JP2001294959A - 単結晶Ni基耐熱合金およびタービン翼 - Google Patents
単結晶Ni基耐熱合金およびタービン翼Info
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Abstract
単結晶Ni基耐熱合金およびその合金でできたタービン
翼を提供する。 【解決手段】 重量%で、Cr:7.5〜10%、C
o:4.5〜6%、Mo:0.5〜3%、W:7〜9
%、Al:4.5〜6.5%およびTa:5.5〜7.
0%を含有し、さらに、C:0.005〜0.07%お
よびB:0.001〜0.006%の内の一方または両
方を含有する。また、必要に応じて、さらに、重量%
で、Hf:0.01〜0.2%、Re:0.01〜2
%、Pt:0.01〜0.03%、Ca:1〜100p
pm、Mg:1〜100ppmおよびTi:0.5〜2
%の内、1種または2種以上を含有する。
Description
に優れた単結晶Ni基耐熱合金およびタービン翼に関
し、特にガスタービンのタービン動翼もしくは静翼、ま
たは高温ブロアーの動翼として使用される大型タービン
翼に適用して有用な技術に関する。
よび高温ブロアーの動翼はNi基耐熱合金で構成されて
いる場合が多い。近年、ガスタービンの効率を向上させ
るため、ガスタービンのタービン入口温度がより高温に
なってきている。そのため、高温強度と耐酸化性に優れ
た耐熱合金ならびにそれを用いたタービン翼が必要とさ
れている。
て、重量%(以下、%は、重量%を示す)で、Cr:
8.1%、Co:5.2%、Mo:1.8%、W:8.
0%、Al:4.9%、Ti:1.6%およびTa:
5.9%を含有する単結晶よりなる鋳物が知られてい
る。また、Cr:6.6%、Co:10.2%、Mo:
0.6%、W:6.2%、Al:5.7%、Ti:1.
0%、Ta:6.2%、Hf:0.2%およびRe:
3.1%を含有する単結晶鋳物が知られている。これら
の単結晶鋳物はジェットエンジンなどの比較的小型のタ
ービン翼に用いられている。
大型化に伴って、そこに装着されるタービン翼も大型化
している。しかしながら、上述した従来の単結晶Ni基
耐熱合金は、鋳造性、結晶性欠陥等の点から製品歩留低
下に起因し、コストが高くなり、ガスタービンのタービ
ン動翼などのように大型鋳物を製造するのには適さな
い。したがって、単結晶Ni基耐熱合金を用いた大型の
タービン翼を製造するためには、まず、鋳造性を良くし
製造歩留まりを高くし、コスト低減を図る必要がある。
大型鋳物の場合、厳密に鋳物全体が単結晶にはならな
い。つまり、鋳物中に結晶性欠陥である結晶粒界が存在
する。大型鋳物の歩留まりを改善させるためには、鋳物
中の結晶粒界に対し、低傾角粒界の許容角度を大きくす
る必要がある。そのためには、低傾角粒界の強度と粒界
割れを防ぐ必要がある。
で、鋳造性に優れるとともに、高温強度に優れた単結晶
Ni基耐熱合金を提供することを目的とする。また、本
発明の他の目的は、鋳造性に優れるとともに、高温強度
に優れた単結晶Ni基耐熱合金で構成されるタービン翼
を提供することである。
に、本発明者らは、単結晶Ni基耐熱合金よりなる大型
タービン翼の鋳造性を改善させるため、鋭意研究をおこ
なった結果、Cr:7.5〜10%、Co:4.5〜6
%、Mo:0.5〜3%、W:7〜9%、Al:4.5
〜6.5%およびTa:5.5〜7.0%を含有し、さ
らに、C:0.005〜0.07%およびB:0.00
1〜0.006%の内の一方または両方を含有し、残部
がNiおよび不可避不純物からなる組成の単結晶Ni基
耐熱合金の鋳造性が従来よりも優れることを知見し、本
発明の完成に至った。
熱合金は、Cr:7.5〜10%、Co:4.5〜6
%、Mo:0.5〜3%、W:7〜9%、Al:4.5
〜6.5%およびTa:5.5〜7.0%を含有し、さ
らに、C:0.005〜0.07%およびB:0.00
1〜0.006%の内の一方または両方を含有し、残部
がNiおよび不可避不純物からなる組成を有することを
特徴とする。
は、さらに、Hf:0.01〜0.2%を含有していて
もよいし、または、Re:0.01〜2%およびPt:
0.01〜0.03%の内の一方または両方を含有して
いてもよいし、または、Ca:1〜100ppmおよび
Mg:1〜100ppmの内の一方または両方を含有し
ていてもよい。
に、Hf:0.01〜0.2%を含有し、さらに、R
e:0.01〜2%およびPt:0.01〜0.03%
の内の一方または両方を含有し、さらに、Ca:1〜1
00ppmおよびMg:1〜100ppmの内の一方ま
たは両方を含有していてもよい。あるいは、上述した各
組成の単結晶Ni基耐熱合金は、さらに、Ti:0.5
〜2%を含有していてもよい。
r:7.5〜10%、Co:4.5〜6%、Mo:0.
