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JP2001335361A - フェライト原料粉末およびフェライト磁石の製造方法 - Google Patents

フェライト原料粉末およびフェライト磁石の製造方法

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Publication number
JP2001335361A
JP2001335361A JP2000151019A JP2000151019A JP2001335361A JP 2001335361 A JP2001335361 A JP 2001335361A JP 2000151019 A JP2000151019 A JP 2000151019A JP 2000151019 A JP2000151019 A JP 2000151019A JP 2001335361 A JP2001335361 A JP 2001335361A
Authority
JP
Japan
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raw material
material powder
magnetoplumbite
aqueous solution
chloride aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000151019A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsushi Oda
悦志 尾田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP2000151019A priority Critical patent/JP2001335361A/ja
Priority to DE60045541T priority patent/DE60045541D1/de
Priority to EP00121790A priority patent/EP1090884B1/en
Priority to US09/680,324 priority patent/US6630084B1/en
Priority to CNB001295829A priority patent/CN1167088C/zh
Priority to KR1020000059178A priority patent/KR100733158B1/ko
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  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Magnetic Ceramics (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細かつ粒度分布がシャープで組成の均一な
マグネトプランバイト型フェライト原料粉末を低い製造
コストで提供する。 【解決手段】 鉄の塩化物およびストロンチウムの塩化
物、ならびにランタン、コバルト、マンガンおよびニッ
ケルの塩化物からなる群から選択される少なくとも1種
の塩化物が溶解した混合塩化物水溶液を加熱雰囲気の焙
焼炉10内に噴霧し、それによって混合塩化物水溶液を
マグネトプランバイト型フェライト原料粉末16に変化
させる。このとき混合塩化物水溶液をマグネトプランバ
イト型フェライト原料粉末に変化させる領域17に対し
て、可燃性ガスおよび/または酸素ガスを吹き込むか、
可燃性溶剤を噴霧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、噴霧熱分解法によ
るフェライト原料粉末、および当該原料粉末を用いるフ
ェライト磁石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライトは二価の陽イオン金属の酸化
物と三価の鉄の酸化物とが作る化合物の総称であり、フ
ェライト磁石は各種回転機やスピーカーなどの種々の用
途に使用されている。フェライト磁石の材料としては、
六方晶のM型マグネトプランバイト構造を持つSrフェ
ライト(SrFe1219)またはBaフェライト(Ba
Fe1219)が広く用いられている。M型マグネトプラ
ンバイト構造フェライトの基本組成は、通常、AO・6
Fe23の化学式で表現される。元素Aは二価陽イオン
となる金属であり、Sr、Ba、Pb、Caなどから選
