JP2001309984A - 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するためのステント - Google Patents
体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するためのステントInfo
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- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するため
のステントにおいて、血管内膜での細胞の過増殖に起因
する再狭窄を抑制できるようにすることである。 【解決手段】 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保する
ためのコイルステントを提供する。コイルステント11
Aの末端におけるコイルピッチPBよりもコイルステン
トの中心OにおけるコイルピッチPAの方が小さい。
のステントにおいて、血管内膜での細胞の過増殖に起因
する再狭窄を抑制できるようにすることである。 【解決手段】 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保する
ためのコイルステントを提供する。コイルステント11
Aの末端におけるコイルピッチPBよりもコイルステン
トの中心OにおけるコイルピッチPAの方が小さい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体内管腔部の狭窄
部位の開存を確保するためのステントに関するものであ
る。
部位の開存を確保するためのステントに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化で狭窄した冠動脈をバルーン等
で拡張するPTCA(Percutaneous Transluminal Coro
nary Angioplasty)は有効な治療法であるが、治療後の
再狭窄の発生が問題となる。この対策として、ステント
と呼ばれるコイル状や円筒状の血管内支持具を血管内に
留置し、血管の開存を確保することが知られている。ス
テントとしてはチューブステント、コイルステントが知
られている。いずれのステントも、血管内を機械的に支
持する機能によって、血管の再狭窄を防止するためのも
のである。ステントについては、例えば「INNERV
ISION」(9−1)1994年 40−43頁(ウ
ォールステントの臨床応用)や、「現代医療」Vol.
27,No.9.1995年 177−182頁「血管
形成術の進歩と適応の拡大」に記載されている。
で拡張するPTCA(Percutaneous Transluminal Coro
nary Angioplasty)は有効な治療法であるが、治療後の
再狭窄の発生が問題となる。この対策として、ステント
と呼ばれるコイル状や円筒状の血管内支持具を血管内に
留置し、血管の開存を確保することが知られている。ス
テントとしてはチューブステント、コイルステントが知
られている。いずれのステントも、血管内を機械的に支
持する機能によって、血管の再狭窄を防止するためのも
のである。ステントについては、例えば「INNERV
ISION」(9−1)1994年 40−43頁(ウ
ォールステントの臨床応用)や、「現代医療」Vol.
27,No.9.1995年 177−182頁「血管
形成術の進歩と適応の拡大」に記載されている。
【0003】コイルステントは、一般に構造的に柔軟性
があり、曲がりくねった血管内に留置するのに適してい
る。この一方、径方向への応力には比較的に弱く、変形
し易いという問題点がある。商品としては、「Cord
is stent」「Wiktor stent」「G
ianturco−Roubin stent」「AV
E gfr stent」である。チューブステント
は、構造的に柔軟性が低い反面、径方向の応力に対して
は強い。この商品としては、「Palmaz−Scha
tz stent」「ACS Multi−link
stent」がある。
があり、曲がりくねった血管内に留置するのに適してい
る。この一方、径方向への応力には比較的に弱く、変形
し易いという問題点がある。商品としては、「Cord
is stent」「Wiktor stent」「G
ianturco−Roubin stent」「AV
E gfr stent」である。チューブステント
は、構造的に柔軟性が低い反面、径方向の応力に対して
は強い。この商品としては、「Palmaz−Scha
tz stent」「ACS Multi−link
