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JP2001245588A - コロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

コロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成物及びその製造方法

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Publication number
JP2001245588A
JP2001245588A JP2000061972A JP2000061972A JP2001245588A JP 2001245588 A JP2001245588 A JP 2001245588A JP 2000061972 A JP2000061972 A JP 2000061972A JP 2000061972 A JP2000061972 A JP 2000061972A JP 2001245588 A JP2001245588 A JP 2001245588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
croquettes
weight
composition
oil
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000061972A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Fujimura
昌樹 藤村
Tsutomu Odawara
努 小田原
Toshihiko Nishiyama
敏彦 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000061972A priority Critical patent/JP2001245588A/ja
Publication of JP2001245588A publication Critical patent/JP2001245588A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロッケ類、フライパイ類において、フライ
時あるいは電子レンジ加熱時のパンクを克服し、安定し
た品質のものを得ることができるパンク防止用乳化油脂
組成物及びその製造方法、該パンク防止用乳化油脂組成
物を具材部分に含有するコロッケ類、フライパイ類を提
供すること。 【解決手段】 蛋白質0.5〜20重量%、澱粉5〜2
0重量%、乳化剤1〜10重量%、油脂2〜30重量
%、糖類10〜70重量%を含有し、水中油型に乳化し
てなることを特徴とするコロッケ類、フライパイ類のパ
ンク防止用乳化油脂組成物。または、蛋白質0.5〜2
0重量%、澱粉5〜20重量%、乳化剤0.2〜5重量
%、糖類5〜50重量%を含有し、油中水型に乳化して
なることを特徴とするコロッケ類、フライパイ類のパン
ク防止用乳化油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリームコロッ
ケ、ポテトコロッケ、フライパイ等の油ちょう(以下、
フライと呼ぶ)時あるいは電子レンジにより再加熱した
時に生じる破裂現象(以下、パンクと呼ぶ)を防止する
ためのコロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化油
脂組成物及びその製造方法、さらには該パンク防止用乳
化油脂組成物を含有したコロッケ類、フライパイ類に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、コロッケ類は加熱処理した馬
鈴薯、あるいは小麦粉ルウをボディとして炊き上げたク
リーム等の具材にバッター液及びパン粉を付着させ、フ
ライした食品であり、惣菜として広く食されている。し
かし、フライする際にコロッケがパンクして商品性を損
ねたり、パンクした結果、具材がフライ油中に溶出して
油を汚したりするといった問題が多々生じていた。ま
た、最近の調理方法の簡便化に伴い、電子レンジによる
再加熱して食するタイプのコロッケ類が急速に普及して
きたが、フライ時にはパンクが生じなかったコロッケ類
においても、電子レンジによる再加熱時にはじめてパン
クして商品性を損ねてしまうといった問題も数多く認め
られてきた。
【0003】一方、フライパイ類についても、コロッケ
類と同様、パンクにより商品性を損ねたり、フライ油を
汚したりするといった問題がある。また、フライパイ類