5〜3%、W:7〜9%、Al:4.5〜6.5%およ
びTa:5.5〜7.0%を含有し、さらに、C:0.
005〜0.07%およびB:0.001〜0.006
%の内の一方または両方を含有し、残部がNiおよび不
可避不純物からなる組成を有する単結晶Ni基耐熱合金
でできていることを特徴とする。ここで、タービン翼と
は、ガスタービンのタービン動翼や静翼、あるいは高温
ブロアーの動翼などである。
単結晶Ni基耐熱合金は、さらに、Hf:0.01〜
0.2%を含有していてもよいし、または、Re:0.
01〜2%およびPt:0.01〜0.03%の内の一
方または両方を含有していてもよいし、または、Ca:
1〜100ppmおよびMg:1〜100ppmの内の
一方または両方を含有していてもよい。
i基耐熱合金は、さらに、Hf:0.01〜0.2%を
含有し、さらに、Re:0.01〜2%およびPt:
0.01〜0.03%の内の一方または両方を含有し、
さらに、Ca:1〜100ppmおよびMg:1〜10
0ppmの内の一方または両方を含有していてもよい。
あるいは、上述した各組成の単結晶Ni基耐熱合金は、
さらに、Ti:0.5〜2%を含有していてもよい。
合金およびその合金でできたタービン翼の合金組成の限
定理由について説明する。
ンでは、燃焼によって生じた酸化性および腐食性物質を
含有する燃焼ガスと接触するため、高温における強度と
耐酸化耐食性が要求される。Crは合金に耐酸化性、耐
食性を付与する元素であり、合金中におけるCr量を多
くする程、その効果は顕著である。しかし、Cr量が
7.5%未満ではその効果は少なく、一方、この発明の
高温強度と鋳造性に優れた単結晶Ni基耐熱合金大型鋳
物では、他にCo、Mo、W、Ta、Al等も添加され
るため、これらとのバランスをとるため10%を超えて
含有することはσ(シグマ)相などの脆化相が析出する
ため、好ましくない。よって、Cr含有量は7.5〜1
0%に定めた。上述のように、この発明の高温強度と鋳
造性に優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型タービン翼を
作製するNi基耐熱合金に含まれるCr含有量は、好ま
しくは7.5〜9%、より好ましくは8〜8.5%であ
るとよい。
l、Ta等を高温で素地に固溶させる限度(固溶限)を
大きくさせ、熱処理によってγ´相(Ni3 (Ti,A
l,Ta))を微細分散析出させて高温強度と鋳造性に
優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型タービン翼の強度を
向上させる作用があるところからCo量は4.5%以上
であることが必要であり、一方、Co含有量が6%を超
えると、Cr、Mo、W、Ta、Al、Ti等の他の元
素とのバランスが崩れ、有害相の析出による延性低下を
もたらすことからCo含有量は4.5〜6%に定めた。
この発明の高温強度と鋳造性に優れた単結晶Ni基耐熱
合金製大型タービン翼を作製するNi基耐熱合金に含ま
れるCo含有量は5〜5.5%であることが一層好まし
い。
固溶して、高温強度を上昇させる作用があると同時に、
析出硬化によって高温強度に寄与する効果があるが、そ
の含有量は、同様の作用を示すWの含有量を考慮する必
要があり、本発明合金でのMo含有量は、0.5%未満
では不十分であり、一方、3%を超えて添加し過ぎると
有害相の析出による延性を阻害するのでMo:0.5〜
3%に定めた。この発明の高温強度と鋳造性に優れた単
