JP2001278624A - チタニアゾル組成物およびそれらを含有するコーティング液組成物 - Google Patents
チタニアゾル組成物およびそれらを含有するコーティング液組成物Info
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Abstract
状態にあるチタニアゾルを提供する。 【解決手段】 チタニア粉末を水系媒体に分散させたチ
タニアスラリーに、アルミニウムアルコキシドを加えて
加水分解して生成するアルミナ水和物で分散安定化され
た高分散性チタニアゾル組成物。
Description
ル組成物およびそれを含有するコーティング液組成物に
関するものである。
ィラーなどとして有用なものである。また、チタニア粒
子を支持体に固着させてなる酸化チタン膜は、酸化チタ
ンの光半導体特性を利用して光触媒、センサ素子あるい
は太陽電池などの半導体電極用材料として、あるいはそ
の誘電性を利用して封止用材料として用いられ、有用な
ものである。
射色調が美しいシルバー調であることから、熱線反射ガ
ラス用被覆材料や装飾用被覆材料として、さらに、酸化
チタン膜の多孔性を利用して触媒、光触媒、触媒担体、
吸着剤、バイオリアクターなどにも用いられるものであ
る。
チタニウムイソプロポキサイドなどを含む溶液に支持体
を浸漬し、引き上げた後、支持体を高温に加熱して成膜
する方法、高温の支持体表面に四塩化チタンの蒸気を吹
きつけて成膜する方法、高温の支持体表面にチタニウム
アセチルアセトナート、チタニウムアルコキサイドなど
の有機チタン化合物を含む溶液を吹きつけて成膜する方
法などが知られている。これらの方法で得られた酸化チ
タン膜は、膜表面に微小なチタニア粒子が整然と揃うた
め、緻密で強固な膜となる。しかし高温処理が必要であ
り、コーティングできる基材が限られてしまう。
交換水などに分散させておき、これを基材に塗布し乾燥
して酸化チタン膜を得る方法が用いられるようになって
きた。この方法によれば、室温から100℃と比較的低
温で成膜することが可能で、基材の選択範囲が広くとれ
るという利点がある。
にチタニア粉末を均一に分散させることが容易でなく、
分散が不均一なものを用いてコーティングするとコーテ
ィング膜表面のチタニア粒子含有率分布がばらつき、結
果としてコーティング膜にムラが生じてしまう。
持する方法として、特開平7−232925号公報に
は、チタニア粉末を水または有機溶媒中に酸またはアル
カリの存在下で分散させイオン交換樹脂で処理し、拡散
電気二重層の縮退に寄与する狭雑イオンを取り除き、基
材毎に適したバインダーを添加する方法が開示されてい
る。
上させるためにイオン交換樹脂を用いて処理した後、濾
別しチタニアゾルを得ているが、工程が煩雑であり、高
価なイオン交換樹脂を用いなければならないなど工業的
規模で実施するには問題があった。
溶性チタン化合物とアルカリ金属水酸化物を反応させた
後、水熱処理してアルカリ性で分散安定性を向上させる
方法が開示されている。しかしながらこの従来技術で
は、チタニア原料に四塩化チタンなどを用いるため、装
置を強度に腐蝕する問題があり、やはり工業的規模で実
施するには問題があった。
コーティング時、基材に対して、高温などの負荷を与え
ないで成膜することが可能であり、成膜時ムラを生じな
いように、高度に分散され、しかも長期間安定して分散
状態にあるチタニアゾルが望まれていた。さらに、それ
を用い、基材との密着性を高めたコーティング液組成物
