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JP2001231461A - 魚介類用飼料添加剤およびこれを含む魚介類用飼料 - Google Patents

魚介類用飼料添加剤およびこれを含む魚介類用飼料

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Publication number
JP2001231461A
JP2001231461A JP2000051359A JP2000051359A JP2001231461A JP 2001231461 A JP2001231461 A JP 2001231461A JP 2000051359 A JP2000051359 A JP 2000051359A JP 2000051359 A JP2000051359 A JP 2000051359A JP 2001231461 A JP2001231461 A JP 2001231461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
amino acid
fish
shellfish
mannan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000051359A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Fujimura
一 藤村
Hisao Kitano
尚男 北野
Fumio Tanimoto
文男 谷本
Masahiro Matsuda
昌宏 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAN BAIOREKKUSU KK
Original Assignee
SAN BAIOREKKUSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAN BAIOREKKUSU KK filed Critical SAN BAIOREKKUSU KK
Priority to JP2000051359A priority Critical patent/JP2001231461A/ja
Publication of JP2001231461A publication Critical patent/JP2001231461A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish
    • Y02A40/818Alternative feeds for fish, e.g. in aquacultures

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生簀養殖における水質汚濁、魚病頻発並びに
悪臭付着などの諸問題を解決できる魚介類用飼料添加剤
およびこれを用いて強化した植物性蛋白質を主成分とす
る魚介類用飼料を提供する。 【解決手段】 炭素原子数が2〜11個であるアミノ酸
また該アミノ酸とグリシンあるいはアラニンとの縮合物
に、マグネシウム,カルシウムおよび亜鉛よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一つのアルカリ土類金属イオンを
結合させたアミノ酸塩またはアミノ酸縮合物を含む魚介
類用飼料添加物およびこれを植物性蛋白質に配合してな
る魚介類用飼料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚介類用飼料添加剤
およびこれを含む魚介類用飼料に関し、本発明に係る魚
介類用飼料添加剤を植物性蛋白質を主成分とする材料に
配合してなる魚介類用飼料は、大量に且つ容易に市場に
供給されうるものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、特開平7−330503
号公報に見られるとおり、難水溶性の非イオン性高分子
マトリックス支持体中に炭素原子数が2〜3個である低
級アミノ酸1〜25重量部と炭素原子数が4個以上であ
る高級アミノ酸1重量部とのアミノ酸混合物を含有させ
てなる水棲動物用の行動影響材料を発表し、次いで、特
開平9−121783号公報に見られるとおり、植物搾
汁滓の微生物発酵物またはその粉砕物を含むマトリック
ス材料中に炭素原子数が2〜3個である低級アミノ酸A
と炭素原子数が4個以上である高級アミノ酸Bとをモル
比がA/B=1〜40となるように含有させてなる魚介
類用餌料を発表している。
【0003】なお、養魚用餌料として良好な大豆油粕を
製造しようとする方法に関しては、特開平5−2688
1号公報には、大豆油粕に微生物(カビ類,酵母菌類,
鰹節麹)を作用させて粕中に含まれる小糖類(魚類の成
長阻害因子)を除去する方法が発表されており、こうし
て作られた大豆油粕はこれのみにても養殖魚(例えばハ
マチ)の餌料になるとされている。
【0004】さらに、動物体に摂取された蛋白質は動物
体内でアミノ酸,ジペプタイドあるいはトリペプタイド
(一般にはオリゴペプタイドといわれる)の形になって
吸収されるものであり、飼料添加物として日本で指定さ
れているペプチドミネラル(アミノ酸キレートミネラ
ル)としてはペプチド鉄,ペプチドマンガン,ペプチド
亜鉛およびペプチド銅の4種が知られており、これらは
米国の飼料添加物公定書(AAFCO)にもIFN番号
57,147,Metal Amino Acid C
helate という名称で登録されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、植物性蛋白
質を魚介類用飼料として用いるには、蛋白質成分につい
て充分な検討をし、不足している有効成分をさらに強化
することができる魚介類用飼料が開発されなければなら
ず、そして、開発された魚介類用飼料添加剤およびこれ
を含む魚介類用飼料が工業的に製造でき、大量に且つ容
易に市場に供給できるものでなければならない。
【0006】詳言すれば、陸上動物とは異なり、水棲動
物である魚介類には植物性蛋白質を主成分とする単純飼
料は不適当な場合が多く、このため魚介類用飼料として
植物性蛋白が用いられる場合にはそのかなりの部分を動
物性蛋白質に置き換えた形の配合飼料として用いられて
おり、動物性蛋白質としては乾燥魚粉や生魚介肉等が主
に用いられている。このような場合にはこれらの価格が
常に問題になるほか生簀養殖関係では水質汚濁,魚病の
発生の心配がありさらに製品たる魚介類に対する悪臭付
着等のごとき品質についての問題を惹起し、商品の販売
に悪影響を及ぼすことが多い。
【0007】本発明者らは、従来の配合飼料のこのよう
な欠点を可及的に除去できる新規な魚介類用飼料添加剤
を開発し、これを用いて強化した植物性蛋白質を主成分
とする魚介類用飼料を市場に安定供給することを技術的
課題とするものである。
【0008】本発明者らは、炭素原子数が2〜11個で
あるアミノ酸または該アミノ酸とグリシンあるいはアラ
ニンとの縮合物に、マグネシウム,カルシウムおよび亜
鉛よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルカリ土
類金属イオンを結合させたアミノ酸塩あるいはアミノ酸
縮合物塩を含む魚介類用飼料添加物剤を見出すと共に、
その使用法を明らかにしてこの添加剤を植物性蛋白質を
主成分とする材料に配合してなる魚介類用飼料を提供す
ることにより、前記技術的課題を達成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は次のと
おりの本発明によって達成できる。
【0010】すなわち、本発明は、炭素原子数が2〜1
1個であるアミノ酸にマグネシウム,カルシウムおよび
亜鉛よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルカリ
土類金属イオンを結合させたアミノ酸塩を含むことを特
徴とする魚介類用飼料添加剤である(請求項1)。
【0011】また、本発明は、炭素原子数が2〜11個
であるアミノ酸とグリシンまたはアラニンとの縮合物に
マグネシウム,カルシウムおよび亜鉛よりなる群から選
ばれた少なくとも一つのアルカリ土類金属イオンを結合
させたアミノ酸縮合物塩を含むことを特徴とする魚介類
