JP2001311712A - 酵素センサおよびこれを用いた酵素センサ装置 - Google Patents
酵素センサおよびこれを用いた酵素センサ装置Info
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Abstract
せ、かつ酵素センサ個々間の測定精度上のバラツキを減
少させる。 【解決手段】 絶縁性基板上に形成された少なくとも測
定極と対極とを有する電極系(3)と、前記電極系の少
なくとも測定極の一方先端側に密着固定された、酵素と
電子メディエータとを含む反応層(6)と、を有する酵
素センサにおいて、前記反応層(6)に微細セルロース
粉体及び/又は微細結晶セルロース粉体を含める。
Description
する酵素センサ、およびこの酵素センサを組み込んだ測
定装置に関する。本発明装置は、特に医療分野における
生体成分の測定に有用である。
ばグルコース、アルコール、乳酸、尿酸、尿素、蔗糖等
を酵素反応を利用して簡便に定性または定量することの
できる測定素子であり、基本的には図12に示すような
構造をしている。すなわち、プラスチック等の電気絶縁
性基板213上に、測定極214と対極215とが近接
配置され、これらの電極に酵素を担持固定させて基質検
知部となし、上記測定極214と対極215とは、それ
ぞれリード部214a・215aを介して外部接続端子
部214b・215bに電気接続されている。また、一
般には測定極214、対極215、リード部214a・
215a、外部接続端子部214b・215bを含む電
極系は、保護のため外部接続用の電極端子部214b・
215bを残して電気絶縁性フィルム216で被覆され
ている。
は、酵素を担持固定させた基質検知部であるが、導電性
金属からなる電極面に酵素を強力に密着固定させること
容易でない。そこで、固定力を高めるために、酵素溶液
にバインダーとして親水性ポリマーを添加し、この溶液
を電極に塗布し乾燥する方法が従来より採用されてい
る。
受を円滑に行わせるために、フェリシアン化カリウムな
どの電子メデイエータ(電子受容体)を配合する技術が
提案され実施されている(特開昭48−37187号公
報等)。この技術によると、酵素および電極との間の電
子移動がスムーズになるので、測定電圧を小さくするこ
とができるとともに、測定速度を速くすることができ
る。
迅速に導入するために、検液を導入するための導入口
と、検液とともに持ち込まれる空気を排出する排出口と
を設けた構造が提案されている(特開平1−29115
3号公報)。この構造であると、基質検知部が陽圧にな
ることがないので、検液の導入を迅速に行うことができ
る。
く測定する手段についても従来より種々な提案がなされ
ており、例えば特開昭60−17344号公報(米国特
許第5,509,410号)では、被検成分と酵素との
反応を電流検知でもって測定できる回路を組み込んだ酵
素センサ装置が提案されている。この装置は、酵素セン
サを測定毎に使い棄てる方式であり、このために装置本
体に酵素センサを着脱自在に接続できる機構が組み込ま
れている。また、この公報には、活性電極が支持部材上
の25mm2 未満の面積を有する印刷層を備え、第1導
電性素子および前記活性電極を第2導電性素子及び参照
極から離間している電極方式が開示されている。
は、図13に示すような酵素センサを用いて自動測定す
る電気回路が開示されている。
サに関しては従来より既に多くの技術が提案され実施さ
れているが、何れも未だ改善すべき課題をを有してい
る。従来の酵素センサにおける問題点を列記すると次の
通りである。
っても、各々のセンサの検出精度に違いがあった。この
ため、特に使い捨て方式の酵素センサ装置において、信
頼性の高い測定を行うことができなかった。具体的に
は、例えば同一人から採取した血中の糖量を酵素センサ
を変えて測定した場合、個々の酵素センセ間で測定値に
大きなバラツキが認められた。
が低い人の場合においては、十分に信頼できる値が得ら
れなかった。 (iii) 更に、保存安定性が充分でなく、性能の経時的劣
化が大きいという問題があった。
討した。その結果、性能のバラツキの程度は、電子メデ
ィエータの種類によって大きく変動し、例えば電子メデ
ィエータとしてフェリシアン化カリウムや、フェロセン
を用いた場合に、より大きいことを知った。また、酵素
や電子メディエータを電極に固定する親水性ポリマーの
種類によっても性能バラツキの程度が大きく変化するこ
とを知った。そして、これらの検討の過程で、意外なこ
とに、反応性を有せずかつ水不溶性の微細セルロース粉
体を反応層に配合したところ、上記問題点が一挙に解決
することを知った。本発明はこれらの知見に基づいて完
成された。
は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成された、少
なくとも測定極と対極とを有する電極系と、前記電極系
の一方先端側の少なくとも測定極上に密着固定された、
酵素と電子メディエータとを含む反応層と、を有する酵
素センサであって、前記反応層が、更に微細セルロース
粉体及び/又は微細結晶セルロース粉体を含むことを特
徴とする。
(iii) が一挙に解決される。この理由は次のように考え
られる。従来の酵素センサでは、反応層成分である酵素
及び電子メディエータの粒子サイズに大きなバラツキが
認められ、また各成分の混合状態も悪い。このため、検
液に浸漬された時の酵素反応の立ち上がりにバラツキが
生じ、また電子の授受が円滑になされないために、電気
的検知にバラツキが生じる。よって、両者が相まって測
定精度のバラツキを生じる。また、従来の酵素センサは
バインダーとして親水性ポリマーを用いているため、経
時的な吸湿により反応層成分が失活し易い。
及び/又は微細結晶セルロース粉体(以下、微細セルロ
ース粉体等とする)を添加した上記構成であると、微細
セルロース粉体等が、電極と電子メディエータや、電子
メディエータと酵素との直接的接触を少なくするように
作用する。よって、保存期間中の性能劣化が少なくな
る。また、微細セルロース粉体等は、水等の溶媒に溶解
せず、かつ水分吸着能力が大きいという性質を有する
が、この性質が反応層の吸湿に起因する性能劣化の抑制
に寄与する。
性ポリマーは、空気中の水分を吸収すると、電極と電子
メディエータとの間で局部電池が形成されて電気化学的
腐食反応が進行する。然るに、本発明によると、微細セ
ルロース粉体等が水分を吸収して反応層内の自由水を減
少させるように作用する。また上記したように、微細セ
ルロース粉体等が電極と電子メディエータの直接的接触
を少なくするように作用する。よって、両作用が相まっ
て吸湿に起因する性能劣化が大幅に抑制される。
酵素粒子や電子メディエータ粒子の偏在化を防止する。
他方、微細セルロース粉体等を含む反応層は、検液に触
れると迅速に膨潤し、一次粒子にまで崩壊する。よっ
て、反応層各成分の検液中への放出が迅速であり、その
結果として被検成分と酵素との反応が迅速かつ適正に進
行する。
は、繊維同士が絡み合ってネットワーク構造を形成して
おり、反応層が検液に浸漬されると、このネットワーク
構造内に検液を取り込みつつ膨潤することになるので、
酵素や電子メディエータが反応系外へ飛散しにくい。つ
まり、微細セルロース粉体等のネットワーク構造が、測
定感度や測定精度を向上させ、また測定ごとに測定値が
バラツクといったことを防止する。
独自の作用効果を有する。すなわち、酵素センサの主用
途は、生体成分の測定であるが、微細セルロース粉体等
はこの用途における測定において次のような作用効果を
奏する。例えば全血から血漿を分離する場合、血漿中に
微量の血球が混入(無機塩類の混入もある)し、その程
度は一定しない。そして、血球の混入は測定値のバラツ
キ原因になる。このため、従来の酵素センサでは、被検
体が血液等である場合には、測定の度に浮動的な要因に