stent」がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のステン
トを血管内の狭窄部位に留置した場合にも、この部位が
再度狭窄してくる場合がある。この原因は、主として血
管内膜での細胞の増殖である。しかし、従来のステント
では、血管内膜での細胞の過増殖に起因する再狭窄に対
して対策が行われていなかった。
トを血管内の狭窄部位に留置した場合にも、この部位が
再度狭窄してくる場合がある。この原因は、主として血
管内膜での細胞の増殖である。しかし、従来のステント
では、血管内膜での細胞の過増殖に起因する再狭窄に対
して対策が行われていなかった。
【0005】本発明の課題は、体内管腔部の狭窄部位の
開存を確保するためのステントにおいて、血管内膜での
細胞の過増殖に起因する再狭窄を抑制できるようにする
ことである。
開存を確保するためのステントにおいて、血管内膜での
細胞の過増殖に起因する再狭窄を抑制できるようにする
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、体内管腔部の
狭窄部位の開存を確保するためのステントであって、こ
のステントが、一定の径を有する定幅部と、定幅部の両
側にそれぞれ設けられており、定幅部の径よりも小さい
径を有する一対の縮径部とを備えていることを特徴とす
る、ステントに係るものである。
狭窄部位の開存を確保するためのステントであって、こ
のステントが、一定の径を有する定幅部と、定幅部の両
側にそれぞれ設けられており、定幅部の径よりも小さい
径を有する一対の縮径部とを備えていることを特徴とす
る、ステントに係るものである。
【0007】また、本発明は、体内管腔部の狭窄部位の
開存を確保するためのコイルステントであって、このコ
イルステントの末端におけるコイルピッチよりもコイル
ステントの中心におけるコイルピッチの方が小さいこと
を特徴とする、コイルステントに係るものである。
開存を確保するためのコイルステントであって、このコ
イルステントの末端におけるコイルピッチよりもコイル
ステントの中心におけるコイルピッチの方が小さいこと
を特徴とする、コイルステントに係るものである。
【0008】本発明者は、血管内膜の過増殖の原因の1
つが、ステントによる血管壁の圧迫や過伸展にあるとい
う認識から、定幅部の両側に、径の相対的に小さい縮径
部を設けることによって、ステントから血管壁への圧迫
や過伸展を最小限とし、これによって血管内膜の細胞の
過増殖を抑制することを想到した。これによって、血管
内膜の細胞の過増殖による再狭窄を抑制できる。従来の
ステントは、いずれも全長が一定幅であるか、あるいは
両端が広がっていた。
つが、ステントによる血管壁の圧迫や過伸展にあるとい
う認識から、定幅部の両側に、径の相対的に小さい縮径
部を設けることによって、ステントから血管壁への圧迫
や過伸展を最小限とし、これによって血管内膜の細胞の
過増殖を抑制することを想到した。これによって、血管
内膜の細胞の過増殖による再狭窄を抑制できる。従来の
ステントは、いずれも全長が一定幅であるか、あるいは
両端が広がっていた。
【0009】特に好ましくは、縮径部と定幅部との境界
から、縮径部の末端(ステントの末端)へと向かって、
ステントの径が徐々に縮小する。かりに縮径部の径が段
階的に(ステップ状に)縮小する場合には、径が変化す
る段差部分において比較的に大きな応力を血管壁に加え
たり、細胞増殖を促進する可能性があるが、縮径部の径
をなだらかに縮小させることによってこの問題がなくな
る。特には、縮径部を回転余弦曲面上に設けることによ
って、ステントから血管壁へと加わる平均張力を15−
30%程度減少させることができることを確認した。
から、縮径部の末端(ステントの末端)へと向かって、
ステントの径が徐々に縮小する。かりに縮径部の径が段
階的に(ステップ状に)縮小する場合には、径が変化す
る段差部分において比較的に大きな応力を血管壁に加え
たり、細胞増殖を促進する可能性があるが、縮径部の径
をなだらかに縮小させることによってこの問題がなくな
る。特には、縮径部を回転余弦曲面上に設けることによ
って、ステントから血管壁へと加わる平均張力を15−
30%程度減少させることができることを確認した。
【0010】図1(a)は、本発明の実施形態に係るコ
イルステント1を概略的に示す斜視図であり、図1
(b)は回転前の余弦曲線を示すグラフである。図2
は、図1(a)のコイルステント1の断面図である。
イルステント1を概略的に示す斜視図であり、図1
(b)は回転前の余弦曲線を示すグラフである。図2
は、図1(a)のコイルステント1の断面図である。
