JP2001287635A - 制動力配分制御装置 - Google Patents
制動力配分制御装置Info
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Abstract
状態(路面μ)をも考慮して最適な制動力配分制御を行
うことができる制動力配分制御装置を提供する。 【解決手段】 制動力配分制御装置10は、制動操作セ
ンサ12、車両制動力目標設定部14、各輪目標制動力
設定部16、車輪速センサ18、路面μ勾配設定部2
0、及び制動力制御手段22を備えている。車両目標制
動力設定部14は、制動操作センサ12からの検出信号
に基づいて車両目標制動力を設定する。路面μ勾配推定
部20は、各車輪毎に設けられた車輪速センサ18によ
り検出された車輪速に基づいて各車輪の路面μ勾配値を
推定する。各輪目標制動力設定部16は、車両目標制動
力及び各車輪の路面μ勾配値に基づいて各車輪の目標制
動力を設定(配分)する。制動力制御手段22は、設定
された各車輪の目標制動力に基づいて各車輪の制動力の
制動を行う。
Description
に係り、特に、車両の各車輪に配分する制動力を制御す
るための制動力配分制御装置に関する。
には、車両の姿勢(ヨー運動)を適切に保ちながら各車
輪の制動能力を最大限に発揮することが必要である。
7号公報には、車両に付与される前後力の総和(トータ
ル前後力)を検出又は設定し、車輪毎の分担荷重比を求
め、トータル前後力を分担荷重比に従って各車輪に分配
することにより各車輪に付与すべき目標車輪前後力をそ
れぞれ設定し、該目標車輪前後力に基づいて各車輪の前
後力を制御する技術が開示されている。
は、前後の車輪の制動力をそれぞれ前車輪、後車輪の荷
重で除した値が等しくなるように制動液圧を制御する技
術が開示されている。
来技術では、路面とタイヤとの摩擦状態を考慮して制動
力の制御を行っておらず、例えば荷重が大きい車輪が低
μ(摩擦)路面上にあったとしても、その車輪に過大な
制動力が配分されてしまい、スリップしてしまう可能性
がある、という問題があった。
ものであり、車輪の荷重のみならず路面とタイヤとの摩
擦状態(路面μ)をも考慮して最適な制動力配分制御を
行うことができる制動力配分制御装置を提供することを
目的とする。
に、請求項1記載の発明は、車両の各車輪の車輪速度を
検出する車輪速度検出手段と、検出した車輪速度に基づ
いて車輪と路面との間の摩擦係数μの勾配を路面μ勾配
値として各車輪毎に推定する路面μ勾配推定手段と、各
車輪毎に推定した路面μ勾配値と前記車両の目標制動力
とに基づいて各車輪の目標制動力を演算する車輪目標制
動力演算手段と、演算した各車輪の目標制動力に基づい
て各車輪の制動力を制御する制動力制御手段と、を備え
たことを特徴とする。
動車)の各車輪の車輪速度を検出する。これは、例えば
車輪が1回転する毎に所定数のパルス(車速パルス)を
発生する車速センサを各車輪毎に設け、この車速センサ
から出力される車速パルスをカウントすることにより車
輪速度を検出することができる。
に基づいて車輪と路面との間の摩擦係数μの勾配、すな
わち路面μ勾配値を各車輪毎に推定する。路面μ勾配推
定手段は、例えば検出された各車輪の車輪速度 から路
面外乱 を受けた車輪共振系の応答出力としての各車輪
の車輪速振動を検出する前処理フィルタと、検出された
車輪速振動を満足するような各車輪の伝達関数を最小自
乗法を用いて同定する伝達関数同定手段と、同定された
伝達関数に基づいてタイヤと路面との間の摩擦係数μの
勾配を各車輪毎に演算するμ勾配演算手段と、から構成
することができる。
が加振入力として車輪共振系に入力されている場合に車
輪共振系の伝達関数を同定して、路面μ勾配値を演算す
るようにしてもよい。
が加振入力として車輪共振系に入力されている場合にお
いて、検出された加振入力と応答出力とから車輪共振系
の伝達関数を同定するようにしてもよい。
の内、周期的な信号である応答出力のみを選別し、選別
された応答出力に基づいて車輪共振系の伝達関数を同定
し、路面μ勾配値を演算するようにしてもよい。
表す物理モデルのパラメータを同定し、同定したパラメ
ータから路面μ勾配値を演算してもよい。
して各車輪毎に推定した路面μ勾配値と車両の目標制動
力に基づいて各車輪の目標制動力を演算(配分)する。
すなわち、車両全体の目標制動力の各車輪への配分比率
