JP2002035557A - 中空糸微多孔膜及びそれを組み込んでなる膜型人工肺 - Google Patents
中空糸微多孔膜及びそれを組み込んでなる膜型人工肺Info
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Abstract
耐血漿リーク性と安定し優れたガス交換性能を発揮でき
る中空糸微多孔膜、それを組み込んだ人工肺を提供する
こと。 【解決手段】 酸素ガスフラックスが10×10
-5〜500×10-5[cm3(STP)/cm2/sec
/cmHg]であり、エタノールフラックスが2〜80
[ml/min/m2]であり、平均孔半径0.008
〜0.07μmの連通孔を有する疎水性の素材からなる
中空糸微多孔膜及びそれを組み込んだ膜型人工肺は従来
の微多孔膜及びそれを組み込んだ膜型人工肺に比べて、
優れた酸素及び炭酸ガス交換性能を有し、かつ1週間以
上の長期の連続使用が可能な耐血漿リーク性を備えるこ
とを見出した。
Description
いて、血液に酸素を添加し、一酸化炭素又は二酸化炭素
等の炭酸ガスを除去するための膜型人工肺に関する。
下開心術等で広く使用されている。近年、術中術後の連
続した心肺補助や、未熟児の呼吸補助、さらには急性心
不全患者の心補助用等として長時間の連続使用が可能な
人工肺の開発が切に望まれている。また、術中の患者の
負荷を軽減するため、血液充填量が少なく、血液と接触
する膜面積が少ないガス交換効率に優れた小型でコンパ
クトな人工肺の実現が求められている。しかしながら前
記の先行技術はコンパクト、小型化を実現するために必
要な十分なガス交換性能と血漿の漏れが無く長期に亘り
使用可能ないわゆる長期耐久性の両方の要求を必ずしも
満足するものはなかった。
を組み込んだ人工肺が挙げられるが、該均質膜は血漿漏
出の懸念は無いもののガス交換性能に劣り、従って大き
な膜面積、即ち大型の人工肺を必要とし、多量のプライ
ミング血液が必要とされることから、生体負荷が大き
く、適用範囲が限られていた。
んだ人工肺が開発されているが、該微多孔膜は短時間の
使用に於いては優れたガス交換性能を示すものの、血液
灌流時間経過とともに微多孔部より血漿成分が漏れだし
使用不能となる欠点を有している。
工肺としては、例えば、特公平3−21188号公報に
は溶融法で製造された孔径と空孔率を規定したポリプロ
ピレン多孔性膜の人工肺への適用が開示されている。
度誘発型相分離法(TIPS法)により製造されたポリ
オレフィンからなる中空糸膜であって、中空糸の内面側
に比較的緻密な層を有し、外面側に平均粒径0.1μm
〜10μmの独立粒子の集合体状層を有し、且つ膜壁を
貫く微細な連通孔径を有し、膜の空孔率と酸素ガスのフ
ラックスを特定した中空糸膜の人工肺への適用が開示さ
れている。
にはTIPS法により製造される多孔質ポリプロピレン
中空糸膜であって、中空糸内面の開孔率を10%未満、
空孔率が1〜35%、酸素ガスフラックスが10〜10
00[ml/min/m2/mmHg]、透水率が0.0
1〜1.0[ml/min/m2/mmHg]であり、
優れたガス交換性能と長期に亘り血漿が漏出せず耐久性
に優れた多孔質中空糸膜が開示されている。
大きく、短時間の使用に於いては酸素ガス交換性能では
優れる点があるものの、血液灌流時間経過とともに微多
孔部より血漿成分が漏れだすため長期耐久性に劣ってい
た。
報には溶融法で製造される微多孔中空糸膜の空孔率が3
0〜90vol%、透水圧が4kg/cm2以上であ
り、バブルポイントが7kg/cm2〜15kg/cm2
の範囲の短冊状に開孔した微小孔径を有するポリエチレ
ン製中空糸膜の人工肺への適用が開示されている。しか