用飼料添加剤である(請求項2)。
【0012】また、本発明は、炭素原子数が2〜11個
であるアミノ酸が、グリシン,アラニン,バリン,ロイ
シン,イソロイシン,セリン,スレオニン,システイ
ン,タウリン,メチオニン,アスパラギン酸,アスパラ
ギン,グルタミン酸,グルタミン,リジン,アルギニ
ン,ヒスチジン,プロリン,ヒドロキシプロリン,フェ
ニルアラニン,チロジン,トリプトファンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1また
は請求項2に記載の魚介類用飼料添加剤である(請求項
3)。
【0013】また、本発明は、請求項1乃至請求項3の
いずれかに記載の魚介類用飼料添加剤が、グアーガム
(ガラクトマンナン),タラガム(ガラクトマンナ
ン),ローカストビーンガム(ガラクトマンナン),ヒ
ガンバナマンナン(グルコマンナン),コンニャクマン
ナン(グルコマンナン),ゾウゲヤシマンナン(グルコ
マンナン),ザレップマンナン(グルコマンナン)およ
び微生物マンナンよりなる群から選ばれた少なくとも一
つのD−マンナンを含む高分子糊料を含んでいる魚介類
用飼料添加剤である(請求項4)。
【0014】さらに、本発明は、前記請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載の魚介類用飼料添加剤を植物性蛋
白質に配合してなる魚介類用飼料(請求項5)である。
【0015】本発明の構成を作用と共により詳しく説明
すれば次のとおりである。
【0016】先ず、本発明における炭素原子数が2〜1
1個であるアミノ酸は、グリシン,アラニン,バリン,
ロイシン,イソロイシン,セリン,スレオニン,システ
イン,タウリン,メチオニン,アスパラギン酸,アスパ
ラギン,グルタミン酸,グルタミン,リジン,アルギニ
ン,ヒスチジン,プロリン,ヒドロキシプロリン,チロ
ジン,フェニルアラニンおよびトリプトファンよりなる
群から選ばれた少なくとも一つの化合物である。
【0017】このような炭素原子数が2〜11個である
アミノ酸の大部分は天然に存在するL−体でありその多
くは必須アミノ酸といわれているが、化学的に合成され
たものはD,L−体(ラセミ体)であり、例えばD,L
−アラニン、D,L−メチオニン、D,L−グルタミン
酸、D,L−トリプトファン等がある。また、L−体,
D−体の区分のないものとしてはグリシン,タウリン,
β−アラニン等がある。かかるアミノ酸がグリシンある
いはアラニン(α−L体,α−D体,ラセミ体およびβ
−体)と縮合反応した形の縮合物としてはオリゴペプチ
ドすなわちジペプチド,トリペプチド,テトラペプチド
等がある。
【0018】なお、シスチンは他のアミノ酸と異り、反
応性や溶解性が非常に悪いので本発明のアミノ酸からは
省かれる。
【0019】次に、本発明が適用される植物性蛋白質
は、豆類,種子類,糟糖類,種子破砕粉からの分離蛋
白,植物性分離蛋白の加工品,麸,グルテンミール,酒
粕,洋酒粕,ビール粕,酵母,発酵食品の粉末,凍り豆
腐粉砕物,湯葉もしくはその同等品よりなる群から選ば
れた少なくとも一つの材料であり、植物搾汁滓,植物廃
棄物を原料とした場合にはそれらを好気性発酵させて高
蛋白質材料に変換したものであって蛋白含有量が20%
以上のものを使用することが好ましい。
【0020】さらに詳しく述べるならば、実用的な植物
性蛋白質としては、豆類,種子類,糟糖類より脱脂法,
抽出法,搾油法等を通じて製造されるか、あるいは、植
物搾汁滓または植物性廃棄物に微生物を作用させる発酵
法によって製造されたものである。これらの植物性蛋白
質には、蛋白質以外の成分としては水分,脂質,炭水化
物(糖質,繊維質,デン粉,ペクチン質),灰分(無機
質)等が含まれている。蛋白質含有量は全粒乾大豆では
33〜36%,脱脂大豆では40〜46%であり、飼料
原料としては菜種油粕(粗蛋白30〜35%),綿実油
粕(粗蛋白35〜45%),亜麻仁油粕(粗蛋白28〜
35%),コプラミール(粗蛋白約20%)がある。発
酵法製品では酒粕(粗蛋白12〜15%),乾燥酵母
(粗蛋白約20〜50%)等がある。
【0021】陸上動物であればこれらの植物性蛋白質を
飼料として用いてかなりの成長が期待できる場合が多い
のであるが、水棲動物である魚介類ではこのような植物
性蛋白質飼料のみでは特殊な場合をのぞき充分な成長が
期待できないばかりか、魚介類の摂取行動も鈍くなり、
遂にはこれらが水質汚濁や魚病の原因にもなってくる。
【0022】従来から水産養殖業においては動物性蛋白
質飼料が主として用いられており、その一部を植物性蛋
白質に置換しようとすることが屡々試みられてきたが、
動物性蛋白の植物性蛋白への置換は魚介類の生育に悪影
響を及ぼさない程度というのが限度になっており、通常
は約20%以下である。しかも、魚種や時季あるいは水
質,水温によってその効果も左右されることがあるの
で、充分な観察下で実施しなければならない。本発明者
らはこのような難点を克服するため種々研究を行った結
果、遂に本発明を完成するに至ったのである。
【0023】植物性蛋白質が動物性蛋白質と著しく異な
る点は食品に関しては明確にされており、FAO(国連
食糧農業機関)/WHO(国連世界保健機関)によって
1965年,1973年,1985年に提案されたアミ
ノ酸スコアーに準じて考えると良いと思われる。その結
果、植物性蛋白質に不足しているアミノ酸はまず含硫ア
ミノ酸(メチオニン,システイン,タウリン)であり、
この他ヒスチジン,リジン,スレオニン,イソロイシ
ン,トリプトファン,ファニルアラニン,チロジン等が
若干不足している。一方、動物性蛋白質には含硫アミノ
酸を含む必須アミノ酸等がよく揃っているのに対し植物
性蛋白質には栄養学的に劣るものが多く、動物性蛋白質
を多量に必要とする魚介類用飼料にはそのままでは不適
当である。
【0024】そこで、本発明者らは、炭素原子が2〜1
1個であるアミノ酸にマグネシウム(Mg),カルシウ
ム(Ca)および亜鉛(Zn)よりなる群から選ばれた
少なくとも一つのアルカリ土類金属イオンを結合させた
アミノ酸塩からなる魚介類用飼料添加剤、炭素原子数が
2〜11個であるアミノ酸とグリシンあるいはアラニン
との縮合物にマグネシウム(Mg),カルシウム(C
a)および亜鉛(Zn)よりなる群から選ばれた少なく
とも一つのアルカリ土類金属イオンを結合させたアミノ
酸縮合物塩からなる魚介類用飼料添加剤を開発したので
ある。
【0025】化学全般にわたって一様に使えるような原
子価に類似した概念を形式的に決めることは容易でない
が、一般には金属イオンにある正電荷を原子価という言
葉で表すことができ、また金属イオンと結合している最
も近い隣接体の数で配位数を表わすことができる。マグ
ネシウム,カルシウムおよび亜鉛よりなる群から選ばれ
た少なくとも一つのアルカリ土類金属イオンを結合させ
た塩には、中性塩,酸性塩,塩基性塩,ペプチド塩(複
塩,錯塩等)が生成可能であり、水溶液からの結晶化の
し易さは一般的にZn塩>Ca塩≧Mg塩の順になる傾
向があるが、一般には水可溶性のものが重要である。
【0026】なお、アミノ酸または該アミノ酸とグリシ
ンあるいはアラニンとの縮合物のアルカリ土類金属塩は
含有されているアミノ酸または縮合物の全部が塩を形成
している必要がなく、その一部、例えば5%〜50%が
塩を形成している場合にも魚介類に好まれることが本発
明者らの予備的実験によって明らかにされている。
【0027】炭素原子数が2〜11個であるα−アミノ
酸〔RCH(NH2 )COOH〕とグリシン〔H2 NC
2 COOH〕あるいはα−アラニン〔CH3 CH(N
2)COOH〕との縮合物の例は基本的にはまず次の
ようなジペプチド(イ)〜(ニ)が生成し、次いで、同
じような反応が繰り返されて縮合物がトリペプチドやテ
トラペプチドなどのようなオリゴペプチドとなるのであ
り、ペプチド鎖の延長の仕方は試薬や原料の種類,合成
法,反応条件等によって変化する。
【0028】(イ)RCH(NH2 )CONHCH2
OOH、(ロ)RCH(NHCOCH2 NH2 )COO
H、(ハ)RCH(NH2 )CONHCH(CH3 )C
OOH、(ニ)RCH〔NHCOCH(CH3 )N
2 〕COOH。
【0029】(イ)〜(ニ)は単一のα−アミノ酸の場
合についての生成物を例にとって等モル反応した場合を
