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JP2001523685A - 6−o−アルキルエリスロマイシンaの化学合成 - Google Patents

6−o−アルキルエリスロマイシンaの化学合成

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Publication number
JP2001523685A
JP2001523685A JP2000521103A JP2000521103A JP2001523685A JP 2001523685 A JP2001523685 A JP 2001523685A JP 2000521103 A JP2000521103 A JP 2000521103A JP 2000521103 A JP2000521103 A JP 2000521103A JP 2001523685 A JP2001523685 A JP 2001523685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
oxime
methyl
derivative
erythromycin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000521103A
Other languages
English (en)
Inventor
パテル,ヘマントクマー・エイチ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Laboratories
Original Assignee
Abbott Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Abbott Laboratories filed Critical Abbott Laboratories
Publication of JP2001523685A publication Critical patent/JP2001523685A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H1/00Processes for the preparation of sugar derivatives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/04Heterocyclic radicals containing only oxygen as ring hetero atoms
    • C07H17/08Hetero rings containing eight or more ring members, e.g. erythromycins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Saccharide Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 6−O−アルキルエリスロマイシンAの製造方法が提供される。該方法には、9−オキシムエリスロマイシンAのオキシム水酸基をベンゾイル保護基で保護する段階;2’−水酸基および適宜に4’−水酸基をO−保護基で保護する段階;6−水酸基をアルキル化する段階;ベンゾイル基およびO−保護基を脱離させる段階;ならびに9−オキシムの脱オキシムを行う段階がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエリスロマイシン誘導体に関する。詳細には本発明は、6−O−アル
キルエリスロマイシンAの化学合成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に示す6−O−メチルエリスロマイシンA(クラリスロマイシン;Cla
rithromycin)は、強力なマクロライド系抗生物質である(米国特許
4331803号)。
【0003】
【化3】
【0004】 6−O−メチルエリスロマイシンAの製造については、各種方法が報告されて
いる。6−O−メチルエリスロマイシンAは、エリスロマイシンAの2’−O−
3’−N−ジベンジルオキシカルボニル−デス−N−メチル誘導体のメチル化に
よって製造することができる(米国特許4331803号)。6−O−メチルエ
リスロマイシンAは、9−オキシムエリスロマイシンA誘導体からも製造するこ
とができる(例えば、米国特許5274085号;同4680386号;同46
68776号;同4670549号および同4672109号ならびに欧州特許
出願0260938A2参照)。
【0005】 9−オキシムエリスロマイシンA誘導体を用いる方法では、メチル化の際に、
オキシムを2−アルケニル基(米国特許4670549号および同466877
6号)、ベンジルもしくは置換ベンジル基(米国特許4680386号および同
4670549号)あるいは低級アルキル、置換アルキル、低級アルケニル、ア
リール置換メチル、置換オキシアルキルおよび置換チオメチルから成る群から選
択される部分(米国特許4672109号)によって保護する。米国特許499
0602号には、6−OH基をアルキル化する前に、9−オキシムの水酸基を誘
導体化する技術が開示されている。これは、クラリスロマイシンの製造で現在使
用されている商業的方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
6−O−メチルエリスロマイシンAの既存の製造方法には欠点がある。例えば
、2’−OH基を保護しないことから、その基の望ましくないメチル化が生じる