し、短冊状に開孔しており本発明とは異なるものであ
る。
特許公報第2700170号には、膜壁を連通するいわ
ゆる連通孔を実質的に有せず、従ってエタノールを液体
として実質的に透過しない非多孔薄膜層を有する中空糸
微多孔膜を組み込んだ人工肺が提案されている。該微多
孔膜は酸素透過速度が1×10-6 [cm3(STP)/
cm2/sec/cmHg]以上でありかつエタノールを
実質的に不透過とする遮断層を有し、空孔率が7〜50
%であるポリオレフィン系重合体からなる中空糸膜を使
用した膜型人工肺が開示されているが、この人工肺は耐
血漿リーク性及び血液への酸素の供給能力においては大
幅な改善が認められるものの血液からの炭酸ガスの除去
性能において必ずしも満足のゆくものではなかった。
ロピレン樹脂からなる微多孔膜は短期の使用に限り優れ
た酸素ガス交換性能を示すものの、血漿リークの発生に
より長時間の連続使用は不可能であった。可使用時間の
信頼限界は高々6時間程度であった。術中の血漿リーク
は患者に重大な結果を引き起こし、術中の人工肺の交換
は多大な手間と大きな危険性を伴うものであった。
ず長時間に亘る開心術への適用、さらにはECMOやP
CPS等の1週間以上の長期の連続使用が必要となる補
助循環分野への適用に於いても十分な耐血漿リーク性と
安定した優れたガス交換性能を発揮出来る中空糸微多孔
膜、それを組み込んだ人工肺は現在までに知られていな
い。
液相と気体相間のガス移動の機構に関し、通常の開心術
への適用のみならず長時間に亘る開心術への適用、さら
にはECMOやPCPS等の1週間以上の長期の連続使
用が必要となる補助循環分野への適用に於いても十分な
耐血漿リーク性と安定した優れたガス交換性能を発揮出
来る中空糸微多孔膜、それを組み込んだ人工肺を提供す
ることを課題とする。
体間のガス交換性能に優れ、かつ長時間の使用において
も血漿の漏出を完全に防止できる、微多孔膜について鋭
意研究した結果、特定の特性値で特徴付けられたポリオ
レフィン系重合体からなる膜が従来の微多孔膜に比べ
て、優れた酸素及び炭酸ガス交換性能を有し、かつ1週
間以上の長期の連続使用が可能な耐血漿リーク性を備え
た中空糸微多孔膜を見出し、本発明を発見した。
膜の酸素ガスフラックスが10×10 ? 5[cm3(ST
P)/cm2/s/cmHg]?500×10? 5[cm
3(STP)/cm2/s/cmHg]であって連通孔の
平均孔半径が0.008μm?0.07μmであって、
開孔率が0.02〜2%であって、膜のエタノールフラ
ックスが2ml/min/m2?80ml/min/m2
であることを特徴とする中空糸微多孔膜、
ンテン−1)系ポリマーからなることを特徴とする上記
(1)に記載の中空糸微多孔膜、
製造された膜であることを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載の中空糸微多孔膜、
に記載の中空糸微多孔膜を組み込んだ膜型人工肺、を提
供することにある。
本発明に用いる膜は、膜内部に微細な細孔(空隙)を有
し、かつ膜の表裏が実質上細孔によって連通している連
通孔を有する微多孔膜である。
は、水との接触角が90°以上の素材を意味する。具体
的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン
系樹脂、4フッ化エチレン、4フッ化エチレンぺルフル
オロアルコキシビニルエーテ共重合体、ポリビニリデン
フロライド等のフッ素樹脂、又はポリアセタール樹脂等
が挙げられる。
点から、疎水性が高くかつ加工が容易である、ポリオレ
フィン系樹脂が好ましく、その中でもポリ4−メチル−