は具材をパイ生地で包んた商品であるため、コロッケ類
以上にパンクが生じやすく、問題は深刻であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するため、バッター液を工夫して具材の内部から外部へ
の急激な水分蒸発を抑えパンクを防止する方法が数多く
提案されている(特公昭61−31985号公報、特公
平4−38387号公報、特開昭63−63356号公
報など)。しかしながら、これらのバッター液からのア
プローチだけではコロッケ類、フライパイ類のパンクを
確実に防止することは困難であり、コロッケ類のパンク
を防止すべくバッター層、パン粉層を厚くしたりすると
食感を損ねるなど、コロッケ類としての商品性が低下し
てしまう。また、フライパイ類においても、パイ生地層
を厚くすると、コロッケ類と同様、商品性が低下してし
まい、いまだパンクを効率良く、商品性を損なわずに防
止することが困難なのが現状である。
【0005】本発明はこのような現状に鑑み、コロッケ
類、フライパイ類において、フライ時あるいは電子レン
ジ加熱時のパンクを防止できる乳化油脂組成物及びその
製造方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、蛋白質と澱粉
を糖液中に配合した水相部と乳化剤を含有する油相部か
らなる乳化油脂組成物をコロッケ類、フライパイ類の具
材に対して練り込むことにより上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の第1は、蛋白質0.5〜2
0重量%、澱粉5〜20重量%、乳化剤1〜10重量
%、油脂2〜30重量%、糖類10〜70重量%を含有
し、水中油型に乳化してなることを特徴とするコロッケ
類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成物に関す
る。
【0008】本発明の第2は、蛋白質0.5〜20重量
%、澱粉5〜20重量%、乳化剤0.2〜5重量%、糖
類5〜50重量%を含有し、油中水型に乳化してなるこ
とを特徴とするコロッケ類、フライパイ類のパンク防止
用乳化油脂組成物に関する。
【0009】好ましい実施態様としては、蛋白質が、卵
蛋白質、小麦蛋白質、血液蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン
及びこれら蛋白質の分解物から選ばれた1種または2種
以上である上記記載のコロッケ類、フライパイ類のパン
ク防止用乳化油脂組成物に関する。
【0010】別の好ましい実施態様としては、澱粉が、
加工澱粉、デキストリン類から選ばれた1種または2種
以上である上記記載のコロッケ類、フライパイ類のパン
ク防止用乳化油脂組成物に関する。
【0011】別の更に好ましい実施態様としては、乳化
剤が、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ル、レシチンから選ばれた1種または2種以上である上
記記載のコロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化
油脂組成物に関する。
【0012】本発明の第3は、組成物の水相部に蛋白
質、澱粉が加熱変性しないように糖類を加え、コロッケ
類、フライパイ類の具材を製造する際、加熱されたとき
にはじめて組成物中の蛋白質、澱粉が加熱変性すること
を特徴とする、上記記載のコロッケ類、フライパイ類の
パンク防止用乳化油脂組成物の製造方法に関する。
【0013】本発明の第4は、上記記載のパンク防止用
乳化油脂組成物を具材部分に含有することを特徴とする
コロッケ類、フライパイ類に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、さらに詳細
に説明する。
【0015】本発明におけるコロッケ類とは、肉類、魚
介類、卵、野菜類等の具材をつなぎでまとめ、パン粉を
付けてフライしたものを言う。具体的には、つなぎにじ
ゃがいもを用いたポテトコロッケや小麦粉ルウと牛乳等
の乳製品をつなぎに用いたクリームコロッケ等が挙げら
れる。また、これらから派生するコロッケ類似物も含ま
れる。
【0016】本発明におけるフライパイ類とは、肉類、
魚介類、卵、野菜類等の具材をパイ生地で包んだものを
フライしたものを言う。例えば、リンゴから作製された
ペーストをパイ生地に包んだアップルパイをフライした
もの、カスタードクリームをパイ生地で包んだクリーム
パイをフライしたもの、或いは、ミンチ肉を炒めたもの
をパイ生地で包んだミートパイをフライしたもの等が挙
げられる。