。既存の2’−OH基保護方法は、3’−窒素の保護も必要となることから不十
分なものである。米国特許4680386号には、ベンジルオキシカルボニル部
分による2’−OH基の保護が開示されている。しかしながら、そのような状況
下では、3’−窒素もN−脱メチル化を受け、その後にN−ベンジルオキシカル
ボニルが形成される。この3’−N−ベンジルオキシカルボニル基は、6−O−
メチル化後に脱保護しなければならない。3’−ジメチルアミノ基は、6−O−
メチル化後にN−メチル化によって再生される。米国特許4670549号には
、ベンジルなどの置換基としての2’−OH基の保護が開示されている。そのよ
うな状況下では、3’−窒素基も4級塩として保護しなければならない。その4
級塩は6−O−メチル化後に脱離させて、3’−ジメチルアミノ基を再生しなけ
ればならない。オキシアルキル基で保護された9−オキシム誘導体の脱保護は苛
酷な条件下で行わなければならないことから、望ましくない副生成物が形成され
る。さらに例を挙げると、2’−水酸基の保護にベンジルオキシカルボニル基を
使用する場合(米国特許4311803号)、刺激性および毒性が非常に強いク
ロロギ酸ベンジルを大量に使用する必要がある。さらに別の例を挙げると、ベン
ジルオキシカルボニルによるオキシムの保護に問題がある。その基は、アルカリ
条件下でのメチル化の際に非常に不安定である。
【0007】 従って現在もなお、温和で中性の合成条件を用いる6−O−メチルエリスロマ
イシンAの迅速かつ有効な製造方法を提供することが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、当業界ではクラリスロマイシンと称される6−O−アルキルエリス
ロマイシンAの有効かつ実用的な合成方法を提供する。該合成方法は、1)9−
オキシム官能基の保護にベンゾイル保護基を使用し、2)エリスロマイシンAの
6−水酸基誘導体の選択的アルキル化時に2’−水酸基あるいは2’−および4
”−水酸基に対してO−保護基を使用する。
【0009】 該合成方法は、何らかの方法で得られるエリスロマイシンAオキシムを原料と
する。エリスロマイシンAの9−オキシム基をベンゾイル保護基を用いて保護す
る。保護は、エリスロマイシンAオキシムを式RCOXのベンゾイル化試薬(X
はハロゲンであり、Rはジ置換ベンゼンであり、該置換基はCl、Brまたはア
ルコキシである)と反応させることで行う。
【0010】 6−水酸基のアルキル化の前に、2’−水酸基あるいは2’−および4”−水
酸基のO−保護を行う。2’−および4”−水酸基の両方を保護する場合、好ま
しい保護基はトリメチルシリル基である。好ましいシリル化試薬として、ヘキサ
メチルジシラザンを用いる。非トリメチルシリル保護基を使用することで、4”
−保護基を保護する必要がなくなる。オキシム保護ならびに2’−および4”−
水酸基のO−保護はいかなる順序で行っても良い。好ましくは、2’−および4
”−水酸基のO−保護を行った後に、オキシムの保護を行う。
【0011】 オキシム保護、2’−保護あるいは2’,4”−ジ保護エリスロマイシンA誘
導体を、当業界で公知のアルキル化試薬を用いてアルキル化する。好ましいアル
キル化試薬はハロゲン化アルキル類である。該保護基は、アルコール性アルカリ
金属炭酸塩類を用いて脱離させる。当業界で公知の標準的手順を用いて脱オキシ
ム化を行って、6−O−アルキルエリスロマイシンAを得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
本明細書では、多くの定義された用語を用いて、本発明の特定の構成要素を示
す。そのように使用する場合、以下の意味があるものとする。
【0013】 「アルキル」という用語は、炭素原子数1〜10個の飽和、直鎖または分岐の
炭化水素基を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t
ert−ブチルおよびネオペンチルなどがあるが、これらに限定されるものでは
ない。好ましくはアルキルは、炭素数1〜4個に限定される。
【0014】 「アルキル化剤」という用語は、求核性部位にアルキル基を結合させることが
できる試薬を指し、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、ヨウ化メチル
、ヨウ化エチルおよび臭化n−プロピルなどのハロゲン化アルキル類;硫酸ジメ
チル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジ−n−プロピルなどの硫酸ジアルキル類;p−
トルエンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸n−プ
ロピルなどのスルホン酸アルキルもしくはスルホン酸アリールなどがあるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】 「アリール(低級アルキル)」という用語は、1〜3個の芳香族炭化水素基が
付随している低級アルキル基を指し、例えばベンジル、ジフェニルベンジル、ト
リチルおよびフェニルエチルなどがある。
【0016】 「アリールオキシ」という用語は、エーテル結合を介して(すなわち、酸素原
子を介して)分子の残りの部分に結合している芳香族炭化水素基を指し、例えば
フェノキシなどがある。
【0017】 「シクロアルキル」という用語は、環に3〜8個の炭素原子を有する飽和単環
式炭化水素基であって、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、低級アルコキシ
およびハロゲンから選択される1〜3個の別の基で置換されていても良い。シク
ロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、1−フルオロ−シクロプロピルおよび2−フ
ルオロシクロプロピルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0018】 「低級アルケニル」という用語は、炭素数2〜6個であって、1個以上の炭素
−炭素二重結合を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素基を指す。低級アルケニル
基の例としては、ビニル、アリル、2−もしくは3−ブテニル、2−,3−もし
くは4−ペンテニル、2−,3−,4−もしくは5−ヘキセニルならびにこれら
の異性体などがある。
【0019】 「低級アルコキシ」という用語は、エーテル結合を介して(すなわち、酸素原
子を介して)分子の残りの部分に結合している低級アルキル基を指す。低級アル
コキシ基の例としては、メトキシおよびエトキシなどがあるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0020】 「低級アルキル」という用語は、炭素原子数1〜6個のアルキル基を指し、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルおよび
ネオペンチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0021】 「極性非プロトン性溶媒」という用語は、容易に脱離するプロトンを持たない
極性有機溶媒を指し、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフ
ラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリルまたは酢酸エチルなどがある
が、これらに限定されるものではない。
【0022】 「シリル」という用語は、式Si(R)(R)(R)の基(R、R およびRはそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、アリール、フェニル、フェ
ニル置換低級アルキル、シクロアルキルまたはアルケニルである)を指す。
【0023】 「強アルカリ金属塩基」という用語は、弱い共役酸を有するアルカリ金属塩基
を指し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、カリウムt−ブトキシドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】 「置換アリール(低級アルキル)」という用語は、ハロゲン、低級アルコキシ
、低級アルキル、水酸基置換低級アルキルおよび(低級アルキル)アミノからそ
れぞれ独立に選択される1〜3個の水素以外の環置換基を有する上記で定義のア
リール(低級アルキル)残基を指す。置換アリール(低級アルキル)基の例とし
ては、2−フルオロフェニルメチル、4−フルオロフェニルエチルおよび2,4
−ジフルオロフェニルプロピルなどがある。
【0025】 「弱有機アミン塩基」という用語は、強い共役酸を有する有機アミン塩基を指
し、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジ
ン、2−メトキシピリジン、1−メチルピロリジン、1−メチルピペリジンおよ
び1−エチルピペリジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0026】 本発明は、6−O−アルキルエリスロマイシンAの製造方法を提供する。該方
法は9−オキシムエリスロマイシンAを原料とする。9−オキシムエリスロマイ
シンAはいずれかの入手源から得ることができる。好ましくは9−オキシムエリ
スロマイシンAは、当業界で公知の標準的な手順を用いてエリスロマイシンAを
オキシム化することで得られる(例えば、米国特許5274085号参照。その
開示内容は引用によって本明細書に含まれるものとする)。例えば、発酵から得
られるエリスロマイシンAを、ヒドロキシルアミン塩酸塩および塩基としての遊
離ヒドロキシルアミンのメタノール溶液あるいはヒドロキシルアミンおよび有機
酸と反応させることができる。好ましくはエリスロマイシンAのオキシム化は、
ヒドロキシルアミンとギ酸を用いて行う。
【0027】 9−オキシムエリスロマイシンAの6−水酸基を選択的にアルキル化する前に
、化合物中の他の水酸基を保護することが必要である。そのような他の水酸基と
は、オキシム水酸基(N−OH)、2’−水酸基および場合によって4”−水酸
基である。それらの水酸基の保護は、6−水酸基のアルキル化の前に全ての基が
保護される限りにおいて、いかなる順序で行うこともできる。
【0028】 1実施態様においては、9−オキシムエリスロマイシンAについて、そのオキ
シムとベンゾイル化試薬とを反応させることで、オキシム水酸基を最初に保護す
る。好適な試薬は、式RCOXの構造を有する(Xはハロゲンであり、Rはジ置
換ベンゼンである)。好ましくはXは塩素である。ベンゼンにおける2箇所の置
換は好ましくは、2位および4位、あるいは2位および6位の炭素にある。その
後の反応段階を妨害しないいかなる置換基も使用可能である。好ましくは該置換
基は、アルコキシ、塩素、臭素またはヨウ素である。好ましいアルコキシ基はエ
トキシおよびメトキシである。そこで、好ましいベンゾイル化試薬の例としては
、式RCOXの化合物であって、Xが塩素であり、Rが2,6−ジクロロベンゼ
ン、2,6−ジブロモベンゼン、2,6−ジヨードベンゼン、2,6−ジメトキ
