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JP2001330614A - 生物活性を付与した固相およびその製造方法 - Google Patents

生物活性を付与した固相およびその製造方法

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Publication number
JP2001330614A
JP2001330614A JP2000153344A JP2000153344A JP2001330614A JP 2001330614 A JP2001330614 A JP 2001330614A JP 2000153344 A JP2000153344 A JP 2000153344A JP 2000153344 A JP2000153344 A JP 2000153344A JP 2001330614 A JP2001330614 A JP 2001330614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid phase
antibody
biologically active
active substance
bound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000153344A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Sato
和久 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2000153344A priority Critical patent/JP2001330614A/ja
Publication of JP2001330614A publication Critical patent/JP2001330614A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗体等の生物活性が付与された固相であっ
て、短時間で精度の高い免疫検査を達成することが可能
な固相を提供することを目的とする。 【解決手段】 抗体等の生物活性物質が表面に直接結合
された固相であって、上記固相の表面の少なくとも一部
に化学的に活性化可能な部分を配置するとともに、他の
部分が上記生物活性物質に対して非干渉性であるような
特性を有し、更に上記固相が液体中で懸濁性と沈降性を
有するとともに、磁性体を適宜含有してなる固相を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物活性物質が結
合された固相に関する。より具体的には、本発明は、例
えば、抗体等の免疫学的物質が直接結合された免疫検査
用担体に有効に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、生物活性の有無又は強度を指標と
して、生物活性物質を分析したり、抽出等するための固
相を利用する技術は、広く使用されている。
【0003】例えば、抗体を用いた免疫検査は、血液型
の決定や血小板の交差適合性試験等の各種血液検査にお
いて広く使用されている。安全に輸血を実施する上で、
これらの血液検査は不可欠であり、医療事故を防ぐため
に、検査の精度はできる限り高くなければならず、且つ
迅速に検査を行い得ることが必須である。また、検査に
使用する試薬も長期にわたり安定して保存し得ることが
必要である。
【0004】現在、血液検査、例えば、血小板の交差適
合性試験等を実施するためには、標識可能なラベルで標
識された抗IgG抗体を結合した赤血球(抗体感作赤血
球)を用いた操作が一般的に使用されている。
【0005】該操作では、まず、血小板等の血液細胞を
固相したプレートに血小板抗原に対する抗体を含む試料
を添加する。続いて、抗体感作赤血球を加えて、血小板
抗原に対する前記抗体に結合させる。血小板抗原に対す
る抗体が血小板抗原に結合しているか否かによって、抗
体感作赤血球の凝集パターンが異なるので、該パターン
に基づいて、試料中の抗体の種類を決定することができ
る。
【0006】しかしながら、該操作において、赤血球の
凝集パターンは、抗体感作赤血球の自然沈降によって形
成させるので、結果が得られるまでに4〜16時間も必要
であり、急を要する場合に使用することができない。
【0007】操作時間を短縮するためには、赤血球以外
