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JP2001199971A - アルコキシイミノアルカン酸誘導体 - Google Patents

アルコキシイミノアルカン酸誘導体

Info

Publication number
JP2001199971A
JP2001199971A JP2000347463A JP2000347463A JP2001199971A JP 2001199971 A JP2001199971 A JP 2001199971A JP 2000347463 A JP2000347463 A JP 2000347463A JP 2000347463 A JP2000347463 A JP 2000347463A JP 2001199971 A JP2001199971 A JP 2001199971A
Authority
JP
Japan
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group
optionally substituted
compound
ring
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000347463A
Other languages
English (en)
Inventor
Yu Momose
百瀬  祐
Hiroshi Imoto
広士 井元
Hiroyuki Odaka
裕之 小高
Hiroyuki Kimura
宏之 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000347463A priority Critical patent/JP2001199971A/ja
Publication of JP2001199971A publication Critical patent/JP2001199971A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れた血糖低下作用および血中脂質低下作用を
有し、糖尿病、高脂血症、耐糖能不全、炎症性疾患、動
脈硬化症などの予防・治療剤として有用な新規アルコキ
シイミノアルカン酸誘導体を提供する。 【解決手段】一般式 [式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基または
置換されていてもよい複素環基を;Xは結合手等を;n
は0ないし3の整数を;Yは酸素原子等を;環Aはそれ
ぞれ1ないし3個の置換基をさらに有していてもよい複
素環または炭化水素環を;pは1ないし8の整数を;R
2は水素原子等を;qは0ないし6の整数を;mは0ま
たは1を;R3は−OR9(R9は水素原子または置換さ
れていてもよい炭化水素基を示す)等で示される基を;
4およびR5は、同一または異なって水素原子等を示
し、またR4はR2と結合して環を形成していてもよい。
ただし、環Aがチオフェン、ピリジン、インドールなど
の複素環が挙げられる。]で表される化合物またはその
塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた血糖低下作
用および血中脂質低下作用を有し、糖尿病、高脂血症、
耐糖能不全、炎症性疾患、動脈硬化症などの予防・治療
剤として有用な新規アルコキシイミノアルカン酸誘導体
に関する。また、本発明は、アルコキシイミノアルカン
酸誘導体を含有してなる、糖尿病、高脂血症または耐糖
能不全の予防・治療剤に関する。さらに、本発明は、ア
ルコキシイミノアルカン酸誘導体を含有してなる、レチ
ノイド関連受容体機能調節剤またはインスリン抵抗性改
善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルコキシイミノアルカン酸誘導
体としては、例えばロイコトリエン生合成阻害作用を有
する化合物(例、WO96/02507、米国特許53
99699号)、セファロスポリン誘導体の製造時に用
いられる中間体化合物(例、特開平4−91088、E
P−A 251299、EP−A 435333、EP−
A 289002)が報告されている。しかしながら、
これらの化合物が血糖低下作用および血中脂質低下作用
を有することは報告されていない。ペルオキシソーム増
殖剤応答性受容体ガンマ(PPARγ)は、ステロイド
ホルモン受容体や甲状腺ホルモン受容体に代表される核
内ホルモン受容体スーパーファミリーの一員で、脂肪細
胞分化のごく初期にその発現が誘導され、マスターレギ
ュレーターとして脂肪細胞の分化に重要な役割を果たし
ている。PPARγは、リガンドと結合することにより
レチノイドX受容体(RXR)と二量体を形成し、核内
で標的遺伝子の応答性部位と結合して転写効率を直接制
御(活性化)している。近年、プロスタグランジンD2
の代謝物である15−デオキシ−△12.14プロスタグラ
ンジンJ2がPPARγの内因性リガンドである可能性
が示唆され、さらに、チアゾリジンジオン誘導体に代表
される一種のインスリン感受性増強薬がPPARγのリ
ガンド活性を有し、その強さと血糖低下作用あるいは脂
肪細胞分化促進作用が平行することが判明した[セル
(Cell)、83巻、803頁(1995年);ザ・ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(TheJou
rnal of Biological Chemistry)、270巻、1295
3頁(1995年):ジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、
39巻、655頁(1996年)]。さらに、最近、
1)ヒト脂肪肉腫由来の培養細胞にPPARγが発現
し、PPARγリガンドの添加によってその増殖が停止
すること[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of T
he National Academy of Siences of The United State
s ofAmerica)、94巻、237頁、(1997
年)]、2)インドメタシン、フェノプロフェンに代表
されるノンステロイド抗炎症薬がPPARγリガンド活
性を持つこと[ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル
・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistr
y)、272巻、3406頁(1997年)]、3)活
性化されたマクロファージでPPARγが高発現し、そ
のリガンド添加によって炎症に関与する遺伝子の転写が
阻害されること[ネイチャー(Nature)、391巻、7
9頁(1998年)]、4)PPARγリガンドが、単
球による炎症性サイトカイン(TNFα、IL−1β、
IL−6)の産生を抑制すること[ネイチャー(Natur
e)、391巻、82頁(1998年)]などが判明し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】糖尿病、高脂血症、耐
糖能不全、炎症性疾患、動脈硬化症などの予防・治療剤
として有用であり、かつ副作用が少ない等、医薬として
優れた性質を有する新規化合物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1)一般式
【化8】 [式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基または
置換されていてもよい複素環基を;Xは結合手、酸素原
子、硫黄原子、−CO−、−CS−、−CR6(OR7
−または−NR8−(R6およびR8は水素原子または置
換されていてもよい炭化水素基を、R7は水素原子また
は水酸基の保護基を示す)で示される基を;nは0ない
し3の整数を;Yは酸素原子、硫黄原子、−SO−、−
SO2−、−NR8−、−CONR8−または−NR8CO
−(R8は水素原子または置換されていてもよい炭化水
素基を示す)で示される基を;環Aはそれぞれ1ないし
3個の置換基をさらに有していてもよい複素環または炭
化水素環を;pは1ないし8の整数を;R2は水素原
子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されて
いてもよい複素環基を;qは0ないし6の整数を;mは
0または1を;R3は−OR9(R9は水素原子または置
換されていてもよい炭化水素基を示す)または−NR10
11(R10およびR11は同一または異なって水素原子、
置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよ
い複素環基、または置換されていてもよいアシル基を示
し、またR10およびR11は結合して環を形成していても
よい)で示される基を;R4およびR5は、同一または異
なって水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を示
し、またR4はR2と結合して環を形成していてもよい。
ただし、環Aが置換されていてもよいインドールである
とき、Yは酸素原子または硫黄原子でなく;Yが酸素原
子、硫黄原子、−SO−、−SO2−または−NR8
(R8は前記と同意義を示す)であるとき、環Aは置換
基を有していてもよいベンゼン環でなく;Yが酸素原子
であり、環Aがそれぞれ置換されていてもよい4−ピロ
ン、4−ピリドンまたはピリジン−N−オキサイドであ
る時、R2はそれぞれ保護されていてもよいアミノ基で
置換されたチアゾールまたはチアジアゾールでない]で
表される化合物またはその塩; 2)R1が置換されていてもよい複素環基または置換さ
れていてもよい環状炭化水素基である前記1)記載の化
合物; 3)R1が置換されていてもよい複素環基である前記
1)記載の化合物; 4)Xが結合手である前記1)記載の化合物; 5)nが1または2である前記1)記載の化合物; 6)Yが酸素原子である前記1)記載の化合物; 7)環Aが1ないし3個の置換基をそれぞれさらに有し
ていてもよいピリジン環またはナフタレン環である前記
1)記載の化合物; 8)pが1ないし3の整数である前記1)記載の化合
物; 9)R2が置換されていてもよい炭化水素基である前記
1)記載の化合物; 10)qが0ないし4の整数である前記1)記載の化合
物; 11)R3が−OR9(R9は水素原子または置換されて
いてもよい炭化水素基を示す)で示される基である前記
1)記載の化合物; 12)(E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル
−4−オキサゾリルメトキシ)−2−ナフチルメトキシ
イミノ]−4−フェニル酪酸メチル;(E)−4−[6
−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメト
キシ)−2−ナフチルメトキシイミノ]−4−フェニル
酪酸;(E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル
−4−オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジルメトキシ
イミノ]−4−フェニル酪酸メチル;または(E)−4
−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ
ルメトキシ)−3−ピリジルメトキシイミノ]−4−フ
ェニル酪酸である前記1)記載の化合物; 13)前記1)記載の化合物のプロドラッグ; 14)一般式(I)で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物; 15)一般式
【化9】 [式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基または
置換されていてもよい複素環基を;Xは結合手、酸素原
子、硫黄原子、−CO−、−CS−、−CR6(OR7
−または−NR8−(R6およびR8は水素原子または置
換されていてもよい炭化水素基を、R7は水素原子また
は水酸基の保護基を示す)で示される基を;nは0ない
し3の整数を;Yは酸素原子、硫黄原子、−SO−、−
SO2−、−NR8−、−CONR8−または−NR8CO
−(R8は水素原子または置換されていてもよい炭化水
素基を示す)で示される基を;環Aはそれぞれ1ないし
3個の置換基をさらに有していてもよい複素環または炭
化水素環を;Y1は置換されていてもよい主鎖の原子数
が1ないし8の2価の炭化水素残基;R2は水素原子、
置換されていてもよい炭化水素基または置換されていて
もよい複素環基を;qは0ないし6の整数を;mは0ま
たは1を;R3は−OR9(R9は水素原子または置換さ
れていてもよい炭化水素基を示す)または−NR1011
(R10およびR11は同一または異なって水素原子、置換
されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複
素環基、または置換されていてもよいアシル基を示し、
またR10およびR11は結合して環を形成していてもよ
い)で示される基を;R4およびR5は、同一または異な
って水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を示
し、またR4はR2と結合して環を形成していてもよい。
ただし、Yが酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2
−または−NR8−(R8は前記と同意義を示す)である
とき、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環でな
い]で表される化合物もしくはその塩またはそのプロド
ラッグを含有してなる糖尿病の予防・治療剤; 16)一般式(II)で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有してなる高脂血症の予防・
治療剤; 17)一般式(II)で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有してなる耐糖能不全の予防
・治療剤; 18)一般式(II)で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有してなるレチノイド関連受
容体機能調節剤; 19)ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンドで
ある前記18)記載の剤; 20)レチノイドX受容体リガンドである前記18)記
載の剤; 21)一般式(II)で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有してなるインスリン抵抗性
改善剤などに関する。
【0005】(1)R1の定義 (1−1)R1における「炭化水素基」の定義 一般式(I)および(II)中、R1で示される「置換さ
れていてもよい炭化水素基」における炭化水素基として
は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式−脂
肪族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基が挙げられる。これらの炭化水素基における炭素数
は、好ましくは1〜14である。脂肪族炭化水素基とし
ては、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基が好ましい。該
脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.-ブ
チル、t.-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルな
ど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素基(例、アルキル
基など);例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロ
ペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペ
ンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチ
ルー2−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、
2,4−ヘキサジエニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテ
ニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニル、2
−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチ
ニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニ
ル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニル、1−ヘ
プチニル、1−オクチニルなど炭素数2〜8の不飽和脂
肪族炭化水素基(例、炭素数2〜8のアルケニル基、炭
素数4〜8のアルカジエニル基、炭素数2〜8のアルケ
ニルアルキニル基、炭素数4〜8のアルカジイニル基
等)が挙げられる。
【0006】脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜7
の脂環式炭化水素基が好ましい。該脂環式炭化水素基と
しては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数
3〜7の飽和脂環式炭化水素基(例、シクロアルキル基
等);例えば1−シクロペンテニル、2−シクロペンテ
ニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、
2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シ
クロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3−シクロヘ
プテニル、2,4−シクロヘプタジエニルなど炭素数5
〜7の不飽和脂環式炭化水素基(例、シクロアルケニル
基、シクロアルカジエニル基等)が挙げられる。
【0007】脂環式−脂肪族炭化水素基としては、上記
脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基とが結合したもの
(例、シクロアルキル−アルキル基、シクロアルケニル
−アルキル基等)が挙げられ、なかでも炭素数4〜9の
脂環式−脂肪族炭化水素基が好ましい。該脂環式−脂肪
族炭化水素基としては、例えばシクロプロピルメチル、
シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペ
ンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シク
ロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シク
ロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シ
クロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロ
ヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが挙げられ
る。
【0008】芳香脂肪族炭化水素基としては、炭素数7
〜13の芳香脂肪族炭化水素基(例、炭素数7〜13の
アラルキル基、炭素数8〜13のアリールアルケニル基
等)が好ましい。該芳香脂肪族炭化水素基としては、例
えばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、1−
フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニ
ルプロピルなど炭素数7〜9のフェニルアルキル;α−
ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメ
チル、β−ナフチルエチルなど炭素数11〜13のナフ
チルアルキル;スチリルなど炭素数8〜10のフェニル
アルケニル;2−(2−ナフチルビニル)など炭素数1
2〜13のナフチルアルケニルなどが挙げられる。芳香
族炭化水素基としては、炭素数6〜14の芳香族炭化水
素基(例、アリール基等)が好ましい。該芳香族炭化水
素基としては、例えばフェニル、ナフチル、アントリ
ル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル
などが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2
−ナフチルなどが好ましい。前記した炭化水素基のなか
でも、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などの環状
炭化水素基が好ましい。炭化水素基は、さらに好ましく
は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基であり、とりわけ
フェニル、ナフチルなどが好ましい。
【0009】(1−2)R1における「複素環基」の定
義 一般式(I)および(II)中、R1で示される「置換さ
れていてもよい複素環基」における複素環基としては、
環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子お
よび窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含
有する5〜7員の単環式複素環基または縮合複素環基が
挙げられる。該縮合複素環基としては、例えばこれら5
〜7員の単環式複素環基と、1ないし2個の窒素原子を
含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5
員環とが縮合した基等が挙げられる。複素環基の具体例
としては、例えば2−フリル、3−フリル、2−チエニ
ル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−
ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−
ピリミジニル、6−ピリミジニル、3−ピリダジニル、
4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1−ピロリル、2
−ピロリル、3−ピロリル、1−イミダゾリル、2−イ
ミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、1
−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、イソ
オキサゾリル、イソチアゾリル、2−チアゾリル、4−
チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−
オキサゾリル、5−オキサゾリル、1,2,4−オキサ
ジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール
−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イ
ル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾー
ル−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−ト
リアゾール−4−イル、テトラゾール−1−イル、テト
ラゾール−5−イル、2−キノリル、3−キノリル、4
−キノリル、2−キナゾリル、4−キナゾリル、2−キ
ノキサリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチア
ゾリル、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダ
ゾール−2−イル、インドール−1−イル、インドール
−3−イル、1H−インダゾール−3−イル、1H−ピ
ロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ
[2,3−b]ピリジン−6−イル、1H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ
[4,5−c]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ
[4,5−b]ピラジン−2−イル、ベンズトリアゾー
ル−1−イル等の芳香族複素環基;および1−ピロリジ
ニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−
ピペラジニル、ヘキサメチレンイミン−1−イル、オキ
サゾリジン−3−イル、チアゾリジン−3−イル、イミ
ダゾリジン−3−イル、2−オキソイミダゾリジン−1
−イル、2,4−ジオキソイミダゾリジン−3−イル、
2,4−ジオキソオキサゾリジン−3−イル、2,4−
ジオキソチアゾリジン−3−イル、1−オキソ−フタラ
ジン−2−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−4H
−1,4−ベンゾチアジン−4−イル等の非芳香族複素
環基等が挙げられる。複素環基は、好ましくは芳香族複
素環基であり、さらに好ましくはベンゼン環と縮合して
いてもよい含窒素芳香族5または6員複素環基(好まし
くはフリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラ
ジニル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリ
アゾリル、オキサジアゾリル)が好ましい。なかでも、
フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニ
ル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジ
アゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キ
ノリルなどが好ましい。
【0010】(1−3)R1における「置換基」の定義 一般式(I)および(II)中、R1で示される炭化水素
基および複素環基は、それぞれ置換可能な位置に1〜5
個、好ましくは1〜3個置換基を有していてもよい。こ
のような置換基としては、例えば「ハロゲン原子」、
「ニトロ基」、「置換されていてもよい脂肪族炭化水素
基」、「置換されていてもよい脂環式炭化水素基」、
「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」、「置換さ
れていてもよい芳香族複素環基」、「置換されていても
よい非芳香族複素環基」、「置換されていてもよいアシ
ル基」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換さ
れていてもよいヒドロキシ基」、「置換されていてもよ
いチオール基」、「エステル化もしくはアミド化されて
いてもよいカルボキシル基」などが挙げられる。「ハロ
ゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素
が挙げられ、なかでもフッ素および塩素が好ましい。
【0011】「置換されていてもよい脂肪族炭化水素
基」における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜1
5の直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。アルキル基の好適な例としては、炭素数1〜10の
アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec.-ブチル、t.-ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチ
ルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチ
ルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチル
ブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシルなどが挙げられる。アルケニル基の好適な例
としては、炭素数2〜10のアルケニル基、例えばエテ
ニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−
1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブ
テニル、3−メチルー2−ブテニル、1−ペンテニル、
2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4
−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキ
セニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテ
ニルなどが挙げられる。アルキニル基の好適な例として
は炭素数2〜10のアルキニル基、例えばエチニル、1
−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブ
チニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニ
ル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニ
ル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニ
ル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル
などが挙げられる。
【0012】「置換されていてもよい脂肪族炭化水素
基」における置換基としては、例えば炭素数3〜10の
シクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基(例、
フェニル、ナフチルなど)、芳香族複素環基(例、チエ
ニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリルな
ど)、非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モ
ルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジニ
ル、ピペラジニルなど)、炭素数7〜9のアラルキル
基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基あるいは炭素
数2〜8のアシル基(例、アルカノイル基など)でモノ
あるいはジ置換されたアミノ基、アミジノ基、炭素数2
〜8のアシル基(例、アルカノイル基など)、カルバモ
イル基、炭素数1〜4のアルキル基でモノあるいはジ置
換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1
〜4のアルキル基でモノあるいはジ置換されたスルファ
モイル基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアルコキシ
カルボニル基、ヒドロキシ基、1〜3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されて
いてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、1〜3個のハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で
置換されていてもよい炭素数2〜5のアルケニルオキシ
基、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭素数7
〜9のアラルキルオキシ基、炭素数6〜14のアリール
オキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシな
ど)、チオール基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよい
炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数7〜9のアラル
キルチオ基、炭素数6〜14のアリールチオ基(例、フ
ェニルチオ、ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ
基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられ
る。置換基の数は、例えば1〜3個である。
【0013】「置換されていてもよい脂環式炭化水素
基」における脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜1
2の飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシク
ロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエ
ニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の好適な例と
しては、炭素数3〜10のシクロアルキル基、例えばシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ
[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オク
チル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ
[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニ
ル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.