択される。これらのフェライトは、酸化鉄とストロンチ
ウム(Sr)、バリウム(Ba)などの炭酸塩を原料と
し、粉末冶金法によって比較的安価に製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法には次の問題点がある。
【0004】(1)固体の原料混合粉末を混合分散する
ため、組成の均一混合性が必ずしも十分でなく、製品の
磁気特性が充分なレベルに至らない。
【0005】(2)仮焼温度が1150〜1400℃と
いう高温であるためコストが上昇する。
【0006】(3)仮焼工程で磁粉が粒成長するため、
次工程の粉砕工程で1μm以下までボールミルなどで機
械的に粉砕する際に長時間を要し、この際に粉砕媒体の
磨耗などによる不純物の混入や組成のずれがおこる、微
粉砕後の磁粉の粒度分布がシャープにならないなどの問
題が発生し、製品の磁気特性を劣化する。
【0007】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、組成および粒度が均一かつ微
細なフェライト原料粉末の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるマグネトプ
ランバイト型フェライト原料粉末の製造方法は、鉄の塩
化物およびストロンチウムの塩化物が溶解した混合塩化
物水溶液を加熱雰囲気の焙焼炉内に噴霧することによっ
て前記混合塩化物水溶液をマグネトプランバイト型フェ
ライト原料粉末に変化させる工程と、前記混合塩化物水
溶液をマグネトプランバイト型フェライト原料粉末に変
化させる領域に対して、可燃性ガスおよび/または酸素
ガスを吹き込む工程とを包含する。
【0009】本発明による他のマグネトプランバイト型
フェライト原料粉末の製造方法は、鉄の塩化物およびス
トロンチウムの塩化物が溶解した混合塩化物水溶液を加
熱雰囲気の焙焼炉内に噴霧することによって前記混合塩
化物水溶液をマグネトプランバイト型フェライト原料粉
末に変化させる工程と、前記混合塩化物水溶液をマグネ
トプランバイト型フェライト原料粉末に変化させる領域
に対して、可燃性溶剤を噴霧する工程とを包含する。
【0010】好ましい実施形態において、前記混合塩化
物水溶液には、鉄の塩化物およびストロンチウムの塩化
物、ならびに、ランタン、コバルト、マンガンおよびニ
ッケルの塩化物からなる群から選択される少なくとも1
種の塩化物が溶解しており、しかも前記混合塩化物水溶
液が酸性である。
【0011】前記混合塩化物水溶液の噴霧は、温度が8
00℃以上1300℃以下の炉内において実行されるこ
とが好ましい。
【0012】前記混合塩化物水溶液の噴霧は、温度が1
000℃以上1200℃以下の炉内において実行される
ことがより好ましい。
【0013】好ましい実施形態においては、前記混合塩
化物水溶液の原料として、製鉄所における酸洗によって
生じる廃液を用いる。
【0014】好ましい実施形態においては、前記混合塩
化物水溶液の噴霧を前記製鉄所における塩酸回収装置を
用いて行う。
【0015】好ましい実施形態においては、前記フェラ
イト原料粉末に対して熱処理を行う工程を更に包含す
る。前記熱処理は、800℃以上1200℃以下の温度
で実行されることが好ましい。
【0016】本発明によるフェライト磁石の製造方法
は、上記何れかのマグネトプランバイト型フェライト原
料粉末の製造方法によって製造されたフェライト原料粉
末を用意する工程と、前記フェライト原料粉末を用いて
永久磁石を作製する工程とを包含することを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者は、鉄の塩化物およびス
トロンチウムの塩化物が溶解した混合塩化物水溶液を加
熱雰囲気の焙焼炉内に噴霧し、それによって組成および
粒度が均一で微細なマグネトプランバイト型フェライト
原料粉末を作製する種々の実験を行った。その結果、焙
焼炉内の前記混合塩化物水溶液をマグネトプランバイト
型フェライト原料粉末に変化させる領域に可燃性ガスお
よび/または酸素ガスを吹き込むことにより、フェライ
ト化反応が起こる領域の温度を効果的に上昇させること
ができ、それによって比較的低い焙焼炉内の温度で効率
的にマグネトプランバイト型フェライトの原料粉末を製
造し得ることを見出した。
【0018】また、本発明者は、焙焼炉内の前記混合塩
化物水溶液をマグネトプランバイト型フェライト原料粉
末に変化させる領域に、可燃性溶剤を噴霧することによ
っても、フェライト化反応が起こる領域の温度を効果的
に上昇させることができ、それによって比較的低い焙焼
