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JP2001318224A - 位相差フィルム - Google Patents

位相差フィルム

Info

Publication number
JP2001318224A
JP2001318224A JP2000135987A JP2000135987A JP2001318224A JP 2001318224 A JP2001318224 A JP 2001318224A JP 2000135987 A JP2000135987 A JP 2000135987A JP 2000135987 A JP2000135987 A JP 2000135987A JP 2001318224 A JP2001318224 A JP 2001318224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polymer
bis
hydroxyphenyl
retardation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000135987A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Nakamura
正明 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000135987A priority Critical patent/JP2001318224A/ja
Publication of JP2001318224A publication Critical patent/JP2001318224A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、位相差の安定性、光弾性特性等に優
れた光学用フィルム材料を提供する。 【解決手段】 光学的配向性が1.0×10-3以上、光
弾性係数が4.5m2/N以下の高分子フィルムを用い
て得られる延伸フィルムは、透明性、位相差の安定性、
光弾性特性などの光学的特性にすぐれており、光学用フ
ィルム材料として利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的特性に優れ
た位相差フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明
は、透明性、低光弾性係数および二次加工性にすぐれた
位相差フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子においては、画質を
向上させる目的で種々の高分子材料からなる位相差フィ
ルムが用いられている。このような位相差フィルムは高
分子材料が有する光学的異方性、すなわち複屈折性を利
用することに基づいており、一般的には、所望の位相差
を発現させるために高分子フィルムを延伸加工して製造
されている。なかでも、ビスフェノールAタイプのポリ
カーボネート樹脂の延伸フィルムは広く実用化されてい
る。その理由は、ポリカーボネート樹脂が、高い透明性
を有する、適度の耐熱性を有する、などの光学フィルム
としての基本的な適性を有していることに加えて、適度
の屈折率異方性を有するために、延伸加工条件の選択に
よって得られるフィルムの位相差値を広範囲に設定でき
る特性を有しているからである。
【0003】しかし、フィルムの位相差値を広範囲に設
定できる特性を有する樹脂、例えば上記のポリカーボネ
ート樹脂は光弾性係数が大きい、すなわち、応力負荷を
受けたときの複屈折の変化率が大きいため、たとえば位
相差フィルムとして液晶層や偏光板とともに貼り合わせ
た時の貼りムラ、バックライトや外部環境からの熱を受
けることによる構成材料間の熱膨張差、偏光フィルムの
収縮、等によって生じる応力の影響で複屈折が変化する
ことに起因する位相差ムラが発生しやすく、結果として
表示像のカラーバランスやコントラストの低減を引き起
こしやすいという問題がある。
【0004】一方、光弾性係数が比較的小さい材料、例
えばポリオレフィン系樹脂は、光弾性係数は小さいもの
の、同時に複屈折性が小さいという性質があるため、延
伸加工によって付与できる位相差に限界がある。さら
に、所望の位相差値が加工可能な範囲にある場合でも、
延伸倍率を大きくする必要があるため、延伸ムラ等が生
じやすくなり、得られる位相差フィルムの位相差ムラを
生じ易いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題を改善し、透明性、光弾性特性、二次加
工性にすぐれた位相差ムラの小さい光学用フィルム材料
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、位相差フィル
ムとしての用途に適した低光弾性係数性、位相差値安定
性を発現させるために、特定の条件を満たす高分子フィ
ルムを延伸加工して得られるフィルムが極めて有効であ
ることを見出したことに基づくものである。
【0007】すなわち、本発明は、光弾性係数が4.5
2/N以下で、1.5倍延伸時の光学的配向性が1.