結晶Ni基耐熱合金製大型タービン翼を作製するNi基
耐熱合金に含まれるMo含有量は、好ましくは1.5〜
3%、より好ましくは2〜2.5%であるとよい。
溶強化と析出硬化の作用があり、高温強度の付与に寄与
する効果があるが、その量は7%以上必要であり、ま
た、あまり多くし過ぎると、有害相を析出するとともに
W自身比重が大きい元素であるため合金全体の比重が大
きくなり、遠心力の働くタービン動翼では不利であり、
高温強度と鋳造性に優れた単結晶大型鋳物を鋳造すると
きにフレックル欠陥が発生するようになり、さらにコス
ト的にも高くなるところから、その含有量は、7〜9%
とした。この発明の高温強度と鋳造性に優れた単結晶N
i基耐熱合金製大型タービン翼を作製するNi基耐熱合
金に含まれるW含有量は、好ましくは7〜8.5%、よ
り好ましくは7.5〜8%であるとよい。
化型Ni基合金の高温強度を上げるためのγ´相の析出
に有効な元素であり、Tiを添加する場合にはAl、T
aといったγ´相生成元素の含有量との相関のもと添加
する必要がある。Tiを添加する場合、本発明合金で
は、γ´相の析出強化が十分であって要求強度を満足す
るためには0.5%以上の含有量であるのが適当であ
り、一方、2%よりも多量に添加し過ぎると析出量が多
くなり過ぎて延性を阻害するとともに、高温強度と鋳造
性に優れた単結晶大型鋳物を鋳造するときに鋳型との反
応が激しくなり、鋳肌を悪くするので好ましくない。従
って、添加する場合のTi含有量は0.5〜2%に定め
た。上述のように、Tiを添加する場合、この発明の高
温強度と鋳造性に優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型タ
ービン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれるTi含有
量は1〜1.5%であることが一層好ましい。
の効果を発揮する元素で、γ´相を生成し、高温強度を
上げるとともに、高温での耐酸化性、耐食性の付与に寄
与する作用を有するが、その量は4.5%以上であるこ
とが必要であり、一方、6.5%を超えてあまり多量に
添加し過ぎると延性を阻害するためにAl含有量は4.
5〜6.5%に定めた。この発明の高温強度と鋳造性に
優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型タービン翼を作製す
るNi基耐熱合金に含まれるAl含有量は5〜6%であ
ることが一層好ましい。
びγ´相析出硬化により高温強度の向上に寄与し、5.
5%以上で効果がある。一方、添加し過ぎると延性が低
下するので7%以下とした。従って、この発明の高温強
度と鋳造性に優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型タービ
ン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれるTa含有量は
5.5〜7%に定めたが、5.8〜6.2%であること
が一層好ましい。
は粒界がないため、Cは含有しないが、上述したように
単結晶大型タービン翼ではコストの点から低傾角粒界を
許容せざるを得ず、さらにこの角度の許容角度を大きく
するためには低傾角粒界に炭化物を形成し、低傾角粒界
を強化する必要がある。このためにCは0.005%以
上必要であるが、一方、0.07%を超えて添加し過ぎ
ると延性を阻害するのでその含有量を0.005〜0.