1−ペンテン系樹脂が特に好ましい。
合、連通孔径が大きいほど、またその開孔率が高いほど
血漿リークの発生の危険性が増す。一方、膜に充分な酸
素及び一酸化炭素及び二酸化炭素(以上以下、「炭酸ガ
ス」という)のガス交換性能を賦与するためには膜に連
通孔が存在し、かつ膜が適切なガス透過性を有する必要
がある。
平均孔半径が0.008〜0.07μm、好ましくは
0.01〜0.045μm、更に好ましくは0.02〜
0.040μmのものであり、開孔率は0.02〜2
%、好ましくは0.05〜1.5%、更に好ましくは
0.3〜1.2%である。
974年、ジャーナルオブアプライドポリマーサイエン
ス(Journal of Applied Polymer Science VOL.18,PP.8
05-819)第18号805ページ記載の方法により求める
ことができる。本発明の平均連通孔半径は窒素ガスを使
用して測定した値である。
均連通孔径を求めた。算出は下の式に基づいて行った。
(2)よりグラフの傾き(=B0/η)、切片(=K0)
を求める。平均連通孔径rはこれらの値を(3)へ代入
して求める。
より求める。上記の方法で求めた平均連通孔径及びエタ
ノールフラックスの値から算出する。
粘度、r:平均連通孔径、ΔP:膜壁内外圧力差
部より発生する。また、微多孔膜の連通孔径はある程度
の分布をもって存在する。
は、膜の連通孔径の最大値を示す指標となるバブルポン
ト(液体としてエタノールを使用)が10kgf/cm
2以上を示す微多孔膜である。
で測定した際の膜壁を透過するの酸素のガス流量、即
ち、酸素フラックスは10×10-5〜500×10
-5[cm3(STP)/cm2/sec/cmHg]、好ま
しくは10×10-5〜250×10 -5[cm3(STP)
/cm2/sec/cmHg]である(ASTM D14
34に準ずる測定法で計算)。
酸ガス等の非凝集性ガスは、膜を介した気体−気体系に
よる測定の場合、各々のガスフラックスはほぼ同じ値と
なるが、膜を介した血液とのガス交換性能を調べると、
炭酸ガスの場合は、酸素の場合とは大きく異なることが
明らかとなった。従って、上述の酸素フラックスは10
×10-5[cm3(STP)/cm2/sec/cmHg]
未満である場合であっても酸素の交換性能にはさほど大
きな低下は認めらないが、一方、充分な炭酸ガスの除去
能力を発揮するためには膜の酸素フラックスが少なくと
も10×10-5[cm3(STP)/cm2/sec/c
mHg]以上必要である。
の上限は500×10-5[cm3(STP)/cm2/s
ec/cmHg]である。これより大きいと治療及び手
術中における血液ガス濃度コントロールが困難となる。
クスは膜の酸素ガスフラックスと同様に連通孔の存在の
度合を示す指標となる。本発明における膜のエタノール
フラックスは膜をエタノールで十分濡らした後、中空糸
内側もしくは外側より0.5kgf/cm2の差圧を負荷し
膜の反対側より液体として漏れ出てきたエタノールの量
を測定することにより求めることができる。本発明のエ
タノールフラックスは中空糸の外径を基準として、2〜
80[ml/min/m2]、好ましくは7〜60[m
l/min/m2]、さらに好ましくは32〜40[m
l/min/m2]である。
分なガス交換性能、特に血液中からの炭酸ガス除去性能
能力を発揮することができない。80[ml/min/
m2]より大きいと、長期に亘る血液循環において血漿
リークを防止しかつ安定したガス交換性能を得る事がで
きない。
者の状態等により人工肺に要求される特性が異なる場合
に於いても最適な特性を有する中空糸微多孔膜を選択で
きる。例えば新生児の呼吸不全に対する呼吸補助を目的