も求められていた。
高度に分散され、しかも長期間安定して分散状態にある
チタニアゾル組成物を提供することである。
コーティング時、基材に対して、高温などの負荷を与え
ないでチタニア膜を成膜することが可能であり、成膜時
ムラを生じず、かつ基材との密着性が高いコーティング
液組成物を提供することである。
に鋭意検討した結果、本発明者らは酸性に調整した水系
媒体中にチタニア粉末を分散させ、そのチタニアスラリ
ー中でアルミナ水和物を形成させることで、分散性の高
いしかも長期間分散状態を保つチタニアゾル組成物が得
られることを見出した。
コーティング液を調製し成膜したところ密着性に優れた
酸化チタン膜を形成することを見い出した。さらにその
酸化チタン膜は光触媒活性を有することを見出し本発明
を完成するに至った。
媒体に分散させたチタニアスラリーに、アルミニウムア
ルコキシドを加えて加水分解して生成するアルミナ水和
物で分散安定化された高分散性チタニアゾル組成物に関
するものである。
を含有することを特徴とするコーティング液組成物に関
するものである。
中に結晶性の高いチタニア粉末を縣濁させてチタニアス
ラリーとした後、そのスラリー中にアルミニウムアルコ
キシドを投入して昇温、加水分解反応を経て製造され
る。さらに調製された高分散性チタニアゾル組成物に酸
を加え昇温することによりより安定性の高いチタニアゾ
ル組成物とすることも可能である。
としては、水単独または水とメタノール、エタノール、
イソプロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、テトラヒドロキシフラン等のエーテルなどの水
と混和できる中性の有機溶剤との混合物を使用すること
ができる。混合溶液中の水の濃度としてはチタニア粒子
を分散させるアルミナ水和物の結晶系を制御するため2
0重量%以上が好ましく、50重量%以上がさらに好ま
しい。
いアナターゼ型および/またはルチル型が望ましい。特
にアナターゼ型はルチル型よりも紫外線照射時の酸化力
が強く、光触媒活性が高いため、光触媒材料として好適
であり望ましい。チタニアの平均粒径は一次粒子径が、
1〜1000nmであることが望ましい。一次粒子径が
1nm未満では凝集しやすく、沈殿物が生じるので望ま
しくない。また粒径が、1000nmを超えると比表面
積が小さくなり、コーティング膜にした際、光触媒活性
が低下するので望ましくない。より好ましくは5〜50
nmである。本発明によるチタニアゾル組成物中のチタ
ニア粉末の添加濃度は特に限定されないが、1〜50重
量%の間で実施されることが好ましい。1重量%より希
薄では、重量あたりのチタニア含量が少ないため、コー
ティング液組成物原料としてはコスト高となってしま
う。50重量%を超えると反応を行う際に攪拌に負荷が
かかり、製造が困難になるので好ましくない。
ルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレー
ト、アルミニウム−sec−ブチレートなどが挙げられ
るが、高い反応性やハンドリング性、入手し易い点でア
ルミニウムイソプロピレートが特に望ましい。本発明に
よるチタニアゾル組成物を調製するのに必要なアルミニ
ウムアルコキシドの添加量は、チタニア1当量に対して
0.1〜10.0当量の範囲とするのが好ましい。アルミ
ニウムアルコキシドの量が0.1当量未満では本発明の
効果が発現せず、チタニア粒子の分散性が低下するので
好ましくない。アルミニムアルコキサイドの量が10.