3.1]デシルなどが挙げられる。シクロアルケニル基
の好適な例としては、炭素数3〜10のシクロアルケニ
ル基、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シク
ロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イ
ル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
シクロアルカジエニル基の好適な例としては、炭素数4
〜10のシクロアルカジエニル基、例えば2,4−シク
ロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエ
ン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル
などが挙げられる。「置換されていてもよい芳香族炭化
水素基」における芳香族炭化水素基の好適な例として
は、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基(例、アリール
基等)、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェ
ナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリルなどが挙
げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチ
ルなどが好ましい。
【0014】「置換されていてもよい芳香族複素環基」
における芳香族複素環基の好適な例としては、例えばフ
リル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサ
ゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、
ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリ
ル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,
2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾ
リル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダ
ジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの、環構成原子
として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原
子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5〜
7員の芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、
イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリ
ル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミ
ダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1
H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シ
ンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボニリル、β−カルボニリル、γ−カ
ルボニリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピ
リダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダ
ゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピ
リジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダ
ゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾ
ロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−b]ピリダジニルなどの、環構成原子として
炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から
選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する炭素数3〜
13の2環性または3環性芳香族縮合複素環などが挙げ
られる。
【0015】「置換されていてもよい非芳香族複素環
基」における非芳香族複素環基の好適な例としては、環
構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子およ
び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含有
する炭素数2〜10の非芳香族複素環基、例えばオキシ
ラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピ
ロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニ
ル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、
ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリ
ノなどが挙げられる。前記「置換されていてもよい脂環
式炭化水素基」、「置換されていてもよい芳香族炭化水
素基」、「置換されていてもよい芳香族複素環基」およ
び「置換されていてもよい非芳香族複素環基」における
置換基としては、例えば1〜3個のハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていても
よい炭素数1〜6のアルキル基、1〜3個のハロゲン原
子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換され
ていてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜
10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基
(例、フェニル、ナフチルなど)、芳香族複素環基
(例、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チ
アゾリルなど)、非芳香族複素環基(例、テトラヒドロ
フリル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ピ
ロリジニル、ピペラジニルなど)、炭素数7〜9のアラ
ルキル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基あるい
は炭素数2〜8のアシル基(例、アルカノイル基など)
でモノあるいはジ置換されたアミノ基、アミジノ基、炭
素数2〜8のアシル基(例、アルカノイル基など)、カ
ルバモイル基、炭素数1〜4のアルキル基でモノあるい
はジ置換されたカルバモイル基、スルファモイル基、炭
素数1〜4のアルキル基でモノあるいはジ置換されたス
ルファモイル基、カルボキシル基、炭素数2〜8のアル
コキシカルボニル基、ヒドロキシ基、1〜3個のハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換
されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、1〜3
個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)で置換されていてもよい炭素数2〜5のアルケニル
オキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキルオキシ基、炭
素数7〜9のアラルキルオキシ基、炭素数6〜14のア
リールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ
など)、チオール基、1〜3個のハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよ
い炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数7〜9のアラ
ルキルチオ基、炭素数6〜14のアリールチオ基(例、
フェニルチオ、ナフチルチオなど)、スルホ基、シアノ
基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられ
る。置換基の数は、例えば1〜3個である。
【0016】「置換されていてもよいアシル基」におけ
るアシル基としては、炭素数1〜13のアシル基、具体
的にはホルミルの他、式: −COR12,−SO
212,−SOR12または−PO31213 [式中、R
12およびR13は、同一または異なって炭化水素基または
芳香族複素環基を示す]で表される基などが挙げられ
る。R12またはR13で示される炭化水素基としては、例
えば前記R1において例示した炭化水素基が挙げられ
る。なかでも、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニ
ル基、炭素数3〜10のシクロアルケニル基、炭素数6
〜12のアリール基が好ましい。R12またはR13で示さ
れる芳香族複素環基としては、例えば前記R1において
例示した芳香族複素環基が挙げられる。なかでも、チエ
ニル、フリル、ピリジルなどが好ましい。アシル基の好
適な例としては、例えばアセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロ
イル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、シ
クロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル、
クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイ
ル、ニコチノイル、イソニコチノイルなどが挙げられ
る。該アシル基は、置換可能な位置に1〜3個の置換基
を有していてもよく、このような置換基としては、例え
ば1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、ヨウ素
など)で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、ハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、
ニトロ、ヒドロキシ、アミノ等が挙げられる。
【0017】「置換されていてもよいアミノ基」として
は、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜1
0のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル
基、炭素数3〜10のシクロアルケニル基、炭素数1〜
13のアシル基または炭素数6〜12のアリール基等で
モノまたはジ置換されていてもよいアミノ基が挙げられ
る。ここで、アシル基としては、前記したアシル基と同
様のものが挙げられ、好ましくは炭素数2〜10のアル
カノイル基、炭素数7〜13のアリールカルボニル基等
である。置換されたアミノ基としては、例えばメチルア
ミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミ
ノ、シクロヘキシルアミノ、アセチルアミノ、プロピオ
ニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノ、N−
メチル−N−フェニルアミノ等が挙げられる。
【0018】「置換されていてもよいヒドロキシ基」と
しては、例えばそれぞれ置換されていてもよい炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、
炭素数7〜10のアラルキル、炭素数1〜13のアシル
基または炭素数6〜12のアリール基で置換されていて
もよいヒドロキシ基が挙げられる。これら「炭素数1〜
10のアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル
基」、「炭素数7〜10のアラルキル基」、「炭素数1
〜13のアシル基」および「炭素数6〜12のアリール
基」が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒ
ドロキシ基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられる。置換
基の数は、例えば1ないし2個である。置換されたヒド
ロキシ基としては、例えばそれぞれ置換されていてもよ
いアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アラルキルオキ
シ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられ
る。
【0019】アルコキシ基の好適な例としては、炭素数
1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec.−ブトキシ、t.−ブトキシ、ペンチルオキシ、
イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキ
シ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなど
が挙げられる。アルケニルオキシ基の好適な例として
は、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリ
ル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2−ペンテニル
オキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シクロペンテニル
メトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシなどが挙げら
れる。アラルキルオキシ基の好適な例としては、炭素数
7〜10のアラルキルオキシ基、例えばフェニル−C
1-4アルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチル
オキシなど)等が挙げられる。アシルオキシ基の好適な
例としては、炭素数2〜13のアシルオキシ基、さらに
好ましくは炭素数2〜4のアルカノイルオキシ(例、ア
セチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、
イソブチリルオキシなど)等が挙げられる。アリールオ
キシ基の好適な例としては、炭素数6〜14のアリール
オキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げ
られる。
【0020】上記したアルコキシ基、アルケニルオキシ
基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基およびアリー
ルオキシ基は、置換可能な位置に1ないし2個の置換基
を有していてもよく、このような置換基としては、例え
ばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよいC1-6アルコ
キシ基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ等が挙げられる。
例えば置換されたアリールオキシ基としては、例えば4
−クロロフェノキシ、2−メトキシフェノキシ等が挙げ
られる。
【0021】置換されていてもよいチオール基として
は、例えば炭素数1〜10のアルキル、炭素数3〜10
のシクロアルキル、炭素数7〜10のアラルキル、炭素
数2〜13のアシル、炭素数6〜14のアリール、ヘテ
ロアリールなどで置換されていてもよいチオール基が挙
げられる。置換されたチオール基としては、例えばアル
キルチオ、シクロアルキルチオ、アラルキルチオ、アシ
ルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオなどが挙げ
られる。アルキルチオ基の好適な例としては、炭素数1
〜10のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イ
ソブチルチオ、sec.−ブチルチオ、t.−ブチルチオ、ペ
ンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘ
キシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等が挙げられ
る。シクロアルキルチオ基の好適な例としては、炭素数
3〜10のシクロアルキルチオ基、例えばシクロブチル
チオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等が挙
げられる。アラルキルチオ基の好適な例としては、炭素
数7〜10のアラルキルチオ基、例えばフェニル−C
1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ
など)等が挙げられる。アシルチオ基の好適な例として
は、炭素数2〜13のアシルチオ基、さらに好ましくは
炭素数2〜4のアルカノイルチオ基(例、アセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチ
オなど)等が挙げられる。アリールチオ基の好適な例と
しては、炭素数6〜14のアリールチオ基、例えばフェ
ニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。ヘテロアリー
ルチオ基の好適な例としては、2−ピリジルチオ、3−
ピリジルチオなどの他に2−イミダゾリルチオ、1,
2,4−トリアゾール−5−イルチオ等が挙げられる。
【0022】エステル化されていてもよいカルボキシル
基において、エステル化されたカルボキシル基として
は、例えば炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど)、炭素数
8〜10のアラルキルオキシカルボニル基(例、ベンジ
ルオキシカルボニルなど)、1ないし2個の炭素数1〜
3のアルキル基で置換されていてもよい炭素数7〜15
のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボ
ニル、p−トリルオキシカルボニルなど)等が挙げられ
る。
【0023】アミド化されていてもよいカルボキシル基
において、アミド化されたカルボキシル基としては、
式:−CON(R14)(R15) (式中、R14およびR15は同一または異なって、水素原
子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されて
いてもよい複素環基を示す。)で表される基が挙げられ
る。ここで、R14およびR15で示される「置換されてい
てもよい炭化水素基」における炭化水素基としては、R
1で示される「置換されていてもよい炭化水素基」にお
ける炭化水素基として例示した脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基および芳香族炭化水素基が挙げられる。ま
た、R14およびR15で示される「置換されていてもよい
複素環基」における複素環基としては、R1で示される
「置換されていてもよい複素環基」における複素環基と
して例示したものが挙げられる。該炭化水素基および複
素環基は、置換可能な位置に1〜3個の置換基を有して
いてもよく、このような置換基としては、例えばハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)で置換されていてもよいC1-6アルキル基、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、ニ
トロ、ヒドロキシ、アミノなどが挙げられる。
【0024】一般式(I)および(II)中、R1で示さ
れる炭化水素基および複素環基における置換基は、好ま
しくは 1)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノか
ら選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数
1〜10(好ましくは1〜4)のアルキル基; 2)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素
数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよび
アミノから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよ
い炭素数3〜10(好ましくは3〜7)のシクロアルキ
ル基; 3)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素
数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよび
アミノから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよ
い芳香族複素環基(好ましくはフリル、チエニルな
ど); 4)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素
数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよび
アミノから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよ
い炭素数6〜14のアリール基(好ましくは、フェニ
ル、ナフチルなど)などである。置換基の数は、例えば
1〜3個、好ましくは1または2個である。置換基は、
さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、フリル、
チエニル、フェニル、ナフチルなどである。
【0025】(1−4)R1の好ましい例 一般式(I)および(II)中、R1は、好ましくは置換
されていてもよい複素環基または置換されていてもよい
環状炭化水素基である。R1は、さらに好ましくは置換
されていてもよい複素環基である。ここで、複素環基と
しては、ベンゼン環と縮合していてもよい含窒素芳香族
5または6員複素環基(好ましくはフリル、チエニル、
ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、
チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾ
リル)が好ましい。なかでも、フリル、チエニル、ピリ
ジル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チア
ゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベン
ゾチアゾリル、キノリル、ピラゾリルなどが好ましい。
前記した複素環基または環状炭化水素基が有していても
よい置換基の好適な例としては、例えば1)1〜3個の
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)
で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、1
〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコ
キシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれ
る1〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよいフリ
ル、チエニル、フェニルまたはナフチル;2)1〜3個
のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる1
〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよい炭素数1〜
4のアルキル基または炭素数3〜7のシクロアルキルな
どが挙げられる。置換基の数は、例えば1または2個で
ある。
【0026】R1は、特に好ましくは炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、フリル、
チエニル、ピリジル、フェニルおよびナフチルから選ば
れる1ないし2個の置換基をそれぞれ有していてもよい
ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリルま
たはピラゾリルである。
【0027】(2)Xの定義 一般式(I)および(II)中、Xは結合手、酸素原子、
硫黄原子、−CO−、−CS−、−CR6(OR7)−ま
たは−NR8−(R6およびR8は水素原子または置換さ
れていてもよい炭化水素基を、R7は水素原子または水
酸基の保護基を示す)で示される基を示すが、結合手、
−CR6(OR7)−または−NR8−(記号は前記と同
意義を示す)が好ましく、さらに結合手または−NR8
−(記号は前記と同意義を示す)が好ましい。Xは、特
に好ましくは結合手である。ここにおいて、R6および
8で示される「置換されていてもよい炭化水素基」と
しては、前記R1として例示した「置換されていてもよ
い炭化水素基」が挙げられる。該「置換されていてもよ
い炭化水素基」は、好ましくは、置換されていてもよい
炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec.-
ブチル、t.-ブチルなどである。該アルキル基は、置換
可能な位置に1〜3個の置換基を有していてもよく、こ
のような置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4のアルコキ
シ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ、t.