示したが、実際には混合アミノ酸を用いたり,反応する
各試薬のモル比が異なったりするので複雑な混合反応物
になる。この原因をα−アミノ酸にグリシンが反応する
例について説明しよう。α−アミノ酸のNH2 とグリシ
ンのCOOHとが反応することによってできるNHCO
を(A)結合,α−アミノ酸のCOOHとグリシンのN
2 とが反応することによってできるCONHを(C)
結合とするとα−アミノ酸1モルとグリシン1モルとが
反応した場合には副反応がないとしたとき、(A)
(A),(A)(C),(C)(A),(C)(C)の
4種の結合を含む化合物ができ、また、α−アミノ酸1
モルとグリシン2モルとが反応した時には、(A)
(A)(A),(A)(A)(C),(A)(C)
(A),(A)(C)(C),(C)(A)(A),
(C)(A)(C),(C)(C)(A),(C)
(C)(C)の8種の結合を含む化合物ができることに
なる。勿論、これらができる反応においては熱反応によ
るラセミ化や触媒反応によるワルデン反転とか脱水によ
る環化反応のごとき副反応は考慮していず、ポリペプチ
ドの生成による沈殿析出も考慮に入れていない。上記の
グリシンがα−アラニンに変わった場合には、反応生成
物は多数の化合物の混合物であるアミノ酸縮合物(オリ
ゴペプチド)になる。これらの反応生成物の解析はクロ
マトグラフ−質量スペクトル分析やアミノ酸シークエン
サー分析等によって明らかにされる。
【0030】従って、(イ)〜(ニ)に相当するアミノ
酸の等モル縮合物を合成化学的に純度良く合成しようと
する場合には、クロロアセチル化アミノ酸とアンモニア
との反応によるか、あるいはα−アミノ酸クロリドまた
はα−アミノ酸エステルとアミノ酸との反応による。こ
れらの方法は、光学的に純粋なペプチドの合成に用いる
場合には有用である。
【0031】工業的に最も簡単なアミノ酸同志の縮合法
は、適当な中沸点溶剤中で原料アミノ酸同志を反応させ
上記したような混合物を作ることである。この中沸点溶
剤としては水あるいは低級アルコールや中沸点有機溶剤
が用いられる。触媒を用いる場合には、反応混合系から
不要な触媒を反応終了後に分離し易いような金属酸化
物,イオン交換樹脂,金属塩を用いることが有利であ
る。
【0032】無触媒での反応はもっとも応用範囲が広く
80〜200℃で加熱下で行うことができる。例えば水
を溶剤として2種以上のアミノ酸を加熱する場合、比較
的少量の水中で長時間煮沸するか,加圧した状態で12
0〜200℃において加熱することによって目的が達成
される。このような方法で得られたアミノ酸縮合物は
(イ)〜(ニ)の中から選ばれるような構造の混合物に
なるが実際的な利用面での不都合はない。
【0033】動物性成分が飼料の成分となっている場
合、魚介類の嗅覚を刺激する主成分は動物性エキスであ
り、この物質を大きく分けるとアミノ酸,ペプチド,そ
の他の化合物(ベタイン,トリメチルアミン,クレアチ
ン,脂質等)等であり、これらの中でアミノ酸とオリゴ
ペプチドがとくに重要である。一方、植物性成分ではそ
の乾燥物の約3/4を占めているのは炭水化物であり、
これらの中で魚介類の味覚あを刺激する主成分は甘味を
示す糖分だけであると思われる。
【0034】アミノ酸が誘引反応物質になっている例を
本発明者らのこれまでの研究から示すと、ウナギはグリ
シン,アラニン、コイはアラニン,リジンに、フナはイ
ソロイシン,アルギニン,リジン,アスパラギン,グル
タミン酸に、ナマズはアラニン,メチオニンに、メダカ
はアラニン,ヒスチジン,グリシン,バリンに、ホウボ
ウはフェニルアラニンに、ヒガンフグはプロリン,アラ
ニン,グリシンに、カレイはグリシン,アラニン,メチ
オニン,アスパラギン,グルタミン酸,ロイシンに、マ
ダイはグリシン,ロイシン,イソロイシン,バリン,グ
ルタミン,メチオニン,アラニン,セリンに、アナゴは
グリシンに、トコブシはアラニンに、アサリはバリン,
ヒスチジンに、シジミはロイシンに、アワビはグルタミ
ン,アルギニン,フェニルアラニンに、ガザミはグルタ
ミンに、それぞれ反応する。本発明の実施に当っては、
このような誘引反応物質とかメチオニンのような成長促
進物質が前記したアミノ酸塩またはアミノ酸縮合塩の形
として魚介類用飼料添加剤として飼料中に含まれること
が好ましい。
【0035】なお、前記したアミノ酸または該アミノ酸
のアルカリ土類金属塩が魚介類にとってどのような嗅
覚,味覚を呈するのかを知ることは容易ではないが、人
間にとっては若干甘味性のある旨味に金属イオンからく
る鹹味を基本した渋味〜苦味を呈し、特に亜鉛塩の場合
にはこの渋味に金属味が加わった味である。
【0036】アルカリ土類金属であるマグネシウム(M
g),カルシウム(Ca)および亜鉛(Zn)の各イオ
ンは魚介類が生長する上で必要なミネラルであり、特に
亜鉛は飼料の中には不足気味である場合が多いので、飼
料強化のための添加物中には配合されることが好まし
い。
【0037】魚介類が成長に必要とするミネラルのうち
主な金属イオンとして、カルシウム,カリウム,ナトリ
ウム,マグネシウムは必須成分であり、微量必須成分と
しては、鉄,マンガン,銅,亜鉛,モリブデン等があ
る。これらの中で毒性が無いかまたは毒性の少ないアル
カリ土類金属イオンとしてはCa,Mg,Znがあり、
これらはいずれも本発明にいうアミノ酸あるいはアミノ
酸縮合物と塩を形成しそれらの大部分が水溶性あるいは
水可溶性であるという特徴を有している。しかも、この
ようなアミノ酸あるいはアミノ酸縮合物またはその塩は
D−マンナンを含む高分子材料と共に水中で安定な水溶
性分子化合物を形成し、その粘液,ゾル状物またはゲル
状物を与える。
【0038】そして、飼料本体と遊離しない一体となっ
た配合飼料成型品等を形成し適当な硬さの固形飼料(ク
ランブル飼料,ペレット飼料,浮き飼料)や練り飼料に
加工しうる利点がある。D−マンナンを含む高分子糊料
とアミノ酸あるいはアミノ酸縮合物塩とが水中で安定な
マトリックスを形成する。D−マンナンを含まない高分
子糊料(例えばデン粉,ペクチン)や合成高分子糊料
(例えば、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム塩)ではアミノ酸あるいはアミノ酸
縮合物塩と安定な粘液,ゾル状物,ゲル状物を形成し難
く有効成分の分別沈殿や析出などを起し、注意しなけれ
ば場合によっては安定な配合飼料成形品を形成し難い。
【0039】本発明にいうD−マンナンを含む高分子糊
料は水溶液状態においては、他の構造の糊剤、例えばグ
ルコース環のような2,3−位置にシス−第2級水酸基
を有しない非マンナン型の高分子では果たせない程強力
な水和ゾルまたは水和ゲルをアミノ酸塩またはアミノ酸
縮合塩と形成する。この事実はこれまでの糖やアミノ酸
の研究者の間でも全く知られていなかった現象である。
【0040】本発明の目的に応じて用いられるD−マン
ナンを含む高分子糊料として有用なものは、グアーガム
(ガラクトマンナン),タラガム(ガラクトマンナ
ン),ローカストビーンガム(ガラクトマンナン),ヒ
ガンバナマンナン(グルコマンナン),コンニャクマン
ナン(グルコマンナン),ゾウゲヤシマンナン(グルコ
マンナン),ザレップマンナン(グルコマンナン)およ
び微生物マンナン等の中から選ばれる。
【0041】次に、本発明にいう魚介類とは、水産動物
の一つの総称で、一般に魚類,蝦蟹類,貝類を含み淡水
産および海水産の水棲動物を指す。但し、水棲の昆虫
類,両生類,爬虫類,水鳥類,哺乳類は含めないものと
する。魚介類の飼料は魚介類の大きさ,成長程度,水温
等によって変化するものであり一般には魚は仔魚時代は
プランクトン食魚であり、成長に伴って雑食魚さらには
動物食魚とかわり、これに応じて飼料の形状や大きさも
変化してくることと、成長に応じて嗜好性つまり匂や味
にも好みが出てくることが知られている。
【0042】なお、魚介類はその成長に応じて生育に必
要なアミノ酸,ビタミン剤,脂質,その他も変化してく
ることは当然であり、これらを栄養成分として含む添加
剤の種類についても考慮することが望ましい。
【0043】本発明にいう植物性蛋白質とは、動物体の
生命の維持や動物体の生産のために極めて重要な機能性
成分であり、植物体が生産するものである。その生理的
特性によって単純蛋白質,複合蛋白質,変性蛋白質に区
分され、代表的な蛋白質は炭素50〜55%,水素6.