の担体に各種の生物活性物質を結合させることが有用で
あるが、一般的に、担体に各種の抗体の生物活性物質を
結合させる技術は、担体の材質に応じて、吸着法や共有
結合法がある。
【0008】吸着法は、担体自身の表面の荷電性や表面
の疎水性や水素結合による方法がある。吸着法の場合、
タンパク等を吸着する力が強すぎると非特異反応を招き
やすく、また、pH等の反応環境が異なると反応量も変化
することもあるので、生物活性の反応精度が低かった
り、長期保存が困難な場合が多い。
【0009】また、共有結合法は、担体表面上に、スペ
ーサーとして機能するような活性化剤や架橋剤を化学的
に継ぎ足すことによってタンパク質等を結合させるもの
であるが、継ぎ足しの数量を増して結合量を高めようと
するとその分非特異結合の機会も増える傾向がある。そ
のため、目的のタンパク等が結合した以外の部分を生物
活性に対して不活性な有機物(例えば、アルブミン)で覆
うように保護処理することが多い。故に、共有結合法
は、吸着法と同様に、非特異反応が発生して反応精度が
低かったり、保護用の有機物の変性又は継ぎ足しによる
立体構造の安定性低下によって長期保存が困難な傾向に
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生物活性物
質が表面に直接的に結合された固相であって、短時間で
精度の高い免疫検査を達成することが可能な固相を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、生物活性物質が表面に直接的に結合され
た固相において、該固相の表面の少なくとも一部が化学
的に活性化されているとともに、他の部分が前記生物活
性物質に対して非干渉性であることを特徴とする固相を
提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、生物活性物質が表面に
直接的に結合された固相を提供する。
【0013】本発明の固相は、典型的には、「免疫検
査」、すなわち抗体を使用する任意の検査、分析、及び
試験に使用し得る。
【0014】本明細書において「固相」とは、粒子、基
板、棒などの外壁表面や容器、管、カラム、多孔質部材
などの内壁表面が少なくとも不溶性で且つ不動化された
状態である物をいう。また、「生物活性物質」とは、抗
原、抗体、核酸、酵素、ホルモン、細胞等の免疫学的、
生化学的、ないし遺伝学的活性を有するものをいう。
【0015】固相に、生物活性物質が「直接的に結合」
しているとは、固相中の基と生物活性物質中の基が直接
的に結合を形成していることを意味する。すなわち、本
発明の固相は、架橋剤や色素を介して、生物活性物質が
固相に結合されていない。
【0016】生物活性物質を直接的に結合するために、
本発明の固相は、少なくとも表面の一部が化学的に活性
化されている。ここで、「化学的に活性化されている」
とは、後述する実施の形態に記載の群から選ばれる官能
基を有する材料が、後述する実施の形態に記載の化学的
な活性化処理によって、生物活性物質を結合可能な状態
に変化されていることを意味する。
【0017】好ましくは、活性化可能な材質を有する固
相は、固定すべき生物活性物質に対して無干渉である、
又は殆ど無干渉であるような生体に近い物質である。例
えば、生物活性が抗原抗体反応性であれば、活性化可能
な材質は、抗原性がないもの、又は殆どないものをい
う。
【0018】従って、本発明の固相は、活性化された部
分を除いて、生物活性物質に対して非干渉性である。
「生物活性物質に対して非干渉性である」とは、電荷、
粘着等による物理的吸着力、生物活性への親和力、生物
活性への排斥力が表面に現れないか、あるいは無視でき
る程度であることをいう。例えば、生物活性が抗原抗体
反応性である場合には、固相が抗原性を持たないか、あ
るいは殆どないに等しい場合をいう。
【0019】本発明の固相を調製するには、固相中の基
と生物活性物質中の基を化学的に結合させる操作を行
う。
【0020】生物活性物質を結合させるべき固相として
の担体には、例えば、ゼラチン、天然ゴム、ポリアミノ
酸、コラーゲン、アラビアゴム、デキストラン、セルロ
ース、アガロース等の多糖、親水性のポリピニル、ポリ
エチレングリコール、アクリルアミド、及びそれらの混
合物を使用することができる。これらの材料を固相状態
にするためには公知の造粒技術を適用して、0.5〜30μm
の微粒子を得るようにすればよい。また、表面がこれら
の材料で被覆された非干渉性材料からなる固相を使用し