−ブトキシなど)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、炭素
数1〜4のアシル基(例、ホルミル、アセチル、プロピ
オニルなどの炭素数1〜4のアルカノイル基)などが挙
げられる。
【0028】R7で示される水酸基の保護基としては、
例えば、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、
フェニル、トリチル、C7-10アラルキル(例、ベンジル
など)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例、
アセチル、プロピオニルなど)、ベンゾイル、C7-10
ラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニルな
ど)、2−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフ
ラニル、シリル(例、トリメチルシリル、トリエチルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメ
チルシリル、tert−ブチルジエチルシリルなど)、
2-6アルケニル(例、1−アリルなど)などが挙げら
れる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アル
キル(例、メチル、エチル、プロピルなど)、C1-6
ルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)
またはニトロなどで置換されていてもよい。
【0029】(3)nおよびYの定義 一般式(I)および(II)中、nは0ないし3の整数を
示すが、好ましくは1ないし3の整数、さらに好ましく
は1または2である。一般式(I)および(II)中、Y
は酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−NR8
−、−CONR8−または−NR8CO−(R8は水素原
子または置換されていてもよい炭化水素基を示す)で示
される基を示すが、酸素原子、硫黄原子または−NR8
−(記号は前記と同意義を示す)が好ましい。Yは、特
に好ましくは酸素原子である。
【0030】(4)環Aの定義 一般式(I)および(II)中、環Aで示される「1ない
し3個の置換基をさらに有していてもよい複素環」にお
ける「複素環」としては、例えば5または6員芳香族複
素環、5または6員非芳香族複素環、縮合芳香族複素環
などが挙げられる。該「5または6員芳香族複素環」と
しては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子お
よび酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし3個含
む5または6員芳香族複素環などが挙げられる。具体的
には、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、
ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オ
キサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チア
ジアゾール、フラザンなどが挙げられる。「5または6
員非芳香族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に
窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ
原子を1ないし3個含む5または6員非芳香族複素環な
どが挙げられる。具体的には、ピロリジン、イミダゾリ
ジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホ
リン、チオモルホリンなどが挙げられる。
【0031】「縮合芳香族複素環」としては、例えば、
炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から
選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む9ないし14員
(好ましくは9または10員)の縮合芳香族複素環など
が挙げられる。具体的には、ベンゾフラン、ベンゾチオ
フェン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベ
ンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−
b]チオフェン、イソキノリン、キノリン、インドール、
キノキサリン、フェナントリジン、フェノチアジン、フ
ェノキサジン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリ
ン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、アク
リジン、フェナジン、フタルイミドなどが挙げられる。
【0032】環Aで示される「1ないし3個の置換基を
さらに有していてもよい炭化水素環」における「炭化水
素環」としては、例えばベンゼン環、炭素数5〜11の
シクロアルカン、炭素数9ないし14の縮合芳香族炭化
水素環などが挙げられる。「炭素数5〜11のシクロア
ルカン」としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキ
サン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナ
ン、シクロデカン、シクロウンデカンなどが挙げられ
る。「炭素数9ないし14の縮合芳香族炭化水素環」と
しては、例えばナフタレン、インデン、フルオレン、ア
ントラセンなどが挙げられる。環Aは、好ましくは「そ
れぞれ1ないし3個の置換基をさらに有していてもよい
5または6員芳香族複素環(好ましくはピリジン、イソ
オキサゾールなど)または炭素数9ないし14の縮合芳
香族炭化水素環(好ましくはナフタレンなど)」であ
る。
【0033】環Aで示される「それぞれ1ないし3個の
置換基をさらに有していてもよい複素環または炭化水素
環」における「置換基」としては、置換されていてもよ
い脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキル基)、置換さ
れていてもよいヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換され
ていてもよいアシル基、ニトロ基、および置換されてい
てもよいアミノ基などが挙げられる。これら置換基は、
いずれもR1における置換基として例示したものが用い
られる。該置換基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子
である。環Aは、好ましくは「1ないし3個の置換基を
それぞれさらに有していてもよいピリジン環またはナフ
タレン環」であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン
原子から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれさら
に有していてもよいピリジン環またはナフタレン環であ
る。
【0034】(5)pの定義 一般式(I)および(II)中、pは1ないし8の整数を
示し、好ましくは1ないし3の整数である。
【0035】(6)R2の定義 一般式(I)および(II)中、R2で示される「置換さ
れていてもよい炭化水素基」および「置換されていても
よい複素環基」としては、それぞれR1として例示した
「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換され
ていてもよい複素環基」が挙げられる。R2は、好まし
くは置換されていてもよい炭化水素基である。該炭化水
素基は、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(例、フェニル、ナフチルなど)である。該炭化水素基
が有していてもよい置換基は、好ましくはハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、1〜3個のハロ
ゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換さ
れていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個の
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置
換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素
数6〜14のアリールオキシ基、芳香族複素環基(例、
フリル、チエニル)などである。置換基の数は、例えば
1〜3個である。R2は、さらに好ましくはハロゲン原
子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、1〜3個のハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換
されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個
のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で
置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭
素数6〜14のアリールオキシ基および芳香族複素環基
(例、フリル、チエニル)から選ばれる1〜3個の置換
基を有していてもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素
基(例、フェニル、ナフチルなど)である。R2は、特
に好ましくはフェニルなどである。
【0036】(7)qおよびmの定義 一般式(I)および(II)中、qは0ないし6の整数を
示し、好ましくは0ないし4の整数である。mは0また
は1である。
【0037】(8)R3の定義 一般式(I)および(II)中、R3は−OR9(R9は水
素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示す)
または−NR1011(R10およびR11は同一または異な
って水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換
されていてもよい複素環基、または置換されていてもよ
いアシル基を示し、またR10およびR11は結合して環を
形成していてもよい)で示される基である。R9で示さ
れる「置換されていてもよい炭化水素基」としては、R
1として例示した「置換されていてもよい炭化水素基」
が挙げられる。該「置換されていてもよい炭化水素基」
は、好ましくは「炭素数1〜4のアルキル基」、「炭素
数1〜4のアルキル基およびハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)から選ばれる置換基を1〜3
個有していてもよい炭素数6〜10のアリール基」など
である。ここで、「炭素数1〜4のアルキル基」として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチルなどが挙げられ、な
かでもメチル、エチルが好ましい。「ハロゲン原子」と
しては、塩素が好ましい。「炭素数6〜10のアリール
基」としてはフェニル、ナフチルが挙げられ、なかでも
フェニルが好ましい。
【0038】R10およびR11で示される「置換されてい
てもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複
素環基」としては、それぞれR1として例示した「置換
されていてもよい炭化水素基」および「置換されていて
もよい複素環基」が挙げられる。R10およびR11で示さ
れる「置換されていてもよいアシル基」としては、R1
における置換基として例示した「置換されていてもよい
アシル基」が挙げられる。R10とR11とが結合して形成
する環としては、例えば5〜7員の環状アミノ基、好ま
しくは1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ヘキ
サメチレンイミニル、4−モルホリノ、4−チオモルホ
リノなどが挙げられる。R10およびR11は、好ましくは
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基(例、メチ
ル、エチル)である。R3は、好ましくは−OR9(記号
は前記と同意義を示す)で示される基であり、 R9は、
好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
(例、メチル、エチル)である。
【0039】(9)R4およびR5の定義 一般式(I)および(II)中、R4およびR5は同一また
は異なって水素原子、置換されていてもよい炭化水素基
をそれぞれ示し、またR4はR2と結合して環を形成して
いてもよい。R4およびR5で示される「置換されていて
もよい炭化水素基」としては、前記R1として例示した
「置換されていてもよい炭化水素基」が挙げられる。な
かでも、前記R6およびR8と同様の「置換されていても
よい炭素数1〜4のアルキル基」が好ましい。R4とR2
とが結合して形成する環としては、例えば炭素数5〜1
1のシクロアルカン、炭素数5〜11のシクロアルケン
などが挙げられる。なかでも、シクロペンタン、シクロ
ペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘ
プタン、シクロヘプテン、シクロオクタン、シクロオク
テン、シクロノナン、シクロノネン、シクロデカン、シ
クロデケン、シクロウンデカン、シクロウンデケンなど
が好ましい。R4およびR5は、同一または異なって水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ま
しい。
【0040】(10)Y1の定義 一般式(II)中、Y1で示される「置換されていてもよ
い主鎖の原子数が1ないし8の2価の炭化水素残基」に
おける「主鎖の原子数が1ないし8の2価の炭化水素残
基」としては、例えば「2価の非環式炭化水素残基」お
よび「2価の環式炭化水素残基」が挙げられる。「2価
の非環式炭化水素残基」としては、炭素数1ないし8の
アルキレン、炭素数2ないし8のアルケニレン、炭素数
2ないし8のアルキニレンなどが挙げられる。「2価の
環式炭化水素残基」としては、炭素数5ないし8のシク
ロアルカン、炭素数5ないし8のシクロアルケンまたは
炭素数6ないし14の芳香族炭化水素(例、ベンゼン、
ナフタレン、インデン、アントラセンなど)から任意の
2個の水素原子を除いて得られる2価基などが挙げられ
る。具体例としては、1,2−シクロペンチレン、1,
3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、
1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレ
ン、1,2−シクロヘプチレン、1,3−シクロヘプチ
レン、1,4−シクロヘプチレン、3−シクロヘキセン
−1,4−イレン、3−シクロヘキセン−1,2−イレ
ン、2,5−シクロヘキサジエン−1,4−イレン、
1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フ
ェニレン、1,4−ナフチレン、1,6−ナフチレン、
2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、1,5−イ
ンデニレン、2,5−インデニレンなどが挙げられる。
なお、「主鎖の原子数」は、A環と「O−N」との間に
存在する原子の数が最小となるように数えるものとす
る。例えば、2価の炭化水素残基が、1,2−シクロペ
ンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,4−フェニ
レン、2,5−ナフチレン、2,6−ナフチレンである
場合、主鎖の原子数は、それぞれ2,3,4、5、6と
して数える。
【0041】「主鎖の原子数が1ないし8の2価の炭化
水素残基」は、好ましくは (1)C1-8アルキレン(例えば、−CH2−、−(CH2)2−、−
(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(C
H2)7−、−(CH2)8−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−(C
H(CH3))2−、−(CH2)2 C(CH3)2−、−(CH2)3 C(CH3)2
など); (2)C2-8アルケニレン(例えば、−CH=CH−、−CH2−CH
=CH−、−C(CH3)2−CH=CH−、−CH2−CH=CH−CH
2−、−CH2−CH2−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−、−C
H=CH−CH2−CH2−CH2−など);または (3)C2-8アルキニレン、(例えば、−C≡C−、−CH2−C≡
C−、−CH2−C≡C−CH2−CH2−など)であり、さらに好
ましくは−(CH2)p− (記号は前記と同意義を示す)で
ある。「置換されていてもよい主鎖の原子数が1ないし
8の2価の炭化水素残基」における「置換基」として
は、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよいC
1-6アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ等が挙
げられる。置換基の数は、例えば1〜3個である。Y1
は好ましくは−(CH2)p− (記号は前記と同意義を示
す)である。
【0042】(11)(E)体および/または(Z)体
化合物 一般式(I)および(II)で表される化合物には、イミ
ノ結合に関し、(E)体および(Z)体が存在する。該
化合物は、これら(E)体および(Z)体の単独および
これらの混合物を含む。なお、一般式(I)において、
環Aが置換されていてもよいインドールであるとき、Y
は酸素原子または硫黄原子でなく;Yが酸素原子、硫黄
原子、−SO−、−SO2−または−NR8−(記号は前
記と同意義を示す)である時、環Aは置換基を有してい
てもよいベンゼン環でなく;Yが酸素原子であり、環A
がそれぞれ置換されていてもよい4−ピロン、4−ピリ
ドン(互変異性体である4−ヒドロキシピリジンを含
む)またはピリジン−N−オキサイドであるとき、R2
はそれぞれ保護されていてもよいアミノ基で置換された
チアゾールまたはチアジアゾールでない。また、一般式
(II)において、Yが酸素原子、硫黄原子、−SO−、
−SO2−または−NR8−(R8は前記と同意義を示
す)であるとき、環Aは置換基を有していてもよいベン
ゼン環でない。
【0043】(12)好ましい化合物 一般式(I)で表される化合物の好適な例としては、以
下の化合物などが挙げられる。R1が1)1〜3個のハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で
置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキ
シ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる
1〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよいフリル、
チエニル、フェニルまたはナフチル;および2)1〜3
個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ
基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる1
〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよい炭素数1〜
4のアルキル基または炭素数3〜7のシクロアルキルか
ら選ばれる1または2個の置換基を有していてもよく、
ベンゼン環と縮合していてもよい含窒素芳香族5または
6員複素環基(好ましくはフリル、チエニル、ピリジ
ル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾ
リル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリ
ル);Xが、結合手または−NR8−(R8が水素原子ま
たは炭素数1〜4のアルキル基);nが1または2;Y
が酸素原子、硫黄原子または−NR8−(R8が水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基);環Aが炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基およびハ
ロゲン原子から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞ
れさらに有していてもよい5または6員芳香族複素環
(好ましくはピリジン、イソオキサゾールなど)または
炭素数9ないし14の縮合芳香族炭化水素環(好ましく
はナフタレンなど);pが1ないし3の整数;R2がハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、1〜
3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル
基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素)で置換されていてもよい炭素数1〜4のア
ルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基および
芳香族複素環基(例、フリル、チエニル)から選ばれる
1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14の
芳香族炭化水素基(例、フェニル、ナフチルなど);q
が0ないし4の整数;mが0または1;R4およびR5
同一または異なって水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基;R3が−OR9(R9が水素原子、「炭素数1〜
4のアルキル基」または「炭素数1〜4のアルキル基お
よびハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい炭素数
6〜10のアリール基」)またはNR910(R9および
10が同一または異なって、水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基)である化合物。
【0044】一般式(II)で表される化合物の好適な例
としては、以下の化合物などが挙げられる。R1が1)
1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6のアル
キル基、1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜
6のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノ
から選ばれる1〜3個の置換基をそれぞれ有していても
よいフリル、チエニル、フェニルまたはナフチル;およ
び2)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)で置換されていてもよい炭素数1〜6
のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素など)、ニトロ、ヒドロキシおよびアミノか
ら選ばれる1〜3個の置換基をそれぞれ有していてもよ
い炭素数1〜4のアルキル基または炭素数3〜7のシク
ロアルキルから選ばれる1または2個の置換基を有して
いてもよく、ベンゼン環と縮合していてもよい含窒素芳
香族5または6員複素環基(好ましくはフリル、チエニ
ル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリ
ル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピ
ラゾリル);Xが、結合手または−NR8−(R8が水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基);nが1または
2;Yが酸素原子、硫黄原子または−NR8−(R8が水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基);環Aが炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基お
よびハロゲン原子から選ばれる1ないし3個の置換基を
それぞれさらに有していてもよい5または6員芳香族複
素環(好ましくはピリジン、イソオキサゾールなど)ま
たは炭素数9ないし14の縮合芳香族炭化水素環(好ま
しくはナフタレンなど);Y1がハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)、1〜3個のハロゲン原
子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)で置換され
ていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ、ニトロ
およびアミノから選ばれる1〜3個の置換基をそれぞれ
有していてもよいC1-8アルキレン、C2-8アルケニレンま
たはC2-8アルキニレン[Y1は好ましくは−(CH2)p
(pは1ないし3の整数)];R2がハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、1〜3個のハロ
ゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換さ
れていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個の
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置
換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素
数6〜14のアリールオキシ基および芳香族複素環基
(例、フリル、チエニル)から選ばれる1〜3個の置換
基を有していてもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素
基(例、フェニル、ナフチルなど);qが0ないし4の
整数;mが0または1;R4およびR5が同一または異な
って水素原子または炭素数1〜4のアルキル基;R3
−OR9(R9が水素原子、「炭素数1〜4のアルキル
基」または「炭素数1〜4のアルキル基およびハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)から選ばれる
置換基を1〜3個有していてもよい炭素数6〜10のア
リール基」)またはNR910(R9およびR10が同一ま
たは異なって、水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基)である化合物。
【0045】(13)塩 一般式(I)または(II)で表される化合物(以下、そ
れぞれ化合物(I)または(II)と略記することがあ
る)の塩としては、薬理学的に許容される塩が好まし
く、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸と
の塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩
などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例として
は、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金
属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土
類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩な
どが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、
例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げ
られる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩
酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げ
られる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒
石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との
塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オ
ルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩
の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミ
ン酸などとの塩が挙げられる。上記した塩の中でもナト
リウム塩、カリウム塩、塩酸塩などが好ましい。
【0046】(14)プロドラッグなど 化合物(II)のプロドラッグは、生体内における生理条
件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(II)に変
換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解
等を起こして化合物(II)に変化する化合物、胃酸等に
より加水分解などを起こして化合物(II)に変化する化
合物をいう。化合物(II)のプロドラッグとしては、化
合物(II)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸
化された化合物(例、化合物(II)のアミノ基がエイコ
サノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ
ニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル
化、tert−ブチル化された化合物など);化合物
(II)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほ
う酸化された化合物(例、化合物(II)の水酸基がアセ
チル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル
化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチル
アミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物
(II)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された
化合物(例、化合物(II)のカルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチル
エステル化、メチルアミド化された化合物など);等が
挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって
化合物(II)から製造することができる。また、化合物
(II)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬
品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載
されているような、生理的条件で化合物(II)に変化す
るものであってもよい。化合物(I)のプロドラッグと
しては、化合物(II)のプロドラッグと同様のものが挙
げられる。また、化合物(I)および化合物(II)は、
同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識さ
れていてもよい。さらに、化合物(I)および化合物(I
I)は、無水物であっても、水和物であってもよい。
【0047】(15)処方 化合物(I)、(II)およびこれらの塩(以下、単に本
発明化合物と略記することがある)は、毒性が低く、そ
のまま、または薬理学的に許容し得る担体などと混合し
て医薬組成物とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、
マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブ
タ、サル等)に対して、後述する各種疾患の予防・治療
剤として用いることができる。
【0048】ここにおいて、薬理学的に許容される担体
としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機
担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢
剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助
剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして
配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着
色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マ
ンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプ
ン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽
質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸ア
ルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤の好適
な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙
げられる。結合剤の好適な例としては、例えばα化デン
プン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マ
ンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ
る。崩壊剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、デ
ンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウ
ム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケ
イ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙
げられる。
【0049】溶剤の好適な例としては、例えば注射用
水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウ
モロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。溶
解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、D−マンニトール、ト
レハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスア
ミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、
炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナト
リウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の
好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールア
ミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピ
オン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼ
トニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性
剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの
親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マン
ニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられ
る。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられ
る。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアル
コールなどが挙げられる。
【0050】防腐剤の好適な例としては、例えばパラオ
キシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジル
アルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソ
ルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例として
は、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられ
る。着色剤の好適な例としては、例えば水溶性食用ター
ル色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号お
よび5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水
不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のア
ルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、ク
ロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。甘味剤
の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グ
リチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビアな
どが挙げられる。
【0051】(16)投与形態 医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤
(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒
剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;お
よび注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注
射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与製
剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣
坐剤など)、ペレット、点滴剤、徐放性製剤等の非経口
剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口
的に安全に投与できる。医薬組成物は、製剤技術分野に
おいて慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等に
より製造することができる。以下に、製剤の具体的な製
造法について詳述する。
【0052】例えば、経口剤は、有効成分に、例えば賦
形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトールな
ど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴ
ム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピル
セルロース,ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤
(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ポリエチレ
ングリコール6000など)などを添加して圧縮成形
し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるい
は持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体
公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性
フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティン
グ基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げら
れる。糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タ
ルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、
プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2
種以上を併用してもよい。水溶性フィルムコーティング
基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチル
アミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プ
ルランなどの多糖類などが挙げられる。
【0053】腸溶性フィルムコーティング基剤として
は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタ
レート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテ
ートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロー
ス、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分
子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL
(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポ
リマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品
名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマー
S〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕
などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物など
が挙げられる。徐放性フィルムコーティング基剤として
は、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分
子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS
〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ
社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合
体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割
合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際
に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を
用いてもよい。
【0054】注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソ
ルベート80,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60な
ど),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセル
ロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メ
チルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコー
ル,クロロブタノール,フェノールなど)、等張化剤
(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−マンニトー
ル,D−ソルビトール,ブドウ糖など)などと共に水性
溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)ある
いは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,トウ
モロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)な
どに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造され
る。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナ
トリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清
アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール
等)等の添加物を用いてもよい。
【0055】(17)剤 本発明化合物は、インスリン抵抗性改善剤、インスリン
感受性増強剤、レチノイド関連受容体機能調節剤、ペル
オキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド、レチノイド
X受容体リガンドなどとして使用できる。ここでいう機
能調節剤とは、アゴニストおよびアンタゴニストの両方
を意味する。該機能調節剤は、部分アゴニスト(パーシ
ャルアゴニスト)または部分アンタゴニスト(パーシャ
ルアンタゴニスト)であってもよい。好ましくはアゴニ
ストである。本発明化合物は、血糖低下作用、血中脂質
低下作用、血中インスリン低下作用、インスリン抵抗性
改善作用、インスリン感受性増強作用およびレチノイド
関連受容体機能調節活性を有する。ここで、レチノイド
関連受容体とは、核内レセプターに含まれ、脂溶性ビタ
ミンなどのシグナル分子をリガンドとするDNA結合性
の転写因子であり、これらは単量体型受容体、ホモ二量
体型受容体およびヘテロ二量体型受容体のいずれであっ
てもよい。ここで、単量体型受容体としては、例えばレ
チノイドO受容体(以下、RORと略記することがあ
る)α(GenBank Accession No. L14611)、RORβ
(GenBank Accession No. L14160)、RORγ(GenBan
k Accession No. U16997);Rev−erb α(GenB
ank Accession No. M24898)、Rev−erb β(Ge
nBank Accession No. L31785);ERRα(GenBank Ac
cession No. X51416)、ERRβ(GenBank Accession
No. X51417);Ftz−FI α(GenBank Accession
No. S65876)、Ftz−FI β(GenBank Accession
No. M81385);TIx(GenBank Accession No. S7748
2);GCNF(GenBank Accession No. U14666)など
が挙げられる。ホモ二量体型受容体としては、例えばレ
チノイドX受容体(以下、RXRと略記することがあ
る)α(GenBank Accession No. X52773)、RXRβ
(GenBankAccession No. M84820)、RXRγ(GenBank
Accession No. U38480);COUPα(GenBank Acces
sion No. X12795)、COUPβ(GenBank Accession N
o.M64497)、COUPγ(GenBank Accession No. X127
94);TR2α(GenBankAccession No. M29960)、T
R2β(GenBank Accession No. L27586);またはHN
F4α(GenBank Accession No. X76930)、HNF4γ
(GenBank Accession No. Z49826)などが形成するホモ
二量体が挙げられる。
【0056】ヘテロ二量体型受容体としては、例えば上
記したレチノイドX受容体(RXRα、RXRβまたは
RXRγ)と、レチノイドA受容体(以下、RARと略
記することがある)α(GenBank Accession No. X0661
4)、RARβ(GenBank Accession No. Y00291)、R
ARγ(GenBank Accession No. M24857);甲状腺ホル
モン受容体(以下、TRと略記することがある)α(Ge
nBank Accession No. M24748)、TRβ(GenBank Acce
ssion No. M26747);ビタミンD受容体(VDR)(Ge
nBank Accession No. JO3258);ペルオキシソーム増殖
剤応答性受容体(以下、PPARと略記することがあ
る)α(GenBank Accession No. L02932)、PPARβ
(PPARδ)(GenBank Accession No. U10375)、P
PARγ(GenBank Accession No. L40904);LXRα
(GenBank Accession No. U22662)、LXRβ(GenBan
k Accession No. U14534);FXR(GenBank Accessio
n No.U18374);MB67(GenBank Accession No. L29
263);ONR(GenBank Accession No. X75163);お
よびNURα(GenBank Accession No. L13740)、NU
Rβ(GenBank Accession No. X75918)、NURγ(Ge
nBank Accession No. U12767)から選ばれる1種の受容
体とが形成するヘテロ二量体が挙げられる。
【0057】本発明化合物は、上記したレチノイド関連
受容体の中でも、とりわけレチノイドX受容体(RXR
α、RXRβ、RXRγ)およびペルオキシソーム増殖
剤応答性受容体(PPARα、PPARβ(PPAR
δ)、PPARγ)に対して優れたリガンド活性を有す
る。さらに、本発明化合物は、レチノイドX受容体とペ
ルオキシソーム増殖剤応答性受容体とが形成するヘテロ
二量体型受容体、好ましくはRXRαとPPARγとが
形成するヘテロ二量体型受容体におけるペルオキシソー
ム増殖剤応答性受容体に対して優れたリガンド活性を有
する。よって、本発明のレチノイド関連受容体リガンド
は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンドまた
はレチノイドX受容体リガンドとして好適に用いられ
る。
【0058】(18)対象疾患 本発明化合物および本発明の医薬組成物は、例えば糖尿
病(例、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病等)の予
防・治療剤;高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高
コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症等)
の予防・治療剤;インスリン抵抗性改善剤;インスリン
感受性増強剤;耐糖能不全[IGT(Impaired Glucos
e Tolerance)]の予防・治療剤;および耐糖能不全か
ら糖尿病への移行抑制剤として用いることができる。
【0059】糖尿病の判定基準については、1999年
に日本糖尿病学会から新たな判定基準が報告されてい
る。この報告によれば、糖尿病とは、空腹時血糖値(静
脈血漿におけるグルコース濃度)が126mg/dl以
上、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2
時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が200m
g/dl以上、随時血糖値(静脈血漿におけるグルコー
ス濃度)が200mg/dl以上のいずれかを示す状態
である。また、上記糖尿病に該当せず、かつ、「空腹時
血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が110m
g/dl未満または75g経口ブドウ糖負荷試験(75
gOGTT)2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃
度)が140mg/dl未満を示す状態」(正常型)で
ない状態を、「境界型」と呼ぶ。
【0060】また、糖尿病の判定基準については、19
97年にADA(米国糖尿病学会)から、1998年に
WHOから、新たな判定基準が報告されている。これら
の報告によれば、糖尿病とは、空腹時血糖値(静脈血漿
におけるグルコース濃度)が126mg/dl以上であ
り、かつ、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値(静脈
血漿におけるグルコース濃度)が200mg/dl以上
を示す状態である。また、上記報告によれば、耐糖能不
全とは、空腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃
度)が126mg/dl未満であり、かつ、75g経口
ブドウ糖負荷試験2時間値(静脈血漿におけるグルコー
ス濃度)が140mg/dl以上200mg/dl未満
を示す状態である。さらに、ADAの報告によれば、空
腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が11
0mg/dl以上126mg/dl未満の状態をIFG
(Impaired Fasting Glucose)と呼ぶ。一方、WHO
の報告によれば、該IFG(Impaired Fasting Gluco
se)のうち、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値(静
脈血漿におけるグルコース濃度)が140mg/dl未
満である状態をIFG(Impaired Fasting Glycemi
a)と呼ぶ。本発明化合物および本発明の医薬組成物
は、上記した新たな判定基準により決定される糖尿病、
境界型、耐糖能異常、IFG(Impaired Fasting Glu
cose)およびIFG(Impaired Fasting Glycemia)
の予防・治療剤としても用いられる。さらに、本発明化
合物および本発明の医薬組成物は、境界型、耐糖能異
常、IFG(Impaired Fasting Glucose)またはIF
G(Impaired Fasting Glycemia)から糖尿病への進
展を防止することもできる。
【0061】本発明化合物および本発明の医薬組成物
は、例えば糖尿病性合併症[例、神経障害、腎症、網膜
症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧
昏睡、感染症(例、呼吸器感染症、尿路感染症、消化器
感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症等)、糖尿病
性壊疽、口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血
行障害等]、肥満、骨粗鬆症、悪液質(例、癌性悪液
質、結核性悪液質、糖尿病性悪液質、血液疾患性悪液
質、内分泌疾患性悪液質、感染症性悪液質または後天性
免疫不全症候群による悪液質)、脂肪肝、高血圧、多嚢
胞性卵巣症候群、腎臓疾患(例、糖尿病性ネフロパシ
ー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高
血圧性腎硬化症、末期腎臓疾患等)、筋ジストロフィ
ー、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害(例、脳梗塞、脳卒
中)、インスリン抵抗性症候群、シンドロームX、高イ
ンスリン血症、高インスリン血症における知覚障害、腫
瘍(例、白血病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌等)、過敏性
腸症候群、急性または慢性下痢、内臓肥満症候群の予防
・治療剤としても用いることができる。また、本発明化
合物および本発明の医薬組成物は、消化性潰瘍、急性ま
たは慢性胃炎、胆道ジスキネジアー、胆のう炎等に伴う
腹痛、悪心、嘔吐、上腹部不快感などの症状の改善など
にも用いることができる。さらに、本発明化合物および
本発明の医薬組成物は、食欲を調整(亢進または抑制)
するため、例えば痩身、虚食症の治療剤(痩身または虚
食症の投与対象における体重増加)または肥満の治療剤
として用いることもできる。本発明化合物のうち、化合
物(I)は、炎症性疾患(例、慢性関節リウマチ、変形
性脊椎炎、変形性関節炎、腰痛、痛風、手術外傷後の炎
症、腫脹の緩解、神経痛、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非
アルコール性脂肪性肝炎を含む)、肺炎、膵炎、炎症性
大腸疾患、潰瘍性大腸炎等)などの予防・治療剤として
も用いることができる。また、化合物(I)は、総コレ
ステロール低下作用を有し、血漿抗動脈硬化指数[(H
DLコレステロール/総コレステロール)×100]を上
昇させるため、動脈硬化症(例、アテローム性動脈硬化
症等)などの予防・治療剤としても用いることができ
る。
【0062】本発明化合物および本発明の医薬組成物
は、TNF−αが関与する炎症性疾患の予防・治療薬と
しても用いられる。ここで、TNF−αが関与する炎症
性疾患とは、TNF−αの存在により発症し、TNF−
α抑制効果を介して治療され得る炎症性疾患である。こ
のような炎症性疾患としては、例えば糖尿病性合併症
(例、網膜症、腎症、神経障害、大血管障害など)、慢
性関節リウマチ、変形性脊椎症、変形性関節炎、腰痛、
痛風、手術・外傷後の炎症、腫脹の緩解、神経痛、咽喉
頭炎、膀胱炎、肝炎、肺炎、胃粘膜損傷(アスピリンに
より引き起こされた胃粘膜損傷を含む)などが挙げられ
る。本発明化合物および本発明の医薬組成物は、アポト
ーシス抑制作用を有し、アポトーシスの促進が関わる疾
患の予防・治療薬としても用いられる。ここで、アポト
ーシスの促進が関わる疾患疾患としては、例えばウイル
ス疾患(例、エイズ、劇症肝炎など)、神経変性疾患
(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側
索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性など)、脊髄異形成
疾患(例、再生不良性貧血など)、虚血性疾患(例、心
筋梗塞、脳卒中など)、肝疾患(例、アルコール性肝
炎、B型肝炎、C型肝炎など)、関節疾患(例、変形性
関節症など)、アテローム性動脈硬化症などが挙げられ
る。本発明化合物および本発明の医薬組成物は、内臓脂
肪の減少、内臓脂肪蓄積の抑制、糖代謝改善、脂質代謝
改善、インスリン抵抗性改善、酸化LDL産生抑制、リ
ポタンパク代謝改善、冠動脈代謝改善、心血管合併症の
予防・治療、心不全合併症の予防・治療、血中レムナン
ト低下、無排卵症の予防・治療、多毛症の予防・治療、
高アンドロゲン血症の予防・治療などにも用いられる。
本発明化合物および本発明の医薬組成物は、上記した各
種疾患(例、心筋梗塞などの心血管イベント)の2次予
防および進展抑制にも用いられる。本発明化合物および
本発明の医薬組成物は、ミダゾラム、ケトコナゾールな
どと組み合わせて用いることもできる。
【0063】本発明化合物および本発明の医薬組成物の
投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状など
によっても異なるが、例えば成人の糖尿病患者に経口投
与する場合、有効成分である本発明化合物を通常1回量
として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは
0.05〜10mg/kg体重、さらに好ましくは0.