を路面μ勾配値に基づいて決定する。
バーのブレーキペダルの操作量に応じて決定してもよ
い。すなわち、請求項2にも記載したように、前記車両
のドライバによる制動操作量を検出する制動操作量検出
センサと、前記制動操作量に基づいて前記車両の目標制
動力を演算する目標制動力演算手段と、をさらに備える
ようにしてもよい。また、車両を自動運転させるような
場合には、例えば車両の速度や車両の前方障害物との距
離などに応じて車両の目標制動力を決定してもよい。
項5にも記載したように、前記路面μ勾配値が高い車輪
に対して車輪目標制動力が大きくなるように、前記路面
μ勾配値が低い車輪に対して車輪目標制動力が小さくな
るよう各車輪の目標制動力を演算することができる。す
なわち、例えば路面μ勾配値が低い、すなわちグリップ
度が低い車輪に対して大きな制動力を配分してしまう
と、車輪がスリップしやすくなる。このため、路面μ勾
配値が高い車輪に対しては車輪目標制動力が大きくなる
ように、路面μ勾配値が低い車輪に対しては車輪目標制
動力が小さくなるように、目標制動力の各車輪への配分
比率を決定する。これにより、車輪のスリップを防ぐこ
とができる。
制動力に基づいて各車輪の制動力を制御する。この制動
力の制御は、例えば液圧を用いることができる。
路面との間の摩擦状態をも考慮して各車輪の目標制動力
を配分するため最適な制動力配分の制御を行うことがで
き、車両の姿勢を適切に保ちながら各車輪の制動能力を
最大限に引き出すことができる。
車輪目標制動力演算手段は、前記各車輪の路面μ勾配値
が略同一となるよう各車輪の目標制動力を演算するよう
にしてもよい。このように、各車輪の路面μ勾配値が略
同一となるよう各車輪の目標制動力を演算することによ
り、車両の姿勢を適切に保ちながら各車輪の制動能力を
最大限に発揮することができる。
には、請求項4にも記載したように、前記車輪目標制動
力演算手段は、前記車両の後輪の路面μ勾配値が前輪の
路面μ勾配値よりも大きくなるように各車輪の目標制動
力を演算するようにしてもよい。これにより、後輪がス
リップしてしまうのを防ぐことができる。
施の形態について説明する。
適用した制動力配分制御装置10が示されている。制動
力配分制御装置10は、図1に示すように、制動操作セ
ンサ12、車両制動力目標設定部14、各輪目標制動力
設定部16、車輪速センサ18、路面μ勾配設定部2
0、及び制動力制御手段22を備えている。
標制動力設定部16、及び路面μ勾配設定部20は、E
CU(Electrical Control Uni
t)24に含まれる。
図2に示すような所謂ブレーキ・バイ・ワイヤ(BB
W)と呼ばれ、ドライバのブレーキ操作が電子的に車輪
ブレーキに伝達される車両に適用される。
は、電子液圧式ブレーキシステム(Electro−H
ydraulic Brake System:EH
B)である。このEHBでは、図示しないドライバのブ
レーキペダル28の操作量が制動操作センサ12によっ
て検出される。この制動操作センサ12には、例えばブ
レーキペダル28を踏み込んだときのストローク量を検
出するストロークセンサやブレーキペダル28の踏力を
検出する踏力センサ等が用いられる。また、マスタシリ
ンダを備えている場合には液圧センサを用いても良い。
基づいて、ECU24の車両目標制動力設定部14にお
いて車両目標制動力が設定される。各輪目標制動力設定
部16では、この車両目標制動力及び路面μ勾配推定部
20によって推定された各車輪の路面μ勾配値に基づい
て各車輪30の目標制動力を設定(配分)する。
路面μ(制動力を垂直荷重で除した値)をプロットする
と、図3に示すような曲線(一般にμ−Sカーブと呼ば
れる)となる。路面μ勾配は、路面μの車輪スリップ
(すべり速度)に対する値として定義される。
タイヤのグリップ度が大きい場合には路面μ勾配値は大
きくなり、車輪スリップが大きくなりグリップが損なわ
れると、路面μ勾配値は小さくなる。路面μのピークで
路面μ勾配値は略ゼロとなる。このように、路面μ勾配
値はタイヤと路面との摩擦特性を直接的に表す指標であ
るため、路面μ勾配値に基づいて制動力を配分制御する
ことによりタイヤのグリップ度に応じた制動力配分を行
うことができる。なお、路面μ勾配値は、各車輪30毎
に設けられた車輪速センサ18により検出された車輪速
に基づいて推定される。
力に基づいて、液圧制御手段(制動力制御手段)22に