炉内の温度で効率的にマグネトプランバイト型フェライ
トの原料粉末を製造し得ることを見出した。
【0019】噴霧熱分解法によって実質的にマグネトプ
ランバイト型フェライトからなる原料粉末を製造すれ
ば、フェライトの製造工程において、仮焼および粉砕な
どの諸工程を省略することができるため、生産性が向上
し、製造コストが低減される。また、粉砕工程で異物が
混入したり、組成がずれる、超微粉の形成によって粒度
分布がブロードになるなどによって製品の特性が劣化す
るという問題を回避することができる。更に、粒度がサ
ブミクロンレベルの微細な粉末粒子が生成されるため、
後の粉砕工程の時間を短縮したり、粉砕工程自体を省略
することができる。加えて、混合塩化物水溶液中におい
ては、鉄、ストロンチウムなどの各元素が原子レベルで
均一に分散しているため、粉末粒子間で組成の均一性が
向上し、その結果、最終的に得られる磁石の組成も均一
化される。
【0020】更に、本発明の方法によれば、フェライト
化反応が起こる領域の温度を効果的に上昇させることが
できるため、焙焼炉内全体の温度が比較的低い温度で
も、マグネトプランバイト型フェライトの原料粉末を生
成することが可能になり、製造コストの低減を達成する
ことができる。
【0021】混合塩化物水溶液には、マグネトプランバ
イト型フェライトの主要元素である鉄およびストロンチ
ウムの塩化物と、ランタン、コバルト、マンガンおよび
ニッケルの塩化物なる群から選択される少なくとも1種
の塩化物とを含んでいる。このように、ランタン、コバ
ルト、マンガンおよびニッケルの塩化物なる群から選択
される少なくとも1種の塩化物が前記混合塩化物水溶液
に含まれていることで、マグネトプランバイト型フェラ
イトの原料粉末およびこの粉末から作製したフェライト
磁石の磁気特性が向上する。
【0022】混合塩化物水溶液に含まれる鉄の塩化物の
濃度は20重量%以上35重量%以下が好ましい。ま
た,前記混合塩化物水溶液に含まれるストロンチウムの
塩化物の濃度は1.9重量%以上4.9重量%以下が好
ましい。
【0023】前記混合塩化物水溶液に含まれるランタン
の塩化物の濃度は0重量%以上2重量%以下が好まし
い。また、前記混合塩化物水溶液に含まれるコバルト、
マンガンおよびニッケルの塩化物の濃度は、それぞれ、
0重量%以上1重量%以下が好ましい。
【0024】混合塩化物水溶液には、大気中で長時間放
置した場合、鉄の化合物が沈殿となって生じ、溶液の組
成均一性が失われる。この水溶液に塩酸などの酸を添加
して、溶液を酸性に保つことで水溶液中の沈殿の生成を
防ぐことができ、これにより混合塩化物水溶液の組成均
一性を保つことができる。この水溶液の酸性度はpH≦
6が好ましく、pH≦2がより好ましい。
【0025】混合塩化物水溶液には、必要に応じて、H
3BO3、B23などを0.3重量%以下程度や他の化合
物、例えばCa、Si、Pb、Al、Ga、Cr、S
n、In、Co、Ni、Ti、Mn、Cu、Ge、N
b、Zr、Li、Mo、Bi、希土類元素(Yを含む)
などを含む化合物を2重量%以下程度添加してもよい。
また、微量であれば不可避成分などの不純物を含有して
いてもよい。
【0026】混合塩化物水溶液の主原料である塩化鉄水
溶液として、製鉄所の圧延工程において鋼板などの塩酸
酸洗工程で生じる廃液を用いることができる。ストロン
チウム、ランタン、コバルト、マンガンおよびニッケル
などの塩化物水溶液は、炭酸ストロンチウム、塩化スト
ロンチウム、酸化ランタン、塩化ランタン、酸化コバル
ト、塩化コバルト、金属マンガン、酸化マンガン、塩化
マンガン、金属ニッケル、酸化ニッケル、塩化ニッケル
などのストロンチウム原料、ランタン原料、コバルト原
料、マンガン原料およびニッケル原料を塩酸または塩化
鉄溶液に直接溶解することにより、効率的に得られる。
【0027】混合塩化物水溶液は、温度が800℃以上
1400℃以下の焙焼炉内に噴霧されることが好まし
い。焙焼炉内の温度が800℃より低い場合、噴霧した
水溶液の乾燥、熱分解、酸化の反応が十分でなく、作製
した原料粉末中に鉄およびストロンチウムの塩化物など
の鉄およびストロンチウム化合物が多量に未反応で残留
してしまう。1300℃より高温の場合、作製した粉末
の粒子が凝集し、この原料粉末から作製した焼結磁石な
どの磁気的配向度が低下してしまう。また、焙焼炉内の
温度が800以上1000℃未満の場合、作製した原料
粉末には、マグネトプランバイト型フェライト以外に酸
化鉄やストロンチウム、ランタン、コバルト、マンガ