シベンゼン、2,6−ジエトキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゼン、2,4
−ジブロモベンゼン、2,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジメトキシベンゼン
または2,4−ジエトキシベンゼンである化合物である。
【0029】 1実施態様においては、2’−および4”−水酸基をいずれも保護する。これ
らの水酸基の保護は、シリル基を用いて行う。好ましいシリル基の例としては、
下記の式のものである。
【0030】
【化4】 式中、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、アリー
ル、フェニル、フェニル置換低級アルキル、シクロアルキルまたはアルケニルで
ある。好ましくは、R、RおよびRがいずれもメチルである。シリル基は
、当業界で公知の標準的手順を用いて、2’−および4”−水酸基に配置させる
ことができる。例えばトリメチルシリル基は、酸(例:HCOH)存在下、9
−オキシムエリスロマイシンA誘導体(オキシムが保護されたものまたは未保護
のもの)とシリル化試薬であるヘキサメチルジシラザン(HMDS)とを反応さ
せることで、2’−および4”−位に配置することができる。この同じ変換は、
EtN、ピリジンもしくはイミダゾールなどの有機塩基存在下、トリメチルシ
リルクロライド(TMSクロライド)などの他のシリル化剤を用いて行うことが
できる。他のシリル化条件も使用可能である。そのような条件には、アセトニト
リル(CHCN)などの好適な溶媒の使用が含まれるのが普通である。
【0031】 別の実施態様では、2’−水酸基のみを保護する必要がある(1996年4月
2日出願の米国特許出願627795号参照;該出願の内容は引用によって本明
細書に含まれるものとする)。そのような保護は、当業界で公知の従来のO−保
護基を用いて行うことができる。好ましいO−保護基の例としては、アルコキシ
カルボニル類(例:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニル、n−イソプロポキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、イ
ソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、t−ブチルオキ
シカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカ
ルボニル、メチルオキシカルボニルなど)、アルコキシアルコキシカルボニル類
(例:メトキシメトキシカルボニル、エトキシメトキシカルボニル、2−メトキ
シエトキシカルボニル、2−エトキシエトキシカルボニル、2−ブトキシエトキ
シカルボニル、2−メトキシエトキシ−メトキシカルボニルなど)、ハロアルコ
キシカルボニル類(例:2−クロロエトキシカルボニル、2−クロロエトキシカ
ルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルなど)、不飽和アルコキ
シカルボニル類(例:アリルオキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル
、2−ブテノキシカルボニル、3−メチル−2−ブテノキシカルボニルなど)、
置換ベンジルオキシカルボニル類(例:ベンジルオキシカルボニル、p−メチル
ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジニトロベンジルオキシカルボニル、3
,5−ジメチルベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニ
ル、p−ブロモベンジルオキシカルボニルなど)ならびに置換フェノキシカルボ
ニル類(例:フェノキシカルボニル、p−ニトロフェノキシカルボニル、o−ニ
トロフェノキシカルボニル、2,4−ジニトロフェノキシカルボニル、p−メチ
ルフェノキシカルボニル、m−メチルフェノキシカルボニル、o−ブロモフェノ
キシカルボニル、3,5−ジメチルフェノキシカルボニル、p−クロロフェノキ
シカルボニル、2−クロロ−4−ニトロフェノキシカルボニルなど)がある(G
reene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis , 2d.Ed., John Wil
ey & Sons, Inc., New York, 1991参照;該文
献の開示内容は、引用によって本明細書に含まれるものとする)。
【0032】 好ましい低級アルキルモノカルボニル基の例としては、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリルなどがある。好ましい低級アルケニルモノカルボニ
ル基の例としては、アクリルオキシ、メタクリルオキシなどがある。好ましい低
級アルコキシカルボニル−アルキルカルボニル基の例としては、メトキシカルボ
ニル−メチルカルボニル、エトキシカルボニルメチルカルボニル、エトキシカル
ボニル−エチルカルボニルなどがある。好ましいアリールカルボニル基の例とし
ては、ベンゾイル、p−メトキシベンゾイル、3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル、p−クロロベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル、3,5−ジクロロ
ベンゾイル、ジフェニルアセチル、1−ナフタレンアセチル、2−ナフタレンア
セチルなどがある。