0当量を越えると、調整されたチタニアゾル組成物また
は、チタニアゾル組成物を含有するコーティング液を用
いて酸化チタン膜を形成した場合、酸化チタン膜にムラ
やクラックが生じ成膜性が悪くなるため、あるいは光触
媒活性が低下するため好ましくない。
の調整方法に関して詳しく述べる。
あり、中性pH領域では、電位反発効果が無く、安定し
た分散が得られないため、酸の存在下にチタニア粉末を
水系媒体に分散させてチタニアスラリーを調整すること
が好ましい。さらに詳しくは、アルミニウムアルコキシ
ドを投入前の分散相に酸を添加して、pHは3.0以下
とし、アルミニウムアルコキシド投入時、投入後、昇温
下での反応中、あるいは最終チタニアゾル組成物におい
てpHは5以下、より好ましくは4.5以下とすること
が望ましい。なお、酸性のチタニアスラリーを調整する
際の水系媒体に酸を添加する順序は特に限定されるもの
ではなく、あらかじめpH3.0以下となるように水系
媒体に酸を添加した後チタニア粉末を加えて酸性のチタ
ニアスラリーとしてもよく、水系媒体にチタニア粉末を
分散させた後、酸を加えてpH3.0以下のチタニアス
ラリーとしてもよい。
ム等の2価金属のイオン等が存在すると、チタニアの電
気二重層を縮退させチタニアスラリーが凝集する恐れが
あるので、これらの夾雑イオンを含まない分散相を選択
することが好ましい。入手の容易さからイオン交換水、
蒸留水等を含有する水系媒体が分散相として好ましい。
は、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢
酸、クロル酢酸、シュウ酸、フタル酸、乳酸、クエン酸
などの有機酸を用いることができる。
るので、超音波処理、ホモジナイザー、サンドミル等で
十分に分散させてからアルミニウムアルコキシドと反応
させることが好ましい。
ミニウムアルコキシドを好ましくはチタニア1当量に対
して0.1〜10.0当量の範囲の添加量加えて、昇温す
る。
アルミニウムアルコキシドに由来するアルコールが副生
する。このアルコールは分散性に影響を与えるものでは
ない。しかしアルコールによる引火性などの問題が生じ
る場合は、加水分解反応後、蒸留などの手法により除去
することが好ましい。
の範囲で0.1〜10時間処理すると高分散性チタニア
ゾル組成物が得られる。
ニアゾル組成物において、昇温により生成されるアルミ
ナ水和物同士が部分的に凝集するのを防ぐため、解膠剤
として酸を加え、さらに昇温するとより分散安定性に優
れたチタニアゾル組成物が得られる。
性チタニアゾル組成物に硝酸、塩酸、硫酸、リン酸など
の無機酸、ギ酸、酢酸、クロル酢酸、シュウ酸、フタル
酸、乳酸、クエン酸などの有機酸を用いpHを5以下、
さらに好ましくは4.5以下に調整して50℃〜80℃
で0.1時間〜5時間の熟成を行うと、さらに分散安定
性の優れたチタニアゾル組成物が得られる。
安定性が向上する機序は明らかではないが、昇温により
生成されるアルミナ水和物が一部チタニア表面に取り付
きチタニア粒子同士の凝集を防ぐ効果と分散相に適度な
量で存在するアルミナ水和物が造る構造体がチタニア粒
子同士の接合を阻害しているためと類推している。調整
されたチタニアゾル組成物に酸を加え再加熱するとアル
ミナ水和物の構造体をよりチタニア分散に適した形にす
るため、より安定なチタニアゾル組成物が得られるもの
と類推している。
のままで、コーティング液として用いることができ、金
属やガラス基板などにスプレーコート、ディップコート
またはスピンコートなどにより成膜することで、チタニ
アコーティング膜が得られる。しかし、チタニアゾル組
成物をそのままコーティング液とする場合、基板によっ
ては密着性については十分でないことがある。
下のような硬化剤等を添加して、コーティング液として
もよい。
は、シラン系カップリング剤、アルミネート系カップリ
ング剤、アルミニウムキレート化合物、アミン化合物の
ような硬化剤を挙げることができる。これらの添加剤を
添加して調製したコーティング液は成膜した際の耐水
性、耐溶剤性、各種基板への密着性を向上することがで
きる。
ってコーティング液中の水分量を抑えたり、塗膜の乾燥
速度を制御することも可能である。
ては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β
−(3、4−エポキシジクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランおよびγ−メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン等を挙げることができる。
例としては、アセトアルコキシ基を含有するアルキルア
セトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等を挙
げることができる。
としては、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)およびアルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)等を挙げることができる。
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレ
ンアミン、シクロヘキシルアミンおよびアミノエチルエ
タノールアミン等を挙げることができる。
タノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類およびエチレングリコール等のジオール類、ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を挙げること
ができる。
説明する。
61%)0.6gを添加してpH2.2に調整し、市販
のチタニア粉末(石原テクノ(株)製、平均粒子径:2
0nm、結晶型:アナターゼ型)100gを加えて、9
5℃で1時間攪拌した。その後75℃迄冷却し、アルミ
ニウムイソプロピレート222.4g(チタニアに対し
て0.9等量)を投入して温度95℃で攪拌しながら1
時間反応させた。
ールを留去したのち、冷却して目的とする高分散性チタ
ニアゾル組成物686.8gを得た。
61%)0.5gを添加してpH2.2に調整し、市販の
チタニア粉末(石原テクノ(株)製、平均粒子径:20
nm、結晶型:アナターゼ型)100gを加えて、95
℃で1時間攪拌した。その後75℃迄冷却し、アルミニ
ウムイソプロピレート222.4g(チタニアに対して
0.9等量)を投入して温度95℃で攪拌しながら1時
間反応させた。
ールを留去したのち、硝酸(和光純薬工業製、61%)
3.3gをイオン交換水9.9g中に添加した水溶液を添
加し、pH3.0に調整し95℃で1時間攪拌した。そ
の後さらに硝酸(和光純薬工業製、61%)2.7gを
イオン交換水8.1g中に添加した水溶液を添加、pH
3.5に調整し75℃で3時間熟成し、目的とする高分
散性チタニアゾル組成物720.6gを得た。
(株)製、61%)0.5gを添加してpH2.2に調整
し、市販のチタニア粉末(石原テクノ(株)製、平均粒
子径:7nm、結晶型:アナターゼ型)100gを加え
て、95℃で1時間攪拌した。その後75℃迄冷却し、
アルミニウムエチレート304.6g(チタニアに対し
て1.5等量)を投入して温度95℃で攪拌しながら1
時間反応させた。
留去して、硝酸(和光純薬工業製、61%)3.3gを
イオン交換水9.9g中に添加した水溶液を添加、pH
3.0に調整し95℃で1時間攪拌した。その後さらに
硝酸(和光純薬工業(株)製、61%)2.7gをイオ
ン交換水8.1g中に添加した水溶液を添加、pH3.5
に調整し75℃で3時間熟成し、目的とする高分散性チ
タニアゾル組成物721.2gを得た。
(株)製、61%)0.14gを添加してpH2.2に調
整し、市販のチタニア粉末(石原テクノ(株)製、平均
粒子径:200nm、結晶型:アナターゼ型)100g
を加えて、95℃で1時間攪拌する。その後75℃迄冷
却し、アルミニウム−sec−ブチレート154.2g
(チタニアに対して0.5等量)を投入して温度95℃
で攪拌しながら1時間反応させた。
ルを留去して、硝酸(和光純薬工業製、61%)3.3
gをイオン交換水9.9g中に添加した水溶液を添加、
pH3.0に調整し95℃で1時間攪拌した。その後さ
らに硝酸(和光純薬工業製、61%)2.7gをイオン
交換水8.1g中に添加した水溶液を添加、pH3.5に
調整し75℃で3時間熟成し、目的とする高分散性チタ
ニアゾル組成物721.2gを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン20g、
アルミキレートD(商品名、川研ファインケミカル
(株)製アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)76%イソプロピルアルコ
ール溶液)0.4g、アミノエチルエタノールアミン0.
3g、メタノール50gおよびイオン交換水10gを加
えた。60℃で1時間反応させて白色の光触媒コーティ
ング液を得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン20g、
アルミキレートD(商品名、川研ファインケミカル
(株)製アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)76%イソプロピルアルコ
ール溶液)0.4g、アミノエチルエタノールアミン0.
