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JP2001179913A - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

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Publication number
JP2001179913A
JP2001179913A JP36447799A JP36447799A JP2001179913A JP 2001179913 A JP2001179913 A JP 2001179913A JP 36447799 A JP36447799 A JP 36447799A JP 36447799 A JP36447799 A JP 36447799A JP 2001179913 A JP2001179913 A JP 2001179913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester film
film
polyester
resin
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36447799A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yano
真司 矢野
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP36447799A priority Critical patent/JP2001179913A/ja
Publication of JP2001179913A publication Critical patent/JP2001179913A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリビニルアルコール、ポリビニルアセター
ル、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン等の水溶性
・親水性樹脂を成分として含有する機能層との接着性に
優れた易接着性ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 結晶配向が完了する前のポリエステルフ
ィルムの少なくとも片面に、水酸基を有するアクリル樹
脂を含む水性塗液を塗布した後、乾燥、延伸、更に熱処
理を施して得られる易接着層を設けた易接着性ポリエス
テルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易接着性ポリエス
テルフィルムに関するものである。更に詳しくは、本発
明は、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセタ
ール、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン等の水溶
性・親水性樹脂を成分に含む機能層との接着性に優れた
易接着性ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、機械的強度、
寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に
優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるた
め、各種の用途で基材フィルムとして使用されている。
例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に
磁性層やインキ層等の機能層を塗設した機能フィルムが
磁気カードやラベル等の用途に広く利用されている。
【0003】近年、機能層をポリエステルフィルムに積
層する際に、主に工程上の安全性、環境面等の観点から
希釈溶剤の水系化が進み、また塗設される機能層自体に
も従来より高度な機能性が求められるようになった。こ
れらの要求に対処するため、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、ニトロセルロース、ポリオキシエ
チレン等の水溶性・親水性樹脂が機能層の主成分とし
て、或いはバインダー樹脂等の成分として広く利用され
るようになった。
【0004】一方、二軸延伸されたポリエステルフィル
ムは、その表面が高度に結晶化されているため表面の活
性化が乏しく、このため各用途に用いる機能層とポリエ
ステルフィルム表面との接着性が不充分となる欠点があ
る。ポリエステルフィルムの表面を活性化するには、そ
の表面を物理的あるいは化学的に処理をする方法がある
が、このような処理ではポリエステルフィルムと機能層
との充分な接着性が得られない。
【0005】また、水性のポリエステル樹脂、水性アク
リル樹脂、水性ウレタン樹脂などを含む水性塗剤を用い
て、ポリエステルフィルムの表面に塗布層を塗設して接
着性を改善する方法も広く行われている。
【0006】しかしながらこれらの方法でも、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアセタール、ニトロセルロー
ス、ポリオキシエチレン等の水溶性・親水性樹脂を成分
とした機能層との接着性が不充分であり、問題を改善す
るに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら課題
を解決せしめ、インクジェット印刷における印刷インキ
受像層に代表されるポリビニルアルコール等の水溶性・
親水性樹脂を主成分とする機能層、各種印刷インキのバ
インダーに代表されるポリビニルアセタール等の水溶性
・親水性樹脂を用いた機能層、写真感剤フィルムに代表
されるゼラチン等の水溶性・親水性樹脂を主成分とする
機能層等に対して優れた接着性を有する易接着性ポリエ
ステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解消するため鋭意検討した結果、特定の物性を有する
ポリエステルフィルムを基材として用いれば問題を解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、結晶配向が完了する前
のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水酸基を
有するアクリル樹脂を含む水性塗液を塗布した後、乾
燥、延伸、更に熱処理を施して得られる易接着層を設け
た易接着性ポリエステルフィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】(ポリエステル)本発明のポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエ
ステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエス
テルである。
【0012】本発明におけるポリエステルとしては、例
えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等を挙げることができ
る。これらのポリエステルは単独重合体であってもよ
く、他の成分を共重合した共重合体であってもよい。ま
たこれらのポリエステルに少割合の他の樹脂を混合した
ものであってもよい。これらの中でポリエチレンテレフ
タレートが特に好ましい。また、基材フィルムとして特
に薄膜化、耐熱化の要求がある場合は、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートが特に好ましい。
【0013】本発明に使用するポリエステルには、粒径
0.1〜5μmの二酸化珪素、炭酸カルシウム、カオリ
ン、シリコーン粒子などの無機または有機滑剤を0.0
3〜本発明に使用するポリエステルには、粒径0.1〜
5μmの二酸化珪素、炭酸カルシウム、カオリン、シリ
コーン粒子などの無機または有機滑剤が0.03〜3.