てもよい。
【0021】例えば担体は、粒子、マイクロタイタープ
レート、マイクロチューブを含む任意の形態であり得
る。
【0022】ここで、発明者の検討によれば、水酸基を
充分に利用できる点と、粒子同士の分散性及び検査又は
抽出対象物に対する粒子表面の非干渉性に優れるという
点で、ゼラチンとアラビアゴムのコアセルベート粒子
(特公平7-86508参照)が最適な材料の組み合わせによる
固相の一態様であることが分かった。特に、後述する実
施例でも示されているように、本発明を適用した上記コ
アセルベート粒子により、生物活性の保存安定性や反応
性が極めてデリケートである血小板の膜抗原に対して、
信頼性の高い性能が得られたことは、本発明で初めて報
告できたものであり、今後の輸血検査に大いに貢献でき
る技術であると期待される。
【0023】以下で詳述されているように、固相中の基
には、生物活性物質中に存在する基、例えば、アミノ
基、カルボキシル基、水酸基、イミダゾール基、グアニ
ジル基、又はスルフヒドリル基等が結合される。それ
故、固相は、これに結合すべき生物活性物質中に存在す
るこれらの基と反応して結合を形成し得る基を含有して
いなければならない。例えば、固相は、遊離の水酸基、
アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、又はスルフ
ヒドリル基等を含んでいることが好ましい。
【0024】生物活性物質が、タンパク質の場合には、
高次構造が保持され得る温和な条件下で固相に結合させ
なければならない。このような条件下で、固相にタンパ
ク質を固相化する方法自体は公知である。
【0025】固相が、アミノ基又は水酸基を有している
ときには、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(EDC)やジシクロヘキシルカルボジイミド
(DDC)を使用して、固相のアミノ基又は水酸基に生物活
性物質のカルボキシル基を結合させることができる。反
対に、固相が、カルボキシル基を有しているときには、
同様の方法で、生物活性物質のアミノ基を固相のカルボ
キシル基に結合させることも可能である。
【0026】また、固相が、カルボキシル基を有してい
るときには、ペプチドの固相合成と同様の方法を適用し
てもよい。より具体的には、固相に活性化剤を結合させ
て活性化された固相を生成させた後に、生物活性物質を
接触させれば、固相のカルボキシル基と生物活性物質の
アミノ基を結合させることが可能となる。
【0027】ここで、「活性化剤」とは、固相のカルボ
キシル基に結合して、ペプチドのアミノ基が結合し得る
ように固相のカルボキシル基を活性化させ得る物質をい
い、N-ヒドロキシスクシンイミド、1-ヒドロキシベンゾ
トリアゾール、及び3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒド
ロ-1,2,3-ベンゾトリアジンを含むN-ヒドロキシ化合
物、好ましくはN-ヒドロキシスクシンイミドを使用し得
る。
【0028】活性化剤を用いて固相のカルボキシル基を
活性化させるときには、脱水剤を添加して、活性化され
た固相が生成する反応を促進させるのが好ましい。
【0029】脱水剤としては、カルボジイミド、又はそ
の誘導体、若しくはその塩、より好ましくは、ジシクル
ヘキシルカルボジイミド(DDC)、1-エチル-3-(3’-ジメ
チルアミノプロピル)-カルボジイミド(EADC)、又はジイ
ソプロピルカルボジイミド(DIPC)を使用し得る。
【0030】このように、本発明の固相は、少なくとも
表面に化学的に活性化可能な部分を配置するとともに前
記生物活性物質に対して非干渉性であるような特性を有
する固相を化学的に活性化する工程と、活性化された前
記固相の表面に生物活性物質を接触させる工程によって
製造することができる。このような固相の製造方法も本
発明の範囲に属する。
【0031】一例として、N-ヒドロキシ化合物を用い
て、固相に生物活性物質を直接結合させる操作を下式に
示す。
【0032】
【化1】
【0033】EADCとN-ヒドロキシスクシンイミドを用い
て固相に抗体を結合させる場合、pHは3〜10であり得る
が、活性化剤による活性化部分を縮合させる縮合剤(こ
の場合、ヒドロキシ化合物の水酸基を脱水化させる脱水
剤)の影響により、中性付近(例えば、pH5.7〜6.6の範囲
内)での温和な条件下で且つ塩酸を含まないリン酸(又は
炭酸)のみによる調製が可能となり、廃棄物としての扱