ン、ニッケルの塩化物などのストロンチウム、ランタ
ン、コバルト、マンガン、ニッケルの化合物が含まれる
ことがある。よって、混合塩化物水溶液は、温度が10
00℃以上1300℃以下の焙焼炉内に噴霧されること
がより好ましい。
【0028】本発明によれば、焙焼炉内の混合塩化物水
溶液をマグネトプランバイト型フェライト原料粉末に変
化させる領域に可燃性ガスや酸素ガスを吹き込むか、可
燃性溶剤を噴霧することにより、この反応領域の温度を
周囲の温度よりもより高温にすることができる。このた
め、炉内温度が1000℃以下と比較的低い場合でも、
反応領域ではマグネトプランバイト型フェライトへの変
化に十分な温度を得ることができる。これにより焙焼炉
のランニングコストを低減することができる。また、可
燃性ガスおよび/または酸素ガスを吹き込むか、可燃性
溶剤を噴霧することにより、作製した原料粉末の粒子形
状などを改善することができ、この原料粉末およびこの
粉末から作製したフェライト磁石の磁気特性が向上す
る。
【0029】本発明に好適に用いられ得る可燃性ガス
は、例えば、LPG、LNG、石炭ガス、都市ガス、水
性ガス、発生炉ガス、水素、一酸化炭素、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、アセチレンなどである。また、本発明に好適に用い
られ得る可燃性溶剤は、例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、エーテル、アセトン、ベンゼン、ガソ
リン、軽油などである。
【0030】なお、焙焼炉内の温度が800以上100
0℃未満の場合でも、作製した原料粉末に対して追加的
な熱処理を施せば、未反応の粉末同士が容易に反応し、
フェライト化が促進される。その結果、十分な磁気特性
を示すハードフェライト磁粉を得ることができる。この
追加的な熱処理の温度は800℃以上1200℃以下で
あることが好ましい。
【0031】上記の追加的な熱処理は、本発明による方
法で作製した原料粉末粒子中に残存している塩化物を十
分に除去させるという効果も有している。従って、作製
した原料粉末が十分にフェライト化されているような場
合であっても、追加的な熱処理を行う意義はある。更
に、追加的な熱処理によって作製した原料粉末を粒成長
させ、望ましい平均粒度にコントロールしてもよい。
【0032】本発明によるマグネトプランバイト型フェ
ライト原料粉末の製造に用いる焙焼炉としては、製鉄所
の圧延工程において鋼板などの塩酸酸洗工程に用いる塩
酸の回収設備を用いれば、効率的にマグネトプランバイ
ト型フェライト原料粉末を製造することができる。
【0033】図1は、混合溶液を噴霧して粉末を生成す
るために使用する噴霧焙焼炉10の概略構成例を示す断
面図である。上述の混合溶液(Solution)は、ノズル1
4を介して炉10の内部13に吹き込まれる。炉内部1
3の雰囲気ガスは、開口部12を介して導入されたバー
ナーガス(図では、太い矢印19で示されている)によ
って加熱される。噴霧された混合溶液の液滴は、加熱雰
囲気(熱風)に接し、乾燥・熱分解することによってフ
ェライト化する。フェライト化が生じる領域17を図1
においては破線で囲んで模式的に表現している。
【0034】本発明では、この領域17に対して、可燃
性ガスおよび/または酸素ガスを吹き込むか、可燃性溶
剤を噴霧する。このような可燃性ガスおよび/または酸
素ガスや可燃性溶剤は、例えば開口部18を介して行わ
れる。図では、開口部18を介して導入されたガスや溶
剤を太い矢印20で示している。
【0035】このようにしてフェライト化反応が起こる
領域17の温度を効果的に上昇させることができ、それ
によって比較的低い焙焼炉内の温度で効率的にマグネト
プランバイト型フェライトの原料粉末を製造し得る。
【0036】生成したフェライト結晶の粉末16は、炉
内部13の底部15から外部へ取り出される。フェライ
ト化反応によって炉内部13内で生成された水蒸気、塩
酸、フェライト粉末超微粒子などは、排気口11を介し
て炉外へ排出される。この例では、バーナーガスを雰囲
気ガスに吹き付け、それによって炉内部13に渦を形成
する構成が採用されている。
【0037】なお、上記の炉10では雰囲気ガスを加熱
するためにバーナーガスを使用するが、その代わりに電
熱ヒータを用いても良い。また、雰囲気ガスとしては大
気を用いれば良い。
【0038】また、フェライト化反応が生じる領域17
に対する可燃性ガスおよび/または酸素ガスの吹き込み
や可燃性溶剤の噴霧は、図1に示される構成によって限
