温値の変化が異常であると判定する。 Ti ≧F(σ) …(1) Ti −Ti-1 ≧ΔT …(2) 但し、F(σ):F(σ)演算手段4によって与えられ
る値でTi に対するしきい値(変動値) Ti :最新測温値 Ti-1 :前回測温値 ΔT :しきい値(固定値:熱電対の最小測温単位の
2〜3倍程度) F(σ)演算手段4は、最新測温値Ti 以前の過去の一
定期間(例えば10点)の測温値の標準偏差σを変数と
した関数F(σ)を各熱電対2毎且つサンプリング周期
毎に算出するものであり、次式(3)により算出され
る。
温値の変化が異常であるか否かを判定するものであり、
次式(1)及び(2)の両方の条件を満たしたときに測
温値の変化が異常であると判定する。 Ti ≧F(σ) …(1) Ti −Ti-1 ≧ΔT …(2) 但し、F(σ):F(σ)演算手段4によって与えられ
る値でTi に対するしきい値(変動値) Ti :最新測温値 Ti-1 :前回測温値 ΔT :しきい値(固定値:熱電対の最小測温単位の
2〜3倍程度) F(σ)演算手段4は、最新測温値Ti 以前の過去の一
定期間(例えば10点)の測温値の標準偏差σを変数と
した関数F(σ)を各熱電対2毎且つサンプリング周期
毎に算出するものであり、次式(3)により算出され
る。
【0011】 F(σ)=T(avg) +kσ …(3) 但し、T(avg) :最新測温値Ti 以前の過去の一定期間
(例えば10点)の測温値の平均値(例えば図2におい
てA点が最新測温値Ti とすると、Bの範囲10点の測
温値の平均) σ :最新測温値Ti 以前の過去の一定期間(例えば
10点)の測温値の標準偏差(例えば図2においてA点
が最新測温値Tiとすると、Bの範囲10点の測温値の
標準偏差) k :測温値とブレークアウト痕等の関係から経験的
に定まる定数で、この実施の形態ではk=3に設定す
る。
(例えば10点)の測温値の平均値(例えば図2におい
てA点が最新測温値Ti とすると、Bの範囲10点の測
温値の平均) σ :最新測温値Ti 以前の過去の一定期間(例えば
10点)の測温値の標準偏差(例えば図2においてA点
が最新測温値Tiとすると、Bの範囲10点の測温値の
標準偏差) k :測温値とブレークアウト痕等の関係から経験的
に定まる定数で、この実施の形態ではk=3に設定す
る。
【0012】なお、図3に、応答性の異なる二つの熱電
対2について、各測温値を基にF(σ)演算手段4によ
って演算されたF(σ)の値を示す。図から明らかなよ
うに、F(σ)は熱電対2の応答性に応じて変更され、
しかも、サンプリング周期毎に更新されて鋳込状況に応
じて変動しているのが判る。警報発生手段6は、上段の
いずれかの熱電対2の測温値の変化が異常判定手段5に
よって異常と判定され、且つ、異常と判定された上段の
熱電対2に対応する部位の下段の熱電対2の測温値の変
化が異常判定手段5によって異常と判定されたときに、
拘束性ブレークアウトの発生を推定し、警報をモニタ画
面等に表示したり、警報音を発生させる。
対2について、各測温値を基にF(σ)演算手段4によ
って演算されたF(σ)の値を示す。図から明らかなよ
うに、F(σ)は熱電対2の応答性に応じて変更され、
しかも、サンプリング周期毎に更新されて鋳込状況に応
じて変動しているのが判る。警報発生手段6は、上段の
いずれかの熱電対2の測温値の変化が異常判定手段5に
よって異常と判定され、且つ、異常と判定された上段の
熱電対2に対応する部位の下段の熱電対2の測温値の変
化が異常判定手段5によって異常と判定されたときに、
拘束性ブレークアウトの発生を推定し、警報をモニタ画
面等に表示したり、警報音を発生させる。
【0013】次に、図4を参照してコントローラ3の作
動を説明する。なお、図4において、ステップS2がF
(σ)演算手段4、ステップS3〜ステップS5が異常
判定手段5、ステップS6〜ステップS8が警報発生手
段6にそれぞれ相当する。まず、ステップS1で各熱電
対2による測温値Tを周期的にサンプリングし、ステッ
プS2で最新測温値Ti 以前の過去の一定期間(例えば
10点)の測温値の標準偏差σを変数とした関数F
(σ)を各熱電対2毎且つサンプリング周期毎に上記式
(3)により算出し、ステップS3に移行する。
動を説明する。なお、図4において、ステップS2がF
(σ)演算手段4、ステップS3〜ステップS5が異常
判定手段5、ステップS6〜ステップS8が警報発生手
段6にそれぞれ相当する。まず、ステップS1で各熱電
対2による測温値Tを周期的にサンプリングし、ステッ
プS2で最新測温値Ti 以前の過去の一定期間(例えば
10点)の測温値の標準偏差σを変数とした関数F