としたECMO等長期に亘る耐血漿リーク性と安定した
ガス交換性能が要求される場合には連通孔半径の上限値
が0.04μmで、エタノールフラックスの上限値が4
5ml/min/m2である本発明の中空糸微多孔膜が
好適に適用できる。
の手術中に多量の血液灌流を要求される場合には酸素フ
ラックスの下限値が40×10-5[cm3(STP)/c
m2/sec/cmHg]で、連通孔平均半径の下限値が
0.02μmであり、エタノールフラックスの下限値が
15ml/min/m2の中空糸微多孔膜が好適に適用
できる。
適合性の向上を目的として一般に行われている各種処
理、例えばヘパリン化合物等で膜の血液接触面を抗血栓
処理しても良く、また、プラズマ処理、コロナ放電処理
等での膜表面の親水化も実施してもよい。本発明の中空
糸微多孔膜はかかる表面処理においても優れたガス交換
性能と耐血漿リーク性を何ら損なうことは無い。
み込む場合、中空糸をバンドル化した状態で組み込んで
も良くまた必要に応じて中空糸の間隔が均一となるよう
該中空糸膜をシート状に配列して使用しても良い。
円形又は楕円形の中空糸であればよく、寸法は特に制限
されないが、好ましくは外径が150μm〜400μ
m、内径が120μm〜360μm、膜厚が15μm〜
60μmである。
人工肺として使用する場合には通常の中空糸繊維の内側
の総面積が0.1〜7m2で、中空繊維の本数が1,0
00〜100,000本となるように中空繊維を包含
し、また、そのガス交換部の大きさが外径25cm以
下、長さ30cm以下となる円筒状タイプのものが代表
的である。
空繊維の外側の総面積が0.1〜3.5cm2で、中空
繊維の本数が1,000〜60,000本となるように
中空繊維を包含し、また、そのガス交換部の大きさが、
外径20cm以下、長さ30cm以下の円筒状タイプの
ものが代表的である。
は無く、従来公知の製造法により製造できる。
溶融しその紡糸過程で素材に温度勾配とせん断力とを効
果的に紡糸方向へ作用させ積層ラメラ構造を成長させ、
さらに必要に応じて熱処理を実施した後、延伸し、該積
層したラメラ結晶の界面を開列させることにより微多孔
膜化するわゆる溶融紡糸法、
を非溶剤中に導き相分離を引き起こすことにより微多孔
膜化するいわゆる湿式製膜法、
ーに容易に分散する有機充填剤や必要に応じて結晶核形
成剤を混練し、該溶融混練物を必要に応じて該高分子素
材を溶解しない液体中で冷却固化し、ついで該混練物を
適当な液体で抽出除去することにより微多孔膜を得る、
いわゆる熱誘発型相分離法、等が挙げられる。
孔率等の制御が容易であり均一な特性を有する膜を安定
して生産する事ができ、さらに添加剤や溶剤等を使用せ
ず得られる膜の安全性に優れることから、最も好ましい
製造方法である。
のガスフラックス、連通孔径及びその開孔率等の膜特性
は使用する結晶性高分子素材の結晶化特性に大きく影響
を受ける。例えば高密度ポリエチレンやポリプロピレン
等の高結晶性高分子素材を使用し本発明の中空糸微多孔
膜を製造する場合には公知の溶融紡糸法において結晶の
成長をやや抑える条件を適用すれば良い。
較し結晶性の劣る熱可塑性高分子樹脂、例えばポリ4−
メチル−1ペンテン等の樹脂を使用する場合には、紡糸
時により結晶を成長させる条件範囲に調整し、必要に応
じて、紡出糸に熱処理を施した後に延伸する事により本
発明の中空糸微多孔膜を調製することが出来る。
は、本発明の疎水性の素材を中空糸内部にガス強制供給
可能な2重円管ノズルを用い樹脂の融点〜融点+100
℃で、中空状に溶融ストランドを押し出し、紡糸筒周囲
より微風(1m/sec以下)を吹きつけ(室温程度±3
0)℃で冷却固化させつつ、100〜2,000程度の