よって測定値が変動するという問題を有していた。
検液に浸漬されると、検液と微細セルロース粉体等の界
面に弱いζ(ゼータ)電位が発生し、このζ電位が血球
や無機塩類をセルロースの表面に吸着固定して、血漿中
に混入した血球や無機塩類による悪影響を軽減させる。
よって、この種の原因に起因する測定誤差が減少する。
が不安定であるため、両極に印加するBG電圧を高くし
ておく必要があり、このために低血糖領域での測定精度
が悪かった。これに対し、本発明によると、微細セルロ
ース粉体等の作用により電子の授受が円滑迅速に行われ
るので、従来に比較しBG電圧を低くでき、上記した作
用効果と相まってこれが低血糖値領域における測定精度
の向上に寄与する。
の酵素センサにおいて、前記微細セルロース粉体及び/
又は微細結晶セルロース粉体の添加量が、電子メデイエ
ータに対して1〜50重量%であることを特徴とする。
に対し1〜50重量%の範囲で添加した場合において、
上記した作用効果が一層顕著に発揮されるので、測定精
度に優れ、個々間のバラツキの小さい酵素センサを構成
できる。
2に記載の酵素センサにおいて、前記酵素がグルコース
オキシターゼであり、電子メデイエータがフェリシアン
化カリウムであることを特徴とする。
カリウム、及び微細セルロース粉体等の組み合わせであ
ると、微細セルロース粉体等の作用効果が十分に発揮さ
れる結果、測定精度、保存安定性などに優れた信頼性の
高い酵素センサが得られる。
基板(2)と、前記基板(2)上に基板長手方向に沿っ
て略平行に形成された測定極と対極とを含む電極系
(3)と、前記電極系の一方端部を残して前記電極系の
形成された基板(2)上に積層された電気絶縁性のマス
ク層(4)と、前記マスク層(4)上に積層された電気
絶縁性のスペーサ(5)と、前記スペーサ(5)上に積
層された電気絶縁性の保護層(7)と、からなり、前記
電極系(3)の一方端部を電極端子部(3c、3d)と
し、他方端部側に基質検知部(6)が形成された酵素セ
ンサであって、前記マスク層(4)は、前記基質検知部
(6)に対応する位置に窓(4a)を有し、前記スペー
サ(5)は、前記マスク層(4)と前記保護層(7)と
の間に、外部より前記基質検知部(6)に検液を導くこ
とができる検液吸入口(5b)とこれに続く余裕空間と
しての空洞部(5a)とが形成できる形状の切欠を有
し、前記基質検知部(6)の少なくとも測定極の表面に
は、酵素と電子メディエータと微細セルロース粉体及び
/又は微細結晶セルロース粉体とを含んでなる反応層が
密着固定された構造であることを特徴とする。
となく露出させて外部接続用の電極端子として活用する
一方、電極系の大部分をマスク層(4)で覆い保護す
る。また、所定形状の切欠を有するスペーサ(5)をマ
スク層(4)と保護層(7)との間に介在させて、マス
ク層(4)と保護層(7)との間に隙間を形成するが、
この隙間が、外部より前記基質検知部(6)に検液を導
くことができる検液吸入口(5b)とこれに続く余裕空
間としての空洞部(5a)として機能する。
役割をして基質検知部(6)を保護し、かつ外部より検
液を基質検知部に導入する導入口を確保するように作用
する。そして、検液吸入口(5b)の奥に形成された空
洞部(5a)は、検液を迅速に基質検知部(6)にまで
導入しようとするとき障害となる空気を後方に逃がす役
割を担う。よって、この構造であると、検液を円滑かつ
迅速に基質検知部(6)にまで導入することができる。
検液の導入が迅速であると、基質検知部(6)における
酵素化学反応が迅速かつ円滑に行われるので、ピーク電
流を検出して被検成分濃度を測定する方式の酵素センサ
おける測定感度や測定精度が向上することになる。
行き止まり構造であるので、従来技術にかかる排気口の
ように、基質検知部(6)が無用に外気にされされるこ
ともない。
ース粉体及び/又は微細結晶セルロース粉体が配合され
ているので、上述した構造上の作用効果にさらに請求項
1の発明で説明した微細セルロース粉体等の作用効果が
加わる。よって、上記構成であると、高い信頼性を有す
る酵素センサを構成できる。
の酵素センサにおいて、前記スペーサ(5)の切欠が、
前記基質検知部(6)の長手方向幅の0.5〜1.5倍
の入口幅を有する検液吸入口(5b)を形成できる形状
及び大きさであることを特徴とする。
測定に際し基質検知部への検液の導入に時間が掛かり、
酵素反応が円滑に進行しない。よって、測定精度が悪く
なる。その一方、検液吸入口(5b)を無用に大きくし
ても、反応層の安定性を損なう方法に作用するのみで、
もはや測定精度の向上に寄与しない。よって、検液吸入
口の大きさ等は適正に設定する必要があるが、基質検知
部(6)の長手方向幅(電極系3の測定極と対極に跨が
る方向幅)の0.5〜1.5倍の入口幅を有する検液吸
入口(5b)とすると吸入口として必要十分となる。
の酵素センサにおいて、前記保護層(9)の前記空洞部
(5a)に対応する部分には、凹部(9a)が形成され
ており、この凹部(9a)によりマスク層(8)の上下
方向に前記余裕空間を拡張させたことを特徴とする。
空気の逃がし空間(余裕空間)をマスク層(8)の上下
方向(マスク層に対し垂直の方向)にまで広げたので、
検液の導入が一層円滑になる。
の酵素センサにおいて、前記スペーサが、先端側に1又
は2以上の柱状の突起部を有し、この突起部とこの突起
部の各面にそれぞれ積層されたマスク層及び保護層と
で、前記基質検知部に外部より検液を導くことができる
検液吸入口が形成されていることを特徴とする。
部に検液をセンサ内部に導き入れる案内棒の役割を担わ
せることができる。なぜなら、柱に沿って毛細管現象が
生じ、これによって検液がセンサ内部に導かれるからで
ある。ここで、毛細管現象を有効に利用するには、1又
は2以上の柱状の突起部を幅狭とし、かつ基質検知部の
直上を通過する構造とするのがよい。この構造である
と、マスク層と保護層との隙間(検液吸入口の容積)が
小さくとも検液を迅速かつ確実に基質検知部に導き入れ
ることができる。
形成された、少なくとも測定極と対極とを有する電極系
と、前記電極系の少なくとも測定極の一方先端側に密着
固定された酵素と電子メディエータと微細セルロース粉
体及び/又は微細結晶セルロース粉体とを含む反応層
と、を備える酵素センサの製造方法であって、前記製造
方法が、酵素と電子メディエータとを溶媒に溶解し且つ
この溶液に微細セルロース粉体及び/又は微細結晶セル
ロース粉体を分散して反応層形成溶液となす反応層形成
溶液作製工程と、前記反応層形成溶液をノズルを介して
電極系の所定部分に供給した後、乾燥して電極系の所定
部分に反応層を密着固定する反応層固定工程と、を備え
ることを特徴とする。
溶解させ、この状態で微細セルロース粉体等と混合し、
かつ所定部分に供給した後、微細セルロース粉体等とと
もに溶液を乾燥するが、この方法であると、各成分を十
分な接着力をもって電極表面に密着固定させることがで
きる。また、この方法によると、酵素や電子メディエー
タの微細粒子を微細セルロース粉体等の表面で析出させ
ることができる。つまり、この製造方法によると、各成
分が偏在することなく反応層全体に均一に分散された好
適な反応層を形成することができ、この結果として測定
感度や測定精度に優れた酵素センサを得ることができ
る。
の酵素センサの製造方法において、前記反応層形成溶液
の粘度を30〜800mPa・Sとすることを特徴とす
る。
流動性を有しているので、ノズルを用いて円滑に反応層
形成溶液を電極系の所定部分に供給できるとともに、供
給された反応層形成溶液が反応セル内で自然流延するの
で、同質性・均質性に優れた反応層を生産効率よく製造
することができる。
し7の何れかに記載の酵素センサを電位走査部に着脱自
在に接続するための酵素センサ接続部と、酵素センサに
測定電圧を印加するための印加電圧可変機能付き電位走
査部と、被検成分との反応により酵素センサから発せら