【0011】コイルステント1は、中心軸であるx軸の
方向に向かって巻回されている。コイルステント1の中
央には一定の径を有する定幅部2が設けられており、定
幅部2の両側にそれぞれ縮径部3A、3Bが設けられて
いる。定幅部2の径はa+μaであり、縮径部の末端の
径はaである。また、aは拡張前のステントの外径であ
る。x軸上で−xaからxaまでは定幅部2であり、−
xaから−xbおよびxaからxbは縮径部3A、3B
である。図1(b)においては、縮径部の対応領域はx
軸を中心とする余弦曲線となっている。この余弦曲線を
x軸の周りに回転させることによって、回転余弦曲線が
得られる。回転余弦曲線に沿ってコイルステントが成形
されている。
方向に向かって巻回されている。コイルステント1の中
央には一定の径を有する定幅部2が設けられており、定
幅部2の両側にそれぞれ縮径部3A、3Bが設けられて
いる。定幅部2の径はa+μaであり、縮径部の末端の
径はaである。また、aは拡張前のステントの外径であ
る。x軸上で−xaからxaまでは定幅部2であり、−
xaから−xbおよびxaからxbは縮径部3A、3B
である。図1(b)においては、縮径部の対応領域はx
軸を中心とする余弦曲線となっている。この余弦曲線を
x軸の周りに回転させることによって、回転余弦曲線が
得られる。回転余弦曲線に沿ってコイルステントが成形
されている。
【0012】コイルステント1を構成する金属線4は、
好ましくは医療用ステンレススチールの他、tanta
lumかnitinolから製造できる。更に、形状記
憶合金や医療用の合成樹脂なども使用可能である。
好ましくは医療用ステンレススチールの他、tanta
lumかnitinolから製造できる。更に、形状記
憶合金や医療用の合成樹脂なども使用可能である。
【0013】また、本発明者は、コイルステントにおい
ては、コイルピッチを調節することによって血液の流速
を制御可能なことを発見した。血管内膜での細胞の増殖
に関与する因子としては、血液の流れによって血管壁に
与えられる壁ずり応力がある。そこで、本発明者は灌流
モデル実験を行い、コイルステントを円管内に挿入した
ときに、コイルピッチの増減に伴って円管内壁近傍での
流速も増減することを確認した。特に、ある程度以上の
流速では、コイルピッチを小さくすることによって円管
内壁近傍における流速が小さくなり、コイルピッチを大
きくすることによって管管内壁近傍における流速が大き
くなることを発見した。しかも、この円管底壁面近傍に
おける流速は、コイルピッチに対してほぼ一次比例して
いた。従って、コイルピッチを制御することによって、
コイルステントを血管内に挿入したときの、血管内壁近
傍における血液の流速を制御できる。本発明者はこの発
見に基づき、コイルステントの中心におけるコイルピッ
チを,少なくとも末端におけるコイルピッチよりも小さ
くすることを想到した。
ては、コイルピッチを調節することによって血液の流速
を制御可能なことを発見した。血管内膜での細胞の増殖
に関与する因子としては、血液の流れによって血管壁に
与えられる壁ずり応力がある。そこで、本発明者は灌流
モデル実験を行い、コイルステントを円管内に挿入した
ときに、コイルピッチの増減に伴って円管内壁近傍での
流速も増減することを確認した。特に、ある程度以上の
流速では、コイルピッチを小さくすることによって円管
内壁近傍における流速が小さくなり、コイルピッチを大
きくすることによって管管内壁近傍における流速が大き
くなることを発見した。しかも、この円管底壁面近傍に
おける流速は、コイルピッチに対してほぼ一次比例して
いた。従って、コイルピッチを制御することによって、
コイルステントを血管内に挿入したときの、血管内壁近
傍における血液の流速を制御できる。本発明者はこの発
見に基づき、コイルステントの中心におけるコイルピッ
チを,少なくとも末端におけるコイルピッチよりも小さ
くすることを想到した。
【0014】こうしたコイルステントを狭窄部位へと留
置すると、狭窄部位において、血管内壁近傍の流速を最
適化し、これによって血管内膜の細胞の増殖を抑制でき
る。なぜなら、コイルステントの中央部が狭窄部位の中
心付近に位置する。狭窄部位の中心付近は、当然細胞の
増殖が最も盛んな傾向があり、中心から離れるのにつれ
て細胞の増殖の度合いが一般に減少する。従って、狭窄
部位の中心付近においては、特に血管内壁近傍における
血液の流速を減少させることで、細胞増殖を最小限に抑
制する必要がある。本発明のコイルステントによれば、
コイルステントの中央部が狭窄部位の中心付近に位置
し、かつコイルステントの中央部のコイルピッチが小さ
いので、狭窄部位の中心付近において血管内壁近傍の流