0×10-3以上である高分子フィルムを延伸して得られ
る、位相差が80nm以上の位相差フィルムを内容とす
る。
【0008】本発明に用いる高分子フィルムは、ポリカ
ーボネート系樹脂およびスチレン系重合体を含有し、ポ
リカーボネート系樹脂とスチレン系重合体の含有量をそ
れぞれa重量%、b重量%としたときに、b/(a+
b)が0.02以上0.40以下で、a+bが80以上
100以下であることが好ましい。
【0009】さらに、上記高分子フィルムが含有するス
チレン系重合体は、平均分子量10000未満の低分子
量スチレン系重合体であることが好ましい。
【0010】また、上記高分子フィルムが含有するポリ
カーボネート系樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンの単位を含む芳香族ポリカーボネー
トであることが好ましい。
【0011】さらに、また、ポリカーボネート系樹脂
は、(C)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンの単位と、(D)1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの
単位とを含み、C/Dのモル比が0.25以上であるこ
とが好ましい。
【0012】そして、本発明に用いられる高分子フィル
ムは、溶液からのキャスティング法により得られる高分
子フィルムであることが好ましい。
【0013】なお、ここでいう1.5倍延伸時の光学的
配向性は、高分子フィルムを1.5倍に1軸延伸した後
の位相差値を測定して、次式に従い求められる。
【0014】光学的配向性=延伸後の位相差値[nm]
/(延伸後のフィルムの厚さ[μm]×1.5×100
0) 延伸倍率が同じであっても、光学的配向性は延伸温度や
延伸速度によって変化するが、本発明においては、
「1.5倍延伸時の光学的配向性」を、高分子フィルム
の1.5倍の延伸をガラス転移温度(Tg)±20℃の
範囲の延伸温度で行った場合に得られる光学的配向性の
最大値で定義する。なお、その際の延伸速度は、フィル
ムが切れてしまわない範囲で、現実的な工業生産が可能
な延伸速度を適用するものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0016】本発明の位相差が80nm以上である位相
差フィルムは、光弾性係数が4.5m2/N以下で、
1.5倍延伸時の光学的配向性が1.0×10-3以上で
ある高分子フィルムを延伸して得られる。
【0017】本発明に用いる高分子フィルムの光弾性係
数は、4.5m2/N以下が好ましく、より好ましくは
4.0m2/N以下である。前記範囲を超えると、位相
差フィルムとして他の部材と組み合わせ加工をする際、
あるいは、使用環境の変化による位相差値の変化が表示
画質の劣化として顕著に表れやすい傾向となる。
【0018】また、本発明に用いる高分子フィルムの光
学的配向性が1.0×10-3以上でない場合、種々の延
伸加工を行って得られるフィルムの位相差にムラが出や
すくなる傾向となったり、所望の位相差を発現できない
傾向となり、位相差フィルムとしての使用に困難が生じ
るおそれがある。光学的配向性のより好ましい範囲は、
2.0×10-3以上である。
【0019】本発明に用いられる高分子フィルムは、光
弾性係数および光学的配向性が前記範囲であれば、高分
子の種類に特に制限はないが、前記両特性範囲を満たす
ことができるものとしては、ポリカーボネート系樹脂ま
たはポリカーボネート系樹脂とスチレン系重合体とから
なる組成物をその構成成分として含有する高分子フィル
ムが好適に用いられる。フィルムの耐熱性をより高く保
つ必要があるときにはスチレン系重合体を併用しない
か、使用量を少なくする方が好ましい場合があるが、フ
ィルムの光弾性係数をより低く保ちたい場合はスチレン
系重合体を併用することが好ましい。
【0020】スチレン系重合体とは、スチレン系モノマ
ーを重合させることによって得られるスチレン系重合体
である。スチレン系モノマーの具体例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
その他が挙げられる。これらは、単独でもちいても2種
以上を併用してもよいが、なかでも、スチレンを単独で
用いる、あるいはスチレンと他のスチレン系モノマーと
を併用することが好ましい。
【0021】スチレン系重合体は、GPC法で測定され
る重量平均分子量が10000未満であることが好まし
い。スチレン系重合体の分子量を前記範囲とすることに
よって、スチレン系重合体とポリカーボネート系樹脂と
がヘイズの上昇を伴うことなく、均質に混合され、優れ
た光学特性を発現することができる。特に、光学フィル
ムの製造に汎用される溶液キャスティング法において
は、高い平均分子量を有するスチレン系重合体を用いる
と、溶媒を揮散させる過程においてポリカーボネート系
樹脂とスチレン系重合体とが相分離をしてヘイズの上昇
を伴いやすいので、前記した平均分子量の範囲の低分子
量スチレン系重合体を用いればヘイズを実用レベルに保
て好適である。
【0022】スチレン系重合体を用いると、本発明のフ
ィルムの光弾性係数を低下させる効果を発現するので、
フィルムの光弾性係数は、フィルム中のスチレン系重合
体の含有率を高くして低下させられる。しかし、一方で
フィルムのTgや剛性も影響を受けるので、高分子フィ
ルム中の、ポリカーボネート系樹脂とスチレン系重合体
の含有量をそれぞれa重量%、b重量%としたときに、
b/(a+b)は0.02以上0.40以下が好まし
く、0.03以上0.30以下がさらに好ましい。b/
(a+b)が前記範囲内においては光弾性係数を低下さ
せる効果が充分に発現され、耐久性や自己支持性などに
対する十分なTgや剛性を確保できる。特に、低分子量
スチレン系重合体は通常の成形材料やフィルム材料に用
いられる高分子量のポリスチレンとは異なって十分な機
械的熱的性質を有するものではないことから、b/(a
+b)を上記範囲とすることは重要である。
【0023】次に、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族