れる電流を検出するための電流検出部と、電流検出部か
らの電気信号をA/D変換するとともに、酵素センサに
印加する測定電圧値をD/A変換し電位走査部へ供給す
るためのマイクロコンピュータと、を備えた酵素センサ
装置である。
検成分濃度を自動定量できる酵素センサ装置を提供でき
る。
基づいて説明する。本発明酵素センサは、基本的には図
1aに示すように、電気絶縁性基板(2)と、この基板
(2)上に形成されたストライブ状の2本の電極からな
る電極系(3)と、電極上に密着固定された、酵素と電
子メディエータと微細セルロース粉体及び/又は微細結
晶セルロース粉体とを含む反応層とからなる。
極とで構成され、上記反応層は、電極系(3)の一方端
部側に密着固定されている。反応層が固定されたこの電
極部分は基質を検知する測定本体部であり、本明細書で
はこの部分を基質検知部(6)と称する。電極系(3)
の他方端部は、外部と電気接続するための電極端子とな
り、電極系(3)の中間部分は、基質検知部(6)と電
極端子とを結ぶリード部となる。なお、上記したように
基質検知部は、測定本体部となり、測定極と対極と反応
層とを含む領域を意味している。
ブ状に形成された電極系が、測定本体部と電極端子部と
両者の間を繋ぐリード部の3つの役割を担うものとして
構成してあるが、これらを別々の部材で構成してもよ
い。また、図1aでは、基質検知部全体に反応層を密着
固定した構成を示してあるが、測定極のみに反応層を密
着固定した構造であってもよい。更に図1aでは、測定
極と対極を一対とする電極構造を採用しているが、これ
に限られるものではない。例えば参照極を加え、測定極
を中心にして参照極と対極を左右に配置した3極構造と
することもできる。
最少限の要素を記載したものであり、この構造では電極
系や基質検知部が外部環境に対し開放されている。よっ
て、反応層や電極系が損傷を受け易いため、図1bのよ
うに電極端子(3c、3d)部分を除き、また検液吸入
口(5b)を確保した状態で、電極系の形成された面を
他の部材で覆う構造を採用するのが好ましい。以下で
は、好ましい形態である図1bの構造の酵素センサにつ
いて説明する。
性、耐薬品性、非吸水性等に優れるプラスチックス製基
板を用いる。但し、プラスチックス以外であってもよ
く、例えば電気絶縁性のセラミック製の基板を用いるこ
ともできる。プラスチックス基板としては、例えばPE
T(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチ
レンナフタレート)などの芳香族ポリエステルや、例え
ば脂肪族ポリエステルなどの生分解性ポリエステルから
なる基板を用いることができる。なお、酸化チタンなど
を練り込んだプラスチックスを用いると、白色に着色し
た基板が得られるので見易さの点から好ましい。
下記する(A)〜(D)の方法を用いることができる。 (A)導電ペーストを用い、予め設計された電極パター
ンを基板面に直接スクリーン印刷する方法。
ンジウム−チタン酸化物)などの導電性貴金属を物理的
薄膜形成手段を用いて直接または間接的に基板上に形成
する方法。この方法の代表的なものとしては、スパッタ
リング法があり、この方法によると良質の電極を形成す
ることができる。スパッタリング法では、例えば次のよ
うにして電極を形成する。予め脱脂洗浄した基板面にコ
ロナ放電等の前処理を行う。この基板に対し、上記貴金
属の何れかをターゲットとし、例えば直流スパッタリン
グ装置を用い、アルゴン等の稀ガス下、真空度10-2ト
ール以下、印加電圧1kw程度の条件でスパッタリング
を行い、基板表面に膜厚300〜1500Å程度の蒸着
膜(導電膜)を形成する。この際、所望する電極パター
ンのマスキングシートを基板に被せてスパッタリングを
行えば、所望形状の電極を直接基板上に形成することが
できる。また、基板面全面に金属を蒸着した後に、所望
のパターンのマスキングフィルムを用いてフォト・エッ
チングすることによっても所望形状の電極を形成するこ
とができる。
きフィルムを基板面に張りつける方法。先ず裏面に接着
剤が貼付されたプラスチックフィルムの表面に、上記し
たスパッタリング法などの方法で白金等の導電膜を蒸着
し、しかる後にこのフィルムを所望パターンにカット
し、これを基板面に張りつける。この方法では、薄くて
支持性があり、耐熱性に優れるプラスチックフィルムを
使用するのがよい。このようなプラスチックフィルムと
しては、ポリイミドや芳香族ポリイミドなどが挙げられ
る。
上記貴金属をスパッタリング法等で転写用フィルムに蒸
着し、ホットスタッピング用の転写箔を作成する。次い
で、所望の電極パターンを有する金属凸版を用い、この
転写箔を基板面に加熱しつつ加圧圧着する。これによ
り、所望の電極パターンを基板面に転写できる。
つ電極自体の品質がよい点で、C法が推奨される。な
お、電極パターンは、図1aに記載した形状に限られ
ず、種々な形状を取り得る。
る反応層について説明する。本発明にかかる反応層は、
酵素と、電子メディエータ(電子授与体ともいう)と、
微細セルロース粉体又は/及び微細結晶セルロース粉体
とを少なくとも含んでなるものであることを特徴として
いる。このような反応層を構成する各成分の詳細は次の
通りである。
用を及ぼすものを使用する。具体的には測定対象となる
被検成分に合わせ適当な酵素を個別具体的に選択する。
例えば、血糖値を測定する場合には、グルコース(基
質)に対し特異性を有するグルコースオキシターゼを使
用する。またアルコール値を測定する場合には、アルコ
ールオキシターゼ又はアルコールデヒドロゲナーゼを使
用する。また乳酸を測定する場合には、乳酸オキシター
ゼ又は乳酸デヒドロゲナーゼを使用する。更に尿酸を測
定する場合には、ウリカーゼを使用することになる。
ない場合や充分でない場合等には、二種類以上の異なる
酵素を混合して使用する。例えば、蔗糖を被検成分とす
る場合は、インベルターゼ、ムタローゼ、グルコースオ
キシターゼの三種類を混合して使用する。このように、
反応層構成成分としての酵素は、一種類に限れるもので
はなく、複数の酵素が混合された酵素(混合酵素)であ
ってもよい。
は、酵素と被検成分との反応に際して電子を授受し得る
電子移動媒体として機能するものであり、酵素反応に悪
影響を与えない限りその種類に制限はない。好ましい電
子メディエータとしては、例えばフェリシアン化アルカ
リ金属の1つであるフェリシアン化カリウム、フェロセ
ン又はそのアルキル置換体、更にはフェナジンメトサル
フェート、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロフェノ
ールインドフェノール、メチレンブルー、β−ナフトキ
ノン4−スルホン酸カリウム等の酸化還元性の無機又は
有機化合物、などの物質が挙げられる。なお、これらは
結晶性であるが、融点を有するものであるので、溶液状
で結晶セルロースに添加し混合した場合に微細粒子を得
やすい。
してもよく、また水又はアルコール等の有機溶剤に溶解
した形で添加してもよい。また、上記した物質の何れを
電子メディエータとして使用するかは、使用する酵素と
の関連において適切に選択する。一般には、フェリシア
ン化カリウム『K3 [Fe(CN)6 ]』、フェロセン
『Fe(C5 H5 )』、またはフェロセンのアルキル置
換体が好適に使用でき、更にフェリシアン化カリウムが
より好ましく使用できる。
好ましい理由としては、こららの物質が水、アルコール
などに溶解するので取扱い易いこと、電子移動媒体とし
ての働きが安定していること、後記する微細セルロース
粉体又は/及び微細結晶セルロース粉体との相性がよ
く、これらの物資と微細セルロース粉体又は/及び微細
結晶セルロース粉体とを組み合わせると、測定精度を大
幅に向上させることができること、などが挙げられる。
結晶セルロース粉体について説明する。本明細書では微
細セルロース粉体又は/及び微細結晶セルロース粉体を