1〜2mg/kg体重であり、この量を1日1回〜3回
投与するのが望ましい。
【0064】(19)薬剤の併用 本発明化合物は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療
剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療
法剤、免疫療法剤、骨粗鬆症治療剤、抗痴呆剤、勃起不
全改善剤、尿失禁・頻尿治療剤などの薬剤(以下、併用
薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
この際、本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定
されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよ
いし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬剤の投与
量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択
することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配
合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み
合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投
与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対
し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0065】なお、糖尿病治療剤としては、インスリン
製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インス
リン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合
成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改
善剤(例、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシ
グリタゾン、GI−262570、JTT−501、M
CC−555、YM−440、KRP−297、CS−
011、FK−614等)、α−グルコシダーゼ阻害剤
(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エ
ミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミ
ン、メトホルミン、ブホルミン等)、インスリン分泌促
進剤[例、スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グ
リベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、ト
ラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリ
メピリド、グリピザイド、グリブゾール等)、レパグリ
ニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまた
はそのカルシウム塩水和物、GLP−1等]、アミリン
アゴニスト(例、プラムリンチド等)、フォスフォチロ
シンフォスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、ジ
ペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、NVP−DP
P−278、PT−100、P32/98等)、β3ア
ゴニスト(例、CL−316243、SR−58611
−A、UL−TG−307、SB−226552,AJ
−9677、BMS−196085、AZ40140
等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ
阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グル
カゴン拮抗剤等)、SGLT(sodium-glucose cotran
sporter)阻害剤(例、T−1095等)等が挙げられ
る。
【0066】糖尿病性合併症治療剤としては、アルドー
ス還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタ
ット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレス
タット、フィダレスタット、SNK−860、CT−1
12等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BD
NF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531
等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、
ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマ
イド(ALT766)、EXO−226等)、活性酸素
消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チア
プリド、メキシレチン等)が挙げられる。抗高脂血剤と
しては、コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化
合物(例、セリバスタチン、プラバスタチン、シンバス
タチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタ
チン、イタバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウ
ム塩)等)、スクアレン合成酵素阻害剤あるいはトリグ
リセリド低下作用を有するフィブラート系化合物(例、
ベザフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラー
ト、クリノフィブラート等)等が挙げられる。降圧剤と
しては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプト
プリル、エナラプリル、デラプリル等)、アンジオテン
シンII拮抗剤(例、カンデサルタンシレキセチル、ロサ
ルタン、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタ
ン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮
抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、
エホニジピン、ニカルジピン等)、クロニジン等が挙げ
られる。
【0067】抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬
(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フ
ェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキ
サンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノール
アミン、クロベンゾレックス等)、膵リパーゼ阻害薬
(例、オルリスタット等)、β3アゴニスト(例、CL
−316243、SR−58611−A、UL−TG−
307、SB−226552,AJ−9677、BMS
−196085、AZ40140等)、ペプチド性食欲
抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因
子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチト
リプト、FPL−15849等)等が挙げられる。利尿
剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸
ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブ
ロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロ
ペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチ
アジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロ
チアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチ
アジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラク
トン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、
アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系
製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド
等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレ
タニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
【0068】化学療法剤としては、例えばアルキル化剤
(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド
等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオ
ロウラシル等)、抗癌性抗生物質(例、マイトマイシ
ン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(例、ビン
クリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプラチ
ン、カルボプラチン、エトポキシドなどが挙げられる。
なかでも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロン
あるいはネオフルツロンなどが好ましい。免疫療法剤と
しては、例えば微生物または細菌成分(例、ムラミルジ
ペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のあ
る多糖類(例、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン
等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、
インターフェロン、インターロイキン(IL)等)、コ
ロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー刺激因子、エリス
ロポエチン等)などが挙げられ、中でもIL−1、IL
−2、IL−12などが好ましい。
【0069】骨粗鬆症治療剤としては、例えばアルファ
カルシドール(alfacalcidol)、カルシトリオール(ca
lcitriol)、エルカルトニン(elcaltonin)、サケカル
シトニン(calcitonin salmon)、エストリオール(es
triol)、イプリフラボン(ipriflavone)、パミドロン
酸二ナトリウム(pamidronate disodium)、アレンド
ロン酸ナトリウム水和物(alendronate sodium hydra
te)、インカドロン酸二ナトリウム(incadronate dis
odium)等が挙げられる。抗痴呆剤としては、例えばタ
クリン(tacrine)、ドネペジル(donepezil)、リバス
チグミン(rivastigmine)、ガランタミン(galantamin
e)等が挙げられる。勃起不全改善剤としては、例えば
アポモルフィン(apomorphine)、クエン酸シルデナフ
ィル(sildenafil citrate)等が挙げられる。尿失禁
・頻尿治療剤としては、例えば塩酸フラボキサート(fl
avoxate hydrochloride)、塩酸オキシブチニン(oxyb
utynin hydrochloride)、塩酸プロピベリン(propive
rine hydrochloride)等が挙げられる。
【0070】さらに、動物モデルや臨床で悪液質改善作
用が認められている薬剤、すなわち、シクロオキシゲナ
ーゼ阻害剤(例、インドメタシン等)〔キャンサー・リ
サーチ(Cancer Reseach)、第49巻、5935〜59
39頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例、メ
ゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリニ
カル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncolog
y)、第12巻、213〜225頁、1994年〕、糖
質ステロイド(例、デキサメサゾン等)、メトクロプラ
ミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤(文献
はいずれも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例、エイコ
サペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャーナル・オブ
・キャンサー(British Journal of Cancer)、第68
巻、314〜318頁、1993年〕、成長ホルモン、
IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因子であるTN
F−α、LIF、IL−6、オンコスタチンMに対する
抗体なども本発明化合物と併用することができる。
【0071】併用薬剤は、好ましくはインスリン製剤、
インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、
ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤(好ましくはス
ルホニルウレア剤)などである。上記併用薬剤は、2種
以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。2種以上
の併用薬剤を用いる場合の好ましい組み合わせとして
は、例えば以下のものが挙げられる。 1)インスリン抵抗性改善剤およびインスリン製剤; 2)インスリン抵抗性改善剤およびインスリン分泌促進
剤(好ましくはスルホニルウレア剤); 3)インスリン抵抗性改善剤およびα−グルコシダーゼ
阻害剤; 4)インスリン抵抗性改善剤およびビグアナイド剤; 5)インスリン抵抗性改善剤、インスリン製剤およびビ
グアナイド剤; 6)インスリン抵抗性改善剤、インスリン製剤およびイ
ンスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア
剤); 7)インスリン抵抗性改善剤、インスリン製剤およびα
−グルコシダーゼ阻害剤; 8)インスリン抵抗性改善剤、インスリン分泌促進剤
(好ましくはスルホニルウレア剤)およびビグアナイド
剤; 9)インスリン抵抗性改善剤、インスリン分泌促進剤
(好ましくはスルホニルウレア剤)およびα−グルコシ
ダーゼ阻害剤;および 10)インスリン抵抗性改善剤、ビグアナイド剤および
α−グルコシダーゼ阻害剤。
【0072】本発明化合物または医薬組成物が併用薬剤
と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、
それらの剤の反対効果を考えて安全な範囲内で低減でき
る。特に、インスリン抵抗性改善剤、インスリン分泌促
進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)およびビグアナ
イド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、
これらの剤により引き起こされるであろう反対効果は安
全に防止できる。それに加えて、糖尿病合併症剤、抗高
脂血剤、降圧剤の投与量は低減でき、その結果これらの
剤により引き起こされるであろう反対効果は効果的に防
止できる。
【0073】(20)製造法 以下、本発明化合物の製造法について説明する。なお、
化合物(I)は、化合物(II)に含まれるので、化合物
(II)の製造法について説明する。本発明の化合物(I
I)は、自体公知の方法、例えば以下に示すA法〜F法
あるいはこれらに準ずる方法により製造することができ
る。 [A法]
【化10】 [式中、Zはヒドロキシ基、ハロゲン原子またはOSO
216(R16は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜10
のアリール基を示す。)で表される基を、その他の記号
は前記と同意義を示す。] R16で示される「炭素数1〜4のアルキル基」および
「炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭
素数6〜10のアリール基」における炭素数1〜4のア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec.-ブチル、t.-ブチル
が挙げられ、なかでもメチルが好ましい。R16で示され
る「炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい
炭素数6〜10のアリール基」における炭素数6〜10
のアリール基としては、フェニル、ナフチルが挙げら
れ、なかでもフェニルが好ましい。
【0074】本法では、化合物(III)と化合物(IV)
との反応により化合物(II)を製造する。Zがヒドロキ
シ基の場合、本反応は、自体公知の方法、例えば、シン
セシス(Synthesis) 1頁 (1981年)に記載の方
法、あるいはそれに準じた方法により行われる。すなわ
ち、本反応は、通常、有機リン化合物および親電子剤の
存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィンなどが挙げられる。親電子剤
としては、例えばアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカ
ルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボニルジピペラジ
ンなどが挙げられる。有機リン化合物および親電子剤の
使用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは1〜5モル当
量である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルム
アミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜
の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、−
50〜150℃、好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜20時間である。
【0075】Zがハロゲン原子またはOSO216で表
される基の場合、本反応は、常法に従い、塩基の存在
下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。塩基
としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属
塩;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
カ−7−エンなどのアミン類;水素化カリウム、水素化
ナトリウムなどの金属水素化物;ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム t.-ブトキシドな
どのアルカリ金属アルコキシドなどが挙げられる。これ
ら塩基の使用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは1〜
5モル当量である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;
クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げ
られる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いて
もよい。反応温度は、通常、−50〜150℃、好まし
くは−10〜100℃である。反応時間は、通常、0.