より各車輪30の車輪ブレーキ32の制動液圧が制御さ
れる。車輪ブレーキ32は、例えばディスクブレーキや
ドラムブレーキが用いられる。
輪30と共に回転するディスク34及びディスク34を
挟みこむためのブレーキパッド(摩擦材)を備えたキャ
リパー36を備え、液圧制御手段22によって制御され
る液圧源38からの液圧によりブレーキパッドが内側に
押されディスク34を挟みつけることで車輪30を制動
する。なお、液圧制御手段22としては、リニアバルブ
や液圧室の容積を増減するような装置が用いられる。
する。本実施の形態に係る路面μ勾配推定部20は、路
面外乱ΔTd のみが加振入力として車輪共振系に入力さ
れている場合にμ勾配を演算するものである。
は、車輪速センサ18により検出された各車輪の車輪速
度ω1 から路面外乱ΔTd を受けた車輪共振系の応答出
力としての各車輪の車輪速振動Δω1 を検出する前処理
フィルタ40、検出された車輪速振動Δω1 を満足する
ような各車輪の伝達関数を最小自乗法を用いて同定する
伝達関数同定手段42と、同定された伝達関数に基づい
てタイヤと路面との間の摩擦係数μの勾配を各車輪毎に
演算するμ勾配演算手段44と、から構成される。
振周波数と予想される周波数を中心として一定の帯域の
周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタや、該
共振周波数成分を含む高帯域の周波数成分のみを通過さ
せるハイパスフィルタなどで構成することができる。こ
のバンドパスフィルタ或いはハイパスフィルタの周波数
特性を規定するパラメータを一定値に固定したもので
る。
直流成分を除去したものとする。すなわち、車輪速度ω
1 の回りの車輪速振動Δω1 のみが抽出される。
数F(s)を、
の係数、sはラプラス演算子である。
算式を導出しておく。なお、本実施の形態では、前処理
フィルタ40の演算を、伝達関数同定手段42の演算に
含めて実施する。
Td を加振入力として、このとき前処理フィルタ40に
より検出された車輪速振動Δω1 を応答出力とする2次
のモデルとする。すなわち、
輪速信号を観測するときに含まれる観測雑音である。
(2)式を変形すると、次式を得る。
けて得られた式を離散化する。このとき、Δω1 、ΔT
d 、vは、サンプリング周期Ts 毎にサンプリングされ
た離散化データΔω1 (k)、ΔTd (k)、v(k)
(kはサンプリング番号:k=1,2,3,.... )として表さ
れる。また、ラプラス演算子sは、所定の離散化手法を
用いて離散化することができる。本実施の形態では、1
例として、次の双一次変換により離散化するものとす
る。なお、dは1サンプル遅延演算子である。
が望ましいので、本実施の形態では、演算時間も考慮し
てm=2とし、これによって次式を得る。
Δω1 の各データから伝達関数を同定するために、(4)
式を、同定すべきパラメータに関して一次関数の形式と
なるように、次式のように変形する。なお、”T ”を行
列の転置とする。
達関数のパラメータとなる。
輪速振動Δω1 の離散化データを(9)式に順次当てはめ
た各データに対し、最小自乗法を適用することによっ
て、未知パラメータθを推定し、これにより伝達関数を
同定する。
を離散化データΔω(k)(k=1,2,3,...)に変換し、
該データをN点サンプルし、次式の最小自乗法の演算式
を用いて、伝達関数のパラメータθを推定する。
値と定義することにする。
ってパラメータθを求める逐次型最小自乗法として演算
してもよい。
は0.95〜0.99の値に設定する。このとき、初期
値は、
る方法として、種々の修正最小自乗法を用いてもよい。
本実施の形態では、補助変数を導入した最小自乗法であ
る補助変数法を用いた例を説明する。該方法によれば、
(9)式の関係が得られた段階でm(k)を補助変数とし
て、次式を用いて伝達関数のパラメータを推定する。
(15)式に(9)式を代入すると、
るように補助変数を選べばθの推定値は、θの真値に一
致する。そこで、本実施の形態では、補助変数として、
ζ(k)=[−ξy1(k)−ξy2(k)]T を式誤差r
(k)と相関を持たないほどに遅らせたものを利用す
る。すなわち、 m(k)=[−ξy1(k−L)−ξy2(k−L)]T (20) とする。ただし、Lは遅延時間である。
μ勾配演算手段44において、路面μ勾配D0 に関係す