定されない。開口部18の位置を開口部12の位置と同
じレベルに設けても良いし、開口部12の位置よりも低
いレベルに設けても良い。ガス吹き込みの向きや、溶剤
噴霧の向きも、図示されるものに限定されない。更に、
開口部18にはノズル等を挿入してもよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0040】(実施例1)まず、酸化物換算重量でSr
O・5.8Fe23となるように、FeCl2およびS
rCl2を秤量し、これらを純水中に溶解した。このと
き、FeCl2の濃度が28重量%となるように調整
し、この溶液に塩酸を添加することによってpH=0と
した。この溶液を、マグネトプランバイト型フェライト
原料粉末に変化させる領域に酸素ガスを吹き込んで、前
記領域の温度が1100℃となっている焙焼炉内に噴霧
し、マグネトプランバイト型フェライト原料粉末を作製
した。
【0041】酸素ガスを吹き込まなかった段階では、前
記領域の温度は1000℃であったため、この場合酸素
を吹き込んだことによって前記領域の温度は100℃上
昇した。
【0042】作製した原料粉末の組成は、Fe:Sr=
91:9(重量比)であり、ほとんど組成ずれはみられ
なかった。また、X線回折装置で調査した結果、ほぼ単
相のSrFe1219であった。加えて、試料振動型磁力
計(VSM)で磁気特性を調査したところ、表1に示す
結果となり、優れた特性が得られた。
【0043】次に、作製した原料粉末にCaCO3
0.9重量%、SiO2を0.45重量%添加して、純
水溶媒で45%スラリーとし、湿式ボールミルで1時間
混合した後、スラリー中の溶媒を除去しながら磁場中で
プレス成形した。成形体を1210℃で30分間焼結し
た。得られた焼結磁石の磁気特性は表2に示すように、
優れた特性となることがわかる。
【0044】同様に上記原料粉末から、モーター用のC
型形状焼結磁石を作製し、これを従来の材質の焼結磁石
に代えてモーター中に組み込み、定格条件で動作させた
ところ、良好な特性を得た。また、そのトルクを測定し
たところ、従来に比べて上昇していた。
【0045】また、上記原料粉末からボンド磁石を作製
したところ、本実施例の焼結磁石と同様の結果が得られ
た。
【0046】また、上記原料粉末を、磁気記録媒体に使
用したところ、高出力で高いS/Nが得られた。
【0047】また、上記原料粉末をターゲットとして用
い、スパッタ法により薄膜磁性層を有する磁気記録媒体
を作製したところ、高出力で高いS/Nが得られた。
【0048】(実施例2)マグネトプランバイト型フェ
ライト原料粉末に変化させる領域に可燃性溶剤としてエ
タノールを噴霧した以外は実施例1と同様にマグネトプ
ランバイト型フェライト原料粉末および焼結磁石を作製
した。エタノールの噴霧により前記領域の温度は80℃
上昇し、1080℃となった。
【0049】実施例2について、原料粉末および焼結磁
石の磁気特性は表1および表2の通りであり、優れた特
性であった。
【0050】(比較例1)Fe23とSrCO3を原料
とし、酸化物換算重量でSrO・5.8Fe23となる
ように混合し、大気中において1300℃で3時間仮焼
し、ローラーミルで粉砕しフェライト仮焼体磁石粉末を
作製した。この粉末を1100℃で1h熱処理した後に
VSMを用いて磁気特性を測定したところ、表1の様な
結果が得られた。また、作製したフェライト仮焼体磁石
粉末から実施例1と同様にして焼結磁石を作製したとこ
ろ、磁気特性は表2の通りであった。
【0051】(比較例2)マグネトプランバイト型フェ
ライト原料粉末に変化させる領域に酸素ガスなどを吹き
込まず、前記領域の温度が1000℃となっている焙焼
炉内に混合塩化物水溶液噴霧した以外は実施例1と同様
にマグネトプランバイト型フェライト原料粉末および焼
結磁石を作製した。これらの磁気特性は表1および表2
の通りであった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】(実施例3〜9、参考例1〜2)酸化物換
算重量でSrO・5.8Fe23となるように、FeC
2およびSrCl2を秤量し、これらを純水中に溶解し
た。このとき、FeCl2の濃度が28重量%となるよ
うに調整した。この溶液にLaCl3を0.93重量%
添加した場合(実施例3)、CoCl2を0.49重量
%添加した場合(実施例4)、MnCl2を0.48重
量%添加した場合(実施例5)、NiCl2を0.49
重量%添加した場合(実施例6)、ZnCl2を0.5
2重量%添加した場合(参考例1)、CuCl2を0.