5〜20時間である。このようにして得られる化合物
(II)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。
【0076】なお、上記A法で原料化合物として用いら
れる化合物(III)および化合物(IV)は、公知化合物
であり、例えばZがヒドロキシ基である化合物(III)
は、EP−A 710659に記載されている。また、
化合物(III)は、EP−A629624(特開平7−
53555)、WO 98/03505等に記載されて
いる。さらに、化合物(III)は、これらの公報に記載
された方法に準ずる方法によって製造することもでき
る。一方、化合物(IV)は、例えばヨールナル フィア
プラクティシェ ヘミー(Journal fur Praktische C
hemie)、311巻、370頁(1969年);カナデ
ィアン ジャーナル オブ ケミストリー(Canadian J
ournal of Chemistry)、48巻、1948頁(197
0年);ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミ
ストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)、2
5巻、1283頁(1988年)等に記載されている。
また、化合物(IV)は、これらの文献に記載された方法
に準ずる方法によって製造することもできる。
【0077】一般式(II)中、R2が置換されていても
よい脂肪族炭化水素基などで置換されたフェニルである
化合物(II−1)は、以下のB法によっても製造され
る。 [B法]
【化11】 [式中、Wはそれぞれ置換されていてもよい脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を示
し、その他の記号は前記と同意義を示す。]Wで示され
る「それぞれ置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、
芳香族炭化水素基または芳香族複素環基」としては、R
1における置換基として例示した「置換されていてもよ
い脂肪族炭化水素基」、「置換されていてもよい芳香族
炭化水素基」および「置換されていてもよい芳香族複素
環基」が挙げられる。
【0078】本法では、化合物(II−1)とホウ酸化合
物(V)との反応により、化合物(II−2)を製造す
る。本反応は、自体公知の方法、例えば、ジャーナル
オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organ
ic Chemistry)、58巻、2201頁(1993年)あ
るいはジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)、60巻、1060
頁(1995年)に記載の方法に従い、金属触媒および
塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行わ
れる。金属触媒としては、例えば0価のパラジウム、0
価のニッケルなどが挙げられる。ここで、0価のパラジ
ウム触媒としては、例えばトリス(ジベンジリデンアセ
トン)ジパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウムなどが、0価のニッケル触媒として
は、例えば1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フ
ェロセンニッケルなどが挙げられる。塩基としては、例
えば炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属
炭酸塩;リン酸三カリウムなどのアルカリ金属リン酸塩
などが挙げられる。金属触媒の使用量は、化合物(II−
1)に対し、例えば0.01〜1モル当量、好ましくは
0.05〜0.5モル当量である。塩基の使用量は、化
合物(II−1)に対し、例えば1〜20モル当量、好ま
しくは1〜10モル当量である。反応に悪影響を及ぼさ
ない溶媒としては、例えばベンゼン、トルエンなどの芳
香族炭化水素類;メタノール、エタノールなどのアルコ
ール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類;水などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割
合で混合して用いてもよい。また、溶媒の種類は、金属
触媒の種類により適宜選択される。ホウ酸化合物(V)
の使用量は、化合物(II−1)に対し、例えば1〜7モ
ル当量、好ましくは1〜5モル当量である。反応温度
は、通常、−20〜150℃、好ましくは0〜100℃
である。反応時間は、通常、0.1〜24時間である。
このようにして得られる化合物(II−2)は、公知の分
離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、
再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製
することができる。
【0079】なお、上記B法で原料化合物として用いら
れる化合物(II−1)は、例えば上記A法により製造さ
れる。また、化合物(V)は、例えばオーガニック シ
ンセシス(Organic Synthesis)、39巻、3頁(19
59年);ジャーナル オブアメリカン ケミカル ソ
サイエティー(Journal of American Chemical Societ
y)、94巻、4370頁(1972年)等に記載され
た公知化合物である。また、化合物(V)は、これらの
文献に記載された方法に準ずる方法によって製造するこ
ともできる。
【0080】化合物(II)は、以下のC法あるいはD法
によっても製造することができる。 [C法]
【化12】 [式中の記号は前記と同意義を示す。] 本法では、化合物(VI)と化合物(VII)との反応によ
り、化合物(II)を製造する。本反応は、自体公知の方
法により行われる。本反応は、例えば酸あるいは塩基の
存在下、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。酸
としては、例えば塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸な
どが挙げられる。塩基としては、例えば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア(水)
などが挙げられる。酸または塩基の使用量は、通常、化
合物(VI)に対し、1〜10モル当量である。反応に影
響を及ぼさない溶媒としては、例えば、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタ
ノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシド、酢
酸、水などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合
で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、−50℃
〜150℃、好ましくは−10℃〜120℃である。反
応時間は、通常、0.1〜24時間である。このように
して得られる化合物(II)は、公知の分離精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。
【0081】上記C法で原料化合物として用いられる化
合物(VI)は、自体公知の方法、例えばジャーナル オ
ブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic
Chemistry)、36巻、3836ページ(1971年)
などに記載されている方法、あるいはそれに準じた方法
により製造することができる。
【0082】[D法]
【化13】 [式中の記号は前記と同意義を示す。] 本法では、化合物(VIII)と化合物(IX)との反応によ
り、化合物(II)を製造する。本反応は、A法における
化合物(III)と化合物(IV)との反応と同様にして行
われる。このようにして得られる化合物(II)は、公知
の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶
出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離
精製することができる。
【0083】上記D法で原料化合物として用いられる化
合物(IX)は、例えば下記G法により製造することがで
きる。 [G法]
【化14】 [式中の記号は前記と同意義を示す] 本法は、A法における化合物(III)と化合物(IV)と
の反応と同様にして行われる。化合物(XI)の−YHの
部分は保護して縮合反応を行い、反応後脱保護してもよ
い。保護基としては、ベンジル基、メトキシメチル基あ
るいはシリル基(例、トリメチルシリル基、t.−ブチ
ルジメチルシリル基など)などが用いられる。
【0084】一般式(II)中、R3がOHである化合物
(II−4)は、例えば以下のE法によって製造される。 [E法]
【化15】 [式中の記号は前記と同意義を示す。] 本法では、化合物(II−3)を加水分解して化合物(II
−4)を製造する。本加水分解反応は、常法に従い、酸
または塩基の存在下、含水溶媒中で行われる。酸として
は、例えば塩酸、硫酸、酢酸、臭化水素酸などが挙げら
れる。塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド
などのアルカリ金属アルコキシド;水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ
金属などが挙げられる。酸または塩基の使用量は、通
常、化合物(II−3)に対して過剰量である。好ましく
は、酸の使用量は、化合物(II−3)に対し、2〜50
当量、塩基の使用量は、化合物(II−3)に対し、1.
2〜5当量である。含水溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;ジメチルスルホキシ
ドおよびアセトンなどから選ばれる1種以上の溶媒と水
との混合溶媒などが挙げられる。反応温度は、通常、−
20〜150℃、好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.1〜20時間である。このよう
にして得られる化合物(II−4)は、公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。なお、上記E法で原料化合物として用いられ
る化合物(II−3)は、例えば上記A法〜D法により製
造される。
【0085】一般式(II)中、R3がNR910である化
合物(II−5)は、例えば以下のF法によって製造され
る。 [F法]
【化16】 [式中の記号は前記と同意義を示す。] 本法では、化合物(II−4)をアミド化して化合物(II
−5)を製造する。本反応は、自体公知の方法、例え
ば、化合物(II−4)と化合物(X)とを縮合剤(例、
ジシクロヘキシルカルボジイミドなど)を用いて直接縮
合させる方法、あるいは化合物(II−4)の反応性誘導
体と化合物(X)とを適宜反応させる方法等を用いて行
われる。ここにおいて化合物(II−4)の反応性誘導体
としては、例えば酸無水物、酸ハライド(酸クロリド、
酸ブロミド)、イミダゾリド、あるいは混合酸無水物
(例えばメチル炭酸、エチル炭酸、イシブチル炭酸との
無水物など)などが挙げられる。
【0086】例えば酸ハライドを用いる場合、反応は、
塩基の存在下、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われ
る。塩基としては、例えばトリエチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げら
れる。反応に影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、
クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸
エチル、水などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の
割合で混合して用いてもよい。化合物(X)の使用量
は、化合物(II−4)に対して、通常1〜10モル当
量、好ましくは1〜3モル当量である。反応温度は、通
常、−30℃〜100℃である。反応時間は0.5〜2
0時間である。また、混合酸無水物を用いる場合、化合
物(II−4)とクロロ炭酸エステル(例、クロロ炭酸メ
チル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチルなど)
を塩基(例、トリエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、炭酸水素ナトリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下に反応さ
せ、さらに化合物(X)と反応させる。化合物(X)の
使用量は、化合物(II−4)に対して、通常1〜10モ
ル当量、好ましくは1〜3モル当量である。反応温度
は、通常、−30℃〜100℃である。反応時間は、通
常、0.5〜20時間である。このようにして得られる
化合物(II−5)は、公知の分離精製手段、例えば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマ
トグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0087】前記の各反応において、原料化合物が置換
基としてアミノ、カルボキシ、ヒドロキシ、カルボニル
を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的
に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反
応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化
合物を得ることができる。アミノの保護基としては、例
えば、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例、ア
セチル、プロピオニルなど)、C1-6アルコキシ−カル
ボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニルなど)、ベンゾイ
ル、C7-10アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカル
ボニルなど)、C7-14アラルキルオキシ−カルボニル
(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメ
トキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイル、N,
N−ジメチルアミノメチレン、シリル(例、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、
tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジ
エチルシリルなど)、C2-6アルケニル(例、1−アリ
ルなど)などが挙げられる。これらの基は、1ないし3
個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシなど)またはニトロなどで置換されていてもよ
い。
【0088】カルボキシの保護基としては、例えば、C
1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、C7-11アラ
ルキル(例、ベンジルなど)、フェニル、トリチル、シ
リル(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメ
チルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリ
ル、tert−ブチルジエチルシリルなど)、C2-6
ルケニル(例、1−アリルなど)などが挙げられる。こ
れらの基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)またはニ
トロなどで置換されていてもよい。
【0089】ヒドロキシの保護基としては、例えば、C
1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、
トリチル、C7-10アラルキル(例、ベンジルなど)、ホ
ルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、
プロピオニルなど)、ベンゾイル、C7-10アラルキル−
カルボニル(例、ベンジルカルボニルなど)、2−テト
ラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、シリル
(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル
フェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、t
ert−ブチルジエチルシリルなど)、C2-6アルケニ
ル(例、1−アリルなど)などが挙げられる。これらの
基は、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル(例、メチ
ル、エチル、プロピルなど)、C1-6アルコキシ(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシなど)またはニトロな
どで置換されていてもよい。
【0090】カルボニルの保護基としては、例えば、環
状アセタール(例、1,3−ジオキサンなど)、非環状
アセタール(例、ジ−C1-6アルキルアセタールなど)
などが挙げられる。また、これらの保護基の除去方法
は、自体公知の方法、例えば、プロテクティブ グルー
プス イン オーガニック シンセシス(Protective G
roups in Organic Synthesis),John Wiley and Sons
刊(1980)に記載の方法などに準じて行えばよい。
例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒド
ラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テ
トラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、
トリアルキルシリルハライド(例、トリメチルシリルヨ
ージド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用す
る方法、還元法などが用いられる。
【0091】化合物(II)が、光学異性体、立体異性
体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これ
らも化合物(II)として含有されるとともに、自体公知
の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得る
ことができる。例えば、化合物(II)に光学異性体が存
在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も
化合物(II)に包含される。光学異性体は自体公知の方
法により製造することができる。具体的には、光学活性
な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常
法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
【0092】光学分割法としては、自体公知の方法、例
えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマ
ー法等が用いられる。 1)分別再結晶法 ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデ
ル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−
酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−
フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジ
ン、ブルシンなど)と塩を形成させ、これを分別再結晶
法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリー
の光学異性体を得る方法。 2)キラルカラム法 ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラ
ルカラム)にかけて分離する方法。例えば液体クロマト
グラフィの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社
製)あるいは、ダイセル社製 CHIRALシリーズな
どのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、
種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例、エ
タノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニト
リル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミンなど)を単独
あるいは混合した溶液として展開させることにより、光
学異性体を分離する。また、例えばガスクロマトグラフ
ィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB
(ジーエルサイエンス社製)などのキラルカラムを使用
して分離する。
【0093】3)ジアステレオマー法 ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によって
ジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)など
を経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な
処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光
学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)が分子内に
ヒドロキシまたは1,2級アミノを有する場合、該化合
物と光学活性な有機酸(例えば、MPTA〔α−メトキ
シ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、
(−)−メントキシ酢酸等)などとを縮合反応に付すこ
とにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアス
テレオマーが得られる。一方、化合物(I)がカルボン
酸基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはア
ルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれ
アミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られ
る。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるい
は塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の
光学異性体に変換される。
【0094】
【発明の実施の形態】以下に、試験例、参考例、実施例
および製剤例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。ま
た、以下の参考例および実施例において、%は特記しな
い限り重量パーセントを示す。さらに、室温は1〜30
℃の温度を示す。本明細書において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Com
mision on Biochemical Nome
nclatureによる略号あるいは当該分野における
慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。また
アミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示
しなければL体を示すものとする。
【0095】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕参考例1で用いられるプライマーPAG-
Uの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕参考例1で用いられるプライマーPAG-
Lの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕参考例2で用いられるプライマーXRA-
Uの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕参考例2で用いられるプライマーXRA-
Lの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕参考例4で用いられるPPRE-Uの塩基
配列を示す。 〔配列番号:6〕参考例4で用いられるPPRE-Lの塩基
配列を示す。 〔配列番号:7〕参考例4で用いられるプライマーTK-U
の塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕参考例4で用いられるプライマーTK-
Lの塩基配列を示す。
【0096】
【実施例】試験例1 マウスにおける血糖および血中脂質(トリグリセリド)
低下作用 被検化合物を粉末飼料(CE−2、日本クレア)に0.