速を低下させることが可能である。
置すると、狭窄部位において、血管内壁近傍の流速を最
適化し、これによって血管内膜の細胞の増殖を抑制でき
る。なぜなら、コイルステントの中央部が狭窄部位の中
心付近に位置する。狭窄部位の中心付近は、当然細胞の
増殖が最も盛んな傾向があり、中心から離れるのにつれ
て細胞の増殖の度合いが一般に減少する。従って、狭窄
部位の中心付近においては、特に血管内壁近傍における
血液の流速を減少させることで、細胞増殖を最小限に抑
制する必要がある。本発明のコイルステントによれば、
コイルステントの中央部が狭窄部位の中心付近に位置
し、かつコイルステントの中央部のコイルピッチが小さ
いので、狭窄部位の中心付近において血管内壁近傍の流
速を低下させることが可能である。
【0015】本発明のコイルステントでは、同時に末端
側でのコイルピッチを相対的に増加させることによっ
て、末端側では血液の流通状態を良好とする。かりに末
端側でのコイルピッチも小さくすると、確かに血管内壁
近傍での血液の流速も低下する。しかし、コイルステン
トのコイルピッチをその全長にわたって小さくすると、
コイルステントの内側における血液の流れに対する抵抗
が大きくなる(中心軸近傍での流速が増加する)。本発
明では、こうした血液の流れに対する抵抗の上昇を抑制
し、特に狭窄部位の中心付近においてはコイルピッチを
小さくすることで、血管内壁近傍の流速を下げ、血管内
膜細胞の増殖を抑制しているのである。
側でのコイルピッチを相対的に増加させることによっ
て、末端側では血液の流通状態を良好とする。かりに末
端側でのコイルピッチも小さくすると、確かに血管内壁
近傍での血液の流速も低下する。しかし、コイルステン
トのコイルピッチをその全長にわたって小さくすると、
コイルステントの内側における血液の流れに対する抵抗
が大きくなる(中心軸近傍での流速が増加する)。本発
明では、こうした血液の流れに対する抵抗の上昇を抑制
し、特に狭窄部位の中心付近においてはコイルピッチを
小さくすることで、血管内壁近傍の流速を下げ、血管内
膜細胞の増殖を抑制しているのである。
【0016】一般に、コイルステントの短所としては、
径方向の応力に対する抵抗が弱いことが挙げられてい
る。径方向の抵抗力が弱いと、血管内膜の細胞が増殖し
たときにコイルステントがつぶされやすいので、再狭窄
が生じやすくなるものと思われる。しかし、本発明のコ
イルステントを狭窄部位へと留置すると、前述のように
血管内膜の細胞の増殖自体を抑制できるので、これによ
って径方向への応力に対する弱さをカバーできる。その
上で、コイルステントの利点である柔軟性を享受するこ
とができる。
径方向の応力に対する抵抗が弱いことが挙げられてい
る。径方向の抵抗力が弱いと、血管内膜の細胞が増殖し
たときにコイルステントがつぶされやすいので、再狭窄
が生じやすくなるものと思われる。しかし、本発明のコ
イルステントを狭窄部位へと留置すると、前述のように
血管内膜の細胞の増殖自体を抑制できるので、これによ
って径方向への応力に対する弱さをカバーできる。その
上で、コイルステントの利点である柔軟性を享受するこ
とができる。
【0017】(コイルステントの末端におけるコイルピ
ッチ)/(コイルステントの中心におけるコイルピッ
チ)は、1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上
であることが一層好ましい。また、コイルピッチは、全
体として1−2mmの範囲内にあることが好ましい。
ッチ)/(コイルステントの中心におけるコイルピッ
チ)は、1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上
であることが一層好ましい。また、コイルピッチは、全
体として1−2mmの範囲内にあることが好ましい。
【0018】コイルステントの中心とは、コイルステン
トの中心軸方向に見たときに、コイルステントの中心に
当たる位置を言う。
トの中心軸方向に見たときに、コイルステントの中心に
当たる位置を言う。
【0019】本発明の好適な実施形態においては、コイ
ルステントが、一定のコイルピッチを有する中央部と、
中央部の両側に設けられており、中央部のコイルピッチ
よりも大きい一定のコイルピッチを有する一対の端部と
を備えている。この場合には、中央部と端部とにおい
て、コイルピッチがステップ状に変化している。こうし
たコイルステントは比較的に製造し易い。
ルステントが、一定のコイルピッチを有する中央部と、
中央部の両側に設けられており、中央部のコイルピッチ
よりも大きい一定のコイルピッチを有する一対の端部と