【0033】 エリスロマイシン誘導体製造におけるO−保護基の使用については報告されて
いる(例えば、米国特許4672109号および欧州特許出願0260938A
2参照;これらの開示内容は、引用によって本明細書に含まれるものとする)。
上記のような従来のO−保護基は、当業界で公知の標準的な手順を用いて配置さ
れる。例えばアセチル基は、アセチル化剤および塩基とエリスロマイシンA誘導
体(9−オキシムまたは9−オキシムシリル)とを反応させることで2’位に配
置することができる。使用可能な好適なアセチル化剤には、式(RCO)
またはRCOCl(Rは、水素または低級アルキル(例:メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなど)
もしくはアリール(例:フェニル、p−メトキシフェニル、p−クロロフェニル
、m−クロロフェニル、o−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、p−
ブロモフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル、ベンズヒドリル、
1−ナフチルなど)のような置換基である)の構造を有する無水物または酸ハラ
イド化合物などがある。好適な塩基は、トリエチルアミン、ピリジンおよびジエ
チルアミンなどの有機塩基である。
【0034】 当業者には、従来のN−保護基を用いてエリスロマイシンAの3’位にあるジ
メチルアミノ部分のメチル基を置換することが有利な場合があることは明らかで
あろう。好ましいN−保護基の例としては、アルコキシカルボニル基(例:メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−
プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボ
ニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、
2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、
メチルオキシカルボニル基など)、アルコキシアルコキシカルボニル基(例:メ
トキシメトキシカルボニル基、エトキシメトキシカルボニル基、2−メトキシエ
トキシカルボニル基、2−エトキシエチルカルボニル基、2−エトキシエトキシ
カルボニル基、2−ブトキシエトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシ−メ
トキシカルボニル基など)、ハロアルコキシカルボニル基(例:2−クロロエト
キシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニル基など)、不飽和アルコキシカルボニル基(例:アリルオキ
シカルボニル基、プロパルギルオキシカルボニル基、2−ブテノキシカルボニル
基、3−メチル−2−ブテノキシカルボニル基など)、置換ベンジルオキシカル
ボニル基(例:ベンジルオキシカルボニル基、p−メチルベンジルオキシカルボ
ニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル基、2,4−ジニトロベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジメチ
ルベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−
ブロモベンジルオキシカルボニル基など)ならびに置換フェノキシカルボニル基
[例:フェノキシカルボニル基、p−ニトロフェノキシカルボニル基、o−ニト
ロフェノキシカルボニル基、2,4−ジニトロフェノキシカルボニル基、p−メ
チルフェノキシカルボニル基、m−メチルフェノキシカルボニル基、o−ブロモ
フェノキシカルボニル基、3,5−ジメチルフェノキシカルボニル基、p−クロ
ロフェノキシカルボニル基、2−クロロ−4−ニトロフェノキシカルボニル基な
ど(米国特許4672109号)]がある。
【0035】 上述のように、オキシム水酸基または2’−および4”−水酸基を最初に保護
することができる。しかしながら、生成物形成の収率および純度は、2’−およ
び4”−水酸基の後にオキシム水酸基を保護した場合に向上する。
【0036】 次に、2’,4”−ジシリル−9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンAま
たは2’−保護−9−ベンゾイルエリスロマイシンAを6−水酸基で選択的にア
ルキル化する。エリスロマイシン誘導体の6−水酸基をアルキル化する手順およ
び試薬については、当業界で公知である(例えば、米国特許4672109号お
よび同4670549号)。すなわち、保護−9−オキシムベンゾイルエリスロ
マイシンAを、塩基存在下に好適なアルキル化剤と反応させる。好ましいアルキ
ル化剤の例としては、ハロゲン化アルキル類または硫酸アルキル類などがある。
好ましい実施態様においては、6−水酸基をメチル化する。好ましいメチル化試
薬の例としては、臭化メチル、ヨウ化メチル、硫酸ジメチルおよびp−トルエン
スルホン酸メチルなどがある。
【0037】 好ましい塩基の例としては、好ましくは水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ
金属またはアルカリ金属アルコキシドからなる群から選択される強アルカリ金属
塩基、ならびに好ましくはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、ピリジン、2−メトキシピリジン、1−メチルピロリジン、1−メチル