いも簡単であるという利点がある。pH5.7〜8.0、最も好
ましくはpH6.2付近で反応させると抗体が固相に結合し
やすくなる。また、この場合、リン酸緩衝液又は炭酸緩
衝液、より好ましくは、リン酸緩衝液中で反応させる
と、抗体が固相に結合しやすい。
【0034】固相に結合させるべき抗体に代えて、又は
抗体とともに抗体断片、例えばFab断片を結合させても
よい。抗体又はその断片は、任意の抗原であり得るが、
ヒト、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなどの各
免疫グロブリンクラスに対する抗体が好適である。
【0035】生物活性を付与した固相には、好ましく
は、磁性体を含有させ得る。前記固相が、封入、付着、
被覆等により磁性体を含有せしめた担体である場合、液
体中での攪拌、洗浄、測定等の各処理過程で適宜の磁気
発生手段(永久磁石、電磁石等)によって所望の処理工程
を短時間で行うことができる。
【0036】生物活性物質が直接的に結合された本発明
の固相は、架橋剤を介して生物活性物質を結合した固相
に比べて安定性が高い。従って、架橋剤を介して生物活
性物質を結合した固相は、液中では長期の保存中に架橋
剤に起因する非特異的な反応の程度変化や結合が切断す
る等して特異的な反応性が変化することがあるので、凍
結乾燥した状態で保存しなければならないのに対して、
本発明の担体は、広範囲な保存条件に対しても、長期に
わたった影響を受けにくく、0〜10℃の低温、より好ま
しくは0〜4℃の低温下で、担体に結合した抗体等の生物
活性を長期にわたって安定に保存できることが分かっ
た。とりわけ、抗体が直接的に結合された本発明の固相
は、従来の同種の固相に比べて安定性が高い。
【0037】また、本発明の固相は、検出用の色素を介
して生物活性物質が結合された従来の固相に比べて、非
特異的反応が起こりにくい。従って、本発明の固相は、
血液検査等の特に高い精度を要する検査に使用するのに
適している。
【0038】本発明の固相は、前述のごとく、抗体を用
いた任意の検査に使用し得る。
【0039】典型的には、「抗体を用いた検査」は、臨
床医学、基礎科学、又は個体識別の分野でなされる検
査、好ましくは臨床検査であり得る。
【0040】好適な臨床検査は、交差適合性試験(血液
交差適合試験)、血小板、赤血球、リンパ球、単球、顆
粒球等の細胞抗原に対する抗体のスクリーニングや抗体
同定試験等の血液検査である。とりわけ、抗ヒトIgG結
合ヒツジ赤血球の代わりに本発明の固相を使用すると、
血小板の交差適合性試験の検査時間が著しく短縮される
ので、本発明の固相は、血小板の交差適合性試験に適用
するのに極めて適している。その他、本発明の固相は、
ウイルス、バクテリア等の病原体の抗原に対する抗体ス
クリーニングや抗体同定試験、交差適合性試験、及び抗
原型検査にも適用し得る。
【0041】また、本発明の固相は、その他、免疫組織
化学、ウェスタンブロッティングなどの分析法にも適用
できる。
【0042】例えば、本発明の固相を用いる血小板の交
差適合性試験は、典型的には、図1に示す操作によって
なし得る。
【0043】該操作を実施するには、まず、U字状底部
に血小板1が固相又は固定された容器2を準備する。容
器2には、特許第2532670号に記載されている方法によ
り、小麦胚芽レクチン(WGA)を用いて血小板1を固相す
るのが好ましい。あるいは、グルタルアルデヒドやホル
ムアルデヒドを用いて、血小板1を固定してもよい。
【0044】血小板1に対する抗体、すなわち抗血小板
抗体3を含有する試料、通常は、血小板の抗原型を決定
すべき患者の血清を容器2に分注する。前記試料には、
低イオン強度緩衝液(low ionic strength solution)等
を加えれば、37℃、30分で反応を終了させることができ
る。
【0045】続いて、B-F分離を行って、結合しなかっ
た抗血小板抗体3を除去する。
【0046】容器2に、抗IgG抗体が直接結合された磁
性担体4を分注した後、容器2を磁石5の上に戴置し、
磁性担体4を容器2のU字状底部に接触させる。
【0047】約2分後に、磁性担体4の分布状態をみる
ことにより、血小板抗原の型を知ることができる。
【0048】例えば、供血者の血小板がHPA-1a抗原を持
ち、患者血清中に抗HPA-1a抗体が存在しているとする
と、容器2のU字状底部に存在する血小板1の表面に存
在するHPA-1a抗原に抗HPA-1a生物活性物質が結合する。
従って、その後、磁性担体4に直接結合された抗IgG抗