(σ)を各熱電対2毎且つサンプリング周期毎に上記式
(3)により算出し、ステップS3に移行する。
【0014】ステップS3では、個々の熱電対2毎に最
新測温値Ti と関数F(σ)が比較され、上記(1)式
を満たす場合はステップS4に移行する。ステップS4
では、(最新測温値Ti −前回測温値Ti-1 )としきい
値ΔTが比較され、上記(2)式を満たす場合は、測温
値の変化が異常と判定される(ステップS5)。
新測温値Ti と関数F(σ)が比較され、上記(1)式
を満たす場合はステップS4に移行する。ステップS4
では、(最新測温値Ti −前回測温値Ti-1 )としきい
値ΔTが比較され、上記(2)式を満たす場合は、測温
値の変化が異常と判定される(ステップS5)。
【0015】ステップS6では、ステップS5の異常判
定が上段の熱電対2についてなされたか否かが判断さ
れ、異常判定が上段の熱電対2についてなされた場合は
ステップS7に移行する。ステップS7では、ステップ
S5の異常判定がステップS6で判断された上段の熱電
対2に対応する部位の下段の熱電対2についてなされた
か否かを判断し、異常判定が前記上段の熱電対2に対応
する部位の下段の熱電対2についてなされた場合は拘束
性ブレークアウトが発生するものとしてステップS8に
移行する。
定が上段の熱電対2についてなされたか否かが判断さ
れ、異常判定が上段の熱電対2についてなされた場合は
ステップS7に移行する。ステップS7では、ステップ
S5の異常判定がステップS6で判断された上段の熱電
対2に対応する部位の下段の熱電対2についてなされた
か否かを判断し、異常判定が前記上段の熱電対2に対応
する部位の下段の熱電対2についてなされた場合は拘束
性ブレークアウトが発生するものとしてステップS8に
移行する。
【0016】ステップS8では、モニタ画面や音声等の
出力装置に警報信号を出力し、この警報を認識した時点
で鋳込速度を遅くする等の対策を施す。上記の説明から
明らかなように、この実施の形態では、従来用いていた
しきい値ΔTに加えて、最近測温値Ti に対して熱電対
2の応答性に応じたしきい値、即ち、個々の熱電対2の
測温値のばらつきを反映したしきい値F(σ)を計算に
より設定しているため、応答性の敏感な熱電対2による
過検知及び応答性の鈍感な熱電対2における異常判定の
見逃しを良好に防止することができ、しかも、しきい値
F(σ)は熱電対2毎に変更されるだけでなく、サンプ
リング周期毎に再計算されて更新されるため、鋳造条件
の変化や鋳片のディプレッション等による鋳型内面(銅
板)の温度変化が大きい場合の誤検知を防止することが
でき、この結果、熱電対2による測温値変化の異常判定
を正確且つ容易に行うことができ、拘束性ブレークアウ
ト推定の信頼度を高めることができる。
出力装置に警報信号を出力し、この警報を認識した時点
で鋳込速度を遅くする等の対策を施す。上記の説明から
明らかなように、この実施の形態では、従来用いていた
しきい値ΔTに加えて、最近測温値Ti に対して熱電対
2の応答性に応じたしきい値、即ち、個々の熱電対2の
測温値のばらつきを反映したしきい値F(σ)を計算に
より設定しているため、応答性の敏感な熱電対2による
過検知及び応答性の鈍感な熱電対2における異常判定の
見逃しを良好に防止することができ、しかも、しきい値
F(σ)は熱電対2毎に変更されるだけでなく、サンプ
リング周期毎に再計算されて更新されるため、鋳造条件
の変化や鋳片のディプレッション等による鋳型内面(銅
板)の温度変化が大きい場合の誤検知を防止することが
でき、この結果、熱電対2による測温値変化の異常判定
を正確且つ容易に行うことができ、拘束性ブレークアウ
ト推定の信頼度を高めることができる。
【0017】なお、上記実施の形態では、上段のいずれ
かの熱電対2の測温値の変化が異常判定手段5によって
異常と判定され、且つ、異常と判定された上段の熱電対
2に対応する部位の下段の熱電対2の測温値の変化が異
常判定手段5によって異常と判定されたときに、拘束性
ブレークアウトの発生を推定するようにしているが、必
ずしもこれに限定する必要はなく、他の異常判定結果に
基づいて、拘束性ブレークアウトの発生を推定するよう
にしてもよい。
かの熱電対2の測温値の変化が異常判定手段5によって
異常と判定され、且つ、異常と判定された上段の熱電対
2に対応する部位の下段の熱電対2の測温値の変化が異
常判定手段5によって異常と判定されたときに、拘束性
ブレークアウトの発生を推定するようにしているが、必
ずしもこれに限定する必要はなく、他の異常判定結果に
基づいて、拘束性ブレークアウトの発生を推定するよう