3g、メタノール50gおよびイオン交換水10gを加
えた。60℃で1時間反応させて白色の光触媒コーティ
ング液を得た。
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20
g、アルミキレートA(W)(商品名、川研ファインケ
ミカル(株)製アルミニウムトリス(アセチルアセトネ
ート))0.4g、トリエチレンアミン0.3g、エタノ
ール50g及びイオン交換水10gを加えた。60℃で
1時間反応させて白色の光触媒コーティング液を得た。
プレンアクトAL-M(商品名、川研ファインケミカル
(株)製アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート)20g、アルミキレートD(商品名、川
研ファインケミカル(株)製アルミニウムモノアセチル
アセトネートビス(エチルアセトアセテート)76%イ
ソプロピルアルコール溶液)0.4g、トリエタノール
アミン0.3g、イソプロパノール50g及びイオン交
換水10gを加えた。60℃で1時間反応させて白色の
光触媒コーティング液を得た。
63.8m2/g平均粒子径:20nm、結晶型:アナタ
ーゼ型)20gを市販のアルミナゾル(商品名、川研フ
ァインケミカル製、アルミナ含有量10%)180gと
混合し、温度95℃で1時間攪拌して、チタニアゾル組
成物200.0gを得た。
シドキシプロピルトリメトキシシラン20g、アルミキ
レートD(商品名、川研ファインケミカル製、アルミニ
ウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセ
テート)76%イソプロピルアルコール溶液)0.4
g、アミノエチルエタノールアミン0.3g、メタノー
ル50gおよびイオン交換水10gを加えた。60℃で
1時間反応させて白色の光触媒コーティング液を得た。
−21(商標):平均粒径20nm)200gに3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン20g、アルミ
キレートD(商品名、川研ファインケミカル(株)製、
アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルア
セトアセテート)76%イソプロピルアルコール溶液)
0.4g、アミノエチルエタノールアミン0.3g、メタ
ノール50gおよびイオン交換水10gを加えた。60
℃で1時間反応させて白色の光触媒コーティング液を得
た。
安定性試験) 本発明の光触媒チタニアゾル組成物の分散安定性を評価
するために、実施例1〜4で得られた本発明の光触媒チ
タニアゾル組成物をpHが3となるようにpH調製した
後、チタニア濃度が10重量%となるようにイオン交換
水を追加して分散安定性試験用の試験液とした。チタニ
ア粉末のみの場合および比較例1で得られたチタニアゾ
ル組成物についても同様に試験液を調製した。これら試
験液10mlを試験管に入れて1分間に30回反転倒立
を繰り返し分散状態にしたのち静置した。24時間後お
よび1ヵ月後分散状態を目視にて確認した。評価の基準
を次のように設定した。
試験管底部に沈殿物を認めない ○…僅かな上澄み部分を認めるが試験管底部には沈殿物
を認めない良好な分散状態 △…明らかな上澄み部分を認め、試験管底部に沈殿物も
認めるやや分離した状態 ×…試験管底部に明らかな沈殿物を認める、分離した状
態 試験結果を表1に示す。
成物は分散性が良好であることを示している。さらに、
長期間の保存においてもその分散性が維持されており、
分散安定性にも優れていると言える。一方、比較例で
は、本発明品と比して、分散性に劣るものであった。と
くに比較例1のチタニア粉末とアルミナゾルを混合した
チタニアゾル組成物は分散性がほとんどなかった。
ラおよび密着性試験) 本発明のチタニアゾル組成物を含有するコーティング液
を用いて成膜したときのムラ及び密着性を評価した。表
2に示した組成のチタニアゾル組成物液およびコーティ
ング液を支持基板(石英基板)に1時間浸漬したのち、
引き上げ速度5cm/minでディップコートした。1
20℃で30分間温風乾燥処理してチタニアコーティン
グ膜を調製した。得られたコーティング膜を下記ムラ試
験と密着性試験に供した。
か、目視によって観察する。評価の基準を次のように設
定した。
などが全く見られない ○…塗膜表面の80%が均一であり、しわ、むら、つ
ぶ、穴などが見られない △…塗膜表面の50%が均一であり、しわ、むら、つ
ぶ、穴などが見られない ×…塗膜表面が不均一であり、しわ、むら、つぶ、穴な
どが随所に見られる 2)密着性試験 コーティング膜を調製後、塗膜表面にカッターで隙間間