【0017】本発明のコロッケ類、フライパイ類のパン
ク防止用乳化油脂組成物に用いられる油脂は、食用に適
するものであれば特に限定されないが、例えば、動物
性、植物性の油脂が挙げられ、また、それらの硬化油、
エステル交換油、分別油等から目的に応じて適宜選択
し、これを単独で、あるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0018】かかる油脂の使用量は、水中油型乳化油脂
組成物の場合、組成物100重量%中、2〜30重量%
が好ましく、更に好ましい範囲は、5〜20重量%であ
る。油脂の使用量が2重量%より少ないと乳化剤のダマ
が生じる恐れがあり、一方、30重量%より多いと、組
成物自体の乳化安定性が悪くなり、油分離等の問題が生
じる恐れがある。
【0019】本発明で用いる蛋白質としては、卵蛋白
質、小麦蛋白質、血液蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン及び
これら蛋白質の分解物から選ばれた1種または2種以上
であり、例えば、蛋白質素材として、卵白粉末、全卵、
加糖卵黄、グルテン、血漿粉末、濃縮乳、脱脂粉乳、乳
清蛋白質濃縮物(WPC)、カゼインナトリウムなどが
挙げられる。なお、ここで蛋白質の分解物とは、例え
ば、プロテアーゼ等の酵素や酸により蛋白質を加水分解
したものをいう。
【0020】かかる蛋白質の使用量は、組成物100重
量%中、0.5〜20重量%が好ましく、更に好ましい
範囲は2〜10重量%である。使用量が0.5重量%よ
り少ないとパンク防止効果が満足に得られない恐れがあ
り、一方、20重量%より多いと、組成物の品質安定性
が悪くなり、油分離等の問題が生じる恐れがある。
【0021】本発明で用いる澱粉としては、加工澱粉、
あるいはデキストリン類等が挙げられる。加工澱粉の種
類は特に限定されないが、アセチル化処理されたもの、
燐酸架橋処理及びエーテル化処理されたものが好まし
く、また、具材の乳化性を高めるために乳化性を有する
澱粉類も好ましい。デキストリン類については特に限定
されないが、水に対して可溶性のもので、甘味度が低
く、かつ、適度な保水性を有しているものが好ましい。
具体的には、DE値(ブドウ糖当量)20以下の直鎖状
或いは分枝状デキストリン、焙焼デキストリン及びこれ
らの還元物、更に、難消化性デキストリン等が挙げられ
る。
【0022】かかる澱粉の使用量は、組成物100重量
%中、5〜20重量%が好ましく、更に好ましい範囲と
しては、7〜15重量%である。使用量が5重量%より
少ないとパンク防止効果が満足に得られない恐れがあ
り、一方、20重量%より多いと、組成物の品質安定性
が悪くなり、油分離等の問題が生じる恐れがある。
【0023】本発明で用いる乳化剤としては、特に限定
されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステルを主体
として、蔗糖脂肪酸エステル、レシチンなどが例示でき
る。ここでいうグリセリン脂肪酸エステルとはグリセリ
ン脂肪酸モノエステル、グリセリン有機酸脂肪酸モノエ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等をいう。前記
グリセリン脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸は炭素
数14〜22の飽和脂肪酸であることが好ましい。グリ
セリン脂肪酸エステルの中でも、グリセリン脂肪酸モノ
エステルは具材中の澱粉質の老化を抑制する効果が高い
ため、コロッケ類、フライパイ類において、冷凍あるい
は冷蔵保管、さらに冷凍、冷蔵流通時の老化を効率良く
抑制することができ、この老化現象を抑制することで具
材の保水性が維持されるため、パンク防止効果を増大す
ることができるものと思われる。一方、グリセリン有機
酸脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
については、具材の乳化性を向上することで保水性を高
め、パンク防止効果を増大することができる。
【0024】かかる乳化剤の使用量は、水中油型乳化油
脂組成物の場合、組成物100重量%中、1〜10重量
%が好ましく、更に好ましい範囲は2〜5重量%であ
る。使用量が1重量%より少ないと組成物自体の乳化が
不安定になり、パンク防止効果だけでなく組成物自体が
満足に得られない恐れがある。一方、10重量%より多
いと、組成物の品質安定性がかえって悪化し、油分離等
の問題が生じる恐れがあるだけでなく、乳化剤特有の悪
い風味がコロッケ類、フライパイ類に影響する恐れがあ
る。