体が、血小板1の表面に結合した抗HPA-1a抗体に結合し
得る。
【0049】その後、容器2に磁石5を近づければ、磁
性担体4は、抗HPA-1a抗体を介して血小板1に結合して
いないのでU字状底部の中央に集まる(図1の陰性パタ
ーン)。これに対して、磁性担体4は、抗HPA-1a抗体を
介して血小板1に結合しているので磁石5を近づけても
U字状底部の中央に移動しない(図1の陽性パター
ン)。
【0050】以上のように、本発明の固相を用いれば、
血小板の交差適合試験を簡便且つ正確に行うことが可能
となる。それ故、上記操作等を用いて血小板の抗原を決
定する方法も本発明の範囲に属する。
【0051】さらに、その他の血液検査も同様の操作で
実施し得るので、血小板抗原に対する抗体を決定し、又
は該抗体の有無を検出するための血小板抗体スクリーニ
ング試験、赤血球抗原、又は白血球抗原の型を決定する
ための方法その他の血液検査法も本発明の範囲に属す
る。
【0052】以下、実施例によって、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0053】[実施例1]本実施例では、血小板交差適
合性試験に使用し得る抗体感作磁性粒子の製造法につい
て説明する。なお、本実施例を含む以下の実施例では、
磁性粒子を除いて、市販の抗血小板抗体検査試薬OLYBIO
TM(オリンパス光学工業社製)中のキットの各種試薬およ
びレクチン固相化容器を用いた。
【0054】まず、特公平7−86508号に記載の造粒方法
を用いて適量の磁性体を混合させた約7.5μmの磁性ゼラ
チン粒子(オリンパス光学工業(株)製)を純水で3回洗浄
し、約19%磁性ゼラチン粒子に調整した。
【0055】N-ヒドロキシスクシンイミド0.1g、1-エチ
ル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)-カルボキシイミド
(EDAC)0.1gを順に加え、時々攪拌させながら室温で0.5
時間反応させた。
【0056】3回純水で洗浄した後、200μg/mLのウサギ
由来抗ヒトIgG-リン酸緩衝液(pH6.2)を10mL添加し、攪
拌させながら37℃で1時間反応させた。
【0057】PBS(pH7.2、4℃)30mLで3回洗浄後、0.05w/
v% NaN3-PBS(pH7.2)(4℃)30mLに浮遊し、4℃で一晩(18
時間)反応させた。
【0058】遠心して、抗体感作された磁性ゼラチン粒
子を約0.5%磁性ゼラチン粒子濃度になるように、0.05w/
v% NaN3-PBS(pH7.2)中に浮遊した。
【0059】このように調製された磁性ゼラチン粒子溶
液は、以下の実施例において4℃で6ヶ月以上安定に保存
でき、しかも反応性が低下しないということが確認でき
た。
【0060】なお、上述した実施例において、カルボジ
イミドとヒドロキシスクシンイミドとは、どちらか一方
のみで表面処理した場合には十分な反応感度は得られ
ず、両方を用いるのが好ましかった。特にヒドロキシス
クシンイミドを担体表面に接触させた状態でカルボジイ
ミドが作用するように、例えば、ヒドロキシスクシンイ
ミド溶液を担体に供給した後にカルボジイミドを添加す
るような順で処理した方が、さらに感度が向上する傾向
があった。
【0061】[実施例2]本実施例では、実施例1で調
製した抗体感作磁性粒子を用いた血小板交差適合性試験
について説明する。
【0062】まず、血小板製剤のセグメントから得られ
た約1mLの血小板浮遊液に15vol%に相当する約150μLのA
CD-A液を加えて攪拌した後、これを遠心分離して上清
(血漿)を除去し、血小板細胞数が3万/μLになるよう
に、10mM EDTA-PBS(pH6.0)に浮遊させた。
【0063】特開平2-124464に記載のWGA(小麦胚芽レク
チン)を固相化したWGA固相プレート(オリンパス光学工
業(株)製)に、調整済み血小板浮遊液を50μL/ウェル分
注した。遠心、未固相の血小板を洗浄分離した。
【0064】患者の血清(各抗HPA-1a抗体、抗HPA-3a抗
体、抗HPA-4a抗体、抗HPA-5a抗体含有)を低イオン強度
緩衝液(LISS液)と混合し、血小板が固相されたプレート
に100μL/ウェル分注した。
【0065】37℃で、30分インキュベートした後、未反
応の抗体を洗浄分離した。
【0066】実施例1で作成した約0.5%磁性ゼラチン粒
子浮遊液を25μL/ウェル分注した。
【0067】プレートを磁石上に2分間放置し、生じた