総称して、微細セルロース粉体等ということがある。
どの植物の細胞膜の主成分であり、分子が比較的規則正
しく平行に配列している結晶領域と、分子が乱れて配列
している非結晶領域とで構成されている。また、直径が
10〜50μm程度のフィブリル(微細繊維)が螺旋状
に寄り集まって繊維が組成されている。
体又は/及び微細結晶セルロース粉体における「微細」
の定義する処とは、概ね直径が10μm以下で長さが3
00μm以下のものを意味している。上記した天然のセ
ルロースであってもこのサイズであれば、そのまま使用
することもできるが、通常は上記のようなセルロースを
そのまま使用するのではなく、微細化したものを使用す
る。セルロースのサイズが大き過ぎると、反応層構成成
分としての添加効果(後記)が減少するとともに、密着
固定に支障が生じるからである。
mのフィブリルで構成されたセルロースである場合に
は、粉砕によってフィブリルを繊維軸方向に引き裂いて
直径を10μm以下にする。また、セルロースの繊維長
が300μmを越える場合には、粉砕によって、300
μm以下、好ましくは100μm以下の繊維長とする。
繊維直径が10μmを越えると、表面積が過少になるの
で、充分な作用効果が得られない。また、繊維長が30
0μmを越えると、均一混合性が悪くなるとともに、溶
液に分散したときにおける混合溶液の流れが悪くなるた
め、ノズルを用いて電極部分に塗布しがたくなる。
小さくしても測定精度は向上しない。また、セルロース
の粒度と測定精度向上効果との関係は、酵素や電子メデ
ィエータの種類によっても影響を受ける。よって、微細
セルロース粉体等の粒度は、実際の使用経験に基づいて
適当に設定するのが好ましい。
えば雑誌“繊維と工業 Vol.48、No.10(1
992)、p−566に記載された高圧ホモジナイザー
法を用いることができる。この方法は、原料セルロース
を水に分散させ、セルロースに剪断力、衝撃力、急激減
圧に伴うキャビテーションを作用させて繊維を繊維軸方
向に引き割いて微細化する方法である。この方法による
と、0.1〜3μm程度の繊維径の微細セルロース粉体
が均一分散した好適な懸濁液を得ることができる。
体に代えて、または微細セルロース粉体とともに微細結
晶セルロース粉体を用いることができる。微細結晶セル
ロース粉体とは、非結晶部分を除去し、かつ微細化した
結晶性のセルロース粉体をいう。このセルロースは、例
えば次の方法で作製することができる。
酸、希硫酸などの鉱酸で加水分解するか、又はアルカリ
で酸化分解する。この分解操作によって非結晶領域分子
が溶解解除されるので、この処理液を中和して不溶分子
である結晶領域分子をろ集する。ろ集物を充分に洗浄し
た後、水に分散し水和させた後、機械的な摩碎力を加え
て粉砕する。この方法により、繊維直径が0.01〜
0.05μm程度、繊維長が2〜50μm程度の微細結
晶セルロース粉体を得ることができる。この微細結晶セ
ルロースの平均重合度は約50〜500であり、このセ
ルロースは、非結晶領域分子が除去されているので、当
初の分子量に比べて大幅に分子量が小さくなっている。
おいては、例えば鉱酸濃度やアルカリ濃度、処理時間、
処理温度などの分解操作条件を変えて、非結晶領域の分
解程度を変化させることにより、結晶セルロースの純度
を高めることができる。但し、分解操作条件を必要以上
に強めると、結晶領域分子の分解などが生じるので、却
って好ましくない。よって、適正に条件設定する必要が
ある。
高圧ホモジナイザー法を用いることもできる。また、微
細セルロース粉体と微細結晶セルロース粉体の作用効果
に本質的な違いはない。但し、微細結晶セルロース粉体
の方が、反応層を電極に密着固定する際における操作性
(分散性、輸送性など)がやや優れている。また電極に
対する密着性も若干よい。
いて説明する。本発明にかかる反応層は、酵素と電子メ
ディエータと微細セルロース粉体等の3者を粉末状態で
混合した後、これをバインダーで電極部分に圧着しても
よいが、好ましくは酵素と電子メディエータを溶媒(例
えば水)に溶解し、この溶液に微細セルロース粉体等を
分散混合した後、この溶液を電極部分に塗布し乾燥する
のがよい。この方法であると、酵素や電子メディエータ
の微細粒子を微細セルロース粉体等の表面に吸着分散さ
せた形で分散させることができので、各成分の均一分散
性が格段に向上する。既に説明したように、各成分の粒
度が均一で偏在がないと、酵素反応が円滑になされるの
で、測定感度や測定精度が一段と向上する。
おいては、従来より使用されているバインダー(固定化
剤)を必ずしも必要としないが、微細セルロース粉体等
とともにバインダーを使用することもできる。但し、微
細セルロース粉体等とともにバインダーを使用する場合
には、従来よりも使用量を少なくするのが好ましい。バ
インダーの使用量が多いと、微細セルロース粉体等の作
用効果が減殺されるからである。
インダーとしては、一般には水又はアルコールに溶解す
る水溶性ポリマーを使用する。具体的には、ケン化度約
70%以上のポリビニルアルコール、アクリル酸誘導体
(ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸エステルの部
分ケン化物、ポリアクリル酸アミド等)、メタアクリル
酸誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルキル(メチル、エチル)エーテ
ル、マレイン酸共重合体(コモノマーとして例えば酢酸
ビニル、スチレン)等の合成ポリマー、セルロース誘導
体(メチル又はエチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等)澱粉誘導体
(カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉等)などの
半合成ポリマー、アラビヤゴム、澱粉、アルギン酸ソー
ダなどの天然高分子が使用できる。これらのうち、反応
層成分との親和性がよく、被検成分に対しても親和性が
よいことから、セルロース誘導体又は澱粉誘導体等の半
合成ポリマーが好適である。
素、電子メディエータ、微細セルロース粉体等の三者の
合計重量に対し、5重量%以下程度とするのがよい。こ
の程度の添加であれば、微細セルロース粉体等の作用効
果が減殺されないからである。
ィエータ、及び微細セルロース粉体又は/及び微細結晶
セルロース粉体の成分比率は、例えば次のようにして決
める。
成分の量(濃度)に左右され、微細セルロース粉体等の
必要量は、電子メディエータの量に左右される。そこ
で、先ず予備テストを行って不足しない程度のやや過剰
量の酵素量(一定)を決め、電子メディエータと微細セ
ルロース粉体とを或る比率に定め、この成分比率の反応
層を有する酵素センサを作製する。次いで、被検成分濃
度の異なる各種試料液を用意し、上記酵素センサを用い
て出力電流を検出する。このとき得られた出力電流値を
縦軸にし、被検成分量を横軸しグラフ化し、このグラフ
において、一次関数直線で表すことのできる範囲(検量
線の範囲)を調べる。この範囲が狭い場合や測定の度に
値が大きく異なる場合には、電子メディエータと微細セ
ルロース粉体との成分比率が適正でないと判断し、この
場合には、両成分の成分比率を変えて再度同様な実験を
行う。このようにして、試行実験を行って適正な成分比
率を確定する。
方法で得た成分比率を例示すると、検液中のグルコース
濃度が1〜500mg/mlである場合、グルコースオ
キシターゼが2〜20mg/ml、フェリシアン化カリ
ウムが10〜500mg/ml、微細セルロース粉体等
がフェリシアン化カリウムに対して1〜50重量%、好
ましくは2〜40重量%、より好ましくは3〜30重量
%とする。この組成比であると、広範囲にわたって高い
精度の定量をなし得る酵素センサが構成できる。
ロース粉体とを混合した混合系セルロース粉体を用いる
