JP2001355144A - エアバッグ用基布及びエアバッグ - Google Patents
エアバッグ用基布及びエアバッグInfo
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Abstract
畳み収納性と軽量性に優れた均一なエアバッグが効率よ
く製袋できる軽量で高密度織物からなるエアバッグ織物
基布の提供。 【解決課題】 地部が500dTex以下のポリアミド
繊維のマルチフィラメント糸で構成され、2000〜2
500のカバーファクターを有する織物でなるエアバッ
グ用織物基布であって、織物地部の端部端面の経糸と緯
糸の切断端が溶融固定されていることを特徴とするエア
バッグ用基布。
Description
が受ける衝撃を吸収し、乗員の保護を図るエアバッグの
製作に用いる軽量織物基布及びエアバッグに係り、詳し
くは、煩雑な加工を省きながらも、折り畳み収納のコン
パクト性と軽量性に優れた均一なエアバッグが効率よく
製袋できる軽量で高密度織物からなるエアバッグ織物基
布に関するものである。
ッグの装着が進みつつある。エアバッグは、通常ステア
リングホイールやインスルメントパネルなどの狭い場所
にインフレーターケースを含めたモジュールとして装着
されている。このような使用における事情から、エアバ
ッグはその収納容積が小さいことが望まれており、従来
からその収納容積をコンパクトにするために、細繊度糸
の織物を使用することや基布の被覆用のエラストマーの
選択、変更することでエアバッグのコンパクト性と軽量
性を向上させる改良が行われてきた。
exから470dtexの基布へ、そして被覆エラスト
マーもクロロプレンゴムの90〜120g/m2 塗布か
らシリコーン樹脂の40〜60g/m2 塗布へと変更さ
れ、現在では470dtexの織物にシリコーンコーテ
ングするタイプの基布が、更にコーテングを省いたノン
コートタイプのエアバッグの使用されるようになってき
ている。最近では、ステアリングホイールのスペースを
大きくして速度パネルなど計器を見やすくしたり、車内
空間を大きくするためにエアバッグの収納容積を極力小
さくするために、エアバッグのコンパクト性更に風合い
のソフト化に応え得る基布が強く求められている。
ト化に応えるためには、織物に使用される糸の全繊度や
単糸繊度を更に小さくすることが必要である。エアバッ
グ用基布は、自動車の衝突事故の際にエアバッグを瞬間
的に膨張させ、衝突時の乗員の顔面や前頭部を保護する
という機能が要求されているので、高強力で低通気性で
あることが要求される。したがって、通常の衣料用基布
と比べて相対的に高強力の糸を用いる高密度織物が必要
となる。しかし、織物は高織密度密度で織られるほど、
織物の耳端部の近傍が波打ち状態になるいわゆる耳弛み
(以下、耳タルミという)が発生する。
に続く縫製によって袋体が作られるが、基布を最大限有
効に利用するために、裁断パターンの設計では基布織物
の耳部近傍まで使用されことが要請される。かくして、
耳端部近傍部に耳タルミが発生していると、特にレーザ
ーカッター裁断では、設計形状の通りに裁断されず、そ
の後の縫製を困難にするばかりか、設計上求められる形
状が正確に得られず、所定の正常な機能のエアバッグが
得られない。高密度織物の生機での耳タルミは、織物の
ロール捲時、更にはその後の精練、セットでの耳部折れ
皺や非通気性加工での樹脂コーテング不良の原因となる
ことも重大である。
特開平6−322637号公報、特開平9−30254
9号公報、特開平9−302550号公報、特開平10
−236253号公報に開示されている。特開平6−3
22637号公報には経糸最外部と耳糸絡み糸との間に
3本以上の絡み糸をいれる方法、特開平9−30254
9号公報には耳部の織密度を地本体織密度よりも大きく