る物理量を、
面μ勾配D0 に関係する物理量を演算できると、例え
ば、該物理量が小さいとき、タイヤと路面との間の摩擦
特性が飽和状態であると容易に判定できる。
処理フィルタ40では、バンドパスフィルタ或いはハイ
パスフィルタの周波数特性を規定するパラメータを一定
値に固定したものであるが、このパラメータを伝達関数
同定手段42で同定されたパラメータに適応させて変化
させるようにしてもよい。即ち、伝達関数同定手段42
で同定されたパラメータに応じて前処理フィルタ40の
特性を変化させる適応手段を更に設けてもよい(特開平
11-78843号公報の第1の実施の形態の第2の態様(図9
等参照))。
クΔT1 が加振入力として車輪共振系に入力されている
場合に車輪共振系の伝達関数を同定して、路面μ勾配を
演算するようにしてもよい(特開平11-78843号公報の第
3の実施の形態の第1の態様(図13等参照))。
クΔT1 が加振入力として車輪共振系に入力されている
場合において、検出された加振入力と応答出力とから車
輪共振系の伝達関数を同定するようにしてもよい(特開
平11-78843号公報の第4の実施の形態の第1の態様(図
16等参照))。
力の内、周期的な信号である応答出力のみを選別し、選
別された応答出力に基づいて車輪共振系の伝達関数を同
定し、μ勾配を演算するようにしてもよい(特開平11-7
8843号公報の第5の実施の形態(図18等参照))。
の摩擦特性を含む車輪共振系への加振入力に対する応答
出力を検出し、加振入力から応答出力までの車輪共振系
の伝達特性を、少なくともタイヤと路面との間のすべり
易さに関する物理量を車輪状態の未知要素として含む振
動モデルで表し、該振動モデルに基づいて、少なくとも
上記検出された応答出力を略満足させるような未知要素
を推定するものである。
車輪速度信号からバネ下共振特性を表す物理モデルのパ
ラメータを同定し、同定したパラメータから路面と車輪
との間の滑り易さに関する物理量を推定する物理量とし
て、路面μ勾配を演算してもよい(特願平10-281660号
の実施の形態の欄等参照)。
輪との間の滑り易さに関する物理量として、路面μ勾配
を演算しているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、スリップ速度に対する制動トルクの勾配(制動ト
ルク勾配)、スリップ速度に対する駆動トルクの勾配
(駆動トルク勾配)、及び微小振動等を求めるようにし
てもよい。
車輪速度の時系列データに基づいて、制動トルク勾配や
駆動トルク勾配を演算してもよい(特開平10-114263号
公報(図1等参照))。
車輪減速度の時系列データ、及び所定のサンプル時間毎
に検出されたブレーキトルク又は該ブレーキトルクに関
連した物理量の時系列データに基づいて、制動トルク勾
配を演算してもよい(特開平10-114263号公報(図2、
図3等参照))。
振動系の共振周波数でブレーキ力を微小励振し、ブレー
キ力を微小励振した場合のブレーキ力の微小振幅に対す
る車輪速度の共振周波数成分の微小振幅の比である微小
ゲインを演算してもよい(特開平10-114263号公報(図
4等参照))。
配分装置10において実行される制御について図5に示
すフローチャートを参照して説明する。
化が実行され、次のステップ102では、制動操作セン
サ12からドライバーによるブレーキペダル28の制動
操作量に応じた信号が車両目標制動力設定部14に入力
される。
設定部14において制動操作センサ12から入力された
制動操作量に応じた信号に基づいて車両目標制動力BF
*が設定される。
して一義的に決定される。まず、制動操作に対する不感
帯(所謂ブレーキペダル28の遊び)の領域を設ける
(車両目標制動力がゼロ)。また、制動操作量が比較的
小さい制動初期の目標車両制動力を高く設定する(図6
において(1)の部分)。これにより、制動初期や低車
両減速度でのブレーキの効きを向上させる。
度の制動操作量の領域では、車両目標制動力の設定のゲ
イン(傾き)を低く設定し(図6において(2)の部
分)、ドライバのブレーキのコントロール性を向上させ
る。
く設定し(図6において(3)の部分)、容易かつ迅速
に車両26の最大減速度が得られるようにする。図6で
は制動操作量に対する車両目標制動力の設定は各領域で
線形性になっているが、非線形、すなわち曲線特性とな
るように設定し、各領域のつなぎ目をスムーズにするよ