49重量%添加した場合(参考例2)、LaCl3
0.93重量%とCoCl2を0.49重量%添加した
場合(実施例7)、LaCl3を0.93重量%とMn
Cl2を0.48重量%添加した場合(実施例8)、L
aCl3を0.93重量%とNiCl2を0.49重量%
添加した場合(実施例9)の各々において、実施例1と
同様にマグネトプランバイト型フェライト原料粉末およ
び焼結磁石を作製した。これらの焼結磁石の磁気特性は
表3の通りであり、優れた特性であった。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、微細かつ粒度分布がシ
ャープで組成の均一なマグネトプランバイト型フェライ
ト原料粉末を製造することが可能となり、このフェライ
ト原料粉末を用いて製造したフェライト磁石の品質特性
を向上させることができる。
【0057】また、従来の工程における仮焼、粉砕など
の諸工程を省略することができ、焙焼炉内の温度も比較
的低温で操業できるため、生産性が向上し、製造コスト
が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフェライト磁粉の製造方法に好適
に用いられる噴霧焙焼炉の一構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 噴霧焙焼炉 12 バーナーガス導入用開口部 13 炉内部 14 ノズル 16 フェライト原料粉末 17 フェライト化が生じる領域 18 可燃性ガス、酸素ガス、可燃性溶剤の導入用開
口部 19 バーナーガスを示す太い矢印 20 可燃性ガス、酸素ガス、可燃性溶剤を示す太い
矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G002 AA08 AB02 AC02 AE02 4G018 AA01 AA09 AA13 AA21 AA22 AA23 AB04 AC13 AC16 5E040 AB04 AB09 BD01 CA01 HB00 HB01 HB09 HB15 HB17 NN18 5E062 CC01 CD01 CD02 CE04 CF01 CG01 CG02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄の塩化物およびストロンチウムの塩化
    物が溶解した混合塩化物水溶液を加熱雰囲気の焙焼炉内
    に噴霧することによって前記混合塩化物水溶液をマグネ
    トプランバイト型フェライト原料粉末に変化させる工程
    と、 前記混合塩化物水溶液をマグネトプランバイト型フェラ
    イト原料粉末に変化させる領域に対して、可燃性ガスお
    よび/または酸素ガスを吹き込む工程とを包含するマグ
    ネトプランバイト型フェライト原料粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉄の塩化物およびストロンチウムの塩化
    物が溶解した混合塩化物水溶液を加熱雰囲気の焙焼炉内
    に噴霧することによって前記混合塩化物水溶液をマグネ
    トプランバイト型フェライト原料粉末に変化させる工程
    と、 前記混合塩化物水溶液をマグネトプランバイト型フェラ
    イト原料粉末に変化させる領域に対して、可燃性溶剤を
    噴霧する工程とを包含するマグネトプランバイト型フェ
    ライト原料粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合塩化物水溶液には、鉄の塩化物
    およびストロンチウムの塩化物、ならびに、ランタン、
    コバルト、マンガンおよびニッケルの塩化物からなる群
    から選択される少なくとも1種の塩化物が溶解してお
    り、しかも前記混合塩化物水溶液が酸性であることを特
    徴とする請求項1または2に記載のマグネトプランバイ
    ト型フェライト原料粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合塩化物水溶液の噴霧は、温度が
    800℃以上1300℃以下の炉内において実行される
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のマグ
    ネトプランバイト型フェライト原料粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合塩化物水溶液の噴霧は、温度が
    1000℃以上1200℃以下の炉内において実行され
    ることを特徴とする請求項4に記載のマグネトプランバ
    イト型フェライト原料粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記混合塩化物水溶液の原料として、製
    鉄所における酸洗によって生じる廃液を用いることを特
    徴とする請求項1から5の何れかに記載のマグネトプラ
    ンバイト型フェライト原料粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記混合塩化物水溶液の噴霧を前記製鉄
    所における塩酸回収装置を用いて行うことを特徴とする
    請求項6に記載のマグネトプランバイト型フェライト原
    料粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記フェライト原料粉末に対して熱処理
    を行う工程を更に包含する請求項1から7の何れかに記
    載のマグネトプランバイト型フェライト原料粉末の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記熱処理は800℃以上1200℃以
    下の温度で実行されることを特徴とする請求項8に記載
    のマグネトプランバイト型フェライト原料粉末の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1から9の何れかに記載のマグ
    ネトプランバイト型フェライト原料粉末の製造方法によ
    って製造されたフェライト原料粉末を用意する工程と、
    前記フェライト原料粉末を用いて永久磁石を作製する工
    程とを包含するフェライト磁石の製造方法。
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