する方法、特開平9−302550号公報には耳部に増
糸として加工糸を打ち込む方法、特開平10−2362
53号公報には織物の耳部経糸マルチフィラメメント繊
度が地部の経糸マルチフィラメント繊度より小繊度とす
る方法がそれぞれ記載されている。これらの公知方法
は、地糸が470〜350dtexの場合についての工
夫であるが、最近のエア−バッグのコンパクト性とソフ
ト化の要求に応えるために、地糸を250dtex以下
に細くすると織物の耳部近傍もそれにつれて繊度を細く
して耳部における緯糸の締め付けを強くするために増糸
や絡糸の製織張力を高くすると、製織中の糸切れによる
織機の停台が起る。この停台を避けるために、使用地糸
の単糸繊度などを大きくして高張力を高めて、外見上耳
タルミを軽減する方法が採用されている。このようにし
て製織されたエアバッグ用織物の生機は、外観上耳タル
ミはないが、樹脂コーテング加工での基布弛みによる塗
布斑の発生を防ぐために、生機を精練・セットするか生
機にセット加工を施して、基布の弛みを減少させざるを
得ないのが現状である。ところが、昨今ではセット加工
を省力化して、生機に直接樹脂コーテング加工すること
で加工コストを更に逓減することが求められている。
を省きながらも、折り畳み収納のコンパクト性と軽量性
に優れた均一なエアバッグが効率よく製袋できる軽量で
高密度の織物でなるエアバッグ織物基布の提供を目的と
するものである。
部に織物の地部と異なる全繊度、単糸繊度の糸を用いて
高密度織物を製織し、生機を捲き取る以前に耳部近傍を
溶融切断して、経糸及び緯糸を融着固定することにより
調製される耳部タルミのないエアバッグ用基布である。
リアミド繊維のマルチフィラメント糸で構成され、20
00〜2500のカバーファクターを有する織物でなる
エアバッグ用織物基布であって、織物地部の端部端面の
経糸と緯糸の切断端が溶融固定されていることを特徴と
するエアバッグ用基布である。以下、本発明を詳細に説
明する。
ポリアミド繊維は、好ましくは0.5〜4.5dtex
の繊度の単糸で構成される繊度50〜500dtexで
あるが、更に軽量コンパクト性を追求するとすれば67
〜250dtexのマルチフィラメント糸(多繊長繊維
糸)が好ましい。本発明のエアバッグ用基布織物は、織
組織について限定されるものではないが、代表的には平
織、斜子、格子など、基本的には平織組織で織られてい
る。
50dtex以下という比較的小さな繊度のマルチフィ
ラメント糸で形成される織物で構成すれば、厚みが小さ
く、柔らかいので、軽く、コンパクトに折り畳めるエア
バッグを製造することができる。繊度250dtex以
下という比較的小さな繊度のマルチフィラメント糸で形
成される織物がエアバッグ用基布として機能するために
は、織物の機械的特性がエアバッグ作動時に必要とされ
る耐圧機械特性を満足し得るレベルのものでなければな
らない。本発明では、基布織物が前記したマルチフィラ
メント糸に高強力ポリアミド繊維のマルチフィラメント
糸を用いると共に、後述するカバーファクター(K)が
2000〜2500で特定される高織密度に織り上げら
れていることで、所定の機械的特性が付与されている。
は、引張強度が5.7cN /dtex以上、好ましく引
張強度は6.2cN /dtex以上、伸度15〜30%
を有するポリアミド繊維でなり、前記した所定のカバー
ファクターを満足する高密度織物の可織性が損なわれる
ことがないマルチフィラメント糸である。なお、ポリア
ミド繊維が繊維の糸長方向の物性が均一に保たれる上限
強度は、繊維製造時に糸切れが許容される範囲内で、概
ね9.7cN /dtex程度である。一方、本発明の織
物のカバーファクターは2000以上でなければならな
い。2000未満の織物では、引張機械特性が小さいの
で、バッグ作動時の要求機械特性を満足し得ないおれが