5〜7.5%,窒素15.5〜18.0%,酸素21.
5〜23.5%,イオウ0.2〜2.0%,リン0.0
〜1.5%なる元素によって構成されているようなもの
が多い。
【0044】動物は蛋白質として摂取した全てのアミノ
酸を消化利用するものではなく、特に植物油粕類ではそ
の加工中の加熱の程度によってリジン等のアミノ酸利用
効率(有効率)が異なってくることが知られている。大
体この有効率というのは80〜90%であるといわれて
おり、飼料中の蛋白質の摂取量が増加してゆくと有効率
は徐々に低下してゆく傾向がある。
【0045】前記したα−アミノ酸とグリシンあるいは
アラニンとの縮合反応は、常圧法あるいは加圧法のいず
れかで行われる。
【0046】常圧法の例をL−グルタミン酸とグリシン
の場合について述べると水500ml,グリシン112.
6g(1.5モル)およびL−グルタミン酸73.6g
(0.5モル)とを1l容フラスコに入れ還流冷却器を
付して撹拌しつつ100℃で40〜50時間煮沸すると
全体が無色透明なやや粘い反応混合物になり、これを氷
冷するも何等の結晶も析出しなくなる。
【0047】これに対して、加圧法では上記の反応混合
物を1l容のオートクレーブに入れて130〜180℃
で4〜10時間保ってやるとほぼ同じような反応混合物
になる。
【0048】これらの反応による混合物は、各々その溶
液の100mlを分取して同量のエタノールと混合し−2
0℃に冷却すると多量の白色結晶を析出する。この結晶
を濾別して50%エタノールで洗浄したのち減圧乾燥す
る。得られた白色粉末を(株)日立製作所製LC−MS
(1200AP−ES型)分析器にかけたところ白色結
晶はグリシルグルタミン酸,グルタモイルグリシンの混
合物であることが分かった。
【0049】この白色結晶にアルカリ土類金属の水酸化
物,酸化物,炭酸塩,塩化物,硫酸塩,硝酸塩,有機酸
塩,アルコラート,アセチルアセトネート等を反応させ
てアルカリ土類金属塩を形成させることができるが、こ
れらを計算量よりも比較的少ない量を使用することによ
って(例えば5〜50%を使用して)実用的な嗜好性の
大なる魚介類用飼料添加剤になしうる。
【0050】このようにして得られるアルカリ土類金属
塩を含む魚介類用飼料添加剤は水溶液,一部固形物が析
出しかかっている分散液,粘稠液もしくはペーストある
いは固形物,結晶性粉末のいずれかである。固形物や結
晶性粉末の場合、一般には無色〜白色〜淡黄色の物質で
あり水には可溶であるものが多いので、水溶液として後
記粘着剤と配合して植物性蛋白質飼料に加えられる。
【0051】前記したグルタミン酸とグリシンまたはア
ラニンとの反応物またはそのアルカリ土類金属塩は、植
物性蛋白に配合される際に粘着剤としてD−マンナンを
含む高分子糊料を用いることによって均一的な分散と粘
着が達成される。
【0052】このD−マンナンを含む高分子物質として
は前記した各種のものがあるが、最も便利に使用できる
ものはグアーガム(ガラクトマンナン),ローカストビ
ーンガム(ガラクトマンナン),コンニャクマンナン
(グルコマンナン)であり、一般にはグアーガムの1〜
5%水溶液が配合に便利であり、また、飼料をペレタイ
ザーによってペレットに成型する場合にも使用簡便であ
る。
【0053】なお、飼料としての最終的な成型を行う前
に、当然のことではあるが、飼料成分としての植物性蛋
白質の組成のほかに必要な脂質,リン脂質,炭水化物,
ビタミン,ミネラル(灰分)等をしらべ目的とする魚介
類に適した配合飼料の組成にしておくのがよい。
【0054】次に、α−アミノ酸としてD,L−メチオ
ニンを用い、これとグリシンとを常圧で反応させる例に
ついて述べる。
【0055】D,L−メチオニン74.6g(0.5モ
ル),グリシン112.6g(1.5モル),水500
mlをフラスコに入れ還流冷却器を付して撹拌しつつ10
0℃で40〜50時間煮沸すると透明な溶液になる。冷
却後この溶液にエタノール500mlを加えて結晶を析出
させる。白色結晶は、50%エタノールで洗浄して減圧
乾燥する。この結晶を(株)日立製作所製LC−MS
(1200AP−ES型)で分析したところグリシルメ
チオニン,メチオニルグリシン,メチオニルジグリシン
の混合物であることが分かった。
【0056】さらに、α−アミノ酸としてL−グルタミ
ン酸,D,L−メチオニンおよびグリシンを加圧下で反
応させる例について述べる。
【0057】L−グルタミン酸36.8g(0.25モ
ル),D,L−メチオニン37.3g(0.25モ
ル),グリシン112.6g(1.5モル),水500
mlをオートクレーグに入れ撹拌しつつ150℃で8時間
加熱すると透明なやや粘い溶液になる。冷却後この溶液
にメタノール500mlを加えて結晶を析出させる。濾集
して70%メタノールで洗浄後減圧乾燥する。この結晶
を(株)日立製作所製LC−MS(1200AP−ES
型)で分析すればグリシルメチオニン,グルタモイルメ
チオニン,グルタモイルメチオニルグリシンあるいはメ
チオニルグルタモイルグリシンの混合物であることが分
かった。
【0058】前記したα−アミノ酸とグリシンとの縮合
反応では、常圧法または加圧法のいずれにおいても水中
での反応であるので環状のグリシン無水物である2,5
−ピペラジンジオン(C4 6 2 2 )は殆ど副生し
ていず、グリシンは弱い塩基としてグルタミン酸やメチ
オニンの中和剤として作用しているらしく、グリシンを
含む各種ジペプチド混合物ができている。また、グリシ
ンのかわりにL−α−アラニンを用いた実験でもほぼ同
じような水溶性ペプチドの混合物になる。これらの水溶
性ペプチドはそのままでも飼料添加剤として用いられる
がその一部または全部をマグネシウム塩,カルシウム塩
または亜鉛塩あるいはこれらの混合塩に変化させた方が
添加剤としては優れている。
【0059】なお、これらの温水溶液にD−マンナンを
含む高分子糊料を加えて植物性蛋白質飼料に含浸付着さ
せた後、成型物として魚介類用飼料として用いることが