0重量%含まれていることが好ましい。滑剤の含有割合
の下限は0.1重量%であることが更に好ましく、上限
は1.0重量%であることが更に好ましい。
【0014】これらの滑剤を添加することにより、表面
の中心線粗さが0.001〜10μmのポリエステルフ
ィルムを得ることができる。フィルム表面の中心線粗さ
が0.001μmより小さいと充分な滑り性を得ること
ができず、フィルムを巻き取ることができなかったり、
フィルム同士が密着してしまうことがあり好ましくな
い。表面の中心線粗さが10μmより大きくなると、水
溶性・親水性樹脂を主成分とした或いはバインダー樹脂
等の成分とした機能層(以下、単に『機能層』と略記す
ることがある)を均一に加工できないことがあり好まし
くない。
【0015】また、本発明に使用するポリエステルに
は、本来の性能を損なわない程度に必要に応じて、安定
剤、着色剤、酸化防止剤、その他の添加剤を含有しても
よい。
【0016】(ポリエステルフィルム)本発明に使用す
るポリエステルフィルムは、例えば以下に示す方法で得
ることができる。前記のポリエステルをフィルム状に溶
融押出し、キャスティングドラムに巻き付け冷却固化さ
せて未延伸フィルムとする。この未延伸フィルムをTg
(ポリエステルのガラス転移温度:℃)〜(Tg+6
0)℃に加熱をして長手方向に1回もしくは2回以上延
伸し、合計の倍率が3倍〜7倍になるようにする。その
後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向が3〜5倍になるよ
うに延伸し、次いで200〜250℃にて0.1〜10
秒間熱処理を行い、更に必要に応じて熱処理温度より1
0〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮もしくは
0〜10%伸長させながら再熱処理を行い二軸配向ポリ
エステルフィルムが得られる。
【0017】本発明に使用するポリエステルフィルムは
厚みが0.5〜500μmの範囲であることが好まし
い。フィルム厚みの上限は400μmであることが更に
好ましく、下限は1μmであることが更に好ましい。但
し、ポリエステルフィルムがポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムの場合は、例えば、近年の印刷機器
の小型化、印刷の高速化等によりフィルムの薄膜化の要
求があり、高強度のポリエチレン−2,6−ナフタレー
トフィルムを用いることで0.5μmまで薄膜化が可能
であり、フィルム厚みの下限は0.5μmであることが
好ましい。なお、フィルムの厚みが500μmを超える
とフィルムの製造が難しくなり生産性が損なわれること
があり、加えて、機能層を加工する際のハンドリング性
が悪くなることがあり好ましくない。
【0018】(易接着層)本発明においては、ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に水酸基を有するアクリ
ル樹脂を含む易接着層を設ける。この易接着層はポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセタール、ニトロセルロ
ース、ポリオキシエチレン等を用いた機能層との接着性
を挙げるために必要である。
【0019】本発明における塗布層の厚みは0.001
〜1μmのの範囲であることが好ましい。易接着層の厚
みの上限は、0.5μmであることが更に好ましく、下
限は0.01μmであることが更に好ましい。易接着層
の厚みを上記の範囲とすることにより、ポリエステルフ
ィルムと易接着層との接着を強固なものとするができ
る。この結果、易接着層を塗設したフィルムをロール状
に巻き取って保管した後、加工などのためにフィルムを
巻き出す時にフィルム同士が密着することにより生じる
トラブルを防止することができる。
【0020】本発明における易接着層表面の濡れ指数
は、35〜75mN/mの範囲がであることが好まし
い。濡れ指数の上限は、70mN/mであることが更に
好ましく、下限は40mN/mであることが更に好まし
い。易接着層表面の濡れ指数が上記の範囲であると、機
能層を本発明の塗布層の上に均一に積層することができ
る。すなわち、易接着層の表面に、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール、ニトロセルロース、ポリオ
キシエチレン等の水溶性・親水性樹脂を含む塗液を塗布
する時に塗液のはじきを防ぐことができ、その結果均一
な機能層を形成させることができる。また、易接着層表
面の濡れ指数が上記の範囲であると、機能層との密着性
も良好なものとなる。
【0021】(水酸基を有するアクリル樹脂)本発明に
おける易接着層は、構成成分として水酸基を有するアク
リル樹脂を含むものである。この水酸基を有するアクリ
ル樹脂は、水酸基を有する成分の共重合割合が1〜50
モル%であることが好ましい。共重合割合がこの範囲で
あると、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセター
ル、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン等を用いた
機能層との接着性が良好になる。接着性の効果を更に顕
著なものとするため、この共重合割合の下限は2モル%
であることが更に好ましく、5モル%であることが特に
好ましい。また、この共重合割合の上限は30モル%で