場合の混合比率としては、通常、10〜90重量%の範
囲とする。何れかの粉体が10重量%未満であると、混
合する意義が殆どなくなるからである。
質濃度(被検成分量)が過大である場合や、検液に含ま
れる他成分の影響が大きい場合、測定温度による影響が
大きい場合等には、出力電流値と被検成分濃度との関係
を示す検量線が放物線様に傾くが、この傾き傾向が小さ
い場合には、測定装置(後記)に基準線(直線検量線)
に近づける修正回路(ソフト的回路)を組み込み電気的
修正を加えるとよい。
ルコールを希釈溶媒として予め酵素と電子メディエータ
を溶媒に溶解し、更に必要に応じ水溶性ポリマーを溶解
した後、この溶液に微細セルロース粉体又は/及び微細
結晶セルロース粉体を添加し分散する方法が好ましい
が、混合手順については特段の制限はない。例えば所定
量の溶媒に各成分を同時に添加し混合する方法であって
もよい。
スは溶媒に不溶であるので、反応層形成溶液は懸濁状で
得られる。よって、微細セルロース粉体等の懸濁を充分
に行うためにホモジナイザなどの混合機を用いて充分に
混合分散させるのが良い。またこの際、反応層のpHを
検液のpHと合致させるために、分散懸濁液にリン酸等
の緩衝剤を添加するのもよい。
の反応セル(基質検知部)への塗布方法について説明す
る。反応層形成溶液の反応セルへの塗布方法としては、
オフセット印刷やスクリーン印刷等の広く知られた印刷
法を使用することもできるが、生産効率に優れることか
ら、下記するノズル法(ノズルによる流延塗布法)を用
いるのが好ましい。
000〜4000mPa・S程度)のインキが使用され
るが、ノズル法においては30〜800mPa・S程度
の低粘度懸濁液を用いる。30〜800mPa・S程度
の低粘度懸濁液であると、不溶性の微細セルロース粉体
等を含む反応層形成溶液をノズルでもって反応セル内に
円滑に供給でき、また供給された組成液を反応セル内で
自然流延させることができるからである。よって、低粘
度懸濁液を用いたノズル法であると、生産効率よく、同
質性・均質性に優れた酵素センサを生産することができ
る。
粘度試験方法に従って回転粘度計で測定した値を意味す
る。
た酵素や電子メディエータが微細セルロース粉体等の表
面に微粒子となって析出した形状の反応層を形成するこ
とができる。このような反応層であると、反応層が検液
に浸漬されると、膨潤と同時進行的に各成分が検液に溶
出するので、酵素化学反応が円滑になされる。
えば注射針状の細管(0.1〜0.3mmφ)を用いる
ことができる。また、反応層形成溶液(懸濁液)の供給
方法としては、適量をノズルの先から反応セル内に1滴
ないし数滴滴下する方法や、ノズルの先を反応セルに接
触させて必要液量を連続注入する方法を例示することが
できる。なお、一定量を自動供給できる自動供給装置
(デスペンサー)を用いると効率良く供給できる。
反応層形成溶液を供給した後、暫く(30分程度)放置
すると、液滴が自然流延し均等に広がるので、これを待
って酵素活性に悪影響を与えない温度(例えば30℃)
で溶媒を乾燥除去する。これにより反応層が電極に密着
固定された本発明にかかる基質検知部を構成できる。0
000図2〜5に基づいて本発明の酵素センサの好まし
い構造について更に説明する。なお、本発明の主要な特
徴は反応層の組成にあるので、本発明において従来より
公知の構造を採用することができることは勿論である。
に分解した分解斜視図で表した図である。図中、2は電
気絶縁性基板であり、白色のPET(ポリエチレンテレ
フタレート)フィルムからなる。電気絶縁性基板2は、
長手方向の一端が半円形状に加工されている。
なる電極系であり、その一方は測定極、他方は測定極に
対する対極である。電極系の一方端部側の3a・3bは
測定本体部となり、3c・3dは電極端子部、3e・3
fは測定本体部と電極端子部を繋ぐリード部となる。な
お、この例では、両極に跨がって反応層が形成されてい
るので、電極系3の何れが測定極であってよいが、こで
は3a側の電極を測定極とする。
の厚みの電気絶縁性フィルム(例えば耐熱性ポリイミ
ド、全芳香族ポリアミド等)にスパッタリング法で白金
膜を形成し、このフィルムを帯状にカットして白金膜付
きフィルム(2枚)となし、この2枚のフィルムを電気
絶縁性基板2の長手方向に沿って、両者の間隔を0.3
〜1mmとし、接着剤で基板2に張りつける方法で作製
することができる。
ともに、反応セルを形成するための開放窓4aを有する
電気絶縁性マスク層4が積層されている。前記開放窓4
aは、電極系の測定本体部3a、3b部分に対応する位
置に設けられており、ここでは基板長手方向に直交する
方向に長い長方形状に形成されている。また、その先端
は基板2と同様な半円形状に形成され、この先端と基板
2の先端とを合致させたとき、基板2の後端部分の電極
端子3c、3dが覆われない大きさに形成されている。
なお、窓4aから露出する電極系部分(3a、3b)に
反応層が形成され、当該部分が基質を検知する基質検知
部(反応層形成溶液を入れる容器を概念したときには反
応セルという)なる。
いては次のことを考慮して決める。反応セルの設置位置
は、電極の先端から若干内側(例えば先端から1〜2m
m)とする。形状、大きさについては、両極に跨がる大
きさとし、通常、ストライブ状の電極系に直交する方向
を長辺とする長方形とする。但し、正方形、円形、楕円
形とすることもできる。
層4の厚みによって決まり、この容積により反応セル内
に注液される反応層形成溶液の容量が規制されることに
なる。よって、窓4aの面積とマスク層4の厚みは、必
要な反応層量を考慮し、更には反応層形成溶液の濃度を
も考慮して決める必要がある。一般には、窓4aを2×
4mm程度の長方形とし、厚みを0.02〜0.4mm
程度とする。この大きさであると、前記した希薄な反応
層形成溶液(1〜3μl)を用いて好適な反応層を形成
することができる。
生体成分を測定する用途で使用されるので、少量の検液
でもって正確な測定ができる必要がある。よって、反応
セルを無用に大きくしないのがよい。
性の樹脂(例えば光硬化性のアクリル系、エステル系の
樹脂)をスクリーン印刷等の方法で基板2上にコーテン
グし、その後、所定形状の窓4aを穿設する方法、或い
は予め窓4aを穿設した樹脂フィルム(それ自身が感熱
接着性を有するフィルムでもよい)を、接着剤を用いて
基板2に貼着する方法などが例示できる。
縁性のスペサーである。このスペサー5には、検液吸入
口5bとこれに続く余裕空間としての空洞部5aを形成
するためのキノコ状の切り込みが形成されている。この
スペサー5も前記マスク層4と同様な材料、かつ同様な
手法で作製することができる。
層が測定極3aと対極3bに跨がって反応セル内の全面
に形成されているので、反応層の形状と基質検知部の形
状が同一となっている。よって、この明細書では基質検
知部と反応層に同一符号6を付して表現することがあ
る。但し、測定極のみに反応層を密着固定させた酵素セ
ンサであってもよく、この場合には、基質検知部の一部
が反応層となる。
縁性の保護層である。この保護層7は、マスク層4と同
一の大きさに形成されており、スペーサ5を挟んでマス
ク層4の上に積層されることにより、検液吸入口5bと
これに続く空洞部5aを形成する役割を担っている。こ
の保護層7も、前記マスク層4と同様な材料、かつ同様
な手法でスペーサ5上に形成することができる。
後に形成されているので、検液吸入口を介して検液が反
応層に導かれたとき、検液は反応層に滲み込み、検液と
一緒に導入された空気は空洞部5aに逃げることができ
る。よって、空洞部5aを有する構造であると、検液が
空気に邪魔されてスムーズに反応層に導入されないとい
った問題が解消される。空洞部5aの形状は、図2に示
す形状に限れるものではなく、例えば検液吸入口の後方
ばかりでなく、上下方向(基板に対し垂直な方向)又は
/及び左右方向に広がった余裕空間であってもよい。上