紡糸ドラフトでスプールに巻き付け、
+50)℃(但し、Tgはガラス転移点)以上から融点
未満の雰囲気中で1分〜24時間熱処理を行う。次にこ
れを延伸倍率1.1〜3.0倍でローラー間延伸を行
い、連続して(融点−50)℃〜(融点−20)℃の雰
囲気中で中空糸の収縮力に拮抗する張力を加えつつ、わ
ずか(0.8〜0.9倍)に弛緩しながら数秒間熱固定
を行うことを意味し、該方法により本発明の中空糸微多
孔膜を製造することができる。
の形状、形態には制限は無く、人工肺の形態として中空
糸の内側に血液を流すいわゆる内部灌流型人工肺でも良
く、また中空糸の外側に血液を流しガス交換を行ういわ
ゆる外部灌流型人工肺でも良い。外部灌流型人工肺は血
流圧力損失を低く抑えることができかつ、単位膜面積当
たりのガス交換効率に優れており最も好ましい形態であ
る。
血液損傷性(低血流圧損)等は人工肺の構造にも大きく
依存する。本発明の中空糸膜を組み込んだ人工肺の好ま
しい形態/形状例として例えば特許平10−25642
5公報に詳しく記載れている。
換、即ち血液への酸素供給と血液からの二酸化炭素の除
去に優れており、該膜を用いた人工肺は、一般の開心術
のみならず、長期間の使用が必要となる急性肺不全及び
心不全患者に対する呼吸補助及び経皮的心肺補助用人工
肺として好適に使用できる。
リマ−(商品名:TPX、三井化学製)を中空糸内部に
ガス強制供給可能な構造を持つ2重円管ノズルを用い、
溶融樹脂温度280℃で、中空状に溶融ストランドを押
し出し、紡糸筒周囲より微風を吹きつけ冷却固化させつ
つ紡糸ドラフト約750でスプールに巻き取った。
まま約190℃の雰囲気中で約2時間の熱処理を行った
後に延伸倍率2倍でローラー間延伸を行い、連続して1
95℃の雰囲気中で中空糸の収縮力に拮抗する張力を加
えつつわずかに弛緩しながら約1秒間熱固定を行うこと
により外径240μm、肉厚32μmの微多孔膜からな
る中空糸を調製した。 (実施例2)熱固定の雰囲気温度を215℃とし、熱固
定時の弛緩倍率をわずかに上げた以外実施例1と同等の
方法で外径236μm、肉厚33μmの微多孔膜からな
る中空糸を調製した。 (比較例1)2重円管紡糸ノズルを使用し、235℃で
溶融したメルトフローレート6g/分のポリプロピレン
樹脂を、該ノズルより内側に窒素を流しつつ中空ストラ
ンド状に押し出し、紡糸塔周囲より微風を吹かせ冷却固
化しつつ紡糸ドラフト770でスプールの巻き取った。
次いでスプールに巻き取った該中空ストランドを約13
0℃の雰囲気中で約2時間の熱処理を行った。次いで該
ストランドを延伸倍率2倍でローラ間延伸を行い、連続
して約130℃の雰囲気中でわずかに弛緩しながら約1
秒間熱固定を行い外径236μm、肉厚30μmの微多
孔膜からなる中空糸を調製した。 (比較例2)ポリ4−メチル−1−ペンテンポリマ−
を、2重円管紡糸ノズルを用い、紡糸温度285℃で中
空ストランド状に押し出し、ノズル直下に紡糸塔周辺よ
り均一に微風を流し、該溶融ストランドを固化させつつ
紡糸ドラフト780で引き取り、連続して約230℃の
空気雰囲気中で約3秒を熱処理を行った後連続して約
1.8のローラー間延伸を行い、連続して連続して19
5℃の雰囲気中で収縮力に拮抗する張力を負荷しながら
約1秒間熱固定を行い、外径230μm、肉厚32μm
の、外表面にやや緻密な薄膜層を有する微多孔膜からな
る中空糸を調製した。 (比較例3)ポリ4−メチル−1−ペンテンポリマ−を
約60℃に加温したシクロヘキサンに約16[wt%]で
溶解した。次いで該溶解液に対し約3[wt%]のエタノ
ールを添加し、孔径5μmのステンレスフィルターで濾
過、脱法を行い中空糸微多孔膜調製用ドープを得た。約