推奨される。
【0060】植物性蛋白質として植物搾汁滓,植物廃棄
物を原料とした場合には、それらに微生物を作用させ、
発酵法によって高蛋白質化した方がよい。
【0061】これは、植物搾汁滓の原料の主なものは柑
橘類果汁残滓,果実果汁しぼり粕,コーヒー豆抽出滓,
各種茶類の抽出滓,糖類搾汁粕であり、植物廃棄物の主
なものは野菜処理屑であるが、そのままでは魚介類の好
物ではないからである。
【0062】微生物の作用による発酵法とは、上記のよ
うな植物材料に好気性微生物(酵母,糸状菌,担子菌,
細菌等)を空気流通下で繁殖させて炭水化物を蛋白質に
資化する方法を指し、酵母の場合にハンセヌラカプスレ
ータ,サッカロマイセスロキシーあるいはロドトルラグ
ルチニス等を用いたときには酵母中にマンナン分を副生
しこれを含む蛋白質を生成するが、勿論、このようなこ
とを考慮せず、D−マンナンを含む高分子糊料を別途用
意して添加することも好ましい。
【0063】発酵法は、液相,固相のいずれかでも行わ
れるが一般には液相法の方が生成した蛋白質の含有量が
大であり、多くの場合30〜60%のものが得られ、固
相法の場合はこの値の半分位のものが得られる場合が多
い。
【0064】次に、D−マンナンを含む高分子糊料を用
いてα−アミノ酸とグリシンとの縮合物を含む保存の効
く魚介類用飼料を作成する例について述べる。
【0065】水500ml,グリシンン112.6g
(1.5モル)およびL−グルタミン酸73.6g
(0.5モル)とを還流冷却器付フラスコに入れ100
℃で50時間煮沸して透明な溶液となす。この溶液を1
00℃に加温しながら精製グアーガム微粉末5gを投入
してホモジナイザーを用いて12000r.p.mの回
転混合を行って透明なゲル状物にして直ちにポリエチレ
ン製袋に入れて密封し−20℃まで冷却する。内容物は
かなり硬いゴム状ゲルになるが無色透明のままである。
このものは、押出機にて紐状に成型し、これを切断し得
られた小ペレット10gを別に用意したタウリン亜鉛
〔(H2 NCH2 CH2 SO3 2 Zn〕の5%水溶液
50gに溶解して飼料添加剤とする。この溶液を大豆油
粕粉末250gにスプレーしてふりかけてよく混合した
のち混合物をノズルより紐状に押出して、乾燥し粒状化
すると保存の効くコイ用の飼料となる。
【0066】
【発明の実施の形態】次に、本発明の代表的な実施の形
態としてL−グルタミン酸とグリシンとの反応物を用
い、どのようにして飼料添加剤およびこれを含む飼料を
製造することができるかを具体的に示す。
【0067】グレープフルーツ(シトラスパラジシ)の
果実を洗浄して圧搾機を用いて搾汁すると液汁と搾汁滓
とが大体半々ずつ得られる。この搾汁滓をジュースミキ
サーですりつぶし石灰乳を加えてpHが5.3になるよ
うにする。ペクチン質等が離水するのでこれをフィルタ
ープレスもしくは遠心分離器を用いて脱液すると最初の
グレープフルーツの約20%に相当する液体が得られ
る。この液体を静置すると上層にリモネンが分離してく
るのでこれを分液して蒸留するとリモネンが回収され
る。そして、下層の水溶液を減圧濃縮すると糖分が37
%,pHが5.3の甘味を有するシトラスモラセスをう
る。このシトラスモラセスは培地成分を加えて液相で空
気を吹き込みつつ発酵させると、粗蛋白質が45〜55
%である酵母粉末(例えばカンジダウチリス,ハンセヌ
ラアノマラあるいはサッカロマイセスセレビシエ等)に
することができる。一方、フィルタープレスもしくは遠
心分離器を用いて脱液した固形物である搾汁滓(シトラ
スパルプ)は乾燥したのち微粉砕し、培養成分を含んだ
水溶液を加えて、最初は糸状菌、次いで酵母を加えると
いう二段発酵を行なわせると粗蛋白質が30〜50%の
褐色粉末が得られる。
【0068】ここに得られる酵母粉末並びに褐色粉末を
加熱滅菌したのち、魚粉,小麦グルテン,タラ肝油,ミ
ネラル分,ビタミンおよび糊料水溶液を加えて混練しノ
ズルより押出して成型してやれば海水養殖魚の生簀用飼
料ができる。
【0069】微生物の増殖は、一般に液体培地または固
体培地で行われる。微生物の最適生育温度は一般的に細
菌類では35〜50℃、酵母,黴類は20〜35℃であ
り、培地成分としては下記のような成分と水とが必要で
ある。
【0070】酢酸菌については、例えば、ブドウ糖 3
0g,酵母エキス 5g,ペプトン5g,KH2 PO2
6g,MgSO4 ・7H2 O 0.6g,MnSO4
・7H2 O 0.3g,CH3 COONa・3H2
25g,氷酢酸 1ml,水1000mlの混合物(pH
5.4)が有用である。また、酵母については、例え
ば、ブドウ糖 30g,酵母エキス 5g,ペプトン
5g,KH2 PO4 2g,MgSO4 ・7H2 O 0.
3g,水 1000mlの混合物(pH7.0)が好適で
ある。
【0071】柑橘類果汁や植物搾汁の残滓のように可溶
性炭水化物や糖分が存在している場合には直接的に資化
性微生物(例えば酵母)を加えて蛋白質が形成できれば
好ましいのであるが、生成した酵母蛋白の場合には外側
に比較的堅い細胞殻を有しており、この殻を破砕して飼
料として用いることが大切である。
【0072】アミノ酸の魚介類に対する作用はL−体,
D−体およびD,L−体によって異なる。光学不活性な
低級アミノ酸にはグリシン,タウリン,β−アラニンが
ありとくにこれらは多くの魚介類に対して温和な誘引効
果を示す。一般に魚介類の嗜好性はL−体>D,L−体
>D−体の順であり、この順序はアミノ酸の甘味の順と
は必ずしも一致していない。アミノ酸は適当な条件下で
アルカリ土類金属イオンと各種の塩を形成し、それらの
うちマグネシウム塩,カルシウム塩および亜鉛塩は相当
する遊離アミノ酸と同様に魚介類に好まれるものであ
る。
【0073】なお、柑橘果汁搾汁滓(とくにシトラスパ
ルプ)中にはそのジュースの製造プロセスに起因するカ
ルシウム分の残存が多く、ペクチン酸カルシウム,酸性
炭酸カルシウム,クエン酸カルシウムのような形で0.
