JP2011078920A - 選択透過性中空糸膜 - Google Patents
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Abstract
血液透析や血液透析ろ過において、β2MGに代表されるサイズの有害物質の除去性とその除去安定性およびアルブミンなどの有用物質の漏出阻止性を高めることが可能な中空糸膜を提供する。
【解決手段】
セルロースアセテート系ポリマーからなる非対称構造を有する中空糸膜であって、中空糸膜を走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍で観察したとき、(a)内表面に孔が実質的に観察されないこと、(b)中空糸膜の断面において、内表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が0.1〜5%、外表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が22〜30%、それ以外の中間部の領域の開孔率が10〜20%であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(1)セルロースアセテート系ポリマーからなる非対称構造を有する中空糸膜であって、中空糸膜を走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍で観察したとき、
(a)内表面に孔が実質的に観察されないこと、
(b)中空糸膜の断面において、内表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が0.1〜5%、外表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が22〜30%、それ以外の中間部の領域の開孔率が10〜20%であること、
を特徴とする中空糸膜。
(2)内表面における平均面粗さが10nm以下であることを特徴とする(1)に記載の中空糸膜。
(3)内表面の開孔率が0.5%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の中空糸膜。
(4)製膜原液と内液を二重管状ノズルから吐出した後、エアギャップを通過させてから凝固浴で凝固させる工程を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法において、
(a)製膜原液が、セルロースアセテート系ポリマー、前記ポリマーの溶剤および非溶剤からなること、
(b)内液の水の含有量が95重量%以上100重量%以下であること、
(c)ノズル部での製膜原液の温度が70℃以上110℃以下、内液の温度が0℃以上40℃以下であること、
(d)凝固浴の溶剤濃度が40重量%以上60重量%以下であること、
(e)ノズルドラフト比が0.9〜1.3であること、
を特徴とする方法。
ここで、製膜原液を吐出するときの吐出線速度は、製膜原液吐出量をノズルスリット外径(a)とノズルスリット内径(b)を用いて得られるスリット断面積で除して求める。
製膜原液の吐出線速度[m/min]=製膜原液吐出量/[π{(a/2)^2−(b/2)^2}]
中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得ることができる。測定には芯液を洗浄、除去した後、中空糸膜を乾燥させた形態で観察することが好ましい。乾燥方法は問わないが、乾燥により著しく形態が変化する場合には芯液を洗浄、除去したのち、純水で置換した後、湿潤状態で形態を観察することが好ましい。中空糸膜の内径、外径および膜厚は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon−V−12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出する。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とする。
中空糸膜を10,000倍の走査型電子顕微鏡で観察し、写真(SEM写真)を撮影する。その画像より、縦762pixel×横620pixelの領域を切り出した後、画像解析ソフトを使用し、白/黒に画像を二値化し、中空糸膜表面および各断面の開孔率を求める。取り込んだ画像を孔部と閉塞部が識別されるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、孔部をカウントし、孔内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、孔を結合して一孔とみなしてカウントする。測定範囲の面積(A)、および測定範囲内の孔の面積の累計(B)を求めて開孔率(%)=B/A×100を求める。これを10視野実施してその平均を求める。初期操作としてスケール設定を実施するものとし、また、カウント時には測定範囲境界上の孔は除外しないものとする。
断面の開孔率測定は中空糸断面を内側から外側に向けてほぼ均等の長さに5分割し(内表面から外表面に向かって、順に断面1、2、3、4、5とする)、それぞれの開孔率を測定する。
評価する中空糸膜の内表面を露出させたものを試料とした。原子間力顕微鏡SPI3800(セイコーインスツルメンツ社製)によって形態観察した。この時の観察モードはDFMモード、スキャナーはFS−20A、カンチレバーはDF−3、観測視野は3μm四方である。Ra値は膜表面の凹凸を測定した際の基準点に対する全測定点の凹凸の算術平均を表す。
透析器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子で挟んで封止する。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃恒温槽で保温した透析器へ純水を送り、透析液側から流出した濾液流量を測定する。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは透析器入り口側圧力、Poは透析器出口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから透水率(mL/hr/mmHg)を算出する。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならない。また、回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲で測定する。中空糸膜の透水率は膜面積と透析器の透水率から算出する。
UFR(H)=UFR(D)/A
ここでUFR(H)は中空糸膜の透水率(mL/m2/hr/mmHg)、UFR(D)は透析器の透水率(mL/hr/mmHg)、Aは透析器の膜面積(m2)である。
非特許文献1に示された血液浄化器性能評価基準に準じ実施する。膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器に、総タンパク質濃度6.5±0.5g/dlに調整し、37℃に保温したACD(acid−citrate−dextrose)添加牛血漿を血液側流量200ml/minで1時間循環する。次いでヒトβ2MG(遺伝子組み換え品、和光純薬製)を0.05〜0.1mg/lの濃度になるように添加した総タンパク質濃度6.5±0.5g/dlに調整し、37℃に保温したACD添加牛血漿を血液側流量200ml/minで血液側に流し、市販透析液を500ml/min、ろ過流量15ml/minまたは45ml/minで透析を実施する。このクリアランス評価はシングルパスで実施する。透析開始後、60分時点、240分時点の血液入口、出口、透析液出口より採取した試験液のβ2MG濃度を測定する。クリアランスは以下の式で計算する。
・ろ過流量15ml/min、60分時点および240分時点のクリアランス(CLβ15[60]、[240])
CLβ15(ml/min)=200×[(200×CBi)−(185×CBo)]/(200×CBi)
・ろ過流量45ml/min、60分時点および240分時点のクリアランス(CLβ45[60]、[240])
CLβ45(ml/min)=200×[(200×CBi)−(155×CBo)]/(200×CBi)
ここで、CBi;血液入口部濃度、CBo;血液出口部濃度。
クエン酸を添加し、凝固を抑制した牛血液をヘマトクリット25〜30%、タンパク濃度6〜7g/dlに調製し、37℃で血液浄化器に200ml/minで送液し、ろ過流量15ml/minまたは45ml/minで血液をろ過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。15分毎にろ過流量を測定し、血液浄化器のろ液を採取する。ろ液に含有するタンパクの濃度を測定する。血漿中のタンパク濃度の測定は、体外診断用のキット(マイクロTP−テストワコー、和光純薬工業社製)を用いて行う。2時間までのデータをもとに、下の式から平均タンパクリーク量を求め、3L除水換算時のタンパクリーク量(TPL)を算出する。
積算ろ過量(ml)=t1(min)×Ct1(ml/min)+(t2−t1)(min)×Ct2(ml/min)+(t3−t2)(min)×Ct3(ml/min)・・・・(t120−tn)(min)×C120min(ml/min)
t:測定時間(min)、C:ろ過流量(ml/min)
ろ液のタンパク濃度=a×Ln(積算ろ過量)+b
各測定点におけるろ液のタンパク濃度とLn(積算ろ過量)からa、bを求める。
TPL(平均)=−a+b+a×Ln(積算ろ過量×2)
TPL(3L除水換算)(g)=TPL(平均)×30/1000
TPL(10L除水換算)(g)=TPL(平均)×100/1000