ある。
織物を構成している糸条総繊度の平方根と1インチ当た
りの糸本数(織密度)との積の経と緯との和をいう。す
なわちカバーファクターは、次式(1)により算出され
る。 K=(D1)1/2 ×N1+(D2)1/2 ×N2....(1) 式中、K:カバーファクター、D1 :経糸総繊度(dt
ex)、N2 :経糸織密度(本/2.54cm)、
D2 :緯糸総繊度(dtex)、N2 :緯糸織密度(本
/2.54cm)を表す。なお、糸総繊度とは織物の経
方向(または緯方向)の織組織の単位を構成している糸
の繊度を指し、それがひとつの糸であるときはその糸の
繊度をいい、複数の糸でなる撚糸,合糸,引き揃え糸で
あるときは、その撚糸、合糸を構成している糸の合計繊
度をいう。本発明ではこの総繊度は500dtex以
下、好ましくは67〜250dtexである。総繊度が
500dtexを超えるとエアバッグの軽量性、コンパ
クト性が低下する。一方、全繊度を小さくすると軽量
性、コンパクト性が向上する。67dtex未満になる
と必要な引張や引裂機械特性などを有する織物の製織に
支障がでてくるおそれがある。
4.5dtexが好ましい。4.5dtexを超えると
基布が硬くなり収納性が劣るようになり、単糸繊度が
0.5dtex未満では糸の製造おいても、高密度織物
の製織においても糸に毛羽の発生が起こり易くなるの
で、基布織物の性能や糸の加工性の面から不適当であ
る。比較的繊度の小さいマルチフィラメントの高密度織
物でなる本発明のエアバッグ用織物基布は、製織に起因
する耳タルミの発生が避られないし、製織時に織物の地
部、耳部で経糸の毛羽発生により、生産の効率を低下さ
せる織機の停台の起こり易い。この問題は、織物の織密
度が大きくなるほど著しく発生する。製織時の緯糸張力
は織物の中央部で大きく、耳端部の近傍で低いので、筬
打ちポイントで緯糸両端部でだぶつきが発生し、筬打応
力が耳端近傍に集中して耳端部近傍の織組織が崩れて耳
タルミが発生する。この耳端部近傍の耳タルミは耳端部
の緯糸の締めつけを大きくすることが望ましいが、そう
すると耳端部の製織張力が大きくなって、単糸切れが発
生して停台が起こり易くなる。
独立して所定の耳端部に高張力耐久性の増糸や絡糸を挿
入して毛羽発生による停台を抑えて製織して、製織され
た生機を織機上で捲き取り前に耳部近傍の増糸挿入部分
を溶融切断して、織物の経糸と緯糸を融解繊維で固定し
て生機内の緊張を弛緩せめた織物を巻き取り、増糸にに
よる、捲取織物端面部が耳高のないあるいはまた耳タル
ミなどに起因する耳折れのない基布織物として調製され
る。すなわち本発明のエアバッグ用織物基布は、前記し
た高織密度を製織するにあたり、地部織成の前記フィラ
メント経糸群の耳端相当部位に地部の経糸仕様とは異な
る高張力耐久性の増糸および/または絡糸を挿入して織
成した後、織成して生機を織機上で捲き取るに先立っ
て、耳部近傍の増糸および/絡糸挿入部分を溶融切断し
て除きつつ、織物の切断端面における経糸と緯糸を融解
固定した後織物の巻き取ることによって調製される。こ
こに、所定の耳端部は、10〜100dtexのモノフ
ィラメントもしくは織物の地部にかかる製織時経糸張力
の2倍以上の張力の下でも単糸切れが発生しない4〜1
0dtexの単糸からなる全繊度50〜250dtex
程度のマルチフィラメント糸の増糸を挿入し、締め付力
の大きい絡糸として全繊度が地部構成経糸の全繊度の7
0%以下の繊度の仮撚加工糸や異型断面単糸からなるマ
ルチフィラメント糸を2本絡み単位で1〜2本挿入して
製織される。
力化するために、無糊のマルチフィラメント糸で製織さ
れることが好ましい。製織性の観点から、経糸には交
絡、加撚、および整経油剤を付与したものを用いる方が
好ましい。耳端部の溶融切断方法は、レーザー切断、超