01%(実施例2の化合物)または0.005%(実施
例4の化合物)の割合で混合し、肥満・2型糖尿病モデ
ルであるKKAyマウス(11〜12週齢、1群5匹)に自
由に4日間与えた。この間、水は自由に与えた。血液を
眼窩静脈叢から採取し、血液から分離した血漿中のグル
コースおよびトリグリセリドを、それぞれLタイプワコ
ーGlu2(和光純薬)およびLタイプワコーTG・H
(和光純薬)を用いて、酵素法により定量した。結果を
[表1]に示す。表中の値は、被検化合物非投与群の値
を100%とした場合の被検化合物投与群の低下率
(%)を表す。
【表1】 被検化合物 血糖低下作用 血中脂質低下作用 (実施例番号) (%) (%) 2 30 22 54 90 このように本発明化合物は、強力な血糖低下作用および
血中脂質低下作用を有することが分かった。従って、こ
れらの化合物は糖尿病、高脂血症(特に、高トリグリセ
リド血症)、耐糖能障害などの予防・治療剤として有用
であることが分かる。
【0097】試験例2 マウスにおける総コレステロール低下作用および血漿抗
動脈硬化指数上昇作用被検化合物を粉末飼料(CE−
2、日本クレア)に0.005%の割合で混合し、肥満
・2型糖尿病モデルであるKKAyマウス(12週齢、1群
5匹)に自由に4日間与えた。この間、水は自由に与え
た。血液を眼底静脈叢から採取し、血液から分離した血
漿を用いて成分測定を行った。総コレステロールは、L
タイプワコーコレステロール(和光純薬)で定量した。
また、血漿の一部に、アポB含有リポ蛋白沈殿試薬(和
光純薬)を加えて、非HDLリポ蛋白を沈殿させ、その
上清のコレステロール(HDLコレステロール)を測定
した。これらのコレステロール値から血漿抗動脈硬化指
数[(HDLコレステロール/総コレステロール)×10
0]を算出した。結果を[表2]に示す。表中、「総コ
レステロール低下作用(%)」は、被検化合物非投与群
の総コレステロール値を100%とした場合の被検化合
物投与群の総コレステロール値の低下率(%)を表す。
また、「血漿抗動脈硬化指数上昇作用(%)」は、被検
化合物非投与群の血漿抗動脈硬化指数を100%とした
場合の被検化合物投与群の血漿抗動脈硬化指数の上昇率
(%)を表す。
【表2】 被検化合物 総コレステロール 血漿抗動脈硬化指数(実施例番号) 低下作用 (%) 上昇作用 (%) 4 22 39 このように本発明化合物は、総コレステロール低下作用
および血漿抗動脈硬化指数上昇作用を有することが分か
った。従って、本発明化合物は、高コレステロール血症
あるいは低HDLコレステロール血症のような血漿リポ
蛋白プロファイルを是正することによる、動脈硬化症な
どの予防・治療剤として有用であることが分かる。
【0098】試験例3(PPARγ−RXRα ヘテロ
二量体リガンド活性) 後述の参考例5で得られたPPARγ:RXRα:4E
RPP/CHO−K1細胞を10%ウシ胎児血清[ライ
フテクノロジー社(Life Technologies, Inc.)製、米
国]を含むハムF12培地(日水製薬製)で培養した
後、96ウェルホワイトプレート[コーニング コース
ター社(Corning Coster Corporation)製、米国]へ2
×104 cells/well となるように播種し、37℃の炭
酸ガスインキュベーター中で一晩培養した。96ウェル
ホワイトプレートをPBS(Phosphate-buffered salin
e)で洗浄後、90μl の0.1%脂肪酸不含ウシ血清ア
ルブミン(BSA)を含むハムF12培地と被検化合物
10μl とを添加し、37℃の炭酸ガスインキュベータ
ー中で48時間培養した。培地を除去後、ビッカジーン
7.5(和光純薬製)を40μl 添加し、撹拌後、ルミ
スター(Lumistar)[ビー・エム・ジー・ラブテクノロ
ジーズ社(BMG Labtechnologies GmbH)製、ドイ
ツ]を用いて、ルシフェラーゼ活性を測定した。被検化
合物非投与群のルシフェラーゼ活性を1としたときの、
各被検化合物のルシフェラーゼ活性から誘導倍率を算出
した。被検化合物濃度と誘導倍率の値をプリズム(PR
ISM)2.01[グラフパッド ソフトウェア社(Gra
phPad Software, Inc.)製、米国]を用いて解析するこ
とにより、被検化合物のEC50値(誘導倍率の最大値の
50%を示す化合物濃度)を算出した。結果を[表3]
に示した。
【表3】 このように、本発明化合物は、強力なPPARγ−RX
Rα ヘテロ二量体リガンド活性を有することが分かっ
た。
【0099】参考例1(ヒトPPARγ遺伝子のクロー
ニング) ヒトPPARγ遺伝子のクローニングは、心臓 cDNA
(東洋紡製、商品名:QUICK−Clone cDNA)を
鋳型とし、グリーン(Greene)らが報告[ジーン・エク
スプレッション(Gene Expr.)、1995年、4(4−
5)巻、281−299頁]しているPPARγ遺伝子
の塩基配列を参考に作製したプライマーセット PAG-U:5'-GTG GGT ACC GAA ATG ACC ATG GTT GAC ACA
GAG-3'(配列番号:1) PAG-L:5'-GGG GTC GAC CAG GAC TCT CTG CTA GTA CAA
GTC-3'(配列番号:2) を用いたPCR法により行った。PCR反応は、Ampli
Wax PCR Gem 100(宝酒造製)を用いたホット
・スタート(Hot Start)法で行った。まず、10×L
A PCR Buffer 2μl、2.5mM dNTP溶液3μ
l、12.5μMプライマー溶液各2.5μl、滅菌蒸留水
10μl を混合して下層混液とした。また、鋳型として
ヒト心臓 cDNA(1ng/ml)を1μl、10×LA P
CR Buffer 3μl、2.5mM dNTP溶液1μl、TaKa
Ra LA Taq DNA polymerase(宝酒造製)0.5μ
l、滅菌蒸留水24.5μl を混合して上層混液とした。
上記した下層混液にAmpliWax PCR Gem 100
(宝酒造製)を1個添加し、70℃で5分間、氷中で5
分間処理後、上層混液を加えPCRの反応液を調製し
た。反応液の入ったチューブをサーマルサイクラー(パ
ーキンエルマー社製、米国)にセットした後、95℃で
2分間処理した。さらに、95℃で15秒間、68℃で
2分間のサイクルを35回繰り返した後、72℃で8分
間処理した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1
%)電気泳動し、PPARγ遺伝子を含む1.4kbのD
NA断片をゲルから回収した後、pT7 Blue-T vector
(宝酒造製)に挿入し、プラスミド pTBT−hPPA
Rγを得た。
【0100】参考例2(ヒトRXRα遺伝子のクローニ
ング) ヒトRXRα遺伝子のクローニングは、腎臓 cDNA
(東洋紡製、商品名:QUICK−Clone cDNA)を
鋳型とし、マンゲルスドルフ・ディー・ジェイ(Mangel
sdorf, D. J.)らが報告[ネイチャー(Nature)、19
90年、345(6272)巻、224−229頁]し
ているRXRα遺伝子の塩基配列を参考に作製したプラ
イマーセット XRA-U:5'-TTA GAA TTC GAC ATG GAC ACC AAA CAT TTC
CTG-3'(配列番号:3) XRA-L:5'-CCC CTC GAG CTA AGT CAT TTG GTG CGG CGC
CTC-3'(配列番号:4) を用いたPCR法により行った。PCR反応は、Ampli
Wax PCR Gem 100(宝酒造製)を用いたホット
・スタート(Hot Start)法で行った。まず、10×L
A PCR Buffer 2μl、2.5mM dNTP溶液3μ
l、12.5μMプライマー溶液各2.5μl、滅菌蒸留水
10μl を混合して下層混液とした。また、鋳型として
ヒト腎臓 cDNA(1ng/ml)を1μl、10×LA P
CR Buffer 3μl、2.5mM dNTP溶液1μl、TaKa
Ra LA Taq DNA polymerase(宝酒造製)0.5μ
l、滅菌蒸留水24.5μl を混合して上層混液とした。
上記した下層混液にAmpliWax PCR Gem 100
(宝酒造製)を1個添加し、70℃で5分間、氷中で5
分間処理後、上層混液を加えPCRの反応液を調製し
た。反応液の入ったチューブをサーマルサイクラー(パ
ーキンエルマー社製、米国)にセットした後、95℃で
2分間処理した。さらに、95℃で15秒間、68℃で
2分間のサイクルを35回繰り返した後、72℃で8分
間処理した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1
%)電気泳動し、RXRα遺伝子を含む1.4kbのDN
A断片をゲルから回収した後、pT7 Blue−T vector
(宝酒造製)に挿入し、プラスミド pTBT−hRXR
αを得た。
【0101】参考例3(ヒトPPARγ、RXRα発現
用プラスミドの作製) プラスミド pVgRXR[インビトロゲジェン(Invitro
gen)社製、米国]の7.8kb FspI−NotI 断片と参考例
2で得られたプラスミド pTBT−hRXRαのRXR
α遺伝子を含む0.9kb FspI−NotI 断片を連結し、プ
ラスミド pVgRXR2を作製した。次に、pVgRXR
2を BstXI で切断した後、T4DNAポリメラーゼ
(宝酒造製)処理により末端平滑化した。ついで、KpnI
で切断することにより、6.5kbのDNA断片を得た。
一方、参考例1で得られたプラスミド pTBT−hPP
ARγを Sal I で切断した後、T4DNAポリメラー
ゼ(宝酒造製)処理により末端平滑化した。ついで、Kp
nI で切断することにより、1.4kbのヒトPPARγ遺
伝子を含むDNA断片を得た。両DNA断片を連結する
ことにより、プラスミド pVgRXR2−hPPARγを
構築した。
【0102】参考例4(レポータープラスミドの作製) アシル CoA オキシダーゼのPPAR応答性エレメント
(PPRE)を含むDNA断片は、以下の5'末端リン
酸化合成DNAを用いて作製した。 PPRE-U:5'-pTCGACAGGGGACCAGGACAAAGGTCACGTTCGGGAG-
3'(配列番号:5) PPRE-L:5'-pTCGACTCCCGAACGTGACCTTTGTCCTGGTCCCCTG-
3'(配列番号:6) まず、PPRE−U、PPRE−Lをアニーリングした
後、プラスミド pBlueScript SK+の SalI 部位に挿
入した。挿入断片の塩基配列を決定することにより、P
PREが4個タンデムに連結したプラスミド pBSS−
PPRE4を選択した。HSV チミジン・キナーゼ・
ミニマム・プロモーター(Thymidine kinase minimum p
romoter)(TKプロモーター)領域のクローニング
は、pRL−TK vector[プロメガ(Promega)社製、
米国]を鋳型とし、ルッコウ・ビー(Luckow,B)らが報
告[ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acid
s Res.)1987年、15(13)巻、5490頁]し
ているチミジン・キナーゼ(Thymidine kinase)遺伝子
のプロモーター領域の塩基配列を参考に作製したプライ
マーセット TK-U:5'-CCCAGATCTCCCCAGCGTCTTGTCATTG-3'(配列番
号:7) TK-L:5'-TCACCATGGTCAAGCTTTTAAGCGGGTC-3'(配列番
号:8) を用いたPCR法により行った。PCR反応は、Ampli
Wax PCR Gem 100(宝酒造)を用いたホット・
スタート(Hot Start)法で行った。まず、10×LA
PCR Buffer 2μl、2.5mM dNTP溶液3μl、1
2.5μMプライマー溶液各2.5μl、滅菌蒸留水10
μl を混合して下層混液とした。また、鋳型として pR
L−TK vector[プロメガ(Promega)社製、米国]を
1μl、10×LA PCR Buffer 3μl、2.5mM d
NTP溶液1μl、TaKaRa LA Taq DNA polymeras
e(宝酒造製)0.5μl、滅菌蒸留水24.5μl を混合
して上層混液とした。
【0103】上記した下層混液にAmpliWax PCR G
em 100(宝酒造製)を1個添加し、70℃で5分
間、氷中で5分間処理後、上層混液を加えPCRの反応
液を調製した。反応液の入ったチューブをサーマルサイ
クラー(パーキンエルマー社製、米国)にセットした
後、95℃で2分間処理した。さらに、95℃で15秒
間、68℃で2分間のサイクルを35回繰り返した後、
72℃で8分間処理した。得られたPCR産物をアガロ
ースゲル(1%)電気泳動し、TKプロモーターを含む
140bのDNA断片をゲルから回収した後、pT7 Blu
e−T vector(宝酒造製)に挿入した。このプラスミド
から制限酵素 BglII と NcoI で切断することにより得
たTKプロモーターを含む断片をプラスミド pGL3−
Basic vector[プロメガ(Promega)社製、米国]の Bg
lII-NcoI 断片と連結してプラスミド pGL3−TKを
作製した。得られたプラスミド pGL3−TKの NheI-
XhoI 断片4.9kbとプラスミド pBSS−PPRE4の
NheI-XhoI 断片200b を連結することにより、プラ
スミド pGL3−4ERPP−TKを作製した。このプ
ラスミド pGL3−4ERPP−TKを BamHI(宝酒造
製)で切断した後、T4DNAポリメラーゼ(宝酒造
製)処理により末端平滑化してDNA断片を得た。一
方、pGFP−C1(東洋紡製)を Bsu36I(NEB)
で切断した後、T4DNAポリメラーゼ(宝酒造製)処
理により末端平滑化し、1.6kbのDNA断片を得た。
両DNA断片を連結することにより、レポータープラス
ミド pGL3−4ERPP-TK neo を構築した。
【0104】参考例5(ヒトPPARγ、RXRα発現
用プラスミドおよびレポータープラスミドのCHO−K
1細胞への導入と発現細胞の取得) 10%ウシ胎児血清[ライフテクノロジー社(Life Tec
hnologies, Inc.)製、米国]を含むハムF12培地
(日水製薬製)を用いてティッシュカルチャーフラスコ
750ml[コーニング コースター社(Corning Costar
Corporation)製、米国]で生育させたCHO−K1細
胞を0.5g/L トリプシン−0.2g/LEDTA(エ
チレンジアミン四酢酸)[ライフテクノロジー社(Life
Technologies, Inc.)製、米国]処理により剥がした
後、細胞をPBS(Phosphate-buffered saline)[ラ
イフテクノロジー社(Life Technologies, Inc.)製、
米国]で洗浄して遠心(1000rpm,5分)し、PB
Sで懸濁した。次に、ジーンパルサー[バイオラッド社
(Bio-Rad Laboratories)製、米国]を用いて、下記の
条件に従って、DNAを細胞に導入した。即ち、0.4c
m ギャップのキュベットに、8×106 細胞と参考例3
で得られたプラスミド pVgRXR2−hPPARγ 1
0μgと参考例4で得られたレポータープラスミド pG
L3−4ERPP−TK neo 10μg を加え、電圧
0.25kV、キャパシタンス960μF下でエレクトロ
ポレーションした。その後、細胞を10%ウシ胎児血清
を含むハムF12培地に移し、24時間培養し、再び細
胞を剥がして遠心し、次に、ジェネティシン[ライフテ
クノロジー社(LifeTechnologies, Inc.)製、米国]を
500μg/mlとゼオシン[インビトロジェン(Invitro
gen)社製、米国]を250μg/mlになるように加え
た10%ウシ胎児血清を含むハムF12培地で懸濁し、
104 細胞/mlとなるように希釈して96ウェルプレー
ト[コーニング コースター社(Corning Costar Corpo
ration)製、米国]に播種して、37℃の炭酸ガスイン
キュベーター中で培養することによりジェネティシン、
ゼオシン耐性形質転換体を得た。次に、得られた形質転
換株を24ウェルプレート[コーニング コースター社
(Corning Costar Corporation)製、米国]で培養した
後、10μM 塩酸ピオグリタゾンの添加により、ルシ
フェラーゼが発現誘導される株、PPARγ:RXR
α:4ERPP/CHO−K1細胞を選択した。
【0105】参考例6 6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメ
トキシ)−2−ナフトアルデヒド(4.86g)のメタ
ノール(150ml)−テトラヒドロフラン(50m
l)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(533m
g)を徐々に加えた。室温で1時間かき混ぜた後、反応
混合物に水を加え、析出した6−(5−メチル−2−フ
ェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−2−ナフタレン
メタノールの結晶(4.69g,収率96%)をろ取し
た。この結晶(4.60g)とテトラヒドロフラン(1
00ml)の混合物に、塩化チオニル(1.58g)を
加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物に氷水を加
え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾
燥(MgSO4)後、濃縮し、4−(6−クロロメチル
−2−ナフトキシメチル)−5−メチル−2−フェニル
オキサゾールの結晶(4.11g,収率85%)を得
た。NMR(CDCl3)δ: 2.47(3H, s), 4.74(2H, s),5.12(2
H, s), 7.4-7.55(4H, m), 7.7-7.8(3H, m), 8.0-8.1 (2
H, m)。
【0106】参考例7 6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメ
トキシ)ピリジン−3−カルボアルデヒド(13.0
g)のテトラヒドロフラン(150ml)−メタノール
(10ml)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム
(835mg)を徐々に加えた。30分間かき混ぜた
後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後、濃縮し
て、6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリ
ルメトキシ)ピリジン−3−メタノールの結晶を得た。
アセトン−イソプロピルエーテルから再結晶し、無色プ
リズム晶(12.4g,収率95%)を得た。融点12
1−122℃。 参考例8 6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメ
トキシ)ピリジン−3−メタノール(12.2g)とト
ルエン(200ml)の混合物に、塩化チオニル(5.