下方向に広がった空洞部の例を図3により説明する。
ノコ状の部分をコの字状に形成してあり、このスペーサ
8に積層する保護層9は、スペーサ8に接する面(裏
面)の所定部分に表面にまで貫通しない長方形の凹部9
aが形成してある。よって、スペーサ8と保護層9とを
重ね合わせると、上方向にも余裕空間が広がった空洞部
89aを形成できる。
セル)6の横幅の0.5〜1.5倍、好ましくは0.8
〜1.3倍に設定するのがよい。図2においては、反応
層6とほぼ同じ幅としてある。
セル)6の容積よりも大きくするのがよく、一般には基
質検知部の容積の2〜10倍程度とする。空洞部の形状
については前記した如く特段の制約はない。
の裏面に吸水性のポリマーを主体とする親水層を設けて
もよい。
図2〜3では、半円形状に設計されているが、これを吸
入口を中心に劣弧形状にすることもできる。この例を図
4に示す。図4における基板2、電極系3、窓4aは図
2と同様であり、マスク層10、スペーサ11及び保護
層12の先端側形状が異なる。
とし、反応層の幅よりもやや広い幅を残し、両サイドを
切り落とした形状(T字型)に形成されている。また、
スペーサ11は、前方に2本の柱状突起部11aが形成
されるように先端側の大部分を切り欠き、他の部分につ
いては、マスク層11と同サイズに形成されている。柱
状突起部11aは、マスク層10と保護層12との間に
あって、基板長手方向に直交する方向の両サイドを塞
ぎ、前方が開放された検液吸入口11bを形成する役割
を担う。保護層12は、マスク層10(窓4aを除く)
と同形状に形成されており、マスク層10、スペーサ1
1及び保護層12が、電極系3の形成された基板2に先
端部を合わせて順次積層することにより、酵素センサ1
Bが完成する。
と、図2〜3のセンサに比較し、先端部分の幅が小さ
く、また検体吸入口の位置が外見上明瞭であるので、検
液が少ない場合においても、操作者が検液を的確に採取
することができる。
外であってもよく、、例えば矢のように突出させた形状
(「く」の字形状)、又は逆「く」の字形状、或いは凹
形状、又は凸形状にすることもできる。
8、図4の11に記載した形状に限られるものではな
い。例えば図5の21のように、先端側の柱状突起部を
1本とすることもできる。柱状突起部を1本とする場
合、柱状突起部(21a)を基質検知部の幅よりも充分
に幅狭に形成し、この突起部が窓4a(基質検知部)上
を通過するように配置するのがよい。
を用いた場合、基板前方180度(柱状突起部の幅を除
く)から検液を導入することができるとともに、幅狭の
柱状突起部とすることにより、表面張力を利用して検液
を基質検知部にまで導くことができる。よって、この構
造においては、空洞部を小さくし、または廃止しても検
液を基質検知部まで迅速に導入することができる。
側の柱状突起部を無くした形状のスペーサを用いて酵素
センサを構成することもできる。
(特開平1−291153号公報等)では、検液を導入
するための導入口と、検液の導入によって溜まる空気を
逃がすための排出口を設けた構造が採用されているが、
この構造であると、吸・排気口が外気の循環路となるた
めに、反応層が外部環境(空気、湿度、埃など)の影響
を受けやすい。これに対し、本発明では基質検知部の背
後に空洞部を設ける構造を採用し、この空洞部に空気の
逃げ空間としての機能を担わせる。空洞部を基質検知部
の背後に設ける構造であると、空洞部が検液の導入障害
となる空気の逃げ道として十分に機能する一方、この空
洞部は外部に通じていないので、外気が基質検知部(反
応セル内)を通り抜けることによる悪影響(吸湿、酸化
等)がない。つまり、保存安定性の低下や排気口の目詰
まりに起因する測定不能等の問題を生じることなく、検
液の迅速な吸入を実現することができることになる。
素センサ装置について説明する。但し、以下の装置は好
ましい一例であり、本発明の酵素センサ装置は以下の例
に限定されるものではない。
サを組み込んだ装置の概略を示すブロック図である。こ
の装置は全体を制御するマイクロコンピュータ100
(以下単にマイコンと称する)を有しており、これにA
/D(アナログ/デジタル)とD/A(デジタル/アナ
ログ)の両変換機能が内蔵されている。A/D変換機能
は、被検成分と酵素との反応によって発生した電流をA
/D変換する働きをし、D/A変換機能は、酵素センサ
に必要な測定電圧を印加するために設けられた電位走査
部101からの電流をD/A変換する働きをしている。
測定中、電位走査部101から酵素センサへは常にコン
トロールされた所定電圧がBG(バックグラウンド)電
圧として印加されている。
ンサ先端が検液に浸漬されると、検液が反応層に導かれ
被検成分と酵素との反応が開始され、被検成分の量に比
例した電流iが発生する。この電流iは電流検出部10
3で検出されてマイコン100のA/D変換器に送ら
れ、ここでA/D変換されて被検成分量に換算される。
そして、この結果が測定値として表示部に表示されるこ
とになる。
よび図8(電気回路図)に基づいて、測定機構と測定手
順を説明する。図7、8においては、図6の各機能部1
00、101、102、103に対応する電気回路を点
線で囲み、相互の関係が判るように表示してある。
接続されるとリミットSW105が作動し、全回路系が
繋がり、全回路系が繋がると、マイコン100の制御の
下でD/A変換器100aからバツファ101aを通過
して所定電圧P1が出力され、これが測定極と対極の間
に作動電圧として印加される。またマイコン100の制
御の下、もう1つのD/A変換器100bからバツファ
101bを通過して所定電圧P2が出力される。なお、
酵素センサを制御回路に接続する機構については後記す
る。
短絡なので、酵素センサ端子(外部端子3c、3d)に
は電位差(P2−P1)が与えられ、この時、酵素セン
サは導通状態にあるので、酵素センサの基質検知部に電
流iが流れる。この結果、抵抗RxとコンデンサC1及
び演算増幅器101cとにより回路形成された電流電圧
変換回路103bの出力端子に、Px=P2+i・Rx
の電圧が観測されることになる。そして、ここでP2が
加算されるので、減算回路103aによりP2の電圧を
除いた新たな電圧P3が出力される。このP3は、(P
x+P4)−P2=[(P2+i・Rx)+P4]−P
2=i・Rx+P4 によって演算された値をとる。こ
の演算式におけるP4は、BG電圧であり、単電源駆動
回路の場合には正電圧に設定される。
によりA/D変換され、さらにマイコン100により電
流iに対応する被検成分量に換算されて表示部に数字表
示される。
量が測定されるが、より信頼性の高い測定を行うため
に、この例ではマイコン100に次のようなデータテー
ブル(データ修正用ソフトプログラム)が格納されてい
る。その1つは、測定のたびにピーク電流値を予め作成
した基準検定線に対比して被検成分量を演算するプログ
ラムである。酵素に対して被検成分が多い場合とか、検
液中に含まれる他成分の影響が大きい場合とかには、被
検成分濃度にピーク電流値が比例しない場合があるが、
このプログラムを用いると、被検成分濃度とピーク電流
値が比例しない範囲(放物線的部分)における測定の信
頼性を高めることができる。
度での値に換算修正するプログラムである。これは酵素
活性に温度依存性がある場合に有用である。
サの接続方法について図8に基づいて説明する。この装
置は、酵素センサ接続部102を有し、この接続部10
2は、酵素センサの電極端子3c、3dと電位走査部1
01の両端子とを着脱自在に接続できる構造になってい
る。制御回路部と酵素センサの接続は、電位走査部10
1の回路端子102aに酵素センサ1の端子(電極端子
3c、3d)を挿入することによりなされる。挿入に際
してはセンサの電極端子3c、3dにリミットSW10
5が接した時点で挿入を停止するようになっている。図
8AのA−A断面図である図8Bに、回路端子102a