【0025】一方、油中水型乳化油脂組成物の場合、組
成物100重量%中、0.2〜5重量%が好ましく、更
に好ましい範囲としては0.4〜3重量%である。使用
量が0.2重量%より少ないと組成物自体の乳化が不安
定になり、パンク防止効果だけでなく組成物自体が満足
に得られない恐れがある。一方、5重量%より多いと、
組成物の乳化安定性がかえって悪化し、油分離等の問題
が生じる恐れがある。本発明で用いる糖類としては、液
状、粉体を問わず特に限定されないが、例えば、異性化
液糖、ソルビトール、水飴、還元水飴、オリゴ糖、還元
オリゴ糖、キシリトール、エリスリトール、トレハロー
ス、澱粉糖化物、還元澱粉糖化物、蜂蜜、黒糖、果糖等
が挙げられるが、好ましくは保水力の強いソルビトー
ル、還元澱粉糖化物、澱粉糖化物などが例示出来る。
【0026】かかる糖類の使用量は、水中油型乳化油脂
組成物の場合、組成物100重量%中、10〜70重量
%が好ましく、更に好ましい範囲としては、30〜60
重量%である。一方、油中水型乳化油脂組成物にあって
は、組成物100重量%中、5〜50重量%が好まし
く、更に好ましい範囲としては10〜30重量%であ
る。使用量が上記範囲より少ないと糖類による変性防止
作用が不十分なため、配合した蛋白質、澱粉が組成物中
で加熱変性してしまい、具材に練り込んだ時のパンク防
止効果が満足に得られない恐れがある。一方、上記範囲
より多いと、組成物の乳化安定性が悪くなり、油分離等
の問題が生じる恐れがある。
【0027】なお、本発明にかかるコロッケ類、フライ
パイ類のパンク防止用乳化油脂組成物中には、組成物を
安定化させるためのキサンタンガム、ローカストビーン
ガム等の増粘多糖類、燐酸ナトリウム、クエン酸ナトリ
ウム等の塩類、また、セルロースおよびその誘導体、ポ
リデキストロース、小麦ふすま、大豆繊維、りんご繊
維、さつまいも繊維等の食物繊維、さらに、香料、着色
料、酸化防止剤、アルコール類等をも適宜使用しても何
ら問題ない。
【0028】そして、本発明にかかるコロッケ類、フラ
イパイ類のパンク防止用油脂組成物は、水中油型乳化油
脂組成物においては、以下のようにして製造することが
できる。
【0029】まず、水に水飴、ソルビトールを添加した
水溶液の中に蔗糖脂肪酸エステル、蛋白質、澱粉、デキ
ストリンを加え、撹拌しながら加温しこれを水相とす
る。一方、食用油脂にグリセリン脂肪酸モノエステル、
グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、蔗糖脂肪酸エス
テルを加えて混合し、加温、溶解させこれを油相とす
る。上記水相を撹拌しながら徐々に油相を添加してホモ
ミキサー等の乳化機を用いて水中油型に乳化し、さらに
撹拌しながら冷却して本発明のパンク防止用乳化油脂組
成物を得る。
【0030】一方、油中水型乳化油脂組成物において
は、以下のようにして製造することができる。まず、水
にソルビトールを添加した水溶液の中に蛋白質、澱粉、
デキストリンを加え、撹拌しながら加温しこれを水相と
する。一方、食用油脂にグリセリン脂肪酸エステル、蔗
糖脂肪酸エステルを加えて混合し、加温、溶解させこれ
を油相とする。上記油相を撹拌しながら徐々に水相を添
加して撹拌機を用いて油中水型に乳化し、さらに撹拌し
ながら冷却した後捏和機を用いて捏和し、本発明のパン
ク防止用乳化油脂組成物を得ることが出来る。
【0031】このようにして得られた本発明のコロッケ
類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成物は、コ
ロッケ類、フライパイ類の種類あるいは期待効果の度合
いによっても異なるが、具材100重量部に対して1〜
20重量部、好ましくは3〜10重量部の割合で具材に
練り込んで使用することができる。また、使用に当たっ
ては、パンク防止効果を十分に引き出すため、組成物を
具材に添加した後加熱工程により組成物中の蛋白質、澱
粉を熱変性させ、コロッケ類、フライパイ類を製造する
ことが好ましい。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。なお、実施例において部は重量部を意味
する。 (実施例1〜4、比較例1)表1に示す配合により、水
に水飴、ソルビトールなどの糖類を添加した水溶液の中
に蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
等の水溶性の乳化剤、澱粉、デキストリンを加え、撹拌
しながら75℃まで加温し、これを水相とした。一方、
食用油脂にグリセリン脂肪酸モノエステル等の油溶性の
乳化剤等を加えて混合し、75℃まで加温、溶解し、こ