を備えている。この場合には、中央部と端部とにおい
て、コイルピッチがステップ状に変化している。こうし
たコイルステントは比較的に製造し易い。
【0020】図3は、この実施形態に係るコイルステン
ト11Aを示す断面図である。コイルステント11A
は、PAのコイルピッチを有する中央部12と、PBの
コイルピッチを有する一対の端部13A、13Bとを備
えている。前述したように、PAはPBよりも小さい。
Oはコイルステント11Aの中心である。
ト11Aを示す断面図である。コイルステント11A
は、PAのコイルピッチを有する中央部12と、PBの
コイルピッチを有する一対の端部13A、13Bとを備
えている。前述したように、PAはPBよりも小さい。
Oはコイルステント11Aの中心である。
【0021】本発明の他の実施形態においては、コイル
ステントの末端から中心へと向かってコイルピッチが徐
々に縮小している。図4は、この実施形態に係るコイル
ステント11Bを示す断面図である。コイルステント1
1Bの中心OにおけるコイルピッチはP1であるが、末
端に向かうのにつれて、コイルピッチがP2、P3、P
4に向かって増加する。
ステントの末端から中心へと向かってコイルピッチが徐
々に縮小している。図4は、この実施形態に係るコイル
ステント11Bを示す断面図である。コイルステント1
1Bの中心OにおけるコイルピッチはP1であるが、末
端に向かうのにつれて、コイルピッチがP2、P3、P
4に向かって増加する。
【0022】また、図5に示すように、一定の径を有す
る定幅部と、定幅部の両側にそれぞれ設けられており、
前記定幅部の径よりも小さい径を有する一対の縮径部と
を設けることができる。例えば図5のコイルステント1
1Cは中央部12Bと一対の端部13C、13Dとを備
えている。中央部12BにおけるコイルピッチはPAで
あり、また径は一定である。端部13C、13Dにおけ
るコイルピッチはPBであり、縮径部ともなっている。
PAはPBよりも小さい。また、中央部は径が一定な定
幅部であり、端部13C、13Dは、前述のような回転
余弦曲面上にコイルが形成されている。
る定幅部と、定幅部の両側にそれぞれ設けられており、
前記定幅部の径よりも小さい径を有する一対の縮径部と
を設けることができる。例えば図5のコイルステント1
1Cは中央部12Bと一対の端部13C、13Dとを備
えている。中央部12BにおけるコイルピッチはPAで
あり、また径は一定である。端部13C、13Dにおけ
るコイルピッチはPBであり、縮径部ともなっている。
PAはPBよりも小さい。また、中央部は径が一定な定
幅部であり、端部13C、13Dは、前述のような回転
余弦曲面上にコイルが形成されている。
【0023】本発明者は、インビトロの灌流試験を行
い、コイルピッチと管内壁近傍の流体の流速との関係を
調査した。具体的には、内径4mm、外形6mmのガラ
ス製の円管内に、線径0.5mm、コイル外径4mm、
長さ45mmのコイルステントを挿入した。円管内にラ
ットの赤血球をトレーサ粒子として水に懸濁した流体
(100ml、ヘマトクリット値約0.5%)を送液し
た。コイルステントの近傍における流れを、顕微鏡と高
速度ビデオ動作解析システム(Kodak EktaP
ro Modol 1012)を用いて可視化した。送
液量は30、60、90ml/分とした。円管内壁から
1mm以内の領域のところを流れる粒子をトレースし
た。粒子の軌跡に沿った移動距離を、円管径方向からフ
レームバイフレーム(250フレーム/秒)に計測し、
平均流速を求めた。
い、コイルピッチと管内壁近傍の流体の流速との関係を
調査した。具体的には、内径4mm、外形6mmのガラ
ス製の円管内に、線径0.5mm、コイル外径4mm、
長さ45mmのコイルステントを挿入した。円管内にラ
ットの赤血球をトレーサ粒子として水に懸濁した流体
(100ml、ヘマトクリット値約0.5%)を送液し
た。コイルステントの近傍における流れを、顕微鏡と高
速度ビデオ動作解析システム(Kodak EktaP
ro Modol 1012)を用いて可視化した。送
液量は30、60、90ml/分とした。円管内壁から
1mm以内の領域のところを流れる粒子をトレースし
た。粒子の軌跡に沿った移動距離を、円管径方向からフ
レームバイフレーム(250フレーム/秒)に計測し、
平均流速を求めた。
【0024】円管内壁近傍では、コイルステントおよび
円管中心軸付近の流れの影響を受け、スパイラル状の複
雑な流れが観察された。コイルステントのピッチと内壁
近傍における流速との関係は、送液量が増加するのにつ
れて相関性が高くなった。送液量が60ml/分の場合
のコイルピッチと流速との関係を図6(a)に示し、送