音波切断、ヒートナイフ切断などを用いることができる
が、切断された面が単糸が融解されて樹脂が形成され、
切断溶融基布端面の経糸と緯糸を溶融接着させて、後加
工での熱セットや樹脂コーテング等の加工前で接触程度
の簡単な外力で切断端面で織物組織の崩壊が防げる方法
であればどの方法であってもよい。ヒートナイフによる
溶断方法では、ナイフ刃先が鋭利でナイフ部の温度が4
00〜700℃で、溶融部に溶融樹脂玉が付着せず、織
機停止時は基布より分離される機構を有することが望ま
しい。溶断場所は、製織途中のテンプルから捲き取りの
間で製織基布耳端から0.2〜2.5cmの部位で切断
による除去片の幅が極力少ないことがロスを少なくする
上でも好ましい。
部がその端面で経糸と緯糸とが溶着して固定された基布
織物であり、生機のまま樹脂コーテング加工しても、塗
布むらのない被覆基布が得られる。もしくは生機状態の
基布は、精練・セット加工や生機セット加工を施して樹
脂コーテング加工に供することもできる。本発明のエア
バッグ用基布はポリエステル繊維、ポリアミド繊維など
の合成繊維の織物でなる。基布を構成する合成繊維は、
比熱の観点から、ポリアミド繊維であることが好まし
い。ポリアミド繊維は、ポリヘキサメチレンアジパミド
繊維(ナイロン66繊維)、ポリカブラミド繊維(ナイ
ロン6繊維)が代表例として挙げられる。ポリアミドの
種類は、特に限定されるものではないが、エアバッグ展
開時のインフレータから高温ガスがエアバッグ内に噴出
するので、耐熱性の観点から、融点が215℃以上のポ
リアミド繊維であることが好ましい。
ヘキサメチレンアジパミド単位を80モル%以上含むポ
リアミドであって、ヘキサメチレンアジパミド繊維の他
ナイヘキサメチレンアジパミドにナイロン6、610な
ど他のアミド形成性コモノマーを共重合させたコポリア
ミド繊維を包含する。ポリアミド繊維は、硫酸相対粘度
(ηr)が2.5〜3.3であるポリアミドであること
が望ましい。ηrが2.5未満では高強度を安定的に得
ることが難しく、ηr3.3以上のポリアミド、特にポ
リヘキサメチレンアジパミドはゲル化進行による紡糸性
不良のために繊維化あ困難である。なお、硫酸相対粘度
の測定方法は、95.5%硫酸100ccに油剤が付着
していない繊維1gを溶解して25℃恒温槽内でオスト
ワルド粘度計にて測定したものである。
ゾン等の長期間暴露された時の性能低下を抑制するため
に銅原子換算で銅含有率が10〜200ppmを含むこ
とが好ましい。なお、本発明における銅含有率は繊維中
の銅成分を原子吸光や比色法で測定したものである。本
発明のエアバッグ用基布は、被覆コーティングの有無に
係わらず、汎用される裁断法、縫製法を含む製袋方法を
適用して、運転席用、助手席用などの如何なる形態のエ
アバッグの製袋にも用いることができる。
樹脂、ウレタン樹脂などが用いられる。樹脂には、増粘
剤、難燃剤、顔料、酸化防止などが必要に応じて添加さ
れてもよい。樹脂のコーティングは、ナイフコータ、グ
ラビアコータ、リバースコータ、キスロールを用いて行
われ、樹脂固形分で5〜30g/m2 の塗膜を形成する
ことが軽量でコンパクトな収納性を有するエアバッグを
製造する上で好ましい。
明する。なお、以下の例において、織物基布に顕れる耳
弛み欠点は、織物基布10mを平面台上で移動させなが
ら耳端(両耳端対象)から10cmの基布面に観察され
る高さ約3mm以上、波長約数cm〜10cmで波うつ
弛みについて下記の基準により目視判定で評価した。
の四角に切り、樹脂塗布前後の重量差をm2 当たりに換
算して評価した。 〔実施例1〕地部分をトータル繊度155dtex/4
8f(強度6.9cN/dtex、伸度25%、沸水収
縮率7.3%、交絡数34ケ/m、油剤付着率0.9w
t%)のポリマー中に銅として65ppm含有の95.