れを油相とした。上記水相を撹拌しながら、油相を徐々
に加えてホモミキサーを用いて水中油型に乳化し、さら
に撹拌しながら50℃まで冷却して水中油型乳化のパン
ク防止用乳化油脂組成物を作成した。
【0033】
【表1】 (実施例5〜8、比較例2)表2に示す配合により、食
用油脂にグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステ
ル等の乳化剤等を加えて混合し、70℃まで加温、溶解
し、これを油相とした。一方、水に水飴、ソルビトール
等の糖類を添加した水溶液に蛋白質、澱粉、デキストリ
ンを加えて混合した後、70℃まで加熱し、水相とし
た。上記油相を撹拌しながら徐々に水相を添加して撹拌
機を用いて油中水型に乳化し、さらに撹拌しながら冷却
した後、捏和機を用いて捏和し、本発明の油中水型のパ
ンク防止用乳化油脂組成物を作成した。
【0034】
【表2】 以上のようにして得られた実施例1〜8、比較例1、2
のパンク防止用乳化油脂組成物を用いた使用例を示す
が、本発明はこれらの使用例に限定されるものではな
い。 (実施例9〜12、比較例3〜5) 使用例1 クリームコロッケの作製 加熱溶解した無塩バター8部に小麦粉(薄力粉)8部を
加え、ルウ状に調製したものに玉ねぎのみじん切り10
部を加え炒めた。これに牛乳72部を加えルウをのば
し、食塩0.4部、香辛料0.1部、グルタミン酸ナト
リウム0.3部、酵母エキス0.2部、チキンエキス1
部を加えて90℃まで加熱し、クリーム(具材)を調製
した。この配合を基本配合(比較例3)とし、パンク防
止用乳化油脂組成物(実施例1,3,5,8、比較例
1,2)を、表3に示した配合で基本配合のクリームに
対して添加し、それぞれ実施例9〜12、比較例4〜5
とした。また、添加時期については、牛乳を加える時と
同時とし、基本配合のクリームの粘度とほぼ同等になる
ように、牛乳を加えることで仕上がりの粘度を調整し
た。このクリームを一晩冷凍して40gずつ丸型の容器
に入れて固定成型した後、バッター液(鐘淵化学工業
(株)製「ペーストバッターK300」の9倍希釈液)
にて1次バッター付けを行い、乾燥パン粉(細目)にて
パン粉付けを行った。さらに、バッター液(鐘淵化学工
業(株)製「ペーストバッターK300」の4.5倍希
釈液)にて2次バッター付けを行い、生パン粉(中目)
にてパン粉付けを行った(衣率40%)。これを1週間
−10℃にて冷凍した後、大豆白絞油を用いて170℃
で10分間それぞれ20個フライし、パンクした個数を
測定した。なお、パンクの判定については、衣の表面に
亀裂が入り、クリームが浸みだした時点を「パンク」と
見なした。パンク測定結果、パンク率を表3に示した。
【0035】
【表3】 (実施例13〜16、比較例6〜8) 使用例2 ポテトコロッケの作製 加熱溶解した牛脂4部に玉ねぎのみじん切り10部、牛
ミンチ肉3部を加え、炒めた。これに蒸煮したジャガイ
モ78部を加え、食塩0.5部、香辛料0.1部、グル
タミン酸ナトリウム0.5部、酵母エキス0.4部、ビ
ーフエキス1部、上白糖2.5部を加えてミキサーにて
混練し、ジャガイモ調味具材(中身)を調製した。この
配合を基本配合(比較例6)とし、パンク防止用乳化油
脂組成物(実施例2,3,7,8、比較例1,2)を表
4に示す配合でジャガイモ調味具材に対して添加し、そ
れぞれ実施例13〜16、比較例7,8とした。また、
添加時期については、ジャガイモを加える時と同時と
し、仕上がりの具材の硬さが基本配合とほぼ同等になる
ように加水で調整した。この中身を50gずつ小判型に
成型した後、バッター液(鐘淵化学工業(株)製「ペー
ストバッターK300」の4.5倍希釈液)にてバッタ
ー付けを行い、生パン粉(中目)にてパン粉付けを行っ
た(衣率30%)。これを1週間−10℃にて冷凍した
後、大豆白絞油を用いて170℃で10分間それぞれ2
0個フライし、パンクした個数を測定した。なお、パン
クの判定については、衣の表面に亀裂が入り、ジャガイ
モ調味具材が浸みだした時点を「パンク」と見なした。
パンク測定結果、パンク率を表4に示した。また、パン
クしなかったコロッケについてフライ後荒熱をとったも
のをラップにより密封し、室温にて15時間保存し、電
子レンジ600Wで1分間加熱して、パンクした個数を
測定した。パンクの判定については、フライ時と同様、
衣の表面に亀裂が入りジャガイモ調味具材が浸みだした
時点を「パンク」と見なした。パンク測定結果、パンク
率を表4に示した。
【0036】
【表4】 (実施例17〜20、比較例9〜11) 使用例3 カスタードクリームパイ 上白糖15部、小麦粉(薄力粉)6部をミキサーボール