液量が90ml/分の場合のコイルピッチと流速との関
係を図6(b)に示す。相関関数rは、送液量が30m
l/分の場合には0.07であり、送液量が60ml/
分の場合は0.11であり、送液量が90ml/分の場
合には0.47と顕著になった。この結果、コイルピッ
チが減少するのに伴って、円管内壁近傍での流速が減少
することが分かった。従って、血管内膜の細胞の増殖が
盛んな狭窄部位の中央部においてコイルピッチを減少さ
せることで、内壁近傍の血液の流速を低下させ得ること
が分かる。
円管中心軸付近の流れの影響を受け、スパイラル状の複
雑な流れが観察された。コイルステントのピッチと内壁
近傍における流速との関係は、送液量が増加するのにつ
れて相関性が高くなった。送液量が60ml/分の場合
のコイルピッチと流速との関係を図6(a)に示し、送
液量が90ml/分の場合のコイルピッチと流速との関
係を図6(b)に示す。相関関数rは、送液量が30m
l/分の場合には0.07であり、送液量が60ml/
分の場合は0.11であり、送液量が90ml/分の場
合には0.47と顕著になった。この結果、コイルピッ
チが減少するのに伴って、円管内壁近傍での流速が減少
することが分かった。従って、血管内膜の細胞の増殖が
盛んな狭窄部位の中央部においてコイルピッチを減少さ
せることで、内壁近傍の血液の流速を低下させ得ること
が分かる。
【図1】 (a)はコイルステント1を示す斜視図であ
り、(b)は回転前の余弦曲線を示す。
り、(b)は回転前の余弦曲線を示す。
【図2】 図1(a)のコイルステント1の断面図であ
る。
る。
【図3】 中央部12と一対の端部13A、13Bを備
えるコイルステント11Aを示す断面図である。
えるコイルステント11Aを示す断面図である。
【図4】 中心から末端へと向かって徐々にコイルピッ
チが減少しているコイルステント11Bを示す断面図で
ある。
チが減少しているコイルステント11Bを示す断面図で
ある。
【図5】 中央部12B(定幅部を兼ねる)と一対の端
部13C、13D(縮径部を兼ねる)を備えるコイルス
テント11Cを示す断面図である。
部13C、13D(縮径部を兼ねる)を備えるコイルス
テント11Cを示す断面図である。
【図6】 (a)、(b)は、円管内に留置されたコイ
ルステントのピッチと、円管内に流体を流したときの内
壁近傍の流体の流速との関係を示すグラフである。
ルステントのピッチと、円管内に流体を流したときの内
壁近傍の流体の流速との関係を示すグラフである。
1、11A、11B、11C コイルステント 2、12B 定幅部 3A、3B、13C、13D 縮径部 4 金属線 12A、12B 中央部 13A、13B、13C、13D 端部 O コイルステントの中心 PA、PB、P1、P2、P3、P4 コイルピッチ
Claims (8)
- 【請求項1】 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保する
ためのステントであって、このステントが、一定の径を
有する定幅部と、この定幅部の両側にそれぞれ設けられ
ており、前記定幅部の径よりも小さい径を有する一対の
縮径部とを備えていることを特徴とする、ステント。 - 【請求項2】 前記縮径部の径が、前記縮径部と定幅部
との境界から前記縮径部の末端へと向かって徐々に縮小
していることを特徴とする、請求項1記載のステント。 - 【請求項3】 前記縮径部が、余弦曲線を前記ステント
の中心軸を中心に回転させて得た回転余弦曲面上に形成
されていることを特徴とする、請求項2記載のステン
ト。 - 【請求項4】 コイルステントからなることを特徴とす
る、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載のステ
ント。 - 【請求項5】 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保する
ためのコイルステントであって、このコイルステントの
末端におけるコイルピッチよりも前記コイルステントの
中心におけるコイルピッチの方が小さいことを特徴とす
る、コイルステント。 - 【請求項6】 前記コイルステントが、一定のコイルピ
ッチを有する中央部と、この中央部の両側に設けられて
おり、前記中央部のコイルピッチよりも大きい一定のコ
イルピッチを有する一対の端部とを備えていることを特
徴とする、請求項5記載のコイルステント。 - 【請求項7】 前記コイルステントの末端から中心へと
向かってコイルピッチが徐々に縮小していることを特徴
とする、請求項5記載のコイルステント。 - 【請求項8】 一定の径を有する定幅部と、この定幅部