07%とした。Cの含有量の一層好ましい範囲は0.0
2〜0.05%である。
化元素である。単結晶合金では本来は粒界がないためB
は含有しないが、C同様単結晶大型タービン翼では粒界
強化の観点より必要であり、その含有量が0.001%
未満では所望の効果が得られず、一方、あまり多く添加
すると延性を阻害する恐れがあるため0.006%以下
とした。Bの含有量の一層好ましい範囲は0.002〜
0.004%である。
上と結晶粒界を強化する作用がある。Hfを添加する場
合、所望の効果を得るためにはその含有量が0.01%
以上であるのが適当であり、一方、その含有量が0.2
%を超えると、高温強度に悪影響を与えるので好ましく
ない。したがってHfは0.01〜0.2%に定めた
が、その含有量の一層好ましい範囲は0.05〜0.1
5%である。
作用があるとともに、原子径が大きいため高温強度改善
に効果がある。Reを添加する場合、所望の効果を得る
ためにはその含有量が0.01%以上であるのが適当で
あり、一方、その含有量が2%を超えると、一層の効果
が望めないほか、貴金属であるため価格が高くなるので
好ましくない。したがってReは0.01〜2%に定め
たが、その含有量の一層好ましい範囲は0.05〜1.
5%である。
作用があるが、Ptを添加する場合、所望の効果を得る
ためにはその含有量が0.01%以上であるのが適当で
あり、一方、その含有量が0.03%を超えると、なお
一層の効果が望めないほか、貴金属であるために価格が
高くなるので好ましくない。したがって、Ptは0.0
1〜0.03%に定めた。
等の不純物との結合力が強く、さらに酸素、硫黄等の不
純物による延性低下を防止する作用がある。Caを添加
する場合、十分な延性低下防止作用を得るためにはその
含有量が1ppm以上であるのが適当であり、一方、1
00ppmを超えて含有するとかえって結晶粒界の結合
を弱めて割れの原因になることからCaは1〜100p
pmと定めた。Caの含有量の一層好ましい範囲は25
〜42ppmである。
延性低下を防止する作用がある。Mgを添加する場合、
Caと同様の理由により、適当な含有量は1〜100p
pmであるが、一層好ましい範囲は30〜58ppmで
ある。
単結晶Ni基耐熱合金がC:0.005〜0.07%お
よびB:0.001〜0.006%の内の一方または両
方を含有するため、鋳物中に存在する粒界に炭化物等が
形成される。それによって、粒界の強度が向上するた
め、低傾角粒界の許容角度を大きくすることができる。
また、C、B、Co、Mo、Al、Ta、Tiの含有量
がいずれも延性の低下を招かない程度に抑えられている
ため、単結晶Ni基耐熱合金の延性の低下を防ぐことが
できる。さらに、単結晶Ni基耐熱合金がCa:1〜1
00ppmおよびMg:1〜100ppmの内の一方ま
たは両方を含有するため、延性の低下を防ぐことができ
る。
いて説明する。実施の形態にかかる単結晶Ni基耐熱合
金は、Cr:7.5〜10%、Co:4.5〜6%、M
o:0.5〜3%、W:7〜9%、Al:4.5〜6.
5%およびTa:5.5〜7.0%を含有する。また、
単結晶Ni基耐熱合金は、C:0.005〜0.07%
およびB:0.001〜0.006%の内の一方または
両方を含有する。残部はNiおよび不可避不純物であ
る。
耐熱合金は、Hf:0.01〜0.2%、Re:0.0
1〜2%、Pt:0.01〜0.03%、Ca:1〜1
00ppm、Mg:1〜100ppmおよびTi0.5
〜2%の内の1種または2種以上を含有していてもよ
い。
合金でできたタービン翼の一例について説明する。図1
は、本発明にかかるタービン翼を備えたガスタービンの
全体を示す概略図である。このガスタービンは、圧縮機
部1、燃焼器部2およびタービン部3を備え、タービン
部3に本発明にかかるタービン翼を有する。
示す概略図である。このタービン動翼30は、プラット
ホーム31および翼部32からなり、上述した組成の単
結晶Ni基耐熱合金でできている。
たはタービン翼)を製造する方法は以下のとおりであ
る。まず、一方向凝固装置により鋳型加熱温度:150
0〜1650℃でチル板を引き下げ速度:50〜400
mm/hで引き下げることにより単結晶Ni基耐熱合金
大型鋳物を作製する。
0〜1250℃で1000〜2000気圧、1〜5時間
保持のHIPを施す。その後、真空雰囲気中、温度:1
200〜1250℃で1〜4時間、つづいて温度:12
50〜1350℃に1〜4時間保持時した後Arガスフ
ァンで冷却の条件の溶体化処理を施す。