2〜2.0%もCaOが混入しているためこれらを含む
原料から資化性蛋白の製造を行った場合にはアミノ酸カ
ルシウムが生成して植物性蛋白質中に混入してくる。こ
のような場合にはカルシウム分の存在は発酵に悪影響を
与えることもあるが、一方、生成物のアミノ酸カルシウ
ムやオリゴペプチドカルシウムは魚介類の飼料への混入
は心配のないものであることが本発明者らの予備的実験
からも認められている。
【0074】また、一般に植物性蛋白質と称されるもの
の中に含まれている金属イオンはNa,K,Mg,C
a,Zn等であり、その含有量を調べるとK≫Mg>C
a>Na≫Znの順に含まれることが多い。これらの金
属イオンは材料中にアミノ酸,ジペプチド,トリペプチ
ド,テトラペプチドがあれば、これらと部分的な塩を形
成しており、このような形で魚介類用飼料に含まれてい
ることは大変好ましいのである。
【0075】
【実施例】本発明者らは本発明に関して多数の実験を行
っており、それらの中より本発明の技術的内容を解説し
うるに足る代表的な数例を抽出して以下に示すが、本発
明は以下に示される実施例のみに限定して解釈されるべ
きではなく、本発明の趣旨と精神を逸脱せざる限り、任
意にその実施態様を変更して実施しうることは当然であ
る。
【0076】実施例1:温州ミカン(シトラスアウラン
チウム)の果実を水洗浄し、これを圧搾機を用いて搾汁
した場合、液汁(果汁に若干のD−リモネンを含む混合
物)と搾汁滓とが大体半々ずつ得られる。この搾汁滓に
は水分が約80%,D−リモネン等が0.5〜数%含ま
れているが、これを乾燥したものは炭水化物が15〜2
0%,粗繊維が1.5〜2.0%,粗脂肪が約0.2
%,粗蛋白が約1.0%,灰分が0.5〜1.0%が含
まれている。このものには、有機酸およびペクチン質が
含まれており仲々離水し難いのでこの搾汁滓(pH4.
0〜4.5)に石灰乳を加えて混合して中和(pH5.
0〜5.5)した後、再度圧縮してやると脱液して原料
果実の20%程度の液体が得られる。この液体を分液し
て水層を50〜60℃で減圧濃縮してやると水分が20
〜25%,糖分が35〜40%,蔗糖が12〜20%,
総窒素分が0.5〜0.6%,灰分が0.2〜1.0
%,pH5.0〜5.5のシトラスモラセスが得られ
る。
【0077】一方、培地組成としては85%H3 PO4
3.2g/l,KOH 1.2g/l,NaOH
0.2g/l,MgSO4 ・7H2 O 1.0g/l,
FeCl3 ・6H2 O 15mg/l,CuSO4 ・5H
2 O 0.1mg/l,KI 0.2mg/l,MnSO4
・H2 O 1.5mg/l,ZnSO4 ・6H2 O 1.
5mg/l,(NH4 2 SO4 計16g/l(分割添
加するが合計量),(NH4 2 CO 計8g/l(分
割添加するが合計量)を含む溶液(pH5.5〜6.
6)1.2lを用意しておき、これを上記シトラスモラ
セス200gと混合し、酵母としてカンジダウチリス1
0gを加えて25〜35℃で盛んに空気を吹込み乍ら発
酵を行わせると約50時間後にミカン酵母が沈殿する。
これを濾別捕集して乾燥すれば乾燥ミカン酵母約50g
をうる。このものは水分約4.5%,粗蛋白約55%,
脂質約0.5%,炭水化物約20%,灰分約2.5%が
含まれており、この灰分の約60%がCaO+MgO+
ZnOであり、このミカン酵母に0.3倍重量のグリシ
ンを加えて乳鉢中で水分の存在下で充分すり合わせた粉
末は、アナゴ,タイに対して著しい誘引効果を暗所にお
いて示す飼料になった。
【0078】実施例2:ブラジル産バレンシアオレンジ
(シトラスシネンシス)の果実を水洗浄し、これを搾汁
し、実施例1と同様にして、シトラスモラセスと脱液搾
汁滓(シトラスパルプ)を得る。このシトラス・モラセ
スは水分約78.9%,脂質約0.3%,蛋白約2.0
%,灰分1.1%,炭水化物約17.7%,カルシウム
分170mg/100g,ペクチン(カルシウムペクテー
トとして)172mg/100g,ブドウ糖3.3%,果
糖4.2%,ショ糖4.7%を含み、また、シトラスパ
ルプは、脂質2.3%,灰分5.4%,繊維13.5
%,果糖2.0%,ブドウ糖1.8%,ショ糖3.4%
を含む。
【0079】一方、実施例1と同じ培地組成液1lを用
意しておき、これを上記シトラスモラセス 200gと
混合し、和歌山産ミカンの新鮮な皮から分取して培養し
たハンセヌラアノマラ 7gを加えて激しく空気を吹込
みつつ70時間培養を行わせ濾別,乾燥すると淡褐色の
バレンシアオレンジ酵母粉末 60gが得られる。この
ものは粗蛋白質が約55%含まれているが、魚粉に比べ
て成分的にやや劣っており、さらに好ましくは、以下の
ようにして調製されたグルタミン酸,メチオニンおよび
グリシンよりなるペプチドで強化してやる必要がある。
【0080】すなわち、1l容オートクレーブに水 5
00ml,グルタミン酸 36.8g,D,L−メチオニ
ン 37.3g,およびグリシン 112.6gを入れ
160〜170℃で3〜4時間反応させると透明なやや
粘稠な水溶液になる。この溶液15mlを分取して10%
酢酸カルシウム溶液 5ml,2%グアーガム水溶液6ml
を加えて混合した溶液を作り、これを上記バレンシアオ
レンジ酵母粉末にスプレーして混合し温風乾燥した後、
粉砕すると金魚,フナ,コイ,ナマズ等の淡水魚に対し
て誘引性が大きい養殖魚用飼料になった。
【0081】実施例3:実施例2に示したシトラスパル
プの乾燥物を小型粉砕機にいれ微粉砕して300メッシ
ュ粉末となす。この粉末100gに実施例1と同じ培地
組成液500mlとアスペルギルスオリーゼ 10gとを
加えてよく混合し、ジャーファーメンター中でpH6.