ピペリジンおよび1−エチルピペリジンから成る群から選択される弱有機アミン
塩基などがある。塩基を約1.5当量未満で使用すると、選択的メチル化の純度
が高くなることが認められる。
【0038】 アルキル化段階は好適な溶媒中で行う。好ましい溶媒の例としては、アルキル
化を行えるだけの期間にわたり反応温度に維持される(好ましくは、−15℃か
ら室温で、1〜8時間)N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロ
フラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリルメチル−t−ブチルまたは
酢酸エチルなどの極性非プロトン性溶媒、あるいはそのような極性非プロトン性
溶媒の混合物などがある。
【0039】 6−O−アルキルエリスロマイシンAの製造は、2’位および4”位からO−
保護基を脱離させ、9−オキシムベンゾイル基からベンゾイル基を脱離させ、次
に9−オキシムの脱オキシムを行うことで進行する。2’位および4”位のO−
保護基を脱離させる手段は当業界では公知である。例えばシリル基は、メタノー
ル性炭酸カリウムなどのアルコール性炭酸塩とシリル化誘導体とを反応させるこ
とで脱離させることができる。そのような炭酸塩を用いる利点は、ベンゾイル保
護基が9−オキシムベンゾイル基から同時に脱離するという点である。当業界で
公知のように、シリル基の脱離は、(a)THF中t−BuNF、(b)HO
Ac/THF/HO、(c)クエン酸/MeOH、(d)ダウエックス(Do
wex)樹脂/MeOH、KCO/MeOH、(e)n−BuNCl/K
Fまたは(f)HF/CHCNを用いて行うこともできる。
【0040】 6−O−アルキルエリスロマイシンA製造の最終段階は脱オキシムである。脱
オキシムは、当業界で公知の標準的手順に従って行う(米国特許4672109
号)。すなわち、9−オキシム誘導体を、アルコール(例:エタノール)中で硫
酸水素ナトリウムと反応させ、還流させる。溶液を冷却し、アルカリ性とし、重
炭酸ナトリウム水溶液で沈殿させる。上記の反応で形成される沈殿を濾取し、洗
浄し、アルコールで再結晶する。
【0041】 本発明の方法を用いる6−O−メチルエリスロマイシンA合成の詳細を、以下
の実施例に示す。本発明による合成法の2種類の実施態様についての図式的表示
を、以下の図式1に示してある。
【0042】
【化5】
【0043】 図式1について説明すると、9−オキシムエリスロマイシンA(化合物1)を
、ピリジンおよびDMAP存在下にベンゾイル化試薬[RCOCl]と、あるい
はアセトニトリル中でHMDSと反応させて、それぞれ化合物2A(オキシム保
護誘導体)または化合物2B(2’,4”−保護誘導体)を得る。
【0044】 次に、化合物2Aをアセトニトリル中でHMDSと反応させて化合物3を得る
。別法として、化合物2Bを、ピリジンおよびDMAP存在下にベンゾイル化試
薬[RCOCl]と反応させて化合物3を得る。
【0045】 次に、化合物3をメチル化し、脱保護し、脱オキシムすることで、6−O−メ
チルエリスロマイシンAが得られる。
【0046】 別の態様において本発明は、本発明の方法の際に形成されるある種の中間体を
提供するものである。そのような中間体は、下記の構造式Iに相当するものであ
る。
【0047】
【化6】 式中、Rはジ置換ベンゼンであり;Rは水素もしくはアルキルであり;R およびRはそれぞれ独立に、水素、トリメチルシリルもしくはO−保護基で
ある。好ましい実施態様においては、Rはメチルであり、RおよびRはい
ずれもトリメチルシリルである。別の実施態様では、RはO−保護基であり、
は水素である。O−保護基の例としては、上記のものと同様である。好まし
い実施態様において、Rは2,6−ジクロロベンゼン、2,6−ジブロモベン
ゼン、2,6−ジヨードベンゼン、2,6−ジメトキシベンゼン、2,6−ジエ
トキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゼン、2,4−ジブロモベンゼン、2,
4−ジヨードベンゼン、2,4−ジメトキシベンゼンまたは2,4−ジエトキシ
ベンゼンである。
【0048】
【実施例】
以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を示すものであって、いかなる形で
も本明細書の内容および特許請求の範囲を限定するものではない。
【0049】 実施例1:2’,4”−ビストリメチルシリル−9−オキシムエリスロマイシ ンA 9−オキシムエリスロマイシンA(7.5g)をアセトニトリル70mLおよ
びヘキサメチルジシラザン(4.8g)に懸濁させた。混合物を室温で16時間
攪拌した。結晶化が開始するまで混合物を濃縮した。混合物をさらに30分間攪
拌し、濾過して、標題生成物6.8gを白色結晶固体として得た。
【0050】 13C NMR(CDCl):δ0.8(−SiMe)、0.9(−Si
Me)、40.9(−N(CH)、49.7(3”−OCH)、17
0.6(C=O)、176.1(C=N)。 MS(CIMS):892(MH)。
【0051】 実施例2:2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジクロ ロベンゾイル)オキシム]エリスロマイシンA 実施例1からの生成物(25g)のCHCl(125mL)およびトリエ
チルアミン(10mL)溶液に、ジメチルアミノピリジン(200mg)および
2,6−ジクロロベンゾイルクロライド(8g)を加えた。混合物を室温で5時
間攪拌した。水(100mL)を加え、混合物をメチル−t−ブチルエーテルで