2価フェノール成分とカーボネート成分とからなる芳香
族ポリカーボネートが好ましい。芳香族ポリカーボネー
トは、通常芳香族2価フェノール化合物とカーボネート
前駆物質との反応によって得ることができる。すなわ
ち、芳香族2価フェノール化合物を苛性アルカリおよび
溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるい
は芳香族2価フェノール化合物とビスアリールカーボネ
ートとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交
換法により得ることができる。ここで、カーボネート前
駆物質の具体例としては、ホスゲン、前記2価フェノー
ル類のビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネー
ト、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリ
ルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート等が挙げられ、なかでもホ
スゲン、ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0024】カーボネート前駆物質と反応させる芳香族
2価フェノール化合物の具体例としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフ
ェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンそ
の他が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以
上のものを併用してもよい。なかでも2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンが好ましく、さらには2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いることは好まし
く、(C)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンと(D)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとを併用
することは特に好ましい。(C)2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンと(D)1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンとを併用する場合、両者の使用割合を変える
ことによってたとえばフィルムのTgや光弾性係数を調
整することができる。すなわち、ポリカーボネート系樹
脂中の(D)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン由来成分の含
有率を高くすれば、ガラス転移温度(以下、Tgとい
う)を高くし、光弾性係数を低くすることができる。し
かし、本発明のフィルムは上記高分子フィルムを延伸加
工して得られるので、その際にTgを適度に低く抑えて
おくと良好な延伸加工性が得られるため、ポリカーボネ
ート系樹脂中の(D)1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン由来
成分の含有率は(C)2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン由来成分に対してモル比で4倍以下、
即ちC/Dを0.25以上とすることが好ましい。
【0025】本発明のフィルムには、本発明の目的を損
なわない範囲で、残存溶媒、安定剤、可塑剤、その他の
成分を必要に応じて含有させることができる。
【0026】本発明のフィルムのヘイズは、1%以下で
あることが好ましい。ヘイズが1%以下であれば光学用
途での使用に適したフィルムとなる。
【0027】本発明のフィルムのガラス転移温度(以下
Tgという)は、110〜185℃であることが好まし
い。Tgが110℃以上であれば、高耐久性を有するフ
ィルムが得やすくなり、185℃以下の温度であれば種
々の二次加工性に優れたフィルムが得やすい。より好ま
しくは、120〜170℃である。
【0028】本発明に用いる高分子フィルムは、一般に
用いられる溶液からのキャスティング法や溶融押出法に
より得ることができる。樹脂を混合して用いる場合、そ
の混合方法については特に限定はなく、例えばキャステ
ィング法を用いてフィルムを得ようとする場合は、混合
成分を所定の割合で溶媒とともに攪拌混合して均一溶液
として用いればよく、溶融押出法を用いてフィルムを得
ようとする場合は、両者を所定の割合で溶融混合して用
いればよい。しかし、光学用途においては特に高度な均
一性を要求されることが多く、このような場合は、溶液
からのキャスティング法を用いることが好ましい。キャ
スティング法で用いられる溶媒としては、特に限定はな
いが、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、などのハロアルカン類;テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなどの
環状エーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、クロロベ
ンゼンなどの芳香族溶媒が用いられる。なかでも、ジク
ロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−
ジオキサン、シクロヘキサノン、クロロベンゼンなどが
溶解性とドープの保存等の安定性の観点から好ましい。
これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いること
ができる。
【0029】キャスティング法を用いる場合の溶液の濃
度は、特に限定はなく、用途に応じたフィルムの厚みや
厚み精度の制御を容易にする観点から、通常は15〜3