あることが更に好ましく、15モル%であることが特に
好ましく、5モル%でありことが極めて好ましい。
【0022】本発明に用いる水酸基を有するアクリル樹
脂は、アクリル成分と水酸基を有する成分の単独重合体
または共重合体であり、例えば水酸基を有するアクリル
モノマーから得られる単独重合体、水酸基を有するアク
リルモノマーと他のモノマーとから得られる共重合体、
水酸基を有さないアクリルモノマーと水酸基を有するア
クリル以外のモノマーから得られる共重合体等を挙げる
ことができる。水酸基を有するアクリル樹脂は、アクル
ル成分と少なくとも1種類の水酸基を有する成分が含む
ものであるが、樹脂中に水酸基が存在しないと機能層と
の優れた接着性が得られない。
【0023】前記の水酸基を有するアクリルモノマーと
しては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド等を挙げることができる。これら
のうち、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
が、本発明の効果が特に優れたものとなるため好まし
い。尚、これらモノマーは1種あるいは2種以上を用い
ることができる。
【0024】前記の水酸基を有さないアクリルモノマー
としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、
シクロヘキシル基等);アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタ
クリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、
N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2
−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アル
コキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミ
ド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジ
アルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基
等)、アクリロイルモルホリン、N−フェニルアクリル
アミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド含有
モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含
有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸及びその塩(ナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミ
ン塩等)等を挙げることができる。これらモノマーは1
種あるいは2種以上を用ることができる。
【0025】また、水酸基を含有するアクリル樹脂に共
重合成分として用いることができるその他のモノマーと
しては、例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン
塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマ
ー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモ
ノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネー
ト、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニ
リデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ブタジエン等のモノマーを挙げることができる。こ
れらモノマーは上記のものに限定されるものではない。
また、これらモノマーは1種あるいは2種以上を用いる
ことができる。
【0026】本発明における易接着層には、水酸基を有
するアクリル樹脂の他に一般的な樹脂であるポリエステ
ル樹脂やウレタン樹脂等やそれらの変性体であるアクリ
ル変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂等
を混合させることができる。
【0027】本発明における易接着層として、ポリエス
テル樹脂(特に共重合ポリエステル樹脂)を混合させる
ことが易接着層とポリエステルフィルムとの接着性が強
固となり、かつ易接着層と機能層との接着性も良好なも
のとなるため好ましい。このときの混合割合は、例え
ば、水酸基を有するアクリル樹脂20〜80重量%とポ
リエステル樹脂80〜20重量%であることが好まし
い。
【0028】本発明における易接着層には、耐熱性をよ
り良好なものとするためにエポキシ、オキサゾリン、メ
ラミン、イソシアネート、シランカップリング剤、ジル
コ−アルミニウムカップリング剤等の架橋剤を添加する
ことができる。これらの架橋剤のうちエポキシが特に好
ましい。
【0029】(易接着層の塗設)本発明においては、結
晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの少なくと
も片面に、水酸基を有するアクリル樹脂を含む水性(水