に電極端子3c(3d)が挿入された状態を示す。図8
Bに示すように、回路端子102aは半円形状の板バネ
で作られている。このような形状の端子であると、挿着
および脱着が容易であり、かつ圧接によりセンサ外部端
子と完全に接触するので、導通不良を生じない。
出し機構104設けてある。この押し出し機構104
は、取っ手104aを有する逆L字型部材と、装置本体
に固定支持された固定部104cと、固定部104cと
逆L字型部材とを繋ぐバネ104bとで構成されてい
る。被検成分の定量が終了した後、操作者が取っ手10
4aを矢印方向(←)に押すと、センサ側面が逆L字型
部材により矢印方向に押されて、センサが回路端子10
2aから脱着される。この後、手を放すとバネ104b
の働きにより逆L字型部材が元の位置に戻る。
分を取り扱う。よって、病原菌等に汚染された可能性の
ある検液に手が触れないのが望ましいが、押し出し機構
104を備えた本発明酵素センサ装置であると、酵素セ
ンサに触れることなくワンハンドで脱着を行うことがで
きる。よって、この構成によると、操作者に対する安全
性に優れた測定装置を提供できることになる。
明する。
様)では、前記図2に示す酵素センサを用い、酵素セン
サ装置としては、前記図7に示したものを用いた。酵素
センサ等の内容については既に説明したと同様である
が、前記しなかった詳細な事項は次の通りである。電気
絶縁性の基板1としては、厚さ0.25mm、幅7m
m、長さ30mmで、一端が半円形の白色PETシート
を用いた。この基板1の中央部分に、電極系3として、
厚さ25μm、幅1mm、長さ29.7mmのポリイミ
ドフィルムに厚み600Åの白金膜をスパッタリング蒸
着したもの2枚を接着剤で0.5mm間隔で貼着した。
m、幅7mm、長さ25mmの感熱接着剤を有する先端
半円形(前記基板1と同じ)のポリエステル系フィルム
を用い、前記半円形の先端から1mmの位置に2×4m
mの窓を開けたものを用いた。このマスク層4は、スペ
ーサ5とともに、それぞれの先端を前記基板1の先端に
合わせて熱圧着した。
m、幅7mm、長さ25mmの先端半円形(前記基板1
と同じ)のPET系フィルムを用い、このフィルムの先
端部分をキノコ状にカットしたものを用いた。キノコ状
のカット部分は、幅約4.5mm、奥行き約4mmの吸
入口5bと、これに続く空洞部5aからなり、空洞部5
aの容積は反応層容積の約7倍の容積となるようにカッ
トした。
m、幅7mm、長さ25mmの先端半半円形の白色PE
T系フィルムを用いた。そして、この保護層7をその先
端を基板1の先端とを合致させ、接着剤で前記スペーサ
5に貼着した。なお、上記貼着工程は、反応セル内に反
応層形成溶液を供給し乾燥して電極等の所定部分に反応
層を密着固定した後に行った。
層される前のもの)は、反応セルの広さが2mm×4m
m、深さが65μで容積が約0.5μlであり、この酵
素センサ枠体を300個作製した。
に注入する反応層形成溶液および反応層の形成方法につ
いて説明する。 <反応層形成溶液の作製>グルコースオキシターゼ(G
OD)15mgと、フェリシアン化カリウム(FCN)
100mgとを、1mlの蒸留水に溶解し、この溶解溶
液に直径が1〜2μm、繊維長約5mmの微細セルロー
スを20mg(FCNに対して20wt%)を添加し、ス
ラターにて10分に攪拌混合して反応層形成溶液を作製
した。なお、微細セルロースは混合液中に均一に分散す
るが、溶解しない。
ットで採取し、酵素センサ枠体の反応セル内に注入し、
40℃、0.5時間の熱風乾燥を行い、反応セル内の測
定極と対極との上に、両極に跨がった形の反応層を密着
固定した。この反応層は、GOD30μg/FCN20
0μg/微細セルロース40μgを含むものである。
合わせて酵素センサ1となし、図7に示す酵素センサ接
続部102に接続した。
験液、ヒト血漿、及び全血のそれぞれを検体として装置
の性能試験を行った。
30歳)から採血した全血を、低温保存(+5℃以下)
で24時間保存し、しかる後に常温(25℃前後)に戻
す処置(グルコース消費処理)を行い、全血中のグルコ
ース濃度を0%(下記装置における検出限界以下)とし
た。この処理済全血(ヘマトクリット値を50%に調
整)と、処理済全血を遠心分離処理した血漿(遠心分離
法による)とを用意した。
度を、グルコース分析装置(イエロー・スプリング・イ
ンスツルーメント社製モデル2300)で測定したとこ
ろ、血糖値75mg/dlであった。
加し、グルコース濃度が、0、25、50、100、1
50、200、300、400、500mg/dlの試
料液を調整した。また、血液等に代えてPH7.4のリ
ン酸緩衝液を用いて各々のグルコース濃度が上記と同様
になるようにした標準液を作製した。これらの試料液
は、それぞれ1mlごとに分けたものを下記実施例1〜
3、比較例1等で必要な本数だけ用意した。
電圧を0.5V印加した状態で、酵素センサの吸入口か
ら試料液を約5μlを吸入させた。このとき、試料液は
極めて迅速に反応セル内に到達することが確認できた。
よって、吸入から約16秒経過後に、−0.5〜0.2
Vで電位走査(走査速度50mV/sec)を行い、発
生した電流を連続的にA/D変換しピーク電流μAを測
定した。測定時の温度は25℃であった。測定は、1回
ごとに酵素センサを交換して各試料液について10回行
った。
るのに要する時間であり、この時間が短ければ短い程、
反応速度が迅速かつ円滑に行われ、上記16秒は充分に
短い時間である。なお、ピーク電流の測定等は、マイコ
ン制御で行った。
軸をピーク電流(μA)、横軸を被検成分濃度(グルコ
ース濃度;mg/dl)とするグラフ上にプロットし
た。その結果を図9に示した。図9から明らかなよう
に、何れの種類の検体についても、各プロットが直線上
に乗っており、少なくとも500mg/mlまでの測定
濃度範囲において一次関数的関係が成立することが確認
された。また、試料液と標準液との傾きの差も充分に小
さかった。
バラツキ程度を評価するために、各々10個の測定値の
標準偏差を算出し、これを平均値で除してCV値(変動
係数)を求めた。この結果を下記表1に示した。表1に
おいて、比較例1(後記)に比較し、実施例1の全血試
料のバラツキが顕著に小さかった。特にグルコース濃度
が100mg/dl以上において実施例1と比較例との
間に一層顕著なバラツキの差が認められた。
の酵素センサ装置は、生体試料の分析用途において高い
信頼性をもって使用できることが実証できた。
体に変えて、繊維直径3μm以下、繊維長約6μmの微
細結晶セルロース粉体を使用したこと以外は、実施例1
と同一条件で実施例2にかかる酵素センサ装置を作製し
た。
液を用い且つ同様な条件で、この実施例2の装置の性能
評価を行った。その結果をピーク電流(μA)と被検成
分濃度(mg/dl)の関係で図10に示した。また各
測定値のCV値(n=10)を表1に示した。
と検体濃度の間に成立する一次関数性、および各測定値
(n=10)のバラツキ傾向とも、概ね実施例1と同様
であり、良好な結果であった。
体に変えて、繊維直径3μm以下、繊維長約6μmの微
細結晶セルロース粉体を用いたこと、及びカルボキシメ
チルセルロース(CMC)を、反応成分量(GODとF
CNの合計量)に対し1重量%となるように添加した反
応層形成溶液を用いたこと以外は、実施例1と同一条件
で実施例3にかかる酵素センサ装置を作製した。
1に記載した全血試料について、実施例1と同様な条件
で測定を行った。この結果を図11に示し、各濃度にお
けるCV値を表1に示した。なお、この結果について
は、後記する。
有させなかったこと、及び反応成分量(GODとFCN
の合計量)対するCMC量を4重量%としたこと以外
は、上記実施例3と同様にして比較例1にかかる酵素セ
ンサ装置を作製した。ここでCMC量を4重量%とした
のは、CMC量が1重量%(実施例3での使用量)であ