0重量%程度にすればよい。
【0030】本発明のフィルムの厚さは、用途に応じて
選択できるが、例えば光学フィルムの用途では、30〜
500μmが好ましく、50〜300μmがさらに好ま
しい。前記範囲内においてはフィルムの充分な自己支持
性が得られ、位相差フィルムとして付与できる位相差の
範囲も広くなり好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
尚、各特性値は以下のようにして測定した。
【0032】(Tg)フィルムから約10mgの試験片
を切り出し、セイコー電子製DSC5500を用いて、
240℃まで20ml/分の窒素気流下10℃/分の昇
温速度で測定し、JIS K7121に準拠してTgを
求めた。
【0033】(光線透過率とヘイズ)フィルムから長さ
40mm、幅40mmの試験片を切り出し、日本電色工
業製濁度計300Aを用いて、温度20℃±2℃、湿度
60%±5%において測定した。
【0034】(位相差)フィルムから長さ150mm、
幅10mmの試験片を切り出した。温度20℃±2℃、
湿度60%±5%の条件下で、オーク製作所製、顕微偏
光分光光度計を用いて、回転検光子法(セナルモン法)
により測定波長515nmで各試験片の位相差[nm]
を測定した。
【0035】(光弾性係数)前記位相差の測定におい
て、試験片に荷重をかけない場合と試験片の遅相軸方向
に4.9Nの荷重をかけた場合とについてそれぞれ測定
を行い、次式にしたがって光弾性係数を算出した。 光弾性係数[m2/N]=(荷重下の位相差[nm]−
無荷重下の位相差[nm])×試験片の幅[mm]×1
-12/荷重[N] (重量平均分子量)ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)法(ポリスチレンスタンダード)によ
り測定した。具体的にはWaters社製600型GP
Cシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、流速
を1mL/min、カラム温度は40℃にて測定し、ポ
リスチレンを標準試料とした重量平均分子量を算出し
た。
【0036】(実施例1)芳香族2価フェノール成分と
して2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
成分を有するポリカーボネート系樹脂(A−1)(帝人
化成製パンライトC1400)80重量部と重量平均分
子量4000のスチレン系重合体(B−1)(三洋化成
製ハイマーST95)20重量部とを塩化メチレン30
0重量部に加え、室温下で4時間攪拌混合して透明な溶
液を得た。この溶液をガラス基板上にキャストし、室温
で15分放置した後、ガラス基板から剥離させ、その
後、オーブン中で80℃で10分、120℃で20分加
熱して、厚さ75μm、残留塩化メチレン1重量%、T
g141℃の透明フィルムを得た。
【0037】得られたフィルムの光線透過率およびヘイ
ズは、それぞれ91%、0.3%であり、透明性が高い
ことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0038】得られたフィルムの光弾性係数は4.3×
10-112/Nであった。さらに、150℃の延伸温度
で1.5倍に1軸延伸した厚み61μmの延伸フィルム
の位相差は300nmであり、光学的配向性は3.3×
10-3であった。
【0039】得られた延伸フィルムは位相差ムラのない
均質な延伸配向フィルムであり、位相差フィルムとして
好適な品質安定性を有することが確認できた。
【0040】(実施例2)2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを芳香族2価フェノール成分として用い、常法に従い
ポリカーボネート系樹脂(A−2)を得た。NMRによ
って該樹脂中の共重合成分の含有モル比を調べたとこ
ろ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
成分が2に対して1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分が1
であった。
【0041】ポリカーボネート系樹脂(A−1)および
スチレン系重合体(B−1)に代えて、ポリカーボネー
ト系樹脂(A−2)80重量部と平均分子量2000の
スチレン系重合体(B−2)(三洋化成製ハイマーSB
75)20重量部とを用いた以外は実施例1と同様にし
て厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg12
6℃の透明フィルムを得た。
【0042】得られたフィルムの光弾性係数は3.0×
10-112/Nであった。さらに、140℃の延伸温度
で1.5倍に1軸延伸した厚み60μmの延伸フィルム
の位相差は250nmであり、光学的配向性は2.8×
10-3であった。
【0043】得られた延伸フィルムは位相差ムラのない
均質な延伸配向フィルムであり、位相差フィルムとして
好適な品質安定性を有することが確認できた。光線透過
率およびヘイズは、それぞれ91%、0.3%であり、
透明性が高いことが確認できた。
【0044】(実施例3)2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを芳香族2価フェノール成分として用い、常法に従っ
て2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン成
分が3モルに対し、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分を
4モル含有するポリカーボネート系樹脂(A−3)を得
た。
【0045】ポリカーボネート系樹脂(A−2)80重
量部に代えて、ポリカーボネート系樹脂(A−3)80
重量部を用いた以外は実施例2と同様にして厚さ75μ
m、残存塩化メチレン1重量%、Tg142℃の透明フ
ィルムを得た。
【0046】得られたフィルムの光弾性係数は2.5×
10-112/Nであった。さらに、160℃の延伸温度