50℃に加温した該ドープ中空糸内管液としてエタノー
ルを用い、中空ノズルより約30cmの空気中を通過させ
エタノールで満たした凝固浴に導き固化させスプールに
巻き取った。約24時間メタノール中に浸漬した後、8
0℃に調整した熱風乾燥炉中で約24時間乾燥及び熱処
理を行った。得られた中空糸膜は外表面にやや緻密な層
を有しており、外径320μm、肉厚55μmの微多孔
膜からなる中空糸を調製した。
通孔半径、エタノールフラックス、開孔率を調べた。そ
の結果を表1に示す。
で調製した微多孔膜からなる中空糸を使用し、ポリエス
テルを縦糸とした鎖編みにより中空糸打ち込み本数が2
4本/cmの中空糸シートを形成した。これを図1にモ
デル図として示したように本中空糸シートの積層体を形
成させ、次いでこの積層体を図2にモデル図として示し
たような角形モジュールに組み込み、中空糸の外径基準
の有効膜面積が約0.4m2の外部灌流型用人工肺を試
作した。
E ADVANCEMENT OF MEDICAL INSTRUMENTATION)の方法に
準じ牛血により行った。ACDにより抗凝固処理を行っ
た新鮮牛血を酸素飽和度65%、ヘモグロビン(Hb)
12g/dl、過剰塩基(BE)0mEq/l、溶存二
酸化炭素分圧45mmHg、温度37℃に調整し、図2
中1より牛血を流し入れると同時に図2の3より酸素ガ
スをV/Q=1(酸素流量/血液流量)としガス交換性
能を測定した。結果を表2に示した。
g/dlのHbを含有し、血液温度37℃で酸素飽和度
65%で、BEが0である牛血の酸素含有量を45ml
/l(血液流量)だけ増加させることであり、標準二酸
化炭素血流量とは酸素の場合と同条件の牛血を使用し、
その二酸化炭素含有量を38ml/l(血液流量)だけ
減少させることの出来る最大血液流量を示す。尚本実施
例で示す最大血流量は血液を約6時間灌流した後の値で
ある。
ウム及び必要に応じてペントシリン等の抗生物質で防腐
処理したACD牛血を使用し実施した。実験に使用した
人工肺のモデル図2の3より純酸素を2l/minで流
しつつ約37℃に調製した牛血を流量2l/minでル
ープ状に灌流し、図2中の4の部分にトラップされた凝
集水中の蛋白量を定期的に測定した。蛋白成分の検出は
テトラブロムフェノールによる色変化を利用した市販の
蛋白質検査用紙を用いた。尚、牛血は約24時間ごとに
新鮮なものに交換した。この結果を表3に示した。
交換性能を有し、長期の使用においても血漿成分の漏れ
の無い、中空糸微多孔膜、及びそれを組み込んだ人工肺
を提供することができる。
る。
状態を示すモデル図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸素ガスフラックスが10×10-5〜5
00×10-5[cm 3(STP)/cm2/sec/cm
Hg]であり、エタノールフラックスが2〜80[ml
/min/m2]であり、平均孔半径0.008〜0.
07μmの連通孔を有する疎水性の素材からなる中空糸
微多孔膜。 - 【請求項2】 疎水性の素材がポリ(4−メチルペンテ
ン−1)系ポリマーであることを特徴とする請求項1に
記載の中空糸微多孔膜。 - 【請求項3】 中空糸微多孔膜が溶融紡糸法により製造
された膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載
の中空糸微多孔膜。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の中
空糸微多孔膜を組み込んでなる膜型人工肺。
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