0で充分通気しながら糸状菌を24時間増殖させる。次
いで、このものにサッカロマイセスセレビシエ 10g
および実施例1と同じ培地組成液1.5lとを加えて2
5〜30℃で70時間発酵させると褐色沈殿を得るので
冷却後これを濾別,水洗し,乾燥すると特有の酵母臭を
有する粉末55gをうる。この粉末に別に調製したタウ
リンマグネシウム10%を含む水溶液10mlと3%グル
コマンナン水溶液20mlとを加えて充分混練したのち、
ノズルより押出して紐状に成型し半乾燥した後粗砕した
後100℃で2時間乾燥するとクランブル飼料になる。
ここに得られた飼料を篩器を用いて分級したものはフ
ナ,金魚,熱帯魚用の幼魚飼料になる。
【0082】なお、アユ養殖用飼料としてはソフトクラ
ンブル型が好まれ、この場合には、摂餌ロスによる水質
汚濁の原因とならないように飼料の大きさとか形状,給
餌法,水流について注意してやる必要がある。
【0083】実施例4:養鰻用飼料は稚魚(シラス)用
と養太用に別けられるが、養太用には魚粉と酵母を含む
練り餌を作って与えると便利がよい。養鰻用としては以
前に石油蛋白と大豆油粕とが比較されたことがあるが、
後者はメチオニン,リジン等の含有量が少ないため、前
者の方が優れているようであった。しかし、酵母皮殻が
固くて不消化になるため加熱して皮殻に割れ目をつける
よう粉砕して用いねばならなかった。これに対して本発
明者らは、実施例2において得られたシトラスモラセス
からのバレンシアオレンジ酵母に電子線照射処理して2
00メッシュに粉砕した酵母粉末35%,北洋魚粉35
%,実施例2に示したL−グルタミン酸,D,L−メチ
オニンおよびグリシンの反応物に酢酸カルシウムおよび
グアーガムを加えた強化添加剤5%,魚肝臓粉末5%,
脱脂粉乳5%,混合ビタミン3%,ミネラル分2%を配
合し水を添加して練り餌とした。鰻はアミノ酸に嗜好性
の強い魚であり、上記の練り餌にはよく集まり、練り餌
は柔らかい方をよく好むようであった。鰻の養太用飼料
では水温を20〜25℃に保った場合、上記の練り餌の
方がイワシやサンマの生餌を用いた場合により良好な養
殖結果を示し、鰻の肉質も良好であった。
【0084】実施例5:植物性蛋白質として大豆油粕,
グルテンミール,大豆蛋白製品等を魚介類飼料とするた
めには、効果的な強化添加剤を選ぶ必要があり、このめ
にはアミノ酸またはアミノ酸縮合物のアルカリ土類金属
塩を以下に示すごとく別途合成して用いた方が良く、例
えば、タウリンとアルカリ土類金属の酸化物または水酸
化物とを水中で中和反応させて相当するタウリン塩を形
成させ、濾別した水溶液を濃縮して結晶を析出させ、こ
の結晶を乾燥すれば純度の良いものが得られるため、こ
れを従来の魚介類飼料に強化剤として混入できる。
【0085】実施例6:L−グルタミン酸モノナトリウ
ムの濃厚水溶液に等モル量のアルカリ土類金属酢酸塩を
加えるとL−グルタミン酸アルカリ土類金属塩水和物が
生成するので、これにエタノールを加えて結晶沈殿して
析出させ、これを濾集して150℃で乾燥するとそれぞ
れに相当するL−グルタミン酸アルカリ土類金属塩の無
水物が白色粉末として得られる。L−グルタミン酸ナト
リウムのかわりにD,L−メチオニンナトリウム,L−
アスパラギン酸モノナトリウム,グリシンナトリウム,
D,L−アラニンナトリウムを使用するとそれぞれ相当
するアルカリ土類金属塩が得られる。これらは含水結晶
として得られ易いので析出結晶を濾別後120〜130
℃で乾燥し無水物として保存した。無水物の粉末は養魚
飼料として用いる大豆油粕または菜種油粕の強化用に配
合して使用された。
【0086】実施例7:各種アミノ酸をジメチルホルム
アミドに溶解し、これにクロル酢酸クロリドを反応させ
得られたクロルアセチル化アミノ酸を濃アンモニア水と
反応させると下記のグリシルアミノ酸(ジペプチド)が
得られる。
【0087】すなわち、グリシル−L−α−アラニン
(mp218℃,分解),グリシル−D,L−セリン
(mp218℃,分解),グリシル−D,L−ロイシン
(mp257℃,分解),グリシル−L−イソロイシン
(mp242℃,分解)が得られ、これらはいずれも水
溶性である。この水溶液に水酸化アルカリ土類金属乳液
を加えて中和しその溶液にエタノールを加えると相当す
るジペプチドアルカリ土類金属塩が沈殿となって析出す
る。この沈殿を濾別して130〜140℃で乾燥すれば
ジペプチドアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩)
の無水物が白色粉末として得られる。
【0088】ここに得られたジペプチド混合物(グリシ
ル−D,L−ロイシン50%,グリシル−L−イソロイ
シン50%の混和物)のカルシウム塩10g,大豆油粕
40g,オキアミ粉末15g,糟糖類粉末40g,植物
性油脂4g,蚕よう油粕6g,リン酸カルシウム5g,
5%グアーガムのゾル10gおよびデキストリン5gの
混合物に少量の水を添加して混練加圧成型し、温風乾燥
すると成魚用の汎用飼料が得られた。
【0089】実施例8:甲殻類の幼生や貝類の幼生は、
酵母の微粒子餌料を作成しても、これのみで育成するこ
とは現在では相当困難である。しかし、一般にはオキア
ミエキス,鶏卵,スキムミルク,イカエキス,アサリエ
キス,肝油等の配合品が実際的によく試験されている。
このような幼生用の飼料の添加物として開発されたもの
が、L−グルタミン酸,メチオニン,α−アラニン,グ
リシンおよびアルカリ土類金属よりなる酵母強化用添加
剤である。
【0090】すなわち、L−グルタミン酸0.5モル,
D,L−メチオニン0.5モル,α−D,L−アラニン
1.0モルおよびグリシン2.0モルをオートクレーブ
中で180℃の水中で3時間反応させるとグリシルメチ
オニン,α−アラニルメチオニン,グルタモイルメチオ
ニン,グルタモイルメチオニルグリシン等を含む混合ペ
プチド水溶液が得られる。この水溶液を水酸化カルシウ
ムで中和したものは甲殻類とか貝類の幼生をかなり誘引
する効果のあることが見出されたので、ビール酵母(サ
ッカロマイセスセルビシエ)の乾燥粉末150gに、こ
の混合水溶液100gをスプレーして混練し乾燥して微
粉砕したものは、甲殻類の幼生や貝類の幼生用飼料とし
て用いられた。
【0091】実施例9:養殖漁業においてイワシ,サ
バ,サンマ等の生餌を多く用いるとこれらの保存中に生
成した過酸化脂質による飼料性肝障害を起こし、さらに
飼育環境におけるストレスが加わるとこの疾病が慢性化
して死亡率が高くなる。これの解決法としては肝障害予
防剤としてグルタチオン(γ−L−グルタミン−L−シ
スティニル−グリシン)の使用(特開昭60−1563
49号)とかグルタチオンジスルフィド,γ−L−グル
タミン−L−シスチン,γ−L−グルタミル−L−シス
ティジスルフィドを含有する飼料の使用(特開平2−3
12554号)とかが推奨されているが、魚類の肝機能
の改善のためにはこれだけでは充分ではなく、根本的に
は植物性蛋白質を飼料の主体として用いるように変更す
る事が好ましい。この場合、生餌に比してメチオニン成
分が著しく不足してくる。そこで、実施例2におけるL
−グルタミン酸,D,L−メチオニンおよびグリシンの
やや粘稠な反応液(786.7g)に、さらに、酸化マ
グネシウム(40.3g)を加えて中和して得た熱溶液
にグアーガム2gを投入してホモジナイザーを用いて6
000r.p.mの回転混合を行った透明ゾル状物を精
製大豆蛋白(凍り豆腐微粉末)3Kgおよび市販のビー
ル酵母粉末3Kgに加えて混練した後押出機によりペレ
ット化したものを100℃で乾燥して成型飼料とした。
このものは、ハマチ,タイ,ヒラメ,海産の各種カニ類
の飼料としてかなり広く用いられることが分かった。
【0092】実施例10:温州ミカン(シトラスアウラ
ンチウム)の果実を搾汁して得られた乾燥搾汁滓(炭水
化物15〜20%,粗繊維1.5〜2.0%,粗脂肪約
0.2%,粗蛋白約0.1%,総窒素分約1.0%,灰
分0.5〜1.0%,pH4.0〜5.0)を粒度20
0メッシュに微粉砕する。この粉末500gに水500
ml(KH2 PO4 ,NH4 NO3 含有)を加えて混練し
120℃で滅菌した後30℃まで冷却しアスペルギルス
オリーゼ10gを加えて板状にして25〜30℃で70
〜80時間、空気流通下で発酵を行わせると褐色の粉末
約500〜600g(水分20〜30%,粗蛋白質約1
5〜20%)が得られる。この粉末に新鮮なハンセヌラ
アノマラ酵母20gを加えて30℃で空気を吹き込みつ
つさらに70時間発酵させると粗蛋白が約30%の飼料
用粉末が得られる。この粉末 400g,小麦グルテン
50g,カツオ油 50g,混合ミネラル粉 10
g,混合ビタミン剤 5gおよびグアーガム粉末 5g
を混合し、この混合物に実施例2におけるL−グルタミ
ン酸,D,L−メチオニンおよびグリシンのやや粘稠な
水溶液(786.7g)に、さらに微粉末炭酸カルシウ
ム 50gを加えて激しく混合して得られた混合スラリ
ーの1/10量を分取して添加して得られた混練物を押
出機によりペレット化したものを100℃で乾燥して成
型飼料とした。このものは、ハマチ,カレイ,マダイ,
アナゴ用の養殖飼料として大変優れていた。
【0093】実施例11:分子中にベンゼン核を有する
α−アミノ酸(フェニルアラニン,チロジンおよびトリ
プトファン)は蛋白質の中では重要なアミノ酸である
が、単離したものは比較的不安定で、また水溶性に乏し
く魚介類用の飼料添加剤に加工し難い。そこで、これら
の合成品(D,L−体)を実施例7に示した方法でクロ
ル酢酸クロリドと反応させて、先ずクロルアセチル化ア
ミノ酸とした後、濃アンモニア水と反応させてグリシル
−D,L−フェニルアラニン,グリシル−D,L−チロ
ジンおよびグリシル−D,L−トリプトファンを合成し
た。
【0094】次に、これらのグリシル化物それぞれ0.