で1.5倍に1軸延伸した厚み60μmの延伸フィルム
の位相差は200nmであり、光学的配向性は2.2×
10-3であった。
【0047】得られた延伸フィルムは位相差ムラのない
均質な延伸配向フィルムであり、位相差フィルムとして
好適な品質安定性を有することが確認できた。光線透過
率およびヘイズは、それぞれ91%、0.2%であり、
透明性が高いことが確認できた。
【0048】(実施例4)ポリカーボネート系樹脂(A
−3)の使用量を95重量部、スチレン系重合体(B−
2)の使用量を5重量部とした以外は実施例3と同様に
して厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg1
70℃の透明フィルムを得た。
【0049】得られたフィルムの光弾性係数は3.2×
10-112/Nであった。さらに、185℃の延伸温度
で1.5倍に1軸延伸した厚み60μmの延伸フィルム
の位相差は230nmであり、光学的配向性は2.6×
10-3であった。
【0050】得られた延伸フィルムは位相差ムラのない
均質な延伸配向フィルムであり、位相差フィルムとして
好適な品質安定性を有することが確認できた。光線透過
率およびヘイズは、それぞれ91%、0.2%であり、
透明性が高いことが確認できた。
【0051】(比較例1)ポリカーボネート系樹脂(A
−1)80重量部とスチレン系重合体(B−1)20重
量部とに代えて、ポリカーボネート系樹脂(A−1)1
00重量部を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ7
5μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg155℃の透
明フィルムを得た。
【0052】得られたフィルムの光弾性係数は6.1×
10-112/Nであった。さらに、165℃の延伸温度
で1.5倍に1軸延伸した厚み60μmの延伸フィルム
の位相差は300nmであり、光学的配向性は3.3×
10-3であった。
【0053】得られた延伸フィルムは位相差ムラのない
均質な延伸配向フィルムであったが、色むらが生じやす
いものであった。
【0054】(比較例2)ポリカーボネート系樹脂(A
−3)の使用量を50重量部、スチレン系重合体(B−
2)の使用量を50重量部とした以外は実施例3と同様
にして厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg
120℃の透明フィルムを得た。
【0055】得られたフィルムの光弾性係数は2.2×
10-112/Nであった。さらに、110〜135℃の
温度範囲で1.5倍に1軸延伸した厚み60μmの延伸
フィルムの位相差を調べたところ、最大で80nmであ
り、光学的配向性は0.9×10-3であった。
【0056】得られた延伸フィルムは位相差ムラおよび
厚みムラが大きく、光学用途での実用に適さないもので
あった。
【0057】以上の結果から、光学的配向性が1.0×
10-3以上、光弾性係数が4.5m 2/N以下の高分子
フィルムを用いて得られる延伸フィルムは、光学的配向
性もしくは光弾性係数が上記範囲を外れた高分子フィル
ムから得られる延伸フィルムに比べて、優れた品質特性
を発現できることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明のフィルムは、位相差の安定性、
光弾性特性等の光学的特性にすぐれており、本発明によ
れば、位相差板や液晶表示用基板などの光学用途に好適
に利用できるフィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13363 G02F 1/13363

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光弾性係数が4.5m2/N以下で、
    1.5倍延伸時の光学的配向性が1.0×10-3以上で
    ある高分子フィルムを延伸して得られる、位相差が80
    nm以上の位相差フィルム。
  2. 【請求項2】 高分子フィルムが、ポリカーボネート系
    樹脂およびスチレン系重合体を含有し、ポリカーボネー
    ト系樹脂とスチレン系重合体の含有量をそれぞれa重量
    %、b重量%としたときに、b/(a+b)が0.02
    以上0.40以下で、a+bが80以上100以下であ
    る請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 【請求項3】 含有するスチレン系重合体が、平均分子
    量10000未満の低分子量スチレン系重合体である請
    求項2に記載の位相差フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート系樹脂が、2,2−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの単位を含む芳
    香族ポリカーボネートである請求項2または請求項3に
    記載の位相差フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート系樹脂が、(C)2,
    2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの単位
    と、(D)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
    3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの単位とを含
    み、C/Dのモル比が0.25以上である請求項4に記
    載の位相差フィルム。
  6. 【請求項6】 高分子フィルムが溶液からのキャスティ
    ング法により得られる高分子フィルムである請求項1な
    いし請求項5のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
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