にて混合し、液全卵15部を加えて十分混合した。そこ
へ55℃に加熱した牛乳64部を撹拌しつつ分注し、上
白糖を溶解させた。これをふるいにかけ濾過したものを
釜に移し、加熱しながら手早く撹拌しつつ組織が滑らか
になるまで練り上げ、これを20℃まで真空冷却して具
材のカスタードクリームとした。この配合を基本配合
(比較例9)とし、パンク防止用乳化油脂組成物(実施
例3,4,6,8、比較例1,2)を表5に示す配合で
基本配合のクリームに対して添加し、それぞれ実施例1
7〜20、比較例10,11とした。また、添加時期に
ついては、牛乳を加える時と同時とし、基本配合のカス
タードクリームの粘度とほぼ同等になるように、牛乳を
加えることで仕上がりの粘度を調整した。包餡機用冷凍
練りパイ生地(鐘淵化学工業(株)製「HNP」)を冷
蔵庫にて1晩解凍したものを使用して、包餡機(レオン
自動機(株)製CN−200型)により具材7gをパイ
生地10gで包んで球状に成型し、−30℃にて2時間
急速凍結した後、冷凍庫(−20℃)にて1ヶ月保存し
た。これを大豆白絞油を用いて、180℃で6分間それ
ぞれ50個フライし、パンクした個数を測定した。な
お、パンクの判定については、パイ生地の表面に亀裂が
入り、カスタードクリームが浸みだした時点を「パン
ク」と見なした。パンク測定結果、パンク率を表5に示
した。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明によるパンク防止用乳化油脂組成物は、コロッケ類、
フライパイ類において、フライ時あるいは電子レンジ加
熱時のパンクという課題を克服し、安定した品質のもの
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B026 DC06 DG01 DG11 DK01 DK03 DK05 DL03 DL04 DL05 DL07 DL08 DP01 DX04 4B032 DB13 DG02 DK10 DK12 DK13 DK15 DK17 DK18 DK21 DK29 DK41 DK47 DL03 DL20 DP08 DP47 4B036 LF13 LH08 LH12 LH13 LH15 LH22 LH38 LH39 LH41 LK03 LP03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質0.5〜20重量%、澱粉5〜2
    0重量%、乳化剤1〜10重量%、油脂2〜30重量
    %、糖類10〜70重量%を含有し、水中油型に乳化し
    てなることを特徴とするコロッケ類、フライパイ類のパ
    ンク防止用乳化油脂組成物。
  2. 【請求項2】 蛋白質0.5〜20重量%、澱粉5〜2
    0重量%、乳化剤0.2〜5重量%、糖類5〜50重量
    %を含有し、油中水型に乳化してなることを特徴とする
    コロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 蛋白質が、卵蛋白質、小麦蛋白質、血液
    蛋白質、乳蛋白質、ゼラチン及びこれら蛋白質の分解物
    から選ばれた1種または2種以上である請求項1または
    2記載のコロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化
    油脂組成物。
  4. 【請求項4】 澱粉が、加工澱粉、デキストリン類から
    選ばれた1種または2種以上である請求項1〜3記載の
    コロッケ類、フライパイ類のパンク防止用乳化油脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、
    蔗糖脂肪酸エステル、レシチンから選ばれた1種または
    2種以上である請求項1〜4記載のコロッケ類、フライ
    パイ類のパンク防止用乳化油脂組成物
  6. 【請求項6】 組成物の水相部に蛋白質、澱粉が加熱変
    性しないように糖類を加え、コロッケ類、フライパイ類
    の具材を製造する際、加熱されたときにはじめて組成物
    中の蛋白質、澱粉が加熱変性することを特徴とする、請
    求項1〜5記載のコロッケ類、フライパイ類のパンク防
    止用乳化油脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5記載のパンク防止用乳化油
    脂組成物を具材部分に含有することを特徴とするコロッ
    ケ類、フライパイ類。
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