隔1mmで100マスの碁盤目を付け、碁盤目の上に粘着
テープを張り、はがした後の塗膜の付着状態を目視によ
って観察する。評価の基準を次のように設定した。
の一目一目にはがれが無く、欠損部の面は全体の10%
以内 △…切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全
体の30%以内 ×…はがれの面積は、全体の40%以上 試験結果を表2に示した。
チタニアゾル組成物およびコーティング液を用いて製造
した実施例13〜17のコーティング膜にはムラがほと
んど認められなかったのに対し、チタニアゾルのみある
いはチタニアゾルをアルミナゾルで混合して製造した比
較例6,7のコーティング膜はムラが発生した。また実
施例13および14でも明らかなように本発明のチタニ
アゾル組成物でも十分な密着性があったが、硬化剤等を
添加して調製したコーティング液を用いた実施例15〜
17のコーティング膜は密着性に極めて優れていた。こ
れに対し、本発明外のチタニアゾル組成物で調整したコ
ーティング膜は密着性が悪かった。
触媒活性試験) 本発明のコーティング液で調製したコーティング膜の光
触媒作用の効果を確認するために、有機色素の退色試験
を行った。
し、支持基板(石英基板)を浸漬、ディップコートし
(引上げ速度5cm/min)、100℃、30min
の温風乾燥処理をしてコーティング膜を製造した。
液に実施例6〜8の本発明の光触媒コーティング液をコ
ーティングした支持基板(石英基板)を浸漬、30分後
に取り出し、1時間自然乾燥して、光触媒評価チェッカ
ー(真空理工(株)製、PCC-1)を用いて、約1m
Wの紫外線を支持基板上に照射し、メチレンブルーの分
解を反射光による吸光度検出法により測定し、メチレン
ブルーの分解に要する時間を評価した。その結果を表3
に示す。
で調整したチタニアコーティング膜は有機色素の分解効
果が認められ、高い光触媒活性を有していることが判っ
た。
散性と長期にわたる分散安定性を有しており、光触媒な
どのコーティング部材として有用である。
コーティング液は、優れた分散性を持ち成膜時のムラが
発生せず、また基材との密着性に優れ強固な膜を形成す
るとともに、チタニア単独で用いるよりも優れた光触媒
効果を有しているので、光触媒コーティング膜を作製す
るコーティング剤として非常に有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 チタニア粉末を水系媒体に分散させたチ
タニアスラリーに、アルミニウムアルコキシドを加えて
加水分解して生成するアルミナ水和物で分散安定化され
た高分散性チタニアゾル組成物。 - 【請求項2】 前記チタニア粉末がアナターゼ型および
/またはルチル型の結晶性チタニアであり、光触媒活性
を有することを特徴とする請求項1に記載のチタニアゾ
ル組成物。 - 【請求項3】 前記アルミニウムアルコキシドが、アル
ミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレートお
よびアルミニウム−sec−ブチレートから選ばれる少
なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2
に記載のチタニアゾル組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のチタニアゾル組成物を含有することを特徴とするコー
ティング液組成物。 - 【請求項5】 シラン系カップリング剤、アルミネート
系カップリング剤、アルミニウムキレート化合物、アミ
ン化合物および親水性有機溶剤から選ばれる少なくとも
1種を配合したことを特徴とする請求項4に記載のコー
ティング液組成物。
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---|---|---|---|
JP2000091694A JP2001278624A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | チタニアゾル組成物およびそれらを含有するコーティング液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000091694A JP2001278624A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | チタニアゾル組成物およびそれらを含有するコーティング液組成物 |
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