うにしてもよい。
に対して車両減速度の発生が低い場合には、車両26に
荷物を積載している場合など、車両重量が増加している
ことが考えられるため、車両目標制動力の設定を積載量
に応じて補正するようにしてもよい。
より各車輪30の車輪速が演算される。そして、次のス
テップ108では、路面μ勾配推定部20において、前
述した方法により、演算された各車輪の車輪速に基づい
て各車輪の路面μ勾配値が演算される。
標制動力設定部16において、各車輪の路面μ勾配値に
基づいて各車輪30の目標制動力が配分される。この各
車輪の目標制動力の演算について詳細に説明する。
配値が示されている。車輪スリップが小さくタイヤのグ
リップ度が高い領域では、車輪スリップ変化に対する路
面μ勾配値の変化が小さい。従って、このような領域
(路面μ勾配値が所定値Kaより大きい場合)では、予
め設定された配分比率で各車輪の目標制動力を設定す
る。そして、少なくとも1つの車輪の路面μ勾配値が所
定値Kaを下回った場合には、以下のようにして路面μ
勾配値に応じた目標制動力が各車輪に配分される。
右前車輪の路面μ勾配値をDR1、左後車輪の路面μ勾
配値をDL2、右後車輪の路面μ勾配値をDR2とし
て、これらの路面μ勾配値から基準路面μ勾配値D*を
求める。この基準路面μ勾配値D*は、各車輪の路面μ
勾配値の平均値として求められ、次式で与えられる。
配値DL1,DR1及び後輪の路面μ勾配値DL2,D
R2に重み係数W1,W2により重み付けして基準路面
μ勾配値D*を設定するようにしてもよい。
の状態に応じて各車輪の路面μ勾配値に重み係数WL
1、WR1,WL2、WR3により重み付けして基準路
面μ勾配値D*を設定するようにしてもよい。
て、左前車輪の目標制動力BFL1*、右前車輪の目標
制動力BFR1*、左後車輪の目標制動力BFL2 *、右
後車輪の目標制動力BFR2*を次式で求める。
大きい制動力が付与され、路面μ勾配値が小さい場合に
は小さい制動力が付与される。これにより、路面μが低
い車輪に過大な制動力が付与されてスリップしてしまう
のを防ぐことができる。
べて若干高くなるように、次式のように重み係数W3,
W4(W3>W4)を用いて各車輪の目標制動力を設定
することができる。
れる場合には、次式で示すように前輪の目標制動力を増
加させ、後輪の目標制動力を減少させる。
L2,ΔBFR2は目標制動力補正量である。このよう
に各輪の目標制動力を設定することにより、車両26へ
のトータルでの制動力を減じることなく車両の安定性を
確保することができる。また、左右方向で各車輪の目標
制動力を補正するようにしてもよい。例えば、次式で示
すように、車両26が左旋回する場合、旋回外側の車
輪、すなわち右側の車輪の目標制動力が大きくなるよう
に補正し、内側の車輪、すなわち左側の車輪の目標制動
力が小さくなるように補正する。
操舵角センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサの少
なくとも1つのセンサの出力から得ることができる。ま
た、目標制動力補正量ΔBFL1,ΔBFR1,ΔBF
L2,ΔBFR2は、旋回状態の程度に応じて設定する
ことが好ましい。
必要とされている場合や車両が旋回外側へ膨らんでおり
(所謂アンダーステア)、旋回半径を小さくしたいとド
ライバーが望んでいるような場合には、次式に示すよう
に前輪の目標制動力を低めに設定して操舵性を向上させ
ると共に、車両減速度を低下させないために後輪の目標
制動力を高めに設定する。
正するようにしてもよい。例えば、左旋回の場合、次式
で示すように旋回外側の車輪、すなわち右側の車輪の目
標制動力が低くなるように設定し、内側の車輪、すなわ
ち左側の車輪の目標制動力が大きくなるように補正す
る。
BFR1,ΔBFL2,ΔBFR2は、ドライバーの操
舵状態や車両旋回状態の程度に応じて設定することが好
ましい。
算された各車輪の目標制動力に基づいて、液圧制御手段
(制動力制御手段)22により各車輪の制動が制御され
る。
態(路面μ)をも考慮して各車輪へ目標制動力を配分す
るため、例えば荷重が大きい車輪が低μ路面上にあった
としても、その車輪に過大な制動力が配分されてスリッ
プしてしまうのを防ぐことができ、車両を最適に制動す
ることができる。
テムを用いた車両26に本発明を適用した場合について