ると、均一塗布が困難であり、密着も不充分となったか
らである。
整した全血試料液中のグルコース量の測定を行った。測
定条件、測定個数は実施例1〜3と同様である。測定結
果を図11に示し、各濃度におけるCV値を表1に示し
た。
値)は、上記実施例1〜2の場合と同様、直線からのバ
ラツキが小さく、ピーク電極値とグルコース濃度との間
に良好な一次関数的関係が成立することが判った。他
方、微細結晶セルロース粉体を含有させないで、CMC
のみを用いた比較例1のセンサでは、直線からのバラツ
キが大きく、とくに全血試料中のグルコース濃度が約1
50mg/dl以下の低濃度領域でバラツキが大きかっ
た。なお、図11の比較例1については、バラツキ程度
を明示するために、各プロットを直線と折れ線(破線)
の2通りの方法で表示してある。
〜3、比較例1、及びGODとFCNとを蒸留水に溶解
した2成分系液を実施例1〜3等と同様にして反応セル
内に注入し乾燥したものの4つの反応層を顕微鏡で拡大
観察し、それぞれの分散状態を観察した。なお、上記2
成分系反応層は、分散状態の比較基準とするためのもの
である。
な粒子が均一に分散されていた。他方、比較例1は、不
均一な粒子が反応層内に不均一に分散していた。更に、
上記2成分系反応層は、比較例1よりもさらに分散状態
が悪く、不均一な粒子が不均一に分散していた。また、
100μm程度の大きなFCN粒子が認められた。
較例1で作成した酵素センサを各々4個用意し、25
℃、RH50%の雰囲気中に1日または10日間放置し
た後にBG電圧を調べた。放置条件としては、未包装
のまま放置(開放)、酵素センサを乾燥剤とともに7
0μm厚のアルミパックで密閉包装した状態で放置(密
封)、の2通りで行った。
電圧増加率を表2に示した。なお、増加率%は、数1で
表される。
も、保存試験の基準となる一日目におけるBG電圧にお
いても、実施例1〜3に比べ比較例1のBG電圧が顕著
に大きく、この差は保存10日後において一層拡大し
た。他方、微細セルロース粉体等が使用され、かつCM
Cが使用されていない実施例1、2の密封品はBG電圧
の増加率が0%であり、微細セルロース粉体等とCMC
の双方を使用した実施例3の増加率は8.1%であっ
た。これに対しCMCが使用され、微細セルロース粉体
等が使用されていない比較例1の密閉品の増加率は55
%であった。
6.3%〜114.3%であるのに対し、CMCが使用
され、微細セルロース粉体等が使用されていない比較例
1の開放品の増加率187.5%であった。
使用により保存性が顕著に向上することが明らかとなっ
た。なお、BG電圧とは、被検成分の存在がない状態に
おいて検出されるいわばノイズ電流値であり、この値が
大きいと、低濃度域における測定精度が悪くなる。
メディエータとともに、微細セルロース粉体及び/又は
微細結晶セルロース粉体を反応層に配合する本発明によ
ると、測定精度や保存安定性を顕著に向上させることが
でき、また酵素センサ個々における測定精度上のバラツ
キを減少させることができる。よって、本発明による
と、使い棄て方式の酵素センサおよび酵素センサ装置の
信頼性を飛躍的に高めることができる。
結晶セルロース粉体は安価であるので、本発明による
と、測定精度や保存安定性に優れた酵素センサを殆どコ
ストアップを伴うことなくして実現することができる。
(a)は基本構造、(b)は実用品の構造を示す。
斜視図である。
分解斜視図である。
分解斜視図である。
分解斜視図である。
した図である。
図である。
との関係を示すグラフである。
量との関係を示すグラフである。
と被検成分量との関係を示すグラフである。
ある。
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板上に形成された、少なくとも測定極と対
極とを有する電極系と、 前記電極系の一方先端側の少なくとも測定極上に密着固
定された、酵素と電子メディエータとを含む反応層と、 を有する酵素センサであって、 前記反応層が、更に微細セルロース粉体及び/又は微細
結晶セルロース粉体を含むことを特徴とする酵素セン
サ。 - 【請求項2】 前記微細セルロース粉体及び/又は微細
結晶セルロース粉体の添加量が、電子メデイエータに対
して1〜50重量%である、 請求項1に記載の酵素センサ。 - 【請求項3】 前記酵素がグルコースオキシターゼであ
り、電子メデイエータがフェリシアン化カリウムであ
る、 請求項1または2に記載の酵素センサ。 - 【請求項4】 長方形の絶縁性基板(2)と、前記基板
(2)上に基板長手方向に沿って略平行に形成された測
定極と対極とを含む電極系(3)と、前記電極系の一方
端部を残して前記電極系の形成された基板(2)上に積
層された電気絶縁性のマスク層(4)と、前記マスク層
(4)上に積層された電気絶縁性のスペーサ(5)と、
前記スペーサ(5)上に積層された電気絶縁性の保護層
(7)と、からなり、前記電極系(3)の一方端部を電
極端子部(3c、3d)とし、他方端部側に基質検知部
(6)が形成された酵素センサであって、 前記マスク層(4)は、前記基質検知部(6)に対応す
る位置に窓(4a)を有し、 前記スペーサ(5)は、前記マスク層(4)と前記保護
層(7)との間に、外部より前記基質検知部(6)に検
液を導くことができる検液吸入口(5b)とこれに続く
余裕空間としての空洞部(5a)とが形成できる形状の
切欠を有し、 前記基質検知部(6)の少なくとも測定極の表面には、
酵素と電子メディエータと微細セルロース粉体及び/又
は微細結晶セルロース粉体とを含んでなる反応層が密着
固定された構造の酵素センサ。 - 【請求項5】 前記スペーサ(5)の切欠は、前記基質
検知部(6)の長手方向幅の0.5〜1.5倍の入口幅
を有する検液吸入口(5b)を形成できる形状及び大き
さである、 請求項4に記載の酵素センサ。 - 【請求項6】 前記保護層(9)の前記空洞部(5a)
に対応する部分には、凹部(9a)が形成されており、
この凹部(9a)によりマスク層(8)の上下方向に前
記余裕空間を拡張させた、 請求項4に記載の酵素センサ。 - 【請求項7】 前記スペーサは、先端側に1又は2以上
の柱状の突起部を有し、この突起部とこの突起部の各面
にそれぞれ積層されたマスク層及び保護層とで、前記基
質検知部に外部より検液を導くことができる検液吸入口
が形成されている、 請求項4に記載の酵素センサ。 - 【請求項8】 絶縁性基板上に形成された、少なくとも
測定極と対極とを有する電極系と、前記電極系の少なく
とも測定極の一方先端側に密着固定された酵素と電子メ
ディエータと微細セルロース粉体及び/又は微細結晶セ
ルロース粉体とを含む反応層と、を備える酵素センサの
製造方法であって、 前記製造方法が、酵素と電子メディエータとを溶媒に溶
解し且つこの溶液に微細セルロース粉体及び/又は微細
結晶セルロース粉体を分散して反応層形成溶液となす反
応層形成溶液作製工程と、 前記反応層形成溶液をノズルを介して電極系の所定部分
に供給した後、乾燥して電極系の所定部分に反応層を密
着固定する反応層固定工程と、 を備えることを特徴とする酵素センサの製造方法。 - 【請求項9】 前記反応層形成溶液の粘度を30〜80
0mPa・Sとする、 ことを特徴とする請求項8に記載の酵素センサの製造方
法。 - 【請求項10】 請求項1ないし7の何れかに記載の酵
素センサを電位走査部に着脱自在に接続するための酵素
センサ接続部と、 酵素センサに測定電圧を印加するための印加電圧可変機
能付き電位走査部と、 被検成分との反応により酵素センサから発せられる電流
を検出するための電流検出部と、 電流検出部からの電気信号をA/D変換するとともに、
酵素センサに印加する測定電圧値をD/A変換し電位走
査部へ供給するためのマイクロコンピュータと、 を備えた酵素センサ装置。
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