分散性または水溶性)塗液を塗布した後、乾燥、延伸、
更に熱処理を施すことにより易接着層を塗設する。
【0030】上記の結晶配向が完了する前のポリエステ
ルフィルムとは、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延
伸ポリエステルフィルムまたは延伸可能な二軸延伸ポリ
エステルフィルムである。これらのうち一軸延伸ポリエ
ステルフィルムが好ましく、フイルムの押出し方向(縦
方向)に一軸延伸した縦延伸ポリエステルフィルムが特
に好ましい。
【0031】塗設用の塗液は水酸基を含有するアクリル
樹脂や他の添加物に影響を与えない限り、若干の有機溶
剤を含んでいてもよい。この塗液にはアニオン型界面活
性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等
の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。
【0032】かかる界面活性剤としては水性塗液の表面
張力を40mN/m以下に低下でき、ポリエステルフィ
ルムへの濡れを促進するものが好ましく、例えばポリオ
キシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、ア
ルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、第4級アンモニウムクロライド塩、アルキ
ルアミン塩酸、ベタイン型界面活性剤等を挙げることが
できる。さらに本発明の効果を消失させない範囲におい
て、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィ
ラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の
他の添加剤を併用することができる。
【0033】この塗液はポリエステルフィルム製造工程
中で結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの片
面または両面に塗工するのが好ましい。ポリエステルフ
ィルム製造工程と切り離して塗工してもよいが、この場
合では塵、埃等を巻き込みやすく、その部分が印刷時の
欠点となりクリーンな雰囲気が望ましく、更には好適な
フィルムを比較的安価で製造でき、これらの点から製造
工程中の塗工が好ましい。その際塗液の固形分濃度は通
常0.1〜30重量%であり、更に好ましくは1〜10
重量%である。塗布量は走行中のフィルム1m2 当り
0.5〜50gが好ましい。
【0034】塗工方法としては公知の方法が適用でき
る。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、
含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて
適用するとよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。また、各特性値は下
記の方法によって測定した。
【0036】(1)フィルムの厚み フィルムの重量を測定し、ポリエステルの密度より算出
する。
【0037】(2)塗布層の厚み 塗布液の1m2 当りの塗布量と固形分濃度より算出す
る。
【0038】(3)濡れ指数 易接着層表面について、JIS K 6768法によ
り、23℃でかつ50%R.H.の条件下で測定した。
すなわち、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチ
ルエーテルを各々、所定の割合で混合し、1mN/mお
きに作成し、更に、着色度の高い染料をごく少量加え、
標準液とした。直径1mmの棒の先端に脱脂綿(15〜
20mg)を15〜20mmの長さに均等に巻き付け、
これを上記の標準液がたれない程度にたっぷり浸し、綿
棒を試料に水平にあて、一方向に移動して塗布する。塗
布される液膜ができるだけ広くなるようにし、その面積
が6cm2 になるようにし、塗布を0.5秒で完了する
ようにする。
【0039】(4)接着性 ・接着性1 フィルムの易接着層面に親水性樹脂を主成分とする樹脂
層を形成させ、積層フィルムを作成した。樹脂層は塗液
(ポリビニルアセタール 6重量%、カボーンブラック
2重量%、水 80重量%、イソプロピルアルコール
12重量%)を易接着層面に乾燥厚みで2μmになる
よう調整して塗布し、100℃で2分間加熱し、乾燥さ
せることにより塗設した。この樹脂層表面にセロテープ
(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥離したとき
の剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判定する。 5%未満剥離 :○(良好) 5%以上、50%未満剥離 :△(普通) 50%以上剥離 :×(不良)
【0040】・接着性2 フィルムの易接着層面に親水性樹脂を主成分とする樹脂
層を形成させ、積層フィルムを作成した。樹脂層は塗液
(ポリビニルアセタール 10重量%、水 90重量
%)を易接着層面に乾燥厚みで10μmになるよう調整
し塗布し、100℃で4分間加熱し、乾燥させることに
より塗設した。更に樹脂層表面に、インクジェットプリ
ンター(HP DeskJet710C)で黒色のベタ
印刷(15cm×15cmの面積)を施し、その表面に