希釈した。水層を除去し、有機層を希NaOH溶液と次に飽和NaCl溶液で洗
浄した。有機層を脱水し(MgSO)、溶媒留去して乾固させた。残留物を2
5%酢酸エチル/ヘプタンに溶かし、短いシリカゲル層に負荷した。1%トリエ
チルアミンを含む10%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して、純粋な生成物を含む
分画を得た。その分画を合わせ、溶媒留去して、標題生成物11.4gを白色固
体として得た。
【0052】 13C NMR(CDCl):δ0.8(2個の−SiMe)、40.8
(−N(CH)、49.5(3”−OCH)、163.0(C=O)、
176.0(C=O)および179.6(C=N)。 MS(CIMS):1065(MH)。
【0053】 実施例3:2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−2,6−(ジメト キシベンゾイル)オキシム]エリスロマイシンA 実施例1からの2’,6”−ビストリメチルシリル−9−オキシムエリスロマ
イシンA(10g)のCHCl(50mL)およびピリジン(5mL)溶液
に、ジメチルアミノピリジン(200mg)および2,6−ジメトキシベンゾイ
ルクロライド(3.0g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。塩化メチ
レンを減圧下に除去し、残留物をメチル−t−ブチルエーテル(200mL)に
溶かした。水(100mL)を加え、50%NaOH水溶液を用いて溶液のpH
を13に調節した。有機層を分液し、水で洗浄し(150mLで3回)、脱水し
(MgSO)、溶媒留去して乾固させて、標題化合物(10.5g)を白色固
体として得た。
【0054】 13C NMR(CDCl):δ0.7および0.8(2個の−SiMe )、40.8(−N(CH)、49.5(3”−OCH)、55.4お
よび55.9(2個の−OCH)、164.3(C=O)、175.8(C=
O)および178.2(C=N)。 MS(CIMS):1057(MH)。
【0055】 実施例4:2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジクロ ロベンゾイル)オキシム]−6−O−メチルエリスロマイシンA 実施例2からの2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジ
クロロベンゾイル)オキシム]エリスロマイシンA(1.0g)のジメチルスル
ホキシド(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)溶液を冷却して7℃と
した。その混合物に、ヨウ化メチル(0.15mL)および85%水酸化カリウ
ム粉末(120mg)を加えた。混合物を5℃〜15℃で1.5時間攪拌した。
得られた混合物に、40%メチルアミン水溶液(1mL)および水(10mL)
を加えた。混合物をメチル−t−ブチルエーテルで抽出した(50mLで2回)
。有機層を水で洗浄し(30mLで2回)、脱水した(MgSO)。溶媒を減
圧下に留去して乾固させ、標題化合物(850mg)を白色固体として得た。粗
標題生成物について、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル/トリエチルアミン(
6/4/0.5)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製を行った。
MS:(MH)。
【0056】 13C NMR(CDCl):δ0.8および0.9(2個の−SiMe )、40.8(−N(CH)、49.5(3”−OCH)、51.0(
6−OMe)、164.5(C=O)、175.6(C=O)および179.5
(C=N)。 MS(CIMS):1117(MK)。
【0057】 実施例5:2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジメト キシベンゾイル)オキシム]−6−O−メチルエリスロマイシンA 実施例3からの2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)オキシム]エリスロマイシンA(3.0g)のジメチルス
ルホキシド(15mL)およびテトラヒドロフラン(15mL)溶液を冷却して
7℃とした。その混合物に、臭化メチルの2M t−ブチルメチルエーテル溶液
(15mL)および85%水酸化カリウム粉末(350mg)を加えた。混合物
を5℃〜7℃で4.5時間攪拌した。得られた混合物に、40%メチルアミン水
溶液(2mL)および水(120mL)を加えた。混合物をメチル−t−ブチル
エーテルで抽出した(150mLで2回)。有機層を水で洗浄し(100mLで
3回)、脱水した(MgSO)。溶媒を減圧下に留去して乾固させ、標題化合
物(2.3g)を白色固体として得た。
【0058】 13C NMR(CDCl):δ0.8および1.0(2個の−SiMe )、40.9(−N(CH)、49.6(3”−OCH)、50.3(
6−OMe)、55.6(2個の−OCH)、157.3(C=O)、175
.6(C=O)および176.0(C=N)。
【0059】 実施例6および7:6−O−メチル−9−オキシムエリスロマイシンA 実施例4からの2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジ
クロロベンゾイル)オキシム]−6−O−メチルエリスロマイシンA(250m
g)のMeOH(8mL)溶液に、炭酸カリウム(200mg)水溶液(水1m
L)を加えた。混合物を45℃〜50℃で21時間加熱した。溶液を冷却して室