1100℃に1〜8時間保持時した後Arガスファンで
冷却し、引き続いて真空雰囲気中、温度:800〜90
0℃に16〜24時間保持時した後Arガスファンで冷
却の条件の第2段時効処理を施す。以上の工程により、
高温強度と鋳造性に優れた単結晶Ni基耐熱合金製大型
タービン翼が得られる。
基耐熱合金がC:0.005〜0.07%およびB:
0.001〜0.006%の内の一方または両方を含有
するため、低傾角粒界の許容角度を大きくすることがで
きる。また、C、B、Co、Mo、Al、Ta、Tiの
含有量がいずれも延性の低下を招かない程度に抑えられ
ているため、単結晶Ni基耐熱合金の延性の低下を防ぐ
ことができる。さらに、単結晶Ni基耐熱合金がCa:
1〜100ppmおよびMg:1〜100ppmの内の
一方または両方を含有する場合には、より有効に延性の
低下を防ぐことができる。したがって、高温強度と鋳造
性に優れた単結晶Ni基耐熱合金が得られ、その合金で
タービン翼を作製することにより高温強度に優れたター
ビン翼を低コストで作製することができる。
タービン動翼に限らず、ガスタービンのタービン静翼
や、高温ブロアーの動翼、あるいはジェットエンジンな
どの翼にも適用可能である。
の特徴とするところを明らかとする。表1に示される成
分組成を有するNi基耐熱合金を用意し、このNi基耐
熱合金をそれぞれ真空溶解した。
晶41に対し第2の種結晶42を15°傾けて配置した
状態で鋳型を作製し、Ni基耐熱合金の溶湯を一方向凝
固装置の鋳型に鋳込みながら、鋳型加熱温度:1600
℃、チル板を引き下げ速度:100mm/hの条件で、
高さ方向に双結晶である厚さ:18mm、幅:110m
m、高さ:140mmの寸法を有する本発明合金による
双結晶鋳物板(実施例No.1〜13)および従来合金
による双結晶鋳物板(従来例No.14〜15)を作製
した。
び寸法を示す。図3において、第1の種結晶41から成
長した第1の結晶51と、第2の種結晶42から成長し
た第2の結晶52とは、互いに結晶方位が15°ずれて
いることになる。
5)をAr雰囲気中、温度:1180℃、1500気圧
に2時間保持の条件のHIPを施し、ついで真空雰囲気
中、温度:1240℃で2時間保持した後、温度:13
00℃に5時間保持した後Arガスファンで冷却の条件
の溶体化処理を施し、その後、真空雰囲気中、温度:1
080℃に5時間保持した後Arガスファンで冷却し、
引き続いて真空雰囲気中、温度:870℃に24時間保
持した後Arガスファンで冷却の条件の第2段時効処理
を施した。
(No.1〜15)について、X線回折法により第1の
結晶51と第2の結晶52の結晶方位を測定し、両結晶
51,52の結晶方位のずれ角度がほぼ15±1°であ
ることを確認した。その後、各双結晶鋳物板(No.1
〜15)を鋳造性の検査およびクリープ破断試験に供し
た。
〜15)について、浸透探傷試験方法(JIS Z23
43)の内、蛍光浸透液を使用する方法により、割れの
有無を試験した。図3に示す双結晶鋳物板において、符
号53は双結晶粒界であり、符号54で指し示す箇所に
おいて割れが発生する。試験の結果、表2に示すよう
に、合金No.1〜13の本発明合金による双結晶鋳物
板には割れの指示は認められなかった。それに対して、
合金No.14〜15の従来合金による双結晶鋳物板の
双結晶粒界53に割れの指示が認められた。
o.1〜15)について、図4に示す要領で試験片6
1,62を加工した。一方の試験片61は単結晶の成長
方向が001方向のもの(0°方向とする)であり、他
方の試験片62は双結晶粒界53を含んでお互いの単結
晶の成長方向が15°だけ異なった方向のもの(15°
方向とする)である。各双結晶鋳物板(No.1〜1
5)の各試験片61,62について、金属材料の引張ク
リープ破断試験方法(JIS Z2272)にしたがっ
て、試験片直径6mmを用い、温度1000℃、応力2
0kgf/mm2 でクリープ破断試験をおこなった。な
お、No.14,No.15では、双結晶粒界の割れの
無い部分よりクリープ破断試験片を加工した。
試験片の破断寿命を1として、合金No.1〜13の本
発明合金による試験片の破断寿命の比を求めることによ
り、高温強度を評価した。その結果を表2に示す。表2
からわかるように、合金No.1および合金No.7の
それぞれ0°方向をのぞいて、0°および15°のいず
れの方向においても、本発明合金による試験片の破断寿
命はいずれも合金No.14の従来合金による試験片よ
りも優れていた。なお、合金No.1および合金No.