ウェル内分布パターンを確認した。
【0068】結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】表中、(-)は、陰性パターン(未反応)であ
り、陽性パターンは、陽性を示す患者血清の希釈倍率
(×400、×800)で表した。
【0071】表1から明らかなように、HPA-3a抗原を欠
く血小板には、抗HPA-3a生物活性物質が結合しなかっ
た。一方、HPA-1a抗原及びHPA-4a抗原を有する血小板に
は、少なくとも400倍の希釈倍率の抗HPA-1a抗体及び抗H
PA-4a生物活性物質が結合した。
【0072】以上より、実施例1で調製した磁性ゼラチ
ン粒子が非特異的な吸着を示さず、該粒子を用いれば、
良好な試験結果が得られることが明らかとなった。
【0073】[実施例3]本実施例では、実施例1で調
製した抗体感作磁性粒子を用いた血小板抗体スクリーニ
ング試験について説明する。
【0074】Anti-PLT・オリビオ・MPHAIITM(オリンパ
ス光学工業(株)製)のキット中の陽性コントロール血清
及び陰性コントロール血清を希釈した。
【0075】続いて、上記キット中の洗浄液を加えた洗
浄容器の中に、ウェル内が完全に浸るように、血小板抗
原プレートを5分間浸した後、5回洗浄した。5分間浸し
た後、5回洗浄した。洗浄した抗原プレートをペーパー
タオル等の上ではたいて、洗浄液をよく切った。
【0076】希釈した前記血清を25μL/ウェル分注し、
前記抗原プレートを常温湿潤状態で2時間静置した。
【0077】反応後、検体を捨て、上記洗浄液で、抗原
プレートを4回洗浄し、さらに洗浄液を交換して、抗原
プレートを1回洗浄した後、洗浄した抗原プレートをペ
ーパータオル等の上ではたいて、洗浄液をよく切った。
【0078】実施例1で調製した約0.5%磁性ゼラチン粒
子浮遊液を25μL/ウェル分注した。
【0079】抗原プレートを磁石上に3分間静置し、生
じたウェル内分布パターンを確認した。結果を表2に示
す。
【0080】
【表2】
【0081】表2では、陰性パターン(未反応)は、
「−」で、陽性パターンは、「+」(やや弱い)、「++」
(強い)、「+++」(とても強い)で表わされている。
【0082】表2から明らかなように、陰性コントロー
ル血清を用いると、希釈倍率16倍でも反応しなかったの
に対して、陽性コントロール血清を用いると、希釈倍率
256倍まで反応を示した。
【0083】以上より、実施例1で調製した抗体感作磁
性粒子を用いれば、血小板抗体スクリーニング試験を精
度よく行い得ることが明らかとなった。
【0084】
【発明の効果】本発明の固相によれば、短時間で精度の
高い免疫検査を達成することができる。さらに、本発明
の固相は、液体中で安定に保存することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固相を用いた血小板の交差適合性試験
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/543 525 G01N 33/543 525U 525W 541 541A C07K 1/08 C07K 1/08 17/02 17/02 G01N 33/553 G01N 33/553

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物活性物質が表面に直接的に結合され
    た固相において、該固相の表面の少なくとも一部が化学
    的に活性化されているとともに、他の部分が前記生物活
    性物質に対して非干渉性であることを特徴とする固相。
  2. 【請求項2】 前記固相が液体中での懸濁性と沈降性を
    有する担体で、且つ磁性体を適宜含有してなることを特
    徴とする請求項1に記載の固相。
  3. 【請求項3】 少なくとも表面の一部に化学的に活性化
    可能な部分を配置するとともに、前記生物活性物質に対
    して非干渉性であるような特性を有する固相を化学的に
    活性化する工程と、 活性化された前記固相の表面に生物活性物質を接触させ
    る工程とを有する生物活性を付与した固相の製造方法。
JP2000153344A 2000-05-24 2000-05-24 生物活性を付与した固相およびその製造方法 Withdrawn JP2001330614A (ja)

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