5%硫酸相対粘度(ηr)2.95であるポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)繊維を経糸ならび緯
糸に使用し、経×緯織密度が89×89本/2.54c
m(カバーファクター2216)に、耳部の経増糸とし
て235dtex/35f(強度7.9cN/dte
x、伸度20%)のナイロン66マルチフィラメント糸
を4本で打ち込むタフタ組織で構成し、最外端部に78
dtex/17f(強度4.4cN/dtex、伸度3
2%)のナイロン6糸の仮撚加工糸を絡糸として挿入し
てエアジェット織機にて、織機上のリングテンプル以降
に基布両最外部より1.0cmの所にSM社ヒートナイ
フ(12V,90W)、ナイフ押荷重1kg、ナイフ温
度600℃で溶融カットして、切断耳部が別捲き取り、
カット生機基布は織機捲取機で捲き取った。
(旭化成ワッカー株式会社製「DEHENSIVE38
197VP」)52部、Si結合した水素原子少なくと
も3個を有するオルガノポリシロキサン(旭化成ワッカ
ー株式会社製「V20」)6部、付着助剤として適当な
有機ケイ素化合物(旭化成ワッカー株式会社製「HF8
6」)4部、水37.5部を攪拌混合した混合液に、カ
ルボキシセルロースナトリウム塩(和光純薬)0.5部
を添加して、濃度32wt%、25℃における粘度を3
000cpsとし、コーテング組成物とした。
上記基布に基布中央部の塗布量が12g/m2 となるよ
うにコーテングして、130℃×2分で水分を除去し、
更に180℃×3分で架橋処理して、織密度91×91
本/2.54cm(カバーファクター2266)のコー
テング基布を得た。得られた織物基布は、厚みが120
μm、目付が135g/m2 であり、エアバッグ用織物
基布として標準的に用いられている織物基布(経、緯糸
の繊度が470dtex/70f、繊密度(経×緯)が
46本×46本/2.54cm、シリコーンコーテング
45g/m2 の基布は厚み290μm、基布目付233
g/m2 )と比べると、軽量でコンパクトな収納性を有
するエアバッグが製作できる基布であることが明らかで
ある。
と耳部の樹脂塗布量結果を表1に示す。 〔実施例2〕地部は実施例1と同様の繊維で、織密度8
3×83本/2.54cm(カバーファクター206
7)に、耳部の経増糸は235dtex/35f、強度
7.9cN/dtex、伸度20%、のナイロン66繊
維を4本でタフタ組織を構成し、最外部に56dtex
/17f、強度4.4cN/dtex、伸度37%、Y
型断面で異型度1.45のナイロン66仮撚加工糸を絡
糸として挿入してエアジェット織機にて、織機上のリン
グテンプル以降に基布両最外部より1.0cmの所にS
M社ヒートナイフ(12V,90W)、ナイフ押荷重1
kg、ナイフ温度600℃で溶融カットして、切断耳部
が別捲き取り、カット生機基布は織機捲取機で捲き取っ
た。
及び熱処理加工を行い、織密度85×85本/2.54
cmのコーテング基布を得た。樹脂加工前の耳タルミ状
態及び基布中央部と耳部の樹脂塗布量結果を表1に示
す。 〔実施例3〕地部の繊維及び織密度は実施例1と同様
で、耳部の経増糸は55dtexのナイロン6モノフィ
ラメント糸(MF糸)(強度4.4cN/dtex、伸
度34%)4本を挿入してタフタ組織で構成し、最外部
の絡糸は実施例2の繊維を使用して、エアジェット織機
にて、織機上のリングテンプル以降に基布両最外部より
1.0cmの所にSM社ヒートナイフ(12V,90
W)、ナイフ押荷重1kg、ナイフ温度600℃で溶融
カットして、切断耳部が別捲き取り、カット生機基布は
織機捲取機で捲き取った。この生機を20m/min の速
度で76mmφ紙管に捲き返し、170℃で1min間
セットを行い織密度91×91本/2.54cm(カバ
ーファクター2266)を得た。このセット反を実施例
1と同様の樹脂塗布加工及び熱処理加工を行い、織密度