1モルにL−システイン0.1モルおよびグリシン0.
3モルを含む水溶液200mlを加えてオートクレーブに
入れて180〜185℃で反応させ、さらに、実施例5
の方法で作ったタウリン亜鉛の白色粉末0.05モルを
加えて混合する。得られた3種の混合物にそれぞれ3%
ローカストビーンガム水性ゾルを加えて撹拌して乳化物
として仕上げる。これらの乳化物は大豆油粕飼料または
菜種油粕飼料に配合されそれぞれ淡水魚増殖用の飼料用
に用いられ、該添加剤を用いなかったものよりもはるか
に良好な結果を得られた。
【0095】実施例12:L−リジン,L−アルギニ
ン,L−ヒスチジン,L−プロリンおよびL−ヒドロキ
シプリンは、それぞれの塩酸塩0.2モルを含む水溶液
に0.1モルの塩化カルシウムを含むメタノール溶液を
加え混合物を減圧濃縮すると、それぞれのアミノ酸の塩
化カルシウム複塩が得られる。これらを飼料添加剤とし
て用いる目的には特に精製する必要はなく、ここに得ら
れたペースト状物〜結晶状物を適宜水に溶解してこのア
ミノ酸カルシウム塩溶液を大豆油粕飼料あるいは乾燥酵
母にスプレーして減圧乾燥した後、実施例4に準じた練
り飼として鰻の養太用飼料とした。その結果、アミノ酸
カルシウム塩を添加しなかった場合に比べはるかに良好
な養殖結果を示した。
【0096】実施例13:D,L−メチオニン0.5モ
ルとグリシン1.5モルとを水中(500ml)で煮沸し
て反応させる場合に、反応終了後−10℃に冷却しても
何らの結晶も析出しない状態まで、反応混合物に加えら
れる触媒(下記のものをそれぞれ7g宛使用)の存在が
反応時間の短縮に影響するかを調べた。加えられた触媒
は反応終了後に、濾別除去し、反応混合物は(株)日立
製作所LC−MS(1200AP−ES型)で分析し
た。
【0097】触媒の種類と反応時間の関係は、PbO
(20〜30hr),SnO(30〜40hr),強酸
性イオン交換樹脂(10〜20hr),Sb2 3 (2
0〜30hr),触媒なし(40〜50hr)であり、
いずれの触媒についても効果が認められた。なお、反応
の中途から蒸発してくる水100ml程度を留去すると上
記の反応時間はさらに短縮された。
【0098】
【発明の効果】本発明は炭素原子数が2〜11個である
アミノ酸または該アミノ酸とグリシンあるいはアラニン
との縮合物にマグネシウム,カルシウムおよび亜鉛より
なる群から選ばれた少なくとも一つのアルカリ土類金属
イオンを結合させたアミノ酸塩またはアミノ酸縮合物塩
を含むことを特徴とする魚介類用飼料添加剤に関するも
のである。
【0099】従来、魚介類用飼料としては、魚粉や生魚
介肉を主成分とするものが用いられているので、生簀養
殖における水質汚濁、魚病頻発並びに悪臭付着等の諸問
題が発生しており、これを改良するためには飼料の主体
を植物性蛋白に変更する必要があった。本発明者らは、
植物蛋白質の弱点である成分内容をより強化するための
研究を行ない、本発明を完成して当該諸問題を解決した
のである。
【0100】従って、本発明は飼料業界,水産業界,養
殖魚介類業界並びに食品業界に寄与するところが大きい
ものと確信している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23K 1/18 102 A23K 1/18 102B (72)発明者 松田 昌宏 兵庫県加古川市加古川町中津149−38 Fターム(参考) 2B005 GA01 GA02 GA03 GA04 GA06 GA07 MA01 MA05 MC04 MC06 2B150 AA07 AA08 AB04 AB05 AB20 AE31 AE33 AE44 BB01 CA06 CA22 DA44 DA45 DA46 DA47 DA48 DA49 DC14 DH04 DH05 DH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数が2〜11個であるアミノ酸
    にマグネシウム,カルシウムおよび亜鉛よりなる群から
    選ばれた少なくとも一つのアルカリ土類金属イオンを結
    合させたアミノ酸塩を含むことを特徴とする魚介類用飼
    料添加剤。
  2. 【請求項2】 炭素原子数が2〜11個であるアミノ酸
    とグリシンまたはアラニンとの縮合物にマグネシウム,
    カルシウムおよび亜鉛よりなる群から選ばれた少なくと
    も一つのアルカリ土類金属イオンを結合させたアミノ酸
    縮合物塩を含むことを特徴とする魚介類用飼料添加剤。
  3. 【請求項3】 炭素原子数が2〜11個であるアミノ酸
    が、グリシン,アラニン,バリン,ロイシン,イソロイ
    シン,セリン,スレオニン,システイン,タウリン,メ
    チオニン,アスパラギン酸,アスパラギン,グルタミン
    酸,グルタミン,リジン,アルギニン,ヒスチジン,プ
    ロリン,ヒドロキシプロリン,フェニルアラニン,チロ
    ジン,トリプトファンよりなる群から選ばれた少なくと
    も一つの化合物である請求項1または請求項2に記載の
    魚介類用飼料添加剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の魚介類用飼料添加剤が、グアーガム(ガラクトマンナ
    ン),タラガム(ガラクトマンナン),ローカストビー
    ンガム(ガラクトマンナン),ヒガンバナマンナン(グ
    ルコマンナン),コンニャクマンナン(グルコマンナ
    ン),ゾウゲヤシマンナン(グルコマンナン),ザレッ
    プマンナン(グルコマンナン)および微生物マンナンよ
    りなる群から選ばれた少なくとも一つのD−マンナンを
    含む高分子糊料を含んでいる魚介類用飼料添加剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の魚介類用飼料添加剤を植物性蛋白質に配合してなる魚
    介類用飼料。
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