説明したが、電子機械式ブレーキシステム(Elect
ro−Mechanical Brake Syste
m:EMB)を用いた車両に本発明を適用してもよい。
このEMBでは、図8に示すように、液圧を用いずに車
輪ブレーキ32を制御する。例えば、モータと回転−直
線運動変換機構との組み合わせから成る制動トルク付与
手段46により摩擦材をブレーキディスク34に押し付
けたり、ブレーキドラムに押し付けることにより車両2
6を制動するシステムである。
車輪と路面との間の摩擦状態をも考慮して各車輪の目標
制動力を配分するため最適な制動力配分の制御を行うこ
とができ、車両の姿勢を適切に保ちながら各車輪の制動
能力を最大限に引き出すことができる、という効果を有
する。
成図である。
ある。
ルーチンのフローチャートである。
線図である。
線図である。
る車両の概略構成図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪
速度検出手段と、 検出した車輪速度に基づいて車輪と路面との間の摩擦係
数μの勾配を路面μ勾配値として各車輪毎に推定する路
面μ勾配推定手段と、 各車輪毎に推定した路面μ勾配値と前記車両の目標制動
力とに基づいて各車輪の目標制動力を演算する車輪目標
制動力演算手段と、 演算した各車輪の目標制動力に基づいて各車輪の制動力
を制御する制動力制御手段と、 を備えた制動力配分制御装置。 - 【請求項2】 前記車両のドライバによる制動操作量を
検出する制動操作量検出センサと、前記制動操作量に基
づいて前記車両の目標制動力を演算する目標制動力演算
手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載
の制動力配分制御装置。 - 【請求項3】 前記車輪目標制動力演算手段は、前記各
車輪の路面μ勾配値が略同一となるよう各車輪の目標制
動力を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2
に記載の制動力配分制御装置。 - 【請求項4】 前記車輪目標制動力演算手段は、前記車
両の後輪の路面μ勾配値が前輪の路面μ勾配値よりも大
きくなるように各車輪の目標制動力を演算することを特
徴とする請求項1又は請求項2に記載の制動力配分制御
装置。 - 【請求項5】 前記車輪目標制動力演算手段は、前記路
面μ勾配値が高い車輪に対して車輪目標制動力が大きく
なるように、前記路面μ勾配値が低い車輪に対して車輪
目標制動力が小さくなるよう各車輪の目標制動力を演算
することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制
動力配分制御装置。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004123094A (ja) * | 2002-10-04 | 2004-04-22 | General Motors Corp <Gm> | 斜面におけるスリップしきい値を調整するためのアンチロック・ブレーキング・システム制御装置 |
JP2004338506A (ja) * | 2003-05-14 | 2004-12-02 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の制動力制御装置 |
EP2626259A1 (en) | 2012-02-09 | 2013-08-14 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Vehicle motion control apparatus, and vehicle motion control method |
JP2015072044A (ja) * | 2013-10-03 | 2015-04-16 | 三菱電機株式会社 | 車両の制御装置 |
JP2015098224A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | 日産自動車株式会社 | 制駆動力制御装置及び制駆動力制御方法 |
-
2000
- 2000-04-05 JP JP2000103347A patent/JP2001287635A/ja active Pending
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