39g)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応混合物
に氷水を加え、飽和重曹水で中和後、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4)後、
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)溶
出部から、5−クロロメチル−2−(5−メチル−2−
フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジンの結晶
(11.7g,収率90%)を得た。酢酸エチル−ヘキ
サンから再結晶し、無色プリズム晶を得た。融点86−
87℃。
【0107】実施例1 水素化ナトリウム(60%、油性、200mg)を、4
−(6−クロロメチル−2−ナフトキシメチル)−5−
メチル−2−フェニルオキサゾール(1.82g)と
(E)−4−ヒドロキシイミノ−4−フェニル酪酸メチ
ル(1.10g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2
0ml)溶液に徐々に加え、室温で1時間かき混ぜた。
反応混合物を冷却しながら1規定塩酸に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO
4)後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:4,v
/v)溶出部から(E)−4−[6−(5−メチル−2
−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−2−ナフチ
ルメトキシイミノ]−4−フェニル酪酸メチルの結晶
(1.80g,収率67%)を得た。酢酸エチル−イソ
プロピルエーテルから再結晶し、淡黄色プリズム晶を得
た。融点111〜113℃。 実施例2 (E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−
オキサゾリルメトキシ)−2−ナフチルメトキシイミ
ノ]−4−フェニル酪酸メチル(1.60g)をエタノ
ール(10ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水
溶液(5ml)を加え、室温で1時間かき混ぜた。反応
混合物に1規定塩酸を加えて、析出する結晶をろ取し
た。エタノール−イソプロピルエーテルから再結晶し、
(E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−
オキサゾリルメトキシ)−2−ナフチルメトキシイミ
ノ]−4−フェニル酪酸の無色プリズム晶(1.25
g,収率80%)を得た。融点135〜136℃。
【0108】実施例3 水素化ナトリウム(60%、油性、102mg)を、窒
素雰囲気下、5−クロロメチル−2−(5−メチル−2
−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)ピリジン(8
00mg)と(E)−4−ヒドロキシイミノ−4−フェ
ニル酪酸メチル(527mg)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(5ml)溶液に0℃で徐々に加え、室温で
1.5時間かき混ぜた。反応混合物にジエチルエーテル
(300ml)を加え、水洗、乾燥(MgSO4)後、
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3,v/v)溶
出部から、(E)−4−[6−(5−メチル−2−フェ
ニル−4−オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジルメト
キシイミノ]−4−フェニル酪酸メチル(1.07g,
収率87%)を無色油状物として得た。NMR(CDCl3)δ:
2.48(3H, s), 2.49-2.58(2H, m), 3.0-3.1(2H, m), 3.6
3(3H, s), 5.15(2H, s), 5.31(2H, s), 6.82(2H, d, J=
8.4Hz), 7.34-7.46(6H, m), 7.57-7.69(3H, m), 7.97-
8.05(2H, m), 8.22(1H, d, J=2.2Hz)。 実施例4 (E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−
オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジルメトキシイミ
ノ]−4−フェニル酪酸メチル(1.00g)をテトラ
ヒドロフラン(10ml)、水(6ml)、メタノール
(6ml)の混合液に溶解し、水酸化リチウム一水和物
(259mg)を加え、室温で2時間かき混ぜた。反応
混合物に1規定塩酸(6.2ml)を加え、酢酸エチルで
抽出した。酢酸エチル層は、水洗、乾燥(MgSO4
後、濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンから再結
晶し、(E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル
−4−オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジルメトキシ
イミノ]−4−フェニル酪酸の無色プリズム晶(843
mg,収率87%)を得た。融点106〜107℃。
【0109】 製剤例1(カプセルの製造) 1)実施例4の化合物 30 mg 2)微粉末セルロース 10 mg 3)乳糖 19 mg 4)ステアリン酸マグネシウ 1 mg 計 60 mg 1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプ
セルに充填する。
【0110】 製剤例2(錠剤の製造) 1)実施例4の化合物 30 g 2)乳糖 50 g 3)トウモロコシデンプン 15 g 4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g 5)ステアリン酸マグネシウ 1 g 1000錠 計 140 g 1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合
し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの
4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠す
る。このようにして、1錠あたり実施例4の化合物30
mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【0111】
【発明の効果】本発明化合物および本発明の医薬組成物
は、低毒性であり、例えば糖尿病(例、1型糖尿病、2
型糖尿病、妊娠糖尿病等)の予防・治療剤;高脂血症
(例、高トリグリセライド血症、高コレステロール血
症、低HDL血症等、食後高脂血症)の予防・治療剤;
インスリン感受性増強剤;インスリン抵抗性改善剤;耐
糖能不全(IGT)の予防・治療剤;および耐糖能不全
から糖尿病への移行抑制剤として用いることができる。
また、本発明化合物および本発明の医薬組成物は、例え
ば糖尿病性合併症[例、神経障害、腎症、網膜症、白内
障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧昏睡、感
染症(例、呼吸器感染症、尿路感染症、消化器感染症、
皮膚軟部組織感染症、下肢感染症等)、糖尿病性壊疽、
口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血行障害
等]、肥満、骨粗鬆症、悪液質(例、癌性悪液質、結核
性悪液質、糖尿病性悪液質、血液疾患性悪液質、内分泌
疾患性悪液質、感染症性悪液質または後天性免疫不全症
候群による悪液質)、脂肪肝、高血圧、多嚢胞性卵巣症
候群、腎臓疾患(例、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎
炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化
症、末期腎臓疾患等)、筋ジストロフィー、心筋梗塞、
狭心症、脳血管障害(例、脳梗塞、脳卒中)、インスリ
ン抵抗性症候群、シンドロームX、高インスリン血症、
高インスリン血症における知覚障害、腫瘍(例、白血
病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌等)、過敏性腸症候群、急
性または慢性下痢、内臓肥満症候群の予防・治療剤とし
ても用いることができる。また、本発明化合物および本
発明の医薬組成物は、消化性潰瘍、急性または慢性胃
炎、胆道ジスキネジアー、胆のう炎等に伴う腹痛、悪
心、嘔吐、上腹部不快感などの症状の改善などにも用い
ることができる。さらに、本発明化合物および本発明の
医薬組成物は、食欲を調整(亢進または抑制)するた
め、例えば痩身、虚食症の治療剤(痩身または虚食症の
投与対象における体重増加)または肥満の治療剤として
用いることもできる。本発明化合物のうち、化合物
(I)は、炎症性疾患(例、慢性関節リウマチ、変形性
脊椎炎、変形性関節炎、腰痛、痛風、手術外傷後の炎
症、腫脹の緩解、神経痛、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非
アルコール性脂肪性肝炎を含む)、肺炎、膵炎、炎症性
大腸疾患、潰瘍性大腸炎等)、動脈硬化症(例、アテロ
ーム性動脈硬化症等)などの予防・治療剤としても用い
ることができる。
【0112】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Ind
ustries, Ltd. <120> Alkoxyiminoalkanoic
Acid Derivatives <130> B00325 <150> JP 11−320318 <151> 1999−11−10 <160> 8 <210> 1 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 GTGGGTACCG AAATGACCAT GGT
TGACACA GAG 33 <210> 2 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 GGGGTCGACC AGGACTCTCT GCT
AGTACAA GTC 33 <210> 3 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 TTAGAATTCG ACATGGACAC CAA
ACATTTC CTG 33 <210> 4 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 CCCCTCGAGC TAAGTCATTT GGT
GCGGCGC CTC 33 <210> 5 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 5 TCGACAGGGG ACCAGGACAA AGG
TCACGTT CGGGAG 36 <210> 6 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 6 TCGACTCCCG AACGTGACCT TTG
TCCTGGT CCCCTG 36 <210> 7 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 CCCAGATCTC CCCAGCGTCT TGT
CATTG 28 <210> 8 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 8 TCACCATGGT CAAGCTTTTA AGC
GGGTC 28
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/16 A61P 1/16 3/04 3/04 3/06 3/06 3/10 3/10 7/00 7/00 9/10 9/10 101 101 9/12 9/12 13/12 13/12 19/02 19/02 19/06 19/06 21/00 21/00 25/02 25/02 27/12 27/12 27/16 27/16 29/00 29/00 101 101 43/00 111 43/00 111 C07D 413/12 C07D 413/12

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基または
    置換されていてもよい複素環基を;Xは結合手、酸素原
    子、硫黄原子、−CO−、−CS−、−CR6(OR7
    −または−NR8−(R6およびR8は水素原子または置
    換されていてもよい炭化水素基を、R7は水素原子また
    は水酸基の保護基を示す)で示される基を;nは0ない
    し3の整数を;Yは酸素原子、硫黄原子、−SO−、−
    SO2−、−NR8−、−CONR8−または−NR8CO
    −(R8は水素原子または置換されていてもよい炭化水
    素基を示す)で示される基を;環Aはそれぞれ1ないし
    3個の置換基をさらに有していてもよい複素環または炭
    化水素環を;pは1ないし8の整数を;R2は水素原
    子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されて
    いてもよい複素環基を;qは0ないし6の整数を;mは
    0または1を;R3は−OR9(R9は水素原子または置
    換されていてもよい炭化水素基を示す)または−NR10
    11(R10およびR11は同一または異なって水素原子、
    置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよ
    い複素環基、または置換されていてもよいアシル基を示
    し、またR10およびR11は結合して環を形成していても
    よい)で示される基を;R4およびR5は、同一または異
    なって水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を示
    し、またR4はR2と結合して環を形成していてもよい。
    ただし、環Aが置換されていてもよいインドールである
    とき、Yは酸素原子または硫黄原子でなく;Yが酸素原
    子、硫黄原子、−SO−、−SO2−または−NR8
    (R8は前記と同意義を示す)であるとき、環Aは置換
    基を有していてもよいベンゼン環でなく;Yが酸素原子
    であり、環Aがそれぞれ置換されていてもよい4−ピロ
    ン、4−ピリドンまたはピリジン−N−オキサイドであ
    る時、R2はそれぞれ保護されていてもよいアミノ基で
    置換されたチアゾールまたはチアジアゾールでない]で
    表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1が置換されていてもよい複素環基また
    は置換されていてもよい環状炭化水素基である請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が置換されていてもよい複素環基であ
    る請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが結合手である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】nが1または2である請求項1記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】Yが酸素原子である請求項1記載の化合
    物。
  7. 【請求項7】環Aが1ないし3個の置換基をそれぞれさ
    らに有していてもよいピリジン環またはナフタレン環で
    ある請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】pが1ないし3の整数である請求項1記載
    の化合物。
  9. 【請求項9】R2が置換されていてもよい炭化水素基で
    ある請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】qが0ないし4の整数である請求項1記
    載の化合物。
  11. 【請求項11】R3が−OR9(R9は水素原子または置
    換されていてもよい炭化水素基を示す)で示される基で
    ある請求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】(E)−4−[6−(5−メチル−2−
    フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−2−ナフチル
    メトキシイミノ]−4−フェニル酪酸メチル;(E)−
    4−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾ
    リルメトキシ)−2−ナフチルメトキシイミノ]−4−
    フェニル酪酸;(E)−4−[6−(5−メチル−2−
    フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジル
    メトキシイミノ]−4−フェニル酪酸メチル;または
    (E)−4−[6−(5−メチル−2−フェニル−4−
    オキサゾリルメトキシ)−3−ピリジルメトキシイミ
    ノ]−4−フェニル酪酸である請求項1記載の化合物。
  13. 【請求項13】請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  14. 【請求項14】一般式 【化2】 [式中の記号は請求項1記載と同意義を示す]で表され
    る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有
    してなる医薬組成物。
  15. 【請求項15】一般式 【化3】 [式中、R1は置換されていてもよい炭化水素基または
    置換されていてもよい複素環基を;Xは結合手、酸素原
    子、硫黄原子、−CO−、−CS−、−CR6(OR7
    −または−NR8−(R6およびR8は水素原子または置
    換されていてもよい炭化水素基を、R7は水素原子また
    は水酸基の保護基を示す)で示される基を;nは0ない
    し3の整数を;Yは酸素原子、硫黄原子、−SO−、−
    SO2−、−NR8−、−CONR8−または−NR8CO
    −(R8は水素原子または置換されていてもよい炭化水
    素基を示す)で示される基を;環Aはそれぞれ1ないし
    3個の置換基をさらに有していてもよい複素環または炭
    化水素環を;Y1は置換されていてもよい主鎖の原子数
    が1ないし8の2価の炭化水素残基;R2は水素原子、
    置換されていてもよい炭化水素基または置換されていて
    もよい複素環基を;qは0ないし6の整数を;mは0ま
    たは1を;R3は−OR9(R9は水素原子または置換さ
    れていてもよい炭化水素基を示す)または−NR1011
    (R10およびR11は同一または異なって水素原子、置換
    されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複
    素環基、または置換されていてもよいアシル基を示し、
    またR10およびR11は結合して環を形成していてもよ
    い)で示される基を;R4およびR5は、同一または異な
    って水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を示
    し、またR4はR2と結合して環を形成していてもよい。
    ただし、Yが酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2
    −または−NR8−(R8は前記と同意義を示す)である
    とき、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環でな
    い]で表される化合物もしくはその塩またはそのプロド
    ラッグを含有してなる糖尿病の予防・治療剤。
  16. 【請求項16】一般式 【化4】 [式中の記号は請求項15記載と同意義を示す]で表さ
    れる化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含
    有してなる高脂血症の予防・治療剤。
  17. 【請求項17】一般式 【化5】 [式中の記号は請求項15記載と同意義を示す]で表さ
    れる化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含
    有してなる耐糖能不全の予防・治療剤。
  18. 【請求項18】一般式 【化6】 [式中の記号は請求項15記載と同意義を示す]で表さ
    れる化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含
    有してなるレチノイド関連受容体機能調節剤。
  19. 【請求項19】ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リ
    ガンドである請求項18記載の剤。
  20. 【請求項20】レチノイドX受容体リガンドである請求
    項18記載の剤。
  21. 【請求項21】一般式 【化7】 [式中の記号は請求項15記載と同意義を示す]で表さ
    れる化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含
    有してなるインスリン抵抗性改善剤。
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