の両側にそれぞれ設けられており、前記定幅部の径より
も小さい径を有する一対の縮径部とを備えていることを
特徴とする、請求項5−7のいずれか一つの請求項に記
載のコイルステント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000132163A JP3527940B2 (ja) | 2000-05-01 | 2000-05-01 | 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するためのステント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000132163A JP3527940B2 (ja) | 2000-05-01 | 2000-05-01 | 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するためのステント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001309984A true JP2001309984A (ja) | 2001-11-06 |
JP3527940B2 JP3527940B2 (ja) | 2004-05-17 |
Family
ID=18640920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000132163A Expired - Lifetime JP3527940B2 (ja) | 2000-05-01 | 2000-05-01 | 体内管腔部の狭窄部位の開存を確保するためのステント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3527940B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018023812A (ja) * | 2008-10-10 | 2018-02-15 | ヴェリヤン・メディカル・リミテッド | 血管内展開形態に適するステント |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3009638U (ja) * | 1994-04-04 | 1995-04-11 | 秀朗 田島 | ステント |
WO1998052497A2 (en) * | 1997-05-22 | 1998-11-26 | Scimed Life Systems, Inc. | Variable expansion force stent |
JP2001137352A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Ci Medeikku:Kk | 管腔拡張用留置具 |
-
2000
- 2000-05-01 JP JP2000132163A patent/JP3527940B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3009638U (ja) * | 1994-04-04 | 1995-04-11 | 秀朗 田島 | ステント |
WO1998052497A2 (en) * | 1997-05-22 | 1998-11-26 | Scimed Life Systems, Inc. | Variable expansion force stent |
JP2001137352A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Ci Medeikku:Kk | 管腔拡張用留置具 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018023812A (ja) * | 2008-10-10 | 2018-02-15 | ヴェリヤン・メディカル・リミテッド | 血管内展開形態に適するステント |
JP2021154175A (ja) * | 2008-10-10 | 2021-10-07 | ヴェリヤン・メディカル・リミテッド | 血管内展開形態に適するステント |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3527940B2 (ja) | 2004-05-17 |
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Legal Events
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