セロテープ(ニチバン製18mm巾)を貼り、急速に剥
離したときの剥離状況を目視観察し、以下の基準にて判
定する。 5%未満剥離 :○(良好) 5%以上、50%未満剥離 :△(普通) 50%以上剥離 :×(不良)
【0041】(5)ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)に試
料10mgをセットし、300℃の温度で5分間溶融し
た後、液体窒素中で急冷する。この急冷試料を10℃/
分で昇温し、ガラス転移温度(Tg)を測定する。
【0042】[実施例1〜4および比較例1]25℃の
o−クロロフェノール中で測定した極限粘度0.61の
ポリエチレンテレフタレート(滑剤含有、Tg=78
℃)をTダイから280〜300℃の温度で溶融押出
し、これを約30℃に維持してある回転冷却ドラム上で
静電印加しつつ急冷して未延伸フィルムを得た。次いで
該未延伸フィルムを105℃にて長手方向に3.6倍延
伸して一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルム
の片面に、固形分濃度3重量%の表1に示す組成の塗液
をキスコート法にて4g/m 2 塗工した。次に120℃
で幅方向に3.8倍に延伸し220℃で固定長で緊張熱
処理を行い、210℃で幅方向に2%収縮させながら再
熱処理を行い易接着層を積層した厚みが100μmの二
軸配向ポリエステルフィルムを得た。フィルム物性を表
1に示す。
【0043】[比較例2]易接着層の塗工を行わない以
外は実施例と同様に製膜し、二軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の樹脂の組成は以下の通りである。 アクリルA:メチルメタクリレート70モル%/エチル
アクリレート20モル%/2−ヒドロキシエチルメタク
リレート10モル%で構成されている。 アクリルB:メチルメタクリレート70モル%/エチル
アクリレート30モル%で構成されている。 ポリエステル:テレフタル酸32モル%/イソフタル酸
12モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル
%/エチレングリコール46モル%/ジエチレングリコ
ール4モル%で構成されている。 架橋剤:1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミン)
シクロヘキサン 濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテ
【0046】
【発明の効果】本発明の易接着性フィルムによれば、O
HPフィルム、ラベル、プロッター用フィルム、写真用
フィルム、写真印画紙フィルムなど、バーコードラベ
ル、磁気カード、グラフィックアーツ用などの機能層と
してポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ニ
トロセルロース、ポリオキシエチレン等の水溶性・親水
性樹脂を主成分として含有する層が使用される全てに対
して良好な接着性を有するポリエステルフィルムを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北澤 諭 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 BA01 CA02 CA07 DA04 EA06 4F100 AH02B AK25B AK41A AK41B AK41J AK42A AL01B AL06B AR00B BA02 CA18 EH46B EJ37 GB90 JA11A JA20A JA20B JB20B JL11 JL11B YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶配向が完了する前のポリエステルフ
    ィルムの少なくとも片面に、水酸基を有するアクリル樹
    脂を含む水性塗液を塗布した後、乾燥、延伸、更に熱処
    理を施して得られる易接着層を設けた易接着性ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 易接着層の厚みが0.001〜1μmで
    ある請求項1に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 易接着層表面の濡れ指数が35〜75m
    N/mの範囲である請求項1または2に記載の易接着性
    ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムを構成するポリエス
    テルがポリエチレンテレフタレートを主成分とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムを構成するポリエ
    ステルがポリエチレン−2,6−ナフタレートを主成分
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の易接着性ポリ
    エステルフィルム。
  6. 【請求項6】 易接着層を構成する成分が水酸基を有す
    るアクリル樹脂20〜80重量%、ポリエステル共重合
    体80〜20重量%を含む請求項1乃至5のいずれかに
    記載のポリエステルフィルム。
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