91×91本/2.54cmのコーテング基布を得た。
と耳部の樹脂塗布量結果を表1に示す。 〔比較例1〕地部、増糸、絡糸の繊維及び織密度、組織
は実施例1と同様で、耳部を溶融切断せずに捲き取る
と、捲取織物の端面部が耳高になり、折り込みシワや耳
タルミが大きく、樹脂コーテング加工には使用できない
ので加工を止めた。 〔比較例2〕地部の繊維及び織密度は実施例1と同様
で、耳部の経増糸は33dTexのナイロン6モノフィ
ラメント糸(MF糸)(強度3.9cN/dtex、伸
度36%)2本をタフタ組織で構成して最外部に56d
Tex/17f(強度4.4cN/dtex、伸度32
%)のナイロン66糸の仮撚加工糸を絡糸として2本絡
みで1本打ち込み、耳部を溶融切断せずに捲き取った。
この生機を実施例1と同様の樹脂塗布加工及び熱処理加
工を行い、織密度85×85本/2.54cmのコーテ
ング基布を得た。
と耳部の樹脂塗布量結果を表1に示す。比較例1は高密
度織物の耳部に地部よりも大きい繊度の繊維を使用し
て、耳部を溶融切断しない場合は耳吊り状態で捲取織物
端面部が耳高により、耳部に耳タルミやシワが大きく発
生して、樹脂コーテングしても樹脂塗布斑やシワ残存で
外観が格外になることが明確であるために、樹脂コーテ
ング加工に供することができなかった。
小さい繊維を使用したものは耳タルミがやや有るが、耳
部を溶断せず、樹脂コーテング加工前の熱セットも施さ
ないで、樹脂コーテング加工すると、樹脂の付着が基布
中央部と耳部で差が大きく、均一性にやや欠けるもので
あった。
トな折り畳み収納性と軽量性の改良去れたエアバッグの
製袋性に用いる耳タルミのない500dtex以下のポ
リアミド繊維のマルチフィラメント糸の高織密度織物基
布であるので、下記(1)および(2)の効果を奏し、
信頼性の高い軽量化エアバッグを安価に提供することが
できる。
通過性不良、不均一コーティングの発生がなく、基布の
加工ロスを少なくすることができる。 (2)耳タルミが改善されているので、製袋における裁
断ロスを逓減し、縫製の作業性を高めることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 地部が500dtex以下の合成繊維の
マルチフィラメント糸で構成され、2000〜2500
のカバーファクターを有する織物でなるエアバッグ用織
物基布であって、織物の端部端面の経糸と緯糸が溶融固
定されていることを特徴とするエアバッグ用基布。 - 【請求項2】 織物地部が繊度0.5〜4.5dtex
の単糸で構成されているマルチフィラメント糸で構成さ
れていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用
基布。 - 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載のエアバ
ッグ用基布で構成されていることを特徴とするエアバッ
グ。 - 【請求項4】 500dtex以下の合成繊維のマルチ
フィラメント糸を経糸としてカバーファクター2000
〜2500の地部織物を、前記経糸群の耳端相当部位に
経糸仕様とは異なる高張力耐久性の増糸および/または
絡糸を挿入して織成した後、織成して生機を織機上で捲
き取るに先立って、耳部近傍の増糸および/絡糸挿入部
分を溶融切断して除きつつ、織物の切断端面における経
糸と緯糸を融解固定した後織物を巻き取ることを特徴と
するエアバック用基布織物の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000177403A JP3830333B2 (ja) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | エアバッグ用基布及びエアバッグ |
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