温とし、結晶固体6−O−メチルエリスロマイシンA(35mg)を濾過した。
母液を濃縮して別の(65mg)生成物を得た。それの構造決定はNMRによっ
て行った(下記の表参照)。
【0060】 実施例5からの2’,4”−ビストリメチルシリル−9−[O−(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)オキシム]−6−O−メチルエリスロマイシンA(2g)
のMeOH(25mL)溶液に、炭酸カリウム(1g)水溶液(水2mL)を加
えた。混合物を55℃で62時間加熱した。溶液を冷却して室温とし、固体の有
機不純物を濾去した。濾液の溶媒留去を行って6−O−メチル−9−オキシムエ
リスロマイシンAを得た。それの構造決定はNMRで行った(下記の表参照)。
【0061】
【表1】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6−O−メチルエリスロマイシンAの製造方法において、 a)9−オキシムエリスロマイシンAをベンゾイル化して、9−オキシムベン
    ゾイルエリスロマイシンA誘導体を形成する段階; b)前記9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンA誘導体の2’−水酸基を
    保護して、2’保護−9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンA誘導体を形成
    する段階; c)前記2’−保護−9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンA誘導体をメ
    チル化して、2’−保護−6−O−メチル−9−オキシムベンゾイルエリスロマ
    イシンA誘導体を形成する段階; d)前記2’−保護−6−O−メチル−9−オキシムベンゾイルエリスロマイ
    シンA誘導体からベンゾイル基およびO−保護基を脱離させて、6−O−メチル
    −9−オキシムエリスロマイシンAを形成する段階;ならびに e)前記6−O−メチル−9−オキシムエリスロマイシンAの脱オキシムを行
    うことで、6−O−メチルエリスロマイシンAを形成する段階 を有することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記9−オキシムエリスロマイシンAを、式RCOX(Xは
    ハロゲンであり、Rはジ置換ベンゼンである)のベンゾイル化試薬と反応させる
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 Rが2,6−ジクロロベンゼン、2,6−ジブロモベンゼン
    、2,6−ジヨードベンゼン、2,6−ジメトキシベンゼンまたは2,6−ジエ
    トキシベンゼンである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 段階(c)の前に、9−オキシムベンゾイルエリスロマイシ
    ンA誘導体の4”−水酸基のO−保護を行う段階をさらに有してなる請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンA誘導体を下
    記式のシリル化試薬と反応させる請求項4に記載の方法。 【化1】 [式中、Xはハロゲンであり;R、RおよびRはそれぞれ独立に水素、
    低級アルキル、アリール、フェニル、フェニル置換低級アルキル、シクロアルキ
    ルまたはアルケニルである。]
  6. 【請求項6】 R、RおよびRがメチルである請求項5に記載の方法
  7. 【請求項7】 前記9−オキシムベンゾイルエリスロマイシンA誘導体をヘ
    キサメチルジシラザンと反応させる請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記2’−保護−9−オキシムベンゾイルエリスロマイシン
    A誘導体を、塩基存在下にハロゲン化メチルまたは硫酸メチルと反応させる請求
    項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン化メチルが臭化メチルまたはヨウ化メチルであ
    り、前記硫酸メチルが硫酸ジメチルまたはp−トルエンスルホン酸メチルである
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記2’−保護−6−O−メチル−9−オキシムベンゾイ
    ルエリスロマイシンA誘導体を、メタノール性炭酸カリウム水溶液と反応させる
    請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 下記式の構造Iを有する化合物。 【化2】 [式中、Rはジ置換ベンゼンであり;Rは水素もしくはアルキルであり;
    およびRはそれぞれ独立に、水素、トリメチルシリルもしくはO−保護基
    である。]
  12. 【請求項12】 Rがメチルである請求項11に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 Rが2,6−ジクロロベンゼン、2,6−ジブロモベン
    ゼン、2,6−ジヨードベンゼン、2,6−ジメトキシベンゼンまたは2,6−
    ジエトキシベンゼンである請求項11に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 RおよびRがいずれもトリメチルシリルである請求項
    11に記載の化合物。
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