にしてもよい。
【0018】また、上記実施の形態では、鋳型1の内面
(銅板)に上下二段に複数の熱電対2を埋設した場合を
例に採ったが、これに限定されず、一段のみ或いは上下
三段以上に熱電対2を埋設するようにしてもよい。
(銅板)に上下二段に複数の熱電対2を埋設した場合を
例に採ったが、これに限定されず、一段のみ或いは上下
三段以上に熱電対2を埋設するようにしてもよい。
【0019】
【実施例】一個の熱電対について、同一の連続鋳造機に
おいて異常判定法以外は同一条件とし、本発明例を用い
た場合の異常判定の回数を図5に、本発明法を用いる
前、即ち、Ti −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときに
異常と判定する場合の異常判定の回数を図6に示す(従
来例)。また、図7に、本発明例及び従来例の過検知に
よるブレークアウト警報の発生回数/月の比較を示す。
図から明らかなように、本発明例の方が従来例に比べて
過検知によるブレークアウト警報回数が大幅に減少して
おり、拘束性ブレークアウト推定の信頼度が高まったこ
とが判る。
おいて異常判定法以外は同一条件とし、本発明例を用い
た場合の異常判定の回数を図5に、本発明法を用いる
前、即ち、Ti −Ti-1 ≧ΔTの条件を満たしたときに
異常と判定する場合の異常判定の回数を図6に示す(従
来例)。また、図7に、本発明例及び従来例の過検知に
よるブレークアウト警報の発生回数/月の比較を示す。
図から明らかなように、本発明例の方が従来例に比べて
過検知によるブレークアウト警報回数が大幅に減少して
おり、拘束性ブレークアウト推定の信頼度が高まったこ
とが判る。
【0020】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、温度測定器による測温値変化の異常判定を正
確且つ容易に行えることができるので、拘束性ブレーク
アウト推定の信頼度を高めることができるという効果が
得られる。
によれば、温度測定器による測温値変化の異常判定を正
確且つ容易に行えることができるので、拘束性ブレーク
アウト推定の信頼度を高めることができるという効果が
得られる。
【図1】本発明の実施の形態の一例である拘束性ブレー
クアウトの推定方法を説明するための説明図である。
クアウトの推定方法を説明するための説明図である。
【図2】応答性の敏感な熱電対及び応答性の鈍感な熱電
対の各測温値と時間との関係を示すグラフ図である。
対の各測温値と時間との関係を示すグラフ図である。
【図3】応答性の敏感な熱電対及び応答性の鈍感な熱電
対の各F(σ)値と時間との関係を示すグラフ図であ
る。
対の各F(σ)値と時間との関係を示すグラフ図であ
る。
【図4】コントローラの作動を説明するためのフローチ
ャート図である。
ャート図である。
【図5】本発明法を用いた場合の応答性の敏感な熱電対
及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示すグラ
フ図である
及び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示すグラ
フ図である
【図6】従来法を用いた場合の応答性の敏感な熱電対及
び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示すグラフ
図である
び応答性の鈍感な熱電対における異常判定を示すグラフ
図である
【図7】本発明例及び従来例の過検知による警報回数の
比較を示すグラフ図である。
比較を示すグラフ図である。
【図8】従来の拘束性ブレークアウトの推定方法を説明
するための説明図である。
するための説明図である。
1…連続鋳造用鋳型 2…熱電対(温度測定器) 3…コントローラ 4…F(σ)演算手段 5…異常判定手段 6…警報発生手段
Claims (1)
- 【請求項1】 連続鋳造の鋳型に取り付けられた複数の
温度測定器による測温値の変化が所定の条件を満たした
ときに異常と判定し、該判定結果に基づいて拘束性ブレ
ークアウトの発生を推定する方法であって、 周期的にサンプリングしている温度測定器の測温値の最
新値をTi 、前回値をTi-1 、しきい値をΔT、温度測
定器の過去一定期間の測温値の標準偏差σを変数とした
関数をF(σ)とした場合に、Ti ≧F(σ)及びTi
−Ti-1 ≧ΔTの両方の条件を満たしたときに、測温値
の変化が異常であると判定することを特徴とする拘束性
ブレークアウトの推定方法。
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