7のそれぞれ0°方向のクリープ破断強度比の値は0.
8であるが、実用上全く問題にはならない。
単結晶Ni基耐熱合金鋳物中に存在する低傾角粒界の許
容角度を大きくすることができ、また、延性の低下を防
ぐことができるので、高温強度と鋳造性に優れた単結晶
Ni基耐熱合金およびその合金でできたタービン翼が低
コストで得られる。
ンの全体を示す概略図である。
る。
よび寸法を示す模式図である。
試験片採取位置を示す模式図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 重量%で、Cr:7.5〜10%、C
o:4.5〜6%、Mo:0.5〜3%、W:7〜9
%、Al:4.5〜6.5%およびTa:5.5〜7.
0%を含有し、さらに、C:0.005〜0.07%お
よびB:0.001〜0.006%の内の一方または両
方を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組
成を有することを特徴とする単結晶Ni基耐熱合金。 - 【請求項2】 さらに、重量%で、Hf:0.01〜
0.2%を含有することを特徴とする請求項1に記載の
単結晶Ni基耐熱合金。 - 【請求項3】 さらに、重量%で、Re:0.01〜2
%およびPt:0.01〜0.03%の内の一方または
両方を含有することを特徴とする請求項1に記載の単結
晶Ni基耐熱合金。 - 【請求項4】 さらに、Ca:1〜100ppmおよび
Mg:1〜100ppmの内の一方または両方を含有す
ることを特徴とする請求項1に記載の単結晶Ni基耐熱
合金。 - 【請求項5】 さらに、重量%で、Hf:0.01〜
0.2%を含有し、さらに、Re:0.01〜2%およ
びPt:0.01〜0.03%の内の一方または両方を
含有し、さらに、Ca:1〜100ppmおよびMg:
1〜100ppmの内の一方または両方を含有すること
を特徴とする請求項1に記載の単結晶Ni基耐熱合金。 - 【請求項6】 さらに、重量%で、Ti:0.5〜2%
を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
記載の単結晶Ni基耐熱合金。 - 【請求項7】 重量%で、Cr:7.5〜10%、C
o:4.5〜6%、Mo:0.5〜3%、W:7〜9
%、Al:4.5〜6.5%およびTa:5.5〜7.
0%を含有し、さらに、C:0.005〜0.07%お
よびB:0.001〜0.006%の内の一方または両
方を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組
成を有する単結晶Ni基耐熱合金でできていることを特
徴とするタービン翼。 - 【請求項8】 さらに、重量%で、Hf:0.01〜
0.2%を含有することを特徴とする請求項7に記載の
タービン翼。 - 【請求項9】 さらに、重量%で、Re:0.01〜2
%およびPt:0.01〜0.03%の内の一方または
両方を含有することを特徴とする請求項7に記載のター
ビン翼。 - 【請求項10】 さらに、Ca:1〜100ppmおよ
びMg:1〜100ppmの内の一方または両方を含有
することを特徴とする請求項7に記載のタービン翼。 - 【請求項11】 さらに、重量%で、Hf:0.01〜
0.2%を含有し、さらに、Re:0.01〜2%およ
びPt:0.01〜0.03%の内の一方または両方を
含有し、さらに、Ca:1〜100ppmおよびMg:
1〜100ppmの内の一方または両方を含有すること
を特徴とする請求項7に記載のタービン翼。 - 【請求項12】 さらに、重量%で、Ti:0.5〜2
%を含有することを特徴とする請求項7〜11のいずれ
かに記載のタービン翼。
Priority Applications (1)
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