中空糸膜の強伸度は、テンシロン万能試験機(東洋ボールドウィン社製UTMII)を用い、乾燥した中空糸膜1本を約15cmの長さに切断してチャック間(距離約10cm)に弛みのないよう取り付け、20±5℃、60±10%RHの温湿度環境下、クロスヘッドスピード10cm/minで中空糸膜を引張り、測定を行った。得られたチャート紙から中空糸膜が切れた破断伸度と破断強力を読み取る。図1に示すように、S−Sカーブより補助線を設け、二つの補助線が交差した点を降伏点と定義し、その点における強力を降伏強力、伸度を降伏伸度とする。
紡糸された中空糸膜、約10,000本を束状に巻き取り、巻き取った中空糸膜束を透明のモジュールケースに挿入し、次いで、ケースの端部をウレタンやエポキシなどの樹脂で、中空糸膜束とケースを液密に接着、その後、中空糸膜の中空部が開口するように接着部分を切断し、中空糸膜モジュールを作製する。出来上がった中空糸膜モジュールを、目視にて外観検査を行い、中空糸膜に折れ、切れ、ねじれ、つぶれの形状異常の有無にて、作製歩留まりを算出する。本発明において、モジュール作製歩留まりは96%以上が好ましい。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N−メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=49/21/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%をN−メチルピロリドン(三菱化学社製)58.1重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.9重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に35℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=49/21/30からなる40℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)18重量%をN−メチルピロリドン(三菱化学社製)57.4重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.6重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に103℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は45mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=49/21/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)16.5重量%をN−メチルピロリドン(三菱化学社製)54.3重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)29.2重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に30℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に85℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は15mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=42/23/35からなる35℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.1であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は21μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)17.5重量%をN−メチルピロリドン(三菱化学社製)57.8重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.7重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に97℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は45mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=49/21/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=172mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%をN−メチルピロリドン(三菱化学社製)58.1重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.9重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径250μm、スリット内径185μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=49/21/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.07であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は185μm、膜厚は16μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N−メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として10重量%NMP水溶液を吐出した。その際、内液はブロック中に冷媒を流さず冷却しなかった。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=63/7/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径400μm、スリット内径250μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はブロック中に冷媒を流さず冷却しなかった。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=56/14/30からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.7であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は18μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)18重量%、N−メチルピロリドン(三菱化学社製)65.6重量%、トリエチレングリコール(三井化学社製)16.4重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径400μm、スリット内径250μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に0℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に80℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は80mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=57.6/14.4/28からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.4であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
Claims (4)
- セルロースアセテート系ポリマーからなる非対称構造を有する中空糸膜であって、中空糸膜を走査型電子顕微鏡を用いて倍率10000倍で観察したとき、
(a)内表面に孔が実質的に観察されないこと、
(b)中空糸膜の断面において、内表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が0.1〜5%、外表面から膜厚の20%までの領域の開孔率が22〜30%、それ以外の中間部の領域の開孔率が10〜20%であること、
を特徴とする中空糸膜。 - 内表面における平均面粗さが10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜。
- 内表面の開孔率が0.5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜。
- 製膜原液と内液を二重管状ノズルから吐出した後、エアギャップを通過させてから凝固浴で凝固させる工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法において、
(a)製膜原液が、セルロースアセテート系ポリマー、前記ポリマーの溶剤および非溶剤からなること、
(b)内液の水の含有量が95重量%以上100重量%以下であること、
(c)ノズル部での製膜原液の温度が70℃以上110℃以下、内液の温度が0℃以上40℃以下であること、
(d)凝固浴の溶剤濃度が40重量%以上60重量%以下であること、
(e)ノズルドラフト比が0.9〜1.3であること、
を特徴とする方法。
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